JP2008307564A - 鍛造成形用金型および鍛造成形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】移動可能なパンチ11を有する可動型10と、歯面成形部23aを有するダイス23とダイスを支持する下型22と下型に嵌挿されるノックアウト型24とを有する固定型20とを備え、歯面成形部の歯面成形面23bには抜き勾配θが設けられ、ダイスと下型とノックアウト型とで成形空間26が構成され、パンチによりビレット5を加圧変形させて成形する鍛造成形用金型1であって、ダイスの歯面成形部と下型との間に隙間23cが形成されるとともに、ダイスの歯面成形部のパンチ側面にビレットが流入可能な凹溝部23dが形成され、成形時に凹溝部にビレットが流入して、隙間が形成されている部分の歯面成形部が、凹溝部に流入したビレットを介して下型側へ押圧されて弾性変形し、歯面成形部の歯面成形面の抜き勾配が減少した状態で成形が行われる。
【選択図】図1
Description
このように、抜き勾配が設けられている金型により成形品を成形した場合、成形品の歯面部には前記抜き勾配分の余分な取代が付くため、前記成形品に機械加工を施すことで製品として必要な寸法を得ている。
そこで、従来においては、特許文献1に示すように、熱間鍛造によって抜き勾配を付した歯形を鍛造した後、その抜き勾配よりも緩い抜き勾配を有した金型を用いて冷間または温間コイニングを行い、さらに抜き勾配がない金型を用いて冷間サイジングを行うことで、抜き勾配のない製品を得るようにした技術が考案されている。
そこで、本発明においては、多工程を要することなく、さらに複雑かつ高精度な機械加工を行うことなく、抜き勾配のない歯面を備えた製品を得ることが可能な鍛造成形用金型および鍛造成形方法を提供するものである。
即ち、請求項1記載の如く、互いに対向配置される可動型と固定型とで構成され、前記可動型は、前記固定型に対して近接離間する方向へ移動可能なパンチを備え、前記固定型は、歯面成形部を有するダイスと、前記ダイスを支持する下型と、前記下型に摺動自在に嵌挿されるノックアウト型とを備え、前記歯面成形部における歯面成形面には抜き勾配が設けられており、前記ダイスと下型とノックアウト型とで、鍛造成形対象となるビレットが設置される成形空間が構成され、前記パンチを固定型に対して近接する方向へ移動させることで、前記ビレットを加圧変形させて成形する鍛造成形用金型であって、
前記ダイスの歯面成形部と前記下型との間に隙間が形成されるとともに、前記ダイスの歯面成形部におけるパンチ側面に、該歯面成形部とパンチとの間で前記ビレットが流入可能な空間を構成する凹溝部が形成され、前記パンチにより前記ビレットを加圧変形させる成形時に、前記凹溝部にビレットが流入して、前記隙間が形成されている部分の歯面成形部が、前記凹溝部に流入したビレットを介して下型側へ押圧されて弾性変形し、前記歯面成形部の歯面成形面の抜き勾配が減少して、鍛造成形により得られる最終製品形状に対応した抜き勾配となった状態で成形が行われる。
このように、成形時に歯面成形部が弾性変形することにより、歯面成形面の抜き勾配が減少して、鍛造成形により得られる最終製品形状に対応した抜き勾配となるため最終製品形状に対応した抜き勾配を有した成形品を得ることができる。
特に、最終製品が抜き勾配のない製品で有る場合には、成形時に歯面成形面が下型の上面と略垂直で抜き勾配がない状態となるため、抜き勾配がない成形品を得ることができる。
従って、成形後に抜き勾配を除去して成形品の形状を修正するための複雑かつ高精度な機械加工を施す必要がない。
また、成形完了後の離型時には、弾性変形していた歯面成形部が上方へ跳ね上がるため、成形品が固定型から離型する動作が補助され、成形品を固定型から容易に離型(ノックアウト)することが可能となる。
さらに、本金型により前記ビレットを成形する際には、通常の鍛造成形を行う場合の工程と同様の工程を行うだけでよいので、多工程を要することもなく、容易かつ短時間で成形品を得ることができ、製品の低コスト化を図ることができる。
これにより、前記ガス通路に窒素ガス等の不活性ガスを供給することで、前記ビレットが加圧変形されて成形される成形空間内の雰囲気が窒素雰囲気等の不活性ガス雰囲気となり、ビレットの酸化が抑えられて、スケールの発生が抑制される。
従って、成形後のスケールを除去する工程を省略することが可能となり、製品を得るまでの工程を短縮化することができる。
前記パンチにより前記ビレットを加圧変形させる成形時に、前記凹溝部にビレットを流入させ、前記隙間が形成されている部分の歯面成形部を、前記凹溝部に流入したビレットを介して下型側へ押圧して弾性変形させ、前記歯面成形部の歯面成形面の抜き勾配が減少して、鍛造成形により得られる最終製品形状に対応した抜き勾配となった状態で成形を行う。
このように、成形時に歯面成形部が弾性変形することにより、歯面成形面の抜き勾配が減少して、鍛造成形により得られる最終製品形状に対応した抜き勾配となるため最終製品形状に対応した抜き勾配を有した成形品を得ることができる。
特に、最終製品が抜き勾配のない製品で有る場合には、成形時に歯面成形面が下型の上面と略垂直で抜き勾配がない状態となるため、抜き勾配がない成形品を得ることができる。
従って、成形後に抜き勾配を除去して成形品の形状を修正するための複雑かつ高精度な機械加工を施す必要がない。
また、成形完了後の離型時には、弾性変形していた歯面成形部が上方へ跳ね上がるため、成形品が固定型から離型する動作が補助され、成形品を固定型から容易に離型(ノックアウト)することが可能となる。
さらに、本金型により前記ビレットを成形する際には、通常の鍛造成形を行う場合の工程と同様の工程を行うだけでよいので、多工程を要することもなく、容易かつ短時間で成形品を得ることができ、製品の低コスト化を図ることができる。
これにより、前記ビレットが加圧変形されて成形される成形空間内の雰囲気が窒素雰囲気となり、ビレットの酸化が抑えられて、スケールの発生が抑制される。
従って、成形後のスケールを除去する工程を省略することが可能となり、製品を得るまでの工程を短縮化することができる。
前記固定型20は、歯面成形部23aを有するダイス23と、前記ダイス23を支持する下型22と、前記下型22を支持するベース台21と、前記ベース台21に装着され前記下型22に摺動自在に嵌挿されるノックアウト型24とを備えている。
さらに、前記ダイス23および下型22の外周部にはクランプ25が配置されており、該クランプ25により、前記下型22がベース台21に固定されるとともに、前記ダイス23が前記下型22に固定されている。
また、前記歯面成形部23aにおける下端部は切り欠かれており、切り欠かれた部分の歯面成形部23aと前記下型22との間には隙間23cが形成されている。
該凹溝部23dは、前記成形空間26に設置されたビレット5をパンチ11により押圧して加圧変形させる際に、ビレット5が流入可能となる空間として作用する。
前記ガス通路23eとガス通路25eとは一連に接続されていて、これらのガス通路23e・25eにより、前記ダイス23の隙間23cと、前記クランプ25の外周側とが連通されることとなっている。
ビレット5を成形加工して成形品を得る際には、まず、図1に示すように、固定型20の前記成形空間26に成形対象となるビレット5を載置する。
この場合、前記ノックアウト型2は上下摺動範囲の下端側に位置しており、該ノックアウト型2の上面と、下型22の上面とは略面一になっている。
パンチ11により押圧されたビレット5は、押し潰されて変形し、その外周が外側へ膨出していく。
なお、前記隙間23cの寸法d(図4参照)は、加圧変形されるビレット5が該隙間23cへ侵入してこない程度の大きさに設定されている。
この場合、歯面成形部23aは、該歯面成形部23aの下方に隙間23cが存在していることにより下方へ弾性変形することが可能となっており、該歯面成形部23aは、その内周側端となる歯面成形面23bの下端が前記下型22の上面に当接するまで押し下げられる。
このように、ビレット5は、抜き勾配θがない状態の歯面成形面23bにより成形されるので、成形後には抜き勾配θのない成形品が得られることとなる。
さらに、本例の金型1により前記ビレット5を成形する際には、通常の鍛造成形を行う場合の工程と同様の工程を行うだけでよいので、多工程を要することもなく、容易かつ短時間で成形品を得ることができ、製品の低コスト化を図ることができる。
この場合は、成形時における歯面成形面23bの抜き勾配θが、前記最終製品の勾配と同等になるようにダイス23を形成し、最終製品の勾配と同じ勾配を有した成形品を成形できるように構成すればよい。
このように構成することで、成形品を固定型20から離型するときにも容易に離型することができるとともに、従来のような金型1とは別の型を用いて形状の修正を行う工程を省略することが可能となる。
これにより、成形後のスケールを除去する工程を省略することが可能となり、製品を得るまでの工程を短縮化することができる。
10 可動型
11 パンチ
20 固定型
21 ベース台
22 下型
23 ダイス
23a 歯面成形部
23b 歯面成形面
23c 隙間
23d 凹溝部
23e ガス通路
24 ノックアウト型
25 クランプ
25e ガス通路
θ 抜き勾配
Claims (4)
- 互いに対向配置される可動型と固定型とで構成され、
前記可動型は、前記固定型に対して近接離間する方向へ移動可能なパンチを備え、
前記固定型は、歯面成形部を有するダイスと、前記ダイスを支持する下型と、前記下型に摺動自在に嵌挿されるノックアウト型とを備え、
前記歯面成形部における歯面成形面には抜き勾配が設けられており、
前記ダイスと下型とノックアウト型とで、鍛造成形対象となるビレットが設置される成形空間が構成され、
前記パンチを固定型に対して近接する方向へ移動させることで、前記ビレットを加圧変形させて成形する鍛造成形用金型であって、
前記ダイスの歯面成形部と前記下型との間に隙間が形成されるとともに、
前記ダイスの歯面成形部におけるパンチ側面に、該歯面成形部とパンチとの間で前記ビレットが流入可能な空間を構成する凹溝部が形成され、
前記パンチにより前記ビレットを加圧変形させる成形時に、前記凹溝部にビレットが流入して、
前記隙間が形成されている部分の歯面成形部が、前記凹溝部に流入したビレットを介して下型側へ押圧されて弾性変形し、
前記歯面成形部の歯面成形面の抜き勾配が減少して、鍛造成形により得られる最終製品形状に対応した抜き勾配となった状態で成形が行われる、
ことを特徴とする鍛造成形用金型。 - 前記下型には、前記ダイスの歯面成形部と前記下型との間に形成される隙間にガスを供給するためのガス通路が形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の鍛造成形用金型。 - 互いに対向配置される可動型と固定型とで構成され、
前記可動型は、前記固定型に対して近接離間する方向へ移動可能なパンチを備え、
前記固定型は、歯面成形部を有するダイスと、前記ダイスを支持する下型と、前記下型に摺動自在に嵌挿されるノックアウト型とを備え、
前記歯面成形部における歯面成形面には抜き勾配が付されており、
前記ダイスと下型とノックアウト型とで、鍛造成形対象となるビレットが設置される成形空間が構成され、
前記ダイスの歯面成形部と前記下型との間に隙間が形成されるとともに、
前記ダイスの歯面成形部におけるパンチ側面に、該歯面成形部とパンチとの間で前記ビレットが流入可能な空間を構成する凹溝部が形成される鍛造成形用金型を用いて成形を行う鍛造成形方法であって、
前記パンチにより前記ビレットを加圧変形させる成形時に、前記凹溝部にビレットを流入させ、
前記隙間が形成されている部分の歯面成形部を、前記凹溝部に流入したビレットを介して下型側へ押圧して弾性変形させ、
前記歯面成形部の歯面成形面の抜き勾配が減少して、鍛造成形により得られる最終製品形状に対応した抜き勾配となった状態で成形を行う、
ことを特徴とする鍛造成形方法。 - 前記鍛造成形用金型による成形時に、前記ダイスの歯面成形部と前記下型との間の隙間に不活性ガスを供給する、
ことを特徴とする請求項3に記載の鍛造成形方法。
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