JP2008518902A - 乳癌のためのctla4抗体とアロマターゼ阻害剤の併用治療 - Google Patents

乳癌のためのctla4抗体とアロマターゼ阻害剤の併用治療 Download PDF

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Abstract

本発明は、抗CTLA4抗体、特に、抗体3.1.1、4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1、12.3.1.1、12.9.1.1、および10D1(MDX−010)のアミノ酸配列を有するものなどの、ヒトCTLA4に対するヒト抗体をアロマターゼ阻害剤と組み合わせた形での、乳癌治療のための投与に関する。より詳細には、本発明は、乳癌治療のための抗CTLA4抗体およびエキセメスタンの投与に関する。

Description

毎年、米国では18万人を超える女性が乳癌と診断されている。現在の乳癌の割合が変わらなければ、今日生まれた各女性は、発症年齢の中央値約60〜65歳で10人に1人が乳癌になる見込みを有する。
閉経後の乳癌患者の約3分の2は、エストロゲン依存性疾患を有し、そのために抗エストロゲン剤療法の影響を受けやすくなっている。エストロゲンは、***上皮細胞やエストロゲン依存性乳癌細胞などの特定の標的細胞の成長および増殖を促進する(Brueggemeier Amer J Therapeutics第8巻:333〜344ページ(2001年))。したがって、局在型の乳癌の主たる治療(たとえば、***温存手術と放射線、または***切断術)に加えて投与される全身のアジュバント療法治療薬では、腫瘍細胞上のエストロゲン受容体をブロックする薬剤に焦点が当てられている。そのような抗ホルモン剤には、エストロゲンのエストロゲン受容体との結合を阻害するタモキシフェン(NOVALDEX D、SOLTAMOX、TAMOFEN)、受容体を分解するフルベストラント(FASLODEX)、ならびにアンドロゲンをエストロゲンにするアロマターゼ酵素の触媒作用をブロックし、それによって受容体との結合に利用できるホルモンリガンドの量を減少させるアロマターゼ阻害剤(たとえば、アナストロゾール(ARIMIDEX)、レトロゾール(FEMARA)、およびエキセメスタン(AROMASIN))が含まれる。
ホルモン療法または他の乳癌療法の進歩にもかかわらず、2004年には40921人の女性が再発性または進行型の乳癌で死亡すると推定されている(American Cancer Society、Cancer Statistics(2004年))。現在、広範囲にわたる疾患を有する患者に利用できる治癒的な治療はなく、療法は基本的に姑息的である。したがって、抗ホルモン剤と免疫療法とを組み合わせるなどの新規な療法は、乳癌治療において重要である。より詳細には、ある癌免疫療法の手法は、活性化したT細胞上に発現される細胞表面受容体である細胞傷害性Tリンパ球結合抗原4(CTLA4、CD152)を標的にする。CTLA4がその天然リガンドであるB7.1(CD80)およびB7.2(CD86)に結合すると、T細胞にマイナスの調節シグナルが送達され、このマイナスのシグナルをブロックすると、動物モデルにおいてT細胞免疫機能および抗腫瘍作用が高められる(Thompson and Allison Immunity第7巻:445〜450ページ(1997年)、McCoyおよびLeGros Immunol.& Cell Biol.第77巻:1〜10ページ(1999年))。いくつかの研究は、抗体を使用してCTLA4をブロックすると、T細胞を媒介とする腫瘍の死滅が顕著に増強され、抗腫瘍性の免疫を誘発し得ることを実証している(Leachら、Science第271巻:1734〜1736ページ(1996年);Kwonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA第94巻:8099〜8103ページ(1997年);Kwonら、Natl.Acad.Sci.USA第96巻:15074〜15079ページ(1999年))。
抗CTLA4抗体を使用して抗腫瘍性の応答を誘発することは癌治療において有望であるとはいえ、また乳癌治療における抗ホルモン療法の有望性にもかかわらず、乳癌治療のための新規な療法を開発することが求められている。本発明は、この要求にかなうものである。
本発明は、乳癌の治療を必要とする患者における乳癌の治療方法を含む。この方法は、患者に、治療有効量の抗CTLA4抗体またはその抗原結合部分を、治療有効量のアロマターゼ阻害剤と組み合わせて投与することを含む。
一態様では、アロマターゼ阻害剤は、アナストロゾール、レトロゾール、およびエキセメスタンからなる群から選択される少なくとも1種の阻害剤である。別の態様では、アロマターゼ阻害剤はエキセメスタンである。
一態様では、ヒト抗CTLA4抗体量の治療有効量は、約1mg/kgから40mg/kgの範囲にわたる。
別の態様では、ヒト抗CTLA4抗体量の治療有効量は、約3mg/kgから15mg/kgの範囲にわたる。
さらに別の態様では、エキセメスタンの治療有効量は、1日当たり約25mgから1日当たり200mgの範囲にわたる。
別の態様では、エキセメスタンの治療有効量は、1日当たり約25mgである。
一態様では、治療は、ネオアジュバント化学療法、アジュバント療法、ファーストライン治療、セカンドライン治療、およびサードライン治療からなる群から選択される。
別の態様では、抗体は、ヒトでない哺乳類の抗体、キメラ抗体、およびヒト抗体からなる群から選択される。
一態様では、抗体はヒト抗CTLA4抗体である。
別の態様では、抗CTLA4抗体またはその抗原結合部分は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1種の抗体である。
(a)CTLA4に対する結合親和性が約10−8以上であり、CTLA4とB7−1の結合、およびCTLA4とB7−2との結合を阻害するヒト抗体、
(b)4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1.、12.3.1.1、12.9.1.1、および10D1からなる群から選択される抗体のCDR配列に対応する少なくとも1種のヒトCDR配列を含むアミノ酸配列を有するヒト抗体、
(c)4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1.、12.3.1.1、および12.9.1.1からなる群から選択される抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列を有するヒト抗体、
(d)4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1.、12.3.1.1、12.9.1.1、および10D1からなる群から選択される抗体の重鎖可変部および軽鎖可変部のアミノ酸配列を有するヒト抗体、
(e)4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1.、12.3.1.1、12.9.1.1、および10D1からなる群から選択される抗体の重鎖および軽鎖アミノ酸配列を有する少なくとも1種の抗体とCTLA4との結合について競合する抗体またはその抗原結合部分、ならびに
(f)4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1.、12.3.1.1、12.9.1.1、および10D1からなる群から選択される抗体の重鎖および軽鎖アミノ酸配列を有する少なくとも1種の抗体とCTLA4との結合について交差競合する抗体またはその抗原結合部分。
別の態様では、抗体は、抗体11.2.1の重鎖および軽鎖アミノ酸配列を有するヒト抗体である。
さらに別の態様では、抗体は、重鎖の重鎖可変部および軽鎖の軽鎖可変部のアミノ酸配列が以下のものからなる群から選択される重鎖および軽鎖を含む。
(a)配列番号3のアミノ酸配列および配列番号9のアミノ酸配列、
(b)配列番号15のアミノ酸配列および配列番号21のアミノ酸配列、
(c)配列番号27のアミノ酸配列および配列番号33アミノ酸配列、
(d)配列番号1の核酸配列によってコードされるアミノ酸配列および配列番号7の核酸配列によってコードされているアミノ酸配列、
(e)配列番号13の核酸配列によってコードされアミノ酸配列および配列番号19の核酸配列によってコードされるアミノ酸配列、
(f)配列番号25の核酸配列によってコードされるアミノ酸配列および配列番号31の核酸配列によってコードされるアミノ酸配列、
(g)抗体10D1の重鎖可変部および軽鎖可変部のアミノ酸配列。
一態様では、抗体またはその抗原結合部分は、以下のものからなる群から選択される抗体である。
(a)配列番号4、配列番号5、および配列番号6に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変部を有し、さらに配列番号10、配列番号11、および配列番号12に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変部を有する抗体、
(b)配列番号16、配列番号17、および配列番号18に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変部を有し、さらに配列番号22、配列番号23、および配列番号24に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変部を有する抗体、
(c)配列番号28、配列番号29、および配列番号30に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変部を有し、さらに配列番号34、配列番号35、および配列番号36に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変部を有する抗体、ならびに
(d)抗体10D1の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む重鎖可変部を有し、さらに抗体10D1の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む軽鎖可変部を有する抗体。
別の態様では、この方法は、アルキル化剤、葉酸拮抗薬、ピリミジン拮抗薬、アントラサイクリン系抗生物質、白金化合物、タキサン、ビンカアルカロイド、カンプトテシン類似体、トール様受容体刺激薬、熱ショックタンパク質を主剤とする腫瘍ワクチン、抗原提示細胞に基づく療法、哺乳類ラパマイシン標的タンパク質阻害剤、erbB2阻害剤、EGFR阻害剤、VEGF阻害剤、VEGFR阻害剤、血管形成阻害剤、抗体、免疫調節物質、選択的エストロゲン受容体調節物質、サイトカイン、腫瘍ワクチン、抗増殖薬、免疫共刺激分子、およびサイトカインからなる群から選択される少なくとも1種の薬剤を患者に投与することをさらに含む。
本発明は、治療有効量の抗CTLA4抗体、治療有効量のアロマターゼ阻害剤、および薬学的に許容できる担体を含む、乳癌治療のための医薬組成物を含む。
一態様では、アロマターゼ阻害剤は、アナストロゾール、レトロゾール、およびエキセメスタンからなる群から選択される少なくとも1種のアロマターゼ阻害剤である。
別の態様では、アロマターゼ阻害剤はエキセメスタンである。
本発明は、患者における乳癌治療のための組成物を調製する際のある量の抗CTLA4抗体の使用を含み、その治療は、患者へのある量のアロマターゼ阻害剤の投与をさらに含む。
一態様では、アロマターゼ阻害剤はエキセメスタンであり、さらに抗体は、抗体11.2.1の重鎖および軽鎖可変部のアミノ酸配列を有するヒト抗体である。
前述の概要ならびに以下の発明の詳細な説明は、添付の図面と共に読むとより理解が深まるであろう。本発明を例示する目的のために、現在好ましい実施形態を図に示す。しかし、本発明は、示した詳細な計画および手段に限定されないことを理解されたい。
本発明は、そのような治療を必要とする患者において乳癌を治療するために、少なくとも1種のアロマターゼ阻害剤、たとえば、アナストロゾール、レトロゾール、およびエキセメスタンと組み合わせて使用される抗CTLA4抗体に関する。本発明はさらに、別の1種または複数の薬剤と組み合わせた抗体−アロマターゼ阻害剤の組合せによる乳癌治療に関する。
本明細書で別段の規定がない限り、本発明と関連して使用する科学技術用語は、当業者によって一般に理解される意味を有するものである。さらに、文脈から別段の要求がない限り、単数形の用語は複数を含み、複数形の用語は単数を含むものである。一般に、本明細書に記載の細胞および組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学、タンパク質および核酸の化学、ならびにハイブリッド形成法に関連して、またこれらの技術において使用する命名法は、当業界でよく知られており、一般に使用されるものである。
本発明の方法および技術は、一般に、別段の指定がない限り、当業界でよく知られている方法に従い、また本明細書のいたるところで引用され論述される一般的およびより詳細な様々な参考文献に記載されているとおりに実施した。そのような参考文献には、たとえば、SambrookおよびRussell、「Molecular Cloning,A Laboratory Approach」、Cold Spring Harbor Press、米国ニューヨーク州コールドスプリングハーバー(2001年)、Ausubelら、「Current Protocols in Molecular Biology」、John Wiley&Sons、米国ニューヨーク(2002年)、ならびにHarlowおよびLane、「Antibodies:A Laboratory Manual」、Cold Spring Harbor Laboratory Press、米国ニューヨーク州コールドスプリングハーバー(1990年)が含まれ、これらの文献は参照により本明細書に援用される。酵素反応および精製技術は、製造者の仕様書に従い、一般に当業界でなされているように、または本明細書に記載されているように実施する。本明細書に記載の分析化学、合成有機化学、ならびに医薬および製薬の化学に関連して、またこれらの実験手順および技術において使用する命名法は、当業界でよく知られており、一般に使用されるものである。化学合成、化学的分析、医薬製剤、製剤形態、送達、および患者の治療については、標準の技術を使用する。
本明細書では、以下の用語はそれぞれ、この項でそれが連想させる意味を有する。
本明細書では、冠詞「a」および「an」を使用して、冠詞の文法上の対象の1つまたは複数(すなわち、少なくとも1つ)を指す。例として、「an element」とは、1つのエレメントまたは複数のエレメントを意味する。
本明細書では、20種類の従来のアミノ酸およびその略語は、従来の用法に従う。本明細書に参照により援用される「Immunology−−A Synthesis」(第2版、E.S.GolubおよびD.R.Gren編、Sinauer Associates、米国マサチューセッツ州Sunderland(1991年))を参照されたい。
「保存的アミノ酸置換」とは、アミノ酸残基が、化学的性質(たとえば電荷または疎水性)が同様である側鎖R基を有する別のアミノ酸残基で置換されるものである。一般に、保存的アミノ酸置換は、タンパク質の官能基の性質を実質的に変更しない。保存的置換によって2種以上のアミノ酸配列が互いに異なっている場合では、配列同一性または類似性の程度のパーセントを上方調整して、置換の保存的な性質を修正することができる。この調整を行うための手段は、当業者によく知られている。たとえば、Pearson、Methods Mol.Biol.第243巻:307〜31ページ(1994年)を参照されたい。
化学的性質が同様の側鎖を有するアミノ酸基の例には、1)脂肪族側鎖:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、およびイソロイシン、2)脂肪族−ヒドロキシル側鎖:セリンおよびスレオニン、3)アミド含有側鎖:アスパラギンおよびグルタミン、4)芳香族側鎖s:フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファン、5)塩基性側鎖:リジン、アルギニン、およびヒスチジン、6)酸性側鎖:アスパラギン酸およびグルタミン酸、ならびに7)硫黄含有側鎖:システインおよびメチオニンが含まれる。好ましい保存的アミノ酸置換基は、バリン−ロイシン−イソロイシン、フェニルアラニン−チロシン、リジン−アルギニン、アラニン−バリン、グルタミン酸−アスパラギン酸、およびアスパラギン−グルタミンである。
あるいは、保存的置換とは、参照により本明細書に援用される、Gonnetら、Science第256巻:1443〜45ページ(1992年)で開示されているPAM250ログ−尤度行列において正の値を有する任意の変化である。「中程度に保存的な」置換は、PAM250ログ−尤度行列において負でない値を有する任意の変化である。
好ましいアミノ酸置換は、(1)タンパク質分解に対する感受性を低減し、(2)酸化に対する感受性を低減し、(3)タンパク質複合体を形成するための結合親和性を変更し、(4)そのような類似体の他の物理化学的または機能的な特性を付与または改変するものである。置換、欠失、および/または挿入を含む類似体は、指定のペプチド配列以外の配列の様々な変異タンパク質を含んでいてよい。たとえば、1回または複数回のアミノ酸置換(好ましくは保存的アミノ酸置換)を、指定の配列(好ましくは、分子間の接触を形成するドメインの外側、たとえばCDRの外側のポリペプチド部分)で行われるものでよい。保存的アミノ酸置換は、親配列の構造上の特性を実質的に変化させるべきでない(たとえば、置換アミノ酸は、親配列に存在するらせん体を破壊し、または親配列を特徴付ける他の種類の二次構造を混乱させる傾向をもつべきでない)。当業界で認められているポリペプチドの二次および三次構造の例は、「Proteins,Structures and Molecular Principles」(Creighton編、W.H.Freeman and Company、米国ニューヨーク(1984年))、「Introduction to Protein Structure」(C.BrandenおよびJ.Tooze編、Garland Publishing、米国ニューヨーク州ニューヨーク(1991年))、およびThorntonら、Nature第354巻:105ページ(1991年)に記載されており、これらの文献はそれぞれ、参照により本明細書に援用される。
ポリペプチドの配列類似性は、通常は配列解析ソフトウェアを使用して測定される。タンパク質分析ソフトウェアは、保存的アミノ酸置換を含めて様々な置換、欠失、および他の変更に割り当てられた類似性尺度を使用して、同様の配列をマッチさせる。たとえば、Wisconsin Packageとも呼ばれるGenetics Computer Group(GCG、Genetics Computer Group,Inc.から入手可能)は、ヌクレオチド配列およびタンパク質配列への接近、その分析、および操作のための、130を超えるプログラムからなる統合的なソフトウェアパッケージである。GCGは、「ギャップ」および「ベストフィット」などのプログラムを含み、デフォルトのパラメータを使用して、異なる生物種からの相同的なポリペプチドなどの近い関係にあるポリペプチド間、または野生型タンパク質とその変異タンパク質間の配列類似性、相同性、および/または配列同一性を決定することができる。たとえば、GCGバージョン6.1、バージョン9.1、およびバージョン10.0を参照されたい。
ポリペプチド配列は、GCGバージョン6.1のプログラムである、デフォルトまたは推奨のパラメータを使用するFASTAを使用して比較することができる。FASTA(たとえばFASTA2およびFASTA3)は、クエリーと探索配列間の最もよく部分的に重なる領域のアライメントおよびパーセントの配列同一性を提供する(Pearson、Methods Enzymol.第183巻:63〜98ページ(1990年);Pearson、Methods Mol.Biol.第132巻:185〜219ページ(2000年))。本発明の配列を種々の生物からの多数の配列を含むデータベースと対照するときの別の好ましいアルゴリズムは、デフォルトのパラメータを使用するコンピュータプログラムBLAST、特にblastpまたはtblastnである。たとえば、参照により本明細書に援用されるAltschulら、J.Mol.Biol.第215巻:403〜410ページ(1990年);Altschulら、Nucleic Acids Res.第25巻:3389〜402ページ(1997年)を参照されたい。
「アロマターゼ」とは、本明細書で使用するとき、アンドロゲン基質(主にアンドロステンジオン)のA環の芳香族化を触媒してエストロンにする酵素(たとえば450arom)を指す。
「アロマターゼ阻害剤」とは、アロマターゼと接触させたとき、その化合物または物質の不在下での芳香族化のレベルと比べて、アンドロゲン基質のA環の形成を検出可能な程度に阻害する化合物または物質を意味する。アロマターゼによる酵素活性のレベルを評価する任意のアッセイを使用して、阻害があるかどうか、および/またはそのレベルを評価することができる。アロマターゼ阻害剤には、その限りでないが、特に、エキセメスタン、アナストロゾール、レトロゾール、ファドロゾール、ボロゾール、およびフォルメスタンなどのステロイド性および非ステロイド性の阻害剤が含まれ、この用語は、現在知られているものであろうが、将来同定されるものであろうが、任意のアロマターゼ阻害剤を含む。
無処置の「抗体」は、ジスルフィド結合によって相互に連結された少なくとも2本の重(H)鎖および2本の軽(L)鎖を含む。一般に、「Fundamental Immunology」第7章(Paul,W.編、第2版、Raven Press、米国ニューヨーク(1989年))(いかようにもその全体が参照により援用される)を参照されたい。各重鎖は、重鎖可変部(HCVRまたはV)と重鎖定常部(C)とからなる。重鎖定常部は、3つのドメインCH1、CH2、およびCH3からなる。各軽鎖は、軽鎖可変部(LCVRまたはV)と軽鎖定常部とからなる。軽鎖定常部は、1つのドメインCからなる。VおよびV領域は、フレームワーク領域(FR)と名付けられたより保存された領域に点在している、相補性決定領域(CDR)と名付けられた超可変性の領域にさらに細分することができる。各VおよびVは、アミノ末端からカルボキシル末端へとFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順序で並べられた3つのCDRおよび4つのFRから構成される。アミノ酸の各ドメインへの割当は、Kabat、「Sequences of Proteins of Immunological Interest」(National Institutes of Health、米国メリーランド州ベセズダ(1987年および1991年))、またはChothiaおよびLesk、J.Mol.Biol.第196巻:901〜917ページ(1987年);Chothiaら、Nature第342巻:878〜883ページ(1989年)の規定に従うものである。
抗体の「抗原結合部分」という用語(または単に「抗体部分」)とは、本明細書では、抗原(たとえばCTLA4)に特異的に結合し得る能力を保持する1つまたは複数の抗体断片を指す。抗体の抗原結合性の機能は、全長抗体の断片によって実行され得ることが示されている。抗体の「抗原結合部分」という用語の範囲内に含まれる結合断片の例には、(i)一価の断片V、V、C、およびC1ドメインからなるFab断片、(ii)F(ab’)断片、すなわちヒンジ部のところでジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価の断片、(iii)VおよびC1ドメインからなるFd断片、(iv)抗体の1本の腕であるVおよびVドメインからなるFv断片、(v)VドメインからなるdAb断片(Wardら、(1989年)Nature第341巻:544〜546ページ)、ならびに(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が含まれる。さらに、Fv断片の2つのドメイン、すなわちVおよびVは、別個の遺伝子によってコードされているが、VとVの領域の対が、(単鎖Fv(scFv)として知られている)一価の分子を形成する単一のタンパク質鎖となるようにする合成リンカーによって、組換え法を使用して結合させることができる。たとえば、Birdら、Science第242巻:423〜426ページ(1988)およびHustonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA第85巻:5879〜5883ページ(1988年))を参照されたい。そのような単鎖の抗体も、抗体の「抗原結合部分」という用語の範囲内に含まれるものとする。ダイアボディなどの他の形態の単鎖抗体も含まれる。ダイアボディは、VおよびVドメインが単一のポリペプチド鎖上に発現される二価の二重特異性抗体であるが、短すぎるために同じ鎖上の2つのドメイン間の対合を不可能にするリンカーを使用し、それによってそのドメインが別の鎖の相補ドメインと対になるようにさせ、2つの抗原結合部位を与えている(たとえば、Holligerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA第90巻:6444〜6448ページ(1993年);Poljakら、Structure第2巻:1121〜1123ページ(1994年)を参照されたい)。
さらにまた、抗体またはその抗原結合部分は、抗体または抗体部分と1種または複数の他のタンパク質またはペプチドとの共有結合または非共有結合性の結合によって生成したより大きい免疫接着分子の部分でもよい。そのような免疫接着分子の例には、ストレプトアビジンコア領域を使用して四量体のscFv分子を作製するもの(Kipriyanovら、Human Antibodies and Hybridomas第6巻:93〜101ページ(1995年))、ならびにシステイン残基、マーカーペプチド、およびC末端ポリヒスチジンタグを使用して二価のビオチン標識されたscFv分子を作製するもの(Kipriyanovら、Mol.Immunol.第31巻:1047〜1058ページ(1994年))が含まれる。他の例には、抗体からの1つまたは複数のCDRが共有結合的または非共有結合的に分子に組み込まれて、その分子を、CTLA4などの問題の抗原に特異的に結合するイムノアドヘシンにする例が含まれる。このような実施形態では、CDRは、より大きいポリペプチド鎖の一部として組み込んでもよいし、別のポリペプチド鎖に共有結合によって連結してもよいし、または非共有結合的に組み込んでもよい。FabおよびF(ab’)断片などの抗体部分は、全抗体から、それぞれ全抗体のパパインまたはペプシン消化などの従来の技術を使用して調製することができる。さらに、本明細書に記載するように、標準の組換えDNA技術を使用して、抗体、抗体部分、および免疫接着分子を得ることができる。
本発明に関して本明細書で「抗体」に言及する場合では、その抗原結合部分を用いてもよいことを理解されたい。抗原結合部分は、特異的な結合について無処置の抗体と競合する。一般に、「Fundamental Immunology」第7章(Paul,W.編、第2版、Raven Press、米国ニューヨーク州ニューヨーク(1989年))(いかようにもその全体を参照により援用する)を参照されたい。抗原結合部分は、組換えDNA技術によって、または無処置抗体の酵素的もしくは化学的な分割によって生成することができる。一部の実施形態では、抗原結合部分には、Fab、Fab’、F(ab’)、Fd、Fv、dAb、および相補性決定領域(CDR)といった断片、一本鎖抗体(scFv)、キメラ抗体、ダイアボディ、ならびに特定の抗原をそのポリペプチドに結合させるのに十分な、抗体の少なくとも一部分を含むポリペプチドが含まれる。1個または複数の結合部位を有する実施形態では、結合部位は互いに同じでも、または異なるものでもよい。
本明細書では区別なく使用する用語「ヒト抗体」または「ヒト配列抗体」は、ヒト生殖系列イムノグロブリン配列に由来する、(存在するならば)可変部および定常部を有する抗体を含む。本発明のヒト配列抗体は、ヒト生殖系列イムノグロブリン配列によってコードされていないアミノ酸残基(たとえば、ランダムもしくは部位特異的な変異原性によってインビトロで、または体細胞変異によってインビボで導入される変異)を含んでいてよい。しかし、用語「ヒト抗体」は、本明細書では、マウスなどの別の哺乳類種の生殖系列に由来するCDR配列が、ヒトフレームワーク配列に接ぎ合わされている「キメラ」抗体(すなわち、「ヒト化」またはPRIMATIZED(商標)抗体)を含まないものとする。
用語「キメラ抗体」とは、本明細書では、2種以上の異なる抗体からの領域を含む抗体を意味する。一実施形態では、CDRの1つまたは複数は、ヒト抗CTLA4抗体に由来するものである。別の実施形態では、CDRのすべてがヒト抗CTLA4抗体に由来するものである。別の実施形態では、複数のヒト抗CTLA4抗体からのCDRが、キメラヒト抗体になって組み合わされている。たとえば、キメラ抗体は、第一のヒト抗CD40抗体軽鎖からのCDR1、第二のヒト抗CTLA4抗体軽鎖からのCDR2、および第三のヒト抗CTLA4抗体軽鎖からのCDR3を含んでよく、重鎖からのCDRは、1種または複数の他の抗CD40抗体に由来するものでよい。さらに、フレームワーク領域は、同じ抗CTLA4抗体のうちの1つから、または1種または複数の異なるヒトから得られるものでよい。
さらに、本明細書で以前に論述したように、キメラ抗体には、複数の種の生殖系列配列に由来する部分を含む抗体が含まれる。
「グリコフォーム」とは、様々な炭水化物単位の連鎖を含む複合少糖構造を指す。このような構造は、たとえば、「Essentials of Glycobiology」、Varkiら編、Cold Spring Harbor Laboratory Press、米国ニューヨーク州コールドスプリングハーバー(1999年)に記載されており、この文献は、標準の糖鎖生物学命名法の概説も提供する。そのようなグリコフォームには、その限りでないが、G2、G1、G0、G−1、およびG−2が含まれる(たとえば、国際特許公開WO99/22764を参照されたい)。
「グリコシル化パターン」とは、タンパク質に共有結合で結合している(たとえばグリコフォーム)、ならびにグリコフォームがタンパク質のペプチド主鎖に共有結合で結合する部位、より詳細には免疫グロブリンタンパク質に共有結合で結合している炭水化物単位のパターンであると定義される。
異なる細胞系によって、またはトランスジェニック動物中で発現される抗体はおそらく、互いに比較して異なるグリコフォームおよび/またはグリコシル化パターンを有すると思われる。しかし、抗体のグリコシル化にかかわらず、本明細書で提供する核酸分子によってコードされ、または本明細書で提供するアミノ酸配列を含むすべての抗体は、本発明の部分である。
用語「有効量」または「治療有効量」とは、本明細書では、哺乳動物、好ましくはヒトに投与したとき、化合物の不在下で検出される応答と比べて検出可能な治療応答を媒介する量を意味する。その限りでないが、腫瘍成長、腫瘍サイズ、転移などの抑制および/または低下といった治療応答は、たとえば、本明細書で開示する方法を含めて、当業界で認められているあらゆる方法によって容易に評価することができる。
本明細書で投与する化合物または組成物の有効量は、様々であり、治療対象となる疾患または状態、疾患の段階、治療対象となる哺乳動物の年齢、健康状態、身体的状態、疾患の重症度、投与する特定の化合物などのいくつかの要素に基づいて容易に決定できることは、当業者ならばわかるはずである。
用語「競合する」とは、本明細書では、抗体に関して、第一の抗体またはその抗原結合部分が、結合について第二の抗体またはその抗原結合部分と競合することを意味し、ここで、第一の抗体のその同族のエピトープとの結合は、第二の抗体の存在下では、第二の抗体の不在下での第一の抗体の結合と比べて検出可能な程度に減少する。第二の抗体のそのエピトープへの結合が、第一の抗体の存在下で検出可能な程度に減少する選択肢もあり得るが、そうなる必要はない。すなわち、第一の抗体は、第二の抗体のそのエピトープへの結合を阻害することができ、第二の抗体が第一の抗体のそのそれぞれのエピトープへの結合を阻害することはない。しかし、各抗体が、他の抗体のその同族のエピトープまたはリガンドとの結合を、同じ、より大きい、またはより少ない程度に検出可能に阻害する場合では、抗体は、そのそれぞれのエピトープの結合について互いに「交差競合する」と言う。たとえば、交差競合抗体は、本発明で使用する抗体の結合相手であるエピトープまたはエピトープの部分に結合することができる。競合抗体および交差競合抗体のどちらの使用も本発明に含まれる。そのような競合または交差競合が起こる機序(たとえば、立体障害、高次構造の変化、または一般的なエピトープもしくはその部分への結合など)にかかわらず、当業者ならば、本明細書で示す教示に基づき、そのような競合抗体および/または交差競合抗体が含まれ、本明細書で開示する方法に有用であることがわかるはずである。
用語「エピトープ」は、免疫グロブリンまたはT細胞受容体に特異的に結合することのできる任意のタンパク質決定基を含む。エピトープ決定基は通常、アミノ酸または糖側鎖などの化学的に活性のある表面分子群からなり、普通は、特異的な三次元構造特性ならびに特異的な電荷特性を有する。高次構造と非高次構造のエピトープは、後者でなく前者への結合は変性溶媒の存在下で損なわれるという点で区別される。
「説明材料」は、本明細書でこの用語を使用するとき、本明細書で列挙した様々な疾患または障害に影響を及ぼし、それを緩和し、または治療するためのキットに入った本発明の化合物、組合せ、および/または組成物の有用性の伝達に使用することのできる出版物、記録、図、または任意の他の表現媒体を含む。場合によりまたは別法として、説明材料は、本明細書の別の場所で開示したものを含めて、細胞、組織、または哺乳動物の疾患または障害を緩和する1種または複数の方法について述べることもできる。
キットの説明材料は、たとえば、本発明の化合物および/もしくは組成物を含む容器に添付されていてもよいし、または化合物および/もしくは組成物を含む容器と一緒に出荷されるものでもよい。あるいは、説明材料は、受取人が説明材料と化合物を協同的に使用するという意図で、容器と別々に出荷してもよい。
特に言及する場合を除き、用語「患者」または「対象」は、区別なく使用し、ヒト患者やヒトでない霊長類などの哺乳動物、ならびにウサギ、ラット、マウスなどの獣医学の対象、および他の動物を指す。患者は、ヒトを指すことが好ましい。
本明細書では、ポリペプチド配列を描写するのに従来の表示法を使用し、すなわち、ポリペプチド配列の左手側はアミノ末端であり、ポリペプチド配列の右手側はカルボキシル末端である。
表現「特異的に結合する」とは、本明細書では、特定の分子を認識し結合するが、サンプル中の他の分子を実質的に認識または結合しない化合物、たとえば、タンパク質、核酸、抗体などを意味する。たとえば、抗体またはペプチド阻害剤はサンプル中で同族のリガンドを認識し結合する(たとえば、その同族の抗原CTLA4と結合する抗CTLA4抗体)が、サンプル中の他の分子を実質的に認識または結合しない。したがって、示した検定条件下で、指定の結合部分(たとえば、抗体またはその抗原結合部分)は、ある特定の標的分子に優先的に結合し、試験サンプル中に存在する他の成分には有意な量で結合しない。様々な検定型式を使用して、問題の分子を特異的に結合する抗体を選択することができる。たとえば、固相ELISA免疫測定法、免疫沈殿法、BIAcore、およびウェスタンブロット分析を使用して、CTLA4と特異的に反応する抗体を同定する。通常、特異的または選択的な反応は、バックグラウンドシグナルまたはノイズの少なくとも2倍となり、より典型的な例ではバックグラウンドの10倍を上回り、さらにより具体的には、平衡解離定数(K)が≦1μM、好ましくは≦100nM、最も好ましくは≦10nMであるとき、抗体が抗原を「特異的に結合する」と言う。
用語「K」とは、ある特定の抗体−抗原相互作用の平衡解離定数を指す。
本明細書では、「実質的に純粋な」とは、目的化学種が存在する主な化学種であり(すなわち、モル濃度基準で、組成物中の他の任意の個々の化学種より豊富である)ことを意味し、好ましくは、実質的に精製された画分が、目的化学種(たとえば抗CTLA4抗体)が存在する全高分子化学種の少なくとも約50パーセント(モル濃度で)を占める組成物であることが好ましい。一般に、実質的に純粋な組成物は、組成物中に存在する全高分子化学種の約80パーセント超、より好ましくは約85%、90%、95%、および99%超を占めることになる。目的化学種が、精製されて本質的に均質になっており(組成物中に混入物化学種が従来の検出法によって検出され得ない)、組成物は基本的に単一の高分子化学種からなることが最も好ましい。
本明細書では、「治療する」とは、患者が疾患の症状(すなわち、腫瘍成長および/もしくは転移、または免疫細胞の数および/もしくは活動を媒介とする他の影響など)を経験する頻度を減少させることを意味する。この用語は、本発明の化合物または薬剤を投与して、症状、合併症、または疾患の生化学的徴候(たとえば、PSAレベルの上昇)の発生を防ぎまたは遅らせ、症状を緩和し、あるいは疾患、状態、または障害のそれ以上の進展を阻止または抑制することを含む。治療は、予防的でもよいし(疾患の発生を防ぎまたは遅らせ、あるいはその臨床的または準臨床的な症状の出現を予防するため)、あるいは疾患が出現した後の症状の治療的な抑制または軽減でもよい。
I.抗体−アロマターゼ阻害剤併用療法
本発明は、ヒトCTLA4またはこの抗体の抗原結合部分を結合する抗体を、ホルモン(たとえばアロマターゼ阻害剤)療法と組み合わせて投与して乳癌を治療する方法に関する。本発明の方法に従うCTLA4のブロックと患者のエストロゲンレベルの低減の組合せは、以下でより十分に論述するとおり、相乗的な治療利益を提供する。
本発明は、患者に少なくとも1種のアロマターゼ阻害剤と組み合わせて抗体を投与する数多くの併用療法を含むが、本発明は、本明細書に記載の説明の目的にすぎない例示薬剤に決して限定されない。
一実施形態では、CTLA4抗体またはその抗原結合部分とアロマターゼ阻害剤(「AI」)の組合せを乳癌患者に投与する。一態様では、アロマターゼ阻害剤は、それぞれARIMIDEX、FEMARA、およびAROMASINとして市販されている、アナストロゾール、レトロゾール、およびエキセメスタンからなる群から選択される。より好ましくは、アロマターゼ阻害剤はエキセメスタンである。これは、相乗的または相加的な効果が、抗CTLA4抗体とAIを含む組合せの投与を介しているためである。本発明の特定の理論に拘泥するものでないが、AI療法は、おそらくはアポトーシスまたは他の構築に関する変化によって乳癌腫瘍特異性抗原の免疫系への曝露を増大させ得るので、腫瘍細胞に対する免疫応答が増大する。すなわち、ホルモン療法は、腫瘍細胞の死を媒介とする腫瘍特異性抗原の供給源を創出しまたは増加させることができ、これにより宿主の抗原提示経路に腫瘍抗原を供給することができる。抗CTLA4抗体は、抗原提示経路中の増大したレベルの腫瘍特異性抗原に対する増大した免疫応答の媒介となり、そのために、アロマターゼ阻害剤療法と組み合わせると潜在的な相乗的治療効果を提供する。腫瘍特異性抗原の細胞死の解放を通した免疫応答の抗CTLA4強化との相乗作用をもたらす他の併用療法は、特に放射線、外科手術、および化学療法である。
本発明の特定の理論に拘泥するものでないが、CTLA4ブロックとアロマターゼ阻害の組合せは、乳癌に対して予想以上に強固な免疫学的応答を誘発し得る。したがって、特に、エキセメスタンを使用するアロマターゼブロックの抗CLTA4抗体との組合せは、潜在的な相乗効果をもたらし、それによって乳癌のための重要な新規の治療処置を提供することができる。
本発明の方法は、腫瘍細胞を感作し、または別な方法で患者に治療利益を付与するために、外科手術、放射線療法、または他の任意の治療局在的な治療の前のネオアジュバント療法として実施することができる。しかし、本発明は、ネオアジュバントという設定に限定されない。むしろ、本発明の方法は、疾患全体および治療の流れ、たとえば、その限りでないが、乳癌のためのアジュバント、ファーストライン、セカンドライン、サードライン療法などに沿って使用することができる。
一実施形態では、乳癌はエストロゲン受容体陽性(ER+)であるので、アロマターゼ阻害は、エストロゲンレベルを低減し、それによって腫瘍に影響を及ぼす。一態様では、ER+腫瘍は、閉経後の(post−men)女性患者に存在するので、そうした患者ではエストロゲンレベルを減少させることが治療的な抗腫瘍効果の媒介となる。しかし、閉経後ER+患者にAI療法を投与することが好ましい場合もあるが、本発明は、そのような患者に限定されず、むしろ、本明細書で示す教示を身につけた当業者によって決定される、エストロゲンレベルの低下とCTLA4ブロックによる免疫増強との組合せから治療利益を得ることのできる任意の患者への、抗CTLA4抗体−アロマターゼ阻害剤療法の投与を含む。
II.投与計画
最適な所望の応答を得るために、投与計画は調整することができる。たとえば、1回のボーラス投与を行うこともでき、投与量を数回に分けて時間をかけて投与することもでき、または治療状況の緊急性に応じて投与量を増減することもできる。投与量単位形態の非経口組成物を製剤することは、投与を容易にし、投与量を均一にするために特に有利である。投与量単位形態とは、本明細書では、治療を受ける哺乳類対象のための単位投与量として適した物理的に分離した単位を指し、各単位は、必要な医薬担体と共同して所望の治療効果を生み出すように計算された所定の量の活性化合物を含有する。本発明の投与量単位形態の詳細は、(a)抗体のユニークな特徴ならびに実現しようとする特定の治療的または予防的な効果、(b)個々の治療感受性に合わせてそのような活性化合物を調合するという当業界特有の制限によって必然的に決まり、これらに直接左右される。
投与される抗体の治療有効量の好例となる非限定的な範囲は、本発明によれば、少なくとも約1mg/kg、少なくとも約5mg/kg、少なくとも約10mg/kg、約10mg/kg超、または少なくとも約15mg/kg、たとえば約1〜30mg/kg、またはたとえば約1〜25mg/kg、またはたとえば約1〜20mg/kg、またはたとえば約5〜20mg/kg、またはたとえば約10〜20mg/kg、またはたとえば約15〜20mg/kg、またはたとえば約15mg/kgである。投与量の値は、軽減しようとする状態の種類および重症度によって様々でよく、1回または複数回分の用量を含んでよいことを留意されたい。任意の特定の対象、詳細な投与計画は、個々の要求、および組成物の投与を行い、または監督する者の専門的な判断に従って時間と共に調整すべきであること、ならびに本明細書に記載の投与量範囲は、例示的なものにすぎず、特許請求の範囲に記載の組成物の範囲または運用を限定するものでないこともさらに理解されたい。抗体の適切な投与量および投与計画の決定については、関連業界でよく知られており、本明細書で開示する教示が一度示されれば当業者によって実現されることも理解されるはずである。
一実施形態では、抗体は、適切な緩衝液系中に約5〜20mg/mlの抗体を含有する無菌水溶液としての静脈内製剤にして投与する。
一実施形態では、低用量の投与については、投与量の一部を静脈内ボーラス投与によって投与し、残りを抗体製剤の注入によって投与する。たとえば、抗体の0.01mg/kgの静脈内注射はボーラス投与として与え、所定の抗体投与量の残りを静脈内注射によって投与することができる。別の実施形態では、低用量の全量を1回のボーラス投与として投与する。より多い投与量、たとえば3mg/kgについては、抗体はボーラス投与として投与せず、全量を点滴によって投与する。所定の投与量の抗体は、たとえば、約1.5時間〜約5時間かけて投与することができる。
本発明は、抗CTLA4抗体とアロマターゼ阻害剤の組合せの投与に関する。当業者ならば、組合せを同時に投与してもよいし、または2種の薬剤を異なる時点で投与してもよいことをわかっているはずである。たとえば、一実施形態では、抗体は、1回の投与および/または注入として投与し、アロマターゼ阻害剤(たとえば、エキセメスタート(exemestate))は、抗体投与の前、最中、または後に開始して1日に1回投与する。通常、エキセメスタンは、普通は1日の同じ時期かつ食後に1日1回、毎日投与する。しかし、本発明は、アロマターゼ阻害剤のための任意の特定の投与量または投与計画に限定されない。抗体およびアロマターゼ阻害剤投与のための最適な投与量、経路、および投与計画はむしろ、関連業界の技術者によって、よく知られた方法を使用して容易に決定することができる。
たとえば、単回用量または複数回用量の抗体を投与することができる。あるいは、少なくとも1用量、または少なくとも3、6、または12用量を投与することができる。この用量は、たとえば、2週間毎、毎月、20日毎、25日毎、28日毎、30日毎、40日毎、6週間毎、50日毎、2カ月毎、70日毎、80日毎、3カ月毎、6カ月毎、または毎年投与することができる。加えて、アロマターゼ阻害剤は、毎日、1日に数回または1回、毎週、1週間おき、3週間おき、4週間おき、毎月、3カ月毎、6カ月毎、年1回、または熟練した従業者によって決定される、患者に治療利益をもたらす他の任意の時期に投与することができる。
抗体は、疾患の進行もしくは非忍容性の毒性に至るまで、または連続して12サイクルに達するまでのいずれか短い方の時期まで投与することができる。抗体は、初回負荷量の後より少ない用量の投与を含む投与計画を使用して投与してもよい。抗体およびアロマターゼ阻害剤の、少なくとも1回、より好ましくは数回のサイクルからなる繰返しの過程は、抗CTLA4抗体とアロマターゼ阻害剤の組合せの投与の恩恵を以前に受けたことのある、腫瘍再発経験のある患者に投与することができる。
一実施形態では、患者に、抗CTLA4抗体を含む単回注射を約3mg/kgの用量で28日毎に静脈内投与する。抗体投与の前、最中、および/または後に、1日当たり約25mgの用量のエキセメスタンも患者に投与する。本発明の実施形態では、患者に、抗CTLA4抗体を含む単回用量を約3mg/kg、好ましくは約6mg/kg、より好ましくは約10mg/kg、好ましくは約15mg/kgの用量で3カ月毎に静脈内投与する。抗体投与の前、最中、および/または後に、1日当たり約25mgの用量のエキセメスタンも患者に投与する。別の実施形態では、患者に、抗CTLA4抗体を含むボーラス投与を、3mg/kgより多い用量(たとえば、6、10、15、20、25、30、35、または40mg/kg)で28日毎に静脈内投与する。用量は、当業界で知られているように、他の要素の中でも、毒性(もしあれば)および治療有効性に基づき調節することができる。抗体投与の前、最中、および/または後に、1日当たり約25mgの用量のエキセメスタンも患者に投与する。
抗体−アロマターゼ阻害剤の組合せは、ファーストライン全身アジュバント療法として投与することができ、あるいは腫瘍細胞を感作し、または別な方法で患者に治療利益を付与するために、外科手術、放射線療法、または他の任意の治療の前にネオアジュバント療法として患者に投与することができる。
さらに、この組合せは、その限りでないが、タモキシフェンファーストライン療法が一度失敗している場合などで、セカンドライン療法として投与することができる。あるいは、この組合せは、タモキシフェン療法と並行して、およびまたはタモキシフェン療法中の任意の時点に投与することができ、通常、最初の治療後約5年間投与される。別の実施形態では、抗CTLA4抗体とエキセメスタンの組合せは、約2年または3年のタモキシフェンまたは他のアジュバント療法の後に患者に投与することができる。これは、約2〜3年のタモキシフェン療法の後のエキセメスタン療法が、治療利益をもたらす一方でタモキシフェン療法の副作用を低減することが実証されているためである。
したがって、抗CLTA4抗体とアロマターゼ阻害剤、好ましくはエキセメスタンの組合せは、特に、タモキシフェン療法に一度失敗している場合、別のアロマターゼ阻害剤(たとえばアナストロゾール、レトロゾールなど)を使用する全身アジュバント療法に一度失敗している場合、および/または約2〜3年のタモキシフェン投与の後に治療利益をもたらし得る。したがって、本明細書で提供する開示に基づき当業者にはわかるはずのことであるが、本発明は、タモキシフェン、アナストロゾール、レトロゾール、およびフルベストラントを含むがこの限りでない追加の抗ホルモン療法と組み合わされ、またはそれに引き続いての、抗CTLA4抗体とアロマターゼ阻害剤の投与を含む。
III.抗CTLA4抗体
一実施形態では、本発明で使用するCTLA4抗体は、Vのアミノ酸配列が、配列番号3、15、および27に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。さらに別の実施形態では、CTLA4抗体のVは、配列番号9、21、および33に記載のアミノ酸配列を含む。より好ましくは、抗体のVおよびV領域は、配列番号3(V4.1.1)および配列番号9(V4.1.1)にそれぞれ記載のアミノ酸配列、配列番号15(V4.13.1)および配列番号21(V4.13.1)にそれぞれ記載のアミノ酸配列、ならびに配列番号27(V11.2.1)および配列番号33(V11.2.1)にそれぞれ記載のアミノ酸配列を含む。最も好ましくは、抗体は、抗体11.2.1の重鎖および軽鎖アミノ酸配列を有するチシリムマブ(ticilimumab)(CP−675,206としても知られている)である。
さらに別の実施形態では、重鎖のアミノ酸配列は、配列番号1、13、および25に記載の核酸配列を含む核酸によってコードされるアミノ酸配列を含む。さらに別の実施形態では、軽鎖は、配列番号7、19、および31に記載の核酸配列を含む核酸によってコードされるアミノ酸配列を含む。より好ましくは、重鎖および軽鎖は、配列番号1(重鎖4.1.1)および配列番号7(軽鎖4.1.1)にそれぞれ記載の核酸配列、配列番号13(重鎖4.13.1)および配列番号19(軽鎖4.13.1)にそれぞれ記載の核酸配列、ならびに配列番号25(重鎖11.2.1)および配列番号31(軽鎖11.2.1)にそれぞれ記載の核酸配列を含む核酸によってコードされるアミノ酸配列を含む。
さらに、抗体は、V3〜30または3〜33遺伝子に由来するヒトCDRアミノ酸配列、またはその中の保存的置換もしくは体細胞変異を含む重鎖アミノ酸配列を含む。V3〜30またはV3〜33遺伝子が、抗体分子の重鎖可変部のFR1からFR3をコードしていることは理解される。したがって、本発明は、3.1.1、4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1、12.3.1.1、2.9.1.1、10D1、およびDP−50からなる群から選択される抗体のFR1からFR3までの配列との同一性が少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも91%、さらにより好ましくは少なくとも94%、さらにより好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも98%、さらにより好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは100%である抗体を含む。
抗体はさらに、A27またはO12遺伝子に由来するその軽鎖の中にCDR領域を含んでもよいし、または3.1.1、4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1、12.3.1.1、2.9.1.1、10D1からなる群から選択される抗体のCDR領域を含んでもよい。
本発明の他の実施形態では、抗体は、CTLA4と、B7−1、B7−2、もしくはこの両方との結合を阻害する。抗体は、B7−1との結合を、約100nM以下、より好ましくは約10nM以下、たとえば約5nM以下、さらにより好ましくは、約2nM以下、またはさらにより好ましくはたとえば約1nM以下のIC50で阻害し得ることが好ましい。同様に、抗体は、B7−2との結合を、約100nM以下、より好ましくは10nM以下、たとえばさらにより好ましくは約5nM以下、さらにより好ましくは約2nM以下、またはさらにより好ましくは約1nM以下のIC50で阻害し得る。
さらに、別の実施形態では、抗CTLA4抗体は、CTLA4に対する結合親和性が約10−8以上の親和性、より好ましくは約10−9以上の親和性、より好ましくは約10−10以上の親和性、さらにより好ましくは約10−11以上の親和性である。
抗CTLA4抗体には、4.1.1、6.1.1、11.2.1、4.13.1、および4.14.3からなる群から選択される抗体の重鎖および軽鎖アミノ酸配列を有する抗体との結合について競合する抗体が含まれる。さらに、抗CTLA4抗体は、抗体10D1との結合について競合し得る。
別の実施形態では、抗体は、抗体4.1.1、4.13.1、4.14.3、6.1.1、または11.2.1の重鎖および軽鎖配列、可変重鎖および可変軽鎖配列、および/または重鎖および軽鎖CDR配列を有する抗体と交差競合することが好ましい。たとえば、抗体は、4.1.1、4.13.1、4.14.3、6.1.1、または11.2.1からなる群から選択される抗体の重鎖および軽鎖アミノ酸配列、可変配列、および/またはCDR配列を有する抗体の結合相手であるエピトープに結合することができる。別の実施形態では、抗体は、10D1(MDX−D010)の重鎖および軽鎖配列または抗原結合配列を有する抗体と交差競合する。
別の実施形態では、本発明は、3.1.1、4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1、12.3.1.1、および12.9.1.1からなる群から選択される抗体の、CDR−1、CDR−2、およびCDR−3のアミノ酸配列を含む重鎖とCDR−1、CDR−2、およびCDR−3のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含み、あるいは保存的な変更(非極性残基の他の非極性残基での置換、極性荷電残基の他の極性非荷電残基での置換、極性荷電残基の他の極性荷電残基での置換、構造が類似している残基の置換からなる群から選択される)、非保存的な置換(極性非荷電残基に代わり極性荷電残基となる置換、および極性残基に代わり非極性残基となる置換からなる群から選択される)、付加、および欠失からなる群から選択されるCDR配列からの変更を有する配列を含む抗CTLA4抗体を使用して実行する。
本発明の別の実施形態では、抗体は、フレームワーク領域またはCDR領域中に生殖系列配列からの、10、7、5、または3アミノ酸未満の変更を含む。別の実施形態では、抗体は、フレームワーク領域中に5アミノ酸未満の変更、およびCDR領域中に10未満の変更を含む。好ましい一実施形態では、抗体は、フレームワーク領域中に3アミノ酸未満の変更、およびCDR領域中に7未満の変更を含む。好ましい実施形態では、フレームワーク領域中の変更は保存的であり、CDR領域中の変更は体細胞変異である。
別の実施形態では、抗体は、重鎖および軽鎖全長配列について、または重鎖もしくは軽鎖単独について、抗体3.1.1、4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1、12.3.1.1、12.9.1.1、10D1の配列との配列(たとえば、アミノ酸、核酸、または両方)同一性または配列類似性が、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも94%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも99%である。抗体は、抗体3.1.1、4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1、12.3.1.1、12.9.1.1、10D1から選択される抗体の重鎖および軽鎖について、または重鎖もしくは軽鎖単独との配列同一性または配列類似性が100%であることがさらにより好ましい。
別の実施形態では、抗体は、生殖系列VκA27、生殖系列VκO12、および(V3〜33遺伝子座の対立遺伝子である)生殖系列DP50の配列との配列同一性または配列類似性が、重鎖および軽鎖全長配列について、または重鎖もしくは軽鎖単独について、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも94%、より好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも99%である。抗体は、生殖系列DP50の重鎖配列について、および/または生殖系列A27もしくは生殖系列O12の軽鎖配列との配列同一性または配列類似性が100%であることがさらにより好ましい。
一実施形態では、抗体は、重鎖および軽鎖可変部配列について、または重鎖もしくは軽鎖可変部配列単独について、抗体3.1.1、4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1、12.3.1.1、12.9.1.1、10D1の配列との配列(たとえば、アミノ酸、核酸、または両方)同一性または配列類似性が、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも94%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも99%である。抗体は、抗体3.1.1、4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1、12.3.1.1、12.9.1.1、10D1から選択される抗体の重鎖および軽鎖可変部配列について、または重鎖または軽鎖配列単独との配列同一性または配列類似性が100%であることがさらにより好ましい。
別の実施形態では、抗体は、重鎖可変部配列について、(V3〜33遺伝子座の対立遺伝子である)重鎖生殖系列DP50の重鎖可変配列または生殖系列VκA27もしくは生殖系列VκO12の軽鎖可変配列との配列同一性または配列類似性が、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも94%、より好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも99%である。抗体重鎖領域配列は、生殖系列DP50の配列または生殖系列A27もしくは生殖系列O12の軽鎖配列との配列同一性または配列類似性が100%であることがさらにより好ましい。
本発明の一実施形態では、抗体は、抗体3.1.1、4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1、12.3.1.1、12.9.1.1、10D1のFR1〜FR4領域配列との配列同一性または配列類似性が、重鎖、軽鎖、または両方のFR1〜FR4配列について、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも99%である。抗体は、重鎖、軽鎖、または両方のFR1〜FR4配列について、抗体3.1.1、4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1、12.3.1.1、12.9.1.1、および10D1との配列同一性または配列類似性が100%であることがさらにより好ましい。
本発明の別の実施形態では、抗体は、FR1〜FR3の重鎖配列について、生殖系列DP50のFR1〜FR3領域配列との配列同一性または配列類似性が、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは約100%である。
本発明のさらに別の実施形態では、抗体は、FR1〜FR4の軽鎖配列について、生殖系列VκA27または生殖系列VκO12のFR1〜FR4領域配列との配列同一性または配列類似性が、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは約100%である。
本発明の一実施形態では、抗体は、抗体3.1.1、4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1、12.3.1.1、12.9.1.1、10D1の重鎖、軽鎖、または両方のCDR−1、CDR−2、およびCDR−3配列との配列同一性または配列類似性が、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも99%である。抗体は、重鎖、軽鎖、または両方のCDR−1、CDR−2、およびCDR−3配列について、抗体3.1.1、4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1、12.3.1.1、12.9.1.1、および10D1との配列同一性または配列類似性が100%であることがさらにより好ましい。
本発明の別の実施形態では、抗体は、重鎖CDR−1およびCDR−2配列について、生殖系列DP50のCDR−1およびCDR−2配列との配列同一性または配列類似性が、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは約100%である。
本発明のさらに別の実施形態では、抗体は、軽鎖CDR−1、CDR−2、およびCDR−3配列について、生殖系列VκA27または生殖系列VκO12のCDR−1、CDR−2、およびCDR−3配列との配列同一性または配列類似性が、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは約100%である。
本発明で使用できる抗体およびそれを生成する方法の例は、中でも、現在米国特許第6682736号として発行されている米国特許出願第09/472087号;国際出願PCT/US00/23356(WO01/14424として2001年3月1日公開)(たとえば、MDX−010としても知られている抗体10D1、Medarex、米国ニュージャージー州プリンストン);国際出願PCT/US99/28739(WO00/32231として2000年6月8日公開);米国特許第5811097号、同第5855887号、同第6051227号、および同第6207156号に記載されており、これらはそれぞれ、参照により本明細書に援用される。これらの抗体に関連するアミノ酸および核酸配列についての情報は本明細書で提供されるが、それ以上の情報は、米国特許第6682736号ならびにWO00/37504で見ることができ、それらの出願に記載されている配列は、これによって参照により本明細書に援用される。
様々な癌を治療するためのこれらの抗体のある種の使用が、現在米国特許出願公開第2003/0086930号として公開されている米国特許出願第10/153382号で論述されており、この文献は、その全体が本明細書に記載されているかのごとく参照により援用される。
本発明の方法で有用なヒト抗CTLA4抗体の特性は、たとえば米国特許第6682736号で広範囲に論述されており、その限りでないが、抗体3.1.1、4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1、12.3.1.1、12.9.1.1、10D1などの抗体のアミノ酸配列を有する抗体が含まれる。本発明はまた、これら抗体の重鎖および軽鎖のCDRアミノ酸配列を含む抗体、ならびに上で挙げた出願および特許に記載されているようなCDR領域中の変更を含む抗体を使用する方法に関する。本発明はまた、それらの抗体の重鎖および軽鎖の可変部を含む抗体に関する。別の実施形態では、抗体は、抗体3.1.1、4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1、12.3.1.1、12.9.1.1、および10D1の全長可変部アミノ酸配列、重鎖および軽鎖アミノ酸配列、またはCDRアミノ酸配列を含む抗体から選択される。
本明細書で以前に論述した抗CTLA4抗体が好ましい場合もあるが、当業者ならば、本明細書で提供される開示に基づき、本発明が広範な種類の抗CTLA4抗体を含み、それらの特定の抗体に限定されないことがわかるはずである。より詳細には、ヒト抗体が好ましいが、本発明はヒト抗体に決して限定されず、むしろ本発明は、種の起源にかかわらず有用な抗体を含み、中でも、キメラ抗体、ヒト化抗体、および/または霊長類化抗体を含む。また、本明細書で例示した抗体は、トランスジェニック哺乳動物、たとえば、ヒトの免疫レパートリーを含むマウスを使用して得たものであるが、当業者ならば、本明細書で提供される開示に基づき、本発明が、この方法または他の任意の特定の方法によって産生される抗体に限定されないことがわかるはずである。代わりに、本発明は、その限りでないが、当業界で知られている方法(たとえば、ファージディスプレイライブラリーのスクリーニングなど)または本発明の抗CTLA4抗体を生成するために将来開発される方法を含めて、任意の方法によって生成される抗CTLA4抗体を含む。本明細書、およびたとえばHansonらの米国特許第6682736号、米国特許出願公開第2002/0088014号で提供される広範囲にわたる開示に基づき、当業者ならば、本明細書で開示する新規な方法を使用するホルモン療法剤と組み合わせての乳癌の治療に有用な抗体を容易に生成し同定することができる。
本発明は、HansonらのU.S.6682736で開示されているように、ヒトでないトランスジェニック哺乳動物、すなわちXenoMouse(商標)(Abgenix,Inc.、米国カリフォルニア州フリーモント)を使用して生成されたヒト抗体を含む。
「ヒト」抗体生成のための別のトランスジェニックマウス系は、「HuMAb−Mouse(商標)」(Medarex、米国ニュージャージー州プリンストン)と呼ばれ、再編成されていないヒト重鎖(μおよびγ)およびκ軽鎖の免疫グロブリン配列をコードするヒト免疫グロブリン遺伝子小座と一緒に、内在のμおよびκ鎖の座を不活性化する標的指向化された変異を含む(Lonbergら、Nature第368巻:856〜859ページ(1994年)および米国特許第5770429号)。
しかし、本発明は、その限りでないが、たとえば、Tomizukaら、Proc Natl Acad Sci USA第97巻:722ページ(2000年);Kuroiwaら、Nature Biotechnol第18巻:1086ページ(2000年);Mikayamaらの米国特許出願公開第2004/0120948号に記載されているKirin TC Mouse(商標)(キリンビール株式会社、東京);HuMAb−Mouse(商標)(Medarex、米国ニュージャージー州プリンストン);XenoMouse(商標)(Abgenix,Inc.、米国カリフォルニア州フリーモント)、前掲書などの、どんなトランスジェニック哺乳動物を使用して生成されたヒト抗CTLA4抗体も使用する。したがって、本発明は、どんなトランスジェニック動物または他の非ヒト動物を使用して生成された抗CTLA4抗体の使用も含む。
別の実施形態では、本発明の方法で使用する抗体は、完全にヒトのものではなく「ヒト化された」ものである。特に、マウス抗体または他の種の抗体は、当業界でよく知られている技術を使用して、「ヒト化」または「霊長類化」することができる。たとえば、WinterおよびHarris、Immunol.Today第14巻:43〜46ページ(1993年)、Wrightら、Crit.Reviews in Immunol.第12巻:125〜168ページ(1992年)、Cabillyらの米国特許第4816567号、MageおよびLamoyi、「Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications」、79〜97ページ、Marcel Dekker,Inc.、米国ニューヨーク州ニューヨーク(1987年)を参照されたい。したがって、ヒト化抗体、キメラ抗体、(たとえば、CastermanおよびHamersの米国特許第5759808号および6765087号に記載されているようなラクダ科動物から得られた単鎖抗体を含めて)任意の種から得られる抗CTLA4抗体、ならびに任意のヒト抗体を治療薬と組み合わせて、本明細書で開示する新規な方法を実践することができる。
本明細書で提供する開示に基づいて理解されるように、本発明で使用するための抗体は、ヒトでないトランスジェニック哺乳動物およびそれから得られるハイブリドーマから得ることができるが、ハイブリドーマ以外の細胞系でも発現され得る。
発現のための宿主として利用できる哺乳動物細胞系は、当業界でよく知られており、その限りでないが、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、NS0、Sp2、HEK、HeLa細胞、仔ハムスター腎(BHK)細胞、サル腎細胞(COS)、およびヒト肝癌細胞(たとえばHep G2)を含めて、アメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC)から入手可能な多くの不死化細胞系がこれに含まれる。細菌、酵母、昆虫、および植物細胞を含めて、哺乳類でない原核細胞および真核細胞を使用することもできる。
その限りでないが、たとえば、SambrookおよびRussell、「Molecular Cloning,A Laboratory Approach,Cold Spring Harbor Press」、コールドスプリングハーバー、米国ニューヨーク州(2001年)、Ausubelら、「Current Protocols in Molecular Biology」、John Wiley&Sons、米国ニューヨーク州(2002年)に記載のものなどの、当業界でよく知られている様々な発現系を使用することができる。これらの発現系には、他の多くのものの中でもジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)を主体とする系が含まれる。発現のグルタミン合成酵素系については、欧州特許第0216846B1号、同第0256055B1号、および同第0323997B1号、および欧州特許出願第EP89303964号と関連して全部または一部が論じられている。一実施形態では、使用する抗体は、NS0細胞中でグルタミン合成酵素系(GS−NS0)を使用して作られる。別の実施形態では、抗体は、CHO細胞中でDHFR系を使用して作られる。どちらの系も当業界でよく知られており、中でも、Barnesら、Biotech&Bioengineering第73巻:261〜270ページ(2001年)およびその中で引用されている参考文献に記載されている。
グリコシル化を排除するための抗体CH2ドメインの部位指向性変異原性は、ヒトでないグリコシル化の結果として起こる免疫原性、薬物動態、および/またはエフェクター機能のいずれかの変更を妨げるために好ましい場合がある。さらに、抗体は、酵素的な方法(たとえば、Thotakuraら、Meth.Enzymol.第138巻:350ページ(1987年)を参照されたい)および/または化学的な方法(たとえば、Hakimuddinら、Arch.Biochem.Biophys.第259巻:52ページ(1987年)を参照されたい)によって脱グリコシル化することができる。
さらに、本発明は、変更されたグリコシル化パターンを含む抗CTLA4抗体の使用を含む。当業者ならば、本明細書で提供する開示に基づき、抗CTLA4抗体は、自然に存在する抗体と比べて追加の、より少数の、または異なるグリコシル化部位を含むように改変できることがわかるはずである。そのような改変は、たとえば、米国特許出願公開第2003/0207336号、同第2003/0157108号、国際特許公開WO01/81405および同00/24893に記載されている。
さらに、本発明は、抗体上に存在するグリコフォームがあってもそれにかかわらず、抗CTLA4抗体の使用を含む。その上、糖タンパク質上に存在するグリコフォームを広範囲に再構築する方法は、当業界でよく知られており、たとえば、国際特許公開WO03/031464、WO98/58964、およびWO99/22764、米国特許出願公開第2004/0063911号、同第2004/0132640号、同第2004/0142856号、同第2004/0072290号、およびUmanaらの米国特許第6602684号に記載のものが含まれる。
さらに、本発明は、その限りでないが、たとえば、米国特許出願公開第2003/0207346号および第2004/0132640号、米国特許第4640835号、同第4496689号、同第4301144号、同第4670417号、同第4791192号、同第4179337号に記載の方法で、ポリペプチドを様々な非タンパク質性ポリマーの1つ、たとえば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはポリオキシアルキレンに連結するものを含む、当業界で知られている共有結合および非共有結合による任意の修飾を有する抗CTLA4抗体の使用を含む。
また、本発明は、たとえばヒト血清アルブミンポリペプチドもしくはその断片を含む抗CTLA4抗体またはその抗原結合部分、キメラタンパク質の使用を含む。キメラタンパク質が、たとえばキメラタンパク質をコードしているキメラ核酸のクローニングによって組換え法を使用して生成されようが、または2種のペプチド部分の化学的な連結によって生成されようが、本明細書で提供する教示を身につけた当業者ならば、そのようなキメラタンパク質が当業界でよく知られており、その限りでないが、本発明の抗体に対する安定性の増大や血清半減期の延長などの所望の生物学的性質を付与し得ることがわかるはずであり、したがってこのような分子は本明細書に含まれる。
本発明で使用するために作製された抗体は、最初は所望の特定のアイソタイプを有する必要はない。むしろ、作製された抗体は、どんなアイソタイプを有するものでもよく、その後従来技術を使用してアイソタイプスイッチを起こすことができる。これらには、直接組換え技術(たとえば、米国特許第4816397号を参照されたい)および細胞−細胞融合技術(たとえば、米国特許第5916771号を参照されたい)が含まれる。
本発明で使用する抗体のエフェクター機能は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgD、IgA、IgE、またはIgMへのアイソタイプスイッチングによって、様々な治療用途向けに変更することができる。その上、たとえば二重特異性抗体、免疫毒素、または放射標識の使用によって、細胞の死滅を補体に依存するのを回避することができる。
抗体4.1.1、4.13.1、および11.2.1はIgG2抗体であり、この抗体の可変部配列が、本明細書(図1〜3)、ならびに本明細書で参考文献として挙げ、援用している出願および特許で提供されているとしても、本明細書の他でより完全に論述したようにアイソタイプにかかわらず、これらの抗体の全長配列、ならびに配列番号1〜36に記載の配列を含み、さらに任意の定常部を含む任意の抗体の使用が本明細書に含まれることは理解される。同様に、10D1の全長配列を含む任意の抗体、または10D1の抗原結合部分をコードしている配列を含む任意のその部分を、本発明の方法に従って使用することができる。
したがって、本明細書で示す教示を受けた当業者ならば、本発明の抗CTLA4抗体−治療薬の組合せが、多種類の抗CTLA4抗体を含み得ることが容易にわかるはずである。
さらに、当業者ならば、本明細書で提供する開示に基づき、本発明が、単一の抗体のみの投与に限定されず、むしろ少なくとも1種の抗CTLA4抗体、たとえば、4.1.1、4.13.1、または11.2.1の1つを治療薬と組み合わせた投与を含むことがわかるはずである。さらに、抗CLTA4抗体の任意の組合せを少なくとも1種の治療薬と組み合わせることもでき、本発明は、そのようなどんな組合せおよびその取合せも含む。
IV.アロマターゼ阻害剤
本発明は、抗CTLA4抗体とアロマターゼ阻害剤の組合せを乳癌治療のために患者に投与することに関する。
エストロゲン受容体を発現させる乳癌腫瘍の治療のためのホルモン療法剤は、当業界でよく知られている。これらのホルモン療法剤には、その限りでないが、受容体と結合し、それによって受容体:リガンド相互作用を阻害するタモキシフェンや、受容体:リガンド相互作用によるシグナル伝達の媒介に利用できる受容体が少なくなるように受容体を分解するフルベストラントなどの、受容体それ自体に影響を及ぼす化合物が含まれる。
また、ホルモン療法剤は、その限りでないが、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタンなどのアロマターゼ酵素の阻害剤を含む。これらの抗ホルモン剤は、上記のタモキシフェンおよびフルベストラントとは異なり、受容体との結合に利用できるリガンドのレベルを低下させて受容体:リガンド相互作用を阻害する。より詳細には、アロマターゼ阻害剤は、受容体リガンド、すなわちエストロゲンの生合成において必要なステップである、エストロゲン生成のためのアンドロゲン基質のA環の芳香化を阻害する。したがって、アロマターゼ阻害剤は、エストロゲン血清レベルの低下の媒介となり、それによって増殖にホルモンを必要とする腫瘍細胞の増殖を抑制する。
その限りでないが、アナストロゾールやレトロゾールなどの非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(「AI」)は、アロマターゼ分子のヘム部分に可逆的に結合し、アロマターゼ活性の増大と関連付けられる。これは、特に阻害剤の長期間の使用に伴う腫瘍抵抗性の発生と関連付けられる。さらに、この阻害剤は酵素に可逆的に結合するので、これらの阻害剤の存在下では、新しいアロマターゼの合成の必要なしにエストロゲンの生合成が起こり(Miller、Clin Breast Cancer第1巻:S9〜S14ページ(2000年)を参照されたい)、そのために腫瘍細胞が阻害を回避する別の機会も提供しかねない。
エキセメスタンなどのステロイド性アロマターゼ阻害剤は、ステロイド性の薬剤が酵素の基質結合部位に不可逆的に結合するという点で、非ステロイド性阻害剤(たとえば、アナストロゾールやレトロゾール)と異なり、アロマターゼ活性の低下と関連付けられる。たとえば、エキセメスタンは、自然の基質アンドロステンジオンと構造的に関係があり、酵素によって偽の基質として認識されるので、活性部位で自然の基質と競合する。次いで、エキセメスタンは、その不活化を引き起こしながら酵素に不可逆的に結合する中間体に変換される(すなわち「自殺阻害」)。たとえば、米国特許出願公開第2004/0082557号として公開されている米国特許出願第10/611653号、米国特許出願公開第2004/0024044号として公開されている米国特許出願第10/363935号、および米国特許出願公開第2003/0158168として公開されている米国特許出願第10/343595号を参照されたい。
すなわち、可逆的な非ステロイド性阻害剤と異なり、エキセメスタンは、アロマターゼに不可逆的に結合し、末梢組織だけでなく、腫瘍においてアロマターゼ活性のほとんど完全な抑制を引き起こす、ステロイド性のアロマターゼ失活剤であり、外来性の内分泌学的な効果なしに血清エストロゲンレベルの実質的な低下を媒介する(Kaufmannら、J Clin Oncol第18巻:1399〜1411ページ(2000年))。エキセメスタンは、閉経後の転移性乳癌の女性の(たとえば、タモキシフェンファーストライン療法の後に疾患が進行した場合の)セカンドライン治療用に、米国、カナダ、およびヨーロッパで現在認可されている。エキセメスタンは、約15%の応答率を示し、生存中央値は123.4週であり、非ステロイド性薬剤との交差耐性の欠如を示すので、アナストロゾールおよびレトロゾール治療後に有効であることが示された(Geislerら、Clin Cancer Res第4巻:2089〜2093ページ(1998年);Lonning、J Clin Oncol第18巻:2234〜2244ページ(2000年))。より最近では、エキセメスタンは、閉経後の女性における2〜3年の初期アジュバントタモキシフェン療法後のエストロゲン受容体陽性浸潤性早期乳癌のアジュバント治療用にヨーロッパで認可された。
その中間体が不可逆的に結合するので、エキセメスタンは、非ステロイド性アロマターゼ阻害剤とは異なって、アロマターゼ酵素の新規合成が必要となるエストロゲンの生合成をさらに妨げる。その上、非ステロイド性およびステロイド性アロマターゼ阻害剤の異なる作用メカニズムは、一方のアロマターゼ阻害剤が他方の失敗の後に有効となり得る現象の説明となり得る。より詳細には、タモキシフェンおよび非ステロイド性アロマターゼ阻害剤の両方に失敗した後にエキセメスタートによる治療を受けた閉経後乳癌患者の治療は、臨床的な利益をもたらした(Lonningら、J Clin Oncol第18巻:2234〜2244ページ(2000年))。
したがって、任意のアロマターゼ阻害剤または複数の阻害剤と組み合わせた抗CTLA4抗体を使用して、腫瘍がエストロゲン受容体を発現させる(ER+)乳癌患者を治療することができる。さらに、本発明がエキセメスタンを含む組合せによって例示されるとしても、本発明は、この阻害剤またはその阻害機序に決して限定されるものでない。実際、アロマターゼ阻害剤が酵素を阻害する機序は、知る必要がない。すなわち、その活性を評価するための既知の任意の検定法を使用して、エストロゲンの生合成において基質のA環の芳香化を検出可能な程度に阻害する任意の阻害剤は、本発明の組合せの中に使用することができる。
V.追加の薬剤
本発明を追加の薬剤および療法、たとえば、化学療法、外科手術、放射線治療、移植、などとさらに組み合わせて患者を治療することもできる。すなわち、患者は、その限りでないが、増殖因子阻害剤、生物学的応答調節物質、アルキル化剤、介在性抗生物質、ビンカアルカロイド、免疫調節物質、タキサン、その限りでないがラソフォキシフェンなどの選択的エストロゲン受容体調節物質(SERM)、および血管形成阻害剤などの、よく知られた薬剤による追加の化学療法を受けることができる。
治療薬は数多くあり、他の多くのものの中でも、たとえば、米国特許出願公開第2004/0005318号、第2003/0086930号、第2002/0086014号、および国際公開WO03/086459に記載されており、これらの全体が参照により本明細書に援用される。そのような治療薬には、他の多くのものの中でも、その限りでないが、トポイソメラーゼI阻害剤;他の抗体(リツキシマブ、ベバシズマブ、トラスツズマブ、抗IGF 1R抗体[たとえばCP−751,871]、抗CD40抗体[たとえばCP−870,893]など);その限りでないが、イマチニブ(GLEEVEC)、SU11248(SUTENT;スニチニブ(sunitinib))、SU12662、SU14813などの化学療法剤;BAY43−9006、AG−013736(アキシチニブ)、トール様受容体刺激薬(たとえば、その限りでないが、PF03512676またはPROMUNEとも呼ばれるCPG−7909などのTLR−9作動薬)、インドールアミン−2,3,−ジオキシゲナーゼ(IDO)阻害剤;選択的エストロゲン受容体調節物質(SERM、たとえばラソフォキシフェン);タキサン;ビンカアルカロイド;テモゾロミド;血管形成阻害剤;EGFR阻害剤;VEGF阻害剤;erbB2受容体阻害剤;抗増殖薬(たとえば、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、およびαvβ3阻害剤、αvβ5阻害剤、p53阻害剤など);免疫調節物質;生物学的応答調節物質;サイトカイン;腫瘍ワクチン;腫瘍特異性抗原;熱ショックタンパク質を主剤とする腫瘍ワクチン;樹状細胞および幹細胞療法;アルキル化剤;葉酸拮抗薬;ピリミジン拮抗薬;アントラサイクリン系抗生物質;白金化合物;免疫共刺激分子(たとえば、CD4、CD25、PD−1、B7−H3、4−1BB、ウシ40、ICOS、CD30、HLA−DR、MHCII、およびLFA)およびそのアゴニスト抗体が含まれる。
一実施形態では、本発明の方法をさらに移植、たとえば幹細胞移植と組み合わせて、乳癌患者に治療利益を提供することができる。幹細胞移植は、当業界で知られている方法に従って実施することができ、同種異系間または自家の幹細胞移植でよい。また、当業者ならば、本明細書で提供する開示に基づき、移植が、自家またはHLA適合ドナーから得られたいずれかのリンパ球の養子移入を含むことを承知されるはずである。その方法が幹細胞移植を含む場合では、哺乳動物の免疫系が移植から回復した後、たとえば移植後1〜12カ月の時期に、抗体−AI療法剤の組合せの最初の用量を投与することができる。ある実施形態では、移植後1〜3カ月、または1〜4カ月の時期に最初の用量を投与する。移植方法は、参照により本明細書に援用される「Appelbaum in Harrison’s Principles of Internal Medicine」、第14章、Braunwaldら編、第15版、McGraw−Hill Professional(2001年)を含む多くの論述(treatises)に記載されている。
本明細書で以前に指摘したように、腫瘍の治療に現在利用できる化学療法剤で、本発明の併用療法での使用に適するものは数多い。たとえば、アルキル化剤は、鎖のほどけおよび複製を制限しながらDNAをアルキル化するクラスの薬物である。本発明の方法での使用に好ましいアルキル化剤は、シクロホスファミド(CYTOXAN)である。
葉酸拮抗薬は、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)に結合し、ピリミジン(チミジン)合成を妨げる。メトトレキサートおよびペメトレクスド(ALIMTA)は、本発明の方法での使用に適する葉酸拮抗薬である。ペメトレクスドは、DHFRに加え、チミジン合成に関与する他の2種の葉酸依存性酵素であるチミジル酸シンターゼおよびグリシンアミドリボヌクレオチドホルミルトランスフェラーゼも阻害する。
ピリミジン拮抗薬は、ピリミジン合成に関与する酵素を阻害する。ピリミジン類似体として、この拮抗薬は、DNA分子への取り込みについて正常なヌクレオチドと競合することで、DNAの生成も妨げる。本発明の方法での使用に適するピリミジン拮抗薬には、5−フルオロウラシル(5−FU);カペシタビン(XELODA)、インビボで酵素によって5−FUに変換される、5’−デオキシ−5−フルオロウリジン(5’−FDUR)のプロドラッグ;およびゲムシタビン(GEMZAR)が含まれる。
アントラサイクリン系抗生物質は、DNA鎖の間に介在してDNAのほどけを抑制する。アントラサイクリン系抗生物質には、塩酸ドキソルビシン(アドリアマイシン)、塩酸エピルビシン(ELLENCE、PHARMORUBICIN)、ダウノルビシン(CERUBIDINE、DAUNOXOME)、および塩酸イダルビシン(IDAMYCIN PFS、ZAVEDOS)が含まれる。本発明での使用に好ましいアントラサイクリンとしては、ドキソルビシンおよびエピルビシンが挙げられる。
白金化合物は、DNAのほどけを抑制するDNA鎖間への介在および挿入によってその抗腫瘍性の効果を発揮する。本発明の方法で有用な白金化合物には、シスプラチン(PLATINOL)、オキサリプラチン(ELOXATIN)、およびカルボプラチン(PARAPLATIN)が含まれる。
タキサンは、微小管の構築を促進する一方でそのチューブリンへの分解を抑制し、それによって、有糸***の際に紡錘体を破壊し得る細胞の能力をブロックする。タキサンは、単一薬剤療法として、および他の化学療法剤と組み合わせた形で、多くの固形腫瘍に対して有意な活性が実証されている。本発明の併用療法の一実施形態は、IGF−1R抗体と組み合わせた1種または複数のタキサンの使用を含む。IGF−1R抗体と組み合わせての使用に適するタキサンには、ドセタキセル(TAXOTERE)およびパクリタキセル(TAXOL)が含まれる。
ドキソルビシン、ビンブラスチン、パクリタキセル、ドセタキセルなどに抵抗性である細胞において活性をもち得るタキサン誘導体には、XRP−9981(Sanofi Aventis)が含まれ、これらは本発明に含まれる。
タキサンのようなビンカアルカロイドは、紡錘体を形成する微小管に作用する「紡錘体毒」である。これらは、紡錘体が形成されないようにしながら微小管構築を妨げることで有糸***を抑制する。ビンカアルカロイドには、ビンデシン(ELDISINE)、硫酸ビンブラスチン(VELBAN)、硫酸ビンクリスチン(ONCOVIN)、および酒石酸ビノレルビン(NAVELBINE)が含まれる。本発明の方法での使用に好ましいビンカアルカロイドはビノレルビンである。
BMS−247550(イキサベピロン)は、チューブリン重合および微小管の安定化を促進し、それによってG2−M期にある細胞を阻止し、腫瘍細胞アポトーシスを誘発する。この薬剤は、タキサン−抵抗性細胞に対して活性を示す。
哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)を結合し抑制するラパマイシン類似体も有用であり、これには、中でも、CCI−779(テムシロリムス、Wyeth)およびRAD−001(エベロリムス、CERTICAN、Novartis)が含まれる。
カンプトテシン類似体は、DNAの複製およびパッケージングにとって決定的な酵素であるトポイソメラーゼIの阻害を通して作用する。腫瘍細胞ではトポイソメラーゼIのレベルが正常組織よりも高い。本発明方法で有用なカンプトテシン類似体はイリノテカン(CAMPTOSAR)である。
本発明のある実施形態では、上述の方法が癌ワクチンと組み合わせられる。たとえば、Ohら、Cancer Res.第64巻:2610〜2618ページ(2004年)(TARPエピトープおよび乳癌);Kontaniら、Int J Molec Med第12巻:493〜502ページ(2003年)(MUC1ムチンを標的とする樹状細胞ワクチン);HolmbergおよびSandmaier、Expert Rev Vaccines第3巻:269〜277ページ(2004年)(乳癌または卵巣癌のためのワクチン投与)を参照されたい。すなわち、有用なワクチンは、限定するものではないが、乳癌関連抗原(たとえば、HER−2/neu、マンモグロブリン(mammaglobin)、前立腺および***腫瘍関連タンパク質[TARP]、MUC1、CEA、シアリル−Tn、および他の炭水化物抗原)、他の腫瘍癌関連抗原(たとえば、p53、テロメラーゼ)、11D10などの抗イディオタイプ抗体からなるもの、ならびにGM−CSFを含むワクチン、DNAおよび細胞を主剤とするワクチン、樹状細胞ワクチン、組換えウイルス(たとえばワクシニアウイルス)ワクチン、および熱ショックタンパク質(HSP)ワクチン(たとえば、HSPPC−96、Antigenics Inc.)でよい。有用なワクチンには、***腫瘍細胞で形成されたものなどの腫瘍ワクチンも含まれ、有用なワクチンは、自家のものでも同種異系間のものでもよく、またペプチド、DNA、または細胞を主剤とするものでよい。
ワクチンは、抗体−アロマターゼ阻害剤の組合せの投与の前または後に投与することができ、化学療法が投与計画の一部であるときは、化学療法の前にワクチンを投与することができる。ある実施形態では、本発明の抗体−アロマターゼ阻害剤の組合せを化学療法の前に投与してもよい。さらに他の実施形態では、治療を幹細胞移植と組み合わせることができる。すなわち、幹細胞移植の前または後に、抗体−アロマターゼ阻害剤の組合せを投与することができる。ワクチンは、幹細胞移植の前または後に、ある実施形態では抗体と同時に投与してもよい。
上述の治療は、EGFR抗体、EGF抗体、EGFR阻害剤である分子などの、EGFR(上皮成長因子受容体)応答を抑制する薬剤;VEGF受容体や、VEGFを阻害し得る分子などのVEGF(血管内皮増殖因子)阻害剤;およびerbB2受容体に結合する有機分子や抗体などのerbB2受容体(HER2)阻害剤などのシグナル伝達阻害剤、たとえば、トラスツズマブ(ハーセプチン、Genentech,Inc.、米国カリフォルニア州サンフランシスコ)、HER二量体化阻害剤(HDI)であるペルツズマブ(2C4、OMNITARG、Genentech)と共に使用することもできる。
EGFR阻害剤は、たとえば、国際特許公開WO95/19970、WO98/14451、WO98/02434、および米国特許第5747498号に記載されており、こうした物質は、本発明で本明細書に記載のとおりに使用することができる。EGFRを阻害する薬剤には、その限りでないが、モノクローナル抗体のC225、抗EGFR22Mab(ImClone Systems Inc.、米国ニューヨーク州ニューヨーク)、およびABX−EGF(Abgenix Inc.、米国カリフォルニア州remont)、化合物のZD−1839(AstraZeneca)、BIBX−1382(Boehringer Ingelheim)、MDX−447(Medarex,Inc.、米国ニュージャージー州Annandale)、およびOLX−103(Merck&Co.、米国ニュージャージー州Whitehouse Station)、ならびにVRCTC−310(Ventech Research)とEGFの融合毒素(Seragen Inc.、米国メリーランド州Hopkinton)が含まれる。これらの薬剤およびEGFRを阻害する他の薬剤を本発明で使用することができる。
上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ(TK)の阻害を任務とする化合物は、本発明の方法で有用な、比較的新しいクラスの抗悪性腫瘍薬である。多くのヒトの癌は、細胞表面上にEGFRファミリーのメンバーを発現させる。リガンドは、EGFRに結合すると、細胞の反応カスケードの引き金となり、それが、細胞***の増大をもたらし、また血管新生、転移による広がり、およびアポトーシスの抑制を含む癌の発生および進行の他の側面に影響を及ぼす。EGFR−TK阻害剤は、EGFRファミリーのメンバー(EGFR(HER1またはErbB−1としても知られている)、HER2/neu(ErbB−2としても知られている)、HER3(ErbB−3としても知られている)、またはHER4(ErbB−4としても知られている))のうちの1種を選択的にターゲットとしてもよいし、またはこれらのうちの2種以上をターゲットとしてもよい。本発明での使用に適するEGFR−TK阻害剤には、ゲフィチニブ(IRESSA)、エルロチニブ(TARCEVA)、CI−1033(Pfizer)、GW2016(GlaxoSmithKline)、EKB−569(Wyeth)、PKI−166(Novartis)、CP−724,714(Pfizer)、およびBIBX−1382(Boeringer−Ingelheim)が含まれる。追加のEGFR−TK阻害剤は、米国特許第6890924号に記載されている。
VEGF阻害剤、たとえばSU−5416、SU−6668、SU−11248、SU−12662、SU−14813(Sugen Inc.、米国カリフォルニア州サンフランシスコ)、ならびにAG−013736(Pfizer)も、抗体と組み合わせて使用することができる。VEGF阻害剤は、たとえば、国際特許出願PCT/IB99/00797(1999年5月3日出願)、国際特許公開WO99/24440、WO95/21613、WO99/61422、WO98/50356、WO99/10349、WO97/32856、WO97/22596、WO98/54093、WO98/02438、WO99/16755、WO98/02437、米国特許第5834504号、同第5883113号、同第5886020号、および同第5792783号に記載されている。本発明で有用ないくつかの詳細なVEGF阻害剤の他の例は、IM862(Cytran Inc.、米国ワシントン州カークランド)、Genentech,Inc.、米国カリフォルニア州サンフランシスコの抗VEGFモノクローナル抗体であるIMC−1C11 Imclone antibody、ならびにRibozyme(米国コロラド州ボールダー)およびChiron(米国カリフォルニア州Emeryville)からの合成リボザイムであるangiozymeである。
GW−282974、GW−572016(ラパチニブ)(Glaxo Wellcome plc)や、モノクローナル抗体のAR−209(Aronex Pharmaceuticals Inc.、米国テキサス州Woodlands)、トラスツズマブ(HERCEPTIN、Genentech,Inc.、米国カリフォルニア州サンフランシスコ)、ペルツズマブ(OMNITARG、2C4、Genentech、HER2二量体化阻害剤HDI)、および2B−1(Chiron)などのerbB2受容体阻害剤は、抗体−アロマターゼ阻害剤の併用療法と組み合わせることができる。他のerbB2受容体阻害剤は、たとえば、国際特許公開WO98/02434、WO99/35146、WO99/35132、WO98/02437、WO97/13760、WO95/19970、米国特許第5587458号、および同第5877305号に記載されている。本発明で有用なerbB2受容体阻害剤は、EP1029853(2000年8月23日公開)および国際特許公開WO00/44728(2000年8月3日公開)にも記載されている。上述のPCT出願、米国特許、および米国仮出願に記載されているerbB2受容体阻害剤の化合物および物質、ならびにerbB2受容体を阻害する他の化合物および物質は、本発明による抗体とアロマターゼ阻害剤の組合せと共に使用することができる。
本発明の治療はまた、その限りでないが、追加の異なるCTLA4抗体などの、抗腫瘍性の免疫応答を強化することのできる他の薬剤;同じくCTLA4をブロックすることのできる他の薬剤;ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤などの抗増殖薬;αvβ3抗体VITAXINなどのαvβ3阻害剤;vβ5阻害剤;p53阻害剤などを含む、異常な細胞増殖または癌を治療する際に有用な他の薬剤と共に用いられる。
本発明の抗体を別の免疫調節薬と組み合わせて投与する場合では、免疫調節薬は、たとえば、CD40リガンドや抗CD40アゴニスト抗体などの樹状細胞活性化剤、ならびに抗原提示賦活薬、T細胞向性賦活薬、TGF−β(トランスフォーミング増殖因子β)やIL−10などの腫瘍に関連した免疫抑制因子の阻害剤からなる群から選択することができる。好ましい抗CD40アゴニスト抗体は、2002年11月8日に出願され現在国際特許公開WO03/040170として公開されている国際特許出願PCT/US02/36107、および2002年11月8日に出願され現在米国特許公開US2003/0211100として公開されている米国特許出願第10/292088号で開示されている抗体を含み、その限りでないが、抗体3.1.1、3.1.1.H−A78T、3.1.1H−A78T−V88A−V97A、3.1.1L−L4M−L83V、3.1.1H−A78T−V88A−V97A/3.1.1L−L4M−L83V、7.1.2、10.8.3、15.1.1、21.2.1、21.4.1、22.1.1、22.1.1H−C109A、23.5.1、23.25.1、23.28.1、23.28.1H−D16E、23.29.1、および24.2.1の重鎖および軽鎖アミノ酸配列を有する抗体がこれに含まれる。
この治療投与計画は、IGF−1R(インスリン様成長因子1受容体)に結合して腫瘍成長を抑制する抗体または他のリガンドと組み合わせてもよい。本発明で使用することのできる詳細な抗IGF−1R抗体には、12/20/01に出願された国際特許公開WO02/053596として公開されている国際特許出願PCT/US01/51113、2004年8月3日に出願され国際特許公開WO2005/016967として公開されている国際特許出願PCT/IB2004/002555に記載のものが含まれる。好ましい抗IGFR−1R抗体は、たとえば、抗体2.12.1、2.13.2、2.14.3、3.1.1、4.9.2、および4.17.3の重鎖および軽鎖アミノ酸配列を有する抗体を含む。
本発明の抗体は、IL−2、インターフェロン(たとえばIFN−γ、IFN−αなど)、GM−CSF、IL−12、IL−18、FLT−3Lなどのサイトカインと共に投与してもよい。
本明細書に記載の治療投与計画は、本発明の方法で抗体と共に使用できる、MMP−2(マトリックス−メタロプロテイナーゼ2)阻害剤、MMP−9(マトリックス−メタロプロテイナーゼ9)阻害剤、COX−II(シクロオキシゲナーゼII)阻害剤などの抗血管新生薬と組み合わせることができる。有用なCOX−II阻害剤の例には、CELEBREX(セレコキシブ)、バルデコキシブ、およびロフェコキシブが含まれる。有用なマトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤の例は、国際特許公開WO96/33172、WO96/27583、WO98/07697、WO98/03516、WO98/34918、WO98/34915、WO98/33768、WO98/30566、WO90/05719、WO99/52910、WO99/52889、WO99/29667、欧州特許出願第780386号(1997年6月25日公開)、同第97304971号(1997年7月8日出願)、同第99308617号(1999年10月29日出願)、同第606046号(1994年7月13日公開)、同第931788号(1999年7月28日公開)、同第99302232号(1999年3月25日出願)、国際出願PCT/IB98/01113(1998年7月21日出願)、英国特許出願第9912961号(1999年6月3日出願)、米国特許仮出願第60/148464号(1999年8月12日出願)、および米国特許第5863949、同第5861510号に記載されている。
好ましいMMP−2およびMMP−9阻害剤は、MMP−1を阻害する活性がわずかしかない、または全くないものである。より好ましいものは、他のマトリックス−メタロプロテイナーゼ(すなわち、MMP−1、MMP−3、MMP−4、MMP−5、MMP−6、MMP−7、MMP−8、MMP−10、MMP−11、MMP−12、およびMMP−13)と比較してMMP−2および/またはMMP−9を選択的に阻害するものである。
本発明で有用なMMP阻害剤の一部の詳細な例は、AG−3340、RO32−3555、RS13−0830、および次の一覧に列挙する化合物である。すなわち、
3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−シクロペンチル)−アミノ]−プロパン酸、
3−exo−3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド、
(2R,3R)1−[4−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド、
4−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸ヒドロキシアミド、
3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−シクロブチル)−アミノ]−プロパン酸、
4−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸ヒドロキシアミド、
(R)3−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド、
(2R,3R)1−[4−(4−フルオロ−2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド、
3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−1−メチル−エチル)−アミノ]−プロパン酸、
3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(4−ヒドロキシカルバモイル−テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−アミノ]−プロパン酸、
3−exo−3−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド、
3−endo−3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド、
(R)3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド、
および薬学的に許容できる塩、ならびに前記化合物の溶媒和物。
放射線療法は、乳癌治療のためのよく知られた放射線治療方法に従って施すことができる。放射線治療の線量および治療計画は、当業者によって容易に決定することができ、疾患の段階および当業界でよく知られている他の要素に基づく。
抗体のアロマターゼ阻害剤との共投与(併用療法)は、抗CTLA4抗体と1種または複数のアロマターゼ阻害剤の両方を含む医薬組成物を投与すること、ならびに一方が抗CTLA4抗体を含み、他方がアロマターゼ阻害剤を含む2種以上の別個の医薬組成物を投与することを含む。さらに、共投与または併用(合同)療法とは、一般に、抗体と追加の治療薬が互いに同時に投与されることを意味するが、治療の個々の構成要素の同時期、逐次、または別々の投薬も含む。また、抗体が静脈内投与され、アロマターゼ阻害剤が経口投与される場合(たとえばエキセメスタン)では、その組合せは、2種の別個の医薬組成物として投与することが好ましいと理解される。
本発明は、第一および第二の構成要素に加え、他の治療薬の、これら構成要素の1種または複数と同時の投与、または前および/もしくは後の逐次の投与も含む。そのような治療薬には、癌ワクチン、抗血管薬、抗増殖薬、ならびに、その限りでないが、鎮痛薬、制吐薬、下痢止め薬、およびステロイドなどの、支持的なケアを提供するための対症薬が含まれる。好ましい制吐薬には、塩酸オンダンセトロン、塩酸グラニセトロン、およびメトクロプラミドが含まれる。好ましい下痢止め薬には、ジフェノキシラートおよびアトロピン(LOMOTIL)、ロペラミド(IMMODIUM)、オクトレオチド(SANDOSTATIN)、オルサラジン(DIPENTUM)、およびメサラミン(ASACOL)が含まれる。好ましいステロイドには、吸収性でないステロイドのブデソニド(ENTOCORT)、ならびに全身投与用のステロイドであるデキサメタゾン(DECADRAN)およびプレドニゾン(METICORTEN)が含まれる。
各投与の期間は、急速な投与から持続的な灌流まで様々でよい。結果として、本発明の目的では、組合せは、成分の物理的な関連によって得られるものにもっぱら限定されず、同時期でも、または期間中に間隔を空けてもよい別個の投与を可能にするものでもある。本発明による組成物は、非経口的に投与できる組成物であることが好ましい。しかし、局在的な局所療法の場合では、これらの組成物は、経口投与または腹腔内投与してよい。
当業者にはわかるように、抗CTLA4抗体およびアロマターゼ阻害剤の併用療法と組み合わせて使用する治療薬の選択、およびそれを使用するタイミングは、一部には治療対象となる癌の種類および段階によって決定される。たとえば、早期の乳癌(癌が***外部に広がっていない場合)では、一般に、外科手術および放射線の後に、アジュバント化学療法またはアジュバントホルモン療法が行われるが、本発明の方法ではいずれの療法も抗CTLA4抗体−アロマターゼ阻害剤の組合せと合体させることができる。早期乳癌のための典型的なアジュバント化学療法には、シクロホスファミド、メトトレキサート、および5−FU(「CMF」);5−FU、ドキソルビシン、およびシクロホスファミド(「FAC」);ドセタキセル、ドキソルビシン、およびシクロホスファミド(「TAC」);ドキソルビシンおよびシクロホスファミド(「AC」);ドキソルビシンおよびシクロホスファミド、続いてパクリタキセル(「ACおよびT」);ならびに5−FU、エピルビシン、およびシクロホスファミド(「FEC」)が含まれる。本明細書で他で以前に論述したように、タモキシフェンは、この段階で投与される抗ホルモン治療である。すなわち、抗体−アロマターゼ阻害剤の組合せは、追加のホルモン療法(たとえば、別のアロマターゼ阻害剤のタモキシフェン、フルベストラント、またはこれらの任意の組合せ)と組み合わせて投与することができ、この組合せは、アジュバント化学療法と組み合わせて共投与することができる(たとえば、中でも、CMF、FAC、TAC、AC、ACおよびT、および/またはFEC、あるいは化学療法剤は、抗体−アロマターゼ阻害剤の組合せと組み合わせて個々に投与することができる)。
癌が近くの組織またはリンパ節にしか広がっていない局所的に進行した乳癌では、患者はしばしば、外科手術および放射線の前に化学療法を受け、次いでアジュバントホルモン療法を受ける。あるいは、外科手術/放射線の後に、アジュバント化学療法、次いでアジュバントホルモン療法が行われる。抗CTLA4抗体−アロマターゼ阻害剤の組合せは、外科手術/放射線の前または後のいずれで使用されようが、化学療法剤または追加のホルモン療法剤(たとえば、別のアロマターゼ阻害剤、タモキシフェン、フルベストラント、またはこれらの任意の組合せ)と共に投与することができる。局所的に進行した乳癌のための典型的な化学療法治療計画には、FAC、AC、FEC、およびドキソルビシンプラスドセタキセル(「AT」)が含まれる。
転移性乳癌は、スタート地点である***から身体の他の部分に広がってしまったものである。化学療法は、場合によりホルモン療法の前に置いてよい。ファーストラインホルモン療法としては現在、タモキシフェンおよびアナストロゾールが挙げられる。ファーストライン化学療法治療計画には現在、FAC、TAC、ドセタキセルプラスエピルビシン、ドセタキセル、パクリタキセル、カペシタビン、ビノレルビン、およびトラスツズマブ(HERCEPTIN)が含まれる。セカンドライン治療には、単独またはカペシタビンと組み合わせた形のドセタキセルが含まれる。本発明の方法は、ファーストライン療法およびセカンドライン療法のどちらとしての使用にも適する。さらに、本発明の方法は、放射線療法および幹細胞移植、ならびに当業界で知られ、または将来開発される本明細書に記載の治療のいずれかの任意の組合せと組み合わせることができる。
一実施形態では、抗体−アロマターゼ阻害剤療法に加えて投与される追加の治療薬はアルキル化剤である。一態様では、アルキル化剤はシクロホスファミドである。
別の実施形態では、追加の薬剤は葉酸拮抗薬である。一態様では、葉酸拮抗薬は、メトトレキサートおよびペメトレクスドからなる群から選択される。
本発明の一実施形態では、追加の薬剤はピリミジン拮抗薬である。ピリミジン類似体は、5−FU、カペシタビンおよびゲムシタビンからなる群から選択されるものでよい。
本発明の別の実施形態では、追加の薬剤はアントラサイクリン系抗生物質である。一態様では、アントラサイクリン系抗生物質は、エピルビシンおよびドキソルビシンからなる群から選択される。別の態様では、アントラサイクリン系抗生物質はドキソルビシンである。
本発明の別の実施形態では、追加の薬剤は白金化合物である。白金化合物は、シスプラチンおよびカルボプラチンからなる群から選択されるものでよい。
本発明のさらに別の実施形態では、追加の薬剤はタキサンである。一態様では、タキサンはドセタキセルであり、別の態様では、タキサンはパクリタキセルである。
本発明の一実施形態では、抗CTLA4抗体とアロマターゼ阻害剤の組合せは、ドセタキセルと共に、カペシタビン、シスプラチン、ゲムシタビン、およびエピルビシンのうちの少なくとも1種とさらに組み合わせて投与する。
本発明の一実施形態では、抗CTLA4とアロマターゼ阻害剤の組合せは、パクリタキセル、およびカルボプラチン、シスプラチン、およびゲムシタビンからなる群から選択される追加の薬剤とさらに組み合わせて投与する。一態様では、追加の薬剤はカルボプラチンである。
別の実施形態では、抗CTLA4とアロマターゼ阻害剤の組合せは、追加の薬剤と共に投与し、追加の薬剤はビンカアルカロイドである。一態様では、ビンカアルカロイドはビノレルビンである。
本発明の一実施形態では、抗体−アロマターゼ阻害剤の組合せと共に投与される追加の薬剤は、カンプトテシン類似体である。一態様では、カンプトテシン類似体はイリノテカンである。
別の実施形態では、追加の薬剤はEGFR阻害剤である。
本発明の一実施形態では、追加の薬剤はerbB2阻害剤である。一態様では、erbB2阻害剤は、トラスツズマブおよびペルツズマブから選択される。さらに別の態様では、erbB2阻害剤はトラスツズマブ(HERCEPTIN)である。
本発明の一実施形態では、抗CTLA4とアロマターゼ阻害剤の組合せは、5−FU、ドキソルビシン、およびシクロホスファミドを含む組合せとさらに組み合わせて投与する。
本発明の別の実施形態では、抗CTLA4とアロマターゼ阻害剤の組合せは、ドセタキセル、ドキソルビシン、およびシクロホスファミドを含む組合せとさらに組み合わせて投与する。
本発明の方法はまた、幹細胞移植を受けた哺乳動物、好ましくはヒトにおける癌治療に関するものであり、この方法は、哺乳動物に、アロマターゼ阻害剤と組み合わせた、癌治療に有効な量のヒト抗CTLA4抗体を、幹細胞移植とさらに組み合わせて投与することを含む。幹細胞移植は、同種異系間または自家の幹細胞移植でよく、アロマターゼ阻害剤は、エキセメスタンであることがより好ましい。方法が幹細胞移植を含む場合では、哺乳動物の免疫系が移植から回復した後、たとえば移植後1〜12カ月の時期に、抗体−アロマターゼ阻害剤の組合せの初回量を投与することができる。ある実施形態では、移植後1〜3カ月、または1〜4カ月の時期に、初回量を投与する。患者は、幹細胞移植の準備治療を受けることができる。
VI.医薬組成物
本発明は、アロマターゼ阻害剤、好ましくはステロイド性アロマターゼ阻害剤と組み合わせた本発明のヒト抗CTLA4抗体を活性成分として含む医薬組成物の製剤および使用を含み、アロマターゼ阻害剤は、エキセメスタンであることがさらにより好ましい。そのような医薬組成物は、少なくとも1種の活性成分(たとえば、有効量の抗CTLA4、有効量のアロマターゼ阻害剤)の組合せとしての各活性成分のみからなる、対象への投与に適する形態のものでもよいし、または医薬組成物は、活性成分と1種または複数の薬学的に許容できる担体、1種または複数の追加の(活性および/または不活性)成分、またはこれらの一部の組合せを含むものでもよい。
一実施形態では、抗体は、水溶液にして非経口的(たとえば静脈内)に投与し、アロマターゼ阻害剤(たとえばエキセメスタン)は、丸剤/カプセルの形態にして経口投与する。しかし、当業者ならば、本明細書で提供する開示に基づき、本発明が、これら、または他の任意の製剤、用量、投与経路などに限定されないことをわかっているはずである。むしろ、本発明は、その限りでないが、他の多くのものの中でも、それぞれの薬剤を異なる製剤にして異なる投与経路で別々に投与するもの、および抗体とアロマターゼ阻害剤を単一の組成物(たとえば、特に静脈内に投与される水溶性の組成物)にして投与するものを含めて、抗体をアロマターゼ阻害剤と組み合わせて投与するどんな製剤または方法も含む。したがって、次の論述では、任意のアロマターゼ阻害剤と組み合わせた任意の抗CTLA4抗体の投与を含む本発明の方法を実施するための様々な製剤について述べるが、本発明は、これらの製剤に限定されず、本発明の方法での使用について本明細書で提供する教示を身につけた当業者によって容易に決定することのできるどんな製剤も含む。
本発明で使用する抗体は、対象への投与に適する医薬組成物に組み込むことができる。通常、医薬組成物は、抗体および薬学的に許容できる担体を含む。本明細書では、「薬学的に許容できる担体」には、生理的に適合性のあるあらゆる溶媒、分散媒、剤皮、抗菌剤および抗かび剤、等張性の吸収遅延剤などが含まれる。薬学的に許容できる担体の例には、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、デキストロース、グリセリン、エタノールなどのうちの1種または複数、ならびにこれらの組合せが含まれる。多くの場合では、組成物中に等張性の物質、たとえば、糖、マンニトールやソルビトールなどのポリアルコール、または塩化ナトリウムを含むことが好ましい。湿潤剤もしくは乳化剤、保存剤、または緩衝液などの少量の補助物質などの薬学的に許容できる物質は抗体または抗体部分の有効期間または有効性を向上させる
抗体は、様々な形態にしてよい。それらの形態には、たとえば、液体の溶液(たとえば、注射用および注入用の溶液)、分散液、または懸濁液、錠剤、丸剤、粉末、リポソーム、および坐剤などの、液体、半固体、および固体の剤形が含まれる。好ましい形態は、目的の投与方式および治療用途に応じて様々である。典型的な好ましい組成物は、他の抗体によるヒトの受動免疫に使用されるものに類似した組成物などの、注射用または注入用の溶液の形である。好ましい投与方式は、非経口(たとえば、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内)である。好ましい実施形態では、抗体は、静脈内の注入または注射によって投与する。別の好ましい実施形態では、抗体は、筋肉内または皮下の注射によって投与する。
治療用の組成物は通常、製造および貯蔵の条件下で無菌かつ安定でなければならない。組成物は、溶液、マイクロエマルション、分散液、リポソーム、または高い薬物濃度に適する他の注文どおりの構造体として製剤することができる。無菌の注射用溶液は、必要な量の抗体を、必要に応じて上で列挙した成分の1種または組合せと共に適切な溶媒に組み込んだ後、濾過し滅菌することによって調製することができる。一般に、分散液は、活性化合物を、塩基性の分散媒および上で列挙したものからの必要な他の成分を含有する無菌の賦形剤に組み込むことによって調製される。無菌の注射用溶液を製剤するための無菌粉末の場合では、好ましい製剤法は、予め滅菌濾過したその溶液から活性成分と任意の追加の所望成分の粉末をもたらす真空乾燥および凍結乾燥である。溶液の適切な流動度は、たとえば、レシチンなどの剤皮の使用、分散液の場合では必要な粒度の維持、および界面活性剤の使用によって維持することができる。注射用組成物の吸収は、吸収を遅らせる物質、たとえば、モノステアリン酸塩やゼラチンを組成物に含めることによって延長することができる。
抗体は、限定するものではないが、経口、非経口、粘膜、吸入、局所、頬側、経鼻、および直腸を含む、当業界で知られている様々な方法によって投与することができる。多くの治療用途では、好ましい経路/投与方式は、皮下、筋肉内、静脈内、または注入である。所望ならば、無針注射を使用することができる。当業者にはわかるように、経路および/または投与方式は、所望の成果に応じて様々である。
ある実施形態では、抗体は、植込錠、経皮パッチ、およびマイクロカプセル化された送達系を含めて、制御放出製剤などの、急速に放出されないように化合物を保護する担体と共に調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリ乳酸などの、生分解性の生体適合性ポリマーを使用することができる。そのような製剤を調製するための多くの方法が特許を取得し、または一般に当業者に知られている。たとえば、「Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems」、J.R.Robinson編、Marcel Dekker,Inc.、米国ニューヨーク(1978年)を参照されたい。
投与計画は、最適な所望の応答をもたらすように調整することができる。たとえば、1回のボーラス投与を行ってもよいし、時間と共に数回に分けて投与してもよいし、または治療状況の緊急性に応じて用量を増減してもよい。投与量単位形態の非経口組成物を製剤することは、投与しやすく、投与量が均一になるので特に有利である。投与量単位形態とは、本明細書では、治療を受ける哺乳類対象のための単位投与量として適した、物理的に分離した単位を指し、各単位は、必要な医薬担体と共同して所望の治療効果を生み出すように計算された所定の量の活性化合物を含有する。本発明の投与量単位形態の規格は、(a)抗体のユニークな特性、ならびに実現しようとする特定の治療的または予防的な効果、および(b)個体の感受性を治療するための活性化合物を調合する業界に固有の制限によって必然的に決まり、直接にそれに応じて様々となる。
投与量の値は、緩和しようとする状態の種類および重症度によって様々でよく、1回または複数回分の用量を含んでいてよいことを留意されたい。詳細な投与計画は、任意の特定の対象のために、個々の必要および組成物の投与を管理監督する者の専門的な判断に従って、時間と共に調節すべきであること、ならびに本明細書に記載される投与量範囲は例示的なものにすぎず、特許請求の範囲に記載の組成物の範囲または運用を限定するものではないことをさらに理解されたい。
一実施形態では、抗体は、5mg/ml、より好ましくは約10mg/ml、さらにより好ましくは約15mg/ml、さらにより好ましくは約20mg/mlの抗体と共に酢酸ナトリウム、ポリソルベート80、および塩化ナトリウムを含有する、約5〜6の範囲のpHの無菌水溶液としての静脈内用製剤にして投与する。静脈内用製剤は、5または10mg/mlの抗体と共に20mMの酢酸ナトリウム、0.2mg/mlのポリソルベート80、および140mMの塩化ナトリウムを含有する、pH5.5の無菌水溶液であることが好ましい。さらに、抗CTLA4抗体を含む溶液は、他の多くの化合物の中でも、ヒスチジン、マンニトール、スクロース、トレハロース、グリシン、ポリ(エチレン)グリコール、EDTA、メチオニン、およびこれらの任意の組合せ、ならびに関連業界で知られている他の多くの化合物を含んでよい。
一実施形態では、抗体製剤の用量の一部を静脈内ボーラス投与によって投与し、残りを注入によって投与する。たとえば、0.01mg/kgの抗体の静脈内注射をボーラス投与として与え、所定の抗体用量の残りを静脈内注射によって投与することができる。抗体の所定の用量は、たとえば、1.5時間〜2時間〜5時間の期間にわたって投与することができる。
アロマターゼ阻害剤に関して、この阻害剤は、当業界でよく知られているように、生理学的に許容されるカチオンまたはアニオンと組み合わさったものなどの生理学的に許容されるエステルまたは塩の形で医薬組成物中に存在することができる。
本明細書に記載の医薬組成物の製剤は、薬品作用学の分野で知られ、または今後開発されるどんな方法によって調製してもよい。一般に、そのような調製法は、活性成分を担体または1種または複数の他の付属成分と一緒にし、次いで、必要または望ましければ、生成物を所望の1回または複数回分の単位に成形または包装するステップを含む。
本発明の方法で有用な医薬組成物は、経口、直腸、経膣、非経口、局所、肺、鼻腔内、頬側、眼、または別の投与経路に適する製剤にして調製、包装、または販売することができる。企図している他の製剤には、考案されているナノ粒子、リポソーム製剤、活性成分を含有する再封赤血球、および免疫学に基づく製剤が含まれる。
本発明の医薬組成物は、単一単位用量または複数の単一単位用量として大量に調製、包装、または販売することができる。本明細書では、「単位用量」は、所定の量の活性成分を含む医薬組成物の個別の量である。活性成分の量は、一般に、対象に投与されることになる活性成分の投与量に等しく、またはたとえばそのような投与量の2分の1または3分の1などの、その投与量の好都合な分数である。
本発明の医薬組成物中の活性成分、薬学的に許容できる担体、および任意の追加の成分の相対的な量は、治療を受ける対象の個性、大きさ、および状態に応じて、さらに組成物を投与する経路に応じて様々となる。例として、組成物は、0.1%〜100%(w/w)の間の活性成分を含んでよい。
活性成分に加え、本発明の医薬組成物は、1種または複数の薬学的に活性のある追加の薬剤をさらに含んでよい。特に企図される追加の物質には、制吐薬、下痢止め薬、化学療法剤、サイトカインなどが含まれる。
本発明の医薬組成物の制御放出または持続放出製剤は、従来の技術を使用して製造することができる。
経口投与に適する本発明の医薬組成物の製剤は、その限りでないが、それぞれが所定の量の活性成分を含有する錠剤、硬もしくは軟カプセル、カシェ剤、トローチ、またはロゼンジを含む、個別の固体用量単位の形で調製、包装、または販売することができる。経口投与に適する他の製剤には、その限りでないが、粉末もしくは顆粒状の製剤、水性もしくは油性の懸濁液、水性もしくは油性の溶液、または乳濁液が含まれる。
本明細書では、「油性の」液体とは、炭素を含む液体分子を含み、極性の形質が水より弱いものである。
活性成分を含む錠剤は、たとえば、活性成分を、任意選択で1種または複数の追加の成分と共に圧縮または成形することによって製造することができる。圧縮された錠剤は、任意選択で結合剤、滑沢剤、医薬添加剤、界面活性剤、および分散剤の1種または複数と混合した、粉末または顆粒状の製剤などの易流動性の形態の活性成分を適切な装置の中で圧縮して調製することができる。成形錠剤は、活性成分、薬学的に許容できる担体、および少なくとも混合物を湿らせるのに十分な液体からなる混合物を適切な装置の中で成形して製造することができる。
錠剤の製造で使用する薬学的に許容できる賦形剤には、その限りでないが、不活性希釈剤、造粒および崩壊剤、結合剤、および滑沢剤が含まれる。知られている分散剤には、その限りでないが、ジャガイモデンプンおよびナトリウムデンプングリコラートが含まれる。知られている界面活性剤には、その限りでないが、ラウリル硫酸ナトリウムが含まれる。知られている希釈剤には、その限りでないが、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、微結晶セルロース、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、およびリン酸ナトリウムが含まれる。知られている造粒崩壊剤には、その限りでないが、コーンスターチおよびアルギン酸が含まれる。知られている結合剤には、その限りでないが、ゼラチン、アカシア、α化トウモロコシデンプン、ポビドン、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる。知られている滑沢剤には、その限りでないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、シリカ、およびタルクが含まれる。
錠剤は、コーティングされていなくてもよいし、または対象の消化管の中で遅い分解を実現し、それによって活性成分の持続性の放出および吸収をもたらすために、既知の方法を使用してコーティングしてもよい。例として、モノステアリン酸グリセリルやジステアリン酸グリセリルなどの材料を使用して、錠剤をコーティングすることができる。さらに、例として、米国特許第4256108号、同第4160452号、および同第4265874号に記載されている方法を使用して錠剤をコーティングすると、浸透圧徐法錠を生成することができる。錠剤は、薬剤として洗練され、味のよい製剤を提供するために、甘味剤、着香剤、着色剤、保存剤、またはこれらのいくつかの組合せをさらに含んでよい。
活性成分を含む硬カプセルは、ゼラチンなどの生理的に分解される組成物を使用して製造することができる。そのような硬カプセルは、活性成分を含み、たとえば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリンなどの不活性な固体希釈剤を含めて、追加の成分もさらに含んでよい。
活性成分を含む軟ゼラチンカプセルは、ゼラチンなどの生理的に分解される組成物を使用して製造することができる。そのような軟カプセルは、水またはラッカセイ油、流動パラフィン、オリーブ油などの油の媒質と混合してもよい活性成分を含む。
経口投与に適する本発明の医薬組成物の液体製剤は、液体形態で、または使用前に水もしくは別の適切な賦形剤で再形成される予定の乾燥品の形で調製、包装、および販売することができる。
懸濁液は、活性成分の水性または油性賦形剤懸濁液を得る従来の方法を使用して調製することができる。水性賦形剤には、たとえば、水および等張性生理食塩水が含まれる。油性賦形剤には、たとえば、扁桃油、油性エステル、エチルアルコール;ラッカセイ、オリーブ、ゴマ、ヤシ油などの植物油、分留植物油、および流動パラフィンなどの鉱油が含まれる。懸濁液は、その限りでないが、懸濁化剤、分散剤もしくは湿潤剤、乳化剤、粘滑剤、保存剤、緩衝剤、塩類、着香剤、着色剤、および甘味剤を含む1種または複数の追加の成分をさらに含んでよい。油性懸濁液は、増粘剤をさらに含んでよい。知られている懸濁化剤には、その限りでないが、ソルビトールシロップ、水素添加された食用脂、アルギン酸ナトリウム、ポビドン、トラガカントゴム、アカシアゴム、およびカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体が含まれる。知られている分散剤または湿潤剤には、その限りでないが、レシチンなどの自然に存在するホスファチド;アルキレンオキシドと、脂肪酸、長鎖脂肪族アルコール、脂肪酸およびヘキシトールから得られる部分エステル、または脂肪酸および無水ヘキシトールから得られる部分エステルとの縮合物(たとえば、それぞれステアリン酸ポリオキシエチレン、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)が含まれる。知られている乳化剤には、その限りでないが、レシチンおよびアカシアが含まれる。知られている保存剤には、その限りでないが、メチル、エチル、またはn−プロピルのp−ヒドロキシ安息香酸エステル、アスコルビン酸、ならびにソルビン酸が含まれる。知られている甘味剤には、たとえば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、スクロース、およびサッカリンが含まれる。油性懸濁液用の知られている増粘剤には、たとえば、蜜蝋、固形パラフィン、およびセチルアルコールが含まれる。
活性成分の水性または油性溶媒中の液溶液は、実質的に懸濁液と同じ方法で調製することができ、主な相違は、活性成分を溶媒に懸濁させるというより溶解させることである。本発明の医薬組成物の液溶液は、懸濁液に関して記載した構成要素のそれぞれを含むが、懸濁化剤は、活性成分の溶媒への溶解を必ずしも助けないと理解される。水性溶媒には、たとえば、水および等張性の生理食塩水が含まれる。油性溶媒には、たとえば、扁桃油、油性エステル、エチルアルコール;ラッカセイ、オリーブ、ゴマ、またはヤシ油などの植物油、分留植物油、ならびに流動パラフィンなどの鉱油が含まれる。
本発明の医薬製剤の粉末および顆粒の製剤は、既知の方法を使用して調製することができる。このような製剤は、対象に直接投与してもよいし、たとえば、錠剤を生成し、カプセルに充填し、または水性もしくは油性の賦形剤をそれに加えて水性もしくは油性の懸濁液もしくは溶液を調製するのにこれを使用してもよい。これらの製剤はそれぞれ、分散剤もしくは湿潤剤、懸濁化剤、および保存剤の1種または複数をさらに含んでよい。充填剤、甘味剤、着香剤、着色剤などの追加の医薬添加剤も、これらの製剤に含めることができる。
本発明の医薬組成物は、水中油型乳濁液または油中水型乳濁液の形で調製、包装、または販売することもできる。油相は、オリーブやラッカセイ油などの植物油、流動パラフィンなどの鉱油、またはこれらの組合せでよい。そのような組成物は、アカシアゴムやトラガカントゴムなどの自然に存在するゴム、ダイズまたはレシチンホスファチドなどの自然に存在するホスファチド、モノオレイン酸ソルビタンなどの、脂肪酸とヘキシトール無水物の組合せから得られるエステルまたは部分エステル、ならびにモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどの、そのような部分エステルとエチレンオキシドの縮合物など、1種または複数の乳化剤をさらに含んでよい。これらの乳濁液は、たとえば甘味剤または着香剤を含む追加の成分を含有していてもよい。
本発明の医薬組成物は、直腸投与に適する製剤にして調製、包装、または販売することもできる。そのような組成物は、たとえば、坐剤、保持式(retention)浣腸製剤、直腸または結腸洗浄用の溶液の形でよい。
坐剤製剤は、活性成分と、通常の室温(すなわち約20℃)で固体であり、対象の直腸温(すなわち、健常人では約37℃)で液体である薬学的に許容できる非刺激性の賦形剤とを混ぜ合わせることによって製造できる。適切な薬学的に許容できる賦形剤には、その限りでないが、カカオ脂、ポリエチレングリコール、および様々なグリセリドが含まれる。坐剤製剤は、その限りでないが、抗酸化剤および保存剤を含む様々な追加の成分をさらに含んでよい。
保持式浣腸製剤または直腸もしくは結腸洗浄用の溶液は、活性成分と薬学的に許容できる液体担体を混ぜ合わせることによって製造できる。当業界でよく知られているように、浣腸製剤は、対象の直腸の解剖学的形態に適合させた送達装置を使用して投与することができ、またその装置内に包装することができる。浣腸製剤は、その限りでないが、抗酸化剤および保存剤を含む様々な追加の成分をさらに含んでよい。
本発明の医薬組成物は、経膣投与に適する製剤にして調製、包装、または販売することもできる。そのような組成物は、たとえば、坐剤;タンポン、圧注製剤などの含浸させ、またはコーティングした膣に挿入できる材料;ゲルもしくはクリーム;または膣洗浄用の溶液の形でよい。
材料を化学組成物に含浸させ、または材料に化学組成物をコーティングする方法は、当業界で知られており、その限りでないが、化学組成物を表面に付着または結合させる方法、材料を合成する際に化学組成物を材料の構造に組み込む方法(すなわち、生理的に分解される材料でなど)、ならびに水性または油性の溶液または懸濁液を吸収性の材料に吸収させ、その後乾燥させまたは乾燥させない方法が含まれる。
圧注製剤または膣洗浄用の溶液は、活性成分と薬学的に許容できる液体担体とを混ぜ合わせて製造することができる。当業界でよく知られているように、圧注製剤は、対象の膣の解剖学的形態に適合させた送達装置を使用して投与することができ、またその装置内に包装することができる。圧注製剤は、その限りでないが、抗酸化剤、抗生物質、抗かび剤、および保存剤を含む様々な追加の成分をさらに含んでよい。
本明細書では、医薬組成物の「非経口投与」には、対象の組織の物理的な突破、および組織のその突破口を通しての医薬組成物の投与を特徴とする任意の投与経路が含まれる。したがって、非経口投与には、その限りでないが、組成物の注射、外科的な切開を通しての組成物の適用、組織を貫通する外科的でない傷を通しての組成物の適用などによる医薬組成物の投与が含まれる。特に、非経口投与には、その限りでないが、皮下、腹腔内、筋肉内、胸骨内注射、および腎臓透析注入技術が含まれると考えている。
非経口投与に適する医薬組成物の製剤は、滅菌水や無菌の等張性生理食塩水などの薬学的に許容できる担体と組み合わせた形の活性成分を含む。このような製剤は、ボーラス投与または持続的な投与に適する形態にして調製、包装、または販売することができる。注射用の製剤は、アンプルまたは保存剤を含有する多用量容器などに入った単位剤形にして調製、包装、または販売することができる。非経口投与用の製剤には、その限りでないが、油性または水性賦形剤中の懸濁液、溶液、乳濁液;ペースト;ならびに以下で論述するような移植可能な徐放性または生分解性の製剤が含まれる。そのような製剤は、その限りでないが、懸濁化剤、安定剤、または分散剤を含む1種または複数の追加の成分をさらに含んでよい。非経口投与用の製剤の一実施形態では、活性成分は、再形成された組成物を非経口投与する前に適切な賦形剤(たとえば、発熱物質を含まない滅菌水)で再形成するための乾燥(すなわち、粉末または顆粒)形態にして提供する。
本発明の組成物は、当業界で知られている様々な方法によって投与することができる。投与の経路および/または方式は、所望の成果に応じて様々である。植込錠、経皮パッチ、およびマイクロカプセル化された送達系を含む制御放出製剤などの、急速に放出されないように化合物を保護する担体を加えた活性化合物を調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリ乳酸などの生分解性の生体適合性ポリマーを使用することができる。そのような製剤を調製するための多くの方法が、たとえば、「Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems」、J.R.Robinson編、Marcel Dekker,Inc.、米国ニューヨーク(1978年)に記載されている。医薬組成物は、GMP条件下で製造することが好ましい。
医薬組成物は、注射用の無菌の水性または油性懸濁液または溶液の形で調製、包装、または販売することができる。この懸濁液または溶液は、既知の技術に従って製剤することができ、活性成分に加え、本明細書に記載の分散剤、湿潤剤、懸濁化剤などの追加の成分を含んでよい。そのような無菌の注射用製剤は、たとえば水または1,3−ブタンジオールなどの非経口的に許容できる非毒性の希釈剤または溶媒を使用して調製することができる。他の許容できる希釈剤および溶媒には、その限りでないが、リンガー液、等張性の塩化ナトリウム溶液、および合成のモノもしくはジグリセリドなどの固定油が含まれる。他の非経口的に投与できる有用な製剤としては、活性成分を、微結晶性の形で、リポソーム製剤中に、または生分解性ポリマー系の構成要素として含むものが挙げられる。持続性放出または移植用の組成物は、乳濁液、イオン交換樹脂、やや可溶性のポリマー、やや可溶性の塩などの薬学的に許容できる重合体材料または疎水性材料を含んでよい。
局所投与に適する製剤には、その限りでないが、リニメント剤、ローション;クリームなどの水中油または油中水乳濁液;軟膏またはペースト;溶液または懸濁液などの液体または半液体調製物が含まれる。局所投与用の製剤は、たとえば、約1%〜約10%(w/w)の活性成分を含むが、活性成分の濃度は、活性成分が溶媒に溶解する限界と同じ程度でよい。局所投与用の製剤は、本明細書に記載の追加の成分の1種または複数をさらに含んでよい。
本発明の医薬組成物は、頬腔からの肺への投与に適する製剤にして調製、包装、または販売することができる。そのような製剤は、活性成分を含み、直径が約0.5〜約7ナノメートル、約1〜約6ナノメートルの範囲にある乾燥粒子を含むものでよい。このような組成物は、噴射剤の流れがそこに向けられて、粉末を分散させることのできる乾燥粉末貯蔵器を含む装置を使用する投与、あるいは密閉容器中に低沸点の噴射剤に溶解または懸濁させた活性成分を含む装置などの、自己噴射性溶媒/粉末分注用容器を使用する投与のための乾燥粉末の形であると好都合である。そのような粉末は、粒子の少なくとも98重量%の直径が0.5ナノメートルより大きく、かつ粒子の少なくとも95数量%の直径が7ナノメートル未満である粒子からなることが好ましい。粒子の少なくとも95重量%の直径が1ナノメートルより大きく、かつ粒子の少なくとも90数量%の直径が6ナノメートル未満であることがより好ましい。乾燥粉末組成物は、糖などの固体微細粉末希釈剤を含むことが好ましく、単位用量形態で提供すると好都合である。
低沸騰噴射剤には、一般に、大気圧で沸点が65°Fより低い液体噴射剤が含まれる。一般に、噴射剤は組成物の50〜99.9%(w/w)を占めてよく、活性成分は組成物の0.1〜20%(w/w)を占めてよい。噴射剤は、液体非イオン界面活性剤、固体アニオンの界面活性剤、または(好ましくは、活性成分を含む粒子と同じ等級の粒度を有する)固体希釈剤などの追加の成分をさらに含んでよい。
肺への送達用に製剤された本発明の医薬組成物は、活性成分を溶液または懸濁液の液滴の形で提供するものでもよい。そのような製剤は、活性成分を含む無菌であってもよい水性または希アルコール性の溶液または懸濁液として調製、包装、または販売することができ、任意の噴霧または微粒化装置を使用して好都合に投与することができる。そのような製剤は、その限りでないが、サッカリンナトリウムなどの着香剤、揮発油、緩衝剤、界面活性剤、またはヒドロキシ安息香酸塩メチルなどの保存剤を含む、1種または複数の追加の成分をさらに含んでよい。この投与経路によって提供される液滴は、平均直径が約0.1〜約200ナノメートルの範囲にあることが好ましい。
肺への送達に有用な本明細書に記載の製剤は、本発明の医薬組成物の鼻腔内送達にも有用である。
鼻腔内投与に適する別の製剤は、活性成分を含み、平均粒子が約0.2〜500マイクロメートルである粗い粉末である。このような製剤は、嗅ぎタバコを嗅ぐ方法で、すなわち、鼻孔近くで保持された粉末の容器から鼻を通過する迅速な吸入によって投与される。
経鼻投与に適する製剤は、たとえば、わずか約0.1%(w/w)、多量の100%(w/w)の活性成分を含んでよく、本明細書に記載の追加の成分の1種または複数をさらに含んでよい。
本発明の医薬組成物は、頬側投与に適する製剤にして調製、包装、または販売することができる。そのような製剤は、たとえば、従来の方法を使用して製造された錠剤またはロゼンジの形でよく、たとえば、経口的に溶解または分解される組成物と、本明細書に記載の任意選択の追加の成分の1種または複数を含む0.1〜20%(w/w)の活性成分でよい。あるいは、頬側投与に適する製剤は、活性成分を含む粉末またはエアロゾル化もしくは霧状化された溶液または懸濁液を含んでよい。そのような粉末化またはエアロゾル化された製剤は、分散したとき、平均粒径または液滴サイズが約0.1〜約200ナノメートルの範囲にあることが好ましく、本明細書に記載の追加の成分の1種または複数をさらに含んでよい。
本発明の医薬組成物は、眼への投与に適する製剤にして調製、包装、または販売することができる。そのような製剤は、たとえば、たとえば活性成分の水性または油性液体担体中0.1〜1.0%(w/w)溶液または懸濁液を含む点眼薬の形でよい。そのような液滴は、緩衝剤、塩類、または本明細書に記載の追加成分のうちの1種または複数の他のものをさらに含んでよい。眼に投与できる他の有用な製剤には、微結晶性の形態またはリポソーム製剤の活性成分を含むものが含まれる。
本明細書では、「追加の成分」には、その限りでないが、次のもの、すなわち、医薬添加剤;界面活性剤;分散剤;不活性希釈剤;造粒崩壊剤;結合剤;滑沢剤;甘味剤;着香剤;着色剤;保存剤;ゼラチンなどの生理的に分解される組成物;水性賦形剤および溶媒;油性賦形剤および溶媒;懸濁化剤;分散剤もしくは湿潤剤;乳化剤、粘滑剤;緩衝剤;塩類;増粘剤;充填剤;乳化剤;抗酸化剤;抗生物質;抗かび剤;安定剤;ならびに薬学的に許容できる重合体または疎水性の材料の1種または複数が含まれる。本発明の医薬組成物に含めることができる他の「追加の成分」は、当業界で知られており、たとえば、本明細書に参照により援用される「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、Genaro編、Mack Publishing Co.、米国ペンシルヴェニア州イーストン(1985年)に記載されている。
本発明の抗CTLA4/アロマターゼ阻害剤活性成分の組合せは、動物、好ましくはヒトに投与することができる。各活性成分の投与される正確な投与量は、その限りでないが、治療対象となる動物の種類および疾患状態の種類、その動物の年齢、ならびに投与経路を含むいくつかの要素に応じて様々となる。
抗CTLA4抗体は、動物に毎日数回もの回数で投与してもよいし、あるいは1日1回、週1回、2週間に1回、月1回などのより少ない回数、または数カ月に1回、さらには1年に1回以下などのさらに少ない回数で投与してもよい。用量の回数は、当業者には容易に明らかとなるものであり、その限りでないが、治療する疾患の種類および重症度、動物の種類および年齢などのいくつかの要素に応じて決まる。
アロマターゼ阻害剤、好ましくはエキセメスタンは、動物に毎日数回もの回数で投与してもよいし、あるいは1日1回、週1回、2週間に1回、月1回などのより少ない回数、または数カ月に1回、さらには1年に1回以下などのさらに少ない回数で投与してもよい。用量の回数は、当業者には容易に明らかとなるものであり、その限りでないが、治療する疾患の種類および重症度、動物の種類および年齢などのいくつかの要因に応じて決まる。
抗体とアロマターゼは、別々に、異なる日取りで、またはその日の異なる時点に、あるいは同時にまたは同じ日に投与することができるという点で共投与することができる。したがって、共投与は、2種の薬剤の投与が、いずれかの薬剤の他方の不在下での投与よりも検出可能な程度に大きな対患者治療利益を媒介する、抗体とアロマターゼ阻害剤投与のどんな時間的な組合せも含む。
本発明の抗体−アロマターゼ阻害剤の組合せは、数多くの他の化合物(他の多くのものの中でも、他の抗ホルモン療法薬、サイトカイン、化学療法薬および/または抗ウイルス薬)と共投与することができる。あるいは、化合物は、抗体−アロマターゼ阻害剤の組合せまたはその任意の取合せの1時間、1日、1週間、1カ月、もしくはそれ以上前に投与することができる。さらに、化合物は、放射線投与、幹細胞移植、もしくは任意の治療薬(たとえば、サイトカイン、化学療法化合物など)またはこれらの任意の取合せの投与の1時間、1日、1週間、もしくはそれ以上後に投与することができる。回数および投与治療計画は、当業者には容易に明らかとなるものであり、その限りでないが、治療する疾患の種類および重症度、動物の年齢および健康状態、化合物の個性、または投与する化合物、様々な化合物の投与経路などのいくつかの要素に応じて決まる。
VII.キット
本発明は、治療有効量の本発明のヒト抗CTLA4抗体と治療有効量のアロマターゼ阻害剤と共に、アプリケーター、および本発明の方法を実施するための組合せの使用について述べる説明材料を含む様々なキットを含む。好例となるキットを以下に記載するが、他の有用なキットの内容物は、この開示に照らして当業者に明白となろう。これらのキットのそれぞれが、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、その必要のある患者において乳癌を治療するためのキットを含む。キットは、本発明のヒト抗CTLA4抗体と少なくとも1種のアロマターゼ阻害剤を含む。この阻害剤には、その限りでないが、フルベストラント、アナストロゾール、レトロゾール、およびエキセメスタンが含まれる。キットは、その限りでないが、キットの構成要素を患者に投与するためのシリンジを含むアプリケーターをさらに含む。さらに、キットは、患者において乳癌を治療するためのキットの使用に関連する情報を記載する説明材料を含む。
キットは、抗体4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1.、12.3.1.1、12.9.1.1、および10D1(MDX−010)の重鎖および軽鎖アミノ酸配列を有する抗体から選択される少なくとも1種の抗CTLA4抗体を含むことがより好ましく、抗体が、抗体4.13.1、11.2.1、および10D1(MDX−010)の重鎖および軽鎖アミノ酸配列を有する抗体であることがさらにより好ましい。
一実施形態では、アロマターゼ阻害剤は、アナストロゾール、レトロゾール、およびエキセメスタンから選択される少なくとも1種の阻害剤である。より好ましくは、アロマターゼ阻害剤はエキセメスタンである。
キットは、乳癌治療のためのいくつかの追加の薬剤を含んでよい。そのような薬剤は、以前に記載したものであり、他の多くのものの中でも、化学療法用化合物、癌ワクチン、シグナル伝達阻害剤、異常細胞増殖または癌の治療において有用な薬剤、IGF−1Rに結合して腫瘍成長を抑制する抗体または他のリガンド、ならびにサイトカインがこれに含まれる。
本発明はまた、癌治療に有効な量(たとえば、10mg/kg超、少なくとも15mg/kg、または15mg/kg)のヒト抗CTLA4抗体と治療有効量のアロマターゼ阻害剤とを含む製品(たとえば、静脈内投与に適合させた剤形)に関する。ある実施形態では、製品は、ヒト抗CTLA4抗体、アロマターゼ阻害剤、ならびに癌治療のための使用についてのラベルおよび/または説明書を含む1個または複数の容器を含む。
以下の実験実施例に即して本発明をさらに詳述する。これらの実施例は、例示する目的で提供するものにすぎず、別段に指定しない限り、限定するものでない。したがって、本発明は、決して以下の実施例に限定されると解釈すべきでなく、むしろ、本明細書で提供する教示の結果として明白となるあらゆる変形形態を含むと解釈すべきである。
閉経後患者の転移性または局所的に進行した乳癌における、エキセメスタンと組み合わせた形の抗CLTA4抗体
少なくとも1箇所の病変が二次元で正確に測定でき、その大きさが従来のCTスキャンで≧2cm×1cm、またはらせんCTスキャンで≧1cm×1cmである転移性または局所的に進行した乳癌を有する患者に、本明細書に記載の抗CTLA4抗体のIV注入(100mL/hr)を施した。必要に応じて予防的な制吐薬および下痢止め薬を与える。
28日後に処置を繰り返す。経時的なコホートに、3mg/kgから始め、その後それぞれ28日毎に6mg/kg、10mg/kg、および15mg/kgへと増加させながら、最高で12サイクルの間、非忍容性の毒性または疾患の進行なしに抗CTLA4抗体の用量を徐々に増大させて与える。
患者は、抗CTLA4の注入の少なくとも1時間半前に抗ヒスタミン剤(H1)の前投薬を受けていることが好ましい。前投薬は、推奨されるが必要ではない。
すべての患者に、全28日サイクルの1日当たり25mgの連続的な経口用量としてエキセメスタンを与える。エキセメスタンは、毎日同じ時間に服用されることが好ましい。
用量は、コホート当たり3〜6人の対象で用量−倍加スキームを利用する加速滴定設計を使用して段階的に増大させる。新しいそれぞれのコホート内で、対象間の待機期間は必要ない。現在の用量レベルの最初の対象を21日間観察し、後続の対象を14日間観察してしまうまでその後のコホートを開くことはできない。
抗体は、ゴム栓およびアルミニウムシールを備えた10ml容の透明なガラスバイアルに入れて提供する。各バイアルは、20mMの酢酸ナトリウム、0.2mg/mlのポリソルベート80、および140mMの塩化ナトリウムを含むpH5.5の無菌水溶液中に5mg/ml(名目上の一杯は50mg/バイアル)の抗CTLA4抗体を含有する。
すべての患者について、投与前にECOGパフォーマンス状態、バイタルサイン、および体重を評価し、バイタルサインは、臨床上指摘されるように、投与後に繰り返すことができる。(眼科学的な評価および自己免疫のサインを含む)理学的検査を1日目に実施する。血液学パネル(ヘマトクリット、RBC数、WBC数、差)、化学(アルカリホスファターゼ、カルシウム、塩化物、GGT、LDH、マグネシウム、リン、無作為のグルコース、ナトリウム、尿素、尿酸)、尿検査(血液、タンパク質)、他(活性化部分トロンボプラスチン時間[APTT]、プロトロンビン時間(PT)、自己抗体パネル、C反応性タンパク質、TSH、T3、T4、アミラーゼ、リパーゼ、血清C3、C4、血清Igレベル)のためのサンプルを得る。
基線のヒト抗ヒト抗体(HAHA)力価を決定し、投与前に薬物動態(PK)検体を得る。
次の終末点、すなわち、PKパラメータ、HAHA、応答率、および増殖抑制時間を測定する。Kaplan−Meier積極限法を使用して、増殖抑制時間および全体としての生存時間を算出する。
抗CTLA4抗体は、4.1.1、4.13.1、11.2.1、および10D1から選択される少なくとも1種の抗体の重鎖および軽鎖アミノ酸配列を有することが好ましい。抗体は、11.2.1の重鎖および軽鎖アミノ酸配列を有することがより好ましい。
3人の患者に、3mg/kgの抗CTLA4抗体(ticilimumab)を投与した。3人全員の患者に、毎日25mgのエキセメスタンを投与した。一人の患者には、抗CTLA4を28日毎に2回、エキセメスタンを56日間毎日与えた。サイクル2の病期決定CTでは、肺の病変が基線に存在しないことが明らかになった。患者はまた、不明な病因、感染症の可能性、または炎症のある回腸終端、遠位下行結腸、およびS状結腸を含めて、新たな軽度の周囲壁肥厚を示した。患者は、これらの変化を説明する病歴をもたず、健康だと感じており、臨床的に無症候であった。感染は検出されなかった。この患者は、疾患進行(PD)についての調査を辞退した。
二番目の患者は、2サイクルの抗CTLA4抗体の投与を受け、約14日のエキセメスタン療法(毎日25mg)を受けた。最初のticilimumab投与の後、患者は、右腕の若干の基線リンパ浮腫がいくぶん悪化し、次いで鎮静したことを報告した。患者はまた、一過性の軽度の非そう痒性発疹を報告した。
三番目の患者には、ここまでは1サイクルのticilimumabと約28日間毎日25mgのエキセメスタンを与えた。28日目、日常的な実験室調査では、段階1に上昇したALPおよびAST、ならびに段階2に上昇したALTが検出された。患者は無症候であった。療法は、これらの検査値の改善が未解決のまま保留にした。
これらのデータは、ticilimumabとエキセメスタンの組合せによる治療を受けた患者が生物活性を示したことを示唆している。
本明細書で引用したどの特許、特許出願、および出版物の開示も、これによってその全体が参照により本明細書に援用される。
本発明は、詳細な実施形態に即して開示したが、他の当業者によって、本発明の真意および範囲から逸脱することなく、本発明の他の実施形態および変形形態が考案され得ることは言うまでもない。添付の特許請求の範囲は、そのようなすべての実施形態および等価な変形形態を含むと解釈されるものである。
図1A〜1Dを含む。抗CTLA4抗体4.1.1のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を示す配列表である。図1Aは、4.1.1重鎖の全長ヌクレオチド配列(配列番号1)を示す。図1Bは、4.1.1重鎖の全長アミノ酸配列(配列番号2)、およびブラケット「[]」の間に示される4.1.1重鎖可変部のアミノ酸配列(配列番号3)を示す。各4.1.1重鎖CDRのアミノ酸配列には下線を付してある。CDR配列は次のとおり、すなわちCDR1はGFTFSSHGMH(配列番号4)、CDR2はVIWYDGRNKYYADSV(配列番号5)、およびCDR3はGGHFGPFDY(配列番号6)である。図1Cは、4.1.1軽鎖のヌクレオチド配列(配列番号7)を示す。図1Dは、全長4.1.1軽鎖のアミノ酸配列(配列番号8)、およびブラケット「[]」の間に示される可変部(配列番号9)を示す。各CDRのアミノ酸配列は次のように示される。すなわち、CDR1はRASQSISSSFLA(配列番号10)、CDR2はGASSRAT(配列番号11)、およびCDR3はCQQYGTSPWT(配列番号12)。 図2A〜2Dを含む。抗CTLA4抗体4.13.1のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を示す配列表である。図2Aは、4.13.1重鎖の全長ヌクレオチド配列(配列番号13)を示す。図2Bは、4.13.1重鎖の全長アミノ酸配列(配列番号14)、およびブラケット「[]」の間に示される4.13.1重鎖可変部のアミノ酸配列(配列番号15)を示す。各4.13.1重鎖CDRのアミノ酸配列には下線を付してある。CDR配列は次のとおり、すなわちCDR1はGFTFSSHGIH(配列番号16)、CDR2はVIWYDGRNKDYADSV(配列番号12)、およびCDR3はVAPLGPLDY(配列番号18)である。図2Cは、4.13.1軽鎖のヌクレオチド配列(配列番号19)を示す。図2Dは、全長4.13.1軽鎖のアミノ酸配列(配列番号20)、およびブラケット「[]」の間に示される可変部(配列番号21)を示す。各CDRのアミノ酸配列は、次のように示される。すなわち、CDR1はRASQSVSSYLA(配列番号22)、CDR2はGASSRAT(配列番号23)、およびCDR3はCQQYGRSPFT(配列番号24)。 図3A−3Dを含む。抗CTLA4抗体11.2.1のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を示す配列表である。図3Aは、11.2.1重鎖の全長ヌクレオチド配列(配列番号25)を示す。図3Bは、11.2.1重鎖の全長アミノ酸配列(配列番号26)、およびブラケット「[]」の間に示される11.2.1重鎖可変部のアミノ酸配列(配列番号27)を示す。各11.2.1重鎖CDRのアミノ酸配列には下線を付した。CDR配列は次のとおり、すなわちCDR1はGFTFSSYGMH(配列番号28)、CDR2:VIWYDGSNKYYADSV(配列番号29)、およびCDR3:DPRGATLYYYYYGMDV(配列番号30)。図3Cは、11.2.1軽鎖のヌクレオチド配列(配列番号31)を示す。図3Dは、全長11.2.1軽鎖のアミノ酸配列(配列番号32)、およびブラケット「[]」の間に示される可変部(配列番号33)を示す。各CDRのアミノ酸配列は、次のように示される。すなわち、CDR1はRASQSINSYLD(配列番号34)、CDR2:AASSLQS(配列番号35)、およびCDR3:QQYYSTPFT(配列番号36)。

Claims (20)

  1. 乳癌の治療を必要とする患者における乳癌の治療方法であって、前記患者に、治療有効量の抗CTLA4抗体またはその抗原結合部分を治療有効量のアロマターゼ阻害剤と組み合わせて投与することを含む方法。
  2. 前記アロマターゼ阻害剤が、アナストロゾール、レトロゾール、およびエキセメスタンからなる群から選択される少なくとも1種の阻害剤である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アロマターゼ阻害剤がエキセメスタンである、請求項2に記載の方法。
  4. ヒト抗CTLA4抗体量の前記治療有効量が約1mg/kgから40mg/kgの範囲にある、請求項3に記載の方法。
  5. ヒト抗CTLA4抗体量の前記治療有効量が約3mg/kgから15mg/kgの範囲にある、請求項4に記載の方法。
  6. エキセメスタンの前記治療有効量が1日当たり約25mgから1日当たり200mgの範囲にある、請求項3に記載の方法。
  7. エキセメスタンの前記治療有効量が1日当たり約25mgである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記治療が、ネオアジュバント化学療法、アジュバント療法、ファーストライン治療、セカンドライン治療、およびサードライン治療からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記抗体が、ヒトでない哺乳類の抗体、キメラ抗体、およびヒト抗体からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記抗体がヒト抗体である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記抗CTLA4抗体またはその抗原結合部分が、以下のもの、すなわち、
    (a)CTLA4に対する結合親和性が約10−8以上であり、CTLA4とB7−1の結合、およびCTLA4とB7−2の結合を阻害するヒト抗体、
    (b)4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1.、12.3.1.1、12.9.1.1、および10D1からなる群から選択される抗体からのCDR配列に対応する少なくとも1種のヒトCDR配列を含むアミノ酸配列を有するヒト抗体、
    (c)4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1.、12.3.1.1、および12.9.1.1からなる群から選択される抗体の重鎖および軽鎖アミノ酸配列を有するヒト抗体、
    (d)4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1.、12.3.1.1、12.9.1.1、および10D1からなる群から選択される抗体の重鎖可変部および軽鎖可変部のアミノ酸配列を有するヒト抗体、
    (e)4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1.、12.3.1.1、12.9.1.1、および10D1からなる群から選択される抗体の重鎖および軽鎖アミノ酸配列を有する少なくとも1種の抗体とCTLA4との結合について競合する抗体またはその抗原結合部分、および
    (f)4.1.1、4.8.1、4.10.2、4.13.1、4.14.3、6.1.1、11.2.1、11.6.1、11.7.1.、12.3.1.1、12.9.1.1、および10D1からなる群から選択される抗体の重鎖および軽鎖アミノ酸配列を有する少なくとも1種の抗体とCTLA4との結合について交差競合する抗体またはその抗原結合部分
    からなる群から選択される少なくとも1種の抗体である、請求項1に記載の方法。
  12. 前記抗体が、抗体11.2.1の重鎖および軽鎖アミノ酸配列を有するヒト抗体である、請求項1に記載の方法。
  13. 前記抗体が重鎖および軽鎖を含み、前記重鎖の重鎖可変部および前記軽鎖の軽鎖可変部のアミノ酸配列が、以下のもの、すなわち、
    (a)配列番号3のアミノ酸配列および配列番号9のアミノ酸配列、
    (b)配列番号15のアミノ酸配列および配列番号21のアミノ酸配列、
    (c)配列番号27のアミノ酸配列および配列番号33のアミノ酸配列、
    (d)配列番号1の核酸配列によってコードされるアミノ酸配列および配列番号7の核酸配列によってコードされるアミノ酸配列、
    (e)配列番号13の核酸配列によってコードされるアミノ酸配列および配列番号19の核酸配列によってコードされるアミノ酸配列、
    (f)配列番号25の核酸配列によってコードされるアミノ酸配列および配列番号31の核酸配列によってコードされるアミノ酸配列、
    (g)抗体10D1の重鎖可変部および軽鎖可変部のアミノ酸配列
    からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  14. 前記抗体またはその抗原結合部分が、以下のもの、すなわち、
    (a)配列番号4、配列番号5、および配列番号6に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変部を有し、さらに配列番号10、配列番号11、および配列番号12に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変部を有する抗体、
    (b)配列番号16、配列番号17、および配列番号18に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変部を有し、さらに配列番号22、配列番号23、および配列番号24に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変部を有する抗体、
    (c)配列番号28、配列番号29、および配列番号30に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変部を有し、さらに配列番号34、配列番号35、および配列番号36に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変部を有する抗体、および
    (d)抗体10D1の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む重鎖可変部を有し、さらに抗体10D1の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含む軽鎖可変部を有する抗体
    からなる群から選択される抗体である、請求項1に記載の方法。
  15. 前記方法が、アルキル化剤、葉酸拮抗薬、ピリミジン拮抗薬、アントラサイクリン系抗生物質、白金化合物、タキサン、ビンカアルカロイド、カンプトテシン類似体、トール様受容体刺激薬、熱ショックタンパク質を主剤とする腫瘍ワクチン、抗原提示細胞に基づく療法、哺乳類ラパマイシン標的タンパク質阻害剤、erbB2阻害剤、EGFR阻害剤、VEGF阻害剤、VEGFR阻害剤、血管形成阻害剤、抗体、免疫調節物質、選択的エストロゲン受容体調節物質、サイトカイン、腫瘍ワクチン、抗増殖薬、免疫共刺激分子、およびサイトカインからなる群から選択される少なくとも1種の薬剤を前記患者に投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  16. 治療有効量の抗CTLA4抗体、
    治療有効量のアロマターゼ阻害剤、および
    薬学的に許容できる担体
    を含む乳癌治療のための医薬組成物。
  17. 前記アロマターゼ阻害剤が、アナストロゾール、レトロゾール、およびエキセメスタンからなる群から選択される少なくとも1種のアロマターゼ阻害剤である、請求項16に記載の医薬組成物。
  18. 前記アロマターゼ阻害剤がエキセメスタンである、請求項17に記載の医薬組成物。
  19. 患者における乳癌治療のための組成物を調製する際のある量の抗CTLA4抗体の使用であって、前記治療が、前記患者にある量のアロマターゼ阻害剤を投与することをさらに含む使用。
  20. 前記アロマターゼ阻害剤がエキセメスタンであり、さらに前記抗体が、抗体11.2.1の重鎖および軽鎖可変部アミノ酸配列を有するヒト抗体である、請求項19に記載の使用。
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