JP2009008949A - 現像装置およびそれを備える画像形成装置 - Google Patents

現像装置およびそれを備える画像形成装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 耐久性に優れ、トナーへの帯電付与性能およびキャリアの電気抵抗が安定し、また二成分現像剤を現像領域に安定して供給することができるため、画像濃度および解像度が高く、またキャリア付着およびかぶりの少ない高画質の画像を得ることができる現像装置およびそれを備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】
感光体ドラムを臨んで回転自在に設けられ、二成分現像剤を担持して感光体ドラムに形成される潜像を現像する位置へ搬送する現像ローラを含む。そして、平均円形度が0.940以上のコア材に、接着層を介してコート樹脂が被覆された樹脂被覆キャリアを含む二成分現像剤を用い、また、現像ローラと感光体ドラムとの距離をDSDとし、樹脂被覆キャリアの体積平均粒径をDpとしたときのDSDをDpで除した値が6.5より大きく15未満になるようにする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、現像装置およびそれを備える画像形成装置に関する。
電子写真の現像方式には、トナーのみを主成分とする一成分現像剤を用いる一成分現像方式と、キャリアとトナーとを混合して使用する二成分現像剤を用いる二成分現像方式とがある。二成分現像方式は、一成分現像方式と比べてキャリアによるトナーへの帯電付与性能が安定しており、長期にわたって高画質画像の形成を維持するのに有利である。また、現像領域へのトナー供給能力が高いことから、高速現像機に使用されることが多く、感光体ドラム上に静電潜像を形成および顕像化するデジタル方式の電子写真システムにおいても、広く採用されている。
二成分現像剤に用いられるキャリアとしては、主に導電性キャリアと絶縁性キャリアとが挙げられるが、鉄粉系キャリアなどの導電性キャリアから構成される二成分現像剤は、現像機内での混合攪拌時にトナー粒子の付着および蓄積によってキャリア表面が被覆されやすく、このため少数回の使用で劣化してしまい耐久性に乏しい。
一方、絶縁性キャリアとしては、磁性粒子などから構成されるコア材表面をコート樹脂により被覆した樹脂被覆キャリアが多く用いられている。このような樹脂被覆キャリアでは、コート樹脂を選択することでトナーへの付与帯電量を制御することができる。また、キャリア表面へのトナー粒子の融着が生じにくいため、トナーへの付与帯電量が安定し、導電性キャリアに比べてトナーへの帯電付与性能および耐久性に優れる。
しかし、樹脂被覆キャリアにおいても、以下のような問題がある。すなわち、現像機内での混合攪拌時や、現像ローラと感光体ドラムとの間の現像ニップ部においてキャリアにストレスが加わり、コート樹脂の剥離が生じる。これによりトナーへの付与帯電量が不安定になり、形成される可視像にかぶりが発生する。また、コア材表面が露出するためキャリアの電気抵抗が低下し、これに伴う過剰現像により細線や文字がつぶれ、解像度が悪くなる。さらに感光体ドラムへのキャリア付着が増加する。
また、コア材表面へコート樹脂を被覆する際には、被覆装置の条件や、湿度などの被覆環境の影響を受けないようにこれらの厳密な管理を行うが、このような管理を行ってもコート樹脂を均一に被覆することは困難である。特に近年は高画質画像を得るためにトナーおよびキャリアを小粒径化する傾向にあり、このためコート樹脂を均一に被覆することはますます困難になっている。コート樹脂による被覆が均一でないと機械的強度が低下し、耐久性が悪化する。
このような樹脂被覆キャリアの問題は、高速現像を行う画像形成装置において特に顕著に発生する。この原因の1つとして、高速現像時に現像ローラを高速回転させるために、現像ニップ部においてキャリアが受けるストレスが非常に大きくなることが挙げられる。このようなストレスを低減するために、現像ニップ部の距離を大きくする、トナー濃度を高めて現像ローラの回転速度を抑えるようにするなどの対策が行われているが、これらの対策の結果、トナーへの付与帯電量が不充分になりトナー飛散やかぶりが発生したり、現像領域へ搬送される現像剤量が不足して画像濃度が低下したりするなどの問題が生じている。
そこで、上述のような問題を解決するために、たとえば、特許文献1では、コア材表面の樹脂被覆率が90%以上のキャリア粒子が全体の80個数%以上であり、その比抵抗が1010Ωcm以上である電子写真用キャリアを用いることにより、キャリア付着を防止し、良好な画像再現性を得ている。また、キャリアコアの流動層を管体内を上昇する気体流によって管体内に形成し、流動層におけるキャリアコアの上昇方向に対して垂直方向から被覆用の樹脂溶液をスプレー塗布することにより、コート樹脂の被覆を行っている。
また、特許文献2の静電荷像現像用キャリアでは、コア材として、珪素元素を100ppm〜5000ppm含有した実質的に球形の磁性粒子を使用し、このコア材表面を樹脂被覆することによりキャリアのコア材表面と樹脂被覆層との高い接着性を確保し、かつ均一な樹脂被覆層を形成している。また、コア材の飽和磁化を規定することにより、安定した現像剤の薄層を形成して、現像剤を現像領域へ搬送している。
特開平7−234548号公報 特開平8−62902号公報
特許文献1の電子写真用キャリアは、スプレー塗布によりコート樹脂の被覆を行っているため均一なコート樹脂層の形成が困難であり、充分なコート樹脂の耐剥離性を得ることができない。したがって、キャリア付着が発生しやすいキャリアである。また、現像ローラと感光体ドラムとの距離などの現像条件に関する規定がなされていないためトナー飛散によるかぶりを防止できない。
特許文献2の静電荷像現像用キャリアは、コア材表面と樹脂被覆層との界面において物理的な接着力と電気化学的な接着力とを持たせることによりコア材表面と樹脂被覆層との高い接着性を確保し、これによりトナーへの帯電付与性能および耐久性を向上させている。しかし、このようにして得られる接着性は、被覆層の剥離を防ぐには不充分であり、キャリア付着が発生しやすいキャリアである。また現像剤の現像領域への搬送性を充分にするためには、コア材の飽和磁化を規定するだけでは不充分であり、高画質画像を得ることができない。
また、従来の二成分現像剤の寿命としては、300000枚印刷程度が限界であり、より耐久性に優れた二成分現像剤が求められている。
本発明は上述のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、耐久性に優れ、トナーへの帯電付与性能およびキャリアの電気抵抗が安定し、また二成分現像剤を現像領域に安定して供給することができるため、画像濃度および解像度が高く、またキャリア付着およびかぶりの少ない高画質画像を得ることができる現像装置およびそれを備える画像形成装置を提供することである。
本発明は、二成分現像剤を用いて潜像担持体に形成される潜像を現像する現像装置であって、
潜像担持体を臨んで回転自在に設けられ、二成分現像剤を担持して潜像担持体に形成される潜像を現像する位置へ搬送する現像剤担持体を含み、
二成分現像剤は、平均円形度が0.940以上のコア材に、接着層を介してコート樹脂が被覆された樹脂被覆キャリアを含み、
現像剤担持体と潜像担持体との距離をDSDとし、樹脂被覆キャリアの体積平均粒径をDpとしたときのDSDおよびDpが下記式(1)を満たすことを特徴とする現像装置である。
6.5<DSD/Dp<15 …(1)
また本発明の現像装置は、接着層は、カップリング剤によって形成されることを特徴とする。
また本発明の現像装置は、現像剤担持体に臨んで配置され、現像剤担持体表面の二成分現像剤の量を規制する現像剤規制部材を含み、
現像剤担持体と現像剤規制部材との距離をDGとしたときに、DGとDSDとの差が0.25mm未満であることを特徴とする。
また本発明の現像装置は、樹脂被覆キャリアは、平均円形度が、0.945以上であることを特徴とする。
また本発明の現像装置は、樹脂被覆キャリアの表面積をS、コート樹脂が被覆されていない非被覆部の表面積をSとしたとき、下記式(2)を満たすことを特徴とする。
0≦(S/S)≦0.3 …(2)
また本発明の現像装置は、コア材は、Mn系またはMn−Mg系のフェライトであることを特徴とする。
また本発明の現像装置は、コート樹脂は、1種または2種以上のシリコン系樹脂により構成されることを特徴とする。
また本発明の現像装置は、Dpは、30μm以上60μm以下であることを特徴とする。
また本発明の現像装置は、コア材の電気抵抗は、印加電圧500Vにおいて、10Ω以上10Ω以下であることを特徴とする。
また本発明の現像装置は、樹脂被覆キャリアの電気抵抗は、印加電圧250Vにおいて、1013Ω以上であることを特徴とする。
また本発明の現像装置は、コート樹脂は、導電性粒子を含むことを特徴とする。
また本発明の現像装置は、現像剤規制部材は、磁性体含有材料から構成されることを特徴とする。
また本発明は、前記現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、本発明の現像装置は、二成分現像剤を用いて潜像担持体に形成される潜像を現像する現像装置であって、潜像担持体を臨んで回転自在に設けられ、二成分現像剤を担持して潜像担持体に形成される潜像を現像する位置へ搬送する現像剤担持体を含む。
本発明の現像装置に用いられる二成分現像剤は、平均円形度が0.940以上のコア材に、接着層を介してコート樹脂が被覆された樹脂被覆キャリアを含む。このような樹脂被覆キャリアは、真球に近い平均円形度を有するコア材を用いるためコート樹脂が均一に被覆され、平均円形度が高い。またコア材とコート樹脂との間に接着層が設けられるためコア材とコート樹脂との接着性が高い。したがって、コート樹脂の剥離を抑え、樹脂被覆キャリアの耐久性を大幅に向上させることができる。また樹脂被覆キャリアを充分に安定して高抵抗化することができるため、静電潜像の乱れを抑制することができ、キャリア付着を防止し、画像濃度および解像度が高くかぶりの少ない高画質画像を得ることができる。
また本発明の現像装置は、現像剤担持体と潜像担持体との距離をDSDとし、樹脂被覆キャリアの体積平均粒径をDpとしたときのDSDおよびDpが下記式(1)を満たす。このように現像条件を規定することにより、現像ニップ部にて樹脂被覆キャリアが受けるストレスを低減し、樹脂被覆キャリアの耐久性を向上させることができる。また二成分現像剤を現像領域に安定して供給することができるため、かぶりのない高画質画像を安定して得ることができる。
6.5<DSD/Dp<15 …(1)
このように、二成分現像剤に含まれるキャリアおよび現像条件を規定することにより、耐久性に優れ、トナーへの帯電付与性能および樹脂被覆キャリアの電気抵抗が安定し、また二成分現像剤を現像領域に安定して供給することができるため、画像濃度および解像度が高く、またキャリア付着およびかぶりの少ない高画質画像を得ることができる。
また本発明によれば、樹脂被覆キャリアの接着層は、カップリング剤によって形成されることが好ましい。これにより、コア材とコート樹脂との接着性をより強固にすることができる。したがって、コート樹脂の剥離をより抑え、樹脂被覆キャリアの耐久性をより向上させることができる。また樹脂被覆キャリアをより安定して高抵抗化することができるため、静電潜像の乱れをより抑えることができ、より高画質性に優れた画像を得ることができる。
また本発明によれば、本発明の現像装置は、現像剤担持体に臨んで配置され、現像剤担持体表面の二成分現像剤の量を規制する現像剤規制部材を含み、現像剤担持体と現像剤規制部材との距離をDGとしたときに、DGとDSDとの差が0.25mm未満であることが好ましい。
このように現像条件を規定することにより、二成分現像剤を現像領域により安定して供給することができるため、かぶりのない高画質画像をより安定して得ることができる。
また本発明によれば、樹脂被覆キャリアは、平均円形度が0.945以上であることが好ましい。樹脂被覆キャリアの平均円形度がこの範囲を満たすことにより、コート樹脂の剥離を抑え、樹脂被覆キャリアの耐久性を大幅に向上させることができる。
また本発明によれば、樹脂被覆キャリアは、樹脂被覆キャリアの表面積をS、コート樹脂が被覆されていない非被覆部の表面積をSとしたとき、下記式(2)を満たすことが好ましい。これにより樹脂被覆キャリアの耐久性がより向上するためにトナーへの付与帯電量および樹脂被覆キャリアの電気抵抗がさらに安定し、画像濃度および解像度がより高く、かぶりおよびキャリア付着がより少ない優れた高画質画像を得ることができる。
0≦(S/S)≦0.3 …(2)
また本発明によれば、コア材は、Mn系またはMn−Mg系のフェライトであることが好ましい。Mn系またはMn−Mg系のフェライトは飽和磁化の値がコア材として好適な範囲にあるため、コア材がMn系またはMn−Mg系のフェライトであることにより、感光体付着やキャリア凝集が発生しにくくなり、キャリア付着の少ない優れた画質の画像を得ることができる。
また本発明によれば、コート樹脂は、1種または2種以上のシリコン系樹脂により構成されることが好ましい。シリコン系樹脂は耐久性およびカップリング剤との接着性に優れているため、コート樹脂がこのように構成されることにより、コア材とコート樹脂との接着がより一層強固になり、さらにキャリアの機械的強度を高めることができる。
また本発明によれば、樹脂被覆キャリア100の体積平均粒径であるDpは30μm以上60μm以下であることが好ましい。体積平均粒径が30μm以上60μm以下であることにより、充分な帯電サイトを得ることができるために、小粒径トナーと組合わせても、トナーへの充分な帯電付与性能を示し、より優れた高画質画像を得ることができる。
また本発明によれば、コア材の電気抵抗は、印加電圧500Vにおいて、10Ω以上10Ω以下であることが好ましい。コア材の電気抵抗がこのような範囲を満たすことにより、キャリア付着およびエッジ効果を抑制しつつ、高精細画像を再現することができる。
また本発明によれば、樹脂被覆キャリアの電気抵抗は、印加電圧250Vにおいて、1013Ω以上であることが好ましい。樹脂被覆キャリアの電気抵抗が1013Ω以上であることにより、解像度が高くキャリア付着のより少ない、より優れた高画質画像を得ることができる。
また本発明によれば、コート樹脂は、導電性粒子を含むことが好ましい。これにより、トナーへの帯電付与性能をより良好にすることができ、かぶりのより少ないより優れた高画質画像を得ることができる。
また本発明によれば、現像剤規制部材は、磁性体含有材料から構成されることが好ましい。これにより、現像剤担持体と現像剤規制部材との距離を広げてトルクを低減できるようになり、現像剤の劣化防止と磁気ブラシの均一化を図ることができるため、現像効率を向上させることができる。
また本発明によれば、本発明の画像形成装置は、耐久性に優れ、トナーへの帯電付与性能および樹脂被覆キャリアの電気抵抗が安定し、また二成分現像剤を現像領域に安定して供給することができる前記現像装置を備えることにより、高速現像時においても長期に渡って画像濃度および解像度が高く、またキャリア付着およびかぶりの少ない高画質画像を出力することができる。
本発明は、二成分現像剤を用いて潜像担持体に形成される潜像を現像する現像装置であって、潜像担持体を臨んで回転自在に設けられ、二成分現像剤を担持して潜像担持体に形成される潜像を現像する位置へ搬送する現像剤担持体を含む。そして、本発明の現像装置に用いられる二成分現像剤は、平均円形度が0.940以上のコア材に、接着層を介してコート樹脂が被覆された樹脂被覆キャリアを含む。
また、現像剤担持体と潜像担持体との距離をDSDとし、樹脂被覆キャリアの体積平均粒径をDpとしたときのDSDおよびDpが下記式(1)を満たす。
6.5<DSD/Dp<15 …(1)
このように、本発明の現像装置は、二成分現像剤に含まれるキャリアおよび現像条件を規定することにより、耐久性に優れ、トナーへの帯電付与性能およびキャリアの電気抵抗が安定し、また二成分現像剤を現像領域に安定して供給することができるため、画像濃度および解像度が高く、またキャリア付着およびかぶりの少ない高画質画像を得ることができる。
図1は、本発明の現像装置に用いられる二成分現像剤に含まれる樹脂被覆キャリア100の構成を簡略化して示す断面図である。本発明の現像装置に用いられる二成分現像剤は、図1に示すような、平均円形度が0.940以上のコア材101とコート樹脂102との間に接着層103が設けられる樹脂被覆キャリア100とトナーとから構成される。
[樹脂被覆キャリア]
樹脂被覆キャリア100は、コート樹脂102が、接着層103が形成されたコア材101に被覆されることにより形成される。
〈樹脂被覆キャリア100の製造方法〉
樹脂被覆キャリア100の製造方法としては、まず平均円形度が0.940以上のコア材101を製造し、得られたコア材101に接着層103を設けた後、さらにコート樹脂102で被覆することによって製造できる。
コア材101の製造方法としては、従来の公知の方法を用いることができる。たとえば、フェライト粉末などの原料をボールミルなどにより混合した後仮焼し、湿式粉砕機などによる粉砕、スプレードライ方式などによる造粒、焼成を経た後、クラッシャなどにより解砕および粉砕して分級することにより、コア材101を製造できる。なお、仮焼はバッチ式またはロータリーキルンなどの連続式のいずれによっても行うことができる。
コア材101に接着層103を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、たとえば湿式法や乾式法などが上げられる。湿式法では、トルエン、n−ヘキサン、プロパノールなどの有機溶媒または水に、たとえばカップリング剤などの接着層103を形成する材料(以下、接着層形成材料と記す場合がある)を溶解または懸濁させた後にコア材101を添加して分散液を調製し、その分散液を数分〜1時間程度混合撹拌し、場合によっては加熱処理を施した後に、濾過などの工程を経て乾燥させることによってコア材101に接着層103を形成することができる。また、コア材101を有機溶媒または水に分散した懸濁液に、たとえばカップリング剤などの接着層形成材料を添加する方法であってもよい。乾式法では、コア材101の表面水を除去するために予備乾燥などを行った後、コア材101にたとえばカップリング剤などの接着層形成材料を直接添加し、ミキサーなどで混合撹拌することによってコア材101に接着層103を形成することができる。
接着層103が形成されたコア材101にコート樹脂102を被覆する方法としては、従来の公知の方法を用いることができる。たとえば、コート樹脂102またはコート樹脂102およびカーボンブラックなどの各種添加剤をトルエンなどの有機溶媒に分散させて分散液を調整し、この分散液を浸漬法、噴霧法、流動床法およびニーダーコーター法などの方法によって接着層103が形成されたコア材101に塗布する。そして200℃以上300℃以下で加熱することにより塗布したコート樹脂102を硬化させ、さらに乾燥させることによって、接着層103が形成されたコア材101にコート樹脂102を被覆することができる。上記方法の中でも、均一な層厚を形成できる点で流動床法や湿式法が好ましく、湿式法の場合には、分散液に接着層103が形成されたコア材101を添加した後、180℃以上280℃以下で一定時間攪拌することが好ましい。
このようにして製造された樹脂被覆キャリア100は、真球に近い平均円形度を有するコア材101を用いるためコート樹脂102が均一に被覆され、平均円形度が高い。またコア材101とコート樹脂102との間に接着層103が設けられるためコア材101とコート樹脂と102との接着性が高い。したがって、コート樹脂102の剥離を抑え、樹脂被覆キャリア100の耐久性を大幅に向上させることができる。また樹脂被覆キャリア100を充分に安定して高抵抗化することができるため、静電潜像の乱れを抑制することができる。さらにトナーへの付与帯電量が安定する。これにより本発明の現像装置は、キャリア付着を防止でき、また画像濃度および解像度が高くかぶりの少ない高画質画像を得ることができる。
また樹脂被覆キャリア100は、平均円形度が0.945以上であることが好ましい。樹脂被覆キャリア100の平均円形度がこの範囲を満たすことにより、コート樹脂102の剥離を抑え、樹脂被覆キャリア100の耐久性を大幅に向上させることができる。平均円形度が0.945未満である場合、コート樹脂が剥離しやすくなり安定して高画質画像を得ることができなくなるおそれがある。
また樹脂被覆キャリア100は、樹脂被覆キャリア100の表面積をS、コート樹脂102が被覆されていない非被覆部の表面積をSとしたとき、下記式(2)を満たすことが好ましい。これにより樹脂被覆キャリア100の耐久性がより向上するためにトナーへの付与帯電量および樹脂被覆キャリア100の電気抵抗がさらに安定し、画像濃度および解像度がより高く、かぶりおよびキャリア付着がより少ない優れた高画質画像を得ることができる。下記式(2)を満たさない場合、キャリアの高抵抗化および絶縁化が充分に達成されず静電画像の乱れを充分に抑制することができないため、キャリア付着を防止できないおそれがある。またコート樹脂102が剥離しやすくなるために、画像濃度および解像度が低下し、かぶりが増加した低画質画像が得られるおそれがある。
0≦(S/S)≦0.3 …(2)
上記S/Sの値は、樹脂被覆キャリア100の表面積Sおよび非被覆部の表面積Sを以下の方法により間接的に測定して求める。すなわち、現像機内から樹脂被覆キャリア100をサンプリングし、SEM(Scanning Electron Microscope,商品名:S−5500、株式会社日立製作所製)により任意の複数個の樹脂被覆キャリア100粒子について表面のSEM写真を撮影する。そして得られたSEM写真画像を、コート樹脂被覆部が黒、コート樹脂非被覆部が白となるように2値化処理し、樹脂被覆キャリア100の表面積に相当する樹脂被覆キャリア100の画素数(黒の画素数と白の画素数との合計)と、非被覆部の表面積に相当するコート樹脂非被覆部の画素数(白の画素数)とをカウントし、樹脂被覆キャリア100の画素数をS、コート樹脂非被覆部の画素数をSとしたときのS/Sの平均値を求める。上記方法では、樹脂被覆キャリア100の1粒子において、その半球部分、すなわち半分の表面積のみを測定しているが、複数の樹脂被覆キャリア100におけるS/Sの平均値を求めているため、樹脂被覆キャリア100全体の表面積を測定して算出した結果と同等の結果が得られる。
また樹脂被覆キャリア100の体積平均粒径(以下、Dpと記すことがある)は30μm以上60μm以下であることが好ましい。体積平均粒径が30μm以上60μm以下であることにより、充分な帯電サイトを得ることができるために、小粒径トナーと組合わせても、トナーへの充分な帯電付与性能を示し、より優れた高画質画像を得ることができる。体積平均粒径が30μm未満である場合、キャリア付着が増加し、画質が悪化するおそれがある。60μmを超える場合、画像上の欠け、ベタムラ(ベタ不均一)、かぶりなどの画像上の不具合が発生し、階調性および鮮明性に乏しい画像となるおそれがある。本実施形態における体積平均粒径とは、累積体積分布における大粒径側からの累積体積が50%になる粒径D50Vを示す。
また樹脂被覆キャリア100の印加電圧250Vにおける電気抵抗は、1013Ω以上であることが好ましい。樹脂被覆キャリア100の印加電圧250Vにおける電気抵抗が1×1013Ω以上であることにより、解像度が高くキャリア付着のより少ない、より優れた高画質画像を得ることができる。電気抵抗が1×1013Ω未満である場合、過剰現像により解像度の悪化およびキャリア付着の増加が起こり、また感光体ドラムへのキャリア付着が発生するために実用上の問題が大きくなるおそれがある。
樹脂被覆キャリア100の電気抵抗は、東亜DKK株式会社製SM−8220抵抗計によって測定する。測定は、ギャップ2mmの対面電極型セルに樹脂被覆キャリア100を両側から磁石で支持してブリッジ状態でセットし、両端の電極に電圧を印加して行う。このときの電流値より、電気抵抗値が算出される。なお、コア材101の電気抵抗も同様にして測定できる。測定時の印加電圧は、コア材101では500V、樹脂被覆キャリア100では250Vとする。
また本明細書中において、平均円形度は、以下のようにして、たとえばシスメックス株式会社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」を用いて求められる。「FPIA−3000」では、各樹脂被覆キャリア100粒子の円形度(ai)を下記式(3)に従って算出後、各円形度(ai)を0.40〜1.00まで0.01毎に61分割した各分割範囲に分けて頻度を求め、各分割範囲の中心値と頻度とを用いて各樹脂被覆キャリア100粒子の円形度(ai)の平均値の算出を行う簡易算出法を用いて平均円形度を求めている。
円形度(ai)=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)
/(粒子の投影像の周囲の長さ) …(3)
またm個の樹脂被覆キャリア100粒子について測定した各円形度(ai)の総和を求め、総和をコア材粒子数mで除算する式(4)によって得られる算術平均値もまた平均円形度(a)と定義される。
Figure 2009008949
上記簡易算出法で算出される平均円形度の値と、前記式(4)で与えられる平均円形度(a)の値との誤差は、非常に小さく実質的に無視出来る程度のものなので、本実施の形態では、簡易算出法による平均円形度を、前記式(4)で定義される平均円形度(a)と同じ値として取扱う。
平均円形度の具体的な測定方法は、以下のとおりである。界面活性剤を約0.1mg溶解している水10mLに、樹脂被覆キャリア100の5mgを分散させて分散液を調製し、周波数20kHz、出力50Wの超音波を分散液に5分間照射し、分散液中の樹脂被覆キャリア100の粒子濃度を5000個/μL〜20000個/μLとして、前記装置「FPIA−3000」により各粒子の円形度(ai)の測定を行い、平均円形度を求める。
以下に、樹脂被覆キャリア100の構成成分について説明する。
(コート樹脂102)
コート樹脂102としては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、たとえば、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂およびポリエステル系樹脂などを挙げることができる。コート樹脂102は、これらの樹脂のうち、1種を単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよいが、1種または2種以上のシリコン系樹脂により構成されることが好ましい。シリコン系樹脂は耐久性およびカップリング剤との接着性に優れているため、コート樹脂102が上記のように構成されることにより、コア材101とコート樹脂102との接着がより一層強固になり、さらにキャリアの機械的強度を高めることができる。コート樹脂102が上記構成でない場合、キャリアの機械的強度が不充分になり、耐久性が低下するおそれがある。
シリコン系樹脂としては公知のものを使用でき、たとえば、シリコーンワニス(商品名:TSR115、TSR114、TSR102、TSR103、YR3061、TSR110、TSR116、TSR117、TSR108、TSR109、TSR180、TSR181、TSR187、TSR144、TSR165など、いずれも信越化学株式会社製、KR271、KR272、KR275、KR280、KR282、KR267、KR269、KR211、KR212など、株式会社東芝製)、アルキッド変性シリコーンワニス(商品名:TSR184、TSR185など、株式会社東芝製)、エポキシ変性シリコーンワニス(商品名:TSR194、YS54など、株式会社東芝製)、ポリエステル変性シリコーンワニス(商品名:TSR187など、株式会社東芝製)、アクリル変性シリコーンワニス(商品名:TSR170、TSR171など、株式会社東芝製)、ウレタン変性シリコーンワニス(商品名:TSR175など、株式会社東芝製)、反応性シリコーン樹脂(商品名:KA1008、KBE1003、KBC1003、KBM303、KBM403、KBM503、KBM602、KBM603など、信越化学株式会社製)などが挙げられる。
コート樹脂102のコア材101に対する被覆量は特に限定されるものではないが、コア材101の100重量部に対して0.01重量部以上5重量部以下であることが好ましい。0.01重量部より少ないと、コート樹脂102の層厚が均一とならず樹脂被覆キャリア100表面の電気抵抗が均一にならないために画質が悪化し、また現像槽内での摩擦に起因する磨耗および剥離が生じやすく耐久性が低下する。5重量部より多いと、樹脂被覆キャリア100表面に凹凸が生じやすくなり、平滑さが損なわれるため、コート樹脂102が剥離しやすくなり、耐久性が低下する。またコート樹脂102によって構成されるコート樹脂層102の層厚は2.0μm以上3.0μm以下であることが好ましい。
また、これらのコート樹脂102には各種添加剤が添加されていてもよい。添加剤としては、たとえば、カーボンブラック、酸化ケイ素、アルミナ、グラファイト、酸化亜鉛、チタンブラック、酸化鉄、酸化チタン、酸化スズ、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。これらの中でも特に、カーボンブラックなどの導電性粒子を含むことが好ましい。コート樹脂102が導電性粒子を含むことにより、トナーへの帯電付与性能をより良好にすることができ、かぶりのより少ないより優れた高画質画像を得ることができる。導電性微粒子を含まない場合、トナーへの充分な帯電付与性能が得られず、かぶりが生じるおそれがある。
添加剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。添加剤の使用量は特に限定されるものではないが、コート樹脂102の100重量部に対して0.1重量以上20重量部以下であることが好ましい。
(接着層103)
接着層103を形成する材料としては、コア材とコート樹脂との接着性を高めることのできるものであれば特に限定されるものではないが、カップリング剤であることが好ましい。これにより、コア材とコート樹脂との接着性をより強固にすることができる。したがって、コート樹脂の剥離をより抑え、樹脂被覆キャリアの耐久性をより向上させることができる。また樹脂被覆キャリアをより安定して高抵抗化することができるため、静電潜像の乱れをより抑えることができ、より高画質性に優れた画像を得ることができる。
接着層103を形成するカップリング剤としては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、たとえば、アルコキシシラン化合物などのシラン系カップリング剤、アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシランカップリング剤、ハロゲン、窒素および硫黄などの原子がケイ素と結合したシリル化剤、チタネート系カップリング剤、ならびにアルミニウム系カップリング剤などが挙げられる。
シラン系カップリング剤としては、特に限定されるものではないが、たとえば、ヘキサメチルジシラザンおよびオクタメチルシクロテトラシラザンなどのシラザン類、ならびにテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、3−(1−アミノプロポキシ)−3,3−ジメチル−1−プロペニルトリメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)ジメチルメトキシシランおよびN−3−(アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアルコキシシラン化合物、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシランおよびフェニルトリクロロシランなどのクロロシラン類などが挙げられる。チタネート系カップリング剤としては、特に限定されるものではないが、たとえば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネートなどが挙げられる。アルミニウム系カップリング剤としては、特に限定されるものではないが、たとえば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどが挙げられる。また、これらのカップリング剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。
カップリング剤は、上記カップリング剤の中でもシラン系カップリング剤であることが好ましい。シラン系カップリング剤を用いることにより、コア材101とコート樹脂102とがより強固に接着されるため、よりコート樹脂102の剥離を抑えることができ、樹脂被覆キャリア100の耐久性をさらに向上させることができる。
カップリング剤のコア材101に対する使用量は、コア材101の種類や形態によって様々であり特に限定されるものではないが、カップリング剤によって構成される接着層103の層厚が0.1μm以上1.0μm以下となるように適宜調整されることが好ましい。接着層103の層厚が0.1μmより薄くなると、接着層103を設けることによる効果が発現しにくく、1.0μmより厚くなると樹脂被覆キャリア100が表面の平滑な球形状になりにくくなるため、コート樹脂102が剥離しやすくなり樹脂被覆キャリア100の耐久性が低下する。
(コア材101)
コア材101としては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、たとえば、フェライトおよび鉄粉などを挙げることができる。フェライトとしては、たとえば、マンガン(以下、Mnと記す。)系、マグネタイト系、マンガン−マグネシウム(以下、Mn−Mgと記す。)系、銅系、ニッケル系、亜鉛系、コバルト系およびカルシウム系などのフェライトを挙げることができる。鉄粉としては、たとえば、還元鉄粉、アトマイズ鉄粉およびチッ化鉄粉などを挙げることができる。コア材101は、帯電性能、耐久性などを考慮すると、Mn系またはMn−Mg系のフェライトであることが好ましく、さらにはMn−Mg系のフェライトであることが好ましい。Mn系またはMn−Mg系のフェライトは飽和磁化の値がコア材101として好適な範囲にあるため、感光体付着やキャリア凝集が発生しにくくなり、キャリア付着の少ない優れた画質の画像を得ることができる。また、コア材101とコート樹脂102との組合せとしては、Mn−Mg系のフェライトコア材とシリコン系樹脂とを組合せて用いることが、耐久性および高画質化の点からより好ましい。
コア材101は、平均円形度が、0.940以上である。このように、真球に近い平均円形度を有するコア材101を用いることによりコート樹脂102が均一に被覆され、平均円形度の高い小粒径の樹脂被覆キャリア100を得ることができる。平均円形度が0.940より小さいと、コート樹脂102が均一に被覆されないため、キャリア付着やスペントの発生が増加し、画質が悪化してしまう。コア材101の平均円形度は、樹脂被覆キャリア100の平均円形度と同様にして求められる。
またコア材101の電気抵抗は、印加電圧500Vにおいて、10Ω以上10Ω以下であることが好ましい。コア材101の電気抵抗がこのような範囲を満たすことにより、キャリア付着およびエッジ効果を抑制しつつ、高精細画像を再現することができる。コア材101の電気抵抗が10Ω未満である場合、キャリア付着を充分に抑制することができないおそれがある。10Ωを超える場合、現像感度が低くなり画像濃度が低下するおそれがある。また帯電の立ち上がりが遅くなるため、長期間の使用によりトナーと混合しにくくなりかぶりが生じやすくなるおそれがある。
[トナー]
本発明の現像装置に用いられる二成分現像剤を構成するトナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤および帯電制御剤などを含むトナー母体粒子に外添剤が添加されて構成される。以下にトナーの構成成分について説明する。
(結着樹脂)
トナー母体粒子は、結着樹脂を含んで構成される。結着樹脂としては、特に限定されるものではなく黒トナーまたはカラートナー用の公知の樹脂を用いることができ、たとえば、ポリエステル、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル−無水マレイン酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂およびアクリル樹脂などを挙げることができる。上記の共重合体としては、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。また、原料モノマー混合物に離型剤を混合し、重合反応を行って得られる樹脂を用いても良い。結着樹脂は、上記の樹脂1種を単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。これらの樹脂の分子量分布は、特に限定されるものではなく、1つのピークを有するものであってもよいし、2つのピークを有するものであってもよい。また熱的性質としては、ガラス転移点(Tg)が40℃以上70℃以下であることが好ましい。40℃より低いと、画像形成装置内の温度が上昇した場合に、トナーが溶融してしまい、トナー同士の凝集が発生してしまう。また、70℃より高いと、定着性が劣ってしまい、実用性に乏しい。
(着色剤)
トナー母体粒子は、着色剤を含んで構成される。着色剤としては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、たとえば、イエロートナー用着色剤、マゼンタトナー用着色剤、シアントナー用着色剤、ブラックトナー用着色剤などが挙げられる。
ブラックトナー用着色剤としては、たとえば、チャンネルブラック、ローラーブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが挙げられる。これら各種カーボンブラックの中から、得ようとするトナーの設計特性に応じて、適切なカーボンブラックを適宜選択すればよい。
イエロートナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17などのアゾ系顔料、黄色酸化鉄、黄土などの無機系顔料、C.I.アシッドイエロー1などのニトロ系染料、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー21などの油溶性染料などが挙げられる。
マゼンタトナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10、C.I.ディスパーズレッド15などが挙げられる。
シアントナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー 25、C.I.ダイレクトブルー86などが挙げられる。
これらの顔料以外にも、紅色顔料、緑色顔料などを使用できる。着色剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。また、同色系のものを2種以上用いることができ、異色系のものをそれぞれ1種または2種以上用いることもできる。
また着色剤は、結着樹脂の一部と予め溶融混練され、結着樹脂中に着色剤が高濃度で分散されたマスターバッチとして用いられてもよい。マスターバッチとして混練される樹脂としては、ポリエステル、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル−無水マレイン酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂およびアクリル樹脂などが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。マスターバッチは、上記の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合混練して得られる。この際、着色剤と樹脂との相互作用を高めるために、有機溶剤を添加してもよい。また、着色剤に水を含ませた水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させた後、水分と有機溶剤成分とを除去するフラッシング法を用いてもよい。混合混練するには3本ロールミルなどの高せん断分散装置が好ましく用いられる。
着色剤の添加量は特に制限されないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して5重量部以上20重量部以下であることが好ましい。
(離型剤)
トナー母体粒子は、離型剤としてワックスを含んで構成される。ワックスとしては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、たとえば、低分子量ポリプロピレンワックスおよびその誘導体、パラフィンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックスおよびその誘導体、ポリオレフィン系重合体ワックス(低分子量ポリエチレンワックスなど)およびその誘導体などの炭化水素系合成ワックス、カルナバワックスおよびその誘導体、ライスワックスおよびその誘導体、キャンデリラワックスおよびその誘導体、木蝋などの植物系ワックス、蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系合成ワックス、長鎖カルボン酸およびその誘導体、長鎖アルコールおよびその誘導体、シリコン系重合体、高級脂肪酸などが挙げられる。なお、誘導体には、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物などが含まれる。ワックスの添加量としては、特に限定されるものではないが、結着樹脂100重量部に対して0.2重量部以上20重量部以下であることが好ましい。
(帯電制御剤)
トナー母体粒子は、帯電制御剤を含んで構成される。帯電制御剤としては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、正帯電制御用帯電制御剤および負帯電制御用帯電制御剤を使用できる。正帯電制御用帯電制御剤としては、たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩などが挙げられる。負帯電制御用帯電制御剤としては、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属は鉄、クロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、樹脂酸石鹸などが挙げられる。電荷制御剤は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。帯電制御剤の添加量は、特に制限されるものではないが、結着樹脂100重量部に対して0.5重量部以上3重量部以下であることが好ましい。また、カラー画像形成に使用される場合には、無色あるいは淡色のものを使用することが好ましい。
(外添剤)
トナーは、トナー母体粒子に外添剤を添加して構成されていてもよい。外添剤としては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、たとえば、シリカ、チタン、アルミナ、マグネタイトおよびフェライトなどの金属酸化物粒子ならびにチッ化ケイ素およびチッ化ホウ素などの金属チッ化物微粒子などの微粉末を挙げることができる。さらに、これらの微粉末の表面を疎水化処理したものが好ましい。疎水化処理としては、たとえば、ジメチルジクロルシランおよびアミロシランなどのシランカップリング剤による処理、シリコーンオイルによる処理ならびにフッ素含有成分による処理などを挙げることができる。また外添剤としては、シリカがより好ましい。シリカ以外の微粒子のみを外添しても、トナーとキャリアとの接触において帯電付与が充分でないことがあり、さらに、シリカはトナーの流動化剤としても働くので、トナーの供給量を安定化させることができる。シリカの市販品としては、たとえば、日本アエロジル株式会社製のR976S、R972およびR974(以上、いずれも商品名)が好ましく、特にはR976Sが好ましい。外添剤は、上記の外添剤1種を単独で用いてもよいし、または2種以上を併用して用いてもよい。外添剤の添加量は、トナー母体粒子100重量部に対して0.1重量部以上5.0重量部以下であることが好ましい。
〈トナー製造方法〉
トナーは従来の公知の方法で製造でき、たとえば、結着樹脂、着色剤、離型剤および帯電制御剤などをヘンシェルミキサ、スーパーミキサなどの混合機により充分混合し、得られた混合物を二軸混練機などの混練機によって溶融混練する。その後得られた混練物をジェット式粉砕機などの粉砕機にて粉砕後、分級し、体積平均粒径で5μm以上15μm以下程度のトナー母体粒子を得ることができる。さらに、このトナー母体粒子に外添剤として無機微粒子などを添加し、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサなどの混合機により付着、均一分散させることによってトナーを製造することができる。
[二成分現像剤]
上記のようにして製造したトナーと樹脂被覆キャリア100とを規定のトナー濃度となるように混合機で混合させることによって、二成分現像剤を製造できる。混合機としては、公知のものを用いることができ、V型混合機およびナウターミキサーなどを挙げることができる。
[現像装置および画像形成装置]
図2は、本発明の現像装置300を備える画像形成装置200の一例を概略的に示す構成図であり、図3は、本発明の現像装置300の一例を概略的に示す構成図である。
画像形成装置200は、電子写真方式の画像形成装置であって、画像形成装置200の外部に設けられ、画像形成装置200に接続される外部機器、たとえば、パーソナルコンピュータなどの画像処理装置から入力される画像データや、画像読取装置で読取られて入力される画像データなどを、被転写体である記録媒体に画像として記録出力するものである。
画像形成装置200は、現像装置300を備える画像形成部201と、記録媒体供給部202と、画像定着部203と、制御部204とを含んで構成される。
画像形成部201は、潜像担持体である感光体ドラム205と、感光体ドラム205の周面に対向するようにして設けられる帯電手段206、露光ユニット207、現像装置300、転写手段208、クリーニングユニット209および除電手段210とを含んで構成される。帯電手段206および露光ユニット207は、潜像形成手段に相当する。
感光体ドラム205は、図示しない、円筒状または円柱状の導電性基体と、導電性基体の表面に形成される光導電層とを含む。
帯電手段206は、帯電ローラ、帯電チャージャなどの接触式または非接触式の帯電器によって構成され、感光体ドラム205の周面を所定の極性および電位に均一に帯電させる。
露光ユニット207は、半導体レーザなどを含むレーザユニットを含んで構成され、制御部204から伝達される画像データに基づいて、帯電手段206によって帯電された状態にある感光体ドラム205の周面を露光し、該周面に静電潜像を書き込む。
現像装置300は、図3に示すように、感光体ドラム205を臨んで回転自在に設けられる現像剤担持体である現像ローラ301と、現像ローラ301表面の二成分現像剤309の量を規制する現像剤規制部材であるドクターブレード302と、現像ローラ301を支持するとともに、内部空間に二成分現像剤309を収容する現像剤収容容器303と、現像剤収容容器303の内部に設けられる2本の攪拌手段である第1および第2攪拌供給ローラ304,305と、直流バイアス印加手段である直流バイアス電源306と、交番電界印加手段である高周波電源307とを含む。
現像ローラ301は、たとえば、アルミニウムなどから構成される外径25以上30mm以下の円柱状であり、内部の回転軸308の周りに図示しない磁極部材が設けられて複数の磁極を備える。現像ローラ301は、回転軸308を介して現像剤収容容器303に回転自在に支持され、図示しないモータなどの駆動手段によって矢符A1の方向に回転駆動される。現像ローラ301は、感光体ドラム205よりも鉛直方向下方に設置され、また現像ローラ301と感光体ドラム205との各回転軸の中心を結んだ直線上に感光体ドラム205と対向するように設置される。
以下、本明細書において現像ローラ301と感光体ドラム205と距離をDSDと記す。このDSDは調整可能に構成され、DSDと樹脂被覆キャリア100の体積平均粒径であるDpが下記式(1)を満たすように、たとえば420μmに設定される。DSDは、195μmより大きく900μm未満である。
6.5<DSD/Dp<15 …(1)
このように現像条件を規定することにより、現像ニップ部にて樹脂被覆キャリア100が受けるストレスを低減し、樹脂被覆キャリア100の耐久性を向上させることができる。また二成分現像剤309を現像領域に安定して供給することができるため、かぶりのない高画質画像を安定して得ることができる。
DSD/Dpが6.5未満である場合、感光体ドラム205および現像ローラ301がそれぞれ高速で回転するため、DSDが小さくなることにより(最小値0.225mm)、回転に対してDSDを安定に維持することが難しく、画像濃度むらやかぶりが生じて画質劣化を招きやすくなる。また、現像ニップ部での現像剤のパッキング防止のため、現像ローラ301上における搬送可能な現像剤量が少量になるため充分な画像濃度が得られなくなる。一方、DSD/Dpが15を超える場合、DSDが大きくなりすぎるため(最大値0.9mm)、現像ニップ部の空間が拡大され、現像ローラ301上に保持された磁気ブラシからトナーが遠心力を受けて飛散しやすくなり、かぶりがより生じやすくなる。さらに、樹脂被覆キャリア100が高抵抗であるため、エッジ効果が発生しやすくなる。
ドクターブレード302は板状部材であり、現像ローラ301の外周面に臨んで配置される。ドクターブレード302は、平面形状が略長方形であり、その長手方向が現像ローラ301の軸線と平行方向に延びて設けられる。ドクターブレード302の長手方向の長さは、現像ローラ301の軸線方向の長さと同等または若干長めに定められる。またドクターブレード302は、長手方向の一方の辺側が現像剤収容容器303にねじ止めまたは接着などによって固定され、他方の辺側が自由端となっており、自由端の端部が現像ローラ301を臨むようにして設けられる。ドクターブレード302は、現像ローラ301よりも鉛直方向上方に設置され、また現像ローラ301の回転方向に対して、現像ニップ部よりも上流側に設置される。そして、現像ローラ301の回転方向の上流側に向かって延びるドクターブレード302によって、搬送されてきた二成分現像剤309のうち余分な二成分現像剤309は掻き取られ、現像剤層の厚さが規制されて、一定厚の現像剤層が形成される。
ドクターブレードは、たとえばSUS304などのステンレス鋼などの磁性体含有材料から構成されることが好ましい。これにより、現像ローラ301とドクターブレード302との距離を広げてトルクを低減できるようになり、現像剤の劣化防止と磁気ブラシの均一化とを図ることができるため、現像効率を向上させることができる。
以下、本明細書において現像ローラ301とドクターブレード302との距離をDGと記す。このDGは調整可能に構成され、DGとDSDとの差が0.25mm未満になるように、たとえば450μmに設定されることが好ましい。DGは、特に限定されるものではないが、0.35mm以上0.6mm以下であることが好ましい。
このように現像条件を規定することにより、二成分現像剤309を現像領域により安定して供給することができるため、かぶりのない高画質画像をより安定して得ることができる。
DGとDSDとの差の値であるDG−DSDが0.25mmを超えると、DGがDSDに対して大きくなりすぎるため、ドクターブレード302によって規制される二成分現像剤309の量がうまく規制されずに多くなりすぎ、多量の二成分現像剤309が感光体ドラム205と現像ローラ301との間にパッキングされ、安定してトナーを感光体ドラム205に供給できなくなるおそれがある。したがって、濃度むらやかぶりが発生し、低画質画像が得られるおそれがある。
現像剤収容容器303は、たとえば硬質の合成樹脂などから構成され、二成分現像剤309を収容する容器である。現像剤収容容器303は、感光体ドラム205を臨んで開口部を有し、その開口部から一部が露出した状態で感光体ドラム205に対向する現像ローラ301が設けられる。
第1攪拌供給ローラ304および第2攪拌供給ローラ305は、現像ローラ301に対して感光体ドラム205の反対側に位置するようにしてそれぞれ現像剤収容容器303内に配置され、その軸線まわりに一定方向に回転自在に支持される。第1撹拌供給ローラ304は、二成分現像剤309を撹拌しつつ第2撹拌供給ローラ305に供給し、第2撹拌供給ローラ305は、二成分現像剤309を撹拌しつつ現像ローラ301に供給する。
直流バイアス電源306は、回転軸308を介して現像ローラ301に予め定めた直流現像バイアス電圧、たとえば−500Vを印加する。さらに、感光体ドラム205と現像ローラ301との間に、交番電界を印加する交番電界印加手段である高周波電源307を備える。感光体ドラム205と現像ローラ301との間に交番電界を印加することによって、感光体ドラム205と現像ローラ301との間に直流電圧と交流電圧とを重畳させることができる。直流電圧の印加によって磁気ブラシが安定化し、トナーを感光体ドラム205上の露光部に確実に供給できるので、画像かぶりの発生が抑制される。また、交番電界の印加によって磁気ブラシへの振動付与性能が向上し、強帯電トナーが磁気ブラシから離脱されるので、感光体ドラム205へのトナー供給が良好に行われ、高い画像濃度を得ることができる。
以下、本発明の現像装置300の動作を説明する。現像装置300において、第1攪拌供給ローラ304および第2攪拌供給ローラ305は、現像剤収容容器303に収容される二成分現像剤309と、トナー補給容器310から補給されるトナーとを撹拌してトナーと樹脂被覆キャリア100とを逆の極性に帯電させるとともに、これらを現像ローラ301に搬送する。現像ローラ301は、二成分現像剤309を担持して潜像担持体である感光体ドラム205に形成される潜像を現像する位置(以下、現像領域と記す)、すなわち現像ローラ301と感光体ドラム205との対向部に搬送する。このとき、現像ローラ301と感光体ドラム205との距離DSDは、前述の式(1)を満たすように、たとえば420μmに設定されているため、現像ニップ部にて樹脂被覆キャリア100が受けるストレスを低減し、樹脂被覆キャリア100の耐久性を向上させることができる。また二成分現像剤309を現像領域に安定して供給することができる。現像ローラ301には直流バイアス電源306および高周波電源307によって電圧が印加されているので、感光体ドラム205と現像ローラ301との間には電界が生じており、この電界によって現像ローラ301表面のトナーが感光体ドラム205表面に付着する。これによって、感光体ドラム205に形成された静電潜像が現像され、感光体ドラム205の外周面にトナー像が形成される。
このように、本発明の現像装置300は、感光体ドラム205を臨んで回転自在に設けられ、二成分現像剤309を担持して現像領域へ搬送する現像ローラ301を含む。そして、平均円形度が0.940以上のコア材101に、カップリング剤によって形成される接着層103を介してコート樹脂102が被覆された樹脂被覆キャリア100を含む二成分現像剤309を用い、また、現像ローラ301と感光体ドラムとの距離DSDと、樹脂被覆キャリア100の体積平均粒径Dpが上述の式(1)を満たす。これにより、耐久性に優れ、トナーへの帯電付与性能および樹脂被覆キャリア100の電気抵抗が安定し、また二成分現像剤309を現像領域に安定して供給することができるため、画像濃度および解像度が高く、またキャリア付着およびかぶりの少ない高画質の画像を得ることができる。
転写手段208は接触転写方式の転写手段であり、転写ローラ211と、図示しない電圧印加手段とを含んで構成され、記録媒体の感光体ドラム205との当接面の反対側の表面から転写ローラ211を感光体ドラム205に対して押圧する。そして、感光体ドラム205と記録媒体とを圧接した状態で電圧印加手段から転写ローラ211に電圧を印加して、記録媒体をトナーと逆の極性に帯電させる。これにより、感光体ドラム205の周面上に形成されたトナー像を、記録媒体に転写する。転写手段208は、以上の構成に限定されず、たとえば、転写ローラ211に代えて、ベルト状に形成される転写ベルトを備える構成であってもよい。なお、記録媒体は、露光ユニット207による露光に同期して、記録媒体供給手段202によって転写手段208に供給される。
クリーニングユニット209は、弾性材料からなるクリーニングブレードなどを含んで構成され、トナー像が記録媒体に転写された後に感光体ドラム205の周面に残留するトナーを除去し、清掃する。除電手段210は、除電ランプなどによって構成され、清掃後の感光体ドラム205の周面の電荷を除去する。
このように、画像形成部201では、感光体ドラム205の周面が帯電手段206によって均一に帯電され、続いて露光ユニット207から露光が行われ、静電潜像が書き込まれる。この静電潜像は、本発明の現像装置300から供給される二成分現像剤により現像化され、感光体ドラム205周面にトナー像が形成される。このトナー像は、転写手段208によって記録媒体に転写される。転写後、感光体ドラム205は、クリーニングユニット209による残留トナーの除去および除電手段210による電荷除去を受け、清浄化される。この一連の操作が繰り返し実行されることにより、複数の画像を形成することができる。
記録媒体供給手段202は、画像形成装置200の下部に設けられ、記録媒体収容トレイ212と、ピックアップローラ213と、レジストローラ214とを含んで構成される。記録媒体収容トレイ212は、普通紙、カラーコピー用紙、OHP(Over Head Projector)用フィルムなどの記録媒体を収容するトレイである。記録媒体収容トレイ212への記録媒体の補給は、画像形成装置200の正面側(操作側)に、記録媒体収容トレイ212を引き出して行われる。ピックアップローラ213は、記録媒体収容トレイ212内の記録媒体を1枚ずつ分離してレジストローラ214に送給する。レジストローラ214は、画像形成部201における露光ユニット207の感光体ドラム205周面への露光に同期して、記録媒体を感光体ドラム205と転写手段208との間に順次送給する。
このように、記録媒体供給手段202では、記録媒体収容トレイ212に収容される記録媒体は、ピックアップローラ213およびレジストローラ214を介して、画像形成部201に供給される。
画像定着部203は、定着手段である定着装置215と、搬送ローラ216と、切換えゲート217と、反転ローラ218と、積載トレイ219とを含んで構成される。定着装置215は、加熱部材である加熱ローラ220と、加熱ローラ220に当接して設けられる加圧部材である加圧ローラ221とを含む。加熱ローラ220は、加熱手段を備え、所定の温度に加熱される。本実施の形態では、加熱ローラ220は、記録媒体のトナー像が転写された面に接触することができるように設けられる。定着装置215は、以上の構成に限定されず、加熱ローラ220および加圧ローラ221に代えて、ベルト状の加熱部材および加圧部材を備える構成であってもよい。
定着装置215は、熱圧着方式の定着手段であり、画像形成部201の転写手段208によりトナー像が転写された記録媒体を順次受取り、加熱ローラ220と加圧ローラ221との当接部を通過させ、加熱ローラ220および加圧ローラ221によって加熱および加圧してトナー像を記録媒体に定着させる。記録媒体は、加熱ローラ220および加圧ローラ221に挟持され、加熱ローラ220および加圧ローラ221の回転によって搬送される。このように定着装置215は、加熱ローラ220をトナー像に接触させることによってトナー像を加熱して記録媒体に定着させ、記録媒体上に画像を形成する。
搬送ローラ216は、定着装置215にて画像が形成された記録媒体を切換えゲート217に送給する。切換えゲート217は、画像記録済み記録媒体の送給経路を切換える。反転ローラ218は、その軸線を中心として時計回りおよび反時計回りの両方向に回転駆動可能に設けられる1対のローラ部材であり、記録媒体の送給方向を変更する。積載トレイ219は、画像形成装置200の外部に設けられ、画像記録済み記録媒体を画像形成装置200の外部に排出し、貯留するためのトレイである。反転ローラ218は、画像記録済み記録媒体の排出トレイとして積載トレイ219が設定される場合には、切換えゲート217から画像記録済み記録媒体を積載トレイ219に排出する。
一方、両面画像形成または後処理が指定される場合には、反転ローラ218は、画像記録済み記録媒体を挟持した状態で、記録媒体の一部を積載トレイ219に向けて排出した後逆回転し、この記録媒体を切換えゲート217から図示しない中継搬送装置に搬送する。このとき、切換えゲート217は、実線の状態から破線の状態に切換えられる。
このように、画像定着部203では、定着装置215によりトナー像が定着され、画像が記録された記録媒体は、搬送ローラ216および切換えゲート217を介して反転ローラ218に搬送され、設定に応じて積載トレイ219に排出されるか、または再び切換えゲート217を介して図示しない中継搬送装置もしくは記録媒体再供給搬送装置に反転搬送される。
制御部204は、画像形成装置200内部の、露光ユニット207の上下空間部に設けられ、図示しない、画像形成プロセスを制御する回路基板、外部機器からの画像データを受け入れるインターフェイス基板および電源装置を含んで構成される。電源装置は、回路基板およびインターフェイス基板だけでなく、画像形成部201、記録媒体供給部202および画像定着部203における各装置にも電力を供給する。
なお、画像形成装置200の下面および側面には、搬送路222,223,224が設けられる。搬送路222,223,224は、その一端が外方に露出するように設けられ、画像形成装置200に外部装置を接続する際に、記録媒体を画像形成装置200の内部または外部に搬送するために利用される。
上述のように、本発明の画像形成装置200は、耐久性に優れ、トナーへの帯電付与性能および樹脂被覆キャリア100の電気抵抗が安定し、また二成分現像剤309を現像領域に安定して供給することができる前記現像装置300を備えることにより、高速現像時においても長期に渡って画像濃度および解像度が高く、またキャリア付着およびかぶりの少ない高画質画像を出力することができる。
以下に本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り特に本実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例における平均円形度、体積平均粒径、層厚および電気抵抗は、以下に示すようにして測定した。
(平均円形度)
界面活性剤を約0.1mg溶解している水10mLに、コア材または樹脂被覆キャリア5mgを分散させて分散液を調製し、周波数20kHz、出力50Wの超音波を分散液に5分間照射し、分散液中の粒子濃度を5000個/μL〜20000個/μLとして、フロー式粒子像分析装置(商品名:FPIA−3000、シスメックス株式会社製)を用いて簡易算出法により平均円形度を求めた。
(体積平均粒径)
100mlビーカーに、塩化ナトリウム(1級)の1重量%水溶液(電解液)を20ml入れ、これにアルキルベンゼンスルホン酸塩(分散剤、アルキル基(C2n+1、n=10〜14))0.5mgとコア材または樹脂被覆キャリア3mgとを順次添加し、5分間超音波分散した。これに全量が100mlになるように塩化ナトリウムの1重量%水溶液を加え、再度5分間超音波分散したものを測定用試料とした。この測定用試料について、コールターカウンターTA−III(コールター社製)を用い、アパーチャー径100μm、測定対象粒径が個数基準で2μm〜40μmの条件下に測定を行い、測定結果から累積体積分布における大粒径側からの累積体積が50%になる粒径D50Vを体積平均粒径として算出した。
(層厚)
カップリング剤により接着層が形成されたコア材粒子を常温硬化性のエポキシ樹脂中に充分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させる。得られた硬化物をダイヤモンドナイフを設置したミクロトームを用いて切断し、接着層が形成されたコア材粒子の断面が出るようにしたサンプル切片を切り出す。このサンプルをSEM(Scanning Electron Microscope,商品名:S−5500、株式会社日立製作所製)によって観察し、接着層が形成されたコア材粒子の任意の100個について断面のSEM写真を撮影した。得られたSEM写真画像を、コア材が黒、接着層が白となるように2値化処理した後、接着層の層厚を測定し、その平均値を求めた。
(電気抵抗)
コア材およびキャリアの電気抵抗は、東亜DKK株式会社製SM−8220抵抗計によって測定した。測定は、ギャップ2mmの対面電極型セルにコア材またはキャリア0.2gを両側から磁石で支持してブリッジ状態でセットし、両端の電極に電圧を印加して行った。このときの電流値より、電気抵抗値を算出した。なお、印加電圧は、コア材では500V、樹脂被覆後のキャリアでは250Vとした。
[評価]
以下に示すようにして製造した二成分現像剤を使用して、実施例1〜10および比較例1〜5の高速現像機(現像装置)を搭載した複写機(商品名:AR−705S改造機、シャープ株式会社製)を用いて原稿の印刷(記録出力)を行い、各現像装置の評価を行った。なお、記録出力は、以下に示すようなDSDおよびDGの異なる3パターンの現像条件A〜Cのうちいずれかの現像条件を用いて行った。
〔現像条件〕
評価環境 NN環境(20℃/50%RH)
感光体ドラム表面電位 −650V
DCバイアス −500V
感光体ドラム−現像ローラ間距離(DSD) A:400μm,B:500μm,C:350μm
ドクターブレード−現像ローラ間距離(DG) A:550μm,B:700μm,C:750μm
現像ローラ アルミニウム製、直径30mmφ
現像ローラ移動線速 540mm/s
感光体ドラム移動線速 337.5mm/s
現像磁極の位置 現像剤搬送上流側+2°
(実施例1)
[トナーの製造]
・ポリエステル(結着樹脂、商品名:EPA501、三洋化成工業株式会社製)
100重量部
・マスターバッチ
(C.I.Pigment Red 57:1、着色剤、40重量%含有)
14.5重量部
・パラフィン系ワックス(ワックス、商品名:HNP−5、日本精蝋株式会社製)
3.6重量部
・アルキルサリチル酸金属塩(帯電制御剤、商品名:ボントロンS−34、オリエント化学工業株式会社製)
2.4重量部
以上の各トナー原料をヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)にて10分間混合後、混練機(商品名:ニーデックス、三井鉱山株式会社製)にて溶融混練した。溶融混練における条件は、以下のとおりである。
・フロントロール 供給側温度 75℃
排出側温度 50℃
回転数 75rpm
・バックロール 供給側温度 20℃
排出側温度 20℃
回転数 60rpm
・トナー原料供給速度 10kg/時
なお、赤外線非接触温度計によって測定した溶融混練中におけるトナー原料の温度は、いずれの混練ポイントにおいても120℃以下であった。
溶融混練後、得られた溶融混練物を室温まで冷却し、次いでカッターミル(商品名:VM−16、槙野産業株式会社製)によって粗粉砕した。その後、得られた粗粉砕物をカウンタジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製)にて微粉砕した後、これをロータリー式分級機(ホソカワミクロン株式会社製)にて過粉砕トナーを分級除去し、体積平均粒径7.0μmのトナー母体粒子を作製した。このトナー母体粒子100重量部に対して、外添剤としてシリカ微粒子(商品名:R976S、日本アエロジル株式会社製)を1.2重量部外添することによってトナーを得た。
[樹脂被覆キャリアの製造]
樹脂被覆キャリアは、コア材を製造した後カップリング剤によって接着層を形成し、さらにコート樹脂を被覆することにより製造した。
まず、以下のようにしてコア材を製造した。Mn−Mg系フェライト粉末(DOWA IP クリエイション株式会社製)を計量しボールミルにて混合した後、仮焼した。次に、Mn−Mg系フェライトの仮焼粉を、湿式粉砕機によりスチールボールを粉砕媒体として用いて体積平均粒径2μm以下にまで微粉砕した。得られたMn−Mg系フェライト微粉末をスプレードライ方式により粒径100μm以上200μm以下に造粒した。造粒されたフェライト粉末を焼成した後、クラッシャにより解砕および粉砕して分級することにより、平均円形度が0.940で、体積平均粒径が39μmのMn−Mg系フェライトコア材を得た。
次いで、以下のようにして接着層を形成した。カップリング剤としてアミノシランカップリング剤(シラン系カップリング剤)10gをトルエン300mlに加えて溶液を調整した。この溶液に上記のようにして製造したMn−Mg系フェライトコア材10kgを撹拌しながら加え、その後1時間撹拌して分散液を得た。撹拌終了後、得られた分散液を濾過し、得られた濾過物を100℃で3時間加熱乾燥することによりコア材に接着層を形成した。なお、接着層を形成する前のコア材100重量部に対して0.7重量部となるように接着層を形成した。また接着層の層厚は1μm以下であった。
次いで、以下のようにして接着層が形成されたコア材をコート樹脂により被覆した。まず、シリコン樹脂(コート樹脂、商品名:KR−255、信越化学工業株式会社製)100gをトルエン300mlに溶解させた。次いで、この溶液を湿式法にて接着層が形成されたコア材に塗布し、250℃で2時間加熱して塗布したコート樹脂を硬化させた。その後、260℃で1時間乾燥させることによって平均円形度が0.945で、体積平均粒径が40μmの樹脂被覆キャリアを製造した。なお、コート樹脂の被覆量は、接着層を形成する前のコア材100重量部に対して2.5重量部となるようにした。
[二成分現像剤の製造]
上記のようにして製造したトナーと樹脂被覆キャリアとを、トナー濃度が5.0重量%になるようにしてV型混合機(商品名:V−5、株式会社特寿工作所製)にて20分間混合攪拌することによって二成分現像剤を製造した。
[記録出力]
上記のようにして製造した二成分現像剤を用い、現像条件Aを用いて記録出力を行う実施例1の現像装置を準備した。
(実施例2)
平均円形度が0.945で、体積平均粒径が28μmのMn−Mg系フェライトコア材を製造して使用した以外は、実施例1と同様にして実施例2の現像装置を準備した。
(実施例3)
平均円形度が0.940で、体積平均粒径が53μmのMn系フェライト粉末(DOWA IP クリエイション株式会社製)を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例3の現像装置を準備した。
(実施例4)
平均円形度が0.945で、体積平均粒径が28μmのMn系フェライトコア材を製造して使用した以外は、実施例1と同様にして実施例4の現像装置を準備した。
(実施例5)
カップリング剤としてイソプロピルトリイソステアロイルチタネート(チタネート系カップリング剤)を使用し、これをプロパノールに加えて溶液を調整し、現像条件Bを用いた以外は、実施例1と同様にして実施例5の現像装置を準備した。
(実施例6)
平均円形度が0.940で、体積平均粒径が38μmのMn系フェライトコア材を製造して使用し、カップリング剤としてアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート(アルミニウム系カップリング剤)を使用し、これをプロパノールに加えて溶液を調整し、現像条件Bを用いた以外は、実施例1と同様にして実施例6の現像装置を準備した。
(実施例7)
コア材の焼成温度およびコート樹脂の硬化温度を変更し、現像条件Bを用いた以外は、実施例1と同様にして実施例7の現像装置を準備した。
(実施例8)
平均円形度が0.940で、体積平均粒径が59μmのMn−Mg系フェライトコア材を製造して使用し、現像条件Bを用いた以外は、実施例1と同様にして実施例8の現像装置を準備した。
(実施例9)
平均円形度が0.940で、体積平均粒径が26μmのMn−Mg系フェライトコア材を製造して使用し、コート樹脂にアクリル系樹脂(商品名:ダイヤナールBR−52、三菱レイヨン株式会社製)を使用し、現像条件Bを用いた以外は、実施例1と同様にして実施例9の現像装置を準備した。
(実施例10)
現像条件Cを用いた以外は、実施例1と同様にして実施例10の現像装置を準備した。
(比較例1)
平均円形度が0.940で、体積平均粒径が22μmのMn−Mg系フェライトコア材を製造して使用し、現像条件Aを用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1の現像装置を準備した。
(比較例2)
平均円形度が0.940で、体積平均粒径が73μmのMn−Mg系フェライトコア材を製造して使用し、現像条件Aを用いた以外は、実施例1と同様にして比較例2の現像装置を準備した。
(比較例3)
平均円形度が0.930で、体積平均粒径が39μmのMn−Mg系フェライトコア材を製造し、現像条件Aを用いた以外は、実施例1と同様にして比較例3の現像装置を準備した。
(比較例4)
カップリング剤によるコア材の予備被覆を行わず、現像条件Bを用いた以外は、実施例1と同様にして比較例4の現像装置を準備した。
(比較例5)
平均円形度が0.940で、体積平均粒径が59μmのMn−Mg系フェライトコア材を製造し、現像条件Cを用いた以外は、実施例1と同様にして比較例5の現像装置を準備した。
下記表1に、現像条件、DSD/DpおよびDG−DSDの値、実施例1〜10および比較例1〜5の現像装置に用いられる二成分現像剤を構成する樹脂被覆キャリアの各原料、ならびに樹脂被覆キャリアの平均円形度、体積平均粒径(Dp)および電気抵抗についてまとめた。なお、Aはヘキサメチルジシラザン(シラン系カップリング剤)、Bはイソプロピルトリイソステアロイルチタネート(チタネート系カップリング剤)、Cはアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート(アルミニウム系カップリング剤)を示し、aはシリコン樹脂、bはアクリル系樹脂を示す。
Figure 2009008949
〔評価1〕
実施例1,5および比較例4の現像装置に使用される二成分現像剤について、以下のようにしてコート樹脂残存率およびトナースペントについて評価した。その結果を表2に示す。なお、評価項目の説明に記載されている「◎」、「○」、および「×」の記号は、表2で用いる評価結果を示す記号である。「◎」は非常に優れていることを示し、「○」は優れていることを示し、「×」は実用が困難であることを示す。
(コート樹脂残存率)
SEM(Scanning Electron Microscope,商品名:S−5500、株式会社日立製作所製)により任意の100個の樹脂被覆キャリア粒子について表面のSEM写真を撮影した。得られたSEM写真画像を、コート樹脂被覆部が黒、コート樹脂非被覆部が白となるように2値化処理した後、樹脂被覆キャリアの画素数(黒の画素数と白の画素数との合計)とコート樹脂被覆部の画素数(黒の画素数)とをカウントし、樹脂被覆キャリアの画素数をS、コート樹脂被覆部の画素数をSとしたときのコート樹脂残存率をS/S×100の平均値を求めることにより算出した。測定は、印字率5%の原稿を5枚間欠で400000枚印刷した後の樹脂被覆キャリアについて行い、下記の基準に基づいてコート樹脂残存率を評価した。
◎:コート樹脂残存率が80%以上である。
○:コート樹脂残存率が75%以上80%未満である。
×:コート樹脂残存率が75%未満である。
(トナースペント)
現像機内から樹脂被覆キャリア1.0gをサンプリングし、カーボンアナライザー(商品名:EMIA、株式会社堀場製作所製)により検出された樹脂被覆キャリア表面の炭素量をトナースペントとした。測定は、印字率6%の原稿を50枚間欠で500000枚印刷した後の樹脂被覆キャリアについて行い、下記の基準に基づいてトナースペントを評価した。
◎:トナースペントが0.12未満である。
○:トナースペントが0.12以上0.20未満である。
×:トナースペントが0.20以上である。
Figure 2009008949
表2に示した結果から、本発明における実施例1,5の現像装置に使用される二成分現像剤は、比較例4の現像装置に使用される二成分現像剤と比べて以下のように耐久性に優れている。
実施例1の現像装置に使用される二成分現像剤は、400000枚以上印刷後であってもコート樹脂残存率が80%以上でトナースペントが0.12未満であり、非常に優れた耐久性を示す。
実施例5の現像装置に使用される二成分現像剤は、400000枚以上印刷後であってもコート樹脂残存率が75%以上80%未満でトナースペントが0.12以上0.20未満であり、優れた耐久性を示す。
一方、比較例4の現像装置に使用される二成分現像剤では、400000枚以上印刷後において、コート樹脂残存率が75%未満でトナースペントが0.20以上であり、耐久性の悪化が見られる。
したがって、本発明における実施例1,5の現像装置に使用される二成分現像剤は、カップリング剤によって形成される接着層によりコア材とコート樹脂とが強固に接着されることにより、コート樹脂の剥離を抑えることができ、300000枚印刷前後に劣化の見られる従来の二成分現像剤と比較して、大幅に耐久性を向上させることができる。
〔評価2〕
実施例1〜10および比較例1〜5の現像装置について記録出力を行い、以下のようにしてコート樹脂の剥離、画像濃度、解像度、かぶり、キャリア付着および帯電量について評価した。その結果を表3に示す。なお、評価項目の説明に記載されている「◎」、「○」、「△」および「×」の記号は、表3で用いる評価結果を示す記号である。「◎」は非常に優れていることを示し、「○」は優れていることを示し、「△」は実用可能であることを示し、「×」は実用が困難であることを示す。
(コート樹脂の剥離)
現像機内から樹脂被覆キャリアをサンプリングし、SEM(Scanning Electron Microscope,商品名:S−5500、株式会社日立製作所製)により任意の100個の樹脂被覆キャリア粒子について表面のSEM写真を撮影した。得られたSEM写真画像を、コート樹脂被覆部が黒、コート樹脂非被覆部が白となるように2値化処理した後、樹脂被覆キャリアの画素数(黒の画素数と白の画素数との合計)とコート樹脂非被覆部の画素数(白の画素数)とをカウントし、樹脂被覆キャリアの画素数をS、コート樹脂非被覆部の画素数をSとしたときのS/Sの平均値を求めた。測定は、印字率5%の原稿を5枚間欠で100000枚印刷した後の樹脂被覆キャリアについて行い、下記の基準に基づいてコート樹脂の剥離を評価した。
○:S/Sが0.3以下である。
△:S/Sが0.3より大きく0.4以下である。
×:S/Sが0.4より大きい。
(画像濃度)
白紙用紙上に原稿濃度が1.30になるようにベタ画像を複写し、得られたベタ画像の白紙用紙に対する相対反射濃度をマクベス反射濃度計(Macbeth社製、商品名:RD−914)によって測定した。測定は、初期状態の二成分現像剤を用いて印刷したベタ画像の画像濃度と印字率5%の原稿を5枚間欠で100000枚印刷した後に印刷したベタ画像の画像濃度とについて2回行い、これらの画像濃度の平均値によって下記の基準に基づいて画像濃度を評価した。
○:画像濃度が1.30以上である。
△:画像濃度が1.20以上1.30未満である。
×:画像濃度が1.20未満である。
(解像度)
白紙用紙上に、幅1mmの間に等間隔で12本の直線を引いた細線画像を複写し、得られた1mm幅あたりに形成されている細線画像のうち、目視観察により識別することのできる本数によって解像度を評価した。測定は、印字率6%の原稿を50枚間欠で100000枚印刷した後に印刷した細線画像について行い、下記の基準に基づいて解像度を評価した。
◎:7.2本/mm以上識別可。
○:6.3本/mm以上7.2本/mm未満識別可。
△:4.5本/mm以上6.3本/mm未満識別可。
×:4.5本/mm未満識別可。
(かぶり)
白紙用紙上に白紙画像を複写し、得られた白紙画像の白紙用紙に対する相対反射濃度をマクベス反射濃度計によって測定した。測定は、印字率5%の原稿を5枚間欠で100000枚印刷した後に印刷した白紙画像について行い、下記の基準に基づいてかぶりを評価した。
○:画像濃度が1.0未満である。
△:画像濃度が1.0以上1.5未満である。
×:画像濃度が1.5以上である。
(キャリア付着)
A3サイズの白紙用紙上に白紙画像を複写し、得られた白紙画像上に見られる付着キャリア粒子の個数を拡大鏡(直径:5mm、倍率×30)を使用して目視観察により測定した。測定は、印字率5%の原稿を5枚間欠で100000枚印刷した後に印刷した白紙画像について行い、下記の基準に基づいてキャリア付着を評価した。
◎:A3用紙1枚当りに観察される付着キャリア粒子の個数が5個以下である。
○:A3用紙1枚当りに観察される付着キャリア粒子の個数が5個より多く30個以下である。
△:A3用紙1枚当りに観察される付着キャリア粒子の個数が30個より多く50個以下である。
×:A3用紙1枚当りに観察される付着キャリア粒子の個数が50個より多い。
(帯電量)
マグネットローラ上から二成分現像剤1gを採取し、吸引式小型帯電量測定装置(商品名:210HS−2A、Trek株式会社製)を使用して帯電量を測定した。測定は、初期状態の二成分現像剤と印字率6%の原稿を50枚間欠で100000枚印刷した後の二成分現像剤とについて2回行い、両者の帯電量の差について下記の基準に基づいて帯電量を評価した。
◎:帯電量の差が5μC/g未満である。
○:帯電量の差が5μC/g以上8μC/g未満である。
△:帯電量の差が8μC/g以上10μC/g未満である。
×:帯電量の差が10μC/g以上である。
Figure 2009008949
表3に示した結果から、本発明における実施例1〜10の現像装置は、比較例1〜5の現像装置と比べて以下のようにトナーへの帯電付与性能およびキャリアの電気抵抗が安定し、また二成分現像剤を現像領域に安定して供給することができるため、高画質画像を得ることができる。
たとえば、実施例1〜7の現像装置は、平均円形度が0.940以上のコア材に、カップリング剤によって形成される接着層を介してコート樹脂が被覆された樹脂被覆キャリアを含む二成分現像剤を用い、また、DSD/Dpが6.5より大きく15未満であるために、付与帯電量が安定し、コート樹脂の剥離が少なく、また画像濃度および解像度における評価が高くキャリア付着およびかぶりの少ない高画質画像を得ることができた。
また実施例8,9の現像装置は、平均円形度が0.940以上のコア材に、カップリング剤によって形成される接着層を介してコート樹脂が被覆された樹脂被覆キャリアを含む二成分現像剤を用い、また、DSD/Dpが6.5より大きく15未満であるために、付与帯電量が安定し、コート樹脂の剥離が少なく、またかぶりを生じたものの画像濃度および解像度における評価が高くキャリア付着の少ない高画質画像を得ることができた。
また実施例10の現像装置においても、平均円形度が0.940以上のコア材に、カップリング剤によって形成される接着層を介してコート樹脂が被覆された樹脂被覆キャリアを含む二成分現像剤を用い、また、DSD/Dpが6.5より大きく15未満であるため、付与帯電量が安定し、コート樹脂の剥離が少なく、またキャリア付着およびかぶりが生じたものの画像濃度および解像度における評価の高い高画質画像を得ることができた。
一方、比較例1の現像装置は、平均円形度が0.940以上のコア材に、カップリング剤によって形成される接着層を介してコート樹脂が被覆された樹脂被覆キャリアを含む二成分現像剤を用いたものの、DSD/Dpが15以上であったため、キャリア付着が見られ、またかぶりの多い低画質画像が得られた。
また比較例2,5の現像装置は、平均円形度が0.940以上のコア材に、カップリング剤によって形成される接着層を介してコート樹脂が被覆された樹脂被覆キャリアを含む二成分現像剤を用いたものの、DSD/Dpが6.5未満であったため、コート樹脂の剥離が生じ、充分な画像濃度および解像度が得られず、かぶりの多い低画質画像が得られた。
また比較例3の現像装置は、カップリング剤によって形成される接着層を介してコート樹脂が被覆された樹脂被覆キャリアを含む二成分現像剤を用い、DSD/Dpが6.5より大きく15未満であったものの、コア材の平均円形度が0.940未満であったために、コート樹脂の剥離が生じ、付与帯電量の経時安定性の悪化が見られた。
また比較例4の現像装置は、カップリング剤によって形成される接着層を有しないために、コート樹脂の剥離が生じ、付与帯電量の経時安定性の悪化が見られ、キャリア付着およびかぶりが生じ、解像度においても悪化が見られた。
本発明の現像装置に用いられる二成分現像剤に含まれる樹脂被覆キャリアの構成を簡略化して示す断面図である。 本発明の現像装置を備える画像形成装置の一例を概略的に示す構成図である。 本発明の現像装置の一例を概略的に示す構成図である。
符号の説明
100 樹脂被覆キャリア
101 コア材
102 コート樹脂
103 接着層
200 画像形成装置
201 画像形成部
202 記録媒体供給部
203 画像定着部
204 制御部
205 感光体ドラム
206 帯電手段
207 露光ユニット
208 転写手段
209 クリーニングユニット
210 除電手段
211 転写ローラ
212 記録媒体収容トレイ
213 ピックアップローラ
214 レジストローラ
215 定着装置
216 搬送ローラ
217 切換えゲート
218 反転ローラ
219 積載トレイ
220 加熱ローラ
221 加圧ローラ
222,223,224 搬送路
300 現像装置
301 現像ローラ
302 ドクターブレード
303 現像剤収容容器
304 第1攪拌供給ローラ
305 第2攪拌供給ローラ
306 直流バイアス電源
307 高周波電源
308 回転軸
309 二成分現像剤
310 トナー補給容器

Claims (13)

  1. 二成分現像剤を用いて潜像担持体に形成される潜像を現像する現像装置であって、
    潜像担持体を臨んで回転自在に設けられ、二成分現像剤を担持して潜像担持体に形成される潜像を現像する位置へ搬送する現像剤担持体を含み、
    二成分現像剤は、平均円形度が0.940以上のコア材に、接着層を介してコート樹脂が被覆された樹脂被覆キャリアを含み、
    現像剤担持体と潜像担持体との距離をDSDとし、樹脂被覆キャリアの体積平均粒径をDpとしたときのDSDおよびDpが下記式(1)を満たすことを特徴とする現像装置。
    6.5<DSD/Dp<15 …(1)
  2. 接着層は、カップリング剤によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 現像剤担持体に臨んで配置され、現像剤担持体表面の二成分現像剤の量を規制する現像剤規制部材を含み、
    現像剤担持体と現像剤規制部材との距離をDGとしたときに、DGとDSDとの差が0.25mm未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
  4. 樹脂被覆キャリアは、平均円形度が、0.945以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の現像装置。
  5. 樹脂被覆キャリアの表面積をS、コート樹脂が被覆されていない非被覆部の表面積をSとしたとき、下記式(2)を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の現像装置。
    0≦(S/S)≦0.3 …(2)
  6. コア材は、Mn系またはMn−Mg系のフェライトであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の現像装置。
  7. コート樹脂は、1種または2種以上のシリコン系樹脂により構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の現像装置。
  8. Dpは、30μm以上60μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の現像装置。
  9. コア材の電気抵抗は、印加電圧500Vにおいて、10Ω以上10Ω以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の現像装置。
  10. 樹脂被覆キャリアの電気抵抗は、印加電圧250Vにおいて、1013Ω以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の現像装置。
  11. コート樹脂は、導電性粒子を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の現像装置。
  12. 現像剤規制部材は、磁性体含有材料から構成されることを特徴とする請求項3〜11のいずれか1つに記載の現像装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか1つに記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011008163A (ja) * 2009-06-29 2011-01-13 Kyocera Mita Corp 現像装置及びそれを備えた画像形成装置

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