JP2008500384A - シアル酸を含む莢膜サッカリドについての重合度の測定 - Google Patents

シアル酸を含む莢膜サッカリドについての重合度の測定 Download PDF

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Abstract

重合度(DP)は、サッカリド抗原、特に複合糖質の分析の重要なパラメーターである。本発明は、莢膜サッカリド、特に髄膜炎菌のサッカリド(例えば、血清群W135および血清群Y由来)についてDPを測定するために用いられ得る方法を提供する。好ましい方法は、サッカリド上の末端シアル酸残基の還元に基づき、DPは、シアル酸の合計のモル比を還元されたシアル酸と比較することにより算出される。本発明により、ワクチン組成物を調製するためのプロセスおよびワクチンの2つのバッチもまた提供される。

Description

本明細書において引用されるすべての文書は、それらの全体が本明細書中に参考として援用される。
(技術分野)
本発明は、細菌莢膜サッカリドを含むワクチンの分析および品質管理の分野にあり、そして特に、サッカリドがキャリアに結合しているワクチンの分野にある。
キャリアタンパク質に結合された莢膜サッカリド抗原を含んでいる免疫原は、当該分野で周知である。結合により、T独立性抗原をT依存性抗原に変換し、それにより、記憶応答を強化して、防御免疫の発達を可能にする。そして原型結合体ワクチンは、Haemophilus influenzae b型(Hib)に関してであった[例えば、非特許文献1(参考文献1)の第14章を参照のこと]。Hibワクチン以来、Neisseria meningitidis(髄膜炎菌)およびStreptococcus pneumoniae(肺炎連鎖球菌)から保護するための結合サッカリドワクチンが開発されてきた。結合体ワクチンが目的のものである他の生物体は、Streptococcus agalactiae(B群連鎖球菌)[特許文献2]、Pseudomonas aeruginosa[非特許文献3]およびStaphylococcus aureus[非特許文献4]である。
全長莢膜サッカリドを使用するよりはむしろ、加水分解工程の後、所望のサイズのオリゴサッカリドフラグメントを選択することが可能であり[例えば、非特許文献(参考文献5)]、そして中間の鎖長のオリゴサッカリドを用いて作製された結合体が、改良された免疫原性を提供すると報告されている[例えば、非特許文献6および7(参考文献6および7)]。ヒトでの使用が認可された3つのN.meningitidis血清群Cに結合されたワクチンの中でも、MenjugateTM[非特許文献8]およびMeningitecTMは、オリゴサッカリドに基づき、一方、NeisVac−CTMは、全長ポリサッカリドを使用する。従って、オリゴサッカリド長(例えば、重合度、すなわち「DP」、すなわち、鎖中の反復単位数を測定することによって)の測定が、免疫原性の間接的な評価のために使用され得る。
オリゴサッカリドフラグメントがワクチンに含まれる場合、製造および発売についての品質管理は、オリゴサッカリドが規定の長さを有することおよびこの長さがバッチ間で一貫していることを必要とする。従って、DPは品質管理にも役立ち、そしてEuropean Directorate for Quality of Medicines(EDQM)は、製造の間に使用されるサッカリドのDPおよび分子サイズ分布に関するデータの提出を特に必要とする結合Hibワクチンに関するOfficial Control Authority Batch Release(OCABR)を有する。
DPは、ワクチンの安定性をモニタリングするためにも使用され得る。サッカリド抗原は室温で容易に解重合され得[非特許文献9,特許文献1(10)]、免疫原性の減少およびワクチンの不均一性の増加を引き起こす。このような変化は、貯蔵中経時的にDPを追跡することによってモニタリングされ得る。
オリゴサッカリドプールにおける平均DPは、多くの方法論を使用して測定され得、そして、場合によっては、方法の選択は、分析中のサッカリドに依存する。比色分析および/または酵素分析のような技術は、Hibからのオリゴサッカリド、ならびに髄膜炎菌の血清群AおよびCからのオリゴサッカリドについて記載されている[非特許文献5,非特許文献10(11),非特許文献11(12)]が、本発明者らは、髄膜炎菌の血清群W135および血清群Y(「MenW135」および「MenY」)のサッカリド中のグリコシド結合は、これらの技術が使用できないことを意味することを見出した。
国際公開第03/080678号パンフレット Vaccines(Plotkinら編)第4版,ISBN:0721696880 Bakerら(2003)J Infect Dis 188:66−73 Theilackerら(2003)Infect Immun 71:3875−84 Anonymous(2003)Drugs R D 4:383−5 Ravenscroftら(1999)Vaccine 17:2802−2816 Paolettiら(1992)J Clin Invest 89:203−9 Andersonら(1986)J Immunol 137:1181−6 Jones(2001)Curr Opin Investig Drugs 2:47−49 Corbel(1996)Dev Biol Stand 87:113−124 Costantinoら(1999)Vaccine 17:1251−63 D’Ambraら(1997)Anal Biochem 250:228−36
結合体ワクチンについてMenAサッカリドおよびMenCサッカリドのDPの測定のための方法は以前に記載されている[例えば、参考文献5および13]が、血清群W135および血清群Yのサッカリドに適用され得る方法についての必要性が残っている。従って、本発明の目的は、サッカリドのDP評価方法を改善することであり、特に髄膜炎菌の血清群W135および血清群YからのサッカリドについてDPを測定するために使用され得る方法を提供することである。
(発明の開示)
本発明者らは、髄膜炎菌の血清群W135および血清群Yの莢膜サッカリドについてDPを測定するために使用され得る方法を見出した。従って、本発明は、莢膜サッカリドが髄膜炎菌の血清群W135または血清群Yに由来するという点を特徴とする、莢膜サッカリドの重合度を測定するためのプロセスを提供する。この方法は、クロマトグラフ分離を含んで便利に実施される。異なる大きさの莢膜サッカリド集団を含んでいる組成物において、本発明は、平均DPを測定するためのプロセスを提供する。
このプロセスは、代表的に、構成成分モノサッカリドを遊離するサッカリドの加水分解を含み、分析はモノサッカリドに基づく。従って、本発明は、髄膜炎菌の血清群W135または血清群Yからの莢膜サッカリドの重合度を測定するためのプロセスを提供し、ここで、このプロセスは、以下の工程:(i)サッカリドを加水分解して、モノサッカリドサブユニットを含んでいるサッカリド加水分解産物を得る工程、および(ii)加水分解産物中のモノサッカリドサブユニットを定量する工程を包含し、ここで、工程(ii)の定量結果は、重合度を算出するために使用される。
加水分解の前に、このプロセスは代表的に、モノサッカリドへの加水分解後に末端残基が非末端残基から区別され得るような、サッカリドの末端残基(還元末端または非還元末端のいずれかで)の化学修飾を含む。従って、本発明は、髄膜炎菌の血清群W135または血清群Yから莢膜サッカリドの重合度を測定するためのプロセスを提供し、ここで、このプロセスは、以下の工程:(i)サッカリドの末端モノサッカリドサブユニットを修飾して、修飾末端モノサッカリドを得る工程;(ii)サッカリドを加水分解して、修飾末端モノサッカリドを含む、モノサッカリドサブユニットを含んでいるサッカリド加水分解産物を得る工程;(iii)加水分解産物からモノサッカリドサブユニットを定量する工程;(iv)加水分解産物から修飾末端モノサッカリドを定量する工程;ならびに(v)工程(iii)および工程(iv)の定量結果を使用して、重合度を算出する工程を包含する。
この方法は、一つ以上の異なる種類のモノサッカリドサブユニットを含みかつ末端シアル酸残基を含む任意のサッカリドにさらに一般的に適用され得る。都合のよいことに、この方法は、他のいかなる種類のモノサッカリドの分析も必要とせずに、サッカリド中のシアル酸残基の定量のみに基づいてDP情報を提供する。従って、本発明は、そこにおいて、莢膜サッカリドの重合度を測定するためのプロセスを提供し、ここで:(a)このサッカリドは、シアル酸モノサッカリドサブユニットおよび非シアル酸モノサッカリドサブユニットを含み;(b)このサッカリドは、末端シアル酸モノサッカリドサブユニットを有し;そして(c)該プロセスは、以下の工程を包含する:(i)該サッカリドの末端シアル酸サブユニットを修飾して、修飾末端シアル酸サブユニットを得る工程;(ii)該サッカリドを加水分解して、修飾末端シアル酸サブユニットを含む、シアル酸サブユニットを含んでいるサッカリド加水分解産物を得る工程;(iii)該修飾末端シアル酸サブユニットを含む該加水分解産物から該シアル酸サブユニットを定量する工程;および(iv)工程(iii)の定量結果を使用して重合度を算出する工程。
本発明の好適な方法は、サッカリド上の末端シアル酸残基の還元に基づき、次いで、DPは、シアル酸の合計の、還元されたシアル酸に対する比を決定することにより算出される。本発明は、従って、莢膜サッカリドの重合度を測定するためのプロセスを提供し、ここで:(a)該サッカリドは、シアル酸モノサッカリドサブユニットおよび非シアル酸モノサッカリドサブユニットを含み;(b)該サッカリドは、末端シアル酸モノサッカリドサブユニットを有し;そして(c)該プロセスは、以下の工程を包含する:(i)該サッカリドの末端シアル酸モノサッカリドサブユニットを還元して、還元シアル酸モノサッカリドサブユニットを得る工程;(ii)該サッカリドを加水分解して、モノサッカリドサブユニットを含んでいる加水分解産物を得る工程;(iii)該加水分解産物中のシアル酸の合計(すなわち、還元および非還元のシアル酸)の、還元されたシアル酸に対する比を決定する工程。
異なる大きさの莢膜サッカリドの集団を含んでいる組成物に関して、本発明は、このサッカリドの平均重合度を測定するためのプロセスを提供し、ここで:(a)該サッカリドは、シアル酸モノサッカリドサブユニットおよび非シアル酸モノサッカリドサブユニットを含み;(b)該サッカリドは、末端シアル酸モノサッカリドサブユニットを有し;そして(c)該プロセスは、以下の工程を包含する:(i)該サッカリドの末端シアル酸モノサッカリドサブユニットを還元して、還元シアル酸モノサッカリドサブユニットを得る工程;(ii)該サッカリドを加水分解して、モノサッカリドサブユニットを含んでいるサッカリド加水分解産物を得る工程;(iii)該加水分解産物中のシアル酸の合計(すなわち、還元および非還元のシアル酸)の、還元されたシアル酸に対する比を決定する工程。この組成物は、末端シアル酸モノサッカリドサブユニットを有しないサッカリドを含み得る。
ポリシアル酸サッカリドの長さおよび組成を分析するための方法は、記載されており[14]、そこでは、末端残基は、酸化および/または還元され、その後、サッカリドはノイラミニダーゼ酵素により消化さて、そのシアル酸モノサッカリドサブユニットが遊離される。しかし、この先行技術のプロセスは、単にシアル酸(N−アセチルノイラミン酸、N−グリコリル−ノイラミン酸および脱アミノ化されたシアル酸を含む)のみから成るサッカリドについてのみ記載され、モノサッカリドへと酵素的に切断され得るサッカリドに技術的に制限されていた。対照的に、本発明の方法は、非シアル酸モノサッカリドを含むサッカリドを取り扱うことができ、酵素的加水分解の使用を必要としない(しかし、これを除外しない)。
本発明者らはまた、髄膜炎菌の血清群Cの莢膜サッカリドについてDPを測定するために使用され得る方法を見出した。この方法はさらに、末端シアル酸残基の還元に基づき、DPは、同様に算出される。この方法は、連結されたα2→9であるシアル酸残基を含むいかなるサッカリドにもさらに一般的に適用できる。好ましくは、この方法は、酵素的解重合を含まない。本発明は従って、莢膜サッカリドの重合度を測定するためのプロセスを提供し、ここで:(a)該サッカリドは、α2→9結合されたシアル酸モノサッカリドサブユニットを含み;(b)該サッカリドは、末端シアル酸モノサッカリドサブユニットを有し;そして(c)該プロセスは、以下の工程を包含する:(i)該末端シアル酸モノサッカリドサブユニットを還元して、還元されたシアル酸モノサッカリドサブユニットを得る工程;(ii)該サッカリドを加水分解して、モノサッカリドサブユニットを含んでいる加水分解産物を得る工程;(iii)該加水分解産物中のシアル酸の合計(すなわち、還元および非還元のシアル酸)の、還元されたシアル酸に対する比を決定する工程。
異なる大きさの莢膜サッカリドの集団を含んでいる組成物に関して、本発明は、このサッカリドの平均重合度を測定するためのプロセスを提供し、ここで:(a)該サッカリドは、α2→9結合されたシアル酸モノサッカリドサブユニットを含み;(b)該サッカリドは、末端シアル酸モノサッカリドサブユニットを有し;そして(c)該プロセスは、以下の工程を包含する:(i)末端シアル酸モノサッカリドサブユニットを還元して、還元されたシアル酸モノサッカリドサブユニットを得る工程;(ii)該サッカリドを加水分解して、モノサッカリドサブユニットを含んでいる加水分解産物を得る工程;(iii)該加水分解産物中のシアル酸の合計(すなわち、還元および非還元のシアル酸)の、還元されたシアル酸に対する比を決定する工程。
ポリシアル酸サッカリドの長さおよび組成を分析するための方法は、記載されており[14]、そこでは、末端残基は、酸化および/または還元され、その後、サッカリドはノイラミニダーゼ酵素により消化さて、そのシアル酸モノサッカリドサブユニットが遊離される。しかし、この先行技術のプロセスは、単にα2→8結合されたシアル酸のみから成るサッカリドについてのみ記載され、モノサッカリドへと酵素的に切断され得るサッカリドに技術的に制限されていた。対照的に、本発明の方法は、α2→9結合されたシアル酸に関しており、好ましくは、非酵素的加水分解(代表的には化学的(例えば、酸性)加水分解)を利用する。
血清群Cサッカリドの長さを決定するための方法は公知であり[5]、ここでは、DPは、シアル酸の合計と、MenCサッカリドの過ヨウ素酸塩処理によって生成されるホルムアルデヒドとの間の比を比較することにより決定された。この先行技術の方法は、ポリマーの非還元末端での修飾を含んでおり、シアリトール(sialitol)の生成を含まない。
(シアル酸残基および非シアル酸残基を含む莢膜サッカリド)
いくつかの実施形態において、本発明は、シアル酸モノサッカリドサブユニットおよび非シアル酸モノサッカリドサブユニットの両方を含むサッカリドを分析するための方法を提供する。より詳しくは、このサッカリドは好ましくは、反復単位から構成され、そしてこの反復単位はシアル酸モノサッカリドサブユニットおよび非シアル酸モノサッカリドサブユニットから成る。
目的の2つの特定のサッカリドは、Neisseria meningitidis血清群W135および血清群Yの莢膜サッカリドである。これらのサッカリドは、天然では、還元末端にシアル酸残基を有し、そして非還元末端にグルコースまたはガラクトースのいずれかを有する。これらの血清群のネイティブなサッカリドにおけるシアル酸は、N−アセチルノイラミン酸、すなわち、「NeuNAc」である。
血清群W135サッカリドは、シアル酸−ガラクトース二糖単位からなるポリマーである。これは、シアル酸の7位および9位に可変のO−アセチル化を有する[15]。その構造を図1に示し、そして以下のように書く:→4)−D−Neup5Ac(7/9OAc)−α−(2→6)−D−Gal−α−(1→
血清群Yサッカリドは、二糖反復単位がガラクトースの代わりにグルコースを含むことを除いて、血清群W135サッカリドと類似している(図3を参照のこと)。これは、シアル酸の7位および9位に可変のO−アセチル化を有する[15]。血清群Yの構造を図2に示し、そして以下のように書く:→4)−D−Neup5Ac(7/9OAc)−α−(2→6)−D−Glc−α−(1→
他の実施形態では、本発明は、(α2→9)結合されたシアル酸を含むサッカリドを分析するための方法を提供する。血清群Cの莢膜サッカリドは、7位および/または8位において可変のO−アセチル化を有する、(α2→9)結合されたシアル酸のホモポリマーである。
血清群Cの莢膜、血清群W135の莢膜および血清群Yの莢膜は、血清群Aの莢膜(これは、(α1→6)−N−アセチル−D−マンノサミン−1−リン酸のホモポリマーを有する)および血清群Bの莢膜(これは、(α2→8)結合されたシアル酸のホモポリマーを有する)とは異なる。
(重合度)
サッカリドの重合度は、そのサッカリドにおける繰り返し単位の数と定義される。ホモポリマーに関しては、重合度は、従って、モノサッカリド単位数と同じである。しかし、ヘテロポリマーに関しては、重合度は、最小限の反復単位のモノサッカリド単位数(例えば、(Glc−Gal)10のDPは20ではなく10であり、(Glc−Gal−Neu)10のDPは30ではなく10である)で割った鎖全体のモノサッカリド単位数である。
異なる長さ以外は同じ基本的な反復構造を有するサッカリドの混合物(例えば、長いポリサッカリドの部分加水分解産物)では、個々の分子のDPを測定するよりはむしろ、集団の平均DPを測定することが普通である。サイズ範囲があまりに大きく、その結果、平均値に意味がない場合、分離後(例えば、サイズによる分離後)に混合物の個々の画分についてDPを測定することが可能である。一般に、本発明は、混合された長さのサッカリドを含んでいる組成物の平均DPを測定するために用いられる。
(末端シアル酸モノサッカリドサブユニットの還元)
本発明は、末端シアル酸残基を有するサッカリドを分析するために用いられる。特に、本発明は、還元末端にシアル酸残基を有するサッカリドを分析するために用いられる。
一般に、還元剤とともにサッカリドをインキュベートすることを含め、任意の適切な化学が末端シアル酸残基の還元のために使用され得る。任意の所定の還元剤および任意の所定のサッカリドに関して適切な条件は、慣用的な分析によって決定され得る。
好適な還元剤は水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)である。水素化ホウ素ナトリウムは、アルカリ条件下で末端シアル酸残基を還元する[14]。この還元の生成物は、時々、シアリトールと呼ばれる[16]。NaBHとともに37℃にて2時間のインキュベーションが、通常、十分である。次いで、アルカリ条件での還元後、組成物は、例えば、マイルドに酸性の酢酸アンモニウムを加えることによって、好ましくは中性にされる。
(サッカリドを加水分解してサッカリドの加水分解産物を得る)
末端シアル酸残基の還元後、このサッカリドは、その構成モノサッカリド単位へと分解される。一般に、サッカリドを解重合してモノサッカリドを得ることは、化学的にまたは酵素的に実施され得る。しかし、所定の切断反応を実施するための酵素が存在しない場合、化学経路が用いられなければならない。
サッカリドの化学加水分解は、当該分野で標準的である条件下での、一般に酸または塩基のいずれかを用いた処理を含む。莢膜サッカリドの、それらの構成モノサッカリドへの解重合のための条件は、当該分野で公知である。血清群W135および血清群Yのサッカリドについては、酸加水分解が好ましい。TFA(トリフルオロ酢酸)を使用した酸加水分解は、血清群C、血清群W135および血清群Yの全ての加水分解について使用され得、血清群Cについては、そのシアル酸の分解を回避するために、わずかに低いインキュベーション温度(100℃ではなく、90℃)が好ましい。代表的なTFA処理は、2Mの終濃度へのTFAの添加、続いて90分間の90〜100℃での加熱を含む。血清群Cのサッカリドは、80℃で2時間の100mM HClを用いた処理によって、総サッカリド含有量の分析のために加水分解され得る[17]。他の代表的加水分解条件は、高温(例えば、70〜80℃)で、ミリモル濃度の弱酸(例えば、酢酸)を含む。
酵素は血清群Cにおいて見出されるα2→9結合を切断するために利用され得、そしてこれらは本発明で使用され得る。しかし、酵素は一般に、加水分解の前にサッカリドが脱Oアセチル化されることを必要とするので、O−アセチル化[15]を維持することが望ましい場合、サッカリドを化学的に加水分解することが好ましい。酵素加水分解がゆっくり進行する場合、化学的加水分解がまた好まれ得る。血清群W135および血清群Yを切断するための酵素は、通常、入手可能でない。
本発明がモノサッカリドサブユニットを含んでいる加水分解産物を調製して分析することに関して上記で規定されているにもかかわらず、本発明は、莢膜サッカリドの二糖、三糖、四糖などのフラグメントを含んでいる加水分解産物にも適用され得る。しかし、モノサッカリドの加水分解産物を調製することはより容易である。二糖、三糖、四糖などの均一な集団を提供し、その結果、単一化合物のみが定量される加水分解条件は、単に解重合を進行させて完了させる、すなわち、モノサッカリドを得ることよりも制御するのが非常に困難である。
解重合の後、サッカリド加水分解産物は、例えば、減圧乾燥器を使用して乾燥され得る。
(シアル酸の合計の、還元したシアル酸に対する比の決定)
加水分解は、もとのサッカリドのモノサッカリドサブユニットを含むサッカリド加水分解産物を与える。サッカリドがシアル酸サブユニットおよび非シアル酸サブユニットを含む実施形態では、加水分解産物は、シアル酸および非シアル酸モノサッカリドを含む;サッカリドがシアル酸ホモポリマーである実施形態では、加水分解産物は、シアル酸のみを含む;いずれの場合においても、シアル酸モノサッカリド画分は、修飾形態(例えば、還元型)である。その画分は、もとのサッカリドのDPを決定するために使用され得る。例えば、混合物中のシアル酸残基10個のうちの1個は、修飾された残基であり、そしてサッカリドの最小反復単位が1個のシアル酸残基を含む場合、もとのサッカリドはDP10を有する。
個々のモノサッカリドの量は、分子数(例えば、モル)、質量、比または濃度に関して決定され得る。比の算出を単純化するために(特に構成モノサッカリドが異なる分子量を有する場合)、モルで研究することは代表的である、しかし、これらの尺度のいずれかを用いて交換可能に混合物のモノサッカリド含有量が決定され得る。定量的測定のために、分析結果は、既知含有量の特定のサッカリドを有する標準と比較され得る。
解重合させられた混合物は好ましくは、モノサッカリドへと完全に加水分解される。本発明者らは、不完全な加水分解が時々生じ、二糖フラグメント(すなわち、MenW135に関してはGal−NeuNAc、そしてMenYに関してはGlc−NeuNAc)が存在する混合物を生じることを見出した。例えば、90℃での2M TFAを用いたMenW135サッカリドまたはMenYサッカリドの処理は、モノサッカリドおよびジサッカリドの混合物を生じることが見出されており、一方、加水分解温度を100℃まで上昇させることにより、実質的にモノサッカリドのみが得られる。90℃でさえも、不完全な加水分解は予想されていなかったが、現在このことが観察されており、当業者は、必要に応じて、加水分解全体を確実にするために、例えば、温度を上昇させることなどによって、任意の特定の加水分解法を変更し得る。
シアル酸モノサッカリドを定量するための方法は、当該分野で周知である。方法は、直接的であっても、または間接的であってもよい(例えば、これらは、モノサッカリドの誘導体化、続いて元のモノサッカリド含有量と関連させる分析を含み得る)。好適な方法は他のモノサッカリドの存在下でシアル酸を分析し得、その結果、これらは、分析前に互いに分離される必要はない。加えて、方法は、結合体化サッカリドに関して用いられ得、ここで、脱結合体化の後にキャリアとサッカリドとを分離する必要はない。1つのこのような方法は、アニオンクロマトグラフィーであり、特に高速アニオン交換クロマトグラフィー(HPAEC)(通常、パルス化された電流滴定検出(PAD)を用いる)である[18,19]。HPAEC−PADシステムは、DionexTMCorporation(Sunnyvale,CA)によって提供される(PA1[ジビニルベンゼンによって2%架橋されており、500nmのMicroBead四級アンモニウム官能化ラテックス(5%が架橋されている)とともに凝集した、直径10μmのポリスチレン基材]またはPA10[ジビニルベンゼンによって55%架橋され、そして460nmのMicroBead二官能性四級アンモニウムイオン(5%が架橋されている)とともに凝集した、直径10μmのエチルビニルベンゼン基材]のようなカラムを用いる、例えば、BioLCTMシステム)。これらのシステムは、誘導体化の必要も、事前分析分離の必要もなく、混合物内の個々のサッカリドを量的に分析し得る。サッカリド分析については、カラムに入れる前に他の化合物を濾過することが所望され得、そしてDionexTMは、この目的のためのプレカラムトラップおよびガード(例えば、アミノ酸を除去するためのアミノトラップ、ボレートトラップなど)を生じる。
解重合させた混合物中でのシアル酸モノサッカリドを定量するための別法は、NMR(NMR)である。しかし、使いやすさのために、そして、高感度のために、本発明のクロマトグラフィー方法が好ましい。しかし、どの方法が選択されても、本発明のいくつかの実施形態では、還元したシアル酸が非還元シアル酸から区別され得ることは重要である。これは、各々から固有のシグナルを含み得るか、または1つの固有のシグナルおよび1つの合わせたシグナルを含み得、2つのものが与えるシグナルの違いは、必要な情報を提供する。
シアル酸モノサッカリドを定量するための別の方法は、比色アッセイ[80]による。この方法は、TFA中での酸加水分解後に、非還元シアル酸を定量することに特に役立つ。
一旦修飾シアル酸および非修飾シアル酸(例えば、還元シアル酸および非還元シアル酸)の相対的な量が決定されると、もとのサッカリドのDPを確立することは単純である。
加水分解産物中のシアル酸を定量することに加えて、本発明の方法は、シアル酸と同じサッカリドから誘導され得るかまたは他のサッカリドから誘導され得る他のモノサッカリド(例えば、グルコースまたはガラクトースのモノサッカリド)の定量を含み得る。これらの測定値は、DP以外のパラメーターを決定するために使用されてもよく、またはDPの決定の一部として(例えば、シアル酸の合計の確認として、もしくはシアル酸の合計の測定の代わりに)使用されてもよい(特に、W135サッカリドおよびYサッカリドにおいてのように、シアル酸および他のモノサッカリドのモル量が同じである場合)。
本発明のプロセスは、代表的には破壊的である。従って、完全な組成物についてこのプロセスを実施するよりはむしろ、目的の組成物からサンプルを採取し、次いでそのサンプルについて分析を行うことはより代表的である。
(結合体)
本発明は、ワクチンのサッカリド含有量を分析するために役立ち、そして結合体化サッカリドを含むワクチンについて特に役立つ。共有結合は、サッカリドをT非依存性抗原からT依存性抗原へと変換し、それによって免疫記憶を初回免疫することによって、サッカリドの免疫原性を強化するために用いられる。結合は、小児ワクチンに特に役立ち、周知の技術である[例えば、参考文献20〜29において概説される]。サッカリドは、キャリアに直接連結されてもよい[30,31]が、リンカーまたはスペーサ(例えば、アジピン酸、β−プロピオンアミド[32]、ニトロフェニル−エチルアミン[33]、ハロアシルハライド[34]、グリコシド結合[35]、6−アミノカプロン酸[36]、ADH[37]、C〜C12部分[38]など)が一般に使用される。
結合体中の代表的キャリアタンパク質は、細菌トキシンまたはトキソイド(例えば、ジフテリアトキソイドまたは破傷風トキソイド)である。CRM197ジフテリアトキシン誘導体[39−41]は、MenjugateTMおよびMeningitecTMにおけるキャリアタンパク質であるが、破傷風トキソイドがNeisVacTMにおいて使用される。ジフテリアトキソイドは、MenactraTMにおいてキャリアとして使用される。他の公知のキャリアタンパク質としては、N.meningitidis外膜タンパク質[42]、合成ペプチド[43,44]、熱ショックタンパク質[45,46]、百日咳タンパク質[47,48]、サイトカイン[49]、リンホカイン[49]、ホルモン[49]、増殖因子[49]、さまざまな病原体から誘導された抗原由来の複数のヒトCD4T細胞エピトープを含む人工タンパク質[50]、H.influenzae由来のプロテインD[51,52]、肺炎球菌表面タンパク質PspA[53]、鉄取り込みタンパク質[54]、C.difficile由来のトキシンAまたはトキシンB[55]などが挙げられる。組成物は、例えば、キャリア抑圧の危険率を低下させるために一つより多くのキャリアタンパク質を使用でき、そして、一つのキャリアタンパク質は一つより多くのサッカリド抗原を保有し得る[56]。結合体は一般に、1:5(すなわち、過剰なタンパク質)と5:1(すなわち、過剰なサッカリド)との間のサッカリド:タンパク質比(w/w)を有する。組成物は、結合体に加えて、遊離キャリアタンパク質を含み得る[57]。
本発明は、正しくサイズ分けされたサッカリド鎖が結合体の産生のために選択されることを確実にすることが必要である段階で、結合体化の前に特に役立つ。
本発明によって、結合体化の前に全長ポリサッカリドの断片化の進展をチェックするかまたはモニタリングすることが可能になる。特定の長さ(または長さの範囲)のオリゴサッカリドが所望される場合、ポリサッカリドの断片化が所望の点を過ぎた(例えば、極端な例では、モノサッカリドを与える)解重合をするほど強度であってはならないことは重要である。経時的に平均鎖長を測定することによって、本発明によって、この部分的な解重合の進展がモニタリングされ得る。従って、本発明は、組成物中のサッカリドの重合度を測定するためのプロセスを提供し、このプロセスは、以下の工程を含んでいる:(a)組成物中のサッカリドの解重合を開始する工程;およびその後、一つ以上の時点で、(b)上記の通りにサッカリドのDPを測定する工程。次いで、第一の実験施行において、経時的に進展を決定するためにいくつかの時点でDPを測定することが通常であるが、標準状態が確立された後、確認目的のために設定された時点でDPを測定することは通常である。一旦DPが所望のレベルになったら、このプロセスは、以下のさらなる工程を含み得る:(c)例えば、洗浄、分離、冷却などによって解重合を停止する工程。このプロセスはまた、必要に応じた化学的活性化後に、解重合させたサッカリドをキャリアタンパク質に結合体化するさらなる工程を含み得る。
本発明はまた、断片化後の、所望の長さのオリゴサッカリド鎖の選択を可能にする。従って、本発明は複合糖質を調製するために使用するサッカリドを選択するためのプロセスを提供し、このプロセスは、以下の工程を含む:(a)重合度の異なる種々のポリサッカリドフラグメントの混合物を含んでいる組成物を得る工程;(b)この混合物を分けてサブ混合物にする工程;(c)上記の通りにプロセスを使用して、一つ以上のサブ混合物のDPを決定する工程;ならびに(d)工程(c)の結果を使用して、結合体化において使用するための一つ以上のサブ混合物を選択する工程。このプロセスは、工程(a)の前にポリサッカリドの断片化を含んでもよく、またはすでに調製された混合物で開始されてもよい。フラグメントは、例えば、同じ血清群の同じポリサッカリドのフラグメントであり得る。工程(d)の後、このプロセスは、必要に応じた化学的活性化後に、キャリアタンパク質へと結合体化する工程を含み得る。
結合体化の前に、キャリアと反応できる官能基を導入するためにサッカリドを化学的に活性化することは、通常である。サッカリド活性化のための条件によっては、加水分解が生じることがあり得、したがって、活性化後にDPをチェックすることは役立つ。用語「サッカリド」は、適切な場合、これらの活性化サッカリドを含むものとする。さらに、本発明は、複合糖質を調製する際に使用するための活性化サッカリドを調製するためのプロセスを提供し、このプロセスは、以下の工程を含む:(a)サッカリドを得る工程;(b)このサッカリドを化学的に活性化させて、キャリアタンパク質と反応し得る官能基を導入する工程;および(c)上記の通りに工程(b)の生成物のDPを測定する工程。このプロセスは、以下のさらなる工程を含み得る:(d)活性化サッカリドをキャリアタンパク質(これは、それ自体が活性化されている)と反応させて複合糖質を得る工程。このプロセスは、工程(a)の前にポリサッカリドの断片化を含んでもよく、またはすでに調製された混合物から開始されてもよい。
本発明はまた、結合体化後に用いられ得る。結合体化後、組成物は、3つの方法で本発明を使用して分析され得る:第1に、組成物中のサッカリド全体のDPは、(調節の目的または品質管理の目的で)例えば、異なる結合体の混合より前に、または、ワクチンの放出の前に測定され得る;第2に、組成物中の遊離の非結合体化サッカリドのDPは、経時的な遊離サッカリドの増加をモニタリングすることによって、例えば、不完全な結合体化をチェックするか、または結合体の加水分解を追跡するために測定され得る;第3に、同じ理由から、組成物中の結合体化サッカリドのDPが測定され得る。第1の方法および第3の方法は、サッカリドが分析の前に結合体から遊離されることを必要とする。サッカリドの結合体化がその還元末端でのシアル酸残基の反応または修飾を含んでおり、その結果、この残基がもはや還元可能ではない状況において、本発明は、末端シアル酸が再生され得る(または還元された末端シアル酸が直接生成され得る)サッカリドについてのみ用いられ得る。
結合体化したサッカリドと非結合体化サッカリドとを別々に評価するために、それらは、分離されなければならない。水性組成物中の遊離(すなわち、非結合体化)サッカリドは、さまざまな方法により、結合体化サッカリドから分離され得る。結合体化反応は、サッカリドの様々な化学的パラメーターおよび物理的パラメーターを変更し、そして違いは分離のために利用できる。例えば、結合体化された物質は、キャリアタンパク質に起因してより高い質量を有するので、サイズ分離は、遊離サッカリドと結合体化サッカリドとを分離するために使用され得る。限外濾過は、好ましいサイズ分離法である。さらに別の方法として、結合体がアジュバントに吸着された場合、遠心分離により、吸着された結合体(ペレット)を、加水分解後に脱離する遊離サッカリド(上澄)から分離する。
本発明は、複合糖質を分析するための方法を提供し、この方法は、以下の工程を含む:(a)複合糖質を処理して、サッカリドをキャリアから遊離させる工程;および(b)上記の通りに、遊離されたサッカリドのDPを測定する工程。本発明は、複合糖質組成物を分析するための方法を提供し、この方法は、以下の工程を含む:(a)結合体化サッカリドから組成物中の非結合体化サッカリドを分離する工程;および(b)上記の通りに、非結合体化サッカリドおよび/または結合体化サッカリドのDPを測定する工程。
本発明はまた、医師によって使用されるためのワクチンを発売(release)するための方法を提供し、この方法は、以下の工程を含む:(a)莢膜サッカリドの結合体を含んでいるワクチンを製造する工程であって、ここで、このサッカリドが、シアル酸モノサッカリドサブユニットおよび非シアル酸モノサッカリドサブユニットを含む、工程;(b)上記の通りに、ワクチン中のサッカリドのDPを分析する工程;および工程(b)からの結果により、臨床用途に許容され得るDPが示される場合、(c)医師によって使用されるためのワクチンを発売する工程。工程(b)は、包装されたワクチンに関して、または、包装より前のバルクワクチンに関して、実施され得る。
(混合サッカリド)
本発明は、シアル酸を含む髄膜炎菌の莢膜サッカリドを含む組成物におけるDP分析を可能にする。この組成物はまた、さらなる莢膜サッカリド(例えば、N.meningitidisの血清群Aからの莢膜サッカリド、H.influenzae bからの莢膜サッカリドなど)を含み得るが、但し、これらのサッカリドは、シアル酸を含まない。シアル酸は、全体の分析を妨げる。組成物中の一つより多くのサッカリドがシアル酸残基を含む場合、参考文献58において開示される原理を用いて、異なるサッカリドを区別し得る。
血清群Aの髄膜炎菌の莢膜サッカリドは、C3位およびC4位に部分的O−アセチル化を有する、(α1→6)結合されたN−アセチル−D−マンノサミン−1−リン酸のホモポリマーである。このアセチル基は、ブロッキング基で置き換えられて、加水分解が防止され得る[10]、そして、このような修飾サッカリドは依然として、本発明の意味の範囲内の血清群Aサッカリドである。
Hib莢膜サッカリドは、リボース、リビトールおよびホスフェートのポリマーである。このサッカリドは、「PRP」(ポリ−3−β−D−リボース−(1,1)−D−リビトール−5−ホスフェート)として公知である。
(莢膜サッカリド以外のサッカリド成分)
本発明による分析のための組成物が、(莢膜サッカリド加水分解に由来する何らかのバックグラウンドモノサッカリド以外の)遊離型のシアル酸を含まないことが好ましい。しかし、遊離シアル酸が存在するならば、干渉の問題が最小にされ得るかまたは回避され得る2つの一般的方法が存在する。第一に、遊離シアル酸の初期レベルが測定され得、次いで、解重合させられた混合物において測定されるレベルから減算され得る。第2に、遊離シアル酸は、分析前に、例えば、濾過または透析によって、組成物から除去され得る。限外ろ過膜は、低分子量成分を除去するために使用され得る。
(非サッカリド成分)
組成物中のサッカリドを分析するだけでなく、このプロセスは、他の成分または特性(例えば、容量オスモル濃度、pH、個々のサッカリドまたは結合体についての重合度、タンパク質含有量(特に、キャリアタンパク質に関して)、アルミニウム含有量、界面活性剤含有量、保存剤含有量などの分析を含み得る。
本発明は、ワクチン組成物を調製するための方法を提供し、この方法は、本発明によるサッカリドのDP分析の工程、および組成物のpH測定の工程、必要に応じて、それに続いて、組成物のpHを所望の値(例えば、6と8との間、または約7)に合わせる工程を含む。
本発明はまた、ワクチン組成物を調製するための方法を提供し、この方法は、以下の工程を含む:(a)上記の通りにDPが分析された莢膜サッカリドを提供する工程;(b)このDPが分析されたサッカリドを一つ以上のキャリアタンパク質に結合させる工程;(c)必要に応じて、pHおよび/または他の特性に関してこのバルクワクチンを分析する工程;および工程(c)からの結果により、このバルクワクチンが臨床用途に許容され得ることが示される場合、(d)このバルクから、ヒトでの使用のためのワクチンを調製して包装する工程。工程(c)は、最小限のサッカリド濃度の評価、非結合体化サッカリド:結合体化サッカリド比の評価などを含み得る。工程(d)は単位用量形態または複数用量形態(例えば、バイアルまたはシリンジ)への包装を含み得る。注入に関する代表的ヒト用量は、0.5mlの体積を有する。
本発明はまた、ワクチン組成物を調製するための方法を提供し、この方法は、以下の工程を含む:(a)上記の通りに、血清群W135および/または血清群Y由来のDPが分析された莢膜サッカリドを提供する工程;(b)このDPが分析されたサッカリドを一つ以上のキャリアタンパク質に結合させて、結合体化サッカリドを得る工程;および(c)この結合体化サッカリドと、例えば、以下のうちの一つ以上のさらなる抗原とを合わせる工程:
−N.meningitidisの血清群Cからの莢膜サッカリド抗原;
−N.meningitidisの血清群Aからの莢膜サッカリド抗原;
−N.meningitidisの血清群Bからのタンパク質抗原;
−N.meningitidis血清群Bの微細小胞[59]、「ネイティブOMV」[60]、水疱または外側膜小胞[例えば、参考文献61〜66など]の調製物;
−Haemophilus influenzae B型からのサッカリド抗原;
−Streptococcus pneuinoniaeからの抗原(例えば、多価結合体化サッカリド抗原)[例えば、参考文献67〜69];
−A型肝炎ウイルス(例えば、不活化ウイルス[例えば、70,71])からの抗原;
−B型肝炎ウイルスからの抗原(例えば、表面および/またはコア抗原[例えば、71、72]);
−必要に応じて、ペルタクチンならびに/または凝集原2および3[例えば、参考文献73および74]とも組み合わせた、Bordetella pertussisからの抗原(例えば、B.pertussisからの百日咳ホロトキシン(PT)および糸状ヘマグルチニン(FHA))。細胞性百日咳抗原が使用され得る;
−ジフテリア抗原(例えば、ジフテリアトキソイド[例えば、参考文献75の第3章](例えば、CRM197変異体[例えば、76]);
−破傷風抗原(例えば、破傷風トキソイド[例えば、参考文献75の第4章]);
−ポリオ抗原[77,78](例えば、IPV)。
このような抗原は、アルミニウム塩アジュバント(例えば、水酸化物またはリン酸塩)に吸着され得る。任意のさらなるサッカリド抗原は、好ましくは結合体として含まれる。
(バッチ毎の一貫性)
ヒトワクチンの製造に関して、結合体化サッカリドは、(例えば、サッカリドおよびキャリアタンパク質)結合体化の前、結合体化の後、配合後、および混合後に、品質管理に供されるべきである。DP測定に関する先行技術の方法は、血清群W135および血清群Yからのサッカリドに関連しない。しかし、本発明を用いると、これらの2つの血清群についてのDP測定が今や可能であり、血清群Aおよび血清群CのDP測定のための方法と合わされ得る[5]。さらに、本発明のプロセスは信頼性が高くかつ一貫しており、従って、混合されたA/C/W135/Y結合体の異なるバッチの有効な比較を可能にする。ここで、これは、先行技術の方法を用いても可能ではなかった。混合された結合体ワクチンの異なるバッチは、このように調製され得、アッセイされ得、そして一貫したバッチは、発売および使用のために選択され得、一方、異常なバッチは、拒絶され得る。
本発明は、ワクチンの2つのバッチを提供し、ここで:(a)ワクチンのバッチは両方とも:(i)Neisseria meningitidisの血清群Aからの莢膜サッカリドの結合体;(ii)Neisseria meningitidisの血清群Cからの莢膜サッカリドの結合体;(iii)Neisseria meningitidisの血清群W135からの莢膜サッカリドの結合体;(iv)Neisseria meningitidisの血清群Yからの莢膜サッカリドの結合体を含み;(b)第一バッチ中の血清群AサッカリドのDPはAであり、そして第二バッチ中の血清群AサッカリドのDPはAであり;(c)該第一バッチ中の血清群CサッカリドのDPはCであり、そして該第二バッチ中の血清群CサッカリドのDPはCであり;(d)該第一バッチ中の血清群W135サッカリドのDPはWであり、そして該第二バッチ中の血清群W135サッカリドのDPはWであり;(e)該第一バッチ中の血清群YサッカリドのDPはYであり、そして該第二バッチ中の血清群YサッカリドのDPはYであり;(f)比A/A、C/C、W/WおよびY/Yは、各々、0.90と1.10との間にあり、好ましくは各々0.95と1.05との間にある。
(f)において指定された比は、比較される各バッチからの単一のサンプルに基づいてもよいが、代表的には、各バッチの複数のサンプルからの平均値(例えば、平均)に基づく。従って、2つのバッチは、複数のサンプリングに供され得、そして各サンプルは、A、A、C、C、W、W、YおよびYの複数の測定に供され得、次いで、平均は、各バッチに関して算出され、そして平均は、必要な比を算出するために用いられる。
ワクチンの各バッチ(またはロット)は、別々に調製される。例えば、2つの異なるバッチは、同じバルクの1つの結合体を別々に混合することによって、または、別々に調製されたバルクの1つの結合体を混合することにより、作製され得る。同じバルク混合物の異なるサンプルは異なるバッチではない。なぜなら、これらのサンプルは、異なる結合体の混合物を調製する際に生じる違いから生じるバッチ間変化を受けないからである。
上記で指定した通りの特徴(a)〜(f)に加えて、2つのバッチは、以下のことによってさらに特徴付けられ得る:(g)第一バッチ中の非結合体化血清群Aサッカリドの濃度は、Aである;(h)第二バッチ中の非結合体化血清群Aサッカリドの濃度は、Aである;(i)第一バッチ中の非結合体化血清群Cサッカリドの濃度は、Cである;(j)第二バッチ中の非結合体化血清群Cサッカリドの濃度は、Cである;(k)第一バッチ中の非結合体化血清群W135サッカリドの濃度は、Wである;適用可能な場合、(l)第二バッチ中の非結合体化血清群W135サッカリドの濃度は、Wである;(m)第一バッチ中の非結合体化血清群Yサッカリドの濃度は、Yである;(n)第二バッチ中の非結合体化血清群Yサッカリドの濃度は、Yである;(o)比A/A、C/C、W/WおよびY/Yは、各々、0.90と1.10との間にあり、各々好ましくは0.95と1.05との間にある。
(概論)
用語「を含む(comprising)」は、「を含んでいる(including)」ならびに「からなる(consisting)」を包含する。例えば、Xを含む組成物は、Xのみからなってもよく、または何かをさらに含んでもよい(例えば、X+Y)。
用語「実質的には」は、「完全に」を排除せず、例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを全く含まなくてもよい。必要な場合、用語「実質的に」は、本発明の定義から削除され得る。
数値xに関する用語「約」は、例えば、x±10%を意味する。
糖の環が開いた形態および閉じた形態で存在してもよいが、閉じた形態は、本明細書中の構造式に示されるが、開いた形態もまた、本発明により包含されることが認識される。
(発明を実施するための形態)
(標準オリゴサッカリド溶液の調製)
精製された血清群W135および血清群Yの莢膜ポリサッカリド(CPS)を、参考文献79に記載されている方法を使用して調製した。これらは、0.01M 酢酸中の10mg/mlの溶液として供給された。CPSを加水分解するために、これらを、長期にわたって70〜80℃で加熱した。加水分解中、分析のためにサンプルをこの溶液から得て、抽出した後に冷却して中和した。この加水分解から生じたフラグメントは、末端グルコース残基でも末端ガラクトース残基でもなく、末端シアル酸残基を有する。次いで、オリゴサッカリドをQ−Sepharoseカラムでのイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。Q−Sepharoseカラムにより、サイズおよび電荷に基づいて分離される。第一の正規化のために、シアル酸含有量を改変Svennerholm方法[80]によって測定し、それによって、吸光度を564nmで読みとった。特定の画分を単離し、そしてNMRによって、エレクトロスプレー質量分析法によって、そしてHPAECによって、分析した。
オリゴサッカリドのHPAEC分析は、GP40ポンプ、ED40探知器およびAS3500自動サンプラーを取り付けたDionex DX−500クロマトグラフィシステムにおいてCarpoPac PA100またはIonPac AS11カラム(両方とも4×250mm)を使用した。分離を、1.0ml/分の流量を使用して、室温で実施した。
PA100カラムは、以下の溶離剤を使用した:A)酢酸ナトリウム500mM+水酸化ナトリウム100mM、ならびにB)水酸化ナトリウム100mM。がそうであった10%のAを用いた最初の定組成溶出(15分)、続いて50分間かけた、10%のAから100%のAまでの線形勾配溶出に。AS11カラムは、以下の溶離剤を使用した:A)水酸化ナトリウム100mMおよびB)水(50分間かけた、5%のAから100%のAへの線形勾配溶出)。
溶出液を、金の作業電極およびAg/AgCl参照電極を用いたパルス化電流滴定モードのパルス化電気化学検出器(ED40)を使用してモニタリングした。以下の設定を使用して3重電流波形を適用した:E1=0.05 V、t1=400ms;E2=0.75 V、t2=200ms;E3=0.15 V、t3=400ms。統合は、E1適用中、200msから400msまで生じる。得られるクロマトグラフデータを、Peak Netデータ処理ソフトウェア(Dionex)を使用して積分して処理した。
CarboPac PA100 HPAECは、MenW135オリゴサッカリドおよびMenYオリゴサッカリドのプロフィールを与えた。スペクトルの較正を、精製されたオリゴサッカリドクロマトグラムとプールオリゴサッカリドクロマトグラムとを比較することにより行ない、ESI−MSによる精製されたオリゴサッカリドの平行した特徴付けは、クロマトグラムにおけるピーク数と溶出したオリゴサッカリドのDPとの間の相関を可能にした。
ESI質量分析法は、エレクトロスプレー電離源を備えているMicromass ZQ−4000質量分析器において実施した。この機器を、イソプロピルアルコール/水50/50(v/v)で希釈されたヨウ化ナトリウム(2g/l)およびヨウ化セシウム(50mg/l)を使用して較正した。毛細管電圧は3kVであり、円錐の電圧は60Vであった。サンプルを50%(v/v)の水性アセトニトリル+0.1%ギ酸に溶解し、そして10μl/minの流速で注射した。このスペクトルを、200m/zから2000m/zまでの走査レンジで正イオンモードにて記録した。
図4および図5は、Q−Sepharose分離前(図4)および分離後(図5)の、MenYオリゴサッカリド混合物についてのHPAECクロマトグラム(PA100カラム)を示す。約38分のピークのESI分析は、それがDP4のMenYオリゴサッカリドであることを確認した(図7)。MenW135について類似の実験を実施した。図6は、DP3のオリゴサッカリドのESIスペクトルを示している。
ESI分析において、単一の分子種は、スペクトルにおいて、様々な数のO−アセチル置換およびナトリウムイオン付加物を有する、親分子に対応する複数の分子イオンを示し得る。ナトリウム付加物イオンは、サンプル分析中の何らかの量のナトリウムの存在に起因することができ、そしてオリゴサッカリドの質量スペクトルにおいて共通に観察される。さらに、親分子は異なる数の正電荷をとることができ、それゆえ、オリゴサッカリド分子は、O−アセチル置換、ナトリウム付加物および正電荷の数に依存して、多くの異なる正イオンを生じ得る。このように、多数の正イオンが図6および図7には存在する。
図6において、700〜800m/zおよび1400〜1526m/zの間のピークは、それぞれ、ナトリウムカチオンおよびO−アセチル基の添加により生じる、二重荷電イオンおよび一重荷電イオンに対応する。これらは、以下のモノ同位体質量に帰属された。これらは、トリマーオリゴサッカリド(MenW135 DP3)のものに対応する:
Figure 2008500384
図7において、900〜1100m/zおよび1800〜2000m/zの間のピークは、それぞれ、ナトリウムカチオンおよびO−アセチル基の添加により生じる、二重荷電イオンおよび一重荷電イオンに対応する。これらは、表2に示される以下の一同位体質量に帰属された。これらは、テトラマーオリゴサッカリド(MenY DP4)のものに対応する:
Figure 2008500384
NMRサンプルを、凍結乾燥されたオリゴサッカリドを750μLの99.9% DO(AldrichTM)に溶かして10〜15mMの濃縮溶液を得ることにより調製した。5mmのWilmadTM NMRチューブを全ての実験に用いた。NMRスペクトルを、5mmのTBI三重共鳴ヘテロ核プローブおよびBGU装置を備えたBrukerTMNMR Spectrometer Avance DRX 600MHzにおいて298Kで記録した。Bruker XWINNMR 3.0ソフトウェアを、データ取得および処理のために用いた。H標準スペクトル取得条件は、4回の走査および10秒間の緩和遅延を有する6000Hzのスペクトルウィンドウにわたって32kのデータポイントを集めることであった。H NMRスペクトルを、0.1Hzの線広がり関数を適用した後にフーリエ変換し、そして4.79ppmでのモノ重水化水に対して参照した。13C NMR実験および2D NMR実験(二重量子フィルター処理COSYおよびHSQC)を実施して、オリゴサッカリドのHスペクトルを帰属させた。
髄膜炎菌のW135およびYのオリゴサッカリドの陽子NMRスペクトルを、公開されたデータ[81]との比較により、そして二次元陽子−陽子COSYおよび陽子−炭素HSQC相関スペクトルにより、帰属させた。陽子化学シフトに加えて、等核結合定数およびヘテロ核結合定数は、豊かな構造的情報を提供した。W135オリゴサッカリドの高分解能NMRスペクトル(図8)およびMenYオリゴサッカリドの高分解能NMRスペクトル(図9)は、Gal/Glc部分およびNeuNAc部分のH3eq/axNeuNAcのアノマー陽子の具体的に規定されたピークの帰属を許容する比較的鋭いシグナルを示す。これらのピークは、線状解像度を難しくし得る他のシグナルとの重なりがないスペクトル領域に位置している。スペクトルを拡大することによって、シグナルの陽子化学シフトを、決定し得る:
Figure 2008500384
H NMRスペクトルは、分子の構造、正体およびサッカリド鎖の完全性を確認し、そしてサンプルのDP値が以下であることを示す:DPMenW135=3、DPMenY=4。
従って、Q−Sepharoseカラムは、DPによってオリゴサッカリドを分解することが可能であり、そしてESI分析およびNMR分析は、オリゴサッカリド標準が以下であることを確認する:MenW135 DP3;そして、MenY DP4。これらの標準は、本発明のプロセスによって分析された。
(DPのクロマトグラフ分析)
オリゴサッカリドサンプルを、100μl中に0.5mg/mlのシアル酸を含むように調整した。これらのサンプルを、10mM NaOH中40mMの100μl NaBH溶液により処理した。サンプルを、閉じたねじ蓋試験管中で37℃にて2時間加熱した。反応を止めるために、次いで、サンプルを10μlの酢酸アンモニウム5M(pH6.0)により処理し、そして室温にて30分間維持した。200μlのメタノールを添加し、次いでサンプルを、冷凍凝結トラップ(Savant SC110)を取り付けたSpeed Vac濃縮器にて減圧下で1時間にわたって乾燥させた。
サンプルを、100μlのMilli−Q水および100μlのTFA(4M)によって再構成し(終濃度:2M)、そして、100℃にて90分間加熱した。次いで、加水分解産物を、それから、2つの冷凍凝結トラップ(Savant SC110)を取り付けたSpeed vac濃縮器にて乾燥させた。
HPAEC−PAD分析については、サンプルを、1.0mlのMilli−Q脱気水に溶かし、次いで濾過した(0.22μm)。加水分解された生成物の分析を、Borate Trapガードカラムを有するCarbopac PA1カラム(4×250mm)を使用したこと以外は同じDionexシステムにおいて実施した。このカラムおよびガードは、PA100カラムおよびAS111カラムよりも、モノサッカリド分析によく適している。50mMの酢酸ナトリウム+20mM水酸化ナトリウムを用いた定組成溶離をいくつかの実験において使用し、そして他の実験で使用した勾配溶出は、以下の溶離剤を使用した:A)100mM酢酸ナトリウム+20mM水酸化ナトリウム、およびB)20mM水酸化ナトリウム、および10%から70%へのAの勾配(曲線7)。溶出液を、上記の通りに分析した。
この装置は、シアリトールからシアル酸を区別することができ、各々について定量的な結果を与え得る。シアル酸の合計(すなわち、還元されたシアル酸および非還元シアル酸)の、還元されたシアル酸に対する比を用いて、出発オリゴサッカリドのDPを算出した。
最初の試験のために、純粋なシアル酸(Sigma,Steinheim,Germany)の標準溶液を2.0μg/mlで調製し、そして上記の通りにNaBH還元に供した。サンプルを、定組成溶出を用いたHPAECによって、さまざまな時点で分析した。37℃にて2時間の0.04M NaBHを用いた処理は、標準中のシアル酸の完全な還元をもたらすことが見出された。図10は、時刻ゼロのサンプルを示し、そして図11は、2時間のサンプルを示し、保持時間は、8.5から4.7〜5.0へと短縮した。
図11における二重ピークは、シアリトールの未分解のジアステレオ異性体[14]に起因する。100℃にて90分間の2M TFAを用いたシアル酸標準の処理は、二重ピークを取り除くことが可能であり(図12)、従って、シアリトール定量に単一ピークを与えた。TFA加水分解は、除去の効率および容易さに関して、サッカリド切断に適していることが公知であり[82〜84]、いくつかのサッカリドワクチンの分析のために使われた[82]。従って、サッカリドの酸加水分解のためのTFAの使用は、3重の目的がある:効率的な加水分解、効率的な除去およびシアリトールについてのピーク分割の除去。
3と5との間の範囲の予想DPを有するMenYのオリゴサッカリドサンプルを、記載されている通りに処理したが、クロマトグラフィー溶出のための等組成条件は、シアリトールピークの良好な分離をもたらさなかった。それゆえ、溶出勾配をその代わりに使用した。このことにより、図13に示されるクロマトグラムが得られた。シアリトールおよびシアル酸は、それぞれ、19.3分および29.8分の保持時間を有した:3と5との間の範囲の予想DPを有するMenW135オリゴサッカリドのサンプルを、同じ方法で分析した(図20)。シアリトールは19.33分に見られ、そしてシアル酸は29.77分に見られる。
図13および図20のクロマトグラムの定量分析を容易にするために、既知のシアル酸濃度およびシアリトール濃度に基づく標準曲線を作成した。標準曲線は、0.5、1.0、2.0、4.0および6.0μg/mlのシアル酸またはシアリトールを使用した。探知器の線形応答を、図14に示す。
これらの標準曲線に対して比較することによって、シアリトールおよびシアル酸の量は、MenW135サンプルおよびMenYサンプルにおいて定量され得る。例えば、MenW135溶出における19.33分のピーク下の面積(図20)は、44914068であると算出された。標準曲線を参照することにより、シアリトール濃度は、7.96μg/mlであると算出された。二連の実験において、8.05μg/mlの濃度が見られた。この2つの分析により、8.005μg/mlの平均値が得られた。これらのサンプルを分析前に10倍希釈したので、元の平均シアリトール濃度は80.05μg/mlであった。シアル酸の合計の比色検出により、241.09μg/mlの濃度が得られた。シアル酸とシアリトールとの間の質量の差がわずかであることを考慮すると、これらの濃度をモル濃度の変換し(実際、質量の差は、モルに変換しなくとも優れた近似が達成されるほどわずかである)、そしてモル比を3と算出し(すなわち、DP=3)。2つの異なる二連の分析の結果から算出された比は、以下の通りであった:
Figure 2008500384
シアリトール測定法の再現性を、3つの異なるプレカラムボレートトラップを使用して4つの複製物について単一のMenW135サンプルを分析することにより評価した。結果は以下の通りであった:
Figure 2008500384
従って、この結果は、良好な再現性(CV%<2%)を示す。
0.01M酢酸中の全長MenYまたはMenW135 CPSの10mg/mlの溶液を70〜80℃に加熱した。加水分解中、平均的DPの決定のためにサンプルを採取して、6時間まで反応の進展を追跡した。サンプルを急速冷凍し、そしてIonPac AS 11カラムを使用した二連分析の前に−20℃で保持した。結果は以下の通りであった:
Figure 2008500384
従って、DP測定値は、経時的なDPの漸減を示す(図15)。解重合の確認は、IonPac AS11クロマトグラフ分析を用いて得られた。このIonPac AS11クロマトグラフ分析は、図16(MenW315)および図17(MenY)(ここで、16A/17Aは時間ゼロであり、16B/17Bは6時間後である)に示すように、どれほどの低分子量オリゴサッカリド含有量が酸加水分解中に時間と共に増加するかを示す。
(血清群W135サンプル)
血清群W135からの莢膜サッカリドを調製した。調製中、そのDPを、本明細書に開示される方法を使用して測定した。この物質の100倍希釈液についてのクロマトグラムを図21Bに示し、6μg/mlの標準についてのクロマトグラムを図21Aに示す。両方の場合における溶出は、100mM 酢酸ナトリウム+20mM NaOHを使用した。そして、この溶出は、30分間かけて10%溶出緩衝剤から30%溶出緩衝剤へと線形に上昇し、10分間かけて100%溶出緩衝剤へと最終的にジャンプする。
標準中のシアリトールは、16.383分に溶出することが示された;サンプル中では、16.350分にピークが存在した。
同じサンプルの2つ、および5つの標準サンプルの別々の分析からの分析特徴を、シアリトールの算出濃度と共に、下記に示す:
Figure 2008500384
分析(a)および(b)の平均に基づくと、サンプル中には3.339μg/mlのシアリトールが存在した。最初の希釈について調整すると、元のシアリトール濃度は333.9μg/mlであった。シアル酸の合計は5732.6μg/mlと測定され、17.2のDP値が得られた。
(血清群Cの分析)
精製されたMenC DP5オリゴサッカリドを、以前に記載された[5]通りに得た。ESI MS分析は、正イオンモードで実施した。マススペクトルを図18に示す。ここで、イオンの3つの主なグループが明白である。最も高い強度を有するピーク(856〜941m/z)の詳細な検査は、これらが二重荷電ペンタサッカリドに対応し、1733〜1826m/zの範囲のピークが単一荷電ペンタサッカリドに対応することを示した。両方ともO−アセチル置換基の数および対イオンとしてのナトリウムの数に関して異なる。
MenC DP5オリゴサッカリドのDPを、本発明のクロマトグラフィー法を用いて決定した。そして分析のクロマトグラムを図19に示す。オリゴサッカリドの4つの別々の分析を調製し、そして結果は以下の通りであった:
Figure 2008500384
(結論)
サッカリドの分子の大きさは、中間の鎖長のオリゴサッカリドがより良好な免疫原性を示すので、以前の結合体ワクチン[6,7]の設計において重要な問題であった。酸加水分解が莢膜ポリサッカリドの最初の解重合を駆動する、中間のMenW135およびMenYオリゴサッカリドの調製、単離および特徴付けが示された[79]。本発明は、これらのオリゴサッカリドの重合度を決定するための新規なクロマトグラフィー法を提供し、そしてこの方法は、NMR分析およびESI−MS分析によって確認したところ、良好な精密さおよび精度を示す。さらに、この方法は、血清群CからのオリゴサッカリドのDPを決定するためにも用いられ得る。
さらなる実験の詳細は、参考文献85で見い出され得る。
本発明が例示のみにより記載されており、本発明の範囲および趣旨の範囲内で改変が行われ得ることが理解される。
参考文献(その内容は、本明細書中に参考として援用される)
Figure 2008500384
Figure 2008500384
図1は、髄膜炎菌の血清群W135の莢膜サッカリドについての構造式を示す。 図2は、髄膜炎菌の血清群Yの莢膜サッカリドについての構造式を示す。 図3は、血清群W135と血清群Yとの違いを示す。 図4は、サイズ分離前の、MenYサッカリドのクロマトグラムを示す。 図5は、サイズ分離後の、MenYサッカリドのクロマトグラムを示す。 図6は、MenW135サッカリドについてのESIスペクトルを示す。 図7は、MenYサッカリドについてのESIスペクトルを示す。 図8は、MenW135 DP3サッカリドの構造を、そのH NMRスペクトルの上に示す。 図9は、MenY DP4サッカリドの構造を、そのH NMRスペクトルの上に示す。 図10は、シアル酸標準溶液の定組成溶離プロフィールを示す。 図11は、シアル酸標準溶液の定組成溶離プロフィールを示す。 図12は、シアル酸標準溶液の定組成溶離プロフィールを示す。 図13は、MenYオリゴサッカリドの勾配溶出プロフィールを示す。 図14は、シアリトールについての標準曲線を示す。 図15は、HPAEC−PADによって測定した場合の、解重合の間のMenW135(□)およびMenY(◇)のDPの減少を示す。 図16および図17は、MenW 135(16)およびMenY(17)について、時刻ゼロ(A)を最終的な混合物(B)と比較する、同じプロセスの間に短い長さのオリゴの増加を示す。 図16および図17は、MenW 135(16)およびMenY(17)について、時刻ゼロ(A)を最終的な混合物(B)と比較する、同じプロセスの間に短い長さのオリゴの増加を示す。 図18は、MenC DP5のESIスペクトルを示す。 図19は、MenC DP5のHPAEC分析を示す。 図20は、MenW135オリゴサッカリドの勾配溶出プロフィールである。左軸は、電流滴定検出をnCで示す;右軸は、溶離剤%(100mM Na−アセテート+20mM NaOH)を示す。 図21は、MenW135オリゴサッカリドのさらなる勾配溶出プロフィールである。図21Aは標準サンプルを示し、そして図21BはMenW135材料を示す。

Claims (16)

  1. 莢膜サッカリドの重合度を測定するためのプロセスであって、ここで:
    (a)該サッカリドは、α2→9結合されたシアル酸モノサッカリドサブユニットを含み;
    (b)該サッカリドは、末端シアル酸モノサッカリドサブユニットを有し;そして
    (c)該プロセスは、以下の工程:
    (i)該末端シアル酸モノサッカリドサブユニットを還元して、還元されたシアル酸モノサッカリドサブユニットを得る工程;
    (ii)該サッカリドを加水分解して、モノサッカリドサブユニットを含んでいる加水分解産物を得る工程;
    (iii)該加水分解産物中のシアル酸の合計の、還元されたシアル酸に対する比を決定する工程
    を包含する、プロセス。
  2. 前記末端シアル酸残基が、前記サッカリドを還元剤とともにインキュベートすることによって、還元される、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記還元剤が水素化ホウ素ナトリウムである、請求項2に記載のプロセス。
  4. 前記加水分解工程が、化学的または酵素的に実施される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロセス。
  5. 酸加水分解が使用される、請求項4に記載のプロセス。
  6. 莢膜ポリサッカリドが、異なる大きさの莢膜サッカリドの集団であり、本発明が、該サッカリドの平均重合度を提供する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. 莢膜サッカリドの重合度を測定するためのプロセスであって、ここで:
    (a)該サッカリドは、シアル酸モノサッカリドサブユニットおよび非シアル酸モノサッカリドサブユニットを含み;
    (b)該サッカリドは、末端シアル酸モノサッカリドサブユニットを有し;そして
    (c)該プロセスは、以下の工程:
    (i)該サッカリドの末端シアル酸サブユニットを修飾して、修飾末端シアル酸サブユニットを得る工程;
    (ii)該サッカリドを加水分解して、修飾末端シアル酸サブユニットを含む、シアル酸サブユニットを含んでいるサッカリド加水分解産物を得る工程;
    (iii)該修飾末端シアル酸サブユニットを含む該加水分解産物から該シアル酸サブユニットを定量する工程;および
    (iv)工程(iii)の定量結果を使用して重合度を算出する工程
    を包含する、プロセス。
  8. 組成物中のサッカリドの重合度を測定するためのプロセスであって、以下の工程:
    (a)該組成物中の該サッカリドの解重合を始める工程;および
    その後、一つ以上の時点で、
    (b)請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法を用いて該サッカリドのDPを測定する工程
    を包含する、プロセス。
  9. 必要に応じた化学活性化後に、前記解重合したサッカリドをキャリアタンパク質に結合させる工程をさらに包含する、請求項8に記載のプロセス。
  10. 莢膜サッカリドの重合度(DP)を測定するためのプロセスであって、該サッカリドは、髄膜炎菌血清群W135または血清群Yに由来する、プロセス。
  11. 前記プロセスが、以下の工程:
    (i)前記サッカリドを加水分解して、モノサッカリドサブユニットを含んでいるサッカリド加水分解産物を得る工程;
    (ii)該加水分解産物中の該モノサッカリドサブユニットを定量する工程
    を包含し、工程(ii)の定量結果を使用して重合度が算出される、請求項10に記載のプロセス。
  12. 前記プロセスが以下の工程:
    (i)該サッカリドの末端モノサッカリドサブユニットを修飾して、修飾末端モノサッカリドを得る工程;
    (ii)該サッカリドを加水分解して、修飾末端モノサッカリドを含む、モノサッカリドサブユニットを含んでいるサッカリド加水分解産物を得る工程;
    (iii)該加水分解産物から該モノサッカリドサブユニットを定量する工程;
    (iv)該加水分解産物から該修飾末端モノサッカリドを定量する工程;ならびに
    (v)工程(iii)および工程(iv)の定量結果を使用して、重合度を算出する工程
    を包含する、請求項11に記載のプロセス。
  13. 工程(i)における修飾が、末端シアル酸残基の還元であり、ここで、工程(iii)において定量されるモノサッカリドが、シアル酸の合計であり、ここで、DPが、シアル酸の合計の、還元されたシアル酸に対する比率を比較することにより算出される、請求項12に記載のプロセス。
  14. サッカリドおよびキャリアを含む複合糖質を分析するためのプロセスであって、以下の工程:
    (a)該複合糖質を処理して、キャリアからサッカリドを遊離させる工程、および
    (b)請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の方法を使用して、遊離されたサッカリドのDPを測定する工程
    を包含する、プロセス。
  15. ワクチン組成物を調製するためのプロセスであって、以下の工程:
    (a)請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法を使用してDPが算出された莢膜サッカリドを提供する工程;
    (b)該DPが分析されたサッカリドを、一つ以上のキャリアタンパク質に結合させる工程;
    (c)必要に応じて、バルクワクチンをpHおよび/または他の特性について分析する工程;ならびに、工程(c)からの結果により、該バルクワクチンが臨床用途に許容され得ることが示される場合、(d)該バルクからヒトでの使用のためのワクチンを調製して包装する工程
    を包含する、プロセス。
  16. ワクチンの2つのバッチであって、ここで:
    (a)ワクチンのバッチは両方とも:
    (i)Neisseria meningitidisの血清群Aからの莢膜サッカリドの結合体;
    (ii)Neisseria meningitidisの血清群Cからの莢膜サッカリドの結合体;
    (iii)Neisseria meningitidisの血清群W135から莢膜サッカリドの結合体;
    (iv)Neisseria meningitidisの血清群Yからの莢膜サッカリドの結合体;
    を含み;
    (b)第一バッチ中の血清群AサッカリドのDPはAであり、そして第二バッチ中の血清群AサッカリドのDPはAであり;
    (c)該第一バッチ中の血清群CサッカリドのDPはCであり、そして該第二バッチ中の血清群CサッカリドのDPはCであり;
    (d)該第一バッチ中の血清群W135サッカリドのDPはWであり、そして該第二バッチ中の血清群W135サッカリドのDPはWであり;
    (e)該第一バッチ中の血清群YサッカリドのDPはYであり、そして該第二バッチ中の血清群YサッカリドのDPはYであり;
    (f)比A/A、C/C、W/WおよびY/Yは、各々、0.90と1.10との間にある、バッチ。
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