JP2008544450A - 圧入ピン - Google Patents

Abstract

圧入ピンは、例えばプリント基板などの基板に配置された伝導性貫通孔内に圧入される。圧入ピンは、接触部と、肩部と、圧入部と、先端部とを含む。接続部は肩部と共に、プリント基板に取り付けられるためにコネクタのハウジング内に挿入され、それによってコネクタの端末となる。圧入部は肩部の下位部から下方へ螺旋状に延在し、先端部に接続されている。圧入部は弾性変形特性を有する。従って、圧入部は貫通孔に干渉し、それによって圧入ピンがプリント基板に機械的に固着される。
【選択図】図１

Description

本発明は概して、プリント基板に配置された貫通孔に圧入される圧入ピンに関する。

近年、環境問題の意識の増加によって、鉛材料を用いたはんだ付け接合技術の代替物として、圧入ピンまたは弾性ピンを用いた接合技術に注目が集まっている。

圧入ピン接合技術は、圧入ピンの幅よりも僅かに小さい直径を有するプリント基板の貫通孔内に圧入ピンを挿入し、それにより摩擦力を保証することによって、圧入ピン、または、圧縮弾性特性を有する針状の端末である弾性ピンをプリント基板に機械的に固着するためのものである。プリント基板に配置された圧入ピンには、例えばオスコネクタなどの部品が取り付けられ、それによって、無鉛の機械的及び電気的相互接続を可能にする。

圧入ピンは、プリント基板の貫通孔の内面と圧力をかけあいながら接触する圧入部を含む。圧入部は、金属板からピンのような型に打ち抜き、その後生じたピンの中央に長手方向にスリット（ほんのわずかの隙間）を形成することによって製造されてもよい。

圧入ピンの接続の信頼性における基本的性能を保証するためには、事実上の接触域を十分に保証し、適切な接触圧を維持することが必要である。例えば、接触圧が小さすぎる場合、事実上の接触域が不足し、その結果、接続の信頼性悪化に結びつく。対照的に、より高い接触圧を得るために、より大きなサイズと形の圧入ピンを用いることによって接触圧が増加した場合、不適切な挿入力によってプリント基板の一部に亀裂が入る可能性がある。さらに、圧入ピンは損傷を受ける可能性がある。これによって、電気的接触抵抗の増加を引き起こす可能性がある。

圧入ピンは、例えばプリント基板などの基板に配置された伝導性の貫通孔内に圧入される。圧入ピンは、接触部、肩部、圧入部、及び先端部を含む。接触部は肩部と共に、プリント基板に取り付けられたコネクタのハウジング内に挿入され、それによってコネクタの端末となる。圧入部は、肩部の下位部から下方へ螺旋状に延在し、そして先端部に接続されている。圧入部は弾性変形特性を有する。従って、圧入部は貫通孔と干渉し、それによって圧入ピンがプリント基板に機械的に固着される。

本発明の他の観点及び効果は、以下の記載及び添付した特許請求の範囲から明らかとなる。

図１は、本発明の一実施形態による圧入ピンの斜視図であり、圧入ピンが例えばプリント基板などの基板内に挿入されているところである。図１に示されているように、圧入ピン１はプリント基板２に形成された貫通孔３内に圧入される。貫通孔３の内面３aはメッキされており、貫通孔３の開口部は回路パターン（図示せず）の外形の一部を形成する。プリント基板２内に圧入される圧入ピン１は、オスコネクタを圧入ピン１に機械的に固着し（図示せず）、オスコネクタの端末となる。プリント基板２に取り付けられたオスコネクタは、嵌合対となるコネクタ、即ちメスコネクタと接続し、それによって両方のコネクタの端末を電気的に相互接続するように構成されている。

圧入ピン１は、例えば銅合金などの金属板から所定の形のピンの型に打ち抜き、打ち抜かれたピンをプレスし、さらにプレスされたピンをねじることによって製造されてもよい。圧入ピン１は、あるいは他の公知の材料と方法を用いて形成されてもよい。圧入ピン１は典型的に、接触部１１、肩部１２、圧入部１３、及び先端部１４を含む。圧入ピン１のサイズは大体において、プリント基板２、及び、例えばプリント基板２に利用されたコネクタなどの部品のサイズ及び形によって決まる。

接触部１１は、プリント基板２に取り付けられるオスコネクタのハウジング内に肩部１２と共に挿入されることにより、最終製品としてのオスコネクタの端末となる。従って、接触部１１はメスコネクタの端末と電気的に接触することが可能である。肩部１２は、オスコネクタのハウジング内に配置された収容部（図示せず）に嵌合してオスコネクタに機械的に固着し、それによってハウジングに対する端末の位置を適切に保証することができる。圧入部１３は、肩部１２の下位部から下方へ螺旋状に延在する。圧入部１３は、貫通孔３の内面３aと摩擦接触をし、それによって圧入ピン１自体を固着することができる。この目的を達成するために、圧入部１３は弾性的に変形可能であり、圧入部１３のサイズは貫通孔３の直径より僅かに大きくなるように選択される。例えば、圧入部１３の一部に長手方向にスリット（ほんのわずかの隙間）１５が形成されていてもよく、そのスリット１５を有する部分は長手方向に沿って外側へ螺旋状に拡大されており、そのねじれによって圧入部１３を左右または半径方向に弾性的に変形可能にする。先端部１４は圧入部１３の下位部に配置されている。先端部１４は、貫通孔３内への圧入過程において、位置調整機構及び配置機構としての機能を果たす。

図２は、本発明の一実施形態による圧入ピンを詳細に示したものである。圧入ピンは、圧入ピン１の一部が長手方向に螺旋状にねじられていることを特徴とする。

図２を参照すると、接触部１１はその先端にテーパ部２１を含む。接触部１１は、上述したようにオスコネクタの端末としての機能を果たす。肩部１２は、接触部１１に近接した端部に配置されている。肩部１２は、他の形状に反して断面が長方形となっている。肩部１２は、圧入部１３の幅を超えて外側へ延在する。肩部１２は、たとえ過大な挿入力が圧入ピン１に加えられた場合でも、貫通孔３の開口部３bと係合し、圧入ピン１がプリント基板２の貫通孔３内を通り抜けるのを防止する。

圧入部１３は、弾性変形に従って圧力をかけあいながら接触することによって、貫通孔３の内面３aと摩擦接触する。圧入部１３は、２つの螺旋構造を有しスリット１５を形成する２つのアーム部２２を備えている。具体的には、肩部１２から分岐したアーム部２２は螺旋状に延在し、そして合併し先端部１４に接続されている。この構成によって、圧入部１３は、実質的に圧入ピン１の縦軸に沿って螺旋方向に弾性的に変形可能であり、それによって適切な摩擦力を得る。さらに圧入過程において、圧入部１３は、貫通孔３の内面３aから例えば酸化膜や塵などの付着物を事実上取り除く。その上、圧入部１３と貫通孔３との間の事実上の接触域が増加し、それによって電気的接触抵抗の減少に結びつく。圧入部１３の下位部は、挿入過程の初期段階における貫通孔３との過剰な干渉を減らすために、先細りの形状であってもよい。圧入部１３の外縁または外隅２３、及び、圧入部１３に続く先端部１４は、面取りされていても丸みをつけられていてもよい。

図３及び図４は、圧入ピン１がプリント基板２の貫通孔３内に挿入されているときに圧入ピン１に作用する力を示したものである。便宜的に、プリント基板２と同じ平面がX方向とY方向によって定義されており、プリント基板２に垂直な方向、即ち挿入方向がZ方向として定義されている。ここで図３を参照すると、挿入過程の初期段階において、螺旋状にねじられた構造を有する圧入部１３は、貫通孔３の開口部３bと干渉する。さらに挿入が進行するにつれて、螺旋構造によって、内面３aに対する螺旋方向の反力、特に、接線方向及び半径方向に対応する反力のFx及びFy成分は、圧入部１３を弾性的に変形可能にし、それによって圧入部１３は適切な接触圧で貫通孔３と干渉する。挿入過程において、圧入部１３の外縁２３が螺旋構造によって貫通孔３内に斜め方向に入り込むため、貫通孔３に対する載荷圧力は事実上分散され、それによって挿入力が急変する事態が軽減する。従って、圧入ピン１の破損及びプリント基板２への損傷を防止することが可能である。さらに、図５に示されているように、圧入ピン１が所定の位置まで圧入されるとき、貫通孔３の内面３aと干渉する圧入部１３の一部によって、圧入ピン１は螺旋方向に作用する適切な接触圧によって機械的に保持される。圧入部１３は、圧力をかけあいながら内面３aと螺旋状に接触する。従って、直線の場合に比べて事実上の接触域が長くなる。事実上の接触域の増加によって摩擦力が増加し且つ電気的接触抵抗が減少し、それによって圧入ピン１がプリント基板２の貫通孔３にしっかりと固着される。

図６〜８は、図５に示された貫通孔３内に圧入された圧入ピン１の断面図である。これらの図面から明らかなように、圧入部１３の外縁２３は内面３aと接触し、放射線状の弾性力によって内面３aをわずかに外側に押圧する。

上述の実施形態はスリットを有する圧入ピンを取り入れて説明されているが、この開示の利益を得る当業者は、ここに開示された本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の変形例を適用可能であることが理解できるであろう。

図９は、本発明の他の実施形態による圧入ピンの斜視図である。図９に示されているように、圧入ピン１は、圧入部１３を構成するアーム部２２を支持する壁９１を含む。言い換えれば、圧入部１３にはスリットが形成されていない。具体的には、図１０〜１２に示されているように、圧入部１３の断面は実質的にI字型である。壁９１は、過大な挿入力による圧入ピン１の不適切なねじれを防止するとともに、上述の実施形態と比較して横方向T（図１０）への弾性変形を制限することがある。しかし圧入部１３は圧入中に、螺旋構造によって螺旋方向に弾性的に変形可能であり、従って、横方向Tへの弾性変形なしで接触圧が適切に保証されることが可能である。

加えて、圧入部１３の外縁２３が貫通孔３内に螺旋方向に入り込むため、プリント基板２に対する載荷圧力が事実上分散され、そしてその結果、プリント基板２への損傷を防止することが可能である。さらに、圧入部１３と貫通孔３との間の事実上の接触域が増加し、従って、貫通孔３との摩擦力が増加する一方で電気的接触抵抗が減少する。

詳細が上述された様々な構成の結果として、本発明の実施形態は、そのうちのいくつかが上述されている以下の効果を１つ以上含むことができる。本発明の一実施形態によると、例えば、圧入ピンの圧入部は螺旋構造を有する。この構造によって、圧入部は螺旋方向に弾性的に変形可能であり、プリント基板の貫通孔との摩擦力が適切に保証される。圧入過程において、圧入部は、貫通孔の内面から例えば酸化膜や塵などの付着物を取り除く。さらに、圧力部と貫通孔との間の事実上の接触域が増加し、それによって電気的接触抵抗が減少する。

挿入過程において、圧入部の外縁は、螺旋構造によって貫通孔内に斜め方向に入り込む。従って、プリント基板に対する載荷圧力が分散され、それによって挿入力が急変する事態が軽減する。従って、圧入ピンの破損及びプリント基板への損傷を防止することが可能である。

さらに、圧入部の下位部は先細りになっていてもよい。従って、圧入の初期段階における貫通孔との過剰な干渉を防止することが可能である。

本発明は限られた数の実施形態に関して記載されているが、この開示の利益を得る当業者は、ここに開示された本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を考案可能であることが理解できるであろう。従って、本発明の範囲は添付した特許請求の範囲によってのみ制限されるべきである。

本発明の一実施形態による圧入ピンの斜視図であり、圧入ピンがプリント基板内に挿入されているところである。 本発明の一実施形態による圧入ピンの斜視図である。 本発明の一実施形態による圧入ピンの長手方向断面図であり、圧入ピンがプリント基板内に圧入される直前である。 図３に示された線IV−IVに沿った圧入ピンの横方向断面図である。 プリント基板内に所定の位置まで挿入された圧入ピンの長手方向断面図である。 図５の線VI−VIに沿った圧入ピンの横方向断面図である。 図５の線VII−VIIに沿った圧入ピンの横方向断面図である。 図５の線VIII−VIIIに沿った圧入ピンの横方向断面図である。 本発明の一実施形態による圧入ピンの斜視図である。 本発明の一実施形態による、プリント基板に挿入された圧入ピンの横方向断面図である。 本発明の一実施形態による、プリント基板に挿入された圧入ピンの横方向断面図である。 本発明の一実施形態による、プリント基板に挿入された圧入ピンの横方向断面図である。

Claims (10)

1. 接触部と、
   前記接触部に接続され、螺旋形状に構成された圧入部と、
   前記圧入部に接続された先端部とを備えた、伝導性である基板の貫通孔と機械的且つ電気的に接続するための圧入ピンであって、
   前記圧入部は、前記圧入部の縦軸に実質的に垂直な少なくとも１つの横方向における前記伝導性貫通孔の内面との干渉によって弾性的に変形されることを特徴とする前記圧入ピン。
2. 前記接触部と前記圧入部との間に配置され、前記圧入部を越えて横方向に延在する肩部をさらに備えた請求項１に記載の圧入ピン。
3. 前記圧入部は、前記縦軸に沿って螺旋状に延在するスリットを形成する第１のアーム部及び第２のアーム部を有することを特徴とする請求項１に記載の圧入ピン。
4. 前記圧入部の外縁は面取りされていることを特徴とする請求項３に記載の圧入ピン。
5. 前記圧入部は、前記縦軸に沿って螺旋状に拡大した壁によって支持された第１のアーム部及び第２のアーム部を備えていることを特徴とする請求項１に記載の圧入ピン。
6. 前記圧入部の外縁は面取りされていることを特徴とする請求項５に記載の圧入ピン。
7. 前記圧入部は前記先端部に向けて先細りになっていることを特徴とする請求項１に記載の圧入ピン。
8. 接触部、前記接触部に接続され、螺旋形状に構成された圧入部、及び、前記圧入部に接続された先端部を備えた圧入ピンを準備するステップと
   前記圧入ピンを基板の貫通孔に挿入し、それによって前記圧入ピンに変形をもたらすステップとを備えた、電気的圧入接続を形成する方法であって、
   前記圧入部は、前記圧入部の縦軸に実質的に垂直な少なくとも１つの横方向における伝導性の前記貫通孔の内面との干渉によって弾性的に変形されることを特徴とする方法。
9. 前記圧入部は、前記縦軸に沿って螺旋状に延在したスリットを形成する第１のアーム及び第２のアームを有することを特徴とする請求項８に記載の方法。
10. 前記圧入部は、前記縦軸に沿って螺旋状に拡大した壁によって支持された第１のアーム部及び第２のアーム部を備えていることを特徴とする請求項８に記載の方法。
    

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