JP2001318488A - 磁性トナー - Google Patents
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Abstract
整が極めて容易であり、しかも、感光体に対して優れた
研磨能力も備えた画像欠陥が少ない磁性トナーを提供す
る。 【解決手段】 少なくとも磁性粉および結着樹脂からな
るトナー粒子と、外添剤とを含む磁性トナーにおいて、
外添剤として、下記(A)成分、(B)成分および
(C)成分を含有する。 (A)疎水性シリカ (B)500Ω・cm未満の比抵抗を有する低抵抗導電
性研磨粒子 (C)500Ω・cm以上の比抵抗を有する高抵抗導電
性研磨粒子
Description
し、より詳細には、複写機やレーザプリンタ等で採用さ
れている電子写真法、静電記録法、静電印刷法等で用い
られる磁性トナーに関する。
ナーの一例が、特開昭52−135739号公報や特開
昭56−123550号公報に開示されており、磁性粉
および結着樹脂からなるトナー粒子に対して、外添剤と
して、アミノシラン化合物等で表面処理したシリカ微粉
末を0.05〜5重量%の割合で添加することが提案さ
れている。
は、十分な導電性を得ることを目的として、100重量
部のトナー母体粒子の表面に、比抵抗が10Ω・cm以
下のアンチモンドープ酸化スズ微粉末、あるいは比抵抗
が50Ω・cm以下であって、アンチモンドープ酸化ス
ズからなる導電膜を表面に形成した酸化チタン微粉末を
0.05〜5重量部の割合で付着させた電子写真用トナ
ーが開示されている。
トナー粒子100重量部に対し、シリカ、酸化チタンお
よびアルミナから選択される少なくとも一種を0.05
〜2重量部と、イオン化ポテンシャルが4.9eV以下
であるマグネタイト0.05〜3重量部とを添加してな
る正帯電型の電子写真現像剤が開示されている。
52−135739号公報や特開昭56−123550
号公報に開示された磁性トナーは、シリカ微粉末の表面
に親水性極性基であるアミノ基を導入しているため、耐
湿性に未だ乏しく、高温高湿環境下、例えば、33℃、
85%RH条件において、磁性トナーの流動性が低下し
たり、帯電特性の調整が困難になり、そのため画像濃度
が低下するなどの問題が見られた。また、トナーコンテ
ナや現像装置内での保存特性劣化の問題も見られた。
示された磁性トナー(電子写真用トナー)は、帯電の立
ち上がり性に乏しく、また、耐湿性や耐久性についても
乏しいため、高温高湿環境下において、トナーの流動性
が低下したり、帯電特性の調整が困難になるなどの問題
が見られた。また、帯電特性の調整のために、特定のア
ンチモンドープ酸化スズ微粉末、あるいはアンチモンド
ープ酸化スズからなる導電膜を表面に形成した酸化チタ
ン微粉末を用いなければならず、さらには、比抵抗を1
0Ω・cm以下の値にしなければならないなどの、極め
て厳格な制限が見られた。
示された磁性トナー(正帯電型の電子写真現像剤)は、
イオン化ポテンシャルの調整のためにアミノシランカッ
プリング剤等により処理したマグネタイトを用いてお
り、耐湿性に乏しく、そのため、高温高湿環境におい
て、磁性トナーの流動性が低下したり、帯電特性の調整
が困難になるなどの問題が見られた。また、マグネタイ
トは、感光体に対する研磨効果を発揮することができな
いため、トナー付着や画像流れ等が生じやすいという問
題も見られた。さらに、シリカを添加する場合には、正
帯電用の表面処理を施さなければならないという制約も
見られた。
くなされたものであり、トナー粒子に対し、非導電性研
磨粒子である疎水性シリカ(A成分)と、特定の比抵抗
を有する二種以上の導電性研磨粒子(B成分およびC成
分)とをそれぞれ外添することにより、比抵抗が10Ω
・cm以下のアンチモンドープ酸化スズ微粉末をしなけ
ればならないというような制限を課せられることなく、 耐湿性や耐久性に優れているとともに、 帯電特性の調整が容易であって、 しかも、感光体に対して優れた研磨能力を発揮できる
画像欠陥が少ない磁性トナーを提供することを目的とす
る。
とも磁性粉および結着樹脂からなるトナー粒子と、外添
剤とを含む磁性トナーであって、外添剤として、下記
(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有した磁
性トナーが提供され、上述した問題を解決することがで
きる。 (A)疎水性シリカ (B)500Ω・cm未満の比抵抗を有する低抵抗導電
性研磨粒子 (C)500Ω・cm以上の比抵抗を有する高抵抗導電
性研磨粒子 すなわち、特定の比抵抗を有する(B)成分と、(C)
成分とを含有することにより、帯電特性の調整が容易と
なる。また、(A)成分として、非導電性研磨粒子であ
る疎水性シリカを含有することにより、磁性トナーの耐
湿性や耐久性を向上させることができる。さらに、この
ような三種類の研磨粒子を添加することにより、感光体
に対して優れた研磨能力を発揮することができ、そのた
め、画像欠陥を著しく少なくすることができる。
たり、(B)成分と、(C)成分との添加比率を、重量
比で、1:1〜1:5の範囲内の値とすることが好まし
い。このような(B)成分と、(C)成分との添加比率
とすることにより、磁性トナーにおける帯電特性の調整
がより容易となる。
たり、(B)成分が、例えば、酸化スズ、より好ましく
はアンチモンをドープした酸化スズ(SnO2/Sb)
からなる導電層を表面に形成した酸化チタン粒子であ
り、(C)成分が、チタネート系カップリング剤処理し
た酸化チタン粒子であることが好ましい。このような
(B)成分と、(C)成分であれば、優れた研磨効果を
発揮できるとともに、比抵抗の調整がより容易となる。
たり、(A)成分である疎水性シリカの疎水化度を40
%以上の値とすることが好ましい。このように(A)成
分の疎水化度を制限することにより、磁性トナーにおけ
る耐湿性や耐久性をより向上させることができる。な
お、疎水性シリカの疎水化度は、後述するメタノール数
で定義することができる。
たり、外添剤の添加量を、トナー粒子100重量部に対
して0.5〜10重量部の範囲内の値とすることが好ま
しい。このような外添剤の添加量とすることにより、磁
性トナーにおける帯電特性の調整と、耐湿性や耐久性の
向上とのバランス、さらにはこれらの特性と、研磨効果
の発現とのバランスをより向上させることができる。
たり、(B)成分の平均粒径を、0.01〜3μmの範
囲内の値とし、(C)成分の平均粒径を、0.05〜5
μmの範囲内の値とすることが好ましい。それぞれこの
ような平均粒径を有することにより、トナー粒子の周囲
に(B)成分や、(C)成分が付着しやすくなるととも
に、磁性トナーにおける帯電特性および感光体に対する
研磨力の調整がより容易となる。
たり、トナー粒子の平均粒径をd1(μm)とし、
(A)成分の平均粒径をd2(μm)とし、(B)成分
の平均粒径をd3(μm)とし、および(C)成分の平
均粒径をd4(μm)としたときに、以下の大小関係を
満足することが好ましい。 d1>d4≧d3>d2 このような大小関係を満足することにより、トナー粒子
の周囲に(B)成分や、(C)成分が付着しやすくなる
とともに、(A)成分が、トナー粒子の周囲のみならず
(B)成分や、(C)成分の周囲にも付着しやすくなる
ため、帯電特性の調整や耐湿性の向上とのバランスをよ
り向上させることができる。また、平均粒径に関して異
なる三種類の研磨粒子が存在するため、感光体に対して
優れた研磨能力を発揮できるようになり、画像欠陥(画
像濃度の不均一性やカブリ発生)を少なくすることがで
きる。
図を示すように、少なくとも磁性粉および結着樹脂から
なるトナー粒子10と、外添剤とを含む磁性トナー18
であって、当該外添剤として、以下の(A)成分16、
(B)成分14および(C)成分12を含有する磁性ト
ナー18である。 (A)成分:非導電性研磨粒子である疎水性シリカ (B)成分:500Ω・cm未満の体積抵抗を有する低
抵抗導電性研磨粒子 (C)成分:500Ω・cm以上の体積抵抗を有する高
抵抗導電性研磨粒子 以下、本発明の実施形態をキャリアを使用しない一成分
系磁性トナーとして説明するが、本発明はそれに限られ
るものでなく、かかる磁性トナーと、キャリアとを組み
合わせ、二成分系磁性トナーとして構成することも好ま
しい。
は、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、ス
チレン−アクリル共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−ビニルアルコール共重合体のようなエチレン系共重合
体、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリルフタ
レート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル系樹脂、マ
レイン酸樹脂等を用いることができる。ただし、後述す
るワックス成分や、顔料等の分散性がより良好であり、
しかもトナー粒子としての耐久性に優れていることか
ら、ポリエステル系樹脂や、スチレン−アクリル共重合
体をバインダー樹脂として使用することがより好まし
い。
レンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリプロピレ
ン変性物、ポリエステルワックス等が挙げられる。ま
た、ワックス成分の分子量については、トナー粒子の定
着ロールに対する離型性や取り扱い性等を考慮して定め
られるが、例えば、GPCで測定されるポリスチレン換
算の重量平均分子量を1,000〜40,000の範囲
内の値とすることが好ましい。この理由は、ワックス成
分の重量平均分子量が、1,000未満の値となると、
取り扱いが困難となったり、ブリードしやすくなった
り、あるいはトナー粒子と、キャリアの被覆層との親和
性が逆に向上して、スペントが生じ易くなる場合がある
ためである。一方、ワックス成分の重量平均分子量が4
0,000を超えると、トナー粒子の定着ロールに対す
る離型性が低下したり、均一に混合することが困難とな
る場合があるためである。したがって、トナー粒子の定
着ロールに対する離型性や取り扱い性等のバランスがよ
り良好となることから、ワックス成分の重量平均分子量
を5,000〜30,000の範囲内の値とすることが
より好ましく、重量平均分子量を80,00〜20,0
00の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
ナー粒子の全体量に対して、0.1〜5重量%の範囲内
の値とすることが好ましい。この理由は、ワックス成分
の添加量が、0.1重量%未満の値となると、定着ロー
ラに対するトナー粒子の付着防止が不十分となる場合が
あるためであり、一方、ワックス成分の添加量が、5重
量%を超えると、バインダー樹脂中に、均等に分散させ
ることが困難となる場合があるためである。したがっ
て、定着ローラに対するトナー粒子の付着防止性と、分
散性のバランスがより良好となることから、ワックス成
分の添加量を、トナー粒子の全体量に対して、0.5〜
3重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.
8〜2重量%の範囲内の値とすることがさらに好まし
い。
グネタイト、強磁性フェライト等が挙げられる。また、
磁性粉の形状についても、特に制限されるものではな
く、球形、不定形等のいずれであっても良い。また、磁
性粉の平均粒径についても特に制限されるものではない
が、例えば、0.05〜0.5μmの範囲内の値とする
ことが好ましい。この理由は、磁性粉の平均粒径が0.
05μm未満となると、カブリが発生しやすくなる場合
があるためであり、一方、かかる平均粒径が0.5μm
を超えると、搬送性が低下し、画質特性の劣化(画像濃
度の低下)を来す場合があるためである。また、粒子が
大きすぎると、トナーの帯電特性がチャージアップしや
すく、小さすぎると帯電がうまくのらない傾向があるた
めである。したがって、磁性粉の平均粒径を0.10〜
0.40μmの範囲内の値とすることがより好ましく、
0.15〜0.25μmの範囲内の値とすることがさら
に好ましい。
量を、トナー粒子の全体量に対して、30〜70重量%
の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、磁性
粉の添加量が、30重量%未満の値となると、磁性トナ
ーの搬送性が低下する場合があるためであり、一方、磁
性粉の添加量が、70重量%を超えると、バインダー樹
脂中に、均等に分散させることが困難となる場合がある
ためである。したがって、磁性粉の添加量を、トナー粒
子の全体量に対して、35〜60重量%の範囲内の値と
することがより好ましく、40〜50重量%の範囲内の
値とすることがさらに好ましい。
めに、着色剤、例えば顔料を添加することが好ましい。
このような顔料としては、例えば、カーボンブラック、
フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、ピーコッ
クブルー、パーマネントレッド、ベンガラ、アリザニン
レーキ、クロムグリーン、マラカイトグリーンレーキ、
メチルバイオレットレーキ、ハンザイエロー、パーマネ
ントイエロー、酸化チタン等の一種単独あるいは二種以
上の組合わせが挙げられる。
量を、トナー粒子の全体量に対して、0.1〜5重量%
の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、着色
剤の添加量が、0.1重量%未満の値となると、発色性
や耐久性が発現しない場合があるためであり、一方、着
色剤の添加量が、5重量%を超えると、バインダー樹脂
中に、均等に分散させることが困難となったり、耐熱性
が低下する場合があるためである。したがって、着色剤
の添加量を、トナー粒子の全体量に対して、0.5〜
3.5重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、
1.0〜3.0重量%の範囲内の値とすることがさらに
好ましい。
に正荷電制御剤や負荷電制御剤の荷電制御剤を添加する
ことが好ましい。このような正荷電制御剤としては、例
えば、第4級アンモニウム化合物、ニグロシン化合物、
ニグロシン塩基化合物、トリフェニルメタン系化合物、
ポリビニルポリジン等の一種単独あるいは二種以上の組
み合わせが挙げられる。また、負荷電制御剤としては、
アルキル置換サリチル酸の金属錯塩、例えば、ジ−te
rt−ブチルサリチル酸のクロム錯塩や、ジ−tert
−ブチルサリチル酸の亜鉛錯塩等が挙げられる。
子に対し、流動化剤を添加することも好ましい。このよ
うな流動化剤としては、例えば、テトラフルオロエチレ
ン(テフロン(登録商標))、ステアリン酸亜鉛、ポリ
フッ化ビニリデン等の一種単独あるいは二種以上の組み
合わせが挙げられる。
るものではないが、例えば、かかる平均粒径を20μm
以下の値とすることが好ましい。この理由は、トナー粒
子の平均粒径が20μmを超えると、搬送性が低下した
り、あるいは、いわゆるカブリが生じる場合があるため
である。したがって、トナー粒子の平均粒径を3〜18
μmの範囲内の値とすることがより好ましく、5〜15
μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
きるが、例えば、懸濁重合法、粉砕法、マイクロカプセ
ル法、スプレードライ法、メカノケミカル法を用いて製
造することが好ましい。すなわち、一例として、トナー
粒子の構成材料を、高速ミキサー等により十分混合した
後、エクストルーダ等により練り合わせ、粉砕して分級
し、所定範囲の平均粒径を有するトナー粒子を得ること
が好ましい。
(A)成分である疎水性シリカ粒子を添加する必要があ
る。このように(A)成分を添加することにより、磁性
トナーの耐湿性や耐久性が向上するとともに流動性が上
がり、帯電性制御が容易となるためである。すなわち、
後述する(B)成分や(C)成分の導電性研磨粒子を添
加するだけでは、磁性トナーの耐湿性や耐久性に乏しく
なり、また、帯電性の制御についても困難となり、得ら
れる画像濃度が低くなるためである。
(A)成分は、市販品を使用することもでき、例えば、
正帯電特性シリカとして、日本アエロジル社製のR81
2やRY20(商品名、いずれも疎水化度約70)、ワ
ッカーケミカルズ社製の2000、2000/4(商品
名、いずれも疎水化度約70)等の市販品を挙げること
ができる。また、正帯電トナーの帯電量を上げる場合に
は、負帯電特性を有するシリカ粒子を使用し、負帯電ト
ナーの帯電量を上げる場合には、正帯電特性を有するシ
リカ粒子を添加することが好ましい。また、磁性トナー
の帯電量を下げる場合には、磁性トナーと同一極性のシ
リカ粒子を使用することが好ましい。
とが好ましい。この理由は、かかる疎水化度が40%未
満の値となると、トナー粒子の耐湿性の改善が不十分と
なるためである。したがって、(A)成分の疎水化度を
50%以上の値とすることがより好ましく、(A)成分
の疎水化度を60%以上の値とすることがさらに好まし
い。一方、(A)成分の疎水化度が95%以上の値とな
ると、表面処理時間が著しくなったり、短時間で、表面
処理剤が剥離するおそれがある。よって、(A)成分の
疎水化度を40〜95%の範囲内値とすることがより好
ましい。
いわゆるメタノール法により測定される下式で表される
メタノール数と定義することができる。 メタノール数(%)=[(a)/(50+a)]×10
0 a:シリカ粒子を完全にウエット状態にするために必要
なメタノール量(ml)より具体的には、0.2gのシ
リカ粒子を50mlの蒸留水に添加して混合物とし、こ
の混合物をスターラで攪拌しながら(10ppm)、メ
タノールを滴定した。そして、シリカ粒子が完全にウエ
ット状態になって、沈殿するまでに要したメタノール量
が、a量(ml)である。
ても、特に制限されるものではないが、例えば、アルコ
キシシランカップリング剤やアルミニウムシランカップ
リング剤を用い、シリカ粒子に対して、表面処理を施す
ことが好ましい。このような表面処理方法を採ることに
より、疎水化度を容易に調整することができるととも
に、シリカ粒子と、アルコキシシランカップリング剤と
が強固に結合しているため、長時間にわたって、所定の
疎水化度の値を維持することができる。また、少量で特
に優れた疎水性を示すとともに、長時間にわたって、所
定の疎水化度の値を維持することができることから、ア
ルコキシシランカップリング剤として、γ−グリシドキ
シプロピルメチルジメトキシシランやγ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン等を使用することが好まし
い。
る。)を、一次粒径として40nm以下の値とすること
が好ましい。この理由は、(A)成分の一次粒径が40
nmを超えると、疎水性シリカ粒子同士の間隙が大きく
なり、磁性トナーの流動性を向上させる効果が発現しな
い場合があるためである。したがって、(A)成分の平
均粒径を5〜35nmの範囲内の値とすることが好まし
く、10〜30nmの範囲内の値とすることがより好ま
しい。
ナー粒子の全体量に対して、0.05〜3.0重量%の
範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、(A)
成分の添加量が、0.05重量%未満の値となると、磁
性トナーの耐湿性および流動性が向上しない場合がある
ためであり、一方、(A)成分の添加量が、3.0重量
%を超えると、トナー粒子の帯電調整が困難になるばか
りかコストアップになる場合があるためである。したが
って、(A)成分の添加量を、トナー粒子の全体量に対
して、0.2〜2.0重量%の範囲内の値とすることが
より好ましく、0.5〜1.5重量%の範囲内の値とす
ることがさらに好ましい。
・cm未満の比抵抗を有する導電性研磨粒子であればい
ずれの種類のものも使用することができるが、例えば、
酸化スズからなる導電層を表面に形成した酸化チタン粒
子であることが好ましい。このような酸化チタン粒子で
あれば、優れた研磨効果や帯電性制御能を発揮すること
ができるとともに、耐久性にも優れているためである。
また、導電層の形成方法についても、特に制限されるも
のではないが、導電性微粒子を結着樹脂に分散させた溶
液を芯材表面に対して、スプレーコーティング、ディッ
ピング等を用いて塗布することにより形成することがで
きる。さらに、芯材、導電性微粒子および結着樹脂を溶
液状態にして、混練粉砕することによっても導電層を形
成することが可能である。
とするのは、(C)成分とともに、いずれも500Ω・
cm以上の比抵抗となると、トナー粒子に対する帯電量
の調整が困難となる場合があるためである。一方、
(B)成分の比抵抗が1Ω・cm未満となると、(B)
成分の入手が困難となったり、あるいは、抵抗が低過ぎ
て、トナー粒子に対する帯電量の調整が困難となる場合
があることが判明している。したがって、より好ましく
は、(B)成分の比抵抗を、1〜500Ω・cm未満の
範囲内の値とすることであり、さらに好ましくは、
(B)成分の比抵抗を、20〜300Ω・cmの範囲内
の値とすることである。
して、0.05〜2.0重量%の範囲内の値とすること
が好ましい。この理由は、(B)成分の添加量が、これ
らの範囲外の値となると、(C)成分の添加量と関係も
相俟って、トナー粒子に対する帯電量の調整が困難とな
る場合があるためである。したがって、(B)成分の添
加量を、トナー粒子の全体量に対して、0.1〜1.0
重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.2
〜0.8重量%の範囲内の値とすることがさらに好まし
い。
添加量を考慮して定めることが好ましい。すなわち、
(B)成分と、(C)成分との添加比率を、重量比で、
1:1〜1:5の範囲内の値とすることが好ましい。こ
の理由は、(B)成分と、(C)成分との添加比率が、
これらの範囲外の値となると、(B)成分と、(C)成
分とを組み合わせた場合であっても、トナー粒子に対す
る帯電量の調整が困難となる場合があるためである。し
たがって、(B)成分と、(C)成分との添加比率を、
重量比で、1:2〜1:4の範囲内の値とすることがよ
り好ましい。
る。)を、一次粒径として0.01〜3μmの範囲内の
値とすることが好ましい。この理由は、(B)成分の平
均粒径が0.01μm未満となると、(C)成分と組み
合わせた場合であっても、磁性トナーにおける帯電性調
整が困難となったり、取り扱いが困難となる場合がある
ためである。したがって、(B)成分の平均粒径を0.
05〜2μmの範囲内の値とすることが好ましく、0.
1〜1μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
0Ω・cm以上の比抵抗を有する導電性研磨粒子であれ
ばいずれの種類のものも使用することができるが、例え
ば、チタネート系カップリング剤を用いて表面処理した
酸化チタン粒子であることが好ましい。このように疎水
化処理した酸化チタン粒子であれば、優れた研磨効果や
帯電性制御能を発揮することができるとともに、耐久性
にも優れているためである。また、疎水化処理の方法に
ついても、特に制限されるものではないが、チタネート
系カップリング剤を有機溶剤や水に溶解させた溶液を準
備しておき、酸化チタン粒子表面に対して、スプレーコ
ーティング、ディッピング等を用いて塗布することによ
り形成することができる。さらに、疎水化処理におい
て、酸化チタン粒子と、チタネート系カップリング剤と
が、確実に反応するために、50〜170℃で、1分〜
24時間、加熱処理することが好ましい。
するのは、(B)成分とともに、いずれも500Ω・c
m未満の比抵抗となると、トナー粒子に対する帯電量の
調整が困難となるためである。一方、(C)成分の比抵
抗が100MΩ・cmを超えると、(C)成分の入手が
困難となったり、あるいは、比抵抗が高すぎて、トナー
粒子に対する帯電量の調整が逆に困難となる場合がある
ためである。したがって、より好ましくは、(C)成分
の比抵抗を、1〜100MΩ・cmの範囲内の値とする
ことであり、さらに好ましくは、(C)成分の比抵抗
を、3〜50MΩ・cmの範囲内の値とすることであ
る。
して、0.05〜5.0重量%の範囲内の値とすること
が好ましい。この理由は、(C)成分の添加量が、これ
らの範囲外の値となると、(B)成分の添加量と関係も
相俟って、トナー粒子に対する帯電量の調整が困難とな
る場合があるためである。したがって、(C)成分の添
加量を、トナー粒子の全体量に対して、1.5〜4.5
重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、2.5
〜4.0重量%の範囲内の値とすることがさらに好まし
い。
る。)を、一次粒径として0.05〜5μmの範囲内の
値とすることが好ましい。この理由は、(C)成分の平
均粒径が0.05μm未満となると、(B)成分と組み
合わせた場合であっても、磁性トナーにおける帯電性調
整が困難となったり、取り扱いが困難となる場合がある
ためであり、一方、(C)成分の平均粒径が5μmを超
えると、トナー粒子に付着して、帯電性を制御すること
が困難となる場合があるためである。したがって、
(C)成分の平均粒径を0.1〜3μmの範囲内の値と
することが好ましく、0.2〜2μmの範囲内の値とす
ることがより好ましい。
分、(B)成分、および(C)成分の合計量を、トナー
粒子100重量部に対して0.5〜10重量部の範囲内
の値とすることが好ましい。このような外添剤の添加量
とすることにより、磁性トナーにおける帯電特性の調整
と、耐湿性や耐久性の向上とのバランス、さらにはこれ
らの特性と、研磨効果の発現とのバランスをより向上さ
せることができる。したがって、外添剤の添加量を、ト
ナー粒子100重量部に対して1〜5重量部の範囲内の
値とすることがより好ましく、1.2〜3重量部の範囲
内の値とすることがさらに好ましい。
により十分混合した後、練り合わせ、粉砕した後、分級
し、平均粒径10μmのトナーを得た。 スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体 93重量% (共重合比80/20) カーボンブラック 4重量% (三菱化成工業(株)製、MA−100(商品名)) 4級アンモニウム塩 2重量% ポリプロピレンワックス 1重量% (三井化学製、NP−055(商品名)、平均重量分子
量約10,000)
キサーにて均一に混合し、磁性トナーとした。 トナー粒子 100重量部 疎水性シリカ 1重量部 (日本アエロジル社製、R812(商品名)、疎水化度70) 低抵抗導電性研磨粒子 1.0重量部 (酸化スズからなる導電層を表面に形成した酸化チタン粒子、比抵抗22.5Ω ・cm、平均粒径(1次)0.13μm) 高抵抗導電性研磨粒子 0.4重量部 (チタネート系カップリング剤処理した酸化チタン粒子、比抵抗10.9MΩ・ cm、平均粒径(1次)0.25μm)
画像濃度の測定に当っては、実施例1の現像剤を、京セ
ラ株式会社製のエコシスFS−3700(商品名)を改
造したプリンタ内に400g収容して、表面電位を25
0V、バイアス電圧を180Vにそれぞれ固定した条件
で、A4用紙に対して実印時を行った。そして、初期、
30万枚印刷後、および高温高湿条件(33℃、80%
RH)の印刷時に得られたベタ画面につき、マクベス濃
度計を用いて画像濃度を測定した。得られた結果を表2
および図2に示す。
像濃度の均一性の測定に当っては、実施例1の現像剤
を、京セラ株式会社製のエコシスFS−3700(商品
名)を改造したプリンタ内に400g収容して、表面電
位を250V、バイアス電圧を180Vにそれぞれ固定
した条件で、A4用紙に対して実印時を行った。そし
て、初期、30万枚印刷後、および高温高湿条件(33
℃、80%RH)の印刷時に得られたベタ画面につき、
画像濃度の均一性を以下の基準により評価した。得られ
た結果を表2に示す。 ○:画像濃度は均一であると認識される。 △:画像濃度に、ややムラがあると認識される。 ×:画像濃度に、顕著なムラがあると認識される。
ち、カブリ性の評価にあたっては、画像濃度の均一性を
評価したのと同様のベタ画面を用意し、以下の基準によ
り評価した。得られた結果を表2に示す。 ○:目視にて、カブリは観察されない。 △:目視にて、ややカブリが観察される。 ×:目視にて、顕著なカブリが観察される。
ある低抵抗導電性研磨粒子と、(C)成分である高抵抗
導電性研磨粒子との添加比率の影響を検討した。すなわ
ち、実施例1において、低抵抗導電性研磨粒子と、高抵
抗導電性研磨粒子との添加比率である0.4重量部:1
重量部を、0.7重量部:0.7重量部に変えたほか
は、実施例1と同様に、磁性トナー粒子を作成し、画像
濃度、画像濃度の均一性およびカブリ性をそれぞれ評価
した。得られた結果を表1および図2に示す。これらの
結果から理解されるように、低抵抗導電性研磨粒子(B
成分)と、高抵抗導電性研磨粒子(C成分)との添加比
率において、1:0.4よりも、1:1のほうが、若干
初期の画像濃度の値が高い傾向が見られた。
研磨粒子における平均粒径の影響を検討した。すなわ
ち、実施例1において、(C)成分である高抵抗導電性
研磨粒子における平均粒径を0.25μmから0.1μ
mに変えたほかは、実施例1と同様に、磁性トナー粒子
を作成し、画像濃度、画像濃度の均一性およびカブリ性
をそれぞれ評価した。得られた結果を表1に示す。これ
らの結果から理解されるように、高抵抗導電性研磨粒子
(C成分)の平均粒径において、0.25μmよりも、
0.1μmのほうが、若干初期の画像濃度の値が高い傾
向が見られた。
は、(B)成分である低抵抗導電性研磨粒子と、(C)
成分である高抵抗導電性研磨粒子との添加比率の影響を
検討した。すなわち、実施例4においては、低抵抗導電
性研磨粒子と、高抵抗導電性研磨粒子との添加比率を
0.1重量部:1重量部に変え、実施例5においては、
低抵抗導電性研磨粒子と、高抵抗導電性研磨粒子との添
加比率を1.0重量部:0.2重量部に変えたほかは、
それぞれ実施例1と同様に、磁性トナー粒子を作成し、
画像濃度、画像濃度の均一性およびカブリ性をそれぞれ
評価した。得られた結果を表1に示す。これらの結果か
ら理解されるように、低抵抗導電性研磨粒子(B成分)
と、高抵抗導電性研磨粒子(C成分)との添加比率にお
いて、0.4:1よりも、0.1:1や、1.0:0.
2のほうが、画像濃度の値が低く、耐湿性や耐久性が低
下している傾向が見られた。
ある高抵抗導電性研磨粒子の添加効果を検討した。すな
わち、比較例1において、高抵抗導電性研磨粒子を添加
せず、低抵抗導電性研磨粒子を1.4重量部添加したほ
かは、実施例1と同様に、磁性トナー粒子を作成し、画
像濃度、画像濃度の均一性およびカブリ性をそれぞれ評
価した。得られた結果を表1に示す。これらの結果から
理解されるように、(C)成分である高抵抗導電性研磨
粒子を添加しないと、耐久性や耐湿性に乏しい傾向が見
られた。
ある低抵抗導電性研磨粒子の添加効果を検討した。すな
わち、比較例2において、低抵抗導電性研磨粒子を添加
せず、高抵抗導電性研磨粒子を1.4重量部添加したほ
かは、実施例1と同様に、磁性トナー粒子を作成し、画
像濃度、画像濃度の均一性およびカブリ性をそれぞれ評
価した。得られた結果を表1に示す。これらの結果から
理解されるように、低抵抗導電性研磨粒子(B成分)を
添加しないと、特にカブリ性が悪い傾向が見られた。
ある低抵抗導電性研磨粒子および(C)成分である高抵
抗導電性研磨粒子の添加効果を検討した。すなわち、比
較例2において、低抵抗導電性研磨粒子および高抵抗導
電性研磨粒子を添加しなかったほかは、実施例1と同様
に、磁性トナーを作成し、画像濃度、画像濃度の均一性
およびカブリ性をそれぞれ評価した。得られた結果を表
2に示す。これらの結果から理解されるように、低抵抗
導電性研磨粒子(B成分)および高抵抗導電性研磨粒子
(C成分)をそれぞれ添加しないと、磁性トナーにおけ
る耐久性が特に乏しい傾向が見られた。
ある高抵抗導電性研磨粒子の添加の効果を検討した。す
なわち、比較例4において、高抵抗導電性研磨粒子の代
りに、絶縁性酸化チタン(体積固有抵抗2.2×1011
Ω・cm、一次粒子径0.10μm)を使用したほか
は、実施例1と同様に、磁性トナー粒子を作成し、画像
濃度、画像濃度の均一性およびカブリ性をそれぞれ評価
した。得られた結果を表1に示す。これらの結果から理
解されるように、(C)成分である高抵抗導電性研磨粒
子を添加せずに、比抵抗が100MΩ・cm以上の絶縁
性粒子を添加しても、磁性トナーにおける耐久性が向上
しない傾向が見られた。
磁性トナーによれば、外添剤として、(A)成分、
(B)成分および(C)成分をそれぞれ組合わせ使用す
ることにより、磁性トナーにおける耐久性や耐湿性が向
上するとともに耐刷性能が格段に向上し、帯電特性の調
整が極めて容易となった。したがって、従来、良好な帯
電特性を得るためには、比抵抗が10Ω・cm以下のア
ンチモンドープ酸化スズ微粉末等を添加しなければなら
なかったが、そのような制限も必要でなくなった。しか
も、本発明の磁性トナーによれば、(A)成分、(B)
成分および(C)成分のそれぞれの研磨粒子を含んでい
るため、感光体に対して優れた研磨能力を発揮できるよ
うになり、画像欠陥(画像濃度の不均一性やカブリ発
生)が少ない磁性トナーを提供するできるようになっ
た。
濃度を比較するために供する図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 少なくとも磁性粉および結着樹脂からな
るトナー粒子と、外添剤とを含む磁性トナーにおいて、 前記外添剤として、下記(A)成分、(B)成分および
(C)成分を含有することを特徴とする磁性トナー。 (A)疎水性シリカ (B)500Ω・cm未満の比抵抗を有する低抵抗導電
性研磨粒子 (C)500Ω・cm以上の比抵抗を有する高抵抗導電
性研磨粒子 - 【請求項2】 前記(B)成分と、前記(C)成分との
添加比率を、重量比で、1:1〜1:5の範囲内の値と
することを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。 - 【請求項3】 前記(B)成分が、酸化スズからなる導
電層を表面に形成した酸化チタン粒子であり、前記
(C)成分が、チタネート系カップリング剤処理した酸
化チタン粒子であることを特徴とする請求項1または2
に記載の磁性トナー。 - 【請求項4】 前記(A)成分の疎水化度を40%以上
の値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一
項に記載の磁性トナー。 - 【請求項5】 前記外添剤の添加量を、前記トナー粒子
100重量部に対して0.5〜10重量部の範囲内の値
とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に
記載の磁性トナー。 - 【請求項6】 前記(B)成分の平均粒径を、0.01
〜3μmの範囲内の値とし、前記(C)成分の平均粒径
を、0.05〜5μmの範囲内の値とすることを特徴と
する請求項1〜5のいずれか一項に記載の磁性トナー。 - 【請求項7】 前記トナー粒子の平均粒径をd1(μ
m)とし、前記(A)成分の平均粒径をd2(μm)と
し、前記(B)成分の平均粒径をd3(μm)とし、お
よび前記(C)成分の平均粒径をd4(μm)としたと
きに、以下の大小関係を満足することを特徴とする請求
項1〜6のいずれか一項に記載の磁性トナー。 d1>d4≧d3>d2
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