JP2009021227A - 電気機械スイッチ、それを用いたフィルタ、および通信機器 - Google Patents

電気機械スイッチ、それを用いたフィルタ、および通信機器 Download PDF

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Abstract

【課題】低電圧駆動と高アイソレーションを両立する電気機械スイッチを提供する。
【解決手段】駆動部を構成する第1の梁106と、前記第1の梁106に対して結合部109を介して並置された接点部としての第2の梁107と、前記第1の梁106に対して第1のギャップを介して形成された、駆動電極としての第1の電極5と、前記第2の梁107に対して第2のギャップを介して形成された、接点電極としての第2の電極103とを具備し、前記第2のギャップが、前記第1のギャップよりも大きくなるように構成されている。この構成により、駆動部に発生した変位を、結合部を介して接点部に伝え、接点部を変位させることでスイッチングを行う。その結果、駆動部と接点部で異なるギャップを形成することができ、オフ時の電気的なアイソレーションと、駆動時のプルイン電圧を低電圧化することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気機械スイッチに関し、特に、デジタルテレビ放送、携帯電話及び無線LAN等の移動体通信端末の高周波回路において高周波信号の切り替えを行うために使用されるスイッチ、フィルタと通信機器に関するものである。
従来のRF−MEMSスイッチは、メンブレン状や棒状の可動体を両持ちや片持ちにし、それらを電極へ接触させたり離したりすることにより、信号の伝搬経路を切り替える機械スイッチである。メンブレンや可動体の駆動力源は静電力のものが多いが、磁気力のものも発表されている。
従来、大きさが数100μm程度の微細なスイッチとして、非特許文献1 に記載されているものが知られている。図22に非特許文献1 に記載されている従来のスイッチの構成を示す。図22(a)は、従来のスイッチの構成を示す断面図であり、図22(b)は、従来のスイッチの構成を示す平面図である。図22(a)は、図22(b)のA−A´線断面図である。このスイッチは、メンブレン上に、高周波信号が伝達される信号ライン1を形成し、当該信号ライン1の直下に制御電極3を設けている。
制御電極3に直流電位を印加すると、メンブレンが制御電極3側に静電引力により引き付けられ、撓み、基板2上に形成されている接地電極4と接触することにより、メンブレンに形成されている信号ライン1は短絡状態となり、信号ライン1を流れる信号は減衰され、遮断される。
これに対して、制御電極3に直流電位を印加しなければ、メンブレンは撓まず、当該メンブレン上の信号ライン1を流れる信号は、接地電極4から損失することなく、スイッチを通過する。
IEEE Microwave and Wireless Components letters,Vol.11 No8,August 2001 p334
電気機械スイッチの特性としては、スイッチング動作に必要なプルイン電圧の低電圧化と、スイッチのオフ時でのアイソレーションの確保が必要である。
しかしながら、従来の電気機械スイッチでは、アイソレーション確保のため、ギャップを大きくして大変位となるような構成とした場合、スイッチング動作に必要なプルイン電圧が高電圧化するなどの課題を有していた。また、プルイン電圧を低電圧化するためにギャップを構成とした場合、オフ時のアイソレーションが低下するなどの課題を有し、低電力駆動とアイソレーション特性とはトレードオフの関係となっていた。
そこで本発明は、従来の問題点を解決し、低電圧駆動と高アイソレーションを両立する電気機械スイッチを提供することを目的とする。
また、本発明の電気機械スイッチを用いたフィルタ、及び通信機器により、小型、低損失、高アイソレーション特性を実現することを目的とする。
前述の目的を達成するため、本発明は、駆動部と接点部を分離した構造を有した電気機械スイッチと、それを用いたフィルタ、通信機器とする。
そこで本発明の電気機械スイッチは、駆動部を構成する第1の梁と、前記第1の梁に対して結合部を介して並置された接点部としての第2の梁と、前記第1の梁に対して第1のギャップを介して形成された、駆動電極としての第1の電極と、前記第1の梁と前記第1の電極との間に電圧を印加する電圧印加部と、前記第2の梁に対して第2のギャップを介して形成された、接点電極としての第2の電極とを具備し、前記第1の梁と前記第1の電極との間に電圧を印加することで、前記第1の梁を変位させ、前記第1の梁と前記第1の電極とが電気的に非接触な状態で、前記第2の梁と前記前記第2の電極との間でスイッチングを行なうように構成され、前記第2のギャップが、前記第1のギャップよりも大きくなるように構成されている。
この構成により、前記第1の梁と前記第1の電極との間に電圧を印加することで、前記第1の梁を変位させ、駆動部に発生した変位を、結合部を介して接点部に伝え、接点部を変位させることでスイッチングを行う。その結果、駆動部と接点部で異なるギャップを形成することができ、オフ時の電気的なアイソレーションと、駆動時のプルイン電圧を低電圧化することができる。
また、この構成では、駆動部と接点部とが同一面上にないことから、アイソレーションが容易である。また低電圧駆動が可能となる。静電方式あるいは圧電方式で駆動する場合には、駆動に必要な電界は、この第1の梁と第1の電極に集中するため、携帯電話などの小型の通信機器に使用する場合にも、周辺回路に電界による悪影響を与えることがない。また、静電方式あるいは圧電方式で駆動する場合には、電圧の印加のみで、電流の発生がないためアクチュエーションによる電力消費がない。
また、静電方式では、標準的なCMOSプロセスのみで製造することができる。そして駆動電極である第1の電極と接点電極である第2の電極は同一材料で形成されるため、製造が容易であるだけでなく、静電力は第1の電極だけでなく、接点電極である第2の電極に対しても作用し、より低電圧での駆動が可能となる。
また本発明では、上記電気機械スイッチにおいて、前記第1および第2の電極は、基板上に形成され、前記第1の電極と第1の梁との間に電圧を印加することで前記第1および前記第2の電極間生起せしめられる引力によって前記第1の梁を変位させ、前記第1の梁の変位を、前記結合部を介して前記第2の梁に伝達することで、前記第2の梁を変位させ、第2の梁を前記第2の電極に接触し、電気信号のオン、オフのスイッチングを行うようにした電気機械スイッチを形成したものを含む。
また本発明では、上記電気機械スイッチにおいて、前記駆動部は静電力により変位するものを含む。
この構成では、駆動に必要な電界は、この第1の梁と第1の電極に集中するため、携帯電話などの小型の通信機器に使用する場合にも、周辺回路に電界による悪影響を与えることがない。また、電圧の印加のみで、電流の発生がないためアクチュエーションによる電力消費がない。また、静電方式では、標準的なCMOSプロセスのみで製造することができる。さらに、駆動電極である第1の電極と接点電極である第2の電極は同一材料で形成されるため、製造が容易であるだけでなく、静電力は第1の電極だけでなく、接点電極である第2の電極に対しても作用し、より低電圧での駆動が可能となる。
また本発明では、上記電気機械スイッチにおいて、前記第1の電極の表面を被覆する絶縁膜を具備したものを含む。
この構成により、第1および第3の電極の表面の高さを変化させなくても、絶縁膜の厚み分ギャップの大きさを小さくすることができ、MEMSプロセスでの形成が容易となる。
また本発明では、上記電気機械スイッチにおいて、前記第1および第2の電極は、同一平面上に形成されたものを含む。
この構成により、MEMSプロセスにおける製造工数の低減をはかることができ、製造が容易であり、第1および第3の電極の表面の高さを変化させなくても、絶縁膜の厚み分ギャップの大きさを小さくすることができる。
また本発明では、上記電気機械スイッチにおいて、前記第2の電極は、前記第1の電極よりも表面の高さが低くなるように形成されたものを含む。
この構成により、より確実にオフ時のアイソレーションを維持することができる。
また本発明では、上記電気機械スイッチにおいて、両持ち梁と片持ち梁が結合部で結合された構造であり、前記第1の梁は両持ち梁であり、前記第2の梁は片持ち梁であるものを含む。
この構成により、両持ち梁は変位を発生させる駆動部であり、片持ち梁は電気信号をオン、オフする接点部となる。この電気機械スイッチでは、駆動部で発生した変位は結合部を介して接点部で変位を拡大して動作を行うことができるため、駆動部と接点部のギャップを異ならせた場合においてもスイッチングを行うことができる。また、駆動部で発生した小変位を接点部で拡大することで、より小さな歪で駆動を行うことができ、機械的な信頼性も向上することができる。
また本発明では、上記電気機械スイッチにおいて、前記第1および第2の梁は片持ち梁であり、2つの片持ち梁が結合部で結合された構造であるものを含む。
この構成により、第2の梁の長さを第1の梁の長さよりも大きくすることで、より小さな歪で駆動を行うことができ、機械的な信頼性も向上することができる。
また本発明では、上記電気機械スイッチにおいて、前記第1および第2の梁は両持ち梁であり、両持ち梁が結合部で結合された構造であるものを含む。
この構成により、より安定した駆動を実現することができる。
また本発明では、上記電気機械スイッチにおいて、前記第1または第2の梁は複数の梁で構成されたものを含む。
この構成により、複数の両持ち梁と複数の片持ち梁が複数の結合部で結合された構造が形成される。このとき、複数の両持ち梁は変位を発生させる駆動部であり、複数の片持ち梁は電気信号をオン、オフする接点部となる。このように構成された電気機械スイッチでは、駆動部で発生した変位は結合部を介して接点部で変位を拡大して動作を行うことができるため、駆動部と接点部のギャップを異ならせた場合においてもスイッチングを行うことができる。
また本発明では、上記電気機械スイッチにおいて、前記第1の梁と第2の梁とは機械的共振周波数が異なるものを含む。
この構成により、第2の梁の方が小さな力で大きな変位を実現しうるようにすることができることから、駆動部で発生した変位を効率よく接点部に伝搬することができる。
また、本発明の他の電気機械スイッチでは、結合部は構造体の長さの最大1/2となるように構成されている。
この構成により、変位を拡大することが可能となる。
また、本発明の他の電気機械スイッチでは、結合部は構造体の長さの1/4となるように構成されている。
この構成により、駆動部で発生した変位を効率よく接点部に伝搬することができ、変位拡大の効果は最大となる。
また本発明では、上記電気機械スイッチにおいて、前記駆動部は圧電効果により変位するものを含む。
この構成では、駆動に必要な電界は、この第1の梁と第1の電極との間に集中するため、携帯電話などの小型の通信機器に使用する場合にも、周辺回路に電界による悪影響を与えることがない。また、電圧の印加のみで、電流の発生がないためアクチュエーションによる電力消費がない。また、AlNやPZTなどの圧電薄膜を除いては、標準的なCMOSプロセスのみで製造することができる。さらに、駆動電極である第1の電極と接点電極である第2の電極は同一材料で形成されるため、製造が容易である。また、圧電効果は第1の電極だけでなく、接点電極である第2の電極に対しても作用し、より低電圧での駆動が可能となる。
また本発明では、上記電気機械スイッチにおいて、前記駆動部は静電効果と圧電効果との両方により変位するものを含む。
静電方式は変位が大きい部分に駆動電極を配置することが効果的であり、圧電方式では歪の大きい部分に駆動電極を配置することが効果的であるため、ハイブリッド駆動ではそれぞれの特徴にあわせて駆動部を形成することができる。
また、本発明の他の電気機械スイッチでは、構造体は複数の片持ち梁が複数の前記結合部構造で構成されている。このように構成することで、接点部を両側から駆動することができるため、安定にスイッチングを行うことができる。
本発明のフィルタは、本発明の電気機械スイッチを用いて構成される。このように形成することで、デバイスの小型化、及び低損失化が可能となり、その効果は大きい。
本発明の共用器は、本発明の電気機械スイッチを用いて構成される。このように形成することで、デバイスの小型化、及び低損失化が可能となり、その効果は大きい。
本発明の通信機器は、前述の特徴を持ったフィルタを用いる。その結果、低損失、小型化が容易に実現可能となる。
本発明によれば、電気機械スイッチは、駆動部と接点部を異なる梁に形成することで、駆動電極と第1の梁との間に形成される第1のギャップと、接点電極と第2の梁との間に形成される第2のギャップとを異なるように形成する(第1のギャップ<第2のギャップ)ことができ、オフ時の高いアイソレーションと、駆動時の高静電力による低電圧駆動が可能となる。また、駆動部に発生した梁の変位を、結合部を通して接点部に伝え、接点部を片持ち梁構造となるように構成、動作させることで、第1のギャップ<第2のギャップという構成においても、電気的、機械的信頼性の高い電気機械スイッチを実現することができる。
さらに、本発明の電気機械スイッチを用いたフィルタ、通信機器では低損失、小型化を容易に行うことができ、また、複数の通信システムにも少ないスイッチで構成することができるという効果がある。
本発明の構造は、以上の観点から利用上の効果は大きい。
以下、本発明に係る電気機械スイッチを図面に示した幾つかの好ましい実施の形態を参照して、更に詳細に説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1について、図1、及び図2を参照して説明する。
図1は、実施の形態1にかかる電気機械スイッチとしてのマイクロマシンスイッチを示す図であり、図1(a)は、同電気機械スイッチの斜視図、図1(b)は電気機械スイッチのA−Aにおける断面図、図1(c)はスイッチのB−Bにおける断面図である。
図2は、実施の形態1にかかる電気機械スイッチのオン状態およびオフ状態の断面図を示している。図2(a)および図2(b)は、スイッチがオフ状態にあるときの断面図であり、図1(b)および図1(c)に対応している。図2(c)および図2(d)は、スイッチがオン状態にあるときの断面図であり、それぞれ、図2(a)および図2(b)における第1および第2の梁が変位したときの図である。
この電気機械スイッチは、シリコン基板を構成材料としMEMSプロセスによって形成されたもので、駆動部を構成する2本の両持ち梁からなる第1の梁106で、接点部107を構成する片持ち梁からなる第2の梁を挟むように、第1および第2の梁を並置するとともに、前記第1の梁106に対して第1のギャップを介して形成された、駆動電極105としての第1の電極と、前記第2の梁107に対して第2のギャップを介して形成された、配線電極(接点電極)103としての第2の電極とを備え、前記第2のギャップが、前記第1のギャップよりも大きくなるように構成されている。以下図1に示す103は配線電極とするが、第2の梁との当接する接点すなわち接点電極とその周辺配線とを含めて配線電極というものとする。
図1(a)を参照して、101はマイクロマシンデバイスの構成要素を組み込むための基板である。基板材料としてはシリコン、ガリウム砒素、SiC等を使用することができる。基板101上に構造体108を所定のギャップを隔てて支持するスペーサとしての支持部102が設けられている。構造体108にはコの字型のスリットが設けられて、駆動部を構成する第1の梁106と接点部を構成する第2の梁107に分離された形状となり、駆動部を構成する第1の梁106は両持ち梁、接点部を構成する第2の梁107は片持ち梁構造となる。接点部を構成する第2の梁107は、駆動部を構成する第1の梁106の変位を、結合部109を介して伝達せしめられて変位し、基板101に形成された配線電極103と電気的に接続されることで、スイッチングを行う。このとき、駆動部を構成する第1の梁106と第1の電極との間のギャップが、接点部を構成する第2の梁107と第2の電極との間のギャップよりも小さく形成されているため、電気的に接続されるまでの変位量が駆動部を構成する第1の梁106の変位よりも大きい。
また、駆動部を構成する第1の梁106の下方であって、基板101上に駆動電極105が形成されており、駆動部を構成する第1の梁106と駆動電極105間に電圧を印加することで静電力を発生し梁が変位を行う。また、接点部を構成する第2の梁106が梁の幅方向に対して対称に変位を行うために、駆動部を構成する第1の梁106は、接点部を構成する第2の梁107の両側に構成されている。このとき、駆動部を構成する第1の梁106と駆動電極105が電気的に接続しないように駆動電極105は酸化シリコン膜からなる絶縁膜104で覆われており、この絶縁膜104を容量絶縁膜として静電力を生起するようになっている。ここで駆動電極と配線電極103とは同一表面を構成している。そして絶縁膜104の膜厚は200nm〜数μm程度であり、この絶縁膜104の厚さ分で第1および第2のギャップ差が形成されている。
以上のように構成された電気機械スイッチの動作を説明する。
図2(a)および図2(b)に示すように接点部107が配線電極103と離間した位置にあるとき、スイッチはオフ状態となる。駆動部を構成する第1の梁106と駆動電極105の間に電界を印加すると静電力により駆動部を構成する第1の梁106は変位する。このとき図2(c)に示すように駆動部を構成する第1の梁106が変位することで、接点部を構成する第2の梁107を下方に変位させることができる。このように、接点部を構成する第2の梁107が変位し、配線電極103と接続されることによりスイッチはオン状態となる(図2(d))。
以上のように構成することで、駆動部と接点部を分離した構造とすることができ、駆動部の変位(力)は結合部109を通して接点部に伝え、接点部を変位させることができる。このとき、駆動部は両持ち梁構造であり、接点部は片持ち梁構造であるため、駆動部で発生した小さな変位を拡大して接点部で変位を行うことが可能となり、効果は大きい。
また、駆動部を構成する第1の梁106と駆動電極105間のギャップは、接点部を構成する第2の梁107と配線電極103間のギャップに比べて小さく構成する。このように構成することで、スイッチのオン/オフでの電気的なアイソレーションを確保しつつ、スイッチングに必要な駆動電圧を低電圧化、或いはスイッチング速度を高速化できるなど、使用上の効果は大きい。
また、この構成では、駆動に必要な電界は、この第1の梁と第1の電極に集中するため、携帯電話などの小型の通信機器に使用する場合にも、周辺回路に電界による悪影響を与えることがない。さらにまた、この方式で駆動する場合には、電圧の印加のみで、電流の発生がないためアクチュエーションによる電力消費がない。
また、この方式では、標準的なCMOSプロセスのみで製造することができる。そして駆動電極である第1の電極と接点電極である第2の電極は同一材料で形成されるため、製造が容易であるだけでなく、静電力は第1の電極だけでなく、接点電極である第2の電極に対しても作用し、より低電圧での駆動が可能となる。
なお前記実施の形態1の電気機械スイッチについてさらに説明する。ここではスリットと駆動部および接点部の長さの関係について考察する。図3は本発明の実施の形態1の電気機械スイッチのスリットの位置を説明する図である。(a)は電気機械スイッチの斜視図、(b)は、A−Aの断面図、(c)はB−Bの断面図である。
ここで、コの字型のスリットSは、構造体118の3/4の領域に形成することが望ましい。これは、支持部102に近い領域までスリットSを形成した場合、支持部102の影響により駆動部を構成する第1の梁116で発生した変位(歪)を、接点部を構成する第2の梁117に十分に伝えることができず、大きな変位を得ることができない。なお図1および2と同一部位には同一符号を付した。
また、図4は本発明の実施の形態1の電気機械スイッチの構造体128の中心部付近までのスリットSとした場合を説明する図である。(a)は電気機械スイッチの斜視図、(b)は、A−Aの断面図、(c)はB−Bの断面図である。中心部付近までのスリットSとした場合、駆動部を構成する第1の梁126である両持ち梁のたわみ方向の変位が主となり、接点部を構成する第2の梁127である片持ち梁の変位は駆動部を構成する第1の梁126に律則され、大きな変位を得ることができない。さらには、駆動部と駆動電極間のギャップと接点部と配線電極間のギャップの差により、接点部を構成する第2の梁と配線電極が電気的に接続されないなどの原因となることが考えられる)。第1の梁と第2の梁とは結合部129を介して一体的に形成されている。なおここでも図1および2と同一部位には同一符号を付した。
図5に、本発明の実施の形態1の電気機械スイッチの構造体の結合部の長さと、接点部の最大変位量の関係を示す。図5(a)は、構造体の長さLを説明する図であり、図5(b)は、結合部の長さLと接点部の最大変位の関係を示すグラフである。ここで、駆動部の変位方向と同じ変位方向を正方向としている。このように、結合部の長さが1/2L以下の範囲で駆動部と同じ方向に変位を行うことができる。また、結合部の長さを1/4Lとすることで駆動部の変位を効率よく接点部に伝達し、接点部の変位に変換することができ最大変位を得ることが可能となる。
なお、本実施の形態では、駆動電極に絶縁層を形成することで、駆動部と駆動電極間のギャップと接点部と配線電極間のギャップを実質的に異なるようにした例を示したが、本実施の形態に限らず基板をエッチングするなどの方法で凹部を形成し、配線電極を形成する部分と駆動電極を形成する部分で段差を設けることでも同様の効果を得ることができることはいうまでも無い(図6、図7)。
図6は、実施の形態1にかかる電気機械スイッチとしての電気機械スイッチの変形例を示す図であり、図6(a)は、同電気機械スイッチの斜視図、図6(b)は電気機械スイッチのA−Aにおける断面図、図6(c)はスイッチのB−Bにおける断面図(オフ状態)である。
図7は、実施の形態1にかかる電気機械スイッチのオン状態の断面図を示している。図7(a)および図7(b)は、スイッチがオン状態にあるときの断面図であり、それぞれ、図2(c)および図2(d)における第1および第2の梁が変位したときの図に相当する。
このように、接点部としての第2の梁137との当接部を構成する接点電極を含む配線電極133が基板131表面に形成された凹部139に形成されているため、駆動部と駆動電極間のギャップと接点部と配線電極間のギャップに差をもたせることができる。
また、本実施の形態では、駆動電極を1つ形成した例を示したが、図8に変形例を示すように、基板141上で駆動電極を複数に分割して構成しても同様の効果を得られることは言うまでも無い。図8(a)および図8(b)は、スイッチがオン状態にあるときの駆動部を構成する第1の梁146および接点部を構成する第2の梁147の断面図であり、それぞれ、図2(c)および図2(d)における第1および第2の梁が変位したときの図に相当する。さらに、駆動電極144が分割された構造にすることにより、電界が複数の領域に均等に印加されるようにすることができる。その結果、駆動部の梁の変位を大きく取ることが可能となり、その効果は非常に大きい(図8)。なお駆動電極144表面は絶縁膜145で被覆されている。
(実施の形態2)
実施の形態2について、図9、及び図10を参照して説明を行う。
図9は、実施の形態2にかかる電気機械スイッチを示す図であり、図9(a)は、スイッチの斜視図、図9(b)はスイッチのA−Aにおける断面図、図9(c)はスイッチのB−Bにおける断面図である。このとき、実施の形態1と同様スイッチはオフ状態にある。また、図10(a)、図10(b)は、スイッチがオン状態にあるときの断面図を示している。
図9(a)に示すように、本実施の形態では駆動部を構成する第1の梁206も接点部を構成する第2の梁207も片持ち梁で構成したことを特徴とするものである。201はこの電気機械スイッチの構成要素を組み込むための基板である。ここでも基板材料としてはシリコン、ガリウム砒素、SiC等を使用することができる。基板201上に構造体208を支持する支持部202が設けられている。構造体208には、1つの一番長い梁(207)の両側に短い梁(206)が2つ形成されており、3つの梁を連結した構造となっている。2つの短い梁が駆動部を構成する第1の梁206、1つの長い梁が接点部を構成する第2の梁207を構成しており、それぞれ結合部209により結合される。接点部を構成する第2の梁207は、基板201に形成された配線電極203と電気的に接続されることで、スイッチングを行う。また、駆動部を構成する第1の梁206の下方であって、基板201上に駆動電極205が形成されており、駆動部を構成する第1の梁206と駆動電極205間に電圧を印加することで静電力を発生し梁が変位を行う。駆動部を構成する第1の梁206は、接点部を構成する第2の梁207の両側に構成することで、駆動部を構成する第1の梁206からの変位(歪)を、接点部を構成する第2の梁207に対称に伝えている。このとき、駆動部を構成する第1の梁206と駆動電極205が電気的に接続しないように駆動電極205は絶縁膜204で覆われており、この絶縁膜204を容量絶縁膜として静電力を生起するようになっている。
本実施の形態において、実施の形態1と異なる点は、駆動部を構成する第1の梁206が両持ち梁構造ではなく、片持ち梁構造として形成されている点である。
以上のように構成された電気機械スイッチの動作を説明する。
まず、図9(b)および図9(c)に示すように接点部を構成する第2の梁207が配線電極203と離間した位置にあるとき、スイッチはオフ状態となる。駆動部を構成する第1の梁206と駆動電極205の間に電界を印加すると静電力により駆動部を構成する第1の梁206は変位を生じる。このとき図10(a)に示すように変位させることで接点部を構成する第2の梁207を下方に変位させることができる。接点部を構成する第2の梁207が変位し、配線電極203と接触することによりスイッチはオン状態となる(図10(b))。
以上のように構成することで、駆動部と接点部を分離した構造とすることができ、駆動部の変位(歪)は結合部を通して接点部に伝え、接点部を変位させることができる。このとき、駆動部と接点部の梁の長さが異なるため、駆動部で発生した小さな変位を拡大して接点部で変位を行うことが可能となる。つまり、駆動部と駆動電極間のギャップ1と接点部と配線電極間のギャップ2を異ならせた場合、例えばギャップ1<ギャップ2、においても、駆動部で発生した変位を拡大して接点部で変位を行うことができ、その効果は大きい。
(実施の形態3)
実施の形態3について、図11を参照しつつ説明する。
図11は、実施の形態3にかかる電気機械スイッチを示す斜視図である。図11は、実施の形態1にかかる電気機械スイッチの切替可能な構造を示している。
本実施の形態において、実施の形態1、実施の形態2と異なる点は、駆動部306が3箇所、接点部307が2箇所で形成されている点であり、その他、動作原理については同様である。
このように形成することにより、2つの信号を切り替えて使用することが可能となる。また、複数信号の切替を行う場合は、切替の数だけ接点部を形成(駆動部もそれに応じて複数形成が必要)することで可能となる。
(実施の形態4)
実施の形態4について、図12を参照しつつ説明する。
図12は、実施の形態4にかかる電気機械スイッチを示す斜視図である。図12は、実施の形態2にかかる電気機械スイッチの切替可能な構造を示している。
本実施の形態においても、実施の形態2と異なる点は、駆動部316が3箇所、接点部317が2箇所で形成されている点であり、その他、動作原理については同様である。
このように形成することにより、2つの信号を切り替えて使用することが可能となる。また、複数信号の切替を行う場合は、切替の数だけ接点部を形成(駆動部もそれに応じて複数形成が必要)することで可能となる。
(実施の形態5)
実施の形態5について、図13を参照しつつ説明する。
図13は、実施の形態5にかかる電気機械スイッチを示す図であり、図13(a)は、スイッチの斜視図、図13(b)はスイッチのA−Aにおける断面図、図13(c)はスイッチのB−Bにおける断面図である。このとき、実施の形態1と同様スイッチはオフ状態にある。また、図14(a)、図14(b)は、スイッチがオン状態にあるときの断面図を示している。
なお、前記実施の形態1では、接点部を構成する第2の梁は片持ち梁であったのに対し、本実施の形態では接点部を構成する第2の梁157を両持ち梁で構成した点で異なるものである。また本実施の形態では、接点部を構成する第2の梁157に対向する第2の電極は、基板表面に形成された凹部159に形成され、第2の梁と第2の電極との間に形成される第2のギャップが、第1の電極と駆動部とで形成される第1のギャップよりも大きくなっている。
すなわち、この電気機械スイッチは、前記実施の形態1乃至4と同様、シリコン基板151を構成材料としMEMSプロセスによって形成されたもので、駆動部を構成する2本の両持ち梁からなる第1の梁156で、接点部を構成する両持ち梁からなる第2の梁157を挟むように、第1および第2の梁を並置するとともに、前記第1の梁156に対して第1のギャップを介して形成された、駆動電極としての第1の電極155と、前記第2の梁157に対して第2のギャップを介して形成された、配線電極としての第2の電極153とを備え、前記第2のギャップが、前記第1のギャップよりも大きくなるように構成されている。
以上のように構成された電気機械スイッチの動作を説明する。
図13(b)および図13(c)に示すように接点部を構成する第2の梁157が配線電極153と離間した位置にあるとき、スイッチはオフ状態となる。駆動部を構成する第1の梁156と駆動電極155の間に電界を印加すると静電力により図14(a)に示すように駆動部を構成する第1の梁156は変位する。この要に駆動部を構成する第1の梁156が変位することで接点部を構成する第2の梁157を下方に変位させることができる。接点部を構成する第2の梁157が変位し、配線電極153と接続されることによりスイッチはオン状態となる(図14(b))。
以上のように構成することで、駆動部と接点部を分離した構造とすることができ、駆動部の変位(歪)は結合部159を通して接点部に伝え、接点部を変位させることができる。このとき、駆動部および接点部は両持ち梁構造であるため、より安定な動作が確保される。また、両側の2本の梁で構成された駆動部で発生した小さな変位を拡大して、接点部に伝達し接点部で大きな変位を生じさせることが可能となる。
また、駆動部を構成する第1の梁156と駆動電極155間のギャップは、接点部157と配線電極153間のギャップに比べて小さく構成する。このように構成することで、スイッチのオン/オフでの電気的なアイソレーションを確保しつつ、スイッチングに必要な駆動電圧を低電圧化、或いはスイッチング速度を高速化できるなど、使用上の効果は大きい。
(実施の形態6)
実施の形態6について、図15を参照しつつ説明する。
図15は、実施の形態6にかかる電気機械スイッチを示す図であり、図15(a)は、スイッチの斜視図、図15(b)はスイッチのA−Aにおける断面図、図15(c)はスイッチのB−Bにおける断面図である。このとき、図15(b)、図15(c)は、スイッチがオン状態にあるときの断面図を示している。
ここでは、電極への給電方法を示すもので本実施の形態では、構造体の形成後、最後に、駆動部を構成する第1の梁106と接点部107との上層にアルミニウム配線パターンなどで配線電極113を形成したものである。
この構成により、容易に通電が可能である。
(実施の形態7)
実施の形態7について、図16を参照しつつ説明する。
図16は、実施の形態7にかかる電気機械スイッチを示す図であり、図16(a)は、スイッチの斜視図、図16(b)はスイッチのA−Aにおける断面図、図16(c)はスイッチのB−Bにおける断面図である。このとき、図16(b)、図16(c)は、スイッチがオン状態にあるときの断面図を示している。
ここでは、電極への給電方法を示すもので本実施の形態では、配線電極103の形成と同時に形成するとともに支持体102をドープトポリシリコンなどの導電性材料で構成したものである。
この構成によれば、通電部の形成工程が配線電極の形成工程と同時に形成され、製造工数の簡略化を図ることができる。
(実施の形態8)
次に本発明の実施の形態8について、図17および図18を参照して説明する。
図17は、実施の形態8にかかる電気機械スイッチとしてのマイクロマシンスイッチを示す図であり、図17(a)は、同電気機械スイッチの斜視図、図17(b)は電気機械スイッチのA−A断面におけるオフ状態を示す断面図、図17(c)はスイッチのB−B断面におけるオフ状態を示す断面図である。また、図18(a)は電気機械スイッチのA−A断面におけるオン状態を示す断面図、図18(b)はスイッチのB−B断面におけるオン状態を示す断面図である。
本実施の形態の電気機械スイッチにおいて、実施の形態1と異なる点は、第1および第2の梁106,107をそれぞれ、電極106e,107eで圧電薄膜106P,107Pを挟み、静電力による駆動だけでなく、圧電効果による駆動を行っている点である。
図17(a)を参照して、101はマイクロマシンデバイスの構成要素を組み込むための基板である。基板材料としてはシリコン、ガリウム砒素、SiC等を使用することができる。基板101上に構造体108を所定のギャップを隔てて支持するスペーサとしての支持部102が設けられている。構造体108については、圧電薄膜の上下面に電極となる金属薄膜を配置して構成される。また、構造体108にはコの字型のスリットが設けられて、駆動部を構成する第1の梁106と接点部を構成する第2の梁107に分離された形状となり、駆動部を構成する第1の梁106は両持ち梁、接点部を構成する第2の梁107は片持ち梁構造となる。接点部を構成する第2の梁107は、駆動部を構成する第1の梁106の変位を、結合部109を介して伝達せしめられて変位し、基板101に形成された配線電極103と電気的に接続されることで、スイッチングを行う。このとき、駆動部を構成する第1の梁106と第1の電極との間のギャップが、接点部を構成する第2の梁107と第2の電極との間のギャップよりも小さく形成されて入るため、電気的に接続されるまでの変位量が駆動部を構成する第1の梁106の変位よりも大きい。
また、駆動部を構成する第1の梁106の下方であって、基板101上に駆動電極105が形成されており、駆動部を構成する第1の梁106と駆動電極105間に電圧を印加することで静電力を発生する。さらに本実施の形態では、圧電薄膜の上下面に配置された電極間に電圧を印加することで圧電効果による歪を発生する。静電力と圧電効果による歪により梁が変位を行う。
電気機械スイッチのオン・オフ動作については、実施の形態1と同様である。
以上のように電気機械スイッチを構成、配置することで実施の形態1で示した効果に加え、静電力のみで駆動を行うよりも低電圧、高速に動作することが可能となる。
(実施の形態9)
図19は、実施の形態9にかかるフィルタの構成を示す図である。図19では、電気機械スイッチと圧電薄膜共振器フィルタとで構成された周波数切り替えフィルタの例を示す。
圧電薄膜共振器402a、402b、402cが端子407aと端子401aの間に直列に接続される。圧電薄膜共振器402aと402bの接続点と接地電位、および圧電薄膜共振器402bと402cの接続点と接地電位の間に圧電薄膜共振器403a、および403bが接続される。同様に、圧電薄膜共振器405a、405b、405cが端子407bと端子401bの間に直列に接続される。圧電薄膜共振器405aと405bの接続点と接地電位、および圧電薄膜共振器405bと405cの接続点と接地電位の間に圧電薄膜共振器406a、および406bが接続される。
端子407a、407bはそれぞれ、電気機械スイッチ404の異なる端子に接続される。また、電気機械スイッチ404の他の端子が端子408に接続される。
次に、動作について説明を行う。
電気機械スイッチ404は実施の形態3で示した電気機械スイッチと同一の動作を行い、配線電極が2つ配置されてなる。スイッチングにより端子407a、あるいは407bと端子408を接続する。端子408と端子407aが接続された場合、信号は端子408と端子401aを通過することとなる。逆に、端子408と端子407bが接続された場合、信号は端子408と端子401bを通過することとなる。
このとき、例えば圧電薄膜共振器402a、402b、402c、403a、403bで構成されるフィルタと圧電薄膜共振器405a、405b、405c、406a、406bで構成されるフィルタの周波数特性を異ならせることで、複数の周波数帯に対応した周波数可変フィルタを実現することが可能となる。
また、本実施の形態では圧電薄膜共振器で構成されたフィルタの例を示したが、402a、402b、402c、403a、403bを、弾性表面波フィルタで構成しても同様の効果を得ることができることは言うまでも無い。
(実施の形態10)
図20は、実施の形態10にかかる共用器の構成を示す図である。複数のフィルタ(2組の送信フィルタ501a、501b、受信フィルタ502a、502b)と、移相回路505、506で構成することで、周波数可変の共用器を実現することも可能である。503a、503b、504a、504b、508a、508b、509a、509bは各ノードを示す。
このように構成することで、スイッチを複数並べる必要が無いため小型化可能であるだけでなく、個別にスイッチを実装するよりも低損失な共用器を実現することができる。これは、以下のような理由による。
無線通信機器等で扱う信号は周波数が数百MHzから数GHzに及ぶ、そのため、浮遊容量および、配線の引き回し等により損失が増大する。しかしならが、本実施の形態に示すように、駆動部と接点部を分離したスイッチ構成とすることで、オフ時のアイソレーションを確保することができ、低損失化が可能となる。さらに、駆動部のギャップ1を狭ギャップとすることで駆動時の電圧を低電圧化することができ、高速応答も可能となる。
なお、本実施の形態では電気機械スイッチと、送信フィルタ、受信フィルタを構成した例を示したが、電気機械スイッチと複数の送信フィルタのみの構成、あるいは電気機械スイッチと複数の受信フィルタのみの構成でも同様の効果を得ることができることは言うまでも無い。
また、本実施の形態では周波数帯の異なるフィルタを組み合わせて周波数可変の共用器の例を示したが、インピーダンスの異なるフィルタを組み合わせることで、インピーダンス可変共用器を実現することができることは言うまでも無い。
(実施の形態11)
図21は、実施の形態10にかかる通信機器の構成を示す図である。
図21を参照して、604は実施の形態9で示した共用器である。この装置は、アンテナ605a、605bと、2つの周波数信号を切り替えるための電気機械スイッチと、圧電薄膜共振器フィルタとで構成される共用器604と他の回路部品により構成される。このような構成によって、小型、低損失な通信機器を実現することができる。
なお、前記実施の形態では、第1および第2の梁に対して電極を設けていないが、これら第1および第2の梁に対してアルミニウムなどの金属電極を形成することでより抵抗損失を低減することができる。また第1および第2のギャップの差を、これら梁に形成する電極の厚さの差、あるいは電極の有無によって形成してもよい。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に係る電気機械スイッチは、駆動部と接点部を分離して並置した構成であり、駆動部で発生した変位を、結合部を介して接点部に伝えることによりスイッチングを行う。さらに、駆動部と接点部のギャップを異ならせることが可能であり、アイソレーションを確保しつつ、高速駆動が可能である。そのため、信号伝達時の伝達効率並びに切断時の絶縁性、または信号の接続切断の高速な動作が要求される高周波回路等のスイッチとして有用である。
また、本発明に係る電気機械スイッチを利用したフィルタ、通信機器は、高速応答、および低損失な特性を得られるだけでなく、複数のフィルタ、及び通信システムの切り替えるスイッチとして有用である。
以上説明してきたように、本発明の電気機械スイッチとそれを用いたフィルタ、および通信機器は、デジタルテレビ放送、携帯電話及び無線LAN等の移動体通信端末の高周波回路において大変有用である。
本発明の実施の形態1に係る電気機械スイッチを示す図である。(a)電気機械スイッチの斜視図である、(b)A−Aの断面図である、(c)B−Bの断面図である。 図1に記載の電気機械スイッチの動作を示す図である。(a)(b)オフ状態の断面図である。(c)(d)オン状態の断面図である。 本発明の実施の形態1に係る電気機械スイッチのスリットの位置を説明する図である。(a)電気機械スイッチの斜視図である、(b)A−Aの断面図である、(c)B−Bの断面図である。 本発明の実施の形態1に係る電気機械スイッチのスリットの位置を説明する図である。(a)電気機械スイッチの斜視図である、(b)A−Aの断面図である、(c)B−Bの断面図である。 本発明の実施の形態1に係る電気機械スイッチのスリットの位置を説明する図である。(a)構造体の長さを説明する図である、(b)結合部の長さと接点部の変位を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る他の電気機械スイッチを示す図である。(a)電気機械スイッチの斜視図である、(b)オフ状態でのA−Aの断面図である、(c)オフ状態でのB−Bの断面図である。 図5に示す電気機械スイッチを示す図である。(a)オン状態でのA−Aの断面図である。(b)オン状態でのB−Bの断面図である。 本発明の実施の形態1に係る他の電気機械スイッチを示す図である。(a)オン状態でのA−Aの断面図である、(b)オン状態でのB−Bの断面図である。 本発明の実施の形態2に係る電気機械スイッチを示す図である。(a)電気機械スイッチの斜視図である、(b)オフ状態でのA−Aの断面図である、(c)オフ状態でのB−Bの断面図である。 本発明の実施の形態2に係る電気機械スイッチを示す図である。(a)オン状態でのA−Aの断面図である、(b)オン状態でのB−Bの断面図である。 本発明の実施の形態3に係る電気機械スイッチを示す図である。 本発明の実施の形態4に係る電気機械スイッチを示す図である。 本発明の実施の形態5に係る電気機械スイッチを示す図である。(a)電気機械スイッチの斜視図である。(b)A−Aの断面図である、(c)B−Bの断面図である。 図13に記載の電気機械スイッチの動作を示す図である。(a)オフ状態の断面図である、(b)オン状態の断面図である。 本発明の実施の形態6に係る電気機械スイッチのスリットの位置を説明する図である。(a)電気機械スイッチの斜視図である、(b)A−Aの断面図である、(c)B−Bの断面図である。 本発明の実施の形態7に係る電気機械スイッチのスリットの位置を説明する図である。(a)電気機械スイッチの斜視図である、(b)A−Aの断面図である、(c)B−Bの断面図である。 本発明の実施の形態8に係る電気機械スイッチを示す図である。(a)電気機械スイッチの斜視図である、(b)A−Aの断面におけるオフ状態の断面図である。(c)B−Bの断面におけるオフ状態の断面図である。 本発明の実施の形態8に係る電気機械スイッチを示す図である。(a)A−Aの断面におけるオン状態の断面図である、(b)B−Bの断面におけるオン状態の断面図である。 本発明の実施の形態9に係るフィルタのブロック図である。 本発明の実施の形態10に係る共用器のブロック図である。 本発明の実施の形態11に係る通信機器のブロック図である。 従来の電気機械スイッチを説明する図である。
符号の説明
101 基板
102 支持体
103 配線電極(接点電極・第2の電極)
104 絶縁膜
105 駆動電極(第1の電極)
106 駆動部(第1の梁)
107 接点部(第2の梁)
108 構造体

Claims (18)

  1. 駆動部を構成する第1の梁と、
    前記第1の梁に対して結合部を介して並置され、接点部を構成する第2の梁と、
    前記第1の梁に対して第1のギャップを介して形成された、駆動電極としての第1の電極と、
    前記第1の梁と前記第1の電極との間に電圧を印加する電圧印加部と、
    前記第2の梁に対して第2のギャップを介して形成された、接点電極としての第2の電極とを具備し、
    前記第1の梁と前記第1の電極との間に電圧を印加することで、前記第1の梁を変位させ、前記第1の梁と前記第1の電極とが電気的に非接触な状態で、前記第2の梁と前記前記第2の電極との間でスイッチングを行なうように構成され、
    前記第2のギャップが、前記第1のギャップよりも大きい電気機械スイッチ。
  2. 請求項1に記載の電気機械スイッチであって、
    前記第1および第2の電極は、基板上に形成され、
    前記電圧印加部によって前記第1の電極と第1の梁との間に電圧を印加することで前記第1の電極と前記第1の梁との間に生起せしめられる引力によって前記第1の梁を変位させ、駆動部としての前記第1の梁の変位を、前記結合部を介して前記第2の梁に伝達することで、
    接点部としての前記第2の梁を変位させ、第2の梁を前記第2の電極に接触し、
    電気信号のオン、オフのスイッチングを行うようにした電気機械スイッチ。
  3. 請求項1または2に記載の電気機械スイッチであって、
    前記駆動部は静電力により変位する電気機械スイッチ。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の電気機械スイッチであって、
    前記第1の電極の表面を被覆する絶縁膜を具備した電気機械スイッチ。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の電気機械スイッチであって、
    前記第1および第2の電極は、同一平面上に形成された電気機械スイッチ。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載の電気機械スイッチであって、
    前記第2の電極は、前記第1の電極よりも表面の高さが低くなるように形成された電気機械スイッチ。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の電気機械スイッチであって、
    両持ち梁と片持ち梁が結合部で結合された構造であり、
    前記第1の梁は両持ち梁であり、
    前記第2の梁は片持ち梁である電気機械スイッチ。
  8. 請求項1乃至6のいずれかに記載の電気機械スイッチであって、
    前記第1および第2の梁は片持ち梁であり、
    2つの片持ち梁が結合部で結合された構造である電気機械スイッチ。
  9. 請求項1乃至6のいずれかに記載の電気機械スイッチであって、
    前記第1および第2の梁は両持ち梁であり、
    両持ち梁が結合部で結合された構造である電気機械スイッチ。
  10. 請求項7乃至9のいずれかに記載の電気機械スイッチであって、
    前記第1または第2の梁は複数の梁で構成された電気機械スイッチ。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の電気機械スイッチであって、
    前記第1の梁と第2の梁とは機械的共振周波数が異なる電気機械スイッチ。
  12. 請求項1に記載の電気機械スイッチであって、
    前記結合部の長さは、前記構造体の最大1/2となる電気機械スイッチ。
  13. 請求項1に記載の電気機械スイッチであって、
    前記結合部の長さは、前記構造体の1/4となる電気機械スイッチ。
  14. 請求項1、2、4乃至13のいずれかに記載の電気機械スイッチであって、
    前記駆動部は圧電効果により変位する電気機械スイッチ。
  15. 請求項1、2、4乃至13のいずれかに記載の電気機械スイッチであって、
    前記駆動部は静電効果と圧電効果との両方により変位する電気機械スイッチ。
  16. 請求項1乃至15のいずれかに記載の電気機械スイッチを用いて構成されたことを特徴とするフィルタ。
  17. 請求項1から請求項15のいずれかに記載の電気機械スイッチを用いて構成された共用器。
  18. 請求項17に記載の共用器を用いて構成された通信機器。
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