JP2008531642A - 薬学活性化合物イルベサルタンおよびその合成中間体を得る方法 - Google Patents

薬学活性化合物イルベサルタンおよびその合成中間体を得る方法 Download PDF

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Abstract

式(II)の中間体と式(III)の化合物をカップリングし、そのアルカリ性塩を水性媒質中で中和し、得られた粗生成物を再結晶することによる少ない合成工程でイルベサルタン多形体Aを得る方法を提供する。上記方法を用いると、テトラゾール環の保護および脱保護が不要になるので、大きな工業的規模でイルベサルタンを得る上でかなり興味深い。本発明はまた、式(II)の合成中間体に関する。

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、薬学活性化合物を得る方法に関する。本発明はまた、該薬学活性化合物を得るのに有用な合成中間体、および該中間体を得るのに有用な方法に関する。
詳細には、本発明は、動脈性高血圧または心不全の治療のための薬剤の製造に有用なイルベサルタン多形体A(Irbesartran polymorph A)を得る方法に関する。
背景技術
イルベサルタン(Irbesartran)は、アンギオテンシン変換酵素の作用によって産生されかつ血圧にかなりの影響を与えるオクタペプチドである既知のアンギオテンシンII受容体拮抗薬である。イルベサルタンの構造を、下記式(I)に示す:
Figure 2008531642
イルベサルタンの合成は、特に米国特許第5270317号明細書および米国特許第5559233号明細書に記載されている。終わりから三番目の反応段階は、ビフェニル環のシアノ基とアジ化トリブチルスズのようなアジドとの反応である。米国特許第5270317号明細書には、210時間までの反応時間が開示されている。
米国特許第5629331号明細書には、非プロトン性双極性溶媒中前駆体2−n−ブチル−3−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)メチル]−1,3−ジアザ−[4,4]ノン−1−エン−4−オンとアジ化ナトリウムおよびトリエチルアミン塩酸塩からイルベサルタンの合成、水性媒質におけるそのアルカリ性塩の一つの中和、およびそれに続く再結晶によるA体の入手も記載されている。N−メチルピロリドンのような非プロトン性双極性溶媒は沸点が比較的高く、除去が困難であることがあるが、アジドの利用は安全上の危険を包含している。
WO2004/065383号にはまた、スズキのカップリング条件下で、2−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)フェニルボロン酸と、2−ブチル−3−(4’−ブロモベンジル)−1,3−ジアゾスピロ[4,4]ノン−1−エン−4−オンを反応させることによるイルベサルタントリチレートの合成が記載されている。このようにして得られた生成物を次に酸性条件に暴露することによってテトラゾール環のトリチル基を加水分解して、最終的にイルベサルタンを得る。上記手法の一つのネガティブな様相はトリチルのような嵩張った保護基の使用であり、これにより最後の合成中間体の分子量が極めて増加し、次にこの最後の合成中間体の分子量がイルベサルタンを提供する最終的加水分解で劇的に減少することにより、工程の原子効率が低くなる。これにより、更にかなりの量の残渣生成物が生じ、工程における合成段階数が増加する。
ドイツ国特許第4313747号明細書、ドイツ国特許第4407488号明細書、米国特許第5596006号明細書、欧州特許第594022号明細書およびWO9609301号には、パラジウム触媒の存在下でハロゲン化アリールと2−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニルボロン酸を反応させることによる他のビフェニル化合物の合成が記載されている。
従って、合成段階の少ないイルベサルタンを得るための安全で環境に留意した高収率の方法が、必要とされ続けている。更に、上記方法を産業的規模で応用することが可能でなければならない。
発明の概要
本発明の第一の態様は、速やかにかつ高収率で得ることができるイルベサルタン多形体Aを得る方法を提供することである。
この方法は、環境上の観点からクリーンな方法でもあり、アジドまたはN−メチルピロリドンのような沸点が比較的高くかつ除去し難い可能性がある非プロトン性双極性溶媒を用いる必要がない点で一層安全である。
更に一層有利なことには、本発明の第一の態様によって定義される方法は、式(III)の化合物のテトラゾール環の保護基を使用しない。このことは、最後の合成段階が接触反応であるという事実と相まって、工程の原子効率であると理解されているものに好都合であり、すなわち、所望な生成物に組込まれるそれぞれの出発試薬からの原子の比率が最適であり、これはこれ自体処理を行う残渣の量がかなり減少することを示している。
本発明の第一の態様によれば、式(II)の中間体を式(III)の化合物とカップリングし、そのアルカリ性塩の一つを水性媒質中で中和し、得られた粗生成物を再結晶することによって少ない合成段階でイルベサルタン多形体Aを得る方法が提供される。上記方法をもちいるとテトラゾール環の保護および脱保護が不必要であり、従って、産業上大規模でイルベサルタンを得る上でかなり有利である。
上記方法はまた、生成物を単離し精製する工程を極めて簡略化する。この方法により、N−メチルピロリドンと他の有機不純物を生成物のアルカリ性塩の水溶液から除去するのに必要なトルエンによる抽出が不要になる。この方法では、酢酸エチルのような水と不混和性の単一有機溶媒を用いることにより、環境上の改善が行われる。粗生成物の中間結晶化も、所望な多形体Aを得るための最終の結晶化の前には削除される。
本発明の第二の態様は、式(II)によって定義される合成中間体である。
本発明の第三の態様は、式(II)の合成中間体を得る方法を提供することである。
本発明の第四の態様は、式(II)の合成中間体を得るための別途法を提供することである。
本発明の第五の態様は、式(II)の合成中間体を得るための更にもう一つの改良法を提供することである。
定義
「有機塩基」という用語は、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン(DIPEA)、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、モルホリン、および他のアンモニア誘導体であって、1個以上の水素がアルキルまたはアリール基によって置換されているものを意味するものと解される。
「無機塩基」という用語は、第I族または第II族金属の水酸化物または炭酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、またはフッ化カリウムまたはリン酸カリウムを意味するものと解される。
「二相系」という用語は、互いに不混和性の第一および第二の溶媒によって形成される2つの液相を含んでなる反応媒質、または液相と固相によって形成される系を意味するものと解される。第一のものは、有機溶媒である。好ましいがそれらに限定されない例は、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジエトキシメタン(DEM)、テトラヒドロフラン(THF)、炭化水素(例えば、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、テトラリン、またはデカリン)、またはそれらの混合物である。第二の溶媒は、水であり、好ましくは無機塩基を含むものであることができる。もう一つの二相系は、上記の第一および第二の溶媒から選択される少なくとも1種類の溶媒と、固形状の無機塩基の一つの利用にある。
「パラジウム触媒」という用語は、Pd(PPh、PdCl(PPh、Pd(AcO)のような反応媒質中で均質または可溶性となり得る、またはPd/Cのような反応媒質中で不均一または不溶性となり得るパラジウムの化合物を意味するものと解される。
「配位子」という用語は、所望な反応を触媒するパラジウム種に配位して活性化することができるホスフィンまたはアミン型の有機化合物、例えば、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィンエチレン(DPPE)、ビス−ジフェニルホスフィンフェロセン(DPPF)、トリ−(t−ブチル)ホスフィン、トリ−(o−トリル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、3,3',3''-ホスフィニジントリス(ベンゼンスルホン酸)[3,3',3"-phosphinidinatris(benzene-sulphonate)]の三ナトリウム塩(TPPTS)を意味するものと解される。
発明の詳しい説明
本発明は、下式(I)のイルベサルタンを良好な収率で得ることができかつ安全性または環境上の側面から問題のない新規な方法を提供する目的を有する:
Figure 2008531642
本発明の第一の態様によるイルベサルタンまたは薬学上許容可能なその塩を得る方法は、
(a) 下式(II)の化合物と下式(III)の2−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニルボロン酸のカップリング反応を
Figure 2008531642
有機極性溶媒もしくは水性溶媒、水と水混和性溶媒との混合物、または二相系から選択される溶媒媒質中において、式(III)の化合物のテトラゾール環と塩を形成することができる有機塩基または無機塩基の存在下にて、25〜150℃の温度で、パラジウム触媒と必要に応じてリガンドを用いて行って、有機塩基塩もしくは無機塩基塩の水溶液の形態の下式(I)のイルベルサルタンを得、
(b) 上記アルカリ性水溶液をpH4.8〜5.2の酸性にして、得られる沈澱を濾過し、
(c) 段階(b)の生成物を、有機溶媒またはそれと水との混合物の存在下にて再結晶させ、下記のX線回折スペクトルを有するイルベサルタン多形体Aを得る
ことを特徴とする。
Figure 2008531642
有利なことには、このカップリングは、式(III)の化合物のテトラゾール環についての保護基を用いる必要なしに行われる。反応は、テトラゾール環と塩を形成することができる有機または無機塩基の存在下にておよび触媒量のパラジウム化合物の存在下にて行われる。反応は、有機極性または水性溶媒、または水と水混和性溶媒との混合物、または二相系で25℃〜150℃、好ましくは50℃〜120℃、更に一層好ましくは70℃〜90℃の温度で行うことができる。
好ましくは、段階(a)において、溶媒媒質は溶媒THF、DME、DEM、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、プロパノール、デカリンおよび水、またはそれらの混合物から選択され、上記有機塩基はTEA、DIPEA、DABCO、モルホリンおよび他のアンモニア誘導体であって、1個以上の水素がエチル、イソプロピル、ベンジルまたはフェニルのようなアルキルまたはアリール基によって置換されているものから選択され、上記無機塩基は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、フッ化カリウムまたはリン酸カリウムから選択される。
このカップリングは、パラジウム化合物がPd(PPh、PdCl(PPh、Pd(AcO)のように反応媒質に可溶性であるときには均一相で行うことができ、パラジウム化合物がPd/Cの場合のように反応媒質に不溶性であるときには不均一相で行うことができる。Pd/Cを用いるときには、カップリング反応には触媒量の配位子、好ましくはホスフィン型、特にトリフェニルホスフィンまたは水に可溶性のホスフィン、例えば、3,3’,3”−ホスフィニジントリス(ベンゼンスルホン酸)[3,3',3"-phosphinidinatris(benzene-sulphonate)]の三ナトリウム塩またはジフェニルホスフィンベンゼン−3−スルホン酸のナトリウム塩の存在が必要とされる。これらの最後のものは、水を溶媒として用いる反応を行うことができるという利点を提供する。
好ましくは、段階(c)において、有機溶媒はメタノール、エタノール、プロパノールまたはイソプロパノールのような少なくとも1種類のアルコール、酢酸エチルまたは酢酸イソプロピルのような1種類のエステル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンまたはジイソプロピルエーテルのような1種類のエーテル、ブタノン、メチルイソプロピルケトンまたはメチルイソブチルケトンのようなケトン、またはヘプタン、トルエン、キシレンのような炭化水素から選択される。
好ましくは、段階(c)で選択される溶媒はイソプロパノールであり、これにより生成物の純度が高くなりかつ回収率が向上するからである。
本発明の第二の態様は、下式(II)の合成中間体を提供することである:
Figure 2008531642
イルベサルタンを得るのに式(II)の合成中間体を用いることにより、驚くほど高収率でそれを得ることができ、反応の粗生成物が一層純粋になり、式(III)の化合物の分解を防止するのであり、このことは式(II)の合成中間体を用いる反応が出発生成物が使い果たされてしまうまで継続することを意味している。
式(II)の合成中間体2−ブチル−3−(4’−ヨードベンジル)−1,3−ジアゾスピロ[4,4]ノン−1−エン−4−オンは、相間移動条件下で、下式(IV)の2−ブチル−1,3−ジアゾスピロ[4,4]ノン−1−エン−4−オン塩酸塩と4−ヨードベンジルブロミドとの反応によって調製することができる。:
Figure 2008531642
式(IV)の化合物2−ブチル−1,3−ジアゾスピロ[4,4]ノン−1−エン−4−オンは、市販されている化合物である。上記反応は、二相系で、無機塩基の存在下および相間移動触媒の存在下にて50℃〜120℃の温度で1時間激しく攪拌することにより起こる。反応が完了したならば、系を放冷し、相を分離して、有機相を蒸発させて粗生成物を得る。その粗生成物を酢酸エチルまたは酢酸イソプロピルのような適当な溶媒に溶解させ、当量の濃塩酸をこれに加えて、濾過後に式(II)の化合物を高純度の塩酸塩として極めて高収率で得る。
式(II)の化合物2−ブチル−3−(4’−ヨードベンジル)−1,3−ジアゾスピロ[4,4]ノン−1−エン−4−オンは、有機溶媒および縮合剤の存在下にて4−ヨードベンジルアミンを用いて、第三ブトキシカルボニルアミンとして、ベンジルオキシカルボニルアミンとしてまたはペンタノイルアミンとして、保護された1−アミノ−シクロペンタノカルボン酸をアミド化してジアミドを提供し、
a) スキーム1に準じて酸を用いてまたは熱的に触媒した反応における環化により、式(II)の化合物を提供し、または
b) 酸性条件下でまたは水素と白金触媒の存在下にて保護基を脱保護して、下式(IX)の1−アミノ−1−シクロペンタノカルボン酸の4−ヨードベンジルアミドを提供し
Figure 2008531642
次いで、これを触媒量(1%〜5%)の酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸またはトルエンスルホン酸のようなスルホン酸の存在下にてトリメチルオルトバレレートと反応させて、スキーム2に準じて、式(II)の合成中間体を提供する
ことによって得ることもできる。
一方、式(II)の化合物2−ブチル−3−(4’−ヨードベンジル)−1,3−ジアゾスピロ[4,4]ノン−1−エン−4−オンは、下記のスキーム1に準じて得ることができる。
Figure 2008531642
スキーム1
上記スキーム1において、1−ペンタノイルアミン−シクロペンタノカルボン酸(V)(G. Winters et al., Il Farmaco, Ed. Sc. 1966, 21, 624に記載の化合物)を無極性溶媒中で縮合剤の存在下にて4−ヨードベンジルアミンを用いてアミド化することによって、式(VI)のジアミドが提供される。この反応に適当な溶媒は、ジクロロメタン、アセトニトリル、THF、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセタミド(DMA)、N−メチルピロリジノン(NMP)、特にDMFである。縮合剤は、カルボン酸とアミンとの反応を促進してアミドを形成する薬剤である。用いられるものとしては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(WSC)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、ジエチルホスホリルシアニド(DEPC)、ベンゾトリアゾリルオキシ−トリス(ジメチルアミノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、特にBOPが挙げられる。式(VI)のこの化合物は、酸または熱的に触媒される反応で環化して、式(II)の化合物を得ることができる。
更に、式(II)の化合物2−ブチル−3−(4’−ヨードベンジル)−1,3−ジアゾスピロ[4,4]ノン−1−エン−4−オンは、下記のスキーム2に準じて得ることができる。
1−第三ブトキシカルボニルアミン−シクロペンタノカルボン酸(VII)(E.P. Johnson et al., Org. Proc. Res. & Dev. 1998, 2, 238に記載の化合物)を上記条件下で4−ヨードベンジルアミンを用いてアミド化することによって、ジアミド(VIII)が提供される。酸性条件下で保護基BOCを脱保護すると、式(IX)の1−アミノ−l−シクロペンタノカルボン酸の4−ヨードベンジルアミドが得られる。式(IX)のこの化合物は、触媒量の酸の存在下にてトリメチルオルトバレレートと反応して、式(II)の化合物を生成する。
Figure 2008531642
スキーム2
本発明は、更に入手が困難な極めて高価な試薬である4−ヨードベンジルアミンを必要としない式(II)の合成中間体を得る別途法も提供する。
本発明者らは、相応な価格で産業的に入手し得る試薬である化合物4−ヨードベンジルブロミドを用いることによって式(II)の合成中間体を調製することができることを見出した。
上記別途法(下記のスキーム3参照)は、下式(II)の合成中間体を
Figure 2008531642
二相反応系で相間移動触媒の存在下にて、下式(X)の1−ペンタノイルアミン−シクロペンタノカルボキサミドと4−ヨードベンジルブロミドとの反応によって、得る
Figure 2008531642
ことを包含する。
有利なことには、上記相の一方は、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジエトキシメタン(DEM)、テトラヒドロフラン(THF)または脂肪族または芳香族炭化水素を含み、上記の他の相は無機塩基を含むことができる水であるか、または上記の他の相は固形状の無機塩基であることができる。
また、有利なことには、4−ヨードベンジルブロミドとの反応の前に、式(X)の1−ペンタノイルアミン−シクロペンタノカルボキサミドは無機塩基を含むことができる水性懸濁液になっている。
好ましくは、上記無機塩基はKOH、NaOH、LiOH、NaCOおよびKCOから選択される。更に一層好ましくは、上記無機塩基はKOHである。
有利なことには、式(X)の1−ペンタノイルアミン−シクロペンタノカルボキサミドとの反応の前に、4−ヨードベンジルブロミドは、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジエトキシメタン(DEM)、テトラヒドロフラン(THF)、またはヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンのような脂肪族炭化水素、またはトルエン、キシレン、デカリンまたはテトラリンのような芳香族炭化水素を含む溶液になっている。好ましくは、上記芳香族炭化水素はトルエンである。
式(X)の1−ペンタノイルアミン−シクロペンタノカルボキサミドと4−ヨードベンジルブロミドとの反応は、アンモニウムまたは第四ホスホニウムの塩、ポリエチレングリコール誘導体、クラウンエーテルまたはクリプタンド(cryptands)のような相間移動触媒、好ましくはテトラブチルアンモニウムの酸性硫酸塩の存在下にて行われる。
本発明によるスキーム3を、下記に示す。
Figure 2008531642
スキーム3
有利なことには、本発明によれば、イルベサルタンは、産業的規模で応用可能であり、環境上の観点から一層純粋でありかつまた一層安全な方法によって良好な化学的収率および高い光学的純度で得られる。
本発明の非制限的実例によって本発明の様々な側面の好ましい態様を示す幾つかの実施例を示す。
実施例1: 2−ブチル−3−(4’−ヨードベンジル)−1,3−ジアゾスピロ[4,4]ノン−1−エン−4−オン(II)の入手
2−ブチル−1,3−ジアゾスピロ[4,4]ノン−1−エン−4−オンの塩酸塩23.07g(100ミリモル)および水酸化カリウム19.8gを水100mlに溶解したものを4−ヨードベンジルブロミド29.7g(100ミリモル)および重硫酸テトラブチルアンモニウム3.4g(10ミリモル)をトルエン30mlに溶解したものに加え、混合物を1時間加熱還流する。25℃に冷却した後、水100mlを加えて、相を分離する。有機相に濃塩酸10mlを加え、100mlを減圧で蒸発させ、酢酸エチル300mlを加え、生成する固形物を濾過し、標記化合物39.6g(88%)を塩酸塩の形態で得ている。
DSC (分): 82℃
IR (KBr, cm-1): 3500, 3420, 2940, 1770, 1630, 1500.
1H NMR (CDCl3), [δ](ppm): 0.80 (t, 3H, CH3), 1.30-1.50 (m, 2H, -CH2-CH3), 1.55-1.80 (m, 2H, -CH2-CH2-CH3), 1.80-2.40 (m, 8H, シクロペンタン), 2.95 (t, 2H, CH2-C-N), 4.85 (s, 2H, CH2-Ar), 6.95 (d, 2H, H-Ar), 7.75 (d, 2H, H-Ar).
実施例2: 1−ペンタノイルアミン−シクロペンタノカルボン酸の4−ヨードベンジルアミド(VI)の入手
BOP 8.2g(18.6ミリモル)を1−ペンタノイルアミン−シクロペンタノカルボン酸3.96g(18.6ミリモル)、4−ヨードベンジルアミンの塩酸塩5.0g(18.6ミリモル)およびジイソプロピルアミン6.5ml(37,2ミリモル)をジメチルホルムアミド40mlに懸濁させたものに加え、10時間攪拌する。反応混合物をEtOAc(400ml)と水(400ml)の混合物に投入し、30 分間攪拌する。傾瀉した後、有機相を重炭酸ナトリウムの飽和溶液(200ml x 2)、重亜硫酸ナトリウムの5%溶液(200ml)、塩化ナトリウムの飽和溶液(100ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させる。残渣をトルエン60mlから再結晶させ、白色固形状の標記化合物6.0g(75%)を得ている。
融点 = 150-152℃
IR (KBr, cm-1): 3340, 3280, 1660, 1650, 1540.
1H NMR (DMSO-d6), [δ](ppm): 0.80 (t, 3H, CH3), 1.10-2.20 (m, 14H), 4.20 (d, 2H, CH2-Ar), 7.05 (d, 2H, H-Ar), 7.60 (d, 2H. H.Ar).
実施例3: 2−ブチル−3−(4’−ヨードベンジル)−1,3−ジアザ[4,4]ノン−1−エン−4−オン(II)の入手 (スキーム1による)
実施例2の化合物1.0g(2.33ミリモル)を、窒素気流下にて250℃に2時間加熱する。こうして得られた生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、ヘプタン/酢酸エチルの1:1混合物で溶出し、無色油状の標記化合物400mg(42%)を得ている。
IR (フィルム, cm-1): 2960, 2860, 1700, 1620, 1460, 1320.
1H NMR (CDCl3), [δ](ppm): 0.90 (t, 3H, CH3), 1.10-2.10 (m, 14H), 2.30 (t, 2H, CH2-C-N), 4.60 (s, 2H, CH2-Ar), 6.90 (d, 2H, H-Ar), 7.65 (d, 2H, H-Ar).
実施例4: 1−第三ブトキシカルボニルアミン−シクロペンタノカルボン酸4−ヨードベンジルアミド(VIII)の入手
実施例2の方法に従って、1−第三ブトキシカルボニルアミン−シクロペンタノカルボン酸1.26g(5.5ミリモル)から出発して、標記化合物1.80g(74%)を白色固形状で得ている。
融点= 185-187℃
IR (KBr, cm-1): 3340, 2980, 1690, 1650, 1520.
1H NMR (DMSO-d6), [δ](ppm): 1.10-2.10 (m, 17H), 4.20 (d, 2H), 6.90-7.10 (m, 3H), 7.60 (d, 2H), 8.10 (sa, H-N).
実施例5: 1−アミノ−シクロペンタノカルボン酸の4−ヨードベンジルアミド(IX)の入手
トリフルオロ酢酸5mlを実施例4の化合物1.40g(3.15ミリモル)をジクロロメタン10mlに溶解したものに加える。15分後、これを酢酸エチル(200ml)、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(200ml)および20%水酸化ナトリウム(2.0ml)の混合物に投入する。相を分離し、有機相を塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させ、白色固形状の標記化合物1.0g(92%)を得ている。
融点= 67-69℃
IR (KBr, cm-1): 3400, 2980, 1650, 1510, 1490.
1H NMR (DMSO-d6), [δ](ppm): 1.30-2.20 (m, 8H, シクロペンタン), 4.22 (d, 2H, CH2-Ar), 7.02 (d, 2H, H-Ar), 7.65 (d, 2H, H-Ar), 8.55 (sa, H-N).
実施例6: 2−ブチル−3−(4’−ヨードベンジル)−1,3−ジアザ[4,4]ノン−1−エン−4−オン(II)の入手(スキーム2による)
実施例5の化合物850mg(2.47ミリモル)、トリメチルオルトバレレート1.0ml(5.80ミリモル)および酢酸0.1ml(1.75ミリモル)をジクロロメタン5mlに溶解したものを、90℃に45分間加熱する。蒸発させた後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、ヘプタン/酢酸エチル2:1で溶出する。正確な画分を蒸発させることによって、実施例3に記載したのと同一分光学的データーを有する標記化合物400mg(39%)が無色油状で得られている。
実施例7: 2−ブチル−3−[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)−ビフェニル−4−イルメチル]−1,3−ジアゾスピロ[4 ,4]ノン−1−エン−4−オン(I)(イルベサルタン)の入手
2−ブチル−3−(4’−ヨードベンジル)−1,3−ジアゾスピロ[4.4]ノン−1−エン−4−オン(II)2.0g (4.9ミリモル)、2−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニルボロン酸(III)1.10g(4.9ミリモル)、水酸化ナトリウム780mg(19.6ミリモル)およびパラジウムテトラキストリフェニルホスフィン283mg(0.245ミリモル)をメタノール20mlに溶解したものに窒素を緩やかに通じて5分間置換し、1時間加熱還流する。
20℃まで冷却した後、これを酢酸エチル(100ml)と水(50ml)で希釈し、クエン酸5.0gを加える。相を分離し、有機相を蒸発させ、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し(溶離剤ジクロロメタン/メタノール/アンモニア500:50:5)、白色固形状の化合物(I)1.83g (86%)を得ている。
1H NMR (CDCl3), [δ](ppm): 0.80 (t, 3H, CH3), 1.10-1.35 (m, 2H, CH2-CH3), 1.35-1.60 (m, 2H, CH2-CH2-CH3), 1.60-1.95 (m, 8H, シクロペンチル), 2.15 (t, 2H, CH2-C-N), 4.60 (s, 2H, CH2-Ar), 7.05 (d, 2H, H-Ar), 7,15 (d, 2H, H-Ar), 7.45 (d, IH, H-Ar), 7.50-7.70 (m, 2H, H-Ar), 7.90 (d, 2H, H-Ar テトラゾールに対してオルト位).
実施例8: 2−ブチル−3−[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)−ビフェニル−4−イルメチル]−1,3−ジアゾスピロ[4 ,4]ノン−1−エン−4−オン(I)(イルベサルタン)の入手
2−ブチル−3−(4’−ヨードベンジル)−1,3−ジアゾスピロ[4,4]ノン−1−エン−4−オン(II)2.051g(5.0ミリモル)、2−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニルボロン酸(III)1.13g (5.0ミリモル)、水酸化ナトリウム800mg(20.0ミリモル)、トリフェニルホスフィン262mg(1.0ミリモル)および塩化パラジウム44mg(0.25ミリモル)をメタノール20mlに溶解したものに窒素を緩やかに通じて5分間置換し、1時間加熱還流する。20℃まで冷却した後、これを酢酸エチル(100ml)と水(50ml)で希釈し、クエン酸5.0gを加える。相を分離し、有機相を蒸発させ、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し(溶離剤ジクロロメタン/メタノール/アンモニア500:50:5)、白色固形状の化合物(I)1.77g(83%)を得ている。
実施例9: 2−ブチル−3−[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)−ビフェニル−4−イルメチル]−1,3−ジアゾスピロ[4 ,4]ノン−1−エン−4−オン(I)(イルベサルタン)の入手
2−ブチル−3−(4’−ヨードベンジル)−1,3−ジアゾスピロ[4,4]ノン−1−エン−4−オン(II)2.0g(4.9ミリモル)、2−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニルボロン酸(III)1.10g(4.9ミリモル)、水酸化ナトリウム780mg(19.6ミリモル)、トリフェニルホスフィン56.5mg(0.216ミリモル)およびペースト状の5% Pd/C 420mg(パラジウム0.098ミリモル)をメタノール20mlに懸濁したものを、3時間加熱還流する。20℃まで冷却した後、これを酢酸エチル(50ml)と水(150ml)で希釈し、触媒をろかし、相を分離して、水相に3N塩酸を加えてpH 5.0とする。これを濾過して、得られた固形物を2−プロパノールから再結晶し、白色固形状の化合物(I)のA体1.45g(69%)を得ている(図1)。
実施例10: 2−ブチル−3−(4’−ヨードベンジル)−1,3−ジアゾスピロ[4 ,4]ノン−1−エン−4−オン(II)の入手(スキーム3による)
4−ヨードベンジルブロミド2.97g(10.0ミリモル)をトルエン30mlに溶解したものを、1−ペンタノイルアミン−シクロペンタノカルボキサミド(X)2.12g(10.0ミリモル)、KOH 1.78g(27.0ミリモル)およびTBAHS 0.51g(1.5ミリモル)を水10mlに懸濁攪拌したものに滴加する。これを25℃で30分間攪拌した後、70℃で3時間加熱する。25℃まで冷却した後、水30mlを加え、相を分離する。水相トルエン30mlで抽出し、合わせた有機相をNaClの飽和溶液(30ml)で洗浄し、蒸発させる。
残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、ヘプタン/酢酸エチル1:1の混合物で溶出し、上記実施例1に記載したのと同一の分光学的データーを有する標記化合物2.87g(70%)が無色油状で得られている。
有利なことには、スキーム3の方法によれば、式(II)の合成中間体が一層良好な収率で得られる。
実施例9に準じて得られる化合物(I)のA体のX線回折図。

Claims (42)

  1. 薬学活性化合物であるイルベルサルタン(Irbesartran)またはその薬学上許容可能な塩を得る方法であって、
    (a) 下式(II)の化合物と下式(III)の2−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニルボロン酸のカップリング反応を
    Figure 2008531642
    有機極性溶媒もしくは水性溶媒、水と水混和性溶媒との混合物、または二相系から選択される溶媒媒質中において、式(III)の化合物のテトラゾール環と塩を形成することができる有機塩基または無機塩基の存在下にて、25〜150℃の温度で、パラジウム触媒と必要に応じてリガンドを用いて行って、有機塩基塩もしくは無機塩基塩の水溶液の形態の下式(I)のイルベルサルタンを得:
    Figure 2008531642
    (b) 上記アルカリ性水溶液をpH4.8〜5.2の酸性にして、得られる沈澱を濾過し、
    (c) 段階(b)の生成物を、有機溶媒またはそれと水との混合物の存在下にて再結晶させ、下記のX線回折スペクトルを有するイルベサルタン多形体Aを得る:
    Figure 2008531642
    ことを含んでなる、方法。
  2. 段階(a)において、カップリング反応を50℃〜120℃の温度で行う、請求項1に記載の方法。
  3. 温度が70℃〜90℃である、請求項2に記載の方法。
  4. 段階(a)において、溶媒媒質が、溶媒THF、DME、DEM、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、プロパノール、デカリンおよび水、またはそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 段階(a)において、有機塩基が、TEA、DIPEA、DABCO、モルホリン、および1個以上の水素がアルキルまたはアリール基で置換されている他のアンモニア誘導体から選択される、請求項1に記載の方法。
  6. アルキルまたはアリール基が、エチル、イソプロピル、ベンジルまたはフェニルから選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 段階(a)において、無機塩基が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、フッ化カリウムまたはリン酸カリウムから選択される、請求項1に記載の方法。
  8. 段階(a)において、カップリングを、パラジウム化合物が反応媒質に可溶性であるときには均一相で行い、またはパラジウム化合物が反応媒質に不溶性であるときには不均一相で行う、請求項1に記載の方法。
  9. パラジウム化合物が反応媒質に可溶性である場合、パラジウム化合物が、Pd(PPh34、PdCl2(PPh34、Pd(AcO)2またはPdCl2から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. パラジウム化合物が反応媒質に不溶性である場合、パラジウム化合物が、パラジウム化合物が、Pd/C、または、ポリマー内もしくは他の種類の機能化繊維内に支持または固定された別の種類のパラジウム化合物から選択され、かつ、カップリング反応が触媒量のリガンドの存在下にて行われる、請求項8に記載の方法。
  11. リガンドが、ホスフィン型であり、好ましくはトリフェニルホスフィンまたは水に可溶性のホスフィンである、請求項10に記載の方法。
  12. 水に可溶性のホスフィンが、3,3’,3’’−ホスフィニジントリス(ベンゼンスルホン酸)の三ナトリウム塩である、請求項1に記載の方法。
  13. 段階(c)において、有機溶媒が、少なくともアルコール、エステル、エーテル、ケトン、または炭化水素から選択される、請求項1に記載の方法。
  14. アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、またはイソプロパノールから選択される、請求項13に記載の方法。
  15. エステルが、酢酸エチル、または酢酸イソプロピルから選択される、請求項13に記載の方法。
  16. エーテルが、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、またはジイソプロピルエーテルから選択される、請求項13に記載の方法。
  17. ケトンが、ブタノン、メチルイソプロピルケト、またはメチルイソブチルケトンから選択される、請求項13に記載の方法。
  18. 炭化水素がヘプタン、トルエン、またはキシレンから選択される、請求項13に記載の方法。
  19. 段階(c)において、段階(b)からの生成物を、有機溶媒の混合物またはそれと水との混合物の存在下にて、好ましくは水の比率が1容積%〜20容積%の混合物の存在下にて、再結晶させる、請求項1に記載の方法。
  20. 式(II)の合成中間体:
    Figure 2008531642
  21. 請求項20に記載の式(II)の合成中間体を得る方法であって、
    a) 下式(IV)の2−ブチル−1,3−ジアゾスピロ[4,4]ノン−1−エン−4−オン塩酸塩と、4−ヨードベンジルブロミドとを、
    Figure 2008531642
    トルエン/水、ベンゼン/水、シクロヘキサン/水、メチルシクロヘキサン/水、または他の脂肪族または芳香族炭化水素の二相系において、無機塩基と相間移動触媒の存在下にて、激しく攪拌しながら、70〜120℃の温度で、相間移動条件下にて反応させ、
    b) 次いで、相を分離して、有機相を蒸発させて粗生成物を得て、これを、有機溶媒および当量の濃塩酸に溶解すると、濾過後に下式(II)の化合物を塩酸塩として提供する
    Figure 2008531642
    ことを含んでなる、方法。
  22. 段階a)において、無機塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、または炭酸カリウムから選択される、請求項21に記載の方法。
  23. 段階a)において、温度が、80℃〜105℃、好ましくは90℃である、請求項21に記載の方法。
  24. 段階b)において、有機溶媒が、アセトン、2−プロパノール、またはアルキルエステル、好ましくは酢酸エチルまたは酢酸イソプロピルから選択される、請求項21に記載の方法。
  25. 請求項20に記載の式(II)の合成中間体を得る方法であって、
    有機溶媒と縮合剤の存在下にて、4−ヨードベンジルアミンを用いて、第三ブトキシカルボニルアミンとして、ベンジルオキシカルボニルアミンとして、またはペンタノイルアミンとして保護された1−アミノ−シクロペンタノカルボン酸をアミド化して、ジアミドを提供し、
    a) 酸により触媒される反応または熱的に触媒される反応における環化により、式(II)の化合物を提供し、または
    b) 酸性条件下でまたは水素と白金触媒の存在下にて保護基を脱保護して、下式(IX)の1−アミノ−1−シクロペンタノカルボン酸の4−ヨードベンジルアミドを提供し:
    Figure 2008531642
    次いで、これを1%〜5%の量のギ酸、酢酸、メタンスルホン酸またはトルエンスルホン酸の存在下にてトリメチルオルトバレレートと反応させて、下式(II)の化合物を提供する
    Figure 2008531642
    ことを含んでなる、方法。
  26. 4−ヨードベンジルアミンを用いた式(V)の1−ペンタノイルアミン−シクロペンタノカルボン酸のアミド化が、有機溶媒中で縮合剤の存在下にて起こって、下式(VI)のジアミドを提供し
    Figure 2008531642
    これを段階a)に従って環化した後、式(II)の化合物を提供する、請求項25に記載の方法。
  27. 酸により触媒される反応を、酸触媒なしで110℃または150℃で行う、請求項25に記載の方法。
  28. 4−ヨードベンジルアミンを用いた式(VII)の1−第三ブトキシカルボニルアミン−シクロペンタノカルボン酸のアミド化が、有機溶媒中で縮合剤の存在下にて起こって、下式(VIII)のジアミドを提供し
    Figure 2008531642
    これを段階b)に従って式(IX)の化合物を提供し、次いで式(II)の化合物を提供する、請求項25に記載の方法。
  29. 有機溶媒が、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N−メチルピロリジノン、N−エチルピロリジノン、DMA、DMF、好ましくはDMFから選択される、請求項25〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 縮合剤が、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(WSC)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、ジエチルホスホリルシアニド(DEPC)、ベンゾトリアゾリルオキシ−トリス(ジメチルアミノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、好ましくはBOPから選択される、請求項25〜28のいずれか一項に記載の方法。
  31. トリメチルオルトバレレートによる反応を、1%〜5%の量のギ酸、酢酸、メタンスルホン酸、またはトルエンスルホン酸の存在下で行う、請求項25に記載の方法。
  32. 請求項20に記載の式(II)の合成中間体を得る方法であって、
    二相反応系中で相間移動触媒の存在下において、下式(X)の1−ペンタノイルアミン−シクロペンタノカルボキサミドと、4−ヨードベンジルブロミドを反応させる
    Figure 2008531642
    を含んでなる、方法。
  33. 前記二相系が、2つの液相、または1つの液相と1つの固相を含む、請求項32に記載の方法。
  34. 前記液相の一つが、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジエトキシメタン(DEM)、テトラヒドロフラン(THF)または脂肪族もしくは芳香族炭化水素であるか、または水を包含する、請求項33に記載の方法。
  35. 前記相の一つとして水を用い、該水が無機塩基の溶液を含む、請求項34に記載の方法。
  36. 固相が固形無機塩基である、請求項33に記載の方法。
  37. 4−ヨードベンジルブロミドとの反応の前に、式(X)の1−ペンタノイルアミン−シクロペンタノカルボキサミドが無機塩基を含む水溶液中にある、請求項32または35に記載の方法。
  38. 無機塩基がKOHである、請求項37に記載の方法。
  39. 式(X)の1−ペンタノイルアミン−シクロペンタノカルボキサミドとの反応の前に、4−ヨードベンジルブロミドが脂肪族もしくは芳香族炭化水素を含む溶液中にある、請求項32に記載の方法。
  40. 炭化水素がトルエンである、請求項39に記載の方法。
  41. 相間移動触媒がアンモニウムまたは第四ホスホニウム塩、ポリエチレングリコール誘導体、クラウンエーテルまたはクリプタンド(cryptands)から選択される、請求項32に記載の方法。
  42. 相間移動触媒がテトラブチルアンモニウムの酸性硫酸塩である、請求項41に記載の方法。
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