JP2009002878A - ガス吸着材料評価装置及びガス吸着材料評価方法 - Google Patents

ガス吸着材料評価装置及びガス吸着材料評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】室温以下の低温域において、圧力一定条件下におけるガス吸着材料の吸着プロファイルを測定することが可能なガス吸着材料評価装置及びガス吸着材料評価方法を提供すること。
【解決手段】ガス吸着材料が収容された容器22を、少なくともガスの沸点以下の温度から300Kまでの間の任意の温度に保持するためのクライオスタット部20と、容器22から放出されたガスを一時的に貯蔵し、ガスが一定温度になるまで保持する一定温度保持部30と、一定温度保持部30に一時的に貯蔵されたガスの量を測定するガス放出量測定部40とを備えたガス吸着材料評価装置10、及びこれを用いたガス吸着材料評価方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス吸着材料評価装置及びガス吸着材料評価方法に関し、さらに詳しくは、室温以下の低温域において、圧力一定条件下におけるガス吸着材料の吸着プロファイルを測定することが可能なガス吸着材料評価装置及びガス吸着材料評価方法に関する。
一般に、材料表面には、材料の組成、材料の微構造(例えば、比表面積、細孔径、気孔率など)、材料がおかれる環境(例えば、温度、圧力など)等に応じて、各種のガスが吸着・脱離を起こす。そのため、ガスの吸着・脱離が問題となる材料においては、吸着種、吸着量、吸着状態、表面からの脱離過程などを知る必要が生ずる場合がある。
例えば、水素貯蔵材料は、水素ガスを物理的又は化学的に吸着(吸蔵)する材料である。水素ガスを物理的に吸着する材料としては、例えば、活性炭、フラーレン、ナノチューブなどのカーボン材料が知られている。また、水素ガスを化学的に吸着(貯蔵)する材料としては、例えば、LaNi5、TiFeなどの水素吸蔵合金が知られている。いずれの材料においても、その材料特性を評価するためには、その材料がおかれた環境下における水素吸着量の評価が不可欠である。
水素貯蔵材料の水素吸着量の評価方法には、
(1) 吸着気体の容積を一定に保ち、圧力の変化から吸着量を測定する定容量法(ジーベルツ法、非特許文献1参照)、
(2) 磁気浮遊天秤を使用して、試料の重量変化から水素吸着量を求める重量法(非特許文献2参照)、
が知られている。これらは、いずれも、温度一定の条件下で吸蔵(吸着)等温線を求めるものである。
一方、熱分析の一つに、昇温脱離スペクトル(室温〜1000℃)を測定するTPD(Temperature Programmed Desorption)法が知られている。TPD法そのものは、定性分析である。そのため、脱離したガス種の定量分析は、通常、TPD装置の後段に取り付けられた質量分析計により行われている(非特許文献3参照)。
http://www.suzukishokan.co.jp/kaihatsu/04_pct_tokusei.html http://www.nippon-bel.co.jp/produ/msb/adh.html http://www.rigaku.co.jp/products/p/tags0004/
水素貯蔵材料の内、水素ガスを物理的に吸着する材料は、低温になるほど、及び/又は、水素圧力が高くなるほど、水素吸着量が増大するという特徴がある。そのため、このような水素吸着材料と液体水素タンクとを組み合わせて用いると、液体水素タンクから発生したボイルオフ水素ガスを水素吸着材料に吸着させることができ、ボイルオフ水素ガスの漏出を抑制できるという利点がある。
水素吸着材料と液体水素タンクとを組み合わせて使用する場合において、ボイルオフ水素ガスの漏出を最小限に抑制するためには、液体水素温度から室温にいたるまでの低温で、かつ広い温度範囲にわたって、水素吸着材料の水素吸着能を知る必要がある。しかしながら、低温での広い温度範囲にわたって、低圧から高圧までの広い圧力範囲での水素吸着量を定量評価できる手法及びそのための装置が提案された例は、従来にはない。
本発明が解決しようとする課題は、室温以下の低温域において、圧力一定条件下におけるガス吸着材料の吸着プロファイルを測定することが可能なガス吸着材料評価装置及びガス吸着材料評価方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係るガス吸着材料評価装置は、
ガス吸着材料が収容された容器を、少なくとも前記容器に導入するガスの沸点以下の温度から300Kまでの間の任意の温度に保持することが可能なクライオスタット部と、
前記容器から放出された前記ガスを一時的に貯蔵し、前記ガスが一定温度になるまで保持する一定温度保持部と、
前記一定温度保持部に一時的に貯蔵された前記ガスの量を測定するガス放出量測定部と
を備えていることを要旨とする。
また、本発明に係るガス吸着材料評価方法は、
本発明に係るガス吸着材料評価装置に備えられる前記クライオスタット部の前記容器内にガス吸着材料を収容し、前記容器に導入するガスの沸点以下の温度から300Kまでの間の任意の温度で前記容器を保持する冷却工程と、
前記容器内の圧力が設定圧力Y(MPa)となるまで、前記容器内に前記ガスを導入するガス導入工程と、
前記容器から前記ガスを前記一定温度保持部に放出させ、前記ガスが一定温度になるまで保持する保持工程と、
前記一定温度保持部に一時的に貯蔵された前記ガスの量を前記ガス放出量測定部を用いて測定する放出量測定工程と、
を備えていることを要旨とする。
まず、ガス吸着材料を収容した容器をガスの沸点以下の温度から300Kまでの間のいずれかの温度まで冷却し、容器内に設定圧力Y(MPa)となるまでガスを導入する。この時、容器の温度及び設定圧力Yに応じて、容器内に導入されたガスの一部がガス吸着材料に吸着される。次に、容器からガスを一定温度保持部に放出する。この時、容器内の圧力が下がるので、容器内の余分なガスと同時に、ガス吸着材料から離脱したガスも一定温度保持部に放出される。放出されたガスが一定温度になった後、放出されたガス量を放出量測定部を用いて測定する。以下、同様にして、各温度において、容器内の圧力が設定圧力Y(MPa)となるまで水素を補充する操作、及び、容器からガスを放出させ、放出量を測定する操作を繰り返すと、ガスの沸点以下の温度から室温に至までの温度範囲にわたって、圧力一定条件下でのガス吸着材料の吸着プロファイルを測定することができる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に、本発明に係るガス吸着材料評価装置の概略構成図を示す。図1において、ガス吸着材料評価装置10は、クライオスタット部20と、一定温度保持部30と、ガス放出量測定部40とを備えている。
クライオスタット部20は、試料(ガス吸着材料)を収容するための容器22を所定の温度で保持するためのものである。容器22は、外筒23内に収容されており、上下のフランジ24a、24bにより外筒23に固定されている。容器22と外筒23との間は、図示しない真空ポンプにより排気され、容器22を真空断熱するようになっている。また、容器22の上下端には、それぞれ、温度センサ(図示せず)が設けられ、容器22の上下端の温度を測定できるようになっている。
上部のフランジ24aには、配管26が接続され、配管26を介して容器22内にガスを導入し、あるいは、容器22内のガスを排出するようになっている。配管26には、配管26を開閉するためのバルブVH4が設けられている。
下部のフランジ24bには、冷凍機28が接続されている。冷凍機28は、試料を収容した容器22を、少なくともガスの沸点以下の温度から300Kまでの間の任意の温度に保持できるものが用いられる。冷凍機28の冷却能は、ガス吸着材料の種類、吸着させるガス種、評価目的等によって決まる測定開始温度及び測定終了温度を網羅できるものであればよい。図1に示す例において、冷凍機28には、室温から4Kまでの冷却能力を持つものが用いられる。
なお、クライオスタット部20は、容器22を室温以下の低温に冷却する機能に加えて、室温以上の温度に加熱する機能をさらに備えていても良い。容器22を室温以上の温度に加熱する方法は、特に限定されるものではない。加熱方法としては、例えば、容器22の外周に電熱ヒーターを巻き付け、電熱ヒーターにより加熱する方法がある。
極低温、高圧下における水素吸蔵・放出量を正確に測定するためには、容器22には、Cu製の円筒容器を用いるのが好ましい。容器(Cu製の円筒容器)22の下面と冷凍機28の上面とを熱伝導可能となるように接触させると、容器22の上面と下面の温度を均一(X±0.1K)に保つのが容易となる。
特に、容器22の下面にフランジ24bを設け、かつ下部のフランジ24bとしてCu製のフランジを用いると、容器22の耐圧強度が向上すると同時に、冷凍機28により効率よく容器22を冷却することができる。
また、上部のフランジ24aには、フランジパイプ構造を備えたものを用いるのが好ましい。ここで、フランジパイプ構造とは、プランジの冷熱伝達面とパイプのガス耐圧性を兼ね備えた一体となった構造をいう。フランジ直径に対してパイプの長さが概ね3倍程度のものである。フランジ24aとしてフランジパイプ構造を備えたものを用いると、外筒23と容器22との断熱特性が向上し、容器22の温度を均一に保つのがさらに容易化する。
容器22として、Cu製の円筒容器を用いた場合において、容器22の肉厚は、測定精度及び測定可能な圧力範囲に影響を及ぼす。一般に、容器22の肉厚が薄くなるほど、熱伝導特性は向上するが、耐圧性が低下する。高圧下における水素吸蔵・放出量の測定を可能とするためには、容器22の肉厚は、5mm以上が好ましい。容器22の肉厚は、さらに好ましくは、7〜8mm以上、さらに好ましくは、10mm以上である。
一方、容器22の肉厚が厚くなるほど、熱伝導特性が低下する。容器22の上面と下面との均一性を向上させるためには、容器22の肉厚は、10mm以下が好ましい。容器22の肉厚は、さらに好ましくは、7〜8mm以下、さらに好ましくは、5mm以下である。
また、極低温、高圧下における水素吸蔵・放出量を正確に測定するためには、容器22から水素が漏れないようにする必要がある。そのためには、容器22のシール部に第1の金属箔を挿入するのが好ましい。第1の金属箔は、低温高圧に耐え、延性の高い材料が好ましい。第1の金属箔としては、具体的には、Au、Pt、Cu、Al、Inなどがある。なお、容器22のシール部としては、容器22と上部のフランジ24aが一体物でない場合におけるその接続部、上部のフランジ24aと配管26との接続部などがある。
さらに、下部のフランジ24bと冷凍機28とは、直接、接していても良いが、熱伝達効率を高めるために、フランジ24bと冷凍機28との間に第2の金属箔が挿入されていても良い。第2の金属箔は、熱伝導率が高く、かつ延性の高いものが好ましい。第2の金属箔としては、具体的には、Au、Pt、Cu、Al、Inなどがある。
一定温度保持部30は、容器22内に収容された試料から放出されたガスを一時的に貯蔵し、ガスが一定温度になるまで保持するためのものである。容器22から放出されたガスを一旦、一定温度で保持するのは、容器22内のガス量を正確に測定するためである。
一定温度保持部30には、ガスを一時的に貯蔵するための上部比較セル32が設けられている。上部比較セル32の下端は配管26に接続され、上端は水素ガスを導入するための主配管50に接続されている。上部比較セル32の上下には、それぞれ、主配管50及び配管26を開閉するためのバルブV3、及びバルブV4が設けられている。
配管26のバルブV4とバルブVH4の間には、容器22内の圧力を測定するための圧力計34が設けられている。ガス量を正確に測定するためには、圧力計34には、高精度な圧力計(例えば、小数点以下6桁まで表示可能なもの)を用いるのが好ましい。
さらに、上部比較セル32及び圧力計34は、水を入れた水槽36内に収容されている。水槽36は、上部比較セル32及び圧力計34を一定温度に保持するためのものである。水槽36内の水温は、図示しない制御装置により制御されている。
主配管50の他端には、図示しないガス供給源(例えば、水素ボンベなど)が接続されている。また、主配管50には、主配管を開閉するためのバルブV1、及び、逆止弁52が設けられている。なお、主配管50には、ガス供給源から供給されるガスの圧力を高めるためのブースターを設けても良い。
ガス放出量測定部40は、一定温度保持部30に一時的に貯蔵されたガスの量を測定するたものものである。ガス放出量測定部40は、ガス量を測定するためのガスメータ42を備え、ガスメータ42は、配管44を介して、主配管50のバルブV3と逆止弁52の間に接続されている。配管44には、配管44を開閉するためのバルブV5が設けられている。さらに、ガスメータ42の先には、真空ポンプ(図示せず)が接続されている。
次に、図1に示すガス吸着材料評価装置を用いたガス吸着材料評価方法について説明する。なお、以下の説明においては、ガスとして水素を用いた例について説明するが、本発明は、水素ガス以外のあらゆるガス(例えば、水素にN2、Ar、NH3、C23、CH4などが混合された複合ガス、天然ガスなど)に対しても適用することができる。
図2に、低温水素吸着量の測定手順を示す。
まず、ステップ1(以下、単に「S1」という)において、事前準備として、容器22、配管26、配管44、主配管50、及び上部比較セル32の内部を真空排気し、系内から大気を排除する。真空排気は、具体的には、バルブV1を閉じた状態で、バルブV3、V4、V5、及びVH4を開き、ガスメータ44の先に設けられた図示しない真空ポンプを用いて系内を排気することにより行う。排気終了後、バルブV3、V4、V5、及びVH4を閉じる。
次に、S2において、容器22内に0.15〜0.2MPa程度の水素ガスを予備導入する。この時、容器22は、室温の状態にある。容器22が室温にある状態で水素ガスの一部を予備導入するのは、極低温に冷却された容器22内に室温のガスを導入することによる容器22への負荷を軽減するためである。
水素ガスの予備導入は、具体的には、バルブV1、V3、V4、及びVH4を開とし、図示しない水素供給源から水素ガスを供給することにより行う。系内の水素ガス圧は、圧力計34によりモニターする。圧力計34が0.15〜0.2MPaになったところで、バルブV1、V3、V4、及びVH4を閉にする。
次に、S3において、容器22の上下端の温度が、それぞれ、初期温度±0.1Kとなるまで、冷凍機28を用いて容器22を冷却する(冷却工程)。初期温度は、目的に応じて任意に選択することができる。図2に示す例では、初期温度を20Kに設定している。水素の沸点は、容器22内の環境にもよるが、約33Kであるので、20Kは水素の沸点以下の温度に相当すると考えられる。
なお、初期温度は、必ずしもガスの沸点以下とする必要はなく、評価目的に応じて任意に選択することができる。
次に、S4において、容器22内の圧力が設定圧力Y(MPa)となるまで、容器22内に水素ガスを導入する(ガス導入工程)。水素ガスの導入は、具体的には、バルブV1、V3、V4、及びVH4を開とし、図示しない水素供給源から水素ガスを供給することにより行う。系内の水素ガス圧は、圧力計34によりモニターする。設定圧力Y(MPa)は、特に限定されるものではなく、評価目的に応じて任意に選択することができる。
図2に示す例において、初期状態の容器22の温度は、水素の沸点以下に設定されているので、容器22内に導入された水素の一部は液化する。そのため、容器22内は、気液が平衡している状態となる。系内の水素ガス圧が設定圧力Y(MPa)に達したところで、バルブV1、V3、V4、及びVH4を閉にする。
次に、S5において、上部比較セル32内の水素量(以下、水素ガスを充填した直後の上部比較セル32内の水素量を「H1」という)を測定する。上部比較セル32内の水素量の測定は、具体的には、バルブV1、V4、及びVH4を閉にしたまま、バルブV3、及びV5を開とし、ガスメータ42の先に設けられた真空ポンプを用いて、上部比較セル32内を真空排気することにより行う。この時の水素量H1をガスメータ42により測定する。測定終了後、バルブV3、及びV5を再び閉にする。
次に、S6において、配管26内の水素量(以下、水素ガスを充填した直後の配管26内の水素量を「H2」という)を測定する。配管26内の水素量の測定は、具体的には、バルブV1、及びVH4を閉にしたまま、バルブV3、V4、及びV5を開とし、ガスメータ42の先に設けられた真空ポンプを用いて、上部比較セル32内及び配管26内を真空排気することにより行う。この時の水素量H2をガスメータ44により測定する。測定終了後、バルブV3、V4、及びV5を再び閉にする。
次に、S7において、容器22内の水素を一定温度保持部に放出させ、ガスが一定温度になるまで保持する(保持工程)。
容器22内の水素の放出は、具体的には、バルブV1、V3、及びV5を閉じた状態のまま、バルブV4、及びVH4を開にすることにより行う。これにより、容器22内のガスが真空排気された上部比較セル32及び配管26内に放出される。また、初期状態においては、容器22内は気液共存状態にあるので、容器22内の水素ガスを放出させると、液化した水素の一部が気化して、上部比較セル32及び配管26内に放出される。この時の容器22内の圧力(すなわち、上部比較セル32−配管26−容器22の圧力)を圧力計34により計測する。上部比較セル32にガスを放出し、上部比較セル32及び配管26内の温度が一定温度になるまで放置した後、バルブV4及びVH4を閉にする。
次に、S8において、容器22内のガスを上部比較セル32に放出した直後の容器22内の圧力が予め定められた下限値以上か否かが判断される。下限値は、目的に応じて任意に選択することができる。容器22内の圧力がある一定値以下になると、容器22内に残存しているガス量が少ないので、容器22から放出されるガス量を測定する実益はあまりない。従って、下限値は、容器22から放出されるガス量の測定精度を低下させることがなく、かつ、測定効率が最も高くなるように設定するのが好ましい。図2に示す例においては、下限値を0.1MPaに設定している。
通常、容器22内のガスを放出した直後は、下限値以上である(S8:YES)ので、S5に戻る。
S5においては、容器22から放出された上部比較セル32内の水素量(以下、この水素量を「H3」という)を測定する。次いで、S6において、容器22から放出された配管26内の水素量(以下、この水素量を「H4」という)を測定する(放出量測定工程)。水素量H3と水素量H4の合計が容器22から放出された水素量(セル水素量)である。
次に、S7に進み、再度、容器22内の水素を上部比較セル32に放出する。
一般に、設定圧力Y(MPa)が相対的に高いとき(具体的には、5MPa以上である場合)、1回目の放出によって容器22内の水素を完全に放出することができないので、2回目の放出後も、圧力計34により検出される容器22内の圧力は、下限値(0.1MPa)以上である場合が多い。そこで、そのような場合(S8:YES)には、S5に戻り、上述したS5〜S7の各ステップ(水素量H3と水素量H4の測定)を繰り返す。
一方、設定圧力Y(MPa)が相対的に高い場合において、S5〜S7の各ステップを数回繰り返したときには、容器22内の圧力は、下限値(0.1MPa)未満となる。あるいは、設定圧力Y(MPa)が相対的に低いとき(具体的には、5MPa以下の場合)には、S7→S5→S6の各ステップを1回繰り返すだけで、容器22内圧力は、下限値(0.1MPa)未満となる。容器22内の圧力が下限値未満になった後、さらにS5〜S7の各ステップを繰り返しても、セル水素量にほとんど影響はない。
従って、容器22内圧力が下限値未満となった場合(S8:NO)には、S9に進み、水素量H3と水素量H4の和(容器22内のガスの放出を2回以上繰り返したときは、その総和)をセル水素量として記録する。
次に、S10において、昇温間隔X(K)を決定する。昇温間隔X(K)は、目的に応じて任意に選択することができる。例えば、昇温間隔X(K)は、等間隔(例えば、10K間隔)に設定しても良く、あるいは、不等間隔(例えば、低温域は5K間隔とし、高温域を20K間隔とする)に設定しても良い。
次に、S11において、直前の工程における容器22内温度に昇温間隔X(K)を加えた温度が、測定終了温度であるか否かが判断される。測定終了温度は、特に限定されるものではなく、目的に応じて任意に選択することができる。
例えば、測定終了温度が300Kに設定されていた場合、この時点では、初期温度(20K)に昇温間隔X(K)を加えた温度が新たな容器22内温度であるので、測定終了温度には達していない(S11:NO)。そこで、この場合には、S3に戻り、次の温度での水素吸着量の測定を行う。
S3では、容器22を新たに設定された温度(図2に示す例では、20+X(K))になるまで冷却(又は、加熱)する。容器22内に液化ガスが残っている場合、温度を上昇させることによって、液化ガスが気化し、容器22内圧力が上昇する。
S4では、容器22内の圧力が設定圧力Y(MPa)となるまで、再度、容器22内に水素ガスを導入(補充)する(ガス導入工程)。
容器22内に試料がない場合(ブランク)において、容器22の容積、容器22の温度、及び容器22内の圧力が決まると、容器22内に導入できる水素量が決まる。
また、容器22内に試料を収容した場合において、試料にガス吸着能がないときには、容器22の容積から試料の容積(死容積)を差し引いた容積、容器22の温度、及び容器22内の圧力で決まる量の水素量を容器22内に導入できる。
一方、容器22内にガス吸着能がある試料を収容した場合には、容器22の空間内に充填される水素に加えて、試料が吸着できる量の水素を導入することができる。吸着量は、一般に、温度が低くなるほど、及び/又は、圧力が高くなるほど、多くなるので、温度をX(K)上昇させることによって、容器22内に導入できる水素量は減少する。
次に、S5において、水素が充填された直後の上部比較セル32内の水素量H1を測定し、S6において、水素が充填された直後の配管22内の水素量H2を測定する。
なお、水素量H1及びH2は、外気温や水温の変動による測定値の補正やガス漏れのチェックなど、測定のベース(空容器)の信頼性の維持及びその確認のために行われる。従って、測定精度に問題がないと判断される場合には、2回目以降の水素充填直後は、単に上部比較セル32及び配管26から水素を排気するだけとし、水素量H1及びH2の測定を省略しても良い。
次に,S7において、容器22内の水素を上部比較セル32に放出させ、ガスが一定温度になるまで保持する。
バルブV4、及びVH4を開にすると、容器22の空間内に充填されている水素が上部比較セル32に流入し、容器22内の圧力が下がる。そのため、容器22内に試料が収容されているときには、圧力低下によって試料に吸着していたガスが脱離する。上部比較セル32に水素を放出し、上部比較セル32及び配管26内の温度が一定温度になるまで放置した後、再度、バルブV4及びVH4を閉とする。
次に、S8において、容器22内の圧力が予め定められた下限値以上か否かが判断される。容器22内のガスを放出した直後は、容器22内の圧力が下限値以上である(S8:YES)ので、S5に戻る。そして、前述と同様に、S5において、容器22から放出された上部比較セル32内の水素量(H)の測定を行い、S6において、容器22から放出された配管26内の水素量(H4)の測定を行う。
次に、S7に進み、再度、容器22内の水素を上部比較セル32に放出する。そして、容器22内の圧力が下限値(0.1MPa)以上であるとき(S8:YES)には、上述したS5〜S7の各ステップを繰り返す。一方、容器22内の圧力が下限値未満になったとき(S8:NO)には、試料に吸着しているガスがほぼ完全に脱離した状態となるので、その場合には、S9に進み、水素放出量(セル水素量)を記録する。
以下、同様にして、所定の昇温間隔X(K)で容器内の温度を上昇させ、各温度において、圧力一定の条件下における水素量を測定する。以上の操作を、容器22内温度が測定終了温度になるまで繰り返す。
ガス吸着材料の評価を行う際には、まず、容器22に試料を入れない状態で上述した一連の測定を行い、ブランクの水素量を求める。次いで、試料の重量と真密度から死容積を求め、容器22内の容積を死容積で補正し、(ブランク−死容積)の水素量を求める。
次に、容器22にガス吸着材料(試料)を収容し、ブランクと同一条件下で上述した一連の測定を行う。試料を入れた状態で測定された容器22内の水素量から(ブランク−死容積)の水素量を差し引くと、試料が吸着した水素量(過剰吸着量)が得られる。
本発明に係るガス吸着材料評価装置は、試料を高精度に逐次冷却することができ、かつ、一定圧力下での水素放出量を高精度で計測することができる。そのため、ガス吸着材料ありの状態と、なしの状態で昇温脱離水素放出プロファイルを測定し、両者を比較することにより、等圧下での広範囲な低温吸着評価を行うことができる。
本発明に係る装置及び方法を用いて、活性炭(MSC30)の昇温脱離過程を測定した。水素圧力は1MPaとし、温度は20〜300Kとした。
図3に、容器22内への1MPaの水素の充填、容器22からの水素の放出、及び容器22内温度の上昇を繰り返したときの圧力と温度の観測データを示す。なお、図3は、水素の充填及び放出を繰り返した時の観測データで、この時に水素放出量の測定を行っている。
図4に、測定した圧力1MPaの条件下におけるセル温度(容器22の温度)とセル水素量との関係を示す。図4より、MSC30を入れたときのセル水素量は、ブランクに比べて多いことがわかる。容器22内に収容された試料の水素吸着量(過剰吸着量)は、(1)式により求められる。
材料の水素吸着量=測定値−(ブランク−死容積) ・・・(1)
図5に、代表的なカーボン材料3種(MSC30、M15、MCMB)について、低温での水素吸着量を本発明に係る装置及び方法で評価した結果を示す。図5より、本発明に係る装置及び方法により、比表面積の異なるカーボン材料の20〜300Kまでの昇温脱離による水素吸着(放出)量のプロファイルが得られていることがわかる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係るガス吸着材料評価装置及びガス吸着材料評価方法は、水素貯蔵材料の昇温脱離水素放出プロファイルを測定するための装置及び方法として用いることができる。
本発明に係るガス吸着材料評価装置の概略構成図である。 本発明に係るガス吸着材料評価方法のフロー図である。 容器内への1MPaの水素の充填、容器からの水素の放出及び容器内温度の上昇を繰り返した時の圧力と温度の観測データである。 MSC30を容器に入れた時、及びブランクの圧力1MPaの条件下におけるセル温度とセル水素量との関係を示す図である。 比表面積の異なるカーボン材料の水素圧1MPa下における冷却温度と過剰吸着量との関係を示す図である。
符号の説明
10 ガス吸着材料評価装置
20 クライオスタット部
22 容器
30 一定温度保持部
40 ガス放出量測定部

Claims (9)

  1. ガス吸着材料が収容された容器を、少なくとも前記容器に導入するガスの沸点以下の温度から300Kまでの間の任意の温度に保持することが可能なクライオスタット部と、
    前記容器から放出された前記ガスを一時的に貯蔵し、前記ガスが一定温度になるまで保持する一定温度保持部と、
    前記一定温度保持部に一時的に貯蔵された前記ガスの量を測定するガス放出量測定部と
    を備えたガス吸着材料評価装置。
  2. 前記容器は、Cu製の円筒容器からなり、
    前記クライオスタット部は、少なくとも前記容器に導入するガスの沸点以下の温度から300Kまでの間の任意の温度に保持するための冷凍機を備え、
    前記円筒容器の下面と前記冷凍機の上面とが熱伝導可能となるように接している
    請求項1に記載のガス吸着材料評価装置。
  3. 前記円筒容器の下面には、Cu製のフランジが設けられている請求項2に記載のガス吸着材料評価装置。
  4. 前記円筒容器の上面は、フランジパイプ構造を備えている請求項2又は3に記載のガス吸着材料評価装置。
  5. 前記円筒容器の肉厚は、5mm以上10mm以下である請求項2から4までのいずれかに記載のガス吸着材料評価装置。
  6. 前記円筒容器のシール部には、第1の金属箔が挿入されている請求項2から5までのいずれかに記載のガス吸着材料評価装置。
  7. 前記第1の金属箔は、Au箔である請求項6に記載のガス吸着材料評価装置。
  8. 前記円筒容器と前記冷凍機の間に、第2の金属箔が挿入されている請求項2から7までのいずれかに記載のガス吸着材料評価装置。
  9. 請求項1から8までのいずれかに記載のガス吸着材料評価装置に備えられる前記クライオスタット部の前記容器内にガス吸着材料を収容し、前記容器に導入するガスの沸点以下の温度から300Kまでの間の任意の温度で前記容器を保持する冷却工程と、
    前記容器内の圧力が設定圧力Y(MPa)となるまで、前記容器内に前記ガスを導入するガス導入工程と、
    前記容器から前記ガスを前記一定温度保持部に放出させ、前記ガスが一定温度になるまで保持する保持工程と、
    前記一定温度保持部に一時的に貯蔵された前記ガスの量を前記ガス放出量測定部を用いて測定する放出量測定工程と、
    を備えたガス吸着材料評価方法。
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