JP2008537748A - c−Metモジュレーター及び使用方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、プロテインキナーゼ酵素活性を調節する活性を有し、例えば増殖、分化、プログラム細胞死、移動及び化学浸潤のような細胞活動の調節に潜在的に有用な化合物を提供する。本発明はまた、かかる化合物を含む組成物、並びにかかる化合物及び組成物の製造方法及び使用方法を提供する。
【選択図】なし

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2005年4月6日に提出された米国仮特許出願番号60/669,207に対する優先権を主張する。
(発明の分野)
本発明は、増殖、分化、プログラム細胞死、移動及び化学浸潤のような細胞活動を調節する、プロテインキナーゼ酵素活性を調節する化合物に関する。より具体的には、本発明は、上述の細胞活動における変化に関連するキナーゼ受容体シグナル変換経路を阻害、制御、及び/又は調節するキノリン類、これらの化合物を含む組成物、キナーゼに依存する疾病及び状態を治療するためにこれらを使用する方法、該化合物の合成、並びに医薬上の目的のための該化合物の製剤方法に関する。
(発明の背景)
癌を治療するために用いられる薬剤の特異性における改善は、これらの薬剤の投与に関係する副作用が低減され得るのであれば実現する治療的有用性のために、相当興味深い。従来、癌の治療における劇的な改善は、新規機序を通じて作用する治療剤の識別に関係している。
プロテインキナーゼは、タンパク質(特に、タンパク質のチロシン、セリン及びスレオニン残基のヒドロキシ基)のリン酸化を触媒する酵素である。この一見単純な活性の結果は、驚異的であり、細胞の分化及び増殖、すなわち、細胞生涯の実質的に全ての局面は、何らかの形で、タンパク質キナーゼ活性に依存する。更に、異常なタンパク質キナーゼ活性は、乾癬のような比較的生命に影響がない疾患から膠芽細胞腫(脳腫瘍)のような極めて悪性の疾患にまでわたる、疾患のホストに関わっている。
プロテインキナーゼは、受容体型又は非受容体型として分類され得る。受容体型チロシンキナーゼは、細胞外、膜貫通、及び細胞内の部分を有し、一方、非受容体型チロシンキナーゼは、完全に細胞内にある。
受容体型チロシンキナーゼは、多様な生物学的活性を有する、多数の膜貫通型受容体で構成される。実際、受容体型チロシンキナーゼの約20の異なるサブファミリーが同定されている。あるチロシンキナーゼサブファミリーは、HERサブファミリーと称され、EGFR(HERl)、HER2、HER3、及びHER4から構成される。これまでに同定された受容体のこのサブファミリーのリガンドとしては、上皮成長因子、TGF−α、アンフィレグリン、HB−EGF、ベータセルリン及びヘレグリンが挙げられる。これらの受容体型チロシンキナーゼの他のサブファミリーは、インスリンサブファミリーであり、INS−R、IGF−IR、及びIR−Rが挙げられる。PDGFサブファミリーとしては、PDGF−α及びβ受容体、CSFIR、c−Kit並びにFLK−IIが挙げられる。次いで、FLKファミリーが存在し、キナーゼ挿入ドメイン受容体(KDR)、胎児肝臓キナーゼ−1(FLK−1)、胎児肝臓キナーゼ−4(FLK−4)、及びfms様チロシンキナーゼ−1(flt−1)から構成される。PDGF及びFLKファミリーは、これら二つのグループの類似性により、通常、一緒に考えられる。受容体型チロシンキナーゼの詳細な議論については、本明細書で参照として援用される、Plowmanら、DN&P7(6):334−339,1994年を参照されたい。
非受容体型チロシンキナーゼもまた、多数のサブファミリーで構成され、Src、Frk、Btk、Csk、Abl、Zap70、Fes/Fps、Fak、Jak、Ack、及びLIMKが挙げられる。これらのサブファミリーの各々は、更に様々な受容体に細分類される。例えば、Srcサブファミリーは、最も大きなサブファミリーの1つであり、Src、Yes、Fyn、Lyn、Lck、Blk、Hck、Fgr、及びYrkを含む。酵素のSrcサブファミリーは、腫瘍形成とつながりがある。非受容体型チロシンキナーゼの更なる詳細な議論については、本明細書で参照として援用される、Bolen,Oncogene,8:2025−2031(1993年)を参照されたい。
プロテインキナーゼ及びそれらのリガンドは、様々な細胞活動において重要な役割を果たしているため、プロテインキナーゼ酵素活性を制御できないことは、癌と関連する制御不能な細胞増殖のような、細胞の性質の変化を導き得る。腫瘍学的な兆候に加えて、変化したキナーゼシグナル伝達は、多くのほかの病理学的疾病に関係している。これらとしては、免疫障害、循環器疾患、炎症性疾患、及び変性疾患が挙げられるが、これらに限定されない。それゆえに、受容体型プロテインキナーゼ及び非受容体型タンパク質キナーゼの両方は、小分子薬剤の発見のための魅力的な標的である。
キナーゼ調節を治療に使用するための1つの特に魅力的な目標は、腫瘍学的な兆候に関連する。例えば、癌治療のためのプロテインキナーゼ活性の調節は、慢性骨髄性白血病(CML)及び消化管間質癌(gastrointestinal stroma cancers)(GIST)の治療のためのGleevec(登録商標)(East Hanover, NJのNovartis Pharmaceutical Corporationにより製造される、イマチニブメシラート)のFDA承認によって首尾よく実証されている。Gleevecは、c−Kit及びAblキナーゼ阻害剤である。
細胞増殖及び血管新生(腫瘍増殖及び生存に必要とされる細胞プロセスの2つの鍵である(Matter A. Drug Disc Technol 2001年 6, 1005−1024))の調節(特に阻害)は、小分子薬剤の開発のための魅力的な目標である。抗血管新生の治療は、固形癌、並びに、虚血性冠動脈疾患、糖尿病性網膜症、乾癬、及び関節リウマチを含む制御不能な血管新生と関連した他の疾患の治療のための潜在的に重要なアプローチを示す。同様に、細胞増殖抑制剤は、腫瘍の増殖を遅くするか又は停止させるのに望ましい。
抗血管新生活性及び抗増殖活性に関する小分子調節のための1つの特に魅力的なターゲットは、c−Metである。キナーゼ、c−Metは、Met、Ron及びSeaを含むヘテロ二量体受容体型チロシンキナーゼ(RTK)のサブファミリーの典型的なメンバーである。c−Metの発現は、上皮細胞、内皮細胞、及び間葉細胞を含む、広範囲の細胞型において生じ、これらの細胞では、受容体の活性化が、細胞移動、細胞浸潤、細胞増殖、及び「浸潤性細胞増殖」に関連する他の生物的活性を誘導する。このように、c−Met受容体活性化を通じたシグナル伝達は、腫瘍細胞の特徴の多くを担う。
c−Metの内因性リガンドは、血管新生の強力な誘導因子であり、「分散因子(scatter factor)」(SF)としても知られている、肝細胞増殖因子(HGF)である。c−MetにHGFが結合すると、自己リン酸化を介して、受容体の活性化を誘導し、その結果、受容体依存シグナル伝達の増大(これは、細胞増殖と浸潤を促進する)が生じる。抗HGF抗体又はHGF拮抗薬は、インビボでの腫瘍転移を阻害することが示されている(Maulikら、Cytokine&Growth Factor Reviews 2002年 13,41−59参照のこと)。
腫瘍増殖の進行は、既に存在している血管から腫瘍への新しい血管の補充、並びに悪性細胞の浸潤、接着及び増殖を必要とする。従って、c−Metの過剰発現は、***、結腸、腎臓、肺、扁平上皮細胞骨髄性白血病、血管腫、メラノーマ、星状細胞腫、及び膠芽細胞腫を含む広範囲の腫瘍型において実証されている。更に、c−Metのキナーゼドメインにおける変異の活性化が、遺伝性及び散発性腎乳頭腫、及び扁平上皮細胞癌腫において確認されている(Maulikら、Cytokine&growth Factor reviews 2002年 13,41−59;Longatiら、Curr Drug Targets 2001年,2,41−55;Funakoshiら、Clinica Chimica Acta 2003年 1−23を参照されたい)。このように、c−Metの調節は、癌及び癌関連疾病の治療のための手段として望ましい。
Eph受容体は、受容体チロシンキナーゼの最も大きなファミリーを含み、それらの配列相同性に基づいて、EphA及びEphBの二つのグループに分けられる。Eph受容体に関するリガンドは、エフリン(ephrin)であり、これは、膜に固定されている。エフリンAリガンドは、EphA受容体に優先的に結合し、一方、エフリンBリガンドは、EphB受容体に結合する。Eph受容体にエフリンが結合すると、受容体の自己リン酸化が生じ、そして、受容体及びリガンドの両方が膜に結合するので、典型的には細胞間相互作用を要求する。
Eph受容体の過剰発現は、様々な腫瘍における細胞増殖の増加に関連している(Zhou R 1998年 Pharmacol Ther.77,151−181;Kiyokawa E,Takai S,Tanaka Mら、1994年 Cancer Res 54, 3645−3650;Takai N Miyazaki T, Fujisawa K, Nasu K及びMiyakawa, 2001年 Oncology reports 8, 567−573)。Eph受容体チロシンキナーゼのファミリー及びそれらのエフリンリガンドは、胚発生の間の様々なプロセスにおいて重要な役割を果たし、そしてまた、病的血管新生及び潜在的転移においても重要な役割を果たす。それゆえに、Eph受容体キナーゼ活性の調節は、上述したような、異常な細胞増殖と関連した病状を治療又は予防するための手段を提供する。
EGF、VEGF及びエフリンシグナル伝達の阻害は、腫瘍増殖及び腫瘍生存に必要とされる細胞プロセスの2つの鍵である、細胞増殖及び血管新生を防止する(Matter A.Drug Disc.Technol.2001年 6, 1005−1024)。EGF受容体及びVEGF受容体は、先で述べた小分子阻害の標的である。KDR及びflt−4は、両者ともVEGF受容体である。
1つの特に魅力的な小分子調節の標的は、c−Kitである。プロトオンコジーンc−Kitは、初めHardy−Zuckerman 4−猫肉腫ウイルスを強く変化させる発癌成分として確認された(Besmerら Nature 1986 320:415−421)。c−Kit(幹細胞因子受容体又は造血幹細胞因子(steel factor)受容体とも称される)は、血小板由来の成長因子受容体サブファミリーに属するタイプ3受容体チロシンキナーゼ(RTK)である。c−Kitはリガンドの幹細胞因子(SCF)に結合し、Srcファミリーキナーゼ、ホスファチジル−イノシトール 3 キナーゼ、Ras−Raf−Mapキナーゼカスケード、及びホスホリパーゼCを含むその多重のシグナル伝達経路を誘発する(Broudyら Blood 1999 94: 1979−1986; Lennartssonら Oncogene 1999 18: 5546−5553 ; Timokhinaら EMBO J 1998 17;6250−6262; Chianら Blood 2001 98(5)1365−1373; Blume−Jensenら Curr Biol 1998 8:779−782; Kisselら EMBO J 2000 19:1312−1326; Lennartssonら Oncogene 1999 18: 5546−5553; Sueら Blood, 1998 92:1242−1149; Levら EMBO J 1991 10:647−654)。c−Kitは、正常造血、メラニン形成(melanonogenesis)、及び配偶子形成に必要である。c−Kitは、肥満細胞、未熟骨髄細胞、メラニン形成細胞、乳腺上皮細胞(epithelial breast cells)及びカハール(Cajal)の間質細胞(ICC)において発現する。肥満細胞において、c−Kitは、分化、成熟、走化性、及び走触性だけでなく、生存(survival)及び増殖の促進に必要である。
c−Kitにおける変異(Mutations)は、ヒトの疾病に関わってきている。膜近傍の領域での変異(Mutations)は、多くのヒトの消化管間質腫瘍において発見され、キナーゼ領域での変異は、肥満細胞症、生殖細胞腫瘍、急性骨髄性白血病(AML)、NKリンパ腫、及び他の血液学的障害において発見される(Hirotaら Science 1998 279:577−580; Singerら J Clin Oncol 2002 203898−3905; Longleyら Proc Natl Aca Sci USA 1999: 1609−1614; Tianら Am J Pathol 1999 154: 1643−1647; Beghiniら Blood 2000 95:726−727; Hongyoら Cancer Res 2000 60:2345−2347)。これらの変異(mutations)は、リガンドと独立のチロシンキナーゼ活性、c−Kitの自己リン酸化、不制御の細胞増殖、及び下流シグナル経路の刺激をもたらす。c−Kit及びc−Kitリガンドの過剰発現は、他の腫瘍(小細胞肺癌、神経芽細胞腫、婦人科学的な腫瘍、及び結腸癌が挙げられる)においても記述され、自己分泌又は傍分泌c−Kit活性化をもたらし得る。
c−Kitの過剰発現は、1型神経線維腫症(NF1)と関連した新生組織形成の発達にも関わっている。腫瘍抑制遺伝子NF1の変異は、ニューロフィブロミン(neurofibromin)、RasのGTPアーゼ活性化タンパク質の欠乏を導く。この欠乏は、末梢神経系におけるシュワン細胞の異常な増殖をもたらし、罹患者を末梢神経鞘腫瘍(神経線維腫)、星状細胞腫(視経路グリオーマ(optic pathway gliomas))、学習障害、発作(seizures)、卒中(strokes)、大頭症(macrocephaly)、血管異常、及び若年性骨髄単球性白血病にかかりやすくする(Lynch & Gutmann Neurol Clin 2002 20:841−865)。マウスでの遺伝子実験は、NF1でのハプロ不全は、c−Kitの遺伝子での変異と関連するいくつかの表現型を部分的に救うことを明らかにし、通常の発達上の経路によるこれらの遺伝子機能を示す(Ingramら J. Exp Med 2000 191:181−187)。また、c−Kitは、通常のシュワン細胞ではなく、NF1患者からの神経鞘腫(schwannoma)細胞において発現する(Ryanら J Neurosci Res 1994 37:415−432)。これらのデータは、高められたc−Kit発現及び幹細胞因子への感受性は、NF−1に関連した増殖性障害の発症において重要な役割を果たし得ることを示す。それ故、c−Kit阻害剤は、NF−1を有した患者を治療する有効な化学療法剤となり得る。
GISTは、最もありふれた胃腸管の間葉性腫瘍であって、そららは、一般的に化学療法及び放射線療法に耐性がある。しかしながら、c−Kit/BCR−Abl阻害剤STI571に関しての最近の成果は、c−Kitを標的にすることは、この疾病の効果的な治療方針であり得ることを示している(Eisenberg & Mehren Expert Opin Pharmacother 2003 4:869−874)。悪性肥満細胞疾患(Malignant mast cell disease)は、しばしば極めて予後が悪く、確実で有効な化学療法剤は、全く確認されていない(Maroneら Leuk Res 2001 25:583−594)。全身性肥満細胞障害(Systemic mast cell disorders)は、インターフェロン・アルファで治療されているが、この治療の効果は、まちまちである(Lehmann & Lammle Ann Hematol 1999 78:483−484; Butterfield Br J Dermatol 1998 138: 489−495)。それ故、活性化c−Kitは、GIST及び肥満細胞疾患、並びに活性化c−Kitに関連した他の障害における治療標的になり得る。
Flt−3は、通常、造血系前駆細胞並びに成熟した骨髄細胞及びリンパ球様細胞のサブセットで発現し、細胞の生存及び増殖を調整する。大部分のAMLを有した患者では、Flt−3は、膜近傍領域かキナーゼ領域の活性化ループのいずれかにおいて、変異を経て構成的に活性化される(Reilly Leuk リンパ腫(Lymphoma) 2003 44: 1-7)。また、flt−3における変異は、AML患者における不良な予後と大きな関連がある(Sawyers Cancer Cell 2002 1: 413-415)。
従って、キナーゼ(特に、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、及びflt−4を含む)のシグナル伝達を特異的に阻害するか、制御及び/又は調整する小分子化合物の同定は、異常な細胞増殖及び血管形成に関連した病状を治療する、又は予防するための手段として望ましく、そして本発明の目的である。
置換を有したキノリン(例えば、それらの縮合環系の、2位、4位、6位、及び7位)は、多くのグループによってキナーゼ阻害の特に魅力的な標的であることが示されている。従来のキノリンキナーゼ阻害剤は、キノリン縮合10員環系について典型的にかなり単純な置換を有しているが、最近より複雑な分子が開示されている。例えば、我々は、以前、米国仮特許出願60/506,181及び60/535,377(いずれもそれらの全体があらゆる目的で本明細書に参照によって援用される)において、あるキノリンは、キナーゼモジュレーターとして、より詳しくは例えば、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、及びflt−4の阻害剤として、特に適切であることを開示した。これらの分子は、いくつかの場合、特に複雑であり、従来法で製造することができるが、特に医薬の環境(setting)においては、より効果的な経路が望まれる。
前述の置換形態を有するキノリンを製造する従来方法は、通常、比較的単純な置換基が付されたキノリンのテンプレート(template)の線形的な(linear)構築を伴う。かかるキノリンのより複雑な置換(上記参照)、例えば、複数の官能基を有した環式及び二環式系を含有する側鎖の出現により、合成の従来法は、用いられる線形的または直列的な(serial)反応のために問題となってくる。実際、このような分子がより複雑になり、このような複雑な基の有用性が認識されるようになってくると、キノリン環系は、かかる阻害剤の主要構造というよりは、基礎構造となる。つまり、より効率的な合成の方法、特に本発明の目的である収束的(convergent)合成を見出すことが好ましい。
(発明の要旨)
一つの態様において、本発明は、キナーゼ活性を調節する化合物、並びに当該化合物及びその医薬組成物を利用して、キナーゼ活性が介在する疾病を治療する方法を提供する。キナーゼ活性が介在する疾病としては、移動、浸潤、増殖及び浸潤性細胞増殖と関連する他の生物活性により一部特徴付けられる疾病が挙げられるが限定されない。本発明は、詳しくは、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、及びflt−4の調節であり、さらに詳しくはその阻害である。
他の態様において、本発明は、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、及びflt−4活性のモジュレーターのスクリーニングする方法を提供する。当該方法は、本発明の組成物、キナーゼ(例、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4)、及び少なくとも1つの候補薬剤を組合わせること、並びに、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4の活性に対する候補薬剤の効果を決定することを含む。
さらなる他の態様において、本発明は、本発明の医薬化合物及び/又は医薬組成物(1つ以上のキナーゼ、(例、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4)、本明細書に記載の酵素活性モジュレーターを含む)の1つ以上の成分で満たされた1つ以上の容器を含む医薬のキットも提供する。そのようなキットは、例えば、他の化合物及び/又は組成物(例、賦形剤、透過促進剤、滑剤等)、化合物及び/又は組成物を投与するための装置、並びに医薬又は生物学上の製品の製造、使用、又は販売を規制する行政機関によって処方された形での書面での指示も含み得、その指示書はまたヒトへの投与に対する、製造、使用、又は販売の当局による承認を反映し得る。
他の態様において、本発明はまた、本発明化合物、並びに、必要に応じて、医薬上許容され得る補助薬(adjuvants)及び賦形剤を含む、診断剤も提供する。
更なるいっそうの他の態様において、本発明は、キナーゼ活性の調節及びキナーゼ活性によって仲介される疾病の治療のための、化合物、及びその医薬組成物を製造する工程を提供する。詳細には、本発明は、キナーゼ活性の調節、より詳細にはキナーゼ活性の阻害、並びにさらにより詳細にはc−Met、KDR、c−Kit、flt−3、及びflt−4の阻害に用いるキノリンを製造する方法である。
本発明のこれら及び他の特徴、並びに利点は、関連する図を参照して、以下により詳細に記載される。
(発明の詳細な説明)
本発明の組成物は、異常な及び又は制御不能な細胞活動に関連する疾病を治療するために用いられる。本明細書において提供される方法及び組成物によって治療され得る疾患状態としては、癌(以下において更に述べる)、関節リウマチ、移植片対宿主病、多発性硬化症、乾癬のような免疫障害;アテローム性動脈硬化(artheroscrosis)、心筋梗塞(myocardioinfarction)、虚血、脳卒中(stroke)、及び再狭窄のような心血管疾患;腸間(interbowel)疾病、変形性関節症(osteoarthritus)、黄斑変性症、糖尿病性網膜症のような他の炎症性疾患及び変性疾患が挙げられるが、これらに限定されない。
場合によっては、細胞は、過剰増殖若しくは低減した増殖及び/又は移動の状態(異常状態)にないにもかかわらず、処置の必要があり得ることが理解される。例えば、創傷治癒の間、細胞は、「正常に」増殖し得るが、増殖及び移動の増大が所望され得る。或は、「正常な」細胞増殖及び/又は細胞移動速度の低減が所望され得る。
それ故、一つの態様において、本発明は、式I
Figure 2008537748
[式中、
は、−H、ハロゲン、−OR、−NO、−NH、−NR、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ;
Zは、−S(O)0−2−、−O−、及び−NR−より選ばれ;
Arは、式II、又は式IIIの基のいずれかであり、
Figure 2008537748

式中、
は、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ;
qは、0乃至4であり;
Gは、基−B−L−T(式中
Bは、非存在、−N(R13)−、−N(SO13)−、−O−、−S(O)0−2−、及び−C(=O)−より選ばれ;
Lは、非存在、−C(=S)N(R13)−、−C(=NR14)N(R13)−、−SON(R13)−、−SO−、−C(=O)N(R13)−、−N(R13)−、−C(=O)C1−2アルキルN(R13)−、−N(R13)C1−2アルキルC(=O)−、−C(=O)C0−1アルキルC(=O)N(R13)−、−C0−4アルキレン−、−C(=O)C0−1アルキルC(=O)OR−、−C(=NR14)C0−1アルキルC(=O)−、−C(=O)−、−C(=O)C0−1アルキルC(=O)−、及び少なくとも1つの窒素を含有する1つ及び3つの間の環ヘテロ原子を含む、置換されていてもよい4乃至6員ヘテロシクリルより選ばれ;かつ
Tは、−H、−R13、−C0−4アルキル、−C0−4アルキルQ、−OC0−4アルキルQ、−C0−4アルキルOQ、−N(R13)C0−4アルキルQ、−SO0−4アルキルQ、−C(=O)C0−4アルキルQ、−C0−4アルキルN(R13)Q、及び−C(=O)N(R13)C0−4アルキルQ(式中、前述のC0−4アルキルのそれぞれは、置換されていてもよい)より選ばれる)であり;
Jは、−S(O)0−2−、−O−、及び−NR15−より選ばれ;
は、−H又はRであり;
は、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよい低級アリールアルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、及び置換されていてもよい低級ヘテロシクリルアルキルより選ばれる;或いは
及びRは、それらが結合する共通の窒素と一緒になるとき、置換されていてもよい5乃至7員ヘテロシクリルを形成し、前述の置換されていてもよい5乃至7員ヘテロシクリルは、N、O、S、及びPより選ばれる少なくとも1つのさらなる環ヘテロ原子を含んでいてもよく;
及びAは、それぞれ独立して、=N−、=C(R)−より選ばれ;
は、−H又は置換されていてもよい低級アルキルであり;
Dは、−O−、−S(O)0−2−、及び−NR15−より選ばれ;
50は、Rか式IV
Figure 2008537748
(式中、X、X、及び必要に応じてXは、飽和架橋環系の原子を表し、前述の飽和架橋環系は、X、X、及びXのいずれかによって表される、最大4つの環ヘテロ原子を含む;ここで、
それぞれのXは、独立して、−C(R)R−、−O−、−S(O)0−2−、及び−NR−より選ばれ;
それぞれのXは、独立して、置換されていてもよい橋頭メチン又は橋頭窒素であり;
それぞれのXは、独立して−C(R)R−、−O−、−S(O)0−2−、及び−NR−より選ばれる)のいずれかであり;
Yは、
Dと、飽和架橋環系の任意の環ヘテロ原子、又はR若しくはRのいずれかで表される任意のヘテロ原子との間に少なくとも2つの炭素原子が存在するならば、Dと、1)Xが橋頭窒素である場合のXを除いて、飽和架橋環系の任意の環原子、又は、2)R又はRのいずれかで表される、任意のヘテロ原子;のいずれかとの間の、置換されていてもよい低級アルキレンリンカーであるか、
或いは、Yは、非存在であり、Yが非存在であるとき、上述の飽和架橋環系は、上述の飽和架橋環系の環の炭素を経てDに直接結合し、Dが−SO−でなければ、その場合上述の飽和架橋環系は、上述の飽和架橋環系の任意の環原子を経てDに直接結合する;のいずれかであり、
m及びpは、それぞれ独立して1−4であり;
nは、0−2であり、n=0であるとき、2つの橋頭のXの間の単結合が存在する;
及びRは、それぞれ独立して、-H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NH、−NO、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−NCO、−C(O)R、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよい低級アリールアルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、置換されていてもよい低級ヘテロシクリルアルキル、及びYかDのいずれかへの結合より選ばれ;又は
及びRは、一緒になって、オキソであり;或いは
及びRは、それらが結合する共有の炭素と一緒になって、置換されていてもよい3乃至7員スピロシクリルを形成し、前述の置換されていてもよい3乃至7員スピロシクリルは、N、O、S、及びPより選ばれる少なくとも1つのさらなる環ヘテロ原子を任意に包含する;
は、−R、Y、−SONR、−CO、−C(O)NR、−SO、及び−C(O)Rより選ばれ;
13は、−H、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)SR、−SO、−C(=O)N(R)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ、
2つのR13は、それらが結合している単数又は複数の原子と一緒に組み合わさって、1つ及び4つの間のR60で置換されていてもよいヘテロアリサイクリック(heteroalicyclic)を形成することができ、前述のヘテロアリサイクリックは、最大4つの環ヘテロ原子を有することができ、かつ前述のヘテロアリサイクリックは、そこに縮合するアリール若しくはヘテロアリールを有することができ、その場合、前述のアリール若しくはヘテロアリールは、更なる1つ乃至4つのR60で置換されていてもよい;
14は、-H、−NO、−NH、−N(R)R、−CN、−OR、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリシクリルアルキル(heteroalicyclylalkyl)、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル及び置換されていてもよいヘテロアリサイクリックより選ばれ;
15は、基−M−Mであり、Mは、非存在、−C(=S)N(R13)−、−C(=NR14)N(R13)−、−SON(R13)−、−SO−、−C(=O)N(R13)−、−C(=O)C(=O)N(R13)−、−C0−4アルキレン−、−C(=O)−、及び少なくとも1つの窒素を含む1つ及び3つの間のヘテロ原子(heteratoms)を包含する置換されていてもよい4乃至6員ヘテロシクリル環(hetercyclyl annular)より選ばれ;かつ
は、-H、−C0−6アルキル、アルコキシ、−C(=O)C0−4アルキルQ、−C0−4アルキルQ、−OC0−4アルキルQ−、−N(R13)C0−4アルキルQ−、及び−C(=O)N(R13)C0−4アルキルQより選ばれる;かつ
Qは、5乃至10員環系であり、ゼロ乃至4つの間のR20で置換されていてもよく;
20は、-H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれる;
60は、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、及び置換されていてもよいアリールアルキルより選ばれ;
2つのR60は、非芳香族炭素に結合する場合、オキソであり得;
ただし、Arが式IIによる場合に限り、YがC1−6アルキレンであるならば;Zは、−NH−若しくは−N(CH)−であり;Rは、2位で−OH若しくはC1−4アルコキシ基によって置換されていてもよいC1−6アルキルであり;Rは、−H又はハロゲンであり;n=0であり;かつ、飽和架橋環系の1つの橋の原子Xは、飽和架橋環系の両方の橋頭原子Xと合わさる場合:
1)ピロリジン又はピペリジンのいずれかを表し、前述のピロリジン又は前述のピペリジンのいずれかの、X又はXの、どのような原子も、Yに結合し、上述の飽和架橋環系の他の橋は、−OC(O)CH−、−CHOC(O)−、−OC(O)CHCH−、−CHOC(O)CH−、−CHCHOC(O)−、−OC(O)CHNH−、−OC(O)CHN(C1−4アルキル)−、及び−OC(O)CHO−のいずれかの1つであり得ず;或いは
2)ピペラジン又は4−(C1−4アルキル)−ピペラジンのいずれかを表し、前述のピペラジン又は前述の4−(C1−4アルキル)−ピペラジンのいずれかの、X又はXの、どのような原子も、Yに結合し、上述の飽和架橋環系の他の橋は、前述のピペラジン又は前述の4−(C1−4アルキル)−ピペラジンのいずれかの2位及び3位を経て結合する場合に限り、−CHOC(O)CH−、−CHCHOC(O)−、及び1つ又は2つのC1−2アルキル基で置換されていてもよい2つの前述の橋のいずれかの1つであり得ず;或いは
3)ピペラジンを表し、前述のピペラジンの、X又はXの、どのような原子も、Yに結合し、上述の飽和架橋環系の他の橋は、前述のピペラジンの3位及び4位を経て結合する場合に限り、−C(O)OCHCH−、−CHOC(O)CH−、及び1つ又は2つのC1−2アルキル基で置換されていてもよい2つの前述の橋のいずれかの1つであり得ず、2つの前述の橋のいずれかが、上記に示したように、左側(left−hand)を経て前述のピペラジンの3位に結合する場合に限り、同様に上記のいずれかの1つであり得ない;或いは
4)2−オキソモルホリンを表し、前述の2−オキソモルホリンは、その4位を経てYに結合し、上述の飽和架橋環系の他の橋は、前述の2−オキソモルホリンの5及び6位を経て結合する場合に限り、−(CH−、−CHWCH−、−CHWCHCH−、及び−CHCHWCH−(式中、Wは、−O−、−S(O)0−2−、−NH−、又は−N(C1−4アルキル)−であり、gは、2、3、又は4である)の1つではない;
ただし、Zが−O−であり、Arが、式IIにより、かつ直接Arと結合するGの部分が、
Figure 2008537748
より選ばれる場合:
50は、式IVのものでなくてはならなく;
かつ、ただし、Arがフェニレン又は置換されているフェニレンであり、Zが−S(O)0−2−又は−O−であるとき、直接Arと結合するGの部分は、
Figure 2008537748

を包含し得ず、そのとき、R70は、−H、C1−4アルキル、及びC1−4アルコキシルより選ばれる]
のキナーゼ活性を調節する化合物、或いはその医薬上許容され得る塩、水和物、又はプロドラッグを含む。
一つの例において、化合物は、パラグラフ[0033]により、ここで、Zは、−O−又は−NR−のいずれかである。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0034]により、ここで、Gは、以下の
Figure 2008537748
Figure 2008537748
(式中Q、R20、及びR13は、上記に定義の通りであり;それぞれのEは、−O−、−N(R13)−、−CH−、及び−S(O)0−2−より選ばれ;Mは、−O−、−N(R13)−、−CH−、及び−C(=O)N(R13)−より選ばれ;それぞれのVは、独立して、=N−又は=C(H)−のいずれかであり;それぞれのメチレンは、上記の式のいずれにおいても独立して、R25で置換されていてもよく;かつR25は、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ;2つのR25は、それらが結合している単数又は複数の炭素と一緒に、組み合わさって3乃至7員アリサイクリック又はヘテロアリサイクリックを形成することができ、単一の炭素上の2つのR25は、オキソであり得る)より選ばれる。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0035]により、ここで、Arは、式IIa、IIb、及びIIIa
Figure 2008537748
の一つによる。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0036]により、ここで、Dは、−O−であり、かつ、Rは、−ORである。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0037]により、ここで、−O−R50及びRは、交代できて、式Iによるキノリンの6位及び7位に位置する。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0038]により、ここで、Rは、−OH又は−OC1−6アルキルである。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0039]により、ここで、Gは、:
Figure 2008537748
(式中、Q、R20、R13、E、及びR60は、上記に定義の通りであり;それぞれのメチレンは、上記の式のいずれにおいても、環として表されたもの以外、独立して、R25で置換されていてもよく;かつR25は、ハロゲン、トリハロメチル、オキソ、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ;2つのR25は、それらが結合している単数又は複数の炭素と一緒に、組み合わさって3乃至7員アリサイクリック又はヘテロアリサイクリックを形成することができる)より選ばれる。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0040]により、ここで、Qは、
Figure 2008537748
(式中、R20は、上記に定義した通りであり、かつ、Pは、Pが縮合している芳香環の2つの共有する炭素を含んで5乃至7員環であり、Pは、任意に、1つ及び3つの間のヘテロ原子を包含する)より選ばれる。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0041]により、ここでArは、式IIaにより、Gは、:
Figure 2008537748
(式中、Q、R20、R13、E、及びR60は、上記に定義の通りであり、かつ、それぞれのメチレンは、上記の式のいずれにおいても、環として表されたもの以外、独立して、R25で置換されていてもよく;かつ、R25は、ハロゲン、トリハロメチル、オキソ、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ;2つのR25は、それらが結合している単数又は複数の炭素と一緒に、組み合わさって、3乃至7員アリサイクリック又はヘテロアリサイクリックを形成することができる)より選ばれる。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0041]により、ここで、Arは、式IIbにより、かつGは、:
Figure 2008537748
(式中、Q、R20、R13、E、及びR60は、上記に定義の通りであり、上記の式のいずれにおいても、それぞれのメチレンは、環に表現されたもの以外、独立してR25で置換されていてもよく;かつR25は、ハロゲン、トリハロメチル、オキソ、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ;2つのR25は、それらが結合している単数又は複数の炭素と一緒に、組み合わさって3乃至7員アリサイクリック又はヘテロアリサイクリックを形成することができる)より選ばれる。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0043]により、ここで、描かれた式の2つのカルボニルの間のメチレンは、置換されていてもよい低級アルキル、又は置換されていてもよいスピロ環のどちらかで、2つ置換されている。
他の例において、化合物は、[0042]又はパラグラフ[0044]のどちらかにより、ここでR50は、ヘテロアリサイクリック又はC1−6アルキル−ヘテロアリサイクリックである。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0045]により、ここで少なくとも1つのRは、ハロゲンである。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0045]により、ここでR50は、式IVによる。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0047]により、ここで式IVによる飽和架橋環系は、[4.4.0]、[4.3.0]、[4.2.0]、[4.1.0]、[3.3.0]、[3.2.0]、[3.1.0]、[3.3.3]、[3.3.2]、[3.3.1]、[3.2.2]、[3.2.1]、[2.2.2]、及び[2.2.1]から成る群より選ばれる配置を有している。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0048]により、ここでYは、−CHCHCHCH−、−CHCHCH−、−CHCH−、−CH−、及び非存在より選ばれる。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0049]により、ここでnは、0であり、式IVによる飽和架橋環系は、[4.4.0]、[4.3.0]、[4.2.0]、[4.1.0]、[3.3.0]、[3.2.0]、及び[3.1.0]から成る群より選ばれる配置を有している。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0050]により、ここで上述の飽和架橋環系は、少なくとも1つの環の窒素又は少なくとも1つの環の酸素を含む。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0051]により、ここで上述の飽和架橋環系は、−NR−を含み、式中、Rは、−H、置換されていてもよい低級アルキル、−CO、−C(O)NR、−SO、及び−C(O)Rより選ばれる。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0051]により、ここで上述の飽和架橋環系は、式V
Figure 2008537748
(式中、Uは、−O−、−S(O)0−2−、−NR−、−CR−、及び非存在より選ばれ;かつeは、0又は1である)のものである。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0053]により、ここで、Yは、−CH−である。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0054]により、ここで、Uは、−NR−であり、式中、Rは、−H、置換されていてもよい低級アルキル、−CO、−C(O)NR、−SO、及び−C(O)Rより選ばれる。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0054]により、ここで、Uは、−O−である。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0054]により、ここで、Uは、非存在である。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0051]により、ここで、Yは、−CHCH−、−CH−、及び非存在より選ばれる。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0058]により、ここで上述の飽和架橋環系は、式VI
Figure 2008537748
(式中、R、R10、及びR11は、それぞれ独立して−H、及び−OR12より選ばれ;又は
は、−H、及び−OR12より選ばれ、かつR10及びR11は、一緒になって、置換されていてもよいアルキリデン又はオキソのいずれかであり;
12は、−H、−C(O)R、置換されていてもよい低級アルキリジン、置換されていてもよい低級アリールアルキリジン、置換されていてもよい低級ヘテロシクリルアルキリジン、置換されていてもよい低級アルキリデン、置換されていてもよい低級アルキリデンアリール、置換されていてもよい低級アルキリデンヘテロシクリル、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アルキルアリール、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよい低級ヘテロシクリルアルキル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルより選ばれ;
或いは、2つのR12は、一緒になって、1)前述の2つのR12がR10及びR11から生じる場合に、対応するスピロ環状ケタールを形成するか、又は2)前述の2つのR12がR並びにR10及びR11の1つから生じる場合に、対応する環状ケタールを形成する)のものである。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0059]により、ここで、R10及びR11の一方は、−OR12であり、ここで、R12は、−H、−C(O)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ;かつ、R並びにR10及びR11の他方は、いずれも−Hである。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0060]により、ここでYは、−CH−又は非存在のどちらかである。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0061]により、ここでRは、その上に少なくとも1つのフッ素置換を含んだアルキル基である。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0052]により、ここで上述の飽和架橋環系は、式VIIである。
Figure 2008537748
他の例において、化合物は、パラグラフ[0063]により、ここでYは、−CH−又は非存在のどちらかである。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0064]により、ここでRは、メチル又はエチルである。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0052]により、ここで上述の飽和架橋環系は、式VIIIである。
Figure 2008537748
他の例において、化合物は、パラグラフ[0066]により、ここでYは、−CH−である。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0067]により、ここでRは、メチル又はエチルである。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0052]により、ここで上述の飽和架橋環系は式IX
Figure 2008537748
(式中、Uは、−O−、−S(O)0−2−、−NR−、−CR−、及び非存在より選ばれる)である。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0069]により、ここで式IXのRは、−H及び置換されていてもよいアルキルより選ばれる。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0070]により、ここでUは、−CR−又は非存在のどちらかである。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0071]により、ここでUは、−CH−又は非存在のどちらかである。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0072]により、ここでYは、−CH−である。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0052]により、ここで上述の飽和架橋環系は、式Xによる。
Figure 2008537748
他の例において、化合物は、パラグラフ[0074]により、ここでRは、メチル又はエチルである。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0033]により、表1より選ばれる。
Figure 2008537748
他の態様において、本発明は、式A−B−C[式中、Aは、
Figure 2008537748
より選ばれ、
Bは、
Figure 2008537748
より選ばれ、
かつ、Cは、
Figure 2008537748
より選ばれ、
式中、Rは、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NH、−NO、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ;
qは、0乃至2であり;
それぞれのRは、独立して、−H、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、及び置換されていてもよいヘテロアリールアルキルより選ばれる;
2つのR3は、それらが結合している窒素と一緒に、4乃至7員ヘテロアリサイクリックを形成し、前述の4乃至7員ヘテロアリサイクリックは、1つのさらなるヘテロ原子を含んでいてもよく;1つの前述のさらなるヘテロ原子が窒素である場合、前述の窒素は−H、トリハロメチル、−SO、−SONR、−CO、−C(O)NR、−C(O)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれる基で置換されていてもよく;
それぞれのR35は、独立して、−H、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)SR、−SO、−C(=O)N(R)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ;
2つのR35は、それらが結合している窒素と一緒に組み合わさって、1つ及び4つの間のR60で置換されていてもよいヘテロアリサイクリックを形成することができ、前述のヘテロアリサイクリックは、さらなる環ヘテロ原子を有し得、前述のヘテロアリサイクリックは、それに縮環するアリールを有し得、前述のアリールは、さらなる1つ乃至4つのR60で置換されていてもよく;
は、=N−又は=C(H)−のどちらかであり;
は、−H又は置換されていてもよい低級アルキルであり;
は、R、−SONR、−CO、−C(O)NR、−SO、及び−C(O)Rより選ばれ;
、R10、及びR11は、それぞれ独立して、−H、及び−OR12より選ばれ;或いは
は、−H、及び−OR12より選ばれ、R10及びR11は、一緒になって、置換されていてもよいアルキリデン又はオキソのいずれかであり;かつ
12は、−H、−C(O)R、置換されていてもよい低級アルキリジン、置換されていてもよい低級アリールアルキリジン、置換されていてもよい低級ヘテロシクリルアルキリジン、置換されていてもよい低級アルキリデン、置換されていてもよい低級アルキリデンアリール、置換されていてもよい低級アルキリデンヘテロシクリル、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アルキルアリール、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよい低級ヘテロシクリルアルキル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルより選ばれ;
或いは、2つのR12は、一緒になって、1)前述の2つのR12がR10及びR11から生じる場合に、対応するスピロ環状ケタールを形成するか、又は2)前述の2つのR12がR並びにR10及びR11の1つから生じる場合に、対応する環状ケタールを形成し;
は、−O−、−CH−、−N(R)−、及び−S(O)0−2−より選ばれ;
Qは、5乃至10員環系であって、ゼロ乃至4つのR20で置換されていてもよく;
20は、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ;
60は、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、及び置換されていてもよいアリールアルキルより選ばれ;
2つのR60は、非芳香族炭素に結合する場合、オキソであり得;
それぞれのメチレンは、上記の式のいずれにおいても、独立して、R25で置換されていてもよい;
それぞれのR25は、独立してハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれる;2つのR25は、それらが結合している単数又は複数の炭素と一緒に組み合わさって、3乃至7員アリサイクリック又はヘテロアリサイクリックを形成することができ、単一の炭素上の2つのR25は、オキソであることができる;
ただし、Bが
Figure 2008537748
より選ばれ、Cが
Figure 2008537748

を包含し、Cの残余部分が
Figure 2008537748
の一つを包含し、それが
Figure 2008537748

に直接結合する場合、Aは、
Figure 2008537748
の1つでなくてはならなく、Cが
Figure 2008537748

を包含し、かつ、Bが
Figure 2008537748
より選ばれる場合、
Figure 2008537748

に直接結合するCの部分は、
Figure 2008537748

を包含し得ず、そのとき、R70は、−H、C1−4アルキル、及びC1−4アルコキシルより選ばれる]
のキナーゼ活性を調節する化合物又はその医薬上許容され得る塩、水和物、若しくはプロドラッグを包含する。
他の例において化合物は、パラグラフ[0077]により、ここでQは、フェニル、ナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、インダニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロイソキノリル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロピリジニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、チアゾリル、チアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、キノリル、イソキノリル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フリル、チエニル、ベンゾチエニル(benzothieliyl)、及びオキサジアゾリルより選ばれる;それぞれは、1つ及び4つの間のR20で置換されていてもよく;それぞれのR20は、独立して−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれる。
他の例において化合物は、パラグラフ[0078]により、ここでBは、次の:
Figure 2008537748
のいずれかである。
他の例において化合物は、パラグラフ[0079]により、ここでBは、
Figure 2008537748

である。
他の例において化合物は、パラグラフ[0080]により、ここでCは、
Figure 2008537748
Figure 2008537748
(式中、R、R、R、R20、R25及びR60は、上記に定義の通りである)より選ばれる。
他の例において化合物は、パラグラフ[0082]により、Rは、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−OR、−NR、−CO、−C(O)NR、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれる。
他の例において化合物は、パラグラフ[0083]により、ここでRは、ハロゲンである。
他の例において化合物は、パラグラフ[0084]により、ここでRは、フッ素又は塩素のいずれかである。
他の例において、化合物は、パラグラフ[0077]により、表2
Figure 2008537748
より選ばれる。
本発明の他の態様は、パラグラフ[0033]−[0085]のいずれか1つの化合物を含む医薬組成物又は医薬上許容され得る担体である。
本発明の他の態様は、パラグラフ[0022]−[0086]のいずれか1つの、化合物又は医薬組成物の、代謝物である。
本発明の他の態様は、キナーゼのインビボ活性を調節する方法であって、当該方法は、パラグラフ[0033]−[0086]のいずれかの、化合物又は医薬組成物の有効量を、被検体に投与することを含む。
本発明の他の態様は、パラグラフ[0088]による方法であって、ここでキナーゼのインビボ活性の調節は、前述のキナーゼの阻害を含む。
本発明の他の態様は、パラグラフ[0089]による方法であって、ここでキナーゼは、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、及びflt−4の少なくとも1つである。
本発明の他の態様は、パラグラフ[0091]による方法であって、ここでキナーゼは、c−Metである。
本発明の他の態様は、不制御の、異常な、及び/又は望まれない細胞活動に関連した、疾病又は障害を治療する方法であって、当該方法は、それを必要とする哺乳動物に治療的に有効量のパラグラフ[0033]−[0086]のいずれか1つに記載の化合物又は医薬組成物を投与することを含む。
本発明の他の態様は、キナーゼのモジュレーターのスクリーニングの方法であって、前述のキナーゼはc−Met、KDR、c−Kit、flt−3、及びflt−4より選ばれ、当該方法は、パラグラフ[0033]−[0085]のいずれか1つの化合物、及び少なくとも1つの候補薬剤を合わせること、並びに前述のキナーゼの活性における候補薬剤の効果を決定することを含む。
本発明の他の態様は、細胞での増殖活性を阻害する方法であって、当該方法は、パラグラフ[0033]−[0085]のいずれか1つの化合物を含む、有効量の組成物を、細胞又は複数の細胞に投与することを含む。
言及のように、本発明の改良キノリンは、通常の連続する方法によって調製することができるが、それらの複雑な構造のために、より効率的な経路、特に収束的な合成、が望ましい。それ故、本発明は、式XXIの化合物を調製する工程をも包含し、
Figure 2008537748
該工程は式XXIIIの化合物と、式XXIIの化合物との反応を包含し、
Figure 2008537748
式中、
それぞれのRは、独立して、ハロゲン、−OR、−NO、−NH、−NR、−D−R50及び置換されていてもよいC1−6アルキルより選ばれ;
70は、−H、ハロゲン、−OR、−S(O)0−2、−NO、−NH、−NR、及び置換されていてもよいC1−6アルキルより選ばれ;
Zは、−S(O)0−2−、−O−、及び−NR−より選ばれ;
それぞれのRは、独立して、−H、置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいアリール、及び置換されていてもよいアリールC1−6アルキルより選ばれ;
Arは、5乃至10員アリーレン又は1つ及び3つの間のヘテロ原子を含む5乃至10員ヘテロアリーレンのいずれかであり;
は、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、及び置換されていてもよいC1−6アルキルより選ばれ;
それぞれのRは、独立して、−H、−Si(R)(R)R、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、及び置換されていてもよいヘテロアリールアルキルより選ばれ;
2つのRは、それらが結合している窒素と一緒に、4乃至7員ヘテロアリサイクリックを形成し、前述の4乃至7員ヘテロアリサイクリックは1つのさらなるヘテロ原子を任意に含み;1つの前述の更なるヘテロ原子が窒素であるとき、前述の窒素は、−H、トリハロメチル、−SO、−SONR、−CO、−C(O)NR、−C(O)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれる基で置換されていてもよく;
Bは、非存在、−N(R13)−、−N(SO13)−、−O−、−S(O)0−2−、及び−C(=O)−より選ばれる;
Lは、非存在、−C(=S)N(R13)−、−C(=NR14)N(R13)−、−SON(R13)−、−SO−、−C(=O)N(R13)−、−N(R13)−、−C(=O)C1−2アルキルN(R13)−、−N(R13)C1−2アルキルC(=O)−、−C(=O)C0−1アルキルC(=O)N(R13)−、−C(=O)−、−C0−4アルキレン−、−C(=O)C0−1アルキルC(=O)OR−、−C(=NR14)C0−1アルキルC(=O)−、−C(=O)C0−1アルキルC(=O)−、及び1つ及び3つの間の環ヘテロ原子を含み、かつ少なくとも1つの窒素を含む、置換されていてもよい4乃至6員ヘテロシクリルより選ばれ;
Tは、−H、−R13、−C0−4アルキル、−C0−4アルキルQ、−OC0−4アルキルQ、−C0−4アルキルOQ、−N(R13)C0−4アルキルQ、−SO0−4アルキルQ、−C(=O)C0−4アルキルQ、−C0−4アルキルN(R13)Q、及び−C(=O)N(R13)C0−4アルキルQより選ばれ、ここで、それぞれ前述のC0−4アルキルは、置換されていてもよく;
Qは、5乃至10員環系であって、ゼロ乃至4つのR20で置換されていてもよく;
それぞれのR20は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルC1−6アルキルより選ばれ;
2つのR20は、それらが結合している単数又は複数の原子と一緒に、組み合わさって、置換されていてもよい3乃至7員ヘテロアリサイクリックを形成し、前述の置換されていてもよい3乃至7員ヘテロアリサイクリックは、Qにスピロ結合しているか、Qに縮合しているかのいずれかであり;
Dは、−O−、−S(O)0−2−、及び−NR15−より選ばれ;
50は、Rか式XXIVによるかのいずれかであり;
Figure 2008537748
式中、X、X、及び必要に応じてXは、飽和架橋環系の原子を表し、前述の飽和架橋環系は、X、X、及びXのいずれかで表される最大4つの環ヘテロ原子を包含し;ここで、
それぞれのXは、独立して、−C(R)R−、−O−、−S(O)0−2−、及び−NR−より選ばれ;
それぞれのXは、独立して、置換されていてもよい橋頭メチン又は橋頭窒素であり;
それぞれのXは、独立して−C(R)R−、−O−、−S(O)0−2−、及び−NR−より選ばれ;
Yは、:
Dと、1)Xが橋頭窒素であるときXを除き、飽和架橋環系の任意の環原子、若しくは2)RかRのいずれかで示されている任意のヘテロ原子との間の、置換されていてもよいC1−6アルキレンリンカー;ただし、Dと、飽和架橋環系の任意の環ヘテロ原子若しくはRかRのいずれかで示される任意のヘテロ原子の間に、少なくとも2つの炭素原子が存在する;か、
又は、Yは、非存在であり、Yが非存在であるとき、Dが−SO−でない限り、上述の飽和架橋環系は、上述の飽和架橋環系の環の炭素を経由してDに直接結合しており、その場合、上述の飽和架橋環系は、上述の飽和架橋環系の任意の環原子を経由してDに直接結合しており;
m及びpは、それぞれ独立して1乃至4であり;
nは、0乃至2であって、nが0であるとき、2つの橋頭Xの間に単結合が存在し;
及びRは、それぞれ独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NH、−NO、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−NCO、−C(O)R、置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、置換されていてもよいヘテロシクリルC1−6アルキル(a C1−6lkyl)、及び、Y又はDのいずれかへの結合より選ばれる;或いは
及びRは、一緒になって、オキソであり;或いは
及びRは、それらが結合する共有の炭素と一緒になって、置換されていてもよい3乃至7員スピロシクリル(spirocyclyl)を形成し、前述の置換されていてもよい3乃至7員スピロシクリルは、N、O、S、及びPより選ばれる少なくとも1つのさらなる環ヘテロ原子を任意に含み;
は、−R、Y、−SONR、−CO、−C(O)NR、−SO、及び−C(O)Rより選ばれ;
13は、−H、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)SR、−SO、−C(=O)N(R)R、及び置換されていてもよいC1−6アルキルより選ばれ;
2つのR13は、それらが結合している単数又は複数の原子と一緒に、組み合わさって、1つ及び4つの間のR60で置換されていてもよいヘテロアリサイクリックを形成することができ、前述のヘテロアリサイクリックは、最大4つの環ヘテロ原子を包含し、かつ前述のヘテロアリサイクリックは、それに縮合するアリール若しくはヘテロアリールを包含してもよく、その場合、前述のアリール若しくはヘテロアリールは、更なる1つ乃至4つのR60で置換されていてもよく;
14は、−H、−NO、−NH、−N(R)R、−CN、−OR、置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいヘテロアリシクリルC1−6アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル及び置換されていてもよいヘテロアリサイクリックより選ばれ;
15は、基−M−M(式中、Mは、非存在、−C(=S)N(R13)−、−C(=NR14)N(R13)−、−SON(R13)−、−SO−、−C(=O)N(R13)−、−C(=O)C(=O)N(R13)−、−C0−4アルキレン−、−C(=O)−、及び1つ及び3つの間のヘテロ原子を含むが、少なくとも1つの窒素を含む置換されていてもよい4乃至6員ヘテロシクリルより選ばれ;かつMは、−H、−C0−6アルキル、アルコキシ、−C(=O)C0−4アルキルQ、−C0−4アルキルQ、−OC0−4アルキルQ−、−N(R13)C0−4アルキルQ−、及び−C(=O)N(R13)C0−4アルキルQより選ばれる)であり;
60は、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリールC1−6アルキル、及び置換されていてもよいアリールC1−6アルキルより選ばれ;
2つのR60は、非芳香族炭素に結合しているとき、オキソであることができ;
は、適切な脱離基であり;かつ
は、−H、金属、及びXXIIとXXIIIを結合してXXIを製造するときにインサイチュで除かれる基より選ばれる。
一つの例において、当該工程は、パラグラフ[0095]により、ここで、Arは、前述のフェニレンについての−Z−及び−B−L−Tの置換形態によって定義された通りのパラ−フェニレンである。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0096]により、ここで、Zは、−O−又は−NR−のいずれかである。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0097]により、ここで、−B−L−Tは、以下の
Figure 2008537748
Figure 2008537748
(式中、Q、R20、及びR13は、上記に定義の通りであり;それぞれのEは、−O−、−N(R13)−、−CH、及び−S(O)0−2−より選ばれ;Mは、−O−、−N(R13)−、−CH−、及び−C(=O)N(R13)−より選ばれ;それぞれのVは、独立して、=N−又は=C(H)−のどちらかであり;それぞれのメチレンは、上記の式のいずれにおいても、独立してR25で置換されていてもよく;かつR25は、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル、ヘテロアリールC1−6アルキル、及び置換されていてもよいC1−6アルキルより選ばれ;2つのR25は、それらが結合している単数又は複数の炭素と一緒に組み合わさって、置換されていてもよい3乃至7員アリサイクリック又はヘテロアリサイクリックを形成することができ;単一の炭素上の2つのR25は、オキソであることができる)より選ばれる。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0098]により、ここで、−D−R50であるRも存在すれば、−OR3aであるRも存在する。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0099]により、ここで、Dは、−O−である。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0100]により、ここで、−O−R50及び−OR3aは、式XXIのキノリンの6位及び7位に互換性を有して位置する。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0101]により、ここで、−OR3aは、−OH、−OSi(R)(R)R、及び置換されていてもよい−OC1−6アルキルより選ばれる。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0102]により、ここで、−B−L−Tは、
Figure 2008537748
(式中、Q、R20、R13、E、及びR60は、上記に定義の通りであり;それぞれのメチレンは、上記の式のいずれにおいても、環として表されたもの以外、独立して、R25で置換されていてもよく;かつR25は、ハロゲン、トリハロメチル、オキソ、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル、ヘテロアリールC1−6アルキル、及び置換されていてもよいC1−6アルキルより選ばれ;2つのR25は、それらが結合している単数又は複数の炭素と一緒に組み合わさって3乃至7員の置換されていてもよいアリサイクリック又はヘテロアリサイクリックを形成することができる)より選ばれる。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0103]により、ここでQは、次の3つの式
Figure 2008537748
(式中、R20は、上記に定義した通りであり、Pは、5乃至7員環であり、Pは、縮合している芳香環の2つの共有の炭素を含み、Pは、1つ及び3つの間のヘテロ原子を包含していてもよい)より選ばれる。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0104]により、ここで、式XXIIaの化合物は、式XXIIIaの化合物と組み合わされて、式XXIaの化合物を作る
Figure 2008537748
(式中、−B−L−T、Z、R50、及びRは、上記に定義の通りであり;R70は、−H、−NO、−NH、及び−NRより選ばれ;Zが、−N(R)−であるときであるなら、Rは、−H、C1−3アルキル、及びアリールC1−3アルキルより選ばれる;Pは、ハロゲン、置換されていてもよいアルキル−S(O)0−2−、置換されていてもよいスルホン酸アリール、置換されていてもよいスルホン酸アルキル、ホウ素を含む基,アジド、リンを含む基、及び金属より選ばれ;かつPは、−H及び金属より選ばれる)。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0105]により、ここで、Pは、−H、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、銅、パラジウム、及びチタンより選ばれる。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0106]により、ここで、Zは、−O−である。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0107]により、ここで、Pは、塩素、臭素、トルエンスルホネート、及びトリフルオロメタンスルホネート(trifluoromethansulfonate)より選ばれる。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0108]により、ここで、R70は、−Hである。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0109]により、ここで、Rは、C1−6アルキル、ペルフルオロC1−6アルキル、及びハロゲンより選ばれる。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0110]により、ここで、XXIIa及びXXIIIaは、一緒に加熱され、塩基と共でもよく、マイクロ波照射によってもよく、XXIaを形成する。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0111]により、ここで、塩基は、有機塩基、無機塩基、並びに、有機塩基及び無機塩基の組み合わせより選ばれる。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0112]により、ここで、塩基は、2,6−ルチジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、及び金属炭酸塩より選ばれる。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0113]により、ここで、XXIIa及びXXIIIaは、約40℃及び200℃の間にて、約1時間及び24時間の間、前述の塩基と共に溶媒中で一緒に加熱されXXIaを形成する。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0114]により、ここで溶媒は、有機溶媒である。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0115]により、ここで、1モル当量(molar equivalent)のXXIIaは、約4分の1及び4モル当量の間のXXIIIaと合わされる。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0116]により、ここで、1モル当量のXXIIaは、1よりも多く2よりも少ないモル当量のXXIIIaと合わされる。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0117]により、ここでXXIIaは、XXIIIa及び前述の塩基と芳香族溶媒中で合わされ、混合物を形成し、前述の混合物は、約100℃及び200℃の間で約1及び10時間の間加熱されIaを形成する。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0118]により、ここで、芳香族溶媒は、置換されていてもよいベンゼンである。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0119]により、ここで、芳香族溶媒は、ブロモベンゼンである。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0120]により、ここで、塩基は、4−N,N−ジメチルアミノピリジンである。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0121]により、ここで、前述の混合物は、約3及び7時間の間加熱還流される。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0122]により、ここで、前述の混合物は、約4及び6時間の間加熱還流される。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0117]により、ここで、XXIIaは、XXIIIa及び前述の塩基と非芳香族溶媒中で合わされ、混合物を形成し、前述の混合物は、約40℃及び100℃の間で約1時間及び20時間の間で加熱されてXXIaを形成する。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0124]により、ここで非芳香族溶媒は、アミド、及びエーテル、ニトリル、ハライド、エステル、アミン、並びにケトンより選ばれる官能基を含む。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0125]により、ここで、当該非芳香族溶媒は、N,N−ジメチルアセトアミドである。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0126]により、ここで塩基は、炭酸カリウムである。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0127]により、ここで、前述の混合物は、約10乃至20時間の間、約50℃に加熱される。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0128]により、ここで、当該芳香族溶媒は、置換されていてもよいピリジンである。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0129]により、ここで、当該芳香族溶媒は、2,6−ルチジンである。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0130]により、ここで、当該塩基は、2,6−ルチジンである。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0131]により、ここで、前述の混合物は、約3及び7時間の間、加熱還流される。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0132]により、ここで、前述の混合物は、約4及び6時間の間、加熱還流される。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0116]により、ここで、1モル当量(molar equivalent)のXXIIIaは、1よりも多く2よりも少ないモル当量(molar equivalent)のXXIIaと合わされる。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0134]により、ここで、XXIIaは、XXIIIa及び前述の塩基と芳香族溶媒中、合わせられて、混合物を形成し、前述の混合物は、約100℃と200℃の間で、約10乃至20時間の間加熱されて、XXIaを形成する。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0135]により、ここで、当該芳香族溶媒は、置換されていてもよいピリジンである。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0136]により、ここで、当該芳香族溶媒は、2,6−ルチジンである。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0137]により、ここで、当該塩基は、2,6−ルチジンである。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0138]により、ここで、前述の混合物は、約150℃及び200℃の間で、約15及び20時間の間加熱される。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0111]−[0139]のいずれかにより、ここで、式XXIIaの化合物の代わりに式XXIIbの化合物が用いられ、かつ式XXIIIaの化合物の代わりに式XXIIIcの化合物が用いられ、式XXIcの化合物を製造することが目的であり、それぞれは、
Figure 2008537748
(式中、R50、R20及びRは、上記に定義の通りである)。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0140]により、ここで、Rは、存在するならば、ハロゲンである。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0141]により、ここで、Rは、存在するならば、フッ素である。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0142]により、ここで、Rは、存在するならば、Rが結合しているフェニレンの酸素に対してオルトである最大2つのフッ素である。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0095]により、表1又は表2のいずれかに記載された化合物を製造するために用いられる。
他の例において、当該工程は、パラグラフ[0095]−[0144]のいずれかにより、更に、前述の化合物をその医薬上許容され得る塩、水和物、又はプロドラッグに変換することを包含する。
(定義)
本明細書で用いられる、以下の語及び句は、これらが用いられる文脈が別段示す範囲か、又はこれらが何らかの異なる意味を明確に定義される範囲を除き、通常、以下に示す意味を有することが意図される。
記号「−」は、単結合を意味し、「=」は二重結合を意味し、「≡」は三重結合を意味する。記号
Figure 2008537748
は、該記号が結合する二重結合の末端のいずれかの位置を占める、二重結合上の基をいう。換言すれば、二重結合のE−又はZ−といった配置は両意義である。基が、その親の式から取り除かれて描かれる場合、記号
Figure 2008537748
は、その親の構造式から基を切り離すために、理論上分断された結合の終端に用いられる。
化学構造が、描写又は記載される場合、別に明確に述べない限り、全ての炭素は、4つの原子価に合うように水素置換されるとみなされる。例えば、以下の図式の左側の構造では、黙示の9つの水素がある。これら9つの水素は、右側構造に描かれている。時々、構造中の特定の原子が、置換基として水素(単数又は複数)(明らかに示された水素)を有する文字式(例えば、−CHCH−)で描かれる。上記記述手法は、そうしなければ複雑となる構造の記載を簡潔化及び単純化するために、化学分野で共通することを、当業者は理解する。
Figure 2008537748
本出願において、いくつかの環構造は、一般的に描写され、そして文字で記載される。例えば、以下の図式において、左の構造において、環Aを用いて「スピロシクリル」を記載する場合、環Aがシクロプロピルであるとき、環Aに最大4つの水素がある(この場合、「R」も−Hであり得る)。別の例では、以下の図式の右側に描写されるように、環Bを用いて「フェニレン」を記載する場合、環Bに最大4つの水素があり得る(描写される切り離された結合は、C−H結合でないとみなす)。
Figure 2008537748
例えば、式:
Figure 2008537748

のように、「R」基が、環系の上に「浮遊」として描写される場合、別に定義されない限り、置換基「R」は、この環系の任意の原子上に存在し得る(安定な構造が形成される限り、環原子の1つから、描写、黙示、又は明確に規定された水素が交換されるとみなす)。
「R」基が、例えば、式:
Figure 2008537748
のように、縮合環系の上に浮遊しているように描写される場合、別に定義されない限り、置換基「R」は、この縮合環系の任意の原子上に存在し得る(安定な構造が形成される限り、環原子の1つから、描写(例えば、上記式中の−NH−)、黙示(例えば、上記式のような、水素は示されないが、存在すると解釈される場合)、又は明確に規定(例えば、上記式において、「X」が=CH−である場合)された水素が交換されるとみなす)。描写される例では、「R」基は、縮合環系の5員又は6員の環のいずれかに存在し得る。上記式において、例えば、yが2の場合、2つの「R」は、環系の任意の2原子の上に存在し得る(この場合でも、各々が、環上の、描写、黙示、又は明確に規定された水素を交換するとみなす)。
例えば、式:
Figure 2008537748
(ここで、2つの基、即ち、「R」及び親構造に対する結合を示す結合がある)のように、描写される「浮遊」基が2以上ある場合、他に定義されない限り、この「浮遊」基は、この環系の任意の原子上に存在し得、この場合でも、各々が、環上の、描写、黙示、又は明確に規定された水素を交換するとみなす。
例えば、式:
Figure 2008537748

(この例において、「y」は2以上であり得、各々が、環上の、現在描写、黙示、又は明確に規定された水素を交換するとみなす)のように、「R」基が、飽和炭素を含む環系上に存在するよう描写される場合、他に定義されない限り、得られる構造が安定であるとき、2つの「R」は、同じ炭素上に存在し得る。単純な例としては、Rがメチル基である場合、描写された環の炭素(「環」炭素)上にジェミナル(geminal)のジメチルが存在し得る。別の例では、同じ炭素上の2つのR(該炭素を含む)は環を形成し、それにより、例えば、式:
Figure 2008537748

のように描写される環を有するスピロ環(「スピロシクリル(spirocyclyl)」基)構造を形成し得る。
「アルキル」は、直鎖、分枝鎖、又は環式炭化水素構造、及びそれらの組み合わせを包括的に含むことを意図する。例えば、「Cアルキル」とは、n−オクチル、iso−オクチル、シクロヘキシルエチル等のことを言及し得る。低級アルキルとは、1つから6つの炭素原子のアルキル基のことをいう。低級アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。高級アルキルとは、8を超える(more that)炭素原子を含むアルキル基のことをいう。典型的なアルキル基は、C20以下のアルキル基である。シクロアルキルは、アルキルのサブセットであり、3つから13の炭素原子の環式炭化水素基が挙げられる。シクロアルキル基の例としては、c−プロピル、c−ブチル、c−ペンチル、ノルボルニル、アダマンチル等が挙げられる。本出願において、アルキルとは、アルカニル残基、アルケニル残基、及びアルキニル残基(並びにそれらの組み合わせ)のことをいい;シクロヘキシルメチル、ビニル、アリル、イソプレニル等を含むことを意図する。このように、特定の数の炭素を有するアルキル残基の名前が挙げられる場合、その数の炭素を有する幾何異性体の全てが包含されることを意図する;従って、例えば、「ブチル」又は「Cアルキル」はいずれも、n−ブチルラジカル、sec−ブチルラジカル、イソブチルラジカル、t−ブチルラジカル、イソブテニルラジカル及びブト−2−インラジカルを含むものとし、そして、例えば、「プロピル」又は「Cアルキル」としては、それぞれ、n−プロピル、プロペニル、及びイソプロピルが挙げられる。
「アルキレン」とは、炭素及び水素原子のみから構成され、不飽和を含まず、かつ1つから10の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖の2価ラジカル(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレン等)のことをいう。アルキレンは、アルキルと同じ残基を指す、アルキルのサブセットであるが、2つの結合部位を有し、具体的には、完全に飽和される。アルキレンの例としては、エチレン(−CHCH−)、プロピレン(−CHCHCH−)、ジメチルプロピレン(−CHC(CHCH−)、及びシクロヘキシルプロピレン(−CHCHCH(C13))が挙げられる。
「アルキリデン」は、炭素及び水素原子のみから構成され、2つから10の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖の不飽和2価ラジカル(例えば、エチリデン、プロピリデン、n−ブチリデン等)のことをいう。アルキリデンは、アルキルと同じ残基を指す、アルキルのサブセットであるが、2つの結合部位を有し、具体的には、2つの結合不飽和を有する。この不飽和の存在としては、少なくとも1つの二重結合が挙げられる。
「アルキリジン」は、2つから10の炭素原子を有する、炭素原子及び水素原子のみから構成される、直鎖又は分枝鎖の不飽和2価ラジカル(例えば、プロピリダ−2−イニル、n−ブチリダ−1−イニル等)のことをいう。アルキリジンは、アルキルと同じ残基を指す、アルキルのサブセットであるが、2つの結合部位を有し、具体的には、3つの結合不飽和を有する。この不飽和の存在としては、少なくとも1つの三重結合が挙げられる。
上記のラジカル、「アルキレン」、「アルキリデン」及び「アルキリジン」のいずれも、任意に置換される場合、それ自体に不飽和を含むアルキル置換を含み得る。例えば、2−(2−フェニルエチニル−ブタ−3−エニル)−ナフタレン(IUPAC名)は、上記のラジカルの2位にビニル置換基を有するn−ブチリド−3−イニルラジカルを包含する。
「アルコキシ」又は「アルコキシル」は、例えば、酸素原子を通して親構造に結合する、1つから8つの炭素原子の、直鎖、分枝鎖、環構造、不飽和鎖、及びそれらの組み合わせを含む、−O−アルキル基のことをいう。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシ等が挙げられる。低級アルコキシとは、1つから6つの炭素を含む基のことをいう。
「置換アルコキシ」とは、−O−(置換アルキル)基のことをいい、このアルキル基上の置換は、(アルコキシによって定められるように)一般的に炭素以外も含む。1つの典型的な置換アルコキシ基は、「ポリアルコキシ」又は−O−置換されていてもよいアルキレン−置換されていてもよいアルコキシであり、そして、−OCHCHOCHのような基、並びにポリエチレングリコール及び−O(CHCHO)CH(ここで、xは、約2から約20の整数であり、別の例では、約2から約10、更に別の例では、約2から約5の整数である)のようなグリコールエーテルを含む。他の典型的な置換アルコキシ基の例としては、ヒドロキシアルコキシ又は−OCH(CHOH(ここで、yは、例えば、約1から約10の整数、別の例では、yは約1から約4の整数である)である。
「アシル」とは、カルボニル基を通して親構造に結合した、直鎖、分枝鎖、環構造、飽和、不飽和、及び芳香族、並びにそれらの組み合わせの1つから10の炭素原子の基のことをいう。アシル残基中の1つ以上の炭素は、親構造への結合部位が、カルボニルのままである限り、窒素、酸素、又は硫黄に置き換えられてもよい。例としては、アセチル、ベンゾイル、プロピオニル、イソブチリル、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル等が挙げられる。低級アシルとは、1つから6つの炭素を含む基のことをいう。
「α−アミノ酸」とは、天然に存在する及び市販のアミノ酸、並びにそれらの光学異性体のことをいう。典型的な天然及び市販のα−アミノ酸は、グリシン、アラニン、セリン、ホモセリン、スレオニン、バリン、ノルバリン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、オミシン(omithine)、ヒスチジン、アルギニン、システイン、ホモシステイン、メチオニン、フェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、フェニルグリシン、オルト−チロシン、メタ−チロシン、パラ−チロシン、トリプトファン、グルタミン、アスパラギン、プロリン及びヒドロキシプロリンである。「α−アミノ酸の側鎖」とは、上記のα−アミノ酸のα−炭素に見られるラジカル(例えば、水素(グリシンに関して)、メチル(アラニンに関して)、ベンジル(フェニルアラニンに関して)等)のことをいう。
「アミノ」とは、−NH基のことをいう。「置換アミノ」とは、−N(H)R基又は−N(R)R基のことをいい、ここで、それぞれのRは、独立に、以下の群から選択される:置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロシクリル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、スルファニル、スルフィニル及びスルホニル(例えば、ジエチルアミノ、メチルスルホニルアミノ、フラニル−オキシ−スルホンアミノ)。
「アリール」とは、芳香族の6員から14員の炭素環式環(例えば、ベンゼン、ナフタレン、インダン、テトラリン、フルオレン等)の1価のラジカルのことをいう。1価のラジカルのとき、上記の環の例は、フェニル、ナフチル、インダニル、テトラリニル、及びフルオレニルと命名される。
「アリーレン」とは、一般的に、少なくとも2つの基が結合した任意のアリールのことをいう。より具体的な例として、「フェニレン」とは、2価のフェニル環ラジカルのことをいう。従って、フェニレンは、2を超える基が結合してもよいが、最小限、自身に結合した水素でない二つの基によって定義される。
「アリールアルキル」とは、アリール部分が、アルキレンラジカル、アルキリデンラジカル、又はアルキリジンラジカルの1つを介して親構造に結合した残基のことをいう。例としては、ベンジル、フェネチル、フェニルビニル、フェニルアリル等が挙げられる。アリール、及びアリールアルキル基の対応するアルキレンラジカル部分、アルキリデンラジカル部分又はアルキリジンラジカル部分の両方は、置換されていてもよい。「低級アリールアルキル」とは、基の「アルキル」部分が、1つから6つの炭素を有するアリールアルキルのことをいい;これをまたC1−6アリールアルキルともいうことができる。
「エキソ(Exo-)アルケニル」とは、環炭素から出てくる二重結合であって、環系の中にはない二重結合のことをいう(例えば、下式
Figure 2008537748

に描写される二重結合)。
いくつかの例では、当業者に理解されるように、芳香族系における2つの隣接する基は、縮合して環状構造を形成し得る。縮合環状構造は、ヘテロ原子を含み得、そして1つ以上の基で置換されていてもよい。そのような縮合基の飽和炭素(すなわち、飽和環構造)は、2つの置換基を含み得ることに更に注目すべきである。
「縮合多環」又は「縮合環系」とは、架橋環又は縮合環を含む、多環式環系のことをいう。すなわち、2つの環が、それらの環構造の中に2以上の共有原子を有する。本出願において、縮合多環及び縮合環系は、必ずしもすべて芳香族環系ではない。典型的には、必ずしもそうではないが、縮合多環は、例えば、ナフタレン又は1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレンのように、原子の近接するセットを共有する。スピロ環系は、この定義による縮合多環ではないが、本発明の縮合多環系は、それ自体に、該縮合多環の単環原子を介してそれに結合したスピロ環を有してもよい。
「ハロゲン」又は「ハロ」とは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素のことをいう。「ハロアルキル」及び「ハロアリール」とは、一般的に、1つ以上のハロゲンでそれぞれ置換されたアルキル及びアリール基のことをいう。従って、「ジハロアリール」、「ジハロアルキル」、「トリハロアリール」等は、複数のハロゲンで置換されたアリール及びアルキルのことをいうが、複数の同じハロゲンである必要はない;従って、4−クロロ−3−フルオロフェニルは、ジハロアリールの範囲内である。
「ヘテロアリーレン」とは、一般的に、少なくとも2つの基が結合した任意のヘテロアリールのことをいう。より具体的な例として、「ピリジレン」とは、2価のピリジル環ラジカルのことをいう。従って、ピリジレンは、結合した2を超える基を有していてもよいが、最小限、自身に結合した水素でない二つの基によって定義される。
「ヘテロ原子」とは、O、S、N、又はPのことをいう。
「ヘテロシクリル」とは、炭素原子並びに窒素、リン、酸素及び硫黄からなる群より選択される、1つから5つのヘテロ原子からなる、安定な3員から15員の環ラジカルのことをいう。本発明の目的のために、ヘテロシクリルラジカルは、単環系、二環系又は三環系であり得、これらは、縮合環系又は架橋環系並びにスピロ環系を含んでもよく;そして、ヘテロシクリルラジカル中の窒素原子、リン原子、炭素原子又は及び硫黄原子は、様々な酸化状態に酸化されていてもよい。具体的な例として、−S(O)0−2−基とは、−S−(スルフィド)、−S(O)−(スルホキシド)、及び−SO−(スルホン)のことをいう。便宜上、窒素、特に、しかし排他的でなく、環芳香族窒素として定義されるものは、特定の例で明示的に定義しないが、それらの対応するN−オキシド形態を含むものとする。従って、例えば、ピリジル環を有する本発明化合物に関して;対応するピリジル−N−オキシドが、本発明の別の化合物として含まれるものとする。更に、環窒素原子は、四級化されていてもよく;そして、環ラジカルは、部分的若しくは完全な飽和又は芳香族であってもよい。ヘテロシクリルラジカルの例としては、それらに限定されないが、アゼチジニル、アクリジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、カルバゾイル、シンノリニル、ジオキソラニル、インドリジニル、ナフチリジニル、ペルヒドロアゼピニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラゾイル、テトラヒドロイソキノリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、ピロリル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、トリアゾリル、イソキサゾリル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、キノリル、イソキノリル、デカヒドロイソキノリル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フリル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾチエリイル(benzothieliyl)、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジオキサホスホラニル、及びオキサジアゾリルが挙げられる。
「ヘテロアリサイクリック」とは、特に、非芳香族ヘテロシクリルラジカルのことをいう。ヘテロアリサイクリックは、不飽和を含み得るが、芳香族ではない。
「ヘテロアリール」とは、特に、芳香族へテロシクリルラジカルのことをいう。
「ヘテロシクリルアルキル」とは、ヘテロシクリルが、アルキレンラジカル、アルキリデンラジカル、又はアルキリジンラジカルの1つを介して親構造に結合する残基をいう。例としては、(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル、(モルホリン−4−イル)メチル、(ピリジン−4−イル)メチル、2−(オキサゾリン−2−イル)エチル、4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−ブテニル等が挙げられる。ヘテロシクリルと、ヘテロシクリルアルキル基の対応するアルキレンラジカル、アルキリデンラジカル、又はアルキリジンラジカル部分の両方は、置換されてもよい。「低級ヘテロシクリルアルキル」とは、該基の「アルキル」部分が、1から6の炭素を有するヘテロシクリルアルキルのことをいう。「ヘテロアリシクリルアルキル」とは、特に、該基のヘテロシクリル部分が非芳香族である、ヘテロシクリルアルキルのことをいい;そして、「ヘテロアリールアルキル」とは、特に、該基のヘテロシクリル部分が、芳香族であるヘテロシクリルアルキルのことをいう。そのような用語は、1以上の方法で記載され得、例えば、「低級ヘテロシクリルアルキル」及び「ヘテロシクリルC1−6アルキル」は同義語である。
「任意」又は「必要に応じて」とは、その後に記載される事象又は状況が、生じたり生じなかったりすることを意味し、そして該記述は、上記事象又は状況が生じる場合と、上記事象又は状況が生じなかった場合とを含むことを意味する。1以上の任意の置換基を含むと記載されるいかなる分子についても、単に立体的、現実的及び/又は合成的に実現可能な化合物のみが含まれることを意味することが、当業者に理解される。「置換されていてもよい」とは、用語における引き続く修飾語句の全てをいい、例えば、用語「置換されていてもよいアリールC1−8アルキル」において、任意の置換は、この分子の「C1−8アルキル」部分及び「アリール」部分の両方で生じ得;そして、例えば、置換されていてもよいアルキルとしては、置換されていてもよいシクロアルキル基を含み、これは次いで、置換されていてもよいアルキル基を含むと定義され、潜在的に際限なく続く。例示的な任意の置換基のリストは、以下の「置換(された)」の定義に列挙される。
「飽和架橋環系」は、芳香族ではない二環式環系又は多環式環系のことをいう。このような系は、孤立した又は共役した不飽和を含み得るが、その核となる構造の中に芳香族環も芳香族複素環も含み得ない(しかし、芳香族置換基は有してもよい)。例えば、ヘキサヒドロ−フロ[3,2−b]フラン、2,3,3a,4,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インデン、7−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、及び1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−ナフタレンは、全て「飽和架橋環系」のクラスに含まれる。
「スピロシクリル」又は「スピロサイクリック環」とは、別の環の特定の環炭素から生じる環のことをいう。例えば、以下に描写されるような、飽和架橋環系(環B及びB’)の環原子(橋頭原子ではない)は、飽和架橋環系とそれに結合したスピロシクリル(環A)との間の共有された原子であり得る。スピロシクリルは、カルボサイクリック又はヘテロアリサイクリックであり得る。
Figure 2008537748
「置換(された)」、アルキル、アリール、及びヘテロシクリルとは、それぞれ、1以上(例えば、約5まで、別の例では、約3まで)の水素原子が、独立に、以下から選択される置換基で置換されるアルキル、アリール、及びヘテロシクリルのことをいう:置換されていてもよいアルキル(例えば、フルオロメチル)、置換されていてもよいアリール(例えば、4−ヒドロキシフェニル)、置換されていてもよいアリールアルキル(例えば、1−フェニル−エチル)、置換されていてもよいヘテロシクリルアルキル(例えば、1−ピリジン−3−イル−エチル)、置換されていてもよいヘテロシクリル(例えば、5−クロロ−ピリジン−3−イル又は1−メチル−ピペリジン−4−イル)、置換されていてもよいアルコキシ、アルキレンジオキシ(例えばメチレンジオキシ)、置換されていてもよいアミノ(例えば、アルキルアミノ及びジアルキルアミノ)、置換されていてもよいアミジノ、置換されていてもよいアリールオキシ(例えば、フェノキシ)、置換されていてもよいアリールアルキルオキシ(例えば、ベンジルオキシ)、カルボキシ(−COH)、カルボアルコキシ(即ち、アシルオキシ又は−OC(=O)R)、カルボキシアルキル(即ち、エステル又は−COR)、カルボキサミド、ベンジルオキシカルボニルアミノ(CBZ−アミノ)、シアノ、アシル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、チオール、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、カルバミル、アシルアミノ、及びスルホンアミド。
「適切な脱離基」は、当業者によって理解され得る用語として定義される;すなわち、そのような基が結合した炭素が、新たな結合が形成される反応において、新たな結合が形成される際にそのような基を失うものである。本発明は、芳香族であり、結合形成反応を受け、かつ芳香族性を残す反応相手にかかる脱離基が結合している反応に特に収束的合成に関して、適する。そのような反応の典型的な例は、当業者に理解されるように、芳香族求核置換反応である。しかしながら、本発明は、そのような機構の制限に限定されず、例えば、例えば、その後に還元的カップリングが続く芳香族の反応相手とその脱離基との間への挿入反応(例えば、遷移金属による)がある反応もまた、本発明の範囲で用いられ得る。適切な脱離基の例としては、ハロゲン、置換されていてもよいアリール又はスルホン酸アルキル、ホスホネート、アジド、RS(O)0−2−(式中、Rは、例えば、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、又は置換されていてもよいヘテロアリールである)が挙げられる。
「スルファニル」とは、以下の基のことをいう:−S−(置換されていてもよいアルキル)、−S−(置換されていてもよいアリール)、及び−S−(置換されていてもよいヘテロシクリル)。
「スルフィニル」とは、以下の基のことをいう:−S(O)−H、−S(O)−(置換されていてもよいアルキル)、−S(O)−(置換されていてもよいアリール)、及び−S(O)−(置換されていてもよいヘテロシクリル)。
「スルホニル」とは、以下の基のことをいう:−S(O)−H、−S(O)−(置換されていてもよいアルキル)、−S(O)−(置換されていてもよいアリール)、−S(O)−(置換されていてもよいヘテロシクリル)、−S(O)−(置換されていてもよいアルコキシ)、−S(O)−(置換されていてもよいアリールオキシ)、及び−S(O)−(置換されていてもよいヘテロシクリルオキシ)。
本明細書に記載されるそれぞれの反応の「収率」は、理論収量のパーセンテージとして表される。
本発明化合物のいくつかは、芳香族ヘテロ環系から離れた(off)、イミノ置換基、アミノ置換基、オキソ置換基又はヒドロキシ置換基を有してもよい。本開示に関して、そのようなイミノ置換基、アミノ置換基、オキソ置換基又はヒドロキシ置換基は、それらに対応する互変異性体(即ち、それぞれ、アミノ、イミノ、ヒドロキシ又はオキソ)で存在していてもよい。
本発明化合物は、国際純正応用化学連合(IUPAC)、国際生化学分子生物学連合(IUBMB)、及び化学情報検索サービス機関(Chemical Abstracts Service)(CAS)によって承認された命名法の系統的な適用によって命名される。
本発明化合物、又はその医薬上許容され得る塩は、それらの構造中に不斉炭素原子、酸化された硫黄原子、又は四級化窒素原子を有していてもよい。
本発明化合物及びその医薬上許容され得る塩は、単一の立体異性体、ラセミ化合物、並びにエナンチオマーとジアステレオマーとの混合物として存在してもよい。該化合物は、幾何異性体としても存在してもよい。そのような単一の立体異性体、ラセミ化合物及びそれらの混合物、並びに幾何異性体の全ては、本発明の範囲内にあることが意図される。
化合物の構築に関して、本発明化合物の一般的な記載を考慮すると、そのような構築は、安定な構造になることが考えられる。即ち、当業者は、安定な化合物とは通常は考えられない(すなわち、上記の、立体的に現実的及び/又は合成的に実現可能な)、いくつかの構造が理論的にあり得ることを理解する。
結合構造を有する特定の基が、2つのパートナーと結合するように示される場合(すなわち、2価のラジカル(例えば、−OCH−))、他に明確に述べられなければ、2つのパートナーのいずれかが、特定の基の一端に結合し得、そして、他方のパートナーが、特定の基のもう一端に必然的に結合されることが理解される。言い換えれば、2価のラジカルは、描写された方向に限定されると解釈されるべきではなく、例えば、「−OCH−」は、描かれている「−OCH−」のみならず、「−CHO−」も意味するものとする。
立体異性体のラセミ混合物又は非ラセミ体混合物からの単一の立体異性体の調製及び/又は分離並びに単離の方法は、当該分野において周知である。例えば、光学活性な(R)−異性体及び(S)−異性体は、キラルシントン若しくは不斉試薬を用いて調製され得るか、又は慣習的な技術を用いて分離され得る。エナンチオマー(R−異性体及びS−異性体)は、当業者に公知の方法によって(例えば、分離され得るジアステレオ異性体の塩又は複合体の形成によって、例えば、分離され得るジアステレオ異性体の誘導体の形成を介する結晶化によって、例えば、エナンチオマーに特異的な試薬を用いる、あるエナンチオマーの選択的反応による結晶化、例えば、酵素的酸化又は還元、その後の修飾されたエナンチオマー及び非修飾のエナンチオマーの分離、又は、不斉環境下(例えば、結合した不斉リガンドを有するシリカのような不斉担持体上、又は不斉溶媒の存在下)でのガス−液体クロマトグラフィー又は液体クロマトグラフィーによる)分離され得る。所望のエナンチオマーが、上記分離手順の1つによって、別の化学物質に変換される場合、更なる工程が、所望のエナンチオマー形態を遊離させるために必要とされ得ることが理解される。或は、特定のエナンチオマーは、光学活性試薬、基質、触媒又は溶媒を用いる不斉合成によってか、又はエナンチオマーを不斉転換によって、もう1つの光学異性体に変換することにより合成され得る。特定のエナンチオマーが豊富なエナンチオマーの混合物について、主成分のエナンチオマーは、再結晶化によって(収量の損失が伴うが)更に富化され得る。
本発明における「患者」としては、ヒト及び他の動物、特に哺乳動物、並びに他の生物が挙げられる。従って、本方法は、ヒト治療用途及び獣医用途の両方に適用できる。好ましい実施形態では、患者は、哺乳動物であり、そして、最も好ましい実施形態では、患者はヒトである。
「キナーゼ依存的な疾患又は状態」とは、1以上のタンパク質キナーゼの活性に依存する病態のことをいう。キナーゼは、増殖、接着、移動、分化及び浸潤を含む様々な細胞活動のシグナル伝達経路に、直接的又は間接的に関与する。キナーゼ活性に関連する疾病としては、腫瘍増殖、固形癌増殖を支持し、眼疾患(糖尿病性網膜症、加齢黄斑変性症等)のような、過度な局所的血管新生を伴う他の疾患と関連する病的な血管新生、及び炎症(乾癬、関節リウマチ等)が挙げられる。
理論に縛られるべきではないが、ホスファターゼもまた、キナーゼの同族として「キナーゼ依存的な疾患又は状態」において役割を果たし得る;即ち、例えば、タンパク質基質を、キナーゼはリン酸化し、ホスファターゼは脱リン酸化する。従って、本発明化合物は、本明細書に記載されるようにキナーゼ活性を調節する一方で、直接的又は間接的に、ホスファターゼ活性も調節し得る。この更なる調節は、存在する場合、関連する又は他の場合には相互依存するキナーゼ又はキナーゼファミリーに関する本発明化合物の活性に対して相乗的(又は非相乗的)であり得る。いずれにせよ、上述したように、本発明化合物は、細胞増殖(即ち、腫瘍増殖)、プログラム細胞死(アポトーシス)、細胞移動及び浸潤、並びに腫瘍増殖に関わる血管新生の異常なレベルによって、部分的に特徴付けられる疾患の治療に有用である。
「治療的に有効量」とは、患者に投与されたときに疾患の症状を改善する、本発明化合物の量である。「治療的に有効量」を構成する本発明化合物の量は、化合物、疾患状態とその重症度、治療をされる患者の年齢等に依存して変わる。治療的有効量は、当業者により、当業者の知識とこの開示を考慮して、慣例的に決定され得る。
「癌」とは、細胞増殖的疾患状態のことをいう。癌としては、それらに限定されないが以下が挙げられる:心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫及び奇形腫;:気管支原性癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫(chondromatous hanlartoma)、中皮腫(inesothelioma);胃腸:食道(扁平上皮細胞癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(導管腺癌、インスリノーマ(insulinorna)、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫(neplrroblastoma)]、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮細胞癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(セミノーマ、奇形腫、胎生期癌、テラトカルシノーマ、絨毛癌、肉腫、間質細胞腫、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍脊索腫、骨軟骨腫(osteochronfroma)(骨軟骨外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫(chondromyxofibroma)、類骨骨腫及び巨細胞腫;神経系:頭骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫)、脳(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性膠芽腫(glioblastorna multiform)、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科:子宮(子宮内膜癌)、頸部(子宮頸癌、前腫瘍子宮頸部形成異常)、卵巣(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、ムチン性嚢胞腺癌、未分類癌腫]、顆粒莢膜細胞腫、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、陰門(扁平上皮細胞癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、メラノーマ)、膣(明細胞癌、扁平上皮細胞癌、ブドウ状肉腫[胎児性横紋筋肉腫]、卵管(肉腫);血液:血液(骨髄性白血病[急性及び慢性]、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、母斑(moles)の形成異常母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;及び副腎(Adrenal lands):神経芽細胞腫。従って、本明細書で提供される用語「癌細胞」としては、上記に特定された状態のいずれか1つに冒された細胞が挙げられる。
「医薬上許容され得る酸付加塩」とは、遊離塩基の生物学的有効性を保持し、そして、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、及び酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸等の有機酸と形成される、生物学的にもそれ以外にも不適切でない塩のことをいう。
「医薬上許容され得る塩基付加塩」としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、アルミニウム塩等の無機塩基に由来するものが挙げられる。塩の例としては、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩である。医薬上許容され得る、毒性のない有機塩基に由来する塩類としては、それらに限定されないが、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂等の、1級、2級、及び3級のアミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、及び塩基性イオン交換樹脂の塩が挙げられる。有機塩基の例は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、及びカフェインである。(例えば、S.M.Bergeら、「Pharmaceutical Salts」 J.Pharm.Sci.,1977年;66:1−19(これは、本明細書中で参考として援用される)を参照されたい)。
「プロドラッグ」とは、例えば、血液中での加水分解により、インビボで(典型的には急速に)変換されて、上記式の親化合物を生じる化合物のことをいう。一般的な例としては、それに限定されないが、カルボン酸部分を保有する活性形態を有する化合物のエステル及びアミド形態が挙げられる。本発明化合物の医薬上許容され得るエステルの例としては、それに限定されないが、アルキル基が直鎖又は分枝鎖であるアルキルエステル(例えば約1から約6の炭素を有する)が挙げられる。許容可能なエステルとしてはまた、シクロアルキルエステル及びアリールアルキルエステル(例えば、それに限定されないが、ベンジル)が挙げられる。本発明化合物の医薬上許容され得るアミドの例としては、それらに限定されないが、1級アミド、並びに2級アルキルアミド及び3級アルキルアミド(例えば、約1から約6の炭素を有する)が挙げられる。本発明化合物のアミド及びエステルは、慣習的方法によって調製され得る。プロドラッグの詳細な論議は、T.Higuchi及びV.Stellaの「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」, the A.C.S.Symposium Seriesの第14巻、並びにBioreversible Carriers in Drug Design, Edward B.Roche編, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987年(これら両方は、本明細書中で全ての目的について参考として援用される)で提供される。
「代謝物」とは、動物やヒトの体内において代謝又は生体内変化によって産生される、化合物又はその塩の分解物又は最終生成物のことをいう(例えば、酸化、還元、若しくは加水分解による、より極性な分子への生体内変化、又は複合体への生体内変化(生体内変化の議論については、Goodman及びGilman,「The Pharmacological Basis of Therapeutics」第8版補遺, Pergamon Press, Gilmanら(編), 1990年を参照されたい)。本明細書で用いられる場合、本発明化合物又はその塩の代謝物は、体内における該化合物の生物学的な活性形態であり得る。一例では、プロドラッグは、生物学的に活性な形態である代謝物が、インビボで放出されるように用いられ得る。別の例では、生物学的に活性な代謝物は、思いがけなくも発見される(即ち、プロドラッグ設計自体は、行われなかった)。本発明化合物の代謝物の活性に関するアッセイは、本開示を考慮して、当業者に理解される。
更に、本発明化合物は、水、エタノール等のような医薬上許容され得る溶媒との非溶媒和形態及び溶媒和形態で存在し得る。一般的に、溶媒和形態は、本発明において、非溶媒和形態と同等とみなされる。
更に、本発明は、コンビナトリアルケミストリーを含む、標準的有機合成技術を用いるか、又は細菌分解、代謝、酵素的変換等のような生物学的方法によって、製造される化合物に及ぶことが意図される。
本明細書で用いられる、「治療する」又は「治療」は、ヒトの疾患状態の治療に及ぶ。この疾患状態は、異常な細胞増殖、及び浸潤によって特徴付けられ、そして、(i)ヒトにおいて生じる疾患状態を予防すること(特に、そのヒトが、疾患状態になりやすいが、未だ疾患状態にあると診断されていない場合);(ii)疾患状態を阻止すること(即ち、疾患状態の発症を抑えること);及び(iii)疾患状態を緩和すること(即ち、疾患状態を軽減すること)の少なくとも1つを含む。当該分野で知られているように、全身送達 対 局所送達、年齢、体重、全体的な健康状態、性別、食事、投与時間、薬物間相互作用及び症状の重篤度に対する調節が必要であり得、そして、当業者は慣習的な試験を用いて確認できる。
特定の結晶化されたタンパク質−リガンド複合体(特に、c−Met−リガンド複合体、c−Kit−リガンド複合体、KDR−リガンド複合体、flt−3−リガンド複合体、又はflt−4−リガンド複合体)、及びそれらに対応するX線構造座標を用いて、本明細書に記載されるキナーゼの生物学的活性を理解するために有用な新しい構造情報を示し得ることを、当業者は、理解するであろう。その上、前述のタンパク質の鍵となる構造的特徴(特に、リガンド結合部位の形状)は、キナーゼの選択的モジュレーターを設計又は同定するための方法、及び類似の特徴を有する他のタンパク質の構造の解明に有用である。このようなタンパク質−リガンド複合体(これらのリガンド構成成分として本発明化合物を有する)は、本発明の態様である。
更に、このような適切なX線品質の結晶は、キナーゼに結合し、そしてその活性を調節し得る候補薬剤を同定する方法の一部として用いられ得ることを、当業者は認識するであろう。このような方法は、以下の態様によって特徴付けられ得る:a)適切なコンピュータプログラムに、立体構造におけるキナーゼのリガンド結合ドメインを規定する情報(例えば、上記の適切なX線品質の結晶から得られるX線構造座標によって定義される)を導入すること(該コンピュータプログラムは、リガンド結合ドメインの三次元構造モデルを作成する)、b)該コンピュータプログラムに候補薬剤の三次元構造のモデルを導入すること、c)リガンド結合ドメインのモデルに、候補薬剤のモデルを重ね合わせること、及びd)該候補薬剤モデルが、該リガンド結合ドメインに、空間的に適合するか否かを評価すること。態様a〜dは、必ずしも、上記の順番で行われる必要はない。このような方法は、更に以下を伴ってもよい:三次元構造モデルを用いて合理的な薬剤設計を行うこと、及びコンピュータモデリングと関連して、潜在的な候補薬剤を選択すること。
加えて、このような方法は、以下を更に伴ってもよいことを当業者は認識する:候補薬剤(リガンド結合ドメインに空間的に適合すると決められた)を、キナーゼ調節に関する生物学的活性アッセイに用いること、及び該候補薬剤が、アッセイにおいてキナーゼ活性を調節するか否かを決定すること。このような方法はまた、キナーゼ活性を調節すると決定された候補薬剤を、上述のような、キナーゼ調節によって治療可能な状態に苦しむ哺乳動物に投与することを含み得る。
また、本発明化合物は、キナーゼのリガンド結合ドメインを含む分子又は分子複合体に関連する試験薬の能力を評価する方法に用いられ得ることを、当業者は理解する。このような方法は、以下の態様によって特徴付けられ得る:a)キナーゼの適切なX線品質の結晶から得られる構造座標を用いて、キナーゼ結合ポケットのコンピューターモデルを作成すること、b)該試験薬と結合ポケットのコンピュータモデルとの間の適合演算を実行するための計算アルゴリズムを用いること、及びc)該試験薬と結合ポケットのコンピュータモデルとの間の関連性を定量化する適合演算の結果を解析すること。
一般的投与
本発明化合物又はその医薬上許容され得る塩の、純粋形態又は適切な医薬組成物での投与は、投与の認められた様式又は類似した有効性を提供する薬剤のいずれかを介して行われ得る。このように、投与は、固体、半固体、凍結乾燥粉末、又は液体の投与形態(例えば、錠剤、坐薬、丸薬、軟カプセル剤及び硬カプセル剤、粉末、溶液、懸濁液、又はエアロゾル等)(好ましくは、正確な用量の単一投与に適した単位投与形態)で、例えば、経口、経鼻、非経口(静脈内、筋肉内、又は皮下)、局所、経皮、膣内、膀胱内、くも膜下槽内(intracistemally)、又は経直腸で行われ得る。
組成物は、慣習的な医薬上のキャリア又は賦形剤、及び、活性薬剤として本発明化合物を含み、更に、他の薬剤、医薬、キャリア、補助薬(adjuvants)等を含んでもよい。本発明の組成物は、癌の治療を受けている患者に、一般的に投与される抗がん剤又は他の薬剤と組み合わせて用いられ得る。補助薬としては、保存剤、湿潤剤、懸濁剤、甘味剤、香味料、香料、乳化剤、及び分配剤(dispensing agents)が挙げられる。微生物の作用の抑制は、様々な抗生剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等によって確保され得る。等張剤(例えば、糖類、塩化ナトリウム等)を含むこともまた望ましい。注入可能な医薬形態の持続的吸収は、吸収を遅延させる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチン)の使用によってもたらされ得る。
必要に応じて、本発明の医薬組成物は、湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝剤、酸化防止剤等(例えば、クエン酸、モノラウリン酸ソルビタン、トリエタノールアミンオレアート、ブチル化(butylalted)ヒドロキシトルエン等)のような少量の補助物質も含んでもよい。
非経口注入に適した組成物は、生理学的に受容可能な、滅菌された、水性又は非水性溶液、分散液、懸濁液又は乳液、及び滅菌された注入可能な溶液又は分散液への再構成のための滅菌粉末からなり得る。適切な水性又は非水性の、キャリア、希釈剤、溶媒又はビヒクルの例としては、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール等)、それらの適切な混合物、植物性油脂(オリーブオイルなど)及び注入可能な有機エステル(オレイン酸エチルなど)が挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンのようなコート剤の使用、分散剤の場合に必要とされる粒子サイズの維持、及び界面活性剤の使用によって維持され得る。
投与の好ましい経路の1つは、治療される疾患状態の重篤度に応じて調整され得る簡便な毎日の投薬計画を用いる、経口投与である。
経口投与のための固形投薬形態としては、カプセル、錠剤、丸薬、粉末、及び顆粒が挙げられる。このような固形投薬形態において、活性化合物は、クエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウム、又は(a)例えば、デンプン、乳糖、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸のような充填剤又は増量剤、(b)例えば、セルロース誘導体、デンプン、アルギナート(alignate)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及びアラビアゴムのような結合剤、(c)例えば、グリセロールのような保湿剤、(d)例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン又はタピオカデンプン、アルギン酸、クロスカルメロースナトリウム、ケイ酸塩複合体、及び炭酸ナトリウムのような、崩壊剤、(e)例えば、パラフィンのような溶解遅延剤、(f)例えば、第4アンモニウム化合物のような吸収促進剤、(g)例えば、セチルアルコール、及びモノステアリン酸グリセロール、ステアリン酸マグネシウム等のような湿潤剤、(h)例えば、カオリン及びベントナイトのような吸着剤、及び(i)例えば、滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムのような滑剤、又はそれらの混合物のような少なくとも1つの不活性な慣習的な賦形剤(又はキャリア)と混合される。カプセル、錠剤、及び丸薬の場合、投薬形態はまた、緩衝剤を含み得る。
上述したような固形投与形態は、被覆剤及び殻(shell)(例えば腸溶コーティング及び当該分野で周知のその他のものなど)を用いて調製され得る。これらはまた、抑制剤(pacifying agents)を含んでいてもよく、そしてこれらは、腸管の特定の部分において、遅効型様式で、活性化合物(単数又は複数)を放出する組成物でもあり得る。使用され得る埋め込まれる組成物の例は、重合物質及びワックスである。活性化合物はまた、マイクロカプセル形態であり得、適切な場合に、1以上の上記賦形剤を有する。
経口投与のための液体投薬形態としては、医薬上許容され得る乳剤、液剤、懸濁液、シロップ剤、及びエリキシル剤が挙げられる。このような投薬形態は、例えば、本発明化合物、又はそれらの医薬上許容され得る塩、及び、例えば、水、生理食塩水、水溶性デキストロース、グリセロール、エタノール等のキャリア中の任意の医薬補助薬(adjuvants);例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミドのような可溶化剤及び乳化剤;油、特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル;又はこれらの物質の混合物等を、溶解、分散等して、溶液又は懸濁液を形成することによって調製される。
懸濁液は、活性化合物に加えて、懸濁化剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント、又はこれらの物質の混合物等を含んでもよい。
直腸投与のための組成物は、例えば、本発明化合物と、例えば、適切な非刺激性の賦形剤又はキャリア(例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール又は坐薬用ワックス)とを混合することにより調製され得る坐薬であり、これは、通常の温度では固形だが、体温で液体となり、それにより、適切な体腔において溶けながら、活性成分をそこに放出する。
本発明化合物の局所性投与のための投薬形態としては、軟膏、粉末、噴霧剤、及び吸入剤が挙げられる。活性成分は、無菌的状況下で、生理学的に受容可能なキャリア及び任意の保存料、緩衝剤、又は必要に応じて噴射剤と混合される。眼用処方物、眼軟膏剤、眼粉末剤及び眼溶液も、本発明の範囲内にあることが意図される。
一般的に、意図される投与の様式に依存して、医薬上許容され得る組成物は、本発明化合物又はそれらの医薬上許容され得る塩を約1重量%から約99重量%、及び、適当な医薬賦形剤を99重量%から1重量%含む。一例では、この組成物は、本発明化合物又はその医薬上許容され得る塩を約5重量%から約75重量%含み、残りは適切な医薬賦形剤である。
このような投薬形態を調製する実際の方法は、当業者に公知である(すなわち、明らかである);例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第18版,(Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1990年)を参照されたい。投与される組成物は、いずれにしても、本発明の教示に従って、疾患状態を治療するために、本発明化合物又はその医薬上許容され得る塩の治療的有効量を含む。
本発明化合物又はその医薬上許容され得る塩は、用いられる具体的化合物の活性、該化合物の代謝安定性及び作用の長さ、年齢、体重、全体的な健康状態、性別、食事、投与の方法と時間、***率、併用薬、特定の疾患状態の重篤度、及び治療を受けるホストを含む、様々な要因によって変わる治療的有効量で投与される。本発明化合物は、1日あたり約0.1から約1,000mgの範囲の投薬レベルで、患者に投与され得る。約70キログラムの体重の健常な成人に関して、1日に体重1キログラムあたり約0.01から約100mgの範囲での投薬が用例である。しかしながら、用いられる具体的な用量は変化し得る。例えば、用量は、患者の要求、治療される症状の重篤度、及び用いられる化合物の薬理活性を含む多数の要因に依存し得る。特定の患者に関する最適な用量の決定は当業者に周知である。
スクリーニング薬剤としての本発明化合物の実用性
例えば、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4に結合する候補薬剤のスクリーニング方法に本発明化合物を用いるために、該タンパク質は担体に結合し、本発明の化合物は、該アッセイに加えられる。或いは、本発明化合物は、担体に結合し、当該タンパク質が加えられる。探索され得る新規結合薬剤の中の候補薬剤の種類としては、特定の抗体(specific antibodies)、ケミカルライブラリーのスクリーニングで判明した非天然結合薬剤、ペプチド類縁体等が挙げられる。特に興味深いのは、ヒト細胞に対しての低毒性を有する候補薬剤のスクリーニングアッセイである。多種多様なアッセイが、この目的で用いられ得、該アッセイとしては、インビトロでの標識タンパク質−タンパク質結合アッセイ、電気泳動移動度シフト(electrophoretic mobility shift)アッセイ、タンパク結合の免疫学的アッセイ、機能分析(リン酸化アッセイ等)等が挙げられる。
例えば、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4タンパク質に対する候補薬剤の結合の決定は、多くの方法で行われ得る。一つの例において、候補薬剤(本発明化合物)は、例えば、蛍光又は放射能を有した部分で標識されて、結合が直接決定される。例えば、固体担体(solid support)に、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4タンパク質の全て又は一部を結合させ、標識された薬剤(例えば、少なくとも1つの原子が検出可能な同位体で置換された本発明化合物)を加え、過剰の試薬を洗い落とし、標識の量が固体担体に存在する量であるかを決定することにより、そのように行われ得る。様々な阻害及び洗浄工程が、当業界で知られているように、利用され得る。
「標識(された)」とは、本明細書中、化合物が、検出可能な信号を与える標識、例えば、放射性同位体、蛍光タグ、酵素、抗体、磁性粒子のような粒子、化学発光タグ、又は特異結合分子等で、直接的に又は間接的にのいずれかで標識されていることを意味する。特異結合分子としては、ビオチンとストレプトアビジン、ジゴキシンと抗ジゴキシン等のような対が挙げられる。特異結合の構成要素では、通常、相補的な構成要素が、上記の概略のように、公知の方法に従って、検出を提供する分子で標識される。当該標識は、直接的に又は間接的に検出可能な信号を与えることができる。
いくつかの態様においては、成分のうち1つだけが標識される。例えば、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4タンパク質は、チロシンの位置が、125Iを用いて、又は蛍光体で標識され得る。或いは、1つ以上の成分は、異なる標識で標識され得る(例えば、タンパク質に対しては125I、候補薬剤に対しては、蛍光体を用いて)。
本発明化合物はまた、更なる薬剤候補を選別する競争物として用いてもよい。本明細書中で用いられる「候補生物活性薬剤」又は「薬剤候補」或いは文法上の均等物は、生物活性について試験される任意の分子(例、タンパク質、オリゴペプチド、小さな有機分子、ポリサッカライド、ポリヌクレオチド等)を表す。それらは、直接的に又は間接的に、細胞増殖の表現型又は細胞増殖の配列の発現を改めることができ、核酸の配列及びタンパク質の配列の双方を含む。その他の場合、細胞増殖タンパク質の結合及び/又は活性の改変が選別される。タンパク質の結合又は活性が選別される場合、いくつかの態様では、特定のタンパク質に結合することが既に知られている分子を除く。本明細書中に記載される典型的なアッセイの態様としては、候補薬剤が挙げられ、これは内因性の自然状態において標的タンパク質に結合しなく、本明細書中で「外因性の」薬剤と呼ぶ。一つの例において、外因性の薬剤は、更にc−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4の抗体を除く。
候補薬剤は、多くの化学的種類を網羅することができるが、典型的にそれらは、約100ダルトンを超え、かつ約2,500ダルトン未満の分子量を有する有機分子である。候補薬剤は、タンパク質との構造的相互作用、特に、水素結合及び脂肪親和性結合に必要な官能基を含み、典型的に、少なくともアミン、カルボニル、ヒドロキシル、エーテル、又はカルボキシル基、例えば、少なくとも2つの化学的官能基を含む。候補薬剤は、しばしば、1つ以上の上記の官能基で置換された環状炭素若しくはヘテロシクリル構造及び/又は芳香族若しくは多環芳香族構造を包含する。候補薬剤は、また、生体分子(ペプチド、サッカライド、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、誘導体、構造類縁体、又はその組み合わせが挙げられる)の中にも見出される。
候補薬剤は、幅広い種類の出所(sources)(合成又は天然化合物のライブラリーを含む)から得られる。例えば、多くの手段が、ランダムな及び指向した多くの種類の有機化合物及び生体分子の合成に利用でき、ランダム化されたオリゴヌクレオチドの発現を含む。その他、細菌、真菌、植物及び動物の抽出物の形態の天然化合物のライブラリーが、入手可能であるか又は容易に製造される。加えて、天然に又は合成的に製造されたライブラリー及び化合物は、容易に通常の化学、物理、及び生化学的な手段で改変されている。公知の薬理学的な薬剤を、指向されたか、若しくはランダムの化学修飾(例、アシル化、アルキル化、エステル化、アミド化)に付し、構造類縁体を製造してもよい。
一つの例において、候補薬剤の結合は、競合的結合アッセイを用いて決定される。この例において、競合物は、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4に結合することが知られている結合部分(例、抗体、ペプチド、結合パートナー、リガンド等)である。ある環境下において、候補薬剤及び結合部分の間の競合的結合が存在してもよく、結合部分が候補薬剤を置換する。
いくつかの態様において、候補薬剤は、標識されている。候補薬剤若しくは競合物のいずれか、又は両方は、結合(存在するならば)するのに十分な時間で初めに、例えば、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4に加えられる。インキュベーションは、最適な活性を促進するどのような温度で、典型的に、4℃と40℃の間で行われても良い。
インキュベーション期間は、最適な活性で選ばれるが、高速ハイスループットスクリーニングを促進するために最適化されてもよい。典型的には、0.1時間と1時間の間が十分であろう。過剰な試薬は、一般的に除去又は洗い流される。第二の成分が、続いて加えられ、標識された成分の存在又は非存在が追跡され、結合を示す。
一つの例において、競合物は、初めに加えられ、続いて候補薬剤が加えられる。競合物の置換は、候補薬剤がc−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4に結合していること並びに、したがってこれらに結合することができること、及びc−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4の活性を調節する可能性があることを示す。この態様において、いずれの成分も標識され得る。故に、例えば、もし競合物が標識されているならば、洗浄溶液中の標識の存在は、薬剤に置換されたことを示す。或いは、もし候補薬剤が標識されているならば、担体(support)上の標識の存在は、置換を示す。
他の様態において、候補薬剤は、インキュベーション及び洗浄について、初めに加えられ、続いて競合物が加えられる。競合物による結合の非存在は、候補薬剤がc−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4に高い親和性で結合していることを示し得る。故に、もし候補薬剤が標識されているのならば、競合物の結合を欠くとともに、担体上に標識が存在することは、候補薬剤が、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4に結合できることを示し得る。
c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4の結合部位を同定することは、価値があるかもしれない。これは、多様な方法でなされ得る。1つの態様において、一たびc−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4が候補薬剤へ結合していると同定されれば、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4は、断片化又は改変され、アッセイが、結合に必要な成分を同定するために繰り返される。
調節は、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4の活性を調節できる候補薬剤のスクリーニングで試験され、上記のように、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4と候補薬剤を合わせる工程を含み、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4の生物活性の変化を決定する。故に、この態様において、候補薬剤は、結合も(これは必要ではないかもしれないが)、本明細書中に定義したような該生物又は生物化学活性の改変も、両方するべきである。当該方法としては、細胞生存能力、形態等における改変のための細胞のインビトロスクリーニング方法及びインビボスクリーニングの両方が挙げられる。
その他、異なったスクリーニングが天然のc−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4に結合するが、修飾されたc−Met、KDR、c−Kit、flt−3、又はflt−4には結合することができない薬剤候補を同定するために用いられてよい。
陽性対照及び陰性対照は、アッセイに用いられてもよい。例えば、すべてのコントロール及び試験サンプルは、統計的に重要な結果を得るために最低3度行われる。サンプルのインキュベーションは、薬剤がタンパク質に結合するのに十分な時間である。インキュベーションに続き、サンプルの非特異的結合物質を洗い流し、結合した、一般的には、標識された、薬剤の量が決定される。例えば、放射性標識がもちいられたなら、サンプルは、結合化合物の量を決定するために、シンチレーションカウンターで測定されてよい。
他の様々な試薬が、スクリーニングアッセイに含まれてよい。これらとしては、最適なタンパク質−タンパク質結合を促進するため、及び/又は非特異的若しくはバックグラウンドの相互作用を減少するために用いられ得る、塩、天然タンパク質(例、アルブミン)、界面活性剤等のような試薬が挙げられる。他の方法でアッセイの効率を改善する試薬(例えば、プロテアーゼ阻害剤、ヌクレアーゼ阻害剤、抗微生物薬剤等)も、用いられてよい。成分の混合物は、必要な結合を提供する任意の順序で加えられてよい。
略語及びそれらの定義
以下の略語及び用語は、全体を通じて、示された意味を有する。
Figure 2008537748
Figure 2008537748
Figure 2008537748
Figure 2008537748
化合物の合成
スキーム1は、本発明化合物の一般的合成経路を表し、限定することを意図していない。より具体的には、スキーム1は、キノリン化合物の合成を表す。具体例は、当業者が本発明のキノリンを製造、及び使用することができるように、これらの一般的な合成の記載の後に説明する。
Figure 2008537748
スキーム1は、典型的な本発明のキノリンを製造するために用いられる一般的経路を示す。例えば、化合物9は、アルキル基、R、保護基、Pを含む。保護された及びアルキル化されたフェノール性の酸素の配置は、化合物9に示された形態から変化してよい。化合物9を、ニトロ化して化合物10を得る。化合物10のニトロ基を、還元してアニリン11を得る。化合物11を、例えば、塩基性条件下でギ酸エチルで処理し、続いて、酸性化し、単離して4−ヒドロキシキノリン12を形成する。キノリン12は、多くの方法で本発明化合物に変換されてよい。例えば、4位酸素は、芳香族求核置換反応で求核剤として用いられキノリン−アリール−エーテル13を形成する。他の例において、化合物13を、保護基Pの除去を経て、さらに誘導体化し、化合物14を得る。化合物14の7−ヒドロキシを、例えば、求電子剤Eでアルキル化して、本発明化合物を得る。スキーム1に関して既に述べたように、どのような上記の工程の変化も可能であり、これらのスキームにおける中間体、例えば、化合物12、13、及び14も、式Iによる本発明化合物であり得る。同様に、例えば、4−ヒドロキシキノリン化合物12を、当該分野で公知の化学作用を用いて、対応する4位窒素又は4位硫黄キノリンに変換し、本発明の化合物を製造するか、或いは、もう一つの方法として、対応する4位窒素又は4位硫黄キノリンは、スキーム1に示したものと類似の経路を経て製造される。
スキーム1は、それぞれその6位及び7位の位置で置換された酸素を有するキノリンの説明である;本発明は、そのように限定されなく、必ずしも、そのそれぞれの6位又は7位の位置に、酸素又はその他の、置換を有していないキノリンを包含することを意図する。
スキーム2及び3は、式XXIの化合物を製造するための本発明の工程を示すための一般的な合成経路を表し、限定する意図ではない。より具体的には、スキーム2及び3は、本明細書に記載の通り、キノリン化合物の収束的合成を表す。具体例は、当業者が本発明を実施することができるように、この一般的な合成の記載の後に説明する。
スキーム2によれば、安息香酸エステル16は、例えば、Rは、必ずではないが、典型的に、メチルラジカルであり、かつ、Rは、必ずではないが、典型的に、1つ以上のアルコキシ又はヒドロキシ基である。典型的な合成においては、スキーム2でRの少なくとも1つは、1つ以上の工程を経て、キナーゼモジュレーターとして記載されたような化合物の活性に重要な基に、変換される(又は保護される)ヒドロキシルである(−OH自身が最終化合物で所望される場合、脱保護により、−OHを得る、上記参照)。好ましくは、必ずではないが、この基は、XXIIの合成が完成すると、完成する。XXIIIとの結合の前に、XXIIに所望の複雑性を組み込むことにより、直列的な合成より有利な収束的合成が、より十分に実現される。位置選択的芳香環のニトロ化、及び対応するニトロ基の還元は、当該分野において周知の方法で位置及び化学選択的な様式で行われ、アントラニル酸塩誘導体17を得る。キノリン4−オン18の形成は、当該技術分野において周知の方法で行われる。例えば、ギ酸アンモニウムの存在下で、ホルムアミド溶液中で17を加熱することによってである。他の例において、17は、塩基性条件下、例えばギ酸エチルで処理され、続いて、酸性とし、単離することにより、4−ヒドロキシキノリン類縁体(4−オンの互変異性体)を得る。ラジカルR70は、式XXIと一致する。4位の官能基の導入は、当該技術分野で公知の方法で行われる。例えば、4−オン18は、XXIIに変換され、ここで、「P」は、適切な脱離基(例、塩素(18の脱水/塩素化を経てXXIIを得る))を表す(式XXIと一致する)。他の例において、4−ヒドロキシ類縁体は、スルホニルエステル(例、トリフルオロメタンスルホナート)に変換される。
Figure 2008537748
スキーム3は、式XXIIIの化合物の製造に用いる一般的経路を示す。例えば、芳香族化合物19(ここで、「X」は、フッ素のような脱離基であり、「E」は、ニトロのような電子吸引基である)は、様々な求核剤(例、アミン、アルコール、及びチオール)との反応によって20に変換される(ここで、「Z」は、酸素、窒素(置換されているか又はされていない)又は硫黄である)。この場合、「R」は、除去可能な基、例えば、ベンジルを表す。典型的な合成においては、20の形成後、基「E」は、「そのまま(as is)」残されるか、ある後の段階でその誘導体へ変換されるかのいずれかである。記載された例において、Eは、式XXIによるBの前駆体、B’に変換され、21を製造する。例えば、Eがニトロであるならば、B’は、アミノ基であり得、ニトロ基の還元を経て製造される。構造式21は、式XXIによる−B−L−Tの合成によって、更に誘導体化され得る。スキーム3において、これは、直列的な工程(Lの前駆体であるL’が、導入され22を得、続いて、T’(Tの前駆体)の導入により23を得る)として記載される。いくつかの場合、−L−Tは、あらかじめ形成され、Bに付加される。当業者は、上記の任意の工程において変化が可能であると理解するであろう。化合物23は、T’のTへの変換及びPの導入(例えば、Rがベンジルであるとき、−B−L−Tの完成後、ベンジルの除去)を経てXXIIIへ変換される。
Figure 2008537748
上記で検討したように、本発明の1つの態様は、式XXIの化合物を製造するためのXXII及びXXIIIの結合を包含する。キナーゼ調節が記載されている化合物の多様性及び複雑性のために(上記参照)、本発明の方法は、直列的な合成の利点を提供する。
Figure 2008537748
以下の実施例は、上記に記載された発明を用いる様式をより十分に記載する役割を果たし、本発明の様々な態様を行うことを考慮した最良の形態を説明する役割を果たす。これらの実施例は、本発明の正しい範囲を制限する役割を果たすことは決してなく、実例の目的のために提示されると理解される。本明細書中で引用されるすべての参照文献は、それら全体が参照によって援用される。一般的には、必ずではないが、以下に提示したそれぞれの実施例は、上記の概略のように、多段階合成を記載する。
キノリン合成
実施例1
Figure 2008537748
1−(4−ベンジルオキシ−5−メトキシ−2−ニトロ−フェニル)−エタノンの合成 1−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシ−フェニル)−エタノン(200mmol,51.3g)をDCM(750ml)中に溶解し、混合物を0℃に冷却した。硝酸(90%,300mmol,14ml)を20分かけて冷却した溶液に滴下した。続いて、硫酸(96.2%,300mmol,8.75ml)を40分かけて0℃で滴下した。
追加の硝酸(200mmol,9.4ml)を20分かけて滴下した。反応混合物を水(300ml)で希釈し、水(3X200ml)、飽和NaHCO3(4X200ml,又は中性になるまで)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥して、濃縮した。
粗製の混合物をDMFで再結晶して、22.5gのニトロ生成物を得た。DMF層を濃縮し、酢酸エチルで再結晶し、更なる8.75gの生成物を得た。酢酸エチル層を濃縮し、20%EtOAc/ヘキサンを用いてシリカカラムで精製して、更なる4.75gの生成物を得た。総収量は、36g(〜60%)である。1H NMR (CDCl3): 7.647 (1H, s), 7.446-7.333 (5H, m), 6.745 (1H, s), 5.210 (2H, s), 3.968 (3H, s), 2.487 (3H, s)。

実施例2
Figure 2008537748
1−(2−アミノ−4−ベンジルオキシ−5−メトキシ−フェニル)−エタノンの合成 鉄粉(477mmol,27g)、酢酸アンモニウム(500mmol,31.g)、1−(4−ベンジルオキシ−5−メトキシ−2−ニトロ−フェニル)−エタノン(120mmol,36g)、トルエン(500ml)及び水(500ml)の混合物を終夜又は完了まで還流した。混合物をセライトを通して濾過して、EtOAcで洗浄した。有機層を水及びSat.NaClで洗浄し、Na2SO4で乾燥して、濃縮して、90%で生成物を得た。1H NMR (CDCl3): 7.408-7.298 (5H, m), 7.130 (1H, s), 6.155 (2H, br), 6.104 (1H, s), 5.134 (2H, s), 3.834 (3H, s), 2.507 (3H, s)。 LC/MS (M+1 = 272)。

実施例3
Figure 2008537748
7−ベンジルオキシ−6−メトキシ−キノリン−4−オールの合成 DME(700ml)中の1−(2−アミノ−4−ベンジルオキシ−5−メトキシ−フェニル)−エタノン(108mmol,29.3g)の溶液に、ナトリウムメトキシド(432mmol,23.35g)を加えた。混合物を30分間攪拌した。ギ酸エチル(540mmol, 44ml)を加え、混合物を終夜攪拌した(LC/MSによる観察でもし反応が完了していなければ、追加のナトリウムメトキシドを必要としてよい。)。反応完了後、混合物を水(40ml)で希釈し、1M HClで中性まで酸性化した。沈殿物を濾過し、水で洗浄して、真空で乾燥して、22g(72%)の7−ベンジルオキシ−6−メトキシ−キノリン−4−オールを得た。1H NMR (CDCl3): 10.7 (1H, br), 7.703 (1H, s), 7.493-7.461 (1H, t), 7.431-7.413 (2H, br d), 7.372-7.333 (2H, t), 7.296-7.283 (1H, d), 6.839 (1H, s), 6.212-6.193 (1H, d), 5.212 (2H, s), 3.965 (3H, s)。 LC/MS (M+1 = 282)。

実施例4
Figure 2008537748
7−ベンジルオキシ−4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−キノリン マグネティック撹拌子を備えた丸底フラスコに、7−ベンジルオキシ−6−メトキシ−1H−キノリン−4−オン(12.2g,43.3mmol,1.0eq.)、アセトニトリル(150ml)、DMF(150ml)及び炭酸セシウム(28.2g,86.5mmol,2.0eq)を加えた。混合物を室温にて30分間攪拌し、そのとき、1,2−ジフルオロ−4−ニトロ−ベンゼン(7.57g,47.6mmol,1.1eq)を10分間かけて加えた。2時間後、反応が完了し、75%のMeCN及びDMFを除去して、得られた溶液を氷水に注いだ。固体を濾過し、乾燥して、更にバイオテージシステム(biotage system)でカラム分離を行った(columned)。溶出液は、1:3酢酸エチル/ヘキサンであった。溶媒の除去により、7−ベンジルオキシ−4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−キノリンを淡緑色固体(7.4g,収率41%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): 8.53 (d, 1H), 8.42 (dd, 1H), 8.16 (m, 1H), 7.5 (m, 8H), 6.76 (d, 1H), 5.31 (s, 2H), 3.92 (s, 3H); C23H27FN2O5のMS (EI): 421 (MH+)。

実施例5
Figure 2008537748
4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−キノリン−7−オール マグネティック撹拌子を備えた丸底フラスコに、7−ベンジルオキシ−4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−キノリン(2.9g,6.9mmol,1.0eq)及び酢酸(30ml)中の33% HBrを加えた。混合物を室温にて3時間攪拌し、エーテルで希釈して淡白色固体を得た。固体を濾過して、エーテルで洗浄し、乾燥して、4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−キノリン−7−オールを淡白色固体(2.74g,収率97.5%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): 11.89 (bs, 1H), 8.87 (d, 1H), 8.57 (d, 1H), 8.30 (d, 1H), 7.89 (m, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 4.03 (s, 3H); C16H11FN2O5のMS (EI): 421 (M+H+)。

実施例6
Figure 2008537748
5−[4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−キノリン−7−イルオキシメチル]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ベンジルエステル マグネティック撹拌子を備えた丸底フラスコに、4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−キノリン−7−オール(2.74g,6.7mmol,1.0eq.)、DMA(30ml)及び炭酸セシウム(6.6g,20.2mmol,3.0eq)を加えた。混合物を室温にて30分間攪拌し、その時に、5−メタンスルホニルオキシメチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ベンジルエステル(2.6g,7.3mmol,1.1eq)を加えた。反応を75℃に加熱し、終夜攪拌した。反応を室温に冷却後、反応を水の中に注いだ。固体を濾過し、続いてEtOAc中に溶解し、水で2回、食塩水で1回洗浄し、NaSOで乾燥した。溶液を除去して、5−[4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−キノリン−7−イルオキシメチル]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ベンジルエステルを、クリーム色の固体(3.7g,収率94%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): 8.55 (d, 1H), 8.15 (d, 1H), 8.09 (d, 1H), 7.32 (m, 8H), 6.52 (d, 1H), 5.11 (d, 2H), 4.13 (d, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.57 (m, 2H), 3.43 (m, 2H), 2.93 (m, 3H), 2.16 (m, 2H), 1.39 (m, 2H); C32H30FN3O7のMS (EI): 588 (M+H+)。

実施例7
Figure 2008537748
4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−7−(オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルメトキシ)−キノリン マグネティック撹拌子を備えた丸底フラスコに、5−[4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−キノリン−7−イルオキシメチル]−ヘキサヒドロシクロペンタ−[c]ピロール−2−カルボン酸ベンジルエステル(2.5g,4.1mmol,1.0eq)、酢酸(5ml)中の33%HBr及び酢酸(5ml)を加えた。混合物を室温にて1時間攪拌し、EtOAcで希釈して、淡いオレンジ色の固体を得た。固体を濾過し、EtOAcで洗浄し、乾燥して、4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−7−(オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルメトキシ)−キノリン(2.1g,収率95%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): 8.83 (d, 1H), 8.32 (m, 2H), 8.02 (s, 1H), 7.76 (t, 1H), 7.65 (s, 1H), 6.89 (d, 1H), 5.3 (d, 2H), 4.11 (m, 3H), 3.26 (m, 4H), 2.95 (m, 2H), 2.68 (m, 3H), 2.36 (m, 2H), 1.68 (m, 2H); C24H24FN3O5のMS (EI): 454 (M+H+)。

実施例8
Figure 2008537748
4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−7−(2−メチル−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルメトキシ)−キノリン マグネティック撹拌子を備えた丸底フラスコに、4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−7−(オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルメトキシ)−キノリン(2.1g,3.9mmol,1.0eq.)及びアセトニトリル/水 1:1(5ml,5ml)を加えた。反応混合物を続いて0℃に冷却し、水中のホルムアルデヒドの37%溶液(0.2g,7.8mmol,2.0eq)を加えた。温度を0℃に保ちながら、Na(OAc)BH(4.4g,20.7mmol,3.0eq)を加えた。1時間後、pHを10に調整し、水層をDCM(100ml)で2回抽出した。DCMの除去で白色固体を得た。化合物を更にEtOAc及び5%MeOH溶出液を用いてバイオテージシステム(biotage system)で精製し、4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−7−(2−メチル−オクタヒドロシクロペンタ−[c]ピロール−5−イルメトキシ)−キノリン(0.9g,収率50%)を得た)。 1H NMR (400 MHz, CDCl3): 8.57 (d, 1H), 8.14 (dd, 1H), 8.12 (dd, 1H), 7.41 (s, 2H), 7.34 (t, 1H), 6.54 (d, 1H), 4.19 (d, 2H), 4.01 (s, 3H), 2.61 (m, 4H), 2.43 (m, 1H), 2.33 (s, 3H), 2.11 (m, 4H), 1.32 (m, 2H); C25H26FN3O5のMS (EI): 468 (M+H+)。

実施例9
Figure 2008537748
3−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−メチル−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルメトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニルアミン par水素化反応容器に、4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−7−(2−メチル−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルメトキシ)−キノリン(0.800g,1.6mmol,1.0eq.)、DMF(50ml)、EtoAc(50ml)、MeOH(50ml)、TEA(5ml)及び10%Pd/C(200mg)を加えた。容器をpar水素化機に35psiで終夜置いた。Pdを濾過し、溶媒を除いて、3−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−メチル−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルメトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニルアミンをオフイエローの固体(0.78g,収率99%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): 8.45 (d, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.05 (t, 1H), 6.54 (m, 2H), 6.39 (d, 1H), 4.16 (d, 2H), 4.01 (s, 3H), 3.81 (m, 3H), 2.61 (m, 3H), 2.41 (m, 1H), 2.29 (s, 3H), 2.23 (m, 2H), 1.32 (m, 2H); C25H28FN3O3のMS (EI): 438 (M+H+)。

実施例10
Figure 2008537748
1−{3−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−メチル−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルメトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−3−フェニルアセチル−チオ尿素 マグネティック撹拌子を備えた丸底フラスコに、3−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−メチル−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルメトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニルアミン(0.78mg,1.7mmol,1.0eq.)、トルエン(10ml)、エタノール(10ml)及びフェニル−アセチルイソチオシアネート(1.64g,9.2mmol,4.5eq)を加えた。反応混合物を室温にて終夜攪拌した。溶媒を除去後、生成物を、EtOAc及び4%TEA(2L)続いてEtOAc、4%TEA、1%MeOH(1L)の溶出液を用いてバイオテージシステム(biotage system)で精製した。溶媒を除去して、1−{3−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(2−メチル−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルメトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−3−フェニルアセチル−チオ尿素(0.5g,収率50%)を得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO): 8.48 (d, 1H), 7.92 (dd, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.40 (m, 4H), 7.33 (d, 2H), 7.23 (m, 2H), 6.54 (d, 2H), 6.39 (d, 1H), 4.21 (d, 2H), 4.02 (s, 3H), 3.81 (m, 3H), 2.87 (d, 2H), 2.73 (m, 4H), 2.53 (m, 1H), 2.27 (m, 2H), 2.01 (s, 3H), 1.36 (m, 2H); C34H35FN4O4SのMS (EI): 615 (M+H+)。

実施例11
Figure 2008537748
6−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−5−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミン 4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−3−フルオロ−フェニルアミン(1.00g,3.18mmol)をAcOH(8.0ml)に溶解し、NHSCN(486mg,6.38mmol)を加え、混合物を氷浴で冷却した。AcOH(0.33ml)中のBr(0.33ml,6.42mmol)を攪拌しながら滴下した。添加終了後、反応混合物を室温にて攪拌した。1時間後、さらなるNHSCN(1.0g,13.1mmol)、続いてさらなるAcOH(0.33ml)中のBr(0.33ml,6.42mmol)を攪拌しながら滴下した。反応混合物を続いて数分間加熱還流した。室温に冷却し、固体を濾過し、AcOH次いでHOで洗浄した。濾液の体積を真空で減らし、pHを1.0N NaOHでpH9−10に調整した。得られた固体を濾過し、HOで洗浄し、高真空下で乾燥して、6−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−5−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミン(568mg,48%)を得た。1H-NMR (400MHz, DMSO): 8.45 (d, 1H), 7.82 (d, 1H), 7.73 (br s, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.38 (m, 2H), 6.44 (d, 1H), 3.94 (s, 6H)。 LC/MS [M+H]+の計算値372.1, 実測値372.2

実施例12
Figure 2008537748
N−[6−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−5−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イル]−2−フェニル−アセトアミド 6−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−5−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミン(95mg,0.25mmol),EtN(0.10ml,0.72mmol)、フェニルアセチルクロライド(0.044ml,0.33mmol)、及びTHF(1.0ml)を合わせ、室温にて1時間攪拌した。追加のフェニルアセチルクロライド(0.044ml,0.33mmol)を加え、混合物を1−2時間加熱還流した。室温に冷却後、反応混合物を、1:1 AcCN:HO(1.0ml)で希釈し、得られた固体を濾過し、1:1 AcCN:HOで洗浄し、高真空下で乾燥してN−[6−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−5−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イル]−2−フェニル−アセトアミド(72mg,59%)を得た。1H-NMR (400MHz, DMSO): 12.80 (s, 1H), 8.54 (d, 1H), 8.18 (d, 1H), 7.91 (d, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.34 (m, 4H), 7.28 (m, 1H), 6.60 (d, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.96 (s, 3H), 3.86 (s, 2H)。 LC/MS [M+H]+の計算値490.1, 実測値490.0。

実施例13
Figure 2008537748
6,7−ジメトキシ−4−(5−ニトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−キノリン マグネティック撹拌子を備えた丸底フラスコに、6,7−ジメトキシ−1H−キノリン−4−オン(1.8g,8.77mmol,1.0eq.)、無水アセトニトリル(90mL)及びCsCO(3.13g,9.65mmol,1.1eq.)を加えた。反応混合物を室温にて5分間攪拌した。続いて、2−Cl−5−ニトロピリジン(1.53g,9.65mmol,1.1eq.)を加えた。反応混合物を室温にて16時間攪拌した。続いて固体を濾去して、濾液をロータリーエバポレーションで濃縮した。得られた物質をEtOAc中に溶解し(taken up)、再度、固体を濾去した。EtOAc濾液を濃縮した。精製をEtOAc100%の溶媒系でバイオテージ(Biotage)で行った。集められた純粋なフラクションを濃縮し、高真空で終夜乾燥して、6,7−ジメトキシ−4−(5−ニトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−キノリンを黄色泡状固体(0.902g,収率31.4%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): 9.08 (d, 1H), 8.74 (d, 1H), 8.60 (dd, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.26 (d, 1H), 7.16 (s, 1H), 7.07 (d, 1H), 4.06 (s, 3H), 3.95 (s, 3H); C16H13N3O5のMS (EI): 328 (M+H+)。

実施例14
Figure 2008537748
6−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−ピリジン−3−イルアミン マグネティック撹拌子を備えた丸底フラスコに、6,7−ジメトキシ−4−(5−ニトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−キノリン(0.46g,1.41mmol,1.0eq.)並びにTHF(10mL)、MeOH(4mL)、DMF(2mL)、及びTEA(2mL)を加えた。6,7−ジメトキシ−4−(5−ニトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−キノリンを上述の溶液混合物中に完全に溶解し、最低5分間、窒素を流した。次いでPd/C(重量で10%)(0.090g,重量で20%)を加えた。窒素を真空で除いた後、Hを充填したバルーンをフラスコに接続した。反応混合物を室温にて4時間攪拌した。パラジウムをセライトを通して濾過して除き、濾液を集め、ロータリーエバポレーションで濃縮した。得られた油状生成物を、5mLの水および1mLのアセトニトリル中に溶かし込み、凍結乾燥させて、6−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−ピリジン−3−イルアミンを明るい褐色固体(0.411g,98.1%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): 8.54 (d, 1H), 7.85 (d, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.18 (dd, 1H), 6.96 (d, 1H), 6.61 (d, 1H), 4.05 (s, 3H), 4.03 (s, 3H), 3.73 (s, 2H); C16H15N3O3のMS (EI): 298 (M+H+)。

実施例15
Figure 2008537748
1-[6-(6,7-ジメトキシ-キノリン-4-イルオキシ)-ピリジン-3-イル]-3-フェニルアセチル-チオ尿素 マグネティック撹拌子を備えた丸底フラスコに、6−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−ピリジン−3−イルアミン(85mg,0.0285mmol,1.0eq.)、及びEtOAc/MeOH50:50(2mL)中に溶解したフェニル−アセチルイソチオシアネート(256mg,1.44mmol,5.0eq.)を加えた。反応混合物を室温にて12時間攪拌し、溶媒をロータリーエバポレーションで蒸発させた。精製を95%EtOAc、4%TEA及び1%MeOHの溶媒系でバイオテージ(Biotage)で行った。合わせた純粋なフラクションを濃縮し、真空下で終夜乾燥して、1−[6−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−ピリジン−3−イル]−3−フェニルアセチル−チオ尿素を明るい黄色固体(40.4mg,29.7%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): 8.65 (d, 1H), 8.33 (d, 1H), 8.27 (dd, 1H), 7.35 (m, 7H), 7.15 (d, 1H), 6.92 (d, 1H), 4.05 (s, 3H), 3.99 (s, 3H), 3.76 (s, 2H); C25H22N4O4SのMS (EI): 475 (M+H+)。

実施例16
Figure 2008537748
N−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−3−フルオロ−フェニル]−N’−フェネチル−オキサルアミド CHCl(10mL)中の、4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−3−フルオロ−フェニルアミン(263mg,0.83mmol)及びEtN(0.223ml,1.67mmol)の溶液に、CHCl(1mL)中のエチルオキサリルクロライドの溶液を滴下した。攪拌を0.5時間室温にて続けた。続いて、反応混合物を飽和NaHCO水で洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒の除去により粗製のオキサミン酸塩を得、80℃で3時間、純フェネチルアミン(1.0g,8.3mmol)で処理した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=1:3)での精製により、N−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−3−フルオロ−フェニル]−N’−フェネチル−オキサルアミド(310mg,76%)を得た。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.35 (br s, 1 H), 8.70 (d, J = 6.3 Hz, 1 H), 7.83 (dd, J = 11.9, 2.5 Hz, 1 H), 7.60-7.54 (m, 2 H), 7.43 (s, 1 H), 7.38-7.32 (m, 3 H), 7.30-7.20 (m, 4 H), 6.41 (d, J = 5.3 Hz, 1 H), 4.07 (s, 3 H), 4.05 (s, 3 H), 3.67 (dt, J = 7.0, 7.0 Hz, 2 H), 2.92 (t, J = 7.2 Hz, 2 H)。 LC-MS: 490 [M+H]+

実施例17
Figure 2008537748
N−{3−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イルメトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−N’−フェネチル−オキサルアミド 7−ベンジルオキシ−4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−キノリン(850mg,2.0mmol)を含有したフラスコに、20mLのAcOH中の30%HBrを加えた。得られた溶液を4時間室温で攪拌した。この時に、多量の沈殿物を形成した。粗生成物を濾過し、EtOで洗浄し、風乾して、4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−7−ヒドロキシキノリン(609mg,収率92%)を得た。
DMF(9mL)中の4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−7−ヒドロキシキノリン(609mg,1.8mmol)の溶液に、KCO(1.24g,9.0mmol)及びメシル酸N−Boc−4−ピペリジンメタノール(732mg,2.5mmol)を加えた。続いて、混合物を80℃で2.5時間攪拌した。室温に冷却後、混合物を直接Biotageカラムにのせ、溶媒(ヘキサン:EtOAc=1:3)で溶出した。得られた生成物、4−[4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−キノリン−7−イルオキシメチル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを固体(556mg,56%)として得た。
CHCl(1mL)中の4−[4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−キノリン−7−イルオキシメチル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(305mg,0.58mmol)の溶液に、0.4mLのTFAを加えた。反応混合物を1.5時間攪拌し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をNaBH(OAc)(381mg,1.80mmol)及びホルムアルデヒド(0.5mL,水中37%)で処理した。攪拌を12時間続けた。反応をsat.NaHCO水でクエンチした。15%NaOHをPH=14まで加えた。生成物をEtOAcで抽出した。真空で溶媒の除去により粗生成物、4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イルメトキシ)−キノリン(240mg,93%)を得、次の反応に直接用いた。
EtOH(20mL)中の4−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−6−メトキシ−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イルメトキシ)−キノリン(240mg,0.54mmol)の溶液に、10%Pd/C(50mg)を加えた。次いで、混合物をParr水素化機(hydrogenator)(40psi)で10時間、水素化した。AcOHを加え中間体(大部分はヒドロキシルアミン)を溶解し、水素化を更に12時間続けた。LC−MSを反応の進行を観察するために用いた。溶媒を減圧下で除去し、得られた3−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イルメトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニルアミンの粗生成物(約220mg)を次の反応に直接用いた。
CHCl(6mL)中の、3−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イルメトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニルアミン(66mg,0.13mmol)及びEtN(0.34mL)の0℃の溶液に、エチルオキサリルクロライド(98mg)をゆっくり加えた。反応混合物を室温で30分間攪拌し、続いてCHClで希釈して、飽和NaHCO水で洗浄した。MgSOで乾燥し、濃縮後、粗製のオキサミン酸エチルをフェネチルアミン(80mg,0.64mmol)と80℃で2時間反応させた。HPLCでの精製で、生成物、N−{3−フルオロ−4−[6−メトキシ−7−(1−メチル−ピペリジン−4−イルメトキシ)−キノリン−4−イルオキシ]−フェニル}−N'−フェネチル−オキサルアミド(52mg,収率68%)を得た。1H NMR (400 MHz) δ9.38 (br s, 1 H), 8.48 (d, J = 5.2 Hz, 1 H), 7.83 (dd, J = 11.7, 2.6 Hz, 1 H), 7.59 (t, J = 6.2 Hz, 1 H), 7.55 (s, 1 H), 7.40-7.20 (8 H), 6.39 (d, J = 5.3 Hz, 1 H), 4.06 (d, J = 6.6 Hz, 2 H), 4.04 (s, 3 H), 3.67 (q, J = 6.8 Hz, 2 H), 2.98 (br d, J = 11.5 Hz, 2 H), 2.92 (t, J = 7.0 Hz, 2 H), 2.34 (s, 3 H), 2.10-1.80 (m, 5 H), 1.60-1.54 (m, 2 H)。

実施例18
Figure 2008537748

1−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)エタノン DMF(800mL)中の、4−ヒドロキシ−3−メトキシアセトフェノン(40g,240mmol)、ベンジルブロマイド(31.4mL,260mmol)及び炭酸カリウム(99.6g,360mmol)の溶液を、40℃で終夜加熱した。溶液を室温に冷却し、氷に注いで、得られた固体を濾過した。この物質を水で洗浄し、乾燥して、1−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)エタノン(61g,99%)を得た。
1−(4−ベンジルオキシ−5−メトキシ−2−ニトロフェニル)エタノン ジクロロメタン(750mL)中の1−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)エタノン(51.3g,200mmol)の攪拌溶液を、0℃に冷却した。硝酸(90%,14mL,300mmol)を20分かけて冷却溶液に滴下した。続いて、硫酸(96.2%,16.3mL,300mmol)を40分かけて0℃で滴下した。追加の硝酸(9.4mL,200mmol)を20分かけて滴下した。反応混合物を水(200mLで3回)、及び飽和重炭酸ナトリウム(200mLで4回、又は中性まで)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。粗製の混合物をDMFから再結晶して、1−(4−ベンジルオキシ−5−メトキシ−2−ニトロフェニル)エタノン(36g,60%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ7.65 (s, 1H), 7.45-7.33 (m, 5H), 6.74 (s, 1H), 5.21 (s, 2H), 3.97 (s, 3H), 2.49 (s, 3H)。
1−(2−アミノ−4−ベンジルオキシ−5−メトキシフェニル)エタノン 鉄粉(27g,0.48 g 微粒子)、ギ酸アンモニウム(31g,500mmol)、1−(4−ベンジルオキシ−5−メトキシ−2−ニトロフェニル)エタノン(36g,120mmol)、トルエン(500mL)及び水(500mL)の混合物を終夜、加熱還流した。混合物をセライトを通して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。合わせた有機層を水及び食塩水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、1−(2−アミノ−4−ベンジルオキシ−5−メトキシフェニル)エタノン(29.3g,90%)を得た。1H NMR (CDCl3): δ7.41-7.30 (m, 5H), 7.13 (s, 1H), 6.16 (br s, 2H), 6.10 (s, 1H), 5.13 (s, 2H), 3.83 (s, 3H), 2.51 (s, 3H)。 LC/MS (M+H = 272)。
7−ベンジルオキシ−6−メトキシキノリン−4−オール ナトリウムエトキシド(74.8g,1.1mol)を、DME(700mL)中の1−(2−アミノ−4−ベンジルオキシ−5−メトキシフェニル)エタノン(29.3g,108mmol)の溶液に加え、30分間攪拌した。ギ酸エチル(44mL,540mmol)を加え、混合物を、終夜、攪拌した(反応が不完全の場合、更なるナトリウムエトキシドを加えることができ、反応は、LC/MSによって観察される)。反応終結後、混合物を水(40mL)で希釈し、1M HClで中性のpHまで酸性化した。固体を濾過して、水で洗浄し、乾燥して、7−ベンジルオキシ−6−メトキシキノリン−4−オール(22g,72%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ10.7 (br s, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.49-7.46 (t, 1H), 7.43-7.41 (br d, 2H), 7.37-7.33 (t, 2H), 7.30-7.28 (d, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.21-6.19 (d, 1H), 5.21 (s, 2H), 3.96 (s, 3H)。 LC/MS (M+H = 282)。
7−ベンジルオキシ−4−クロロ−6−メトキシキノリン オキシ塩化リン(300mL)を7−ベンジルオキシ−6−メトキシキノリン−4−オール(40g,140mmol)に加え、混合物を2時間加熱還流した。混合物を氷と炭酸ナトリウムの混合物に注意深く注いだ。溶液を固体重炭酸ナトリウムの追加によりpH8に調整して、室温にて終夜攪拌した。固体を濾過して、水で洗浄し、乾燥して、7−ベンジルオキシ−4−クロロ−6−メトキシキノリンを淡褐色の固体(40.2g,95%)として得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ8.61 (s, 1H), 7.57-7.37 (m, 8H), 5.32 (s, 2H), 3.98 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, d6-DMSO): δ152.4, 151.5, 148.5, 146.2, 139.6, 137.0, 129.2, 128.8, 121.7, 120.4, 110.1, 101.9, 70.8, 56.5; IR (cm-1): 2359, 2341, 1506, 1456, 1435, 1252, 1227, 1146, 999, 845, 752, 698, 667; LC/MS (M+H = 300)。

実施例19
Figure 2008537748
トリフルオロメタンスルホン酸7−ベンジルオキシ−6−メトキシ−キノリン−4−イル エステル 7−ベンジルオキシ−6−メトキシキノリン−4−オール(75.3g,267mmol)を含有した乾燥した2L RBFに、DCM(1L)、4−ジメチルアミノピリジン(3.28g,26.8mmol)及び2,6−ルチジン(62mL,534mmol)を加えた。混合物を調整してドライアイスを加えたアセトン浴で−20℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホニルクロライド(37mL,350mmol)を冷却した溶液に磁気攪拌(magnetic stirring)しながら、25分かけて滴下した。添加終了後、混合物を浴中で20分間続いて室温にて3時間攪拌した。LCMSが反応終了を示した。反応混合物を真空で濃縮し、残りの2,6−ルチジンを除去する為に、高真空下に置いた。得られた褐色固体に、メタノール(3.5L)を加えた。水(1.5L)を加える前に、得られたスラリーをメカニカルスターラーで30分間攪拌した。固体を濾過、続く水洗により単離した。得られた固体を、高真空下で終夜乾燥させ、トリフルオロメタンスルホン酸7−ベンジルオキシ−6−メトキシ−キノリン−4−イルエステルを明るい褐色固体(92.2g,83.8%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO, d6): δ 8.82 (d, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.59 (d, 1H), 7.54-7.52 (m, 2H), 7.46-7.42 (m, 2H), 7.39-7.36 (m, 1H), 7.23 (s, 1H), 5.35 (s, 2H), 3.97 (s, 3H)。 LC/MS: M+H = 414。

実施例20
Figure 2008537748
6,7−ジメトキシ−キノリン−4−オールからのトリフルオロメタンスルホン酸6,7−ジメトキシキノリン−4−イル エステル 6,7−ジメトキシ−キノリン−4−オール(20.9g,102mmol)(Riegel,B.(J.Amer.Chem.Soc.1946,68,1264)の手順により調製することができる)を含有した乾燥した1L RBFに、DCM(500mL)、4−ジメチルアミノピリジン(1.24g,10mmol)及び2,6−ルチジン(24mL,204mmol)を加えた。混合物を室温で勢いよく攪拌した。トリフルオロメタンスルホニルクロライド(14mL,132mmol)を溶液に滴下した。添加終了後、混合物を氷浴にて2乃至3時間攪拌した。LC/MSが反応終了を示したのち、反応混合物を真空で濃縮し、残りの2,6−ルチジンを除く為に高真空下に置いた。得られた褐色固体にメタノール(250mL)を加えた。水(1L)を加える前に、得られたスラリーを30分間攪拌した。固体を濾過によって単離し、続いて水で洗浄した。得られた固体を高真空下で終夜乾燥し、トリフルオロメタンスルホン酸6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イル エステルを明るい褐色の固体(27g,80%)として得た。1H NMR (400MHz, DMSO, d6): δ 8.82 (d, 1H), 7.59 (m, 2H), 7.20 (s, 1H), 3.97 (d, 6H)。 LC/MS: M+H = 338。

実施例21
Figure 2008537748
1−ベンジルオキシ−2−フルオロ−4−ニトロベンゼン DMF(200mL)中の、2−フルオロ−4−ニトロフェノール(50.0g,318mmol)、ベンジルブロマイド(42mL,350mmol)及び炭酸カリウム(66.0g,478mmol)の溶液を、40℃で終夜加熱した。溶液を室温に冷却し、氷に注ぎ得られた固体を濾過した。この物質を水で洗浄し、乾燥して1−ベンジルオキシ−2−フルオロ−4−ニトロベンゼン(75.0g,95%)を得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ8.19-8.11 (m, 2H), 7.53-7.37 (m, 6H), 5.36 (s, 2H); 13C NMR (100 MHz, d6-DMSO): δ152.8, 152.4, 149.9, 140.9, 136.1, 129.3, 129.1, 128.7, 122.0, 115.2, 112.8, 112.6, 71.6; IR (cm-1): 1499, 1346, 1279, 1211, 1142, 1072, 986, 885, 812, 789, 754, 742, 700, 648, 577。
4−ベンジルオキシ−3−フルオロアニリン 鉄粉(45.2g,0.809 g 微粒子)、ギ酸アンモニウム(53.6g,0.850mol)、1−ベンジルオキシ−2−フルオロ−4−ニトロベンゼン(50.0g,0.200mol)、トルエン(400mL)および水(400mL)の混合物を終夜加熱還流した。混合物をセライトを通して濾過し、熱酢酸エチルで洗浄した。合わせた有機層を水および食塩水で洗浄し、続いて硫酸ナトリウムで乾燥して、濃縮して、4−ベンジルオキシ−3−フルオロアニリン(44g,100%)を得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ7.43-7.26 (m, 5H), 6.90 (dd, 1H), 6.49 (dd, 1H), 6.34 (m, 1H), 4.99 (br s, 2H), 4.98 (s, 2H); 13C NMR (100 MHz, d6-DMSO): δ171.1, 155.1, 152.7, 144.9, 138.0, 137.2, 129.6, 129.0, 128.5, 118.9, 110.0, 102.9, 72.5; IR (cm-1): 1510, 1454, 1277, 1215, 1126, 1007, 957, 843, 800, 789, 739, 694, 604; LC/MS (M+H = 218)。
エチル[(4−ベンジルオキシ−3−フルオロフェニル)アミノ](オキソ)アセテート エチルオキサリルクロライド(44mL,390mmol)をジイソプロピルエチルアミン(69mL,400mmol)中の4−ベンジルオキシ−3−フルオロアニリン(44g,180mmol)の溶液に加え室温にて15分攪拌した。混合物をジクロロメタンで抽出し、水及び食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮してエチル[(4−ベンジルオキシ−3−フルオロフェニル)アミノ](オキソ)アセテート(58.4g,100%)を得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ10.87 (s, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.69 (d, 1H), 7.53 (d, 1H), 7.46-7.40 (m, 4H), 5.17 (s, 2H), 4.31 (q, 2H), 1.31(t, 3H); IR (cm-1): 1732, 1705, 1558, 1541, 1508, 1456, 1273, 1186, 1167, 1101, 999, 858, 741, 694; LC/MS (M+H = 318)。
N−(4−ベンジルオキシ−3−フルオロフェニル)−N’−(2−フェニルエチル)エタンジアミド フェネチル−アミン(33mL,520mmol)をエチル[(4−ベンジルオキシ−3−フルオロフェニル)アミノ](オキソ)アセテート(81g,260mmol)に加え、混合物を室温にて30分間超音波に付した。得られた固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥して、N−(4−ベンジルオキシ−3−フルオロフェニル)−N’−(2−フェニルエチル)エタンジアミド(100g,99%)を得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ10.72 (br s, 1H), 9.05 (m, 1H), 8.78 (m, 1H), 7.77 (m, 1H), 7.59 (m, 1H), 7.46-7.19 (m, 8H), 5.16 (m, 2H), 3.45 (m, 2H), 2.83 (m, 2H); IR (cm-1): 2980, 2883, 1653, 1522, 1506, 1441, 1385, 1221, 1122, 951, 808, 746, 696, 584; LC/MS (M+H = 393)。
N−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−(2−フェニルエチル)エタンジアミド N−(4−ベンジルオキシ−3−フルオロフェニル)−N’−(2−フェニルエチル)エタンジアミド(40g,100mmol)及び酢酸(250mL)中の38%臭化水素酸の混合物を室温にて終夜攪拌した。得られた固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥して、N−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−(2−フェニルエチル)エタンジアミドを淡黄色の固体(30.6g,収率99%)として得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ10.60 (s, 1H), 9.02 (t, 1H), 7.70 (d, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.32-7.20 (m, 3H), 6.91 (t, 1H), 3.43 (m, 2H), 2.81 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, d6-DMSO): δ160.5, 158.8, 152.0, 149.6, 142.2, 139.8, 130.3, 129.3, 129.0, 126.8, 118.1, 117.4, 109.6, 109.3 IR (cm-1): 3279, 1653, 1518, 1456, 1279, 1190, 742, 696, 584; LC/MS (M+H = 303)。

実施例22
Figure 2008537748
N−{4−[(7−ベンジルオキシ−6−メトキシキノリン−4−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−N’−(2−フェニルエチル)エタンジアミド 7−ベンジルオキシ−4−クロロ−6−メトキシキノリン(30g,100mmol)、N−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−(2−フェニルエチル)エタンジアミド(32g,106mmol)、DMAP(125g,1.02mol)及びブロモベンゼン(500mL)の混合物を6時間加熱還流した。混合物を室温まで冷却し、ブロモベンゼンを減圧下で除去した。メタノール(500mL)を残渣に加えて、混合物を室温にて2時間攪拌した。得られた固体を濾過しメタノールで洗浄し、乾燥してN−{4−[(7−ベンジルオキシ−6−メトキシキノリン−4−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−N’−(2−フェニルエチル)エタンジアミド(34g,61%)を得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ11.05 (s, 1H), 9.15 (s, 1H), 8.47 (d, 1H), 8.05 (d, 1H), 7.84 (d, 1H), 7.56-6.36 (m, 13H), 6.46 (d, 1H), 5.32 (s, 2H), 3.97 (s, 3H), 3.47 (q, 2H), 2.86 (t, 2H); 13C NMR (100 MHz, d6-DMSO): δ160.5, 160.2, 159.9, 159.5, 155.2, 152.7, 152.2, 150.3, 149.6, 146.9, 139.7, 137.4, 137.3, 137.2, 137.1, 129.3, 129.2, 129.1, 129.0, 128.9, 128.7, 128.6, 126.9, 124.8, 117.9, 115.3, 109.9, 102.8, 99.8, 70.6, 56.5, 41.3, 35.2; IR (cm-1): 1657, 1510, 1481, 1433, 1416, 1352, 1310, 1252, 1215, 1609, 986, 891, 868, 850, 742, 696; LC/MS (M+H = 566)。

実施例23
Figure 2008537748
N−{3−フルオロ−4−[(7−ヒドロキシ−6−メトキシキノリン−4−イル)オキシ]フェニル}−N’−(2−フェニルエチル)エタンジアミド メタノール(200mL)、DMF(100mL)、ジクロロメタン(100mL)、酢酸エチル(100mL)及び酢酸(5mL)中のN−{4−[(7−ベンジルオキシ−6−メトキシキノリン−4−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−N’−(2−フェニルエチル)エタンジアミド(32g,56mmol)の溶液に水酸化パラジウム(4.2g)を加え、混合物をParr水素化機(hydrogenator)にて45psiの水素圧下で4時間振盪した。得られた懸濁液をセライトを通して濾過し、固体残渣を沸騰しているジクロロメタン(2L)及びアセトン(2L)で洗浄した。合わせた濾液を蒸発させ、N−{3−フルオロ−4−[(7−ヒドロキシ−6−メトキシキノリン−4−イル)オキシ]フェニル}−N’−(2−フェニルエチル)エタンジアミドをオフホワイトの固体(25.6g,95%)として得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ11.06 (s, 1H), 10.25 (br s, 1H), 9.12 (t, 1H), 8.40 (d, 1H), 8.01 (dd, 1H), 7.50-7.44 (m, 2H), 7.31-7.23 (m, 6H), 6.39 (d, 1H), 3.95 (s, 3H), 2.85 (t, 2H), 2.50 (m, 2H); IR (cm-1): 1666, 1624, 1585, 1520, 1481, 1427, 1377, 1256, 1211, 1194, 1022, 880, 850, 839, 802, 750, 700; LC/MS (M+H = 476)。

実施例24
Figure 2008537748
N−(3−フルオロ−4−{[6−メトキシ−7−(3−モルホリン−4−イルプロポキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(2−フェニルエチル)エタンジアミド DMF(300mL)中の、N−{3−フルオロ−4−[(7−ヒドロキシ−6−メトキシキノリン−4−イル)オキシ]フェニル}−N’−(2−フェニルエチル)エタンジアミド(25.6g,54mmol)、N−(3−クロロプロピル)モルホリン塩酸塩(11.7g,592mmol)及び炭酸カリウム(16.6g,120mmol)の溶液を終夜80℃に加熱した。冷却し、DMF(250mL)の大部分をロータリーエバポレーターで除去して、5%LiCl水(300mL)を加え、混合物を室温にて超音波処理した。固体を濾過し、1N HCl中に懸濁して、酢酸エチル(300mLで2回)で洗浄した。溶液を2N水酸化ナトリウムを用いてpH14に調節し、その後、ジクロロメタン(200mLで3回)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させ、N−(3−フルオロ−4−{[6−メトキシ−7−(3−モルホリン−4−イルプロポキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(2−フェニルエチル)エタンジアミドを黄色の固体(24g,74%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ9.37 (s, 1H), 8.46 (d, 1H), 7.81 (dd, 1H), 7.57 (t, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.42 (s, 2H), 7.34-7.20 (m, 6H), 6.39 (d, 1H), 4.27 (t, 2H), 4.03 (s, 3H), 3.71 (m, 4H), 3.65 (q, 2H), 2.91 (t, 2H), 2.56 (br s, 4H), 2.13 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, d6-DMSO): δ160.1, 160.0, 159.5, 155.2, 152.7, 152.6, 150.2, 149.5, 147.1, 139.7, 137.3, 137.1, 129.3, 129.1, 126.9, 124.8, 117.9, 115.1, 109.2, 102.7, 99.6, 67.4, 66.9, 56.5, 55.5, 54.1, 41.3, 35.2, 26.4; IR (cm-1): 1655, 1506, 1483, 1431, 1350, 1302, 1248, 1221, 1176, 1119, 864, 843, 804, 741, 700; LC/MS (M+H = 603)。

実施例25
Figure 2008537748
4,7−ジクロロキノリン オキシ塩化リン(4mL,429mmol)を還流冷却器を備えた丸底フラスコ中の7−クロロ−4−ヒドロキシキノリン 2.86g,15.9mmol)に加えた。混合物を2時間加熱還流し、続いて室温に冷却した。溶液を真空で濃い油状物まで濃縮し、砕いた氷にあけた。得られた溶液を飽和NaHCO(aq)で中和した。スラリーを濾過して、水で洗浄した。固体を真空下乾燥し、4,7−ジクロロキノリンを白色の固体(2.79g,収率88.5%)として得た。
架橋二環式の合成
以下に例えば、アルキル化剤として用いるための、加えられた脱離基を有する架橋二環式の合成を記載する。本発明との関連において、それらのアルキル化剤は、本発明の化合物を製造するため、例えば、キノリンを6位又は7位の酸素でアルキル化するために用いられる。本発明は、そのような架橋二環式を付け加えるアルキル化の化学作用に限定されることはなく、前述の記載は、本発明の態様のただの実例であるにすぎないものとする。

実施例26
1,4:3,6−ジアンヒドロ−2−O−メチル−5−O−(メチルスルホニル)−D−グルシトール ジクロロメタン中の、1,4:3,6−ジアンヒドロ−2−O−メチル−D−グルシトール(1.19g,7.4mmol)の溶液に、ピリジン(1mL,12.36mmol)、続いてメタンスルホニルクロライド(0.69mL,8.92mmol)を加え、混合物を室温にて12時間に渡り攪拌した。溶媒を除去し、アモルファスの残渣を、酢酸エチル及び0.1M塩酸水で分液した。水層を追加の酢酸エチルで1回抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過及び濃縮、続く真空での乾燥により、1,4:3,6−ジアンヒドロ−2−O−メチル−5−O−(メチルスルホニル)−D−グルシトール(1.67g,収率94%)を無色の油状物として得た。GC/MS C8H14SO6についての計算値: 238 (M+)。

実施例27
1,4:3,6−ジアンヒドロ−5−O−(フェニルカルボニル)−D−フルクトースエチレングリコールアセタール ベンゼン(100mL)中の、1,4:3,6−ジアンヒドロ−5−O−(フェニルカルボニル)−D−フルクトース(2.00g,8.06mmol)、エチレングリコール(5.00g,80.6mmol)、及びp−トルエンスルホン酸(1.53g,8.06mmol)の溶液をDean−Starkトラップ装置を用いて90分間還流した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水(50mLで2回)続いて食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過、濃縮及びシリカでのカラムクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン/酢酸エチル)により1.44g(収率61%)の1,4:3,6−ジアンヒドロ−5−O−(フェニルカルボニル)−D−フルクトース エチレングリコールアセタールを無色の固体として得た。1H NMR (400 MHz; CDCl3): 8.08 (m, 2H), 7.58 (m, 1H), 7.54 (m, 2H), 5.38 (dd, 1H), 4.97 (t, 1H), 4.21-4.02 (m, 7H), 3.86 (d, 1H), 3.75 (d, 1H)。

実施例28
1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−フルクトース エチレングリコール アセタール: メタノール(40mL)中の、1,4:3,6−ジアンヒドロ−5−O−(フェニルカルボニル)−D−フルクトースエチレングリコールアセタール(1.44g,4.93mmol)の溶液に、50%水酸化ナトリウム水(0.38g,4.75mmol)を加え、混合物を室温にて30分間攪拌した。1M HClでの中和、続く濃縮及びシリカでのカラムクロマトグラフィー(1:2 ヘキサン/酢酸エチル)により、0.74g(収率80%)の1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−フルクトースエチレングリコール アセタールを無色の固体として得た。1H NMR (400 MHz; CDCl3): 4.60 (t, 1H), 4.32 (m, 1H), 4.14 (d, 1H), 4.05-3.98 (m, 5H), 3.82 (s, 2H), 3.62 (dd, 1H), 2.65 (d, 1H)。
1,4:3,6−ジアンヒドロ−5−O−(メチルスルホニル)−D−フルクトース エチレングリコール アセタール: ジクロロメタン(40mL)中の、1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−フルクトース エチレングリコールアセタール(0.74g,3.93mmol)及びトリエチルアミン(1.20g,11.86mmol)の溶液に、メタンスルホニルクロライド(0.90g,7.88mmol)を0℃で窒素下にて加えた。溶液を室温まで昇温し、13時間攪拌した。ジクロロメタン(50mL)を加え、有機層を飽和重炭酸ナトリウム水(30mL)、水(30mL)、及び食塩水(30mL)で洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過及び濃縮により、1.02g(97%)の1,4:3,6−ジアンヒドロ−5−O−(メチルスルホニル)−D−フルクトースエチレングリコールアセタールを黄色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz; CDCl3): 5.08 (m, 1H), 4.82 (t, 1H), 4.13 (dd, 1H), 4.04 (m, 4H), 3.93 (dd, 1H), 3.87 (d, 1H), 3.81 (d, 1H), 3.13 (s, 3H)。

実施例29
1,4:3,6−ジアンヒドロ−2−デオキシ−2−メチリデン−D−アラビノ−ヘキシトール: メタノール(10mL)中の1,4:3,6−ジアンヒドロ−2−デオキシ−2−メチリデン−5−O−(フェニルカルボニル)−D−アラビノ−ヘキシトール(329mg,1.34mmol)の溶液に、50%水酸化ナトリウム水(95mg,1.19mmol)を加え、混合物を室温にて30分間攪拌した。1,4−ジオキサン中の4M塩化水素で中和し、続いて濃縮して、シリカでのカラムクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン/酢酸エチル)によって、141mg(74%)の1,4:3,6−ジアンヒドロ−2−デオキシ−2−メチリデン−D−アラビノ−ヘキシトールを無色の固体として得た。 1H NMR (400 MHz; CDCl3): 5.37 (m, 1H), 5.20 (m, 1H), 4.80 (m, 1H), 4.54 (m, 2H), 4.43 (m, 1H), 4.26 (m, 1H), 3.95 (dd, 1H), 3.54 (dd, 1H), 2.70 (d, 1H)。
1,4:3,6−ジアンヒドロ−2−デオキシ−2−メチリデン−5−O−(メチルスルホニル)−D−アラビノ−ヘキシトール: ジクロロメタン(10mL)中の1,4:3,6−ジアンヒドロ−2−デオキシ−2−メチリデン−D−アラビノ−ヘキシトール(135mg,0.95mmol)及びトリエチルアミン(288mg,2.85mmol)の溶液に、メタンスルホニルクロライド(222mg,1.94mmol)を0℃にて窒素下で加えた。溶液を室温に昇温して、18時間攪拌した。ジクロロメタン(50mL)を加え、有機層を、飽和重炭酸ナトリウム水(25mLで2回)、水(25mL)及び食塩水(25mL)で洗浄し、続いて無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過及び濃縮により、213mg(72%)の1,4:3,6−ジアンヒドロ−2−デオキシ−2−メチリデン−5−O−(メチルスルホニル)−D−アラビノ−ヘキシトールを黄色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz; CDCl3): 5.40 (m, 1H), 5.23 (m, 1H), 5.04 (m, 1H), 4.85 (m, 1H), 4.73 (t, 1H), 4.58 (m, 1H), 4.41 (m, 1H), 4.08 (dd, 1H), 3.86 (dd, 1H), 3.14 (s, 3H)。

実施例30
1,4:3,6−ジアンヒドロ−2−デオキシ−5−O−(フェニルカルボニル)−L−アラビノ−ヘキサ−1−エニトール: ジクロロメタン(50mL)中の、1,4:3,6−ジアンヒドロ−5−O−(フェニルカルボニル)−(D)−グリシトール(4.32g,17.3mmol)、トリエチルアミン(4.91mL,35.3mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.63g,5.2mmol)の混合物に、−10°乃至−15°にてトリフルオロメタンスルホン酸無水物(3.48mL,20.7mmol)を10分間かけて滴下し、得られた混合物をこの温度で3時間攪拌した。混合物を100mLの氷水に注ぎ、ジクロロメタン(50mLで3回)で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮した。粗製のトリフラートをトルエン(50mL)中に懸濁し、続いて1,8−ジアザビシクロ[4,5,0]ウンデカ−7−エン(5.25mL,34.6mmol)を加え、混合物を室温にて18時間攪拌した。反応混合物を氷水に注ぎ、分液して、続いて水層をジクロロメタン(50mLで3回)で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,5−20%酢酸エチル−ヘキサン)で精製して、1,4:3,6−ジアンヒドロ−2−デオキシ−5−O−(フェニルカルボニル)−L−アラビノ−ヘキサ−1−エニトールを白色の固体として、3.10g,77%の収率で得た。1H NMR (400MHz; CDCl3): 8.08-8.06 (m, 2H), 7.61-7.57 (m, 1H), 7.56-7.43 (m, 2H), 6.62-6.61 (d, 1H), 5.48-5.46 (m,1H), 5.32-5.26 (m,1H), 5.13-5.10 (m, 2H), 4.18-4.14 (tr,1H), 3.61-3.56 (tr, 1H)。

実施例31
メチル 3,6−アンヒドロ−5−O−(フェニルカルボニル)−β−L−グルコフラノシド: メタノール(17mL)中の1,4:3,6−ジアンヒドロ−2−デオキシ−5−O−(フェニルカルボニル)−L−アラビノ−ヘキサ−1−エニトール(1.00g,4.3mmol)の溶液に、−4℃で3−クロロ過安息香酸(85%,1.35g,8.6mmol)を加え、得られた混合物をゆっくりと室温まで昇温し、18時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,25−60%酢酸エチル−ヘキサン)で精製して、メチル3,6−アンヒドロ−5−O−(フェニルカルボニル)−β−L−グルコフラノシドを白色の固体として、1.03g,収率83%で得た。1H NMR (400MHz; CDCl3): 8.11-8.08 (d, 2H), 7.61-7.56 (tr, 1H), 7.48-7.44 (m, 2H), 5.24-5.17 (m, 2H), 4.96 (s, 1H), 4.57-4.56 (d, 1H), 4.27 (s, 1H), 4.22-4.18 (dd, 1H), 4.08-4.04 (dd, 1H)3.36(s, 3H)。
メチル3,6−アンヒドロ−2−O−メチル−5−O−(フェニルカルボニル)−β−L−グルコフラノシド: メチル3,6−アンヒドロ−5−O−(フェニルカルボニル)−β−L−グルコフラノシド(1.03g,3.7mmol)、酸化銀(I)(0.85g,3.7mmol)及びDMF(2mL)中のヨウ化メチル(0.34mL,5.5mmol)の混合物を60℃で1時間加熱した。室温まで冷却後、反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、セライトで濾過し、シリカゲル(10g)に吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,5−30%酢酸エチル−ヘキサン)で精製して、メチル3,6−アンヒドロ−2−O−メチル−5−O−(フェニルカルボニル)−β−L−グルコフラノシドを無色の油状物として、0.82g、収率76%で得た。1H NMR (400MHz; CDCl3): 8.11-8.09 (d, 2H), 7.60-7.56 (m, 1H), 7.46-7.44 (m, 2H), 5.24-5.20 (m, 1H), 5.18-5.09 (tr, 1H), 4.99 (s, 1H), 4.61-4.60 (d, 1H), 4.21-4.17 (tr, 1H), 4.08-4.03 (tr, 1H), 3.81 (s, 1H), 3.40 (s, 3H), 3.57 (s, 3H)。
メチル3,6−アンヒドロ−2−O−メチル−α−D−イドフラノシド: メタノール(10mL)中の、メチル3,6−アンヒドロ−2−O−メチル−5−O−(フェニルカルボニル)−β−L−グルコフラノシド(820mg,3.1mmol)及び50%水酸化ナトリウム(248mg,3.1mmol)の溶液を室温にて30分間攪拌した。物質をシリカゲル(5g)に吸着させ、ショートカラム(ヘキサン中の15% 酢酸エチル乃至酢酸エチル中の5%メタノール)を通して、メチル3,6−アンヒドロ−2−O−メチル−α−D−イドフラノシドを無色の油状物として、420mg、収率85%で得た。1H NMR (400MHz; CDCl3): 5.04 (s, 1H), 5.84-5.81 (tr, 1H), 4.44-4.42 (tr, 1H), 4.25-4.19 (m, 1H), 3.85-3.75 (m, 1H), 3.49 (s, 3H), 3.43 (s, 3H), 2.75-2.72 (d, 1H)。
メチル3,6−アンヒドロ−2−O−メチル−5−O−(メチルスルホニル)−β−L−グルコフラノシド: メチル3,6−アンヒドロ−2−O−メチル−α−D−イドフラノシド(420mg,2.6mmol)をジクロロメタン(10mL)及びピリジン(0.36mL,3.7mmol)中に0℃で溶解した。メタンスルホニルクロライド(0.14mL,3.1mmol)を加え、得られた混合物を0℃で1時間、続いて室温にて2時間攪拌した。反応混合物を水、及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮して、メチル3,6−アンヒドロ−2−O−メチル−5−O−(メチルスルホニル)−β−L−グルコフラノシドを無色の油状物として、669mg、収率95%で得た。これを更に精製することなく用いた。

実施例32
3,6−アンヒドロ−5−O−(フェニルカルボニル)−α−L−グルコフラノース: 四酸化オスミウム(水中4%,0.25mL,0.03mmol)及び3mLの水中の50%アセトン中のN−メチルモルホリン(505mg,4.3mmol)の混合物を60℃に加熱した。6mLの水中の50%アセトン中の1,4:3,6−ジアンヒドロ−2−デオキシ−5−O−(フェニルカルボニル)−L−アラビノ−ヘキサ−1−エニトール(2.00g,8.6mmol)の溶液を、3時間かけて加えた。この間、追加のN−メチルモルホリン(1.01g,8.6mmol)を少量定期的に加えた。追加する工程が完了すると、反応をさらに1時間攪拌し、室温に冷却した。粗製の混合物をシリカゲルのカラムに付し、フラッシュし(1:1 酢酸エチル:ヘキサン中の0−6%メタノール)、3,6−アンヒドロ−5−O−(フェニルカルボニル)−α−L−グルコフラノースを、白色の固体として、1.5g,収率65%で得た。1H NMR (400MHz; DMSO-d6): 8.01-7.95, (m, 2H), 7.68-7.66 (m, 1H), 7.57-7.53 (m, 2H), 5.18-5.11 (m, 2H), 4.85-4.81 (m, 1H, m), 4.37-4.35 (m, 1H), 4.05-3.96 (m, 2H), 3.85-3.83 (m, 1H)。
3,6−アンヒドロ−2−O−メチル−5−O−(フェニルカルボニル)−α−L−グルコフラノシド: 3,6−アンヒドロ−5−O−(フェニルカルボニル)−α−L−グルコフラノース(576mg,2.2mmol)を、5mLのDMF中の、水素化ナトリウム(60%油分散,346mg,8.7mmol)及びヨウ化メチル(0.54mL,8.7mmol)の混合物に0℃で加え、得られた混合物を1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈して、水(5mL)でクエンチした。水部分を酢酸エチル(3x5mL)で抽出した。合わせた有機部分を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘキサン中5−20%酢酸エチル)で精製して、3,6−アンヒドロ−2−O−メチル−5−O−(フェニルカルボニル)−α−L−グルコフラノシドを白色の固体として、270mg,収率42%で得た。1H NMR (400MHz; CDCl3): 8.09-8.07 (m, 2H), 7.61-7.57 (m, 1H), 7.48-7.27 (m, 2H), 5.25-5.22 (m, 1H), 5.07-5.06 (d, 1H), 4.94-4.91 (m, 1H), 4.73-4.71 (m, 1H), 4.20-4.16 (m, 1H), 3.96-3.94 (m, 1H), 3.85-3.83 (tr, 1H), 3.50 (s, 3H), 3.42 (s, 3H)。
メチル 3,6−アンヒドロ−2−O−メチル−5−O−(メチルスルホニル)−α−L−グルコフラノシド: メタノール(5mL)中の、メチル3,6−アンヒドロ−2−O−メチル−5−O−(フェニルカルボニル)−α−L−グルコフラノシド(230mg,0.92mmol)及び50%水酸化ナトリウム(74mg,0.92mmol)の溶液を、室温にて30分間攪拌した。混合物をシリカゲル(2g)に吸着させ、ショートカラム(ヘキサン中の15%酢酸エチル乃至酢酸エチル中の5%メタノール)に通し無色の油状物(140mg,0.72mmol,収率95%)を得、次の工程に直接用いた。当該アルコールをジクロロメタン(5mL)中に溶解し、ピリジン(121μL,1.03mmol)を0℃にて加えた。メタンスルホニルクロライド(27μL,0.88mmol)を加え、得られた混合物を0℃で1時間、続いて室温で2時間攪拌した。反応混合物を水及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、メチル3,6−アンヒドロ−2−O−メチル−5−O−(メチルスルホニル)−α−L−グルコフラノシドを無色の油状物(190 mg,収率96%)として得た。

実施例33
3,6−アンヒドロ−1,2−O−(1−メチルエチリデン)−5−O−(フェニルカルボニル)−α−L−グルコフラノース: 3,6−アンヒドロ−5−O−(フェニルカルボニル)−α−L−グルコフラノース(1.00g),2,2−ジメトキシプロパン(0.63mL),p−トルエンスルホン酸(20mg)及びベンゼン(10mL)の混合物を3時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、次いでシリカゲル(10g)に吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘキサン中の5−35%酢酸エチル)で精製して、3,6−アンヒドロ−1,2−O−(1−メチルエチリデン)−5−O−(フェニルカルボニル)−α−L−グルコフラノースを無色の油状物として0.85g,収率74%で得た。1H NMR (400MHz; CDCl3): 8.08-8.06 (d, 2H), 7.59-7.56 (tr, 1H), 7.46-7.42 (m, 2H), 5.99-5.98 (d, 1H), 5.35-5.31 (tr, 1H), 5.10-5.08 (d, 1H), 4.66-4.65 (d, 1H), 4.61-4.60 (d, 1H), 4.20-4.16 (dd, 1H), 3.91-3.74 (tr, 1H,), 1.50 (s, 3H), 1.34 (s, 3H)。
3,6−アンヒドロ−1,2−O−(1−メチルエチリデン)−5−O−(メチルスルホニル)−α−L−グルコフラノース: メタノール(10mL)中の、3,6−アンヒドロ−1,2−O−(1−メチルエチリデン)−5−O−(フェニルカルボニル)−α−L−グルコフラノース(850mg)及び50%水酸化ナトリウム(111mg)の溶液を、室温にて30分間攪拌した。続いて混合物をシリカゲル(5g)に吸着させ、ショートカラム(ヘキサン中の15%酢酸エチル乃至酢酸エチル中の5%メタノール)に通し、アルコール中間体、390mg,収率70%、をすぐに次の工程に用いた。アルコールを、ジクロロメタン(10mL)及びピリジン(0.32mL)中に0℃にて溶解した。メタンスルホニルクロライド(0.12mL)を加え、得られた混合物を0℃で1時間、続いて、室温にて2時間攪拌した。反応混合物を、水及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、濾過して、濃縮して、3,6−アンヒドロ−1,2−O−(1−メチルエチリデン)−5−O−(メチルスルホニル)−α−L−グルコフラノースを無色の油状物として,485mg,収率90%で得た。これを、すぐに次の工程に使用した。
実施例34
(3S,8aS)−3−(クロロメチル)ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン: (S)−(+)−プロリノール(6.00g,59.3mmol)を、エピクロロヒドリン(47mL,600mmol)に0℃で加えた。溶液を40℃で0.5時間攪拌し、続いて真空で濃縮した。残渣の油状物を氷浴中で冷却し、濃硫酸(18mL)を攪拌しながら滴下した。混合物を170−180℃で1.5時間加熱し、氷(300mL)に注ぎ、続いて炭酸ナトリウムでpH〜8まで塩基性化した。混合物を酢酸エチル/ヘキサンで分液して濾過した。濾液を分離して、水層を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空で濃縮し、油状物を得、これをカラムクロマトグラフィー(低極性生成物に対しては酢酸エチル、続いて酢酸エチル中の30%メタノール)で精製した。(3S,8aS)−3−(クロロメチル)ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン(低極性生成物)(1.87g,10.7mmol,収率18%): 1H NMR (400 MHz, CDCl3): 4.06 (dd, 1H), 3.79-3.71 (m, 1H), 3.60-3.48 (m, 2H), 3.36 (dd, 1H), 3.15 (dd, 1H), 3.13-3.06 (m, 1H), 2.21-2.01 (m, 3H), 1.90-1.68 (m, 3H), 1.39-1.24 (m, 1H); C8H14NOClのMS (EI): 176 (MH+)。 (3R,8aS)−3−(クロロメチル)ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン (1.54 g, 8.77 mmol, 収率15%): 1H NMR (400 MHz, CDCl3): 3.94-3.77 (m, 4H), 3.55 (dd, 1H), 3.02-2.93 (m, 2H), 2.45 (dd, 1H), 2.29-2.15 (m, 2H), 1.88-1.64 (m, 3H), 1.49-1.38 (m, 1H); C8H14NOClのMS (EI): 176 (MH+)。
同様若しくは類似の合成技術及び/又は別の出発物質への置き換えを用いて、以下は調製された:
(3R,8aR)−3−(クロロメチル)ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン: 1H NMR (400 MHz, CDCl3): 4.05 (dd, 1H), 3.79-3.70 (m, 1H), 3.61-3.48 (m, 2H), 3.35 (dd, 1H), 3.15 (dd, 1H), 3.13-3.07 (m, 1H), 2.21-2.01 (m, 3H), 1.89-1.67 (m, 3H), 1.39-1.25 (m, 1H); C8H14NOClのMS (EI): 176 (MH+)。
(3S,8aR)−3−(クロロメチル)ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン: 1H NMR (400 MHz, CDCl3): 3.93-3.77 (m, 4H), 3.55 (dd, 1H), 3.02-2.93 (m, 2H), 2.45 (dd, 1H), 2.30-2.15 (m, 2H), 1.88-1.64 (m, 3H), 1.49-1.37 (m, 1H); C8H14NOClのMS (EI): 176 (MH+)。

実施例35
酢酸(3S,8aS)−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン−3−イルメチル: (3S,8aS)−3−(クロロメチル)ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン(2.30g,13.1mmol)及び酢酸カリウム(12.8g,131mmol)を、ジメチルホルムアミド(25mL)中で140℃で20時間攪拌した。混合物を、酢酸エチル及び水で分液した。有機部分を水で2回洗浄し、続いて食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空で濃縮して、酢酸(3S,8aS)−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン−3−イルメチルを褐色の油状物(2.53g,12.7mmol,収率97%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): 4.14-4.02 (m, 3H), 3.81-3.72 (m, 1H), 3.37-3.31 (m, 1H), 3.09 (dt, 1H), 3.00 (dd, 1H), 2.21-2.00 (m, 3H), 2.10 (s, 3H), 1.90-1.67 (m, 3H), 1.39-1.24 (m, 1H); C10H17NO3のMS (EI): 200 (MH+)。
(3S,8aS)−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン−3−イルメタノール: 酢酸(3S,8aS)−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン−3−イルメチル(2.36g,11.9mmol)をナトリウムメトキシド(メタノール中25重量%溶液;2.7mL)で0.5時間処理した。混合物を氷浴で冷却し、1,4−ジオキサン中の4M HClの溶液(3mL,12.0mmol)をゆっくり加えた。混合物を室温にて5分間攪拌し、続いて真空で濃縮して、懸濁液を得た。これをジクロロメタンで希釈し、濾過して、濾液を真空で濃縮して、(3S,8aS)−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン−3−イルメタノールを褐色の油状物(1.93g,収率>100%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): 4.05 (dd, 1H), 3.73-3.65 (m, 2H), 3.62-3.56 (m, 1H), 3.39-3.34 (m, 1H), 3.10 (dt, 1H), 3.00-2.95 (m, 1H), 2.24-1.98 (m, 4H), 1.97-1.70 (m, 3H), 1.44-1.28 (m, 1H); C8H15NO2のMS (EI): 158 (MH+)。
メタンスルホン酸(3S,8aS)−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン−3−イルメチル: (3S,8aS)−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン−3−イルメタノール(1.00g,6.37mmol)をジクロロメタン(10mL)中に溶解して、トリエチルアミン(2.4mL,17.3mmol)を0℃で加え、続いてメタンスルホニルクロライド(0.93mL,12.0mmol)を滴下した。溶液を室温まで昇温し、1.25時間攪拌して、続いて真空で濃縮した。残渣を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム溶液で分液した。有機部分を飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。合わせた水部分を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機部分を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空で濃縮して、メタンスルホン酸(3S,8aS)−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン−3−イルメチルを橙褐色の油状物(1.20g,5.1mmol,収率80%)として得た。C9H17NO4SのMS (EI): 236 (MH+)。

実施例36
オクタヒドロ−2H−キノリジン−3−イルメタノール: オクタヒドロ−2H−キノリジン−3−カルボン酸エチル(2.35g,11.1mmol)を0℃でテトラヒドロフラン(50mL)中の水素化アルミニウムリチウム(テトラヒドロフラン中の1M溶液,33mL,33mmol)の攪拌懸濁液に滴下した。反応を室温にて3時間攪拌した。混合物を氷浴で冷却し、ゆっくりと酢酸エチル(6mL)を、続いて水(1.25mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(5mL)及び水(1.25mL)を加えた。混合物をセライトの詰め物を通して濾過して、エーテルで洗浄した。濾液を真空で濃縮し、しっかり乾燥して、オクタヒドロ−2H−キノリジン−3−イルメタノールを黄色の油状物(1.66g,9.82mmol,収率88%)として得た。C10H19NOのMS (EI): 170 (MH+)。
メタンスルホン酸オクタヒドロ−2H−キノリジン−3−イルメチル: オクタヒドロ−2H−キノリジン−3−イルメタノール(600mg,3.55mmol)をジクロロメタン(8mL)中に溶解し、トリエチルアミン(1.5mL,10.8mmol)を0℃で加え、続いてメタンスルホニルクロライド(0.56mL,7.16mmol)を滴下した。溶液を室温まで昇温し、1.25時間攪拌して、続いて、真空で濃縮した。残渣を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム溶液で分液した。水部分を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機部分を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空で濃縮して、メタンスルホン酸オクタヒドロ−2H−キノリジン−3−イルメチルをオレンジ色の油状物(796mg,3.22mmol,収率91%)として得た。 C11H21NO3SのMS (EI): 248 (MH+)。

実施例37
(3S,8aS)−3−(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−1(2H)−オン: メタノール中のメチル1−[(2S)−3−ヒドロキシ−2−({[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}アミノ)プロピル]−L−プロリナート(3.50g,10.4mmol)の溶液に、メタノール中の5%パラジウム−炭素(水中50wt.%)を加え、水素で40psiにて1時間処理した。混合物を濾過し、濾液を短時間還流に付し、続いて冷却し、真空で濃縮して、(3S,8aS)−3−(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−1(2H)−オンを無色の固体(1.50g,8.83mmol,収率85%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): 7.28-7.22 (m, 1H), 3.83-3.75 (m, 1H), 3.69 (dd, 1H), 3.56 (dd, 1H), 3.31 (t, 1H), 3.08 (dd, 1H), 2.92 (dt, 1H), 2.76-2.70 (m, 1H), 2.66 (dd, 1H), 2.28-2.16 (m, 1H), 2.02-1.73 (m, 3H); C8H14N2O2のMS (EI): 171 (MH+)。
(3S,8aS)−3−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−a]ピラジン−1(2H)−オン:ジメチルホルムアミド(20mL)中の(3S,8aS)−3−(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−1(2H)−オン(1.49g,8.82mmol)の溶液に、トリエチルアミン(2.45mL,17.6mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(90mg,0.882mmol)を加えた。溶液を氷浴中で冷却し、tert−ブチルジメチルシリルクロライド(2.66g,17.6mmol)を加えた。混合物を室温に昇温して14時間攪拌した。混合物を真空で濃縮して、残渣を酢酸エチル及び水で分液した。水部分を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機部分を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空で濃縮して、淡褐色の固体を得た。これを酢酸エチルで粉末にして、(3S,8aS)−3−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−1(2H)−オンをオフホワイトの固体(1.74g,5.84mmol,収率66%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): 6.09-5.90 (m, 1H), 3.86-3.76 (m, 1H), 3.63 (dd, 1H), 3.44 (dd, 1H), 3.25 (t, 1H), 3.10 (ddd, 1H), 2.98-2.90 (m, 1H), 2.68-2.60 (m, 1H), 2.52 (dd, 1H), 2.28-2.18 (m, 1H), 2.06-1.95 (m, 1H), 1.93-1.74 (m, 2H), 0.90 (s, 9H), 0.07 (s, 6H); C14H28N2O2SiのMS (EI): 285 (MH+)。
(3S,8aS)−3−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2−メチルヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−1(2H)−オン:ジメチルホルムアミド(8mL)中の(3S,8aS)−3−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−1(2H)−オン(1.51g,5.32mmol)をジメチルホルムアミド(8mL)中の水素化ナトリウム(60wt.%油分散;213mg,5.32mmol)の氷冷した懸濁液に加えた。混合物を0℃で0.25時間攪拌し、続いて、ヨードメタン(0.332mL,5.32mmol)を滴下した。混合物を室温にて0.5時間攪拌し、続いて、70℃で2時間攪拌した。混合物を真空で濃縮し、残渣を酢酸エチルと水で分液した。水部分を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機部分を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空で濃縮して、(3S,8aS)−3−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2−メチルヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−1(2H)−オンを黄色の油状物(1.552g,5.21mmol)として得た。テトラヒドロフラン(20mL)中に溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオライド(テトラヒドロフラン中の1.0M溶液;10.4mL,10.4mmol)で2時間室温にて処理した。混合物を真空で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の10%メタノール)で精製して、(3S,8aS)−3−(ヒドロキシメチル)−2−メチルヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−1(2H)−オンを黄色の油状物(496mg,2.70mmol,(3S,8aS)−3−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−1(2H)−オンからの収率51%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): 3.98-3.93 (m, 1H), 3.86 (dd, 1H), 3.61-3.55 (m, 1H), 3.29-3.25 (m, 1H), 3.09-3.03 (m, 1H), 3.03-2.97 (m, 1H), 3.02 (s, 3H), 2.93 (dd, 1H), 2.87-2.79 (m, 1H), 2.32-2.21 (m, 1H), 2.00-1.86 (m, 2H), 1.83-1.64 (m, 1H); C9H16N2O2のMS (EI): 185 (MH+)。

実施例38
1,2−ジデオキシ−1−[(2S)−2−(メトキシカルボニル)−1−ピロリジニル]−2−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]アミノ]−D−グリセロ−ヘキシトール:メタノール(500mL)中の2−デオキシ−2−{[(フェニルメチルオキシ)カルボニル]アミノ}−D−グリセロ−へキソピラノース(5.0g,0.016mol)の溶液に、L−プロリン メチルエステル塩酸塩(2.8g,0.022mol)及び水素化シアノホウ素ナトリウム(3.4g,0.054mol)を加えた。溶液を64℃で14時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を真空で濃縮して、1,2−ジデオキシ−1−[(2S)−2−(メトキシカルボニル)−1−ピロリジニル]−2−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]アミノ]−D−グリセロ−ヘキシトール(6.81g,100%)を無色透明の油状物として得た。C20H31N2O8のMS (EI): 427 (MH+)。

実施例39
メチル1−[(2S)−3−ヒドロキシ−2−({[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}アミノ)プロピル]−L−プロリナート:1,2−ジデオキシ−1−[(2S)−2−(メトキシカルボニル)−1−ピロリジニル]−2−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]アミノ]−D−グリセロ−ヘキシトール(6.81g,0.016mol)を水(100mL)中に入れ、得られた溶液を0℃まで冷却した。水中に溶解した過ヨウ素酸ナトリウム(sodium periodiate)(14.8g,0.069mol)を滴下し、得られた混合物を0℃で2時間攪拌した。反応混合物をジクロロメタン(3x100mL)で分液し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。残渣をメタノール(200mL)中に溶解し、得られた溶液を0℃に冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(1.98g,0.052mol)を加えて、反応混合物を1時間0℃で攪拌した。反応混合物を真空で濃縮し、ジクロロメタン及び飽和塩化アンモニウム水で分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。得られた粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の5%メタノール)で精製して、メチル1−[(2S)−3−ヒドロキシ−2−({[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}アミノ)プロピル]−L−プロリナート(4.9g,92%)を白色の固体として得た。C17H25N2O5のMS (EI): 337 (MH+)。
メチル1−[(2S)−3−[(メチルスルホニル)オキシ]−2−({[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}アミノ)プロピル]−L−プロリナート:メチル1−[(2S)−3−ヒドロキシ−2−({[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}アミノ)プロピル]−L−プロリナート(200mg,0.594mmol)をジクロロメタン(5mL)中に溶解し、続いて、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(3.6mg,0.039mmol)及びトリエチルアミン(0.125mL,0.891mmol)を加え、得られた混合物を0℃まで冷却した。メタンスルホニルクロライド(0.060mL,0.773mmol)を滴下し、反応混合物を1時間0℃で攪拌した。混合物をジクロロメタンと飽和重炭酸ナトリウム水で分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空で濃縮して、メチル1−[(2S)−3−[(メチルスルホニル)オキシ]−2−({[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}アミノ)プロピル]−L−プロリナート(246mg,100%)を無色透明の油状物として得た。C18H27N2O7SのMS (EI): 415 (MH+)。

実施例40
(3aR,6aS)−5−(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボン酸1,1−ジメチルエチル:窒素雰囲気下、ボランテトラヒドロフラン錯体(THF中1M,42mL,41.9mmol)をテトラヒドロフラン(42mL)で希釈して、氷浴で冷却した。次に、純2,3−ジメチルブタ−2−エン(5.0mL,41.9mmol)を0.25時間かけて分けて加え、溶液を0℃で3時間攪拌した。テトラヒドロフラン(10mL)中の(3aR,6aS)−5−メチリデンヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(1.98g,8.88mmol)の溶液を、ゆっくり加え、溶液を室温まで暖め、12時間攪拌した。0℃に冷却後、10%水酸化ナトリウム水(17mL,41.7mmol)、続いて、30%過酸化水素水(13mL,128mmol)を加え、溶液を室温まで温めた。溶媒を真空で除いて、溶液を水とジエチルエーテルで分液した。層を分けて、水層をさらに抽出した(3x50mLジエチルエーテル)。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空で濃縮して、2.04(95%)の(3aR,6aS)−5−(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボン酸1,1−ジメチルエチルを得、さらなる精製なしに用いた。1H NMR (400 MHz, CDCl3): 8.50 (broad s, 1H), 3.66-3.46 (m, 3H), 3.20-3.00 (m, 2H), 2.70-2.59 (m, 2H), 2.37-2.18 (m, 1H), 2.04 (m, 1H), 1.84 (broad s, 1H), 1.70-1.55 (m, 1H), 1.46 (s, 9H), 1.17 (m, 1H), 0.93 (m, 1H)。
(3aR,6aS)−5−{[(メチルスルホニル)オキシ]メチル}ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボン酸1,1−ジメチルエチル:メタンスルホニルクロライド(0.2mL,2.48mmol)を、20mLのジクロロメタン中の(3aR,6aS)−5−(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(0.40g,1.65mmol)及びトリエチルアミン(0.69mL,4.95mmol)の溶液に0℃で滴下して、反応混合物を1時間室温にて攪拌した。溶媒を蒸発させ、得られた粗製の混合物を100mLの酢酸エチルで希釈し、水(30mL)、1M水酸化ナトリウム水、食塩水、1M塩酸水及び再度食塩水で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。得られた(3aR,6aS)−5−{[(メチルスルホニル)オキシ]メチル}ヘキサヒドロシクロ−ペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボン酸1,1−ジメチルエチルを更なる精製なしに用いた。C14H25NO5SのMS (EI): 320 (MH+), 264 (M-tBu)。
実施例41
(3aR,6aS)−5−(ヒドロキシ)−ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボン酸1,1−ジメチルエチル:水素化ホウ素ナトリウム(0.15g,4.00mmol)を10mLのメタノール中の(3aR,6aS)−5−オキソ−ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(0.45g,2.00mmol)の溶液に0℃で加え、反応混合物をこの温度で1時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、粗製の混合物を100mLの酢酸エチルで希釈して、水(30mL)、1M塩酸水及び食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、(3aR,6aS)−5−(ヒドロキシ)−ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(0.44g,98%)を得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): 4.08 (m, 1H), 3.40 (m, 2H), 3.30 (m, 2H), 2.50 (m, 2H), 1.98 (m, 2H), 1.40 (s, 9H), 1.30 (m, 2H). C12H21NO3のMS (EI): 228 (MH+)。
(3aR,6aS)−5−{[(メチルスルホニル)オキシ]}ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボン酸1,1−ジメチルエチル:メタンスルホニルクロライド(0.18mL,2.33mmol)を、10mLのジクロロメタン中の、(3aR,6aS)−5−(ヒドロキシ)−ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(0.44g,1.94mmol)及びトリエチルアミン(0.81mL,5.81mmol)の溶液に0℃で滴下し、反応混合物を1時間室温にて攪拌した。溶媒を蒸発させ、得られた粗製の混合物を100mLの酢酸エチルで希釈し、水(30mL)、食塩水、1M塩酸水及び再度食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮した。得られた粗製の(3aR,6aS)−5−{[(メチルスルホニル)オキシ]}ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボン酸1,1−ジメチルエチルを更なる精製なしに用いた。C13H23NO5SのMS (EI): 306 (MH+)。
実施例42
3−(クロロメチル)ヘキサヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[3,4−c][1,4]オキサジン:2−(クロロメチル)オキシラン(28.2mL,0.360mol)中の、(3R)−モルホリン−3−イルメタノール(4.21g,36.0mmol)の溶液を40℃で3時間加熱し、続いて、溶液を真空で濃縮した。中間体を氷浴中で冷却し、30.0mLの濃硫酸で処理した。混合物を170℃で2時間加熱し、続いて室温に冷却した。混合物を氷水に注ぎ、固体の重炭酸ナトリウムを溶液が塩基性になるまで注意深く加えた。酢酸エチル中の10%メタノールを加え、二層性の混合物を濾過した。層を分離し、水層を抽出した(3x100mLの酢酸エチル中の10%メタノール)。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、真空で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO,2:5 ヘキサン:酢酸エチル)により、3−(クロロメチル)ヘキサヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[3,4−c][1,4]オキサジン2.44g(35%)を分離したジアステレオマーとして得た。(3R,9aS)−3−(クロロメチル)ヘキサヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[3,4−c][1,4]オキサジン:(0.886g,収率13%): 1H NMR (400 MHz, CDCl3): 3.91 (m, 3H), 3.82 (m, 1H), 3.68 (dt, 1H), 3.61 (dd, 1H), 3.47 (dd, 1H), 3.35 (t, 1H), 3.19 (t, 1H), 2.80 (d, 1H), 2.54 (m, 2H), 2.40 (m, 2H); C8H14NO2ClのMS (EI) : 192 (MH+)。(3S,9aS)−3−(クロロメチル)ヘキサヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[3,4−c][1,4]オキサジン:(1.55g,収率22%): 1H NMR (400 MHz, CDCl3): 3.85 (m, 2H), 3.73 (m, 3H), 3.50 (m, 2H), 3.29 (t, 1H), 3.18 (t, 1H), 2.85 (dd, 1H), 2.64 (dd, 1H), 2.40 (m, 2H), 2.17 (t, 1H); C8H14NO2ClのMS (EI): 192 (MH+)。
酢酸ヘキサヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[3,4−c][1,4]オキサジン−3−イルメチル:DMF(20.0mL)中の、(3R,9aS)−3−(クロロメチル)ヘキサヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[3,4−c][1,4]オキサジン(1.97g,10.3mmol)及び酢酸カリウム(10.1g,102mmol)の懸濁液を140℃で16時間、続いて150℃でさらに12時間攪拌した。反応混合物を、水(250mL)と酢酸エチル(250mL)で分液し、有機層を5%塩化リチウム(2x100mL)及び食塩水(100mL)で洗浄し、続いて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO,1:1 ヘキサン:酢酸エチル、続いて100%酢酸エチル)によって、0.92g(42%)の酢酸ヘキサヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[3,4−c][1,4]オキサジン−3−イルメチルを黄色の油状物として得た。上に記載された個別のジアステレオマーは、この工程で変換され:酢酸(3R,9aS)−ヘキサヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[3,4−c][1,4]オキサジン−3−イルメチル: 1H NMR (400 MHz, CDCl3): 4.18 (dd, 1H), 4.00 (m, 1H), 3.80 (dd, 1H), 3.68 (dt, 1H), 3.60 (dd, 1H), 3.46 (m, 2H), 3.22 (t, 1H), 2.64 (dd, 1H), 2.53 (m, 2H), 2.43-2.35 (m, 2H), 2.10 (s, 3H)、及び酢酸(3S,9aS)−ヘキサヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[3,4−c][1,4]オキサジン−3−イルメチル: 1H NMR (400 MHz, CDCl3): 4.09 (d, 2H), 3.90-3.82 (m, 2H), 3.75-3.64 (m, 3H), 3.27 (t, 1H), 3.18 (t, 1H), 2.69 (dd, 1H), 2.63 (m, 1H), 2.46-2.33 (m, 2H), 2.16 (t, 1H), 2.10 (s, 3H)を得た。
メタンスルホン酸(3R,9aS)−ヘキサヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[3,4−c][1,4]オキサジン−3−イルメチル:メタノール(14.0 mL)中の酢酸(3R,9aS)−ヘキサヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[3,4−c][1,4]オキサジン−3−イルメチル(0.922g,4.28mmol)の溶液に、1.03mL(4.50mmol)のナトリウムメトキシド(メタノール中の25%wt.)を室温にて滴下した。5分後、1.6mL(6.43mmol)のジオキサン中の4.0M塩化水素を加え、桃色の沈殿物が形成された。溶液を真空で濃縮し、桃色の固体を30.0mLジクロロメタンに溶解した。このスラリーを氷浴で冷却し、トリエチルアミン(3.0mL,21.5mmol)、続いてメタンスルホニルクロライド(0.37mL,4.71mmol)を加えた。得られた黄色溶液を、30分間室温にて攪拌した。続いて、混合物をジクロロメタンと飽和重炭酸ナトリウム水で分液して、次に、水層を抽出した(3x50mLジクロロメタン)。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空で濃縮して、粗製のメタンスルホン酸(3R,9aS)−ヘキサヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[3,4−c][1,4]オキサジン−3−イルメチルを得た。これを精製なしに続く反応に用いた。
実施例43
(8aR)−6−(クロロメチル)テトラヒドロ−1H−[1,3]チアゾロ[4,3−c][1,4]オキサジン:2−(クロロメチル)オキシラン(2.0mL,25.5mmol)中の(4R)−1,3−チアゾリジン−4−イルメタノール(0.300g,2.52mmol)の溶液を、窒素下で40℃にて12時間加熱した。続いて、溶液を室温に冷却して、2−(クロロメチル)オキシランを真空で除いた。粗製の中間体を氷で冷却し、2.0mLの濃硫酸に溶解した。得られた混合物を200℃で0.5時間加熱し、続いてウェットアイス(wet ice)に注意して注ぎ、ウェットアイスを溶かした。水溶液を固体の重炭酸ナトリウムを用いて注意深く塩基性とし、得られた混合物を溶出液として水及び酢酸エチル中の10%メタノールを用いて濾過した。層を分離し、水層を酢酸エチル中10%メタノールで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空で濃縮して、11.6mg(収率2.4%)の粗製の(8aR)−6−(クロロメチル)テトラヒドロ−1H−[1,3]チアゾロ[4,3−c][1,4]オキサジンをジアステレオマーの混合物として得た。これを直接次の工程に用いた。
実施例44
(3−endo)−3−{2−[(メチルスルホニル)オキシ]エチル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸1,1−ジメチルエチル:ジクロロメタン(4.0mL)中の(3−endo)−3−(2−ヒドロキシエチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(30.3mg,1.19mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.5mL,3.56mmol)を加え、溶液を窒素下0℃に冷却した。メタンスルホニルクロライド(0.11mL,1.42mmol)をゆっくり加え、混合物を室温まで昇温し、1時間攪拌した。反応混合物を、ジクロロメタンと水で分液した。水層をジクロロメタン(2x100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空で濃縮して、35.1mg(89%)の(3−endo)−3−{2−[(メチルスルホニル)オキシ]エチル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸1,1−ジメチルエチルを得、精製なしにアルキル化に進めた。
実施例45
Figure 2008537748
1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニルカルバモイル]−シクロプロパンカルボン酸の調製.THF(3.5mL)中のシクロプロピルジ−カルボン酸(449mg,3.45mmol)に、TEA(485μL,3.45mmol)を加えた。得られた溶液を室温にて窒素雰囲気下で40分攪拌し、チオニルクロライド(250μL,3.44mmol)を加えた。反応をモノ酸クロライドの形成によりLCMSで観察した(サンプルをMeOHでクエンチして、対応するモノメチルエステルを探した)。室温にて3時間攪拌後、4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニルアミン(1.02g,3.44mmol)を固体として加え、続いて追加のTHF(1.5mL)を加えた。室温にて16時間攪拌を続けた。得られた高粘度のスラリーをEtOAc(10mL)で希釈して、1N NaOHで抽出した。二層系のスラリーを濾過して、水層を濃HClでpH=6まで酸性として、濾過した。両方の固体を合わせてEtOAcで洗浄して、続いて真空下乾燥した。所望の生成物、1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニルカルバモイル]−シクロプロパンカルボン酸、を(962mg,収率68.7%,純度97%)白色の固体として得た。1H NMR (D2O/NaOH): 7.97 (d, 1H), 7.18 (d, 2H), 6.76 (m, 4H), 6.08 (d, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.56 (s, 3H), 1.15 (d, 4H)。

実施例46
Figure 2008537748
’N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−[(4−フルオロフェニル)メチル]シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド.DMA(1.0mL)中の、1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニルカルバモイル]−シクロプロパンカルボン酸(74.3mg,0.182mmol)、4−フルオロベンジルアミン(25μL,0.219mmol)、DIEA(90.0μL,0.544mmol)の溶液に、HATU(203mg,0.534mmol)を加えた。攪拌しながら水(10mL)を滴下する前に、得られた溶液を室温にて1時間攪拌した。スラリーを超音波破砕し、濾過し、固体を1N NaOH、続いて水で洗浄した。風乾後、固体を更に分取HPLCで精製して、’N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−[(4−フルオロフェニル)メチル]シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド(33mg,収率35%,純度98%)を白色の固体として得た。1H NMR (DMSO, d6): 10.82 (s, 1H), 8.80 (d, 1H), 8.50 (t, 1H), 7.83 (d, 2H), 7.74 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.30-7.38 (m, 4H), 7.15 (t, 2H), 6.80 (d, 1H), 4.32 (d, 2H), 4.04 (s, 3H), 4.03 (s, 3H), 1.42 (s, 4H)。
以下の化合物を、上記と同様の手法で、1−[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニルカルバモイル]−シクロプロパンカルボン酸と対応するアルキルアミン又はアリールアミンのカップリングから調製した。
N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−[2−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル]シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド.1H NMR (DMSO-d6): 10.62 (s, 1H), 8.79 (d, 1H), 8.24 (t, 1H), 7.83 (d, 2H), 7.72 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.37 (d, 2H), 6.76 (d, 1H), 4.04 (s, 3H), 4.03 (s, 3H), 3.98 (m, 2H), 3.66 (m, 2H), 3.49 (m, 4H), 3.25 (t, 2H), 3.13 (br., 2H), 1.42 (d, 4H)。
N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−[2−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル]シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド.1H NMR (DMSO-d6): 10.78 (s, 1H), 10.53 (s, 1H), 8.43 (d, 1H), 8.12 (d, 1H), 7.82 (d, 2H), 7.49 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.20-7.28 (m, 3H), 7.15 (dd, 1H), 7.01 (td, 1H), 6.35 (d, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 3.47 (s, 2H), 2.17 (br., 4H), 1.49 (m, 4H), 1.41 (m, 4H), 1.32 (br., 2H)。
’N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−[2−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド.1H NMR (DMSO-d6): 10.98 (s, 1H), 10.56 (s, 1H), 8.42 (d, 1H), 8.10 (dd, 1H), 7.81 (m, 2H), 7.49 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.17-7.27 (m, 4H), 7.01 (td, 1H), 6.35 (d, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 3.61 (s, 2H), 2.30 (br., 4H), 1.47 (br., 4H), 1.43 (m, 4H)。
’N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−[3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド.1H NMR (DMSO-d6): 10.12 (s, 1H), 10.03 (s, 1H), 8.44 (d, 1H), 7.74 (d, 2H), 7.57 (s, 1H), 7.53 (d, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.21 (m, 3H), 6.98 (d, 1H), 6.40 (d, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 3.56 (t, 4H), 3.41 (s, 2H), 2.34 (br., 4H), 1.48 (s, 4H)。
’N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−[2−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド.1H NMR (DMSO-d6): 10.54 (s, 1H), 10.47 (s, 1H), 8.43 (d, 1H), 8.08 (d, 1H), 7.78 (d, 2H), 7.49 (s, 1H), 7.37 (d, 1H), 7.18-7.30 (m, 4H), 7.03 (t, 1H), 6.37 (d, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.50 (s, 2H), 3.44 (br., 4H), 2.20 (br., 4H), 1.48 (d, 4H)。
’N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−[3−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル]シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド.1H NMR (DMSO-d6): 10.0-10.2 (br., 2H), 8.46 (d, 1H), 7.76 (d, 2H), 7.53 (m, 3H), 7.39 (s, 1H), 7.24 (m, 3H), 6.98 (d, 1H), 6.43 (d, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.37 (s, 2H), 2.31 (br., 4H), 1.48 (m, 8H), 1.39 (br., 2H)。
’N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−[3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド.1H NMR (DMSO-d6): 10.0-10.2 (br., 2H), 8.46 (d, 1H), 7.77 (d, 2H), 7.59 (s, 1H), 7.53 (d, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.23 (m, 3H), 6.99 (d, 1H), 6.43 (d, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.52 (s, 2H), 2.42 (br., 4H), 1.69 (br, 4H), 1.48 (s, 4H)。

実施例47
Figure 2008537748
N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)−2−(メチルチオ)キノリン−4−イル]オキシ}−3−フルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミドの合成 市販の5−(ビス−メチルスルファニル−メチレン)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオン(3.5g,14mmol)及び3,4−ジメトキシアニリン(dimethoxyoaniline)(2.2g,14mmol)をEtOH(20mL)中で2時間還流した。EtOHを減圧下除去して、EtOAcを残渣に加えた。生成物を濾過し、冷EtOAc(3X)で洗浄した。5−[(3,4−ジメトキシ−フェニルアミノ)−メチルスルファニル−メチレン]−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオンを白色の固体(1.7g,収率47%)として得、更なる精製なしに用いた。LCMS: m/z 352 (M-H)-
5−[(3,4−ジメトキシ−フェニルアミノ)−メチルスルファニル−メチレン]−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオン(1.7g,6.6mmol)及びジフェニルエーテル(3.5g,21mmol)の混合物を260℃で10分間加熱した。混合物を室温に冷却し、ヘプタンを加えた。6,7−ジメトキシ−2−メチルスルファニル−キノリン−4−オールを濾過し、オレンジ色の固体として単離して、更なる精製なしに(1.4g,収率83%)用いた。LCMS: m/z 352 (M+H)+
6,7−ジメトキシ−2−メチルスルファニル−キノリン−4−オール(1.0g,4.0mmol)、3,4−ジフルオロニトロベンゼン(0.48mL,4.3mmol)、炭酸セシウム(2.6g,8.0mmol)、及びDMF(15mL)の混合物を、室温にて12時間攪拌し、その後、混合物を濾過した。濾液をDCMで抽出し、10%LiCl(aq.)、水(1回)、及び食塩水(1回)で洗浄し、続いてNaSOで乾燥し真空で濃縮した。粗製の固体をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,DCM中の5%MeOH)で精製し、ニトロキノリン(1.3g,収率85.8%)をオレンジ色の固体として得た。LCMS: m/z 391 (M+H)+. EtOH(5mL)中の、ニトロキノリン(0.33g,0.85mmol)、5%Pt/S-炭素(0.050g)、ギ酸アンモニウム(0.40g,6.3mmol)の混合物を、80℃で1時間加熱し、混合物を室温に冷却して、溶媒を減圧下除去した。残渣をDCM中に溶解し、混合物を濾過し、沈殿物を廃棄した。有機溶媒の除去により、4−(6,7−ジメトキシ−2−メチルスルファニル−キノリン−4−イルオキシ)−3−フルオロ−フェニルアミンをオレンジ色の油状物(220mg,収率73%)として得た。LCMS: m/z 361 (M+H)+
DMF(5mL)中の、4−(6,7−ジメトキシ−2−メチルスルファニル−キノリン−4−イルオキシ)−3−フルオロ−フェニルアミン(0.22g,0.61mmol)及び1−(4−フルオロ−フェニルカルバモイル)−シクロプロパンカルボン酸(0.16g,0.73mmol)の混合物に、TEA(0.25mL,1.8mmol)、続いて、HATU(0.57g,1.5mmol)を加えた。得られた溶液を終夜室温にて攪拌した。反応混合物を水に注ぎ、DCM(2X)で抽出した。合わせた抽出物を5%LiCl(aq.)(3X)、水、(1X)及び食塩水(1X)で洗浄して、続いて、NaSOで乾燥して真空で濃縮した。粗製の固体を酢酸アンモニウムで分取HPLCにより精製し、N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)−2−(メチルチオ)キノリン−4−イル]オキシ}−3−フルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド(0.39g,収率11%)を白色の固体として得た。1H NMR (DMSO-d6) δ 10.34 (s, 1H), 9.94 (s, 1H), 7.83 (d, 1H), 7.59 (m, 2H), 7.56 (m, 1H), 7.40 (m, 2H), 7.23 (s, 1H), 7.09 (t, 2H), 6.12 (s, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 2.48 (s, 3H), 1.40 (m, 4H)。
アッセイ
キナーゼアッセイを、固定化したミエリン塩基性タンパク質(MBP)へのγ−33P ATPの取り込みを測定することにより行った。ハイバインディングホワイト384ウェルプレート(Greiner)を、60μl/ウェルの、Tris緩衝化生理食塩水(TBS;50mM Tris pH8.0、138mM NaCl、2.7mM KCl)中のMBP(20μg/ml)の、4℃24時間のインキュベーションによって、MBP(Sigma#M−1891)でコーティングした。プレートを、100μlのTBSで3回洗った。キナーゼ反応を、キナーゼ緩衝液(5mM Hepes pH7.6、15mM NaCl、0.01% ウシガンマグロブリン(Sigma#I−5506)、10mM MgCl、1mM DTT、0.02% TritonX−100)中、総量34μlで行った。化合物の希釈をDMSOで行い、DMSO最終濃度が1%になるように、アッセイウェルに加えた。各データポイントを、2連で測定し、そして少なくとも2回の2連アッセイを、個々の化合物測定のそれぞれで行った。酵素を、例えば、10nM又は20nMの最終濃度で加えた。未標識ATPとγ−33P ATPの混合物を加えて、反応を開始させた(典型的には、ウェルあたり2×10cpmのγ−33PATP(3000Ci/mmol)、および10μM又は30μMのいずれかの未標識ATP)。反応を、室温で振とうしながら1時間行った。プレートをTBSで7回洗い、次いで、ウェルあたり50μlのシンチレーション液(Wallac)を加えた。プレートを、Wallac Trilux計測器を用いて計測した。これは、このようなアッセイの一形式にすぎず、当業者に公知の、様々な他形式が可能である。
上記アッセイ手順は、阻害に関するIC50及び/又は阻害定数Kを決定するために用いられ得る。IC50は、アッセイ条件下で、50%まで酵素活性を低下させるのに必要な化合物濃度と定義される。例示的組成物は、例えば、約100μM未満、約10μM未満、約1μM未満のIC50を有し、更に、例えば、約100nM未満、更に、例えば、約10nM未満のIC50を有する。化合物のKは、3つの仮定に基づいて、IC50から決定され得る。第1に、1つの化合物分子のみが酵素に結合し協同性がない。第2に、活性酵素及び試験される化合物の濃度が知られている(即ち、有意な量の調製物の不純物または不活化形態が存在しない)。第3に、酵素−阻害剤複合体の酵素速度がゼロである。この速度(即ち、化合物濃度)データは、方程式
Figure 2008537748

に当てはめられる。ここで、Vは、観察される速度であり、Vmaxは、フリーの酵素の速度であり、Iは、阻害剤濃度であり、Eは、酵素濃度であり、そしてKは、酵素−阻害剤複合体の乖離定数である。
キナーゼ特異性アッセイ:
キナーゼ活性及び化合物阻害は、以下に述べる3つのアッセイ形式の1つ以上を用いて調べられる。各アッセイのATP濃度は、個々のキナーゼ各々のミカエリスメンテン定数(K)に近くなるように選択される。用量反応実験は、384ウェルプレート形式で、10の異なる阻害剤濃度で行われる。以下の4つのパラメーター方程式に、データを当てはめる:
Figure 2008537748
ここで、Yは、観察されたシグナルであり、Xは、阻害剤濃度であり、Minは、酵素非存在下(0%酵素活性)でのバックグラウンドシグナルであり、Maxは、阻害剤非存在下(100%酵素活性)でのシグナルであり、IC50は、50%の酵素阻害での阻害剤濃度であり、そしてHは、協同性を測定するための経験的なヒルの傾き(empirical Hill's slope)を表している。典型的には、Hは1に近似する。
c−Metアッセイ
c−Metの生化学的活性を、上記したようなルシフェラーゼ結合化学発光キナーゼアッセイ(Luciferase-Coupled Chemiluminescent Kinase assay)(LCCA)形式を用いて評価した。また、キナーゼ活性を、キナーゼ反応後に残ったATPの割合として測定した。この残余のATPは、ルシフェラーゼ−ルシフェリン結合(coupled)化学発光によって検出した。具体的には、反応を、20μLアッセイバッファー(20mM Tris−HCL pH7.5、10mM MgCl、0.02% TritonX−100、100mM DTT、2mM MnCl)中に、試験化合物、1μM ATP、1μM poly−EY、及び10nM c−Met(バキュロウイルス発現ヒトc−MetキナーゼドメインP948−S1343)を混合することにより開始させた。混合物を、室温で2時間インキュベートした後、20μLルシフェラーゼ−ルシフェリン混合物を加え、Wallac Victor計測器を用いて、化学発光シグナルを計測した。このルシフェラーゼ−ルシフェリン混合物は、50mMのHEPES(pH7.8)、8.5μg/mLのシュウ酸(pH7.8)、5(又は50)mMのDTT、0.4%のTritonX−100、0.25mg/mLの補酵素A、63μMのAMP、28μg/mLのルシフェリン及び40,000光単位/mLのルシフェラーゼから構成される。
KDRアッセイ
KDRの生化学的活性を、ルシフェラーゼ結合化学発光キナーゼアッセイ(LCCA)形式を用いて評価した。キナーゼ活性を、キナーゼ反応後に残ったATPの割合として測定した。この残余のATPは、ルシフェラーゼ−ルシフェリン結合化学発光によって検出した。具体的には、反応を、20μLアッセイバッファー(20mM Tris−HCL pH7.5、10mM MgCl、0.01% TritonX−100、1mM DTT、3mM MnCl)中に、試験化合物、3μM ATP、1.6μM poly−EY及び5nM KDR(バキュロウイルス発現ヒトKDRキナーゼドメインD807−V1356)を混合することにより開始させた。混合物を、室温で4時間インキュベートした後、20μLルシフェラーゼ−ルシフェリン混合物を加えて、Wallac Victor計測器を用いて、化学発光シグナルを計測した。このルシフェラーゼ−ルシフェリン混合物は、50mMのHEPES(pH7.8)、8.5μg/mLのシュウ酸(pH7.8)、5(又は50)mMのDTT、0.4%のTritonX−100、0.25mg/mLの補酵素A、63μMのAMP、28μg/mLのルシフェリン及び40,000光単位/mLのルシフェラーゼから構成される。
flt−4アッセイ
flt−4の生化学的活性は、AlphaScreenチロシンキナーゼプロトコールを用いて評価された。AlphaScreenTM(Perkin Elmer)技術は、微小粒子を利用した近似アッセイである。レーザー励起に続く、ドナービーズ(bead)から派生する一重項酸素は、生体分子の相互作用のためにアクセプタービーズ(bead)に近接(100Å)した時に、化学発光をもたらす。Flt−4アッセイにおいて、ストレプトアビジンでコーティングされたドナービーズ(bead)及びPY100抗ホスホチロシン抗体でコーティングされたアクセプタービーズ(bead)が用いられた(Perkin Elmer)。ビオチニル化されたポリ(Glu,Tyr) 4:1 (Perkin Elmer)は、基質として用いられた。基質リン酸化を、ドナー/アクセプタービーズ(bead)を加えて、ドナー−アクセプタービーズ(bead)複合体形成に続く化学発光により測定した。試験化合物、5 μM ATP、3 nM ビオチニル化ポリ(Glu, Tyr)及び1 nM Flt−4 (バキュロウイルス発現ヒトFlt−4 キナーゼドメインD725−R1298)を384穴の白色の、中結合(medium binding)マイクロタイタープレート(Greiner)中で20 μLの容積で合わせた。反応混合物を1時間、周囲温度でインキュベートした。反応を75 mM Hepes、pH 7.4、300 mM NaCl、120 mM EDTA、0.3% BSA及び0.03% Tween−20を含む10 μLの15−30 mg/mL AlphaScreenビーズ懸濁液を加えてクエンチした。周囲温度で2−16時間のインキュベーション後、プレートをAlphaQuest reader (Perkin Elmer)を用いて読み込んだ。IC50値は、放射線分析アッセイにより決定されたものと良く相関していた。
flt−3アッセイ
flt−3の生化学的活性を、ルシフェラーゼ結合化学発光キナーゼアッセイ(LCCA)形式を用いて評価した。キナーゼ活性を、キナーゼ反応後に残ったATPの割合として測定した。この残余のATPを、ルシフェラーゼ−ルシフェリン結合化学発光によって検出した。具体的には、反応を、20μLアッセイバッファー(20mM Tris−HCL pH7.5、10mM MgCl、0.01% TritonX−100、1mM DTT、2mM MnCl)中に、試験化合物、5μM ATP、3μM poly−EY及び5nM Flt−3(バキュロウイルス発現ヒトFlt−3キナーゼドメインR571−S993)を混合することにより開始させた。混合物を、室温で、3時間インキュベートした後、20μLルシフェラーゼ−ルシフェリン混合物を加えて、Wallac Victor計測器を用いて化学蛍光シグナルを計測した。このルシフェラーゼ−ルシフェリン混合物は、50mMのHEPES(pH7.8)、8.5μg/mLのシュウ酸(pH7.8)、5(又は50)mMのDTT、0.4%のTritonX−100、0.25mg/mLの補酵素A、63μMのAMP、28ug/mLのルシフェリン及び40,000光単位/mLのルシフェラーゼから構成される。
c−Kitアッセイ
c−Kitの生化学的活性は、上記に記載のAlphaScreen TM (Perkin Elmer) 技術を用いて評価した。試験化合物、ATP、ビオチニル化されたポリ(Glu, Tyr)及びc−Kitキナーゼを384穴の白色、中結合マイクロタイタープレート (Greiner)に20μLの容積で合わせた。反応混合物を周囲温度で1時間インキュベートした。反応を75 mM Hepes、pH 7.4、300 mM NaCl、120 mM EDTA、0.3% BSA及び0.03% Tween−20を含んだ10 uLの15−30 mg/mL AlphaScreenビーズ懸濁液を加えてクエンチした。周囲温度での16時間のインキュベーション後、AlphaQuest reader(Perkin Elmer)を用いてプレートを読み込んだ。
構造活性相関
表3は、選択された本発明化合物の構造活性相関データを示す。阻害を、次の記号(key)を用いて、IC50として示す:A=IC50が50nM未満、B=IC50が50nMを超え500nM未満、C=IC50が500nMを超え5000nM未満、及びD=IC50が5,000nMを超える。典型的な本発明化合物は、キノリンについての官能基に依存して、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3及びflt−4のいずれかに対する選択性を示す。表2−3に列挙される酵素の略称は、以下のように定義される:c−Metとは、肝細胞増殖因子受容体キナーゼのことをいい;KDRとは、キナーゼインサートドメイン受容体型チロシンキナーゼのことをいい;flt−4とは、受容体型チロシンキナーゼのFLKファミリーを代表するfms様チロシンキナーゼ−4のことをいい;c−Kitは幹細胞因子受容体又は造血幹細胞因子(steel factor)受容体とも称され;及びflt−3はfms様チロシンキナーゼ−3のことをいう。表の中の空のセルは、データのみがないことを示す。
Figure 2008537748
本明細書中で引用される全ての参照文献(刊行物、特許出願、及び特許を含む)は、それぞれの参照文献が個々に及び具体的に本明細書中に参照によって援用されることが示され、本明細書中にその全体が記載されているのと同様に、本明細書中に参照によって援用される。
用語「a」及び「an」並びに「当該(the)」並びに本発明を記述する同様の指示(特に、以下の特許請求の範囲において)の使用は、本明細書中特に示さない限り又は明らかに文脈に反しない限り、単数と複数の両方の範囲にわたると解釈される。用語「包含する(comprising)」、「有する(having)」、「挙げられる(including)」及び「含む(containing)」は、特に記されなければ、オープンエンドの用語として解釈される(即ち、「挙げられるが、限定されない」を意味する)。本明細書中での数値の範囲の列挙は、特に本明細書中に示さなければ、単に、それぞれの分離した数値が当該範囲内に入ることを個々に言及する省略法(shorthand method)としての役割を果たすことを意図し、それぞれの分離した数値は、それが本明細書中で個々に列挙されたかのように明細書中に組み入れられる。本明細書中に記載されるすべての方法は、特に本明細書中に示さない限り、又は明らかに文脈に反しない限り、どのような適した順番でも行うことができる。本明細書中で提供される任意の、及び、すべての例、又は例示的な言葉(例、「のような(such as)」)の使用は、単に、本発明をよりよく解明することを意図し、特に要求しない限り、本発明の範囲に制限を課さない。明細書中のどのような言葉も、本発明の実施に必須であるような、任意の請求しない要素を示すように解釈されるべきではない。
本発明の好ましい態様は、本明細書中に記載され、本発明を行った発明者に知られた最良の形態を含む。これらの好ましい態様の変形は、前述の記載を読んだ際、当業者に明らかとなり得る。発明者は、当業者が必要に応じてそのような変形を用いることを期待し、発明者は、具体的に本明細書に記載されたのとは別のように、本発明が実施されることを意図する。それにより、本発明としては、適用法で認められた通りに、本明細書に添付された特許請求の範囲において列挙された要旨のすべての修正及び均等物を含む。さらに、その可能なすべての変形における上記に記載された要素のどのような組み合わせも、本明細書中に別に示さないか、又は別に明らかに文脈に矛盾しない限り、本発明に含まれる。

Claims (61)

  1. 式I
    Figure 2008537748
    [式中、
    は、−H、ハロゲン、−OR、−NO、−NH、−NR、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ;
    Zは、−S(O)0−2−、−O−、及び−NR−より選ばれ;
    Arは、式II、又は式IIIの基のいずれかであり、
    Figure 2008537748

    式中、
    は、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ;
    qは、0乃至4であり;
    Gは、基−B−L−T(式中
    Bは、非存在、−N(R13)−、−N(SO13)−、−O−、−S(O)0−2−、及び−C(=O)−より選ばれ;
    Lは、非存在、−C(=S)N(R13)−、−C(=NR14)N(R13)−、−SON(R13)−、−SO−、−C(=O)N(R13)−、−N(R13)−、−C(=O)C1−2アルキルN(R13)−、−N(R13)C1−2アルキルC(=O)−、−C(=O)C0−1アルキルC(=O)N(R13)−、−C0−4アルキレン−、−C(=O)C0−1アルキルC(=O)OR−、−C(=NR14)C0−1アルキルC(=O)−、−C(=O)−、−C(=O)C0−1アルキルC(=O)−、及び少なくとも1つの窒素を含有する1つ及び3つの間の環ヘテロ原子を含む、置換されていてもよい4乃至6員ヘテロシクリルより選ばれ;かつ
    Tは、−H、−R13、−C0−4アルキル、−C0−4アルキルQ、−OC0−4アルキルQ、−C0−4アルキルOQ、−N(R13)C0−4アルキルQ、−SO0−4アルキルQ、−C(=O)C0−4アルキルQ、−C0−4アルキルN(R13)Q、及び−C(=O)N(R13)C0−4アルキルQ(式中、前述のC0−4アルキルのそれぞれは、置換されていてもよい)より選ばれる)であり;
    Jは、−S(O)0−2−、−O−、及び−NR15−より選ばれ;
    は、−H又はRであり;
    は、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよい低級アリールアルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、及び置換されていてもよい低級ヘテロシクリルアルキルより選ばれる;或いは
    及びRは、それらが結合する共通の窒素と一緒になるとき、置換されていてもよい5乃至7員ヘテロシクリルを形成し、前述の置換されていてもよい5乃至7員ヘテロシクリルは、N、O、S、及びPより選ばれる少なくとも1つのさらなる環ヘテロ原子を含んでいてもよく;
    及びAは、それぞれ独立して、=N−、=C(R)−より選ばれ;
    は、−H又は置換されていてもよい低級アルキルであり;
    Dは、−O−、−S(O)0−2−、及び−NR15−より選ばれ;
    50は、Rか式IV
    Figure 2008537748
    (式中、X、X、及び必要に応じてXは、飽和架橋環系の原子を表し、前述の飽和架橋環系は、X、X、及びXのいずれかによって表される、最大4つの環ヘテロ原子を含む;ここで、
    それぞれのXは、独立して、−C(R)R−、−O−、−S(O)0−2−、及び−NR−より選ばれ;
    それぞれのXは、独立して、置換されていてもよい橋頭メチン又は橋頭窒素であり;
    それぞれのXは、独立して−C(R)R−、−O−、−S(O)0−2−、及び−NR−より選ばれる)のいずれかであり;
    Yは、
    Dと、飽和架橋環系の任意の環ヘテロ原子、又はR若しくはRのいずれかで表される任意のヘテロ原子との間に少なくとも2つの炭素原子が存在するならば、Dと、1)Xが橋頭窒素である場合のXを除いて、飽和架橋環系の任意の環原子、又は、2)R又はRのいずれかで表される、任意のヘテロ原子;のいずれかとの間の、置換されていてもよい低級アルキレンリンカーであるか、
    或いは、Yは、非存在であり、Yが非存在であるとき、上述の飽和架橋環系は、上述の飽和架橋環系の環の炭素を経てDに直接結合し、Dが−SO−でなければ、その場合上述の飽和架橋環系は、上述の飽和架橋環系の任意の環原子を経てDに直接結合する;のいずれかであり、
    m及びpは、それぞれ独立して1−4であり;
    nは、0−2であり、n=0であるとき、2つの橋頭のXの間の単結合が存在する;
    及びRは、それぞれ独立して、-H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NH、−NO、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−NCO、−C(O)R、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよい低級アリールアルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、置換されていてもよい低級ヘテロシクリルアルキル、及びYかDのいずれかへの結合より選ばれ;又は
    及びRは、一緒になって、オキソであり;或いは
    及びRは、それらが結合する共有の炭素と一緒になって、置換されていてもよい3乃至7員スピロシクリルを形成し、前述の置換されていてもよい3乃至7員スピロシクリルは、N、O、S、及びPより選ばれる少なくとも1つのさらなる環ヘテロ原子を任意に包含する;
    は、−R、Y、−SONR、−CO、−C(O)NR、−SO、及び−C(O)Rより選ばれ;
    13は、−H、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)SR、−SO、−C(=O)N(R)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ、
    2つのR13は、それらが結合している単数又は複数の原子と一緒に組み合わさって、1つ及び4つの間のR60で置換されていてもよいヘテロアリサイクリック(heteroalicyclic)を形成することができ、前述のヘテロアリサイクリックは、最大4つの環ヘテロ原子を有することができ、かつ前述のヘテロアリサイクリックは、そこに縮合するアリール若しくはヘテロアリールを有することができ、その場合、前述のアリール若しくはヘテロアリールは、更なる1つ乃至4つのR60で置換されていてもよい;
    14は、-H、−NO、−NH、−N(R)R、−CN、−OR、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいヘテロアリシクリルアルキル(heteroalicyclylalkyl)、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル及び置換されていてもよいヘテロアリサイクリックより選ばれ;
    15は、基−M−Mであり、Mは、非存在、−C(=S)N(R13)−、−C(=NR14)N(R13)−、−SON(R13)−、−SO−、−C(=O)N(R13)−、−C(=O)C(=O)N(R13)−、−C0−4アルキレン−、−C(=O)−、及び少なくとも1つの窒素を含む1つ及び3つの間のヘテロ原子(heteratoms)を包含する置換されていてもよい4乃至6員ヘテロシクリル環(hetercyclyl annular)より選ばれ;かつ
    は、-H、−C0−6アルキル、アルコキシ、−C(=O)C0−4アルキルQ、−C0−4アルキルQ、−OC0−4アルキルQ−、−N(R13)C0−4アルキルQ−、及び−C(=O)N(R13)C0−4アルキルQより選ばれる;かつ
    Qは、5乃至10員環系であり、ゼロ乃至4つの間のR20で置換されていてもよく;
    20は、-H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれる;
    60は、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、及び置換されていてもよいアリールアルキルより選ばれ;
    2つのR60は、非芳香族炭素に結合する場合、オキソであり得;
    ただし、Arが式IIによる場合に限り、YがC1−6アルキレンであるならば;Zは、−NH−若しくは−N(CH)−であり;Rは、2位で−OH若しくはC1−4アルコキシ基によって置換されていてもよいC1−6アルキルであり;Rは、−H又はハロゲンであり;n=0であり;かつ、飽和架橋環系の1つの橋の原子Xは、飽和架橋環系の両方の橋頭原子Xと合わさる場合:
    1)ピロリジン又はピペリジンのいずれかを表し、前述のピロリジン又は前述のピペリジンのいずれかの、X又はXの、どのような原子も、Yに結合し、上述の飽和架橋環系の他の橋は、−OC(O)CH−、−CHOC(O)−、−OC(O)CHCH−、−CHOC(O)CH−、−CHCHOC(O)−、−OC(O)CHNH−、−OC(O)CHN(C1−4アルキル)−、及び−OC(O)CHO−のいずれかの1つであり得ず;或いは
    2)ピペラジン又は4−(C1−4アルキル)−ピペラジンのいずれかを表し、前述のピペラジン又は前述の4−(C1−4アルキル)−ピペラジンのいずれかの、X又はXの、どのような原子も、Yに結合し、上述の飽和架橋環系の他の橋は、前述のピペラジン又は前述の4−(C1−4アルキル)−ピペラジンのいずれかの2位及び3位を経て結合する場合に限り、−CHOC(O)CH−、−CHCHOC(O)−、及び1つ又は2つのC1−2アルキル基で置換されていてもよい2つの前述の橋のいずれかの1つであり得ず;或いは
    3)ピペラジンを表し、前述のピペラジンの、X又はXの、どのような原子も、Yに結合し、上述の飽和架橋環系の他の橋は、前述のピペラジンの3位及び4位を経て結合する場合に限り、−C(O)OCHCH−、−CHOC(O)CH−、及び1つ又は2つのC1−2アルキル基で置換されていてもよい2つの前述の橋のいずれかの1つであり得ず、2つの前述の橋のいずれかが、上記に示したように、左側(left−hand)を経て前述のピペラジンの3位に結合する場合に限り、同様に上記のいずれかの1つであり得ない;或いは
    4)2−オキソモルホリンを表し、前述の2−オキソモルホリンは、その4位を経てYに結合し、上述の飽和架橋環系の他の橋は、前述の2−オキソモルホリンの5及び6位を経て結合する場合に限り、−(CH−、−CHWCH−、−CHWCHCH−、及び−CHCHWCH−(式中、Wは、−O−、−S(O)0−2−、−NH−、又は−N(C1−4アルキル)−であり、gは、2、3、又は4である)の1つではない;
    ただし、Zが−O−であり、Arが、式IIにより、かつ直接Arと結合するGの部分が、
    Figure 2008537748
    より選ばれる場合:
    50は、式IVのものでなくてはならなく;
    かつ、ただし、Arがフェニレン又は置換されているフェニレンであり、Zが−S(O)0−2−又は−O−であるとき、直接Arと結合するGの部分は、
    Figure 2008537748

    を包含し得ず、そのとき、R70は、−H、C1−4アルキル、及びC1−4アルコキシルより選ばれる]
    の化合物、或いはその医薬上許容され得る塩、水和物、又はプロドラッグ。
  2. 請求項1に記載の化合物であって、一つの例において、化合物は、パラグラフ[0033]により、ここでZが−O−又は−NR−のいずれかである化合物。
  3. Gが、以下:
    Figure 2008537748
    Figure 2008537748
    (式中Q、R20、及びR13は、上記に定義の通りであり;それぞれのEは、−O−、−N(R13)−、−CH−、及び−S(O)0−2−より選ばれ;Mは、−O−、−N(R13)−、−CH−、及び−C(=O)N(R13)−より選ばれ;それぞれのVは、独立して、=N−又は=C(H)−のいずれかであり;それぞれのメチレンは、上記の式のいずれにおいても独立して、R25で置換されていてもよく;かつR25は、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ;2つのR25は、それらが結合している単数又は複数の炭素と一緒に、組み合わさって3乃至7員アリサイクリック又はヘテロアリサイクリックを形成することができ、単一の炭素上の2つのR25は、オキソであり得る)より選ばれる、請求項2に記載の化合物。
  4. Arが、式IIa、IIb、及びIIIa
    Figure 2008537748
    の1つによる、請求項3に記載の化合物。
  5. Dが−O−であり、かつRが−ORである、請求項4に記載の化合物。
  6. −O−R50及びRが式Iのキノリンの6位及び7位に互換性を有して位置する、請求項5に記載の化合物。
  7. が−OH又は−OC1−6アルキルである、請求項6に記載の化合物。
  8. Gが:
    Figure 2008537748
    (式中、Q、R20、R13、E、及びR60は、上記に定義の通りであり;それぞれのメチレンは、上記の式のいずれにおいても、環として表されたもの以外、独立して、R25で置換されていてもよく;かつR25は、ハロゲン、トリハロメチル、オキソ、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ;2つのR25は、それらが結合している単数又は複数の炭素と一緒に、組み合わさって3乃至7員アリサイクリック又はヘテロアリサイクリックを形成することができる)より選ばれる、請求項7に記載の化合物。
  9. Qが:
    Figure 2008537748
    (式中、R20は、上記に定義した通りであり、かつ、Pは、Pが縮合している芳香環の2つの共有する炭素を含んで5乃至7員環であり、Pは、任意に、1つ及び3つの間のヘテロ原子を包含する)より選ばれる、請求項8に記載の化合物。
  10. Arが式IIaにより、かつGが:
    Figure 2008537748
    (式中、Q、R20、R13、E、及びR60は、上記に定義の通りであり、かつ、それぞれのメチレンは、上記の式のいずれにおいても、環として表されたもの以外、独立して、R25で置換されていてもよく;かつ、R25は、ハロゲン、トリハロメチル、オキソ、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ;2つのR25は、それらが結合している単数又は複数の炭素と一緒に、組み合わさって、3乃至7員アリサイクリック又はヘテロアリサイクリックを形成することができる)より選ばれる、請求項9に記載の化合物。
  11. Arが式IIbにより、かつGが:
    Figure 2008537748
    (式中、Q、R20、R13、E、及びR60は、上記に定義の通りであり、上記の式のいずれにおいても、それぞれのメチレンは、環に表現されたもの以外、独立してR25で置換されていてもよく;かつR25は、ハロゲン、トリハロメチル、オキソ、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ;2つのR25は、それらが結合している単数又は複数の炭素と一緒に、組み合わさって3乃至7員アリサイクリック又はヘテロアリサイクリックを形成することができる)より選ばれる、請求項9に記載の化合物。
  12. 描かれた式の2つのカルボニルの間のメチレンが、置換されていてもよい低級アルキルか、置換されていてもよいスピロ環のいずれかで2つ置換されている、請求項11に記載の化合物。
  13. 50が、ヘテロアリサイクリック又はC1−6アルキル−ヘテロアリサイクリックである、請求項10又は請求項11に記載の化合物。
  14. の少なくとも1つがハロゲンである、請求項13に記載の化合物。
  15. 50が式IVによる、請求項13に記載の化合物。
  16. 式IVの飽和架橋環系が、[4.4.0]、[4.3.0]、[4.2.0]、[4.1.0]、[3.3.0]、[3.2.0]、[3.1.0]、[3.3.3]、[3.3.2]、[3.3.1]、[3.2.2]、[3.2.1]、[2.2.2]、及び[2.2.1]から成る群より選ばれる配置を有する、請求項15に記載の化合物。
  17. Yが、−CHCHCHCH−、−CHCHCH−、−CHCH−、−CH−、及び非存在より選ばれる、請求項16に記載の化合物。
  18. nが0であり、かつ式IVの飽和架橋環系が、[4.4.0]、[4.3.0]、[4.2.0]、[4.1.0]、[3.3.0]、[3.2.0]、及び[3.1.0]から成る群より選ばれる配置を有する、請求項17に記載の化合物。
  19. 上述の飽和架橋環系が、少なくとも1つの環の窒素又は少なくとも1つの環の酸素を包含する、請求項18に記載の化合物。
  20. 上述の飽和架橋環系が、−NR−を包含し、Rが、−H、置換されていてもよい低級アルキル、−CO、−C(O)NR、−SO、及び−C(O)Rより選ばれる、請求項19に記載の化合物。
  21. 上述の飽和架橋環系が、式V
    Figure 2008537748
    (式中、Uが、−O−、−S(O)0−2−、−NR−、−CR−、及び非存在より選ばれ;かつ、eが、0又は1である)である、請求項19に記載の化合物。
  22. Yが−CH−である、請求項21に記載の化合物。
  23. が−NR−であり、Rが、−H、置換されていてもよい低級アルキル、−CO、−C(O)NR、−SO、及び−C(O)Rより選ばれる、請求項24に記載の化合物。
  24. が−O−である、請求項22に記載の化合物。
  25. が非存在である、請求項22に記載の化合物。
  26. Yが、−CHCH−、−CH−、及び非存在より選ばれる、請求項19に記載の化合物。
  27. 上述の飽和架橋環系が式VI
    Figure 2008537748
    (式中、R、R10、及びR11は、それぞれ独立して−H、及び−OR12より選ばれ;又は
    は、−H、及び−OR12より選ばれ、かつR10及びR11は、一緒になって、置換されていてもよいアルキリデン又はオキソのいずれかであり;
    12は、−H、−C(O)R、置換されていてもよい低級アルキリジン、置換されていてもよい低級アリールアルキリジン、置換されていてもよい低級ヘテロシクリルアルキリジン、置換されていてもよい低級アルキリデン、置換されていてもよい低級アルキリデンアリール、置換されていてもよい低級アルキリデンヘテロシクリル、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アルキルアリール、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよい低級ヘテロシクリルアルキル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルより選ばれ;
    或いは、2つのR12は、一緒になって、1)前述の2つのR12がR10及びR11から生じる場合に、対応するスピロ環状ケタールを形成するか、又は2)前述の2つのR12がR並びにR10及びR11の1つから生じる場合に、対応する環状ケタールを形成する)である、請求項26に記載の化合物。
  28. 10及びR11の1つが−OR12であり、R12が、−H、−C(O)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ;かつ、R並びに、R10及びR11の他方が、両方とも−Hである、請求項27に記載の化合物。
  29. Yが、−CH−又は非存在のいずれかである、請求項28に記載の化合物。
  30. が、少なくとも1つのフッ素置換を含むアルキル基である、請求項29に記載の化合物。
  31. 上述の飽和架橋環系が、式VII
    Figure 2008537748
    である、請求項20に記載の化合物。
  32. Yが、−CH−又は非存在のいずれかである、請求項31に記載の化合物。
  33. が、メチル又はエチルである、請求項32に記載の化合物。
  34. 上述の飽和架橋環系が式VIII
    Figure 2008537748
    である、請求項20に記載の化合物。
  35. Yが、−CH−である、請求項34に記載の化合物。
  36. が、メチル又はエチルである、請求項35に記載の化合物。
  37. 上述の飽和架橋環系が式IX
    Figure 2008537748
    (式中、Uは、−O−、−S(O)0−2−、−NR−、−CR−、及び非存在より選ばれる)である、請求項19に記載の化合物。
  38. 式IXのRが、−H及び置換されていてもよいアルキルより選ばれる、請求項37に記載の化合物。
  39. が、−CR−又は非存在のいずれかである、請求項38に記載の化合物。
  40. が、−CH−又は非存在のいずれかである、請求項39に記載の化合物。
  41. Yが−CH−である、請求項40に記載の化合物。
  42. 上述の飽和架橋環系が、式X
    Figure 2008537748
    による、請求項20に記載の化合物。
  43. が、メチル又はエチルである、請求項42に記載の化合物。
  44. 化合物が、
    Figure 2008537748
    である、請求項1に記載の化合物。
  45. 式A−B−C[式中、Aは、
    Figure 2008537748
    より選ばれ、
    Bは、
    Figure 2008537748
    より選ばれ、
    かつ、Cは、
    Figure 2008537748
    より選ばれ、
    式中、Rは、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NH、−NO、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ;
    qは、0乃至2であり;
    それぞれのRは、独立して、−H、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、及び置換されていてもよいヘテロアリールアルキルより選ばれる;
    2つのR3は、それらが結合している窒素と一緒に、4乃至7員ヘテロアリサイクリックを形成し、前述の4乃至7員ヘテロアリサイクリックは、1つのさらなるヘテロ原子を含んでいてもよく;1つの前述のさらなるヘテロ原子が窒素である場合、前述の窒素は−H、トリハロメチル、−SO、−SONR、−CO、−C(O)NR、−C(O)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれる基で置換されていてもよく;
    それぞれのR35は、独立して、−H、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)SR、−SO、−C(=O)N(R)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ;
    2つのR35は、それらが結合している窒素と一緒に組み合わさって、1つ及び4つの間のR60で置換されていてもよいヘテロアリサイクリックを形成することができ、前述のヘテロアリサイクリックは、さらなる環ヘテロ原子を有し得、前述のヘテロアリサイクリックは、それに縮環するアリールを有し得、前述のアリールは、さらなる1つ乃至4つのR60で置換されていてもよく;
    は、=N−又は=C(H)−のどちらかであり;
    は、−H又は置換されていてもよい低級アルキルであり;
    は、R、−SONR、−CO、−C(O)NR、−SO、及び−C(O)Rより選ばれ;
    、R10、及びR11は、それぞれ独立して、−H、及び−OR12より選ばれ;或いは
    は、−H、及び−OR12より選ばれ、R10及びR11は、一緒になって、置換されていてもよいアルキリデン又はオキソのいずれかであり;かつ
    12は、−H、−C(O)R、置換されていてもよい低級アルキリジン、置換されていてもよい低級アリールアルキリジン、置換されていてもよい低級ヘテロシクリルアルキリジン、置換されていてもよい低級アルキリデン、置換されていてもよい低級アルキリデンアリール、置換されていてもよい低級アルキリデンヘテロシクリル、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アルキルアリール、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよい低級ヘテロシクリルアルキル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルより選ばれ;
    或いは、2つのR12は、一緒になって、1)前述の2つのR12がR10及びR11から生じる場合に、対応するスピロ環状ケタールを形成するか、又は2)前述の2つのR12がR並びにR10及びR11の1つから生じる場合に、対応する環状ケタールを形成し;
    は、−O−、−CH−、−N(R)−、及び−S(O)0−2−より選ばれ;
    Qは、5乃至10員環系であって、ゼロ乃至4つのR20で置換されていてもよく;
    20は、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれ;
    60は、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、及び置換されていてもよいアリールアルキルより選ばれ;
    2つのR60は、非芳香族炭素に結合する場合、オキソであり得;
    それぞれのメチレンは、上記の式のいずれにおいても、独立して、R25で置換されていてもよい;
    それぞれのR25は、独立してハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−S(O)0−2、−SONR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれる;2つのR25は、それらが結合している単数又は複数の炭素と一緒に組み合わさって、3乃至7員アリサイクリック又はヘテロアリサイクリックを形成することができ、単一の炭素上の2つのR25は、オキソであることができる;
    ただし、Bが
    Figure 2008537748
    より選ばれ、Cが
    Figure 2008537748

    を包含し、Cの残余部分が
    Figure 2008537748
    の一つを包含し、それが
    Figure 2008537748

    に直接結合する場合、Aは、
    Figure 2008537748
    の1つでなくてはならなく、Cが
    Figure 2008537748

    を包含し、かつ、Bが
    Figure 2008537748
    より選ばれる場合、
    Figure 2008537748

    に直接結合するCの部分は、
    Figure 2008537748

    を包含し得ず、そのとき、R70は、−H、C1−4アルキル、及びC1−4アルコキシルより選ばれる]
    のキナーゼ活性を調節する化合物又はその医薬上許容され得る塩、水和物、若しくはプロドラッグ。
  46. Qが、フェニル、ナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、インダニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロイソキノリル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロピリジニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、チアゾリル、チアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、キノリル、イソキノリル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フリル、チエニル、ベンゾチエリイル(benzothieliyl)、及びオキサジアゾリルより選ばれる;それぞれは、1つ及び4つの間のR20で置換されていてもよく;それぞれのR20は、独立して−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−NH、−OR、−NR、−CO、−C(O)NR、−N(R)SO、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれる、請求項45に記載の化合物。
  47. Bが、以下:
    Figure 2008537748
    (式中、Aは、=N−又は=C(H)−のいずれかである)のいずれかである、請求項46に記載の化合物。
  48. Bが
    Figure 2008537748

    である、請求項47に記載の化合物。
  49. Cが
    Figure 2008537748
    Figure 2008537748
    (式中、R、R、R、R20、R25及びR60は、上記に定義の通りである)より選ばれる、請求項48に記載の化合物。
  50. が、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO、−OR、−NR、−CO、−C(O)NR、−N(R)C(O)R、−N(R)CO、−C(O)R、及び置換されていてもよい低級アルキルより選ばれる、請求項49に記載の化合物。
  51. がハロゲンである、請求項50に記載の化合物。
  52. が、フッ素又は塩素のいずれかである、請求項51に記載の化合物。
  53. 請求項1〜52のいずれか1つに記載の化合物及び医薬上許容され得る担体を包含する、医薬組成物。
  54. 請求項1〜53のいずれか1つに記載の化合物又は医薬組成物の、代謝物。
  55. 有効量の請求項1〜52のいずれかに記載の化合物又は医薬組成物を被検体に投与することを包含する、キナーゼのインビボ活性の調節方法。
  56. キナーゼのインビボ活性を調節することが、前述のキナーゼの阻害を包含する、請求項55の方法。
  57. キナーゼが、c−Met、KDR、c−Kit、flt−3、及びflt−4の少なくとも1つである、請求項55の方法。
  58. キナーゼがc−Metである、請求項57の方法。
  59. 不制御の、異常な、及び/又は望まれない細胞活動に関連した、疾病又は障害を治療する方法であって、該方法を必要とする哺乳動物に、治療的有効量の請求項1〜53のいずれか1つに記載の化合物又は医薬組成物を投与することを包含する方法。
  60. キナーゼのモジュレーターのスクリーニングの方法であって、前記のキナーゼがc−Met、KDR、c−Kit、flt−3、及びflt−4より選ばれ、請求項1〜52のいずれか1つに記載の化合物、及び少なくとも1つの候補薬剤を合わせること、並びに前記のキナーゼの活性における候補薬剤の効果を決定することを包含する方法。
  61. 一つの細胞又は多数の細胞に、請求項1〜52のいずれか1つに記載の化合物を包含する有効量の組成物を投与することを包含する、細胞での増殖活性を阻害する方法。
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