JP2008540410A - C1炭化水素のハロゲン化c1炭化水素への酸化的ハロゲン化 - Google Patents

C1炭化水素のハロゲン化c1炭化水素への酸化的ハロゲン化 Download PDF

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Abstract

反応器へのフィード中23/1以上のハロゲン源に対するC反応物炭化水素のモル比で、そして/あるいは反応器へのフィード中約46/1以上の酸素源に対するC反応物炭化水素のモル比で、希土類ハロゲン化物あるいは希土類オキシハロゲン化物の触媒の存在において、メタン、ハロゲン化C炭化水素またはこれらの混合物をハロゲン源および酸素源と接触させて、Cl反応物炭化水素と比較して少なくとも1個以上のハロゲンを有するハロゲン化Cl生成物、好ましくは塩化メチルを製造することを包含する酸化的ハロゲン化法。有利なこととしては、この方法は、ハロゲン源と酸素源が全部変換するまで実施可能である。有利なこととしては、この方法は、別々の触媒ハロゲン化段階をパルス、スイングあるいは循環床の方式で使用することにより、反応器までのフィード中に本質的にハロゲンが無くとも実施可能である。ハロゲン化メチルの製造は、有価汎用化学品を製造するための下流工程に集積化可能である。

Description

関連出願の相互参照
この出願は、2005年5月4日出願の米国特許出願番号60/677,591の利益を主張する。
本発明は、メタンおよびハロゲン化C炭化水素を酸化的ハロゲン化する方法に関する。この議論の目的には、用語「酸化的ハロゲン化」は、触媒の存在においてC反応物炭化水素と比較して少なくとも1個の更なるハロゲン置換基を有するハロゲン化C生成物の形成に充分な工程条件下でメタンまたはハロゲン化C炭化水素(「C反応物炭化水素」)がハロゲン源および酸素源と接触される方法を指すものとする。この方法の例として、触媒の存在においてメタンを塩化水素および酸素と接触させて、塩化メチルを形成することが参照される。
塩化メチルなどのモノハロゲン化メタンは、シリコーンおよび高ハロゲン化メタンの製造において、そして中間品として多数のメタノール、ジメチルエーテル、軽質オレフィン、ガソリン、塩化ビニルおよび酢酸などの汎用化学品の製造において有用性を見出す。ジクロロメタンなどの高ハロゲン化C化合物は、溶剤として、シリコーンの製造における、そしてセルロース、アルコールおよびフェノールのメチル化またはエーテル化における中間品として有用性を見出す。
粗油の供給および入手が更に不確実となるにつれて、炭化水素と燃料の代替源に探査が進行している。主にメタンから構成される天然ガスの大きな鉱床は、世界中の多くの場所において発見されるために、主として低分子量のアルカンを含有する天然ガスの高分子量の炭化水素への変換が考慮を集めてきた。加えて、低分子量アルカンは、一般に石炭鉱床中に存在し、そして採鉱操作時、種々の石油工程時、および石炭、タールサンド、油頁岩およびバイオマスなどの合成燃料原料のガス化または液化時に生成可能である。石油の探査において、燃料または化学原料としての使用に対して僅かなローカルマーケットしか存在しない世界の遠隔部で大量の天然ガスがしばしば発見される。
易入手性の天然ガスは、典型的には、ローカルマーケットで住居用、商用および工業用用途の燃料として使用される。典型的には、燃料として使用される材料は、化学原料に対して要求される価格以下の価格で取引される。それゆえ、天然ガスの化学原料としての使用は高価値な用途である。しかしながら、燃料用または原料用であれ、入手性は、遠隔地のガスの有効かつ広範な使用に対する主な障害である。不利なこととしては、巨大な量の天然ガスは、ガスの形での輸送が効果的に不可能であり、遠隔の地理的地域においてフレアで燃やされるか、あるいは放出される。
有用な化学原料、好ましくは液体原料への天然ガスの転換は、遠隔地から低分子量炭化水素を輸送する問題に対して有望な解決策を提供するが;この種の転換は石油化学およびエネルギー工業に対して特別な挑戦を提起する。遠隔地の天然ガスの利用に現在使用される主流の技術は、水素と一酸化炭素の混合物の合成ガス(合成ガス)に転換し、合成ガスが引き続いて液体生成物に変換されることを伴う。合成ガスは、例えばフィッシャー・トロプシュ技術により合成粗油に変換可能であり;そして合成粗油は、典型的にはの精製方法を用いて輸送燃料にグレードアップ可能である。別法としては、合成ガスは、メタノールなどの液体酸素化物に変換可能であり、これは、ゼオライト触媒により更に慣用の輸送燃料に変換可能である。
合成ガス処理は、天然ガスを有用な化学製品に変換可能である易輸送性液体に変換する手段を提供する一方で、このような処理に伴う中間段階、すなわち合成ガスの形成は高コストである。したがって、メタンを更に有価な化学原料に直接に変換する代替の低コスト手段を求める探索が継続している。
メタン活性化の潜在的な代替経路は、第1段階においてこれを酸化的ハロゲン化して、メタノール、ジメチルエーテル、軽質オレフィン、ガソリンを含む高級炭化水素ならびに塩化ビニルおよび酢酸などの有価な汎用化学品に変換可能な、ハロゲン化メチルまたは他の低ハロゲン化メタン、例えばジハロメタンを形成することを伴う。塩素ハロゲン化に適用される場合、この経路は、「塩素援用」の経路と呼ばれており、2段階工程(1)および(2)
CH+HCl+1/2O→クロロメタン+HO(1)
クロロメタン→化学生成物+HCl(2)
により表現可能である。このような反応スキームが実用的であるためには、第2段階で発生する塩化水素がこの工程の第1段階に再循環されなければならない。
典型的には、先行技術の酸化的ハロゲン化法、例えば(特許文献1)号および(特許文献2)は、最終使用に依って、塩化メチルおよびジクロロメタンなどの低ハロゲン化生成物よりも低価値をもたらす、四塩化炭素などの大量のペルハロゲン化生成物を生成する。更なる難点として、先行技術の方法は、許容し得ない量の重酸化生成物(CO)、特に一酸化炭素および二酸化炭素を生成する。酸化生成物の生成は、C炭化水素フィードを不可逆的に消費し、そして生成物分離および副生成物処分の問題を生じる。更なる難点として、先行技術の方法は、塩素源の目標利用を減少させ、工程装置に対して腐食性であり、そして更なる分離段階を必要とし得る元素状塩素を生成する。更なる難点として、これらの工程において触媒として使用される多数の遷移金属ハロゲン化物は、反応温度において著しい蒸気圧を呈する。この揮発性は、一般に、触媒活性の減少および/またはこの工程装置の下流部における腐食性材料の堆積を生じる。
(特許文献3)および(特許文献4)により例示されている他の技術は、希土類ハロゲン化物あるいは希土類オキシハロゲン化物の触媒の存在において、銅または鉄の実質的な不在においてC炭化水素を塩素源および、場合によっては酸素源により酸化的ハロゲン化して、塩化メチルを生成させることを開示している。ハロゲン源に対するC反応物炭化水素のモル比は、約1/1以上〜約20/1未満の範囲にあることが開示されている。酸素源に対するC反応物炭化水素のモル比は、約2/1以上〜約20/1未満の範囲にあり、約2/1〜約10/1が好ましいことが開示されている。有利なこととしては、この開示されている方法は、より多量の有価のモノ−およびジハロゲン化生成物と、より少量の高ハロゲン化生成物を生じる。しかしながら、この方法は、流出物流中に大量の未変換塩化水素を生じる。塩化水素と副生成物の水は、工程に再循環するために無水の塩化水素を分離することが困難であり、費用のかかる共沸物を形成する。更には、反応物炭化水素と酸素の混合物の取り扱いは安全の問題を提起する。最後に、望ましいこととしては、この触媒は、工程生産性を改善するために高温度で運転されなければならないが;高温度は所望のハロゲン化C生成物への選択率を低下させる。このように、(特許文献3)は他の先行技術の方法と比較して利点をもたらす一方で、この技術を商業化する場合には改善が望ましい。
米国特許第4,769,504号 米国特許第4,795,843号 米国特許第B1−6,452,058号 WO02/94749
本発明は、ハロゲン化C生成物を製造するための新規で改善された酸化的ハロゲン化法を提供する。
本発明は、C反応物炭化水素と比較して少なくとも1個以上の更なるハロゲンを有するハロゲン化C生成物を製造するのに充分な工程条件下で触媒の存在において、反応器中でメタン、ハロゲン化C炭化水素またはこれらの混合物から選択されるC反応物炭化水素をハロゲン源および酸素源と、接触させることを含んでなる。一つの重要な局面においては、本発明の方法は、ハロゲン源に対するC反応物炭化水素のモル比が23/1より上である反応器へのフィードについて;あるいは酸素源に対するC反応物炭化水素のモル比が約46/1より上である反応器へのフィードについて行われる。別法としては、この方法は、ハロゲン源に対するC反応物炭化水素のモル比が23/1より上であり、そして酸素源に対するC反応物炭化水素のモル比が約46/1より上である条件下で運転され得る。本発明の方法で使用される触媒は、鉄と銅を実質的に含まない希土類ハロゲン化物または希土類オキシハロゲン化物を含んでなるが、但し、セリウムが触媒中に存在する場合には、少なくとも1つの他の希土類元素も触媒中に存在するものとする。
有利なこととしては、本発明の酸化的ハロゲン化法は、メタンとハロゲン化C炭化水素から選択されるC反応物炭化水素を、反応物炭化水素と比較して少なくとも1個以上の更なるハロゲンを有するハロゲン化Cl生成物に変換する。本発明の方法は、ハロゲン源に対するC反応物炭化水素の高モル比でそして/あるいはC酸素源に対する反応物炭化水素の高モル比で運転される。これらの条件下で、C反応物炭化水素の変換は効果的に制限され、ハロゲン化C生成物、好ましくはモノハロゲン化C生成物への改善された選択率を生じる。約90モルパーセントより上のCハロゲン化生成物の選択率が典型的には達成される。更に有利なこととしては、一酸化炭素および二酸化炭素などの望ましくない酸素化物への低選択率が得られる。酸素化副生成物への低選択率は、反応物炭化水素の使用が効率的となること、所望のハロゲン化C生成物の生産性が高くなること、および分離および廃棄物処分問題が少なくなることに関係する。本方法発明から得られる選択率の利点によって、高い工程温度での運転が可能となり、有益なこととしては高い触媒生産性が得られる。
加えて、本発明の方法で使用される触媒は、アルミナまたはシリカなどの慣用のキャリアあるいは担体を必要としない。むしろ、有益なこととしては、本発明で使用される触媒は、触媒担体および触媒活性希土類成分源として独自の機能を示す希土類ハロゲン化物または希土類オキシハロゲン化物を含んでなる。有益なこととしては、先行技術の多数の不均質触媒と違って、本発明の希土類ハロゲン化物触媒は水に可溶である。したがって、有利なこととしては、フィルター、バルブ、循環用配管および反応器の小さな部品または複雑な部品などの工程装置がこの希土類ハロゲン化物触媒の粒子により閉塞したならば、単純な水洗浄によって閉塞粒子を溶解し、装置を正常運転に回復させることができる。更なる利点として、本発明で使用される希土類ハロゲン化物と希土類オキシハロゲン化物触媒は、許容し得る反応速度と長い寿命の証拠を呈する。これらの触媒の不活性化は試験された運転時間にわたって本質的には観測されなかった。
本発明の好ましい態様においては、有利なこととしては、この方法を操作して、工程生産性を増加させ、そして流出物の分離および再循環の問題を減少させるか、あるいは無くすることもできる。特に、この方法は、ハロゲン源を本質的に完全に変換するまで運転され、工程に再循環するために生成物流から未変換ハロゲン源の無水の流れを分離するのに必要とされる費用と努力を回避し得る。このような分離の努力は、典型的には、生成物流
中の副生成物の水の存在により複雑化される。水と未変換ハロゲン源、例えば塩化水素は、工程装置に対して高腐食性で、分離困難である共沸混合物を形成する。ハロゲン源を本質的に完全に変換するまで運転することにより、本発明の好ましい方法は、前述の問題を回避する。
もう一つの好ましい態様においては、本発明の方法は、予めハロゲン化された触媒上でハロゲン源流の不在において運転され得る(すなわち、メタンと酸素のみであり、反応器へのフィードは本質的に無限大に等しいハロゲン源に対するC反応物炭化水素のモル比を有するか;あるいは、別法としては、C反応物炭化水素に対するハロゲン源のモル比は本質的にゼロである。前述の比に関しては、用語「本質的に無限大」および「本質的にゼロ」は、ハロゲン源がC反応物炭化水素および酸素と共に反応器にフィードされず、そしてフィード中のハロゲン源の濃度が約0.5容量パーセント未満、好ましくは約0.1容量パーセント未満である場合に成り立つ。)。有利なこととしては、この運転方法は、ハロゲン化C生成物の選択率を本質的に100モルパーセントまで増加させ、一方では、有利なこととして、工程に再循環するために生成物流から未変換ハロゲン源を分離する必要性を無くする。ハロゲン源流の無い工程運転は、以降に詳細に説明するように、限定ではないが、パルス方式、スイング方式または循環床反応器を使用することによる触媒の周期的なハロゲン化により維持可能である。この運転方式においては、この触媒は、触媒およびハロゲン源の両方として機能する。
もう一つの好ましい態様においては、本発明の方法を操作して、酸素源を本質的に完全に変換するまで運転し;ハロゲン化C生成物の選択率を本質的に100パーセントまで増加させ、炭化水素と酸素の混合物の取り扱いに関連する安全問題を低減し、そして炭化水素からの酸素の下流での分離を不用とし得る。最後に、本発明の他の好ましい態様においては、この方法を高温度で運転して、有益なこととしては、所望のハロゲン化C生成物への選択率を殆ど、あるいは全く犠牲とせずに、触媒生産性を増加させることができる。
前述の性質のすべてによって、本発明の方法は、下流の工業的な化学工程における多数の使用のためにメタンおよびハロゲン化C炭化水素を塩化メチルを含む高ハロゲン化C炭化水素に変換するのに独自に魅力あるものとなる。
本発明の酸化的ハロゲン化法においては、ハロゲン化C生成物、好ましくはモノハロゲン化C炭化水素生成物が更に好ましくは約90モルパーセントより上の選択率で製造される。なお更に好ましい態様においては、この方法は、本質的に100モルパーセントのハロゲン化C生成物への選択率を達成する。有利なこととしては、低レベルの望ましくないCO酸素化物(COおよびCO)が得られる。
この新規で改善された酸化的ハロゲン化法は、Cl反応物炭化水素と比較して少なくとも1個以上の更なるハロゲンを有するハロゲン化Cl生成物を製造するのに充分な工程条件下で触媒の存在において、反応器中でメタン、ハロゲン化C炭化水素またはこれらの混合物から選択されるC反応物炭化水素をハロゲン源および酸素源と接触させることを含んでなる。本発明の重要な局面においては、反応器へのフィードは、23/1より上のハロゲン源に対するC反応物炭化水素のモル比で維持される。別法としては、反応器へのフィードは、約46/1より上の酸素源に対するC反応物炭化水素のモル比で維持される。更なる代替法としては、反応器へのフィードは、ハロゲン源に対するC反応物炭化水素のモル比が23/1より上であり、そして酸素源に対するC反応物炭化水素のモル比が約46/1より上であるように維持される。本発明の酸化的ハロゲン化法で使用される独自の触媒は、鉄と銅を実質的に含まない希土類ハロゲン化物または希土類オキシハ
ロゲン化物を含んでなるが、但し、セリウムが触媒中に存在する場合には、少なくとも1つの他の希土類元素も触媒中に存在するものとする。
好ましい態様においては、この方法は、ハロゲン源を本質的に完全に変換するまで行われ、未変換ハロゲン源を回収し、再循環する努力を不用とさせるか、あるいは低減させる。用語「ハロゲン源を本質的に完全に変換すること」は、約95モルパーセントより上のハロゲン源の変換を意味すると意図される。
もう一つの好ましい態様においては、この方法は、酸素源を本質的に完全に変換するまで行われ、炭化水素と酸素の混合物に関連する分離および安全問題を不用とさせるか、あるいは低減させる。用語「酸素源を本質的に完全に変換すること」は、約95モルパーセントより上の酸素源の変換を意味すると意図される。
ハロゲン源と酸素源の両方が本質的に完全に変換するまで運転される場合には、未変換C反応物炭化水素、ハロゲン化C生成物、水および存在する場合には残存量のハロゲン源と酸素源を含んでなる生成物流が反応器からの流出物として得られる。この生成物流からハロゲン化C生成物と水が分離されて、未変換C反応物炭化水素および存在する場合には残存量のハロゲン源および酸素源を含んでなる再循環流を生じる。この再循環流は、典型的には、段階(a)において更なる処理をせずに反応器に直接にフィードされる。この触媒は、緩衝剤または吸着剤として作用して、再循環流から残存ハロゲン源を除去することができる。一般に、残存酸素は、存在する場合には、爆発性および可燃性限界よりも充分下であり、そして典型的には問題でない;しかし、上述の記述は熟練者が適当な注意を払うことから解放するものでない。
もう一つの好ましい局面においては、本発明は、ハロゲン化炭化水素生成物の製造から触媒ハロゲン化を分離することにより、改善された操作(engineering)を提供する。このような操作は、
(a)鉄と銅を実質的に含まない希土類ハロゲン化物または希土類オキシハロゲン化物を含んでなる触媒だが、但し、セリウムが触媒中に存在する場合には、少なくとも1つの他の希土類元素も触媒中に存在する、触媒を含む反応器の中にハロゲン源を含んでなるフィード流を導入し;
(b)反応器へのハロゲン源流を止め;
(c)フィード中のハロゲン源に対するC反応物炭化水素のモル比が本質的に無限大であるように、そして反応物炭化水素と比較して少なくとも1つの更なるハロゲン置換基を有するハロゲン化C生成物の製造に充分な工程条件下で、反応器の中にメタン、ハロゲン化C炭化水素またはこれらの混合物からなる群から選択されるC反応物炭化水素と酸素源を含んでなる混合物流を導入し;
(d)C反応物炭化水素と酸素源を含んでなるフィード流を止め;そして
(e)段階(a)〜(d)を交互して繰り返す
ことを含んでなる、パルスあるいはスイング方式で運転されることにより行われる。パルス方式の運転において、前述の方法は、典型的には、最初にハロゲンの、次にC反応物炭化水素と酸素の混合物の交互流を導入する、単一反応器中で行われる。スイング方式においては、触媒は、一方の反応器中でハロゲン源と反応され、C反応物と酸素源を含んでなるフィードは第2の反応器中で予めハロゲン化された触媒上で反応され;次にこの2つの反応器への反応物フィードは入れ替えられるか、あるいはスイングされる。ハロゲン化炭化水素の製造からの触媒ハロゲン化のこの分離は、循環床反応器中でも実施可能であり、この場合には触媒床の区分が炭化水素反応器から連続的に引き抜かれ、再生装置に送られ、そしてハロゲン源と反応される。引き続いて、このハロゲン化された触媒は炭化水素反応器に戻される。
パルス、スイングあるいは循環床の方式においては、予めハロゲン化された触媒がハロゲン源を提供するということを理解すべきである。このような環境下では、C反応物炭化水素および酸素の反応器へのフィード中のハロゲン源の濃度は、0.5容量パーセント未満、好ましくは約0.1容量パーセント未満であり、そして更に好ましくはハロゲン源がフィードされないために、本質的にゼロ(検出可能限界内で)に接近するということを理解すべきである。このように、反応器へのフィード中のハロゲン源に対するC反応物炭化水素のモル比は、23/1を大きく超えた値であり、そして無限大に効果的に接近するか、あるいは言い換えればフィード中のC反応物炭化水素に対するハロゲン源のモル比は、ゼロに効果的に接近する。
なお更に好ましい態様においては、本発明の方法は、好ましくは約95モルパーセントより上の選択率でメタンをハロゲン化メタンに酸化的ハロゲン化することを提供する。このなお更に好ましい態様においては、この方法は、反応器へのフィード中の23/1より上のハロゲン源に対するメタンのモル比および/または反応器へのフィード中の約46/1より上の酸素源に対するメタンのモル比において;反応条件下で、そして前述の希土類ハロゲン化物あるいは希土類オキシハロゲン化物の触媒の存在においてメタンをハロゲン源および酸素源と接触させることを含んでなる。
最も好ましい態様においては、本発明の方法は、メタンを酸化的モノ塩素化して、式(3)
CH+HCl+1/2O→CHCl+HO(3)
に示す化学量論的反応にしたがって塩化メチルを形成することを提供する。好ましくは、酸素に対するメタンのモル比は、この混合物の燃料リッチの爆発性および可燃性限界の外での運転に対して選択される。更に好ましくは、この方法は、反応器へのフィード中のハロゲン源に対するメタンが約30/1より上のモル比でそして/あるいは反応器へのフィード中の酸素源に対するメタンが約60/1より上のモル比において;上述のように銅と鉄を実質的に含まない塩化ランタンまたはオキシ塩化ランタンを含んでなる触媒の存在において、そして塩化メチルの形成に充分な反応条件下でメタンを酸素および塩化水素と接触させることを含んでなる。
メリットのあることとしては、本発明の新規な酸化的ハロゲン化法は、下流工程と集積化されて、ハロゲン化メチルをメチルアルコール、ジメチルエーテル、エチレン、プロピレンおよびブテンなどの軽質オレフィン;およびC5+ガソリンを含む高級炭化水素;ならびにハロゲン化ビニルモノマーおよび酢酸を含む、有価汎用化学品に変換し得る。これらの下流工程の詳細は以降に説明される。
本発明の酸化的ハロゲン化法で使用されるC反応物炭化水素は、この明細書で述べられている方法にしたがってハロゲン置換基を獲得する能力のある、メタン、ハロゲン化C炭化水素またはこれらの混合物を含んでなる。このハロゲン化C炭化水素のハロゲン置換基は、好ましくは塩素、臭素およびヨウ素からなる群、更に好ましくは塩素および臭素から選択される。1、2あるいは3個のハロゲン置換基がこのハロゲン化C炭化水素上に存在し得るが;本発明の目的には、このC反応物は少なくとも1個の炭素−水素結合を有し、四塩化炭素などのペルハロゲン化化合物を含んでなることはない。好ましくは、ハロゲン化C炭化水素を使用する場合には、塩化メチルまたはジクロロメタンにより例示されるように、1個または2個のみのハロゲン置換基が存在する。ブロモクロロメタンにより例示されるように、異なるハロゲン置換基がC炭化水素反応物中に好適に存在し得る。
ハロゲン化C炭化水素の好適な例は、限定ではないが、塩化メチル、臭化メチル、ヨ
ウ化メチル、ジクロロメタン、ジブロモメタン、ジヨードメタン、クロロホルム、トリブロモメタン、ブロモジクロロメタン、ヨードジクロロメタン、クロロジブロモメタン、ヨードジブロモメタンなどを含む。しかしながら、メタンが最も好ましいC反応物炭化水素である。このC反応物炭化水素は、後述するように純粋なフィード流として、あるいは不活性希釈剤により希釈されて、あるいは場合によっては更に不活性希釈剤と組み合わせたメタンとハロゲン化C炭化水素の混合物として酸化的ハロゲン化法に提供され得る。
本発明の方法で使用されるハロゲン源は、ハロゲン原子を反応物炭化水素に移動させる能力のある、いかなる無機あるいは有機のハロゲン含有化合物(あるいはこのような化合物の混合物)でもあり得る。ハロゲン源の好適な非限定的な例は、塩素、臭素、ヨウ素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素および1個以上の可動性ハロゲン置換基(すなわち、移動性ハロゲン置換基)を有するハロゲン化炭化水素を含み、後者は、好ましくはペルハロ炭素または2個以上のハロゲン原子を有する高ハロゲン化炭化水素である。可動性ハロゲン置換基付きのペルハロ炭素の非限定的な例は、四塩化炭素と四臭化炭素を含む。2個以上のハロゲン置換基を有し、その少なくとも1つの置換基が可動性である高ハロゲン化炭化水素の非限定的な例は、クロロホルムとトリブロモメタンを含む。好ましくは、このハロゲン源は、塩素源または臭素源、更に好ましくは、塩化水素または臭化水素、最も好ましくは塩化水素である。本発明の更なる局面においては、この触媒は予備ハロゲン化されて、ハロゲン化された触媒を形成し得る。本発明のこの態様においては、この触媒は、触媒およびハロゲン源として二重に機能し得る。
このハロゲン源は、所望のハロゲン化C生成物の製造に有効ないかなる量でも工程に提供され得る。典型的には、フィード中のハロゲン源の量は、特定の工程の化学量論、反応器設計および安全の考慮に依って変わる。広く言えば、フィード中のハロゲン源に対するC反応物炭化水素のモル比は、約1/1から本質的に無限(∞)までの範囲にあり得る。本発明の目的には、用語「無限大」は、約0.5容量パーセント未満の、好ましくは約0.1容量パーセント未満の反応器へのフィード中のハロゲン源の濃度に相関する。典型的には、このような酸化的ハロゲン化法に対しては、反応器へのフィード中のハロゲン源に対するC反応物炭化水素のモル比は、約1/1、好ましくは4/1より上であるが;本発明の目的には、ハロゲン源に対するC反応物炭化水素のモル比は、約23/1より上、なお更に好ましくは約40/1より上である。フィード中のハロゲン源に対するC反応物炭化水素のモル比の上限は、運転方式に依存する。ハロゲン源流の存在においては、典型的には、ハロゲン源に対するC反応物炭化水素のモル比は、約70/1未満、好ましくは約60/1未満、そして更に好ましくは約50/1未満である。パルス、スイングあるいは循環床の方式においては、ハロゲン源はC反応物炭化水素および酸素と共にフィードされず;したがって、フィード中のハロゲン源に対するC反応物炭化水素のモル比は、無限大に効果的に接近するか、あるいは言い換えればフィード中のC反応物炭化水素に対するハロゲン源のモル比は本質的にゼロであり、前記したように触媒それ自身がハロゲン源を提供する。
酸素源は、いかなる酸素含有ガスまたは本質的に純粋な分子状酸素、空気、酸素富化空気または酸素と、窒素、アルゴン、ヘリウム、一酸化炭素、二酸化炭素、メタンおよびこれらの混合物などの酸化的ハロゲン化法を妨害しない希釈剤ガスとの混合物などのこのようなガスの混合物であることができる。典型的には、このような酸化的ハロゲン化法に対しては、反応器へのフィード中の酸素源に対するC反応物炭化水素のモル比は、約1/1、好ましくは4/1より上であるが;本発明の目的には、酸素源に対するC反応物炭化水素のモル比は、約46/1、なお更に好ましくは約50/1より上、そして最も好ましくは約60/1より上である。連続流反応器においては、フィード中の酸素源に対するC反応物炭化水素のモル比は、典型的には、約140/1未満、好ましくは約120/
1未満、そして更に好ましくは約100/1未満である。
本発明の方法においては、ハロゲン源に対するC反応物炭化水素のモル比を23/1より上で維持すること;あるいは別法としては、酸素源に対するC反応物炭化水素のモル比を約46/1より上の値に維持すること;あるいは別法としては、両方の比を規定された高い値に維持することが必要とされる。前記モル比のいずれかにおいて運転することは、C反応物炭化水素の変換を有効に制限する。翻って、所望のハロゲン化C生成物への選択率は、著しくかつ予期しないほど増進される。上記の式(1)および(3)で示す化学量論基準で反応物C炭化水素の最大変換率を限定する目的には、ハロゲン源に対する反応物C炭化水素のモル比を23/1より上の値で維持することは、酸素源に対する反応物C炭化水素のモル比を46/1より上の値で維持することに同等である。
場合によっては、所望ならば、反応物炭化水素、ハロゲン源および酸素源を含んでなるフィードは、希釈剤または任意の本質的に非反応性ガス、すなわち、酸化的ハロゲン化法を実質的に妨害しないガスを構成するキャリアガスにより希釈可能である。この希釈剤は、反応器からの生成物および熱の除去と、多数の望ましくない副反応の数の低減を助け得る。好適な希釈剤の非限定的な例は、窒素、アルゴン、ヘリウム、一酸化炭素、二酸化炭素およびこれらの混合物を含む。代替の態様においては、この方法においてはメタンは反応性であるが、希釈剤として使用され得る。使用される希釈剤の量は、典型的には、反応物炭化水素、ハロゲン源、酸素源および希釈剤の合計モル数を含む反応器へのフィードの合計モル数基準で約10モルパーセントより上、好ましくは約20モルパーセントより上である。使用される希釈剤の量は、典型的には、反応器へのフィードの合計モル数基準で約90モルパーセント未満、好ましくは約70モルパーセント未満である。
本発明の酸化的ハロゲン化法で使用される触媒は、後述するように鉄と銅を実質的に含まない希土類化合物を包括的に含んでなる。更には、セリウムが触媒中に存在する場合、望ましいこととしては、少なくとも1つの更なる希土類材料が触媒中に存在する。この希土類は、スカンジウム(原子番号21)、イットリウム(原子番号39)およびランタナイド(原子番号57−71)からなる17族の元素[引用によりこの明細書に組み込まれている、James B.Hedrick,U.S.Geological Survey−Minerals Information−1997,「Rare−Earth Metals」]である。好ましくは、この明細書中では、この用語は、ランタン、セリウム、ネオジミウム、プラセオジミウム、ジスプロシウム、サマリウム、イットリウム、ガドリニウム、エルビウム、イッテルビウム、ホルミウム、テルビウム、ユーロピウム、ツリウム、ルテチウムおよびこれらの混合物から選択される元素を意味すると受け取られる。前述の酸化的ハロゲン化法で使用する好ましい希土類元素は、典型的には、単一原子価の金属であると考えられるものである。多原子価の金属の希土類化合物の触媒性能は、この明細書の後で説明するように、単一原子価の金属の希土類化合物よりも望ましくないように思われる。本発明用の希土類元素は、好ましくは、ランタン、ネオジミウム、プラセオジミウム、ジスプロシウム、イットリウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、触媒中で使用される希土類元素は、ランタンまたはランタンと他の希土類元素との混合物である。
好ましい局面において、この希土類オキシハロゲン化物または希土類ハロゲン化物は、化学量論的な式
MO
(式中、「M」は希土類元素または希土類元素の混合物を表し;「O」は酸素であり;「y」は0〜1.5の範囲の任意の数であり;「X」はハロゲン化物であり;そして「z」は0以上〜3.0の範囲の任意の数である)
により表され得る。
一つの好ましい形においては、この希土類ハロゲン化物は、式MX(式中、Mは、ランタン、セリウム、ネオジミウム、プラセオジミウム、ジスプロシウム、サマリウム、イットリウム、ガドリニウム、エルビウム、イッテルビウム、ホルミウム、テルビウム、ユーロピウム、ツリウム、ルテチウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの希土類元素であり;そしてXは塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンおよびこれらの混合物からなる群から選択される)により表される。更に好ましくは、Xは塩素イオンであり、そして更に好ましい希土類ハロゲン化物は式MCl(式中、Mは上記で定義されている)により表される。最も好ましくは、Xは塩素イオンであり、そしてMはランタンまたはランタンと他の希土類元素との混合物である。
もう一つの好ましい態様においては、この希土類ハロゲン化物は多孔質であり、典型的には、この希土類ハロゲン化物が約3m/gより上の、好ましくは約5m/gより上のBET表面積を有するということを意味する。更に好ましくは、このBET表面積は、約10m/gより上、なお更に好ましくは約15m/より上、一層好ましくは約20m/gより上、そして最も好ましくは約30m/gより上である。一般に、この希土類ハロゲン化物のBET表面積は約200m/g未満である。これらの上記の測定に対して、窒素吸着等温線は77Kで測定され、そして表面積はBET方法(S.Brunauer,P.H.Emmett,and E.Teller,Journal of the American Chemical Society,60,309(1938))を使用して等温線データから計算される。
更にもう一つの好ましい態様においては、本発明で使用される触媒は、式MOX(式中、Mはランタン、セリウム、ネオジミウム、プラセオジミウム、ジスプロシウム、サマリウム、イットリウム、ガドリニウム、エルビウム、イッテルビウム、ホルミウム、テルビウム、ユーロピウム、ツリウム、ルテチウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの希土類元素であり;そしてXは塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンおよびこれらの混合物からなる群から選択される)希土類オキシハロゲン化物を含んでなる。更に好ましくは、この希土類ハロゲン化物は、式MOCl(式中、Mは上記で定義されている)により表される希土類オキシ塩化物である。最も好ましくは、Mはランタンまたはランタンと他の希土類元素との混合物である。
好ましい態様においては、希土類オキシハロゲン化物も多孔質であり、オキシハロゲン化物に対しては一般に約12m/gより上のBET表面積を示唆する。好ましくは、この希土類オキシハロゲン化物は、約15m/gより上の、更に好ましくは約20m/gより上の、そして最も好ましくは約30m/gより上のBET表面積を有する。一般に、この希土類オキシハロゲン化物のBET表面積は約200m/g未満である。加えて、MOCl相はMCl相と異なる特性粉末X線回折(XRD)パターンを有するということが特記される。
この触媒は、反応器の中に好ましいMOXあるいはMXの形で装填し得るが、反応条件下でこの触媒の化学量論は、上記に同定された式[MO]により示唆される変形にしたがって工程中に変わり得る。
一般に、触媒中の酸化−還元(レドックス)能力のある金属の存在は望ましくない。レドックス金属は、典型的には、鉄、銅およびマンガンなどの1つ以上の安定な酸化状態を有する遷移金属を含む。本発明の希土類ハロゲン化物あるいはオキシハロゲン化物触媒は、銅と鉄を実質的に含まないことが特に必要とされる。用語「実質的に含まない」は、レドックス金属、好ましくは鉄または銅に対する希土類元素の原子比が約1/lより上、好ましくは約10/1より上、更に好ましくは約15/1より上、そして最も好ましくは約50/1より上であるということを意味する。加えて、ランタナイド希土類元素のセリウムは、+3および+4の酸化状態の両方になる能力を有する酸化−還元触媒であることが知られている。この理由で、希土類金属がセリウムである場合には、本発明の触媒は、セリウム以外の少なくとも1つ以上の希土類金属を更に含んでなる。好ましくは、希土類金属の一つがセリウムである場合には、このセリウムは触媒中に存在する他の希土類金属の全量未満のモル比で提供される。しかしながら、更に好ましくは、セリウムは触媒中に実質的に存在しない。「セリウムを実質的に含まない」とは、存在するいかなるセリウムも全希土類成分の約10原子パーセント未満の、好ましくは約5原子パーセント未満の、更に好ましくは約1原子パーセント未満の量で存在するという意味である。
本発明の代替の態様においては、前述の希土類ハロゲン化物あるいは希土類オキシハロゲン化物触媒は、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、多孔質アルミノシリケート(ゼオライト)、シリカ−マグネシア、ボーキサイト、マグネシア、炭化ケイ素、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、ジルコニウムシリケートまたはこれらの任意の組み合わせ物などの触媒担体に結合され、一緒に押し出され、あるいはその上に堆積され得る。この態様においては、担体上の活性希土類金属の全濃度は、典型的には、担体を含む触媒の全重量基準で約0.01重量パーセントより上、そして典型的には、約50重量パーセント未満である。
この触媒内に他の元素を含むことも有利であり得る。例えば、好ましい元素状添加物は、アルカリおよびアルカリ土類、ホウ素、リン、イオウ、ゲルマニウム、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムおよびこれらの組み合わせ物を含む。これらの元素は存在して、組成物の触媒性能を変えるか、あるいは材料の機械的性質(例えば、耐摩耗性)を改善することができる。好ましい態様においては、この元素状添加物はカルシウムである。触媒中の元素状添加物の全濃度は、典型的には、触媒の全重量基準で約0.01重量パーセントより上、そして典型的には、約20重量パーセント未満である。
この希土類ハロゲン化物および希土類オキシハロゲン化物の化合物は、商用で入手されるか、あるいは当分野で公表されている方法により製造され得る。多孔質の希土類オキシハロゲン化物(MOX)の形成に現在好ましいと思われる方法は、(a)水、アルコールまたはこれらの混合物のいずれかを含んでなる溶剤中の希土類元素ハロゲン化物の溶液を作製し;(b)塩基を添加して、沈澱の形成を引き起こし;そして(c)沈澱を集め、そして焼成して、MOXを形成する段階を含んでなる。好ましくは、このハロゲン化物塩は、希土類塩化物、例えば任意の市販の希土類塩化物である。典型的には、この塩基は、水酸化アンモニウム、アルキルアミン、アリールアミン、アリールアルキルアミン、水酸化アルキルアンモニウム、水酸化アリールアンモニウム、水酸化アリールアルキルアンモニウムおよびこれらの混合物から選択される窒素含有塩基である。この窒素含有塩基は、窒素含有塩基と窒素を含有しない他の塩基との混合物としても提供され得る。好ましくは、この窒素含有塩基は、水酸化アンモニウムまたは水酸化テトラ(アルキル)アンモニウム、更に好ましくは水酸化テトラ(C1−20アルキル)アンモニウムである。多孔質希土類オキシ塩化物は、希土類水酸化物あるいは酸化物の実質的な生成を回避するように注意が払われなければならないが、アルカリあるいはアルカリ土類水酸化物の適切な使用によっても、特に窒素含有塩基の緩衝により製造され得る。段階(a)における溶剤は好ましくは水である。一般に、この沈澱は約0℃より上の温度で行われる。一般に、この沈澱は、約200℃未満の、好ましくは約100℃未満の温度で行われる。使用される沈澱温度で液体相を維持するために、高い圧力を必要に応じて使用し得るが、この沈澱は、一般に、ほぼ外周の大気圧力で行われる。この焼成は、典型的には、約200℃より上の、好ましくは約300℃より上の、そして約800℃未満の、好ましくは約600℃未満の温度で行われる。混合カルボン酸と希土類塩化物の製造は、適切な分解時に希土類オキシ塩化物も生じることができる。
多孔質の希土類ハロゲン化物(MX)触媒の形成に現在好ましいと思われる方法は、(a)水、アルコールまたはこれらの混合物のいずれかを含んでなる溶剤中の希土類元素ハロゲン化物の溶液を作製し;(b)塩基を添加して、沈澱の形成を引き起こし;(c)沈澱を集め、そして焼成して、MOXを形成し;そして(d)焼成された沈澱ハロゲン源と接触させる段階を含んでなる。好ましくは、この希土類ハロゲン化物は、任意の市販の希土類塩化物などの希土類塩化物である。この溶剤および塩基は、MOXの形成に関連して前述したもののいずれかであり得る。好ましくは、上述のように、この溶剤は水であり、そしてこの塩基は窒素含有塩基である。この沈澱は、液体相を維持するために、約0℃より上で約200℃未満、好ましくは約100℃未満の温度、ほぼ外周の大気圧力または更に高い圧力で一般に行われる。この焼成は、約200℃より上、好ましくは約300℃より上、しかし約800℃未満、そして好ましくは約600℃未満の温度で典型的には行われる。好ましくは、このハロゲン源は、塩化水素、臭化水素またはヨウ化水素などのハロゲン化水素である。更に好ましくは、このハロゲン源は塩化水素である。ハロゲン源との接触は、典型的には、約100℃より上で約500℃未満の温度で行われる。ハロゲン源との接触の典型的な圧力は、ほぼ外周の大気圧力から約150psia(1,034kPa)未満の圧力の範囲にある。
上記のように、この希土類オキシハロゲン化物(MOX)化合物は、オキシハロゲン化物をハロゲン源により処理することにより希土類ハロゲン化物(MX)化合物に変換可能である。本発明の方法はハロゲン源を必要と0するので、酸化的ハロゲン化反応器中でこの希土類オキシハロゲン化物を塩素などのハロゲン源と接触させて、MX触媒を系内で形成することが可能である。別法としては、この希土類オキシハロゲン化物は、酸化的ハロゲン化工程を開始する前に前処理段階においてハロゲン化可能であり;そしてこの工程それ自身がハロゲンの連続的あるいは間欠的な流れ中で実施可能である。
本発明の酸化的ハロゲン化法は、バッチ、固定床、流動床、移動床、連続流および間歇流反応器、接触蒸留反応器およびパルス方式およびスイング方式の反応器を含む、ガス相反応に好適な任意の慣用の設計の反応器中で実施可能である。所望のハロゲン化C生成物、好ましくはモノハロゲン化C炭化水素生成物、更に好ましくは塩化メチルが得られるという前提ならば、工程条件(例えば、フィード成分のモル比、温度、圧力、ガスの時間当たりの空間速度)は変更可能である。本発明で使用される酸素源に対するC反応物炭化水素の高モル比においては、触媒生産性の増進のために高い工程温度が使用され得る。メリットとしては、生成物選択率を犠牲とすることなく高い工程温度が使用可能である。
それゆえ、一般に、工程温度は、約375℃より上、好ましくは約400℃より上、そして更に好ましくは約475℃より上である。一般に、工程温度は、約700℃未満、好ましくは約650℃未満、そして更に好ましくは約600℃未満である。通常、方法は大気圧で実施可能であるが;高圧あるいは低圧での運転が所望するように可能である。好ましくは、この圧力は、約14psia(97kPa)に等しいか、あるいは大きいが、約150psia(1034kPa)未満である。典型的には、全フィード(反応物炭化水素、ハロゲン源、酸素源および随意の希釈剤)の全重量の時間当たりの空間速度(WHSV)は、g触媒当り時間当たり約0.1グラム全フィード(時−1)より上、そして好ましくは約0.5時間−1以上である。典型的には、全フィードの全重量の時間当たりの空間速度は、約100時間−1未満、そして好ましくは約20時間−1未満である。
望ましいこととしては、この工程用の反応器は、触媒生産性を最大化するように設計され;ハロゲン化C生成物に対する選択率を最大化し;未変換ハロゲン源および酸素の量を最少化し;安全を最大化し;そして分離および再循環の努力を最少化する。好ましい反
応器設計はパルス方式とスイング方式を含む。パルス方式においては、触媒をハロゲン化するためにハロゲン源流が最初に行われる。次に、ハロゲン源流が停止され;そしてC炭化水素反応物および酸素源を含んでなる流れが触媒と接触されて、ハロゲン化C生成物を製造する。触媒を脱ハロゲン化により本質的に不活性化する場合には、炭化水素反応物および酸素源の流れが停止される。ハロゲン源流下で触媒のハロゲン化を再度開始し、この工程段階が運転の期間中交互性パルスで繰り返される。
パルス方式の変形において、この方法は、多反応器床を用いるスイング方式で運転され得る。典型的には、触媒を含有する2個以上の反応器床が使用される。スイング方式においては、ハロゲン源流が第1の触媒床と接触される。第1の触媒床を活性化したならば、ハロゲン源流が停止され、そして流れがスイングされて、もう一方の触媒床をハロゲン化する。他方の床を活性化しながら、C反応物炭化水素と酸素源を含んでなるフィード流が活性化された第1の触媒床と接触されて、ハロゲン化C生成物を製造する。第1の触媒床が脱活性化し、そして第2の触媒床が完全に活性化したときに、ハロゲン源が第1の触媒床と再度接触され、C炭化水素反応物と酸素源が第2の床と接触されるように、流れがスチッチあるいはスイングされる。スイング方式によって、パルス方式に特有の中断または休止時間無しで生成物の連続運転および製造が可能となる。パルスおよびスイング反応器は当分野で既知である。
もう一つの好適な反応器は、触媒床の一部が炭化水素オキシハロゲン化用の第1の反応器と触媒再生用の第2の反応器の間で連続的に循環される、循環触媒床付きの反応器を包含する。このように、C炭化水素反応物と酸素源を含んでなる混合物は、第1の反応器中でハロゲン化形の活性化された触媒と接触されて、ハロゲン化C生成物を形成し;一方、触媒の一部は触媒再生反応器中でハロゲン源下で連続的に再生される。
上述の本発明のいかなる態様においても、ハロゲン源の変換を本質的に完結するまで進め、生成物流中の未変換ハロゲン源の量を最少とすることが好ましい。この方法で、反応器に再循環するために生成物流から未変換ハロゲン源の無水の流れを回収する、コストのかかる努力が回避される。酸素源の変換を本質的に完結するまで進めることも好ましい。生成物流中の未変換酸素の量は、少しでも存在する場合には、炭化水素と酸素の混合物の燃料リッチの爆発および燃焼性限界以下に入らなければならないために、後者の選択肢は、取り扱いの安全性の増大をもたらし、そして下流の酸素分離を回避する。更に好ましい運転方法においては、ハロゲン源と酸素源の両方の変換は本質的に完結まで進められる。
上述の方法で運転することにより、未変換C炭化水素反応物、ハロゲン化C生成物、水および存在するならば残存量のハロゲン源と酸素源を含んでなる生成物流が得られる。この生成物流は、蒸留および抽出などの慣用の手段により処理されて、ハロゲン化C生成物を回収し、そして工程の副生成物として形成される水を分離し得る。このような処理の後、未変換C炭化水素反応物および存在するならば残存ハロゲン源と酸素源を含んでなる再循環流は、更なる処理を行わずに酸化的ハロゲン化反応器まで直接に再循環される。この炭化水素再循環流中に存在し得るいかなる残存ハロゲン源も緩衝剤または吸着剤として作用して、残存ハロゲンを除去する酸化的ハロゲン化触媒により吸収可能である。
酸化的ハロゲン化法を上述のように行う場合には、反応物炭化水素と比較して少なくとも1つの更なるハロゲン置換基を有するハロゲン化C生成物が形成される。本発明の酸化的ハロゲン化法により有益に製造されるハロゲン化C生成物は、限定ではないが、塩化メチル、ジクロロメタン、臭化メチル、ジブロモメタン、ヨウ化メチル、クロロホルム、トリブロモメタンおよび一部トリハロゲン化反応物から出発して、四塩化炭素および四臭化炭素を含む。好ましくは、このハロゲン化C生成物はモノハロゲン化C炭化水素である。更に好ましくは、このハロゲン化C炭化水素生成物は、塩化メチルまたは臭化メチル;最も好ましくは塩化メチルである。
この明細書での説明の目的には、「変換率」は、本発明の酸化的ハロゲン化法において変換、すなわち反応されて、生成物を形成する、反応物化合物のモルパーセントと定義されるものとする。「反応物炭化水素の変換率」または「ハロゲン源の変換率」または「酸素源の変換率」が参照され得る。変換率は、考慮対象の特定の反応物、特定の触媒および特定の工程条件に依って変わる。典型的には、本発明の方法には、メタンまたは反応物ハロゲン化C炭化水素の変換率は、約0.5モルパーセントより上、好ましくは約1.0モルパーセントより上、そして更に好ましくは2.0モルパーセントより上である。典型的には、本発明の方法には、ハロゲン源の変換率は、約20モルパーセントより上、好ましくは約50モルパーセントより上、更に好ましくは約70モルパーセントより上、最も好ましくは約95モルパーセントより上である。典型的には、酸素源の変換率は、約20モルパーセントより上、好ましくは約50モルパーセントより上、更に好ましくは約70モルパーセントより上、そして最も好ましくは約95モルパーセントより上である。
本発明の目的には、「選択率」は、特定の生成物、例えばハロゲン化C生成物またはCOまたはCOなどの酸素化副生成物に変換される、変換されるメタンあるいは反応物ハロゲン化C炭化水素のモルパーセントと定義されるものとする。本発明の酸化的ハロゲン化法においては、C炭化水素反応物と比較して1個の更なるハロゲン置換基を有するハロゲン化C生成物(最も好ましくは、この生成物はメタンから出発する塩化メチルまたは臭化メチルである)への選択率は、典型的には約87モルパーセントより上、好ましくは約90モルパーセントより上、更に好ましくは約92モルパーセントより上、そして最も好ましくは約98モルパーセントより上である。最も好ましいメタン反応物に対しては、ジハロゲン化C炭化水素生成物、好ましくはジクロロメタンまたはジブロモメタンへの選択率は、典型的には約10モルパーセント未満、好ましくは約5モルパーセント未満であり;そしてトリハロゲン化あるいはペルハロゲン化生成物は本質的には見出されない。「トリハロゲン化あるいはペルハロゲン化生成物は本質的には見出されない」とは、変換メタンのモル数基準で合計約5モルパーセント以下の前記種がメタンから生成し、好ましくは約2モルパーセント以下の、そして最も好ましくは約1モルパーセント以下がメタンから生成するという意味である。
更なる利点として、本発明の好ましい態様においては、CO酸素化物(COおよびCO)などの低レベルの酸素化副生成物が生成する。典型的には、一酸化炭素および二酸化炭素への合計選択率は、変換メタンまたは変換C反応物炭化水素のモル数基準で約10モルパーセント未満、好ましくは約5モルパーセント未満、更に好ましくは約3モルパーセント未満である。驚くべきことには、反応物炭化水素と酸素を含んでなる流れのパルスあるいはスイング方式での使用は、望ましくなく、無駄な酸素化副生成物(CO)を増加させず;そして予期しないこととしては、ハロゲン化C生成物への望ましい選択率が維持される。この工程の高い運転温度を考慮すると、この結果はなおさら予期しなかったものである。
本発明の酸化的ハロゲン化法で生成するモノハロゲン化およびジハロゲン化C生成物は、メチルアルコール、ジメチルエーテル、エチレン、プロピレンおよびブテンを含む軽質オレフィン;C5+ガソリンを含む高級炭化水素;ハロゲン化ビニルモノマーおよび酢酸などの高価値の汎用化学品を製造するための下流工程におけるフィードとして利用可能である。塩化メチルをこのような汎用化学品に加工する条件は当分野で既知であり、簡単に後述される。
メチルアルコールを形成するハロゲン化メチルの加水分解は、引用によりこの明細書に組み込まれている、例えば米国特許第1,086,381号、米国特許第4,990,6
96号、米国特許第4,523,040号、米国特許第5,969,195号で開示されており、そしてG.Olah in Journal of the American
Chemical Society,1985,107,7097−7105およびI.Fells,Fuel Society Journal,10,1959,26−35で開示されている。メチルアルコールへの塩化メチルの加水分解の例に対して、この方法は、化学量論的反応(4)
CHCl+HO→CHOH+HCl(4)
により表現可能である。
例えば、アルミナ;好ましくは1〜12の拘束指数(Constraint index)を有する、ZSM−5などのZSM構造コードの種々のゼオライト;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびナトリウムエトキシドなどのアルカリおよびアルカリ土類金属水酸化物とアルコキシド;水酸化アルキルアンモニウムと種々のアミン、例えば、トリメチルアミン水酸化物およびピペリジン;遷移金属ハロゲン化物錯体、好ましくは白金、パラジウムおよびニッケルのハロゲン化物錯体およびこれらの混合物、更に好ましくは場合によってはH、KまたはNaなどのIA族あるいはIIA族元素のカチオンを含む、これらの塩化物錯体;およびIIA族元素(例えば、Mg、Ba)の金属酸化物/水酸化物を含む金属酸化物/水酸化物触媒;ならびにγ−アルミナまたは活性化炭素上に担持された遷移元素(例えば、V、Cr、Zr、Ti、FeまたはZn)のシリーズ全体を含む、多数の触媒はこの加水分解法に対して活性を呈する。
加水分解工程条件は、使用される特定の触媒およびアルキルハロゲン化物に依って変わる可能性がある。熱力学によりハロゲン化メチルを形成する逆反応(すなわち、式4の逆)が有利となるので、ハロゲン化メチルに対して過剰の水が典型的には使用されて、メチルアルコールに向かって平衡を移動させる。好ましくは、ハロゲン化メチルに対する水のモル比は、約1:1より上、更に好ましくは約5:1より上である。好ましくは、水/ハロゲン化メチルモル比は、約20:1未満、更に好ましくは約10:1未満である。一般に、この加水分解は、約85℃より上の、好ましくは約115℃より上の温度で行われる。一般に、この加水分解は、約600℃未満の、好ましくは約400℃未満の温度で行われる。この工程圧力は、低大気圧から超大気圧まで変わることができるが;一般に、約7psia(50kPa)より上、好ましくは約14psia(97kPa)より上から約725psia(4999kPa)未満、好ましくは約73psia(500kPa)未満の範囲にある。このハロゲン化メチルフィードの時間当たりの重量の空間速度(WHSV)は、典型的には、触媒当り時間当たり約0.1gフィードより上(時間−1)の値から約1000時間−1未満の値まで広く変わることができる。好ましくは、ハロゲン化メチルフィードの時間当たりの重量の空間速度は、約1時間−1より上から約10時間−1未満の範囲にある。
ハロゲン化メチルの変換率、フィード中のハロゲン化メチルに対する変換ハロゲン化メチルのモルパーセントは、特定の触媒および工程条件に依って変わる。一般に、メチルアルコールとジメチルエーテルは、触媒と工程条件に依って比が変わる、主要生成物である。この加水分解法と生成物分布の更なる詳細は、上記で引用された関連参照文献に見出される。好都合なこととしては、この加水分解法の共生成物であるハロゲン化水素は、ハロゲン源として消費される酸化的ハロゲン化反応器に再循環可能である。
本発明のもう一つの局面においては、メタンの前述の酸化的ハロゲン化により製造されるハロゲン化メチルは縮合されて、エチレン、プロピレン、ブテンおよびC5+ガソリンを含む高級炭化水素などの軽質オレフィンを形成することができる。塩化メチルがエチレンに変換される例に対しては、化学量論的反応は式(5)
2CHCl→CH=CH+2HCl(5)
により表現可能である。
上記から判るように、塩化水素などのハロゲン化水素がこの縮合工程の共生成物として生成する。再度、好都合なこととしては、このハロゲン化水素は酸化的ハロゲン化反応器に再循環され、ハロゲン源として消費可能である。
縮合工程を行う能力のあるいかなる触媒も使用可能である。例えば、米国特許第5,397,560号は、ハロゲン化メチルを軽質オレフィン、主としてエチレンとプロピレンに変換するために、DCM−2構造コードを有するアルミノシリケートを使用することを開示している。メチルアルコールを軽質オレフィンとガソリンに縮合することが知られている触媒もこの明細書で述べられたようにハロゲン化メチルを軽質オレフィンとガソリンに縮合するのに同じように使用可能である。このような触媒の非限定的な例は、好ましくは、1〜12の拘束指数を有する、ZSM−5、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−34、ZSM−35およびZSM−38などのZSM構造コードのゼオライト;ならびに種々のアルミノホスフェート(ALPO)およびシリコアルミノホスフェート(SAPO)を含む。1個以上の前述の触媒を開示している参考文献は、引用によりこの明細書に組み込まれている、米国特許第3,894,107号、米国特許第4,480,145号、米国特許第4,471,150号、米国特許第4,769,504号、米国特許第5,912,393号を含む。
一般に、この縮合工程は、エチレン、プロピレン、ブテン、または少なくとも1つのC5+炭化水素またはこれらの任意の混合物などの少なくとも1つの軽質オレフィンの製造に充分な縮合工程条件下で、ハロゲン化メチルを触媒と接触させることを伴う。この工程温度は、典型的には、約250℃より上、そして好ましくは約350℃より上である。この工程温度は、典型的には、約600℃未満、そして好ましくは約450℃未満である。この工程圧力は、低大気圧から超大気圧まで変わることができるが;一般に、約0.1psi絶対圧(689Pa)より上から約300psi絶対圧(2068kPa)未満が使用される。このハロゲン化メチルフィードの時間当たりの重量の空間速度(WHSV)は、典型的には、触媒当り時間当たり約0.1gフィードより上(時間−1)の値から約1000時間−1未満の値まで広く変わることができる。好ましくは、ハロゲン化メチルフィードの時間当たりの重量の空間速度は、約1時間−1以上から約10時間−1未満の範囲にある。前述の縮合工程の生成物分布は、特定なフィード、触媒および工程条件に依って変わる。軽質オレフィン、主としてエチレン、プロピレンおよびブテンを含んでなる生成物流は、典型的には、DCM−2触媒により得られる。主としてC5+ガソリンなどの重質炭化水素を含有する生成物流は、典型的には、ゼオライトZSM触媒により得られる。
本発明の更なる適用においては、ハロゲン化メチルの縮合から得られるエチレンは、ハロゲン化ビニルモノマー工程に直接にフィード可能であり、ここで、このエチレンは酸化的ハロゲン化触媒の存在においてハロゲン源、好ましくはハロゲン化水素、および場合によっては酸素源と接触される。好ましくは、酸素源が使用される。ハロゲン化ビニルモノマーを製造する目的のために、このハロゲン源および酸素源は、メタンの酸化的ハロゲン化と関連して前述したハロゲン源および酸素源のいずれかであることができる。ハロゲン化ビニルモノマーを製造する目的のために、この酸化的ハロゲン化触媒は、当分野の熟練者に既知の、アルカリあるいはアルカリ土類ハロゲン化物により促進された担持塩化銅などの担持銅触媒を含む、このような目的に既知のいかなる慣用の触媒でもあることができる。慣用の触媒を使用する場合には、引き続いてハロゲン化ビニルモノマーに熱分解されるジハロエタンが得られる。好ましい態様においては、この酸化的ハロゲン化触媒は、本発明の酸化的ハロゲン化法と関連して前述した希土類ハロゲン化物あるいは希土類オキシハロゲン化物の触媒である。希土類ハロゲン化物またはオキシハロゲン化物を使用する場合には、別々の熱分解反応器を必要とせずに、ハロゲン化ビニルが直接に得られる。エチレンをメタン酸化的ハロゲン化反応器へのメタンフィードと混合して、ハロゲン化メチル
とハロゲン化ビニルの両方を含有する流出物を得ることにより、ハロゲン化ビニルも製造可能である。有益なこととしては、このハロゲン化メチルをエチレンに変換する前にハロゲン化メチルとハロゲン化ビニルを分離することは、メタンからハロゲン化ビニルを製造するための2反応器系を提供する。
典型的には、ハロゲン化ビニルの製造においては、酸素に対するエチレンのモル比は、約2/1より上、好ましくは約4/1より上で、一般に約20/1未満、好ましくは約15/1未満である。一般に、エチレンの酸化的ハロゲン化は、約150℃より上の、好ましくは約200℃より上の、そして更に好ましくは約250℃より上の温度で行われる。典型的には、エチレンの酸化的ハロゲン化は、約500℃未満の、好ましくは約425℃未満の、そして更に好ましくは約350℃未満の温度で行われる。通常、この方法は、大気圧力または更に高い圧力で行われる。典型的には、この圧力は、約14psia(101kPa)に等しいか、それ以上であるが、約150psia(1034kPa)未満である。典型的には、反応物フィード(エチレン、ハロゲン源、酸素源および任意の随意の希釈剤)の全ガス時間当たりの空間速度(GHSV)は、触媒1ml当り時間当たり約10ml時間−1より上の全フィード、好ましくは約100時間−1より上から約50000時間−1未満、好ましくは約10000時間−1まで変わる。エチレンを含有する流れのハロゲン化ビニルモノマーへの酸化的ハロゲン化に好適な触媒と工程条件についての更なる詳細は、引用によりこの明細書に組み込まれている、WO01/38273、WO01/38274およびWO01/42176に見出される。
本発明の更なるもう一つの局面においては、メタンの酸化的ハロゲン化で製造されるハロゲン化メチルは、カルボニル化触媒の存在においてカルボニル化剤によりカルボニル化されて、ハロゲン化アセチルを形成することができ、これはその後酢酸を形成するように加水分解可能である。カルボニル化が所望のハロゲン化アセチル生成物を生成する前提ならば、いかなるカルボニル化工程条件も使用可能である。このカルボニル化剤は、それ自身カルボニル(CO)をハロゲン化メチルに転移する能力のある、いかなる化合物でもあることができる。好ましくは、このカルボニル化剤は、一酸化炭素またはパラジウム、鉄およびコバルトの塩および錯体などのVIII族塩および錯体を含み、前記遷移金属のカルボニル錯体を更に含む遷移金属塩および錯体などの可動性一酸化炭素を含有する有機金属錯体である。ハロゲン化メチルに対するカルボニル化剤のモル比は、典型的には、少なくとも1:1、好ましくは1:1より上である。更に好ましくは、ハロゲン化メチルに対するカルボニル化剤のモル比は約2:1より上である。好ましくは、ハロゲン化メチルに対するカルボニル化剤のモル比は、約20:1未満、更に好ましくは約10:1未満である。一般に、このカルボニル化段階は、約50℃より上の温度、約350℃未満の温度で行われる。この圧力は、典型的には大気圧から更に高い圧力の、一般に約7psia(50kPa)より上から約725psia(4999kPa)未満の範囲にあり得る。ハロゲン化メチルとカルボニル化剤を含むカルボニル化フィードの全重量の時間当たりの空間速度(WHSV)は、触媒1g当り1時間当たり約0.1gフィードより上(時間−1)の値から約1000時間−1未満の値まで広く変わることができる。
このカルボニル化工程の生成物は、ハロゲン化アセチル、好ましくは塩化アセチルである。ハロゲン化アセチルの酢酸への引き続いての加水分解は、酢酸の形成に充分な工程条件下でハロゲン化アセチルを水と接触させることにより容易に行われる。この段階は例えば多数の有機化学のテキストブックで述べられているハロゲン化アセチルの単純な加水分解であるので、当分野の熟練者ならば、ハロゲン化アセチルの加水分解の詳細を知っているであろう。
次の実施例は、本発明の方法を更に例示するために提供されるが;この実施例は、本発
明をいかなる方法によっても限定すると解釈されるべきでない。この明細書中での開示に照らせば、当分野の熟練者ならば、この特許請求の範囲内に入る本発明の代替の態様を認識するであろう。
実施例1
多孔質オキシ塩化ランタンを含んでなる触媒組成物を次のように作製した。塩化ランタン(LaCl・7HO、60g)を丸底フラスコ中で脱イオン水(500ml)に溶解した。この溶液にアルゴンを1時間散布した。攪拌しながら、水酸化アンモニウム(6M、80ml)をこの溶液に添加した。白色沈澱を形成し、生成するスラリーをアルゴン下で1時間攪拌した。この混合物を遠心分離(3100rpm、15分間)し、そして過剰の液体をデカンテーションして、固体を得る。この固体を70℃で12時間乾燥し;次に温度を450℃まで1時間でランプ上昇させ、450℃で1時間保持し、次に550℃まで1時間かけてランプ上昇させ、そして550℃で1時間保持することにより、空気流中で焼成した。X線回折と元素分析に基づいて、この焼成固体をLaOClとキャラクタリゼーションした。
上記で作製された触媒を20×40USメッシュ(0.85×0.43mm)まで破砕し、メタンの酸化的塩素化において次のように評価した。28.6/1の直径に対する長さ{6インチ(15.24cm)×0.210インチ(0.533cm)}の比を有する管状のニッケル合金反応器に触媒(3.16g)を装填した。反応の前に、この触媒を1分当り30標準立方センチメートル(sccm)の全体の流れにおいてヘリウム中の塩化水素(5モルパーセント)の流れにより12時間処理した。次に、この反応器にメタン、塩化水素および酸素の混合物を表1に示す比でフィードした。運転圧力は反応器出口において大気圧であった。運転温度とガス時間当たり空間速度を表1に示す。出口ガスをガス相クロマトグラフィにより分析し、結果を表1に示す。
この実験および以降の実験において、入口および出口の特定の反応物のモル濃度の相対的差の(Cin−Cout)/Cin×100として変換率を測定した。出口流中のすべての生成物の和に対する出口流中の生成物のモル比のCout/ΣCout×100として特定のC生成物に対する選択率を測定した。種々のフィードおよび生成物の成分に対する検出限界は0.01モルパーセントであった。この実験のいずれにおいても、この表中に掲げたもの以外の他の炭素含有生成物は見出されなかった。触媒生産性を触媒1kg当り1時間当りで製造される塩化メチルの量(in kg)として計算した。
Figure 2008540410
表1から90モル以上で100パーセントまでの検出可能限界内での塩化メチルへの選択率は、酸素に対するメタンの高モル比および高運転温度で達成可能であるということ
が判る。
比較実験CE−1
比較の目的で、触媒の存在下でそしてメタン/塩化水素モル比が23.1/1または31.8/1でなく僅か5.0/1であり、そしてメタン/酸素モル比が47.0/1または63.7/1でなく僅か20.0/1であったことを除いて、実施例1の手順にしたがって、メタンを塩化水素と酸素の存在において酸化的ハロゲン化した。結果を表1に示す。表1のCE−laおよびCE−1bから、温度が増加するのにしたがって、モノハロゲン化生成物への選択率が減少したということが判る。このように、更に高い温度で運転し、そして選択率を維持することは更に困難となった。しかしながら、実験CE−1を実施例1cと比較する場合、メタン/塩化水素のモル比が23/1以上であり、そしてメタン/酸素のモル比が46/1であるという前提であれば、匹敵する塩化メチルへの選択率が更に高い温度で達成されたことが判る。更には、実験CE−1bを実施例1d−fと比較する場合、メタン/塩化水素のモル比が23/1以上であり、そしてメタン/酸素のモル比が46/1であるという前提であれば、かなり高い塩化メチルへの選択率が500℃以上の温度で達成されたということが更に実証される。更には、これらの工程条件下では、塩化メチルへの選択率は検出可能限界内で100パーセントと高いものであった(実験1(d))。高温度での運転は、表1に記すように増加した触媒生産性をもたらした。
実施例2
メタン/塩化水素のモル比が45/1以上の値で設定され、そしてメタン/酸素のモル比が60/1以上の値で設定されたということを除いて、実施例1の方法を繰り返した。塩化水素を本質的に100パーセントの変換率まで反応させた。実施例2cにおいては、塩化水素と酸素の両方を本質的に100パーセントの変換率まで反応させた。工程条件と結果を表2に示す。
Figure 2008540410
実施例2a−cにおいては、塩化水素と酸素の変換率が検出可能限界内で100パーセントに近い値まで接近しても、塩化メチルへの選択率は許容し得るレベルの状態を保った
。完全な変換による塩化水素の除去によって、生成物流中で塩化水素水溶液から無水の塩化水素流を回収する必要性が無用となる。完全な変換による酸素の除去によって、この炭化水素から酸素を分離する必要性が無用となる。
実施例3
オキシ塩化ランタン材料を作製し、そして実施例1で述べたのと類似の方法で管状反応器の中に装填した。このオキシ塩化ランタンを外周圧力の塩化水素流の下で400℃で12時間塩素化した。塩化水素流を停止し;メタン(10.0モルパーセント)、酸素(5.0モルパーセント)、ヘリウム(83.0モルパーセント)およびアルゴン(2.0モルパーセント)のパルスを反応器の中に450℃で注入した。反応器へのフィード中の酸素に対するメタンのモル比は2/1であり;反応器へのフィード中のハロゲン源の濃度は本質的にゼロ(0.01モルパーセント未満の検出限界)であった。この方法の第1段階でハロゲン化された触媒は、この方法の第2反応段階にこのハロゲン化物を提供した。時間の関数としての流出物のマススペクトル分析は、主生成物としてメタン、酸素、不活性ガスおよび塩化メチルの存在を示す。この実験は、パルス方式での方法と、この方法をスイングあるいは循環反応器床の方式で行う実施可能性を例示する。驚くべきこととしては、塩化メチルへの選択率は、メタンと酸素のみの流れを使用することにより損なわれない。
実施例4
表3の実験4(a)に示す工程条件を使用することを除いて、実施例1に述べたのと類似の方法でメタンの酸化的塩素化をオキシ塩化ランタン触媒上で行った特記すべきこととして、4(a)のスタートアップ条件は、反応器へのフィード中の塩化水素に対するメタンのモル比が0.20/1であり、触媒を実質的に塩素化された形に保持するようにこの比が選択されていることを伴う。反応器へのフィード中の酸素に対するメタンのモル比は2/1であった。
Figure 2008540410
37分流した後、塩化水素流を停止し;そして表3の実験4(b)に示した工程条件でこのフィード組成物をメタンと酸素(空気をシミュレーションするのに窒素希釈剤と共に
)に変えた。このフィード中に塩化水素が存在しない(すなわち、反応器へのフィード中の塩化水素の濃度は本質的にゼロであり;塩化水素フィードに対するメタンのモル比は効果的に無限大であった)と、触媒生産性は低下したが、低い値で安定化し、塩化メチルへの選択率は100パーセントに達した。初期の運転条件に同一のフィード条件(表3の実験4(a))下で、塩化水素流を回復した場合(表3の実験4(c))、触媒生産性と塩化メチルへの選択率の両方に関して塩化水素を除去する前に観察された初期の触媒性能も回復した。
この実施例は、パルス、スイングあるいは循環反応器床の方式で、そしてハロゲン源の高変換率でこの方法を実施して、流出物流中の未変換ハロゲンの量を最少とする実施可能性を例示する。高塩化水素変換率での運転によって反応器中にメタンと酸素が残り、驚くべきことには、望ましくない酸素化副生成物の著しい増加はない。塩化メチルへの選択率は高い状態を保つ。有利なこととしては、流出物流中の塩化水素の低減は、生成物流中の塩化水素の分離および回収に必要とされる費用と努力を低下させる。

Claims (27)

  1. 反応器中でメタン、ハロゲン化C炭化水素またはこれらの混合物から選択されるC反応物炭化水素を触媒の存在においてハロゲン源および酸素源と接触させること;反応器へのフィード中でハロゲン源に対するC反応物炭化水素のモル比が23/1より上であるか;あるいは反応器へのフィード中で酸素源に対するC反応物炭化水素のモル比が約46/1より上であるか;あるいは反応器への両方のフィード中でハロゲン源に対するC反応物炭化水素のモル比が23/1より上であり、そして反応器へのフィード中で酸素源に対するC反応物炭化水素のモル比が約46/1より上であること;反応物炭化水素と比較して少なくとも1つの更なるハロゲン置換基を有するハロゲン化C生成物の製造に充分な工程条件下で接触が行われること;触媒が鉄と銅を実質的に含まない希土類ハロゲン化物または希土類オキシハロゲン化物を含んでなる触媒だが、但し、セリウムが触媒中に存在する場合には、少なくとも1つの他の希土類元素も触媒中に存在するものとする、ことを含んでなる、酸化的ハロゲン化方法。
  2. 反応物炭化水素がメタン、クロロメタン、ブロモメタン、ヨードメタン、ジクロロメタン、ジブロモメタン、ジヨードメタン、クロロブロモメタンおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. ハロゲン源が元素状ハロゲン、ハロゲン化水素および1個以上の可動性ハロゲン置換基を有するハロゲン化炭化水素からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. ハロゲン源が塩化水素である、請求項1に記載の方法。
  5. 方法が約30/1より上のハロゲン源に対するC反応物炭化水素のモル比で行われる、請求項1に記載の方法。
  6. 酸素源が分子状酸素と空気からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  7. 方法が約50/1より上の酸素源に対するC反応物炭化水素のモル比で行われる、請求項1に記載の方法。
  8. 方法が窒素、ヘリウム、アルゴン、一酸化炭素、二酸化炭素およびこれらの混合物からなる群から選択される希釈剤を更に含んでなる、請求項1に記載の方法。
  9. 希釈剤が反応物炭化水素と希釈剤の合計モル数基準で10モルパーセントより上で90モルパーセント未満の量で使用される、請求項8に記載の方法。
  10. 希土類ハロゲン化物または希土類オキシハロゲン化物が式
    MO
    (式中、Mは1個以上の希土類金属であり;0は酸素であり;yは0〜1.5の範囲にある数であり;Xはハロゲンイオンであり;そしてzは0〜3.0の範囲にある数である)により表される、請求項1に記載の方法。
  11. Mがランタンまたはランタンと他の希土類元素との混合物であり、そしてXが塩素イオンである、請求項10に記載の方法。
  12. 希土類ハロゲン化物が式MXにより表され、そして希土類オキシハロゲン化物が式MOXにより表され、式中、Mは、ランタン、セリウム、ネオジミウム、プラセオジミウム、ジスプロシウム、サマリウム、イットリウム、ガドリニウム、エルビウム、イッテルビウム、ホルミウム、テルビウム、ユーロピウム、ツリウム、ルテチウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの希土類であり;そしてXは塩素イオン、臭素イオンまたはヨウ素イオンである、請求項10に記載の方法。
  13. 方法が約375℃より上で約700℃未満の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
  14. ハロゲン源の変換率が約95モルパーセントより上である、請求項1に記載の方法。
  15. 酸素源の変換率が約95モルパーセントより上である、請求項1に記載の方法。
  16. 反応物炭化水素がメタンであり;ハロゲン源が塩化水素であり;そしてハロゲン化C生成物が塩化メチルである、請求項1に記載の方法。
  17. 塩化メチルがメタンから製造され;そしてこの塩化メチルが下流工程で使用されて、メタノール、軽質オレフィン、ガソリン、塩化ビニルモノマーまたは酢酸を製造する、請求項1に記載の方法。
  18. (a)鉄と銅を実質的に含まない希土類ハロゲン化物または希土類オキシハロゲン化物を含んでなるが、但し、セリウムが触媒中に存在する場合には、少なくとも1つの他の希土類元素も触媒中に存在する、触媒を含む反応器の中にハロゲン源流を導入し、
    (b)反応器へのハロゲン源流を止め;
    (c)反応器の中にメタン、ハロゲン化C炭化水素またはこれらの混合物からなる群から選択されるC反応物炭化水素と酸素源を含んでなる混合物流を導入し、ここで、反応物炭化水素と比較して少なくとも1個の更なるハロゲン置換基を有するハロゲン化C生成物の製造に充分な工程条件下で、ハロゲン源に対するC反応物炭化水素のモル比が効果的に無限大であり;
    (d)反応器へのC反応物炭化水素と酸素源を含んでなる混合物流を止め;そして
    (e)段階(a)〜(d)を交互して繰り返す
    ことを含んでなる、ハロゲン化C生成物を製造する方法。
  19. 方法が単一反応器床中でパルス方式で行われ;あるいは別法としては、方法が多反応器床中でスイング方式で、あるいは別法としては循環触媒床付きの反応器を用いて行われる、請求項18に記載の方法。
  20. ハロゲン源が約95モルパーセントより上の変換率まで反応される、請求項18に記載の方法。
  21. 酸素源が約95モルパーセントより上の変換率まで反応される、請求項18に記載の方法。
  22. ハロゲン源と酸素源が両方とも約95モルパーセントより上の変換率まで反応される、請求項18に記載の方法。
  23. 未変換C反応物炭化水素、ハロゲン化C生成物、水および存在する場合には残存量のハロゲン源と酸素源を含んでなる生成物流が反応器からの流出物として得られ;そしてこの生成物流からハロゲン化C生成物と水が分離されて、未変換C反応物炭化水素および存在する場合には残存量のハロゲン源および酸素源を含んでなる再循環流を生じ;そして再循環流を反応器に段階(c)に直接に再循環する、請求項18に記載の方法。
  24. 反応物炭化水素がメタンであり;ハロゲン源が塩化水素であり;そしてハロゲン化
    炭化水素が塩化メチルである、請求項18に記載の方法。
  25. 温度が約375℃より上で約700℃未満である、請求項18に記載の方法。
  26. 反応物炭化水素がメタンであり;ハロゲン源が塩化水素であり;そしてハロゲン化C生成物が塩化メチルである、請求項22に記載の方法。
  27. 塩化メチルがメタンから製造され;そして塩化メチルが下流工程で使用されて、メタノール、軽質オレフィン、ガソリン、塩化ビニルモノマーまたは酢酸を製造する、請求項18に記載の方法。
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