JP3577217B2 - 内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、火花点火式エンジンに適用される点火プラグのくすぶりの有無を判定する手段を備えた内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置に関し、特に簡単な構成で点火プラグの電極間の絶縁抵抗を計測することにより、くすぶりの有無を高精度に検出することのできる内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車などの車両の定期点検時の工数を低減させるために、メンテナンスフリー(保守点検やそのための取り外しを必要としない)システムの開発が盛んに行われている。
【0003】
このような技術開発の一環として、内燃機関点火装置の点火プラグに関して言えば、点火プラグ自体がすぐれた品質を有し且つ長寿命であるとともに、信頼性があり、特に、いわゆる「くすぶり」に対して強い特性をもつことが要求されている。
【0004】
一般に、空燃比が濃い(リッチ)状態で連続使用すると、カーボンが発生して点火プラグの発火部に付着するが、このカーボン付着物(他の汚れなども含む)によってハウジングと中心電極間の絶縁が低下し、カーボン付着物を通じて高電圧が漏洩し、点火プラグの間隙で火花が飛ばなくなる現象が発生する。このような現象を「くすぶり」と称される。
【0005】
くすぶりの度合と火花間隙における絶縁抵抗との関係を示すと、たとえば絶縁抵抗が1MΩ以下の場合には、完全なくすぶり状態で、ほとんど発火不能な状態である。
【0006】
また、絶縁抵抗が1MΩ〜10MΩの場合には、運転条件の如何によって発火しない状態であり、10MΩ以上の場合には、たとえカーボン付着物があっても問題はない程度の状態である。
【0007】
上記の例において、絶縁抵抗が10MΩ以上の場合のくすぶり状態を特に問題視するにおよばないと見なしたのは、点火プラグ自体の作動を通じて、自己清浄性が備わっているからである。
【0008】
すなわち、点火プラグに付着したカーボンは、運転条件が高速になってプラグ温度が上昇し、自己清浄温度(ガソリン銘柄によって若干異なるが、たとえば、加鉛ガソリンでは約450℃、無鉛ガソリンでは約500℃〜530℃)以上になると、自然に焼け切れて、清浄化される。
【0009】
このように点火プラグが自己清浄温度に達する車速(自己清浄車速)は、点火プラグの熱価によって当然に変化するものである。点火プラグの熱価とは、点火プラグが受ける熱を発散する度合であり、この熱を発散する度合の大きい点火プラグは高熱価と称され、逆に、熱を発散する度合の小さい点火プラグは低熱価と称される。
【0010】
したがって、市場でしばしば実行されているように、くすぶりが発生した場合の対策の1つとして、低熱価の点火プラグに変更することは、自己清浄車速を低くして、使用中にカーボン付着物が焼き切れるチャンスを多くすることを意味している。
【0011】
従来より、点火プラグのくすぶり検出装置としては、たとえば特開昭56−88962号公報に記載されたものが提案されている。
この従来装置においては、点火コイルの放電中の一次電圧波形および二次電流波形を検出して演算処理し、点火のくすぶり状態を検出しているが、くすぶり検出のための回路構成が複雑となってコストアップを招くことになる。
【0012】
また、たとえば特公平6−80312号公報に記載された装置においては、点火コイルの一次側への通電期間中に点火コイルの一次側または二次側に誘起される電圧値(または、電流値)を検出し、このコイル誘起信号の大きさ(または、これに含まれる振動成分)をくすぶり検出信号として検出し、くすぶり検出信号を分析して点火プラグのくすぶり状態を判定している。
【0013】
この場合、点火プラグのくすぶり発生によって絶縁抵抗が低下したときに、点火コイルの通電電流が負荷変化の影響により脈動(または、電流値が変化)することに着目し、点火プラグのくすぶり状態を検出しているが、やはり、くすぶり検出のための回路構成が複雑となってコストアップを招くことになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従来の内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置は以上のように、たとえば特公平6−80312号公報に記載された装置の場合、点火コイルの二次側の絶縁抵抗および浮遊容量によって発生する高周波成分を、フィルタや積分器などの複雑な回路によって抽出し且つ比較することが必要であり、高周波成分の抽出までに経る行程が多く且つ複雑なので、結局、検出精度に支障が生じるという問題点があった。
【0015】
また、点火コイルの二次側の絶縁抵抗が同一であっても、エンジンシステムによって発生する高周波成分が異なることから、エンジンによって回路や判定レベルのマッチング調整作業が必要となり、絶縁抵抗と高周波成分とが単純な比例関係にないので、くすぶりレベルを幅広く検出するためには、個々の絶縁抵抗に対する高周波成分を調査する必要があるという問題点があった。
【0016】
さらに、高周波成分を一次側で検出するシステムにおいては、二次側検出と比べて耐圧などの面で有利になるものの、トランス構成からなる点火コイルを通して高周波成分が小さくなるので、検出処理の面で不利になるという問題点があった。
【0017】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、簡単な構成で点火プラグの電極間の絶縁抵抗を計測することにより、くすぶりの有無を高精度に検出することのできる内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置は、内燃機関の点火装置に設けられた点火コイルと、点火コイルの二次側に接続された点火プラグと、点火コイルの一次側への通電を制御する通電制御手段と、内燃機関の燃焼継続中の期間を除くくすぶり検出期間に点火コイルの二次側にバイアス電圧を印加する電圧印加手段と、バイアス電圧により点火コイルの二次側に誘起される誘起電圧値を検出する電圧検出手段と、誘起電圧値に基づいて点火プラグのくすぶり状態を判定するくすぶり判定手段とを備え、電圧検出手段は、点火プラグの周辺での燃焼により発生するイオン電流を検出するイオン電流検出手段により構成され、イオン電流を誘起電圧値として検出するものである。
【0020】
また、この発明の請求項2に係る内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置は、請求項1において、電圧印加手段は、内燃機関の点火時に点火コイルの二次側に誘起される二次電圧を蓄積する二次電圧蓄積手段により構成され、二次電圧の蓄積エネルギーをバイアス電圧として印加するものである。
【0021】
また、この発明の請求項3に係る内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置は、請求項1において、電圧印加手段は、点火コイルに給電するためのバッテリ電圧をバイアス電圧として印加するものである。
【0022】
また、この発明の請求項4に係る内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置は、請求項3において、電圧印加手段は、バッテリ電圧を昇降圧してバイアス電圧として印加するものである。
【0023】
また、この発明の請求項5に係る内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置は、請求項1において、電圧印加手段は、内燃機関により駆動される発電装置によって構成され、発電装置の出力電圧をバイアス電圧として印加するものである。
【0024】
また、この発明の請求項6に係る内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置は、請求項1から請求項5までのいずれか1項において、くすぶり判定手段は、内燃機関の理想空燃比による運転領域を除く運転領域において、くすぶり状態を判定するものである。
【0025】
また、この発明の請求項7に係る内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置は、請求項1から請求項5までのいずれか1項において、くすぶり判定手段は、内燃機関の非燃焼期間にくすぶり状態を判定するものである。
【0026】
また、この発明の請求項8に係る内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置は、請求項7において、くすぶり判定手段は、内燃機関の燃料カット運転領域において、くすぶり状態を判定するものである。
【0027】
また、この発明の請求項9に係る内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置は、請求項1から請求項8までのいずれか1項において、くすぶり判定手段は、内燃機関の回転に対応したクランク角信号に同期したタイミングでくすぶり状態を判定するものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図について説明する。図1はこの発明の実施の形態1によるシステム構成を示す機能ブロック図である。
図1において、100は内燃機関の本体となるエンジン、101は点火信号Pを出力する点火制御装置である。
【0029】
102はトランス構成からなる点火コイルであり、点火信号Pが一次電圧V1として一次側に印加されることにより、一次側と二次側との巻線比に応じた点火用の二次電圧V2を発生する。
点火制御装置101は、点火コイル102の一次側への通電を制御する通電制御手段として機能する。
【0030】
103はエンジン100の各気筒に取り付けられた点火プラグであり、火花点火により各気筒内の混合気を着火するようになっている。
点火制御装置101、点火コイル102および点火プラグ103は、従来よりエンジン100に装着された構成要素である。
【0031】
104は点火コイル102に接続された二次側電圧印加装置であり、点火コイル102の二次側にくすぶり検出用のバイアス電圧Vcを印加する。
105は点火コイル102に接続された二次側電流検出装置であり、バイアス電圧Vcの印加によって点火コイル102の二次側に誘起される誘起電圧値Viを二次側電流i2として検出する。
【0032】
106は二次側電流検出装置105に接続されたくすぶり判定装置であり、二次側電流i2に基づいて、点火プラグ103の「くすぶり状態」を判定する。
二次側電圧印加装置104、二次側電流検出装置105およびくすぶり判定装置106は、この発明により新たに追加された構成要素である。
また、判定装置106は、マイクロコンピュータを含むECU(電子制御ユニット)により構成され得る。
【0033】
二次側電圧印加手段104は、エンジン100の燃焼継続中の期間を除く「くすぶり検出期間」において、点火コイル102の二次側にバイアス電圧Vcを印加するようになっている。
【0034】
図2は図1内の点火制御装置101、点火コイル102、点火プラグ103、二次側電圧印加装置104および二次側電流検出装置105を具体的に示す回路図である。
【0035】
図2において、1は点火コイル102に給電を行うバッテリである。点火コイル102は、一次巻線2aおよび二次巻線2bにより構成されている。
3は点火制御装置101を構成するパワートランジスタであり、一次巻線2aに接続されて、一次電流を通電遮断する。
【0036】
点火プラグ103は、二次巻線2bの高圧側に接続されて、点火用の二次電圧V2が印加されることにより、エンジン100(図1参照)の気筒内の混合気を着火する。
ここでは、1つの気筒に対する点火部のみを代表的に示しているが、同様の点火部が各気筒毎に設けられていることは言うまでもない。
【0037】
この場合、二次側電圧印加装置104および二次側電流検出装置105は、点火プラグ103を通して流れるイオン電流i(二次側電流i2)を検出するイオン電流検出装置を構成しており、くすぶり検出を行う装置としても機能する。
【0038】
二次側電圧印加装置104は、二次巻線2bの低圧側に接続されたバイアス電源となるコンデンサ5と、コンデンサ5に並列接続されたツェナーダイオード6とにより構成されている。
【0039】
コンデンサ5は、エンジン100の点火時に、点火コイル102の二次側に誘起される二次電圧V2を蓄積してバイアス電圧Vcとする。
ツェナーダイオード6は、一端が二次巻線2bの低圧側に接続され、且つ他端が接地されており、コンデンサ5に充電されるバイアス電圧Vcをクランプしている。
【0040】
二次側電流検出装置105は、コンデンサ5の他端に接続されたダイオード7と、ダイオード7に並列接続されたイオン電流検出用の低抗器8とにより構成されている。ダイオード7および抵抗器8の各他端は接地されている。
【0041】
点火プラグ103の周辺で混合気が燃焼すると、燃焼過程の電離作用により、イオンが発生する。
したがって、二次電圧V2の蓄積エネルギーをコンデンサ5のバイアス電圧Vcとして印加することにより、イオン電流iが流れ、二次側電流検出装置105は、イオン電流iを誘起電圧値Viとして検出することができる。
【0042】
次に、図3および図4の回路図、図5および図9の波形図、図6および図7の拡大断面図、ならびに、図8の等価回路図を参照しながら、図2に示したこの発明の実施の形態1の回路動作について説明する。
【0043】
図3は点火時の二次側電流i2の経路(実線参照)、図4はイオン電流iの経路(破線参照)、図5は正常時のイオン電流i、図6は正常時の点火プラグ103の状態、図7はくすぶり発生時の点火プラグ103の状態、図8はくすぶり発生時の等価回路、図9はくすぶり発生時の二次側電流i2をそれぞれ示す。
【0044】
図6および図7において、100aはエンジン100の燃焼室、103aは点火プラグ103の電極間の空隙、103bは点火プラグ103の絶縁部、Rbは点火プラグ103の各電極間の抵抗値である。
【0045】
また、図7において、Cは点火プラグ103の周辺に付着したカーボンである。
また、図8において、Rは点火プラグ103に並列接続された等価的な抵抗器であり、図7内の抵抗値Rbに相当する。
さらに、図9において、iRは燃焼終了後のリーク電流である。
【0046】
まず、図6に示した正常の点火プラグ103の場合の動作について説明する。エンジン100の点火時期において、点火信号Pに応答して、パワートランジスク3により一次巻線2aの通電が遮断されると、二次巻線2bの高圧側に負極性の二次電圧V2が生じる。
【0047】
これにより、図3内の実線矢印で示す経路に沿って放電電流が流れ、点火プラグ4の電極間に放電を生じるので、エンジン100の混合気が着火されるとともに、コンデンサ5が充電される。
このとき、コンデンサ5の充電電圧Vcは、ツェナーダイオード6により任意に設定される。
【0048】
また、混合気の燃焼にともなって、点火プラグ103の周辺の電離作用によりイオンが発生するので、コンデンサ5の正極性のバイアス電圧Vcによる電子の移動により、図4内の破線矢印で示す経路に沿ってイオン電流iが流れる。
このとき、抵抗器8で発生する電圧降下を誘起電圧値Viとして検出することにより、混合気の燃焼状態を示すイオン電流iを検出することができる。
【0049】
こうして検出されたイオン電流i(二次側電流i2)の波形を図5に示す。
図5において、時刻t1〜t3の期間Aは、燃焼過程の期間、時刻t1〜t2の期間A1は、バイアス電圧Vcが二次電圧V2よりも低い動作期間、時刻t2〜t3の期間A2は、バイアス電圧Vcが二次電圧V2よりも高い動作期間、時刻t3以降の期間Bは、燃焼終了期間である。
【0050】
通常、点火プラグ103の電極間の抵抗値Rbは、図6のように無限大と考えられるが、燃焼期間中においては、燃焼過程期間Aにおいて発生するイオンがエンジン100内に存在するので、点火コイル102の二次側に印加したバイアス電圧Vcによってイオンが移動し、イオン電流iとして検出される。
【0051】
ここで、点火時刻t1の直後の一定期間A1にわたってイオン電流iが検出されない理由は、コンデンサ5に充電されているバイアス電圧Vcが点火によって生じた二次電圧V2よりも低いからである。
【0052】
その後、二次電圧V2は、燃焼時に急速に低下していくので、バイアス電圧Vcが二次電圧V2を上回る動作期間A2になったときに、イオン電流iが検出できるようになる。
さらに、燃焼終了期間Bの時刻t3まで達してしまうと、エンジン100内にイオンが存在しなくなるので、イオン電流iが全く検出されなくなる。
【0053】
一方、図7のように、点火プラグ103の電極表面にカーボンCなどが付着した場合においては、図8のように、点火プラグ103の電極間に抵抗値Rb(数MΩ)の抵抗器Rが等価的に存在することになる。
【0054】
したがって、点火コイル103の二次側にバイアス電圧Vcを印加すると、点火プラグ103の電極間に二次側電流i2が流れることになる。
これは、一般的にリーク(漏れ)電流iRと称される。
【0055】
このとき、図9に示すように、燃焼終了後の期間Bにおいても二次側電流i2(リーク電流iR)が検出されることになる。
二次側電流i2は、くすぶり判定装置106(図1参照)に入力され、くすぶり状態の判定に用いられる。
【0056】
くすぶり判定装置106は、たとえば、燃焼レベルのイオン電流iが検出されてから所定期間経過後に、リーク電流iRに相当するレベルの二次側電流i2が検出された場合に、点火プラグ103がくすぶり状態にあるものと判定する。
【0057】
このように、非燃焼期間Bにおいて点火コイル102の二次側にバイアス電圧Vcを印加したときに流れる二次側電流i2を計測することにより、点火プラグ103のくすぶり(絶縁抵抗)状態を直接検出することができる。
【0058】
したがって、通常のイオン電流検出装置を用いた簡単な回路構成により、エンジン100のシステムが異なる場合であっても、回路や判定レベルのマッチング調整作業がほとんど不要で、くすぶり状態を検出することができる。
また、くすぶり度合い(絶縁抵抗)の検出範囲が広く、且つ精度良く検出することができる。
【0059】
なお、ここでは、点火コイル102の二次側にバイアス電圧Vcを印加する手段としてコンデンサ5を用いたが、バッテリ1から直接または昇降して供給してもよく、エンジン100により駆動される発電装置の出力を用いてもよい。
【0060】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、くすぶり判定条件を特に考慮しなかったが、無用なエネルギーロスを抑制するために、くすぶり判定条件を設定して、くすぶり検出を行う領域を限定してもよい。
【0061】
図10はエンジン100の制御空燃比が理想空燃比の場合にくすぶり判定を禁止して、無用なエネルギーロスを抑制したこの発明の実施の形態2によるくすぶり判定動作を示すフローチャートである。
【0062】
通常、点火プラグ103のくすぶり状態は、不完全な燃焼によるカーボン(未燃焼成分)が点火プラグ103の電極に付着することによって発生するので、理想空燃比(A/F=14.7)で運転されている場合には、点火プラグ103のくすぶり状態が発生することはほとんどない。したがって、理想空燃比においては、無用なくすぶり検出を禁止することが望ましい。
【0063】
図10において、くすぶり判定装置106は、まず、現在の制御空燃比A/Fが理想空燃比(14.7)であるか否かを判定し(ステップS1)、もし、A/F=14.7(すなわち、YES)と判定されれば、くすぶり判定が不要な状態を見なして、くすぶり検出制御を実行しない(ステップS2)。
【0064】
一方、ステップS1において、現在の運転状態がリッチ領域またはリーン領域であって、A/F≠14.7(すなわち、NO)と判定されれば、くすぶりが発生し得る状態なので、続いて、バイアス電圧Vcの印加タイミングであるか否かを判定する(ステップS3)。
【0065】
もし、バイアス電圧Vcの印加タイミングでない(すなわち、NO)と判定されれば、印加タイミングになるまで待機状態となり、バイアス電圧Vcの印加タイミングである(すなわち、YES)と判定されれば、バイアス電圧Vcを印加する(ステップS4)。
【0066】
続いて、燃焼が終了して二次側電流i2の検出可能条件が成立したか否かを判定し(ステップS5)、もし、不成立(すなわち、NO)と判定されれば、成立するまで待機状態となり、検出可能条件が成立した(すなわち、YES)と判定されれば、二次側電流i2を検出する(ステップS6)。
【0067】
最後に、二次側電流i2が0レベルか否(リーク電流iRのレベル以上)かを判定し(ステップS7)、もし、i2=0(すなわち、YES)と判定されれば、くすぶり無しと判定し(ステップS8)、i2>0(すなわち、NO)と判定されれば、くすぶり有りと判定し(ステップS9)、図10の処理ルーチンを終了する。
【0068】
これにより、くすぶりが発生しにくい理想空燃比(A/F=14.7)の場合には、無駄なくすぶり判定処理を禁止することができる。
なお、図10においては、点火コイル102の二次側に対して、燃焼終了前の期間からバイアス電圧Vcを印加したが、先に燃焼終了を確認しておき、その後、バイアス電圧Vcを印加してもよい。
【0069】
実施の形態3.
なお、上記実施の形態2では、理想空燃比を除く運転状態(リーン領域またはリーン領域)をくすぶり判定条件として限定したが、エンジン100の非燃焼期間にくすぶり状態を判定するようにしてもよい。
【0070】
たとえば、上記実施の形態1では、燃焼と燃焼との間の極めて限られた時間内のタイミングでくすぶり検出を実行しているので、装置全体がある程度複雑な構成となってしまう。
【0071】
しかし、エンジンによっては、ほとんどくすぶりが発生しないシステムもあり、このようなエンジンシステムの場合、くすぶり検出処理をごく稀に実行すればよい。
【0072】
したがって、たとえば、燃料カット運転領域でくすぶり検出を実行すれば、燃焼期間を考慮する必要がないので、簡単にくすぶりを検出することができる。
図11は燃料カット中の運転状態をくすぶり判定条件として限定したこの発明の実施の形態3によるくすぶり判定動作を示すフローチャートである。
【0073】
図11において、ステップS2、S4、S6〜S9は前述と同様のステップである。
この場合、くすぶり判定装置106は、まず、現在の運転状態が燃料カット中であるか否かを判定し(ステップS11)、燃料カット中でない(すなわち、NO)と判定されれば、くすぶり検出制御を実行しない。
【0074】
一方、ステップS11において、燃料カット中である(すなわち、YES)と判定されれば、バイアス電圧Vcを点火コイル102の二次側に印加して(ステップS4)、二次側電流i2を検出する(ステップS6)。以下、前述とステップS7〜S9を実行する。
【0075】
このように、エンジン100の燃料カット運転領域においてのみ、くすぶり状態の判定を実行することにより、くすぶり判定の実行頻度がさらに低減されて、エネルギーロスを抑制することができる。
【0076】
また、火花放電を行うエンジン100の非燃焼期間に、点火コイル102の二次側にバイアス電圧Vcを印加し、点火プラグ103の電極間の絶縁抵抗を直接計測するように構成したので、簡単な装置で高精度に点火プラグ103のくすぶりを検出することができる。
【0077】
実施の形態4.
なお、上記実施の形態3では、燃料カット運転領域でくすぶり状態を検出するようにしたが、他の検出方法として、エンジン100の制御に用いられるクランク角信号CAのタイミングでくすぶり状態を検出するようにしてもよい。
【0078】
図12はクランク角信号CAのタイミングをくすぶり判定条件として限定したこの発明の実施の形態4によるくすぶり判定動作を示すタイミングチャートである。
一般に、エンジンによっては、クランク角信号CAのタイミングを利用することも可能である。
【0079】
図12において、クランク角信号CAは、周知のクランク角センサから得られるパルスからなり、各気筒#1〜#4に関して、上死点TDCから75°手前のクランク角位置B75°で立ち上がり、上死点TDCから5°手前のクランク角位置B5°で立ち下がる。
【0080】
この場合、くすぶり判定装置106(図1参照)は、エンジン100の回転に対応したクランク角信号CAに同期したタイミングB75°で二次側電流i2を検出し、二次側電流i2のレベルが0か否か(ステップS7参照)により、点火プラグ103のくすぶり状態を判定する。
【0081】
通常、クランク角信号CAの立ち上がりエッジに対応した各気筒のクランク角位置B75°においては、燃焼前(イオン電流iが発生する前)の状態なので、点火プラグ103の絶縁抵抗に相当する二次側電流i2を確実に検出することができる。
したがって、通常のクランク角信号CAを用いた簡単な構成で、くすぶり状態を高精度に検出することができる。
【0082】
【発明の効果】
以上のようにこの発明の請求項1によれば、内燃機関の点火装置に設けられた点火コイルと、点火コイルの二次側に接続された点火プラグと、点火コイルの一次側への通電を制御する通電制御手段と、内燃機関の燃焼継続中の期間を除くくすぶり検出期間に点火コイルの二次側にバイアス電圧を印加する電圧印加手段と、バイアス電圧により点火コイルの二次側に誘起される誘起電圧値を検出する電圧検出手段と、誘起電圧値に基づいて点火プラグのくすぶり状態を判定するくすぶり判定手段とを備え、電圧検出手段は、点火プラグの周辺での燃焼により発生するイオン電流を検出するイオン電流検出手段により構成され、イオン電流を誘起電圧値として検出することにより、点火プラグの電極間の絶縁抵抗を計測するようにしたので、簡単な構成でくすぶりの有無を高精度に検出することのできる内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置が得られる効果がある。
【0084】
また、この発明の請求項2によれば、請求項1において、電圧印加手段は、内燃機関の点火時に点火コイルの二次側に誘起される二次電圧を蓄積する二次電圧蓄積手段により構成され、二次電圧の蓄積エネルギーをバイアス電圧として印加するようにしたので、簡単な構成でくすぶりの有無を高精度に検出することのできる内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置が得られる効果がある。
【0085】
また、この発明の請求項3によれば、請求項1において、電圧印加手段は、点火コイルに給電するためのバッテリ電圧をバイアス電圧として印加するようにしたので、簡単な構成でくすぶりの有無を高精度に検出することのできる内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置が得られる効果がある。
【0086】
また、この発明の請求項4によれば、請求項3において、電圧印加手段は、バッテリ電圧を昇降圧してバイアス電圧として印加するようにしたので、簡単な構成でくすぶりの有無を高精度に検出することのできる内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置が得られる効果がある。
【0087】
また、この発明の請求項5によれば、請求項1において、電圧印加手段は、内燃機関により駆動される発電装置によって構成され、発電装置の出力電圧をバイアス電圧として印加するようにしたので、簡単な構成でくすぶりの有無を高精度に検出することのできる内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置が得られる効果がある。
【0088】
また、この発明の請求項6によれば、請求項1から請求項5までのいずれか1項において、くすぶり判定手段は、内燃機関の理想空燃比による運転領域を除く運転領域において、くすぶり状態を判定するようにしたので、簡単な構成でくすぶりの有無を高精度に検出するとともに、エネルギーロスを抑制した内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置が得られる効果がある。
【0089】
また、この発明の請求項7によれば、請求項1から請求項5までのいずれか1項において、くすぶり判定手段は、内燃機関の非燃焼期間にくすぶり状態を判定するようにしたので、簡単な構成でくすぶりの有無を高精度に検出するとともに、エネルギーロスを抑制した内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置が得られる効果がある。
【0090】
また、この発明の請求項8によれば、請求項7において、くすぶり判定手段は、内燃機関の燃料カット運転領域において、くすぶり状態を判定するようにしたので、簡単な構成でくすぶりの有無を高精度に検出するとともに、エネルギーロスを抑制した内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置が得られる効果がある。
【0091】
また、この発明の請求項9によれば、請求項1から請求項8までのいずれか1項において、くすぶり判定手段は、内燃機関の回転に対応したクランク角信号に同期したタイミングでくすぶり状態を判定するようにしたので、簡単な構成でくすぶりの有無を高精度に検出することのできる内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるシステム構成を示す機能ブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1の構成を具体的に示す回路図である。
【図3】この発明の実施の形態1による点火時の二次側電流の経路を示す回路図である。
【図4】この発明の実施の形態1による点火時のイオン電流の経路を示す回路図である。
【図5】この発明の実施の形態1による正常時のイオン電流を示す波形図である。
【図6】この発明の実施の形態1による正常時の点火プラグの状態を示す拡大断面図である。
【図7】この発明の実施の形態1によるくすぶり発生時の点火プラグの状態を示す拡大断面図である。
【図8】この発明の実施の形態1によるくすぶり発生時の等価回路図である。
【図9】この発明の実施の形態1によるくすぶり発生時の二次側電流を示す波形図である。
【図10】この発明の実施の形態2によるくすぶり判定動作を示すフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態3によるくすぶり判定動作を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態4によるくすぶり判定動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 バッテリ、2a 一次巻線、2b 二次巻線、3 パワートランジスタ、5 コンデンサ(二次電圧蓄積手段)、101 点火制御装置(通電制御手段)、102 点火コイル、103 点火プラグ、104 二次側電圧印加装置、105 二次側電流検出装置(電圧検出手段)、106 くすぶり判定装置、A燃焼過程の期間、B 燃焼終了期間、B75° くすぶり検出タイミング、Cカーボン、CA クランク角信号、i イオン電流、i2 二次側電流、Vcバイアス電圧、Vi 誘起電圧値、V2 二次電圧、S1 理想空燃比を判定するステップ、S2 くすぶり検出を禁止するステップ、S6 二次側電流を検出するステップ、S7 くすぶりの有無を判定するステップ、S8 くすぶり無しを判定するステップ、S9 くすぶり有りを判定するステップ、S11 燃料カット運転領域を判定するステップ。
Claims (9)
- 内燃機関の点火装置に設けられた点火コイルと、
前記点火コイルの二次側に接続された点火プラグと、
前記点火コイルの一次側への通電を制御する通電制御手段と、
前記内燃機関の燃焼継続中の期間を除くくすぶり検出期間に前記点火コイルの二次側にバイアス電圧を印加する電圧印加手段と、
前記バイアス電圧により前記点火コイルの二次側に誘起される誘起電圧値を検出する電圧検出手段と、
前記誘起電圧値に基づいて前記点火プラグのくすぶり状態を判定するくすぶり判定手段とを備え、
前記電圧検出手段は、
前記点火プラグの周辺での燃焼により発生するイオン電流を検出するイオン電流検出手段により構成され、
前記イオン電流を前記誘起電圧値として検出することを特徴とする内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置。 - 前記電圧印加手段は、
前記内燃機関の点火時に前記点火コイルの二次側に誘起される二次電圧を蓄積する二次電圧蓄積手段により構成され、
前記二次電圧の蓄積エネルギーを前記バイアス電圧として印加することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置。 - 前記電圧印加手段は、前記点火コイルに給電するためのバッテリ電圧を前記バイアス電圧として印加することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置。
- 前記電圧印加手段は、前記バッテリ電圧を昇降圧して前記バイアス電圧として印加することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置。
- 前記電圧印加手段は、
前記内燃機関により駆動される発電装置によって構成され、
前記発電装置の出力電圧を前記バイアス電圧として印加することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置。 - 前記くすぶり判定手段は、前記内燃機関の理想空燃比による運転領域を除く運転領域において、前記くすぶり状態を判定することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置。
- 前記くすぶり判定手段は、前記内燃機関の非燃焼期間に前記くすぶり状態を判定することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置。
- 前記くすぶり判定手段は、前記内燃機関の燃料カット運転領域において、前記くすぶり状態を判定することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置。
- 前記くすぶり判定手段は、前記内燃機関の回転に対応したクランク角信号に同期したタイミングで前記くすぶり状態を判定することを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の内燃機関の点火プラグくすぶり検出装置。
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-
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