JP2009003361A - 静電荷像現像用トナー、並びに、これを用いた静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents
静電荷像現像用トナー、並びに、これを用いた静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】低温定着性を維持しつつ、長期安定なクリーニング特性を示す、静電荷像現像用トナー、並びに、これを用いた静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】少なくとも、結晶性樹脂を含有し、トナー全体の最大通気流動性指標が25%以下であり、前記トナー全体における体積平均粒径をD50Tとしたとき、前記トナーを分級して体積平均粒径を(1/2)×D50Tとした分級トナーの最大通気流動性指標が70%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも、結晶性樹脂を含有し、トナー全体の最大通気流動性指標が25%以下であり、前記トナー全体における体積平均粒径をD50Tとしたとき、前記トナーを分級して体積平均粒径を(1/2)×D50Tとした分級トナーの最大通気流動性指標が70%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
【選択図】なし
Description
本発明は、静電荷像現像用トナー、並びに、これを用いた静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
静電潜像を経て画像情報を可視化する電子写真法は、現在さまざまな分野で利用されており、米国特許第2297691号、同第2357809号の各明細書等に記載されているように公知である。前記電子写真法は、一般には、帯電・露光工程において、感光体表面に静電潜像を形成し、現像工程において、トナーを含む静電荷像現像用現像剤(以下、単に「現像剤」という場合がある。)を用いて前記静電潜像を現像してトナー像を形成し、転写工程において、前記トナー像を紙やシート等の転写材上に転写し、定着工程において、熱、溶剤、圧力等を利用して前記トナー像を転写材上に定着し、永久画像を得る方法である。
1980年代の後半から、電子写真の市場はデジタル化をキーワードとして小型化、高機能要求が強く、特にフルカラー画質に関しては高級印刷、銀塩写真に近い高画質品位が望まれている。
高画質を達成する手段としてデジタル化処理が不可欠であり、このような画質に関するデジタル化の効能として、複雑な画像処理が高速で行える事が挙げられている。この事により、文字と写真画像を分離して制御することが可能となり、両品質の再現性がアナログ技術に比べ大きく改善されている。特に写真画像に関しては階調補正と色補正が可能になった点が大きく、階調特性、精細度、鮮鋭度、色再現、粒状性の点でアナログに比べ有利である。一方、画像出力としては光学系で作成された潜像を忠実に作像する必要があり、トナーとしては益々小粒径化が進み忠実再現を狙った活動が加速されている。それに加え、現像、転写、定着特性における基礎特性の改善が更に重要となっている。
一方、複写機、プリンターのエネルギー使用量を少なくするため、より低エネルギーでトナーを定着する技術が望まれており、そのためのより低温で定着し得る電子写真用トナーの要求が強い。トナーの定着温度を低くする手段として、トナー用樹脂(バインダー)のガラス転移温度を低くする技術が一般的に行われている。また可塑剤を用いることによっても、定着温度を下げることができる。
低温定着と凝集(ブロッキング)防止の両立を目的として、結晶性樹脂をトナーとして用いる方法が古くから知られている(特公昭56−13943号公報等)。
また、オフセット防止(特公昭62−39428号公報等)、圧力定着(特公昭63−25335号公報等)等を目的として、結晶性樹脂を用いる技術も古くから知られている。
また、オフセット防止(特公昭62−39428号公報等)、圧力定着(特公昭63−25335号公報等)等を目的として、結晶性樹脂を用いる技術も古くから知られている。
また、上記目的と紙への定着性の両立が期待される結晶性樹脂としてポリエステル樹脂が挙げられ、結晶性ポリエステル樹脂をトナーに用いる技術としては、特公昭62−39428号公報に記載されている。これはガラス転移温度40℃以上の非結晶性ポリエステル樹脂と、融解温度130乃至200℃の結晶性ポリエステル樹脂とを混合して用いる技術である。
さらに、低融解温度結晶性樹脂と非結晶性樹脂の混合によって、相溶化度を制御する事で低温定着を獲得する技術が提案されている。(特開2004−206081公報、特開2004−50478公報)
一方、画像形成方法の観点からは、種々のクリーニング工程における工夫がなされている。例えば特開2005−24953公報記載のようにクリーニングブレードの線圧を規定し且つ潤滑剤を塗布するクリーニング装置が提案されている。
また、画像支持体(感光体)として、摩耗や耐熱性に優れた(高硬度化)シロキサン樹脂で被覆されたものを使用すれば、摩耗による劣化を防ぎ寿命が延びることが確認されている。
また、画像支持体(感光体)として、摩耗や耐熱性に優れた(高硬度化)シロキサン樹脂で被覆されたものを使用すれば、摩耗による劣化を防ぎ寿命が延びることが確認されている。
また特開2002−287591公報、特開2002−287593公報では、クリーニングブレードエッジ部分を除く部分に弾性部材を設けクリーニングブレードの振動を吸収する技術が提案されている。
米国特許第2297691号
米国特許第2357809号
特公昭56−13943号公報
特公昭62−39428号公報
特公昭63−25335号公報
特公昭62−39428号公報
特開2004−206081公報
特開2004−50478公報
特開2005−24953公報
特開2002−287591公報
特開2002−287593公報
本発明の目的は、低温定着性を維持しつつ、長期にわたって安定してクリーニング特性を示す、静電荷像現像用トナー、並びに、これを用いた静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することにある。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
結晶性樹脂を含有し、
最大通気流動性指標が25%以下のトナーであり、
前記トナーにおける体積平均粒径をD50Tとしたとき、前記トナーを分級して体積平均粒径を(1/2)×D50Tとした分級後のトナーの最大通気流動性指標が70%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
請求項1に係る発明は、
結晶性樹脂を含有し、
最大通気流動性指標が25%以下のトナーであり、
前記トナーにおける体積平均粒径をD50Tとしたとき、前記トナーを分級して体積平均粒径を(1/2)×D50Tとした分級後のトナーの最大通気流動性指標が70%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
請求項2に係る発明は、
前記結晶性樹脂の融解温度が、50℃以上100℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーである。
前記結晶性樹脂の融解温度が、50℃以上100℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項3に係る発明は、
請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーを少なくとも含む静電荷像現像用現像剤である。
請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーを少なくとも含む静電荷像現像用現像剤である。
請求項4に係る発明は、
画像形成装置に脱着可能であり、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための現像剤を収納し、
前記現像剤は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする静電荷像現像用現像剤カートリッジである。
画像形成装置に脱着可能であり、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための現像剤を収納し、
前記現像剤は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする静電荷像現像用現像剤カートリッジである。
請求項5に係る発明は、
静電潜像保持体と、
静電潜像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
前記静電潜像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像を現像剤により現像しトナー像を形成する現像手段と、
前記静電潜像保持体の表面に形成された前記トナー像を被転写体表面に転写する転写手段と、
前記被転写体に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、
前記静電潜像保持体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段と、を含み、
前記現像剤は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成装置である。
静電潜像保持体と、
静電潜像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
前記静電潜像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像を現像剤により現像しトナー像を形成する現像手段と、
前記静電潜像保持体の表面に形成された前記トナー像を被転写体表面に転写する転写手段と、
前記被転写体に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、
前記静電潜像保持体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段と、を含み、
前記現像剤は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成装置である。
請求項6に係る発明は、
前記クリーニング手段は、
前記静電潜像保持体の表面に接するクリーニングブレードと、
前記クリーニングブレードを支持する支持部材と、
前記クリーニングブレードと前記支持部材とを連結する弾性部材と、を含むことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置である。
前記クリーニング手段は、
前記静電潜像保持体の表面に接するクリーニングブレードと、
前記クリーニングブレードを支持する支持部材と、
前記クリーニングブレードと前記支持部材とを連結する弾性部材と、を含むことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、
前記クリーニングブレードのJIS−A硬度が、40度以上70度以下であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置である。
前記クリーニングブレードのJIS−A硬度が、40度以上70度以下であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置である。
請求項8に係る発明は、
請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体表面上に形成された静電潜像を前記静電荷像現像用現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
静電潜像保持体、前記静電潜像保持体を帯電する帯電手段、及び前記静電潜像保持体表面上に残存したトナーを除去するためのクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を備え、
画像形成装置に脱着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体表面上に形成された静電潜像を前記静電荷像現像用現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
静電潜像保持体、前記静電潜像保持体を帯電する帯電手段、及び前記静電潜像保持体表面上に残存したトナーを除去するためのクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を備え、
画像形成装置に脱着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明によれば、低温定着性を維持しつつ、長期にわたって安定してクリーニング特性を示す、静電荷像現像用トナー、並びに、これを用いた静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[1]静電荷像現像用トナー
本実施の形態の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と略す場合がある)は、少なくとも、結晶性樹脂を含有し、トナー全体の最大通気流動性指標が25%以下であり、前記トナー全体における体積平均粒径をD50Tとしたとき、前記トナーを分級して体積平均粒径を(1/2)×D50Tとした分級トナーの最大通気流動性指標が70%以下であることを特徴とする。
本実施の形態の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と略す場合がある)は、少なくとも、結晶性樹脂を含有し、トナー全体の最大通気流動性指標が25%以下であり、前記トナー全体における体積平均粒径をD50Tとしたとき、前記トナーを分級して体積平均粒径を(1/2)×D50Tとした分級トナーの最大通気流動性指標が70%以下であることを特徴とする。
本実施の形態のトナーは、上記構成であることにより、低温定着性を維持しつつ、長期にわたって安定してクリーニング特性を示す。
最大通気流動性指数(以下、「MAE」と略す場合がある)は、流動性を示す指標であり、数値が低いほど流動性が良いことを示す。
上記の通り、トナー全体のMAEは、25%以下であるが、20%以下であることが望ましく、15%以下であることがより望ましい。また、トナー全体のMAEは、5%以上であることがよい。
分級トナーのMAEは、70%以下であるが、60%以下であることが望ましく、50%以下であることがより望ましい。また、分級トナーのMAEは、30%以上であることがよい。
分級トナーのMAEは、70%以下であるが、60%以下であることが望ましく、50%以下であることがより望ましい。また、分級トナーのMAEは、30%以上であることがよい。
本実施の形態のトナーは、トナー全体及び分級トナーのMAEが上記範囲であることにより、長期にわたって安定してクリーニング特性を示す。その理由は定かではないが、トナーの流動性を向上させることにより、クリーニング手段のクリーニング部(例えば、クリーニングブレードと感光体との接触部)付近におけるトナーの滞留を抑制することができるため、トナーの固着等によるクリーニング不良を抑制できるからであると考えられる。
特に、トナーの中でも小径のものになればなるほど、クリーニング部付近に入り込みやすくなると考えられる。したがって、トナー全体の流動性が良くても、トナーが流動性の悪い小径トナーを含んでいる場合には、流動性の悪い小径トナーが多量にクリーニング部付近に入り込んで滞留し、クリーニング不良を起こしてしまうことが考えられる。
そのため、上記のように本実施の形態では、トナー全体のMAEが上記範囲であるだけでなく、分級トナーのMAEについても上記範囲であることにより、長期安定なクリーニング特性を示すのであると考えられる。
ここで、「小径トナー」とは、トナー全体のうち、後述する分級トナーに相当するものを言う。
そのため、上記のように本実施の形態では、トナー全体のMAEが上記範囲であるだけでなく、分級トナーのMAEについても上記範囲であることにより、長期安定なクリーニング特性を示すのであると考えられる。
ここで、「小径トナー」とは、トナー全体のうち、後述する分級トナーに相当するものを言う。
また特に本実施の形態においては、結着樹脂が結晶性樹脂を含むため、結晶性樹脂を含まないトナーに比べてトナー硬度が低くなる場合がある。特に、融解温度の低い(例えば100℃以下)結晶性樹脂がトナーに含まれると、融解温度の低い結晶性樹脂を含まないトナーと比べて、さらにトナー硬度が低くなりやすい。
トナー硬度が低い場合、例えばクリーニング部付近にトナーが入り込むと、トナー粒子が変形しやすいため弾性を保つことが難しくなり、滞留及び固着が起こりやすくなり、クリーニング不良を起こしやすくなると考えられる。
例えば、クリーニング手段が、静電潜像保持体の表面に接するクリーニングブレードと、クリーニングブレードを支持する支持部材と、クリーニングブレードと支持部材とを連結する弾性部材とを含む形態である場合、静電潜像保持体表面にクリーニングブレードを接触させることで、クリーニングブレードにより残留トナーが掻き落されることになるため、クリーニングブレードよりも硬度の低いトナーはクリーニング部付近においてつぶれてしまい、その結果クリーニング部付近にトナーが滞留し、特に結晶性樹脂がクリーニング部付近において結着剤の役割を果たし、長期にわたってブレードに固着することによりクリーニング不良を発生する可能性がある。
しかし本実施の形態においては、トナー全体及び分級トナーのMAEが上記範囲、つまり、高い流動性をもつため、結着樹脂が結晶性樹脂を含んでいても、長期にわたって安定してクリーニング特性を示すのであると推測される。
トナー硬度が低い場合、例えばクリーニング部付近にトナーが入り込むと、トナー粒子が変形しやすいため弾性を保つことが難しくなり、滞留及び固着が起こりやすくなり、クリーニング不良を起こしやすくなると考えられる。
例えば、クリーニング手段が、静電潜像保持体の表面に接するクリーニングブレードと、クリーニングブレードを支持する支持部材と、クリーニングブレードと支持部材とを連結する弾性部材とを含む形態である場合、静電潜像保持体表面にクリーニングブレードを接触させることで、クリーニングブレードにより残留トナーが掻き落されることになるため、クリーニングブレードよりも硬度の低いトナーはクリーニング部付近においてつぶれてしまい、その結果クリーニング部付近にトナーが滞留し、特に結晶性樹脂がクリーニング部付近において結着剤の役割を果たし、長期にわたってブレードに固着することによりクリーニング不良を発生する可能性がある。
しかし本実施の形態においては、トナー全体及び分級トナーのMAEが上記範囲、つまり、高い流動性をもつため、結着樹脂が結晶性樹脂を含んでいても、長期にわたって安定してクリーニング特性を示すのであると推測される。
一方、例えば、トナー全体のMAEが上記範囲から外れると、トナー流動性が悪化し、トナーがクリーニング部付近に滞留しやすくなる。また、分級トナーのMAEが上記範囲から外れると、小径トナーが転写されにくく、感光体等に多量に残留するため、クリーニング部付近に入り込みやすく、クリーニング不良を起こしやすくなる。
しかし、上記のように、本実施の形態のトナーは、トナー全体及び分級トナーのMAEが上記範囲であることにより、長期にわたって安定してクリーニング特性を示す。
しかし、上記のように、本実施の形態のトナーは、トナー全体及び分級トナーのMAEが上記範囲であることにより、長期にわたって安定してクリーニング特性を示す。
<最大通気流動性指標>
最大通気流動性指標(MAE)は、通気前における粉体(トナー又は分級トナー)の総エネルギー量(通気前総エネルギー量)に対する、最大通気時における粉体の総エネルギー量(最大通気総エネルギー量)の割合を示し、下記式で表される。
式:MAE(%)=(最大通気総エネルギー量/通気前総エネルギー量)×100
最大通気流動性指標(MAE)は、通気前における粉体(トナー又は分級トナー)の総エネルギー量(通気前総エネルギー量)に対する、最大通気時における粉体の総エネルギー量(最大通気総エネルギー量)の割合を示し、下記式で表される。
式:MAE(%)=(最大通気総エネルギー量/通気前総エネルギー量)×100
また、総エネルギー量とは、粉体の流動性を表す値であり、パウダーレオメーターを用いて流動性測定を行うことにより、求めることができる。
以下に、パウダーレオメーターを用いた流動性測定方法について説明する。
以下に、パウダーレオメーターを用いた流動性測定方法について説明する。
パウダーレオメーターは、充填した粒子中を回転翼が螺旋状に回転することによって得られる回転トルクと荷重とを同時に測定して、流動性を直接的に求める流動性測定装置である。回転トルクと荷重との両方を測定することで、粉体自身の特性や外部環境の影響を含めた流動性について、高感度に検出することができる。また、粒子の充填の状態を一定とした上で流動性測定を行うため、再現性の良好なデータを得ることができる。
本実施の形態では、パウダーレオメーターとしてfreeman technology社製のFT4を用いて流動性測定を行う。なお流動性測定前に、試料は、測定時の外的環境要因によって誤差が生じないよう、温度22℃、湿度50%RHの状態で、8時間放置される。
まず、試料を内径50mm、高さ88mmの160ml容器に、高さ88mmまで充填する。充填後、充填条件の変動による測定値のばらつきをなくすため、流動性測定前に充填した試料のコンディショニング(均質化)を行う。コンディショニングでは、充填した状態で試料にストレスを与えないよう試料からの抵抗を受けない回転方向(流動性測定時の回転方向とは逆の方向)で回転翼を軽く撹拌して、過剰の空気や部分的ストレスのほとんどを除去し、試料を均質な状態にする。具体的なコンディショニングの条件は、−5.0°の進入角で、回転翼の先端スピードを60mm/secとして、4回コンディショニングを行った。
コンディショニングを終えた後、試料を160ml容器の上端で擦り切り、内径50mm、高さ140mmの200ml容器に移す。その後、流動性測定を行う。具体的には、充填された試料中に回転翼を進入させ、容器内を底面からの高さ110mmから10mmまで、進入角度−10°で移動しながら回転翼の先端スピード100mm/secで回転するときの、回転トルクと荷重とを測定する。
このとき、「通気前総エネルギー量」を求めるときには通気を行わずに流動性測定を行い、「最大通気総エネルギー量」を求めるときには最大通気量80ml/minで空気を流入させながら流動性測定を行う。
このとき、「通気前総エネルギー量」を求めるときには通気を行わずに流動性測定を行い、「最大通気総エネルギー量」を求めるときには最大通気量80ml/minで空気を流入させながら流動性測定を行う。
上記流動性測定時におけるプロペラの回転方向は、コンディショニングと逆方向(上から見て右回り)である。なお、進入角度とは、測定容器の軸と、回転翼の回転軸とのなす角度をいう。進入角度を−10°とするのは、画像形成装置におけるクリーニング手段のクリーニング部付近でのトナーの流動性と強い相関を持つという理由からである。
また、最大通気総エネルギー量を求めるための流動性測定において、最大通気量を80ml/minとしたのは、トナー凝集度、圧縮率、トナーカートリッジからのトナー排出性など、従来の指標であるトナー流動性と一番相関が高い水準であることから選択した。最大通気量は多いほど感度が出るが測定原理上80ml/minを超えるとトナーが流量で舞い上がってしまい測定できなくなる懸念がある。
上記流動性測定により得られる回転トルクまたは荷重の値と、底面からの高さHとの関係を図1(A)、図1(B)に示す。回転トルクと荷重とから、高さHに対してのエネルギー勾配(mJ/mm)を求めたものが、図2である。図2のエネルギー勾配を積分して得られた面積(図2の斜線部分)が、総エネルギー量(mJ)となる。本実施形態では、底面からの高さ10mmから110mmの区間を積分して総エネルギー量を求める。
また、本実施の形態では、誤差による影響を少なくするため、上記コンディショニングと流動性測定とのサイクルを5回行って平均値を求める。具体的には、コンディショニングと通気を行わない流動性測定とのサイクルを5回行って得られた平均値を、「通気前総エネルギー量(mJ)」と定義し、コンディショニングと最大通気量80ml/minにおける流動性測定とのサイクルを5回行って得られた平均値を、「最大通気総エネルギー量(mJ)」と定義する。
ここで回転翼としては、freeman technology社製の図3に示す2枚翼プロペラ型の直径48mm、幅10mmのブレードを用いた。
このようにして得られた「通気前総エネルギー量」及び「最大通気総エネルギー量」の値を用いて、上記式により、MAEを求めることができる。
<分級トナー>
分級方法としては気流分級を行った。具体的にはエルボージェットを用いトナーを分級した。カットポイントを操作し体積平均粒径が(1/2)×D50Tとなるトナーを得た。
分級方法としては気流分級を行った。具体的にはエルボージェットを用いトナーを分級した。カットポイントを操作し体積平均粒径が(1/2)×D50Tとなるトナーを得た。
ここで、分級トナーの体積平均粒径を(1/2)×D50Tとするのは、上記のように、分級後のトナーに含まれる小径トナーがクリーニング部付近に入り込みやすく、クリーニング特性に影響を与えやすいからである。
なお、トナー全体の体積平均粒径D50T、及び、分級トナーの体積平均粒径の測定は、マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で行うことができる。この際、測定はトナー又は分級トナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行った。
トナー全体の体積平均粒径D50Tは、4μm以上10μm以下が望ましく、5μm以上8μm以下がより望ましい。
例えば、トナー全体の体積平均粒径D50Tが6μmの場合、分級トナーの体積平均粒径が3μmとなるように分級を行う。
例えば、トナー全体の体積平均粒径D50Tが6μmの場合、分級トナーの体積平均粒径が3μmとなるように分級を行う。
以下、各組成成分について説明する。
<トナー粒子>
本実施の形態のトナーに含まれるトナー粒子は、結着樹脂を含み、必要に応じてその他に色材及び離型剤などの添加剤を含むことができる。
本実施の形態のトナーに含まれるトナー粒子は、結着樹脂を含み、必要に応じてその他に色材及び離型剤などの添加剤を含むことができる。
―結着樹脂―
結着樹脂は、少なくとも結晶性樹脂を用いる。
結着樹脂が結晶性樹脂を含有することにより、低温定着性を実現することができる。その理由は定かではないが、結晶性樹脂自体のシャープメルト性に起因するものであると推測される。
また結着樹脂は、結晶性樹脂と共に非結晶性樹脂を用いることが望ましい。結晶性樹脂と非結晶性樹脂とが適度な相溶状態となり、相溶化部分の可塑化効果により、見かけ上ガラス転移温度を下げるため、結着樹脂のシャープメルト性及び低温定着性の両方を発現することができるからであると推測される。さらに、結晶性樹脂と非結晶性樹脂とが適度に相溶することにより、結晶性樹脂の分散性が向上し、トナー強度の確保が可能となる。
結着樹脂は、少なくとも結晶性樹脂を用いる。
結着樹脂が結晶性樹脂を含有することにより、低温定着性を実現することができる。その理由は定かではないが、結晶性樹脂自体のシャープメルト性に起因するものであると推測される。
また結着樹脂は、結晶性樹脂と共に非結晶性樹脂を用いることが望ましい。結晶性樹脂と非結晶性樹脂とが適度な相溶状態となり、相溶化部分の可塑化効果により、見かけ上ガラス転移温度を下げるため、結着樹脂のシャープメルト性及び低温定着性の両方を発現することができるからであると推測される。さらに、結晶性樹脂と非結晶性樹脂とが適度に相溶することにより、結晶性樹脂の分散性が向上し、トナー強度の確保が可能となる。
ここで「結晶性樹脂」とは、JIS K7121−1987における示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化(すなわちDSC曲線がそれまでのベースラインから離れ、新しいベースラインに移行する変化)を示すものではなく、明確な吸熱ピークを示す(DSC曲線がそれまでのベースラインから離れ吸熱ピークを有し、再度ベースラインに戻る)ものを指す。
具体的には、例えば、昇温速度10℃/minで測定したDSC曲線の吸熱ピークの半値幅が、6℃以内であることを意味する。一方、半値幅が6℃を超える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂は、非結晶性樹脂を意味するが、本実施の形態において用いられる非結晶性樹脂としては、明確な吸熱ピークが認められない樹脂を用いることが望ましい。
具体的には、例えば、昇温速度10℃/minで測定したDSC曲線の吸熱ピークの半値幅が、6℃以内であることを意味する。一方、半値幅が6℃を超える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂は、非結晶性樹脂を意味するが、本実施の形態において用いられる非結晶性樹脂としては、明確な吸熱ピークが認められない樹脂を用いることが望ましい。
結晶性樹脂としては、結晶性を持つ樹脂であれば特に制限はない。具体的には例えば、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ビニル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、定着時の紙への定着性や帯電性、及び望ましい範囲での融解温度調整の観点から、結晶性ポリエステル樹脂が望ましい。また、適度な融解温度をもつ脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより望ましい。
結晶性樹脂の融解温度としては、望ましくは50℃以上100℃以下であり、より望ましくは50℃以上80℃以下であり、さらに望ましくは60℃以上80℃以下である。融解温度が上記範囲より低いと、結晶性樹脂と非結晶性樹脂との相溶化が極端に進んでしまうため、単にガラス転移温度が低い非結晶性樹脂を用いた場合と同様に、トナーの保存性や、定着後のトナー画像の保存性が問題となる場合がある。一方、融解温度が上記範囲より高いと、シャープメルト性はあるものの、溶けるまでに必要なエネルギーが高いため、従来のトナーに比べて十分な低温定着が得られない場合がある。ここで、結晶性樹脂が複数の吸熱ピークを示す場合は、最大のピークをもって融解温度とみなす。
結晶性樹脂の含有量は、トナーを構成する成分のうち、5質量%以上30質量%以下の範囲であることが望ましく、より望ましくは8質量%以上20質量%以下の範囲である。
結晶性樹脂の含有量が30質量%より高い場合は、良好な定着特性は得られるものの、定着画像中の相分離構造が不均一となり、定着画像の強度(特に引っかき強度)が低下し、傷がつきやすくなるといった問題を呈することがある。
一方、結晶性樹脂の含有量が5質量%未満の場合は、結晶性樹脂由来のシャープメルト性が得られず、加熱しても純粋な非結晶性樹脂のように可塑化するのみであるため、良好な低温定着性を確保しつつ、耐トナーブロッキング性、画像保存性を保つことができない場合がある。
結晶性樹脂の含有量が30質量%より高い場合は、良好な定着特性は得られるものの、定着画像中の相分離構造が不均一となり、定着画像の強度(特に引っかき強度)が低下し、傷がつきやすくなるといった問題を呈することがある。
一方、結晶性樹脂の含有量が5質量%未満の場合は、結晶性樹脂由来のシャープメルト性が得られず、加熱しても純粋な非結晶性樹脂のように可塑化するのみであるため、良好な低温定着性を確保しつつ、耐トナーブロッキング性、画像保存性を保つことができない場合がある。
結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上100000以下であることが望ましく、10000以上50000以下であることがより望ましい。
結晶性樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上10000以下であることが望ましく、3000以上8000以下であることがより望ましい。
結晶性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、1.5以上100以下であることが望ましく、2以上20以下であることがより望ましい。
結晶性樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上10000以下であることが望ましく、3000以上8000以下であることがより望ましい。
結晶性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、1.5以上100以下であることが望ましく、2以上20以下であることがより望ましい。
(結晶性ポリエステル樹脂)
結晶性ポリエステル樹脂は、市販品を使用してもよいし、適宜合成したものを使用してもよい。
結晶性ポリエステル樹脂は、一般的に、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とを用いて合成される。
結晶性ポリエステル樹脂は、市販品を使用してもよいし、適宜合成したものを使用してもよい。
結晶性ポリエステル樹脂は、一般的に、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とを用いて合成される。
多価カルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸、などが挙げられ、さらに、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられるがこの限りではない。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、酸成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、「スルホン酸基を持つジカルボン酸」の成分が含まれていることが望ましい。前記「スルホン酸基を持つジカルボン酸」は、顔料等の色材の分散を良好にできる点で有効である。また、樹脂全体を水に乳化或いは懸濁して粒子を作製する際に、スルホン酸基があれば、後述するように、界面活性剤を使用しないで乳化或いは懸濁が可能である。
「スルホン酸基を持つジカルボン酸」としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。
スルホン酸基を有する2価以上のカルボン酸成分は、結晶性ポリエステル樹脂を構成する全カルボン酸成分に対して、望ましくは0モル%以上20モル%以下、より望ましくは0.5モル%以上10モル%以下含有する。スルホン酸基を有する2価以上のカルボン酸成分の含有量が少ないと、乳化粒子の経時安定性が悪くなる可能性がある。一方、スルホン酸基を有する2価以上のカルボン酸成分の含有量が10モル%を超えると、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が低下するばかりではなく、凝集・合一法を用いてトナーを作成する場合、凝集後に粒子が融合する工程に悪影響を与え、トナー径の調整が難しくなるという不具合が生じる。
さらに、前述の脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つジカルボン酸成分を含有することがより望ましい。2重結合を持つジカルボン酸は、2重結合を介してラジカル的に架橋結合させ得る点で、定着時のホットオフセットを防ぐ為に好適に用いることができる。このような2重結合を持つジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級エステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でもコストの点で、フマル酸、マレイン酸等が望ましい。
多価アルコール成分としては、脂肪族ジオールが望ましく、主鎖部分の炭素数が7乃至20である直鎖型脂肪族ジオールがより望ましい。前記脂肪族ジオールが分岐型の場合は、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融解温度が降下してしまう為、耐トナーブロッキング性、画像保存性、及び低温定着性が悪化してしまう場合がある。また、炭素数が7未満であると、芳香族ジカルボン酸と縮重合させる場合、融解温度が高くなり、低温定着が困難となることがある一方、20を超えると実用上の材料の入手が困難となり易い。前記炭素数としては14以下であることがより望ましい。
脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、入手容易性を考慮すると1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが望ましい。
3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコール成分のうち、前記脂肪族ジオール成分の含有量が80モル%以上であることが望ましく、より望ましくは、90モル%以上である。前記脂肪族ジオール成の含有量が80モル%未満では、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融解温度が降下する為、耐トナーブロッキング性、画像保存性及び、低温定着性が悪化してしまう場合がある。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用することができる。
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的な結晶性ポリエステル重合法で製造することができる。結晶性ポリエステル重合法として具体的には、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマーの種類によって使い分けて、結晶性ポリエステル樹脂の製造を行う。
結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180℃以上230℃以下の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させても良い。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させると良い。
結晶性ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、及びアミン化合物等が挙げられ、さらに具体的には、以下の化合物が挙げられる。
触媒として具体的には例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
(結晶性ビニル系樹脂)
一方、結晶性ビニル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の長鎖アルキル、アルケニルの(メタ)アクリル酸エステルを用いたビニル系樹脂が挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」なる記述は、「アクリル」及び「メタクリル」のいずれをも含むことを意味するものである。
一方、結晶性ビニル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の長鎖アルキル、アルケニルの(メタ)アクリル酸エステルを用いたビニル系樹脂が挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」なる記述は、「アクリル」及び「メタクリル」のいずれをも含むことを意味するものである。
(非結晶性樹脂)
結着樹脂は、非結晶性樹脂を含むことができる。
非結晶樹脂としては、公知の樹脂材料を用いることができるが、非結晶性ポリエステル樹脂が特に望ましい。非結晶性ポリエステル樹脂は、上述した結晶性ポリエステル樹脂と同様に、主として、例えば、多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得ることができる。
結着樹脂は、非結晶性樹脂を含むことができる。
非結晶樹脂としては、公知の樹脂材料を用いることができるが、非結晶性ポリエステル樹脂が特に望ましい。非結晶性ポリエステル樹脂は、上述した結晶性ポリエステル樹脂と同様に、主として、例えば、多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得ることができる。
多価カルボン酸の例としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類が挙げられる。これらの多価カルボン酸を1種又は2種以上用いることができる。
これら多価カルボン酸の中、芳香族カルボン酸を使用することが望ましい。また良好なる定着性を確保する目的で架橋構造あるいは分岐構造をとるために、ジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが望ましい。
これら多価カルボン酸の中、芳香族カルボン酸を使用することが望ましい。また良好なる定着性を確保する目的で架橋構造あるいは分岐構造をとるために、ジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが望ましい。
多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、などの脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が挙げられる。これら多価アルコールの1種又は2種以上用いることができる。これら多価アルコールの中、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が望ましく、このうち芳香族ジオールがより望ましい。また良好なる定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。
非結晶性ポリエステル樹脂は、上記多価アルコールと多価カルボン酸を常法に従って縮合反応させることによって製造することができる。例えば、上記多価アルコールと多価カルボン酸のほか、必要に応じて触媒を入れ、温度計、撹拌器、流下式コンデンサを備えた反応容器に配合し、不活性ガス(窒素ガス等)の存在下、150以上250℃以下の温度で加熱し、副生する低分子化合物を連続的に反応系外に除去し、所定の酸価に達した時点で反応を停止させ、冷却し、目的とする反応物を取得することによって製造することができる。
非結晶性ポリエステル樹脂の合成に使用する触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド等の有機金属やテトラブチルチタネート等の金属アルコキシドなどのエステル化触媒が挙げられる。このような触媒の添加量は、原材料の総量に対して0.01質量%以上1.00質量%以下とすることが望ましい。
なお、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合によって得られたポリエステル樹脂に、さらにモノカルボン酸及びモノアルコールの少なくとも1種を加えて、重合末端のヒドロキシル基及びカルボキシル基の少なくとも1種をエステル化し、ポリエステル樹脂の酸価を調整しても良い。
モノカルボン酸としては酢酸、無水酢酸、安息香酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸等を挙げることができ、モノアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、フェノールなどを挙げることができる。
非結晶性ポリエステル樹脂の酸価(樹脂1gを中和するに必要なKOHのmg数)は、後述する所定の分子量分布を得やすいことや、乳化分散法によるトナー粒子の造粒性を確保しやすいことや、得られるトナーの環境安定性(温度・湿度が変化した時の帯電性の安定性)を良好なものに保ちやすいことなどから、1乃至30mg KOH/gであることが望ましい。
酸価は、上述した方法のほか、原料の多価カルボン酸と多価アルコールの配合比と反応率により、ポリエステルの末端のカルボキシル基を制御することによって調整することができる。また、多価カルボン酸成分として無水トリメリット酸を使用することにより、ポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を有するものを得ることによっても、酸価の制御をすることができる。
酸価は、上述した方法のほか、原料の多価カルボン酸と多価アルコールの配合比と反応率により、ポリエステルの末端のカルボキシル基を制御することによって調整することができる。また、多価カルボン酸成分として無水トリメリット酸を使用することにより、ポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を有するものを得ることによっても、酸価の制御をすることができる。
非結晶性樹脂としては、非結晶性ポリエステル樹脂の他に、公知の非結晶性樹脂を用いることができる。
公知の非結晶性樹脂としては、例えば、スチレンアクリル系樹脂が挙げられる。
スチレンアクリル系樹脂を構成する単量体としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類;などが挙げられる。
スチレンアクリル系樹脂としては、上記単量体の重合体のほか、上記単量体を2種以上組み合せて得られる共重合体、又はこれらの混合物を挙げることができる。またスチレンアクリル系樹脂としては、前記ビニル系樹脂とその他の樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂等)との混合物や、前記ビニル系樹脂の単量体と前記その他の樹脂の単量体との共存下で重合する際に得られるグラフト重合体等も使用できる。
スチレンアクリル系樹脂を構成する単量体としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類;などが挙げられる。
スチレンアクリル系樹脂としては、上記単量体の重合体のほか、上記単量体を2種以上組み合せて得られる共重合体、又はこれらの混合物を挙げることができる。またスチレンアクリル系樹脂としては、前記ビニル系樹脂とその他の樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂等)との混合物や、前記ビニル系樹脂の単量体と前記その他の樹脂の単量体との共存下で重合する際に得られるグラフト重合体等も使用できる。
非結晶性樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による分子量測定で、重量平均分子量(Mw)が5000以上1000000以下であることが望ましく、更に望ましくは7000以上500000以下である。また、数平均分子量(Mn)は2000以上10000以下であることが望ましい。分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下であることが望ましく、更に望ましくは2以上60以下である。
重量平均分子量及び数平均分子量が上記範囲より小さい場合には、低温定着性には効果的ではある一方で、耐ホットオフセット性が悪くなる可能性があり、またトナーのガラス転移温度を低下させる為、トナーのブロッキング、保存性にも悪影響を及ぼす可能性がある。一方、重量平均分子量及び数平均分子量が上記範囲より大きい場合には、耐ホットオフセット性は充分付与できるものの、低温定着性は低下する可能性があり、またトナー中に存在する結晶性ポリエステル相の染み出しを阻害する為、ドキュメント保存性に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、上述の条件を満たすことによって低温定着性と耐ホットオフセット性、ドキュメント保存性を両立し得ることとなる。
非結晶性樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量は、東ソー製GPC・HLC−8120、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒を用いて測定し、単分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量校正曲線を使用して算出したものである。
本実施の形態に使用される非結晶性樹脂のガラス転移温度は、35℃以上100℃以下であることが望ましく、貯蔵安定性とトナーの定着性のバランスの点から、50℃以上80℃以下であることがより望ましい。ガラス転移温度が35℃未満であると、トナーが貯蔵中又は現像機中でブロッキング(トナーの粒子が凝集して塊になる現象)を起こしやすい傾向にある。一方、ガラス転移温度が100℃を超えると、トナーの定着温度が高くなってしまうため低温定着性が悪くなる可能性がある。
また非結晶性樹脂の軟化温度は80℃以上130℃以下の範囲に存在することが望ましい。より望ましくは90℃以上120℃以下の範囲である。軟化温度が80℃未満の場合は、定着後及び保管時の画像安定性が悪化する可能性がある。また軟化温度が130℃より高い場合は、低温定着性が悪化してしまう可能性がある。
非結晶性樹脂の軟化温度の測定は、フローテスター(島津社製: CFT−500C)を用い、予熱:80℃/300sec,プランジャー圧力:0.980665MPa,ダイサイズ:1mmφ×1mm,昇温速度:3.0℃/minの条件下における溶融開始温度と溶融終了温度との中間温度を指す。
非結晶性樹脂の含有量は、トナーを構成する成分のうち、5質量%以上79質量%以下であることが望ましく、30質量%以上60質量%以下であることがより望ましい。
―色材―
黒顔料としてはカーボンブラック、磁性粉等が使用できる。
黒顔料としてはカーボンブラック、磁性粉等が使用できる。
黄色顔料としては、例えば、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエローNCG等があげられる。
マゼンダ顔料としては、ベンガラ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等があげられる。
シアン顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどがあげられる。
また、これらを混合し、更には固溶体の状態で使用できる。
また、これらを混合し、更には固溶体の状態で使用できる。
着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下の範囲で添加されることが望ましい。
―離型剤―
トナー粒子は、必要に応じて離型剤を含んでもよい。
離型剤としては、JIS K7121−1987に準拠して測定された主体極大ピーク(融解温度)が、50℃以上140℃以下の範囲内にある物質が望ましい。主体極大ピークが50℃未満であると、定着時にオフセットを生じやすくなる場合がある。また、主体極大ピークが140℃を超えると、定着温度が高くなり、画像表面の平滑性が不充分なため光沢性を損なう場合がある。
トナー粒子は、必要に応じて離型剤を含んでもよい。
離型剤としては、JIS K7121−1987に準拠して測定された主体極大ピーク(融解温度)が、50℃以上140℃以下の範囲内にある物質が望ましい。主体極大ピークが50℃未満であると、定着時にオフセットを生じやすくなる場合がある。また、主体極大ピークが140℃を超えると、定着温度が高くなり、画像表面の平滑性が不充分なため光沢性を損なう場合がある。
主体極大ピーク(融解温度)の測定には、例えばパーキンエルマー社製のDSC−7を用いることができる。この装置の検出部の温度補正にはインジウムと亜鉛との混合物の融解温度を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。試料はアルミニウム製パンに入れ、サンプルの入ったアルミニウム製パンと対照用の空のアルミニウム製パンとをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行う。
離型剤の160℃における粘度η1は、20mPa・s(20cps)以上600mPa・s(600cps)以下の範囲内であることが望ましい。160℃における粘度η1が20mPa・s(20cps)よりも小さいと、ホットオフセットを生じ易く、600mPa・s(600cps)より大きいと、定着時のコールドオフセットを生じる場合がある。
離型剤の160℃における粘度η1と200℃における粘度η2との比(η2/η1)は、0.5以上0.7以下の範囲内が望ましい。η2/η1が0.5より小さいと、低温度時のブリード量が少なくコールドオフセットを生じる場合がある。また、0.7より大きいと、高温での定着の際のブリード量が多くなり、ワックスオフセットを生じることがあるばかりでなく、剥離の安定性に問題を生じる場合がある。
離型剤の具体的な例としては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化温度を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのごとき動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が使用できる。
離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、3質量部以上20質量部以下の範囲内であることが望ましく、5質量部以上18質量部以下の範囲内であることがより望ましい。
離型剤の含有量が結着樹脂100質量部に対して3質量部未満であると、離型剤添加の効果がなく、高温でのホットオフセットを引き起こす場合がある。一方、結着樹脂100質量部に対して20質量部を超えると、帯電性に悪影響を及ぼす他、トナーの機械的強度が低下する為、現像機内でのストレスで破壊されやすくなり、キャリア汚染などを引き起こしたり、離型剤の冷却時の体積収縮が結着樹脂に比較して大きいために前述の解像度を低下させる場合がある。
離型剤の含有量が結着樹脂100質量部に対して3質量部未満であると、離型剤添加の効果がなく、高温でのホットオフセットを引き起こす場合がある。一方、結着樹脂100質量部に対して20質量部を超えると、帯電性に悪影響を及ぼす他、トナーの機械的強度が低下する為、現像機内でのストレスで破壊されやすくなり、キャリア汚染などを引き起こしたり、離型剤の冷却時の体積収縮が結着樹脂に比較して大きいために前述の解像度を低下させる場合がある。
離型剤の含有量は、トナー粒子全体の質量に対して、10質量%以上40質量%以下の範囲内にあることが望ましい。
―その他の添加剤(内添剤)―
トナー粒子は、離型剤以外にも、目的に応じて選択したその他の添加剤を含んでもよい。
具体的には、例えば、無機粒子、帯電制御剤等の公知の各種添加剤等を挙げることができる。
トナー粒子は、離型剤以外にも、目的に応じて選択したその他の添加剤を含んでもよい。
具体的には、例えば、無機粒子、帯電制御剤等の公知の各種添加剤等を挙げることができる。
無機粒子としては、シリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、あるいはこれらの表面を疎水化処理した物等、公知の無機粒子を単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
無機粒子としては、発色性を損なわないという観点から、屈折率が結着樹脂よりも小さいシリカ粒子が望ましく用いられる。
無機粒子としては、発色性を損なわないという観点から、屈折率が結着樹脂よりも小さいシリカ粒子が望ましく用いられる。
また、シリカ粒子は種々の表面処理を施されてもよい。このような表面処理シリカ粒子としては、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理したものが望ましく用いられる。
これらの無機粒子の添加量は、トナー全質量の0.5質量%以上20質量%以下の範囲であることが望ましく、1質量%以上15質量%以下の範囲であることがより望ましい。
帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯体、サルチル酸もしくはアルキルサルチル酸の金属錯体もしくは金属塩を用いることが望ましい。
―トナー粒子の物性―
トナー粒子の体積平均粒径は、4μm以上10μm以下であることが望ましく、5μm以上8μm以下がより望ましい。体積平均粒径が上記範囲より大きいと、良好な帯電性(電荷量や電荷分布)を得ることが難しく、また適切な帯電性を長期にわたって維持し得ることが難しくなり、微細なドットの再現性、階調性、粒状性の改善効果が乏しくなる傾向にある。一方、体積平均粒径が上記範囲より小さいと、トナーの流動性が悪化することがあり、キャリアから十分な帯電能を付与されにくくなって、背景部へのカブリが生じたり、濃度再現性が低下しやすくなることがある。
トナー粒子の体積平均粒径は、4μm以上10μm以下であることが望ましく、5μm以上8μm以下がより望ましい。体積平均粒径が上記範囲より大きいと、良好な帯電性(電荷量や電荷分布)を得ることが難しく、また適切な帯電性を長期にわたって維持し得ることが難しくなり、微細なドットの再現性、階調性、粒状性の改善効果が乏しくなる傾向にある。一方、体積平均粒径が上記範囲より小さいと、トナーの流動性が悪化することがあり、キャリアから十分な帯電能を付与されにくくなって、背景部へのカブリが生じたり、濃度再現性が低下しやすくなることがある。
また、トナー粒子の体積平均粒度分布指標(GSDv)は、1.28以下が望ましく、1.25以下がより望ましい。特に乳化凝集法で製造することにより、かかる粒度分布のシャープなトナーを得ることができる。GSDvが1.28を越えると、画像の鮮鋭性、解像性が低下する場合がある。
トナー粒子の形状係数SF1は、100以上140以下の範囲であることが望ましく、110以上135以下の範囲であることがより望ましい。形状係数SF1が上記範囲であることにより、トナー流動性が向上するため、粒子の滞留等を抑制することができる。
<外添剤>
トナーは、必要に応じて外添剤を含んでもよい。外添剤としては特に限定されるものではないが、例えば、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等の無機酸化物粒子が挙げられる。
トナーは、必要に応じて外添剤を含んでもよい。外添剤としては特に限定されるものではないが、例えば、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等の無機酸化物粒子が挙げられる。
上記無機酸化物粒子のうち、特にシリカ粒子、チタニア粒子が望ましい。また、無機酸化物粒子は、表面が予め疎水化処理されていることが望ましい。この疎水化処理により、トナーの粉体流動性が改善されるほか、帯電の環境依存性及びキャリア汚染性の改善に対してより効果的である。
疎水化処理は、疎水化処理剤に無機酸化物粒子を浸漬等することにより行うことができる。疎水化処理剤としては特に制限はないが、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シランカップリング剤が好適に挙げられる。
前記シランカップリング剤としては、例えば、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれかのタイプを使用することも可能である。具体的には、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
疎水化処理剤の処理量としては、無機酸化物粒子の種類等により異なり一概に規定することはできないが、トナー全体及び分級トナーのMAEを所定の範囲とするためには、無機酸化物粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下の範囲が望ましい。
また外添剤として、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン等の有機粒子を用いることもできる。
外添剤の1次粒子径(体積平均粒径)としては、粒子の流動性を向上させるという観点から、1nm以上500nm以下であることが望ましい。
さらに、トナー全体及び分級トナーのMAEを所定の範囲とするために、粒径の異なる2種以上の外添剤を併用することが望ましい。
さらに、トナー全体及び分級トナーのMAEを所定の範囲とするために、粒径の異なる2種以上の外添剤を併用することが望ましい。
例えば、体積平均粒径が10nm以上40nm以下である第1の外添剤、及び、体積平均粒径が50nm以上200nm以下である第2の外添剤を用いる方法が挙げられる。
上記のように、第1の外添剤及び第2の外添剤を用いることにより、トナー全体及び分級トナーのMAEを所定の範囲とすることが容易となる。その理由は定かではないが、第1の外添剤は小径である為、分級トナーに付着しやすく外添被覆率は分級トナーの方が高くなる。第2の外添剤は比較的大きい為、トナー粒径粒度分布の大きい側に外添されやすい。この結果、流動性を悪化させている分級トナーの外添剤被覆率が高いことにより流動性が良化することと、粒度分布の大きい側に大きい外添剤が有るためトナー全体の空隙率があがり更に流動性が良化していると考えられる。
上記のように、第1の外添剤及び第2の外添剤を用いることにより、トナー全体及び分級トナーのMAEを所定の範囲とすることが容易となる。その理由は定かではないが、第1の外添剤は小径である為、分級トナーに付着しやすく外添被覆率は分級トナーの方が高くなる。第2の外添剤は比較的大きい為、トナー粒径粒度分布の大きい側に外添されやすい。この結果、流動性を悪化させている分級トナーの外添剤被覆率が高いことにより流動性が良化することと、粒度分布の大きい側に大きい外添剤が有るためトナー全体の空隙率があがり更に流動性が良化していると考えられる。
また、トナー全体及び分級トナーのMAEを所定の範囲とすることが容易であるという観点から、上記第1の外添剤の体積平均粒径は、10nm以上40nm以下がより望ましく、20nm以上30nm以下がさらにより望ましい。
第1の外添剤の材質としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウムが望ましく、酸化チタンがより望ましい。さらに第1の外添剤は、シランカップリング剤などにより疎水化処理されていることが望ましい。また第2の外添剤の材質としては第1の外添剤と同様に、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウムが望ましく、酸化ケイ素がより望ましい。さらに第2の外添剤は、第1の外添剤と同様に、シランカップリング剤、HMDSなどにより疎水化処理されていることが望ましい。
外添剤の添加量は、トナー全体及び分級トナーのMAEを所定の範囲とすることが容易であるという観点から、トナー粒子100質量部に対し、外添剤全体として2質量部以上10質量部以下が望ましく、3質量部以上7質量部以下がより望ましく、4質量部以上6質量部以下がさらにより望ましい。
上記のように第1の外添剤及び第2の外添剤を用いる場合は、トナー全体及び分級トナーのMAEを所定の範囲とすることが容易であるという観点から、外添剤全体に占める第1の外添剤の比率が、0.5%以上2%以下であることが望ましい。
<その他の添加剤>
本実施の形態のトナーは、さらにその他の添加剤を含んでもよい。その他の添加剤としては、例えば、研磨剤が挙げられる。
本実施の形態のトナーは、さらにその他の添加剤を含んでもよい。その他の添加剤としては、例えば、研磨剤が挙げられる。
研磨剤としては、特に研磨性に優れる無機粒子が望ましい。このような無機粒子としては、酸化セリウム、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素などの金属酸化物粒子;炭化ケイ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、などの金属化合物粒子;炭化ホウ素、立方晶窒化ホウ素などの窒化物あるいはホウ化物の粒子;ダイアモンド;等が好適に使用される。
また、上記無機粒子に、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどのチタンカップリング剤;γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤;などで処理を行ってもよい。
また、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩による疎水化処理も望ましく行うことができる。表面処理を施すことで、研磨粒子の帯電特性を改善したり、電気抵抗特性を改善することができる。
また、研磨剤としては、架橋性樹脂粒子も好適に用いることができる。該架橋性樹脂の例としては、フェノール樹脂;尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂などのアミノ樹脂;エポキシ樹脂;アクリル樹脂;ビニル樹脂;等が挙げられる。
研磨剤粒子の体積平均粒径(一次粒子径)は、100nm以上3.0μm以下の範囲内が好ましく、0.2μm以上2.0μm以下の範囲内がより好ましい。粒径が100nmよりも小さい場合には、付着物の研磨・除去効果が十分に得られず、カラー色用の感光体表面に発生する放電生成物の除去が不十分となる場合がある。また、粒径が3.0μmよりも大きい場合には感光体表面に傷が発生し易く、感光体の寿命が短くなる場合がある。
研磨剤の添加量は、トナー粒子、および、この表面に外添された全ての添加剤に対して、0.1質量%以上2.0質量%以下の範囲内であることが好ましく、0.3質量%以上1.0質量%以下の範囲内であることがより好ましい。添加量が、0.1質量%よりも小さい場合には、付着物の研磨・除去効果が不充分であり、感光体上に発生した放電生成物の除去が不十分となる場合がある。また、2.0質量%よりも大きい場合にはトナークラウドが発生し易くなる場合がある。
<トナーの製造方法>
―トナー粒子の製造方法―
トナー粒子の製造方法としては、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁造粒法、溶解懸濁法、溶解乳化凝集合一法などの、酸性やアルカリ性の水系媒体中でトナー粒子を生成する湿式製法で製造されることが好適であるが、特に凝集合一法が望ましい。
―トナー粒子の製造方法―
トナー粒子の製造方法としては、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁造粒法、溶解懸濁法、溶解乳化凝集合一法などの、酸性やアルカリ性の水系媒体中でトナー粒子を生成する湿式製法で製造されることが好適であるが、特に凝集合一法が望ましい。
凝集合一法によるトナー粒子の製造方法は、例えば、少なくとも粒子径が1μm以下の、第1の樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液と、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液と、離型剤粒子を分散した離型剤粒子分散液とを混合し、前記第1の樹脂粒子と前記着色剤粒子と前記離型剤粒子とを含むコア凝集粒子を形成する第1の凝集工程と、前記コア凝集粒子の表面に第2の樹脂粒子を含むシェル層を形成しコア/シェル凝集粒子を得る第2の凝集工程と、前記コア/シェル凝集粒子を前記第1の樹脂粒子又は前記第2の樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱し融合・合一する融合・合一工程と、を含む。
(分散液の調整)
上記の凝集合一法においては、例えば、樹脂粒子分散液と、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液とを準備する。
上記の凝集合一法においては、例えば、樹脂粒子分散液と、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液とを準備する。
樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂の酸化を調整することや、イオン性界面活性剤などを用いて乳化分散することにより、調整することができる。
このようにして得られた樹脂粒子分散液中における樹脂粒子の体積平均粒径は、トナー粒子の体積平均粒径及び粒度分布を所望の値に調整するのを容易とするために、1μm以下であることが望ましく、100nm以上300nm以下であることがより望ましい。
樹脂粒子の体積平均粒径は、例えば、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700堀場製作所製)で測定することができる。
樹脂粒子の体積平均粒径は、例えば、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700堀場製作所製)で測定することができる。
また樹脂粒子分散液中における固形分量は、樹脂粒子分散液100質量部に対して、5質量部以上40質量部以下であることが望ましく、10質量部以上30質量部以下であることがより望ましく、15質量部以上25質量部以下であることがさらにより望ましい。
固形分量が5質量部を下回ると樹脂粒子分散液の粘度が下がってしまい粒子の安定性が悪化したり、輸送の際のコスト的にも望ましくないことある。一方、固形分量が40質量部を超えると、粘度が過度に上昇してしまい攪拌の均一性が失われ重合が上手く進まない場合があって不都合であることがある。
固形分量が5質量部を下回ると樹脂粒子分散液の粘度が下がってしまい粒子の安定性が悪化したり、輸送の際のコスト的にも望ましくないことある。一方、固形分量が40質量部を超えると、粘度が過度に上昇してしまい攪拌の均一性が失われ重合が上手く進まない場合があって不都合であることがある。
着色剤粒子分散液は、公知の方法で調整されるが、着色剤粒子の分散には、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等が望ましく用いられる。
また、極性を有するイオン性界面活性剤を用い、既述したようなホモジナイザーを用いて水系溶媒中に分散し、着色剤粒子分散液を作製することができる。
また、極性を有するイオン性界面活性剤を用い、既述したようなホモジナイザーを用いて水系溶媒中に分散し、着色剤粒子分散液を作製することができる。
着色剤粒子分散液中における着色剤粒子の体積平均粒径は、トナー粒子の体積平均粒径及び粒度分布を所望の値に調整するのを容易とするために、1μm以下であることが望ましく、100nm以上300nm以下であることがより望ましい。
離型剤粒子分散液は、例えば、イオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに、上記離型剤を水中に分散し、融解温度以上に加熱するとともに、強い剪断をかけられるホモジナイザーや圧力吐出型分散機により粒子化することにより調整することにより、例えば、粒子径が1μm以下の離型剤粒子を含む離型剤分散液を作製することができる。
離型剤粒子分散液中における離型剤粒子の体積平均粒径は、トナー粒子の体積平均粒径及び粒度分布を所望の値に調整するのを容易とするために、1μm以下であることが望ましく、100nm以上300nm以下であることがより望ましい。
樹脂粒子分散液の調整方法としては、上記方法の外に、転相乳化法を用いることができる。転相乳化法は、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な有機溶剤中に溶解させ、必要に応じて中和剤や分散安定剤を添加して、攪拌下にて、水系溶媒を滴下して、乳化粒子を得た後、樹脂粒子分散液中の有機溶媒を除去し、乳化液を得る方法である。このとき、中和剤や分散安定剤の投入順は変更してもよい。
樹脂を溶解させる有機溶媒(樹脂溶解溶媒)としては、例えば、蟻酸エステル類、酢酸エステル類、酪酸エステル類、ケトン類、エーテル類、ベンゼン類、ハロゲン化炭素類が挙げられる。具体的には、蟻酸、酢酸、酪酸等のアルキル(メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル等)エステル類、アセトン、MEK、MPK、MIPK、MBK、MIBK等のメチルケトン類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン、ベンゼン等の複素環置換体類、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン等のハロゲン化炭素類などを単独であるいは2種以上組合せて用いることが可能であるが、入手し易さや脱溶剤時の回収容易性、環境への配慮の点から、低沸点溶媒の酢酸エステル類やメチルケトン類、エーテル類が通常好ましく用いられ、特に、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチルが好ましい。前記有機溶媒は、樹脂粒子中に残存すると、VOC原因物質となる場合があるため揮発性の比較的高いものを用いることが好ましい。
前記水系溶媒としては、基本的にはイオン交換水が用いられるが、油滴を破壊しない程度に水溶性有機溶媒を含んでも構わない。水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール等の短炭素鎖アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;エーテル類、ジオール類、THF、アセトン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶媒のイオン交換水との混合比は、質量比で1%以上50%以下の範囲、より好適には1%以上30%以下が選択され水性成分として用いられる。また、水溶性有機溶媒は添加されるイオン交換水に混合するだけでなく、樹脂溶解液中に添加して使用しても構わない。水溶性有機溶媒を添加する場合には、樹脂と樹脂溶解溶媒との濡れ性を調整することができ、また、樹脂溶解後の液粘度を低下させる機能が期待できる。
また、前記乳化液が安定的に分散状態を保つよう、必要に応じて樹脂溶液及び水性成分に分散剤を添加してもよい。前記分散剤としては、水性成分中で親水性コロイドを形成するもので、特にヒドロキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、ヒドロキシプロピルセルローズ等のセルローズ誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩等の合成高分子類、ゼラチン、アラビアゴム、寒天等の分散安定化剤が挙げられる。また、シリカ、酸化チタン、アルミナ、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム等の固体微粉末も用いることができる。これらの分散安定化剤は通常、水性成分中の濃度が0質量%以上20質量%以下、望ましくは0質量%以上10質量%以下となるよう添加される。前記分散剤としては、界面活性剤も用いられる。前記界面活性剤の例としては、後述する着色剤分散液に用いられるものに準じたものを使用することができる。例えば、サポニンなどの天然界面活性成分の他に、アルキルアミン塩酸・酢酸塩類、4級アンモニウム塩類、グリセリン類等のカチオン系界面活性剤、脂肪酸石けん類、硫酸エステル類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、スルホン酸塩類、リン酸、リン酸エステル、スルホコハク酸塩類等のアニオン系界面活性剤などが挙げられ、アニオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤が好ましく用いられる。前記乳化液のpHを調整するために、中和剤を添加してもよい。前記中和剤としては、硝酸、塩酸、水酸化ナトリウム、アンモニアなど一般の酸、アルカリを用いることができる。
前記乳化液から有機溶媒を除去する方法としては、乳化液を常温(15℃以上35℃以下)もしくは加熱下で有機溶剤を揮発させる方法、これに減圧を組み合わせる方法が望ましく用いられる。
(凝集工程)
上記分散液の調整において、樹脂粒子分散液と着色剤粒子分散液と離型剤粒子分散液とを別々に調整した場合は、上記分散液及び必要に応じてその他の分散液を混合する。また、上記分散液の調整において「樹脂・着色剤・離型剤粒子分散液」を調整した場合はそのまま用いるか、又は「樹脂・着色剤・離型剤粒子分散液」と必要に応じてその他の分散液とを混合する。
上記分散液の調整において、樹脂粒子分散液と着色剤粒子分散液と離型剤粒子分散液とを別々に調整した場合は、上記分散液及び必要に応じてその他の分散液を混合する。また、上記分散液の調整において「樹脂・着色剤・離型剤粒子分散液」を調整した場合はそのまま用いるか、又は「樹脂・着色剤・離型剤粒子分散液」と必要に応じてその他の分散液とを混合する。
第1の凝集工程においては、例えば上記原料分散液を加熱し、所望のトナー径にほぼ近い径を持つ凝集粒子(コア凝集粒子)を形成する。
第2の凝集工程は、第1の凝集工程で得られたコア凝集粒子の表面に、第2の樹脂粒子を含
む樹脂粒子分散液を用いて、第2の樹脂粒子を付着させ、所望の厚みの被覆層(シェル層)を形成することによりコア凝集粒子表面にシェル層が形成されたコア/シェル構造も持つ凝集粒子(コア/シェル凝集粒子)を得る。なお、この際用いる第2の樹脂粒子は、第1の樹脂粒子と同じであってもよく、異なったものであってもよい。
む樹脂粒子分散液を用いて、第2の樹脂粒子を付着させ、所望の厚みの被覆層(シェル層)を形成することによりコア凝集粒子表面にシェル層が形成されたコア/シェル構造も持つ凝集粒子(コア/シェル凝集粒子)を得る。なお、この際用いる第2の樹脂粒子は、第1の樹脂粒子と同じであってもよく、異なったものであってもよい。
また第1の凝集工程において、樹脂粒子分散液や着色剤粒子分散液に含まれる2つの極性のイオン性界面活性剤(分散剤)の量のバランスを予めずらしておくことができる。例えば、硝酸カルシウム等の無機金属塩、もしくは硫酸バリウム等の無機金属塩の重合体を用いてこれをイオン的に中和し、第1の樹脂粒子のガラス転移温度以下で加熱してコア凝集粒子を作製することができる。
このような場合、第2の凝集工程においては、上記のような2つの極性の分散剤のバランスのずれを補填するような極性及び量の分散剤で処理された樹脂粒子分散液を、コア凝集粒子を含む溶液中に添加し、さらに必要に応じてコア凝集粒子又は第2の凝集工程において用いられる第2の樹脂粒子のガラス転移温度以下でわずかに加熱してコア/シェル凝集粒子を作製することができる。なお、第1及び第2の凝集工程は、段階的に複数回に分けて繰り返し実施したものであってもよい。
(融合・合一工程)
次に、融合・合一工程において、第2の凝集工程を経て得られたコア/シェル凝集粒子を、溶液中にて、このコア/シェル凝集粒子中に含まれる第1又は第2の樹脂粒子のガラス転移温度(樹脂の種類が2種類以上の場合は最も高いガラス点移温度を有する樹脂のガラス転移温度)以上に加熱し、融合・合一することによりトナー粒子を得る。
次に、融合・合一工程において、第2の凝集工程を経て得られたコア/シェル凝集粒子を、溶液中にて、このコア/シェル凝集粒子中に含まれる第1又は第2の樹脂粒子のガラス転移温度(樹脂の種類が2種類以上の場合は最も高いガラス点移温度を有する樹脂のガラス転移温度)以上に加熱し、融合・合一することによりトナー粒子を得る。
融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
なお、洗浄工程は、帯電性の点から、十分にイオン交換水による置換洗浄を施すことが望ましい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が望ましく用いられる。更に乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が望ましく用いられる。
(その他のトナー粒子製造方法)
トナー全体及び分級トナーのMAEが所定の範囲とすることが容易であるという観点から、分散液の調整において、上記の方法(樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液、及び離型剤粒子分散液を別々に調整する方法)に代えて、転相乳化法により混合分散液(樹脂粒子、着色剤粒子、及び離型剤粒子等を含む分散液)を調整する方法を用いることが望ましい。
具体的には、有機溶媒中に、トナー粒子の構成成分(結着樹脂、着色剤、離型剤、及び必要に応じてその他の添加剤)を全て溶解又は分散させ、攪拌下にて水系溶媒を滴下し、有機溶媒を除去することにより乳化液を得る。
トナー全体及び分級トナーのMAEが所定の範囲とすることが容易であるという観点から、分散液の調整において、上記の方法(樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液、及び離型剤粒子分散液を別々に調整する方法)に代えて、転相乳化法により混合分散液(樹脂粒子、着色剤粒子、及び離型剤粒子等を含む分散液)を調整する方法を用いることが望ましい。
具体的には、有機溶媒中に、トナー粒子の構成成分(結着樹脂、着色剤、離型剤、及び必要に応じてその他の添加剤)を全て溶解又は分散させ、攪拌下にて水系溶媒を滴下し、有機溶媒を除去することにより乳化液を得る。
上記方法を用いることにより、トナーの流動性を向上させることが容易となる。その理由は定かではないが、上記「混合分散液」は、トナー粒子の構成成分を全て溶解させた後に乳化させるため、樹脂粒子分散液と着色剤粒子分散液と離型剤粒子分散液とを別々に調整した後に混合した溶液に比べて、それぞれの成分が均一に分散していると考えられる。そのため、凝集後における粒子の成分及び粒径が均一になりやすく、流動性の低い小径トナーが生成しにくいからであると考えられる。
―トナー粒子への外添方法―
外添剤及びその他の添加剤は、トナー粒子と混合することで外添される。混合は、例えば、V型ブレンダーやヘンシェルミキサーやレディゲミキサー等の公知の混合機によって行うことができる。また、その他の添加剤としては、必要に応じて種々の添加剤を用いることができる。例えば、流動化剤やポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子等のクリーニング助剤もしくは転写助剤等があげられる。
外添剤及びその他の添加剤は、トナー粒子と混合することで外添される。混合は、例えば、V型ブレンダーやヘンシェルミキサーやレディゲミキサー等の公知の混合機によって行うことができる。また、その他の添加剤としては、必要に応じて種々の添加剤を用いることができる。例えば、流動化剤やポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子等のクリーニング助剤もしくは転写助剤等があげられる。
[2]静電荷像現像用現像剤
本実施の形態における静電荷像現像用現像剤(以下、現像剤と略す場合がある)は、少なくともトナーを含み、必要に応じてキャリアを含むこともできる。トナーは、本発明の静電荷現像用トナーである。以下、本実施の形態における現像剤について説明する。
本実施の形態における静電荷像現像用現像剤(以下、現像剤と略す場合がある)は、少なくともトナーを含み、必要に応じてキャリアを含むこともできる。トナーは、本発明の静電荷現像用トナーである。以下、本実施の形態における現像剤について説明する。
<キャリア>
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。キャリアとしては例えば、例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これらキャリア芯材表面にキャリア被覆樹脂を被覆した樹脂被覆層を有する樹脂被覆キャリアを挙げることができる。またキャリアは、マトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。キャリアとしては例えば、例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これらキャリア芯材表面にキャリア被覆樹脂を被覆した樹脂被覆層を有する樹脂被覆キャリアを挙げることができる。またキャリアは、マトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
―被覆樹脂キャリア―
(キャリア芯材)
キャリア芯材(以下、単に「芯材」と略す場合がある)は、その体積電気抵抗が「1×107.5Ω・cm」以上「1×109.5Ω・cm」以下であることが望ましい。この体積電気抵抗が「1×107.5Ω・cm」未満であると、繰り返し複写によって、現像剤中のトナー濃度が減少した際に、キャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう虞がある。一方、体積電気抵抗が「1×109.5Ω・cm」より大きくなると、際立ったエッジ効果や擬似輪郭等の画質に悪影響を及ぼす虞がある。
(キャリア芯材)
キャリア芯材(以下、単に「芯材」と略す場合がある)は、その体積電気抵抗が「1×107.5Ω・cm」以上「1×109.5Ω・cm」以下であることが望ましい。この体積電気抵抗が「1×107.5Ω・cm」未満であると、繰り返し複写によって、現像剤中のトナー濃度が減少した際に、キャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう虞がある。一方、体積電気抵抗が「1×109.5Ω・cm」より大きくなると、際立ったエッジ効果や擬似輪郭等の画質に悪影響を及ぼす虞がある。
芯材は、特に制限はないが、上記条件を満足することが望ましく、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらとマンガン、クロム、希土類等との合金、及びフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。これらの中でも芯材表面性、芯材抵抗の観点から、フェライト、特にマンガン、リチウム、ストロンチウム、マグネシウム等との合金が望ましい。
芯材の体積平均粒径としては、10μm以上500μm以下が望ましく、より望ましくは30μm以上100μm以下である。
(キャリア被覆樹脂)
キャリア被覆樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
キャリア被覆樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
フッ素系樹脂としては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル,ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
被覆樹脂により形成される被覆膜には、樹脂粒子、導電性粒子等が分散されていることが望ましい。
被覆膜に樹脂粒子が分散されている場合、その厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、均一に分散しているため、キャリアを長期間使用して被覆膜が摩耗したとしても、常に未使用時と同様な表面形成を保持でき、トナーに対し、良好な帯電付与能力を長期間にわたって、維持することができる。
また、被覆膜に導電性粒子が分散されている場合、その厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、導電性粒子が均一に分散しているため該キャリアを長期間使用して該被覆膜が摩耗したとしても、常に未使用時と同様な表面形成を保持でき、キャリア劣化を長期間防止することができる。
なお、被覆膜に樹脂粒子と導電性粒子とが分散されている場合、上述の効果を同時に奏する事ができる。
被覆膜に樹脂粒子が分散されている場合、その厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、均一に分散しているため、キャリアを長期間使用して被覆膜が摩耗したとしても、常に未使用時と同様な表面形成を保持でき、トナーに対し、良好な帯電付与能力を長期間にわたって、維持することができる。
また、被覆膜に導電性粒子が分散されている場合、その厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、導電性粒子が均一に分散しているため該キャリアを長期間使用して該被覆膜が摩耗したとしても、常に未使用時と同様な表面形成を保持でき、キャリア劣化を長期間防止することができる。
なお、被覆膜に樹脂粒子と導電性粒子とが分散されている場合、上述の効果を同時に奏する事ができる。
樹脂粒子としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子、熱硬化性樹脂粒子等が挙げられる。これらの中でも、比較的硬度を上げることが容易な観点から熱硬化性樹脂が望ましく、トナーに負帯電性を付与する観点からは、N原子を含有する含窒素樹脂による樹脂粒子が望ましい。なお、これらの樹脂粒子は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子の数平均粒子径としては、例えば、0.1μm以上2μm以下が望ましく、より望ましくは0.2μm以上1μm以下である。前記樹脂粒子の数平均粒子径が0.1μm未満であると、被覆膜における樹脂粒子の分散性が非常に悪く、一方、樹脂粒子の数平均粒子径が2μmを越えると、被覆膜から樹脂粒子の脱落が生じ易く、本来の効果を発揮しなくなることがある。
樹脂粒子の含有率は、例えば、被覆樹脂層全体に対し、1質量%以上50質量%以下であることが望ましく、1質量%以上30質量%以下であることがより望ましく、1質量%以上20質量%以下であることがさらにより望ましい。樹脂粒子の含有率が1質量%よりも少ないと、樹脂粒子の効果が発現しない場合があり、50質量%を超えると、被覆樹脂層からの脱落が生じやすく、安定した帯電性が得られない場合がある。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属粒子、カーボンブラック粒子、酸化チタン、酸化亜鉛等の半導電性酸化物粒子、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を酸化スズ、カーボンブラック、金属等で覆った粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、製造安定性、コスト、導電性等の良好な点で、カーボンブラック粒子が望ましい。前記カーボンブラックの種類としては、特に制限はないが、DBP吸油量が50ml/100g以上250ml/100g以下であるカーボンブラックが製造安定性に優れて望ましい。
導電性粒子の体積平均粒径は、0.5μm以下のものが望ましく、より望ましくは0.05μm以上0.5μm以下であり、更に望ましくは、0.05μm以上0.35μm以下である。体積平均粒径が0.5μmより大きいと、導電性粒子が被覆樹脂層から脱落しやすく、安定した帯電性が得られなくなる可能性がある。
導電性粒子の体積電気抵抗は、101Ω・cm以上1011Ω・cm以下であることが望ましく、103Ω・cm以上109Ω・cm以下がより望ましい。
導電性粒子の含有量は、例えば、被覆樹脂100質量部に対し1質量部以上50質量部以下であることが望ましく、3質量部以上20質量部以下であることがより望ましい。
(樹脂被覆キャリアの製造方法)
芯材表面に被覆膜を形成する方法としては、被覆樹脂を含む被覆膜形成用液に芯材を浸漬する浸漬法、被覆膜形成用液を芯材の表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆膜形成用液と混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。これらの中でも、ニーダーコーター法が望ましい。
芯材表面に被覆膜を形成する方法としては、被覆樹脂を含む被覆膜形成用液に芯材を浸漬する浸漬法、被覆膜形成用液を芯材の表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆膜形成用液と混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。これらの中でも、ニーダーコーター法が望ましい。
被覆膜形成用液に用いる溶剤としては、被覆樹脂のみを溶解することが可能なものであれば、特に制限はなく、それ自体公知の溶剤の中から選択することができ、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類などが挙げられる。
樹脂膜の平均膜厚は、例えば、0.1μm以上10μm以下が望ましく、経時にわたり安定したキャリアの体積電気抵抗を発現させる観点から、0.5μm以上3μm以下の範囲であることがより望ましい。
―樹脂分散型キャリア―
マトリックス樹脂としては、キャリア被覆樹脂と同様のものを用いることができる。
導電材料としては、金属(例えば、金、銀、銅等)やカーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるのもではない。
マトリックス樹脂としては、キャリア被覆樹脂と同様のものを用いることができる。
導電材料としては、金属(例えば、金、銀、銅等)やカーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるのもではない。
―キャリアの物性―
キャリアの体積平均粒径は、例えば、15μm以上50μm以下が望ましく、更に望ましくは25μm以上40μm以下である。キャリアの体積平均粒径が15μmより小さいと、キャリア汚染がおこる可能性がある。またキャリアの体積平均粒径が50μmより大きいと、攪拌によるトナー劣化が顕著となる可能性がある。
キャリアの体積平均粒径は、例えば、15μm以上50μm以下が望ましく、更に望ましくは25μm以上40μm以下である。キャリアの体積平均粒径が15μmより小さいと、キャリア汚染がおこる可能性がある。またキャリアの体積平均粒径が50μmより大きいと、攪拌によるトナー劣化が顕著となる可能性がある。
キャリアの体積電気抵抗は、高画質を達成するために、通常の現像コントラスト電位の上下限に相当する103V/cm乃至104V/cm以下の範囲において、106Ω・cm以上1014Ω・cm以下であることが望ましい。キャリアの体積電気抵抗が106Ω・cm未満であると細線の再現性が悪く、また電荷の注入による背景部へのトナーかぶりが発生しやすくなる。また、キャリアの体積電気抵抗が1014Ω・cmより大きいと黒ベタ、ハーフトーンの再現が悪くなる。また感光体へ移行するキャリアの量が増え、感光体を傷つけやすい。
<現像剤>
キャリアを含んだ現像剤における、トナーとキャリアの混合比(質量比)としては、トナー:キャリア=1:100乃至30:100程度の範囲が望ましく、3:100乃至20:100程度の範囲がより望ましい。
キャリアを含んだ現像剤における、トナーとキャリアの混合比(質量比)としては、トナー:キャリア=1:100乃至30:100程度の範囲が望ましく、3:100乃至20:100程度の範囲がより望ましい。
現像剤は、トナー濃度(トナー/キャリア比)を8質量%とし帯電発生環境を25℃50RH%とした場合に、その帯電量の絶対値が20μC/g以上50μC/g以下であることが望ましく、より望ましくは25μC/g以上45μC/g以下、さらに望ましくは27μC/g以上40μC/g以下である。この帯電量の絶対値が20μC/g未満であると、背景部のカブリ、画像白抜け、キャリアの飛散等が発生することがある。一方、50μC/gを超えると、現像不良による画像濃度低下が発生することがある。この帯電量は、例えば、キャリアの被覆樹脂量、架橋メラミン樹脂粒子量、被覆樹脂中のフッ素量等により適宜調整することができる。
現像剤は、上述の特定なキャリアと特定のトナーと混合することにより作製することができるが、この作製方法は特に制限はなく、従来公知の方法に従って適宜行われる。
[3]静電荷像現像用現像剤用カートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
次に、本実施の形態における静電荷像現像用現像剤用カートリッジ(以下、単に「カートリッジ」と略す場合がある)について説明する。カートリッジは、画像形成装置に脱着可能であり、少なくとも、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための現像剤を収納し、現像剤が既述した本発明の現像剤であることを特徴とする。
次に、本実施の形態における静電荷像現像用現像剤用カートリッジ(以下、単に「カートリッジ」と略す場合がある)について説明する。カートリッジは、画像形成装置に脱着可能であり、少なくとも、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための現像剤を収納し、現像剤が既述した本発明の現像剤であることを特徴とする。
従って、カートリッジの脱着が可能な構成を有する画像形成装置において、本発明の現像剤を収納した本実施の形態のカートリッジを利用することにより、低温定着性を維持しつつ、良好なクリーニング特性を長期にわたって安定して保つことができる。
本実施の形態における画像形成装置は、静電潜像保持体と、静電潜像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、静電潜像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、静電潜像を現像剤により現像しトナー像を形成する現像手段と、静電潜像保持体の表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写手段と、被転写体に転写されたトナー像を定着する定着手段と、静電潜像保持体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも備え、現像剤が本発明の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする。
従って、本発明の現像剤を用いた本実施の形態の画像形成装置を利用することにより、低温定着性を維持しつつ、良好なクリーニング特性を長期にわたって安定して保つことができる。
なお、画像形成装置は、上記のような静電潜像保持体と、帯電手段と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、クリーニング手段と、を少なくとも含むものであれば特に限定はされないが、その他必要に応じて除電手段等を含んでいていても良い。
またクリーニング手段は、静電潜像保持体の表面に接するクリーニングブレードと、クリーニングブレードを支持する支持部材と、クリーニングブレードと支持部材とを連結する弾性部材と、を含む形態であることが望ましい。
上記形態では、クリーニングブレードと支持部材との間に介在する弾性部材により、クリーニングブレードの振動が吸収されたり、クリーニングブレードが静電潜像保持体表面に追従できるようになる。そのためクリーニングブレードは、静電潜像保持体表面に一定荷重で接触される。よって上記形態では、さらに良好なクリーニング特性を長期にわたって安定して保つことができる。
上記形態では、クリーニングブレードと支持部材との間に介在する弾性部材により、クリーニングブレードの振動が吸収されたり、クリーニングブレードが静電潜像保持体表面に追従できるようになる。そのためクリーニングブレードは、静電潜像保持体表面に一定荷重で接触される。よって上記形態では、さらに良好なクリーニング特性を長期にわたって安定して保つことができる。
また、クリーニング手段が上記形態であることにより、クリーニング部において発生する摩擦によるクリーニングブレードのブレードめくれ及びブレード鳴きを抑制することができる。そのため、クリーニング手段が上記形態である場合は、従来に比べて高硬度のクリーニングブレード及び静電潜像保持体を用いることが可能となり、クリーニングブレード及び静電潜像保持体の摩耗を抑えることができるため、良好なクリーニング特性を長期にわたって安定して保たれる。
一方、上記のように、従来に比べて高硬度のクリーニングブレード及び静電潜像保持体を用いた場合、クリーニング部において、高硬度部材同士を安定的に一定荷重で接触させることにより、クリーニング部付近に入り込んだトナーが滞留すると、つぶれることにより固着を引き起こす可能性が考えられる。
しかし本実施の形態においては、トナー全体及び分級トナーのMAEが所定の範囲であり流動性が高いため、クリーニング部付近におけるトナーの滞留を抑制することができ、良好なクリーニング特性を長期にわたって安定して保つことができると考えられる。
しかし本実施の形態においては、トナー全体及び分級トナーのMAEが所定の範囲であり流動性が高いため、クリーニング部付近におけるトナーの滞留を抑制することができ、良好なクリーニング特性を長期にわたって安定して保つことができると考えられる。
ここで、クリーニングブレードのJIS−A硬度は、40度以上70度以下であることが望ましく、50度以上65度以下であることがより望ましい。
クリーニングブレードのJIS−A硬度が上記範囲であることにより、クリーニングブレードと静電潜像保持体の表面との接触部において、より柔軟な接触状態を維持することができる。そのため、より良好なクリーニング特性を長期安定に保つことができる。
クリーニングブレードのJIS−A硬度が上記範囲よりも低いと、クリーニングブレードと支持部材との間に弾性部材を介した形態であっても、クリーニングブレードの摩耗が促進されてしまう可能性がある。またクリーニングブレードのJIS−A硬度が上記範囲よりも高いと、クリーニングブレードと静電潜像保持体との接触部において、クリーニングブレードのひずみ変形が小さくなるため、静電潜像保持体表面の残留トナーがすり抜けてしまう可能性がある。
クリーニングブレードのJIS−A硬度が上記範囲であることにより、クリーニングブレードと静電潜像保持体の表面との接触部において、より柔軟な接触状態を維持することができる。そのため、より良好なクリーニング特性を長期安定に保つことができる。
クリーニングブレードのJIS−A硬度が上記範囲よりも低いと、クリーニングブレードと支持部材との間に弾性部材を介した形態であっても、クリーニングブレードの摩耗が促進されてしまう可能性がある。またクリーニングブレードのJIS−A硬度が上記範囲よりも高いと、クリーニングブレードと静電潜像保持体との接触部において、クリーニングブレードのひずみ変形が小さくなるため、静電潜像保持体表面の残留トナーがすり抜けてしまう可能性がある。
本実施の形態におけるプロセスカートリッジは、本発明の現像剤を収納すると共に、画像形成装置に脱着可能であり、現像手段を備え、かつ、静電潜像保持体、帯電手段、及びクリーニング手段から選択される少なくとも一種を備えることを特徴とする。また、プロセスカートリッジは、その他必要に応じて、除電手段等のその他の部材を含んでいても良い。
したがって、プロセスカートリッジの脱着が可能な構成を有する画像形成装置において、本発明の現像剤を収容したプロセスカートリッジを利用することにより、低温定着性を維持しつつ、良好なクリーニング特性を長期にわたって安定して保つことができる。
以下、本実施の形態におけるカートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジについて、図面を用いて具体的に説明する。
図4は、好適な一実施形態(第一実施形態)における画像形成装置の基本構成を概略的に示す断面図である。図4に示す画像形成装置は、カートリッジを備えた構成となっている。
図4に示す画像形成装置10は、静電潜像保持体12、帯電手段14、静電潜像形成手段16、現像手段18、転写手段20、クリーニング手段22、除電手段24、定着手段26、カートリッジ28を備える。
なお、現像手段18中及びカートリッジ28中に収納される現像剤は、本発明の現像剤である。
なお、現像手段18中及びカートリッジ28中に収納される現像剤は、本発明の現像剤である。
また図4は便宜上、本発明の現像剤を収納した現像手段18及びカートリッジ28を一つずつ備えた構成のみを図示しているが、例えばカラー画像形成装置の場合などは、画像形成装置に応じた数の現像手段18及びカートリッジ28を備えた構成をとることも可能である。
図4に示す画像形成装置は、カートリッジ28の着脱が可能な構成を有する画像形成装置であり、カートリッジ28は、現像剤供給管30を通して現像手段18に接続されている。よって画像形成を行う際は、カートリッジ28の中に収納されている本発明の現像剤が、現像剤供給菅30を通して現像手段18に供給されることにより、長期間にわたり、本発明の現像剤を用いた画像を形成することができる。また、カートリッジ28の中に収納されている現像剤が少なくなった場合には、このカートリッジ28を交換することができる。
静電潜像保持体12の周囲には、静電潜像保持体12の回転方向(矢印A方向)に沿って順に、静電潜像保持体12表面を帯電させる帯電手段14、画像情報に応じて静電潜像保持体12表面に静電潜像を形成させる静電潜像形成手段16、形成された静電潜像に本発明の現像剤を供給する現像手段18、静電潜像保持体12表面に接触し静電潜像保持体12の矢印A方向への回転に伴い矢印B方向に従動回転することができるドラム状の転写手段20、静電潜像保持体12表面に接触するクリーニング装置22、静電潜像保持体12表面を除電する除電手段24が配置されている。
静電潜像保持体12と転写手段20との間は、矢印C方向と反対側から不図示の搬送手段により矢印C方向に搬送される記録媒体50が挿通可能である。静電潜像保持体12の矢印C方向側には加熱源(不図示)を内蔵した定着手段26が配置され、定着手段26には圧接部32が設けられている。また、静電潜像保持体12と転写手段20との間を通過した記録媒体50は、この圧接部32を矢印C方向へと挿通可能である。
静電潜像保持体12としては、例えば感光体又は誘電記録体等が使用できる。
感光体としては例えば、単層構造の感光体又は多層構造の感光体等を用いることができる。また感光体の材質としては、セレンやアモルファスシリコン等の無機感光体や、有機感光体等が考えられる。
感光体としては例えば、単層構造の感光体又は多層構造の感光体等を用いることができる。また感光体の材質としては、セレンやアモルファスシリコン等の無機感光体や、有機感光体等が考えられる。
帯電手段14としては、例えば、導電性又は半導電性のローラー、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触帯電装置、コロナ放電を利用したコロトロン帯電やスコロトロン帯電などの非接触型の帯電装置等、公知の手段を使用することができる。
静電潜像形成手段16としては、露光手段の他に、トナー像を記録媒体表面の所望の位置に形成しうる信号を形成できる、従来公知のいずれの手段を使うこともできる。
露光手段としては、例えば、半導体レーザー及び走査装置の組み合わせ、光学系により構成されたレーザー走査書き込み装置、あるいは、LEDヘッドなど、従来公知の露光手段を使用することができる。均一で、解像度の高い露光像を作るという望ましい態様を実現させるためには、レーザー走査書き込み装置又はLEDヘッドを使うことが望ましい。
露光手段としては、例えば、半導体レーザー及び走査装置の組み合わせ、光学系により構成されたレーザー走査書き込み装置、あるいは、LEDヘッドなど、従来公知の露光手段を使用することができる。均一で、解像度の高い露光像を作るという望ましい態様を実現させるためには、レーザー走査書き込み装置又はLEDヘッドを使うことが望ましい。
転写手段20としては、具体的には例えば、電圧を印加した導電性又は半導電性のローラー、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いて、静電潜像保持体12と記録媒体50との間に電界を作り、帯電したトナーの粒子で形成されたトナー像を転写する手段や、コロナ放電を利用したコロトロン帯電器やスコロトロン帯電器などで記録媒体50の裏面をコロナ帯電して、帯電したトナーの粒子で形成されたトナー像を転写する手段など、従来公知の手段を使用することができる。
また転写手段20として、二次転写手段を用いることもできる。すなわち、図示しないが二次転写手段は、トナー像を一旦中間転写体に転写した後、中間転写体から記録媒体50にトナー像を二次転写する手段である。
クリーニング手段22としては例えば、クリーニングブレード、クリーニングブラシなどが挙げられる。本実施の形態においては、クリーニング手段22として、クリーニングブレードを用いたブレードクリーニング手段を採用している。
図5に、図4に示した画像形成装置におけるクリーニング手段22のクリーニング部34付近を拡大した、(A)端面図、及び(B)斜視図である。
図4及び図5に示すように、クリーニング手段22は、静電潜像保持体12と対向する側が開口した筐体36の一端を支持部38とし、これに弾性部材40を介してクリーニングブレード42が取り付けられている。
クリーニングブレード42の自由端部は、静電潜像保持体12の表面に、所定の角度(例えば、15°以上45°以下)及び所定の食い込み量(例えば、0.7mm以上1.3mm以下)で接触し、クリーニング部34を形成している。
弾性部材40は、一端が筐体36の支持部38に取り付けられ、他端にクリーニングブレード42が取り付けられることにより、間接的に筐体36の支持部38とクリーニングブレード42とを連結している。
図4及び図5に示すように、クリーニング手段22は、静電潜像保持体12と対向する側が開口した筐体36の一端を支持部38とし、これに弾性部材40を介してクリーニングブレード42が取り付けられている。
クリーニングブレード42の自由端部は、静電潜像保持体12の表面に、所定の角度(例えば、15°以上45°以下)及び所定の食い込み量(例えば、0.7mm以上1.3mm以下)で接触し、クリーニング部34を形成している。
弾性部材40は、一端が筐体36の支持部38に取り付けられ、他端にクリーニングブレード42が取り付けられることにより、間接的に筐体36の支持部38とクリーニングブレード42とを連結している。
クリーニング手段22が上記構成をとることにより、弾性部材40が緩衝部材としての役割を果たすことができる。そのため、クリーニングブレード42が静電潜像保持体12の表面に一定荷重で接触することが可能となる。また、従来に比べて高硬度のクリーニングブレード42及び静電潜像保持体12を用いても、クリーニング部34において発生する摩擦によるクリーニングブレード42のブレードめくれ及びブレード鳴きを抑制することができる。
ここで、本実施の形態においては、筐体36の一端部である支持部38が「支持部材」に相当するが、支持部材が筐体の一端に取り付けられた構成であってもよい。
クリーニングブレード42の材質としては、例えば、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッソゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられる。クリーニングブレード42のJIS−A硬度が上記範囲に含まれるという観点からは、クリーニングブレード42の材料としては、ポリウレタン弾性体を用いることが望ましい。
ポリウレタン弾性体としては、一般にイソシアネートとポリオール及び各種水素含有化合物との付加反応を経て合成されるポリウレタンが用いられており、ポリオール成分として、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ポリオールや、アジペート系ポリオール、ポリカプロラクタム系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等のポリエステル系ポリオールを用い、ポリイソシアネート成分として、トリレンジイソシアネート、4,4′ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、等の芳香族系ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートを用いてウレタンプレポリマーを調製し、これに硬化剤を加えて、所定の型内に注入し、架橋硬化させた後、常温で熟成することによって製造されている。上記硬化剤としては、通常、1,4−ブタンジオール等の二価アルコールとトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三価以上の多価アルコールとが併用される。
ポリウレタン弾性体としては、一般にイソシアネートとポリオール及び各種水素含有化合物との付加反応を経て合成されるポリウレタンが用いられており、ポリオール成分として、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ポリオールや、アジペート系ポリオール、ポリカプロラクタム系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等のポリエステル系ポリオールを用い、ポリイソシアネート成分として、トリレンジイソシアネート、4,4′ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、等の芳香族系ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートを用いてウレタンプレポリマーを調製し、これに硬化剤を加えて、所定の型内に注入し、架橋硬化させた後、常温で熟成することによって製造されている。上記硬化剤としては、通常、1,4−ブタンジオール等の二価アルコールとトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三価以上の多価アルコールとが併用される。
弾性部材40の材料としては、弾性力を発生するものであれば特に制限はされないが、耐久性の観点から、例えば、ステンレス、黄銅等の金属材料が、特に望ましい。
クリーニングブレード42と弾性部材40との接着は、例えば、ホットメルト、接着剤などの既知の接着方法で接着することができる。
また、支持部38と弾性部材40との接着についても、上記クリーニングブレード42と弾性部材40との接着と同様の接着方法で接着することができる。
クリーニングブレード42と弾性部材40との接着は、例えば、ホットメルト、接着剤などの既知の接着方法で接着することができる。
また、支持部38と弾性部材40との接着についても、上記クリーニングブレード42と弾性部材40との接着と同様の接着方法で接着することができる。
除電手段24としては例えば、タングステンランプ、LEDなどが挙げられる。
定着手段26としては、例えば加熱ロールと加圧ロールとで構成される加熱加圧によりトナー像を定着する熱定着器や、フラッシュランプ等による光照射によりトナー像を加熱して定着する光定着器などが利用できる。
加熱ロール又は加圧ロール等のロール表面を形成する材料は、トナーを付着させない目的で、例えばトナーに対して離型性の優れた材料、シリコンゴムやフッ素系樹脂などであることが望ましい。この際、シリコーンオイル等の離型性液体を、ロール両面に塗布しないことが望ましい。離型性液体は、定着ラチチュードを広くすることに対しては有効であるが、定着される記録媒体に転移する為、画像形成された印刷物にベトツキが生じ、テープを貼れないことやマジックで文字を書き加えられないこと等の問題が生じる可能性がある。この問題は、記録媒体としてOHPなどのフィルムを用いる場合に、より顕著となる。また離型性液体は、定着画像表面の荒さをスムーズにすることが困難であるため、記録媒体としてOHPフィルムを用いる場合に特に重要となる画像透明性が低下する要因にもなる場合がある。しかし、トナーにワックス(オフセット防止剤)を含む場合には、十分な定着ラチチュードを示すので、定着ロールに塗布されるシリコーンオイル等の離型性液体は必要無い。
加熱ロール又は加圧ロール等のロール表面を形成する材料は、トナーを付着させない目的で、例えばトナーに対して離型性の優れた材料、シリコンゴムやフッ素系樹脂などであることが望ましい。この際、シリコーンオイル等の離型性液体を、ロール両面に塗布しないことが望ましい。離型性液体は、定着ラチチュードを広くすることに対しては有効であるが、定着される記録媒体に転移する為、画像形成された印刷物にベトツキが生じ、テープを貼れないことやマジックで文字を書き加えられないこと等の問題が生じる可能性がある。この問題は、記録媒体としてOHPなどのフィルムを用いる場合に、より顕著となる。また離型性液体は、定着画像表面の荒さをスムーズにすることが困難であるため、記録媒体としてOHPフィルムを用いる場合に特に重要となる画像透明性が低下する要因にもなる場合がある。しかし、トナーにワックス(オフセット防止剤)を含む場合には、十分な定着ラチチュードを示すので、定着ロールに塗布されるシリコーンオイル等の離型性液体は必要無い。
記録媒体50としては、特に制限はなく、普通紙や光沢紙等をはじめとする従来公知のものが利用できる。また記録媒体は、基材と基材上に形成された受像層を有するものを利用することもできる。
次に、画像形成装置10を用いた画像形成について説明する。まず、静電潜像保持体12の矢印A方向への回転に伴い、帯電手段14により静電潜像保持体12表面を帯電し、帯電された静電潜像保持体12表面に静電潜像形成手段16により画像情報に応じた静電潜像を形成し、この静電潜像が形成された静電潜像保持体12表面に、静電潜像の色情報に応じて現像手段18から本発明の現像剤を供給することによりトナー像を形成する。
次に、静電潜像保持体12表面に形成されたトナー像は、静電潜像保持体12の矢印A方向への回転に伴い、静電潜像保持体12と転写手段20との接触部に移動する。この際、接触部を、記録媒体50が、不図示の用紙搬送ロールにより矢印C方向に挿通され、静電潜像保持体12と転写手段20との間に印加された電圧により、静電潜像保持体12表面に形成されたトナー像が接触部にて記録媒体50表面に転写される。
トナー像を転写手段20により記録媒体50に転写した後の静電潜像保持体12の表面は、クリーニング手段22のクリーニングブレード42によって残留しているトナーが除去され、除電手段24により除電される。
このようにしてトナー像がその表面に転写された記録媒体50は、定着手段26の圧接部32に搬送され、圧接部32を通過する際に、内蔵された加熱源(不図示)によってその圧接部32の表面が加熱された定着手段26によって加熱される。この際、トナー像が記録媒体50表面に定着されることにより画像が形成される。
図6は、他の好適な一実施形態(第二実施形態)における画像形成装置の基本構成を概略的に示す断面図である。
図6に示す画像形成装置は、本発明の現像剤(供給用現像剤)を、現像手段内にある現像剤収容容器へ現像剤供給手段により適宜供給すると共に、現像剤収容容器に収容されている現像剤の少なくとも一部を、現像剤排出手段により適宜排出する、トリクル現像方式を採用した構成となっている。
図6に示す画像形成装置は、本発明の現像剤(供給用現像剤)を、現像手段内にある現像剤収容容器へ現像剤供給手段により適宜供給すると共に、現像剤収容容器に収容されている現像剤の少なくとも一部を、現像剤排出手段により適宜排出する、トリクル現像方式を採用した構成となっている。
また図6に示す画像形成装置は、クリーニング手段のクリーニングブレードにより静電潜像保持体表面から除去された残留トナーを回収し、現像手段へ供給することにより、残留トナーを再利用できるトナーリクレイム方式を採用した構成となっている。
本実施の形態に係る画像形成装置100は、図6に示すように、矢印aで示すように、時計回り方向に回転する静電潜像保持体110と、静電潜像保持体110の上方に、静電潜像保持体110に相対して設けられ、静電潜像保持体110の表面を負に帯電させる帯電手段120と、帯電手段120により帯電した静電潜像保持体110の表面に、現像剤(トナー)で形成しようとする画像を書き込んで静電潜像を形成する静電潜像形成手段130と、静電潜像形成手段130の下流側に設けられ、静電潜像形成手段130で形成された静電潜像にトナーを付着させて静電潜像保持体110の表面にトナー像を形成する現像手段140と、静電潜像保持体110に接触しつつ矢印bで示す方向に走行するとともに、静電潜像保持体110の表面に形成されたトナー像を転写するエンドレスベルト状の中間転写ベルト150と、中間転写ベルト150にトナー像を転写した後の静電潜像保持体110の表面を除電して、表面に残った転写残トナーを除去し易くする除電手段160と、静電潜像保持体110の表面を清掃して前記転写残トナーを除去するクリーニング手段170とを備える。
帯電手段120、静電潜像形成手段130、現像手段140、中間転写ベルト150、除電手段160、及びクリーニング手段170は、静電潜像保持体110を囲む円周上に、時計周り方向に配設されている。
中間転写ベルト150は、内側から、張架ローラ150A、150B、バックアップローラ150C、及び駆動ローラ150Dによって緊張され、保持されるとともに、駆動ローラ150Dの回転に伴い矢印bの方向に駆動される。中間転写ベルト150の内側における静電潜像保持体110に相対する位置には、中間転写ベルト150を正に帯電させて中間転写ベルト150の外側の面に静電潜像保持体110上のトナーを吸着させる1次転写ローラ151が設けられている。中間転写ベルト150の下方における外側には、記録媒体Pを正に帯電させて中間転写ベルト150に押圧することにより、中間転写ベルト150に形成されたトナー像を記録媒体P上に転写する2次転写ローラ152がバックアップローラ150Cに対向して設けられている。
中間転写ベルト150の下方には、さらに、2次転写ローラ152に記録媒体Pを供給する記録媒体供給装置153と、2次転写ローラ152においてトナー像が形成された記録媒体Pを搬送しつつ、前記トナー像を定着させる定着手段180とが設けられている。
記録媒体供給装置153は、1対の搬送ローラ153Aと、搬送ローラ153Aで搬送される記録媒体Pを2次転写ローラ152に向かって誘導する誘導スロープ153Bと、を備える。一方、定着手段180は、2次転写ローラ152によってトナー像が転写された記録媒体Pを加熱・押圧することにより、前記トナー像の定着を行う1対の熱ローラである定着ローラ181と、定着ローラ181に向かって記録媒体Pを搬送する搬送コンベア182とを有する。
記録媒体Pは、記録媒体供給装置153と2次転写ローラ152と定着手段180とにより、矢印cで示す方向に搬送される。
中間転写ベルト150の近傍には、さらに、2次転写ローラ152において記録媒体Pにトナー像を転写した後に中間転写ベルト150に残ったトナーを除去するクリーニングブレードを有する中間転写体クリーニング手段154が設けられている。
以下、現像手段140について詳細に説明する。現像手段140は、現像領域で静電潜像保持体110に対向して配置されており、例えば、負(−)極性に帯電するトナー及び正(+)極性に帯電するキャリアで構成される2成分現像剤を収容する現像剤収容容器141を有している。現像剤収容容器141は、現像剤収容容器本体141Aとその上端を塞ぐ現像剤収容容器カバー141Bとを有している。
現像剤収容容器本体141Aはその内側に、現像ロール142を収容する現像ロール室142Aを有しており、現像ロール室142Aに隣接して、第1攪拌室143Aと第1攪拌室143Aに隣接する第2攪拌室144Aとを有している。また、現像ロール室142A内には、現像剤収容容器カバー141Bが現像剤収容容器本体141Aに装着されたときに現像ロール142表面の現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材145が設けられている。
第1攪拌室143Aと第2攪拌室144Aとの間には仕切り壁141Cにより仕切られており、図示しないが、第1攪拌室143A及び第2攪拌室144Aの仕切り壁141Cの長手方向(現像装置長手方向)両端部には通路が設けられており、第1攪拌室143A及び第2攪拌室144Aによって循環攪拌室(143A+144A)を構成している。
そして、現像ロール室142Aには、静電潜像保持体110と対向するように現像ロール142が配置されている。現像ロール142は、図示しないが磁性を有する磁性ロール(固定磁石)の外側にスリーブを設けたものである。第1攪拌室143Aの現像剤は磁性ロールの磁力によって現像ロール142の表面上に吸着されて、現像領域に搬送される。また、現像ロール142はそのロール軸が現像剤収容容器本体141Aに回転自由に支持されている。ここで、現像ロール142と静電潜像保持体110とは、逆方向に回転し、対向部において、現像ロール142の表面上に吸着された現像剤は、静電潜像保持体110の進行方向と同方向から現像領域に搬送するようにしている。
また、現像ロール142のスリーブには、不図示のバイアス電源が接続され、所定の現像バイアスが印加されるようになっている(本実施の形態では、現像領域に交番電界が印加されるように、直流成分(DC)に交流成分(AC)を重畳したバイアスを印加)。
第1攪拌室143A及び第2攪拌室144Aには現像剤を攪拌しながら搬送する第1攪拌部材143(攪拌・搬送部材)及び第2攪拌部材144(攪拌・搬送部材)が配置されている。第1攪拌部材143は、現像ロール142の軸方向に伸びる第1回転軸と、回転軸の外周に螺旋状に固定された攪拌搬送羽根(突起部)とで構成されている。また、第1攪拌部材143と同様に、第2攪拌部材144も、第2回転軸及び攪拌搬送羽根(突起部)とで構成されている。なお、攪拌部材は現像剤収容容器本体141Aに回転自由に支持されている。そして、第1攪拌部材143及び第2攪拌部材144は、その回転によって、第1攪拌室143A及び第2攪拌室144Aの中の現像剤は互いに逆方向に搬送されるように配設されている。
そして、第2攪拌室144Aの長手方向一端側には、供給用トナー及び供給用キャリアを含む供給用現像剤を第2攪拌室144Aへ適宜供給するための現像剤供給手段146の一端が連結されており、現像剤供給手段146の他端には、供給用現像剤を収容している現像剤カートリッジ147が連結されている。また、第2攪拌室144Aの長手方向一端側には、収容している現像剤を適宜排出するための現像剤排出手段148の一端も連結されており、現像剤排出手段148の他端には図示しないが排出した現像剤を回収する現像剤回収容器と連結されている。
このように現像手段140は、現像剤カートリッジ147から現像剤供給手段146を経て供給用現像剤を現像手段140(第2攪拌室144A)へ適宜供給し、古くなった現像剤を現像剤排出手段148から適宜排出する、所謂トリクル現像方式(現像剤の帯電性能の低下を防止して現像剤交換のインターバルを延ばすために、現像装置内に供給用現像剤(トリクル現像剤)を徐々に供給する一方で、過剰になった(劣化したキャリアを多く含む)劣化現像剤を排出しながら現像を行う現像方式である)を採用している。
ここで本実施の形態では、本発明の供給用現像剤を収容している現像剤カートリッジ147を用いる構成を一例として挙げたが、現像剤カートリッジ147は、供給用トナーを単独で収納するカートリッジと供給用キャリアを単独で収納するカートリッジとを別体としたものであっても良い。
次に、クリーニング手段170について詳細に説明する。クリーニング手段170は、筐体171と、筐体171の一端を支持部175とし、支持部175に弾性部材176を介して突出するように配設されるクリーニングブレード172を含んで構成されている。クリーニングブレード172は、静電潜像保持体110の回転軸の延在方向に延びる板状のものであって、静電潜像保持体110における1次転写ローラ151による転写位置より回転方向(矢印a方向)下流側で且つ、除電手段160によって除電される位置より回転方向下流側に、先端部(以下、エッジ部という)が接触されるように設けられている。
クリーニングブレード172は、静電潜像保持体110が所定方向(矢印a方向)に回転することによって、1次転写ローラ151により中間転写ベルト150に転写されずに静電潜像保持体110上に保持されている未転写残留トナーや記録媒体Pの紙粉等の異物を、堰き止めて静電潜像保持体110から除去する。
また、筐体171内の底部には、搬送部材173が配設されており、筐体171における搬送部材173の搬送方向下流側にはクリーニングブレード172により除去されたトナー粒子(現像剤)を現像手段140へ供給するための供給搬送手段174の一端が連結されている。そして、供給搬送手段174の他端は現像剤供給手段146へ合流するように連結されている。
このようにクリーニング手段170は、筐体171の底部に設けられた搬送部材173の回転に伴い、供給搬送手段174を通じて未転写残留トナー粒子を現像手段140(第2攪拌室144A)へと搬送し、収容されている現像剤(トナー)とともに攪拌搬送して再利用するトナーリクレイム方式を採用している。
図7は、他の好適な一実施形態(第三実施形態)における画像形成装置の基本構成を概略的に示す断面図である。図7に示す画像形成装置は、プロセスカートリッジを備えた構成となっている。
図7に示す画像形成装置200は、画像形成装置本体(図示せず)に脱着可能に配設されるプロセスカートリッジ210と、静電潜像形成手段216と、転写手段220と、定着手段226とを備えている。
プロセスカートリッジ210は、静電潜像形成のための開口部211Aが設けられた筐体211内に静電潜像保持体212と共に、その周囲に帯電手段214、現像手段218、及びクリーニング手段222を取り付けレール(図示せず)により組み合わせて一体化したものである。なお、プロセスカートリッジ210は、これに限られず、現像手段218と、静電潜像保持体212、帯電手段214、及びクリーニング手段222からなる群から選ばれる少なくとも一種と、を備えていれば良い。
一方、静電潜像形成手段216は、プロセスカートリッジ210の筐体211の開口部211Aから静電潜像保持体212に静電潜像形成可能な位置に配置されている。また、転写手段220は静電潜像保持体212に対向する位置に配置されている。
静電潜像保持体212、帯電手段214、静電潜像形成手段216、現像手段218、転写手段220、クリーニング手段222、定着手段226、及び記録媒体250における個々の詳細については、上記図1の画像形成装置10における静電潜像保持体12、帯電手段14、静電潜像形成手段16、現像手段18、転写手段20、クリーニング手段22、定着手段26、及び記録媒体50と同様である。
また図7の画像形成装置200を用いた画像形成についても、上記図4の画像形成装置10を用いた画像形成と同様である。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。なお、以下、特に断りがない限り「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」を意味する。
[測定方法]
<「最大通気流動性指標(MAE)」の求め方>
最大通気流動性指標(MAE)は、通気前における粉体(トナー又は小径側分級トナー)の総エネルギー量(通気前総エネルギー量)に対する、最大通気時における粉体の総エネルギー量(最大通気総エネルギー量)の割合を示し、下記式で表される。
式:MAE(%)=(最大通気総エネルギー量/通気前総エネルギー量)×100
<「最大通気流動性指標(MAE)」の求め方>
最大通気流動性指標(MAE)は、通気前における粉体(トナー又は小径側分級トナー)の総エネルギー量(通気前総エネルギー量)に対する、最大通気時における粉体の総エネルギー量(最大通気総エネルギー量)の割合を示し、下記式で表される。
式:MAE(%)=(最大通気総エネルギー量/通気前総エネルギー量)×100
<「通気前総エネルギー量」及び「最大通気総エネルギー量」の求め方>
測定装置として、パウダーレオメーター(freeman technology社製、FT4)を用いて流動性測定を行うことにより、「通気前総エネルギー量」及び「最大通気総エネルギー量」を求める。
測定装置として、パウダーレオメーター(freeman technology社製、FT4)を用いて流動性測定を行うことにより、「通気前総エネルギー量」及び「最大通気総エネルギー量」を求める。
具体的には、まず、測定時の外的環境要因によって誤差が生じないよう、流動性測定前に、試料を、温度22℃、湿度50%RHの状態で、8時間放置する。
次に、試料を内径50mm、高さ88mmの160ml容器に、高さ88mmまで充填する。
次に、試料を内径50mm、高さ88mmの160ml容器に、高さ88mmまで充填する。
充填後、充填条件の変動による測定値のばらつきをなくすため、流動性測定前に、充填した試料のコンディショニング(均質化)を行う。
コンディショニングとは、具体的には、充填した状態で試料にストレスを与えないよう試料からの抵抗を受けない回転方向(流動性測定時の回転方向とは逆の方向)で回転翼を軽く撹拌して、過剰の空気や部分的ストレスのほとんどを除去し、試料を均質な状態にすることである。具体的なコンディショニングの条件は、−5.0°の進入角で、回転翼の先端スピードを60mm/secとして、4回コンディショニングを行う。
コンディショニングとは、具体的には、充填した状態で試料にストレスを与えないよう試料からの抵抗を受けない回転方向(流動性測定時の回転方向とは逆の方向)で回転翼を軽く撹拌して、過剰の空気や部分的ストレスのほとんどを除去し、試料を均質な状態にすることである。具体的なコンディショニングの条件は、−5.0°の進入角で、回転翼の先端スピードを60mm/secとして、4回コンディショニングを行う。
コンディショニングを終えた後、試料を160ml容器の上端で擦り切り、内径50mm、高さ140mmの200ml容器に移す。その後、充填された試料中に回転翼を進入させ、容器内を底面からの高さ110mmから10mmまで、進入角度−10°で移動しながら回転翼の先端スピード100mm/secで回転するときの、回転トルクと荷重とを測定する。
このとき、「通気前総エネルギー量」を求めるときには通気を行わずに流動性測定を行い、「最大通気総エネルギー量」を求めるときには最大通気量80ml/minで空気を流入させながら流動性測定を行う。
このとき、「通気前総エネルギー量」を求めるときには通気を行わずに流動性測定を行い、「最大通気総エネルギー量」を求めるときには最大通気量80ml/minで空気を流入させながら流動性測定を行う。
上記流動性測定により得られた回転トルク及び荷重の値(図1)から得られた、底面からの高さHに対するエネルギー勾配(mJ/mm)(図2)を積分して得られた面積(図2の斜線部分)が、総エネルギー量(mJ)となる。具体的には、底面からの高さ10mmから110mmの区間を積分して総エネルギー量を求める。
また、誤差による影響を少なくするため、上記コンディショニングと流動性測定とのサイクルを5回行って平均値を求める。具体的には、コンディショニングと通気を行わない流動性測定とのサイクルを5回行って得られた平均値を、「通気前総エネルギー量(mJ)」と定義し、コンディショニングと最大通気量80ml/minにおける流動性測定とのサイクルを5回行って得られた平均値を、「最大通気総エネルギー量(mJ)」と定義する。
ここで回転翼としては、freeman technology社製の図3に示す2枚翼プロペラ型の直径48mm、幅10mmのブレードを用いた。
<トナー又は分級トナーの体積平均粒径の測定方法>
トナー全体の体積平均粒径D50T、及び、分級トナーの体積平均粒径の測定は、マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で行うことができる。この際、測定はトナー又は分級トナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行った。
トナー全体の体積平均粒径D50T、及び、分級トナーの体積平均粒径の測定は、マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で行うことができる。この際、測定はトナー又は分級トナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行った。
<結晶性樹脂の融解温度、非結晶性樹脂のガラス転移温度、及び離型剤の融解温度の測定方法>
結晶性樹脂の融解温度、非結晶性樹脂のガラス転移温度、及び離型剤の融解温度は、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製のDSC−7)を用い、JIS 7121−1987に準拠して測定した。この装置の検出部の温度補正にはインジウムと亜鉛との混合物の融解温度を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いた。試料はアルミニウム製パンに入れ、サンプルの入ったアルミニウム製パンと対照用の空のアルミニウム製パンとをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行った。
結晶性樹脂及び離型剤の融解温度については、測定により得られたDSC曲線の吸熱ピークのうち、最大の吸熱ピークの頂点の温度をもって融解温度とした。
また、非結晶性樹脂のガラス転移温度については、測定により得られたDSC曲線の吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度をもってガラス転移温度とした。
結晶性樹脂の融解温度、非結晶性樹脂のガラス転移温度、及び離型剤の融解温度は、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製のDSC−7)を用い、JIS 7121−1987に準拠して測定した。この装置の検出部の温度補正にはインジウムと亜鉛との混合物の融解温度を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いた。試料はアルミニウム製パンに入れ、サンプルの入ったアルミニウム製パンと対照用の空のアルミニウム製パンとをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行った。
結晶性樹脂及び離型剤の融解温度については、測定により得られたDSC曲線の吸熱ピークのうち、最大の吸熱ピークの頂点の温度をもって融解温度とした。
また、非結晶性樹脂のガラス転移温度については、測定により得られたDSC曲線の吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度をもってガラス転移温度とした。
<クリーニングブレードのJIS−A硬度の測定方法>
クリーニングブレードのJIS−A硬度は、アナログ型硬度計A型(高分子計器株式会社製)を用いて、JISK6301に準拠して測定を行った。
クリーニングブレードのJIS−A硬度は、アナログ型硬度計A型(高分子計器株式会社製)を用いて、JISK6301に準拠して測定を行った。
<樹脂の酸価の測定方法>
樹脂酸価(AV)は以下のようにして測定した。基本操作はJIS K−0070−1992に準ずる。
試料は予め樹脂のTHF不溶成分を除去して使用するか、上記のTHF不溶分の測定で得られるソックスレー抽出器によるTHF溶媒によって抽出された可溶成分を試料として使用した。試料の粉砕品1.5gを精秤し、300mlのビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液100mlを加え溶解させた。自動滴定装置GT−100(ダイアインスツルメンツ社製)を用いて、0.1mol/lのKOHのエタノール溶液により電位差滴定を行った。この時のKOH溶液の使用量をA(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。これらの値から、下記式(1)により酸価を計算した。式(1)中、wは精秤した試料量、fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(A−B)×f×5.61}/w ・・・ 式(1)
樹脂酸価(AV)は以下のようにして測定した。基本操作はJIS K−0070−1992に準ずる。
試料は予め樹脂のTHF不溶成分を除去して使用するか、上記のTHF不溶分の測定で得られるソックスレー抽出器によるTHF溶媒によって抽出された可溶成分を試料として使用した。試料の粉砕品1.5gを精秤し、300mlのビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液100mlを加え溶解させた。自動滴定装置GT−100(ダイアインスツルメンツ社製)を用いて、0.1mol/lのKOHのエタノール溶液により電位差滴定を行った。この時のKOH溶液の使用量をA(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。これらの値から、下記式(1)により酸価を計算した。式(1)中、wは精秤した試料量、fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(A−B)×f×5.61}/w ・・・ 式(1)
なお、乳化重合法により合成された非晶性樹脂粒子分散液を用いる場合は、分散液中の界面活性剤を取り除く必要があるため、非晶性樹脂粒子分散液を半透膜に入れ、透析法により界面活性剤を除去し、これを非晶性樹脂として酸価を測定した。
<樹脂の重量平均分子量、数平均分子量、及び分子量分布の測定方法>
樹脂の重量平均分子量、数平均分子量、及び分子量分布は、東ソー製GPC・HLC−8120、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒を用いて測定した結果をもとに算出した。測定は、試料濃度を0.5質量%、流速を0.6ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃として行い、IR検出器を用いて行った。また、検量線は、単分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量校正曲線を使用した。
樹脂の重量平均分子量、数平均分子量、及び分子量分布は、東ソー製GPC・HLC−8120、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒を用いて測定した結果をもとに算出した。測定は、試料濃度を0.5質量%、流速を0.6ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃として行い、IR検出器を用いて行った。また、検量線は、単分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量校正曲線を使用した。
<樹脂の軟化温度の測定方法>
非結晶性樹脂の軟化温度の測定は、フローテスター(島津社製: CFT−500C)を用い、予熱:80℃/300sec,プランジャー圧力:0.980665MPa,ダイサイズ:1mmφ×1mm,昇温速度:3.0℃/minの条件下における溶融開始温度と溶融終了温度との中間温度をもって軟化温度とした。
非結晶性樹脂の軟化温度の測定は、フローテスター(島津社製: CFT−500C)を用い、予熱:80℃/300sec,プランジャー圧力:0.980665MPa,ダイサイズ:1mmφ×1mm,昇温速度:3.0℃/minの条件下における溶融開始温度と溶融終了温度との中間温度をもって軟化温度とした。
<離型剤の粘度の測定>
離型剤の粘度は、オイル循環型恒温槽の備えられたE型粘度計(東京計器製)を用いて測定した。測定には、コーン角1.34度を有したコーンプレート/カップの組み合わせのプレートを用い、カップ内に試料を投入する。具体的な測定方法は、まず循環装置の温度を所定の測定温度(160℃又は200℃)にセットし、空の測定カップとコーンを測定装置にセットし、オイルを循環させながら恒温に保つ。温度が安定したところで測定カップ内に試料を1g入れ、コーンを静止状態で10分間静置させる。安定後、コーンを回転させ測定を行う。コーンの回転速度は60rpmとする。測定は3回行い、その平均値を粘度とする。
離型剤の粘度は、オイル循環型恒温槽の備えられたE型粘度計(東京計器製)を用いて測定した。測定には、コーン角1.34度を有したコーンプレート/カップの組み合わせのプレートを用い、カップ内に試料を投入する。具体的な測定方法は、まず循環装置の温度を所定の測定温度(160℃又は200℃)にセットし、空の測定カップとコーンを測定装置にセットし、オイルを循環させながら恒温に保つ。温度が安定したところで測定カップ内に試料を1g入れ、コーンを静止状態で10分間静置させる。安定後、コーンを回転させ測定を行う。コーンの回転速度は60rpmとする。測定は3回行い、その平均値を粘度とする。
<粒子の体積平均粒径及び体積平均粒度分布指標の測定方法(測定する粒子直径が2μm以上の場合)>
測定する粒子の直径が2μm以上の場合は、上記のように、コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)測定装置を用いて、粒子の体積平均粒径を測定した。電解液としては、ISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。
測定する粒子の直径が2μm以上の場合は、上記のように、コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)測定装置を用いて、粒子の体積平均粒径を測定した。電解液としては、ISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、望ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5乃至50mg加え、これを前記電解液100乃至150ml中に添加した。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーII型により、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒子径が2.0乃至60μmの範囲の粒子の粒度分布を測定した。測定する粒子数は50,000であった。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒子径を体積平均粒径と定義した。
また、上記累積分布から得られた、累積16%となる粒子径を「D16v」、累積84%となる粒子径を「D84v」とすると、体積平均粒度分布指標「GSDv」は、下記式により算出した。
式:GSDv=(D84v/D16v)1/2
式:GSDv=(D84v/D16v)1/2
<粒子の体積平均粒径及び数平均粒子径の測定方法(測定する粒子直径が2μm未満の場合)>
測定する粒子直径が2μm未満の場合は、上記のように、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて、粒子の体積平均粒径及び数平均粒子径を測定した。
測定する粒子直径が2μm未満の場合は、上記のように、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて、粒子の体積平均粒径及び数平均粒子径を測定した。
測定法としては、分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、2分待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、数それぞれについて小径側から累積分布を描き、体積で累積50%となる粒子径を体積平均粒径と定義し、数で累積50%となる粒子径を数平均粒子径と定義した。
なお、外添剤などの粉体を測定する場合は、界面活性剤、望ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液50ml中に測定試料を2g加え、超音波分散機(1,000Hz)にて2分間分散して、試料を作製し、前述の分散液と同様の方法で、測定した。
<外添剤のBET比表面積の測定方法>
測定装置として、BET比表面積計(SA3100、ベックマンコールター社製)を用い、測定試料である多孔質窒化ケイ素微粉末を0.1g精秤し、サンプルチューブに入れた後、脱ガス処理し、多点法の自動測定により得られた数値を、芯材のBET比表面積Aとした。
測定装置として、BET比表面積計(SA3100、ベックマンコールター社製)を用い、測定試料である多孔質窒化ケイ素微粉末を0.1g精秤し、サンプルチューブに入れた後、脱ガス処理し、多点法の自動測定により得られた数値を、芯材のBET比表面積Aとした。
<外添剤の比重の測定方法>
外添剤の比重は、ルシャテリエ比重瓶を用い、JIS−K−0061の5−2−1に準拠して測定する。操作は次の通りに行った。
(1)ルシャテリエ比重瓶に約250mlのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛りの位置にくるように調整した。
(2)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取った。(精度0.025mlとする)
(3)試料を約100g量り取り、その質量をW(g)とした。
(4)量り取った試料を比重瓶に入れ泡を除いた。
(5)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取った。(精度0.025mlとする)
(6)次式により比重を算出した。
D=W/(L2−L1)
ρ=D/0.9982
式中、Dは試料の密度(20℃)(g/cm3)、ρは試料の比重(20℃)、Wは試料の見かけの質量(g)、L1は試料を比重瓶に入れる前のメニスカスの読み(20℃)(ml)、L2は試料を比重瓶に入れた後のメニスカスの読み(20℃)(ml)、0.9982は20℃における水の密度(g/cm3)である。
外添剤の比重は、ルシャテリエ比重瓶を用い、JIS−K−0061の5−2−1に準拠して測定する。操作は次の通りに行った。
(1)ルシャテリエ比重瓶に約250mlのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛りの位置にくるように調整した。
(2)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取った。(精度0.025mlとする)
(3)試料を約100g量り取り、その質量をW(g)とした。
(4)量り取った試料を比重瓶に入れ泡を除いた。
(5)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取った。(精度0.025mlとする)
(6)次式により比重を算出した。
D=W/(L2−L1)
ρ=D/0.9982
式中、Dは試料の密度(20℃)(g/cm3)、ρは試料の比重(20℃)、Wは試料の見かけの質量(g)、L1は試料を比重瓶に入れる前のメニスカスの読み(20℃)(ml)、L2は試料を比重瓶に入れた後のメニスカスの読み(20℃)(ml)、0.9982は20℃における水の密度(g/cm3)である。
<トナー粒子の形状係数SF1の求め方>
形状係数SF1は、下記式により求められる。
式:SF1=100π×(ML)2/(4×A)
ここで、MLは粒子の最大長、Aは粒子の投影面積である。粒子の最大長と投影面積は、スライドガラス上にサンプリングした粒子を光学顕微鏡により観察し、ビデオカメラを通じて画像解析装置(LUZEX III、NIRECO社製)に取り込んで、画像解析を行うことにより求めることができる。この際のサンプリング数は100個で、その平均値を用いて、上記式に示す形状係数を求めた。
形状係数SF1は、下記式により求められる。
式:SF1=100π×(ML)2/(4×A)
ここで、MLは粒子の最大長、Aは粒子の投影面積である。粒子の最大長と投影面積は、スライドガラス上にサンプリングした粒子を光学顕微鏡により観察し、ビデオカメラを通じて画像解析装置(LUZEX III、NIRECO社製)に取り込んで、画像解析を行うことにより求めることができる。この際のサンプリング数は100個で、その平均値を用いて、上記式に示す形状係数を求めた。
<芯材、導電性粒子、キャリアの体積電気抵抗の測定方法>
上記芯材、導電性粒子、キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)は以下のように測定する。なお、測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。
20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象物を1乃至3mm程度の厚さになるように平坦に載せ、層を形成する。この上に前記同様の20cm2の電極板を載せ層を挟み込む。測定対象物間の空隙をなくすため、層上に載置した電極板の上に4kgの荷重をかけてから層の厚み(cm)を測定する。層の上下の両電極には、エレクトロメーター及び高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が103.8V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)を計算する。測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)の計算式は、下記式に示す通りである。
式:R=E×20/(I−I0)/L
上記芯材、導電性粒子、キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)は以下のように測定する。なお、測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。
20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象物を1乃至3mm程度の厚さになるように平坦に載せ、層を形成する。この上に前記同様の20cm2の電極板を載せ層を挟み込む。測定対象物間の空隙をなくすため、層上に載置した電極板の上に4kgの荷重をかけてから層の厚み(cm)を測定する。層の上下の両電極には、エレクトロメーター及び高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が103.8V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)を計算する。測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)の計算式は、下記式に示す通りである。
式:R=E×20/(I−I0)/L
上記式中、Rは測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、I0は印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lは層の厚み(cm)をそれぞれ表す。また、20の係数は、電極板の面積(cm2)を表す。
<現像剤の帯電量の測定方法>
現像剤の帯電量は、ブローオフトライボ装置(東芝ケミカル社製、商品名:TB-200)を用いて測定した。
現像剤の帯電量は、ブローオフトライボ装置(東芝ケミカル社製、商品名:TB-200)を用いて測定した。
[実施例α]
<「結晶性ポリエステル樹脂1」の合成>
・セバシン酸ジメチル 98質量部
・イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム 2質量部
・エチレングリコール 100質量部
・ジブチル錫オキサイド(触媒) 0.3質量部
<「結晶性ポリエステル樹脂1」の合成>
・セバシン酸ジメチル 98質量部
・イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム 2質量部
・エチレングリコール 100質量部
・ジブチル錫オキサイド(触媒) 0.3質量部
加熱乾燥した三口フラスコに、上記の成分を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、「結晶性ポリエステル樹脂1」を合成した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた「結晶性ポリエステル樹脂1」の重量平均分子量(Mw)は9700であり、融解温度は84℃であった。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、「結晶性ポリエステル樹脂1」を合成した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた「結晶性ポリエステル樹脂1」の重量平均分子量(Mw)は9700であり、融解温度は84℃であった。
<「結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」の調整>
得られた「結晶性ポリエステル樹脂1」を90質量部、イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬)を1.8質量部、イオン交換水を210質量部、を用い、100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行い、体積平均粒径が200nmであり,固形分量が20質量部である「結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」を得た。
得られた「結晶性ポリエステル樹脂1」を90質量部、イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬)を1.8質量部、イオン交換水を210質量部、を用い、100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行い、体積平均粒径が200nmであり,固形分量が20質量部である「結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」を得た。
<「非結晶性ポリエステル樹脂1」の合成>
・テレフタル酸 30質量部
・フマル酸 70質量部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 20質量部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物 80質量部
・テレフタル酸 30質量部
・フマル酸 70質量部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 20質量部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物 80質量部
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに、上記モノマーを仕込み、1時間を要して190℃まで温度を上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドを1.2質量部投入した。
さらに、生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに3時間脱水縮合反応を継続し、酸価が12.0mg/KOH、重量平均分子量(Mw)が12000、ガラス転移温度が61℃、軟化温度が82℃である「非結晶性ポリエステル樹脂1」を得た。
さらに、生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに3時間脱水縮合反応を継続し、酸価が12.0mg/KOH、重量平均分子量(Mw)が12000、ガラス転移温度が61℃、軟化温度が82℃である「非結晶性ポリエステル樹脂1」を得た。
<「非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」の調整>
次いで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。
別途準備した水性媒体タンクには、試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37質量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記「非結晶性ポリエステル樹脂1」の移送と同時に、上記キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に移送した。
回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cm2の条件で上記キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)を運転し、体積平均粒径が0.16μm、固形分量が30質量部である「非結晶性ポリエステル樹脂1」からなる「非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」を得た。
次いで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。
別途準備した水性媒体タンクには、試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37質量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記「非結晶性ポリエステル樹脂1」の移送と同時に、上記キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に移送した。
回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cm2の条件で上記キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)を運転し、体積平均粒径が0.16μm、固形分量が30質量部である「非結晶性ポリエステル樹脂1」からなる「非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」を得た。
<「着色剤粒子分散液」の調整>
・シアン顔料(銅フタロシアニンB 15:3、大日精化製) 45質量部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬) 5質量部
・イオン交換水 200質量部
・シアン顔料(銅フタロシアニンB 15:3、大日精化製) 45質量部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬) 5質量部
・イオン交換水 200質量部
上記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散し、体積平均粒径が168nm、固形分量が22.0質量部である「着色剤粒子分散液」を得た。
<「離型剤粒子分散液」の調整>
・パラフィンワックス HNP9(融解温度75℃:日本精鑞製) 45質量部
・カチオン性界面活性剤ネオゲン RK(第一工業製薬) 5質量部
・イオン交換水 200質量部
・パラフィンワックス HNP9(融解温度75℃:日本精鑞製) 45質量部
・カチオン性界面活性剤ネオゲン RK(第一工業製薬) 5質量部
・イオン交換水 200質量部
上記成分を95℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が200nm、固形分量が20.0質量部である「離型剤粒子分散液」を得た。
<「トナー粒子1」の作製>
・非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1 256.7質量部
・結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1 33.3質量部
・着色剤粒子分散液 27.3質量部
・離型剤粒子分散液 35質量部
・非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1 256.7質量部
・結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1 33.3質量部
・着色剤粒子分散液 27.3質量部
・離型剤粒子分散液 35質量部
上記成分を、丸型ステンレス製フラスコ中においてウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.20質量部を加え、ウルトラタラックスT50で分散操作を継続した。加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で60分保持した後、ここに「非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」を緩やかに70.0質量部追加した。
その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを9.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、5時間保持した。
その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを9.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、5時間保持した。
反応終了後、冷却してから濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水1Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。
ヌッチェ式吸引濾過及びイオン交換水への再分散を、更に5回繰り返し、濾液のpHが7.5、電気伝導度が7.0μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続することにより「トナー粒子1」を得た。
この時の「トナー粒子1」の粒子径をコールターカウンターにて測定したところ「トナー粒子1」の体積平均粒径D50は5.9μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.24であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた「トナー粒子1」の形状係数は130であった。
この時の「トナー粒子1」の粒子径をコールターカウンターにて測定したところ「トナー粒子1」の体積平均粒径D50は5.9μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.24であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた「トナー粒子1」の形状係数は130であった。
<「トナー粒子2」の作製>
「結晶性ポリエステル樹脂1」の代わりに「非結晶性ポリエステル樹脂1」を用いた以外は、「トナー粒子1」と同様にして「トナー粒子2」(結晶性樹脂成分が無いトナー)を作製した。
この時の「トナー粒子2」の粒子径をコールターカウンターにて測定したところ「トナー粒子2」の体積平均粒径D50は6.4μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.27であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた「トナー粒子2」の形状係数は133であった。
「結晶性ポリエステル樹脂1」の代わりに「非結晶性ポリエステル樹脂1」を用いた以外は、「トナー粒子1」と同様にして「トナー粒子2」(結晶性樹脂成分が無いトナー)を作製した。
この時の「トナー粒子2」の粒子径をコールターカウンターにて測定したところ「トナー粒子2」の体積平均粒径D50は6.4μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.27であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた「トナー粒子2」の形状係数は133であった。
<「外添剤1」の作製>
まず、イルメナイトを鉱石として用い、硫酸に溶解させ鉄粉を分離し、TiOSO4を加水分解してTiO(OH)2を生成させる湿式沈降法を用いてTiO(OH)2を製造した。なお、TiO(OH)2の製造の過程で、加水分解と核生成のための分散調整及び水洗を行った。
まず、イルメナイトを鉱石として用い、硫酸に溶解させ鉄粉を分離し、TiOSO4を加水分解してTiO(OH)2を生成させる湿式沈降法を用いてTiO(OH)2を製造した。なお、TiO(OH)2の製造の過程で、加水分解と核生成のための分散調整及び水洗を行った。
得られたTiO(OH)2100質量部を、水1000ml中に分散し、これにイソブチルトリメトキシシラン20質量部を室温で撹拌しながら滴下した。次いで、これをろ過し、水洗を繰り返した。そして、得られた「イソブチルトリメトキシシランで表面疎水化処理された酸化チタン」を150℃で乾燥し、体積平均粒径30nm、BET比表面積が120m2/gであり、比重が3.4である疎水性酸化チタン粒子(外添剤1)を調製した。
<「外添トナーA」の作製>
・トナー粒子1 100質量部
・外添剤1 2.0質量部
・トナー粒子1 100質量部
・外添剤1 2.0質量部
上記成分を、ヘンシェルミキサー2500rpmで10分間攪拌して、「外添トナーA」を作製した。「外添トナーA」の体積平均粒径D50Tは、6.0μmであった。
<「外添トナーB」の作製>
「外添剤1」の代わりに「シリコーンオイル処理シリカHDK H05TD(WACKER)」を用いた以外は、「外添トナーA」と同様にして、「外添トナーB」を作製した。「外添トナーB」の体積平均粒径D50Tは、6.1μmであった。
「外添剤1」の代わりに「シリコーンオイル処理シリカHDK H05TD(WACKER)」を用いた以外は、「外添トナーA」と同様にして、「外添トナーB」を作製した。「外添トナーB」の体積平均粒径D50Tは、6.1μmであった。
<「外添トナーC」の作製>
「外添剤1」の代わりに「シリコーンオイル処理シリカRY50(日本アエロジル)」を用いた以外は、「外添トナーA」と同様にして、「外添トナーC」を作製した。「外添トナーC」の体積平均粒径D50Tは、6.1μmであった。
「外添剤1」の代わりに「シリコーンオイル処理シリカRY50(日本アエロジル)」を用いた以外は、「外添トナーA」と同様にして、「外添トナーC」を作製した。「外添トナーC」の体積平均粒径D50Tは、6.1μmであった。
<「外添トナーD」の作製>
外添量を0.2部にした以外は「外添トナーB」と同様にして、「外添トナーD」を作製した。「外添トナーD」の体積平均粒径D50Tは、6.0μmであった。
外添量を0.2部にした以外は「外添トナーB」と同様にして、「外添トナーD」を作製した。「外添トナーD」の体積平均粒径D50Tは、6.0μmであった。
<「外添トナーE」の作製>
「トナー粒子1」の代わりに「トナー粒子2」を用いた以外は、「外添トナーB」と同様にして、「外添トナーE」を作製した。「外添トナーE」の体積平均粒径D50Tは、6.6μmであった。
「トナー粒子1」の代わりに「トナー粒子2」を用いた以外は、「外添トナーB」と同様にして、「外添トナーE」を作製した。「外添トナーE」の体積平均粒径D50Tは、6.6μmであった。
<「外添トナーF」の作製>
「トナー粒子1」を、分級機エルボージェットLABO(株式会社マツボー製)により分級を行い、体積平均粒径2.95μmの「分級トナー粒子1」を得た。
「トナー粒子1」を、分級機エルボージェットLABO(株式会社マツボー製)により分級を行い、体積平均粒径2.95μmの「分級トナー粒子1」を得た。
「外添トナーA」102質量部に、「分級トナー粒子1」を10質量部添加し攪拌混合した後に再度分級し、「外添トナーF」を作製した。「外添トナーF」の体積平均粒径D50Tは、6.4μmであった。
<「外添トナーG」の作製>
「分級トナー粒子1」を30質量部添加した以外は、「外添トナーF」と同様にして「外添トナーG」を作製した。「外添トナーG」の体積平均粒径D50Tは、6.5μmであった。
「分級トナー粒子1」を30質量部添加した以外は、「外添トナーF」と同様にして「外添トナーG」を作製した。「外添トナーG」の体積平均粒径D50Tは、6.5μmであった。
<「分級外添トナーA」乃至「分級外添トナーG」の作製>
上記「外添トナーA」乃至「外添トナーG」を、分級機エルボージェットLABO(株式会社マツボー製)を使用し、体積平均粒径が(1/2)×D50Tになるように分級することにより、それぞれ「分級外添トナーA」乃至「分級外添トナーG」を得た。
上記「外添トナーA」乃至「外添トナーG」を、分級機エルボージェットLABO(株式会社マツボー製)を使用し、体積平均粒径が(1/2)×D50Tになるように分級することにより、それぞれ「分級外添トナーA」乃至「分級外添トナーG」を得た。
「外添トナーA」乃至「外添トナーG」の組成及び物性等について表1に示す。
<「キャリア」の作製>
・フェライト粒子(平均粒径50μm、体積電気抵抗3×108Ω・cm)
100質量部
・トルエン 14質量部
・パーフルオロオクチルエチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体
(共重合比40:60、Mw=5万) 1.6質量部
・カーボンブラック(VXC−72;キャボット社製) 0.12質量部
・架橋メラミン樹脂(数平均粒子径;0.3μm) 0.3質量部
・フェライト粒子(平均粒径50μm、体積電気抵抗3×108Ω・cm)
100質量部
・トルエン 14質量部
・パーフルオロオクチルエチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体
(共重合比40:60、Mw=5万) 1.6質量部
・カーボンブラック(VXC−72;キャボット社製) 0.12質量部
・架橋メラミン樹脂(数平均粒子径;0.3μm) 0.3質量部
上記成分のうち、フェライト粒子を除く成分を10分間スターラーで分散し、被膜形成用液を調製した。この被膜形成用液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、60℃で30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、フェライト粒子表面に樹脂被覆膜を形成して、「キャリア」を作製した。
<「現像剤A」の作製>
「外添トナーA」を4質量部、「キャリア」を96質量部、をV型ブレンダーで5分間攪拌し、「現像剤A」を作製した。
「外添トナーA」を4質量部、「キャリア」を96質量部、をV型ブレンダーで5分間攪拌し、「現像剤A」を作製した。
<「現像剤B」乃至「現像剤K」の作製>
「外添トナーA」の代わりに、それぞれ「外添トナーB」乃至「外添トナーG」を用いた以外は、「現像剤A」と同様にして、「現像剤B」乃至「現像剤G」を作製した。
「外添トナーA」の代わりに、それぞれ「外添トナーB」乃至「外添トナーG」を用いた以外は、「現像剤A」と同様にして、「現像剤B」乃至「現像剤G」を作製した。
<クリーニング性の評価>
得られた現像剤を用いて、クリーニング性(クリーニング不良発生、ブレードめくれ、及びブレード鳴き)及び定着性に関する評価を行った。
得られた現像剤を用いて、クリーニング性(クリーニング不良発生、ブレードめくれ、及びブレード鳴き)及び定着性に関する評価を行った。
尚、クリーニング性(クリーニング不良発生、ブレードめくれ、及びブレード鳴き)の評価については、DocuCentreColor400CP(富士ゼロックス社製)を用いて、クリーニング部材のみを交換し評価を行った。このとき、トナー量を15.0g/m2とし、C2紙(富士ゼロックス)を使用し、4×4cmの画像を3箇所作成し、100kpv(10万枚画像出力)の実機評価を行った。
上記クリーニング部材としては、「クリーニング部材1」及び「クリーニング部材2」を用いた。クリーニング部材の構成等を表2に示す。
―クリーニング不良発生の評価―
上記10万枚画像出力の「初期」及び「10万枚画像出力時」におけるクリーニング不良発生の評価を行った。具体的には、画像出力開始から1枚目乃至10枚目(初期)及び99991枚目乃至10万枚目(10万枚画像出力時)の、それぞれ10枚ずつの画像出力結果を抽出し、クリーニング不良による色筋発生の有無を目視で観測を行った。評価指標は以下の通りである。G1又はG2であれば、実用上は問題ない。
上記10万枚画像出力の「初期」及び「10万枚画像出力時」におけるクリーニング不良発生の評価を行った。具体的には、画像出力開始から1枚目乃至10枚目(初期)及び99991枚目乃至10万枚目(10万枚画像出力時)の、それぞれ10枚ずつの画像出力結果を抽出し、クリーニング不良による色筋発生の有無を目視で観測を行った。評価指標は以下の通りである。G1又はG2であれば、実用上は問題ない。
G1:10枚中、クリーニング不良による色筋の発生は、1枚も観測されなかった。
G2:10枚中、クリーニング不良による色筋の発生が、3枚未満において、わずかに観測された。
G3:10枚中、クリーニング不良による色筋の発生が、3枚以上において、顕著に観測された。
G2:10枚中、クリーニング不良による色筋の発生が、3枚未満において、わずかに観測された。
G3:10枚中、クリーニング不良による色筋の発生が、3枚以上において、顕著に観測された。
―ブレードめくれの評価―
上記10万枚画像出力の「初期」及び「10万枚画像出力時」におけるブレードめくれの評価を行った。具体的には、画像出力開始から100枚画像出力後(初期)及び画像出力開始から10万枚画像出力後(10万枚画像出力時)におけるブレードめくれを目視で観測を行った。評価指標は以下の通りである。
上記10万枚画像出力の「初期」及び「10万枚画像出力時」におけるブレードめくれの評価を行った。具体的には、画像出力開始から100枚画像出力後(初期)及び画像出力開始から10万枚画像出力後(10万枚画像出力時)におけるブレードめくれを目視で観測を行った。評価指標は以下の通りである。
○:クリーニングブレードめくれは発生しなかった。
×:クリーニングブレードめくれが発生した。
×:クリーニングブレードめくれが発生した。
―ブレード鳴きの評価―
上記10枚画像出力の「初期」及び「10万枚画像出力時」におけるブレード鳴きの評価を行った。具体的には、100枚画像出力後(初期)及び10万枚画像出力後(10万枚画像出力時)において、未現像状態かつ194mm/sのプロセススピードで、潜像担持体を帯電させながら10分間回転させた。その後に、更に104mm/sのプロセススピードに切り替え、ブレードの鳴きを評価した。評価指標は以下の通りである。G1乃至G3であれば、実用上は問題ない。
上記10枚画像出力の「初期」及び「10万枚画像出力時」におけるブレード鳴きの評価を行った。具体的には、100枚画像出力後(初期)及び10万枚画像出力後(10万枚画像出力時)において、未現像状態かつ194mm/sのプロセススピードで、潜像担持体を帯電させながら10分間回転させた。その後に、更に104mm/sのプロセススピードに切り替え、ブレードの鳴きを評価した。評価指標は以下の通りである。G1乃至G3であれば、実用上は問題ない。
G1:異音等の発生はない。
G2:減速直後には軽微な鳴きが発生するが、数枚で消える(マシーン前面を開放し、耳を近づけることで聞こえる程度であり、通常状態では無視できるレベル)。
G3:軽微な鳴きが発生する(マシーン前面を開放し、耳を近づけることで聞こえる程度であり、通常状態では無視できるレベル)。
G4:減速時に鳴きが発生し、10枚後でも消えない(通常稼動時に聞こえる)。
G2:減速直後には軽微な鳴きが発生するが、数枚で消える(マシーン前面を開放し、耳を近づけることで聞こえる程度であり、通常状態では無視できるレベル)。
G3:軽微な鳴きが発生する(マシーン前面を開放し、耳を近づけることで聞こえる程度であり、通常状態では無視できるレベル)。
G4:減速時に鳴きが発生し、10枚後でも消えない(通常稼動時に聞こえる)。
<定着性の評価>
定着性の評価については、DocuCentreColor400CP(富士ゼロックス社製)を定着温度が150℃固定になるように改造し、C2紙(富士ゼロックス)を使用して、トナー量15.0g/m2、4×4cmの定着画像を作製し、連続で10万枚画像出力した。
定着性の評価については、DocuCentreColor400CP(富士ゼロックス社製)を定着温度が150℃固定になるように改造し、C2紙(富士ゼロックス)を使用して、トナー量15.0g/m2、4×4cmの定着画像を作製し、連続で10万枚画像出力した。
上記10枚画像出力を行った10枚のサンプルについて、定着性の評価を行った。評価基準は以下の通りである。G1又はG2であれば、実用上は問題ない。
G1:10枚全てのサンプルにおいて、オフセットが全く発生していなかった。
G2:1枚以上3枚以下のサンプルで、若干のオフセット現象が観察された。
G3:4枚以上のサンプルにおいて、顕著なオフセットの発生が観察された。
G1:10枚全てのサンプルにおいて、オフセットが全く発生していなかった。
G2:1枚以上3枚以下のサンプルで、若干のオフセット現象が観察された。
G3:4枚以上のサンプルにおいて、顕著なオフセットの発生が観察された。
評価結果を表3に示す。
表3の結果より、実施例α−1及びα−2においては、比較例α−1乃至α−5と比べて、低温定着性を維持しつつ、長期安定なクリーニング特性を示すことがわかる。
[実施例β]
<「トナー粒子3」の作製>
実施例αにおいて合成した「結晶性ポリエステル樹脂1」及び「非結晶性ポリエステル樹脂1」、実施例αにおいて調整した「非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」、並びに、実施例αにおいて用いた「シアン顔料(銅フタロシアニンB 15:3、大日精化製)」及び「パラフィンワックス HNP9(融解温度75℃:日本精鑞製)」を用いて、「トナー粒子3」の作製を行う。
<「トナー粒子3」の作製>
実施例αにおいて合成した「結晶性ポリエステル樹脂1」及び「非結晶性ポリエステル樹脂1」、実施例αにおいて調整した「非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」、並びに、実施例αにおいて用いた「シアン顔料(銅フタロシアニンB 15:3、大日精化製)」及び「パラフィンワックス HNP9(融解温度75℃:日本精鑞製)」を用いて、「トナー粒子3」の作製を行う。
・結晶性ポリエステル樹脂1 270.1質量部
・非結晶性ポリエステル樹脂1 35.0質量部
・シアン顔料 25.6質量部
・パラフィンワックス HNP9 30.0質量部
・非結晶性ポリエステル樹脂1 35.0質量部
・シアン顔料 25.6質量部
・パラフィンワックス HNP9 30.0質量部
上記成分を、イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬)を1.8質量部、イオン交換水を210質量部、を用い、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散し、「混合分散液1」を調整した。
上記「混合分散液1」を、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で60分保持した後、ここに「非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」を緩やかに80.0質量部追加した。
その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを9.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、5時間保持した。
その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを9.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、5時間保持した。
反応終了後、冷却してから濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水1Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。
ヌッチェ式吸引濾過及びイオン交換水への再分散を、更に5回繰り返し、濾液のpHが7.5、電気伝導度が7.0μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続することにより「トナー粒子3」を得た。
この時の「トナー粒子3」の粒子径をコールターカウンターにて測定したところ「トナー粒子3」の体積平均粒径D50は6.3μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.32であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた「トナー粒子3」の形状係数は132であった。
この時の「トナー粒子3」の粒子径をコールターカウンターにて測定したところ「トナー粒子3」の体積平均粒径D50は6.3μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.32であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた「トナー粒子3」の形状係数は132であった。
<「結晶性ポリエステル樹脂2」の合成>
・コハク酸 121質量部
・ブタンジオール 91.5質量部
・イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム 2質量部
・ジブチル錫オキサイド(触媒) 0.3質量部
・コハク酸 121質量部
・ブタンジオール 91.5質量部
・イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム 2質量部
・ジブチル錫オキサイド(触媒) 0.3質量部
加熱乾燥した三口フラスコに、上記の成分を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、「結晶性ポリエステル樹脂1」を合成した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた「結晶性ポリエステル樹脂2」の重量平均分子量(Mw)は21000であり、融解温度は115℃であった。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、「結晶性ポリエステル樹脂1」を合成した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた「結晶性ポリエステル樹脂2」の重量平均分子量(Mw)は21000であり、融解温度は115℃であった。
<「トナー粒子4」の作製>
上記「結晶性ポリエステル樹脂2」、実施例αにおいて合成した「非結晶性ポリエステル樹脂1」、実施例αにおいて調整した「非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」、並びに、実施例αにおいて用いた「シアン顔料(銅フタロシアニンB 15:3、大日精化製)」及び「パラフィンワックス HNP9(融解温度75℃:日本精鑞製)」を用いて、「トナー粒子4」の作製を行う。
上記「結晶性ポリエステル樹脂2」、実施例αにおいて合成した「非結晶性ポリエステル樹脂1」、実施例αにおいて調整した「非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」、並びに、実施例αにおいて用いた「シアン顔料(銅フタロシアニンB 15:3、大日精化製)」及び「パラフィンワックス HNP9(融解温度75℃:日本精鑞製)」を用いて、「トナー粒子4」の作製を行う。
・結晶性ポリエステル樹脂2 282.2質量部
・非結晶性ポリエステル樹脂1 30.5質量部
・シアン顔料 24.8質量部
・パラフィンワックス HNP9 25.0質量部
・非結晶性ポリエステル樹脂1 30.5質量部
・シアン顔料 24.8質量部
・パラフィンワックス HNP9 25.0質量部
上記成分をイオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬)を1.8質量部、イオン交換水を210質量部、を用い、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散し、「混合分散液2」を調整した。
上記「混合分散液2」を、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で60分保持した後、ここに「非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」を緩やかに70.0質量部追加した。
その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを9.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、5時間保持した。
その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを9.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、5時間保持した。
反応終了後、冷却してから濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水1Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。
ヌッチェ式吸引濾過及びイオン交換水への再分散を、更に5回繰り返し、濾液のpHが7.5、電気伝導度が7.0μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続することにより「トナー粒子4」を得た。
この時の「トナー粒子4」の粒子径をコールターカウンターにて測定したところ「トナー粒子4」の体積平均粒径D50は6.5μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.33であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた「トナー粒子4」の形状係数は133であった。
この時の「トナー粒子4」の粒子径をコールターカウンターにて測定したところ「トナー粒子4」の体積平均粒径D50は6.5μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.33であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた「トナー粒子4」の形状係数は133であった。
<「トナー粒子5」の作製>
実施例αにおいて合成した「非結晶性ポリエステル樹脂1」、実施例αにおいて調整した「非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」、並びに、実施例αにおいて用いた「シアン顔料(銅フタロシアニンB 15:3、大日精化製)」及び「パラフィンワックス HNP9(融解温度75℃:日本精鑞製)」を用いて、「トナー粒子5」の作製を行う。
実施例αにおいて合成した「非結晶性ポリエステル樹脂1」、実施例αにおいて調整した「非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」、並びに、実施例αにおいて用いた「シアン顔料(銅フタロシアニンB 15:3、大日精化製)」及び「パラフィンワックス HNP9(融解温度75℃:日本精鑞製)」を用いて、「トナー粒子5」の作製を行う。
・非結晶性ポリエステル樹脂1 240.9質量部
・シアン顔料 26.0質量部
・パラフィンワックス HNP9 29.8質量部
・シアン顔料 26.0質量部
・パラフィンワックス HNP9 29.8質量部
上記成分を、イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬)を1.8質量部、イオン交換水を210質量部、を用い、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散し、「混合分散液3」を調整した。
上記「混合分散液3」を、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で60分保持した後、ここに「非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」を緩やかに70.0質量部追加した。
その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを9.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、5時間保持した。
その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを9.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、5時間保持した。
反応終了後、冷却してから濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水1Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。
ヌッチェ式吸引濾過及びイオン交換水への再分散を、更に5回繰り返し、濾液のpHが7.5、電気伝導度が7.0μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続することにより「トナー粒子5」を得た。
この時の「トナー粒子5」の粒子径をコールターカウンターにて測定したところ「トナー粒子5」の体積平均粒径D50は6.5μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.34であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた「トナー粒子5」の形状係数は131であった。
この時の「トナー粒子5」の粒子径をコールターカウンターにて測定したところ「トナー粒子5」の体積平均粒径D50は6.5μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.34であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた「トナー粒子5」の形状係数は131であった。
<「外添剤2」の作製>
テトラエトキシシラン200質量部に対して水150質量部、エタノール150質量部の存在下、アンモニア水を触媒として温度をかけながら滴下、攪拌を行う。次に反応により得られたシリカゾル懸濁液の遠心分離を行い再度シリカゾルの状態にし、HMDS処理を行った。最後に溶剤除去、乾燥、粉砕を行い粒径60nmの疎水化処理シリカ(外添剤2)を得た。
テトラエトキシシラン200質量部に対して水150質量部、エタノール150質量部の存在下、アンモニア水を触媒として温度をかけながら滴下、攪拌を行う。次に反応により得られたシリカゾル懸濁液の遠心分離を行い再度シリカゾルの状態にし、HMDS処理を行った。最後に溶剤除去、乾燥、粉砕を行い粒径60nmの疎水化処理シリカ(外添剤2)を得た。
<「外添剤3」の作製>
テトラエトキシシランの代わりデシルシランを用いた以外は外添剤2と同様の製法で外添剤3を作製した。
テトラエトキシシランの代わりデシルシランを用いた以外は外添剤2と同様の製法で外添剤3を作製した。
得られた外添剤3は体積平均粒径24nmであった。
<「外添トナーH」の作製>
・トナー粒子3 100質量部
・外添剤2 1.5質量部
・外添剤3 1.0質量部
・トナー粒子3 100質量部
・外添剤2 1.5質量部
・外添剤3 1.0質量部
上記成分を、ヘンシェルミキサー2500rpmで10分間攪拌して、「外添トナーH」を作製した。「外添トナーH」の体積平均粒径D50Tは、6.4μmであった。
<「外添トナーI」の作製>
「トナー粒子3」の代わりに「トナー粒子4」を用いた以外は、「外添トナーH」と同様にして、「外添トナーI」を作製した。「外添トナーI」の体積平均粒径D50Tは、6.6μmであった。
「トナー粒子3」の代わりに「トナー粒子4」を用いた以外は、「外添トナーH」と同様にして、「外添トナーI」を作製した。「外添トナーI」の体積平均粒径D50Tは、6.6μmであった。
<「外添トナーJ」の作製>
「トナー粒子3」の代わりに「トナー粒子5」を用いた以外は、「外添トナーH」と同様にして、「外添トナーJ」を作製した。「外添トナーJ」の体積平均粒径D50Tは、6.6μmであった。
「トナー粒子3」の代わりに「トナー粒子5」を用いた以外は、「外添トナーH」と同様にして、「外添トナーJ」を作製した。「外添トナーJ」の体積平均粒径D50Tは、6.6μmであった。
<「分級外添トナーH」乃至「分級外添トナーJ」の作製>
上記「外添トナーH」乃至「外添トナーJ」を、分級機エルボージェットLABO(株式会社マツボー製)を使用し、体積平均粒径が(1/2)×D50Tになるように分級することにより、それぞれ「分級外添トナーH」乃至「分級外添トナーJ」を得た。
上記「外添トナーH」乃至「外添トナーJ」を、分級機エルボージェットLABO(株式会社マツボー製)を使用し、体積平均粒径が(1/2)×D50Tになるように分級することにより、それぞれ「分級外添トナーH」乃至「分級外添トナーJ」を得た。
「外添トナーH」乃至「外添トナーJ」の組成及び物性等について表4に示す。
<「現像剤H」の作製>
「外添トナーH」を4質量部、実施例αにおいて作製した「キャリア」を96質量部、をV型ブレンダーで5分間攪拌し、「現像剤H」を作製した。
「外添トナーH」を4質量部、実施例αにおいて作製した「キャリア」を96質量部、をV型ブレンダーで5分間攪拌し、「現像剤H」を作製した。
<「現像剤I」及び「現像剤J」の作製>
「外添トナーH」の代わりに、それぞれ「外添トナーI」及び「外添トナーJ」を用いた以外は、「現像剤H」と同様にして、「現像剤I」及び「現像剤J」を作製した。
「外添トナーH」の代わりに、それぞれ「外添トナーI」及び「外添トナーJ」を用いた以外は、「現像剤H」と同様にして、「現像剤I」及び「現像剤J」を作製した。
<クリーニング性及び定着性の評価>
クリーニング性の評価及び定着性の評価については、実施例αと同様にして行った。その評価結果を表5に示す。
クリーニング性の評価及び定着性の評価については、実施例αと同様にして行った。その評価結果を表5に示す。
表5の結果より、実施例β−1及びβ−2においては、比較例β−1と比べて、低温定着性を維持しつつ、長期安定なクリーニング特性を示すことがわかる。
10、100、200・・・画像形成装置
12、110、212・・・静電潜像保持体
14、120、214・・・帯電手段
16、130、216・・・静電潜像形成手段
18、140、218・・・現像手段
20、220・・・転写手段
22、170、222・・・クリーニング手段
26、180、226・・・定着手段
28、147・・・カートリッジ
38、175・・・支持部
40、176・・・弾性部材
42、172・・・クリーニングブレード
152・・・2次転写ローラ
210・・・プロセスカートリッジ
12、110、212・・・静電潜像保持体
14、120、214・・・帯電手段
16、130、216・・・静電潜像形成手段
18、140、218・・・現像手段
20、220・・・転写手段
22、170、222・・・クリーニング手段
26、180、226・・・定着手段
28、147・・・カートリッジ
38、175・・・支持部
40、176・・・弾性部材
42、172・・・クリーニングブレード
152・・・2次転写ローラ
210・・・プロセスカートリッジ
Claims (8)
- 結晶性樹脂を含有し、
最大通気流動性指標が25%以下のトナーであり、
前記トナーにおける体積平均粒径をD50Tとしたとき、前記トナーを分級して体積平均粒径を(1/2)×D50Tとした分級後のトナーの最大通気流動性指標が70%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 前記結晶性樹脂の融解温度が、50℃以上100℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーを少なくとも含む静電荷像現像用現像剤。
- 画像形成装置に脱着可能であり、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための現像剤を収納し、
前記現像剤は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする静電荷像現像用現像剤カートリッジ。 - 静電潜像保持体と、
静電潜像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
前記静電潜像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像を現像剤により現像しトナー像を形成する現像手段と、
前記静電潜像保持体の表面に形成された前記トナー像を被転写体表面に転写する転写手段と、
前記被転写体に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、
前記静電潜像保持体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段と、を含み、
前記現像剤は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。 - 前記クリーニング手段は、
前記静電潜像保持体の表面に接するクリーニングブレードと、
前記クリーニングブレードを支持する支持部材と、
前記クリーニングブレードと前記支持部材とを連結する弾性部材と、を含むことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記クリーニングブレードのJIS−A硬度が、40度以上70度以下であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体表面上に形成された静電潜像を前記静電荷像現像用現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
静電潜像保持体、前記静電潜像保持体を帯電する帯電手段、及び前記静電潜像保持体表面上に残存したトナーを除去するためのクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を備え、
画像形成装置に脱着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007166493A JP2009003361A (ja) | 2007-06-25 | 2007-06-25 | 静電荷像現像用トナー、並びに、これを用いた静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010191148A (ja) * | 2009-02-18 | 2010-09-02 | Fuji Xerox Co Ltd | 静電荷現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、カートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 |
JP2010210997A (ja) * | 2009-03-11 | 2010-09-24 | Canon Inc | トナー及びトナーの製造方法 |
JP2012068470A (ja) * | 2010-09-24 | 2012-04-05 | Fuji Xerox Co Ltd | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法 |
US8758968B2 (en) | 2010-11-12 | 2014-06-24 | Ricoh Company, Ltd. | Toner, production method thereof, developer and image forming method |
JP2015004966A (ja) * | 2013-05-21 | 2015-01-08 | 株式会社リコー | トナー収容容器、及び画像形成装置 |
JP2015004965A (ja) * | 2013-05-21 | 2015-01-08 | 株式会社リコー | トナー収容容器、及び画像形成装置 |
-
2007
- 2007-06-25 JP JP2007166493A patent/JP2009003361A/ja active Pending
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