JP2008530225A - インダゾール−カルボキサミド化合物の結晶型 - Google Patents

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Abstract

本発明は、1 イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドの結晶ハロゲン化物塩およびその溶媒和物を提供する。本発明はまた、前記塩を含む医薬組成物、前記結晶塩を使用して5HT4レセプター活性に関係する病気を治療する方法、および前記結晶塩を調製するのに有用な方法を提供する。

Description

(発明の分野)
本発明は、5−HTレセプターアゴニストとして役立つインダゾール−カルボキサミドの結晶塩型を対象とする。また、本発明は、そのような結晶化合物を含む医薬組成物、5−HTレセプター活性が介在する病状を治療するために前記化合物を使用する方法、および前記化合物を調製する上で有用な方法も対象とする。
(発明の背景)
(現在の技術水準)
同一出願人による2004年2月18日付出願の米国仮出願第60/545,702号、および2005年2月17日付出願の米国特許出願第11/060,195号は、胃腸管運動が低下する疾患を治療するのに有用であると期待される新規のインダゾール−カルボキサミド化合物を開示している。特に、これらの出願では、1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミド化合物が、5−HTアゴニスト活性を示すものとして開示されている。
1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドの化学構造は、以下の化学式Iで表される:
Figure 2008530225
この化合物を治療剤として有効に利用するには、簡単に製造することができ、かつ許容できる化学的および物理的な安定性を有する固体塩の形状になっていることが非常に望ましい。例えば、熱に、例えば約150℃までの温度にも安定的であるが、特に吸湿性でも融解性でもないため、その材料の加工および保存が容易である塩の形状になっていることが非常に望ましい。結晶性固体の方が、製造された製品の純度および安定性を高めるため、通常、非晶形よりも好適である。
化学式Iの化合物の結晶塩型は、これまでに報告されたことがない。そのため、許容できるレベルの吸湿性、融解性、および熱安定性をもつ、化学式Iの化合物の安定した結晶塩型に対する需要が存在する。
(発明の要旨)
本発明は、1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドの結晶ハロゲン化物塩またはその溶媒和物を提供する。一つの態様において、本発明の結晶ハロゲン化物塩は、化学式Iの化合物のジヒドロクロリド塩である。別の態様では、結晶ハロゲン化物塩は、化学式Iの化合物のジヒドロブロミド塩である。さらに別の態様では、本発明の結晶塩は、化学式Iの化合物のジヒドロクロリド塩の結晶性水和物である。
意外にも、本発明の結晶ハロゲン化物塩は、約150℃よりも高い温度で熱安定性があり、かつ、室温で約40%から約60%の範囲の相対湿度に曝露された場合、約1%未満の重量変化を示すことが分かっている。さらに、本発明の結晶ハロゲン化物塩は、室温で最高60%の相対湿度に曝露された場合、融解性がない。
その他の用途のうち、化学式Iの化合物の結晶ハロゲン化物塩は、胃腸管運動が低下する疾患を治療する医薬組成物を調製するのに役立つことが期待されている。したがって、その組成物の別の態様において、本発明は、医薬上許容される担体および1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドの結晶ハロゲン化物塩またはその溶媒和物を含む医薬組成物を提供する。
本発明は、5−HTレセプター活性が関係する病気または症状、例えば、胃腸管運動が低下する疾患を治療する方法であって、哺乳動物に対し、治療上有効な量の1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドの結晶ハロゲン化物塩またはその溶媒和物を投与することを含む方法も提供する。
別の方法態様において、本発明は、本発明の結晶ハロゲン化物塩を調製する方法であって、1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドをハロゲン化物酸に接触させることを含む方法を提供する。
本発明は、また、治療または薬剤で使用するための本明細書に記載されている通りの本発明の結晶ハロゲン化物塩、および、本発明の結晶ハロゲン化物塩を薬剤の製造、特に、哺乳動物において胃腸管運動が低下する疾患を治療するための薬剤の製造に使用することを提供する。
本発明のさまざまな態様を、添付の図面を参照して説明する。
(発明の詳細な説明)
本発明は、1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドの結晶ハロゲン化物塩およびその溶媒和物を提供する。
定義
本発明に係る化合物、組成物および方法を説明する際、別段の記載がない限り、以下の用語は以下の意味である。
「治療上有効な量」という用語は、治療を必要とする患者に投与したときに治療効果を生じさせるのに十分な量を意味する。
本明細書において「治療」という用語は、哺乳動物(特にヒト)などの患者における病気、疾患、または病状を治療することを意味し、以下を含む:
(a)病気、疾患、または病状が発生するのを防止すること。すなわち、患者の予防的治療;
(b)病気、疾患、または病状を改善すること。すなわち、患者の病気、疾患、または病状の除去または退縮をもたらすこと;
(c)病気、疾患、または病状を抑制すること、すなわち、患者の病気、疾患、または病状の進行を遅らせるか停止させること;または
(d)患者の病気、疾患、または病状の症状を緩和すること。
「溶媒和物」という用語は、溶質、すなわち、本発明の化合物またはその医薬上許容される塩の一つ以上の分子、および溶媒の一つ以上の分子によって形成される複合体または集合体を意味する。このような溶媒和物は、典型的には、溶質と溶媒のモル比が実質的に一定である結晶性固体である。代表的な溶媒は、例を挙げると、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸などである。溶媒が水の場合、溶媒和物は水和物である。
本明細書において「結晶ハロゲン化物塩」という用語は、結晶格子の中に溶媒分子を含まない結晶性固体、すなわち、溶媒和物ではないものを意味する。本発明の溶媒和物、または具体的には水和物ははっきりと同定されている。
本明細書および添付の請求の範囲において、「一つの」や「その」などの単数形は、記載内容から明らかでない限り、複数形への言及を含むことに留意すべきである。
「アミノ保護基」という用語は、アミノ窒素で望ましくない反応が起きることを防止するのに適した保護基を意味する。代表的なアミノ保護基は、ホルミル基;アシル基、例えば、アセチル基などのアルカノイル基;tert−ブトキシカルボニル(Boc)などのアルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)などのアリールメトキシカルボニル基;ベンジル基(Bn)、トリチル基(Tr)、および1,1−ジ−(4’−メトキシフェニル)メチル基などのアリールメチル基;トリメチルシリル基(TMS)およびtert−ブチルジメチルシリル基(TBDMS)などのシリル基などであるが、これらに限定されない。
活性薬剤
本発明の塩類における活性薬剤、すなわち化学式Iの化合物は、市販のAutoNomソフトウエア(MDL Information Systems, GmbH, Frankfurt, Germany)を用いて1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドと名付けられている。(1S,3R,5R)という表示は、二重環系に関係する結合の相対配向を表したものである。あるいは、この化合物は、N−[(3−エンド)−8−[2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]−1−(1−メチルエチル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミドと表示される。
本発明のハロゲン化物塩
一つの態様において、本発明は、結晶性1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドジヒドロクロリド塩を提供する。
本発明のジヒドロクロリド塩は、化学式Iの化合物の1モル当量あたり約1.9から約2.1モル当量の塩酸など、典型的には、化学式Iの化合物の1モル当量あたり約1.75から約2.2モル当量の塩酸を含む。
ハロゲン化物酸のモル比は、当業者が利用できる方法によって簡単に決定することができる。例えば、前記モル比は、元素分析によって簡単に決定することができる。あるいは、H NMRおよびイオンクロマトグラフィー法を用いてモル比を決めることもできる。
一つの態様において、本発明の結晶性ジヒドロクロリド塩は、以下から選択される2θ値で2つ以上の回折ピークをもつ粉末x線回折(PXRD)パターンを特徴とする:4.17±0.20、8.23±0.20、12.30±0.20、12.77±0.20、13.94±0.20、16.04±0.20、17.06±0.20、18.56±0.20、19.93±0.20、20.49±0.20、21.72±0.20、22.58±0.20、26.27±0.20、および26.59±0.20。特に、本態様において、結晶型は、4.17±0.20、8.23±0.20、12.30±0.20、13.94±0.20、および18.56±0.20から選択される2θ値で2つ以上の回折ピークをもつ粉末x線回折(PXRD)パターンを特徴とする。
粉末x線回折の分野ではよく知られているように、PXRDスペクトルのピークの位置は、試料調製および機器の配置などの実験についての詳細な項目に対して、相対的なピークの高さほどには敏感ではない。そのため、一つの態様において、化学式Iの化合物の結晶性ジヒドロクロリド塩は、ピーク位置が図1に示したものと実質的に一致している粉末x線回折パターンによって特徴づけられる。
また、図2に示されているように、本発明の結晶性ジヒドロクロリド塩は、約230℃から約275℃の範囲内で吸熱性熱流のピークを示す示差走査熱量測定(DSC)の波形(trace)からも明らかなように高温での熱安定性も特徴とする。さらに、熱重量分析(TGA)の波形は、約180℃よりも低い温度では有意な熱イベントを示さない。
さらに別の態様において、結晶性ジヒドロクロリド塩は、約753、986、1086、1197、1267、1281、1437、1488、1522、1638、1664、および2416cm−1で有意な吸収バンドを示す赤外線吸収スペクトルを特徴とする。
化学式Iの化合物の結晶性ジヒドロクロリド塩は、許容できる適度なレベルの(すなわち、40%相対湿度から60%相対湿度という湿度範囲において重量増加が約1%よりも小さい)吸湿性をもつ可逆的な吸着/脱着プロフィールをもつことが示されている。
さらに、化学式Iの化合物の結晶性ジヒドロクロリド塩は、長時間高い湿度に曝されても安定していることが分かっている。例えば、25℃および60%相対湿度で6ヶ月間保存した後でも、HPLCによる解析によれば、化学分解は示されず、湿度の増加は2%未満であった。
別の態様において、本発明は、結晶性1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドジヒドロブロミド塩を提供する。
本発明のジヒドロブロミド塩は、化学式Iの化合物の1モル当量あたり約1.75から約2.2モル当量の臭化水素酸を含む。
一つの態様において、本発明の結晶性ジヒドロブロミド塩は、以下から選択される2θ値で2つ以上の回折ピークをもつ粉末x線回折(PXRD)パターンを特徴とする:4.41±0.20、7.63±0.20、8.75±0.20、13.11±0.20、14.52±0.20、15.28±0.20、21.89±0.20、22.75±0.20、23.35±0.20、25.40±0.20、26.34±0.20、28.53±0.20、および28.86±0.20。特に、本態様において、結晶型は、4.41±0.20、8.75±0.20、13.11±0.20、および21.89±0.20から選択される2θ値で2つ以上の回折ピークをもつ粉末x線回折(PXRD)パターンを特徴とする。
別の態様において、化学式Iの化合物の結晶性ジヒドロブロミド塩は、ピーク位置が図3に示したものに実質的に一致している粉末x線回折パターンによって特徴づけられる。
さらに別の態様において、図4に示されているように、本発明の結晶性ジヒドロブロミド塩は、それぞれ約230℃と約250℃までの温度でも熱イベントを示さないDSCとTGAの波形から明らかなとおり、並はずれた熱安定性を特徴とする。
化学式Iの化合物の結晶性ジヒドロブロミド塩は、低レベルの(すなわち、40%相対湿度から60%相対湿度という湿度範囲において重量増加が約1%よりも小さい)吸湿性をもつ可逆的な吸着/脱着プロフィールをもつことが示されている。
さらに別の態様において、本発明は、化学式Iの化合物のジヒドロクロリド塩の結晶性水和物を提供する。
一つの態様において、本発明のジヒドロクロリド塩の結晶性水和物は、以下から選択される2θ値で2つ以上の回折ピークをもつ粉末x線回折(PXRD)パターンを特徴とする:4.85±0.20、8.14±0.20、9.02±0.20、12.58±0.20、14.20±0.20、16.85±0.20、17.31±0.20、17.66±0.20、19.28±0.20、19.92±0.20、21.36±0.20、21.72±0.20、22.38±0.20、22.75±0.20、26.34±0.20、28.85±0.20、および29.47±0.20。特に、本態様において、結晶型は、12.58±0.20、14.20±0.20、16.85±0.20、17.31±0.20、および17.66±0.20から選択される2θ値で2つ以上の回折ピークをもつ粉末x線回折(PXRD)パターンを特徴とする。
別の態様において、化学式Iの化合物のジヒドロクロリド塩の結晶性水和物は、ピーク位置が図7に示したものに実質的に一致している粉末x線回折パターンによって特徴づけられる。
本発明の塩類のこれらの性質は、後述する実施例においてさらに具体的に説明する。
合成手順
本発明の結晶塩を調製するには、1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドを、一般的には、約1.8から約2.3モル当量のハロゲン化物酸、例えば塩酸または臭化水素酸と接触させる。通常、この反応は、不活性希釈剤の中で、約35℃から約60℃を含む、約20℃から約70℃の温度範囲内で行われる。この反応に適した不活性希釈剤は、エタノール、メタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、アセトニトリル、トルエン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、およびこれらの混合物、および任意で水を含むものなどであるが、これらに限定されない。具体的な態様において、含水HClまたは含水HBrを、活性薬剤のエタノール溶液に加える。
反応が完了したところで、沈殿法、濃縮法、遠心分離法など任意の常法によって、本発明の結晶塩を反応混合液から単離する。
活性薬剤である1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドは、簡単に利用することができる出発物質から、下記の実施例に記載された処理手順を用いるか、本出願の発明の背景の項で列挙した同一出願人による米国出願に記載されている処理手順を用いて調製することができる。
例えば、実施例1Bに記載されているように、スキームAに図示された通りに活性薬剤を調製することができる。
Figure 2008530225
スキームAでは、まず、(1R,5S)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オン(2)を触媒存在下でギ酸アンモニウムと反応させて、1−{4−[2−(3−エンド−アミノ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル)エチル]ピペラジン−1−イル}エタノン(3)を生じさせる。典型的には、中間体(2)を大過剰の、例えば約15当量以上のギ酸アンモニウムと、メタノールなどの不活性希釈剤の中、遷移金属触媒、例えばパラジウムの存在下で反応させて、高い立体特異性を有するエンド(endo)型構造の中間体(3)を生じさせる。この反応は、典型的には、常温で約12時間から72時間、または反応が実質的に完了するまで行われる。そして、抽出など常法によって生成物を精製することができる。
第二の工程では、アミノトロパン(3)を、1H−インダゾールカルボン酸(4)と、カップリング剤および塩基が存在する中で反応させて、化学式(I)の化合物を生じさせる。典型的には、アセトニトリルなどの不活性希釈剤で希釈したアミノトロパン(3)を、アセトニトリルなどの不活性希釈剤で希釈したカルボン酸(4)と、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基、およびベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェイト(PyBop)、または1,3−ジシクロへキシル−カルボジイミド(DCC)、1−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)などのカップリング剤が存在する中で混合する。この反応は、典型的には、約0℃から約10℃の温度で約30分から約1時間行った後、室温で約1〜3時間、または反応が実質的に完了するまで行う。生成物は、常法による処理手順で単離することができる。
本明細書の実施例1Bに記載したように、中間体(2)は、一般に入手可能な出発物質から調製することができる。
化学式(I)の化合物およびその中間体を調製するための具体的な反応条件およびその他の処理手順に関する更なる詳細は、後述する実施例に記載されている。
このように、別の態様において、本発明は、以下の工程を含む、化学式(I)の化合物を調製する方法を提供する:
(a)遷移金属触媒存在下で、中間体(2)を過剰量のギ酸アンモニウムと反応させて、中間体(3)を生じさせる工程;および
(b)カップリング剤および塩基の存在下で、中間体(3)を中間体(4)と反応させて、化学式(I)の化合物、またはその医薬上許容される塩または溶媒和物または立体異性体を生じさせる工程。
さらに、本発明は、新規の中間体(2)および(3)を提供する。
医薬組成物
化学式Iの化合物の結晶ハロゲン化物塩は、一般的には医薬組成物の形で患者に投与される。このような医薬組成物は、経口、直腸内、膣内、鼻腔内、吸入、局所(経皮など)、および非経口などがあるが、これらに限定されない投与方式など、任意の許容される投与経路によって投与することができる。
したがって、組成物の態様の一つにおいて、本発明は、医薬上許容される担体または賦形剤、および治療上有効な量の化学式Iの化合物のハロゲン化物塩を含む医薬組成物を対象としている。任意では、前記医薬組成物は、所望であれば、他の治療薬および/または処方剤を含むことも可能である。
本発明の医薬組成物は、典型的には、治療上有効な量の本発明に係る結晶塩を含む。典型的には、このような医薬組成物は、重量で約1%から約70%、例えば、重量で約5%から約60%の活性薬剤など、重量で約0.1から約95%の活性薬剤を含む。
従来からある担体または賦形剤を、本発明の医薬組成物で使用することができる。具体的な担体もしくは賦形剤、または担体もしくは賦形剤の組み合わせの選択は、具体的な患者または病状もしくは症状のタイプを治療するために使用されている投与方式に応じて決まる。ここで、具体的な投与方式に適した医薬組成物の調製は、医薬技術分野における当業者が適宜なしうることである。さらに、そのような組成物の成分は、例えば、Sigma, P.O. Box 14508, St. Louis, MO 63178から購入できる。さらなる具体例として、通常の製剤技術については、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, Lippincott Williams & White, Baltimore, Maryland (2000); and H.C. Ansel et al., Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 7th Edition, Lippincott Williams & White, Baltimore, Maryland (1999)に記載されている。
医薬上許容される担体として使用することができる材料の代表例は、(1)ラクトース、グルコース、およびスクロースなどの糖類;(2)コーンスターチおよびジャガイモデンプンなどのデンプン類;(3)微結晶性セルロースおよびその誘導体、例えば、カルボキシルメチル・セルロース・ナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロースなどのセルロース;(4)トラガカント粉末;(5)モルト;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)ココアバターおよび坐薬用ワックスなどの賦形剤;(9)ピーナッツオイル、綿実油、紅花油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、およびダイズ油などの油類;(10)プロピレングリコールなどのグリコール類;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール類;(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル類;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)発熱物質を含まない水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;および(21)その他医薬組成物で使用する非毒性の適合物質などであるが、これらに限定されない。
本発明の医薬組成物は、典型的には、本発明の化合物を、医薬上許容される担体および一種類以上の随意的な成分と十分によく混合または混和して調製する。必要に応じて、または所望であれば、得られた均一に混和された混合物を、通常の手順および装置を用いて、さらに錠剤、カプセル剤、丸薬などに形成または充填することができる。
本発明の医薬組成物は、好ましくは、単位用量形態に包装されている。「単位用量形態」という用語は、患者に服用させるのに適した物理的に分離されている単位、すなわち、各単位が、単独、または一種類以上の別の単位と組み合わせて所望の治療効果を生じさせるように計算された所定量の活性薬剤を含むことを意味する。例えば、このような単位用量形態は、カプセル剤、錠剤、丸薬などである。
好適な実施態様において、本発明の医薬組成物は経口投与に適している。経口投与に適した医薬組成物は、カプセル剤、錠剤、丸薬、トローチ剤、カシェ剤、糖衣錠、粉末剤、顆粒剤などの形態;または、水性液体中もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として;または、水中油型もしくは油中水型の乳剤として;または、エリキシル剤もしくはシロップ剤として;などであろうが、いずれも、所定量の本願発明化合物を活性成分として含む。
固形の剤形で(すなわち、カプセル剤、錠剤、丸薬などとして)経口投与しようとする場合、本願発明の医薬組成物は、一般的には、活性成分として本発明化合物を、かつ、クエン酸ナトリウムまたは第二リン酸カルシウムなど、一つ以上の医薬上許容される担体を含む。随意または代替的には、前記固形剤形は、下記のものを含むことも可能である:(1)充填剤または増量剤、例えば、デンプン、微結晶性セルロース、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸;(2)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、および/またはアラビアゴム;(3)保湿剤、例えば、グリセロール;(4)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカのデンプン、アルギン酸、一定のケイ酸、および/または炭酸ナトリウム;(5)溶液遅延剤(solution retarding agent)、例えば、パラフィン;(6)吸収促進剤、例えば、第四級アンモニウム化合物;(7)湿潤剤、例えば、セチルアルコールおよび/またはグリセロールモノステアレート;(8)吸収剤、例えば、カオリンおよび/またはベントナイト粘土;(9)潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、および/またはこれらの混合物;(10)着色剤;および(11)緩衝剤。
離型剤、湿潤剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、保存剤、および抗酸化剤も、本発明の医薬組成物の中に存在していてもよい。医薬上許容される抗酸化剤の例には、(1)水溶性抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど;(2)油溶性抗酸化剤、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ−トコフェロールなど;および(3)金属キレート剤、例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などが含まれる。カプセル剤、錠剤、丸薬などのコーティング剤には、腸溶コーティングに使用されるもの、例えば、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸フタル酸ポリビニル(PVAP)、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース・フタレート、メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)などがある。
所望であれば、本発明の医薬組成物は、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースをさまざまな比率で用いたり、または他のポリマー基質、リポソーム、および/またはミクロスフェアを用いたりして、活性成分が持続放出または制御放出されるように調剤することもできる。
また、本発明の医薬組成物は、随意で乳白剤を含むことができ、また、専らまたは優先的に胃腸管の一定の位置で、活性成分を随意には遅延して放出するよう処方することもできる。使用可能な包埋組成物の例は、ポリマー物質およびワックスである。活性成分は、適当であれば、上記賦形剤の一つ以上のものとともにマイクロカプセル化形態にすることもできる。
経口投与に適した液体剤形には、例えば、医薬上許容される乳剤、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、エリキシルなどがある。このような液体剤形は、一般的に、活性成分および不活性希釈剤、例えば、水またはその他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油類(特に綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、およびこれらの混合物を含む。懸濁液は、活性成分の他、懸濁化剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、およびトラガカント、ならびにそれらの混合物などを含むことが可能である。
あるいは、本発明の医薬組成物は、吸入によって投与できるよう処方される。吸入によって投与するのに適した医薬組成物は、典型的には、エアロゾルまたは粉末の形になっていよう。このような組成物は、通常、周知の送達装置、例えば、定量吸入器、乾燥粉末吸入器、噴霧器、または同様の送達装置などを用いて投与される。
加圧容器を用いて吸入によって投与されるとき、本発明の医薬組成物は、典型的には、活性成分と適当な推進剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロメタン、二酸化炭素、またはその他適当なガスを含む。
さらに、この医薬組成物は、本発明の化合物、および粉末吸入器で使用するのに適した粉末を含む(例えば、ゼラチンで作られた)カプセルまたはカートリッジの形態にすることもできる。適当な粉末基剤は、例えば、ラクトースまたはデンプンなどである。
本発明の化合物は、既知の経皮送達系および賦形剤を用いて経皮投与することもできる。例えば、本発明の化合物を、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノラウレート、アザシクロアルカン−2−オンなどの透過促進剤と混和して、パッチまたは同様の送達系に取り込ませることができる。ゲル化剤、乳化剤、および緩衝剤など、さらに別の賦形剤を、所望であれば、前記経皮組成物で使用することができる。以下の処方は、本発明の代表的な医薬組成物を例示するものである。
処方例A
経口投与用のハードゼラチンカプセル剤を以下の通りに処方する:
成分 量
本発明の塩 50 mg
ラクトース(噴霧乾燥物) 200 mg
ステアリン酸マグネシウム 10 mg。
手順例:成分を十分に混合してから、ハードゼラチンカプセルに充填する(カプセル1個当り260mg)。
処方例B
経口投与用のハードゼラチンカプセル剤を以下の通りに処方する:
成分 量
本発明の塩 20 mg
デンプン 89 mg
微結晶性セルロース 89 mg
ステアリン酸マグネシウム 2 mg。
手順例:成分を十分に混合してから、45番メッシュのU.S.シーブ(U.S. sieve)で篩いハードゼラチンカプセルに充填する(カプセル1個当り200mg)。
処方例C
経口投与用のカプセル剤を以下の通りに処方する:
成分 量
本発明の塩 10 mg
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート 50 mg
デンプン粉末 250 mg。
手順例:成分を十分に混合してから、ゼラチンカプセルに充填する(カプセル1個当り310mg)。
処方例D
経口投与用の錠剤を以下の通りに処方する:
成分 量
本発明の塩 5 mg
デンプン 50 mg
微結晶性セルロース 35 mg
ポリビニルピロリドン(水中10重量%) 4 mg
デンプングリコール酸ナトリウム 4.5 mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5 mg
タルク 1 mg。
手順例:活性成分、デンプンおよびセルロースを45番メッシュのU.S.シーブで篩い、十分に混合する。ポリビニルピロリドンの溶液を得られた粉末と混合し、次に、この混合物を14番メッシュのU.S.シーブで篩う。こうしてできた顆粒を50〜60℃で乾燥させて、18番メッシュのU.S.シーブで篩う。次に、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウムおよびタルク(事前に60番メッシュのU.S.シーブで篩っておいたもの)を顆粒に加える。混合した後、混合物を錠剤機で圧縮して100mgの重さの錠剤とする。
処方例E
経口投与用の錠剤を以下の通りに処方する:
成分 量
本発明の塩 25 mg
微結晶性セルロース 400 mg
二酸化ケイ素(ヒュームド) 10 mg
ステアリン酸 5 mg。
手順例:成分を十分に混合してから圧縮して錠剤とする(1錠当り440mgの組成物)。
処方例F
経口投与用の一割線入り錠剤を以下の通りに処方する。
成分 量
本発明の塩 15 mg
コーンスターチ 50 mg
クロスカルメロースナトリウム 25 mg
ラクトース 120 mg
ステアリン酸マグネシウム 5 mg。
手順例:成分を十分に混合してから圧縮して一割線入り錠剤とする(1錠当り215mgの組成物)。
処方例G
経口投与用の懸濁液を以下の通りに処方する。
成分 量
本発明の塩 0.1 g
フマル酸 0.5 g
塩化ナトリウム 2.0 g
メチルパラベン 0.15 g
プロピルパラベン 0.05 g
グラニュー糖 25.5 g
ソルビトール(70%溶液) 12.85 g
Veegum k(Vanderbilt Co.) 1.0 g
香料 0.035 mL
着色料 0.5 mg
蒸留水 適量で100 mLに。
手順例:成分を十分に混合して、懸濁液10mL当り10mgの活性成分を含む懸濁液とする。
処方例H
吸入により投与するための乾燥粉末剤を以下の通りに処方する。
成分 量
本発明の塩 1.0 mg
ラクトース 25 mg。
手順例:活性成分を微粉末化した後、ラクトースと混合する。次に、この混合物をゼラチン製吸入カートリッジに充填する。カートリッジの内容物は、粉末吸入器を用いて投与される。
処方例I
吸入により投与するための定量吸入器入り乾燥粉末剤は以下の通りに処方する。
手順例:平均サイズが10μmよりも小さい微粉末化された10gの活性化合物を、0.2gのレシチンを200mLの脱塩水に溶解させて作製した溶液中に分散させて、5重量%の本発明に係る塩と0.1重量%のレシチンを含む懸濁液を調製する。この懸濁液を噴霧乾燥させ、得られた物質を1.5μmよりも小さい平均直径をもつ粒子に微粉末化させる。この粒子を、加圧1,1,1,2−テトラフルオロエタンを含むカートリッジの中に充填する。
処方例J
注射用製剤を以下の通りに処方する。
成分 量
本発明の塩 0.2 g
酢酸ナトリウム緩衝溶液(0.4M) 40 mL
HCl(0.5 N)またはNaOH(0.5N) 適量でpH4に
水(蒸留、滅菌) 適量で20 mLに。
手順例:上記成分を混合し、0.5N HClまたは0.5N NaOHを用いてpHを4±0.5に調整する。
処方例K
経口投与用のカプセル剤を以下の通りに処方する。
成分 量
本発明の塩 4.05 mg
微結晶性セルロース(Avicel PH 103) 259.2 mg
ステアリン酸マグネシウム 0.75 mg。
手順例:成分を十分に混合してから、ゼラチンカプセル(サイズ番号:1、白色、不透明)に充填する(1カプセル当り264mg)。
処方例L
経口投与用のカプセル剤を以下の通りに処方する。
成分 量
本発明の塩 8.2 mg
微結晶性セルロース(Avicel PH 103) 139.05 mg
ステアリン酸マグネシウム 0.75 mg。
手順例:成分を十分に混合してから、ゼラチンカプセル(サイズ番号:1、白色、不透明)に充填する(1カプセル当り148mg)。
有用性
化学式Iの化合物、すなわち1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドは5−HTレセプターアゴニストであるため、化学式Iの化合物の本結晶ハロゲン化物塩の形態で、5−HTレセプター活性が介在するか、5−HTレセプター活性が関係する病状、すなわち、5−HTレセプターアゴニストで治療することによって改善される病状を治療するのに有用であると期待されている。前記症状には、過敏性腸症候群(IBS)、慢性の便秘、機能性消化不良、胃内容排出遅延、胃食道逆流性疾患(GERD)、胃不全麻痺、糖尿病性胃不全麻痺および特発性胃不全麻痺、術後イレウス、腸偽閉塞、および薬剤誘発性通過遅延(drug−induced delayed transit)があるが、これらに限定されない。また、5−HTレセプターアゴニスト化合物には、認知障害、行動障害、気分障害、および自律機能の調節障害などの中枢神経系障害の治療に使用できるものもあることが示唆されてきた。
特に、本発明の塩類は、胃腸(GI)管の運動を増加させるため、ヒトを含む哺乳動物の運動低下によるGI管の障害を治療するのに有用であると期待されている。このようなGI運動障害を例示すれば、慢性便秘、便秘を主症状とする過敏性腸症候群(C−IBS)、糖尿病性胃不全麻痺および特発性胃不全麻痺、および機能性消化不良などがある。
したがって、一つの態様において、本発明は、哺乳動物の胃腸管の運動を増加させる方法であって、医薬上許容される担体および本発明の結晶塩を含む、治療上有効な量の医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。
GI管の運動低下障害、または5−HTレセプターによってもたらされるその他の症状を治療するために使用する場合、典型的には、本発明の塩類を一日に一回、または一日に複数回経口で投与するが、他の投与形態を用いることもできる。一用量当りの活性薬剤の量または一日に投与される全量は、典型的には、治療すべき症状、選択された投与経路、実際に投与される化合物およびその相対活量、各患者の年齢、体重、および反応、ならびに患者の症状の重篤度などを見て医師が決定すべきである。
GI管の運動低下障害、または5−HTレセプターによってもたらされるその他の症状を治療するのに適した用量は、活性薬剤が約0.0007から約1mg/kg/日など、約0.0007から約20mg/kg/日という範囲にあると思われる。平均70kgのヒトでは、この量は、一日当りの活性薬剤が約0.05から約70mgということになろう。
本発明の一つの態様において、本発明の塩類を用いて慢性の便秘を治療する。慢性の便秘を治療するために使用する場合、典型的には、本発明の塩類を一日に一回、または一日に複数回経口で投与する。慢性の便秘を治療するための用量は、一日当り約0.05から約70mgの範囲であると思われる。
本発明の別の態様において、本発明の塩類を用いて過敏性腸症候群を治療する。便秘を主症状とする過敏性腸症候群を治療するために使用する場合、典型的には、本発明の塩類を一日に一回、または一日に複数回経口で投与する。便秘を主症状とする過敏性腸症候群を治療するための用量は、一日当り約0.05から約70mgの範囲であると思われる。
本発明の別の態様において、本発明の塩類を用いて糖尿病性胃不全麻痺および特発性胃不全麻痺を治療する。糖尿病性胃不全麻痺および特発性胃不全麻痺を治療するために使用する場合、典型的には、本発明の塩類を一日に一回、または一日に複数回経口で投与する。糖尿病性胃不全麻痺を治療するための用量は、一日当り約0.05から約70mgの範囲であると思われる。
さらに本発明の別の態様において、本発明の塩類を用いて機能性消化不良を治療する。機能性消化不良を治療するために使用する場合、典型的には、本発明の化合物類を一日に一回、または一日に複数回経口で投与する。機能性消化不良を治療するための用量は、一日当り約0.05から約70mgの範囲であると思われる。
また、本発明は、5−HTレセプター活性に関連する病気または症状を有する哺乳動物を治療する方法であって、治療上有効な量の本発明の塩または本発明の塩を含む医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む方法も提供する。
上記したように、本発明の塩類は5−HTレセプターアゴニストである。したがって、本発明はさらに、哺乳動物において5−HTレセプターを刺激する方法を提供する。
当業者に周知されているさまざまなインビトロおよびインビボのアッセイ法を用いて、本発明のハロゲン化物塩の特性および有用性を実証することができる。アッセイ法の代表例を以下の実施例でさらに詳しく説明する。
以下の合成例および生物学的実施例は、本発明を例証するために提示するものであって、いかなる意味においても、本発明の範囲を制限するものと解すべきではない。以下の実施例では、別段の記載がない限り、以下の略語は以下の通りの意味をもつ。以下で定義されていない略語は、通常に認知されている意味を有する:
Boc=tert−ブトキシカルボニル
(BOC)O=ジ−tert−ブチルジカルボネート
DCM=ジクロロメタン
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
EtOAc=酢酸エチル
mCPBA=m−クロロ安息香酸
MeCN=アセトニトリル
MTBE=tert−ブチルメチルエーテル
PyBop=ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
=保持因子
RT=室温
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン。
試薬(第2級アミンを含む)および溶媒は、商業的供給業者から購入し(Aldrich,Fluka,Sigmaなど)、それ以上精製を行うことなく使用した。反応は、別段の記載がない限り窒素雰囲気下で行った。反応混合液の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)、解析用高速液体クロマトグラフィー(anal.HPLC)、および質量分析によって測定したが、その詳細を下記に記載するとともに、反応の具体的な実施例において個別に説明する。反応混合液は、各反応で具体的に説明するようにして行った。すなわち、一般的には、抽出によって、また、温度依存的および溶媒依存的な結晶化法、ならびに沈殿法などの他の精製法によって精製した。さらに、反応混合液は分取用HPLCによって常に精製した。一般的なプロトコールを以下に記載する。反応生成物の特性解析を、常に質量分析とH−NMR分析によって行った。NMR測定では、試料を重水素化溶媒(CDOD、CDCl、またはDMSO−d)に溶解し、標準的な観察条件の下でVarian Gemini 2000機器(300MHz)によってH−NMRのスペクトルを得た。質量分析による化合物の同定は、Applied Biosystems社(Foster City, CA)のモデルAPI 150 EX機器またはAgilent社(Palo Alto, CA)のモデル1100 LC/MSD機器を用いて、エレクトロスプレーイオン化法(ESMS)によって行った。
分析用HPLCのための一般的プロトコール
粗化合物を50% MeCN/HO(含0.1%TFA)に溶かして、0.5〜1.0mg/mLの濃度にした上で、以下の条件を用いて分析した。
カラム:Zorbax Bonus−RP (粒子サイズ3.5μm、2.1×50 mm)
流速:0.5mL/分
検出装置の波長:214nm、254nm、および280nm。
分取用HPLC精製のための一般的プロトコール
粗化合物を水中50%の酢酸に溶かして、50〜100mg/mLの濃度にし、濾過した上で、以下の条件を用いて分画した。
カラム:YMC Pack−Pro Cl8(50a×20mm;ID=5μm)
流速:40mL/分
移動相:A=90%MeCN/10%HO/0.1%TFA
B=98%HO/2%MeCN/0.1%TFA
勾配:30分間で10%A/90%Bから50%A/50%B(線形)
検出装置の波長:214nm。
調製1:(1S,3R,5R)−3−アミノ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル
a.8−ベンジル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オンの調製法
濃塩酸(30mL)を、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン(82.2g、0.622mol)の不均一水溶液(170mL)に撹拌しながら加えた。
0℃(アイスバス)に冷却した別のフラスコの中で、濃塩酸(92mL)をベンジルアミン(100g、0.933mol)の水溶液(350mL)にゆっくりと加えた。2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン溶液を約20分間撹拌し、水(250mL)で希釈した後、ベンジルアミン溶液を加えて、1,3−アセトンジカルボン酸(100g、0.684mol)の水溶液(400mL)を加えた後、リン酸水素ナトリウム(44g、0.31mol)の水溶液(200mL)を加えた。40%NaOHを用いて、pHをpH1からpH約4.5に調整した。得られた濁った淡黄色の溶液を一晩撹拌した。つぎに、この溶液を、50%塩酸を用いて、pH7.5からpH3に酸性化してから、85℃まで加熱して2時間撹拌した。この溶液を室温まで冷却して、40%NaOHを用いてpH12まで塩基性化し、ジクロロメタンで抽出した(3×500mL)。結合した有機層を塩水で洗浄し、減圧下で乾燥(MgSO)、濾過、および濃縮して、標題の粗中間体を粘性のある茶色の油脂として生成させた。
この粗中間体のメタノール溶液(1000mL)にジ−tert−ブチルジカルボネート(74.6g、0.342mol)を0℃で加えた。この溶液を室温まで温めて、一晩撹拌した。減圧下でメタノールを除去し、得られた油脂をジクロロメタン(1000mL)に溶かした。中間体を1M HPO(1000mL)の中に抽出して、ジクロロメタンで洗浄した(3×250mL)。水層をNaOH水溶液でpH12まで塩基性化し、ジクロロメタンで抽出した(3×500mL)。結合した有機層を、減圧下で乾燥(MgSO)、濾過、および濃縮して、標題の粗中間体を粘性のある薄茶色の油脂として生成させた。H−NMR(CDCl)δ(ppm)7.5〜7.2(m、5H、C)、3.7(s、2H、CHPh)、3.45(broad s、2H、CH−NBn)、2.7〜2.6(dd、2H、CHCO)、2.2〜2.1(dd、2H、CHCO)、2.1〜2.0(m、2H、CHCH)、1.6(m、2H、CHCH)。(m/z):[M+H]計算値C1417NO 216.14;測定値 216.0。
b.3−オキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製法
8−ベンジル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オン(75g、0.348mol)のEtOAc溶液(300mL)に、ジ−tert−ブチルジカルボネート(83.6g、0.383mol、1.1eq)を加えた。得られた溶液および洗浄液(100mL EtOAc)を、23gの水酸化パラジウム(20重量%Pd、無水ベース、炭素上、水で約50%に湿ったもの;例えば、パールマン触媒)が入った1Lのパール水素添加容器に窒素気流下で加えた。この反応容器を脱ガスし(真空とNを5回交代させ)、Hガスで60psiに加圧する。この反応溶液を、シリカ薄層クロマトグラフィーで測定して反応が完了するまで、2日間振とうし、H圧を60psiに保つために必要であればHを再充填した。そして、黒色の溶液を、登録商標セライト(Celite)のパッドで濾過し、減圧下で濃縮して、標題の中間体を、粘性で黄色ないしオレンジ色の油脂として定量的に得た。これを、それ以上処理することなく、次の工程で使用した。H NMR(CDCl)δ(ppm)4.5(broad、2H、CH−NBoc)、2.7(broad、2H、CHCO)、2.4〜2.3(dd、2H、CHCH)、2.1(broad m、2H、CHCO)、1.7〜1.6(dd、2H、CHCH)、1.5(s、9H、(CHCOCON))。
c.(1S,3R,5R)−3−アミノ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製法
前工程の生成物(75.4g、0.335mol)のメタノール溶液(1L)に、ギ酸アンモニウム(422.5g、6.7mol)、水(115mL)、および活性炭上65gのパラジウム(無水ベースで10%、水で約50%に湿ったもの;デグサ(Degussa)型E101NE/W)を、N気流下で機械的に撹拌しながら加えた。24時間後と48時間後に、それぞれギ酸アンモニウム(132g、2.1mol)をさらに加えた。分析用HPLCで測定して、反応の進行が止まったところで、登録商標セライト(>500g)を加え、得られた濃厚な懸濁液を濾過した後、回収した固体をメタノール(約500mL)で洗浄した。濾液を混合し、メタノールがすべて除去されるまで減圧下で濃縮した。次に、得られた濁った二相溶液を、1Mリン酸で、最終容量がpH2.0で約1.5〜2.0Lになるように希釈して、ジクロロメタンで洗浄した(3×700mL)。水層を40%NaOH水溶液でpH12に塩基性化して、ジクロロメタンで抽出した(3×700mL)。結合した有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、回転蒸発、その後高真空によって濃縮したところ、52g(70%)の標題の中間体、すなわち一般的にはN−Boc−エンド−3−アミノトロパンが白色から淡黄色の固体として残留した。この生成物のエキソアミンに対するエンドアミンの異性体の割合は、H−NMR解析によれば99よりも大きかった(分析用HPLCによれば>96%純度)。H NMR(CDCl)δ(ppm)4.2〜4.0(broad d、2H、CHNBoc)、3.25(t、IH、CHNH)、2.1〜2.05(m、4H)、1.9(m、2H)、1.4(s、9H、(CHOCON)、1.2〜1.1(broad、2H). (m/z):[M+H]計算値C1222 227.18;測定値227.2。分析用HPLC(無勾配法;5分間で2:98(A:B)から90:10(A:B)):保持時間=2.14分。
調製2:1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸
メタノール(700mL)に懸濁したインダゾール−3−カルボン酸(40g、247mmol)に、混合液をゆっくりと撹拌しながら濃硫酸(10mL)を加えた。混合液を撹拌して、80℃で24時間還流した。この混合液を冷却し、濾過し、減圧下で濃縮して、淡黄色の固体を生じさせた。この固体を水(700mL)に懸濁し、細かい粉末になるまで破砕し、濾過して回収し、水(約400mL)で洗浄した。生成物をトルエンに懸濁して、減圧下で乾燥するまで蒸発させて、インダゾール−3−カルボン酸メチルエステルを淡黄色の固体として生じさせた(45g、>95%純度)。(m/z):[M+H]計算値C 177.07;測定値177.0. H−NMR (CDOD、300 MHz): δ (ppm) 8.0 (IH、d)、7.5 (IH、d)、7.4 (IH、t)、7.2 (IH、t)、3.9 (3H、s)。
アイスバスで冷却したインダゾール−3−カルボン酸メチルエステル溶液(40.7g、231mmol)の無水テトラヒドロフラン(700mL)に、固体のカリウムtert−ブトキシド(28.3g、252mmol)をゆっくりと加えた。この混合液を同じ温度で1時間撹拌してから、2−ヨードドプロパン(iododopropane)(34.4mL、367mmol)を加えた。最終混合液を室温で12時間撹拌し、12時間還流した。室温まで冷却した後、混合液を濾過し、回収した固体をテトラヒドロフラン(100mL)で洗浄した。濾液を合わせ、減圧下で乾燥するまで濃縮して粗1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸メチルエステル(49.7g)を淡黄色の油脂として生じさせた。この粗製物質をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、ヘキサン/酢酸エチル(9/1から3/1)で溶出して1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸メチルエステル(43g、197mmol、>99%純度)を得た。H−NMR(CDOD、300MHz):δ(ppm)8.1〜8.0(IH、d)、7.6(IH、d)、7.4(IH、t)、7.2(IH、t)、5.0(1H、quin)、3.9(s、3H)、1.5 (6H、d)。
テトラヒドロフラン(400mL)に溶かしたメチルエステルの溶液に、1M NaOH(400mL)を加えた。この混合液を室温で24時間撹拌した。酢酸エチルで洗浄して(2×400mL)反応を終結させ、水層を保存した。アイスバス中で濃塩酸(約40mL)をゆっくりと加えて、この水層を酸性化して、淡黄色の油性生成物を分離した。この生成物を酢酸エチル(1000mL)で抽出し、有機層をMgSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させて、標題の中間体を淡黄色から白色の固体として回収し(34g、>98%純度)、さらに酢酸エチルから結晶化して精製し、標題の中間体を無色の針状結晶として生じさせた。
(m/z):[M+Na]計算値C1112 226.07;測定値226.6。H−NMR(CDOD、300MHz):):δ(ppm)8.1〜8.0(1H、d)、7.6(1H、d)、7.4(1H、t)、7.2(1H、t)、5.0(1H、quin)、1.5(6H、d)。
実施例1A:1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドジヒドロクロリドの合成法
a.(1S,3R,5R)−3−[1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボニル]アミノ]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製法
磁気撹拌子、還流冷却器、付加用漏斗、窒素の入り口、および温度計を備え付けた5Lの三首丸底フラスコに1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸(250g、1.224mol、1.1eq)と2.5Lのトルエンを入れた。得られた懸濁液を撹拌し、70〜80℃で加熱した。この懸濁液に、40分間かけて塩化チオニル(218.4g、1.836mol、1.65eq)を加えた。混合液を1時間90〜100℃で加熱し、25℃まで冷却した。
機械的撹拌子、付加用漏斗、窒素の取り入れ口、および温度計を備え付けた別の12Lの三首丸底フラスコに2.5Lのトルエンおよび3NのNaOH(356gの50%NaOHを水で1.48Lに希釈して調製したもの)、ならびに(1S,3R,5R)−3−アミノ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル(251.9g、1.113モル、1eq)を入れた。得られた懸濁液を23℃で10分間撹拌して、5℃に冷却した。この懸濁液に、内部温度を添加している間約5℃に保ちつつ90分間かけて酸塩化物のトルエン溶液を加えた。この混合液を30分間撹拌した。反応液を25℃に温めて、水層を捨てた(1.58L、pH>13)。有機層を1Lの20重量%塩水で洗浄してから、水層を捨てた(1.005L、約pH8)。有機層を集め(5.3L)、容量を半分(約2.6L)になるまで濃縮して、精製せずに次の工程で使用した。
b.1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドの調製法
機械的撹拌子、付加用漏斗、窒素の取り入れ口、および温度計を備え付けた12Lの三首丸底フラスコに前記工程の生成物を入れた。この溶液に、トリフルオロ酢酸(0.65L)を10分間かけて加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。
この反応混合液に水(3.3L)を加えた。得られた懸濁液を23℃で10分間撹拌してから静置し、3層の混合物を形成させた。上の2層を捨て、最下層(820mL)を集めて、MTBE(6560mL)を90分かけて加えた。得られた懸濁液を5℃に冷却して1時間撹拌した。この懸濁液を濾過し、濡れた濾塊をMTBE(500mL)で洗浄し、減圧(80mmHg)下で60分間乾燥させて標題の中間体(386g、81%收率、HPLCによると99.2%純度)をオフホワイトの砂状の固体として得た。
c.1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−(2,2−ジメトキシエチル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドの調製法
磁気撹拌子、窒素の取り入れ口、および温度計を備え付けた3Lの三首丸底フラスコに前記工程の生成物(84g、0.197mol)、ジクロロメタン(840mL)、およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(62.6g,0.295mol)を入れた。得られた懸濁液を10分間撹拌し、10℃に冷却して、60重量%の含水ジメトキシアセトアルデヒド(51.3g、0.295mol)を加えた。この溶液を30分間撹拌して、25℃に温めて1時間撹拌した。この混合液をセライトで濾過し、ジクロロメタン(150mL)で、次いで5重量%の塩溶液(400g)で洗浄した。水層および有機層を分離させて、有機層を黒い油脂(約150mL)になるまで濃縮し、精製することなく次の工程で使用した。
d.1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−(2,2−ジヒドロキシエチル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドの調製法
磁気撹拌子、窒素の取り入れ口、および温度計を備え付けた1Lの三首丸底フラスコに前記工程の生成物および水(250mL)を入れ、50〜55℃に加熱した。この溶液に、3N HCl(82mL、0.985mol)を加えた。得られた混合液を75℃で1時間撹拌した。この反応混合液を25℃に冷却して、25重量%NaOH(159g、0.99mol)でpH3.51まで中和した。約20分後、低層を回収して(120mL)、標題の中間体を生じさせ、精製することなく次の工程で使用した。
e.1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドジヒドロクロリドの合成法
磁気撹拌子、窒素の取り入れ口、および温度計を備え付けた3Lの三首丸底フラスコに前ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(84g,0.349mol)およびジクロロメタン(800mL)を入れた。得られた混合液を75℃で撹拌して、1−アセチルピペラジン(51g、0.394mol)を入れた。この付加集合体をジクロロメタン(30mL)で洗浄した。混合液を5分間撹拌して、内部温度を25℃よりも低く保ちつつ、前記工程の生成物(約120mL)15分間で充填した。この混合液を15分間撹拌し、セライトで濾過し、ジクロロメタンで洗浄した(2×100mL)。この濾液を1N NaOH(500mL)で洗浄した。各層を分離させて、低層の有機層を回収して約150mLになるまで濃縮した。
無水エタノール(250mL)を加えて、混合液を約200mLまで濃縮した。この混合液に無水エタノール(800mL)を加えて、混合液を40℃に加熱した。この混合液に3N HCl(33mL、0.395mol)を3分間で加えた。この混合液を10分間撹拌したところ、結晶化が開始した。得られた懸濁液を55℃で2時間撹拌し、25℃に冷却した。この混合液をWhatmanの#2フィルターで濾過し、濡れた濾塊を無水エタノールで洗浄した(2×100mL)。生成物を窒素下で30分間乾燥させ、次いで真空下、40〜50℃で24時間乾燥させて標題の化合物を生じさせた(82g)。
実施例1B:1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドジヒドロクロリドの代替的合成法
a.(1R,5S)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オンの調製法
濃塩酸(50mL)を2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン(490.2mL、3.78mol)の水溶液(1200mL)に加えた。得られた黄色の溶液を約70〜72℃で2時間撹拌した。
1−(2−アミノエチル)ピペラジン(546.4mL、4.16mol、1.1equiv.)を、15℃で水(3700ml)に溶かした酢酸ナトリウム(1225.5g)の溶液に加えた。濃塩酸(350mL)を、内部温度を25℃よりも低い状態に維持しながらゆっくりと加えた。この混合液を15℃に冷却した後、3−オキソペンタン二酸(607.8g、4.16mol)を加えて、この溶液の温度を再び15℃に冷却した。上で調製した黄色の水溶液を約10分間かけてゆっくりと加え、得られた黄色の混合液を、二酸化炭素の発生が緩慢になるまで、約20℃で約30分間撹拌した。この混合液を40〜45℃で2時間撹拌すると、反応混合液の色が暗褐色に変化した。
この混合液を約15℃に冷却した。含水水酸化ナトリウム(50%、約470mL)を、温度を25℃よりも低く維持しつつ、pH13になるまで何回かに分けて加えた。塩化ナトリウム(600g)を加えて、完全に溶解するまで混合液を撹拌した。生成物をジクロロメタン(1×2000mL、2×1500mL)で抽出した。結合した有機相を乾燥させ、濾過して、溶液を2500mLまで濃縮した。
濃縮した溶液を15℃に冷却し、温度を25℃よりも低く維持しつつ、無水酢酸(500mL)をゆっくりと加えた。この溶液を30分間撹拌して、15℃で水(1500mL)を加えた。この混合液を10分間撹拌してから、1M塩酸を用いてpH1まで酸性化した。
DCM相と水相を分離させた。ガスクロマトグラフィー分析によって、DCM相には生成物が残っていないことが明らかになった。内部温度を25℃よりも低い状態に維持しながら、水相水酸化ナトリウム(水中50%、約500mL)を少しずつ加えて、水相をpH14に塩基性化させた。生成物をDCMで抽出し(3×1500mL)、回収した有機相(暗褐色)をまとめ、乾燥させ、セライトで濾過し、蒸留して標題の粗製中間体を粘性のある茶色の油脂として生じさせた(650g、94%純度)。H NMR(CDCl、300MHz)δppm:3.65(t、2H)、3.56(m、2H)、3.48(t、2H)、2.78〜2.47(m、10H)、2.23〜2.02(m、4H)、2.10(m、3H)、1.61(m、2H);13C NMR(CDCl、75MHz)δppm:209.81、168.90、59.10、57.83、53.83、53.22、48.01、47.40、46.19、41.30、27.80、21.28。
b.(1R,5S)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オン1,5−ナフタレン−ジスルホン酸塩の調製法
前記工程の粗生成物(31.0g、0.111mol)を室温でイソプロピルアルコール(100mL)に溶かした。この溶液を約60℃に加熱して、イソプロピルアルコール(70mL)に溶かした1,5−ナフタレン−ジスルホン酸四水和物を、撹拌しながら1時間かけてゆっくりと加えた。酸の添加を完了した後、添加用漏斗をイソプロピルアルコール(50mL)で洗浄した。この混合液を約60℃で1時間撹拌してから、室温まで冷却し、また15時間撹拌した。混合液を濾過し、得られた濾塊をイソプロピルアルコール(2×50mL)で洗浄し、濾紙の上に30分間置いた。そして、この生成物をフラスコに移して、高真空下で24時間乾燥させて、標題の塩をベージュ色の結晶性無含水物質(51.7g)として生じさせた。H NMR(DO、300MHz)δ ppm:8.84(d、2H)、8.20(d、2H)、7.73(t、2H)、4.23(br s、2H)、3.74(m、4H)、3.62(s、4H)、3.32(m、4H)、3.32〜2.98(m、2H)、2.58(d、2H)、2.27(m、2H)、2.07(s、3H)、1.97(d、2H)。
c.(1R,5S)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オン(遊離塩基)の調製法
5℃に冷却した(1R,5S)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オン1,5−ナフタレン−ジスルホン酸塩(51.6g)の水溶液(500mL)を撹拌して、含水水酸化ナトリウム(50%)を、温度を15℃よりも低く維持しつつ、pH14になるまで塩基化した。DCM(300mL)を加え、形成されたエマルジョンをセライトで濾過した。層を分離して、水層をDCMで洗浄した(3×100mL)。まとめた有機相を24時間乾燥させて、標題の中間体(23.3g、塩に基づくと93%の收率)を生じさせた。
d.1−{4−[2−((1R,3R,5S)−3−アミノ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル)エチル]ピペラジン−1−イル}エタノンの調製法
前記工程に記載した通りに調製された(1R,5S)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オン(58.2g、0.209mol)を室温でメタノール(300mL)に溶かした。この溶液に、ギ酸アンモニウム(63.1g、4.17mol、20equiv.)を加え、その後、メタノール(100mL)および水(85mL)を加えた。パラジウム(活性炭上で湿潤10%パラジウム、58g)をこの混合液に加え、その後メタノール(150mL)を加えた。ガスクロマトグラフィー分析によってケトンが完全に変換したことが示すまで、この反応混合液を室温で20時間撹拌した。この反応混合液をセライトで濾過し、得られた濾塊をメタノール(約700mL)で洗浄して溶媒を除去した。残留物を水(300mL)に溶かし、この溶液を5℃まで冷却し、50%水酸化ナトリウムを用いてpH14まで塩基性化した。この溶液を塩化ナトリウムで飽和させ、生成物をDCM(400mL)で抽出した。水相をDCM(3×150mL)で洗浄した。まとめた有機物画分を高真空下で24時間乾燥させて、粘性のあるうす茶色の油脂として標題の中間体を生じさせた(43g、91%純度)。H NMR(CDCl、300MHz)δppm:3.61(t、2H)、3.46(t、2H)、3.23(t、1H)、3.18(m、2H)、2.47(m、8H)、2.14〜1.93(m、6H)、2.08(s、3H)、1.41(d、2H)、1.40(br s、2H);13C NMR (CDCl、75MHz)δppm:168.79、58.87、57.36、53.69、53.35、53.12、49.41、46.13、42.65、41.22、38.47、26.39、21.22。
e.1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミド(遊離塩基)の調製法
1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸(21.16g、0.104mol)を室温でアセトニトリル(150mL)に懸濁した。この混合液を5℃に冷却して、トリエチレンアミン(17.4mL、0.124mol、1.2equiv.)を加えて、清澄な黄色い溶液を生じさせた。この混合液を10分間撹拌し、温度を10℃よりも低く維持しつつ、1−{4−[2−((1R,3R,5S)−3−アミノ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)エチル]ピペラジン−1−イル}エタノンのアセトニトリル(150mL)中の溶液を何回かに分けて加えた。10分間撹拌した後、アセトニトリル(150mL)に溶かしたPyBOP(54.97g、0.106mol、1.02equiv.)を、内部温度を15℃よりも低く維持しつつ、何回かに分けて加えた。清澄な薄茶色の溶液を5℃で30分間撹拌し、ゆっくりと温度を上げながら、室温で約2時間撹拌したところ、その時点でガスクロマトグラフィー分析によって完全な変換が示された。反応混合液を酢酸イソプロピル(350mL)で希釈し、生成物を1M塩酸(400mL)で抽出した。2層を分離した後、有機層を1M塩酸で洗浄した(3×100mL)。生成物が完全に抽出されたことを確認するために分析を行った(残留は2%未満であった)。水相をまとめたものをアイスバスで5℃に冷却し、50%含水水酸化ナトリウムを用いてpH13まで塩基性化した。塩化ナトリウムで飽和させた後、生成物をDCM(500mL)で抽出した。水相をDCM(2×100mL)で洗浄した。まとめた有機相を高真空下で24時間乾燥させて、標題の化合物を生じさせた(41.5g、92%純度)。
f.1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドジヒドロクロリドの合成法
1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドの遊離塩基を35℃でエタノール(240mL)に溶かした。この混合液を35〜40℃(内部)に温めて、内部の温度を35℃から45℃に維持できる速度で濃塩酸(14.3mL、2equiv.)を一滴ずつ加えた。濃塩酸の添加が終ったところで、実施例1Aに記載した通りに調製された以前の小規模合成物に由来する種結晶を添加したところ沈殿が生じた。この混合液を35〜40℃で1時間撹拌し、ゆっくりと冷却してから、室温でさらに1時間撹拌して、N加圧濾過によって塩を単離した。得られた濾塊をエタノールで洗浄し(3×20mL)、高真空下で24時間乾燥させて、標題の化合物を白色の固体として生じさせた(31.0g、70%收率)。HPLC分析では99.2%の純度であり、エキソ異性体は0.1%未満であった。H NMR(DO、300MHz)δppm:7.86(d、1H)、7.46 (d、1H)、7.30(t、1H)、7.15(t、1H)、4.80(sep、1H)、4.13(m、3H)、3.86(m、4H)、3.70(m、2H)、3.57〜3.40(m、6H)、2.55〜2.49(m、2H)、2.42〜2.28(m、6H)、2.12(s、3H)、1.42(d、6H)。
実施例2:1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドジヒドロブロミドの合成法
磁気撹拌子、窒素の取り入れ口、および温度計を備え付けた500mLの三首丸底フラスコに水(120mL)と、実施例1Aのとおりに調製した1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドジヒドロクロリド(12g、22.2mmol)を入れた。得られた混合液を撹拌して淡黄色の清澄な溶液を生じさせた。この溶液に、25重量%のNaOH(7.83g、24.4mmol)を2分間で加えて、白色のミルク状懸濁液を生じさせた。ジクロロメタン(120mL)を加え、この混合液を30分間撹拌して清澄な2層溶液を生じさせた。これらの層を分離して、水層(113mL)と有機層(125mL)とし、10%含水NaBr(120mL)で洗浄した。これらの層を分離して、約4分の1の量に濃縮された有機層(120mL)を得た。無水エタノール(250mL)を加え、混合液を蒸留して全部で約200mLの容量にした。この溶液を58℃で撹拌して、48重量%の含水HBr(8.2g、49mmol)を2分間で加えた。半分以上のHBrを加えたところで沈殿が観察された。この混合液を55℃から62℃で1時間撹拌し、その後室温まで冷却して濾過した。濾液を無水エタノール(40mL)で洗浄し、窒素下で20分間乾燥させ、真空下45℃で48時間乾燥させて、白色の固体として標題の化合物(13.42g)を得た。
実施例3〜8:本発明の塩類の特性
実施例1のごとく調製した1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドの結晶ジヒドロクロリド塩の試料、および実施例2のごとく調製した1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドの結晶ジヒドロブロミド塩の試料を粉末x線回折法(PXRD)、示差走査熱量測定法(DSC)、熱重量分析法(TGA)、赤外分光法(IR)、および元素分析によって解析した。
実施例3:粉末x線回折法
テルモARL X線回折計モデルX‘TRA(Thermo ARL SA, Switzerland)により、Si(Li)固体検出器による1.542Å(45kV、40mA)でのCu Kα照射を用いて粉末x線回折のパターンを得た。この解析は、典型的には、2θ角度において2から30°の範囲にわたって1点あたり0.03°のステップサイズを用い、2°/分のスキャン速度で行われた。試料は、受け取った時のままであっても、微粉末に破砕したものであっても、解析のために機器に上乗せする試料カップに合うよう設計された小容量の挿入物の中にそっと袋詰めした。シリコン金属標準(silicon metal standard)と比較することにより、±0.02°2θ角度の範囲内での機器較正を毎週確認した。結晶ジヒドロクロリドの試料、結晶ジヒドロブロミドの試料、および本発明のジヒドロクロリド塩の水和物の試料についての代表的なPXRDパターンをそれぞれ図1、3、および7に示す。
実施例4:熱分析法
TA機器モデルQ−100モジュールを用いて示差走査熱量測定(DSC)を行った。Qシリーズ(商標)のソフトウエアにはTA機器Thermal Advantageを用いてデータを収集し解析した。約1〜2mgの試料を正確に計量してアルミニウム製の蓋付き鍋に入れた。この試料を、室温から225℃以上まで5℃/分の直線的な加熱勾配を用いて評価した。DSCのセルは、使用中、乾燥窒素でパージした。本発明の結晶ジヒドロクロリド塩および結晶ジヒドロブロミド塩の試料の代表的なDSC波形を、それぞれ図2および4に示す。
熱重量分析(TGA)は、TA機器モデルQ−500モジュールを用いて行った。Qシリーズ(商標)のソフトウエアにはTA機器Thermal Advantageを用いてデータを収集し解析した。約1〜2mgの試料を計量して、プラチナ製クレードルに載せたアルミニウム製の鍋に入れて、2℃/分または5℃/分の直線的な加熱速度で室温から275℃までを走査した。天秤室と炉室は、使用中、乾燥窒素でパージした。本発明の結晶ジヒドロクロリド塩および結晶ジヒドロブロミド塩の試料の代表的なTGA波形も、それぞれ図2および4に示す。
図2のDSC波形は、本発明のジヒドロクロリド塩が、約230℃から約275℃の範囲で吸熱性熱流が最大となり、非常に熱安定的であり、約200℃未満では顕著な熱イベントは起こらないことを実証している。DSCとTGAの波形を比較すると、本発明のジヒドロクロリド塩は、約180〜200℃を超えた温度で融解と分解を同時に受けることを示している。
実施例5:動的水分吸着アセスメント法
動的水分吸着(DMS)アセスメントを、大気圧下で行うVTI微量天秤であるSGA−100装置(VTI Corp.,Hialeah,FL33016)を用いて25℃で行った。約5〜10mgという試料サイズを用い、湿度は、分析開始時に大気の値に設定した。典型的なDMS分析は、3種類の走査から成り立っている。すなわち、5%RH/ステップの走査速度で、大気から2%相対湿度(RH)、2%RHから90%RH、90%RHから5%RH。2分おきに質量を測定し、試料の質量が5連続点で0.01%以内に安定しているとき、RHを次の値(±5%RH)に変更した。本発明の結晶ジヒドロクロリド塩および結晶ジヒドロブロミド塩の試料の代表的なDMS波形を、それぞれ図5および6に示す。
実施例6:赤外分光法
Nicolet減衰全反射(ATR)試料保持器を備えたAvatar360FT−IR分光計を用いて、4000から675cm−1の周波数帯域にわたる赤外線(IR)吸収スペクトルを測定した。本発明の結晶ジヒドロクロリド塩試料の代表的なIR吸収スペクトルは、753±l、986±1、1086±l、1197±1、1267±1、1281±1、1437±1、1488±1、1522±1、1638±1、1664±1、および2416±1cm−1のところに顕著な吸収バンドがあった。
実施例7:固体安定性アセスメント法
本発明の結晶ジヒドロクロリド塩の試料を、それぞれ約100mgずつ、テフロン(登録商標)を内張した蓋をもつ複数の4mLガラス製バイアルの中に入れ、開放した容器および閉鎖した容器の中、25℃で60%相対湿度(RH)および40℃で75%RHにて保存した。特定の間隔で、見本となるバイアルを取り出して、カール・フィッシャー法により水分含量を分析し、また以下のHPLC法によって分析を行った:
カラム:Agilent Zorbax Bonus RP、4.6×250mm、5μm(Agilent Part No.880668−901);
移動相A:88%水、2%アセトニトリル、10%の100mMリン酸カリウム;
移動相B:20%水、70%アセトニトリル;10%の100mMリン酸カリウム;
流量:1.5mL/分;
注入容量:10 μL
検出器:214nm;
勾配−時間(分)(%移動相B):0.0(2);1.0(2);9.0(22);19.0(28);33.0(63);36.3(100);37.0(2);および42.0(2)。
HPLCに注入するため、試料を、5%アセトニトリル、85%水、10%の100mMリン酸カリウム中で0.25から0.75mg/mL溶液として調製した。化学式Iのフリーベース化合物と比較した試料の初期効力(initial potency)は、HPLC面積百分率で測定すると82.4%であった。6ヶ月間保存した後、全ての条件で保存した試料について、効力に検出可能な変化はなかった。カール・フィッシャー滴定法により、Brinkman Metrohm(Westbury, NY) Karl Fischer Model 831クーロメーターを用いて測定したところによると、初期含水量は1.2%であった。6ヶ月後、開放容器の中、25℃/60%RHおよび40℃/75%RHで保存されていた試料の含水量はそれぞれ2.9%および5.3%で、それぞれ1.7%および4.1%の増加であった。
実施例8:対イオンモル比の測定
1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミド(化学式Iの化合物)に対するハロゲン化物酸(HX)の対イオンモル比を以下の式に従って計算した:
対イオン比=(WHX/MWHX)/(W/MW
式中、WHXは、試料中のHXの重量割合であり、MWHXは、HXの分子量であり、MWは、化学式Iの化合物の分子量(466.6amu)であり、また、Wは、以下の式に従って計算された、試料中における化学式Iの化合物の重量割合である:
=100−WHX−WH2O−WRS
式中、WH2Oは、含水量の重量パーセントであり、WRSは、残留溶媒の重量パーセントであって、化学式Iの化合物が不純物を含まないことを仮定している。
本発明に係る結晶塩の1つの試料について、化合物Iに対する塩酸のモル比、および本発明に係る結晶塩の2つの試料について、化合物Iに対する臭化水素酸のモル比を下記の表Iに示す。HClまたはHBrの重量パーセント(WHX)は滴定によって測定し、含水量WH2Oは、電量分析カール・フィッシャー滴定法によって測定し、また、残留溶媒含有量WRSは、ガスクロマトグラフィーによって測定した。
Figure 2008530225
実施例9:1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドジヒドロクロリドの結晶性水和物
本発明のジヒドロクロリド塩の試料約50mgを、20mLのガラス製バイアルに入れ、40℃かつ75%相対湿度で保存した。特定の間隔で、試料の等量液を分注し、PXRDによって、また、DSCおよびTGAによって分析した。8週間保存した試料の分析結果を図7および8にそれぞれ示す。DSCおよびTGAの波形における低温(すなわち、150℃未満)での特徴は、水和物に特徴的なものである。40℃かつ75%RHで保存する場合には、水和物型に安定性が見られた。40℃/75%RHで8週間保存した試料のPXRDのスペクトラムと、40℃/75%RHで12週間保存した試料のPXRDのスペクトラムとを比較しても、PXRDのピーク位置に顕著な変化は見られなかった。
比較例1:1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドのフマル酸塩の合成法
1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミド(0.1g、0.21mmol)の50%アセトニトリル/水(1mL)溶液に、1Mフマル酸のエタノール溶液(0.44mL、0.42mmol)を加えた。得られた溶液を一晩凍結乾燥してから、エチル酢酸(1mL)と混合した。この混合液に、熱したエタノールを温めながら加え、均一な溶液を得た(0.4mL)。そして、得られた清澄な溶液を室温で結晶させた。得られた固体を濾過し、エタノールで洗浄し、真空下で乾燥させて、標題の化合物を結晶性固体として得た(0.13g)。
比較例2:1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドのリン酸塩の合成法
1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミド(0.2g、0.43mmol)のメタノール(3mL)溶液に、1Mリン酸のエタノール溶液(0.43mL、0.43mmol)を加えた。そして、得られた不均一な溶液を熱して可溶化し、濾過し、一晩冷却した。得られた固体を濾過し、メタノールで洗浄し、真空下で乾燥させて、標題の化合物を結晶性固体として得た(0.08g)。
比較例3:1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドのp−トルエンスルホン酸塩の合成法
1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミド(38.7mg、0.08mmol)のイソプロパノール(2mL)溶液を、75℃の温水槽の中で加熱し、固体のp−トルエンスルホン酸一水和物(32.3mg、0.17mmol)を加えた。得られた溶液を、固体が溶解するまで熱してから、室温まで冷却した。一晩かけて標題の化合物の結晶を形成させた。
比較例4:1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドの酸性塩の合成法
比較例1〜3の処理手順と同様の手順を用いて、1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドの下記の酸性塩を、以下の括弧内に示す酸の当量数を用いて固体に調製した:酢酸(2);安息香酸(2);硝酸(2);プロピオン酸(1);酒石酸(2);リン酸(0.5)。
比較例5:比較例1〜4の化合物の性質
比較例1〜4の化学式Iの化合物の結晶性酸性塩を、PXRD、DSC、およびTGAにより分析した。DSCによって吸熱性熱流が見られた温度と、TGAで重量減少が見られた温度を、PXRDによる結晶性の確認結果とともに表IIにまとめたが、ここでは、酸性塩を調製するために用いられた酸のモル当量数が化学量論的関係を示している。
Figure 2008530225
アッセイ法1:5−HT4(c)ヒトレセプターについての放射性リガンド結合測定法
a.膜調製5−HT4(c)
ヒト5−HT4(c)レセプターcDNAによって安定して形質転換されたHEK−293(ヒト胚腎臓)細胞([H]−GR113808膜放射性リガンド結合測定法を用いて測定した場合Bmax=〜6.0pmol/mgタンパク質)を、T−225フラスコの中、4,500mg/LのD−グルコースおよび塩酸ピリドキシン(GIBCO−Invitrogen Corp., Carlsbad CA: Cat #11965)を含み、10%ウシ胎仔血清(FBS)(GIBCO−Invitrogen Corp.: Cat #10437)、2mMのL−グルタミン、および(100ユニット)ペニシリン−(100μg)ストレプトマイシン/ml(GIBCO−Invitrogen Corp.: Cat #15140)を添加したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)の中で、5%CO下、加湿されたインキュベーター内にて37℃で増殖させた。800μg/mLのジェネティシン(GIBCO−Invitrogen Corp.:Cat #10131)を培地に加えることによる継続的な淘汰圧の下で細胞を増殖させた。
細胞は、ほぼ60〜80%の集密度(<35継代培養回数)になるまで増殖させた。回収する20〜22時間前に、細胞を2回洗浄し、無血清培地で培養した。この膜調製のすべての工程を氷上で行った。ゆっくりと撹拌して、この細胞単層を浮き上がらせ、25mLピペットで分散させた。1000rpmで遠心分離して(5分)細胞を回収した。
膜調製のために、細胞沈殿物を、氷冷した50mMの4−(2−ヒドロキシエチル)−l−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、pH7.4(膜調製用バッファー)(40mL/30〜40個のT225フラスコからの全細胞回収物)に再懸濁し、ポリトロン細胞破砕装置(設定19,2×10s)を用いて氷上でホモジナイズした。得られたホモジネートを、4℃にて1200gで5分間遠心分離した。この沈殿物を捨て、上清を40,000g(20分間)で遠心分離した。沈殿物を膜調製用バッファーに再懸濁して一度洗浄し、40,000g(20分間)で遠心分離した。最終沈殿物を50mM HEPES、pH7.4(測定用バッファー)(T225フラスコ1個に相当する量/1mL)に再懸濁した。膜懸濁液のタンパク質濃度をブラッドフォード法(Bradford,1976)により決定した。膜は、等量液にして−80℃で凍結保存した。
b.放射性リガンド結合測定法
放射性リガンド結合測定法は、1.1mL96−深穴ポリプロピレン製アッセイプレート(Axygen)の中で、全測定容量を、0.025%ウシ血清アルブミン(BSA)を含む50mM HEPES、pH 7.4の中に2μgの膜タンパク質を含む400μLにして行った。放射性リガンドのK値を決定するための飽和結合実験を、0.001nMから5.0nMまでの8〜12の異なった濃度の[H]−GR113808(Amersham Inc., Bucks, UK: Cat #TRK944;比放射能、約82Ci/mmol)を用いて行った。化合物のpK値を決定するための置換測定法を、0.15nMの[H]−GR113808と、10pMから100μMまでの11の異なった濃度の化合物を用いて行った。
試験化合物は、DMSO中10mM保存溶液として受け取り、0.1%BSAを含む50mM HEPES、pH7.4で25℃にて400μMに希釈し、次に、同じバッファーで連続希釈液(1:5)を作成した。1μMの非標識GR113808の存在下で非特異的結合は測定されなかった。測定物は、室温で60分間インキュベートし、その後、予め0.3%ポリエチレンイミンに浸しておいた96穴GF/Bグラスファイバー製フィルタープレート(Packard BioScience Co., Meriden, CT)で迅速に濾過することによって結合反応を停止させた。フィルタープレートを濾過用バッファー(氷冷5OmM HEPES、pH7.4)で3回洗浄して、非結合の放射能を除去した。プレートを乾燥させ、35μLのMicroscint−20液体シンチレーション液(Packard BioScience Co., Meriden, CT)を各ウエルに加えて、Packard Topcount液体シンチレーションカウンター(Packard BioScience Co., Meriden, CT)でプレートを測定した。
結合データを、一部位競合に対する3−パラメータモデルを用いたGraphPad Prismソフトウエアパッケージ(GraphPad Software, Inc., San Diego, CA)による非線形回帰分析によって解析した。BOTTOM(最小の曲線)を、1μMの非標識GR113808の存在下で測定した非特異的結合の値に固定した。試験化合物に対するK値を、Prismで、最適なIC50値から計算し、放射性リガンドのK値を、以下のチェン−プルソフ(Cheng−Prusoff)式(Cheng and Prusoff, Biochemical Pharmacology, 1973, 22, 3099−108)を用いて計算した:K=IC50/(1+[L]/K)、ただし、[L]=[H]−GR113808の濃度。結果を、K値の常用対数に負号を付けたもの、すなわち、pKと表す。
本測定法でより高いpK値をもつ試験化合物が、5−HTレセプターに対してより高い結合アフィニティーを有する。化学式Iの化合物は、本測定法において、約7よりも高いpK値を持っていた。
アッセイ法2:5−HT3Aヒトレセプターについての放射性リガンド結合測定法:レセプターサブタイプ選択性の測定
a.膜調製5−HT3A
ヒト5−HT3AレセプターcDNAによって安定して形質転換されたHEK−293(ヒト胚腎臓)細胞をDr. Michael Bruess(University of Bonn,GDR)から入手した([H]−GR65630膜放射性リガンド結合測定法を用いて測定した場合Bmax=〜9.0pmol/mgタンパク質)。細胞を、T−225フラスコまたはセルファクトリー(cell factories)中、10%熱不活性化ウシ胎仔血清(FBS)(Hyclone, Logan, UT: Cat #SH30070.03)、および(50ユニット)ペニシリン−(50μg)ストレプトマイシン/ml(GIBCO−Invitrogen Corp.: Cat #15140)を添加した50%ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)(GIBCO−Invitrogen Corp., Carlsbad, CA: Cat #11965)および50% Ham’s F12(GIBCO−Invitrogen Corp.:Cat #11765)の中で、5%CO下、加湿されたインキュベーター内にて37℃で増殖させた。
細胞を、ほぼ70〜80%の集密度(<35継代培養回数)になるまで増殖させた。この膜調製のすべての工程を氷上で行った。細胞を回収するために、培地を吸引し、細胞をCa2+、Mg2+を含まないダルベッコのリン酸緩衝食塩水(dPBS)で濯いだ。ゆっくりと機械的に撹拌して細胞単層を浮き上がらせた。1000rpm(5分)で遠心分離して細胞を回収した。膜調製の次の工程は、5−HT4(c)レセプターを発現する膜について上記したプロトコールに従った。
b.放射性リガンド結合測定法
放射性リガンド結合測定法は、96−穴ポリプロピレン製アッセイプレートの中で、全測定容量を、0.025%BSA測定用バッファーを含む50mM HEPES、pH 7.4の中に1.5〜2μgの膜タンパク質を含む200μLにして行った。放射性リガンドのK値を決定するための飽和結合実験を、0.005nMから20nMまでの12の異なった濃度の[H]−GR65630(PerkinElmer Life Sciences Inc., Boston, MA: Cat #NET1011,比放射能、約85Ci/mmol)を用いて行った。化合物のpK値を決定するための置換測定法を、0.50nMの[H]−GR65630と、10pMから100μMまでの11の異なった濃度の化合物を用いて行った。化合物は、DMSO中10mMの保存溶液として受け取り(3.1節参照)、0.1%BSAを含む50mM HEPES、pH7.4で25℃にて400μMに希釈し、次に、同じバッファーで連続希釈液(1:5)を作成した。10μMの非標識MDL72222の存在下で非特異的結合は測定されなかった。測定物は、室温で60分間インキュベートし、その後、予め0.3%ポリエチレンイミンに浸しておいた96穴GF/Bグラスファイバー製フィルタープレート(Packard BioScience Co., Meriden, CT)で迅速に濾過することによって結合反応を停止させた。フィルタープレートを濾過用バッファー(氷冷5OmM HEPES、pH7.4)で3回洗浄して、非結合の放射能を除去した。プレートを乾燥させ、35μLのMicroscint−20液体シンチレーション液(Packard BioScience Co., Meriden, CT)を各ウエルに加えて、Packard Topcount液体シンチレーションカウンター(Packard BioScience Co., Meriden, CT)でプレートを測定した。
結合データを、K値を決定するために上記した非線形回帰分析によって解析した。BOTTOM(最小の曲線)を、10μMの非標識MDL72222の存在下で測定した非特異的結合の値に固定した。チェン−プルソフ式における量[L]を、[H]−GR65630の濃度と定義した。
5−HTレセプターサブタイプに対する5−HTレセプターサブタイプの選択性を、K(5−HT)/K(5−HT4(c))という比率として計算した。化学式Iの化合物は、本測定法において、約500よりも高い値5−HT/5−HTレセプターサブタイプ選択性を持っていた。
アッセイ法3:ヒト5−HT4(c)レセプターを発現するHEK−293細胞を用いた全細胞cAMP蓄積フラッシュプレート測定法
この測定法では、5−HTレセプターを発現するHEK−293細胞が、さまざまな濃度の試験化合物と接触したときに産生されるサイクリックAMPの量を測定することにより、試験化合物の機能的能力を決定した。
a.細胞培養
ヒト5−HT4(c)レセプターcDNAによって安定して形質転換されたHEK−293(ヒト胚腎臓)細胞を、次の2種類の密度でレセプターを発現するように調製した:(1)[H]−GR113808膜放射性リガンド結合測定法を用いて測定すると密度約0.5〜0.6pmol/mgタンパク質、および(2)密度約6.0pmol/mgタンパク質。細胞を、T−225フラスコの中、4,500mg/LのD−グルコース(GIBCO−Invitrogen Corp.,: Cat #11965)を含み、10%ウシ胎仔血清(FBS)(GIBCO−Invitrogen Corp.: Cat #10437)、および(100ユニット)ペニシリン−(100μg)ストレプトマイシン/ml(GIBCO−Invitrogen Corp.: Cat #15140)を添加したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)の中で、5%CO下、加湿されたインキュベーター内にて37℃で増殖させた。ジェネティシン(800μg/mL:GIBCO−Invitrogen Corp.:Cat #10131)を培地に加えることによる継続的な淘汰圧の下で細胞を増殖させた。
b.細胞調製
細胞は、ほぼ60〜80%の集密度になるまで増殖させた。測定を行う20〜22時間前に、細胞を2回洗浄し、4,500mg/LのD−グルコース(GIBCO−Invitrogen Corp.,:Cat #11965)を含む無血清DMEM培地で培養した。細胞を回収するために培地を吸引し、10mLのVersene(GIBCO−Invitrogen Corp.,: Cat #15040)を各T−225フラスコの中に加えた。細胞を室温で5分間インキュベートした後、機械的な撹拌によってフラスコから遊離させた。細胞懸濁液を、同量の(37℃に)予熱したdPBSを含む遠心管に移し入れて、1000rpmで5分間遠心分離した。この上清を捨てて、沈殿物を、(37℃に)予熱した刺激用バッファー(T−225フラスコ2〜3個あたり10mL等量)に再懸濁した。この時点を0時間として注記した。Coulterカウンター(8μmを超えるものを計り、フラスコ当りの収量は1〜2×10細胞/フラスコ)で細胞数を数えた。細胞を、(37℃に)予熱した刺激用バッファー(フラッシュプレートキットで提供されているもの)で5×10細胞/mlの濃度に再懸濁して、37℃で10分間プレインキュベートした。
cAMP測定法は、125I−cAMPによるFlashplateアデニルシクラーゼ活性化測定法(SMP004B, PerkinElmer Life Sciences Inc., Boston, MA)を用いた放射免疫測定方式で、製造業者の指示に従って行った。
細胞を上記したように増殖させて調製した。この測定法における最終細胞濃度は25×10細胞/ウエルであり、最終測定容量は100μLであった。試験化合物は、DMSO中10mMの保存溶液として受け取り、0.1%BSAを含む50mM HEPES、pH7.4で25℃にて400μMに希釈し、次に、同じバッファーで連続希釈液(1:5)を作成した。サイクリックAMPの蓄積測定は、10pMから100μMまでの11の異なった濃度(最終濃度)の化合物を用いて行った。5−HT濃度−応答曲線(10pMから100μM)がすべてのプレート上に含まれていた。細胞を振とうしながら37℃で15分間インキュベートし、100μlの氷冷検出用バッファー(フラッシュプレートキットで提供されているもの)を各ウエルに加えて反応を停止させた。プレートを密封して、4℃で一晩インキュベートした。Topcount(Packard BioScience Co., Meriden, CT)を用いたシンチレーション近接分光法によって結合放射活性を定量した。
製造業者のユーザー用マニュアルに記載された指示に従って、cAMP標準曲線から、反応液1mL当り産生されたcAMPの量を推定した。データを、3−パラメータシグモイド型用量応答モデル(勾配が1(unity)に制約される)を用いたGraphPad Prismソフトウエアパッケージによる非線形回帰分析によって解析した。能力データは、EC50値の常用対数に負号を付けたpEC50値で報告される。ただし、EC50は50%最大反応に対する有効濃度である。
この測定法では、より高いpEC50値を示す試験化合物の方が、5−HTレセプターに作用する能力が高い。この測定法において、約0.5〜0.6pmol/mgタンパク質の密度を有する細胞株(1)で試験された化学式Iの化合物は、約7.5よりも大きなpEC50値を有していた。
アッセイ法4:hERG心臓カリウムチャンネルを発現する全細胞におけるカリウムイオン電流阻害のインビトロ電位固定測定法
hERG cDNAによって安定して形質転換されたCHO−K1細胞をウィスコンシン大学のGail Robertsonから入手した。細胞は必要になるまで、極低温で保存した。細胞は、10%ウシ胎仔血清および200μg/mLジェネティシンを添加したダルベッコ変法イーグル培地/F12の中で展開および継代した。細胞を、(2mLの培地を含む)35mm培養皿の中で、ポリ−D−リジン(100μg/mL)でコートしたカバーガラスの上に、単離された細胞を全細胞電位固定実験用に選択することが可能な密度で播種した。この培養皿は、加湿された5%CO環境下37℃で維持した。
少なくとも7日おきに細胞外溶液を調製し、使用しないときには4℃で保存した。この細胞外溶液は、NaCl(137)、KCl(4)、CaCl(1.8)、MgCl(1)、グルコース(10)、NaOHを含む4−(2−ヒドロキシエチル)−l−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)(10)、pH7.4を含んでいた(括弧内mM)。この細胞外溶液を、試験化合物の有無に関わらず、リザーバの中に入れて、そこから約0.5mL/分で記録用チャンバーの中に流れ込むようにした。細胞内溶液を調製し、等量液にして、使用する日まで−20℃で保存した。この細胞内溶液は、KCl(130)、MgCl(1)、エチレングリコール−ビス(β−アミノエチルエーテル)N,N,N’,N’−四酢酸塩(EGTA)(5)、MgATP(5)、KOHを含む4−(2−ヒドロキシエチル)−l−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)(10)、pH7.2を含んでいた(括弧内mM)。すべての実験を室温(20〜22℃)で行った。
細胞を播種したカバーガラスを記録用チャンバーに移して連続的に灌流した。細胞とパッチ電極との間にギガオームシールが形成された。安定したパッチに達したところで、初期保持電位を−80mVとして、電位固定モードで記録が開始された。安定した全細胞電流に達した後、細胞を被験化合物に曝露した。標準的な電位プロトコールは以下の通りである。保持電位を−80mVから+20mVまでの段階が4.8秒間、−50mVまで再分極化するのに5秒間、そして、最初の保持電位(−80mV)に戻る。この電位プロトコールを15秒毎に1回行った(0.067Hz)。pClampソフトウエアを用いて、再分極化相の間におけるピーク電流振幅を決定した。3μMの濃度の被験化合物を細胞の上に5分間灌流させ、その後、化合物なしで5分間洗い流した。最後に、この潅流液に陽性対照(シサプリド、20nM)を加えて、細胞の機能をテストした。−80mVから+20mVまでの段階で、hERGチャンネルが活性化され、外向き電流が生じた。−50mVまで戻る段階では、チャンネルが不活性化から回復して失活するにつれて外向きテール電流が生じる。
pCLAMPソフトウエアを用いて、再分極化相の間におけるピーク電流振幅を決定した。対照物質および被験物質のデータを登録商標Origin(OriginLab Corp., Northampton MA)にエクスポートし、そこで、化合物非存在下における初期電流振幅に対して各電流振幅を標準化した。各条件について、標準化した電流の平均と標準誤差を計算して、実験の時間経過に対してプロットした。
被験物質または賦形剤対照(通常0.3%DMSO)に5分間曝露した後に測定されたK電流阻害を比較した。2集団独立t検定法(Microcal Origin v. 6.0)を用いて、実験グループの間での統計学的な比較を行った。差異は、p<0.05で有意であると見なした。
この測定法では、カリウムイオン電流の阻害率が小さくなるにつれて、被験化合物が、治療薬として使用されたときに心臓の再分極のパターンを変える可能性が低くなった。化学式Iの化合物を、本測定法において3μMの濃度で試験したところ、約15%未満のカリウムイオン電流阻害を示した。
アッセイ法5:経口バイオアベイラビリティのインビトロモデル:Caco−2透過測定法
経口投与後、被験化合物が腸を通過して血流の中に入ることができるというモデルを作るためにCaco−2透過測定法を行った。溶液に入った被験化合物が、ヒト小腸の単層の堅い結合を模倣するよう設計された細胞単層を透過する速度を測定した。
Caco−2(結腸、腺癌、ヒト)細胞をATCC(American Type Culture Collection; Rockville, MD)から入手した。透過実験のために、細胞を予め湿らせたトランスウエルズポリカーボネートフィルター(Costar;Cambridge,MA)の上に63,000細胞/cmの密度で播種した。培養してから21日後に細胞単層が形成された。トランスウエルプレートの中で細胞培養した後、細胞単層を含む膜をトランスウエルプレートから剥がして、拡散チャンバー(Costar;Cambridge,MA)の中に入れた。拡散チャンバーを、温度制御のために外部を循環する、37℃にサーモスタット制御された水を装備したヒートブロックの中に入れた。空気分流板によって、95%O/5%COが拡散チャンバーの各半室に送達されて、細胞単層を横切る層流パターンを作出するが、これは、不撹拌の境界層を減少させるのに有効であった。
被験化合物の濃度を100μMで、また、単層の完全性をモニターするために14C−マンニトールを用いて透過実験を行った。全ての実験を37℃で60分間行った。0、30、および60分のところで、チャンバーの供与側と受容側の両方から試料を採取した。試料を、被験化合物の濃度とマンニトールの濃度について、HPLCまたは液体シンチレーション測定で分析した。cm/秒における透過係数(K)が計算された。
この測定法では、約10×10−6cm/秒よりも大きなK値を好適なバイオアベイラビリティを示すものと見なす。この測定法で試験した化学式Iの化合物は、約20×10−6cm/秒よりも大きなK値を示した。
アッセイ法6:ラットにおける薬物動態試験
被験化合物の水溶液処方剤を、pHが約5から約6である0.1%乳酸の中に調製した。オスのSprague−Dawleyラット(CD系統、Charles River Laboratories, Wilmington, MA)に、2.5mg/kgの用量で静脈内(IV)投与によって、または5mg/kgの用量で経口経管(PO)によって被験化合物を投与した。投与用量は、IVでは1mL/kg、PO投与では2mL/kgであった。連続血液試料を、投与前、投与後2(IVのみ)分、5分、15分、30分、および1時間、2時間、4時間、8時間および24時間たった動物から採集した。血漿中の被験化合物の濃度を、液体クロマトグラフィー−質量分析法(LC−MS/MS)(MDS SCIEX, API 4000, Applied Biosystems, Foster City, CA)によって、定量の下限値を1ng/mlとして測定した。
標準的な薬物動態パラメーターを、WinNonlin(Version 4.0.1 , Pharsight, Mountain View, CA)を用いて非区画分析(IVにはModel 201、POにはModel 200)により評価した。時間に対する血漿中の被験化合物濃度曲線の最大値をCmaxと表す。投与した時間から最後の測定可能な濃度までの時間曲線に対して、この濃度よりも低いところの面積(AUC(O−t))を直線台形規則(linear trapezoidal rule)によって計算した。経口バイオアベイラビリティ(F(%))、すなわち、IV投与についての(AUC(O−t))に対するPO投与のAUC(O−t)の用量で標準化した割合を以下の通りに計算した。
F(%)=AUCPO/AUCIV 用量IV/用量PO ×100%。
本測定法で、パラメーターCmax、AUC(O−t)、およびF(%)の値が大きい被験化合物は、経口投与されたときにより大きなバイオアベイラビリティを示すことが期待される。化学式Iの化合物のCmax値は0.25μg/mL、AUC(O−t)値は0.73μg・hr/mL、およびラットモデルにおける経口バイオアベイラビリティ(F(%))は約100%である。
本発明をその具体的な実施態様を参照しながら説明してきたが、当然ながら、当業者には、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更を行い、同等物で置き換えることができることが理解できるはずである。また、多くの変更を行って、具体的な状況、材料、物質の組成、方法、処理工程を本発明の目的、精神、および範囲に適合することができる。そのような変更はすべて、本明細書に添付された請求の範囲に含まれるものである。さらに、上記で引用されているすべての刊行物、特許、および特許文献は、個別に参照して組み入れられるのと同じように、その全体が参照されて本明細書に組み入れられる。
本発明の結晶性1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドジヒドロクロリド塩の粉末x線回折(PXRD)パターンを示す。 本発明の結晶性1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドジヒドロクロリド塩の示差走査熱量測定(DSC)による波形(図の左側で下にある波形、縦軸左)および熱重量分析(TGA)による波形(上側波形、縦軸右)を示す。 本発明の結晶性1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドジヒドロブロミド塩の粉末x線回折(PXRD)パターンを示す。 本発明の結晶性1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドジヒドロブロミド塩の示差走査熱量測定(DSC)による波形(図の左側で下にある波形、縦軸左)および熱重量分析(TGA)による波形(上側波形、縦軸右)を示す。 本発明の結晶性1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドジヒドロクロリド塩の動的吸湿(Dynamic moisture sorption)波形を示す。 本発明の結晶性1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドジヒドロブロミド塩の動的吸湿波形(DMS)を示す。 本発明の1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドジヒドロクロリド塩の結晶性水和物の粉末x線回折(PXRD)パターンを示す。 本発明の1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドジヒドロクロリド塩の結晶性水和物の示差走査熱量測定(DSC)による波形(図の左側で上にある波形、縦軸左)および熱重量分析(TGA)による波形(下側波形、縦軸右)を示す。

Claims (26)

  1. 1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドの結晶ハロゲン化物塩またはその溶媒和物。
  2. 前記ハロゲン化物塩がジヒドロクロリド塩である、請求項1記載の化合物。
  3. 前記化合物が、4.17±0.20、8.23±0.20、12.30±0.20、12.77±0.20、13.94±0.20、16.04±0.20、17.06±0.20、18.56±0.20、19.93±0.20、20.49±0.20、21.72±0.20、22.58±0.20、26.27±0.20、および26.59±0.20から選択される2θ値において2つ以上の回折ピークがある粉末x線回折パターンを特徴とする、請求項2記載の化合物。
  4. 前記粉末x線回折パターンが、4.17±0.20、8.23±0.20、12.30±0.20、13.94±0.20、および18.56±0.20から選択される2θ値において2つ以上の回折ピークを含む、請求項3記載の化合物。
  5. 前記化合物が、ピーク位置が図1に示したパターンのピーク位置と実質的に一致する粉末x線回折パターンを特徴とする、請求項2記載の化合物。
  6. 前記化合物が、約230℃よりも高い温度で吸熱性熱流の最大値を示す示差走査熱量測定波形を特徴とする、請求項2記載の化合物。
  7. 前記化合物が、図2に示されている波形と実質的に一致する示差走査熱量測定波形を特徴とする、請求項2記載の化合物。
  8. 前記ハロゲン化物塩がジヒドロブロミド塩である、請求項1記載の化合物。
  9. 前記化合物が、4.41±0.20、7.63±0.20、8.75±0.20、13.11±0.20、14.52±0.20、15.28±0.20、21.89±0.20、22.75±0.20、23.35±0.20、25.40±0.20、26.34±0.20、28.53±0.20、および28.86±0.20から選択される2θ値において2つ以上の回折ピークがある粉末x線回折パターンを特徴とする、請求項8記載の化合物。
  10. 前記粉末x線回折パターンが、4.41±0.20、8.75±0.20、13.11±0.20、および21.89±0.20から選択される2θ値において2つ以上の回折ピークを含む、請求項9記載の化合物。
  11. 前記化合物が、ピーク位置が図3に示したパターンのピーク位置と実質的に一致する粉末x線回折パターンを特徴とする、請求項8記載の化合物。
  12. 前記化合物が、ジヒドロクロリド塩の水和物である、請求項1記載の化合物。
  13. 前記化合物が、4.85±0.20、8.14±0.20、9.02±0.20、12.58±0.20、14.20±0.20、16.85±0.20、17.31±0.20、17.66±0.20、19.28±0.20、19.92±0.20、21.36±0.20、21.72±0.20、22.38±0.20、22.75±0.20、26.34±0.20、28.85±0.20、および29.47±0.20から選択される2θ値において2つ以上の回折ピークがある粉末x線回折パターンを特徴とする、請求項12記載の化合物。
  14. 前記粉末x線回折パターンが、12.58±0.20、14.20±0.20、16.85±0.20、17.31±0.20、および17.66±0.20から選択される2θ値において2つ以上の回折ピークを含む、請求項13記載の化合物。
  15. 前記化合物が、ピーク位置が図7に示したパターンのピーク位置と実質的に一致する粉末x線回折パターンを特徴とする、請求項12記載の化合物。
  16. 医薬上許容される担体および請求項1〜15のいずれか一項記載の化合物を含む医薬組成物。
  17. 5−HTレセプター活性に関連する病状を有する哺乳動物を治療する方法であって、医薬上許容される担体および請求項1〜15のいずれか一項記載の化合物を含む、治療上有効な量の医薬組成物を該哺乳動物に投与することを含む方法。
  18. 前記病状が、過敏性腸症候群、慢性の便秘、機能性消化不良、胃内容排出遅延、胃食道逆流性疾患、糖尿病性胃不全麻痺、術後イレウス、腸偽閉塞、および薬剤誘発性通過遅延(drug−induced delayed transit)からなる群より選択される、請求項17記載の方法。
  19. 哺乳動物における胃腸管の運動低下障害を治療する方法であって、医薬上許容される担体および請求項1〜15のいずれか一項記載の化合物を含む、治療上有効な量の医薬組成物を該哺乳動物に投与することを含む方法。
  20. 前記運動低下障害が、慢性の便秘、便秘を主症状とする過敏性腸症候群、糖尿病性胃不全麻痺および特発性胃不全麻痺、および機能性消化不良からなる群より選択される、請求項19記載の方法。
  21. 治療で使用する、請求項1〜15のいずれか一項記載の化合物。
  22. 薬剤を製造するための、請求項1〜15のいずれか一項記載の化合物の使用。
  23. 前記薬剤が、哺乳動物における5−HTレセプター活性に関連する病状を治療するためのものである、請求項22記載の使用。
  24. 前記病気または症状が胃腸管の運動低下障害である、請求項23記載の使用。
  25. 1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドをハロゲン化物酸に接触させる工程を含む、請求項1記載の化合物を調製する方法。
  26. 1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミドを調製する方法であって、
    (a)(1R,5S)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オンを遷移金属触媒存在下で過剰量のギ酸アンモニウムと反応させて、1−{4−[2−((1R,3R,5S)−3−アミノ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル)エチル]ピペラジン−1−イル}エタノンを提供する工程;
    (b)1−{4−[2−((1R,3R,5S)−3−アミノ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル)エチル]ピペラジン−1−イル}エタノンを、カップリング剤および塩基が存在する中で1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸と反応させて、1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボン酸{(1S,3R,5R)−8−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}アミド、またはその医薬上許容される塩または溶媒和物または立体異性体を提供する工程
    を含む方法。
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