JP5909685B2 - ナノファイバシート、キャパシタ用セパレータ、キャパシタ、およびキャパシタ用セパレータの製造方法 - Google Patents

ナノファイバシート、キャパシタ用セパレータ、キャパシタ、およびキャパシタ用セパレータの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、キャパシタ、キャパシタ用セパレータおよびキャパシタ用セパレータの製造方法に関し、特に、キャパシタ用セパレータの改良に関する。
ナノファイバは、数十から数百nmの繊維径を有する極細繊維であり、繊維が極細化されることにより、従来の繊維とは異なる物性を示す。そのため、ナノファイバ自体またはナノファイバ製品(例えば、不織布)は、エネルギー、バイオテクノロジー、ヘルスケアなどの様々な分野で注目されている。特に、ナノファイバ不織布は、ナノファイバの小さな繊維径に由来して、従来の不織布に比べて孔径を小さくできるため、広い分野での活用が期待される。
ナノファイバ不織布は、例えば、エネルギー分野では、燃料電池における電解質膜の支持体や、アルカリ電池やリチウム電池などの一次または二次電池におけるセパレータなどとして注目されている。
特許文献1には、電界紡糸法により形成されたナノファイバを含む多孔質層からなるセパレータを、電極表面に接合一体化することが開示されている。特許文献1では、電極の基板表面に、ナノファイバを構成するポリマーの溶液を噴射して紡糸することにより、多孔質層を形成させている。特許文献1では、電極の基板に、直接電界紡糸することにより、ナノファイバの多孔質層を形成している。このような方法では、ポリマー溶液の噴射に伴い、ナノファイバが基板上に堆積する。
特開2010−225809号公報
しかしながら、基板の表面に接するナノファイバは、ナノファイバが堆積していくうちに、基板の表面の形状が転写されて、少し押し潰された状態となる。押し潰されたナノファイバは、ナノファイバ不織布の面方向における最大繊維径が大きくなるため、基板の表面に対する接触面積が大きくなる。結果として、基板と多孔質層との接触面における接触抵抗が大きくなる。そのため、このような技術をキャパシタ用セパレータに応用しても、キャパシタ性能が低下し易い。
別途形成したナノファイバ不織布をセパレータとして使用する場合にも、ナノファイバ不織布は、電界紡糸などにより、一旦、基材上に形成され、基材から剥離して使用される。そのため、特許文献1の場合と同様に、多孔質層では、基板に接する表面と、基板とは反対側の表面とで、繊維の状態が異なることになり、結果として、特性にも違いが生じる。
このようなナノファイバ不織布をキャパシタ用セパレータとして使用すると、いずれか一方の電極には、ナノファイバが少し押し潰され、ナノファイバ不織布の面方向における最大繊維径が大きくなった状態の表面が接することになるため、接触抵抗が大きくなり、結果として、キャパシタ特性の低下を招く。
本発明の目的は、セパレータと電極との接触面における接触抵抗が低減されたキャパシタ、電極との接触抵抗を低減可能なキャパシタ用セパレータおよびその製造方法を提供することである。
本発明の一局面は、ナノファイバを含み、かつ第1表面およびその反対側の第2表面を有するナノファイバシートであって、ナノファイバシートの面方向におけるナノファイバの最大繊維径の平均を、第1表面近傍および第2表面近傍と、ナノファイバシートの厚さ方向の中心部とで比較したとき、第1表面近傍におけるナノファイバの最大繊維径の平均Ds1および第2表面近傍におけるナノファイバの最大繊維径の平均Ds2が、ナノファイバシートの厚さ方向の中心部におけるナノファイバの最大繊維径の平均Dcより小さい、ナノファイバシートに関する。ナノファイバシートは、1.1≦Dc/Ds1≦2.5、および1.1≦Dc/Ds2≦2.5の関係を充足するか、もしくは最大繊維径の平均Dcが、60nm〜2μmである。
本発明の他の一局面は、ナノファイバを含み、かつ第1表面およびその反対側の第2表面を有するシート形状のキャパシタ用セパレータであって、セパレータの面方向におけるナノファイバの最大繊維径の平均を、第1表面近傍および第2表面近傍と、セパレータの厚さ方向の中心部とで比較したとき、第1表面近傍におけるナノファイバの最大繊維径の平均Ds1および第2表面近傍におけるナノファイバの最大繊維径の平均Ds2が、セパレータの厚さ方向の中心部におけるナノファイバの最大繊維径の平均Dcより小さくなっている、キャパシタ用セパレータに関する。キャパシタ用セパレータは、1.1≦Dc/Ds1≦2.5、および1.1≦Dc/Ds2≦2.5の関係を充足するか、もしくは最大繊維径の平均Dcが、60nm〜2μmである。
本発明のさらに他の一局面は、一対の電極と、電極間に介在するセパレータと、電解質と、を具備し、セパレータが、ナノファイバを含み、かつ第1表面およびその反対側の第2表面を有するシート形状を有し、セパレータの面方向におけるナノファイバの最大繊維径の平均を、第1表面近傍および第2表面近傍と、セパレータの厚さ方向の中心部とで比較したとき、第1表面近傍におけるナノファイバの最大繊維径の平均Ds1および第2表面近傍におけるナノファイバの最大繊維径の平均Ds2が、セパレータの厚さ方向の中心部におけるナノファイバの最大繊維径の平均Dcより小さくなっている、キャパシタに関する。セパレータは、1.1≦Dc/Ds1≦2.5、および1.1≦Dc/Ds2≦2.5の関係を充足するか、もしくは、最大繊維径の平均Dcが、60nm〜2μmである。
本発明のさらに他の一局面は、(i)基材シートをナノファイバ形成空間に供給する工程と、(ii)ナノファイバ形成空間において、溶媒および溶媒に溶解した樹脂原料を含む原料液から静電気力によりナノファイバを生成させるとともに、生成したナノファイバを基材シートの主面に堆積させて、ナノファイバのマトリックス構造を有する多孔質シートを形成する工程と、(iii)一対の多孔質シートを、基材シートの主面と接触していた表面同士を対向させて接合し、一対の多孔質シートの基材シートの主面と接触していなかった表面をそれぞれ第1表面およびその反対側の第2表面とするキャパシタ用セパレータを形成する工程と、を有する、キャパシタ用セパレータの製造方法に関する。
本発明の別の一局面は、第1および第2ラインの上流から下流にそれぞれ長尺の第1および第2基材シートを搬送し、上流側で、第1および第2基材シートの主面にそれぞれ第1および第2多孔質シートを形成し、下流側で、第1および第2多孔質シートを対向させて接合する、キャパシタ用セパレータの製造方法であって、(i)第1および第2基材シートを、第1および第2ラインの上流側のナノファイバ形成空間に搬送する工程と、(ii)ナノファイバ形成空間において、溶媒および溶媒に溶解した樹脂原料を含む原料液から静電気力によりナノファイバを生成させるとともに、生成したナノファイバを搬送される第1および第2基材シートの主面にそれぞれ堆積させて、ナノファイバのマトリックス構造を有する第1および第2多孔質シートを形成する工程と、(iii)第1および第2ラインの下流側で、搬送される第1および第2多孔質シートから第1および第2基材シートを除去する工程と、(iv)第1および第2ラインの更に下流側で、搬送される第1および第2多孔質シートの第1および第2基材シートの主面と接触していた表面同士を対向させて接合してナノファイバシートを形成する工程と、を有する、キャパシタ用セパレータの製造方法に関する。
本発明によれば、セパレータが電界紡糸法により形成されたナノファイバのマトリックス構造を有するにも拘わらず、セパレータの面方向におけるナノファイバの最大繊維径の平均を、セパレータの両方の表面近傍において、厚さ方向の中心部における最大繊維径の平均よりも小さくできる。そのため、キャパシタにおいて、セパレータと電極との接触面における接触抵抗を低減できる。
図1は、本発明の一実施形態のキャパシタ用セパレータの断面の概念図である。 図2は、本発明の一実施形態に係るキャパシタの電極群を示す斜視図である。 図3は、本発明の一実施形態に係るキャパシタ用セパレータの製造方法を実施するための、製造システムの構成を概略的に示す図である。 図4は、図3の多孔質シート形成装置40の構成を概略的に示す上面図である。 図5は、本発明の一実施形態に係るキャパシタ用セパレータの製造方法を実施するための、製造システムの構成を概略的に示す図である。 図6は、本発明の一実施形態に係るキャパシタ用セパレータの製造方法を実施するための、製造システムの構成を概略的に示す図である。
[キャパシタ]
キャパシタは、一対の電極と、電極間に介在するセパレータと、電解質とを具備する。そして、セパレータとして、電界紡糸法により形成されたナノファイバのマトリックス構造を有し、かつ第1表面およびその反対側の第2表面を有するシート形状を有するもの(以下、単にナノファイバシートともいう)を用いる。
ナノファイバシートでは、ナノファイバのセパレータの面方向における最大繊維径の平均を、第1表面近傍および第2表面近傍と、セパレータの厚さ方向の中心部とで比較したとき、第1表面近傍におけるナノファイバの最大繊維径の平均Ds1および第2表面近傍におけるナノファイバの最大繊維径の平均Ds2が、セパレータの厚さ方向の中心部におけるナノファイバの最大繊維径の平均Dcより小さくなっている。
(ナノファイバシート)
ナノファイバ不織布は、従来、電界紡糸法などにより、基材上にナノファイバを堆積させることにより作製される。そのため、基材の表面に接するナノファイバは、基材の表面の形状が転写されて、少し押し潰された状態になる。これにより、得られる不織布は、基材に接する側の表面の繊維が平らな状態となる。この平らな状態の繊維表面を有する不織布を、キャパシタ用セパレータとして用いると、平らな状態の繊維表面が電極と接した状態となり、接触面積が大きくなるので、接触抵抗が大きくなる。その結果、直流抵抗や交流抵抗(ESR)が大きくなり、キャパシタ特性が低下する。
本発明では、上記のようなナノファイバ不織布を、繊維が押し潰された状態となっている表面同士を貼り合わせて、ナノファイバシートとする。そのため、ナノファイバシートは、電界紡糸法により形成されるにも拘わらず、ナノファイバシートの両表面近傍のナノファイバは、従来のように、少し押し潰された状態となっていない。
より具体的には、本発明のナノファイバシートは、例えば、電界紡糸法により、基材シートの主面にナノファイバを堆積させて、ナノファイバのマトリックス構造を有する多孔質シート(ナノファイバ不織布)を形成し、基材シートの主面から剥離させた多孔質シートを一対用意し、一対の多孔質シートを基材シートの主面と接触していた表面同士を対向させて接合することにより、得ることができる。ナノファイバシートの製造方法の詳細は、後述する。
図1は、ナノファイバシートの繊維構造を説明するためのナノファイバシートの断面の概念図である。
図1に示されるように、ナノファイバシート1は、第1表面1aと、第1表面1aとは反対側の第2表面2aとを有しており、第1多孔質シートP1と第2多孔質シートP2とを貼り合わせた構造を有している。第1多孔質シートP1と、第2多孔質シートP2とは、基材シートの主面に接触していた表面同士を対向させて接合される。そのため、接合面3aの近傍(具体的には、ナノファイバシート1の厚さ方向の中心部)3では、繊維が少し押し潰された状態となっている。
一方、ナノファイバシート1の第1表面1aおよび第2表面2aは、基材シートと接触していない側の多孔質シートP1およびP2のそれぞれの表面に対応する。そのため、第1表面近傍1bおよび第2表面近傍2bでは、繊維が押し潰されていない。よって、ナノファイバのナノファイバシートの面方向における最大繊維径の平均を、第1表面近傍および第2表面近傍と、ナノファイバシートの厚さ方向の中心部とで比較したとき、第1表面近傍1aにおけるナノファイバの最大繊維径の平均Ds1および第2表面近傍におけるナノファイバの最大繊維径の平均Ds2は、ナノファイバシート1の接合面3aの近傍(具体的には、厚さ方向の中心部)3におけるナノファイバの最大繊維径の平均Dcより小さくなっている。
このように、ナノファイバシートは、その表面において、ナノファイバの、ナノファイバシートの面方向における最大繊維径の平均が小さくなっているため、セパレータとして用いて電極と接触させた場合に、接触面積が大きくなるのを抑制することができる。これにより、接触抵抗の増加が抑制されるので、キャパシタ特性の低下を抑制できる。
また、ナノファイバシートは、両表面近傍の繊維が押し潰されていないため、繊維間に多くの隙間が保持されていることに加え、ナノファイバシートは、一般に高い空隙率を有するため、セパレータとして用いた場合に、電解質を速やかに吸収できるとともに、空隙に多くの電解質を保持することができる。
さらに、不織布は、通常、空隙率が高いため、ピンホールが発生しやすくなる。しかし、本発明では、ナノファイバのマトリックス構造のために、ピンホールの発生を効果的に防止できる。
「ナノファイバ」とは、ポリマーなどの高分子物質からなる繊維径50〜800nmの糸状物質を言う。
ナノファイバシートの面方向における最大繊維径とは、1本のナノファイバの繊維断面(繊維の幅方向の断面)を見たときに、ナノファイバシートの面方向における繊維幅のうち、最も大きなものを意味する。最大繊維径の平均とは、ナノファイバシートの厚さ方向の断面において、任意に選択した複数本(例えば、10本)のナノファイバの最大繊維径の平均値を意味する。なお、ナノファイバシートの面方向における最大繊維径を、単に、最大繊維径と称する場合がある。
最大繊維径の平均Dcは、ナノファイバシートの厚さ方向の中心部を通る、ナノファイバシートの表面に平行な平面(または多孔質シートの接合面)近傍における、ナノファイバの最大繊維径の平均値を意味する。
ナノファイバシートの厚さ方向の中心部とは、厚さ方向における中心または中心近傍に位置するのが好ましいが、必ずしも、中心または中心近傍に位置する必要はない。本発明のナノファイバシートは、ナノファイバシートの内部に、ナノファイバの最大繊維径の平均がより大きい領域を有していればよい。例えば、ナノファイバシートの表面に平行な平面(または多孔質シートの接合面)を中心とするシート全体の厚さの10〜40%の厚さを有する領域に、ナノファイバの最大繊維径の平均がより大きい領域を含んでもよい。
なお、図1中の符号3で示されるような、ナノファイバシートの厚さ方向における中心部を通る、ナノファイバシートの表面に平行な平面近傍とは、例えば、この平面を中心とするシート全体の厚さの10〜30%の厚さを有する領域のことを意味する。
最大繊維径の平均Dcは、例えば、60nm〜2μm、好ましくは100nm〜1.2μm、さらに好ましくは200〜1000nmである。
ナノファイバシートは、その両表面近傍において、ナノファイバの最大繊維径の平均Ds1およびDs2が比較的小さい。そのため、非常に細かな細孔が均一に形成されており、セパレータとして、キャパシタの一対の電極間に介在させた場合に、界面における電解質の分布が極めて均一になる。よって、どちらの電極に対しても、接触抵抗を低減できる。つまり、シートの両表面において、比較的一定の性質が得られやすいため、キャパシタ特性が安定化する。
第1表面近傍におけるナノファイバの最大繊維径の平均Ds1は、第1表面近傍に存在するナノファイバの最大繊維径の平均値を意味する。同様に、第2表面近傍におけるナノファイバの最大繊維径の平均Ds2は、第2表面近傍に存在するナノファイバの最大繊維径の平均値を意味する。
なお、第1表面近傍とは、例えば、ナノファイバシートの第1表面からシート全体の厚さの10%の厚さを有する領域のことを意味する。同様に、第2表面近傍とは、例えば、ナノファイバシートの第2表面からシート全体の厚さの10%の厚さを有する領域のことを意味する。
ナノファイバシートにおいて、最大繊維径の平均Ds1と、最大繊維径の平均Ds2とは、0.9≦Ds1/Ds2≦1.1を満たすのが好ましく、0.95≦Ds1/Ds2≦1.05を満たすのがさらに好ましい。Ds1およびDs2が、このような関係を満たす場合、ナノファイバシートの両表面の物性を、より均一にすることができるため、有利である。
最大繊維径の平均Ds1およびDs2は、それぞれ、例えば、50〜800nm、好ましくは60〜500nm、さらに好ましくは70〜200nmである。ナノファイバシートの両表面における最大繊維径の平均がこのような範囲である場合、キャパシタのセパレータとして用いた場合に、電極との接触抵抗を、より有効に低下させることができる。
Ds1およびDcは、例えば、1.1≦Dc/Ds1≦2.5、好ましくは1.2≦Dc/Ds1≦2.2、さらに好ましくは1.3≦Dc/Ds1≦2の関係を充足する。また、Ds2およびDcは、例えば、1.1≦Dc/Ds2≦2.5、好ましくは1.2≦Dc/Ds1≦2.2、さらに好ましくは1.3≦Dc/Ds1≦2の関係を充足する。ナノファイバシートが、このような最大繊維径の関係を満たす場合、キャパシタのセパレータとして用いた場合に、電極との接触抵抗を、より有効に低下させることができる。
ナノファイバシートの平均の空隙率Pは、例えば、50〜95%、好ましくは60〜92%、さらに好ましくは70〜90%である。
ナノファイバシートにおいて、第1表面近傍における空隙率Ps1と、第2表面近傍における空隙率Ps2とは、0.9≦Ps1/Ps2≦1.1を満たすのが好ましく、0.95≦Ps1/Ps2≦1.05を満たすのがさらに好ましい。Ps1およびPs2がこのような関係を満たす場合、ナノファイバシートの両表面の物性を、より均一にすることができるため、有利である。
第1および第2多孔質シートの厚さがほぼ同じである場合には、接合面は、ナノファイバシートの厚さ方向における中心に位置する。接合面は、必ずしも、ナノファイバシートの厚さ方向における中心に位置している必要はないが、中心またはその近傍に位置しているのが好ましい。
ナノファイバシートは、多孔質シートの接合面またはナノファイバシートの厚さ方向の中心部分を境界にして対称な構造とする必要はないが、対称な構造を有するのが好ましい。具体的には、ナノファイバシートの厚さ方向の中心(具体的には、この中心を通り、かつナノファイバシートの表面に平行な平面)を境界にして、ナノファイバシートを、第1表面側の第1領域と、第2表面側の第2領域とに区分するとき、第1領域および第2領域を、上記境界に対して対称な構造を有することが好ましい。このような構造を有するナノファイバシートでは、第1表面側と、第2表面側とで、物性をより均一化することができる。
ナノファイバシートは、ナノファイバのマトリックス構造を有しており、通常、不織布の形態である。
ナノファイバシートのマトリックス構造において、ナノファイバ同士は、接点において、互いに接着した状態であってもよく、接着することなく分離していてもよい。ナノファイバ同士は、マトリックス構造中、ランダムに接着していてもよい。
また、必要に応じて、ナノファイバのマトリックス構造に、ポリマーなどのバインダーを含む溶液を含浸や塗布などにより適用し、あるいは、ナノファイバの原料に含ませて、ナノファイバ同士を、バインダーで接着させてもよい。
ナノファイバシートでは、両表面の近傍よりも、厚さ方向の中心部近傍において、ナノファイバ同士の接着が多くなっていてもよい。
電界紡糸法において、ナノファイバは、ポリマー溶液や溶融ポリマーを紡糸することにより形成される。そのため、ナノファイバ同士の接着は、ナノファイバ同士の溶着や融着であってもよい。
ポリマー溶液を用いた電界紡糸では、溶媒が完全に揮発せずに溶媒に膨潤した状態のナノファイバが堆積すると、接点において、溶媒の作用により、ナノファイバ同士が相溶し、溶媒が揮発した後は、ナノファイバ同士が溶着した状態となる。
溶融ポリマーを用いた電界紡糸では、ナノファイバが堆積する際に、完全に固化していないナノファイバ同士が接触した状態で固化すると、接点において、ナノファイバ同士が融着した状態となる。
ナノファイバを構成するポリマー(または樹脂原料)などの高分子物質の種類は、電界紡糸可能である限り、特に制限されず、溶融可能な各種熱可塑性ポリマーや、溶媒に溶解可能なポリマーなどが例示できる。
このようなポリマーとしては、例えば、オレフィン樹脂(例えば、エチレンおよび/またはプロピレンなどをモノマー単位として含む単独重合体または共重合体);ビニル樹脂(ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの酢酸ビニル樹脂またはそのケン化物(ポリビニルアルコールまたはその変性体など);ポリスチレン、スチレンをモノマー単位として含む共重合体などの芳香族ビニル樹脂;ポリアクリロニトリルなどのシアン化ビニル樹脂など);アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルをモノマー単位として含む単独重合体または共重合体など);フッ素樹脂;ポリエステル樹脂(ポリ乳酸、ポリカプロラクトンなどの脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステルなど);ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;セルロース誘導体(セルロースエステル、セルロースエーテルなど);生分解性ポリマーなどのバイオポリマーなどが挙げられる。これらのポリマーは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
上記のポリマーのうち、特に、オレフィン樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂が好ましい。このようなポリマーは、ナノファイバシートを、キャパシタ用セパレータとして用いる場合、電解質の浸透性を高めることができる点で有利である。また、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などは、耐熱性が高いため、熱収縮性が低いことにより、キャパシタ用セパレータとして用いた場合に、より有効に内部短絡を抑制できる。
フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)などのフッ素含有モノマー単位を有する単独重合体または共重合体が例示できる。
ポリアミド樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド6−12などの脂肪族ポリアミド;脂環族ポリアミド;ポリアミドMDX−6、アラミドなどの芳香族ポリアミドなどが例示できる。耐熱性の点からは、芳香族ポリアミド、特に、アラミドなどの全芳香族ポリアミドが好ましい。
ポリイミド樹脂は、例えば、ポリアミド酸から得られる縮合型ポリイミド、ビスマレイミド樹脂などの熱硬化性ポリイミド;熱可塑性ポリイミドが挙げられる。熱可塑性ポリイミドとしては、例えば、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびジアミノジフェニルメタンをモノマー単位として含むポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミドなどが例示できる。
ナノファイバは、必要に応じて、ポリマー以外に、公知の添加剤を含んでもよい。添加剤の含有量は、例えば、ナノファイバシートの5質量%以下である。
ナノファイバシートの厚さは、用途に応じて、1〜1000μm程度の範囲から選択でき、例えば、5〜200μm、好ましくは10〜100μmまたは15〜70μmである。
本発明のキャパシタでは、ナノファイバシートを、キャパシタ用セパレータとして、一対の電極間に介在させる。
キャパシタとしては、電解質を用いるもの、例えば、アルミ電解キャパシタなどの電解キャパシタ、電気二重層キャパシタ、擬似キャパシタ、リチウムイオンキャパシタなどが例示できる。これらの中でも、特に、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタが好ましい。電解質は、陽イオン、陰イオンおよびこれらを溶解する非水溶媒などを含む。
キャパシタの形状も特に制限されず、キャパシタの種類などに応じて、円筒型、箱型などのいずれであってもよい。
キャパシタの電極、電極活物質、電解質などは、キャパシタの種類に応じて、適宜選択できる。
電極は、通常、集電体と、集電体の表面に付着した合剤層とを含む。集電体としては、慣用の無孔または多孔性の導電性基板が使用できる。陽極の集電体を形成する金属材料としては、キャパシタ用集電体の用途において公知の材料、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、チタンなどが例示できる。また、陰極の集電体を形成する金属材料としては、キャパシタ用集電体の用途において公知の材料、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、銅、銅合金などが例示できる。集電体の厚さは、例えば、3〜50μmの範囲から選択できる。
合剤層は、活物質と、結着剤と、分散媒とを含む電極スラリーを、集電体の片面または両面に塗布し、乾燥することにより形成できる。乾燥後、必要により圧延処理を施してもよい。合剤層は、必要に応じて、さらに増粘剤、導電材などを含有してもよい。電極スラリーは、慣用の混合機または混練機などを用いる方法により調製でき、各種コーターなどを利用する慣用の塗布方法などにより集電体表面に塗布できる。
合剤層の厚さは、例えば、50〜300μm、さらに好ましくは100〜200μmである。
以下に、電気二重層キャパシタおよびリチウムイオンキャパシタを例に挙げて、キャパシタの構成要素を説明する。
(電極活物質)
キャパシタでは、一対の電極の少なくとも一方が、電気二重層を形成する分極性材料として炭素質材料を含むことが好ましい。
電気二重層キャパシタでは、双方の電極ともに、活物質として、活性炭が使用される。
リチウムイオンキャパシタでは、陽極の活物質として、リチウムイオンキャパシタ用途で公知の材料、例えば、活性炭、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ、フラーレンなどの炭素質材料の他、ポリアセン系半導体(PAS)などを使用してもよい。これらは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。これらの活物質のうち、活性炭が好ましい。
リチウムイオンキャパシタにおいて、陰極の活物質としては、例えば、黒鉛型結晶構造を有する材料、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素、熱分解炭素、コークス類、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレンなどの炭素質材料が使用できる。黒鉛型結晶構造を有する材料としては、例えば、天然黒鉛や球状または繊維状の人造黒鉛などが例示できる。陰極の活物質は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。リチウムイオンキャパシタにおいて、陽極の活物質と陰極の活物質とは異なるものであってもよく、同じであってもよい。
リチウムイオンキャパシタでは、陰極の活物質は、必要により、セルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子で被覆してもよい。また、合剤層に、リチウムをドープさせてもよい。
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素樹脂;ポリアクリル酸メチル、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体などのアクリル樹脂;スチレン−ブタジエンゴム、アクリルゴムまたはこれらの変性体などのゴム状材料が例示できる。
結着剤の割合は、活物質100質量部当たり、例えば、0.1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部である。
分散媒としては、例えば、水、エタノールなどのアルコール、テトラヒドロフランなどのエーテル、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、またはこれらの混合溶媒などが例示できる。
導電剤としては、カーボンブラック;炭素繊維などの導電性繊維;フッ化カーボンなどが挙げられる。導電剤の割合は、例えば、活物質100質量部当たり、例えば、0.1〜7質量部である。
増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)などのセルロース誘導体;ポリエチレングリコールなどのポリC2-4アルキレングリコールなどが挙げられる。増粘剤の割合は、例えば、活物質100質量部当たり、例えば、0.1〜10質量部である。
(電解質)
電気二重層キャパシタにおいて使用される電解質としては、硫酸などの酸を含む水系電解質の他、ホウフッ化4級アンモニウム塩(例えばホウフッ化テトラエチルアンモニウム、ホウフッ化トリエチルメチルアンモニウム)などを非水溶媒に溶解させた非水電解質が使用できる。
非水溶媒には、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)などの環状炭酸エステル;ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートなどの鎖状炭酸エステル;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状カルボン酸エステル;ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテルなどの鎖状エーテル;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどの環状エーテル;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;これらのフッ素原子置換体(フルオロエチレンカーボネートなどのフッ素原子含有環状炭酸エステル:HCF2CH2-O-CF2CF2H、CF3CF2CH2-O-CF2CF2Hなどのフッ素原子含有鎖状エーテルなど)などが挙げられる。これらの非水溶媒は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
リチウムイオンキャパシタにおいて、電解質は、リチウムイオン伝導性を有する非水電解質である。非水電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解したリチウム塩とを含む。非水溶媒としては、電気二重層キャパシタの電解質と同様の非水溶媒が使用できる。
リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、LiC(SO2CF33などが挙げられる。リチウム塩は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
電解質中の溶質(ホウフッ化4級アンモニウム塩やリチウム塩)の濃度は、例えば、1〜3モル/L、好ましくは1.2〜2.5モル/Lである。
電解質には、公知の添加剤、例えば、ビニレンカーボネート(VC)などのビニレンカーボネート化合物;1,3−プロパンサルトン(PS)などのサルトン化合物などを添加してもよい。
(その他)
キャパシタは、キャパシタの種類や形状などに応じて、公知の方法により製造できる。例えば、一対の電極と、これらを隔離するキャパシタ用セパレータとを捲回して電極群を形成し、電極群および電解質をケースに収容することによりキャパシタを製造してもよい。電極群は、捲回したものに限らず、積層したもの、またはつづら折りにしたものであってもよい。電極群の形状は、キャパシタの形状に応じて、円筒型、捲回軸に垂直な端面が長円形である扁平形であってもよい。
ケース材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金(マンガン、銅等などの金属を微量含有する合金など)、鋼鈑などが使用できる。
図2は、本発明の一実施形態に係るキャパシタの電極群を示す斜視図である。電極群4は、金属箔で形成された一対の電極5a,5bの間に、セパレータ6a,6bを介在させた状態で、捲回されている。電極5aおよび5bのそれぞれには、引き出しリード7a、7bが接続されている。キャパシタは、例えば、電極群4と、電解質(図示せず)とをケース(図示せず)の中に収容し、ゴムあるいはフェノール樹脂などの封止材でケースを封止することにより製造できる。
(ナノファイバシートの製造方法)
ナノファイバシートは、電界紡糸法により、基材シートの主面にナノファイバを堆積させて多孔質シートを形成する工程(A)と、一対の多孔質シートの基材シートの主面と接触していた表面同士を対向させて接合する工程(B)とを経ることにより製造できる。
ナノファイバシートの製造方法は、さらに、工程(A)に先だって、基材シートを、ナノファイバを形成させる空間(ナノファイバ形成空間)に配置または供給する工程(a)、および/または、工程(B)の後に、完成したシートを回収する工程(C)を有していてもよい。
工程(a)では、ラインの上流側から、ナノファイバ形成空間に、長尺の基材シートを搬送してもよい。第1および第2多孔質シートからなる一対の多孔質シートを工程(A)で形成するために、工程(a)では、例えば、第1および第2ラインの上流から下流にそれぞれ長尺の第1および第2基材シートを搬送してもよい。また、工程(A)において、ラインの上流側で、第1および第2基材シートの主面にそれぞれ第1および第2多孔質シートを形成し、工程(B)において、ラインの下流側で、第1および第2多孔質シートを対向させて接合してもよい。
多孔質シートの基材シートの主面と接触していた表面は、基材シートの主面の形状が転写されて、少し押し潰され、繊維が平らな状態となっている。また、このような状態の表面同士を対向させて一対の多孔質シートを接合することにより、得られるナノファイバシートの厚さ方向の中心部におけるナノファイバの最大繊維径の平均Dcを、第1および第2表面近傍におけるナノファイバの最大繊維径の平均Ds1およびDs2よりも大きくできる。
また、多孔質シートの基材シートの主面と接触していなかった表面では、ナノファイバが押し潰された状態とならず、多孔質シートの面方向における最大繊維径を小さく維持できる。多孔質シートの基材シートの主面と接触していた表面同士を接合することにより、反対側の多孔質シートの面方向における小さな最大繊維径が維持された状態の表面が、ナノファイバシートの第1および第2表面となる。そのため、キャパシタ用セパレータとして用いたときに、電極との接触面積を小さくすることが可能となるので、接触抵抗を低減できる。
(A)多孔質シート形成工程
多孔質シートは、電界紡糸法により形成できる。多孔質シートを形成する工程(A)は、具体的には、ナノファイバ形成空間において、樹脂原料(前記例示のポリマー)などの高分子物質を含む原料液から、静電気力によりナノファイバを生成させるとともに、生成したナノファイバを基材シートの主面に堆積させて、ナノファイバのマトリックス構造を有する多孔質シートを形成する工程であってもよい。
原料液は、樹脂原料の溶融物であってもよく、溶媒および溶媒に溶解した樹脂原料を含む溶液であってもよい。原料液には、必要に応じて、公知の添加剤を添加してもよい。
溶媒は、樹脂原料を溶解可能で、揮発などにより除去可能なものであれば特に制限されず、樹脂原料の種類に応じて、適宜選択できる。溶媒としては、各種有機溶媒、例えば、アセトンなどのケトン、アセトニトリルなどのニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド、テトラヒドロフランなどのエーテル、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドンなどが例示できる。非プロトン性極性溶媒が好ましい。
電界紡糸法では、静電延伸現象によりナノファイバを生成させる。例えば、原料液として樹脂原料を含む溶液を用いる場合、帯電された空間中に流出された原料液からは、空間を飛行中に徐々に溶媒が蒸発していく。これにより、飛行中の原料液の体積は徐々に減少していくが、原料液に付与された電荷は、原料液に留まる。その結果、空間を飛行中の原料液の電荷密度は、徐々に上昇することとなる。そして、原料液の電荷密度が高まり、原料液の中に発生する反発方向のクーロン力が原料液の表面張力よりも勝った時点で、原料液が爆発的に線状に延伸される現象が生じる。この現象が静電延伸現象である。静電延伸現象によれば、繊維径がサブミクロンからナノオーダーのナノファイバを効率よく製造することができる。
なお、原料液として樹脂原料の溶融物を用いる場合には、ナノファイバ形成空間中に流出された原料液に、高電圧を印加することにより、原料液の電荷密度を高めることができる。続くナノファイバ形成の原理は、上記とほぼ同じである。
原料液の状態、放出体の構成、帯電手段により形成される電界の大きさなどにより、生成するナノファイバの繊維径は変化する。そのため、多孔質シートを形成する工程では、複数の電界紡糸ユニットを用いて、各ユニットで、それぞれ異なるナノファイバを生成させることもできる。例えば、基材シートの主面に、繊維径の異なる複数種のナノファイバを順次堆積させてもよい。また、主面に堆積させるナノファイバの繊維径を、基材シート側から順次に細くしてもよい。このようなグラデーションを設ける方法としては、例えば、異なる繊維径のナノファイバを生成する複数の電界紡糸ユニットを用いる方法などが挙げられる。
例えば、工程(A)では、ラインの上流側に配置された第1電界紡糸ユニットと、ラインの下流側に配置された第2電界紡糸ユニットとを用いて、ナノファイバを形成してもよい。この場合には、厚さ方向において、繊維径が変化する多孔質シートを形成することができる。
具体的には、上流側に配置される第1電界紡糸ユニットにより生成されるナノファイバの繊維径を、第2電界紡糸ユニットにより生成されるナノファイバの繊維径よりも意図的に大きくすることができる。逆に、上流側に配置される第1電界紡糸ユニットにより生成されるナノファイバの繊維径を、第2電界紡糸ユニットにより生成されるナノファイバの繊維径よりも意図的に小さくすることもできる。ただし、基材シートとナノファイバにより形成される多孔質層との境界付近では、繊維径が太くなる傾向がある。従って、多孔質層の繊維径を変化させる場合には、上流側でより太い繊維径のナノファイバを生成させる方が、意図した構造を達成しやすい。
多孔質シートを形成した後、基材シートは、多孔質シートから除去される。そのため、ナノファイバシートの製造方法は、工程(A)において、または工程(A)の後に、基材シートを除去する工程(a2)を含んでもよい。
基材シートの種類は限定されない。基材シートの主面には、多孔質シートが剥離しやすいように、離型剤のコーティング、粗面化などの公知の離型処理が施されていてもよい。
(B)多孔質シートの接合工程
形成された多孔質シートは、接合工程(B)に供される。接合工程(B)では、一対の多孔質シートが、基材シートの主面と接していた表面同士を対向させた状態で接合され、ナノファイバシートが形成される。
工程(B)では、一対の多孔質シートを用いる代わりに、1枚の多孔質シートを、基材シートの主面と接触していた表面同士が対向するように折り曲げて、接合させてもよい。折り曲げた側の端は、必要に応じて、カットしてもよい。
工程(B)では、第1多孔質シートと、別途形成した第2多孔質シートとを、それぞれの基材シートの主面に接触していた表面を対向させて接合させてもよい。
また、第1および第2多孔質シートを、並行して形成し、それぞれの基材シートの主面に接触していた表面を対向させて接合させることを連続的に行ってもよい。具体的には、第1および第2多孔質シートを、それぞれ、第1および第2ラインにおいて、上流側から搬送し、搬送される第1および第2多孔質シートの基材シートの主面と接触していた表面同士を、ラインの下流側において、対向させて接合してもよい。
工程(A)において樹脂原料の溶融物を用いる場合、接合を、一対の多孔質シートの少なくとも基材シートの主面と接触していた表面近傍において、ナノファイバが完全に固化する前に行うことにより、一方の多孔質シートのナノファイバと他方の多孔質シートのナノファイバとを融着させてもよい。
樹脂原料の溶液を用いる場合、接合を、一対の多孔質シートの少なくとも基材シートの主面と接触していた表面近傍において、ナノファイバが溶媒を含んだ状態で行うことにより、一方の多孔質シートのナノファイバと、他方の多孔質シートのナノファイバとを溶着させてもよい。
また、一対の多孔質シートは、熱圧着や接着剤などを用いた公知の接合方法により、接合させてもよい。
以下に、ナノファイバシートの製造方法を、図面を参照しながら、より具体的に説明する。
ナノファイバシートの製造方法は、例えば、
(i)基材シートをナノファイバ形成空間に供給する工程と、
(ii)ナノファイバ形成空間において、溶媒および溶媒に溶解した樹脂原料を含む原料液から静電気力によりナノファイバを生成させるとともに、生成したナノファイバを基材シートの主面に堆積させて、ナノファイバのマトリックス構造を有する多孔質シートを形成する工程と、
(iii)一対の多孔質シートを、基材シートの主面と接触していた表面同士を対向させて接合し、一対の多孔質シートの基材シートの主面と接触していなかった表面をそれぞれ第1表面およびその反対側の第2表面とするナノファイバシートを形成する工程と、を有する。
工程(iii)では、一対の多孔質シートの少なくとも基材シートの主面と接触していた表面近傍が溶媒を含んだ状態で、一対の多孔質シートを接合し、一方の多孔質シートのナノファイバと、他方の多孔質シートのナノファイバとを溶着させてもよい。
図3は、本発明の一実施形態に係るキャパシタ用セパレータ(またはナノファイバシート)の製造方法を実施するための、製造システムの構成を概略的に示す図である。
図3の製造システム100は、ナノファイバシートを製造するための製造ラインを構成している。製造システム100では、基材シートSが製造ラインの上流から下流に搬送される。搬送途中の基材シートSには、多孔質シートP1の形成が随時行われる。
製造システム100の最上流には、ロール状に捲回された基材シートSを内部に収容した基材シート供給装置20が設けられている。基材シート供給装置20は、ロール状の基材シートSを捲き出して、自身の下流側に隣接する別の装置に基材シートSを供給する。具体的には、基材シート供給装置20は、モータ24により供給リール22を回転させて、供給リール22に捲回された基材シートSを第1搬送コンベア21に供給する。
捲き出された基材シートSは、第1搬送コンベア21により、多孔質シート形成装置40に移送される。多孔質シート形成装置40は、電界紡糸機構を具備する。より具体的には、電界紡糸機構は、装置内の上方に設置された原料液を放出するための放出体42と、放出された原料液を帯電させる帯電手段と、放出体42と対向するように基材シートSを上流側から下流側に搬送する第3搬送コンベア41と、を備えている。第2搬送コンベア41は、基材シートSとともにナノファイバを収集するコレクタ部として機能する。
帯電手段は、放出体42に電圧を印加する電圧印加装置43と、第2搬送コンベア41と平行に設置された対電極44とで構成されている。対電極44は接地されている。これにより、放出体42と対電極44との間には、電圧印加装置43により印加される電圧に応じた電位差(例えば20〜200kV)を設けることができる。なお、帯電手段の構成は、特に限定されず、例えば、対電極44は必ずしも接地しなくてもよい。また、対電極44を設ける代わりに、第2搬送コンベア41のベルト部分を導体から構成するなどしてもよい。
放出体42は、導体で構成されており、長尺の形状を有し、その内部は中空になっている。中空部は原料液45を収容する収容部となる。放出体42の基材シートSと対向する側には、複数の放出口が、一定の間隔で、規則的な配列で設けられている。原料液45は、放出体42の中空部と連通するポンプ46の圧力により、原料液タンク45aから放出体42の中空に供給される。そして、原料液45は、ポンプ46の圧力により、複数の放出口から基材シートSの主面Saに向かって放出される。放出された原料液は、帯電した状態で放出体42と第3搬送コンベア41との間の空間を移動中に静電爆発を起し、ナノファイバを生成する。生成したナノファイバは、静電誘引力によって基材シートSの主面Saに誘引され、そこで堆積する。これにより、ナノファイバからなる多孔質層(不織布)が形成される。
第2搬送コンベア41の最も上流側には、基材シートSの主面Saと接触するスキージ47を設けてもよい。スキージ47により、ナノファイバを堆積させる前の基材シートSの主面Saの凹凸や皺を除くことができる。これにより、基材シートSは、第2搬送コンベア41のベルト部分の表面に密着する。従って、ナノファイバは、基材シートSの主面Saに、部分的に集中することなく、均一に堆積する。よって、形成される多孔質層の表面は平坦な状態になり、多孔質層の厚さが均一になりやすい。
第2搬送コンベア41のベルト部分は、誘電体であってもよい。上記のように、ベルト部分が導体で構成されている場合には、放出体42の放出口に近いコレクタ部にナノファイバが、やや集中して堆積する傾向がある。ナノファイバをより均一にコレクタ部に分散させる観点からは、第2搬送コンベア41のベルト部分を誘電体により形成することがより望ましい。ベルト部分を誘電体により形成した場合には、ベルト部分の内周面(基材シートSと接触する面の反対側の面)に、対電極44を接触させてもよい。このような接触により、ベルト部分の内部で誘電分極が起こり、基材シートSとの接触面に一様な電荷が発生する。これにより、ナノファイバが基材シートSの主面Saの一部に集中して堆積する可能性が更に低減される。
図4は、多孔質シート形成装置40の構成を概略的に示す上面図である。
多孔質シート形成装置40では、放出体42が基材シートSの移動方向(図4中の白抜き矢印の方向)に対して斜めに交わるように設置されている。このように放出体42を斜めに設置することで、第2搬送コンベア41と放出体42との対向面積が大きくなるため、多孔質層の生産性を高めることが可能である。なお、放出体42と矢印との成す鋭角θは、特に限定されないが、30〜60°程度とすることが、生産性を十分に向上させる上で好ましい。放出体42は、多孔質シート形成装置40の上方に設置された基材シートSの移動方向と平行な第1支持体48から下方に延びる第2支持体49により、自身の長手方向が基材シートSの主面Saと平行になるように支持されている。
放出体42の基材シートSの主面Saと対向する側には、原料液の放出口42aが複数箇所設けられている。放出口42aを規則的なパターンで放出体42に配列させることで、基材シートSの主面Saに堆積するナノファイバの量を、主面Saの広い領域に渡って均一化することができる。放出体42の放出口42aと、基材シートSとの距離は、ナノファイバシートの製造システムの規模にもよるが、例えば、100〜600mmであればよい。
図3では、多孔質シート形成装置40が1台だけ設けられており、かつ1台の多孔質シート形成装置40が有する放出体42の数は2つであるが、多孔質シート形成装置40の台数や、1台の多孔質シート形成装置40が具備する放出体42の数は、特に限定されない。例えば、図5に示すように、2台の多孔質シート形成装置40を連続するように設けた製造システム200を構成してもよい。すなわち、2台の多孔質シート形成装置40の組みを、1つの電界紡糸機構として機能させてもよい。この場合、電界紡糸機構は、ラインの上流側に配置された第1電界紡糸ユニット40Aと、ラインの下流側に配置された第2電界紡糸ユニット40Bとを有すると考えることができる。
なお、上記製造システムは、各装置が分離可能なように構成されている。そのため、各装置の台数を変更することは容易である。同様に、追加的機能を有する図示しない装置を、いずれかの隣接装置間に介在するように配置することもできる。
電界紡糸機構が、ラインの上流側に配置された第1電界紡糸ユニットと、ラインの下流側に配置された第2電界紡糸ユニットとを有する場合、各電界紡糸ユニットにより、同じナノファイバを生成させてもよく、異なるナノファイバを生成させてもよい。同じナノファイバを生成させる場合には、例えば、多孔質シートの厚さを大きくしたり、製造ラインを移動する基材シートSのスピードを速めて、製造タクトを向上させたりすることができる。また、異なるナノファイバを生成させる場合には、例えば、繊維径の異なるナノファイバを生成させることにより、複数層の異なる繊維層からなる多孔質シートを形成することができる。
ここで、上流側に配置される第1電界紡糸ユニットにより生成されるナノファイバの繊維径を、第2電界紡糸ユニットにより生成されるナノファイバの繊維径よりも意図的に大きくすれば、多孔質シートの基材シートS側を繊維径の大きいナノファイバにより構成することができ、基材シートSとは反対側を、繊維径のより小さいナノファイバにより構成することもできる。
このような構造の多孔質シートの基材シートS側の表面同士を接合してナノファイバシートを形成すると、ナノファイバシートの厚さ方向の中心部におけるナノファイバの最大繊維径の平均Dcをより大きくすることができるとともに、第1および第2表面近傍におけるナノファイバの最大繊維径の平均Ds1およびDs2をより小さくすることができる。
なお、複数層の異なる繊維層からなる多孔質シートを形成する場合、異なる繊維層の数は、特に限定されないが、2〜5層が好ましく、2〜3層がより一般的である。
多孔質シート形成装置40において、基材シートSの表面に多孔質シートP1が形成されると、多孔質シートP1は、図中の矢印の方向に向かって次工程に搬送され、基材シートSは、多孔質シートP1から剥離されて、基材シートSの供給リール22に回収される。
図3において、基材シートSと第2搬送コンベア41とが離間(剥離)する箇所には、基材シートSと第2搬送コンベア41のロールとが剥離するときに起こり得るスパークの発生を抑制するために、基材シートSを除電する除電装置を設けてもよい。また、多孔質シート形成装置40と、これに隣接する各装置との間の窓部近傍には、ナノファイバ形成空間で生成したナノファイバが外部に放出されないように、ナノファイバを吸引する吸引ダクトを設けてもよい。
多孔質シート形成装置40から搬出された多孔質シート(第1多孔質シート)P1は、より下流側に配置されている多孔質シート接合装置50に移送される。このとき、多孔質シートP1は、基材シートS1と接触していない側の表面が、一対の圧着ローラ51a,51bのうち、圧着ローラ51aの周面に接触するように移送される。そして、同時に、多孔質シート接合装置50は、搬送されている多孔質シートP1の表面を覆うように第2多孔質シートP2を、図中の矢印の方向に、一対の圧着ローラ51a、51bの間に供給する。このとき、第1多孔質シートP1と第2多孔質シートP2とは、それぞれの基材シートに接触していた表面同士を対向させた状態となるように供給される。第1多孔質シートP1は、表面が乾いて基材シートS側が少し湿った状態であるのが好ましい。
多孔質シート接合装置50は、基材シートに接触していた表面を外側にして供給リール52aにロール状に捲回された、第2多孔質シートP2を収容している。第2多孔質シートP2は、第1多孔質シートP1の移動方向と垂直に交わる回転軸を有し、かつ第1多孔質シートP1と平行な周面を有する搬送ローラ52bによって捲き出される。捲き出された第2多孔質シートP2は、一対の接合ローラ51a、51bの間に、第1多孔質シートP1と積層されるように供給される。そして、第1多孔質シートP1および第2多孔質シートP2が、積層した状態で、一対の接合ローラ51aおよび51b間のギャップを通過することにより、第1多孔質シートP1および第2多孔質シートP2が圧着されて一体化され、ナノファイバシートが完成する。
多孔質シートP1およびP2が圧着されるとき、第1多孔質シートP1の表面近傍が、溶媒を含んだ状態である場合、溶媒の作用により、第1多孔質シートP1の表面の繊維と、第2多孔質シートP2の表面の繊維とが溶着する。第2多孔質シートP2の表面近傍も、溶媒を含んだ状態であってもよい。接合ローラ51a,51bによる圧着は、加熱しながら行うことができる。
完成したナノファイバシートFは、搬送ローラ71を介して、回収装置70に回収される。回収装置70は、搬送されてくるナノファイバシートFを捲き取る回収リール72を内蔵している。回収リール72はモータ74により回転駆動される。
図3に示すような製造システムでは、基材シート供給装置20と、ナノファイバシートを回収する回収装置70とを回転させるモータ74を、製造ラインを通過する基材シートSの搬送速度、多孔質シートの搬送速度が一定になるような回転速度に制御される。これにより、基材シートS、多孔質シートは、所定のテンションを維持しつつ搬送される。このような制御は、製造システム100に備えられた制御装置(図示せず)によって行われる。制御装置は、製造システム100を構成する各装置を統括的に制御し、管理できるように構成されている。
多孔質シート接合装置50とナノファイバシート回収装置70との間には、予備回収部を配置してもよい。予備回収部は、完成されたナノファイバシートFの回収装置70による回収が容易となるように設けられる。具体的には、予備回収部では、多孔質シート接合装置50から移送されてくる完成したナノファイバシートFを、一定の長さまでは捲き取らずに弛んだ状態で回収する。その間、回収装置70の回収リール72は回転させずに停止させておく。そして、予備回収部により回収された弛んだ状態のナノファイバシートFの長さが一定の長さになる度に、回収装置70の回収リール72を所定時間だけ回転させて、回収リール72によりナノファイバシートFを捲き取る。このような予備回収部を設けることで、基材シート供給装置20とナノファイバシート回収装置70が具備するモータ24、74の回転速度を厳密に連動させて制御する必要がなくなり、製造システム100の制御装置を簡略化することができる。
なお、上記のナノファイバシートの製造システムは、本発明のナノファイバシート(またはキャパシタ用セパレータ)の製造方法を実施するために用いることができる製造システムの一例に過ぎない。ナノファイバシートの製造方法は、ナノファイバ形成空間において、ナノファイバを生成させて、基材シートの主面に堆積させ、ナノファイバのマトリックス構造を有する多孔質シートを形成する工程と、一対の多孔質シートの基材シートと接触していた表面同士を対向させて接合し、ナノファイバシートを形成する工程とを有する限り、特に限定されない。
基材シートをナノファイバ形成空間に供給する工程は、基材シート供給装置によりロール状の基材シートSを捲き出して、製造ラインの最上流に基材シートSを供給する工程に限定されない。例えば、基材シートSを製造する装置と一体化された製造ラインを用いることもできる。その場合、製造された直後の基材シートSを、そのまま多孔質シート形成装置に供給してもよい。
また、多孔質シートを形成する工程についても、所定のナノファイバ形成空間において、原料液から静電気力によりナノファイバを生成させ、生成したナノファイバを基材シートSの主面に堆積させる工程であれば、どのような電界紡糸機構を用いてもよい。例えば、放出体の形状は、特に限定されない。放出体の長手方向に垂直な断面の形状は、上方から下方に向かって次第に小さくなる形状(V型ノズル)であってもよい。また、放出体を回転体により構成してもよい。
具体的には、放出体を、自転車用タイヤのチューブのような中空の環状体に形成し、当該中空に原料液を収容してもよい。そして、中空環状体の外周面に沿って複数の放出口を設け、中心を軸にして環状体を回転させれば、遠心力により放出口から原料液を放出させることができる。その場合、原料液の空間中での移動方向を、送風などにより制御すれば、所定のコレクタ部にナノファイバを堆積させることができる。
さらに、第1および第2多孔質シートを接合させる工程についても、どのような手法で行ってもよい。
本発明のナノファイバシートの製造方法は、特に、キャパシタ用セパレータの製造に適しているが、他の様々な用途に使用されるナノファイバシートの製造にも利用できる。
また、上述の実施形態では、基材シートSが長尺状である場合について説明したが、本発明は、例えば矩形状の基材シートSを用いる場合にも適用可能である。この場合、基材シート供給装置は、例えば、矩形の基材シートを、順次、第1搬送コンベアに載置する装置であればよい。このような基材シート供給装置には、矩形の基材シートSを複数収容するトレイフィーダを併設させれば、効率よく、基材シートSを供給することができる。
また、ナノファイバシートは、例えば、第1および第2ラインの上流から下流にそれぞれ長尺の第1および第2基材シートを搬送し、上流側で、第1および第2基材シートの主面にそれぞれ第1および第2多孔質シートを形成し、下流側で、第1および第2多孔質シートを対向させて接合する製造方法により、製造することもできる。
このような製造方法は、例えば、
(i)第1および第2基材シートを、第1および第2ラインの上流側のナノファイバ形成空間に搬送する工程と、
(ii)ナノファイバ形成空間において、溶媒および溶媒に溶解した樹脂原料を含む原料液から静電気力によりナノファイバを生成させるとともに、生成したナノファイバを搬送される第1および第2基材シートの主面にそれぞれ堆積させて、ナノファイバのマトリックス構造を有する第1および第2多孔質シートを形成する工程と、
(iii)第1および第2ラインの下流側で、搬送される第1および第2多孔質シートから第1および第2基材シートを除去する工程と、
(iv)第1および第2ラインの更に下流側で、搬送される第1および第2多孔質シートの第1および第2基材シートの主面と接触していた表面同士を対向させて接合してナノファイバシートを形成する工程と、を有する。
工程(iv)では、第1および第2多孔質シートの少なくとも第1および第2基材シートの主面と接触していた表面近傍が溶媒を含んだ状態で、第1および第2多孔質シートを接合し、第1多孔質シートのナノファイバと、第2多孔質シートのナノファイバとを溶着させてもよい。
図6は、本発明の一実施形態に係るキャパシタ用セパレータ(またはナノファイバシート)の製造方法を実施するための、製造システムの構成を概略的に示す図である。
図6の製造システム300は、第1ラインの最上流に、基材シート供給装置20Aが設けられているとともに、第2ラインの最上流に、基材シート供給装置20Bが設けられている。製造システム300は、図3の製造システム100において、第2多孔質シートP2を、多孔質シート接合装置50の供給リール52aから供給せずに、第1多孔質シートと並行して同様に製造しながら、連続的に、一対の接合ローラ51a,51b間に供給する以外は、図3の製造システム100と同様である。
ただし、図6では、便宜上、多孔質シート接合装置の符号を50Aとし、基材シート供給装置およびその構成要素を、それぞれ、基材シート供給装置20A、供給リール22a、第1搬送コンベア21aで表す。基材シート供給装置20Aは、モータ24aにより供給リール22aを回転させて、供給リール22aに捲回された第1基材シートS1を、第1搬送コンベア21aに供給する。捲き出された第1基材シートS1は、主面S1aが多孔質シート形成装置40内の放出体42と対向するように、第1搬送コンベア21aにより、多孔質シート形成装置40に移送され、多孔質シート形成装置40で、第1多孔質シートP1が形成される。
第2多孔質シートP2は、第1多孔質シートP1と同様にして形成される。具体的には、次のようにして形成される。まず、基材シート供給装置20Bは、供給リール22bに捲回された第2基材シートS2を、モータ24bによる供給リール22bの回転により、第1搬送コンベア21bに供給する。第1搬送コンベア21bは、捲き出された第2基材シートS2を、第2ラインの基材シート供給装置20Bの下流側に位置する多孔質シート形成装置80に移送し、多孔質シート形成装置80では、多孔質シート形成装置40と同様の機構により、多孔質シート(第2多孔質シートP2)が形成される。
第1および第2ラインの下流側にそれぞれ位置する多孔質シート形成装置40および80では、それぞれ第1および第2多孔質シートP1およびP2が形成された後、搬送コンベア41および81により、それぞれ次工程に供給される。そして、第1および第2基材シートS1およびS2は、それぞれ、多孔質シートP1およびP2から除去されて、供給リール22aおよび22bに回収される。
第1および第2ラインのさらに下流側には、多孔質シート接合装置50Aが配設されている。第1ラインの多孔質シート形成装置40から搬送される第1多孔質シートP1と、第2ラインの多孔質シート形成装置80から搬送される第2多孔質シートP2とは、第1および第2基材シートS1およびS2のそれぞれの主面S1aおよびS2aと接触していた表面同士が対向するように、一対の接合ローラ51aおよび51b間に供給される。
多孔質シート接合装置50Aでは、図3における多孔質シート接合装置50における接合の機構と同様して、一対の接合ローラ51aおよび51b間のギャップを通過することにより、第1および第2多孔質シートP1およびP2が圧着されて一体化され、ナノファイバシートが完成する。
完成したナノファイバシートFは、図3の場合と同様にして、回収装置70に回収される。
図6に示すような製造システムでも、図3の場合に準じて、図示しない制御装置により、基材シートS1およびS2、多孔質シートP1およびP2などの搬送速度を一定に制御してもよい。また、多孔質シート接合装置50Aと、ナノファイバシート回収装置70との間に、上記と同様に、予備回収部を配置してもよい。
本発明では、電界紡糸法により形成されるナノファイバのマトリックス構造(ナノファイバ不織布構造)を有しながらも、両表面近傍の最大繊維径の平均が、厚さ方向の中心部における最大繊維径の平均よりも小さいナノファイバシート(不織布)が得られる。このようなナノファイバシートは、表面の性質に優れるとともに、両表面の性質に大きな違いがないため、キャパシタ用セパレータに適している。また、ナノファイバシートは、キャパシタ用セパレータ以外にも、フィルタ、イオン交換膜の他、医療用材料、センサー、触媒、補強材などの様々な分野において有用である。
1:ナノファイバシート、1a:第1表面、1b:第1表面近傍、2a:第2表面、2b:第2表面近傍、P1:第1多孔質シート、P2:第2多孔質シートP2、3a:接合面、3:ナノファイバシートの厚さ方向の中心部近傍
4:電極群、5a,5b:電極、6a,6b:セパレータ、7a,7b:引き出しリード
100,200,300:ナノファイバシート(キャパシタ用セパレータ)の製造システム
20,20A,20B:基材シート供給装置、21,21a,21b:第1搬送コンベア、22,22a,22b:供給リール、
40,80:多孔質シート形成装置、40A:第1電界紡糸ユニット、40B:第2電解紡糸ユニット、41,81:第2搬送コンベア、42,82:放出体、42a:放出口、43,83:電圧印加装置、44,84:対電極、45,85:原料液、45a,85a:原料液タンク、46,86:ポンプ、47,87:スキージ、48,88:第1支持体、49,89:第2支持体、
50,50A:多孔質シート接合装置、51a,51b:接合ローラ、52a:供給リール、52b:搬送ローラ、
70:回収装置、71:搬送ローラ、72:回収リール、
S:基材シート、S1:第1基材シート、S2:第2基材シート、Sa:基材シートの主面、S1a:第1基材シートの主面、S2a:第1基材シートの主面、F:ナノファイバシート(キャパシタ用セパレータ)

Claims (17)

  1. ナノファイバを含み、かつ第1表面およびその反対側の第2表面を有するナノファイバシートであって、
    前記ナノファイバシートの面方向における前記ナノファイバの最大繊維径の平均を、前記第1表面近傍および前記第2表面近傍と、前記ナノファイバシートの厚さ方向の中心部とで比較したとき、前記第1表面近傍における前記ナノファイバの最大繊維径の平均Ds1および前記第2表面近傍における前記ナノファイバの最大繊維径の平均Ds2が、前記ナノファイバシートの厚さ方向の中心部における前記ナノファイバの最大繊維径の平均Dcより小さく、
    1.1≦Dc/Ds1≦2.5、および1.1≦Dc/Ds2≦2.5の関係を充足する、ナノファイバシート。
  2. ナノファイバを含み、かつ第1表面およびその反対側の第2表面を有するナノファイバシートであって、
    前記ナノファイバシートの面方向における前記ナノファイバの最大繊維径の平均を、前記第1表面近傍および前記第2表面近傍と、前記ナノファイバシートの厚さ方向の中心部とで比較したとき、前記第1表面近傍における前記ナノファイバの最大繊維径の平均Ds1および前記第2表面近傍における前記ナノファイバの最大繊維径の平均Ds2が、前記ナノファイバシートの厚さ方向の中心部における前記ナノファイバの最大繊維径の平均Dcより小さく、
    前記最大繊維径の平均Dcが、60nm〜2μmである、ナノファイバシート。
  3. 前記最大繊維径の平均Ds1と、前記最大繊維径の平均Ds2とが、0.9≦Ds1/Ds2≦1.1を満たし、前記第1表面近傍における前記ナノファイバシートの空隙率Ps1と、前記第2表面近傍における前記ナノファイバシートの空隙率Ps2とが、0.9≦Ps1/Ps2≦1.1を満たす、請求項1または請求項2に記載のナノファイバシート。
  4. 前記ナノファイバシートにおいて、前記ナノファイバ同士がランダムに溶着している、請求項1〜3のいずれか1項に記載のナノファイバシート。
  5. 前記ナノファイバは、オレフィン樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、およびポリイミド樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のナノファイバシート。
  6. 前記ナノファイバシートが、電界紡糸法により形成された前記ナノファイバのマトリックス構造を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のナノファイバシート。
  7. 前記最大繊維径の平均Dcが、200〜1000nmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のナノファイバシート。
  8. 1.3≦Dc/Ds1≦2の関係を充足する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のナノファイバシート。
  9. ナノファイバを含み、かつ第1表面およびその反対側の第2表面を有するシート形状のキャパシタ用セパレータであって、
    前記セパレータの面方向における前記ナノファイバの最大繊維径の平均を、前記第1表面近傍および前記第2表面近傍と、前記セパレータの厚さ方向の中心部とで比較したとき、前記第1表面近傍における前記ナノファイバの最大繊維径の平均Ds1および前記第2表面近傍における前記ナノファイバの最大繊維径の平均Ds2が、前記セパレータの厚さ方向の中心部における前記ナノファイバの最大繊維径の平均Dcより小さく、
    1.1≦Dc/Ds1≦2.5、および1.1≦Dc/Ds2≦2.5の関係を充足する、キャパシタ用セパレータ。
  10. ナノファイバを含み、かつ第1表面およびその反対側の第2表面を有するシート形状のキャパシタ用セパレータであって、
    前記セパレータの面方向における前記ナノファイバの最大繊維径の平均を、前記第1表面近傍および前記第2表面近傍と、前記セパレータの厚さ方向の中心部とで比較したとき、前記第1表面近傍における前記ナノファイバの最大繊維径の平均Ds1および前記第2表面近傍における前記ナノファイバの最大繊維径の平均Ds2が、前記セパレータの厚さ方向の中心部における前記ナノファイバの最大繊維径の平均Dcより小さく、
    前記最大繊維径の平均Dcが、60nm〜2μmである、キャパシタ用セパレータ。
  11. 一対の電極と、前記電極間に介在するセパレータと、電解質と、を具備し、
    前記セパレータが、ナノファイバを含み、かつ第1表面およびその反対側の第2表面を有するシート形状を有し、
    記セパレータの面方向における前記ナノファイバの最大繊維径の平均を、前記第1表面近傍および前記第2表面近傍と、前記セパレータの厚さ方向の中心部とで比較したとき、前記第1表面近傍における前記ナノファイバの最大繊維径の平均Ds1および前記第2表面近傍における前記ナノファイバの最大繊維径の平均Ds2が、前記セパレータの厚さ方向の中心部における前記ナノファイバの最大繊維径の平均Dcより小さく
    1.1≦Dc/Ds1≦2.5、および1.1≦Dc/Ds2≦2.5の関係を充足する、キャパシタ。
  12. 一対の電極と、前記電極間に介在するセパレータと、電解質と、を具備し、
    前記セパレータが、ナノファイバを含み、かつ第1表面およびその反対側の第2表面を有するシート形状を有し、
    前記セパレータの面方向における前記ナノファイバの最大繊維径の平均を、前記第1表面近傍および前記第2表面近傍と、前記セパレータの厚さ方向の中心部とで比較したとき、前記第1表面近傍における前記ナノファイバの最大繊維径の平均Ds1および前記第2表面近傍における前記ナノファイバの最大繊維径の平均Ds2が、前記セパレータの厚さ方向の中心部における前記ナノファイバの最大繊維径の平均Dcより小さく、
    前記最大繊維径の平均Dcが、60nm〜2μmである、キャパシタ。
  13. 前記一対の電極の少なくとも一方が、電気二重層を形成する分極性材料として炭素質材料を含み、
    前記電解質が、陽イオン、陰イオンおよびこれらを溶解する非水溶媒を含む、請求項11または12に記載のキャパシタ。
  14. (i)基材シートをナノファイバ形成空間に供給する工程と、
    (ii)前記ナノファイバ形成空間において、溶媒および前記溶媒に溶解した樹脂原料を含む原料液から静電気力によりナノファイバを生成させるとともに、前記生成したナノファイバを前記基材シートの主面に堆積させて、ナノファイバのマトリックス構造を有する多孔質シートを形成する工程と、
    (iii)一対の前記多孔質シートを、前記基材シートの主面と接触していた表面同士を対向させて接合し、前記一対の多孔質シートの前記基材シートの主面と接触していなかった表面をそれぞれ第1表面およびその反対側の第2表面とするキャパシタ用セパレータを形成する工程と、を有する、キャパシタ用セパレータの製造方法。
  15. 前記工程(iii)において、前記一対の多孔質シートの少なくとも前記基材シートの主面と接触していた表面近傍が前記溶媒を含んだ状態で、前記一対の多孔質シートを接合し、一方の前記多孔質シートのナノファイバと、他方の前記多孔質シートのナノファイバとを溶着させる、請求項14に記載のキャパシタ用セパレータの製造方法。
  16. 第1および第2ラインの上流から下流にそれぞれ長尺の第1および第2基材シートを搬送し、上流側で、前記第1および第2基材シートの主面にそれぞれ第1および第2多孔質シートを形成し、下流側で、前記第1および第2多孔質シートを対向させて接合する、キャパシタ用セパレータの製造方法であって、
    (i)前記第1および第2基材シートを、前記第1および第2ラインの上流側のナノファイバ形成空間に搬送する工程と、
    (ii)前記ナノファイバ形成空間において、溶媒および前記溶媒に溶解した樹脂原料を含む原料液から静電気力によりナノファイバを生成させるとともに、前記生成したナノファイバを搬送される前記第1および第2基材シートの主面にそれぞれ堆積させて、ナノファイバのマトリックス構造を有する第1および第2多孔質シートを形成する工程と、
    (iii)前記第1および第2ラインの下流側で、搬送される前記第1および第2多孔質シートから前記第1および第2基材シートを除去する工程と、
    (iv)前記第1および第2ラインの更に下流側で、搬送される前記第1および第2多孔質シートの前記第1および第2基材シートの主面と接触していた表面同士を対向させて接合してナノファイバシートを形成する工程と、を有する、キャパシタ用セパレータの製造方法。
  17. 前記工程(iv)において、前記第1および第2多孔質シートの少なくとも前記第1および第2基材シートの主面と接触していた表面近傍が前記溶媒を含んだ状態で、前記第1および第2多孔質シートを接合し、前記第1多孔質シートのナノファイバと、前記第2多孔質シートのナノファイバとを溶着させる、請求項16に記載のキャパシタ用セパレータの製造方法。
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