JP2009023502A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】空気入りタイヤにおいて、軽量化及び耐久性の向上を図る。
【解決手段】トレッド部Aにベルト層15を設けると共に、トレッド部Aからショルダー部B及びサイドウォール部Cを介してビード部Dまで延在してビード部Dにおけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返されてベルト層15まで延設される一層のカーカス層14を設け、ビードコア20のタイヤ径方向外側にビードフィラー21を配設してビード部Dを構成すると共に、ビードフィラー21におけるタイヤ径方向高さを10mm以下に設定し、ビード部Dにおけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返される補強層31を設け、この補強層の引張弾性率を7GPa以上の高弾性有機繊維から構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トレッド部、ショルダー部、サイドウォール部、ビード部からなる空気入りタイヤに関し、特に、ビード部の補強構造に関するするものである。
一般的な空気入りタイヤは、トレッド部とショルダー部とサイドウォール部とビード部からなり、トレッド部にタイヤの骨格を形成するカーカス層が配置され、このカーカス層の外側にベルト層が配置されると共に、その外側にベルトカバーが配置されている。また、ビード部にて、ビードワイヤが巻き付けられてリング形状をなすビードコアが形成され、このビードコアの外周側にビードフィラーが配設されると共に、ビードコアの周囲に上述したカーカス層の端部がタイヤ内側から外側に折り返して装架されている。
ところで、近年、デザイン性や操縦安定性などを向上する目的で、タイヤサイズを大きくすることが好まれている。特に、SUV(Sport Utility Vehicle)と呼ばれる車両では、大きな車体における操縦安定性や高い旋回性能を確保する一方で、デザイン性を重視する必要があることから、大きなサイズのタイヤを装着する傾向にある。
ところが、車両に装着するタイヤのサイズを大きくすると、バネ下重量が増大してしまうという問題がある。即ち、タイヤは、サスペンション(懸架装置)を介して車体に指示されており、ここで言うバネ下とは、サスペンション、タイヤ、ホイール、ブレーキ、アームなどの車両の足廻り以下の可動部分を指しており、バネ下重量とは、この可動部分の重量である。このバネ下重量が軽くなると、ショックにおける路面での追従性がよくなり、慣性の影響を最低限にすることで、タイヤはより俊敏に路面の凹凸に追従し、サスペンションはこの凹凸を正確に吸収することができる。一方、このバネ下重量が重くなってしまうと、ショックに対して柔軟に動かず、路面の凹凸状態が本体にまで影響し、乗り心地が悪化してしまうだけでなく、タイヤの耐久性が低下してしまう。
そこで、タイヤの剛性を高めることでバネ下重量の増大を抑制し、良好な乗り心地と十分な耐久性を確保するようにしたものが各種提案されている。例えば、下記特許文献1に記載された空気入りラジアルタイヤは、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスとして、ハイターンアッププライ及びセミターンアッププライを設けると共に、ビードエーペックスに沿ってタイヤ半径方向にのびるコード補強層を設けたものである。また、下記特許文献2に記載された高性能空気入りタイヤは、二層構造のカーカス層と、フォールドベルト及びカットエンドベルトからなるベルト層を設けると共に、ビードコア及びビードエーペックスを包み上げる構造のビード補強層を設け、このビード補強層の各コードを所望の引張り弾性率を持つ有機繊維コードとし、各プライの端部を適正配置するものである。
特開2004−352174号公報 特開平08−318705号公報
ところが、上述した従来の特許文献1に記載された空気入りラジアルタイヤでは、コード補強層がビード部を構成するビードエーペックスのタイヤ幅方向の外側にタイヤ半径方向に沿って設けられており、ビード部の剛性アップという点では不十分であり、また、ビードエーペックスにおける径方向高さが大きいことから、軽量化が困難となる。また、従来の特許文献2に記載された高性能空気入りタイヤでは、ビード補強層がビードコア及びビードエーペックスを包み上げるように設けられており、ビード部を剛性アップ可能であるものの、ビードエーペックスにおける径方向高さが大きいことから、軽量化が困難となると共に、このビードエーペックスの硬度が高いとクラックが発生しやすく耐久性が低下してしまう。更に、ビードコア及びビードエーペックスを包み上げたビード補強層の端部がベルト層の端部に近接するように伸びていることから、サイドウォール部での衝撃吸収が不十分となり、この衝撃がビード補強層に作用して亀裂などが発生しやすく耐久性が低下してしまう。
本発明は、このような問題を解決するためのものであって、軽量化及び耐久性の向上を図った空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1の発明の空気入りタイヤは、トレッド部にベルト層が設けられると共に、前記トレッド部からショルダー部及びサイドウォール部を介してビード部まで延在して該ビード部におけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返されて前記ベルト層まで延設される一層のカーカス層が設けられた空気入りタイヤにおいて、前記ビード部は、タイヤ周方向にリング形状をなすビードコアのタイヤ径方向外側にビードフィラーが配設されて構成されると共に、該ビードフィラーにおけるタイヤ径方向高さが10mm以下に設定され、前記ビード部におけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返される補強層が設けられ、該補強層は引張弾性率が7GPa以上の高弾性有機繊維から構成されることを特徴とするものである。
請求項2の発明の空気入りタイヤでは、前記ビードフィラーは、JIS−A硬度が65〜80に設定されることを特徴としている。
請求項3の発明の空気入りタイヤでは、前記補強層は、引張弾性率が150GPa以下の高弾性有機繊維から構成されることを特徴としている。
請求項4の発明の空気入りタイヤでは、前記補強層におけるタイヤ径方向高さは、ビードベースラインからトレッド面までのタイヤ径方向最大高さの20%〜40%に設定されることを特徴としている。
請求項5の発明の空気入りタイヤでは、前記補強層は、芳香族ポリアミド繊維により形成され、該芳香族ポリアミド繊維の太さが3200dtex〜3500dtexに設定されると共に、前記芳香族ポリアミド繊維がタイヤ周方向に対して55度〜65度の角度で配設されることを特徴としている。
請求項6の発明の空気入りタイヤでは、前記補強層は、前記芳香族ポリアミド繊維の配設方向に直行する断面にて、前記芳香族ポリアミド繊維の配列方向における50mm範囲当たりに25本〜35本の芳香族ポリアミド繊維が配列されることを特徴としている。
請求項7の発明の空気入りタイヤでは、前記補強層は、前記ビード部におけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返され、前記カーカス層は、該補強層の外側で前記ビード部におけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返され、端部が前記ベルト層のタイヤ径方向内側まで延設されることを特徴としている。
請求項8の発明の空気入りタイヤでは、前記カーカス層は、タイヤ幅方向における一方の端部及び他方の端部が、前記ベルト層のタイヤ幅方向における一方の端部及び他方の端部とタイヤ径方向で重なって配置され、その重なり代がタイヤ幅方向における一方と他方で相違することを特徴としている。
請求項9の発明の空気入りタイヤでは、前記ベルト層のタイヤ幅方向外側にベルトクッションが配設され、前記カーカス層の端部が該ベルトクッションよりタイヤ径方向内側に配置されることを特徴としている。
請求項10の発明の空気入りタイヤでは、前記ベルトクッションは、前記ショルダー部から前記サイドウォール部まで延設され、タイヤ幅方向における最小厚さが3.5mm〜6.0mmに設定されることを特徴としている。
請求項11の発明の空気入りタイヤでは、前記ベルトクッションは、JIS−A硬度が48〜60に設定されることを特徴としている。
請求項12の発明の空気入りタイヤでは、タイヤ総幅に対するタイヤ接地幅の比率は、75%〜90%に設定されることを特徴としている。
請求項13の発明の空気入りタイヤでは、ビードベースラインからトレッド面までのタイヤ径方向最大高さは、65mm〜150mmに設定されることを特徴としている。
請求項14の発明の空気入りタイヤでは、タイヤ断面方向の呼び幅は、255以上に設定されることを特徴としている。
請求項1の発明の空気入りタイヤによれば、トレッド部にベルト層を設けると共に、トレッド部からショルダー部及びサイドウォール部を介してビード部まで延在してビード部におけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返されてベルト層まで延設される一層のカーカス層を設け、ビード部をビードコアのタイヤ径方向外側にビードフィラーを配設して構成すると共に、ビードフィラーにおけるタイヤ径方向高さを10mm以下に設定し、ビード部におけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返される補強層を設け、この補強層を引張弾性率が7GPa以上の高弾性有機繊維から構成している。従って、カーカス層を一層とすると共にビードフィラーのタイヤ径方向高さを10mm以下に設定することで、軽量化を可能とすることができると共にクラックの発生を抑制することができ、また、補強層を引張弾性率が7GPa以上の高弾性有機繊維から構成してビード部を取り囲むことで、耐久性の向上を図ることができる。
請求項2の発明の空気入りタイヤによれば、ビードフィラーのJIS−A硬度を65〜80に設定するので、ビードフィラーの変形量を適正範囲とすることで、摩耗やクラックの発生を抑制することができ、耐久性を向上することができる。この場合、ビードフィラーのJIS−A硬度が65より小さいと、たわみ量が大きくなってライナ摩耗が発生しやすくなる一方、ビードフィラーのJIS−A硬度が80より大きいと、硬すぎてクラックが発生しやすくなる。
請求項3の発明の空気入りタイヤによれば、補強層を引張弾性率が150GPa以下の高弾性有機繊維から構成するので、補強層の引張弾性率を適正範囲とすることで、摩耗やクラックの発生を抑制することができ、耐久性を向上することができる。この場合、補強層の引張弾性率が7GPaより小さいと、剛性が低すぎて摩耗を抑制できずに耐久性が不十分となる一方、補強層の引張弾性率が150GPaより大きいと、剛性が高すぎてクラックが発生しやすく耐久性が不十分となる。
請求項4の発明の空気入りタイヤによれば、補強層におけるタイヤ径方向高さを、ビードベースラインからトレッド面までのタイヤ径方向最大高さの20%〜40%に設定するので、補強層におけるタイヤ径方向高さを適正範囲とすることで、摩耗やクラックの発生を抑制することができ、耐久性を向上することができる。この場合、補強層におけるタイヤ径方向高さをタイヤ径方向最大高さの20%より低く設定すると、ビード部周辺の剛性が足りずに耐久性が不十分となる一方、補強層におけるタイヤ径方向高さをタイヤ径方向最大高さの40%より高く設定すると、フレックスゾーンが狭くなって変形がベルト層や補強層に集中し、ここでクラックが発生しやすく耐久性が不十分となる。
請求項5の発明の空気入りタイヤによれば、補強層を芳香族ポリアミド繊維により形成し、この芳香族ポリアミド繊維の太さを3200dtex〜3500dtexに設定すると共に、芳香族ポリアミド繊維をタイヤ周方向に対して55度〜65度の角度で配設するので、所定強度の補強層を設けることができる。
請求項6の発明の空気入りタイヤによれば、補強層にて、芳香族ポリアミド繊維の配列方向における50mm範囲当たりに25本〜35本の芳香族ポリアミド繊維を配列するので、複数の芳香族ポリアミド繊維により所定の剛性を確保することができる。
請求項7の発明の空気入りタイヤによれば、補強層をビード部におけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返し、カーカス層をこの補強層の外側でビード部におけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返し、端部をベルト層のタイヤ径方向内側まで延設するので、ベルト層とカーカス層と補強層を適正位置に配置することで、タイヤ全体に十分な剛性を確保することができる。
請求項8の発明の空気入りタイヤによれば、カーカス層のタイヤ幅方向における端部と、ベルト層のタイヤ幅方向における端部をタイヤ径方向で重ねて配置し、その重なり代をタイヤ幅方向における一方と他方で相違するので、タイヤ外側とタイヤ内側で適正な硬度を確保することができる。
請求項9の発明の空気入りタイヤによれば、ベルト層のタイヤ幅方向外側にベルトクッションを配設し、カーカス層の端部をベルトクッションよりタイヤ径方向内側に配置するので、カーカス層の端部をベルトクッションより適正に支持することができ、十分な剛性を確保することができる。
請求項10の発明の空気入りタイヤによれば、ベルトクッションをショルダー部からサイドウォール部まで延設し、タイヤ幅方向における最小厚さを3.5mm〜6.0mmに設定するので、ベルトクッションの厚さを適正範囲とすることで、摩耗の発生を抑制することができると共に、軽量化を可能とすることができ、耐久性を向上することができる。この場合、ベルトクッションの厚さが3.5mmより薄いと、たわみ量が大きくなってライナ摩耗が発生しやすくなる一方、ベルトクッションの厚さが6.0mmより厚いと、重量が必要以上に増加して軽量化が困難となる。
請求項11の発明の空気入りタイヤによれば、ベルトクッションのJIS−A硬度を48〜60に設定するので、ベルトクッションの硬度を適正範囲とすることで、摩耗やクラックの発生を抑制することができ、耐久性を向上することができる。この場合、ベルトクッションのJIS−A硬度が40より小さいと、たわみ量が大きくなってライナ摩耗が発生しやすくなる一方、ベルトクッションのJIS−A硬度が60より大きいと、硬すぎてクラックが発生しやすくなる。
請求項12の発明の空気入りタイヤによれば、タイヤ総幅に対するタイヤ接地幅の比率を75%〜90%に設定するので、タイヤ周方向の剛性を維持して十分な操縦安定性を確保することができると共に、縦ばね力を制限して乗心地を向上することができ、また、固有振動数を低減してロードノイズの発生を抑制することができる。
請求項13の発明の空気入りタイヤによれば、ビードベースラインからトレッド面までのタイヤ径方向最大高さを65mm〜150mmに設定するので、耐久性を効果的に向上することができる。この場合、タイヤ径方向最大高さが65mmより小さいと、補強層の高さが絶対的な高さが小さくなって十分な耐久性の向上を図ることができず、タイヤ径方向最大高さが150mmより大きいと、サイドウォール部の撓み量が大きくなってライナ摩耗が発生しやすくなる。
請求項14の発明の空気入りタイヤによれば、タイヤ断面方向の呼び幅を255以上に設定するので、軽量化及び耐久性の向上を効果的に図ることができる。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施例に係る空気入りタイヤを表すタイヤ幅方向の概略断面図、図2は、本実施例の空気入りタイヤにおける要部概略断面図である。
なお、以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向であり、タイヤ幅方向内方とは、タイヤ幅方向において赤道面(赤道線)に向かう方向であり、タイヤ幅方向外方とは、タイヤ幅方向において赤道面(赤道線)に向かう方向の反対方向である。また、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤの回転軸と直交する方向であり、タイヤ周方向とは、空気入りタイヤの回転軸を回転の中心として回転する方向である。更に、タイヤ内側とは、空気入りタイヤを正規リムにリム組みして車体に装着したとき、この車体の内側に位置する方向であり、タイヤ外側とは、このとき、車体の外側に位置する方向である。
本実施例において、図1及び図2に示すように、この空気入りタイヤ11は、トレッド部Aとその両側に連続するショルダー部Bとサイドウォール部Cとビード部Dから構成されている。そして、このトレッド部Aは、タイヤ径方向の最も外側に形成されており、このトレッド部Aの表面、即ち、この空気入りタイヤ11を装着する車両(図示省略)が走行した場合に、路面と接触する面がトレッド面12として形成されている。そして、このトレッド面12には、赤道線O1に対して、タイヤ幅方向外側の所定位置に左右一対の接地端13が設定されており、タイヤ総幅Wに対して、タイヤ接地端13の間隔がタイヤ接地幅TWとして設定されている。本実施例では、図1にて、左側がタイヤ外側であり、右側がタイヤ内側となっている。
ここで、タイヤ総幅W及びタイヤ接地幅TWとは、空気入りタイヤ11を正規リムにリム組みし、且つ、正規内圧を充填するとともに正規荷重をかけたときに、この空気入りタイヤ11が路面と接地するときのタイヤ幅方向の幅である。ここで、正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、あるいは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。また、正規荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。
カーカス層14は、ゴムで被覆された繊維やスチールで形成されたコード層からなり、タイヤの骨格を形成するものであって、一層のカーカス層14がトレッド部Aの両側からショルダー部B及びサイドウォール部Cを介してビード部Dまで延出されている。そして、このカーカス層14は、空気入りタイヤ11に空気を充填した際に圧力容器としての役目を果たす強度メンバーであり、その内圧によって荷重を支え、走行中の動的荷重に耐える構造を持っている。
そして、トレッド部Aにて、カーカス層14のタイヤ径方向外側には、複数のベルトからなるベルト層15が配置されると共に、その外側にベルトカバー16が配置されている。このベルト層15は、タイヤ周方向に貼り付けられた補強層であって、カーカス層14を締め付けてトレッド剛性を高めると共に、衝撃を緩和してトレッドに生じた外傷がカーカス層14に及ぶのを防止する。ベルトカバー16は、振動を吸収して静粛性を高めると共に、高速安定性をもたらす。
このベルト層15及びベルトカバー16の外周側には、トレッドクッションゴム17が積層体として配置されており、このトレッドクッションゴム17の外周面にトレッド面12が形成されている。また、トレッドクッションゴム17に対して、タイヤ幅方向に連続してサイドクッションゴム18が配置されており、このサイドクッションゴム18は、ベルト層15及びベルトカバー16の端部からショルダー部B及びサイドウォール部Cの最も外側に配置され、トレッド面12に生じた衝撃を吸収してカーカス層14に伝達されるのを防止すると共に、ラジアルタイヤの場合には、車軸からの駆動力を路面に伝える補助的役割も担っている。
ビード部Dにて、ビードワイヤ19はスチールワイヤであり、このビードワイヤ19を連続して巻き付けてタイヤ周方向にリング形状をなすことでビードコア20が形成されている。このビードコア20は、空気入りタイヤ11の内圧によって発生するカーカス層14のコード張力を支えるものであって、空気入りタイヤ11を図示しないホイールのリムに固定させる役割を果たし、また、カーカス層14、ベルト層15、ベルトカバー16などと共に空気入りタイヤ11の強度部材として機能する。
そして、カーカス層14の端部がこのビードコア20の周囲にタイヤ幅方向内側から外側に折り返され、このカーカス層14とビードコア20との空間にビードフィラー21が充填されることで、ビード部Dが構成される。即ち、ビードフィラー21は、ビードコア20の外周側に配設されることで、カーカス層14をビードコア20に固定すると共に、その部分の形状を整え、ビード部D全体の剛性を高める。
このように構成された本実施例の空気入りタイヤ11において、ビード部Dにおけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返されることで、ビードコア20及びビードフィラー21を取り囲む補強層31が設けられている。そして、カーカス層14が、この補強層31の外側でビード部Dにおけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返されることで、ビードコア20及びビードフィラー21を取り囲むように配置されている。
補強層31は、引張弾性率が7GPa以上で、且つ、150GPa以下の高弾性有機繊維から構成されている。また、この補強層31におけるタイヤ径方向高さFHは、ビードベースラインからトレッド面12までのタイヤ径方向最大高さ(セクション高さ)の20%〜40%に設定されている。この場合、補強層31のタイヤ径方向高さFHは、ビードベースラインから補強層31における折り返し部31bのタイヤ径方向最外側位置までの距離である。
具体的に説明すると、補強層31は、高弾性有機繊維として、例えば、芳香族ポリアミド繊維により形成されている。この芳香族ポリアミド繊維は、その太さを3200dtex(デシテックス)〜3500dtex(デシテックス)に設定することが好ましい。この場合、dtex(デシテックス)は、繊維の太さを表す単位で、10,000m当りのグラム数であり、通常「T」で表し、テックスは1,000m当たりのグラム数である。そして、この芳香族ポリアミド繊維は、空気入りタイヤ11のタイヤ周方向に対して、55度〜65度の角度をもって配設される。また、芳香族ポリアミド繊維は、その配設方向に直行するタイヤ断面にて、芳香族ポリアミド繊維の配列方向における50mm範囲当たりに25本〜35本の芳香族ポリアミド繊維を配列することが好ましい。なお、その他の高弾性有機繊維としては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)がある。また、有機繊維コードの弾性率(GPa)は、タイヤを解体して有機繊維コードを採取し、JIS L−1017に準拠して、コード径の測定と引張試験を行って応力−ひずみ曲線を描き、10Nと67Nの点を結び、その直線の傾きを求めることで得ることができる。この測定は、コード20本について行い、その平均値を有機繊維コードの弾性率としている。
そして、補強層31は、サイドウォール部Cからビード部Dにおけるタイヤ幅方向内側まで延設された補強層本体31aと、この補強層本体31aの端部からタイヤ幅方向外側に折り返されてサイドウォール部Cまで延設された折り返し部31bとを有し、折り返し部31bの端部が補強層本体31aの端部よりタイヤ径方向外側に位置している。従って、この補強層31は、ビード部Dを構成するビードコア20及びビードフィラー21を取り囲むように補強しており、折り返し部31bの端部がサイドウォール部Cの所定の位置まで延設されている。
一方、カーカス層14は、図示しない複数のカーカスコードがタイヤ周方向に対して略90度の角度をもって配列され、外周部をゴムにより被覆されて構成されている。このカーカス層14は、トレッド部Aからショルダー部B及びサイドウォール部Cを介してビード部Dまで延設されたカーカス本体14aと、このカーカス本体14aの端部からタイヤ外側に折り返されてショルダー部Bまで延設された折り返し部14bとを有し、折り返し部14bの端部がベルト層15のタイヤ径方向内側まで延設されている。
この場合、カーカス層14は、タイヤ幅方向における一方の端部及び他方の端部、つまり、ビード部Dで折り返されてショルダー部Bまで延設された折り返し部14bの各端部が、ベルト層15のタイヤ幅方向における各端部とタイヤ径方向で重なって配置されている。即ち、カーカス層14における一方の端部及び他方の端部が、ベルト層15のタイヤ幅方向における一方の端部及び他方の端部におけるタイヤ幅方向の所定領域BW内に配置されている。そして、本実施例では、カーカス層14における一方の端部とベルト層15における一方の端部との重なり代BW1と、カーカス層14における他方の端部とベルト層15における他方の端部との重なり代BW2が相違しており、タイヤ外側の重なり代BW1がタイヤ内側の重なり代BW2よりも大きくなっている。即ち、タイヤ赤道線を中心として、タイヤ幅方向の一方と他方が非対称形状に構成されている。
従って、補強層31がビードコア20及びビードフィラー21を取り囲むように配置され、カーカス層14は、この補強層の外側で、ビードコア20及びビードフィラー21を取り囲むように補強し、端部がベルト層15のタイヤ径方向内側まで延設している。
また、タイヤ周方向にリング形状をなすビードコア20のタイヤ径方向外側にビードフィラー21が配設されて構成されるが、このビードフィラー21におけるタイヤ径方向高さBHが10mm以下に設定されており、また、5mm以上に設定することが好ましい。この場合、ビードフィラー21のタイヤ径方向高さBHは、ビードベースラインからビードフィラー21におけるタイヤ径方向最外側位置までの距離である。更に、このビードフィラー21は、このビードフィラー21の室温におけるJIS A硬度(JIS K6253)Hsが65〜80に設定されている。
また、上述したように、サイドウォール部Cにはサイドクッションゴム18が設けられており、このサイドクッションゴム18は、ベルト層15のタイヤ幅方向外側に配置され、カーカス層14の端部がこのサイドクッションゴム18よりタイヤ径方向内側に配置されている。そして、このサイドクッションゴム18は、ショルダー部Cからサイドウォール部Dまで延設され、タイヤ幅方向における最小厚さTが3.5mm〜6.0mmに設定されている。更に、このサイドクッションゴム18は、サイドクッションゴム18の室温におけるJIS A硬度(JIS K6253)Hsが48〜60に設定されている。
なお、本実施例の空気入りタイヤ11が適用されるタイヤサイズは、下記のものが望ましい。即ち、タイヤ総幅Wに対するタイヤ接地幅TWの比率が、75%〜90%に設定されている。また、ビードベースラインからトレッド面12までのタイヤ径方向最大高さSHが、65mm〜150mmに設定されている。更に、タイヤ断面方向の呼び幅が、255インチ以上に設定されている。
ここで、従来例と実施例とにおける荷重耐久性と軽量化について比較する。この場合、下記表1及び表2に示すように、従来例1の空気入りタイヤは、カーカス層の枚数が2枚で補強層がないもの、従来例2の空気入りタイヤは、カーカス層の枚数が1枚で補強層がないもの、従来例3の空気入りタイヤは、カーカス層の枚数が1枚でナイロン性の補強層があるもの、従来例4の空気入りタイヤは、カーカス層の枚数が1枚でポリアミド性の補強層があってビードフィラーがないものとしている。
一方、実施例1の空気入りタイヤ11は、カーカス層の枚数が1枚でポリアミド性の補強層があってビードフィラーがあるものとしており、実施例2では、ビードフィラーの高さを変更し、実施例3、4では、ビードフィラーの硬度を変更し、実施例5では、補強層の引張弾性率を変更し、実施例6、7では、補強層の高さを変更し、実施例8、9では、サイドクッションゴムの硬度を変更し、実施例10、11では、サイドクッションゴムの厚さを変更している。
Figure 2009023502
Figure 2009023502
従来例と実施例を比較してみると、従来例1の空気入りタイヤにおける荷重耐久性と軽量化の評価を「100」とすると、カーカス層の枚数が1枚で補強層がない従来例2の空気入りタイヤは、荷重耐久性が低下し、カーカス層の枚数が1枚でナイロン性の補強層がある従来例3の空気入りタイヤと、カーカス層の枚数が1枚でポリアミド性の補強層があってビードフィラーがない従来例4の空気入りタイヤは、荷重耐久性を上げることができない。
一方、カーカス層の枚数が1枚でポリアミド性の補強層があってビードフィラーがある実施例1の空気入りタイヤ11は、荷重耐久性と軽量化の面で、従来例1の空気入りタイヤより優れている。また、ビードフィラーの高さ、ビードフィラーの硬度、補強層の引張弾性率、補強層の高さ、サイドクッションゴムの硬度、サイドクッションゴムの厚さを変更した各実施例であっても、荷重耐久性と軽量化の面で、従来例1の空気入りタイヤより優れている。
なお、上述した空気入りタイヤの荷重耐久性と軽量化の評価を実施するための条件及び方法は、下記のものとなっている。
1)タイヤサイズ
255/30R22 95V
2)リムサイズ
22×9.0JJ(標準リム)
3)試験条件
荷重耐久性−荷重を88%から270%まで13%ずつ所定時間ごとに増加させて行うものである。この場合、ドラム径をφ1707mm、速度81km/h、空気圧280kpa、周囲温度38±3℃に設定している。
軽量化−重量計測の逆数で評価
従来例1を「100」として指数化
また、従来例と実施例とにおける荷重耐久性と軽量化に加え、操縦安定性、乗心地、静粛性について比較する。この場合、下記表3に示すように、従来例の空気入りタイヤは、接地幅/総幅比を0.95とし、実施例1の空気入りタイヤ11は、接地幅/総幅比を0.87とし、実施例12、13では、接地幅/総幅比を変更している。
Figure 2009023502
従来例と実施例を比較してみると、カーカス層の枚数が1枚でポリアミド性の補強層があってビードフィラーがある実施例1の空気入りタイヤ11の構成で、接地幅/総幅比を適正値とすることで、操縦安定性を維持しながら、乗心地と静粛性が向上されている。この場合、操縦安定性及び乗心地の試験条件は、テストコースにて、熟練したドライバによる官能評価を指数化(100)した値である。また、静粛性の試験条件は、テストコースを60km/hで走行中に、車内音を測定し、100〜500HZのオーバーオール値の逆数を指数化(100)した値である。
更に、従来例と実施例とにおける荷重寄与率と軽量化寄与率について比較する。この場合、下記表4に示すように、従来例の空気入りタイヤは、セクション高さを76とし、タイヤ呼び幅を255とし、実施例1の空気入りタイヤ11は、セクション高さを76とし、実施例14、15では、セクション高さを変更し、実施例16では、タイヤ呼び幅を変更している。
Figure 2009023502
従来例と実施例を比較してみると、カーカス層の枚数が1枚でポリアミド性の補強層があってビードフィラーがある実施例1の空気入りタイヤ11の構成で、セクション高さ及びタイヤ呼び幅を適正値とすることで、荷重寄与率と軽量化寄与率が向上されている。
このように本実施例の空気入りタイヤ11にあっては、トレッド部Aにベルト層15を設けると共に、トレッド部Aからショルダー部B及びサイドウォール部Cを介してビード部Dまで延在してビード部Dにおけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返されてベルト層15まで延設される一層のカーカス層14を設け、ビードコア20のタイヤ径方向外側にビードフィラー21を配設してビード部Dを構成すると共に、ビードフィラー21におけるタイヤ径方向高さを10mm以下に設定し、ビード部Dにおけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返される補強層31を設け、この補強層31の引張弾性率を7GPa以上の高弾性有機繊維から構成している。
従って、カーカス層14を一層とすると共にビードフィラー21のタイヤ径方向高さを10mm以下に設定することで、軽量化を可能とすることができると共に、ビードフィラー21におけるクラックの発生を抑制することができ、また、補強層を引張弾性率が7GPa以上の高弾性有機繊維から構成してビード部を取り囲むことで、耐久性の向上を図ることができる。
また、本実施例の空気入りタイヤ11では、ビードフィラー21のJIS−A硬度を65〜80に設定している。従って、ビードフィラー21の硬度、つまり、変形量を適正範囲とすることで、特に表1の実施例1〜4に示すように、ビードフィラー21における摩耗やクラックの発生を抑制することができ、耐久性を向上することができる。この場合、ビードフィラー21のJIS−A硬度が65より小さいと、たわみ量が大きくなってライナ摩耗、つまり、カーカス層14とサイドクッションゴム18との間のこすれが発生しやすくなる一方、ビードフィラー21のJIS−A硬度が80より大きいと、硬すぎてビードフィラー21におけるクラックが発生しやすくなる。
また、本実施例の空気入りタイヤ11では、補強層31を引張弾性率が7GPa以上で、且つ、150GPa以下の高弾性有機繊維から構成している。従って、補強層31の引張弾性率を適正範囲とすることで、摩耗やクラックの発生を抑制することができ、耐久性を向上することができる。この場合、補強層31の引張弾性率が7GPaより小さいと、剛性が低すぎて摩耗を抑制できずに耐久性が不十分となる一方、補強層31の引張弾性率が150GPaより大きいと、剛性が高すぎてクラックが発生しやすくなり、耐久性が不十分となる。
また、本実施例の空気入りタイヤ11では、補強層31におけるタイヤ径方向高さを、ビードベースラインからトレッド面までのタイヤ径方向最大高さの20%〜40%に設定している。従って、補強層31におけるタイヤ径方向高さを適正範囲とすることで、特に表1、2の実施例1〜7に示すように、摩耗やクラックの発生を抑制することができ、耐久性を向上することができる。この場合、補強層31におけるタイヤ径方向高さをタイヤ径方向最大高さの20%より低く設定すると、ビード部D周辺の剛性が足りずに耐久性が不十分となる一方、補強層31におけるタイヤ径方向高さをタイヤ径方向最大高さの40%より高く設定すると、フレックスゾーン、つまり、補強層31とベルト層15との間におけるサイドクッションゴム18の領域が狭くなり、トレッド面12に入力する衝撃を緩和できずに変形がベルト層15や補強層31に集中し、ここでクラックが発生しやすく耐久性が不十分となる。
この場合、補強層31を芳香族ポリアミド繊維により形成し、この芳香族ポリアミド繊維の太さを3200dtex〜3500dtexに設定すると共に、芳香族ポリアミド繊維をタイヤ周方向に対して55度〜65度の角度で配設することが好ましい。また、補強層31にて、芳香族ポリアミド繊維の配列方向における50mm範囲当たりに25本〜35本の芳香族ポリアミド繊維を配列することが好ましい。従って、複数の芳香族ポリアミド繊維により所定の剛性を確保することができ、所定強度の補強層31を適正に設けることができる。
また、本実施例の空気入りタイヤ11では、補強層31をビード部Dにおけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返し、カーカス層14をこの補強層31の外側でビード部Dにおけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返し、端部をベルト層15のタイヤ径方向内側まで延設している。従って、ベルト層15とカーカス層14と補強層31を適正位置に配置することで、タイヤ全体に十分な剛性を確保することができる。
また、本実施例の空気入りタイヤ11では、カーカス層14のタイヤ幅方向における端部と、ベルト層15のタイヤ幅方向における端部をタイヤ径方向で重ねて配置し、その重なり代をタイヤ幅方向における一方と他方で相違させている。従って、タイヤ外側とタイヤ内側で適正な硬度を確保することができる。
また、本実施例の空気入りタイヤ11では、ベルト層15のタイヤ幅方向外側にサイドクッションゴム18を配設し、カーカス層14の端部をサイドクッションゴム18よりタイヤ径方向内側に配置している。従って、カーカス層14の端部をサイドクッションゴム18より適正に支持することができ、十分な剛性を確保することができる。
また、本実施例の空気入りタイヤ11では、サイドクッションゴム18をショルダー部Bからサイドウォール部Cまで延設し、タイヤ幅方向における最小厚さを3.5mm〜6.0mmに設定している。従って、サイドクッションゴム18の厚さを適正範囲とすることで、特に表1、2の実施例1〜11に示すように、摩耗の発生を抑制することができると共に、軽量化を可能とすることができ、耐久性を向上することができる。この場合、サイドクッションゴム18の厚さが3.5mmより薄いと、たわみ量が大きくなってライナ摩耗が発生しやすくなる一方、サイドクッションゴム18の厚さが6.0mmより厚いと、重量が必要以上に増加して軽量化が困難となる。
また、本実施例の空気入りタイヤ11では、サイドクッションゴム18のJIS−A硬度を48〜60に設定している。従って、サイドクッションゴム18の硬度を適正範囲とすることで、特に表1、2の実施例1〜9に示すように、摩耗やクラックの発生を抑制することができ、耐久性を向上することができる。この場合、サイドクッションゴム18のJIS−A硬度が40より小さいと、たわみ量が大きくなってライナ摩耗が発生しやすくなる一方、サイドクッションゴム18のJIS−A硬度が60より大きいと、硬すぎてクラックが発生しやすくなる。
更に、本実施例の空気入りタイヤ11では、タイヤ総幅に対するタイヤ接地幅の比率を0.75〜0.9(75%〜90%)に設定することが好ましい。従って、特に表3の実施例1、12、13に示すように、タイヤ周方向の剛性を維持して十分な操縦安定性を確保することができると共に、縦ばね力を制限して乗心地を向上することができ、また、固有振動数を低減してロードノイズの発生を抑制することができる。
また、本実施例の空気入りタイヤ11では、ビードベースラインからトレッド面12までのタイヤ径方向最大高さを65mm〜150mmに設定することが好ましい。従って、特に表4の実施例1、14、15に示すように、耐久性を効果的に向上することができる。この場合、タイヤ径方向最大高さが65mmより小さいと、補強層31の高さが絶対的な高さが小さくなって十分な耐久性の向上を図ることができず、タイヤ径方向最大高さが150mmより大きいと、サイドウォール部Cの撓み量が大きくなってライナ摩耗が発生しやすくなる。
また、本実施例の空気入りタイヤ11では、タイヤ断面方向の呼び幅を255インチ以上に設定することが好ましい。従って、特に表3の実施例1、16に示すように、軽量化及び耐久性の向上を効果的に図ることができる。
以上のように、本発明に係る空気入りタイヤは、カーカス層をトレッド部からビード部まで延在してタイヤ幅方向内側から外側に折り返してベルト層まで延設すると共に、補強層をビード部におけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返して設けることで、軽量化及び耐久性の向上を図るものであり、いずれの種類の空気入りタイヤに用いても好適である。
本発明の一実施例に係る空気入りタイヤを表すタイヤ幅方向の概略断面図である。 本実施例の空気入りタイヤにおける要部概略断面図である。
符号の説明
11 空気入りタイヤ
12 トレッド面
14 カーカス層
14a カーカス本体
14b 折り返し部
15 ベルト層
16 ベルトカバー
18 サイドクッションゴム(ベルトクッション)
20 ビードコア
21 ビードフィラー
31 補強層
A トレッド部
B ショルダー部
C サイドウォール部
D ビード部

Claims (14)

  1. トレッド部にベルト層が設けられると共に、前記トレッド部からショルダー部及びサイドウォール部を介してビード部まで延在して該ビード部におけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返されて前記ベルト層まで延設される一層のカーカス層が設けられた空気入りタイヤにおいて、
    前記ビード部は、タイヤ周方向にリング形状をなすビードコアのタイヤ径方向外側にビードフィラーが配設されて構成されると共に、該ビードフィラーにおけるタイヤ径方向高さが10mm以下に設定され、
    前記ビード部におけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返される補強層が設けられ、該補強層は引張弾性率が7GPa以上の高弾性有機繊維から構成されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、前記ビードフィラーは、JIS−A硬度が65〜80に設定されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 請求項1または2に記載の空気入りタイヤにおいて、前記補強層は、引張弾性率が150GPa以下の高弾性有機繊維から構成されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤにおいて、前記補強層におけるタイヤ径方向高さは、ビードベースラインからトレッド面までのタイヤ径方向最大高さの20%〜40%に設定されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤにおいて、前記補強層は、芳香族ポリアミド繊維により形成され、該芳香族ポリアミド繊維の太さが3200dtex〜3500dtexに設定されると共に、前記芳香族ポリアミド繊維がタイヤ周方向に対して55度〜65度の角度で配設されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  6. 請求項5に記載の空気入りタイヤにおいて、前記補強層は、前記芳香族ポリアミド繊維の配設方向に直行する断面にて、前記芳香族ポリアミド繊維の配列方向における50mm範囲当たりに25本〜35本の芳香族ポリアミド繊維が配列されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  7. 請求項1から6のいずれか一つに記載の空気入りタイヤにおいて、前記補強層は、前記ビード部におけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返され、前記カーカス層は、該補強層の外側で前記ビード部におけるタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返され、端部が前記ベルト層のタイヤ径方向内側まで延設されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  8. 請求項7に記載の空気入りタイヤにおいて、前記カーカス層は、タイヤ幅方向における一方の端部及び他方の端部が、前記ベルト層のタイヤ幅方向における一方の端部及び他方の端部とタイヤ径方向で重なって配置され、その重なり代がタイヤ幅方向における一方と他方で相違することを特徴とする空気入りタイヤ。
  9. 請求項1から8のいずれか一つに記載の空気入りタイヤにおいて、前記ベルト層のタイヤ幅方向外側にベルトクッションが配設され、前記カーカス層の端部が該ベルトクッションよりタイヤ径方向内側に配置されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  10. 請求項9に記載の空気入りタイヤにおいて、前記ベルトクッションは、前記ショルダー部から前記サイドウォール部まで延設され、タイヤ幅方向における最小厚さが3.5mm〜6.0mmに設定されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  11. 請求項10に記載の空気入りタイヤにおいて、前記ベルトクッションは、JIS−A硬度が48〜60に設定されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  12. 請求項1から11のいずれか一つに記載の空気入りタイヤにおいて、タイヤ総幅に対するタイヤ接地幅の比率は、75%〜90%に設定されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  13. 請求項1から12のいずれか一つに記載の空気入りタイヤにおいて、ビードベースラインからトレッド面までのタイヤ径方向最大高さは、65mm〜150mmに設定されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  14. 請求項1から13のいずれか一つに記載の空気入りタイヤにおいて、タイヤ断面方向の呼び幅は、255以上に設定されることを特徴とする空気入りタイヤ。
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