JP5100171B2 - 衝撃式作業工具 - Google Patents

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Description

本発明は、被加工材に直線状のハンマ作業を行う衝撃式作業工具において、ハンマ作業の際に被加工材から受ける反力を緩和する技術に関する。
特開平8−318342号公報(特許文献1)には、ハンマドリルにおいて、打撃動作後のビットの跳ね返りによる衝撃力を緩和する技術が開示されている。特許文献1に記載のハンマドリルでは、本体側部材であるシリンダの軸方向端面と、ビットに打撃を加える中間子としてのインパクトボルトとの間にラバーリング(緩衝部材)が介在されている。そしてビットの打撃動作後、当該被加工材から受ける反力でビットが跳ね返り、インパクトボルトがラバーリングに衝突したとき、当該ラバーリングが撓むことによって衝撃力を緩和する構成である。一方、ラバーリングは、ハンマ作業時における被加工材に対するハンマドリル本体の位置決め部材としても機能する。すなわち、ビットの打撃動作中は、使用者がハンマドリル本体に前方への押圧力を加えることで、ビットの先端を被加工材に押し付けた状態を維持する(ビットを打撃位置に保持する)が、このときのビットの押し付け力を本体側部材であるシリンダがラバーリングを介して受ける構成である。
上述したように、従来のラバーリングは、ハンマ作業時において、ビットの跳ね返りによる衝撃力を緩和する機能と、ハンマドリルの位置決め機能とを併有するものである。ビットの跳ね返りを緩衝するには、ラバーリングは柔らかいほうがよい。他方、ハンマドリルの位置決めをよくするにはラバーリングは硬いほうがよい。つまり従来のラバーリング構造では、当該ラバーリングには異なる性質が求められることになり、両機能を満足するような硬度に設定することが困難である、という点でなお改良の余地がある。
特開平8−318342号公報
本発明は、かかる点に鑑み、衝撃式作業工具において、打撃動作後のビットの跳ね返りによる衝撃力の低減に資する技術を提供することを目的とする。
上記課題を達成するため、本発明に係る衝撃式作業工具の好ましい形態は、工具ビットの長軸方向の打撃動作により被加工材に所定のハンマ作業を行う作業工具であり、工具本体と、工具本体の長軸方向に直線運動する打撃子と、打撃子の前方に置かれ、打撃子の直線動作を工具ビットに伝達する中間子と、を有する。なお本発明における「所定のハンマ作業」とは、工具ビットが直線状の打撃動作のみを行うハンマ作業のみならず、直線状の打撃動作と周方向の回転動作とを行うハンマドリル作業を包含する。
本発明の好ましい形態によれば、衝撃式作業工具は、工具本体側に設けられ、ハンマ作業に先立って、工具ビットが被加工材に押し付けられて打撃子側へと移動された際、工具ビットと当接して被加工材に対する工具本体の位置決めをなす位置決め部材と、工具ビットがハンマ作業をする際に、工具ビットが位置決め部材に当接した反力伝達位置において、工具ビットに当接した状態に置かれるとともに、工具ビットからの反力が伝達されることで打撃子側へ移動可能とされた衝撃吸収用のウェイトと、伝達された反力によって反力伝達位置から打撃子側へと移動するウェイトに押されて弾性変形し、これによって当該ウェイトに伝達された反力を吸収する弾性要素と、を有する。そしてウェイトが中間子によって構成され、また弾性要素は、ウェイトを、反力伝達位置を越えて工具ビット側に押さないように構成されていることを特徴としている。なお本発明における「弾性要素」としては、典型的には、バネがこれに該当するが、ゴムを適用してもよい。
ハンマ作業時において、工具ビットは、打撃動作後に被加工材から反力を受けて跳ね返る。本発明によれば、工具ビットが被加工材から受ける反力につき、工具ビットが位置決め部材に当接した反力伝達位置において、ウェイトとしての中間子が当該工具ビットに当接した状態で工具ビットから中間子へと伝達される構成としたものであり、当該反力がほぼ100%伝達されることになる。換言すれば、工具ビットと中間子との間で運動量が交換される形態での反力の伝達であり、この反力の伝達により中間子は反力の作用方向である打撃子側(後方)へと移動する。そして後方へと移動する中間子の反力は、当該中間子が弾性要素を弾性変形させることで吸収される。すなわち、本発明によれば、工具ビットに生ずる跳ね返りによる衝撃力(反力)を、中間子の後方への移動と、当該中間子の移動による弾性要素の弾性変形によって吸収することができ、これにより衝撃式作業工具の低振動化が実現される。
本発明によれば、ハンマ作業に先立って、工具ビットが被加工材に押し付けられて打撃子側へと移動された際、工具ビットと当接して被加工材に対する工具本体の位置決めをなす位置決め部材を備えている。これにより、工具ビットよりも打撃子側にある、工具ビット長軸方向への移動が許容される可動部品を衝撃吸収用のウェイトとして利用することが可能となる。本発明では、打撃子の打撃力を工具ビットに伝達する中間子を、衝撃吸収用のウェイトとして利用したものであり、このことによって、衝撃式作業工具の質量を増加させることなく、かつ既存の構造を大きく変更することなく、衝撃吸収用のウェイトを容易に確保できる。また既存部品を利用する構成のため、例えば衝撃吸収用のウェイトを別部材として追加する場合に比べて、構造が複雑化するとか、あるいは組み付け作業が煩雑化するといった問題も生じない。
本発明の衝撃式作業工具の更なる形態は、衝撃吸収用のウェイトとして、中間子の他に、当該中間子に当接した状態に置かれるとともに、中間子が工具ビットから伝達される反力で打撃子側へと移動される際、中間子と共に打撃子側へと移動可能とされた補助ウェイトを有する構成とされる。そして、弾性部材は、打撃子側へと移動される補助ウェイトに押されて弾性変形することで中間子に伝達された反力を吸収する構成とした。中間子は、打撃子の打撃力を工具ビットに伝達することを主たる機能とする部品である。本発明においては、衝撃吸収用のウェイトとして、中間子の他に補助ウェイトを有する構成としたものであり、このことにより当該中間子の質量を上記の打撃力の伝達に好適な値に設定し、その上で、当該中間子の質量のみでは衝撃吸収用の質量が不足する場合に、当該補助ウェイトによって不足分の質量を補うことができる。すなわち、本発明によれば、補助ウェイトを設けることによって、中間子の質量を打撃動作用として適正に設定しつつ、衝撃吸収用として必要とされる質量を容易に確保することができる。
本発明の衝撃式作業工具の更なる形態は、打撃子を直線動作可能に収容するシリンダと、シリンダ内において、工具ビットの長軸方向に直線運動を行う駆動子と、シリンダ内において、駆動子と打撃子との間に形成された空気室と、を有する。そして駆動子の直線運動に伴う空気室の圧力変動によって打撃子が直線動作する構成とされる。また空気室と外部とを連通する連通部と、シリンダの外側に配置され、連通部を開く開放位置と連通部を閉じる閉止位置との間で移動可能とされた弁部材と、弁部材を開放位置に移動するべく付勢力を作用する付勢部材と、を更に有する。なお本発明における「付勢部材」は、典型的には、バネがこれに該当する。弁部材は、工具ビットが被加工材に押し付けられていない状態では、開放位置に置かれ、ハンマ作業に先立って、工具ビットが被加工材に押し付けられて打撃子側へと移動されたときには、工具ビットと共に打撃子側へと移動される中間子により押されて閉止位置へと移動される構成とした。
本発明によれば、工具ビットが被加工材に押し付けられていない状態、すなわち無負荷時には、弁部材は付勢部材の付勢力によって連通部を開く開放位置に保持される。この状態では駆動子が直線動作されても空気室の圧力変動(バネ作用)が不能な状態(無効)とされ、打撃子の直線動作を制止して工具ビットの空打ちを防止する。一方、ハンマ作業に先立って、工具ビットが被加工材に押し付けられた状態、すなわち負荷時には、弁部材は工具ビットとともに打撃子側へと移動する中間子に押されて打撃子側へと後退動作し、通気孔を閉じる閉止位置へ移動する。これにより、空気室のバネ作用が可能な状態(有効)、すなわちハンマ作業が可能な状態に切り替えられる。
本発明によれば、中間子を空打ち防止用の弁部材を移動する手段として利用する構成である。つまり中間子は、弁部材を開放位置から閉止位置へと移動させるための動作伝達部材を兼用する構成である。これにより、中間子は、打撃子の打撃力を工具ビットに伝達する本来の打撃力伝達機能に加えて、空打ち防止用の弁部材を移動させる機能と、工具ビットに作用する反力を吸収する機能と、を備えることになる。このため、例えば弁部材を移動させる機能および反力を吸収する機能をそれぞれ別の部材に求める構成に比べ、衝撃式作業工具の質量の低減が可能となるとともに、部品点数も削減されるので、構造の簡素化が図られことになる。
本発明によれば、衝撃式作業工具において、打撃動作後のビットの跳ね返りによる衝撃力の低減に資する技術が提供されることとなった。
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態につき、図1〜図4を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は、衝撃式作業工具の一例として電動式のハンマドリルを用いて説明する。図1は本実施の形態に係る電動式ハンマドリルの全体構成を示す側断面図、図2はハンマドリルの主要部を示す拡大断面図である。図3はストライカがハンマビットを打撃した打撃時を示す断面図、図4はインパクトボルトが反力緩衝用のウェイトとして作動した作動時を示す断面図である。
図1に示すように、本実施の形態に係るハンマドリル101は、概括的に見て、ハンマドリル101の外郭を形成する本体部103と、当該本体部103の先端領域(図示左側)にツールホルダ137を介して着脱自在に取付けられたハンマビット119と、本体部103のハンマビット119の反対側に連接された作業者が握るハンドグリップ109とを主体として構成されている。本体部103は、本発明における「工具本体」に対応し、ハンマビット119は本発明における「工具ビット」に対応する。ハンマビット119は、ツールホルダ137によってその長軸方向への相対的な往復動が可能に、かつその周方向への相対的な回動が規制された状態で保持される。なお説明の便宜上、ハンマビット119側を前、ハンドグリップ109側を後という。
本体部103は、駆動モータ111を収容したモータハウジング105と、駆動機構としての運動変換機構113、打撃要素115および動力伝達機構117を収容したギアハウジング107とによって構成されている。駆動モータ111の回転出力は、運動変換機構113によって直線運動に適宜変換された上で打撃要素115に伝達され、当該打撃要素115を介してハンマビット119の長軸方向(図1における左右方向)への衝撃力を発生する。また駆動モータ111の回転出力は、動力伝達機構117によって適宜減速された上でハンマビット119に伝達され、当該ハンマビット119が周方向に回転動作される。ハンドグリップ109は、側面視で概ねコの字形に形成されるとともに、下端側が回動軸109aを介してモータハウジング105の後端下部に前後方向に回動可能に連接され、上端側が振動吸収用の弾性バネ109bを介してモータハウジング105の後端上部に連接されている。これによって、本体部103からハンドグリップ109への振動の伝達が低減されている。またハンドグリップ109には、作業者が引き操作することで駆動モータ111を通電駆動するトリガ109cが設けられている。
図2に示すように、運動変換機構113は、駆動モータ111により水平面内にて回転駆動される駆動ギア121、当該駆動ギア121に噛み合い係合する被動ギア123、当該被動ギア123と一体に水平面内にて回転するクランク板125、当該クランク板125の回転中心から所定距離偏心した位置に一方の端部が偏心軸126を介して遊嵌状に連接されたクランクアーム127、当該クランクアーム127の他端部に連結軸128を介して取り付けられた駆動子としてのピストン129を主体として構成される。上記のクランク板125、クランクアーム127、ピストン129によってクランク機構が構成される。
一方、動力伝達機構117は、駆動モータ111によって駆動される駆動ギア121、当該駆動ギア121に噛み合い係合する伝達ギア131、当該伝達ギア131とともに水平面内にて回転される伝達軸133、当該伝達軸133に設けられた小ベベルギア134、当該小ベベルギア134に噛み合い係合する大ベベルギア135、当該大ベベルギア135とともに鉛直面内にて回転されるツールホルダ137を主体として構成される。なおハンマドリル101は、ハンマビット119に対し長軸方向への打撃力のみを加えて被加工材の加工作業を行うハンマ作業と、長軸方向への打撃力と周方向への回転力とを加えて被加工材の加工作業を行うハンマドリル作業とを適宜切り替えて遂行できるように構成されるが、このことについては、本発明には直接的には関係しないため、その説明を省略する。被加工材については、便宜上その図示を省略する。
打撃要素115は、シリンダ141のボア内壁に摺動自在に配置された打撃子としてのストライカ143と、ツールホルダ137に摺動自在に配置されるとともに、ストライカ143の運動エネルギをハンマビット119に伝達する中間子としてのインパクトボルト145とを主体として構成される。ストライカ143は、ピストン129の摺動動作に伴うシリンダ141の空気室141aの空気バネを介して駆動され、ツールホルダ137に摺動自在に配置された中間子としてのインパクトボルト145に衝突(打撃)し、当該インパクトボルト145を介してハンマビット119に打撃力を伝達する。なおインパクトボルト145は、軸方向において、ツールホルダ137の筒孔内周面に嵌合する大径部145aと、大径部145aの前側に一体に形成された前側小径部145bと、大径部145aの後側に一体に形成された後側小径部145cとを有する。
ハンマドリル101は、作業者が本体部103に前方への押圧力を加えてハンマビット119を被加工材に押し付けた負荷状態において、後方(ピストン129側)へと押し込まれるハンマビット119と当接することによって被加工材に対し本体部103を位置決めする位置決め部材151を有する。位置決め部材151は、リング状に形成されたゴム製のラバーリング153と、当該ラバーリング153の軸方向前面側に接合された硬質の前金属座金155と、ラバーリング153の軸方向後面側に接合された硬質の後金属座金157とからなるユニット部品であり、インパクトボルト145の前側小径部145bに遊嵌状に嵌合されている。また前金属座金155の軸方向前端がツールホルダ137の段差部に当接され、後金属座金157の軸方向後端がツールホルダ137に装着された移動規制部材としての止輪159に当接されている。
位置決め部材151は、ハンマビット119が後方へ押し込まれたとき、当該ハンマビット119の後端のテーパ状端部119aが位置決め部材151の前金属座金155に当接し、後金属座金157がツールホルダ137に止輪159に当接する構成とされる。これにより、位置決め部材151のラバーリング153は、ハンマビット119をツールホルダ137に対し弾発状に連結する。なおツールホルダ137は、ギアハウジング107に対しハンマビット長軸方向への移動が規制された状態で装着されている。また前金属座金155は、その内径部がテーパ状に形成され、ハンマビット119が後方へ押し込まれたとき、そのテーパ状内径部が当該ハンマビット119のテーパ状端部119aに密接状に当接される。
本実施の形態に係るハンマドリル101は、被加工材に対するハンマ作業時において、打撃動作後のハンマビット119の跳ね返りによる衝撃力(反力)を吸収する衝撃吸収機構を備えている。本実施の形態では衝撃吸収機構は、ハンマビット119の長軸方向において、当該ハンマビット119の後端面と当接するインパクトボルト145と、当該インパクトボルト145をハンマビット119側(前方)に付勢する圧縮コイルバネ165とによって構成されている。すなわち、本実施の形態では、ハンマドリル101の主体部分を構成する既存部品としてのインパクトボルト145を利用して緩衝用のウェイトを構成している。ウェイトとしてのインパクトボルト145および圧縮コイルバネ165を主体として構成される衝撃吸収機構は、インパクトダンパーとも呼ばれる。インパクトボルト145は、本発明における「ウェイト」に対応し、圧縮コイルバネ165は、本発明における「弾性要素」に対応する。
インパクトボルト145は、その大径部145aがツールホルダ137の筒状部内周面にハンマビット長軸方向への移動可能に嵌合され、前側小径部145bの前端面がハンマビット119の後端面に面接触状態で当接される。圧縮コイルバネ165は、インパクトボルト145の後側小径部145cの外側において、シリンダ141の外側とツールホルダ137の内側との間の空間部に配置されるとともに、軸方向一端が円板状のプレート163を介してインパクトボルト145に当接され、軸方向他端がツールホルダ137に固定されたバネ受リング167に当接されている。すなわち、圧縮コイルバネ165は、インパクトボルト145とツールホルダ137との間に所定の初期荷重が掛けられた状態で弾発状に介在されており、これにより円板状のプレート163を介してインパクトボルト145が前方に付勢されている。なお円板状のプレート163は、中央部に円形の孔を有し、その孔縁に形成されたテーパ部がインパクトボルト145の大径部145aと後側小径部145cとの境界領域に形成された後側テーパ部145eに当接されている。
また圧縮コイルバネ165によって前方へと付勢される円板状のプレート163は、ツールホルダ137の内周面に形成された段差状の位置規制用ストッパ169に当接することで打撃位置を越えて前方へ移動しないようにその動きが止められている。すなわち、ハンマビット119が押し込まれていない無負荷状態では、インパクトボルト145を前方へと付勢する圧縮コイルバネ165の付勢力は、打撃位置を越えて前方に作用しないように構成されている。なお打撃位置とは、被加工材に押し付けられて後退動作されたハンマビット119が位置決め部材151の前金属座金155に当接された位置、すなわち被加工材に対する本体部103の位置決め位置において、ストライカ143がインパクトボルト145に衝突(打撃)する位置であり、この位置は、ハンマビット145からの反力がインパクトボルト145に伝達する位置でもある。この位置が、本発明における「反力伝達位置」に対応する。
ハンマビット119が被加工材に押し付けられ、ハンマビット119が後方へ押し込まれ、その後端のテーパ状端部119aが位置決め部材151の前金属座金155に当接された負荷状態、すなわち被加工材に対し本体部103が位置決めされた状態では、インパクトボルト145は、ハンマビット119の後端部で押されて後方へと移動し、その後側テーパ部145eがプレート163に当接される構成とされる。この状態が図1〜図3に示される。この負荷状態において、ストライカ143によってインパクトボルト145に対する打撃作用が行われる。一方、圧縮コイルバネ165は、ハンマビット119からの反力を受けたインパクトボルト145が後方へと移動されたとき、当該インパクトボルト145に押されて弾性変形し、これによって反力を吸収する。
次に上記のように構成されるハンマドリル101の作用について説明する。駆動モータ111が通電駆動されると、その回転出力により、駆動ギア121が水平面内にて回動動作する。すると、駆動ギア121に噛み合い係合される被動ギア123を介してクランク板125が水平面内を周回動作し、これによってクランクアーム127を介してピストン129がシリンダ141内を直線状に摺動動作される。ピストン129の摺動動作に伴うシリンダ141内の空気バネの作用により、ストライカ143はシリンダ141内を直線運動してインパクトボルト145に衝突(打撃)することで、その運動エネルギをハンマビット119へと伝達する。これにより、ハンマビット119は長軸方向の打撃動作を行い、被加工材にハンマ作業を遂行する。
ハンマドリル101がハンマドリルモードで駆動されるときは、駆動モータ111の回転出力によって回転される駆動ギア121に噛み合い係合する伝達ギア131、伝達軸133および小ベベルギア134が一体状に水平面内にて回転動作する。すると、小ベベルギア134に噛み合い係合する大ベベルギア135が鉛直面内にて回転し、この大ベベルギア135とともにツールホルダ137およびこのツールホルダ137にて保持されるハンマビット119が一体状に回転される。かくして、ハンマドリルモードでの駆動時には、ハンマビット119が長軸方向の打撃動作と周方向の回転動作を行い、被加工材にハンマドリル作業を遂行する。
さて、上記作業は、ハンマビット119が被加工材に押し付けられ、ハンマビット119が後方へと押し込まれた状態で行われる。ハンマビット119の後方への押し込みによって当該ハンマビット119が位置決め部材151の前金属座金155に当接されるとともに、後金属座金157が止輪159によって後方への移動が規制される。すなわち、ハンマビット119の押し込み力は、本体部103側部材であるツールホルダ137によって受けられ、これによって被加工材に対して本体部103が位置決めされる。このとき、インパクトボルト145は、後方へと押し込まれるハンマビット119により押されて後方へと移動され、その後側テーパ面145eがプレート163に当接される。この状態でハンマ作業あるいはハンマドリル作業が遂行されることになる。図1〜図3には全てこの状態が示される。
そしてハンマビット119の被加工材に対する打撃動作後、当該ハンマビット119には被加工材からの反力によって跳ね返りが生ずる。このとき、インパクトボルト145がハンマビット119に当接しているため、ハンマビット119の反力は、インパクトボルト145に伝達される。換言すれば、ハンマビット119とインパクトボルト145との間で運動量が交換される。このような反力の伝達によりハンマビット119は、打撃位置にほぼ静止した状態に置かれ、一方、インパクトボルト145は、反力の作用方向である後方へと移動する。そして後方へと移動するインパクトボルト145の反力は、当該インパクトボルト145がプレート163を介して圧縮コイルバネ165を弾性変形させることで吸収される。この状態が図4に示される。
このとき、ハンマビット119に対し前金属座金155を介して当接状態に置かれるラバーリング153にも当然のことながらハンマビット119の反力が作用する。ところで、力の伝達は、当接状態に置かれる物体のヤング率に対応して伝達率も高くなる。本実施の形態によれば、インパクトボルト145が硬質の金属製であり、ヤング率が高い(大きい)。一方、ラバーリング153はゴム製であり、ヤング率が低い。このため、ハンマビット119の反力は、その大部分が金属製のハンマビット119に対し当接状態に置かれるヤング率の高いインパクトボルト145に伝達されることになる。かくして、ハンマビット119に生ずる跳ね返りによる衝撃力は、インパクトボルト145の後方への移動と、当該インパクトボルト145の移動による圧縮コイルバネ165の弾性変形によって効率よく吸収することが可能となり、ハンマドリル101の低振動化が実現される。
このように、本実施の形態によれば、打撃動作後にハンマビット119が被加工材から受ける反力は、当該ハンマビット119からインパクトボルト145にその大部分が伝達されるため、ハンマビット119は打撃位置から見てほぼ静止状態に置かれる。このため、ラバーリング153に作用する反力は小さいものとなり、当該反力によるラバーリング153の弾性変形量は極僅かとなり、その後の反発力も低減する。またハンマビット119の反力を、インパクトボルト145および圧縮コイルバネ165によって吸収することができる結果、ラバーリング153についてはこれを硬く形成することができる。その結果、当該ラバーリング153を介して行う本体部103の被加工材に対する位置決めの適正化を図ることができる。
さて、本実施の形態においては、ギアハウジング107にハンマビット長軸方向の移動が規制された状態に装着されたツールホルダ137に位置決め部材151を設け、被加工材に押し付けられ、後方へと移動されたハンマビット119が位置決め部材151に当接する構成としている。すなわち、ハンマビット119によって本体部103の位置決めを行う構成としている。このため、ハンマビット119よりも後方に位置している既存部品を、反力吸収用のウェイトとして利用することが可能となる。そして本実施の形態においては、インパクトボルト145を反力吸収用のウェイトとして利用したものであり、このことによって、ハンマドリル101の質量を増加させることなく、かつ既存の構造を大きく変更することもなく、反力吸収用のウェイトを容易に確保できる。またインパクトボルト145を反力吸収用のウェイトとして利用する構成のため、例えば反力吸収用のウェイトを別部材として追加設定する場合とは異なり、構造が複雑化するとか、あるいは組み付け作業が煩雑化するといった問題も生じない。
(本発明の第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態につき、図5を参照しつつ説明する。この実施の形態に係るハンマドリル101は、打撃動作時の反力(跳ね返り)を吸収する反力吸収用として設けられるウェイトとして、インパクトボルト145に加え、補助ウェイトを備えたものであり、他の点は、前述の第1の実施形態と同様に構成される。このため、第1の実施形態と同一の構成部材については同一符号を付してその説明を省略あるいは簡略にする。
この実施の形態に係るハンマドリル101は、補助ウェイトとしての筒状ウェイト171を有する。筒状ウェイト171は、インパクトボルト145の後側小径部145cの外側において、シリンダ141の外側とツールホルダ137の内側間の空間部にハンマビット長軸方向に移動可能に配置されている。筒状ウェイト171は、円筒状に形成されており、前端部には内向きに張り出す内側フランジ部171aが形成されている。筒状ウェイト171の内側フランジ部171aは、インパクトボルト145の後側テーパ部145eに後方側から当接されている。
圧縮コイルバネ165は、シリンダ141の外側とツールホルダ137の内側間の空間部に配置されるとともに、軸方向一端が筒状ウェイト171の後端部に当接され、軸方向他端がツールホルダ137に固定されたバネ受リング167に当接されている。すなわち、圧縮コイルバネ165は、筒状ウェイト171とツールホルダ137との間に所定の初期荷重が掛けられた状態で弾発状に介在されており、これにより筒状ウェイト171を介してインパクトボルト145が前方に付勢されている。なお圧縮コイルバネ165によって前方へと付勢される筒状ウェイト171は、ツールホルダ137の内周面に形成された段差状の位置規制用ストッパ169にゴムリング173を介して当接することで打撃位置を越えて前方へ移動しないようにその動きが止められている。すなわち、ハンマビット119が押し込まれていない無負荷状態では、圧縮コイルバネ165の付勢力は、打撃位置を越えて前方に作用しないように構成されている。
上記のように構成された実施の形態によれば、ハンマビット119が被加工材に押し付けられ、ハンマビット119が後方へと押し込まれると、当該ハンマビット119が位置決め部材151の前金属座金155に当接され、これによって被加工材に対して本体部103が位置決めされる。このとき、インパクトボルト145は、後方へと押し込まれるハンマビット119によって後方へと押され、後側テーパ部145eが筒状ウェイト171の内側フランジ部171aに当接される。この状態でハンマ作業あるいはハンマドリル作業が遂行されることになる。
ハンマ作業時あるいはハンマドリル作業時において、ハンマビット119には被加工材からの反力によって跳ね返りが生ずる。このとき、インパクトボルト145がハンマビット119に当接され、筒状ウェイト171がインパクトボルト145に当接されているため、ハンマビット119の反力は、当該ハンマビット119からインパクトボルト145および筒状ウェイト171へと伝達される。このような反力の伝達によりハンマビット119は、打撃位置にほぼ静止した状態に置かれ、一方、インパクトボルト145および筒状ウェイト171は、反力の作用方向である後方へ一体となって移動する。そして後方へと移動するインパクトボルト145および筒状ウェイト171の反力は、当該筒状ウェイト171が圧縮コイルバネ165を弾性変形させることで吸収される。
すなわち、第2の実施形態によれば、ハンマビット119に生ずる跳ね返りによる反力は、インパクトボルト145と筒状ウェイト171の後方への移動と、当該移動による圧縮コイルバネ165の弾性変形によって効率よく吸収することが可能となり、ハンマドリル101の低振動化が実現される。
本実施の形態においては、反力吸収用のウェイトとして、インパクトボルト145の他に、筒状ウェイト171を有する構成とした。このことにより、インパクトボルト145の質量については、ストライカ143の打撃力をハンマビット119に伝達する上で好ましい値に設定し、その上で、当該インパクトボルト145の質量だけでは、反力緩衝用の質量が不足するような場合に、筒状ウェイト171によって不足分の質量を補うことが可能となる。すなわち、本実施の形態によれば、筒状ウェイト171を設けることによって、インパクトボルト145の質量を打撃動作用として適正に設定しつつ、反力吸収用として要求される質量を容易に確保することができる。
(本発明の第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態につき、図6および図7を参照しつつ説明する。この実施の形態に係るハンマドリル101は、ハンマビット119が後方に押し込まれていない無負荷状態で駆動モータ111が通電駆動されたときの、当該ハンマビット119の打撃動作を禁止する空打ち防止機構181を備えている。この実施の形態は、空打ち防止機構181を有効とする状態と無効とする状態との間での切替動作、すなわち、ハンマビット119の打撃動作を禁止する状態と、許容する状態との間での切替動作を、インパクトボルト145を利用して行なわせる構成としたものであり、他の点は、前述の第1の実施形態と同様に構成される。このため、第1の実施形態と同一の構成部材については同一符号を付してその説明を省略あるいは簡略にする。
空気バネの作用を介してストライカ143を駆動する空気室141aは、シリンダ141に形成された通気孔141bを介して外部と連通されている。空打ち防止機構181は、この通気孔141bの開閉を制御する手段として備えられる。通気孔141bは、本発明における「連通部」に対応する。空打ち防止機構181は、通気孔141bを開く開き位置と、通気孔141bを閉じる閉じ位置との間で切り替え動作される作動スリーブ183と、作動スリーブ183が通気孔141bを開く開き位置に置かれるように当該作動スリーブ183を開き位置へと付勢する加圧バネ185とを主体として構成される。作動スリーブ183は、本発明における「弁部材」に対応し、加圧バネ185は、本発明における「付勢部材」に対応する。また開き位置は、本発明における「開放位置」に対応し、閉じ位置は、本発明における「閉止位置」に対応する。
なお、この実施形態では、インパクトボルト145の大径部145aと後側小径部145cとの間に中径部145fが形成されている。そして、ハンマビット119とともにインパクトボルト145が後方に押し込まれた負荷時には、大径部145aと中径部145fとの間に形成された中間テーパ部145gが円板状のプレート163の前面に当接されるように構成されている。
作動スリーブ183は、シリンダ141の外周領域に配置されるとともに、ハンマビット長軸方向に移動可能とされている。作動スリーブ183は、その前端部に内径側に張り出す内径フランジ部183aを有する。そして作動スリーブ183は、ハンマビット119が被加工材に押し付けられたとき、当該ハンマビット119とともに後方へと押し込まれるインパクトボルト145の後側テーパ部145eによって内径フランジ部183aを押されて後方へと移動され、通気孔141bを閉じる構成とされる。この状態が図7に示される。
加圧バネ185は、作動スリーブ183とツールホルダ137との間に介在され、ハンマビット119が被加工材に押し付けられていない無負荷状態では、当該作動スリーブ183を前方へと付勢して通気孔141bを開く開き位置に保持する。この状態が図6に示される。通気孔141bが開いたときに空気バネの作用が無効とされ、通気孔141bが閉じたときに空気バネの作用が有効とされる。
なお本実施の形態では、作動スリーブ183は軸方向において分割された2つのスリーブによって構成された態様で図示しているが、それら両スリーブは互いに一体となって移動するものであり、実質的には一部品であっても差し支えない。
次に上記のように構成されるハンマドリル101の作用について説明する。図6にはハンマビット119に後方への押し込み力が作用していない無負荷状態が示される。この無負荷状態では、空打ち防止機構181の加圧バネ185の作用により、作動スリーブ183が前方に押されて通気孔141bを開く開き位置に置かれている。この状態では、空気室141aが通気孔141bを介して外部に連通しており、空気バネの作用が無効とされる。またインパクトボルト145は作動スリーブ183とともに加圧バネ185によって前方に押され、前側テーパ部145dが位置決め部材151の後金属座金157に当接されている。
一方、使用者によりハンマビット119が被加工材に押し付けられ、当該被加工材にて押し返されたハンマビット119とともにインパクトボルト145が後方へと押し込まれた負荷時には、後方へと移動されたインパクトボルト145の後側テーパ部145eが作動スリーブ183の内径フランジ部183aに当接し、当該作動スリーブ183を加圧バネ185の付勢力に抗して後方へと移動させる。これにより、作動スリーブ183が空気室141aの通気孔141bを閉じ、空気バネの作用を有効とする。また後方へと押し込まれたハンマビット119は、その後端部が位置決め部材151の前金属座金155に当接し、これによりハンマビット119に作用する押し込み力は、本体部103側部材であるツールホルダ137によって受けられ、かくして被加工材に対する本体部103の位置決めがなされる。このとき、インパクトボルト145の中間テーパ部145gが円板状のプレート163に当接される。この負荷状態が図7に示される。
駆動モータ111が通電駆動され、クランク機構を介してピストン129がシリンダ141内を直線状に摺動動作されるとき、作動スリーブ183が通気孔141bを開く開き位置に置かれた無負荷状態であれば、当該空気室141aの空気が通気孔141bを通じて外部へ放出あるいは吸入されることになり、空気室141aに圧縮バネの作用が生じない。すなわち、ハンマビット119の空打ちが防止される。
一方、作動スリーブ183が通気孔141bを閉じる閉じ位置に置かれた負荷状態では、ピストン129の摺動動作に伴う空気室141aの空気バネの作用を介してストライカ143はシリンダ141内を直線運動してインパクトボルト145に衝突(打撃)し、その運動エネルギをハンマビット119へと伝達する。これにより、ハンマビット119は長軸方向の打撃動作を行い、被加工材にハンマ作業を遂行する。なお、ハンマドリル101がハンマドリルモードで駆動されるときは、第1の実施形態で説明したように、ハンマビット119は、長軸方向の打撃動作と周方向の回転動作を行い、被加工材にハンマドリル作業を遂行する。
上記のハンマ作業あるいはハンマドリル作業時において、ハンマビット119に被加工材からの反力による跳ね返りが生ずると、ハンマビット119の反力は、当該ハンマビット119の後端部に当接されているインパクトボルト145に伝達される。このような反力の伝達によりハンマビット119は、打撃位置にほぼ静止した状態に置かれ、一方、インパクトボルト145は、反力の作用方向である後方へと移動する。インパクトボルト145に伝達された反力は、後方へと移動する当該インパクトボルト145が圧縮コイルバネ165を弾性変形させることで吸収される。
すなわち、第3の実施形態によれば、ハンマビット119に生ずる跳ね返りによる反力は、インパクトボルト145の後方への移動と、当該移動による圧縮コイルバネ165の弾性変形によって効率よく吸収することが可能となり、ハンマドリル101の低振動化が実現される。なおインパクトボルト145が後方へ移動される際、作動スリーブ183は、当該インパクトボルト145とともに後方へ移動されるが、通気孔141bを閉じた状態を維持する。このため、ハンマ作業あるいはハンマドリル作業中時の空気バネの有効状態が維持され、動作状の問題は生じない。
上述のように、本実施の形態に係るインパクトボルト145は、ストライカ143の打撃力をハンマビット119に伝達する本来の打撃力伝達機能に加えて、ハンマビット119に作用する反力を吸収する反力吸収用のウェイトとしての機能、および空打ち防止機構181の作動スリーブ183を、空気バネの作用を有効とする位置と無効とする位置との間で移動させる状態切替部材としての機能を有する。このため、これらの各機能を他部材に求める構成に比べ、衝撃式作業工具の質量の低減が可能となり、また部品点数も削減されるので、構造の簡素化が図られことになる。
なお、便宜上図示を省略するが、前述した実施の形態の他、下記の如き変更例を構成することが可能である。例えば、第2の実施の形態における補助ウェイトとして、筒状ウェイト171に代えてあるいは追加の形でシリンダ141を利用することが可能である。その場合、シリンダ141は、本体部103としてのギアハウジング107に対しハンマビット長軸方向に移動可能に装着される。そして圧縮コイルバネ165によりインパクトボルト145側に向って付勢されるとともに、ハンマビット119とともにインパクトボルト145が後方へと押し込まれた負荷時に、その前端部が当該インパクトボルト119に当接可能に構成され、その当接位置において、ハンマビット119に作用する反力を吸収する反力吸収用のウェイトとして機能する。
また、第2の実施の形態における補助ウェイトとして、筒状ウェイト171に代えてあるいは追加の形でツールホルダ137を利用することも可能である。その場合、ツールホルダ137は、ハンマビット119を保持する前側のビット保持部分と、動力伝達部を構成する後方の延長部分とに分割された分割構造とされる。そして後方の延長部分が前側のビット保持部分に対しハンマビット長軸方向に移動可能に連接されるとともに、更に後方の延長部分が圧縮コイルバネ165によりインパクトボルト145側に向って付勢されるとともに、ハンマビット119とともにインパクトボルト145が後方へと押し込まれた負荷時に、延長部分の前端部が当該インパクトボルト145に当接可能に構成され、その当接位置において、ハンマビット119に作用する反力を吸収する反力吸収用のウェイトとして機能する。
また、第2の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせてもよい。つまり、補助ウェイトとしての筒状ウェイト171を備えた上で、インパクトボルト145に、空打ち防止機構181の作動スリーブ183を、空気室141aの空気バネの作用を有効とする位置と無効とする位置との間で移動させる機能を持たせるように構成してもよい。
また、上述した実施の形態は、衝撃式作業工具としてハンマドリル101を例にとって説明しているが、ハンマドリル101に限らず、ハンマに適用できることは当然である。
また、上述した実施の形態では、ハンマビット119を直線状に駆動するために、駆動モータ111の回転出力を直線運動に変換する運動変換機構113としてクランク機構を用いた場合で説明したが、運動変換機構は、クランク機構に限られるものではなく、例えば軸方向に揺動運動を行うスワッシュプレート(斜板)を利用する運動変換機構を用いることが可能である。
本発明の第1の実施形態に係るハンマドリルの全体構成を示す側断面図である。 ハンマドリルの主要部を示す拡大断面図である。 ハンマドリルを示す平断面図であり、打撃時を示す。 ハンマドリルを示す平断面図であり、インパクトボルト(ウェイト)およびコイルバネの反力吸収作動時を示す。 本発明の第2の実施形態に係るハンマドリルを示す平断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るハンマドリルを示す平断面図であり、ハンマビットが被加工材に押し付けられていない無負荷時を示す。 ハンマドリルを示す平断面図であり、ハンマビットが被加工材に押し付けられた負荷時を示す。
101 ハンマドリル(衝撃式作業工具)
103 本体部(工具本体)
105 モータハウジング
107 ギアハウジング
109 ハンドグリップ
109a 回動軸
109b 弾性バネ
109c トリガ
111 駆動モータ
113 運動変換機構
115 打撃要素
117 動力伝達機構
119 ハンマビット
119a テーパ状端部
121 駆動ギア
123 被動ギア
125 クランク板
126 偏心軸
127 クランクアーム
128 連結軸
129 ピストン(駆動子)
131 伝達ギア
133 伝達軸
134 小ベベルギア
135 大ベベルギア
137 ツールホルダ
141 シリンダ
141a 空気室
141b 通気孔
143 ストライカ(打撃子)
145 インパクトボルト(中間子)
145a 大径部
145b 前側小径部
145c 後側小径部
145d 前側テーパ部
145e 後側テーパ部
145f 中径部
145g 中間テーパ部
151 位置決め部材
153 ラバーリング
155 前金属座金
157 後金属座金
159 止輪
163 プレート
165 圧縮コイルバネ(弾性要素)
167 バネ受リング
169 位置規制用ストッパ
171 筒状ウェイト(補助ウェイト)
171a 内側フランジ部
173 ゴムリング
181 空打ち防止機構
183 作動スリーブ
183a 内径フランジ部
185 加圧バネ

Claims (3)

  1. 工具ビットの長軸方向の打撃動作により被加工材に所定のハンマ作業を行う衝撃式作業工具であって、
    工具本体と、
    前記工具ビットの長軸方向に直線運動する打撃子と、
    前記打撃子の前方に置かれ、前記打撃子の直線動作を前記工具ビットに伝達する中間子と、
    前記工具本体側に設けられ、前記ハンマ作業に先立って、前記工具ビットが前記被加工材に押し付けられて前記打撃子側へと移動された際、前記工具ビットと当接して被加工材に対する前記工具本体の位置決めをなす位置決め部材と、
    前記工具ビットが前記ハンマ作業をする際に、前記工具ビットが前記位置決め部材に当接した反力伝達位置において、前記工具ビットに当接した状態に置かれるとともに、前記工具ビットからの反力が伝達されることで前記打撃子側へ移動可能とされた衝撃吸収用のウェイトと、
    伝達された反力によって前記反力伝達位置から前記打撃子側へと移動する前記ウェイトに押されて弾性変形し、これによって当該ウェイトに伝達された反力を吸収する弾性要素と、を有し、
    前記ウェイトは、前記中間子によって構成され、
    前記弾性要素は、前記ウェイトを、前記反力伝達位置を越えて前記工具ビット側に押さないように構成されていることを特徴とする衝撃式作業工具。
  2. 請求項1に記載の衝撃式作業工具であって、
    前記衝撃吸収用のウェイトとして、前記中間子の他に、前記中間子に対し前記打撃子側から当接した状態に置かれるとともに、前記中間子が前記工具ビットから伝達される反力で前記打撃子側へと移動される際、前記中間子と共に前記打撃子側へと移動可能とされた補助ウェイトを有し、
    前記弾性部材は、前記打撃子側へと移動される前記補助ウェイトに押されて弾性変形することで前記中間子に伝達された反力を吸収する構成としたことを特徴とする衝撃式作業工具。
  3. 請求項1または2に記載の衝撃式作業工具であって、
    前記打撃子を直線動作可能に収容するシリンダと、
    前記シリンダ内において、前記工具ビットの長軸方向に直線運動を行う駆動子と、
    前記シリンダ内において、前記駆動子と前記打撃子との間に形成された空気室と、を有し、
    前記駆動子の直線運動に伴う前記空気室の圧力変動によって前記打撃子が直線動作する構成とされ、
    前記空気室と外部とを連通する連通部と、
    前記シリンダの外側に配置され、前記連通部を開く開放位置と前記連通部を閉じる閉止位置との間で移動可能とされた弁部材と、
    前記弁部材を前記開放位置に移動するべく付勢力を作用する付勢部材と、を更に有し、
    前記弁部材は、前記工具ビットが被加工材に押し付けられていない状態では、前記開放位置に置かれ、前記ハンマ作業に先立って、前記工具ビットが前記被加工材に押し付けられて前記打撃子側へと移動されたときには、前記工具ビットと共に前記打撃子側へと移動される前記中間子により押されて前記閉止位置へと移動される構成としたことを特徴とする衝撃式作業工具。
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