JP2008536732A - ウインドシールドおよびそれを用いた自動車 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストでありながら従来よりも防曇性および視認性を向上させる。
【解決手段】移動体(自動車100)の搭乗室の窓に用いられるウインドシールド101であり、搭乗者の主要な視認域として機能する一の領域101aと、この領域に隣接する他の領域101bとを含む。他の領域における防曇性能は、一の領域における防曇性能よりも優れている。また、他の領域は、ウインドシールドの搭乗室内側の面に防曇機能を備えていることが好ましい。また、主要な視認域は、日本工業規格(JIS D4501)に規定される指定デフロスト範囲AまたはCであることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】移動体(自動車100)の搭乗室の窓に用いられるウインドシールド101であり、搭乗者の主要な視認域として機能する一の領域101aと、この領域に隣接する他の領域101bとを含む。他の領域における防曇性能は、一の領域における防曇性能よりも優れている。また、他の領域は、ウインドシールドの搭乗室内側の面に防曇機能を備えていることが好ましい。また、主要な視認域は、日本工業規格(JIS D4501)に規定される指定デフロスト範囲AまたはCであることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、ウインドシールドおよびそれを用いた自動車に関し、特に従来よりも防曇性および視認性の優れたウインドシールドおよびそれを用いた自動車に関する。
従来、自動車用ウインドシールドにおいては、結露による視界不良の発生を防ぐために種々の試みが行われている。例えば、加熱エアをフロントガラスに吹きつけることで結露による曇りを晴らすデフロスタ、複数の発熱細線を中間膜に内蔵させた電熱ガラス(特許文献1および2参照)、ウインドシールドの車内側面に成膜した親水性の防曇膜(特許文献3参照)などである。なお、本発明でいう防曇膜とは、曇りを全く発生させないものではなく、曇り難くさせる膜のことである。例えば、曇りの発生を遅延させるような防曇膜などがこれにあたる。
しかしながら、デフロスタの長時間の使用は車内温度を必要以上に上昇させ、また電熱ガラスの使用は大量の電力を消費して自動車の燃費を悪化させるといった種々の問題がある。このため、昨今の環境問題に配慮した自動車開発にそぐわない。そこで、防曇膜をウインドシールドの車内側全面に成膜することで曇りの発生を防止することも試みられてきた。
防曇膜によりウインドシールドの曇りを低減する方法として親水性の膜を形成する水膜方法、疎水性の膜を形成する撥水方法および多孔質膜により吸水能を付与する吸水方法などがある。しかし、前述のいずれの公知の方法も、自動車用のウインドシールドに使用する場合には課題を有している。
水膜方法は、水膜を均一に形成させたとしても視界に多少の歪みを生じる。このため、自動車用に用いる場合は運転者にとって視界の妨げにならない程度に歪を抑えなくてはならない。また同時に、水膜となった水分がウインドシールドをつたって落ちて来るため排水処理の機能を付与しなくてはならないという課題を有する。
撥水方法では、雨などの水滴が大きいものであれば、接触角が高いため水滴を落下させることに適している。しかし、曇りのように微小な水滴を除去するには、従来の撥水技術とは異なる機能を付与した膜を適用する必要がある。
吸水方法では、吸水膜の吸水能力を超えると吸水膜表面に水膜(曇り)が発生する。吸水膜表面に発生した水膜は、デフロスタなどではなかなか乾燥させることはできない。これは、吸水膜表面に発生した水膜は、水滴が細かく、このとき吸水膜付近に存在する水分量が多いためである。その結果、一度発生すると長い時間視界を妨げたままになりやすいという問題がある。
すなわち、自動車用ウインドシールド、特に搭乗者の主要な視認域に防曇機能を付加すると、公知の防曇膜では、その特性や性能および使用条件により、運転者の視界を妨げてしまうという可能性がある。よって、従来の技術に加え、これらの新規な課題を解決する手段をさらに付与しなくてはならず、技術的な難度が高まってしまう。
また、防曇膜自体がウインドシールドのヘイズ値を増加させ、視認性を低下させるという新たな問題を生じさせる。
加えて、このようにウインドシールドの車内側面に成膜する防曇膜は一般的に高価である。よって、自動車のウインドシールドのような大面積に成膜したのでは、自動車の製造コストを押し上げる要因となる。
防曇膜によりウインドシールドの曇りを低減する方法として親水性の膜を形成する水膜方法、疎水性の膜を形成する撥水方法および多孔質膜により吸水能を付与する吸水方法などがある。しかし、前述のいずれの公知の方法も、自動車用のウインドシールドに使用する場合には課題を有している。
水膜方法は、水膜を均一に形成させたとしても視界に多少の歪みを生じる。このため、自動車用に用いる場合は運転者にとって視界の妨げにならない程度に歪を抑えなくてはならない。また同時に、水膜となった水分がウインドシールドをつたって落ちて来るため排水処理の機能を付与しなくてはならないという課題を有する。
撥水方法では、雨などの水滴が大きいものであれば、接触角が高いため水滴を落下させることに適している。しかし、曇りのように微小な水滴を除去するには、従来の撥水技術とは異なる機能を付与した膜を適用する必要がある。
吸水方法では、吸水膜の吸水能力を超えると吸水膜表面に水膜(曇り)が発生する。吸水膜表面に発生した水膜は、デフロスタなどではなかなか乾燥させることはできない。これは、吸水膜表面に発生した水膜は、水滴が細かく、このとき吸水膜付近に存在する水分量が多いためである。その結果、一度発生すると長い時間視界を妨げたままになりやすいという問題がある。
すなわち、自動車用ウインドシールド、特に搭乗者の主要な視認域に防曇機能を付加すると、公知の防曇膜では、その特性や性能および使用条件により、運転者の視界を妨げてしまうという可能性がある。よって、従来の技術に加え、これらの新規な課題を解決する手段をさらに付与しなくてはならず、技術的な難度が高まってしまう。
また、防曇膜自体がウインドシールドのヘイズ値を増加させ、視認性を低下させるという新たな問題を生じさせる。
加えて、このようにウインドシールドの車内側面に成膜する防曇膜は一般的に高価である。よって、自動車のウインドシールドのような大面積に成膜したのでは、自動車の製造コストを押し上げる要因となる。
本発明は、これらの課題を解決するものであり、低コストでありながら従来よりも防曇性および視認性に優れたウインドシールドおよびそれを用いた自動車を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するために本発明は、移動体の搭乗室の窓に用いられるウインドシールドであって、該ウインドシールドは、搭乗者の主要な視認域として機能する一の領域と、この領域に隣接する他の領域とを含み、前記他の領域における防曇性能は、前記一の領域における防曇性能よりも優れていることを特徴とするウインドシールドを提供する。また、本発明の一態様は以下の構成を含む。すなわち、前記他の領域は、前記ウインドシールドの搭乗室内側の面に防曇機能が設けられている。
また、本発明は、移動体の搭乗室の窓に用いられるウインドシールドであって、該ウインドシールドは、正面視で少なくとも三以上の領域を含む。これらの領域は、搭乗者の主要な視認域として機能する第1の領域と、この第1の領域の左右両側のそれぞれにこの第1の領域と隣接して位置する第2および第3の領域とを含む。前記第2および第3の領域は、前記ウインドシールドの搭乗室内側の面に防曇機能を備えていることを特徴とするウインドシールドを提供する。
また、本発明の一態様は以下の構成を含む。すなわち、前記第2および第3の領域は、正面視における前記ウインドシールドの上縁および/または下縁に沿って延在する帯状の領域によって接続される。また、この帯状の領域は、前記ウインドシールドの搭乗室内側の面に防曇機能を備えている。また、前記主要な視認域は、日本工業規格(JIS D4501)に規定される指定デフロスト範囲Cまたは日本工業規格(JIS D4501)に規定される指定デフロスト範囲Cの何れかである。また、前記主要な視認域は、日本工業規格(JIS D4501)に規定される指定デフロスト範囲Aから所定の距離だけ内周側にオフセットされた範囲である。また、前記防曇機能は、防曇膜または防曇フィルムによって実現されている。また、複数種類の防曇膜または複数種類の防曇フィルムが同一のウインドシールドに用いられている。また、前記防曇膜の少なくとも1つは、吸水性樹脂膜である。また、前記搭乗室の外側の面の一部または全部に撥水膜をさらに備える。
さらに、本発明は、上記何れかのウインドシールドと、このウインドシールドの前記搭乗室内側の主要な視認域に対して、加熱エアを吹きつけるためのデフロスタとを備える自動車を提供する。
本発明は、搭乗者の主要な視認域として機能する一の領域と、この領域に隣接する他の領域とを含み、他の領域における防曇性能は、一の領域における防曇性能よりも優れている。これにより、必要以上に大面積の防曇膜を必要とすることがなく、安価でウインドシールドおよびそれを用いた自動車を提供することができる。また、このようなウインドシールドであれば、主要な視認域のみ電熱ガラスとすればよく、ウインドシールド全域に発熱線を張り巡らせる必要がない。そのため、消費電力が抑制されて省エネルギーに大いに貢献するものである。
また、このようなウインドシールドにデフロスタを併用した場合、主要な視認域のみの曇りを解消できればよいため、少量の温風で済む。よって、車内温度が必要以上に上昇するといった問題を解消することもできる。また、防曇膜やフィルムが傷付いたり、紫外線によって変色・剥離したりした場合であっても、主要な視認域の視認性に与える影響は小さい。これは、主要な視認域にはこれらの膜やフィルムが存在せず運転者の視界を極度に妨げるようなことはないからである。さらに、本発明は、いわゆるパノラミック形状のウインドシールドに好適であることは明らかである。なお、パノラミック形状のウインドウとは、両サイドが既存のフロントピラーの位置よりも車体後方まで延伸した形状のウインドシールド、またはウインドシールドとルーフガラスとが一体となったような形状のウインドシールドのことである。
次に、本発明の一実施形態について説明する。
図1(a)〜(c)は、本発明の一実施形態を示す平面図である。図1(a)に示すように、自動車用ウインドシールド101は、正面視において、日本工業規格(JIS D4501)に規定される指定デフロスト範囲Aである領域101aと、それ以外の領域101bとで構成されている。ウインドシールド101の車内側面には、防曇処理が施されている。防曇処理が施される領域は、ウインドシールド101の視認性に影響を与えるおそれがあるため、領域101aを除いた領域101bとすることが好ましい。なお、多くの車種においては、指定デフロスト範囲Aは、ウインドシールドの上辺から250〜350mm、側辺から80〜170mm、下辺から120〜280mm程度の範囲に概ね収まることが予想される。
図1(a)〜(c)は、本発明の一実施形態を示す平面図である。図1(a)に示すように、自動車用ウインドシールド101は、正面視において、日本工業規格(JIS D4501)に規定される指定デフロスト範囲Aである領域101aと、それ以外の領域101bとで構成されている。ウインドシールド101の車内側面には、防曇処理が施されている。防曇処理が施される領域は、ウインドシールド101の視認性に影響を与えるおそれがあるため、領域101aを除いた領域101bとすることが好ましい。なお、多くの車種においては、指定デフロスト範囲Aは、ウインドシールドの上辺から250〜350mm、側辺から80〜170mm、下辺から120〜280mm程度の範囲に概ね収まることが予想される。
よって、ウインドシールド101の車内側面のうち領域101aを除いた領域(すなわち領域101b)にのみ防曇膜が成膜され、または、防曇性樹脂を含んだフィルム(以下防曇性樹脂フィルムと呼ぶ)を貼付される。領域101aに生じる曇りを解消するには、ほぼこの領域のみ温風が当たるように設置されたデフロスタを用いるか、または領域101aのみを発熱体を備えるように加工した電熱ガラスにすることで対処することができる。これにより、車内温度の上昇やエネルギーの大量消費といった従来技術が抱える問題を解消できる。
また、視認性に大きな影響を与える領域101aに防曇膜等は設けられていない。このため、仮に領域101bにおける防曇膜等が傷付いたり、紫外線によって変色や剥離が発生したりしても、主要な視認域への影響は小さく、極度に運転者の視界を妨げるようなことはない。なお、上記構成に加えて、ウインドシールド101の車外側面の全部または少なくとも一部に撥水膜を設けてもよい。
一方、領域101aは、デフロスタのための規格である指定デフロスト範囲Aに必ずしも一致させる必要はない。例えば、図1(b)に示すように、指定デフロスト範囲Aの各辺から所定の距離だけ内側にオフセットした位置に新たに領域を設定してもよい。図1(b)では、左側辺から距離A、底辺から距離B、左縁から距離C、上辺から距離Dだけオフセットした例を示す。距離A〜Dを具体的にどの程度とするからは、計算機等を用いたコンピュータ・シミュレーションによる試験、または実験車等を用いた被験者試験等を踏まえて決定される。さらに、自動車のタイプがバスやトラック等の場合は、図1(c)に示すように、日本工業規格(JIS D4501)に規定される指定デフロスト範囲Cを領域101dとし、この領域のみ防曇膜等を設けないようにしてもよい。
ここで、防曇処理の具体的な手法について述べる。防曇機能を有する固形分を溶剤に溶解させて得た薬液を準備する。この液がガラス板に塗布され、溶剤を揮発・乾燥させることでガラス板の表面に防曇膜が形成される。なお、防曇膜が透明もしくは着色された樹脂フィルム上に形成された防曇性樹脂フィルムを準備し、この防曇性樹脂フィルムがガラス板に貼付されても構わない。
また、この防曇膜は、吸水性樹脂膜であっても、親水性膜のどちらであっても構わない。吸水性樹脂膜は、空気中の水分や膜表面に吸着した水分を膜中に吸収することで膜表面の水滴形成を阻害して防曇機能を発揮し、親水性膜は、膜表面に付着した水の接触角を10°以下程度まで低下せしめ水膜とし水滴の形成を阻害して防曇機能を発揮する。このとき、親水性膜は、その表面に吸着した水は膜状になる。このため、その水膜が厚みを増すと視界を歪ませてしまう。このため、優れた視認性を維持するための防曇膜は、水膜を生じない吸水性樹脂膜である方が好ましい。吸水性樹脂膜としては、例えばポリアクリル酸エステルとエポキシをアルコールで溶解し、これをガラス表面に塗布し、加熱乾燥して形成する方法がある。
また、この防曇膜の形成方法は、特定の方法に制限されるものではなく、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ノズルフローコート法、刷毛塗り法並びにそれらの併用など既知の塗布方法から任意に選択することができる。防曇膜が形成される範囲はウインドシールドの車内側面の一部であるので、防曇膜が形成されない範囲には防曇処理時にマスキングテープ等によりマスキングするか、あるいはガラス全面を防曇処理した後、塗布範囲以外の部分を研磨して膜を除去してもよい。また、特にその方法については上記の方法に限定されるものではない。
また、この防曇膜は、耐久性を増すためにSiO2などの下地層を有しても構わない。この下地層は、ゾル−ゲル法を用いたウェットコーティングで塗布して形成することもできる。また、この防曇膜は、スパッタ法やCVD法を用いたドライコーティングで製膜することもできる。この防曇膜および防曇性樹脂フィルムは、完全に透明であることが視認性の観点から好ましい。しかし、視認性を損なわない程度に着色されていても構わない。さらに、防曇性樹脂がフィルムに貼付されている場合では、フィルムをガラスに密着させ固定させるために接着剤を用いることもできる。接着剤の種類は特に限定されるものではない。しかし、視認性の観点から、完全に透明であることが好ましい。
次に、本発明に係るウインドシールドを用いた自動車の一実施形態について説明する。
図2は、図1のウインドシールドを用いた自動車の一部を示す説明図である。また、図3は、図1のIII−III’線断面図である。これらの図に示すように、自動車100は各種の内装材および構造材によって構成されている。すなわち、自動車100の運転席周辺は、ウインドシールド101と、ダッシュボード102と、インストルメントパネル103と、デフロスタ(本体は不図示、温風を吹き出すためのノズルが領域104内に設置されている)と、ステアリングホイール105と、ミラーベース106と、ルームミラー107と、ルーフ108と、カウル109と、エンジンフード110、カウルルーバ111、デフロスタ本体112等から構成される。
図2は、図1のウインドシールドを用いた自動車の一部を示す説明図である。また、図3は、図1のIII−III’線断面図である。これらの図に示すように、自動車100は各種の内装材および構造材によって構成されている。すなわち、自動車100の運転席周辺は、ウインドシールド101と、ダッシュボード102と、インストルメントパネル103と、デフロスタ(本体は不図示、温風を吹き出すためのノズルが領域104内に設置されている)と、ステアリングホイール105と、ミラーベース106と、ルームミラー107と、ルーフ108と、カウル109と、エンジンフード110、カウルルーバ111、デフロスタ本体112等から構成される。
ここで、ステアリングホイール101は、運転席(図示せず)とインストルメントパネル103との間に設置され、自動車を運転する際に運転者によって利用される。インストルメントパネル103には、図示しない種々の計器類が運転者から見える位置に搭載されるとともに、樹脂製のダッシュボード102と一体の形状をして形成される。また、ウインドシールド101の上縁近傍には、ルーフ107(図3)に固定されたミラーベース106を介してルームミラー107が取り付けられている。また、ウインドシールド101の下縁はカウル109に接着固定され、雨水の浸入等を防ぐためにカウルルーバ111がカウル109を覆うように取り付けられている。
図2および図3に示すウインドシールド101は、図1に示したものである。車内側面のうち領域101bには、防曇機能を付加すべく防曇膜または防曇フィルム等により防曇機能が付与されている。それに対して、領域101aでは、ガラス面がそのまま露出され、領域101bに施されているような防曇機能は付与されていない。また、ウインドシールド101の下辺近傍におけるダッシュボード102、およびインストルメントパネル103の車外側に示す破線領域104内の何れかには、デフロスタ本体112からの温風を吹き出すためのノズルが設けられている。
例えば、領域104内のノズル数や形状は適宜選択することができる。例えば、複数のノズルを設置してもよいし、ウインドシールド101を正面視した際の中央に大型のノズルを一台設置してもよい。何れにしても、デフロスタのみでウインドシールド101に生じた曇りを隅々まで解消しようとした場合、ウインドシールド101の全域に温風を当てる必要がある。これは、省エネルギーや車内温度を管理する観点からすると好ましくない。防曇機能を付与していない領域101bに対し、主に温風が当たるようにデフロスタの規模やその設置位置を考慮すべきである。
なお、防曇膜または防曇フィルムを設けない領域は、正確に指定デフロスト範囲A(図1の領域101a)とする必要はなく、この指定デフロスト範囲Aを含むさらに大きな領域としても構わない。例えば、図4(a)に示すように、防曇膜等を設けない領域201aをウインドシールド201の下縁まで拡張してもよい。つまり、左右のフロントピラー(図示せず)やルーフ(図示せず)に沿った領域201bにのみ防曇膜等を設け、残りの領域201aに防曇膜等を設けないウインドシールド201を用いてもよい。また、図4(b)に示すように、左右のフロントピラー(図示せず)に沿った領域301bにのみ防曇膜等を設け、残りの領域301aに防曇膜等を設けないウインドシールド301を用いてもよい。
また、図4(c)に示すように、左右のフロントピラー(図示せず)に沿った領域401bにのみ防曇膜等を設け、残りの領域401aに防曇膜等を設けないウインドシールド401を用いてもよい。但し、この場合は、指定デフロスト範囲Aの内側に所定の距離だけオフセットした範囲に防曇膜が設けられないようにしている。このようにすることで、主要な視認域は指定デフロスト範囲Aよりも狭まった範囲となってしまうが、図4(c)に示すように、左右の防曇膜の中心寄りの辺を互いに平行とすることが可能になる。このような防曇膜の形状は、塗布によって作られる場合に矢印E方向に塗られればよく、作り易いというメリットがある。
さらに、図4(d)に示すように、指定デフロスト範囲Aの替わりに、日本工業規格(JIS D4501)に規定される指定デフロスト範囲Cである領域501aを主要な視認域とし、残りの領域501bに防曇膜等を設けたウインドシールド501を用いてもよい。このようなウインドシールドは、バスやトラック等に特に好適である。なお、このような防曇膜の形状も塗布によって作る場合に矢印F方向に塗ればよく、作り易いというメリットがある。
以上においては、主要な視認域以外に単一性能の防曇膜または防曇フィルムを設け、残りの領域にはこれらを設けない構成について説明した。しかし、複数種類の防曇性能を備えた防曇膜等を適宜組み合わせて用いてもよい。例えば、図5(a)に示すように、領域601には防曇膜等を設けず、領域601aに隣接する領域601bに弱い防曇性能を備えた防曇膜を設ける。さらに領域601cに領域601bよりも強い防曇性能を備えた防曇膜を用い、ウインドシールド601を構成してもよい。また、図5(b)に示すように、領域701aには防曇膜等を設けず、領域701aに隣接する領域701bに弱い防曇性能を備えた防曇膜を設ける。さらに領域701cに領域701bのものよりも強い防曇性能を備えた防曇膜を用い、ウインドシールド701を構成してもよい。防曇性能を徐々に変えることで、視認域に曇りが生じたとしても、視認域と防曇膜等を設けた領域との境界部分が曇りによって目立ってしまうことを防ぐことができる。なお、ウインドシールド701は、図5(b)から明らかなように、各防曇膜を矢印G方向に沿って塗ることができ、作り易いというメリットがある。
図6(a)、(c)は、ミニバン・タイプの自動車に適したパノラミック形状の一態様を示す正面図等である。同図(a)に示すように、ウインドシールド801は、視界領域である領域801aとその周縁の暗色セラミック層が設けられた領域801bとで主に構成される。ウインドシールド801の全体形状は、正面視でその上辺から下辺にかけて末広がりの形状を有するとともに、下辺側にはオーバーハングと呼ばれる領域が形成される。具体的には、左右の両側辺と下辺とのつなぎ目同士を結ぶガラス面上の線分の中心と、下辺の中心とを結ぶガラス面上の線分の長さを下辺オーバーハングOHと定義する。
また、同図(b)に示すように、ウインドシールドの左右の両側辺と下辺とのつなぎ目同士を結ぶガラス面上の線分(弧に相当)と、これらのつなぎ目同士を結ぶ最短の線分(弦に相当)との各中心を結んだ線分の長さを弧の深さDと定義する。また、側辺近傍の弧の曲率半径の最小値を袖部最小Rと定義する。そうすると、パノラミック形状は、弧の深さD[mm]×下辺オーバーハングOH[mm]の値が60000〜180000(好ましくは10000〜160000)、かつ、袖部曲げ最小R[mm]が100〜1000を満足する形状と定義される。
このようにして定義されたパノラミック形状のウインドシールドにおいて、防曇膜は、ウインドシールド801を正面視した際に、その上辺と側辺とのつなぎ目である点810を通る直線を境界とし、その左右両端に位置する領域812(図の右上勾配のハッチングが施された領域)に設けられる。残りの領域811には、防曇膜が設けられないか、防曇膜が設けられたとしても、領域812におけるものより防曇性能の低い膜が設けられることが好ましい。なお、同図(c)は、下辺オーバーハングOHを従来になく大きくしたウインドシールドの一例を示すものであり、これも本発明に含まれる。また、パノラミック形状は、自動車のタイプ(セダン、ワゴン、ミニバン等)、形状および大きさ等に応じて決定されるため、上記の例に限られるものではないことは明らかである。例えば、ウインドシールドの上辺が既存の自動車のルーフの位置の全体または一部まで延在したようなパノラミック形状のウインドシールドも本発明には含まれる。
以上説明した本発明は、主要な視認域から視界に歪み、変色や剥離などによる視認性低下の可能性を排除したい場合に好適である。また、自動車用ウインドシールドだけでなく、鉄道車両、船舶または航空機等の移動体、建築物等で使用される窓ガラスにも適用できることは明らかである。また、ウインドシールドは、ガラス板の替わりにポリカーボネート等の樹脂板が用いられていてもよい。さらに、本発明に係る自動車には、セダン、ワゴン、ミニバン、RV、バス、トラック、オートバイ等の各種形態が含まれる。
Claims (11)
- 移動体の搭乗室の窓に用いられるウインドシールドであって、前記ウインドシールドは、搭乗者の主要な視認域として機能する一の領域と、この領域に隣接する他の領域とを含み、前記他の領域における防曇性能は、前記一の領域における防曇性能よりも優れることを特徴とするウインドシールド。
- 前記他の領域は、前記ウインドシールドの搭乗室内側の面に防曇機能が設けられている請求項1に記載のウインドシールド。
- 移動体の搭乗室の窓に用いられるウインドシールドであって、前記ウインドシールドは、正面視で少なくとも三以上の領域を含み、これらの領域は、搭乗者の主要な視認域として機能する第1の領域と、この第1の領域の左右両側のそれぞれにこの第1の領域と隣接して位置する第2および第3の領域とを含み、前記第2および第3の領域は、前記ウインドシールドの搭乗室内側の面に防曇機能を備えることを特徴とするウインドシールド。
- 前記第2および第3の領域は、正面視における前記ウインドシールドの上縁および/または下縁に沿って延在する帯状の領域によって接続され、この帯状の領域は、前記ウインドシールドの搭乗室内側の面に防曇機能を備えている請求項3に記載のウインドシールド。
- 前記主要な視認域は、日本工業規格(JIS D4501)に規定される指定デフロスト範囲Cまたは日本工業規格(JIS D4501)に規定される指定デフロスト範囲Cの何れかである請求項1〜4の何れか一項に記載のウインドシールド。
- 前記主要な視認域は、日本工業規格(JIS D4501)に規定される指定デフロスト範囲Aから所定の距離だけ内周側にオフセットされた範囲である請求項1〜4の何れか一項に記載のウインドシールド。
- 前記防曇機能は、防曇膜または防曇フィルムを含むことにより発揮される請求項2〜6の何れか一項に記載のウインドシールド。
- 複数種類の防曇膜または複数種類の防曇フィルムを備える請求項7に記載のウインドシールド。
- 前記防曇膜は、本質的に吸水性樹脂膜からなる請求項8に記載のウインドシールド。
- 前記搭乗室の外側の面の一部または全部に撥水膜をさらに含む請求項1〜9の何れか一項に記載のウインドシールド。
- 請求項1〜10の何れか一項に記載のウインドシールドと、このウインドシールドの前記搭乗室内側の主要な視認域に対して加熱エアを吹きつけるためのデフロスタとを含む自動車。
Applications Claiming Priority (2)
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