JP2008309035A - 内燃機関制御装置及び内燃機関制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】代替燃料が正規燃料に混入している場合に懸念される、空燃比が最適値よりもリーン側にずれるといった不具合を抑制する内燃機関制御装置及び内燃機関制御システムを提供する。
【解決手段】1燃焼サイクルあたりに燃料噴射弁が燃料を噴射する時間の要求値である要求噴射時間InjTを、運転者のアクセル操作量に応じて算出し(S14)、エンジン回転速度に基づき1燃焼サイクルあたりに噴射可能な噴射可能時間InjMaxを算出し(S15)、要求噴射時間InjTが噴射可能時間InjMaxより大きいか否かを判定する(S16)。そして、要求噴射時間InjTが噴射可能時間InjMaxより大きいと肯定判定された場合に、燃料の供給圧力が高くなるように燃料ポンプを負荷上昇運転させる。
【選択図】 図2
【解決手段】1燃焼サイクルあたりに燃料噴射弁が燃料を噴射する時間の要求値である要求噴射時間InjTを、運転者のアクセル操作量に応じて算出し(S14)、エンジン回転速度に基づき1燃焼サイクルあたりに噴射可能な噴射可能時間InjMaxを算出し(S15)、要求噴射時間InjTが噴射可能時間InjMaxより大きいか否かを判定する(S16)。そして、要求噴射時間InjTが噴射可能時間InjMaxより大きいと肯定判定された場合に、燃料の供給圧力が高くなるように燃料ポンプを負荷上昇運転させる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、内燃機関の運転状態を制御する内燃機関制御装置及び内燃機関制御システムに関する。
一般的には、内燃機関の1燃焼サイクルあたりに燃料噴射弁が燃料を噴射する時間の要求値である要求噴射時間を、運転者のアクセル操作量に応じて算出している(例えば特許文献1参照)。そして、要求噴射時間となるように燃焼噴射弁の弁体を作動させることで、アクセル操作量に応じた量の燃料を噴射している。なお、例えばガソリン機関等の火花点火式内燃機関においては、アクセル操作量に応じて要求吸気量を算出し、その要求吸気量に対して最適な空燃比となるように要求噴射時間を算出している。
特開2006−183500号公報
ところで、近年では、ガソリンや軽油(以下、これらを正規燃料と呼ぶ)の代替燃料としてアルコール燃料等が注目されている。そして、例えば、燃料タンクに正規燃料が残っている状態で代替燃料を補給して混合燃料とした場合、その混合燃料が燃料噴射弁から噴射されることとなり、その場合には以下の問題が生じ得るとの知見を本発明者は得た。
すなわち、例えばアルコール燃料によりガソリンと同等の空気過剰率を得ようとすると、ガソリンよりも多く(例えば約1.6倍)の燃料噴射量を要することが分かっている。つまり、所定時間噴射して得られる内燃機関の出力トルクについて、ガソリンにアルコールが混入した混合燃料を噴射した場合に得られる出力トルクは、ガソリン100%の燃料を噴射した場合に比べて小さくなる。よって、混合燃料の場合にはガソリン100%の場合に比べて噴射時間を長くする必要がある。
すると、前述した1燃焼サイクルあたりの要求噴射時間が、1燃焼サイクル(720℃A)あたりに噴射できる時間(噴射可能時間)を超えてしまうといった問題が生じ得ることとなる。特に、内燃機関の出力軸回転速度(エンジン回転速度)を高速回転にした運転領域では、1燃焼サイクルの所要時間が短くなるため、噴射可能時間も短くなってしまい、要求噴射時間が噴射可能時間を超えてしまう状態に陥りやすくなる。
そして、上述の如く要求噴射時間が噴射可能時間を超えた場合には、空燃比が最適値よりもリーン側にずれてしまうといった不具合が生じる。特に、内燃機関がガソリン機関である場合には、空燃比リーンにより希薄燃焼になると、例えば燃焼状態が不安定になることに起因して、触媒装置に流入するHCやO2が増大し、これらのHCやO2が触媒装置内で燃焼し、その結果、触媒装置が高温となり劣化するといった不具合も生じ得る。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、代替燃料が正規燃料に混入している場合に懸念される、空燃比が最適値よりもリーン側にずれるといった不具合を抑制する内燃機関制御装置及び内燃機関制御システムを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、1燃焼サイクルあたりに燃料噴射弁が燃料を噴射する時間の要求値である要求噴射時間を、運転者のアクセル操作量に応じて算出する要求噴射時間算出手段と、内燃機関の出力軸の回転速度に基づき1燃焼サイクルあたりに噴射可能な噴射可能時間を算出する噴射可能時間算出手段と、前記要求噴射時間が前記噴射可能時間より大きいか否かを判定する判定手段と、前記燃料噴射弁に燃料を供給する燃料ポンプの運転を制御する燃料ポンプ制御手段と、を備え、前記燃料ポンプ制御手段は、前記判定手段により前記要求噴射時間が前記噴射可能時間より大きいと肯定判定された場合に、燃料の供給圧力が高くなるように前記燃料ポンプを負荷上昇運転させることを特徴とする。
これによれば、要求噴射時間が噴射可能時間より大きいと肯定判定された場合には、燃料の供給圧力が高くなるように燃料ポンプを負荷上昇運転させる。そのため、燃料噴射弁から単位時間あたりに噴射される噴射量が増大するので、噴射可能時間が同じであってもその噴射可能時間中に噴射される噴射量は増大する。よって、代替燃料が正規燃料に混入することにともないアクセル操作量に応じた要求吸気量に対して最適な空燃比となる量の燃料を噴射できない、といった状態に陥る頻度を低減でき、空燃比が最適値よりもリーン側にずれることを抑制できる。
請求項2記載の発明では、前記燃料ポンプ制御手段は、前記肯定判定が為された後、前記判定手段による判定が前記否定判定に変わるまで、前記供給圧力を徐々に上昇させることを特徴とする。
これによれば、否定判定に変わるまで(要求噴射時間が噴射可能時間以下に変わるまで)供給圧力が徐々に上昇するので、空燃比が最適値になるまで供給圧力が上昇することとなる。よって、空燃比を最適値にできる。
請求項3記載の発明では、前記要求噴射時間算出手段は、実際の空燃比が目標空燃比に近づくように前記要求噴射時間を算出することを特徴とするので、代替燃料が混入して空燃比がリーンになると、実際の空燃比が目標空燃比に近づくように増量補正されて要求噴射時間が長くなる。その結果、要求噴射時間が噴射可能時間より大きくなるといった肯定判定の状態となる。よって、このように実際の空燃比が目標空燃比に近づくように要求噴射時間を算出する場合に、請求項1又は2に記載の発明を適用することが望ましい。
請求項4記載の発明では、前記判定手段により肯定判定されることがないと想定される正規燃料と、前記正規燃料以外の混入燃料との比率である混合比を、前記負荷上昇運転による負荷上昇量に基づき推定する混合比推定手段を備えることを特徴とする。
これによれば、混入燃料の濃度を検出するアルコール濃度センサ等のセンサを不要にしつつ、正規燃料と混入燃料との混合比を推定できる。因みに、吸気量、燃料噴射量及び点火時期等を混合比が不明の状態で制御すると、内燃機関の運転状態が悪化してエミッション悪化等の問題が生じるが、本発明により推定された混合比に基づき上記各種制御を行えば前記問題を抑制できる。
そして、上述の如く燃料ポンプを負荷上昇運転させるにあたり、以下の発明を適用することが挙げられる。
・請求項5記載の発明では、前記燃料ポンプ制御手段は、前記燃料ポンプをオンオフ制御しており、該オンオフ制御のデューティ比を増加させることで前記負荷上昇運転させることを特徴とする。
・請求項7記載の発明では、前記燃料ポンプ制御手段は、前記供給圧力が目標圧力となるように前記燃料ポンプの運転を制御しており、前記目標圧力を増加させることで前記負荷上昇運転させることを特徴とする。
・請求項9記載の発明では、前記燃料ポンプから前記燃料噴射弁に至るまでの燃料供給経路には、前記供給圧力が設定値以上である場合に前記燃料ポンプの上流側に燃料を戻すリリーフ弁が設けられており、前記燃料ポンプ制御手段は、前記設定値を高く変更することで前記負荷上昇運転させることを特徴とする。
・請求項5記載の発明では、前記燃料ポンプ制御手段は、前記燃料ポンプをオンオフ制御しており、該オンオフ制御のデューティ比を増加させることで前記負荷上昇運転させることを特徴とする。
・請求項7記載の発明では、前記燃料ポンプ制御手段は、前記供給圧力が目標圧力となるように前記燃料ポンプの運転を制御しており、前記目標圧力を増加させることで前記負荷上昇運転させることを特徴とする。
・請求項9記載の発明では、前記燃料ポンプから前記燃料噴射弁に至るまでの燃料供給経路には、前記供給圧力が設定値以上である場合に前記燃料ポンプの上流側に燃料を戻すリリーフ弁が設けられており、前記燃料ポンプ制御手段は、前記設定値を高く変更することで前記負荷上昇運転させることを特徴とする。
なお、上記リリーフ弁に関し、例えば、設定値を変更可能なリリーフ弁を採用して、判定手段の判定結果に応じて設定値を切り換えるようにしてもよいし、設定値の異なる複数のリリーフ弁を設置して、判定手段の判定結果に応じていずれのリリーフ弁を用いるかを切り換えるようにしてもよい。
請求項6,8記載の発明では、前記燃料ポンプ制御手段は、前記肯定判定が為された後、前記判定手段による判定が前記否定判定に変わるまで、前記負荷上昇運転を継続させ、前記正規燃料と前記混入燃料との比率である混合比を推定する混合比推定手段を備えることを特徴としており、請求項6記載の混合比推定手段は、前記燃料ポンプ制御手段による前記デューティ比の増加量に基づき推定することを特徴とし、請求項8記載の混合比推定手段は、前記燃料ポンプ制御手段による前記目標圧力の増加量に基づき推定することを特徴とする。
これらによれば、混入燃料の濃度を検出するアルコール濃度センサ等のセンサを不要にしつつ、正規燃料と混入燃料との混合比を推定できる。因みに、吸気量、燃料噴射量及び点火時期等を混合比が不明の状態で制御すると、内燃機関の運転状態が悪化してエミッション悪化等の問題が生じるが、本発明により推定された混合比に基づき上記各種制御を行えば前記問題を抑制できる。
請求項10記載の発明では、上記発明にかかる内燃機関制御装置と、燃料噴射弁に燃料を供給する燃料ポンプ及び前記燃料噴射弁の少なくとも一方と、を備えることを特徴とする内燃機関制御システムである。この内燃機関制御システムによれば、上述の各種効果を同様に発揮することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態は、内燃機関である車載多気筒ガソリンエンジンを対象に内燃機関制御システムを構築するものとしており、当該制御システムにおいては、内燃機関制御装置として機能する電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢として、燃料噴射量の制御や点火時期の制御等を実施することとしている。先ずは、図1を用いて内燃機関制御システムの全体概略構成図を説明する。
本実施形態は、内燃機関である車載多気筒ガソリンエンジンを対象に内燃機関制御システムを構築するものとしており、当該制御システムにおいては、内燃機関制御装置として機能する電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢として、燃料噴射量の制御や点火時期の制御等を実施することとしている。先ずは、図1を用いて内燃機関制御システムの全体概略構成図を説明する。
図1に示すエンジン10において、吸気管11の最上流部にはエアクリーナ12が設けられ、このエアクリーナ12の下流側には吸入空気量(吸気量)を検出するためのエアフロメータ13が設けられている。エアフロメータ13の下流側には、DCモータ等のスロットルアクチュエータ15によって開度調節されるスロットルバルブ14(吸気量制御バルブ)が設けられている。スロットルバルブ14の開度(スロットル開度)は、スロットルアクチュエータ15に内蔵されたスロットル開度センサにより検出されるようになっている。本実施形態では、複数気筒に対して1つのスロットルバルブ14を設けるように構成しているが、各々の気筒に対してスロットルバルブ14を設けるように構成してもよく、この場合には、各々の燃焼室23に対して吸気量を独立して制御してもよい。
スロットルバルブ14の下流側にはサージタンク16が設けられ、このサージタンク16には吸気管圧力を検出するための吸気管圧力センサ17が設けられている。また、サージタンク16には、エンジン10の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド18が接続されており、吸気マニホールド18において各気筒の吸気ポート近傍には燃料を噴射する電磁駆動式の燃料噴射弁19が取り付けられている。
燃料タンク19Tから燃料噴射弁19までの燃料経路には、電動の燃料ポンプ19aが備えられている。本実施形態に係る燃料ポンプ19aは燃料タンク19T内に設置されたインタンク式であり、燃料タンク19T内の燃料は燃料ポンプ19aによりデリバリパイプ19bに供給され、デリバリパイプ19bから各々の燃料噴射弁19に分配される。
エンジン10の吸気ポート及び排気ポートにはそれぞれ吸気バルブ21及び排気バルブ22が設けられており、吸気バルブ21の開動作により空気と燃料との混合気が燃焼室23内に導入され、排気バルブ22の開動作により燃焼後の排ガスが排気管24(排気通路)に排出される。
エンジン10のシリンダヘッドには気筒毎に点火プラグ27が取り付けられており、点火プラグ27には、点火コイル等よりなる点火装置(図示略)を通じて、所望とする点火時期において高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ27の対向電極間に火花放電が発生し、燃焼室23内に導入した混合気が着火され燃焼に供される。
排気管24には、排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化するための三元触媒等の触媒31が設けられ、この触媒31の上流側には、排ガスを検出対象として混合気の空燃比(酸素濃度)を検出するためのA/Fセンサ32が設けられている。
また、エンジン10のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ33や、エンジンの所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)矩形状のクランク角信号を出力するクランク角度センサ35が取り付けられている。その他、本制御システムでは、ドライバによるアクセル操作量(アクセルペダル踏込量)を検出するアクセルセンサ36や、大気圧を検出する大気圧センサ37が設けられている。
ECU40は、周知の通りCPU、ROM、RAM、EEPROM等よりなるマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)41を主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、その都度のエンジン運転状態に応じてエンジン10の各種制御を実施する。すなわち、ECU40のマイコン41には、前述した各種センサから各々検出信号が入力される。そして、同マイコン41は、随時入力される各種の検出信号に基づいて燃料噴射量や点火時期、スロットル開度等を演算し、燃料噴射弁19や点火装置、スロットルアクチュエータ15の駆動を制御する。燃料噴射量の制御について詳しくは、マイコン41は、都度のエンジン運転状態に基づいて目標空燃比を設定するとともに、A/Fセンサ32の出力値により算出した実空燃比が目標空燃比に一致するよう空燃比フィードバック制御を実施する。
また、ECU40は、燃料ポンプ19aの作動をオンオフ制御しており、後述する負荷上昇運転を行わない通常時においては、オンオフ制御のデューティ比は予め設定された設定値に固定されている。そして、燃料ポンプ19aから吐出される燃料の吐出圧が閾値を超えると、プレッシャレギュレータ19cが作動することにより燃料は燃料タンク19Tに戻される。よって、デリバリパイプ19b内の燃料圧力は閾値を超えない範囲で所定の値に保たれる。
なお、燃料ポンプ19aはインタンク式であり、プレッシャレギュレータ19cは燃料タンク19T内に備えられているため、閾値を超えた吐出圧の燃料はデリバリパイプ19bに供給されることはない。つまり、デリバリパイプ19bから燃料タンク19Tへのリターン配管を廃止したリターンレス式が採用されている。
ところで、燃料タンク19T内のガソリンにアルコール燃料を混入させて混合燃料を燃料噴射弁19から噴射させる場合には、ガソリンよりも多くの燃料噴射量を要することが分かっている。本実施形態では、ガソリン100%の状態からアルコール燃料を混入させた状態に移り変わった場合に好適に対処することを図っている。
以下、前記対処を図るためのECU40による燃料ポンプ19aの制御内容を、図2及び図3に示すフローチャートに基づいて説明する。本処理はECU40内のマイコン41により所定の時間周期(例えば10msec周期)で繰り返し実行される。
先ず、図2のステップS10において、エアフロメータ13により測定された値に基づき実際の吸気量を算出する。次に、ステップS11において、算出された吸気量に基づき、気筒当りの基本燃料時間Baseを算出する。基本燃料時間Baseは、吸気量が多いほど大きい値となるよう算出される。
次に、ステップS12において、クランク角度センサ35から出力される信号に基づき算出されるエンジン回転速度と、吸気管圧力センサ17により測定された値に基づき算出された吸気圧とに基づき、燃料増量値CmpHvを算出する。燃料増量値CmpHvは、エンジン回転速度及び吸気圧が大きいほど大きい値となるよう算出される。
次に、ステップS13において、A/Fセンサ32により測定された値に基づき算出された実空燃比と目標空燃比との偏差(実空燃比−目標空燃比)に基づき、燃料補正値CmpAfを算出する。燃料補正値CmpAfは、前記偏差が大きいほど大きい値となるよう算出され、実空燃比を目標空燃比に近づけるようにするための補正値である。
次に、ステップS14(要求噴射時間算出手段)において、次の算出式に基づき1気筒当りに噴射する燃料の要求噴射時間InjTを算出する。
InjT=基本燃料時間Base×燃料増量値CmpHv×燃料補正値CmpAf
なお、要求噴射時間InjTだけ燃料噴射弁19を開弁作動させれば、デリバリパイプ19b内の圧力は所定の値に保たれているため、要求噴射時間InjTに応じた量の燃料が燃料噴射弁19から噴射されることとなる。そして、要求噴射時間InjTに応じた量の燃料を1燃焼サイクル中に噴射することを前提として、ステップS11では基本燃料時間Baseを算出している。
InjT=基本燃料時間Base×燃料増量値CmpHv×燃料補正値CmpAf
なお、要求噴射時間InjTだけ燃料噴射弁19を開弁作動させれば、デリバリパイプ19b内の圧力は所定の値に保たれているため、要求噴射時間InjTに応じた量の燃料が燃料噴射弁19から噴射されることとなる。そして、要求噴射時間InjTに応じた量の燃料を1燃焼サイクル中に噴射することを前提として、ステップS11では基本燃料時間Baseを算出している。
次に、ステップS15(噴射可能時間算出手段)において、エンジン回転速度に基づき最大噴射可能時間InjMaxを算出する。本実施形態では、1燃焼サイクル720℃A中、700℃Aを最大噴射可能クランク角度としており、700℃Aだけクランク軸が回転するのにかかる時間が最大噴射可能時間InjMaxとなる。
次に、ステップS16(判定手段)において、要求噴射時間InjTが噴射可能時間InjMaxより大きいか否かを判定する。InjT>InjMaxであると肯定判定されると、噴射量が不足した状態となり実空燃比が目標空燃比からリーン側にずれることが懸念される。この懸念を解消すべく、上記肯定判定(S16:YES)がなされた場合にはステップS17に進み、デリバリパイプ19b内の燃料圧力を上昇させるように燃料ポンプ19aを負荷上昇運転させる。
デリバリパイプ19b内の燃料圧力を上昇させるには、燃料ポンプ19aのオンオフ制御のデューティ比を上昇させればよい。そこで、ステップS17では、ポンプ駆動デューティ比を負荷上昇運転用の高値にセットするよう補正指令を行う。具体的には負荷上昇補正指令のフラグを立てる。そして、このような負荷上昇の補正指令が為されると、後述する図3のポンプ制御ルーチンにおいて、デューティ比が上昇されることとなる。
一方、ステップS16において、InjT>InjMaxではないと否定判定(S16:NO)されると、ステップS18に進み、ポンプ駆動デューティ比が通常値であるか否かを判定する。通常値でないと判定(S18:NO)された場合には、続くステップS19においてポンプ駆動デューティ比を高値から通常値に戻すよう補正指令を行う。具体的には通常値補正指令のフラグを立てる。
図3は、ECU40から燃料ポンプ19aに出力される制御値を算出するための、ポンプ制御処理の内容を示すフローチャートであり、先ず、ステップS20において、燃料ポンプ19aの基本デューティ比DutyBaseを算出する。次に、ステップS21において、ステップS17による負荷上昇の補正指令が為されているか否かをフラグに基づき判定する。
負荷上昇補正指令有りと判定(S21:YES)されると、続くステップS22において、負荷上昇補正の履歴有無を判定する。負荷上昇補正履歴が無いと判定(S22:NO)されれば、ステップS23において、デューティ比の増加量ΔDutyを次の算出式に基づき算出する。
ΔDuty=ΔDuty前回値+α
なお、算出式中のαの値は予め設定された値に固定されている。
ΔDuty=ΔDuty前回値+α
なお、算出式中のαの値は予め設定された値に固定されている。
そして、続くステップS24では、ECU40から燃料ポンプ19aに出力される最終的な制御値Dutyfinを次の算出式に基づき算出する。
Dutyfin=基本デューティ比DutyBase+増加量ΔDuty
一方、負荷上昇補正指令無しと判定(S21:NO)された場合には、ステップS25に進み、ステップS21の判定が肯定判定から否定判定に今回切り換わったものであるかを判定する。今回切り換わったものであると判定(S25:YES)されれば、ステップS26(混合比推定手段)において、ガソリンとアルコール燃料との比である混合比を、図4(a)(b)のマップを用いて算出する。
Dutyfin=基本デューティ比DutyBase+増加量ΔDuty
一方、負荷上昇補正指令無しと判定(S21:NO)された場合には、ステップS25に進み、ステップS21の判定が肯定判定から否定判定に今回切り換わったものであるかを判定する。今回切り換わったものであると判定(S25:YES)されれば、ステップS26(混合比推定手段)において、ガソリンとアルコール燃料との比である混合比を、図4(a)(b)のマップを用いて算出する。
図4(a)中の実線は、燃料噴射弁19から実際に噴射された噴射量TAUと基本デューティ比DutyBaseとの関係を示すマップであり、エンジン回転速度に応じて噴射量TAUと基本デューティ比DutyBaseとの関係がマップ化されている。そして、ステップS26では先ず、補正後のデューティ比である制御値Dutyfinと基本デューティ比DutyBaseとの偏差ΔDutyを、図4(a)のマップを用いて算出する。そして、偏差ΔDutyと混合比との関係を示す図4(b)のマップを用いて偏差ΔDutyに基づき混合比を算出する。
因みに、図4(a)に替えて、図4(c)に示すマップを用いて混合比を算出してもよい。図4(c)は、要求噴射時間InjTにエンジン回転速度NEを乗じた値と、基本デューティ比DutyBaseとの関係を示すマップであり、このマップによれば、図4(b)で用いるための偏差ΔDutyを図4(a)と同様に得ることができる。
次に、ステップS27において偏差ΔDutyを前回の偏差ΔDutyと比較して大きい方の値を履歴偏差ΔDutyMとしてバックアップRAMに記憶する。なお、このように記憶された履歴偏差ΔDutyMの値は、イグニッションスイッチがオフ操作されると削除される。或いは、燃料タンク19Tへの燃料補給が為されると削除されるように設定してもよい。或いは、これらの削除を行うことなく履歴補正量ΔTHMの値を記憶保持させるようにしてもよい。
なお、燃料補給が為されたか否かの判定は、給油キャップの開閉を検出する検出手段38(図1参照)からの出力信号や、燃料タンク内の燃料の残量を検出する検出手段からの出力信号等に基づき行えばよい。換言すれば、上記検出手段からの出力信号(解除信号)を取得するまで前記履歴の記憶を維持させる。
続くステップS28では、ECU40から燃料ポンプ19aに出力される最終的な制御値Dutyfinを、基本デューティ比DutyBaseとする。なお、ステップS25において今回切り換わったものでないと判定(S25:NO)されれば、ステップS26による混合比の算出を行うことなくステップS28に進み、制御値Dutyfinを基本デューティ比DutyBaseとする処理を行う。
一方、ステップS27による履歴の記憶がなされれば、ステップS22において、負荷上昇補正の履歴有りと判定されることとなり、その場合にはステップS29において、記憶された履歴偏差ΔDutyMを増加量ΔDutyとして設定する。つまり、負荷上昇補正指令有りから無しに一旦切り換われば(S25:YES)、その時の履歴偏差ΔDutyMが算出(S26)、記憶され(S27)、それ以後において負荷上昇補正指令が有った場合(S22:YES)には、ステップS23における増加量ΔDutyの算出を実行することなく、記憶された履歴偏差ΔDutyMの値だけ基本デューティ比DutyBaseを増加させる(S24)こととなる。
図5に、ステップS16のInjT>InjMaxの判定等に基づき燃料ポンプ19aの駆動を制御した場合における一態様を例示する。図5(a)は、クランク角度センサ35から出力される信号に基づき算出されるエンジン回転速度NEの変化を示す。図5(b)中の実線は、最大噴射可能時間InjMaxの変化を示し、点線は、アルコール燃料が混入していない場合における1気筒当りの要求噴射時間InjTの変化を示す。図5(c)は、制御値Dutyfinによるポンプ駆動デューティ比の変化を示す。
該図5に示すように、アクセル踏込量増大等によりエンジン回転速度が上昇するにともない最大噴射可能時間InjMaxは下降し、エンジン回転速度が下降するにともない最大噴射可能時間InjMaxは上昇する。そして、エンジン回転速度の上昇にともない最大噴射可能時間InjMaxが下降してt1の時点になると、アルコール燃料がガソリンに混入していることに起因して、要求噴射時間InjTが最大噴射可能時間InjMaxより大きくなる。
このt1時点で、ステップS16のInjT>InjMaxの判定が否定判定から肯定判定に移行することとなる。すると、InjT>InjMaxの肯定判定状態が続く限りステップS23等の処理により制御値Dutyfinはαずつ徐々に上昇し、ポンプ駆動デューティ比は通常値から徐々に上昇することとなる。その後、ポンプ駆動デューティ比が100%になった時点t2以降、その値が維持される。
その後、アクセル踏込量減少によるエンジン回転速度の下降にともない最大噴射可能時間InjMaxが上昇してt3の時点になると、要求噴射時間InjTが最大噴射可能時間InjMaxより小さくなる。つまり、要求噴射時間InjTに相当する量の燃料を噴射できる状態となる。このt3時点で、ステップS16のInjT>InjMaxの判定処理が肯定判定から否定判定に移行することとなる。すると、ステップS19の処理によりポンプ駆動デューティ比は100%から通常値に戻ることとなる。
さらにその後、再び要求噴射時間InjTが最大噴射可能時間InjMaxより大きくなると、図5(c)中の一点鎖線に示すように、記憶された履歴偏差ΔDutyMの値となるようにポンプ駆動デューティ比は上昇することとなる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
(1)アルコール燃料がガソリンに混入していることに起因して、要求噴射時間InjTが最大噴射可能時間InjMaxより大きくなった場合に、燃料ポンプ19aの駆動デューティ比を上昇させた負荷上昇運転となる。よって、デリバリパイプ19b内の燃料圧力が上昇し、燃料噴射弁19から単位時間あたりに噴射される噴射量が増大するので、最大噴射可能時間InjMaxが同じであってもその噴射可能時間中に噴射される噴射量は増大する。よって、アルコール燃料がガソリンに混入することにともないアクセル操作量に応じた要求吸気量に対して最適な空燃比となる量の燃料(要求噴射時間InjTに相当する量の燃料)を噴射できない、といった状態に陥る頻度を低減でき、空燃比が最適値よりもリーン側にずれるといった不具合を抑制できる。
(2)ここで、空燃比リーンにより希薄燃焼になると、例えば燃焼状態が不安定になることに起因して、触媒31に流入するHCやO2が増大し、これらのHCやO2が触媒31近傍で燃焼し、その結果、触媒31が高温となり劣化するといった不具合が懸念される。これに対し、本実施形態によれば、上述の如く空燃比がリーン側にずれることを抑制できるので、上記懸念を解消できる。
(3)要求噴射時間InjTが最大噴射可能時間InjMaxより大きくなっている期間(t1〜t3)、燃料ポンプ19aの負荷上昇運転が継続されるので、空燃比を目標空燃比(例えば理論空燃比)に近づくようにできる。
(4)ガソリンとアルコール燃料との比である混合比を、燃料ポンプ19aのデューティ比の増加量ΔDuty(負荷上昇量)の最大値である履歴偏差ΔDutyMに基づき算出する。よって、アルコール燃料の濃度を検出するアルコール濃度センサ等のセンサを不要にしつつ、ガソリンとアルコール燃料との混合比を算出(推定)できる。なお、デューティ比が100%未満の場合にはマップを用いて混合比を特定の値に推定できるが、100%以上となった場合には、デューティ比100%の場合のアルコール濃度以上の濃度であると推定するようにすればよい。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、燃料ポンプ19aの駆動デューティ比を増加させることで負荷上昇運転を行っているのに対し、本実施形態では、デリバリパイプ19b内の燃料圧力(供給圧力)が目標圧力(目標燃圧)となるようにフィードバック制御する構成を採用し、その目標燃圧を増加させることで負荷上昇運転させている。
上記第1の実施形態では、燃料ポンプ19aの駆動デューティ比を増加させることで負荷上昇運転を行っているのに対し、本実施形態では、デリバリパイプ19b内の燃料圧力(供給圧力)が目標圧力(目標燃圧)となるようにフィードバック制御する構成を採用し、その目標燃圧を増加させることで負荷上昇運転させている。
図6及び図7は、本実施形態に係るECU40による燃料ポンプ19aの制御内容を示すフローチャートであり、図2及び図3中の処理と同じ処理を行うステップについては、同一の符号を付し、その説明を援用する。また、本実施形態ではデリバリパイプ19b内の燃料圧力を検出する燃圧センサ19d(図1中の一点鎖線参照)を備えている。その他のハード構成については、第1の実施形態と同じである。なお、燃圧センサ19dにより検出された信号はECU40に入力される。
そして、図6に示すように、ステップS16において、要求噴射時間InjTが噴射可能時間InjMaxより大きいと肯定判定された場合には、ステップS171に進み、目標燃圧を負荷上昇運転用の高値にセットするよう補正指令を行う。一方、ステップS16において、InjT>InjMaxではないと否定判定されると、ステップS181に進み、目標燃圧が通常値であるか否かを判定する。通常値でないと判定(S181:NO)された場合には、続くステップS191において目標燃圧を高値から通常値に戻すよう補正指令を行う。
図7に示す処理では、先ず、ステップS30において、燃料ポンプ19aの基本目標燃圧PBaseを算出する。次に、ステップS31において、ステップS171による負荷上昇の補正指令が為されているか否かをフラグに基づき判定する。
負荷上昇補正指令有りと判定(S31:YES)されると、続くステップS32において、負荷上昇補正の履歴有無を判定する。負荷上昇補正履歴が無いと判定(S32:NO)されれば、ステップS33において、目標燃圧の増加量ΔPを次の算出式に基づき算出する。
ΔP=ΔP前回値+β
なお、算出式中のβの値は予め設定された値に固定されている。
ΔP=ΔP前回値+β
なお、算出式中のβの値は予め設定された値に固定されている。
そして、続くステップS34では、最終的な目標燃圧Pfinを次の算出式に基づき算出する。
Pfin=基本目標燃圧PBase+増加量ΔP
この最終目標燃圧Pfinとなるように燃料ポンプ19aの駆動は制御される。
Pfin=基本目標燃圧PBase+増加量ΔP
この最終目標燃圧Pfinとなるように燃料ポンプ19aの駆動は制御される。
一方、負荷上昇補正指令無しと判定(S31:NO)された場合には、ステップS35に進み、ステップS31の判定が肯定判定から否定判定に今回切り換わったものであるかを判定する。今回切り換わったものであると判定(S35:YES)されれば、ステップS36(混合比推定手段)において、ガソリンとアルコール燃料との比である混合比を、マップを用いて算出する。ここで用いるマップは、目標燃圧の増加量ΔPと混合比との関係を予め記憶させたものであり、増加量ΔPの値が大きいほどアルコール燃料の混入割合が大きくなるよう混合比は算定される。
次に、ステップS37において増加量ΔPを前回の増加量ΔPと比較して大きい方の値を履歴増加量ΔPMとしてバックアップRAMに記憶する。なお、このように記憶された履歴増加量ΔPMの値は、イグニッションスイッチがオフ操作されると削除される。或いは、燃料タンク19Tへの燃料補給が為されると削除されるように設定してもよい。或いは、これらの削除を行うことなく履歴補正量ΔTHMの値を記憶保持させるようにしてもよい。
なお、燃料補給が為されたか否かの判定は、給油キャップの開閉を検出する検出手段38(図1参照)からの出力信号や、燃料タンク内の燃料の残量を検出する検出手段からの出力信号等に基づき行えばよい。
続くステップS38では、最終的な目標燃圧Pfinを基本目標燃圧PBaseとする。なお、ステップS35において今回切り換わったものでないと判定(S35:NO)されれば、ステップS36による混合比の算出を行うことなくステップS38に進み、最終的な目標燃圧Pfinを基本目標燃圧PBaseとする処理を行う。
一方、ステップS37による履歴の記憶がなされれば、ステップS32において、負荷上昇補正の履歴有りと判定されることとなり、その場合にはステップS39において、記憶された履歴増加量ΔPMを増加量ΔPとして設定する。つまり、負荷上昇補正指令有りから無しに一旦切り換われば(S35:YES)、その時の履歴増加量ΔPMが算出(S36)、記憶され(S37)、それ以後において負荷上昇補正指令が有った場合(S32:YES)には、ステップS33における増加量ΔPの算出を実行することなく、記憶された履歴偏差ΔPMの値だけ基本目標燃圧PBaseを増加させる(S34)こととなる。
次に、上記図6及び図7の処理による一態様を説明する。該態様は、図2及び図3の処理による一態様と比較した場合、図5(c)のデューティ比を目標燃圧Pと読み替えれば、図5(a)(b)については同じ態様となる。なお、本実施形態においても、最終的な目標燃圧Pfinが上昇してデューティ比が100%となった時点t2で、それ以上目標燃圧Pfinが上昇してもデリバリパイプ19b内の燃圧は上昇しない。
以上詳述した本実施形態によっても、上記第1の実施形態と同様にして以下の効果が得られる。
(1)要求噴射時間InjTが最大噴射可能時間InjMaxより大きくなった場合に、燃料ポンプ19aの目標燃圧Pfinを上昇させることで負荷上昇運転となり、デリバリパイプ19b内の燃料圧力が上昇する。よって、燃料噴射弁19から単位時間あたりに噴射される噴射量が増大するので、最大噴射可能時間InjMaxが同じであってもその噴射可能時間中に噴射される噴射量は増大する。よって、アルコール燃料がガソリンに混入することにともないアクセル操作量に応じた要求吸気量に対して最適な空燃比となる量の燃料を噴射できない、といった状態に陥る頻度を低減でき、空燃比が最適値よりもリーン側にずれるといった不具合を抑制できる。
(2)ここで、空燃比リーンにより希薄燃焼になると、例えば燃焼状態が不安定になることに起因して、触媒31に流入するHCやO2が増大し、これらのHCやO2が触媒31近傍で燃焼し、その結果、触媒31が高温となり劣化するといった不具合が懸念される。これに対し、本実施形態によれば、上述の如く空燃比がリーン側にずれることを抑制できるので、上記懸念を解消できる。
(3)要求噴射時間InjTが最大噴射可能時間InjMaxより大きくなっている期間(t1〜t3)、燃料ポンプ19aの負荷上昇運転が継続されるので、空燃比を目標空燃比(例えば理論空燃比)に近づくようにできる。
(4)ガソリンとアルコール燃料との比である混合比を、目標燃圧の増加量ΔP(負荷上昇量)の最大値である履歴増加量ΔPMに基づき算出している。よって、アルコール燃料の濃度を検出するアルコール濃度センサ等のセンサを不要にしつつ、ガソリンとアルコール燃料との混合比を算出(推定)できる。
(第3の実施形態)
本実施形態では、図1に示すプレッシャレギュレータ19c(リリーフ弁)に、リリーフ圧となる閾値を変更することができるものを採用しており、前記閾値はECU40により設定可能である。そして、上述の負荷上昇運転を行うにあたり、目標燃圧Pを高くする手段に替えて、閾値を高くする手段を採用している。これによっても上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。また、閾値を高くした量及び時間に基づき負荷上昇量を推定し、推定した負荷上昇量に基づき混合比を算出することができる。
本実施形態では、図1に示すプレッシャレギュレータ19c(リリーフ弁)に、リリーフ圧となる閾値を変更することができるものを採用しており、前記閾値はECU40により設定可能である。そして、上述の負荷上昇運転を行うにあたり、目標燃圧Pを高くする手段に替えて、閾値を高くする手段を採用している。これによっても上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。また、閾値を高くした量及び時間に基づき負荷上昇量を推定し、推定した負荷上昇量に基づき混合比を算出することができる。
また、上記構成の変形例として、リリーフ圧となる閾値が固定されたプレッシャレギュレータ19cを適用し、閾値が各々異なる2つのプレッシャレギュレータ19cを切り換えて用いるようにしてもよい。この場合、上述の負荷上昇運転を行うにあたり、一方のプレッシャレギュレータ19cに比べてリリーフ圧の高いプレッシャレギュレータ19cに切り換えればよい。これによっても上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。また、閾値を高くした量及び時間に基づき負荷上昇量を推定し、推定した負荷上昇量に基づき混合比を算出することができる。
(その他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構造をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構造をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・上記実施形態では内燃機関(エンジン10)としてガソリン機関等の火花点火式内燃機関を対象としているが、ディーゼル機関等の圧縮着火式内燃機関を対象としてもよい。
・上記実施形態では、吸気マニホールド18又は吸気管に燃料噴射弁19を取り付けたポート噴射式のエンジン10を対象としているが、シリンダヘッドに燃料噴射弁19を取り付けて燃焼室23内に直接燃料を噴射する直噴式のエンジン10を対象としてもよい。但し、ポート噴射式の場合には、1燃焼サイクル720℃A中、最大噴射可能クランク角度を約700℃Aに確保できるのに対し、直噴式の場合には、最大噴射可能クランク角度がポート噴射式の場合に比べて小さくなってしまうため、アルコール燃料が僅かに混入しただけでも要求噴射時間InjTが噴射可能時間InjMaxより大きくなる。故に、直噴式のエンジン10を対象にした場合でも有効であると考えられる。
・図3中のステップS26及び図7中のステップS36による混合比算出手段に替えて、アルコール燃料の混入の有無のみを判定するようにしてもよい。具体的には、ステップS31にて負荷上昇の補正指令が為されていると判定(S31:NO)されれば、アルコール燃料の混入可能性有り、と判定するようにしてもよい。
19…燃料噴射弁、19a…燃料ポンプ、40…ECU(内燃機関制御装置、燃料ポンプ制御手段)、S14…要求噴射時間算出手段、S15…噴射可能時間算出手段、S16…判定手段、S26,S36…混合比推定手段、InjMax…噴射可能時間、InjT…要求噴射時間。
Claims (10)
- 1燃焼サイクルあたりに燃料噴射弁が燃料を噴射する時間の要求値である要求噴射時間を、運転者のアクセル操作量に応じて算出する要求噴射時間算出手段と、
内燃機関の出力軸の回転速度に基づき1燃焼サイクルあたりに噴射可能な噴射可能時間を算出する噴射可能時間算出手段と、
前記要求噴射時間が前記噴射可能時間より大きいか否かを判定する判定手段と、
前記燃料噴射弁に燃料を供給する燃料ポンプの運転を制御する燃料ポンプ制御手段と、
を備え、
前記燃料ポンプ制御手段は、前記判定手段により前記要求噴射時間が前記噴射可能時間より大きいと肯定判定された場合に、燃料の供給圧力が高くなるように前記燃料ポンプを負荷上昇運転させることを特徴とする内燃機関制御装置。 - 前記燃料ポンプ制御手段は、前記肯定判定が為された後、前記判定手段による判定が前記否定判定に変わるまで、前記供給圧力を徐々に上昇させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関制御装置。
- 前記要求噴射時間算出手段は、実際の空燃比が目標空燃比に近づくように前記要求噴射時間を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関制御装置。
- 前記判定手段により肯定判定されることがないと想定される正規燃料と、前記正規燃料以外の混入燃料との比率である混合比を、前記負荷上昇運転による負荷上昇量に基づき推定する混合比推定手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関制御装置。
- 前記燃料ポンプ制御手段は、前記燃料ポンプをオンオフ制御しており、該オンオフ制御のデューティ比を増加させることで前記負荷上昇運転させることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関制御装置。
- 前記燃料ポンプ制御手段は、前記肯定判定が為された後、前記判定手段による判定が前記否定判定に変わるまで、前記負荷上昇運転を継続させ、
前記判定手段により肯定判定されることがないと想定される正規燃料と、前記正規燃料以外の混入燃料との比率である混合比を、前記燃料ポンプ制御手段による前記デューティ比の増加量に基づき推定する混合比推定手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関制御装置。 - 前記燃料ポンプ制御手段は、前記供給圧力が目標圧力となるように前記燃料ポンプの運転を制御しており、前記目標圧力を増加させることで前記負荷上昇運転させることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関制御装置。
- 前記燃料ポンプ制御手段は、前記肯定判定が為された後、前記判定手段による判定が前記否定判定に変わるまで、前記負荷上昇運転を継続させ、
前記判定手段により肯定判定されることがないと想定される正規燃料と、前記正規燃料以外の混入燃料との比率である混合比を、前記燃料ポンプ制御手段による前記目標圧力の増加量に基づき推定する混合比推定手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関制御装置。 - 前記燃料ポンプから前記燃料噴射弁に至るまでの燃料供給経路には、前記供給圧力が設定値以上である場合に前記燃料ポンプの上流側に燃料を戻すリリーフ弁が設けられており、
前記燃料ポンプ制御手段は、前記設定値を高く変更することで前記負荷上昇運転させることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関制御装置。 - 請求項1〜9のいずれかに記載の内燃機関制御装置と、
燃料噴射弁に燃料を供給する燃料ポンプ及び前記燃料噴射弁の少なくとも一方と、
を備えることを特徴とする内燃機関制御システム。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007156570A JP2008309035A (ja) | 2007-06-13 | 2007-06-13 | 内燃機関制御装置及び内燃機関制御システム |
US12/119,852 US7810468B2 (en) | 2007-06-13 | 2008-05-13 | Controller and control system for internal combustion engine |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007156570A JP2008309035A (ja) | 2007-06-13 | 2007-06-13 | 内燃機関制御装置及び内燃機関制御システム |
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JP2007156570A Pending JP2008309035A (ja) | 2007-06-13 | 2007-06-13 | 内燃機関制御装置及び内燃機関制御システム |
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JP (1) | JP2008309035A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013529751A (ja) * | 2010-06-21 | 2013-07-22 | スカニア シーブイ アクチボラグ | 選択触媒還元システムにおける投入システムからの空気除去に関係する方法、および選択触媒還元システム |
-
2007
- 2007-06-13 JP JP2007156570A patent/JP2008309035A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013529751A (ja) * | 2010-06-21 | 2013-07-22 | スカニア シーブイ アクチボラグ | 選択触媒還元システムにおける投入システムからの空気除去に関係する方法、および選択触媒還元システム |
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