JP3998580B2 - 吸着特性測定装置及び測定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容量法により試料のガス吸着特性(ガス吸着の絶対量、単位重量当りのガス吸着量等)を測定する測定装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この手法は、例えば、水素吸蔵合金の水素ガス吸着特性を測定するのに使用される。
【0003】
この種の吸着特性の測定にあたっては、所定容積のリザーバ内に水素ガスを予め収納しておき、この状態を第一状態として、ガス圧を測定しておく。
一方、予め、リザーバに対する試料管を用意しておき、この試料管内に測定対象となる試料(水素吸蔵合金)を一定量収納しておく。リザーバと試料管とはバルブを備えた接続管により連通接続されており、バルブを開操作することで、リザーバ内の水素ガスを試料管内に拡散させることができる。
【0004】
測定にあたっては、前記第一状態から前記バルブを開操作し、水素ガスを試料管内に拡散させる。この操作の後、リザーバ、試料管、接続管を含む配管機器系である測定装置本体内のガス状態が平衡状態になったのを確認し、その状態を第二状態としてガス圧を測定する。
そして、これら二状態における水素ガスのモル数の変化から、試料に吸着されたガス量を求める。
【0005】
従来、この種の測定にあっては、平衡状態の確認が、配管機器系内の圧力(測定装置本体内のガス圧)を基準に行われてきた。即ち、所定部位の圧力変化が所定の範囲内に収まった状態を平衡状態として、その状態の物理量が求められ、吸着量等が求められていた。
【0006】
ガス吸着量の導出にあたっては、予め判明しているリザーバ内容積(第一状態において被吸着ガスが主に収納される部位の容積)、リザーバ、試料管および接続管内容積(第二状態において被吸着ガスが主に収納される部位の容積)、ガス温度、ガス種等の情報と、測定される第一状態、第二状態のガス圧から、状態方程式等を利用して、測定系内にある被吸着ガス(水素ガス)のモル数を各状態において求め、両状態間でのモル数の差として、ガス吸着量を求めていた。
【0007】
即ち、従来、この種の吸着特性の測定方法においては、系の温度変化は無いものと見なされ、圧力基準で、平衡状態の判別、ガス吸着量の導出が行われている。
このような事情から、測定装置の温度管理は比較的ラフなものであり、例えば、リザーバ、試料管、接続管が、特に断熱構造とされることもなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来手法を採用して試料のガス吸着特性を測定すると、かさ密度の低いカーボンナノチューブ等の場合に、測定値にばらつきが出やすいことが判明した。
【0009】
即ち、カーボンナノチューブの様に、かさ密度が0.003g/cm3程度の
低いものにあっては、水素吸蔵合金を対象としてそのガス吸着特性を測定する場合に比べて、その測定値にばらつきが生じ、信頼性のある特性値が得られない。
この理由は、水素吸蔵合金のかさ密度が3g/cm3程度あり、重量当たりの
吸着ガスの絶対量が比較的大きいのに対して、カーボンナノチューブの場合は、ガス吸着の絶対量自体が小さいためと考えられる。
【0010】
本願の目的は、ガス吸着特性を正確かつ信頼性良く測定できる装置と方法を得ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための、本発明による、
試料収納用の試料管と、試料に吸着される被吸着ガスの収納用のリザーバと、前記試料管とリザーバとを連通接続する接続管とを備え、
前記接続管に備えられるバルブの開閉により前記試料管内と前記リザーバ内とが通気可能な連通状態と、通気できない非連通状態に状態選択可能に構成され、
前記非連通状態での前記被吸着ガスの温度及び圧力である第一状態量と、前記連通状態での前記被吸着ガスの温度及び圧力である第二状態量から、前記試料のガス吸着特性を導出する吸着特性導出手段を備えた吸着特性測定装置の特徴構成は、請求項1に記載されているように、
前記試料管、リザーバ、接続管を含む複数部位の温度に基づいて、前記試料管、リザーバ、接続管を含む測定装置本体内のガスが平衡状態にあるかどうかを判別する平衡状態判別手段を備え、前記平衡状態判別手段により平衡状態にあると判別された状態での第一、第二状態量に基づいて、前記吸着特性導出手段が前記ガス吸着特性を導出する構成を有することにある。
【0012】
この構成を採用する吸着特性測定装置にあっては、請求項10に記載されているように、所定第一容積のリザーバ内に被吸着ガスを収納して、平衡状態におけるガスの温度及び圧力を第一状態量として測定するとともに、
前記被吸着ガスを吸着する試料を収納する試料管と前記リザーバと含む、所定第二容積の測定装置本体内へ、前記リザーバ内から前記被吸着ガスを拡散させ、平衡状態におけるガスの温度及び圧力を第二状態量として測定し、
前記第一状態量と前記第二状態量とから前記試料のガス吸着特性を得るに、
前記リザーバ、試料管および両者を接続する接続管を含む複数部位における温度により、前記測定装置本体内のガスが平衡状態にあるかどうかを判別し、前記平衡状態にあると判別された状態での前記第一、第二状態量から、前記ガス吸着特性を得ることとなる。
【0013】
本願では、従来、平衡状態の判別にあたって圧力が基準とされていたのに対して、測定装置本体に設定される複数部位における温度が基準とされる。この手法を採用する理由は、本願の測定装置で使用するような配管機器系内での拡散現象に関しては、その圧力の収束が早く、温度の収束には比較的時間がかかるためである。
さらに、この系では、容積の異なる機器が連通接続されるとともに、接続管に開閉操作されるバルブ等を含み、さらに、試料によるガス吸着が発生するため、ジュールトムソン効果、吸着に伴う発熱等の影響がある。
【0014】
従って、実際上、たとえ、圧力的に見て平衡状態が確保されていると見えても、各部位で温度的に平衡に到達していない場合があり、従来手法にあっては、被吸着ガスが平衡に到達するだけの時間が十分に確保されておらず状態が不安定な状態の物理量を基礎として測定結果を得ていたために、結果的に、測定結果にばらつきを生じることとなっていた。
【0015】
これに対し、本願にあっては、系内(測定装置本体内)の複数部位の温度を測定して、その測定結果に基づいて平衡状態を判断するため、平衡状態を確実に得ることが可能となり、比較的かさ密度の小さい試料に関しても、各状態での被吸着ガスの温度及び圧力に基づいて、吸着特性を導出するために、信頼性の高い良好な結果が得られる。
【0016】
装置的には、装置の主要箇所である、試料管、リザーバ、接続管を少なくとも含む複数箇所の温度を測定して、この情報にもとづいて、平衡状態判別手段が平衡を判別し、吸着特性導出手段が吸着特性を導出することで、目的は達成される。
【0017】
さらに、上記の吸着特性測定装置において、請求項2に記載されているように、前記複数部位に、少なくとも前記リザーバ内部位、前記試料管内部位、前記接続管内部位及びバルブ部位が含まれていることが好ましい。
【0018】
この装置構成を採用する場合は、請求項11に記載されているように、前記複数部位として、少なくとも前記リザーバ内部位、前記試料管内部位、前記接続管内部位及び前記接続管に設けられるバルブ部位が含まれ、各部位間の温度差が所定の平衡温度差以下に到達することで、前記測定装置本体内のガスが平衡状態に到達していると判別する。
【0019】
これら各部位は、測定に使用される測定装置本体(配管機器系)において、被吸着ガスの供給部位、通過部位および到達部位となる部位であり、これら4測定部位の温度を温度的な平衡到達の判断の基準とすることで、系の基幹となる部位の温度相互の関係に基づいて適切に平衡を判断できる。
さらに、前記複数部位に、圧力測定の対象となる圧力測定部位が含まれていることが好ましい。圧力はガス量の決定において重要な状態量だからである。
【0020】
さらに、上記の吸着特性測定装置において、請求項3に記載されているように、前記第一状態量および前記第二状態量から前記ガス吸着特性を導出するに、状態方程式から求まる前記被吸着ガスのモル数変化を使用することが好ましい。
【0021】
方法的には、請求項12に記載されているように、前記第一状態量および前記第二状態量から前記ガス吸着特性を得るに、状態方程式から求まる前記被吸着ガスのモル数変化を使用することとなる。
【0022】
吸着特性を得るためには、試料との接触において吸着されずにガスとして残存する被吸着ガスの量を正確に知る必要があるが、圧力および温度を基礎データとして状態方程式(ビリアル係数を考慮した状態方程式、理想気体の状態方程式等)を使用して、ガス量を求めることで、各状態で正確なガス量を得ることができる。
状態方程式の適用にあたっては、試料管中の試料容積を考慮して、系内における被吸着ガスの容積を決定することが好ましく、正確なガス量を得ることができる。
【0023】
さらに、請求項4に記載されているように、前記リザーバ、試料管、接続管
が、温度測定器を内部に挿入して内部温度に関する測定値を測定可能に構成されている構成を採用することが好ましい。
【0024】
本願手法にあっては、リザーバ等の内部にある被吸着ガスの温度を正確に測定する必要があるが、リザーバ等の機器の内部に温度測定器を挿入可能に構成することで、正確なガス温度を測定して、信頼性のある吸着特性を得ることができる。
【0025】
また、上記の吸着特性測定装置において、請求項5に記載されている様に、少なくとも前記リザーバ、試料管、接続管が、熱伝導率0.05W/(m・℃;at24℃)以下の断熱材で断熱されていることが、好ましい。さらに、当該断熱材は、熱伝導率0.04W/(m・℃;at24℃)以下であることが好ましい。
この場合吸着特性測定方法としては、請求項13に記載されている様に、少なくとも前記リザーバ、試料管、接続管を、熱伝導率0.05W/(m・℃;at24℃)以下に断熱することとなる。
【0026】
測定装置において主体となるリザーバ、試料管、接続管を十分な断熱構造とすることで、測定装置本体内の被吸着ガス等の状態を熱的に安定させることが可能となり、吸着特性の導出の基礎となるガス量を、外界熱環境の影響を受けることなく求めることができ、結果的に信頼性の高い吸着特性を得ることができる。
【0027】
ここで、上述のように、測定装置本体を断熱することで、本願の目的を達成することができるが、この測定装置本体を恒温室内に設けるものとしてもよい。
この場合、装置は、請求項6に記載するように、その測定装置本体が、室内温度を設定温度に維持可能な恒温室内に収納されている構成となる。
この種の恒温室の温度環境は、例えば−20〜90℃の範囲の設定温度域で、その温度幅を±1℃あるいは0.5℃の範囲とすることができる。
このように恒温室内に測定装置本体を備えて、吸着特性の測定を行うと、同一の吸着特性の測定を所定のばらつきの範囲内で実行すると、その平衡状態への到達時間を短縮することが可能となる。
一方、測定時間を同一とすると、測定値のばらつきを抑えることができる。
【0028】
さて、この構成の装置において、請求項7に記載されているように、前記恒温室内の熱交換媒体温度を恒温状態に設定する温度設定機構を備え、前記恒温室内の前記熱交換媒体を流動させる流動機構が備えられていることが好ましい。
恒温室内に流動機構を備え、室内のガス等を攪拌することで、恒温状態を早期且つ安定した状態で確保して、設定温度における室内の温度変化が小さい、良好な恒温室を得ることができ、請求項6で説明した効果をさらに確実なものとできる。
【0029】
また、請求項8に記載されているように、前記熱交換媒体が不活性ガスとされ、恒温室が防爆構造とされることが好ましい。
恒温室内で使用される熱交換媒体を不活性ガスとすることで、測定に及ぼすこの媒体の影響を最小限のものとすることが可能であるとともに、防爆構造を得ることができ、例えば、カーボンナノチューブ等の測定においても、測定時の安全性を確保することができる。
【0030】
さらに、請求項9に記載されているように、前記温度設定機構として、前記恒温室内の熱交換媒体を加熱可能な加熱用温度設定機構と、前記熱交換媒体を冷却可能な冷却用温度設定機構とを備え、前記熱交換媒体の温度を設定するに、前記加熱用温度設定機構および冷却用温度設定機構を働かせて、前記温度を設定することが好ましい。
加熱側、冷却側を独立の機構として備え、設定温度に恒温室内の熱交換媒体を温度調節可能とすることで、温度設定の制御効果を迅速なものとでき、この場合も、同じく、請求項6で記載した効果をより確実なものとできる。
【0031】
また、請求項14に記載されているように、前記試料が前記被吸着ガスを吸着した状態にあり、さらに、前記試料に被吸着ガスを追加吸着させてガス吸着特性を導出する構成としておけば、重複してガス吸着が起こる場合の試料のガス吸着特性を適切に把握できる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本願の吸着特性測定装置1を図面に基づいて説明する。
本願は、測定装置本体4を成す吸着特性を求めるための配管機器系が金属容器7内に収納される第一実施の形態と、この系が恒温室70内に収納される第二実施の形態からなり、これら実施の形態について、装置構成、計測結果の順に説明する。
【0033】
1 第一実施の形態
[吸着特性測定装置]
吸着特性測定装置1は、図1に示すように、試料2に被吸着ガス3の吸着を行わせるための測定装置本体4と、この測定装置本体4の動作を制御するとともに、各機器に備えられた測定器5からの測定値に基づいて、吸着特性を導出する制御演算系(具体的には制御演算装置6としてのマイコン)を備えて構成されている。
【0034】
前記測定装置本体4は、図示するように、試料管41、リザーバ42、接続管43を備えており、前記接続管43内の所定箇所にガスを供給するガス供給管44を備えている。
【0035】
この接続管43は、試料管41とリザーバ42とを接続する。前記ガス供給管44には第一バルブV1が備えられており、これが接続管43と接続部45で接続されている。さらに前記接続管43における前記ガス供給管44の接続部45と前記リザーバ42との間に第二バルブV2が、前記接続部45と前記試料管41との間に第三バルブV3がそれぞれ備えられている。これらのバルブは、開閉バルブである。
【0036】
前記接続部45近傍(圧力測定部位)の管内ガス圧力は圧力計又は圧力センサ(以降、圧力測定器Pと称する)により測定可能に構成されている。
【0037】
前記試料管41、リザーバ42、第一、第二、第三バルブV1、V2、V3、圧力測定部位、さらに前記接続管43の所定部位(4ヶ所)及び、ガス供給管44における前記第一バルブV1の接続部近傍位置に、温度測定器T1〜T10が備えられている。これらの測定器は具体的には熱電対又は測温抵抗体である。上記圧力測定部位には温度測定器T8が配設される。
【0038】
前記試料管41は、吸着特性測定対象の試料が収納されて使用される。
前記リザーバ42は、この試料に吸着される被吸着ガスの貯槽として使用される。両者41、42は、図示するように、内部に温度測定器T1、T2を挿入可能な構造とされており、温度測定器T1、T2により内部温度が測定可能である。
【0039】
装置において、第一バルブV1および第二バルブV2を開弁に、第三バルブV3を閉弁とすることで、ガス供給管44を介して、リザーバ42内にガスを充填可能である。充填を完了した状態において、圧力測定器Pはリザーバ42内のガス圧を示す。この状態が第一状態である。
【0040】
リザーバ42にガスを充填した状態から、第一バルブV1を閉弁、第三バルブV3を開弁とすることで、リザーバ42内のガスを試料管41内に拡散させることができる。試料管41内に試料2があり、ガスが試料2に吸着されるものであれば、試料2によるガス吸着が発生し、試料管41、接続管43内の圧力が低下する。この状態におけるガス圧も、前記圧力測定器Pによって測定可能である。
この状態が第二状態である。
【0041】
第一〜第三バルブV1〜V3は、制御演算装置6によって開閉制御される。
上記記載順のバルブの開閉動作は、制御演算装置6に備えられる動作制御手段63によって実行される。
前記各温度測定器T1〜T10からの測定結果は、前記制御演算装置6に送られ、第一状態、第二状態の平衡判別に使用される。この判別は、制御演算装置6内の平衡状態判別手段61によって行われる。
さらに、前記各温度測定器T1〜T10および圧測定器Pからの測定結果は、前記制御演算装置6に送られ、所定の処理を行ってガス吸着特性が演算導出される。この演算導出は、制御演算装置6に備えられる吸着特性導出手段62によって実行される。
【0042】
試料管41、リザーバ42と配管43、44は、それらの外周部位の内側にグラスウールを、外側にアルミ箔を巻き断熱されている。
さらに測定装置全体をグラスウールを貼り付けた金属製容器7(図1に一点鎖線で示す)に収納することにより、全体が熱的に外部環境と遮断される。前記グラスウール及びアルミ箔による断熱は熱伝導率0.05W/(m・℃;at24℃)以下となるように施される。
【0043】
[装置の使用状況及び制御演算装置の動作形態]
装置の使用状態を以下に説明する。
下記記載にあって、予備段階は測定作業者が行うものであり、予備段階以降は、吸着特性測定装置側で制御演算装置により自動的に実行される。
【0044】
1)予備段階:
試料管41内に試料2を所定量、投入する。試料の上面を実線で試料管41内に示した。さらに、ガス供給管44に被吸着ガス3のタンク46を接続する。
【0045】
2)リザーバ42へのガス充填および第一状態量の取り込み:
第一、第二バルブV1、V2が開弁状態、第三バルブV3が閉弁状態に保たれ、リザーバ42内に被吸着ガス3が充填される。充填後、第一バルブV1を閉弁状態とする。
この充填過程において、前記各測定部位に備えられる温度測定器T1〜T10からの温度測定値が制御演算装置6に取り込まれ、平衡状態判別手段61により、基準部位に対する各測定部位間の温度差が予め設定されている所定温度差以下がどうかが判別され、この温度差が所定温度差(例えば0.5℃で、より好ましくは0.1℃)より小さい場合に、系は平衡に達していると判別される。
系が平衡した状態(第一状態)で、ガス圧が取り込まれる。この時、リザーバ42内のガス温度も取り込まれる。このようにして取り込まれるガス圧およびガス温度が、本願にいう第一状態量である。
【0046】
3)リザーバ42から試料管41へのガス拡散と第二状態量の取り込み:
第一バルブV1を閉弁状態に保ったまま、第二バルブV2、第三バルブV3を開弁状態とし、リザーバ42内の被吸着ガスが試料管41内に拡散され、被吸着ガス2が試料2に吸着される。ただし、吸着は所定の時間は行うものとされ、第三バルブV3の開弁の後、所定時間後にバルブV3を閉弁する。
この吸着過程においても、平衡状態判別手段61により、各温度測定器T1〜T10からの温度測定値が取り込まれ、基準部位に対する各測定部位間の温度差が、予め設定されている所定温度差以下がどうかが判別される。この温度差が所定温度差より小さい場合に、系は平衡に達していると判別される。 系が平衡状態に到達している状態(第二状態)で、第一状態の場合と同様に、ガス圧と、リザーバ42内もしくは試料管41内のガス温度が取り込まれる。このようにして取り込まれるガス圧およびガス温度が、本願にいう第二状態量とされる。
【0047】
4)ガス吸着特性の導出:
上記のようにして得られている第一状態、第二状態における被吸着ガスの圧及び度から、ビリアル係数を含んだ状態方程式を使用して各状態での被吸着ガスのモル数が演算され、その減少分が、吸着されたガスのガス量として導出される。この時、第一状態、第二状態の系容積は、別途、試料に吸着されないガスを使用して、第一状態、第二状態における温度及び圧力を測定することで、同じく、ビリアル係数を含んだ状態方程式を使用して得られる容積とされる。
上記のようにして導出される吸着ガス量を試料量で除算することで、単位重量当りのガス吸着量が導出される。この処理は、吸着特性導出手段62が行う。
【0048】
5)更なるガス供給および吸着特性の導出:
上記の第一、第二状態を経て被吸着ガスを吸着した試料に対して、さらに、上記2、3の工程を繰り返すことも可能とされている。
第一状態に対応する操作として、リザーバ内への被吸着ガスの追加供給が同様に実行され第三状態とされ、被吸着ガスの温度及び圧力の取り込みがなされる。さらに、第二状態に対応する操作として、前記リザーバから試料管へのガス拡散と第二状態量の取り込みが同様に実行され第四状態とされる。
これらの工程を経た場合のガス吸着特性の導出は、第一、第三状態で系内に投入されたガス量と、第四状態で系内に残留している被吸着ガスの量との差として導出される。
【0049】
〔測定結果〕
上記本願の吸着特性測定装置1を使用して、カーボンナノチューブの水素ガス吸着特性を測定した結果を説明する。それぞれの測定において測定条件は以下の通りとした。
試料 カーボンナノチューブ
試料重量 3.0000g
被吸着ガス 水素ガス
試料管容積(接続管箇所の容積を含む) 90cm3
リザーバ容積(接続管箇所の容積を含む) 370cm3
配管径 1/4インチ
平衡状態の判定手法
測定例にあっては、リザーバ内部位を代表温度部位とし、この部位の温度に対して全ての測定部位の温度が、差0.5℃以内となる状態を平衡状態とした。
比較例に関しては、下記の該当部位に個別に記載した方法とした。
吸着特性導出に際して使用する代表温度は、第一、第三状態の代表温度の場合、リザーバ内部位の温度を採用し、第二、第四状態の代表温度に関しては、測定例1、3にあってはリザーバ内部位の温度を、測定例2にあっては試料管内部位の温度を採用した。また、比較例1にあっては試料管外壁部位の温度を採用した。比較例2、3に関しては、下記する結果の欄に記載した。
【0050】
[測定例1]
第一状態および第二状態における各測定部位の温度測定結果を表1に、ガス圧力測定結果を表2に示した。
【0051】
【表1】
Figure 0003998580
【0052】
【表2】
Figure 0003998580
【0053】
第一状態から第二状態にいたる間の圧力の変化を図2に、試料管41内の温度変化を図3に、リザーバ42内の温度変化を図4に示した。
平衡判別にあたっては、上記のように全ての測定部位との温度差が代表部位(リザーバ内部位)に対して0.5℃であることを条件としたが、この条件が満たされる状態で(図2、3、4で150分経過後)、装置全体の均温性が確保され、圧力も平衡に達していることが確認できた。
【0054】
測定された水素吸着特性(水素吸着重量/カーボンナノチューブ重量)は、2.1wt%であった。
【0055】
この手順での吸着特性の測定を10回繰り返し、再現性をみた。
結果を表3に示した。結果より、水素吸着特性の変動幅は0.5wt%以内に収まっていた。
【0056】
【表3】
Figure 0003998580
【0057】
[測定例2]
第一状態および第二状態における各測定部位の温度測定結果を表4に、圧力測定結果を表5に示した。
【表4】
Figure 0003998580
【0058】
【表5】
Figure 0003998580
【0059】
この例にあっても、平衡状態において、装置全体の均温性が確保され、圧力も平衡に達していることが確認できた。測定された水素吸着特性(水素吸着重量/カーボンナノチューブ重量)は、1.9wt%であった。
【0060】
[測定例3]
この例にあっては、第一状態、第二状態における測定を行った後、水素ガスの追加を行うものとし、第一状態に対応する第三状態、第二状態に対応する第四状態まで実施した。
四状態における各測定部位の温度測定結果を表6に、ガス圧力測定結果を表7に示した。表7にあっては、第二状態から第三状態への移行時にバルブV3を閉とした場合の圧力変化も示した。
【0061】
【表6】
Figure 0003998580
【0062】
【表7】
Figure 0003998580
【0063】
平衡状態で、装置全体の均温性が確保され、圧力も平衡に達していることが確認できた。
測定された水素吸着特性(水素吸着重量/カーボンナノチューブ重量)は、第一状態から第四状態を加味して、2.4wt%であった。この例は、反復してガス吸着が行われる場合のガス吸着特性を得るのに適している。
【0064】
比較例
以下、比較例に関して説明する。比較例にあっては、試料種、試料重量、被吸着ガス種は上記の測定例と同一とした。
【0065】
[比較例1]
測定装置は、その全体をグラスウールを貼り付けた金属製容器に収納することにより、全体で断熱構造とした。
平衡判別に関しては、従来手法に準じ、圧力の変化が所定の範囲内に収まる場合に、系が平衡に達したものと判別した。
第一状態および第二状態における各測定部位の温度測定結果を表8に、圧力測定結果を表9に示した。但し、温度測定部位は、リザーバ外壁(測定部位1)と試料管外壁(測定部位2)のみとしている。
【0066】
【表8】
Figure 0003998580
【0067】
【表9】
Figure 0003998580
【0068】
この比較例にあっては、系は100分程度で平衡と判別された。
吸着特性導出のための、前記第一状態の代表温度はリザーバ外壁温度を使用し、前記第二状態の代表温度は試料管外壁温度を使用している。
測定された水素吸着特性(水素吸着重量/カーボンナノチューブ重量)は、1.2wt%であった。
【0069】
この手順での吸着特性の測定を5回繰り返し、再現性をみた。
結果を表10に示した。結果より、水素吸着特性の変動幅は2.5wt%となり、再現性に問題があるものと考えられる。
【0070】
【表10】
Figure 0003998580
【0071】
[比較例2]
測定例1と同じ装置を使用し、同一種、量の試料、同一の温度測定部位を設定して、測定を行った。測定装置を断熱せず、従来型の熱的環境とした。
水素ガスをリザーバ42に導入して180分後の状態(擬似第一状態)から、バルブ操作により水素ガスが試料管41内に拡散するものとした。バルブ開閉操作開始時から180分後の状態(擬似第二状態)での各部位の温度を表11に示した。
測定例と同じ判別条件では、180分経過しても本願にいう平衡状態は得られず、系全体で温度差が2.2〜2.7℃に達していた。吸着特性導出のための代表温度として、擬似第一状態、擬似第二状態ともに、リザーバ内温度を使用した場合、水素吸着特性は0.6wt%であった。
【0072】
【表11】
Figure 0003998580
【0073】
[比較例3]
測定装置を断熱せず、従来型の熱的環境とし、温度測定は、測定例1と同様に10部位で可能とした。
第一状態および第二状態における各測定部位の温度測定結果を表12に、ガス圧力測定結果を表13に示した。
【0074】
【表12】
Figure 0003998580
【0075】
【表13】
Figure 0003998580
【0076】
この比較例にあっては、平衡判別に関して温度の代表部位をリザーバ内部位とし、全ての測定部位との温度差がこの代表部位に対して2.7℃であるとした。この状態で、装置全体の均温性が確保され、圧力も平衡に達していることが確認できた。
吸着特性の導出に関して、前記第一状態の代表温度はリザーバ内温度を使用し、前記第二状態の代表温度は試料管内温度を使用している。
測定された水素吸着特性(水素吸着重量/カーボンナノチューブ重量)は、0.6wt%であった。
【0077】
2 第二実施の形態
以上説明した吸着特性測定装置1にあっては、金属製容器7内に、試料管41、リザーバ42及び接続管43を備えた測定装置本体4を成す配管機器系を収納し、外部との断熱を図りながら、吸着特性の測定を図るものとしたが、以下に示すものは、積極的に配管機器系4回りの雰囲気の温度を制御するものである。
この形態においては、恒温室70内の熱交換媒体と配管機器系との熱交換が良好に起こることが好ましいため、個々の機器も当然に断熱構造とすることはない。図5に、この構成の吸着特性測定装置100の概略構成を示した。
【0078】
〔吸着特性測定装置〕
この装置構成にあっては、これまで説明してきた吸着特性の測定に直接関与する配管機器系が内部に収納される防爆型の恒温室70と、この恒温室70内に入れられる熱交換用のガスを所定の温度に制御するための冷温水発生装置71が備えられる。
【0079】
以下、恒温室70、冷温水発生装置71の順に説明する。
(恒温室)
図示するように、この恒温室70は、測定の用に供される配管機器系4自体が収納される本体室72aと、この本体室72aで熱交換を終えたガスが循環する戻り室72bとを備えた試験室72と、前記戻り室72bと連通するとともに、熱交換器74で温められ、あるいは冷却されたガスが循環する予備室73とを備えて構成されている。
【0080】
図示するように、試験室72と予備室73とは仕切り板75によって仕切れているが、この仕切り板75の下部に設けられているガス流通孔76により両室内のガスは流通可能とされている。さらに、前記試験室72、予備室73にはそれぞれ循環用の送風機(流動機構として働く)77が設けられており、試験室72、予備室73ともに、別個の循環流を形成できる。
試験室72内の流れに関しては、図中、矢印で示すように、送風機77からの流れは、測定装置本体4の近傍に分散して送られ、下部から戻り室72bに戻される構成が採用されている。
予備室73内の流れに関しても基本構造は同じであるが、図中左側に示すように、加熱用、冷熱用の熱交換器74が設けられる構成から、この交換器74を巡る循環流が形成されるように構成されている。
【0081】
この恒温室70は、断熱壁78によって覆われており、その室内の恒温状態が容易に維持できるように構成されている。
【0082】
さらに、この恒温室70内に使用されるガスに関しては、その供給・排出路79が備えられており、室内のガスを所望のガスとすることができるように構成されている。具体的には、熱交換用のガスとしては、窒素が採用されることで、この恒温室70は防爆型のものとなる。
【0083】
(冷温水発生装置)
この装置71は、一般的な温水発生機構(加熱用温度設定機構として働く)71aと冷水発生機構(冷却用温度設定機構として働く)71bを備えたものであり、それぞれ、タンク701、熱交換器74間に、ポンプPを備えた循環路702を備えて構成されている。前記冷水発生機構71bは、外気に熱を放出する冷却機ユニット71cが備えられている。
【0084】
この冷温水発生装置71の動作制御は、前述の恒温室内の温度を所定温度に制御するように、温水もしくは冷水を熱交換器74に送る構成とされており、制御装置700を介するポンプPの動作制御とされている。この制御装置700には、恒温室70内の温度検出値が温度センサsにより入力するように構成されている。この温度センサsは、ガスの入口近傍と、出口近傍に設けられている。
【0085】
〔測定結果〕
上記のように、恒温環境を実現できる恒温室70を備えた試験環境と、恒温室を備えることなく、金属製容器7内に配管機器系を備えた構成とにおける、温度測定点10点の温度の収束状況を測定した。
【0086】
第二実施の形態の結果を表14に、対比できる第一実施の形態の結果を表15に示した。
【0087】
【表14】
Figure 0003998580
【0088】
【表15】
Figure 0003998580
【0089】
結果、恒温室70を備えた場合、30分で温度測定点で観察される温度のばらつきが、0.5℃とすることが可能であったのに対して、単に金属製容器内に収納したものの場合は、107分でなお、0.9℃のばらつきがあった。恒温室を備える実施形態で、この測定で、恒温室70の温度設定は25℃とされ、その変動幅は±0.5℃とした。
恒温室70を設けることで、温度に関する平衡状態を迅速に得ることが可能となり、吸着特性の測定を迅速に行える。
従って、測定値のばらつきを同程度に抑えることを目的とする場合、第二実施の形態の方が優れている。
【0090】
〔別実施例〕
(イ) 上記の実施の形態にあっては、被吸着ガスのモル数を求めるのに、ビリアル係数を含んだ状態方程式を使用するものとしたが、理想気体の状態方程式を使用しても良い。
(ロ) 上記の実施の形態にあっては、温度に関する情報を測定する複数部位として10部位を採用したが、少なくともリザーバ内、試料管内、接続管内を含むことが好ましく、さらには、配管機器系に設置されるバルブ部位の温度が含まれることが好ましい。温度の測定手法は、公知の任意の手法でよい。
(ハ) 上記の実施の形態にあっては、平衡状態の判別の代表温度部位(リザーバ内部位)を予め設定しておき、この測定部位の温度と他の測定部位との温度差が一定範囲内に収まる状態を平衡状態としたが、任意の二部位間の温度差の最大値を条件として、平衡状態を判別するものであってもよい。
(ニ) 上記の実施の形態においては、被吸着ガスとしての水素を例示したが、水素の他、ヘリウム、窒素、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素酸化物(NxOy;x=1〜2、y=1〜4)、炭化水素(CnHm;n=1〜4、m=2〜10)あるいは、これらのガスの混合物であってもよい。
さらに、ハロゲン化炭化水素(CaHbXc;a=1〜4、b=0〜9,c=1〜10で、XはF、Cl、Br、Iのいずれか)、示性式が(CxHyOz;x=1〜4、y=1〜9、z=1〜4)で表されるケトン、アルデヒド、アルコール、カルボン酸あるいは、これらガスの混合物であってもよい。
(ホ) 吸着特性を測定する対象は、上記のナノカーボンチューブの他、水素吸蔵合金を対象とすることが可能であるとともに、かさ密度が0.001〜23g/cm3の任意の材料を対象とできる。
また、本願測定装置及び測定方法は、かさ密度が低いものに対して有効であり、0.001〜3g/cm3の範囲で精密測定を行う必要がある場合に特に有効である。
(へ) 吸着特性の測定に際しては、温度に関して−196℃〜600℃の範囲で、圧力に関して0.001MPa〜100MPaの範囲で、適応可能である。
(ト) 上記の第二の実施形態にあっては、恒温室内のガスとして窒素を採用する例を示したが、アルゴン、ヘリウム等の不活性気体としてもよく、この種のガスを採用することで、防爆構造を維持することができる。
(チ) さらに恒温室内の温度に関しては、その設定温度域は、−20〜90℃(さらに好ましくは+20〜40℃)の範囲程度に設定することができ、その変動幅は、±1℃(さらに好ましくは±0.5℃)とすることができる。
さらに、この範囲の設定温度域で、沸点を有する不燃性の材料、あるいは、この温度域で、気体状又は液状である材料、あるいは、これらの混合物を恒温室内に充満させて熱交換媒体としてもよい。
(リ) 上記の実施の形態にあっては、温度及び圧力から被吸着ガス量を求めるのに、理想気体の関する状態方程式、ビリアル係数を考慮した状態方程式を使用する例を示したが、これら方程式の他、NIST(National Institute ofStandards and Technology U.S.A.)により、NIST Standard Reference Database 12" NIST Thermodynamic and Transport Properties of Pure Fluids"で提供されているプログラムに従って、ガス量を求める構成も採用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態における吸着特性測定装置の構成を示す図
【図2】測定例1における圧力変化を示す図
【図3】測定例1における試料管内の温度変化を示す図
【図4】測定例1におけるリザーバ内の温度変化を示す図
【図5】第二の実施の形態における吸着特性測定装置の構成を示す図
【符号の説明】
1 吸着特性測定装置
2 試料
3 被吸着ガス
4 測定装置本体(配管機器系)
5 測定器
6 制御演算装置
41 試料管
42 リザーバ
43 接続管
44 ガス供給管
61 平衡状態判別手段
62 吸着特性導出手段
63 動作制御手段
P 圧力計
T 温度測定器
V バルブ

Claims (14)

  1. 試料収納用の試料管と、試料に吸着される被吸着ガスの収納用のリザーバと、前記試料管とリザーバとを連通接続する接続管とを備え、前記接続管に備えられるバルブの開閉により前記試料管と前記リザーバとが通気可能な連通状態と、通気できない非連通状態に選択可能に構成され、
    前記非連通状態での前記被吸着ガスの温度及び圧力である第一状態量と、前記連通状態での前記被吸着ガスの温度及び圧力である第二状態量から、前記試料のガス吸着特性を導出する吸着特性導出手段を備えた吸着特性測定装置であって、
    前記試料管、リザーバ、接続管を含む複数部位の温度に基づいて、前記試料管、リザーバ、接続管を含む測定装置本体内のガスが平衡状態にあるかどうかを判別する平衡状態判別手段を備え、前記平衡状態判別手段により平衡状態にあると判別された状態における前記第一、第二状態量に基づいて、前記吸着特性導出手段が前記ガス吸着特性を導出する吸着特性測定装置。
  2. 前記複数部位に、少なくともリザーバ内部位、試料管内部位接続管内部位およびバルブ部位が含まれている請求項1記載の吸着特性測定装置。
  3. 記第一状態量および前記第二状態量から前記ガス吸着特性を導出するに、状態方程式から求まる前記被吸着ガスのモル数を使用する請求項1または2記載の吸着特性測定装置。
  4. 前記リザーバ、試料管が、温度測定器を内部に挿入して内部温度を測定可能に構成されている請求項1〜3のいずれか1項記載の吸着特性測定装置。
  5. 少なくとも前記リザーバ、試料管、接続管が、熱伝導率0.05W/(m・℃;at24℃)以下の断熱材で断熱されている請求項1〜4のいずれか1項記載の吸着特性測定装置。
  6. 前記測定装置本体が、室内温度を設定温度に維持可能な恒温室内に収納されている請求項1〜4のいずれか1項記載の吸着特性測定装置。
  7. 前記恒温室内の熱交換媒体温度を、恒温状態に設定する温度設定機構を備え、前記恒温室内の熱交換媒体を流動させる流動機構が備えられている請求項6記載の吸着特性測定装置。
  8. 前記熱交換媒体が不活性ガスとされ、恒温室が防爆構造とされる請求項7記載の吸着特性測定装置。
  9. 前記温度設定機構として、前記恒温室内の熱交換媒体を加熱可能な加熱用温度設定機構と、前記熱交換媒体を冷却可能な冷却用温度設定機構とを備え、前記熱交換媒体の温度を設定するに、前記加熱用温度設定機構および冷却用温度設定機構を働かせて、前記温度を設定する請求項7又は8記載の吸着特性測定装置。
  10. 所定第一容積のリザーバ内に被吸着ガスを収納して、平衡状態におけるガスの温度及び圧力を第一状態量として測定するとともに、
    前記被吸着ガスを吸着する試料を収納する試料管と前記リザーバとを含む、所定第二容積の測定装置本体内へ、前記リザーバから前記被吸着ガスを拡散させ、平衡状態におけるガスの温度及び圧力を第二状態量として測定し、
    前記第一状態量と前記第二状態量から前記試料のガス吸着特性を得る吸着特性測定方法であって、
    前記リザーバ、試料管および両者を接続する接続管を含む複数部位の温度により前記測定装置本体内のガスが平衡状態にあるかどうかを判別し、平衡状態にあると判別された状態における前記第一、第二状態量から、前記ガス吸着特性を導出する吸着特性測定方法。
  11. 前記複数部位として、少なくともリザーバ内部位、試料管内部位、接続管内部位及び前記接続管に設けられるバルブ部位が含まれ、各部位間の温度差が所定値以下に到達することで、前記平衡状態にあると判別する請求項10記載の吸着特性測定方法。
  12. 記第一状態量および前記第二状態量から前記ガス吸着特性を得るに、状態方程式から求まる前記被吸着ガスのモル数を使用する請求項10または11記載の吸着特性測定方法。
  13. 少なくとも前記リザーバ、試料管、接続管を、熱伝導率0.05W/(m・℃;at24℃)以下に断熱する請求項10〜12のいずれか1項記載の吸着特性測定方法。
  14. 前記試料が前記被吸着ガスを吸着した状態にあり、さらに、前記試料に前記被吸着ガスを追加吸着させて前記ガス吸着特性を導出する請求項10〜13のいずれか1項記載の吸着特性測定方法。
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