JP2008299143A - 液体現像剤、液体現像剤の製造方法および画像形成装置 - Google Patents

液体現像剤、液体現像剤の製造方法および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】保存性、長期安定性に優れた液体現像剤、および液体現像剤の製造方法を提供すること、また、このような液体現像剤を用いた画像形成装置を提供することにある。
【解決手段】本発明の液体現像剤は、主として樹脂材料で構成されたトナー粒子と、不揮発性の絶縁性液体とを有し、トナー粒子は、その内部に絶縁性液体を構成する液体を含むことを特徴とする。また、トナー粒子および絶縁性液体は、脂肪酸トリグリセリドを含むものであるのが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、液体現像剤、液体現像剤の製造方法および画像形成装置に関するものである。
潜像担持体上に形成した静電潜像を現像するために用いられる現像剤には、顔料等の着色剤および結着樹脂を含む材料で構成されるトナーを乾式状態で用いる乾式トナーと、特許文献1に示すようなトナーを電気絶縁性の担体液(絶縁性液体)に分散した液体現像剤(液体トナー)とがある。
乾式トナーを用いる方法は、固体状態のトナーを取り扱うので、取り扱い上の有利さはあるものの、粉体による人体等への悪影響が懸念されるほか、トナーの飛散による汚れ、トナーを分散した際の均一性等に問題がある。また、乾式トナーでは、粒子の凝集が起こり易く、トナー粒子の大きさを十分に小さくするのが困難であり、解像度の高いトナー画像を形成するのが困難であるという問題がある。また、トナー粒子の大きさを比較的小さなものとした場合には、上述したような粉体であることによる問題が更に顕著なものとなる。
一方、液体現像剤を用いる方法では、液体現像剤中におけるトナー粒子の凝集が効果的に防止されるため、微細なトナー粒子を用いることが可能であり、また、結着樹脂として、低軟化点(低軟化温度)のものを用いることができる。その結果、液体現像剤を用いる方法では、細線画像の再現性が良く、階調再現性が良好で、カラーの再現性に優れており、また、高速での画像形成方法としても優れているという特徴を有している。
しかしながら、従来の液体現像剤では、乾式トナーに比べ、トナー粒子の分散性、保存性が向上するものの、絶縁性液体とトナー粒子との親和性が低く、長期にわたって良好な分散状態を維持するのが困難であった。その結果、液体現像剤の保存性、長期安定性を十分に確保するのが困難であった。
特開2006−251253号公報
本発明の目的は、保存性、長期安定性に優れた液体現像剤、および液体現像剤の製造方法を提供すること、また、このような液体現像剤を用いた画像形成装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の液体現像剤は、主として樹脂材料で構成されたトナー粒子と、不揮発性の絶縁性液体とを有し、
前記トナー粒子は、その内部に前記絶縁性液体を構成する液体を含むことを特徴とする。
本発明の液体現像剤では、前記トナー粒子および前記絶縁性液体は、脂肪酸トリグリセリドを含むものであることが好ましい。
本発明の液体現像剤では、前記トナー粒子および前記絶縁性液体は、アニリン点が30℃以下のエステル系液体を含むものであることが好ましい。
本発明の液体現像剤では、前記トナー粒子および前記絶縁性液体は、脂肪酸モノエステルを含むものであることが好ましい。
本発明の液体現像剤では、前記樹脂材料は、官能基として、エステルおよび/またはカルボン酸を含むものであることが好ましい。
本発明の液体現像剤では、前記樹脂材料は、結晶構造および/または架橋構造を有するものであることが好ましい。
本発明の液体現像剤の製造方法は、樹脂材料と絶縁性液体とを含む組成物を加熱することにより、前記樹脂材料が前記絶縁性液体を含み膨潤した樹脂膨潤液を調製する樹脂膨潤液調製工程と、
前記樹脂膨潤液を冷却することにより、主として樹脂材料で構成され、かつ、内部に前記絶縁性液体を含む樹脂微粒子を形成する樹脂析出工程とを有することを特徴とする。
本発明の液体現像剤の製造方法では、前記樹脂膨潤液調製工程において、前記組成物を、前記組成物に含まれる前記樹脂材料の融点よりも高い温度で加熱することにより、前記樹脂膨潤液を調製することが好ましい。
本発明の画像形成装置は、色の異なる複数の液体現像剤を用いて、各色に対応した前記単色像を形成する複数の現像部と、
複数の前記現像部で形成された複数の前記単色像が順次転写され、転写された複数の前記単色像を重ね合わせてなる中間転写像を形成する中間転写部と、
前記中間転写像を前記記録媒体に転写し、前記記録媒体上に未定着カラー画像を形成する2次転写部と、
前記未定着カラー画像を前記記録媒体上に定着する定着部とを有し、
前記液体現像剤が、主として樹脂材料で構成されたトナー粒子と、絶縁性液体とを有し、前記トナー粒子は、前記トナー粒子中に前記絶縁性液体を構成する液体を含むことを特徴とする。
以上の構成を満足することにより、保存性、長期安定性に優れた液体現像剤を提供すること、このような液体現像剤を効率良く製造することが可能な液体現像剤の製造方法を提供すること、また、このような液体現像剤を用いた画像形成装置形成装置を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、詳細に説明する。
《液体現像剤》
本発明の液体現像剤は、絶縁性液体中にトナー粒子が分散したものである。
<トナー粒子>
まず、トナー粒子について説明する。
[トナー粒子の構成材料(トナー材料)]
本発明の液体現像剤を構成するトナー粒子(トナー)は、少なくとも、樹脂材料と、後述するような絶縁性液体を構成する液体(液体成分)とを含むものである。
このように、トナー粒子中に絶縁性液体を構成する液体を含む液体現像剤では、トナー粒子と絶縁性液体との親和性が向上し、絶縁性液体へのトナー粒子の分散性を優れたものとすることができる。これにより、液体現像剤中でトナー粒子同士が凝集するのが確実に防止され、液体現像剤の保存性は優れたものとなる。また、液体現像剤中のトナー粒子は、凝集することなく好適に絶縁性液体に分散したものである。このような液体現像剤は、長期間にわたって、その帯電特性が一定に維持されるとともに、一定の粘度を維持したものとなり、長期安定性に優れたものとなる。また、このような液体現像剤を後述するような画像形成装置に適用して得られる画像は、階調再現性、カラー再現性に優れたものとなる。また、このように絶縁性液体へのトナー粒子の分散性を向上させるために、絶縁性液体中に分散剤を添加し、トナー粒子表面に分散剤を吸着させることが考えられる。しかし、このような方法でトナー粒子の分散性を向上させるためには、絶縁性液体に添加する分散剤の量を多くする必要があるため、得られるトナー画像が多量の分散剤を含み、トナー粒子が本来有する色合いを発色するのが困難となる。また、このような分散剤はトナー粒子表面に吸着しても、脱離しやすく、液体現像剤中で長期間にわたってトナー粒子の分散性を高いものとするのが困難である。これに対して、本発明の液体現像剤では、トナー粒子が、その内部に絶縁性液体を構成する液体を含むことによって、絶縁性液体へのトナー粒子の分散性を優れたものとしている。このようなトナー粒子中に含まれる絶縁性液体は、トナー粒子の表面付近のみならず、トナー粒子全体に均一に分散したものである。このため、トナー粒子と絶縁性液体との高い親和性は長期間にわたって維持され、絶縁性液体へのトナー粒子の分散性は長期間にわたって優れたものとなる。また、本発明の液体現像剤では、トナー粒子の分散性をさらに向上させるため、分散剤を添加する際、分散剤の添加量を少なくした場合であっても、分散剤の効果を十分に得ることができる。なお、後述する絶縁性液体が複数種の液体の混合液である場合には、トナー粒子中に、絶縁性液体を構成する複数種の液体のうち、少なくとも一種類の液体が含まれていれば、上述した効果を得ることができる。
これに対し、液体現像剤として、トナー粒子が絶縁性液体を構成する液体を含まないものである場合には、上述したような優れた保存性、長期安定性を得ることができない。すなわち、トナー粒子と絶縁性液体との親和性が乏しくなり、トナー粒子を絶縁性液体に均一に分散させることが難しくなる。このような液体現像剤では、トナー粒子が凝集し易く、保存性を十分なものとすることができない。また、このような液体現像剤中には、トナー粒子として、凝集したものと凝集していないものとが併存している。このようなトナー粒子が存在する液体現像剤は、帯電特性が不安定となるとともに、増粘してしまい、安定した画像形成を行うことが困難となる。また、トナー粒子を構成する樹脂材料と絶縁性液体との親和性が比較的高くなるような組み合わせのトナー粒子と、絶縁性液体とを含む液体現像剤を用いた場合でも、長期間の保存により、結果として、トナー粒子同士が凝集してしまい、液体現像剤の保存性、長期安定性を十分なものとすることができない。
以下、トナー粒子を構成する各成分について詳細に説明する。
1.樹脂材料
液体現像剤を構成するトナーは、主成分としての樹脂材料(以下、単に樹脂ともいう。)を含む材料で構成されている。
本発明においては、樹脂(樹脂材料)は、特に限定されず、例えば、公知の樹脂を用いることができる。
このような樹脂材料は、結晶構造、および/または架橋構造を有しているのが好ましい。このような構造を有する樹脂材料は、後述する絶縁性液体を含んで膨潤し、結果として、絶縁性液体をトナー粒子内部に確実に保持することができる。これにより、トナー粒子と絶縁性液体との親和性がさらに向上し、トナー粒子の絶縁性液体中での分散性は特に優れたものとなり、液体現像剤の保存性、長期安定性は特に優れたものとなる。また、このような樹脂材料を構成成分とするトナー粒子は、その耐久性(耐熱性、耐溶剤性)が優れたものとなる。したがって、液体現像剤を保存する際、保存する温度、また、使用する絶縁性液体の種類によらず、長期間にわたってトナー粒子同士が融着、凝集するのをより確実に防止することができる。
また、後述する絶縁性液体が、脂肪酸トリグリセリド、脂肪酸モノエステル、および後述するような特徴を有する合成エステル系液体(以下、これらを総称してエステル系液体ともいう。)のうち、少なくとも一種類を含むものである場合には、樹脂材料は、官能基としてエステル、および/またはカルボン酸を含むものであるのが好ましい。上記条件を満足する液体現像剤では、トナー粒子を構成する樹脂材料と、エステル系液体との化学構造の類似性により、トナー粒子内部に絶縁性液体(エステル系液体)を確実に含ませることができる。これにより、トナー粒子と、エステル系液体を含む絶縁性液体との親和性がさらに向上する結果、液体現像剤の保存性、長期安定性は特に優れたものとなる。また、エステル系液体は、トナー粒子が有する樹脂材料を可塑化させる効果(可塑効果)を有するものである。このようなエステル系液体を含むトナー粒子は、定着時において加熱された際、エステル系液体により、樹脂材料が効果的に可塑化され、比較的低温であっても、容易に溶融して記録媒体に定着させることができる。また、このように可塑化されたトナー粒子は、記録媒体に、より密着して定着させることができ、得られるトナー画像の定着強度は特に優れたものとなる。例えば、記録媒体として、紙を用いた場合には、トナー粒子が紙繊維の隙間に入り込み易くなる。そして、定着時の熱で溶融したトナー粒子(トナー粒子を構成する樹脂材料)の一部が記録媒体の内部に浸透し、この状態でトナー粒子が放冷されて硬化することにより、アンカー効果が働き、トナー粒子を紙に強固に定着させることができる。したがって、このようなトナー粒子を含む液体現像剤は、低温定着性により優れるとともに、トナー粒子の記録媒体への定着強度はより優れたものとなる。
このように、官能基としてエステル、および/またはカルボン酸を含む樹脂材料としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレンビニルアセテート、エチレンビニルアセテートの部分ケン化物、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン共重合体、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
中でも、樹脂材料が、エチレン系共重合体を含む場合、以下のような効果が得られる。すなわち、エチレン系共重合体を含むトナー粒子は、比較的高温の環境下で液体現像剤を保存した場合であっても、変形、トナー粒子同士の凝集がより確実に抑えられたものとなる。このため、このようなトナー粒子を有する液体現像剤を画像形成装置内で保存する際に、稼動状態で熱を持った装置内部において、トナー粒子同士がお互いに融着し、凝集するのがより確実に防止され、液体現像剤の保存性、長期安定性は特に優れたものとなる。また、エチレン系共重合体は、エステル系液体との親和性が特に高い樹脂材料である。したがって、エチレン系共重合体を含むトナー粒子は、その内部に、より確実にエステル系液体を含むものとなり、定着時には、トナー粒子を記録媒体に低温でより強固に定着させることができる。このようなエチレン系共重合体の中でも、トナー粒子を構成する樹脂材料としてエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を含む場合、上記の効果を特に顕著に得ることができる。
また、上述した樹脂材料の中でも、ポリエステル樹脂を用いた場合には、ポリエステル樹脂が有する高い透明性により、得られる画像の発色性をより高いものとすることができる。
また、このような樹脂(樹脂材料)の融点Tm[℃]は、特に限定されないが、80〜140℃であるのが好ましく、85〜120℃であるのがより好ましく、85〜115℃であるのがさらに好ましい。これにより、定着時において、確実にトナー粒子を記録媒体に定着することができる。また、定着時における定着温度が比較的低い場合であっても、好適にトナー粒子を記録媒体に定着できる。また、保存時において、トナー粒子の不本意な変形、凝集の発生をより確実に防止することができる。なお、本明細書では、融点は、例えば、JIS K 7121:1987に準拠して測定されるものを用いることができる。
また、樹脂材料のビカット軟化点Tv[℃]は、特に限定されないが、40〜100℃であるのが好ましく、45〜95℃であるのがより好ましく、50〜90℃であるのがさらに好ましい。これにより、保存時におけるトナー粒子同士の凝集や、トナー粒子の変形をより確実に防止することができる。なお、本明細書では、ビカット軟化点は、例えば、JIS K 7206:1999に準拠して測定されるものを用いることができる。
2.液体成分
また、上述したように、トナー粒子は、後述する絶縁性液体を構成する液体(液体成分)を含むものである。絶縁性液体を構成する液体とは、すなわち、絶縁性液体が1種の液体で構成されたものである場合には、その液体のことであり、また、絶縁性液体が複数種の液体の混合液である場合には、その複数種の液体のうち、一部の種類の液体であってもよいし、全ての種類の液体であってもよい。このように、トナー粒子中に後述する絶縁性液体を構成する液体を含むことにより、トナー粒子の絶縁性液体への分散性が向上し、液体現像剤の保存性、長期安定性は優れたものとなる。
このような液体成分としては、後述する絶縁性液体を構成する液体であれば特に限定されず、例えば、絶縁性液体として公知の液体を用いることができる。具体的には、KF96、KF4701、KF965、KS602A、KS603、KS604、KF41、KF54、FA630(信越シリコーン社製)、TSF410、TSF433、TSF434、TSF451、TSF437、(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)、SH200(東レ社製)等のシリコーンオイル、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL(エクソン化学社製)、コスモホワイトP−60、コスモホワイトP−70、コスモホワイトP−120(コスモ石油ルブリカンツ社製)、ダイナフレシアW−8、ダフニーオイルCP、ダフニーオイルKP、トランスフォーマオイルH、トランスフォーマオイルG、トランスフォーマオイルA、トランスフォーマオイルB、トランスフォーマオイルS(出光興産社製)、シエルゾール70、シエルゾール71(シエルオイル社製)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(スピリッツ社製)、低粘度・高粘度流動パラフィン(和光純薬工業製)、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン等の脂肪族炭化水素、脂肪酸トリグリセリド、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、グリセリン、脂肪酸等の脂肪酸トリグリセリドの分解物、Prifer6813(UNIQUEMA社製)等の合成エステル系液体、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、脂肪酸モノエステル等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
この中でも、トナー粒子中に含まれる液体成分が、脂肪酸トリグリセリドを含むものである場合には以下のような効果を得ることができる。すなわち、上述したように、脂肪酸トリグリセリドは、トナー粒子中に含まれることにより、トナー粒子が有する樹脂材料を可塑化する可塑効果を有するものであり、定着時においては、この可塑効果がより顕著に発現される。これにより、トナー粒子を比較的低温で記録媒体に定着させることが可能になるとともに、トナー粒子の記録媒体への定着強度はより優れたものとなる。また、トナー粒子中に脂肪酸トリグリセリドが含まれるとともに、絶縁性液体が脂肪酸トリグリセリドを含むものである場合には、液体現像剤中のトナー粒子の分散性は特に優れたものとなる。また、比較的高温で液体現像剤を長期間保存した場合においても、トナー粒子同士が融着し、凝集するのをより確実に防止することができる。したがって、トナー粒子中に脂肪酸トリグリセリドを含むとともに、絶縁性液体が脂肪酸トリグリセリドを含むものである場合には、保存性、長期安定性、および低温定着性のいずれをも特に優れたものとすることができる。さらに、脂肪酸トリグリセリドは、環境に優しい成分である。したがって画像形成装置外への液体現像剤の漏出や、使用済液体現像剤の廃棄などによる環境への負荷を低減することができる。その結果、環境に優しい液体現像剤を提供することができる。
このような脂肪酸トリグリセリドは、グリセリンと脂肪酸とのトリエステル(トリグリセリド)であるが、脂肪酸トリグリセリド中に含まれる脂肪酸成分としては、特に限定されず、例えば、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等の飽和脂肪酸、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸等の一価不飽和脂肪酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、エレオステアリン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸等(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等の多価不飽和脂肪酸の不飽和脂肪酸やこれらの誘導体等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
この中でも、脂肪酸トリグリセリドが、脂肪酸成分として飽和脂肪酸成分を含む場合、脂肪酸トリグリセリドは、劣化(酸価、分解など)が起こりづらい、化学的に安定なものとなる。このような脂肪酸トリグリセリドを含むトナー粒子は、保存時において、変色などの劣化現象が長期間にわたって防止され、結果として、安定した品質の画像形成を長期間にわたって行い続けることができる。さらに、定着後のトナー粒子中にも、脂肪酸トリグリセリドが存在するが、上述したように飽和脂肪酸成分を含む脂肪酸トリグリセリドは、化学的に安定な成分であるため、定着されたトナー画像が外部環境(光、熱、酸素など)に晒されても、変色するのが確実に防止され、形成されるトナー画像を長期間にわたって鮮明なものとし続けることができる。
また、上記のような飽和脂肪酸の中でも、飽和脂肪酸成分の分子内の炭素数が、6〜22のものであるのが好ましく、8〜20のものであるのがより好ましく、10〜18のものであるのがさらに好ましい。このような飽和脂肪酸成分を含むことにより、前述したような効果はさらに顕著なものとして発揮される。
また、脂肪酸トリグリセリドが、脂肪酸成分として不飽和脂肪酸成分を含む場合、脂肪酸トリグリセリドは、画像形成後に得られるトナー画像の長期保存性の向上に寄与することができる。これは、以下のように考えられる。不飽和脂肪酸成分は、酸化されることによりそれ自体が硬化することのできる成分である。記録媒体上にトナー画像を形成、定着した場合、トナー画像を構成する成分としてトナー粒子とともに残存した脂肪酸トリグリセリドは、空気中の酸素等によって酸化重合することができ、トナー粒子同士またはトナー粒子と記録媒体とを特に強固に接着させることができる。
上述したような脂肪酸トリグリセリドは、例えば、ひまわり油、紅花油、米油、米ぬか油、菜種油、オリーブ油、ゴマ油、カノーラ油、大豆油、アマニ油、ヒマシ油等の植物由来の油脂、牛油等の各種動物由来の油脂等の天然由来の油脂から効率良く得ることができる。
また、トナー粒子中に含まれる液体成分が、アニリン点が30℃以下のエステル系液体を含むものである場合には以下のような効果が得られる。なお、アニリン点とは、一般に、有機溶剤の樹脂等に対する溶解力の指標として用いられ、有機溶剤のアニリン点が低いほど、その有機溶剤は樹脂等を溶解しやすいものとなる。また、このようなエステル系液体のアニリン点は、等容積のアニリンとエステル系液体とが均一な溶液として存在する最低温度として求めることができる。具体的には、アニリンと液体との混合物を撹拌しつつ温度を上げ、完全に溶け合って透明になっている状態から、温度を下げて濁り始めた温度をアニリン点として求める。なお、本発明におけるアニリン点は、JIS K 2256に準拠して測定を行い、求められる値である。
このように、アニリン点が30℃以下のエステル系液体は、トナー粒子中に含まれる樹脂材料を可塑化させる可塑効果を顕著に発揮するものであり、樹脂材料を加熱した際に、このようなエステル系液体は、樹脂材料を特に容易に柔らかくし、溶融させることができる。これにより、トナー粒子を記録媒体に低温で、より強固に定着させることができ、液体現像剤の低温定着性は特に優れたものとなる。また、この液体現像剤を用いて形成されたトナー画像の定着強度を特に優れたものとすることができる。
このような条件を満足するエステル系液体としては、脂肪酸モノエステルが挙げられる。
トナー粒子中に含まれる液体成分が、脂肪酸モノエステルを含むものである場合には、上述した効果に加え、以下のような効果を得ることができる。なお、脂肪酸モノエステルは、脂肪酸と1価のアルコールとのエステルである。すなわち、脂肪酸モノエステルは、環境に優しい成分である。したがって画像形成装置外への液体現像剤の漏出や、使用済液体現像剤の廃棄などによる環境への負荷を低減することができる。その結果、環境に優しい液体現像剤を提供することができる。
このような脂肪酸モノエステルを構成する脂肪酸成分としては、特に限定されないが、例えば、オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等に代表される不飽和脂肪酸、酪酸、ラウリン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等に代表される飽和脂肪酸等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
この中でも、脂肪酸モノエステルが、脂肪酸成分として飽和脂肪酸を含む場合、脂肪酸モノエステルは、劣化(酸化、分解など)が起こりづらい、化学的に特に安定なものとなる。このため、このような脂肪酸モノエステルを含むトナー粒子は、変色、変質等の劣化現象が長期間に渡って確実に防止され、液体現像剤の長期安定性、保存性は特に優れたものとなる。また、定着時には、形成されるトナー画像中に脂肪酸モノエステルが含まれる。上述したように飽和脂肪酸を構成成分として含む脂肪酸モノエステルは、劣化しづらい成分であり、トナー画像が外部環境(光、熱、酸素など)に晒されても、変色するのが確実に防止され、形成されるトナー画像は長期間に渡って鮮明なものとなる。
また、脂肪酸モノエステルは、脂肪酸成分として飽和脂肪酸を含む場合、飽和脂肪酸として、炭素数が8〜22の脂肪酸を含むことが好ましい。これにより、脂肪酸モノエステルは、特に効果的に可塑効果を発現させることができ、液体現像剤は、特に定着特性に優れたものとなる。また、保存時におけるトナー粒子の凝集、変形を確実に防止することができる。
また、脂肪酸モノエステルが、脂肪酸成分として不飽和脂肪酸成分が含まれる場合、脂肪酸モノエステルは、画像形成後に得られるトナー画像の長期保存性の向上に寄与することができる。これは、以下のように考えられる。不飽和脂肪酸成分は、酸化されることによりそれ自体が硬化することのできる成分である。記録媒体上にトナー画像を形成、定着した場合、トナー画像にトナー粒子とともに残存した脂肪酸モノエステルは、空気中の酸素等によって酸化重合することができ、トナー粒子同士またはトナー粒子と記録媒体とを特に強固に接着させることができる。また、脂肪酸モノエステルの不飽和脂肪酸成分は、トナー画像の表面を覆いながら酸化重合することができるため、トナー画像表面に硬化した脂肪酸モノエステルの保護膜を形成することができる。以上のようなことから、トナー画像は、長期にわたって、摩擦等の物理的な外力や空気、光等による劣化を少ないものとすることができ、長期保存性が特に優れたものとなる。
また、脂肪酸モノエステルは、脂肪酸と一価のアルコールとのエステルであるが、このアルコールは、炭素数が1〜4のアルキルアルコールであるのが好ましい。これにより、脂肪酸モノエステルを確実にトナー粒子中に保持することができ、定着時には、上述したような可塑効果をより確実に発現させることができる。したがって、トナー粒子を記録媒体により強固に定着させることができる。また、液体現像剤の化学的安定性は優れたものとなり、液体現像剤の保存性、長期安定性はさらに優れたものとなる。このようなアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール等が挙げられる。
また、トナー粒子中に含まれる液体成分が、アニリン点が30℃以下の合成エステル系液体を含むものである場合には、上述した効果に加え、以下のような効果が得られる。すなわち、合成エステル系液体は、化学的に安定であり、長期に渡って液体現像剤の特性を安定したものとすることができる。また、合成エステル系液体は、液体現像剤として用いた場合、保存時、画像形成時において、VOC(揮発性有機化合物)として液体現像剤から放出されることがなく、液体現像剤は、人体や環境に対して特に害のないものとなる。
このような合成エステル系液体のアニリン点は30℃以下であるが、15℃以下であるのが好ましく、10℃以下であるのがより好ましい。これにより、上述した合成エステル系液体の樹脂材料を可塑化させる効果はより顕著なものとなり、液体現像剤の低温定着性は特に優れたものとなる。
3.着色剤
また、トナー粒子は、着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、特に限定されず、例えば、公知の顔料、染料等を使用することができる。
4.その他の成分
また、トナー粒子は、上記以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、公知のワックス、磁性粉末等が挙げられる。
また、トナー粒子の構成材料(成分)としては、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、脂肪酸、脂肪酸金属塩等を用いてもよい。
[トナー粒子の形状等]
上記のような材料で構成されたトナー粒子の平均粒径は、0.7〜3μmであるのが好ましく、0.8〜2.5μmであるのがより好ましく、0.8〜2μmであるのがさらに好ましい。トナー粒子の平均粒径が前記範囲内の値であると、各トナー粒子間での特性のばらつきを小さいものとし、液体現像剤全体としての信頼性を高いものとしつつ、液体現像剤により形成されるトナー画像の解像度を十分に高いものとすることができる。また、トナー粒子の絶縁性液体への分散を良好にし、液体現像剤の保存性を高いものとすることができる。なお、本明細書では、「平均粒径」とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒径のことを指すものとする。
液体現像剤中におけるトナー粒子の含有率は、10〜60wt%であるのが好ましく、20〜50wt%であるのがより好ましい。
<絶縁性液体>
次に、絶縁性液体について説明する。
本発明の液体現像剤を構成する絶縁性液体は、不揮発性の液体である。これにより、定着時において絶縁性液体が揮発することを確実に防ぐことができ、揮発性有機化合物(VOC)の発生を確実に防止することができる。この結果、液体現像剤は、人体、生物に害の特に少ないものとなる。また、環境に優しい液体現像剤とすることができる。なお、本明細書において、不揮発性の液体とは、具体的には、JIS K2254に準拠して測定される初留点が、105℃以上の液体を指し、好ましくは、140℃以上の液体である。
また、絶縁性液体としては、公知の絶縁性液体を用いることができ、例えば、トナー粒子中に含まれる液体成分として上述したような液体を用いることができる。
上述したような絶縁性液体として公知の液体の中でも、絶縁性液体が、脂肪酸トリグリセリドを含むものである場合には、以下のような効果を得ることができる。すなわち、脂肪酸トリグリセリドは、上述したようなトナー粒子を構成する樹脂材料との親和性が高い液体である。したがって、絶縁性液体が脂肪酸トリグリセリドを含むものである場合には、液体現像剤中のトナー粒子の分散性をより優れたものとすることができる。特に、絶縁性液体が脂肪酸トリグリセリドを含むものであるとともに、トナー粒子が液体成分として脂肪酸トリグリセリドを含むものである場合には、絶縁性液体へのトナー粒子の分散性はさらに優れたものとなる。これにより、脂肪酸トリグリセリドのトナー粒子への可塑効果によって、トナー粒子を記録媒体に低温でより強固に定着させることができるとともに、液体現像剤の保存性、長期安定性を特に優れたものとすることができる。
このような脂肪酸トリグリセリドは、環境に優しい成分であるため、画像形成装置外への絶縁性液体の漏出や、使用済液体現像剤の廃棄等による絶縁性液体の環境への負荷を低減させることができ、その結果、環境に優しい液体現像剤を提供することができる。
また、脂肪酸トリグリセリド中に含まれる脂肪酸成分としては、特に限定されないが、例えば、上述したような飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、およびこれらの誘導体を用いることができる。
この中でも、脂肪酸トリグリセリドが飽和脂肪酸成分を含む場合、液体現像剤の化学的安定性や絶縁性液体の電気絶縁性をさらに高く保つことが可能になる。これにより、液体現像剤の保存性、長期安定性はさらに優れたものとなる。また、上記のような飽和脂肪酸の中でも、飽和脂肪酸成分の分子内の炭素数が、6〜22のものであるのが好ましく、8〜20のものであるのがより好ましく、10〜18のものであるのがさらに好ましい。このような飽和脂肪酸成分を含むことにより、上述したような効果はさらに顕著なものとして発揮される。
また、脂肪酸トリグリセリドに不飽和脂肪酸成分が含まれる場合、脂肪酸トリグリセリドは、画像形成後に得られるトナー画像の長期保存性の向上に寄与することができる。これは、以下のように考えられる。不飽和脂肪酸成分は、酸化されることによりそれ自体が硬化することのできる成分である。このため、不飽和脂肪酸が含まれた脂肪酸トリグリセリドを含む液体現像剤を用いて、記録媒体上にトナー画像を形成、定着した場合、トナー画像にトナー粒子とともに残存した脂肪酸トリグリセリドは、空気中の酸素等によって酸化重合することができ、トナー粒子同士またはトナー粒子と記録媒体とを強固に接着させることができる。また、脂肪酸トリグリセリドの不飽和脂肪酸成分は、トナー粒子の表面を覆いながら酸化重合することができるため、トナー粒子表面に硬化した脂肪酸トリグリセリドの保護膜を形成することができる。したがって、トナー画像は、長期にわたって、摩擦等の物理的な外力や空気、光等による劣化を少ないものとすることができ、長期保存性が優れたものとなる。
絶縁性液体中の脂肪酸トリグリセリドの含有量は、20〜90wt%であることが好ましく、30〜90wt%であることがより好ましく、40〜90wt%であることがさらに好ましい。これにより、液体現像剤中のトナー粒子の分散性を特に優れたものとすることができると共に、液体現像剤の化学的安定性を特に優れたものとすることができる。
また、絶縁性液体が、上述したような脂肪酸モノエステルを含むものである場合には以下のような効果を得ることができる。すなわち、脂肪酸モノエステルは、上述したように、トナー粒子中に含まれることによりトナー粒子を構成する樹脂材料を可塑化させる可塑効果を顕著に発揮するものである。このような脂肪酸モノエステルは、比較的分子量が小さく、また、前述したトナー粒子を構成する樹脂材料との親和性が高い成分である。結果として、トナー粒子は、絶縁性液体中に含まれる脂肪酸モノエステルを液体成分として含むものとなり、トナー粒子の低温定着性は特に優れたものとなる。
また、絶縁性液体が、上述したような特徴を有する合成エステル系液体を含むものである場合には、以下のような効果を得ることができる。すなわち、このような合成エステル系液体も、脂肪酸モノエステルと同様に、トナー粒子中に含まれることにより、トナー粒子を構成する樹脂材料を効果的に可塑化する成分である。このような合成エステル系液体は、前述したトナー粒子を構成する樹脂材料との親和性が高い成分であるため、結果として、トナー粒子は、絶縁性液体中に含まれる合成エステル系液体を液体成分として含むものとなり、トナー粒子の低温定着性は特に優れたものとなる。また、このような合成エステル系液体は、化学的に安定な成分である。したがって、絶縁性液体としてこのような合成エステル系液体を含む液体現像剤では、液体現像剤の特性が長期間にわたって安定したものとなり、長期安定性に特に優れた液体現像剤となる。
また、絶縁性液体が、上述したような脂肪族炭化水素を含む場合、以下のような効果を得ることができる。脂肪族炭化水素は、一般に、高い電気抵抗を有し、化学的に安定である。このため、脂肪族炭化水素を用いた液体現像剤は、特に優れた現像性、転写性を有し、得られるトナー画像は、欠点等の特に少ない、鮮明なものとなる。また、脂肪族炭化水素は、吸湿の少ない液体である。このため、脂肪族炭化水素を絶縁性液体に含む場合、保存時において絶縁性液体が吸湿することを好適に防止でき、絶縁性液体が変性(劣化)することを好適に防止することができる。
また、絶縁性液体が、シリコーンオイルを含む場合、以下のような効果が得られる。シリコーンオイルは、シロキサン結合を骨格とした有機化合物である。シリコーンオイルは、一般に、高い電気抵抗を有する。このため、シリコーンオイルを絶縁性液体として用いた場合、液体現像剤は、特に電気抵抗が高いものとなり、トナー画像の転写性、現像性が優れたものとなる。また、シリコーンオイルは、種類によって多様な粘度を有することから、シリコーンオイルを選択することにより、液体現像剤の粘度を特に好適なものとすることができる。また、シリコーンオイルは、一般に、化学的に安定であり、人体への影響が少ない物質である。このため、液体現像剤は、保存時における絶縁性液体の劣化を好適に防止でき、環境安定性が優れたものとなる。また、画像形成装置外へ絶縁性液体が漏出した場合においても、安全な液体現像剤とすることができる。
また、液体現像剤(絶縁性液体)中には、トナー粒子の分散性を向上させる分散剤が含まれていてもよい。
このような分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、アジスパーPB821(味の素社の商品名)ソルスパース(日本ルーブリゾール社の商品名)、ポリカルボン酸およびその塩、ポリアクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリメタクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリマレイン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、アクリル酸−マレイン酸共重合体金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリスチレンスルホン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリアミン脂肪酸縮重合体等の高分子分散剤、粘度鉱物、シリカ、燐酸三カルシウム、トリステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩等)、ジステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、バリウム塩等)、ステアリン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、鉛塩、亜鉛塩等)、リノレン酸金属塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、オクタン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、カルシウム塩、コバルト塩等)、オレイン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩等)、パルミチン酸金属塩(例えば、亜鉛塩等)、ドデシルベンゼンスルホン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ナフテン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、レジン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン鉛塩、亜鉛塩等)等が挙げられる。
上述した分散剤の中でも、ポリアミン脂肪酸縮重合体を用いた場合、トナー粒子の表面にポリアミン脂肪酸縮重合体を好適に付着させることができ、これにより、トナー粒子同士の不本意な凝集をより防止することができる。また、トナー粒子の帯電特性をより高いものとすることができる。
ポリアミン脂肪酸縮重合体を用いた場合、液体現像剤中におけるポリアミン脂肪酸縮重合体の含有量は、トナー粒子100重量部に対して、0.5〜6.5重量部であるのが好ましく、1.0〜4.0重量部であるのがより好ましい。これにより、ポリアミン脂肪酸縮重合体を用いることによる効果をより顕著なものとすることができる。
また、絶縁性液体は、酸化防止剤を含むものであってもよい。
また、液体現像剤(絶縁性液体)中には、帯電制御剤が含まれていてもよい。
帯電制御剤としては、例えば、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物、安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、ニグロシン染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、塩素化ポリエステル、ニトロフニン酸等が挙げられる。
室温(20℃)における、絶縁性液体の電気抵抗は、1.0×1011Ωcm以上であるのが好ましく、1.0×1012Ωcm以上であるのがより好ましく、2.0×1012Ωcm以上であるのがさらに好ましい。
また、絶縁性液体の誘電率は、3.5以下であるのが好ましい。
なお、上述したような各成分で構成された液体現像剤の粘度(25℃において、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定される粘度)は、1000mPa・s以下であるのが好ましい。これにより、記録媒体中への液体現像剤の浸透はより好適なものとなるため、記録媒体へのトナー粒子の定着特性はより優れたものとなる。また、記録媒体に得られる画像が、ムラのない鮮明なものとなり、かつ、高速での画像形成に適応した液体現像剤として、特に適したものとなる。
また、上述したような各成分で構成された液体現像剤の室温(20℃)での電気抵抗は、1.0×1011Ωcm以上であるのが好ましく、1.0×1012Ωcm以上であるのがより好ましい。
《液体現像剤の製造方法》
次に上述したような液体現像剤の製造方法の好適な実施形態について説明する。
本実施形態の液体現像剤の製造方法は、樹脂材料と絶縁性液体とを含む組成物(樹脂分散液)を加熱することにより、樹脂材料が絶縁性液体を含み膨潤した樹脂膨潤液を調製する樹脂膨潤液調製工程と、樹脂膨潤液を冷却することにより、樹脂膨潤液中に、樹脂材料を析出させて、主として樹脂材料で構成され、かつ、内部に絶縁性液体を含む樹脂微粒子(トナー粒子)を形成する樹脂析出工程とを有する。また、本実施形態の液体現像剤の製造方法では、樹脂膨潤液調製工程の前に、樹脂と、着色剤とを混練して混練物を得る混練工程と、混練物を粉砕し、粉砕物を得る粉砕工程とを有する。これにより、上述したような液体現像剤を容易かつ確実に得ることができ、液体現像剤を構成するトナー粒子に、容易かつ確実に絶縁性液体を含ませることができる。また、このように絶縁性液体を用いて樹脂材料を析出させ、トナー粒子を形成することにより、トナー粒子の構成材料等を粉砕する必要がなく、液体現像剤の製造方法として省エネルギー化を図ることができる。さらに、本実施形態の液体現像剤の製造方法では、留去等の不要な液体の除去を行う必要がないため、生産性に優れ、資源を有効に利用した液体現像剤の製造方法となる。
[混練工程]
まず、樹脂材料と着色剤とを混練し、混練物を得る。
混練に供される原料は、前述したような樹脂材料、着色剤を含むものである。特に、原料が着色剤を含むことにより、本工程で原料中に含まれる空気(特に着色剤が抱き込んだ空気)を効率よく除去することができ、トナー粒子の内部に気泡が混入(残存)するのを効果的に防止することができる。また、このように、樹脂材料と着色剤を均一に混練することにより、後述する樹脂溶液中において分散した粉砕物は、着色剤が均一に分散したものとなり、その結果、得られるトナー粒子は、着色剤が特に均一に分布したものとなる。混練に供される原料は、これらの各成分が予め混合されたものであるのが好ましい。
原料の混練には、例えば、連続式の2軸混練押出機、ニーダーやバッチ式の三軸ロール、連続2軸ロール、ホイールミキサー、ブレード型ミキサー等の各種混練機を用いることができる。この中でも、混練機として、2軸混練押出機を用いることが好ましい。これにより、効率よく原料を混練できるとともに、原料中に含まれる空気を取り除くことができる。
また、混練に供する原料は、前述したような分散剤を含むものであってもよい。これにより、後述する樹脂膨潤液中における着色剤の分散性、溶解性を特に優れたものとすることができるため、得られるトナー粒子は、着色剤が特に均一に分布したものとなる。
[粉砕工程]
次に、上述したような混練物を粉砕し、微小な粒子状の粉砕物を得る。このように、混練物を粉砕することにより、後述する樹脂膨潤液を、比較的容易に、より均一なものとして得ることができる。その結果、最終的に得られる液体現像剤においても、トナー粒子の大きさをより小さなものとすることができ、高解像度の画像形成に好適に用いることができる。
粉砕の方法は、特に限定されず、例えばボールミル、振動ミル、ジェットミル、ピンミル等の各種粉砕装置、破砕装置を用いて行うことができる。
粉砕の工程は、複数回(例えば、粗粉砕工程と微粉砕工程との2段階)に分けて行ってもよい。また、このような粉砕工程の後、必要に応じて、分級処理等の処理を行ってもよい。分級処理には、例えば、ふるい、気流式分級機等を用いることができる。
[樹脂膨潤液調製工程]
次に、上述したような樹脂材料と着色剤とを含む粉砕物に、絶縁性液体を加えた組成物(樹脂分散液)を準備し、この樹脂分散液を加熱することにより、樹脂材料(粉砕物)が絶縁性液体を含み膨潤した樹脂膨潤液を調製する。このように、樹脂材料と絶縁性液体とを含む樹脂分散液を加熱することにより、樹脂分散液中において、樹脂材料は絶縁性液体を含み膨潤する。これにより、後述する樹脂析出工程において得られる樹脂微粒子は、その内部に絶縁性液体を含むものとすることができ、その結果、最終的な液体現像剤を構成するトナー粒子はその内部に絶縁性液体を含むものとなる。
樹脂分散液を構成する絶縁性液体としては、前述したような絶縁性液体を用いることができる。
樹脂分散液は、いかなる方法で調製してもよいが、たとえば、上述したような粉砕物と、絶縁性液体とを、高速攪拌機等の攪拌機により混合することにより得ることができる。これにより、粉砕物を絶縁性液体中に均一に分散させることができる。また、着色剤を確実に絶縁性液体中に分散させることができる。
樹脂分散液の調製に用いることのできる攪拌機としては、例えば、アトライター、ボールミル、遊星ボールミル、ビーズミル、サンドミル、高速ミキサー、ホモジナイザー等が挙げられ、これらの中でも、特に高速ミキサーが好ましい。また、このような高速ミキサーの撹拌翼は、1つでも複数でも良く、特に複数の撹拌翼それぞれが自転しながら、公転する方式の撹拌機では、樹脂分散液に好適に剪断力をかけることができる。このような高速ミキサーとしては、具体的には、DESPA(浅田鉄工社製)、プラネタリ−ミキサー、T.K.ハイビスミックス2P−03型翼(プライミクス社製)、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼(プライミクス社製)等を用いることができる。
次に、このようにして得られた樹脂分散液を加熱する。これにより、粉砕物中の樹脂材料の分子間に絶縁性液体が浸入し、粉砕物中の樹脂材料が絶縁性液体を含み膨潤した樹脂膨潤液を調製する。
このように絶縁性液体を含み膨潤した樹脂材料(粉砕物)は、柔軟性を有するものとなり、その形状は不安定となる。このような粉砕物は、その形状が変化し易いものとなり、後述する樹脂析出工程において、樹脂膨潤液を冷却する速度、および/または撹拌する速度を変化させることにより、所望の粒径を有するトナー粒子を調製することができる。
また、樹脂分散液を加熱する際に、樹脂分散液を撹拌機等を用いて撹拌しながら行ってもよい。これにより、樹脂膨潤液中で膨潤した粉砕物の粒径を調製することができ、後述する樹脂析出工程において、所望の粒径を有する樹脂微粒子をより容易に調製することができる。このような撹拌機としては、例えば、上述したような樹脂分散液の調製に用いた撹拌機を用いることができる。
また、樹脂分散液を加熱する温度は、樹脂分散液中に含まれる樹脂材料の融点よりも高い温度であるのが好ましい。これにより、粉砕物中の樹脂材料は、その分子間に絶縁性液体をより確実に含み、樹脂膨潤液中の粉砕物はより好適に膨潤するものとなる。これにより、後述する樹脂析出工程において得られる樹脂微粒子の粒径をより容易に調製することができる。
また、このような絶縁性液体が、脂肪酸トリグリセリドを含むものである場合には、以下のような効果を得ることができる。すなわち、樹脂分散液に熱を加えた際に、脂肪酸トリグリセリドは、樹脂材料を膨潤させる性質を有するものであるが、樹脂材料を溶解させる程の溶解力を有さないものである。したがって、樹脂膨潤液中に、粉砕物を構成する樹脂材料が、樹脂膨潤液中に溶け出すのが好適に抑制される。これにより、後述する樹脂析出工程において、析出する樹脂微粒子(トナー粒子)の粒度分布をより狭いものとすることができ、トナー粒子間で帯電特性等の特性にばらつきが生じるのをより確実に防止することができる。
また、このような絶縁性液体は、上述したような分散剤が含まれたものであってもよい。これにより、樹脂膨潤液中の膨潤した粉砕物の分散性が向上し、樹脂膨潤液中で粉砕物同士が凝集するのをより確実に防止することができ、トナー粒子の粒径を容易に調製することができる。
また、本工程において、絶縁性液体を、樹脂膨潤液を調製した後に、さらに加えてもよい。これにより樹脂膨潤液中の膨潤した粉砕物をより均一に分散させることができるとともに、樹脂膨潤液中の固形分の濃度を容易に調製することができる。これにより、後述する樹脂析出工程において、樹脂膨潤液体現像剤中に、より均一な粒径を有する樹脂微粒子を析出させることができる。
[樹脂析出工程]
次に、加熱状態の樹脂膨潤液を冷却し、樹脂膨潤液中に、樹脂材料を析出させて、内部に絶縁性液体を含む樹脂微粒子(トナー粒子)を形成する。このように、熱が加えられ、絶縁性液体を含み膨潤した粉砕物(樹脂材料)を冷却することにより、粉砕物が有する樹脂材料の分子間から絶縁性液体の一部が抜け出し、最終的な液体現像剤を構成する絶縁性液体となる。また、樹脂材料の分子間から抜け出さなかった絶縁性液体は、そのまま樹脂材料中に残存し、樹脂微粒子(トナー粒子)を構成する成分となる。このような樹脂微粒子(トナー粒子)は、その内部に、絶縁性液体(液体成分)を含むものとなるため、絶縁性液体への分散性は優れたものとなり、結果として、液体現像剤の保存性、長期安定性は優れたものとなる。
また、このようにして析出される樹脂微粒子(トナー粒子)は、表面に複数の突起物を有するような非球形状の形状を有するものとなる。このような形状を有するトナー粒子は、記録媒体に定着する際に、トナー粒子表面の突起物が記録媒体の表面の凹凸と噛み合った状態で、溶融して定着される。特に、記録媒体として紙を用いた場合には、トナー粒子表面の突起物が紙繊維の隙間に入り込んで溶融されるため、アンカー効果が働き、トナー粒子を紙に強固に定着させることができる。また、このようなトナー粒子が定着し形成されるトナー画像は、記録媒体(例えば、紙など)の表面の凹凸を表現したものとなり、立体感に優れた画像表示が可能となる。
このような樹脂膨潤液の冷却速度は、使用する樹脂材料と絶縁性液体との組み合わせにより異なるが、加熱状態の樹脂膨潤液を冷却し、樹脂膨潤液中に、樹脂材料が析出し始める温度(析出開始温度)をTi(℃)としたとき、Ti(℃)まで冷却する速度は特に限定されないが、Ti(℃)(もしくは、Ti(℃)よりも高く、かつ5℃以内の温度)から樹脂膨潤液を冷却する速度は、遅くするのが好ましい。具体的には、−1〜−5℃/時で冷却するのが好ましい。これにより、Ti(℃)よりも低い温度になった時点で、樹脂膨潤液中に樹脂材料が析出し始めるとともに、析出した樹脂材料を核として、その樹脂材料の表面に、さらに樹脂材料を析出させ、突起状に成長した非球形状の樹脂微粒子(トナー粒子)を製造することができる。また、このようにTi(℃)から樹脂膨潤液を冷却する速度を遅くすることにより、樹脂膨潤液中に析出される樹脂微粒子の粒径は均一化され、最終的に得られる液体現像剤中に、粗大粒子や極端に微細な粒子が含まれるのをより確実に防止することができる。
また、樹脂膨潤液を冷却する際に、樹脂膨潤液を上述したような撹拌機を用いて撹拌するのが好ましい。これにより、形成される樹脂微粒子(トナー粒子)の粒径をさらに均一なものとすることができ、樹脂微粒子として粗大粒子が生成するのをより確実に防止することができ、得られる液体現像剤の特性は、より安定したものとなる。
このようにして樹脂膨潤液中に樹脂材料を析出させ、室温(20℃)まで冷却することにより、絶縁性液体中に、内部に絶縁性液体を含む樹脂微粒子(トナー粒子)が分散した液体現像剤を得ることができる。
また、本工程において、帯電制御剤、分散剤等を添加しても良い。これらの添加は、樹脂膨潤液を冷却する前であってもよいし、樹脂材料の析出が完全に終了してからであってもよい。また、樹脂膨潤液の冷却中に添加してもよい。
また、本工程において、絶縁性液体をさらに加えてもよい。このような絶縁性液体は、樹脂材料の析出途中で加えてもよいし、樹脂材料の析出が終了してから加えてもよい。
≪画像形成装置≫
次に、本発明の画像形成装置の好適な実施形態について説明する。本発明の画像形成装置は、上述したような本発明の液体現像剤を用いて記録媒体上にカラー画像を形成するものである。
図1は、本発明の液体現像剤が適用される画像形成装置の一例を示す模式図、図2は、図1に示す画像形成装置の一部を拡大した拡大図、図3は、現像ローラ上の液体現像剤層内におけるトナー粒子の状態を示す模式図、図4は、図1に示す画像形成装置に適用される定着装置の一例を示す断面図である。
画像形成装置1000は、図1、図2に示すように、4つの現像部30Y、30M、30C、30Kと、中間転写部40と、2次転写ユニット(2次転写部)60と、定着部(定着装置)F40と、4つの液体現像剤補給部80Y、80M、80C、80Kとを有している。
現像部30Y、30M、30Cは、それぞれ、イエロー系液体現像剤(Y)、マゼンダ系液体現像剤(M)、シアン系の液体現像剤(C)で、潜像を現像し、各色に対応したカラーの単色像を形成する機能を有している。また、現像部30Kは、ブラック系液体現像剤(K)で、潜像を現像し、ブラック(黒)の単色像を形成する機能を有している。
現像部30Y、30M、30C、30Kの構成は同様であるので、以下、現像部30Yについて説明する。
現像部30Yは、図2に示すように、像担持体の一例としての感光体10Yと、感光体10Yの回転方向に沿って、帯電ローラ11Yと、露光ユニット12Yと、現像ユニット100Yと、感光体スクイーズ装置101Yと、1次転写バックアップローラ51Yと、除電ユニット16Yと、感光体クリーニングブレード17Yと、現像剤回収部18Yとを有している。
感光体10Yは、円筒状の基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、図1中の矢印で示すように時計回りに回転する。
感光体10Yは、後述する現像ユニット100Yにより液体現像剤が供給され、表面に液体現像剤の層が形成されるものである。
帯電ローラ11Yは、感光体10Yを帯電するための装置であり、露光ユニット12Yは、レーザを照射することによって帯電された感光体10Y上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット12Yは、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の不図示のホストコンピュータから入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体10Y上に照射する。
現像ユニット100Yは、感光体10Y上に形成された潜像を、本発明の液体現像剤を用いて現像するための装置である。なお、現像ユニット100Yの詳細については後述する。
感光体スクイーズ装置101Yは、現像ユニット100Yより回転方向下流側に、感光体10Yに対向して配置されており、感光体スクイーズローラ13Yと、該感光体スクイーズローラ13Yに押圧摺接して表面に付着した液体現像剤を除去するクリーニングブレード14Yと、除去された液体現像剤を回収する現像剤回収部15Yとで構成される。この感光体スクイーズ装置101Yは、感光体10Yに現像された現像剤から余剰なキャリア(絶縁性液体)および本来不要なカブリトナーを回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。
1次転写バックアップローラ51Yは、感光体10Yに形成された単色像を、後述する中間転写部40に転写するための装置である。
除電ユニット16Yは、1次転写バックアップローラ51Yによって中間転写部40上に中間転写像が転写された後に、感光体10Y上の残留電荷を除去する装置である。
感光体クリーニングブレード17Yは、感光体10Yの表面に当接されたゴム製の部材で、1次転写バックアップローラ51Yによって中間転写部40上に像が転写された後に、感光体10Y上に残存する液体現像剤を掻き落として除去する機能を有している。
現像剤回収部18Yは、感光体クリーニングブレード17Yにより除去された液体現像剤を回収する機能を有している。
中間転写部40は、エンドレスの弾性ベルト部材であり、ベルト駆動ローラ41とテンションローラ42との間に巻き掛けて張架され、1次転写バックアップローラ51Y、51M、51C、51Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながら駆動ローラ41により回転駆動される。
この中間転写部40に、1次転写バックアップローラ51Y、51M、51C、51Kにより、現像部30Y、30M、30C、30Kで形成された各色に対応した単色像が順次転写され、各色に対応した単色像が重ね合わされる。これにより、中間転写部40にフルカラー現像剤像(中間転写像)が形成される。
中間転写部40には、このように複数の感光体10Y、10M、10C、10Kに形成した単色像を順次2次転写して重ね合わせて担持し、一括して紙、フィルム、布等の記録媒体F5に2次転写する。そのため、2次転写行程において記録媒体F5にトナー像を転写するに当たって、記録媒体F5表面が繊維質などによって平滑でないシート材であっても、この非平滑なシート材表面に倣って2次転写特性を向上させる手段として、弾性ベルト部材を採用している。
ベルト駆動ローラ41と共に中間転写部40を張架するテンションローラ42側には、中間転写部クリーニングブレード46、現像剤回収部47からなるクリーニング装置が配置されている。
中間転写部クリーニングブレード46は、2次転写ローラ61によって記録媒体F5上に像が転写された後に、中間転写部40上に付着した液体現像剤を掻き落として除去する機能を有している。
現像剤回収部47は、中間転写部クリーニングブレード46により除去された液体現像剤を回収する機能を有している。
また、1次転写バックアップローラ51Yより中間転写部40の移動方向下流側に、中間転写部スクイーズ装置52Yが配されている。
この中間転写部スクイーズ装置52Yは、中間転写部40上に転写された液体現像剤が望ましい分散状態に至っていない場合に、転写された液体現像剤から余剰の絶縁性液体を除去する手段として設けられている。
中間転写部スクイーズ装置52Yは、中間転写部スクイーズローラ53Yと、中間転写部40を挟んで中間転写部スクイーズローラ53Yと対向配置される中間転写部スクイーズバックアップローラ54Yと、中間転写部スクイーズローラ53Yに押圧摺接して表面をクリーニングする中間転写部スクイーズクリーニングブレード55Yおよび現像剤回収部15Mから構成される。
中間転写部スクイーズ装置52Yは、中間転写部40に1次転写された現像剤から余剰なキャリアを回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げると共に、本来不要なカブリトナーを回収する機能を有する。現像剤回収部15Mは、中間転写部40の移動方向下流側に配置されたマゼンタの感光体スクイーズローラのクリーニングブレード14Mで回収されるキャリアの回収機構を中間転写部スクイーズローラ53Yの中間転写部スクイーズクリーニングブレード55Yにも兼用するものである。このように2色目以降の像担持体スクイーズ装置の現像剤回収部15M、15C、15K(現像剤回収部15C、15Kについては図示せず)において、その前の色の1次転写バックアップローラ51(Y、M、C)より中間転写部40の移動方向下流側に配置された中間転写部スクイーズ装置52(Y、M、C)の現像剤回収部として兼用することにより、それらの間隔を一定に規制することができ、構造を簡潔にして小型化を図ることができる。
2次転写ユニット60は、2次転写ローラ61が中間転写部40を挟んでベルト駆動ローラ41と対向配置され、さらに2次転写ローラ61のクリーニングブレード62、現像剤回収部63からなるクリーニング装置が配置される。
2次転写ユニット60では、中間転写部40上に色重ねして形成された中間転写像が2次転写ユニット60の転写位置に到達するタイミングに合せて、記録媒体F5を搬送、供給し、その記録媒体F5に中間転写像が2次転写される。
2次転写ユニット60により記録媒体F5上に転写されたトナー像(転写像)F5aは、後述する定着部F40に送られ、定着が行われる。
クリーニングブレード62は、2次転写ローラ61によって記録媒体F5上に像が転写された後に、2次転写ローラ61上に付着した液体現像剤を掻き落として除去する機能を有している。
現像剤回収部63は、クリーニングブレード62により除去された液体現像剤を回収する機能を有している。
次に、現像ユニット100Y、100M、100C、100Kについて、詳細に説明する。なお、以下の説明では、代表的に、現像ユニット100Yについて説明する。
現像ユニット100Yは、図2に示すように、液体現像剤貯留部31Yと、塗布ローラ32Yと、規制ブレード33Yと、現像剤攪拌ローラ34Yと、現像ローラ20Yと、現像ローラクリーニングブレード21Yと、現像剤圧縮ローラ(圧縮手段)22Yとを有し
ている。
液体現像剤貯留部31Yは、感光体10Yに形成された潜像を現像するための液体現像剤を貯留する機能を備えたものである。
塗布ローラ32Yは、液体現像剤を現像ローラ20Yへ供給する機能を備えたものである。
この塗布ローラ32Yは、鉄等金属性のローラの表面に溝が均一かつ螺旋状に形成されニッケルメッキが施された、いわゆるアニロクスローラを呼称されるものであり、その直径は約25mmである。本実施形態では、塗布ローラ32Yの回転方向に対して斜めに複数の溝が、いわゆる切削加工や転造加工等によって形成されている。この塗布ローラ32Yは、時計回りに回転しながら液体現像剤に接触することによって、溝に、液体現像剤貯留部31Y内の液体現像剤を担持して、該担持した液体現像剤を現像ローラ20Yへ搬送する。
規制ブレード33Yは、塗布ローラ32Yの表面に当接して、塗布ローラ32Y上の液体現像剤の量を規制する。すなわち、当該規制ブレード33Yは、塗布ローラ32Y上の余剰液体現像剤を掻き取って、現像ローラ20Yに供給する塗布ローラ32Y上の液体現像剤を計量する役割を果たす。この規制ブレード33Yは、弾性体としてのウレタンゴムからなり、鉄等金属製の規制ブレード支持部材より支持されている。また、規制ブレード33Yは、前述した鉛直面Aから見て、塗布ローラ32Yが回転して液体現像剤から進出する側(すなわち、鉛直面Aから見て図2中左側)に設けられている。なお、規制ブレード33Yのゴム硬度は、JIS−Aで約77度であり、規制ブレード33Yの、塗布ローラ32Y表面への当接部の硬度(約77度)は、後述する現像ローラ20Yの弾性体の層の塗布ローラ32Y表面への圧接部の硬度(約85度)よりも低くなっている。また、掻き取られた余剰の液体現像剤は、液体現像剤貯留部31Yに回収され、再利用される。
現像剤攪拌ローラ34Yは、液体現像剤を一様分散状態に攪拌する機能を備えたものである。これにより、複数個のトナー粒子1が凝集した場合であっても、トナー粒子1同士を好適に分散させることができる。特に、一旦利用した液体現像剤を再利用する場合でも、好適にトナー粒子1を分散させることができる。
液体現像剤貯留部31Y内において、液体現像剤の中のトナー粒子1はプラスの電荷を有し、液体現像剤は、現像剤撹拌ローラ34Yにより撹拌されて一様分散状態になり、塗布ローラ32Yが回転することによって、液体現像剤貯留部31Yから汲み上げられ、規制ブレード33Yによって液体現像剤量が規制されて現像ローラ20Yに供給される。
現像ローラ20Yは、感光体10Yに担持された潜像を液体現像剤により現像するために、液体現像剤を担持して感光体10Yと対向する現像位置に搬送する。
現像ローラ20Yは、その表面に、前述した塗布ローラ32Yから液体現像剤を供給することにより、液体現像剤層201Yを形成するものである。
この現像ローラ20Yは、鉄等金属製の内芯の外周部に、導電性を有する弾性体の層を備えたものであり、その直径は約20mmである。また、弾性体の層は、二層構造になっており、その内層として、ゴム硬q度がJIS−A約30度で、厚み約5mmのウレタンゴムが、その表層(外層)として、ゴム硬度がJIS−A約85度で、厚み約30μmのウレタンゴムが備えられている。そして、現像ローラ20Yは、前記表層が圧接部となって、弾性変形された状態で塗布ローラ32Yおよび感光体10Yのそれぞれに圧接している。
また、現像ローラ20Yは、その中心軸を中心として回転可能であり、当該中心軸は、感光体10Yの回転中心軸よりも下方にある。また、現像ローラ20Yは、感光体10Yの回転方向(図2において時計方向)と逆の方向(図2において反時計方向)に回転する。なお、感光体10Y上に形成された潜像を現像する際には、現像ローラ20Yと感光体10Yとの間に電界が形成される。
現像剤圧縮ローラ22Yは、現像ローラ20Yに担持された液体現像剤のトナーを圧縮状態にする機能を備えた装置である。言い換えると、現像剤圧縮ローラ22Yは、前述した液体現像剤層201Yに対してトナー粒子1と同極性の電界を印加することにより、図3に示すように、液体現像剤層201Y中において、現像ローラ20Yの表面近傍にトナー粒子1を偏在させる機能を備えた装置である。このようにトナー粒子を偏在させることにより、現像濃度(現像効率)を向上させることができ、その結果、品質の高い鮮明な画像を得ることができる。
この現像剤圧縮ローラ22Yには、クリーニングブレード23Yが設けられている。
このクリーニングブレード23Yは、現像剤圧縮ローラ22Yに付着した液体現像剤を除去する機能を有している。クリーニングブレード23Yにより除去された液体現像剤は、液体現像剤貯留部31Y内に回収され、再利用される。
また、現像ユニット100Yは、現像ローラ20Yの表面に当接されたゴム製の現像ローラクリーニングブレード21Yを有している。この現像ローラクリーニングブレード21Yは、前記現像位置で現像が行われた後に、現像ローラ20Y上に残存する液体現像剤を掻き落として除去するための装置である。現像ローラクリーニングブレード21Yにより除去された液体現像剤は、液体現像剤貯留部31Y内に回収され、再利用される。
また、図1、図2に示すように、画像形成装置1000は、液体現像剤を現像部30Yに補給する液体現像剤補給部80Y、80M、80C、80Kを有する。液体現像剤補給部80Y、80M、80C、80Kの構成は同様であるので、以下、液体現像剤補給部80Yについて説明する。
液体現像剤補給部80Yは、回収液体現像剤貯留部81Yと、補給液体現像剤貯留部82Yと、搬送手段83Y、84Yと、ポンプ85Yと、フィルタ86Yとを有している。
回収液体現像剤貯留部81Yは、主として現像剤回収部18Yで回収された回収液体現像剤を貯留し、搬送手段83Yによって、現像部30Yの液体現像剤貯留部31Yに回収液体現像剤を補給する。また、補給液体現像剤貯留部82Yには、液体現像剤が貯留されており、搬送手段84Yによって液体現像剤貯留部31Yに液体現像剤を補給する。補給液体現像剤貯留部82Yに貯留された液体現像剤および回収液体現像剤貯留部81Yに貯留された回収液体現像剤の組成は、液体現像剤貯留部31Yに貯留された液体現像剤と同様であっても良いし、異なるものであっても良い。
また、現像剤回収部18Yに回収された液体現像剤は、搬送路70Yによって、液体現像剤補給部80Yに供給される。
また、搬送路70Yには、ポンプ85Yが設けられており、このポンプ85Yにより、各現像剤回収部に回収された液体現像剤を回収液体現像剤貯留部81Yに搬送する。
また、搬送路70Yには、フィルタ86Yが設けられており、粗大粒子、異物等を回収された液体現像剤から取り除くことができる。フィルタ86Yに除去された粗大粒子、異物等の固形分は、図示せぬフィルタ状態の検知手段により検知される。そして、その検知結果に基づいてフィルタ86Yを交換する。これにより、フィルタ86Yのフィルタリング機能を安定して維持することができる。
次に、定着部について説明する。
定着部F40は、前述した現像部、転写部等において形成された未定着のトナー画像F5aを、記録媒体F5上に定着させるものである。
定着部F40は、図4に示すように、熱定着ローラF1と、加圧ローラF2と、耐熱ベルトF3と、ベルト張架部材F4と、クリーニング部材F6と、フレームF7と、スプリングF9とを有している。
熱定着ローラ(定着ローラ)F1は、パイプ材で構成されたローラ基材F1bと、その外周を被覆する弾性体F1cと、ローラ基材F1bの内部に、加熱源としての柱状ハロゲンランプF1aとを有しており、図に矢印で示す反時計方向に回転可能になっている。
熱定着ローラF1の内部には、加熱源を構成する2本の柱状ハロゲンランプF1a、F1aが内蔵されており、これらの柱状ハロゲンランプF1a、F1aの発熱エレメントは、それぞれ異なった位置に配置されている。そして、各柱状ハロゲンランプF1a、F1aが選択的に点灯されることにより、後述する耐熱ベルトF3が熱定着ローラF1に巻き付いた定着ニップ部位と、後述するベルト張架部材F4が熱定着ローラF1に摺接する部位との異なる条件下や、幅の広い記録媒体と幅の狭い記録媒体との異なる条件下等での温度コントローラが容易に行われるようになっている。
加圧ローラF2は、熱定着ローラF1と対向するように配されており、後述する耐熱ベルトF3を介して、未定着のトナー画像F5aが形成された記録媒体F5に対して圧力を加えるよう構成されている。
また、加圧ローラF2は、パイプ材で構成されたローラ基材F2bと、その外周を被覆する弾性体F2cとを有し、図に矢印で示す時計方向に回転可能になっている。
また、熱定着ローラF1の弾性体F1cの表層にはPFA層が設けられている。これにより、各弾性体F1c、2cの厚みは異なるが、両弾性体F1c、2cは略均一な弾性変形をして、いわゆる水平ニップが形成され、また、熱定着ローラF1の周速に対して、後述する耐熱ベルトF3または記録媒体F5の搬送速度に差異が生じることもないので、極めて安定した画像定着が可能となる。
耐熱ベルトF3は、加圧ローラF2とベルト張架部材F4の外周に張架されて移動可能とされ、熱定着ローラF1と加圧ローラF2との間に挟圧されるエンドレスの環状のベルトである。
この耐熱ベルトF3は、0.03mm以上の厚みを有し、その表面(記録媒体F5が接触する側の面)をPFAで形成し、裏面(加圧ローラF2およびベルト張架部材F4と接触する側の面)をポリイミドで形成した2層構成のシームレスチューブで形成されている。なお、耐熱ベルトF3は、これに限定されず、ステンレス管やニッケル電鋳管等の金属管、シリコーン等の耐熱樹脂管等の他の材料で形成することもできる。
ベルト張架部材F4は、熱定着ローラF1と加圧ローラF2との定着ニップ部よりも記録媒体F5搬送方向上流側に配設されるとともに、加圧ローラF2の回転軸F2aを中心として矢印P方向に揺動可能に配設されている。
ベルト張架部材F4は、記録媒体F5が定着ニップ部を通過しない状態において、耐熱ベルトF3を熱定着ローラF1の接線方向に張架するように構成されている。記録媒体F5が定着ニップ部に進入する初期位置で定着圧力が大きいと進入がスムーズに行われなくて、記録媒体F5の先端が折れた状態で定着される場合があるが、このように耐熱ベルトF3を熱定着ローラF1の接線方向に張架する構成にすることで、記録媒体F5の進入がスムーズに行われる記録媒体F5の導入口部が形成でき、安定した記録媒体F5の定着ニップ部への進入が可能となる。
ベルト張架部材F4は、耐熱ベルトF3の内周に嵌挿されて加圧ローラF2と協働して耐熱ベルトF3に張力fを付与する略半月状のベルト摺動部材(耐熱ベルトF3はベルト張架部材F4上を摺動する)である。このベルト張架部材F4は、耐熱ベルトF3が熱定着ローラF1と加圧ローラF2との押圧部接線Lより熱定着ローラF1側に巻き付けてニップを形成する位置に配置される。突壁F4aはベルト張架部材F4の軸方向一端または両端に突設されており、この突壁F4aは、耐熱ベルトF3が軸方向端の一方に寄った場合に、この耐熱ベルトF3がこの突壁F4aに当接することで耐熱ベルトF3の端への寄りを規制するものである。突壁F4aの熱定着ローラF1と反対側の端部とフレームとの間にスプリングF9が縮設されていて、ベルト張架部材F4の突壁F4aが熱定着ローラF1に軽く押圧され、ベルト張架部材F4が熱定着ローラF1に摺接して位置決めされる。
ベルト張架部材F4が熱定着ローラF1に軽く押圧される位置がニップ初期位置とされ、また、熱定着ローラF1に加圧ローラF2が押圧する位置がニップ終了位置とされる。
定着部F40において、未定着のトナー画像F5aが形成された記録媒体F5は、上記ニップ初期位置から定着ニップ部に進入して耐熱ベルトF3と熱定着ローラF1との間を通過し、ニップ終了位置から抜け出ることで、記録媒体F5上に形成された未定着のトナー画像F5aが定着され、その後、熱定着ローラF1への加圧ローラF2の押圧部の接線方向Lに排出される。
クリーニング部材F6は、加圧ローラF2とベルト張架部材F4との間に配置されている。
このクリーニング部材F6は耐熱ベルトF3の内周面に摺接して耐熱ベルトF3の内周面の異物や摩耗粉等をクリーニングするものである。このように異物や摩耗粉等をクリーニングすることで、耐熱ベルトF3をリフレッシュし、前述の摩擦係数の不安定要因を除去している。また、ベルト張架部材F4に凹部F4fが設けられており、耐熱ベルトF3から除去した異物や摩耗粉等を収納するよう構成されている。
また、定着部F40は、記録媒体F5にトナー画像F5aを定着させた後に、熱定着ローラF1の表面に付着(残存)した絶縁性液体を除去する除去ブレード(除去手段)F12を有している。なお、この酸化重合促進剤除去ブレードF12は、絶縁性液体を除去するとともに、定着の際に熱定着ローラF1上に移行したトナー等も同時に除去することができる。
なお、耐熱ベルトF3を加圧ローラF2とベルト張架部材F4とにより張架して加圧ローラF2で安定して駆動するには、加圧ローラF2と耐熱ベルトF3との摩擦係数をベルト張架部材F4と耐熱ベルトF3との摩擦係数より大きく設定するとよい。しかし、摩擦係数は、耐熱ベルトF3と加圧ローラF2との間あるいは耐熱ベルトF3とベルト張架部材F4との間への異物の侵入や、耐熱ベルトF3と加圧ローラF2およびベルト張架部材F4との接触部の摩耗などによって不安定になる場合がある。
そこで、加圧ローラF2と耐熱ベルトF3の巻き付け角よりベルト張架部材F4と耐熱ベルトF3の巻き付け角が小さくなるように、また、加圧ローラF2の径よりベルト張架部材F4の径が小さくなるように設定する。これにより、耐熱ベルトF3がベルト張架部材F4を摺動する長さが短くなり、経時変化や外乱などに対する不安定要因から回避でき、耐熱ベルトF3を加圧ローラF2で安定して駆動することができるようになる。
熱定着ローラF1により加える熱(定着温度)は、具体的には、80〜200℃であるのが好ましく、100〜180℃であるのがより好ましく、100〜150℃であることがさらに好ましい。本発明の液体現像剤は、低温での定着性に優れるため、定着温度がこのような比較的低い温度であっても、トナー画像が記録媒体に強固に定着することができる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明の液体現像剤は、前述したような画像形成装置に適用されるものに限定されない。
また、本発明の液体現像剤は、前述したような製造方法により製造されたものに限定されない。例えば、上述した実施形態では、樹脂分散液は、着色剤と樹脂材料とを混練、粉砕した粉砕物を用いて調製を行ったが、このような粉砕物を用いずに調製するものであってもよく、例えば、絶縁性液体と着色剤と樹脂材料とを直接混合して樹脂分散液を得るものであってもよい。また、着色剤と樹脂材料とを混練する際に、絶縁性液体を構成する液体も混ぜて混練したものを粗粉砕し、その後、このようにして得られた粉砕物を絶縁性液体中に粉砕、分散させたものを液体現像剤としてもよい。このような方法を用いても、トナー粒子内部に確実に絶縁性液体を構成する液体を含ませることができる。
[1]液体現像剤の製造
(実施例1)
<着色剤マスターの調製(混練工程、粉砕工程)>
まず、樹脂材料としてのエチレン−メタクリル酸共重合体(融点Tm:98℃、ビカット軟化点Tv:78℃、三井・デュポンポリケミカル(株)製、商品名:ニュクレルN410):40重量部と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3):50重量部と、分散剤(味の素(株)製、商品名:アジスパーPB821):10重量部との混合物を用意した。これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、着色剤マスター用の原料を得た。
次に、この原料を、120℃に加熱した2軸混練押出機を用いて混練し、混練物を得た。次に、2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を冷却した(混練工程)。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:2.0mm以下の粉末とし、着色剤マスター(粉砕物)を得た。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた(粉砕工程)。
<樹脂膨潤液調製工程>
次に、得られた着色剤マスター(粉砕物):50重量部と、追加樹脂材料としてのエチレン−メタクリル酸共重合体(三井・デュポンポリケミカル(株)製、商品名:ニュクレルN410):50重量部と、大豆油((株)J−オイルミルズ製 大豆白絞油):100重量部とを2枚の回転翼を備えた高速撹拌機(プライミクス社製 T.K.ハイビスミックス2P−03型)に投入した。なお、本実施例で用いる高速撹拌機は、2枚の回転翼が公転運動と自転運動とを同時に行う遊星運動を行うものである。次に、上記の高速撹拌機を起動し、公転回転数:90rpm、自転回転数:220rpmの条件で撹拌しながら、室温(20℃)から120℃まで1.5時間かけて昇温したところ、撹拌機の内容物は、樹脂が膨潤、軟化し、粘性のある液体となった。その後、120℃において、同様の撹拌条件で0.5時間撹拌した後、120℃に加熱した大豆油((株)J−オイルミルズ製 大豆白絞油):300重量部を撹拌機に追加投入し、さらに同じ撹拌条件で0.5時間撹拌を継続し、樹脂膨潤液を得た。
<樹脂析出工程>
次に、得られた樹脂膨潤液が仕込まれた上記の高速撹拌機の回転数を、公転回転数:50rpm、自転回転数:100rpmに調整し、120℃から80℃まで、冷却速度:−25℃/時の条件で冷却した後、80℃から55℃まで、冷却速度:−5℃/時の条件で冷却した。なお、樹脂膨潤液の冷却中、75〜60℃において、樹脂材料が析出しているのを確認した。その後、55℃から室温(20℃)まで、冷却速度:−25℃/時の条件で冷却し、絶縁性液体(大豆油)中に、樹脂微粒子(トナー粒子)が分散した樹脂微粒子分散液を得た。
次に、高速撹拌機中に仕込まれた樹脂微粒子分散液に、帯電制御剤としてのジルコニウムオクテート(ホープ製薬社製、オクトープZr):5重量部、分散剤としてのポリアミン脂肪族重合体(日本ルーブリゾール社製、商品名:ソルスパース11200):2重量部を投入し、公転回転数:50rpm、自転回転数:100rpmの条件で撹拌し、シアンの液体現像剤を得た。また、樹脂微粒子の体積基準の平均粒径をMastersizer2000粒子解析装置(Malvern Instruments Ltd.製)にて測定したところ、平均粒径は1.9μmであり、5μm以上の粗大粒子は、1vol%未満であった。また、得られた液体現像剤をろ過し、トナー粒子の融点を測定したところ、使用した樹脂材料(エチレン−メタクリル酸共重合体)の融点(98℃)よりも低い90℃であった。これは、大豆油が、トナー粒子を構成する樹脂材料(エチレン−メタクリル酸共重合体)の分子鎖中に残存し、樹脂が可塑化されたためと考えられる。なお、融点の測定は、JIS K 7121:1987に準拠して測定した。
(実施例2〜8)
樹脂材料、絶縁性液体の種類、含有量、および樹脂析出工程での冷却条件が表1に示すようになるように変更した以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(比較例1)
まず、樹脂材料としてのポリエステル樹脂(ガラス転移温度Tg:47℃、融点Tm:90℃):40重量部と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3):50重量部と、分散剤(味の素(株)製、商品名:アジスパーPB821):10重量部との混合物を用意した。これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、着色剤マスター用の原料を得た。
次に、この原料を、120℃に加熱した2軸混練押出機を用いて混練し、混練物を得た。次に、2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を冷却した。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.0mm以下の粉末とし、着色剤マスター(粉砕物)を得た。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
次に、このようにして得られた粉砕物:50重量部と、ポリエステル樹脂(ガラス転移温度Tg:47℃、融点Tm:90℃):50重量部とを120℃に加熱した2軸混練押出機を用いて混練し、冷却後に粗粉砕して平均粒径:1.0mm以下の粉末状の着色原料を得た。
次に、着色原料:20重量部、絶縁性液体としての脂肪族炭化水素(コスモ石油ルブリカンツ製、コスモSP−10):80重量部、帯電制御剤としてのジルコニウムオクテート(ホープ製薬社製、オクトープZr):1重量部、分散剤としてのポリアミン脂肪族重合体(日本ルーブリゾール社製、商品名:ソルスパース11200):2重量部を遊星ボールミル(Gokin Planetaring社製、Planet H)のポットに入れ、さらに直径:1mmのジルコニアボールを加えて、24時間、着色原料の粉砕、分散を行った。これにより、液体現像剤を得た。また、樹脂微粒子の体積基準の平均粒径をMastersizer2000粒子解析装置(Malvern Instruments Ltd.製)にて測定したところ、平均粒径は3.8μmであり、10μm以上の粗大粒子を10vol%含むものであった。また、得られた液体現像剤をろ過し、トナー粒子の融点を測定したところ、90℃であり、使用した樹脂材料(ポリエステル樹脂)の融点と同じであった。なお、融点の測定は、JIS K 7121:1987に準拠して測定される融点の値を用いた。
(比較例2)
絶縁性液体として、脂肪族炭化水素(コスモ石油ルブリカンツ製、コスモSP−10)の代わりに、大豆油((株)J−オイルミルズ製 大豆白絞油)を用いた以外は、前記比較例1と同様に液体現像剤を製造した。このようにして得られた液体現像剤中のトナー粒子の粒径は、遊星ボールミルで粉砕する前の着色原料の粒径とほぼ等しく、粉砕が進んでいなかった。
(比較例3)
ポリエステル樹脂の代わりに、エチレン−メタクリル酸共重合体(融点Tm:98℃、ビカット軟化点Tv:78℃、三井・デュポンポリケミカル(株)製、商品名:ニュクレルN410)を用いた以外は、前記比較例2と同様に液体現像剤を製造した。このようにして得られた液体現像剤中のトナー粒子の粒径は、遊星ボールミルで粉砕砕する前の着色原料の粒径とほぼ等しく、粉砕が進んでいなかった。
(比較例4)
実施例1と同様に液体現像剤を製造した。
次に、絶縁性液体(大豆油)中に分散したトナー粒子をろ過し、トナー粒子表面に付着した大豆油を完全に除去した後、除去した大豆油と同量の脂肪族炭化水素(コスモ石油ルブリカンツ製、コスモSP−10)にトナー粒子を分散させ、液体現像剤を得た。
以上の各実施例および各比較例について、液体現像剤の製造に用いた樹脂材料、絶縁性液体、樹脂析出工程での冷却条件、および、後述するガスクロマトグラフィー法によりトナー粒子中に含まれる液体成分として確認された液体、トナー粒子の融点を表1に示した。
また、表1中、樹脂材料としてのポリエステル樹脂をPEs、エチレン−メタクリル酸共重合体をEMAAとして示した。また、表中、HO菜種油とは、ハイオレイック菜種油(日清オイリオグループ(株)製 キャノーラ油)のことを指し、大豆油脂肪酸メチルとは、大豆油脂肪酸メチル(日清オイリオグループ(株)製)のことを指し、ラウリン酸メチルとは、ラウリン酸メチル(ライオン(株)製 パステルM−12)のことを指し、ミリスチン酸メチル(ライオン(株)製 パステルM−14)のことを指し、Prifer6813とは、合成エステル系液体(アニリン点:−10℃、UNIQEMA(株)社製 エステル NON VOC溶剤)のことを指す。また、液体現像剤の各構成材料の含有量の欄には、液体現像剤中における含有量を示した。なお、各実施例、各比較例で使用した液体(絶縁性液体)は、全て、JIS K2254に準拠して測定される初留点が、140℃以上の液体であった。また、各実施例、各比較例の液体現像剤の25℃における振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定される粘度の値は、いずれも1000mPa・s以下であった。
また、表1中、各樹脂材料のJIS K7121:1987に準拠して測定される融点をTm[℃]で示した。また、表中、ビカット軟化点の欄には、ポリエステル樹脂以外の樹脂材料については、JIS K7026:1999に準拠して測定されるビカット軟化点をTv[℃]で示し、また、ポリエステル樹脂については、JIS K7121に準拠して測定されるガラス転移温度をTg[℃]で示した。
また、各実施例、各比較例の液体現像剤の一部を採取し、遠心分離によって、ケーキ(トナー粒子)を分離し、固形分中に含まれる液体成分を抽出後、ガスクロマトグラフィー法により定量、分析した。この結果、各実施例では、トナー粒子中に各実施例の液体現像剤を構成する絶縁性液体が含まれていることを確認した。これに対して、各比較例では、トナー粒子中に各比較例の液体現像剤を構成する絶縁性液体を確認することができなかった。
Figure 2008299143
[2]評価
上記のようにして得られた各液体現像剤について、以下の評価を行った。
[2.1]保存性
前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤を、温度:15〜25℃の環境下に、6ヵ月間静置した。その後、液体現像剤中のトナーの様子を目視にて確認し、以下の5段階の基準に従い評価した。
A :トナー粒子の浮遊および凝集沈降がまったく認められない。
B :トナー粒子の浮遊および凝集沈降がほとんど認められない。
C :トナー粒子の浮遊または凝集沈降がわずかに認められるが、液体現像剤として
問題の無い範囲である。
D :トナー粒子の浮遊または凝集沈降がはっきりと認められる。
E :トナー粒子の浮遊および凝集沈降が顕著に認められる。
[2.2]液体現像剤の環境安定性(長期安定性)
前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤を、35℃、相対湿度65%の環境下に、6ヶ月間放置した。その後、液体現像剤の様子を観察し、放置前後の粘度、色、酸価、および電気抵抗値の変化を以下の5段階の基準に従い評価した。なお、酸価の測定は、JIS K2501に準拠して行った。また、液体現像剤の色の変化は、目視により評価した。また、粘度は、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して行った。また、電気抵抗値は、ユニバーサルエレクトロメーター MMAII−17B、液体用電極LP−05、シールドボックスP−618(川口電機製作所製)を用いて測定した。
A :液体現像剤の粘度/色/酸価/電気抵抗値の変化がまったく認められない。
B :液体現像剤の粘度/色/酸価/電気抵抗値の変化がほとんど認められない。
C :液体現像剤の粘度/色/酸価/電気抵抗値の変化がわずかに認められるが、液 体現像剤として問題の無い範囲である。
D :液体現像剤の粘度/色/酸価/電気抵抗値の変化がはっきりと認められる。
E :液体現像剤の粘度/色/酸価/電気抵抗値の変化が顕著に認められる。
[2.3]定着強度
図1〜図4に示すような画像形成装置を用いて、前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤による所定パターンの単色の画像を記録紙(セイコーエプソン社製、上質紙 LPCPPA4)上に形成し、熱定着ローラの設定温度を110℃として、毎分50枚の定着速度で熱定着を行った。
その後、非オフセット領域を確認した後、記録紙上の定着像を消しゴム(ライオン事務機社製、砂字消し「LION 261−11」)を押圧荷重1.0kgfで2回擦り、画像濃度の残存率をX−Rite Inc社製「X−Rite model 404」により測定し、以下の5段階の基準に従い評価した。
非常に良い(A) :画像濃度残存率が95%以上。
良い(B) :画像濃度残存率が90%以上95%未満。
許容範囲(C) :画像濃度残存率が80%以上90%未満。
やや悪い(D) :画像濃度残存率が70%以上80%未満。
悪い(E) :画像濃度残存率が70%未満。
[2.4]低温定着性
前記各実施例および前記各比較例で得られたトナーについて、以下のようにして定着良好域、低温定着性の評価を行った。
まず、定着装置を有さない以外は、図1〜図3に示すような構成を有する画像形成装置を用意した。この画像形成装置を用いて、記録媒体(セイコーエプソン社製、上質普通紙 LPCPPA4)上に単色のトナー像が転写された未定着の画像サンプルを採取した。なお、採取するサンプルのベタは付着量を0.5mg/cmに調整した。
次に、画像形成装置を構成する定着装置の定着ローラの表面温度を所定温度に設定した状態で、上記の未定着のトナー像が転写された記録媒体を、図4に示すような定着装置の内部に導入することにより、トナー像を記録媒体に定着させ、定着後におけるオフセットの発生の有無を目視で確認した。この定着装置では、定着は、毎分50枚(A4用紙のニップ部の通過枚数)に設定した。定着ローラの表面の設定温度を60〜160℃の範囲で順次変更していき、各温度でのオフセットの発生の有無を確認し、低温オフセットが発生した最高温度を低温オフセット発生温度とし、以下の4段階の基準に従い評価した。
A :低温オフセット発生温度が、95℃未満。
B :低温オフセット発生温度が、95℃以上、110℃未満。
C :低温オフセット発生温度が、110℃以上、120℃未満。
D :低温オフセット発生温度が、120℃以上。
これらの結果を表2に示す。また、表中、低温定着性の評価の欄には、括弧内に具体的な、低温オフセット発生温度[℃]をそれぞれ示した。
Figure 2008299143
表2から明らかなように、各実施例の液体現像剤は、保存性、長期安定性に優れたものであるとともに、定着強度、低温定着性にも優れたものであった。これに対し、各比較例の液体現像剤では、満足な結果が得られなかった。
また、各実施例の液体現像剤よりトナー粒子を取り出し、各実施例のトナー粒子の形状を電子顕微鏡で観察したところ、実施例1〜8のトナー粒子は、表面に突起物を有するような非球形状の構造を有するものであった。
また、着色剤として、シアン系顔料の代わりに、ピグメントレッド122、ピグメントイエロー180、カーボンブラック(デグサ社製、Printex L)を用いた以外は、上記と同様に液体現像剤の製造、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
本発明の液体現像剤が適用される画像形成装置の一例を示す模式図である。 図1に示す画像形成装置の一部を拡大した拡大図である。 現像ローラ上の液体現像剤層内におけるトナー粒子の状態を示す模式図である。 図1に示す画像形成装置に適用される定着装置の一例を示す断面図である。
符号の説明
1…トナー粒子 1000…画像形成装置 10Y、10M、10C、10K…感光体 11Y…帯電ローラ 12Y…露光ユニット 13M、13Y…感光体スクイーズローラ 14M、14Y…クリーニングブレード 15M、15Y…現像剤回収部 16Y…除電ユニット 17Y…感光体クリーニングブレード 18Y…現像剤回収部 20Y、20M、20C、20K…現像ローラ 201Y…液体現像剤層 21Y…現像ローラクリーニングブレード 22Y…現像剤圧縮ローラ 23Y…現像剤圧縮ローラクリーニングブレード 30Y、30M、30C、30K…現像部 31Y…液体現像剤貯留部 32Y…塗布ローラ 33Y…規制ブレード 34Y…撹拌ローラ 40…中間転写部 41…ベルト駆動ローラ 42…テンションローラ 46…中間転写部クリーニングブレード 47…現像剤回収部 51Y、51M、51C、51K…1次転写バックアップローラ 52Y、52M、52C、52K…中間転写部スクイーズ装置 53Y…中間転写部スクイーズローラ 54Y…中間転写部スクイーズバックアップローラ 55Y…中間転写部スクイーズクリーニングブレード 60…2次転写ユニット 61…2次転写ローラ 62…2次転写ローラクリーニングブレード 63…現像剤回収部 70Y…搬送路 80Y、80M、80C、80K…液体現像剤補給部 81Y…回収液体現像剤貯留部 82Y…補給液体現像剤貯留部 83Y、84Y…搬送手段 85Y…ポンプ 86Y…フィルタ 100Y…現像ユニット 101Y…感光体スクイーズ装置 F40…定着部(定着装置) F1…熱定着ローラ(加熱ローラ) F1a…柱状ハロゲンランプ F1b…ローラ基材 F1c…弾性体 F12…除去ブレード F2…加圧ローラ F2a…回転軸 F2b…ローラ基材 F2c…弾性体 F3…耐熱ベルト F4…ベルト張架部材 F4a…突壁 F4f…凹部 F5…記録媒体 F5a…トナー画像 F6…クリーニング部材 F7…フレーム F9…スプリング

Claims (9)

  1. 主として樹脂材料で構成されたトナー粒子と、不揮発性の絶縁性液体とを有し、
    前記トナー粒子は、その内部に前記絶縁性液体を構成する液体を含むことを特徴とする液体現像剤。
  2. 前記トナー粒子および前記絶縁性液体は、脂肪酸トリグリセリドを含むものである請求項1に記載の液体現像剤。
  3. 前記トナー粒子および前記絶縁性液体は、アニリン点が30℃以下のエステル系液体を含むものである請求項1または2に記載の液体現像剤。
  4. 前記トナー粒子および前記絶縁性液体は、脂肪酸モノエステルを含むものである請求項1ないし3のいずれかに記載の液体現像剤。
  5. 前記樹脂材料は、官能基として、エステルおよび/またはカルボン酸を含むものである請求項2ないし4のいずれかに記載の液体現像剤。
  6. 前記樹脂材料は、結晶構造および/または架橋構造を有するものである請求項1ないし5のいずれかに記載の液体現像剤。
  7. 樹脂材料と絶縁性液体とを含む組成物を加熱することにより、前記樹脂材料が前記絶縁性液体を含み膨潤した樹脂膨潤液を調製する樹脂膨潤液調製工程と、
    前記樹脂膨潤液を冷却することにより、主として樹脂材料で構成され、かつ、内部に前記絶縁性液体を含む樹脂微粒子を形成する樹脂析出工程とを有することを特徴とする液体現像剤の製造方法。
  8. 前記樹脂膨潤液調製工程において、前記組成物を、前記組成物に含まれる前記樹脂材料の融点よりも高い温度で加熱することにより、前記樹脂膨潤液を調製する請求項7に記載の液体現像剤の製造方法。
  9. 色の異なる複数の液体現像剤を用いて、各色に対応した前記単色像を形成する複数の現像部と、
    複数の前記現像部で形成された複数の前記単色像が順次転写され、転写された複数の前記単色像を重ね合わせてなる中間転写像を形成する中間転写部と、
    前記中間転写像を前記記録媒体に転写し、前記記録媒体上に未定着カラー画像を形成する2次転写部と、
    前記未定着カラー画像を前記記録媒体上に定着する定着部とを有し、
    前記液体現像剤が、主として樹脂材料で構成されたトナー粒子と、絶縁性液体とを有し、前記トナー粒子は、前記トナー粒子中に前記絶縁性液体を構成する液体を含むことを特徴とする画像形成装置。
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