JP2008303514A - 静電紡糸不織布の製造方法 - Google Patents

静電紡糸不織布の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 皺や繊維分散のムラを発生させることなく、紡糸原液の溶媒を除去して、たて方向とよこ方向における強度差の小さい静電紡糸不織布を製造することのできる方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の静電紡糸不織布の製造方法は、溶媒を含む紡糸原液を静電紡糸法により紡糸した繊維を、直接捕集して繊維ウエブを形成した後、前記溶媒の沸点以上に加熱したロールに繊維ウエブを接触させるとともに、繊維ウエブを1.1〜1.2倍延伸する方法である。
【選択図】 図4

Description

本発明は静電紡糸不織布の製造方法に関する。より具体的には、皺やムラを発生させることなく、紡糸原液の溶媒を除去できる、静電紡糸不織布の製造方法に関する。
不織布を構成する繊維の繊維径が小さいと、分離性能、液体保持性能、払拭性能、隠蔽性能、絶縁性能、或いは柔軟性など、様々な性能に優れているため、不織布を構成する繊維の繊維径を小さくするのが好ましい。このような繊維径の小さい繊維からなる不織布の製造方法として、ポリマーを溶解させた紡糸原液を紡糸空間へ供給するとともに、供給した紡糸原液に電界を作用させて繊維化し、延伸して繊維径の小さい繊維とした後に直接捕集して不織布とする、いわゆる静電紡糸法が知られている。
このような静電紡糸法により不織布を製造する場合、紡糸原液の紡糸空間への供給手段(例えば、ノズル)の数が1つでは紡糸原液の供給量が少ないため、生産性が悪かった。そのため、本願出願人は多数のノズルを長円状に循環移動させることにより、静電紡糸不織布の生産性を高める方法を提案した(特許文献1)。
特開2006−112023号公報(特許請求の範囲、段落番号0059など)
通常、静電紡糸法により紡糸した繊維を直接捕集して形成した不織布には、紡糸原液の溶媒が残存しているため、実際に使用する用途において、前記溶媒が悪影響を及ぼす可能性があった。
そのため、前記特許文献1においても、静電紡糸法により紡糸した繊維を直接捕集して形成した長尺状の不織布を巻き取る前に、乾燥するのが好ましいことを開示している。そのため、実際に静電紡糸不織布を加熱したボックス内を浮かせた状態で通過させることにより乾燥し、紡糸原液の溶媒を除去したが、この際に静電紡糸不織布が収縮又は伸長してしまい、皺や繊維分散のムラが発生してしまい、不織布の商品価値を著しく低下させてしまった。
そこで、本発明者らは静電紡糸不織布を乾燥する際に、延伸することを考えた。しかしながら、乾燥の際に皺が発生しないように延伸するためには、高い倍率で延伸する必要があり、本来たて方向とよこ方向における強度差の小さい静電紡糸不織布が、たて方向における強度が強くなり、静電紡糸不織布本来の物性を損ねてしまった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、皺や繊維分散のムラを発生させることなく、紡糸原液の溶媒を除去して、たて方向とよこ方向における強度差の小さい静電紡糸不織布を製造することのできる方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる発明は、「溶媒を含む紡糸原液を静電紡糸法により紡糸した繊維を、直接捕集して繊維ウエブを形成した後、前記溶媒の沸点以上に加熱したロールに繊維ウエブを接触させるとともに、繊維ウエブを1.1〜1.2倍延伸することを特徴とする、静電紡糸不織布の製造方法。」である。
本発明の請求項1にかかる発明は、溶媒の沸点以上に加熱したロールに繊維ウエブを接触させることによって、確実に溶媒を除去できるとともに、加熱ロールに繊維ウエブを接触させて繊維ウエブの自由度を低くしていること、及び1.1倍以上で延伸することによって繊維ウエブの収縮又は伸長を抑え、皺や繊維分散のムラを発生させず、しかも延伸倍率を1.2倍以下とすることによって、繊維がたて方向に配向することを抑制し、たて方向とよこ方向における強度差の小さい静電紡糸不織布を製造することができる方法である。
本発明の静電紡糸不織布の製造方法においては、まず、溶媒を含む紡糸原液を静電紡糸法により紡糸した繊維を、直接捕集して繊維ウエブを形成する。この静電紡糸法は従来から公知の方法であり、ノズル等の紡糸原液供給部から紡糸空間へ供給した紡糸原液に対して電界を作用させることにより、紡糸原液を延伸し、繊維化する方法である。この紡糸原液供給部から紡糸空間への紡糸原液の供給は、繊維分散ムラの小さい静電紡糸不織布を製造できるように、また、ある程度の幅と長さをもった静電紡糸不織布を製造できるように、特開2006−112023号公報に開示の方法により行うのが好ましい。つまり、ノズル等の紡糸原液供給部を捕集体の幅方向に直線的に移動(特には長円状に移動)させながら、紡糸原液を供給するのが好ましい。このように直線的に移動させると、紡糸原液供給部の移動速度を一定にできるため、繊維分散ムラの小さい不織布を製造しやすい。なお、静電紡糸法によれば、平均繊維径が1μm以下の連続繊維を紡糸することができる。
なお、紡糸原液は溶媒を含むものであり、繊維の素となる材料を溶媒に溶解させたものである。この繊維の素となる材料は静電紡糸不織布の使用用途等によって異なり、特に限定するものではないが、例えば、ポリエチレングリコール、部分けん化ポリビニルアルコール、完全けん化ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンなどの有機材料、或いは石英ガラスなどの無機材料を挙げることができる。なお、無機材料の場合、金属アルコキシドを加水分解した曳糸性のゾル溶液を紡糸原液として使用することができる。また、繊維の素となる材料は1種類の材料から構成されている必要はなく、2種類以上の材料から構成されていても良い。
なお、紡糸原液の溶媒は繊維の素となる材料によって異なり、特に限定するものではないが、例えば、水、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、四塩化炭素、塩化メチレン、クロロホルム、ピリジン、トリクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、アセトニトリルなどを挙げることができる。これら例示以外の溶媒も使用可能であり、例示以外の溶媒も含めて、2種以上の溶媒を用いた混合溶媒も使用することができる。
本発明においては、前述の静電紡糸法により紡糸した繊維を捕集体で直接捕集して繊維ウエブを形成する。この繊維を直接捕集できる捕集体は特に限定するものではないが、例えば、金属製や炭素などの導電性材料、又は有機高分子などの非導電性材料からなる、不織布、織物、編物、ネット、平板、ドラム、或いはベルトを使用できる。場合によっては水や有機溶媒などの液体を捕集体として使用できる。特には、繊維捕集面にシリコーン系樹脂又はフッ素系樹脂を有しており、繊維ウエブの剥離性に優れた捕集体を使用するのが好ましい。
次いで、捕集体で捕集して形成した繊維ウエブを、前述の溶媒の沸点以上に加熱したロールに接触させるとともに、繊維ウエブを1.1〜1.2倍延伸することにより、静電紡糸不織布を製造する。このように、溶媒の沸点以上に加熱したロールに繊維ウエブを接触させているため、確実に紡糸原液の溶媒を除去することができる。また、繊維ウエブを加熱したロールと接触させて繊維ウエブの自由度を低くしていることに加え、1.1倍延伸することによって、紡糸原液を除去することによる繊維の収縮又は伸長を抑え、皺や繊維分散のムラの発生を抑制している。更に、延伸倍率を1.2倍以下にすることによって、繊維がたて方向に配向することを抑制し、たて方向とよこ方向における強度差の小さい静電紡糸不織布を製造することができる。
このロールは溶媒の沸点以上に加熱できるものであれば良く、特に限定するものではないが、一般的に金属ロールを使用できる。なお、ロールは溶媒の沸点以上に加熱されていれば良いが、効率的に溶媒を除去できるように、沸点よりも10℃高い温度以上に加熱されているのが好ましく、沸点よりも30℃高い温度以上に加熱されているのがより好ましい。ロールの加熱温度の上限は特に限定するものではないが、繊維の素となる材料の分解温度よりも低いのが好ましい。本発明における溶媒の「沸点」はJIS K5601−2−3により得られる値をいう。
このような加熱したロールへの繊維ウエブの接触は、繊維ウエブが収縮又は伸長して皺が発生しにくいように、ロール表面に沿わせて接触させるのが好ましい。このようにロール表面に沿わせる場合、ロールとの接触は繊維ウエブの片面のみであっても良いし、片面を沿わせた後に反対面をロールに沿わせて接触させても良い。片面ずつ両面をロールに沿わせて接触させる場合には、いずれの面に対しても溶媒の沸点以上に加熱されたロールと沿わせて接触させれば良く、同じ温度のロールに沿わせて接触させる必要はない。
なお、加熱したロールに繊維ウエブを接触させる際には、加圧しても良いし、加圧しなくても良い。しかしながら、繊維ウエブの強度が低いため、金属ロールによって加圧すると、金属ロールの凹凸で繊維ウエブが損傷し、穴や裂け目が発生する場合があるため、加圧する場合には、ゴムロールなどの弾性ロールで加圧するのが好ましい。
また、繊維ウエブの加熱ロールとの接触時間は溶媒を十分に除去できる時間であれば良く、繊維の素となる材料、繊維ウエブの目付、溶媒、加熱温度等によって異なるため、特に限定するものではないが、5秒以上であるのが好ましい。
このように加熱したロールと接触させた場合、ロールを回転させることによって、繊維ウエブを損傷することなく搬送でき、連続的に静電紡糸不織布を製造できるという効果も奏する。
本発明においては、繊維ウエブを加熱したロールと接触させると同時に、1.1倍以上で延伸することによって、溶媒を除去することによる繊維の収縮又は伸長を抑え、皺や繊維分散のムラの発生を抑えている。より好ましくは1.13倍以上で延伸する。他方、延伸倍率を1.2倍以下とすることによって、繊維配向の変化を抑制し、たて方向とよこ方向における強度差の小さい静電紡糸不織布の製造を可能としている。より好ましくは1.17倍以下で延伸する。この「延伸倍率」は延伸後(加熱ロールと接触後)の静電紡糸不織布の長さ(La)を延伸前(加熱ロールと接触前)の繊維ウエブの長さ(Lb)で除した値(=La/Lb)をいい、例えば、加熱ロールの回転速度がVrで、静電紡糸不織布の巻取り速度がVnの場合、Vn/Vr値が延伸倍率である。このような延伸は、例えば、加熱ロールよりも下流側に配置した駆動手段(例えば、駆動ロール、巻取りロールなど)を調節して実施できる。なお、繊維ウエブを2つ以上の加熱ロールと接触させる場合、各加熱ロールの回転速度は同じであっても良いし、違っていても良い。
このような加熱ロールによる溶媒の除去は、繊維ウエブを形成した後に連続して加熱ロールと接触させても良いし、繊維ウエブを形成し、一旦巻き取った後に巻き出して加熱ロールと接触させても良い。
このような本発明の製造方法により製造した静電紡糸不織布は、溶媒が残留しておらず、皺や繊維分散ムラの少ない、たて方向とよこ方向における強度差の小さい静電紡糸不織布であるため、各種用途に使用することができる。例えば、液体、気体、又はマスク用濾過材、電気化学素子用セパレータ(例えば、アルカリ電池用セパレータ、リチウム電池用セパレータ、電気二重層キャパシタ用セパレータ、電解コンデンサ用セパレータなど)、ワイパー、電解質膜用材料、人工皮膚用材料、ナノカプセル用材料などに使用できる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。なお、「引張り強さ」はインストロン型引っ張り試験機を用い、幅15mmに切断した静電紡糸不織布をチャック間距離50mm、引張り速度50mm/minの条件下で測定した値である。また、残留N,N−ジメチルホルムアミド量の測定は静電紡糸不織布から採取した0.003gの試験片を、温度170℃で10分間加熱し、その時に発生したガスを捕集し、ガスクロマトグラフ質量分析計(パーキンエルマー社製、加熱脱着装置「ATD−400」、島津製作所製、ガスクロマトグラフ質量分析計「QP−5050A」)により測定した値である。
(実施例1)
(1)紡糸原液の調製;
重量平均分子量50万のポリアクリロニトリルを、N,N−ジメチルホルムアミド(沸点:153℃)に濃度10.5mass%となるように溶解させた紡糸原液(粘度:1200mP・s)を用意した。
(2)繊維ウエブの製造装置の準備;
図1〜図3に示すような製造装置を用意した。つまり、17本のノズル群2〜217(それぞれ内径が0.4mmのステンレススチール製針状ノズル)をピッチ50mmで、チェーン状支持体6cにそれぞれ固定し、この支持体6cを第1スプロケット6aと第2スプロケット6bとの間に橋渡し、ノズル群2〜217を長円状(長径:500mm、短径:100mm)に配置した。更に、第1スプロケット6aに駆動モーター6を取り付けた。
次いで、ポリエチレン製容器1にマイクロポンプ3(マイクロポンプ社製;マイクロポンプFC−513 ポンプヘッド:188 1rpm=0.017mLタイプ;コントローラ部=株式会社中央理化製)を接続するとともに、パーフルオロアルコキシ樹脂製チューブ1aを接続し、このチューブ1aをノズル2にロータリージョイントを介して接続した。次いで、このノズル2と隣接するノズル2とを前記と同様のチューブ1aで接続し、紡糸原液がノズル2を介してノズル2へ供給できるようにした。同様に、ノズル2とノズル2、ノズル2とノズル2と順番にチューブ1aで接続して、ノズル217まで紡糸原液を供給することができるようにした。
次いで、ガラスクロスにポリテトラフルオロエチレン及び導電性粒子を含浸し、焼成したベルト状捕集体5(幅:800mm)をアースして、前記ノズル群2〜217の直下に設置した。次いで、マイクロポンプ3のギアポンプヘッドに高電圧電源4を接続するとともに、前記ノズル群2〜217の先端が、上方から下方に向かってベルト状捕集体5の方向に向いており、しかもノズル群2〜217のエンドレス軌道の長径方向がベルト状捕集体5の幅方向(移動方向に対する直交方向)と一致するように、ノズル群2〜217を配置した。なお、ノズル群2〜217のノズルの先端とベルト状捕集体5の捕集表面との距離は40mmとした。
次に、前記ノズル群2〜217及びベルト状捕集体5を塩化ビニル製直方体紡糸容器8(幅:1200mm、高さ:2000mm、奥行き:2400mm)の中央部に配置した。なお、直方体紡糸容器8の内側には、上壁面から800mm下方側の位置に整流板9aを上壁面と平行に配置した。また、ベルト状捕集体5の移動方向端部に、ベルト状捕集体5に従動して繊維ウエブを巻き取ることができるように、紙管7(直径:80mm、長さ:800mm)を設置した。
そして、直方体紡糸容器8の上壁面に温湿度調整機能を備えた送風機9(PAU−1400HDR、(株)アピステ)を接続するとともに、直方体紡糸容器8の下壁面に排気ファン10を接続した。
(3)溶媒除去装置の準備;
図4に概念断面図を示すような溶媒除去装置を用意した。つまり、前述の紙管7の繊維ウエブを巻き出すために配置した駆動ロールD1(直径:80mm、長さ:450mm)、この駆動ロールD1の下流側に、駆動ロールD1によって巻き出された繊維ウエブに、片面ずつ熱処理を実施することのできる加熱ロールC1、C2(いずれの直径も300mm、いずれの長さも500mm)、加熱ロールC1、C2の下流側に、加熱ロールC2からの静電紡糸不織布を搬送する金属製搬送ロール20a(直径:60mm、長さ:650mm)、NBR製ゴム駆動ロールD2(直径:80mm、長さ:540mm)、静電紡糸不織布の不要端部を切断する耳カットロール21(直径:80mm、長さ:540mm、図示しないロールカッター付属)、耳カットロール21の下流側に、静電紡糸不織布を搬送する搬送ロール20b、20c、20d(いずれの直径も60mmで、長さが540mm)、搬送ロール20dの下流側に、巻取ロール23と当接し、巻取ロール23に押圧することにより、静電紡糸不織布を巻き取らせる押圧ロール22(直径:80mm、長さ:450mm)、押圧ロール22と当接し、静電紡糸不織布を巻き取る巻取ロール23(直径:87mm、長さ:350mm)、及び巻取ロール23と接触し、巻取ロール23を回転させて静電紡糸不織布を巻き取らせるNBR製ゴム駆動ロールD3(直径:80mm、長さ:450mm)を備えた溶媒除去装置を用意した。
(4)静電紡糸不織布の製造;
前記紡糸原液を前記容器1に入れ、前記マイクロポンプを用いて紡糸原液を、ノズル2を介してノズル群2〜217へ供給し、ノズル群2〜217を180mm/sec.の一定速度で移動させながら、各ノズルから紡糸原液を吐出(1本あたりの吐出量:1g/時間)し、また、前記ベルト状捕集体5を一定速度(表面速度:6cm/分)で移動させながら、前記高電圧電源4から紡糸原液に+7kVの電圧を印加して、吐出した紡糸原液に電界を作用させて繊維化し、前記ベルト状捕集体5上に集積させて、平均繊維径0.3μmの連続繊維からなる繊維ウエブを製造し、紙管7で巻き取った。この繊維ウエブのたて方向(長手方向)における引張り強さと、幅方向(短手方向)における引張強さは、それぞれ2.2N/15mm幅、1.9N/15mm幅(たてよこ比=1.18)であった。なお、繊維ウエブを製造する際には、送風機9から温度26℃、相対湿度23%の調湿エアを5m/分で供給するとともに、排気口から出てくる気体を排気ファン10で排気した。
次いで、紙管7を溶媒除去装置の巻き出し部に配置し、紙管7に巻回された繊維ウエブを駆動ロールD1によって巻き出し、温度220℃に加熱した加熱ロールC1へ供給し、繊維ウエブの片面を20秒間加熱ロールC1に沿わせて接触させた後、温度220℃に加熱した加熱ロールC2へ供給し、繊維ウエブの他面を20秒間加熱ロールC2に沿わせて接触させて溶媒を除去し、静電紡糸不織布を形成した。この時の延伸倍率は1.15倍であった。
その後、静電紡糸不織布を搬送ロール20a及びNBR製ゴム駆動ロールD2の作用によって耳カットロール21へ供給し、幅方向両端部を切断し、幅260mmとした。
そして、搬送ロール20b、20c、20dによって押圧ロール22へ静電紡糸不織布を供給し、押圧ロール22によって巻取ロール23に静電紡糸不織布を押圧するとともに、NBR製ゴム駆動ロールD3によって回転する巻取ロール23へ静電紡糸不織布を供給し、皺を発生させることなく巻取ロール23で巻き取り、静電紡糸不織布(平均繊維径:0.3μm、連続繊維、目付:4.4g/m、厚さ:0.024mm、幅:260mm、長さ:50m)を製造した。なお、静電紡糸不織布のたて方向(長手方向)における引張り強さと、幅方向(短手方向)における引張強さは、それぞれ2.6N/15mm幅、1.6N/15mm幅(たてよこ比=1.63)であった。また、静電紡糸不織布中における残留N,N−ジメチルホルムアミド量を測定したが、N,N−ジメチルホルムアミドは検出されなかった。
(実施例2)
加熱ロールC1、C2の温度を180℃、延伸倍率を1.13倍にしたこと以外は実施例1と全く同様にして、静電紡糸不織布(平均繊維径:0.3μm、連続繊維、目付:4.6g/m、厚さ:0.023mm、幅:260mm、長さ:50m)を製造した。この場合も、皺を発生させることなく、静電紡糸不織布を製造することができた。なお、静電紡糸不織布のたて方向(長手方向)における引張り強さと、幅方向(短手方向)における引張強さは、それぞれ2.6N/15mm幅、1.7N/15mm幅(たてよこ比=1.53)であった。また、静電紡糸不織布中における残留N,N−ジメチルホルムアミド量を測定したが、N,N−ジメチルホルムアミドは検出されなかった。
(実施例3)
加熱ロールC1、C2の温度を160℃、延伸倍率を1.1倍にしたこと以外は実施例1と全く同様にして、静電紡糸不織布(平均繊維径:0.3μm、連続繊維、目付:4.8g/m、厚さ:0.025mm、幅:260mm、長さ:50m)を製造した。この場合も、皺を発生させることなく、静電紡糸不織布を製造することができた。なお、静電紡糸不織布のたて方向(長手方向)における引張り強さと、幅方向(短手方向)における引張強さは、それぞれ2.5N/15mm幅、1.8N/15mm幅(たてよこ比=1.39)であった。また、静電紡糸不織布中における残留N,N−ジメチルホルムアミド量を測定したが、N,N−ジメチルホルムアミドは検出されなかった。
(実施例4)
加熱ロールC1、C2の温度を220℃、延伸倍率を1.2倍にしたこと以外は実施例1と全く同様にして、静電紡糸不織布(平均繊維径:0.3μm、連続繊維、目付:4.2g/m、厚さ:0.022mm、幅:260mm、長さ:50m)を製造した。この場合も、皺を発生させることなく、静電紡糸不織布を製造することができた。なお、静電紡糸不織布のたて方向(長手方向)における引張り強さと、幅方向(短手方向)における引張強さは、それぞれ2.7N/15mm幅、1.7N/15mm幅(たてよこ比=1.59)であった。また、静電紡糸不織布中における残留N,N−ジメチルホルムアミド量を測定したが、N,N−ジメチルホルムアミドは検出されなかった。
(比較例1)
加熱ロールC1、C2の温度を140℃、延伸倍率を1.1倍にしたこと以外は実施例1と全く同様にして、静電紡糸不織布(平均繊維径:0.3μm、連続繊維、目付:4.8g/m、厚さ:0.024mm、幅:260mm、長さ:50m)を製造した。この場合も、皺を発生させることなく、静電紡糸不織布を製造することができたが、静電紡糸不織布からN,N−ジメチルホルムアミドが検出された。
(比較例2)
加熱ロールC1、C2の温度を220℃、延伸倍率を1.22倍にしたこと以外は実施例1と全く同様にして、静電紡糸不織布(平均繊維径:0.3μm、連続繊維、目付:4.0g/m、厚さ:0.021mm、幅:260mm、長さ:50m)を製造した。この場合も、皺を発生させることなく、静電紡糸不織布を製造することができたが、静電紡糸不織布のたて方向(長手方向)における引張り強さと、幅方向(短手方向)における引張強さは、それぞれ2.8N/15mm幅、1.4N/15mm幅(たてよこ比=2)で、たてよこ比の大きいものであった。
(比較例3)
加熱ロールC1、C2の温度を180℃、延伸倍率を1.08倍にしたこと以外は実施例1と全く同様にして、静電紡糸不織布を製造しようとしたが、皺が発生してしまい、静電紡糸不織布を製造することが困難であった。
(比較例4)
実施例1と同様にして作製した繊維ウエブを、温度180℃に設定したオーブン中を、浮かせた状態で通過(延伸倍率:1.2倍)させることにより、溶媒を除去して静電紡糸不織布を製造しようとしたが、皺が発生してしまい、静電紡糸不織布を製造することが困難であった。そのため、延伸倍率を1.25倍としたが、それでも皺を発生させることなく、静電紡糸不織布を製造することが困難であった。そこで、延伸倍率を1.3倍とすることによって、皺の発生を解消することができたが、たて方向(長手方向)における引張り強さと、幅方向(短手方向)における引張強さは、それぞれ2.8N/15mm幅、1.2N/15mm幅(たてよこ比=2.3)で、たてよこ比の大きい静電紡糸不織布(目付:4.2g/m)しか得ることができなかった。
以上の実施例、比較例から明らかなように、溶媒の沸点以上に加熱したロールに繊維ウエブを接触させるとともに、繊維ウエブを1.1〜1.2倍延伸することによって、皺を発生させることなく、紡糸原液の溶媒を除去して、たて方向とよこ方向における強度差の小さい静電紡糸不織布を製造できることが分かった。
実施例における繊維ウエブ製造装置の模式的平面図 図1の製造装置を矢印Aの方向から見た模式的断面図 図1の製造装置を矢印Bの方向から見た模式的断面図 溶媒除去装置の概念断面図
符号の説明
1:容器
1a:チューブ
〜217:ノズル群
3:マイクロポンプ
4:高電圧電源
5:ベルト状捕集体
6:駆動モーター
6a:第1スプロケット
6b:第2スプロケット
6c:チェーン状支持体
7:紙管
8:直方体紡糸容器
9:送風機
9a:整流板
10:排気ファン
D1、D2、D3:駆動ロール
C1、C2:加熱ロール
20a、20b、20c、20d:搬送ロール
21:耳カットロール
22:押圧ロール
23:巻取ロール

Claims (1)

  1. 溶媒を含む紡糸原液を静電紡糸法により紡糸した繊維を、直接捕集して繊維ウエブを形成した後、前記溶媒の沸点以上に加熱したロールに繊維ウエブを接触させるとともに、繊維ウエブを1.1〜1.2倍延伸することを特徴とする、静電紡糸不織布の製造方法。
JP2007154358A 2007-06-11 2007-06-11 静電紡糸不織布の製造方法 Active JP4886610B2 (ja)

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