JP2008290384A - 樹脂成形品とその製造方法および射出成形装置 - Google Patents

樹脂成形品とその製造方法および射出成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的厚くても、短い製造時間で、表面歪みやフローマークやウェルドマークやヒケや反りのない、外観が良好な樹脂成形品が得られるようにする。
【解決手段】樹脂成形品11を2つの部分12,13に分割し、各部分12,13を、透光性を有する同一の熱可塑性樹脂(PMMA)からそれぞれ形成する。まず、可動側金型と第1の固定側金型をPMMAの荷重たわみ温度以上かつ加熱分解温度未満に保ち、両金型により構成された第1のキャビティ内にPMMAを射出して第1部分12を形成する。可動側金型9と第1の固定側金型4を冷却した後、第1部分を保持した可動側金型と第2の固定側金型により第2のキャビティを構成する。可動側金型は低温に保ち、第2の固定側金型を再びPMMAの荷重たわみ温度以上かつ加熱分解温度未満に高めた状態で、PMMAを第2のキャビティ内に射出して第2部分13を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂成形品とその製造方法および射出成形装置に関する。
熱可塑性樹脂は金属やガラスなどの無機物に比べて軽量であるため、厚い製品が必要な場合には、このような熱可塑性樹脂からなる樹脂成形品が用いられることが多い。特に、透光性を有する製品を製造する場合に、ガラスを材料として用いると、重いだけでなく破損し易いという欠点や、形状の自由度に乏しいという欠点がある。従って、透光性を有し厚い製品を製造する際には、熱可塑性樹脂の射出成形が用いられることが多い(特許文献1参照)。
特開2000−229343号公報
厚い樹脂成形品を通常の射出成形法によって製造する場合、キャビティ内への樹脂の充填に時間がかかり、充填の最中にもかかわらず金型表面付近の樹脂が冷えて固化層ができてしまうことがある。充填中の樹脂の一部が固化層になってしまうと、依然として流動している中央部付近の樹脂が固化層を動かすおそれがある。ある程度固化した樹脂が動かされると、その跡がフローマークとして残ったり、固化した樹脂が動かされることによる力が表面歪みとして残ったり、反りが生じることがある。特に、透光性を有する樹脂成形品に歪みが生じると、光学的歪みを引き起こすため、樹脂成形品の所望の性能が得られないおそれがある。また、穴部を有する樹脂成形品の場合、充填中の樹脂の一部が固化層になってしまうとウェルドマークが生じ易くなり、著しく製品価値を低下させてしまう。そのため、穴部を有する厚い樹脂成形品を製造する場合、従来は、穴部のない樹脂成形品を射出成形した後に切削機械加工により穴を開けている。それによって、製造コストが非常に高くなっている。
前記したように樹脂の充填中に金型表面に接する位置に固化層が生じると、この固化層が早く冷却され始めるのに対し、中央部分の溶融樹脂は、射出が完全に完了した後に冷却が開始されるため、部分的に冷却時間の差が生じる。それによって樹脂成形品内に部分的に体積収縮の違いが生じ、その結果、樹脂成形品にヒケが生じ易い。固化層があまり移動しないように充填圧力をより小さくすると、充填に要する時間がさらに長くなる。
そこで、従来は、樹脂温度および金型温度を高くすることによって、金型表面においても熱可塑性樹脂が固化しにくくし、固化層の発生を抑え、前記した不具合を解消することが試みられている。しかし、樹脂温度および金型温度を高くすると、射出完了後の冷却時間がさらに長くなるため、樹脂成形品の製造に要する時間が長くなり効率が悪くなる。このように冷却時間が長くなることは、製造効率の観点から不利であり好ましくない。
なお、特許文献1には、ヒケや歪みの問題を解決するための特別な射出圧縮成形方法が開示されているが、これは圧縮力の制御など、工程が非常に煩雑になり容易ではない。
また、比較的薄い樹脂成形品であって、厚さ方向ではなく面内方向に複数の部分に分割されて、多色成形法によって成形される樹脂成形品の場合にも、先に形成された第1部分が、第2部分の成形時に再加熱されることによる不具合が生じることがある。例えば、先に形成された第1部分を保持した状態の可動側金型が、第2部分の成形時に再加熱されると、第1部分が可動側金型のキャビティ表面に熱によって貼り付いてしまうおそれがある。その場合に、第2部分の成形後に型開きして成形品を取り出すと、可動側金型のキャビティ表面に貼り付いていた第1部分を引き剥がすことになり、その表面状態が悪くなる。すなわち、成形品の第1部分の表面の転写不良である。
本発明の目的は、比較的厚くても、製造に要する時間を長くすることなく、表面歪みを抑え、フローマークやウェルドマークやヒケや反り等の外観不良を防ぎ、転写性が良好な樹脂成形品と、その製造方法および射出成形装置を提供することにある。
本発明の樹脂成形品の製造方法は、樹脂成形品を厚さ方向に複数の部分に分割して形成し、複数の部分は同一の熱可塑性樹脂からそれぞれ形成し、可動側金型および第1の固定側金型のキャビティ表面を、熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度以上かつ加熱分解温度未満に保った状態で、可動側金型と第1の固定側金型とを閉じることによって構成された第1のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出し、射出完了後に可動側金型および第1の固定側金型のキャビティ表面を熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度未満に冷却する、第1部分を形成するステップと、形成された第1部分を保持した状態の可動側金型を、第1の固定側金型との対向位置から第2の固定側金型との対向位置に移動させるステップと、形成された第1部分を保持した状態の可動側金型のキャビティ表面を熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度未満に保ったまま、第2の固定側金型のキャビティ表面を熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度以上かつ加熱分解温度未満に保ち、形成された第1部分を保持した状態の可動側金型と第2の固定側金型とを閉じることによって構成された第2のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出し、射出完了後に第2の固定側金型のキャビティ表面を熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度未満に冷却する、第1部分に接合された第2部分を形成するステップと、を含み、可動側金型の位置または移動を示す信号を検知して、該信号に基づいて可動側金型の加熱または冷却の制御を行うことを特徴とする。
なお、荷重たわみ温度は、国際規格 ISO 75(JIS7191) 荷重1.8MPaで規定されている。
この方法では、樹脂成形品を多色成形法によって製造している。通常、多色成形法は、異なる樹脂を用いて色または特性の異なる複数の部分を一体形成するために用いられているが、本発明では、単一の熱可塑性樹脂からなる樹脂成形品を、あえてこの多色成形法を用いて製造することによって、外観を良好にしつつ製造時間を短縮することが可能になっている。こうして製造された樹脂成形村は、部分的な冷却時間の差が生じにくく、ヒケや反りの問題が起こりにくい。しかも、第1部分の形成時には、キャビティ表面が熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度よりも高温であるため、熱可塑性樹脂の流動性が良く第1のキャビティ内全体に充填される。その結果、ウェルドマークやフローマークの発生が抑制された樹脂成形品が製造でき、しかも、外観の転写が良好で歪みが小さい。さらに、第2部分の形成時には、可働側金型に保持された第1部分は低温に保たれ、第2の固定側金型は高温であるため、第2のキャビティ内を流動する熱可塑性樹脂は、第1部分に近い部分や中間部分よりも、第2の固定側金型に近い部分で良好に流動し、しかも可動側金型が第1の熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度よりも低温であるため第1部分は再溶解せず、第2部分となる熱可塑性樹脂の流動によって第1部分が移動させられることはない。
本発明の樹脂成形品は、熱可塑性樹脂の射出成形によって形成された第1部分と、第1部分と同じ熱可塑性樹脂の射出成形によって、第1部分の上に積層形成された第2部分を含むことを特徴とするものである。従来は単一の樹脂材料からなる樹脂成形品は一度の射出成形で製造するのが当たり前であったが、本発明では、同じ樹脂材料からなる複数の部分をそれぞれ射出成形によって個別に形成している。これによって、特に、第1部分と第2部分の積層された厚さの合計が3mm以上、特に4mm以上であるような厚い樹脂成形品を、比較的短時間で製造でき、しかも、反りを防いで外観を良好にできる。
なお、本明細書中で言う「キャビティ」とは、型締め状態の金型間の、スプルーおよびランナーを除く、樹脂が充填可能な空間であり、各成形品の形状に対応する空間を指す。そして、「キャビティ表面」とは、キャビティを区画する金型表面を指す。
本発明によると、比較的厚い(例えば厚さ3mm以上の)樹脂成形品であっても、短時間で製造でき、しかも、反りやウェルドマークやフローマークや表面歪みを防ぎ、良好な外観にすることができる。特に、透光性を有する樹脂成形品の場合、表面歪みを小さく抑えることにより、光学特性を良好にすることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明は、比較的厚い、例えば厚さが3mm以上、特に4mm以上の樹脂成形品11(図1参照)を製造するのに適しており、それを厚さ方向に複数の部分に分割して形成するものである。まず、この点について説明する。
前記したように、従来、厚い樹脂成形品の表面歪みを抑え、フローマークやウェルドマークやヒケや反り等の外観不良を防ぎ、転写性を良好にするためには、成形時の樹脂温度および金型温度を高くすることが考えられていた。しかし、それに伴って、樹脂の冷却時間が長くなり、製造に要する時間が長く製造効率が悪いという欠点が生じた。そこで、本出願人は、これらの問題を全て解決するために、樹脂成形品を厚さ方向に複数の部分に分割して、段階的に形成することを考えた。すなわち、図1に示す樹脂成形品11は、同一形状の第1部分(第1層)12と第2部分(第2層)13が積層された構成であり、第1部分12と第2部分13は同一の熱可塑性樹脂からなる。
一例としては、樹脂成形品11は、透光性を有するアクリル樹脂(PMMA:荷重たわみ温度90℃)からなり、平面形状が100mm×100mmの正方形で直径10mmの穴部11aを有するものであり、第1部分12(厚さ3mm)と第2部分(厚さ3mm)の合計の厚さが6mmである。そして、本発明では、このように樹脂成形品を多層構造にして、従来は色や材質の異なる複数種類の樹脂を材料とする場合に用いられていた多色成形法を用いて形成した。なお、本明細書中で言う透光性とは、ヘイズが30%以下であることを意味する。
ここで、本発明の射出成形装置の全体構造について説明する。図2,3に示すように、この射出成形装置は、固定側プレート1と、図示しない駆動手段によってガイド3に沿って、固定側プレート1に近づいたり離れたりする可動側プレート2を有している。固定側プレート1の、可動側プレート2側に向いた面には、第1の固定側金型4と第2の固定側金型5が取り付けられている。後述するように、第1の固定側金型4と第2の固定側金型5は、キャビティ14,17の形状とスプルー15,18およびランナー16,19の位置が異なっているが(図5,6参照)、それ以外は実質的に同じ構成である。そして、図2,3では、見易くするために分離して図示されているが、固定側プレート1には2つの射出機構6,7が取り付けられている。射出機構6,7は、詳述しないが各固定側金型4,5のスプルー15,18にそれぞれ接続されており、溶融状態の熱可塑性樹脂を、スプルー15,18およびランナー16,19を介して各キャビティ14,17内にそれぞれ射出するものである。両射出機構6,7には、透光性を有する同一の熱可塑性樹脂を供給可能である。なお、第1のキャビティ14にも第2のキャビティ17にも熱可塑性樹脂を射出可能であれば、射出機構は1つだけ存在していても構わない。
可動側プレート2の、固定側プレート1側に向いた面には、図示しない駆動手段によって回転させられる回転板8が取り付けられており、この回転板8に2つの可動側金型9が取り付けられている。2つの可動側金型9は、キャビティ形状が上下反対になっているが、それ以外は同じ構成であり、第1の固定側金型4および第2の固定側金型5とそれぞれ対向可能な位置に配置されている。
各金型4,5,9には、それぞれ複数の流路管10が設けられている。各流路管10は各キャビティ14,17の近傍に配置されており、温度制御機構20から、冷水等の冷却媒体または熱水等の加熱媒体が導入可能である。各図面では、簡略化のために温度制御機構20から全ての流路管10を1本のラインで結んでいるかのように図示されているが、実際には、各金型4,5,9毎に独立して流路管10に冷却媒体または加熱媒体を供給可能である。
また、図3には、各金型4,5,9が入れ子構造であるように図示されており、この構成にすると、入れ子部分を交換することによって形状の異なる樹脂成形品を製造することが容易に可能になる。ただし、必ずしも入れ子構造である必要はない。
次に、図2,3に示す射出成形装置を用いて図1に示す樹脂成形品11を製造する本発明の方法の一実施形態について、図4のフローチャートに沿って以下に説明する。
まず、図5に示すように、可動側金型9を第1の固定側金型4に当接させて、両者の間に第1のキャビティ14を形成する(ステップS1)。この第1のキャビティ14は、図1に示す第1部分12と同じ形状である。そして、温度制御機構20は、このように可動側金型9が第1の固定側金型4の対向位置にあることを示す信号を受信して、それに基づいて、可動側金型9および第1の固定側金型4に設けられた流路管10に熱水等の加熱媒体を供給する。なお、この信号は、図示しない駆動手段に回転板8を回転駆動させるための信号であってもよく、または、図示しないセンサが回転板8の姿勢を検知して出力する信号、すなわち、回転板8が、可動側金型9が第1の固定側金型4に対向するような姿勢であることを示す信号であってもよい。
このように、可動側金型9および第1の固定側金型4の流路管に加熱媒体を供給して、キャビティ表面温度を、熱可塑性樹脂(PMMA)の荷重たわみ温度以上かつ加熱分解温度未満である100℃まで高めて保持する(ステップS2)。そこで、図2,3に示す第1の射出機構6から、スプルー15およびランナー16を介して第1のキャビティ14に、所定量の溶融状態のPMMAを射出して、厚さ3mmの第1部分12を形成する(ステップS3)。PMMAの射出が完了したら、温度制御機構20は、可動側金型9および第1の固定側金型4に設けられた流路管10への加熱媒体の供給を停止し、代わりに冷水などの冷却媒体を供給する。それによって、可動側金型9および第1の固定側金型4のキャビティ表面温度を50℃まで降下させ、第1部分12を固化させる(ステップS4)。このようにして、金型4,9の温度を上下させる、いわゆるヒートサイクル成形法によって第1部分12を成形する。
それから、可動側プレート2を固定側プレート1から離して型開きし、回転板8(図2,3参照)を180度回転させて、形成された第1部分12を保持した状態の可動側金型9を、第1の固定側金型4に対向する位置から第2の固定側金型5に対向する位置に移動させる(ステップS5)。その状態で、図6に示すように、可動側プレート2を固定側プレート1に当接させ、可動側金型9を第2の固定側金型5に当接させて、両者の間に第2のキャビティ17を形成する(ステップS6)。第2のキャビティ17は、第2の固定側金型5と可動側金型9および第1部分12とによって形成され、図1に示す第2部分13と同じ形状である。なお、図6から第1部分12を省略した状態を図7に示している。
このとき、回転板8を回転駆動させるための信号、または、回転板8が180度回転した姿勢になったことを図示しないセンサが検知して出力する信号が、温度制御機構20に供給される。この信号に基づいて、温度制御機構20は、可動側金型9および第1の固定側金型4に設けられた流路管10への冷却媒体の供給を停止するとともに、第2の固定側金型5の流路管10への加熱媒体の供給を開始する。このように、可動側金型9のキャビティ表面温度を50℃に保ったまま、第2の固定側金型5のキャビティ表面温度を、PMMAの荷重たわみ温度以上かつ加熱分解温度未満である100℃まで高めて保持する(ステップS7)。なお、後述するように、樹脂成形品11の第2部分13の成形と同時に第1のキャビティ14において次の樹脂成形品11の第1部分12の成形を行う場合には、この時点で第1の固定側金型4の流路管10への加熱媒体の供給を再開する。
図4に示すフローチャートでは、便宜上、ステップS5、ステップS6、ステップS7の順番に行うように記載しているが、これらの3つのステップの順番は限定されるものではない。例えば、ステップS6とステップS7の順番が入れ替わっていても構わない。さらに、ステップS5における可動側金型9の移動(回転板8の回転)の開始と同時に、ステップS7における冷却を開始するようになっていても構わない。これは、温度制御機構20が加熱または冷却を制御するために用いられる信号が、いかなる信号であるか(回転板8を回転駆動させるための信号であるか、または回転板8が180度回転した姿勢になったことを図示しないセンサが検知して出力する信号であるか)によって決まる場合もある。
次に、図2,3に示す第2の射出機構7から、スプルー18およびランナー19を介して第2のキャビティ17に、所定量の溶融状態のPMMAを射出して、厚さ3mmの第2部分13を形成する(ステップS8)。PMMAの射出が完了したら、温度制御機構20は、第2の固定側金型5の流路管10への加熱媒体の供給を停止し、代わりに冷水などの冷却媒体を供給する。それによって、第2の固定側金型4のキャビティ表面温度を、可動側金型9のキャビティ表面温度と同様に50℃まで降下させ、図8に示す第2部分13を固化させる(ステップS9)。
このようにして、図1に示す樹脂成形品11を製造し、可動側プレート2を固定側プレート1から離して型開きして、樹脂成形品11を取り出す(ステップS10)。
以上説明した本実施形態によって製造された樹脂成形品11について、後述する比較例1〜4と対比させて検討した結果を表1に示している。
Figure 2008290384
この表1における「ウェルドマーク」とは、樹脂成形品11の表面(特に穴部11aの周囲)における、視認できる程度のウェルドマークの発生の有無を表す。「フローマーク」とは、樹脂成形品11の表面における、視認できる程度のフローマークの発生の有無を表す。「表面歪み」とは、樹脂成形品11の、金型と接する表面における、視認できる程度の歪みの有無を表す。「ヒケ」とは、樹脂成形品11における、視認できる程度のヒケの有無を表す。「反り」とは、樹脂成形品11における反りの形状と大きさを表す。「製造時間」とは、第1部分の成形開始(射出開始)から、冷却固化した樹脂成形品11を取り出すまでの時間を表す。
表1からわかるように、本実施形態によると、ウェルドマーク、フローマーク、表面歪み、ヒケ、反りのいずれにおいても良好な結果が得られ、製造時間は45秒という短時間であった。
本出願人は、本実施形態と対比させるための比較実験を行った。以下、それらの比較例について説明する。なお、以下の全ての比較例において、前記した実施形態と同様な熱可塑性樹脂を用いて、同様な形状の樹脂成形品を製造している。さらに、比較例1,2では、前記した実施形態と同様な射出成形装置を用いている。
[比較例1]
比較例1では、可動側金型9および第1の固定側金型4のキャビティ表面温度を、熱可塑性樹脂(PMMA)の荷重たわみ温度以上かつ加熱分解温度未満である100℃に保った状態で、第1のキャビティ14にPMMAを射出して厚さ3mmの第1部分12を形成した。そして、可動側金型9および第1の固定側金型4のキャビティ表面温度を50℃まで降下させて第1部分12を固化させた後に、形成された第1部分12を保持した状態の可動側金型9を移動させて第2の固定側金型5に当接させた。そして、可動側金型9および第2の固定側金型5のキャビティ表面温度を、PMMAの荷重たわみ温度以上かつ加熱分解温度未満である100℃に高めた状態で、第2のキャビティ17にPMMAを射出して厚さ3mmの第2部分13を形成した。その後に可動側金型9および第2の固定側金型5のキャビティ表面温度を50℃まで降下させ、樹脂成形品を固化させた。こうして製造された厚さ6mmの樹脂成形品について検討した結果を、前記した表1に示している。比較例1では、ウェルドマーク、フローマーク、およびヒケに関しては問題なく、製造時間は短かったが、表面歪みが生じ、0.1mmの凹状の反りも生じた。
[比較例2]
比較例2では、可動側金型9および第1の固定側金型4のキャビティ表面温度を、PMMAの荷重たわみ温度未満である60℃に保った状態で、第1のキャビティ14にPMMAを射出して、厚さ3mmの第1部分12を形成した。PMMAの射出が完了したら、第1部分12を自然固化させた後、形成された第1部分12を保持した状態の可動側金型9を移動させて第2の固定側金型5に当接させた。そして、可動側金型9および第2の固定側金型5のキャビティ表面温度を、いずれも60℃に保ったままで、第2のキャビティ17にPMMAを射出して、厚さ3mmの第2部分13を形成した。そして樹脂成形品11を自然固化させた。こうして製造された厚さ6mmの樹脂成形品について検討した結果を、前記した表1に示している。比較例2では、表面歪みとヒケに関しては良好な結果が得られ、製造時間は短かったが、ウェルドマークとフローマークが生じ、さらに0.1mmの凸状の反りも生じた。
[比較例3]
比較例3では、図1,2に示す射出成形装置を用いて多色成形法を行うのではなく、通常成形法によって同様な樹脂成形品を製造した。すなわち、厚さ6mmの単層の樹脂成形品を製造した。具体的には、可動側金型および固定側金型のキャビティ表面温度を、PMMAの荷重たわみ温度以上かつ加熱分解温度未満である100℃まで高めて、キャビティ内にPMMAを射出して、厚さ6mmの樹脂成形品を形成した。所定量のPMMAの射出が完了したら、可動側金型および固定側金型のキャビティ表面温度を50℃まで降下させ、樹脂成形品を固化させた。こうして製造された樹脂成形品について検討した結果を、前記した表1に示している。比較例3では、ウェルドマーク、フローマーク、表面歪みに関しては良好な結果が得られたが、ヒケを生じ、0.7mmの大きな凸状の反りを生じ、しかも製造時間が110秒という長時間であった。
[比較例4]
比較例4では、比較例3と同様に、多色成形法ではなく通常成形によって単層の樹脂成形品を製造した。すなわち、可動側金型および固定側金型のキャビティ表面温度を、PMMAの荷重たわみ温度未満である60℃に保ち、キャビティ内にPMMAを射出して、厚さ6mmの樹脂成形品を形成した。そして、樹脂成形品を自然固化させた。こうして製造された樹脂成形品について検討した結果を、前記した表1に示している。比較例4では、ウェルドマーク、フローマーク、表面歪み、ヒケの全てにおいて悪い結果となり、0.8mmの大きな凸状の反りを生じ、しかも製造時間が120秒もの長時間かかった。
[本発明の実施形態と比較例1〜4の検証]
表1からわかるように、本発明の実施形態においては、ウェルドマーク、フローマーク、表面歪み、ヒケ、反りのいずれにおいても良好な結果が得られ、製造時間は45秒と短かった。
これに対して、比較例1では表面歪みと小さな反りが発生した。これは、第2部分13の形成時に、第1部分12を保持している可動側金型9が加熱されて、第1部分12が再溶融したところに第2部分13の樹脂が流入し第1部分12を引きずるようにして流動したことが原因であると考えられる。
また、比較例2ではウェルドマークとフローマークと小さな反りが発生した。これは、第1部分12の形成時および第2部分13の形成時に、各金型4,5,9のキャビティ表面の温度(60℃)が、PMMAの荷重たわみ温度よりも低いことが原因である。すなわち、樹脂の充填中に金型表面の近傍で固化層が生じ易いからである。
比較例3では、ヒケと大きな反りが生じ、製造時間が110秒と長くかかっている。これは、厚さ6mmの成形品を一度の射出成形によって製造したため、特に成形品の中央部において冷却固化するまでの時間が長くなって、冷却時間の差が生じ易くなり、それに伴って体積収縮の違いが生じるからである。
比較例4では、比較例3と同様の理由でヒケと大きな反りが生じ製造時間が長くなり、さらに、ウェルドマークとフローマークと表面歪みが生じている。後者の原因は、比較例2と同様に、成形時に各金型のキャビティ表面の温度(60℃)がPMMAの荷重たわみ温度よりも低く、樹脂の充填中に金型表面の近傍で固化層が生じ易いからである。
以上の検証から、大きな反りの発生と製造時間の短縮化を図るためには、樹脂成形品を多層構造にして段階的に(例えば2層構造にして2段階で)形成することが効果的であることが判る。そして、ウェルドマークやフローマークを防ぐためには、成形時の金型のキャビティ表面温度を、熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度よりも高くすることが効果的であることが判る。さらに、前記したように樹脂成形品を多層構造にして段階的に(例えば2層構造にして2段階で)形成する上で、樹脂成形品の表面歪みを防ぐためには、第2部分の形成時には、既に形成された第1部分を保持している可動側金型の温度を熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度よりも低くしておき、それに対向する第2の固定側金型のみを熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度よりも高温にすることが効果的であることが判る。
従って、本発明の実施形態によると、これらの要件を全て満たし、ウェルドマーク、フローマーク、表面歪み、ヒケ、反り等がなく外観が良好で、製造時間が短い樹脂成形品を得ることができる。特に、樹脂成形品が厚い場合に、従来は反りやヒケなどの外観不良を生じやすく、また、製造時間(特に冷却時間)が長くなる傾向があったが、本発明によると、厚い樹脂成形品が短時間で製造でき、外観を良好にすることができる。さらに、表面歪みが生じた場合の影響が大きい、透光性を有する樹脂成形品についても、本発明を適用して表面歪みが小さくなるように製造することが特に効果的である。
なお、本実施形態では、単一の熱可塑性樹脂からなり、複雑な形状ではない単純な平板状の樹脂成形品を製造する上で、多色成形法によって、同一の熱可塑性樹脂からなり同一の形状の複数の部分をそれぞれ射出成形している。この方法は、前記した利点を有し、特に、透光性を有し厚い樹脂成形品を製造する上で非常に効果的である。通常、多色成形法は、色や特性が異なるなどの複数種類の樹脂を含む樹脂成形品を製造する場合に用いられるものであるが、本出願人は多色成形法を、そのような従来の用途から外れた新規な用途に用いることによって、従来にはなかった利点を導き出した。
ただし、本発明は多色成形方法を用いているため、第1部分12を形成する第1のキャビティ14と、第2部分13を形成する第2のキャビティ17の形状とを、自由に変えることもできる。また、第1部分12の形成時と第2部分13の形成時とでは、それぞれ異なるキャビティを使用するため、各キャビティ14,17に同時に樹脂を射出することが可能である。すなわち、既に形成された第1部分12を保持した可動側金型9を第2の固定側金型5に当接させて第2のキャビティ17に第2の熱可塑性樹脂を射出するのと同時に、もう1つの可動側金型9を第1の固定側金型4に当接させて第1のキャビティ14に第1の熱可塑性樹脂を射出して次の樹脂成形品11の製造を開始することができる。すなわち、樹脂成形品11の第2部分13の成形と同時に第1のキャビティ14において次の樹脂成形品11の第1部分12の成形を行うことができる。このようにして、樹脂成形品の製造サイクルを短縮することができ、大量生産に適している。
なお、以上の説明は、樹脂成形品を厚さ方向に複数の層、すなわち第1部分(第1層)12と第2部分(第2層)13に分割して形成する例について述べている。しかし、本発明の射出成形装置は、樹脂成形品を厚さ方向以外、すなわち面内方向(例えば長さ方向または幅方向)に複数の部分に分割して、多色成形によって製造する場合にも用いることができる。その場合にも、先に成形した第1部分を保持した状態の可動側金型を第2の固定側金型に接合させて熱可塑性樹脂を射出する際に、可動側金型のキャビティ表面を熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度未満に保ち、かつ第2の固定側金型のキャビティ表面を熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度以上かつ加熱分解温度未満に保つことが効果的である。これは、先に成形された第1部分が可動側金型のキャビティ表面に熱によって貼り付くことがないため、樹脂成形品の外観を良好に保つことができるからである。
ここで、本発明の温度制御機構20について説明する。なお、以下の説明においては、便宜上、1対の可動側金型をそれぞれ9a,9bという符号によって区別している。ただし、前記したとおり、両可動側金型9a,9bに構成上の相違点はない。温度制御機構20の一例として、図9に示すように、各々が、図示されていない独立した弁を介して各金型4,5,9a,9bに接続されている加熱媒体供給機構20aと冷却媒体供給機構20bとを含むものであってもよい。その場合、前記した製造方法中では、可動側金型9aが第1の固定側金型4との対向位置に到達した時点で、その可動側金型9aと加熱媒体供給機構20aとの間の弁を開き、その可動側金型9aの流路管10に加熱媒体を供給して加熱する。そして、第1の射出機構6から第1のキャビティ14への樹脂の射出が完了したところで、その可動側金型9aと冷却媒体供給機構20bとの間の弁を開き、その可動側金型9aの流路管10に冷却媒体を供給して冷却する。なお、可動側金型9aが第2の固定側金型5との対向位置にある時には、その可動側金型9aと冷却媒体供給機構20bとの間の弁を開き、その可動側金型9aの流路管10に冷却媒体を供給して冷却してもよいが、あるいは、可動側金型9aと温度制御機構20との間の全ての弁を閉じて、その可動側金型9aの流路管10には何も流さないようにしてもよい。このような温度制御は、1対の可動側金型9a,9bの両方に関してあてはまるものである。
一方、第1および第2の固定側金型4,5はいずれも、可動側金型9a,9bが対向位置に到達した時点で、その固定側金型4,5と加熱媒体供給機構20aとの間の弁を開き、その固定側金型4,5の流路管10に加熱媒体を供給して加熱する。そして、第1および第2の射出機構6,7から第1および第2のキャビティ14,17への樹脂の射出が完了したところで、その固定側金型4,5と冷却媒体供給機構20bとの間の弁を開き、その固定側金型4,5の流路管10に冷却媒体を供給して冷却する。このような温度制御は、2つの固定側金型4,5の両方に関してあてはまるものである。
なお、変形例として、第1および第2の固定側金型4,5に対向する可動側金型9a,9bの、媒体供給機構20と接続される順番を反対にすることも可能である。
以上説明したとおり、本発明では、各金型4,5,9a,9bの加熱または冷却の制御を行う要因のうちの1つとして、可動側金型9の位置または移動を示す信号(例えば、回転板8を回転駆動させるための信号、または回転板8が180度回転した姿勢になったことを図示しないセンサが検知して出力する信号)が用いられている。
なお、各金型4,5,9a,9bの加熱または冷却の制御を行う要因のうちの他の1つとして、第1および第2の射出機構6,7からの樹脂の射出の完了のタイミングも用いられているが、これは、予め設定されたプログラムによって自動的に判定される。ただし、例えば第1および第2の射出機構6,7からの射出完了信号、または第1および第2のキャビティ14,17内のセンサからの所定の樹脂圧力を示す信号を検知することによって判定してもよい。
前記した射出成形装置における射出機構は、例えば図2,3に示すように2つ以上の射出機構を水平に並べて配置したり、一方の射出機構を垂直に立てて他方の射出機構を水平に配置したり、2つ以上の射出装置を水平に、かつ互いに直交するように配置したり、2つ以上の射出機構を、金型を挟んで互いに対向するように配置することなどが考えられる。本発明では、前記したいずれの配置方法を採用してもよく、各射出機構毎に独立して成形条件を設定して成形をすることができる。
前記した実施形態では、複数の可動側金型9が取り付けられた回転板8が回転することによって、可動側金型9が第1の固定側金型4と第2の固定側金型5との間を移動する構成である。このように可働側金型9全体または少なくともそのコア部分が回転するコア回転方式に代えて、可動側金型9全体または少なくともそのコア部分が平行移動するコア移動方式を用いることもできる。また、可働側金型9全体は移動せず、コア部分の少なくとも一部が後退することによってキャビティを大きくすることができるコアバック方式を用いることもできる。コアバック方式の場合には、固定側金型が1つだけでよいので、多色成形でない通常の射出成形の場合と比べて、樹脂成形品の製造個数を減らすことなく、しかも射出成形装置全体を大型化する必要もない。また、複数の固定側金型を必要とする構成に比べて、射出成形装置の構成が簡単でその作製が容易であるという利点がある。なお、コアバック方式の射出成形装置の場合、可動側金型9の位置または移動を示す信号の代わりに、コア部分の位置または移動を示す信号を用いて、各金型4,5,9の加熱および冷却の制御を行えばよい。例えば、コア部分が前進して第1のキャビティを構成した時点で加熱を開始し、射出機構からの樹脂の射出が完了した時点で冷却を開始すればよい。ただし、コア部分が後退したときには、冷却を続行するのみである。
(a)本発明によって製造される樹脂成形品の正面図、(b)はその側面断面図である。 本発明の射出成形装置を示す図である。 図2に示す射出成形装置の金型部分を断面した図である。 本発明の樹脂成形品の製造方法を示すフローチャートである。 図4に示す製造方法を説明するための、金型部分の拡大断面図である。 図4に示す製造方法を説明するための、金型部分の拡大断面図である。 図4に示す製造方法を説明するための、金型部分の拡大断面図である。 図4に示す製造方法を説明するための、金型部分の拡大断面図である。 本発明の射出成形装置の温度制御機構の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 固定側プレート
2 可動側プレート
3 ガイド
4 第1の固定側金型
5 第2の固定側金型
6 第1の射出機構
7 第2の射出機構
8 回転板
9,9a,9b 可動側金型
10 流路管
11 樹脂成形品
11a 穴部
12 第1部分
13 第2部分
14 第1のキャビティ
15,18 スプルー
16,19 ランナー
17 第2のキャビティ
20 温度制御機構

Claims (9)

  1. 樹脂成形品の製造方法において、
    前記樹脂成形品を厚さ方向に複数の部分に分割して形成し、前記複数の部分は同一の熱可塑性樹脂からそれぞれ形成し、
    可動側金型および第1の固定側金型のキャビティ表面を、前記熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度以上かつ加熱分解温度未満に保った状態で、前記可動側金型と前記第1の固定側金型とを閉じることによって構成された第1のキャビティ内に前記熱可塑性樹脂を射出し、射出完了後に前記可動側金型および前記第1の固定側金型のキャビティ表面を前記熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度未満に冷却する、第1部分を形成するステップと、
    形成された前記第1部分を保持した状態の前記可動側金型を、前記第1の固定側金型との対向位置から前記第2の固定側金型との対向位置に移動させるステップと、
    形成された前記第1部分を保持した状態の前記可動側金型のキャビティ表面を前記熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度未満に保ったまま、前記第2の固定側金型のキャビティ表面を前記熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度以上かつ加熱分解温度未満に保ち、形成された前記第1部分を保持した状態の前記可動側金型と前記第2の固定側金型とを閉じることによって構成された第2のキャビティ内に前記熱可塑性樹脂を射出し、射出完了後に前記第2の固定側金型のキャビティ表面を前記熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度未満に冷却する、前記第1部分に接合された第2部分を形成するステップと、
    を含み、
    前記可動側金型の位置または移動を示す信号を検知して、該信号に基づいて前記可動側金型の加熱または冷却の制御を行う
    ことを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  2. 前記可動側金型は回転板に搭載されており、前記可動側金型の、前記第1の固定側金型との対向位置と前記第2の固定側金型との対向位置との間の移動は、前記回転板を180度回転させることによって行い、
    前記可動側金型の位置または移動を示す信号は、前記回転板を回転駆動させるための信号または前記回転板の姿勢を表す信号であり、該信号に基づいて、前記可動側金型が前記第1の固定側金型との対向位置に到達したときに前記可動側金型の加熱を開始する、請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法。
  3. 1対の前記可動側金型を有し、
    1対の前記可動側金型のうちの一方が、前記第1の可動側金型および前記第2の可動側金型のうちの一方に対する対向位置にあるときに、1対の前記可動側金型のうちの他方が、前記第1の可動側金型および前記第2の可動側金型のうちの他方に対する対向位置にあり、樹脂成形品の前記第2部分を形成するのと同時に、次の樹脂成形品の前記第1部分を形成することによって、複数の樹脂成形品を連続的に製造する
    請求項1または2に記載の樹脂成形品の製造方法。
  4. 樹脂成形品の製造方法において、
    前記樹脂成形品を厚さ方向に複数の部分に分割して形成し、前記複数の部分は同一の熱可塑性樹脂からそれぞれ形成し、
    可動側金型および固定側金型のキャビティ表面を、前記熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度以上かつ加熱分解温度未満に保った状態で、前記可動側金型と前記固定側金型とを閉じることによって構成された第1のキャビティ内に前記熱可塑性樹脂を射出し、射出完了後に前記可動側金型および前記固定側金型のキャビティ表面を前記熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度未満に冷却する、第1部分を形成するステップと、
    前記可動側金型または前記固定側金型の内部のコア部分を移動させて、形成された前記第1部分を保持した状態の前記可動側金型と前記第2の固定側金型との間に第2のキャビティを構成させるステップと、
    形成された前記第1部分を保持した状態の前記可動側金型のキャビティ表面を前記熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度未満に保ったまま、前記固定側金型のキャビティ表面を前記熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度以上かつ加熱分解温度未満に加熱した状態で、前記第2のキャビティ内に前記熱可塑性樹脂を射出し、射出完了後に前記固定側金型のキャビティ表面を前記熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度未満に冷却する、前記第1部分に接合された第2部分を形成するステップと、
    を含み、
    前記コア部分の位置または移動を示す信号を検知して、該信号に基づいて前記可動側金型の加熱または冷却の制御を行う
    ことを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  5. 前記コア部分の位置または移動を示す前記信号に基づいて、前記可動側金型と前記固定側金型との間に前記第1のキャビティが構成されたときに前記可動側金型の加熱を開始する、請求項4に記載の樹脂成形品の製造方法。
  6. 熱可塑性樹脂の射出成形によって形成された第1部分と、前記第1部分と同じ熱可塑性樹脂の射出成形によって、前記第1部分に積層形成された第2部分とを含み、前記第1部分と前記第2部分の積層された厚さの合計が3mm以上である、樹脂成形品。
  7. 第1の固定側金型と、第2の固定側金型と、前記第1の固定側金型と前記第2の固定側金型との間を移動可能な可動側金型とを有する、樹脂成形品製造用の射出成形装置において、
    前記第1の固定側金型は、前記可動側金型と接合されたときに、製造される樹脂成形品が分割された複数の部分のうちの第1部分と同じ形状を有する第1のキャビティを構成し、
    前記第2の固定側金型は、形成された前記第1部分を保持した状態の前記可動側金型と接合されたときに、前記製造される樹脂成形品が分割された複数の部分のうちの第2部分と同じ形状を有する第2のキャビティを構成し、
    前記可動側金型の位置または移動を示す信号を検知して、前記可動側金型が前記第1の固定側金型との対向位置にあるときには、前記第1の固定側金型と前記可動側金型のキャビティ表面を熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度以上かつ加熱分解温度未満に保ち、前記第1のキャビティ内への前記熱可塑性樹脂の射出完了後に前記可動側金型および前記第1の固定側金型のキャビティ表面を前記熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度未満に冷却し、前記可動側金型の位置または移動を示す信号を検知して、前記可動側金型が前記第2の固定側金型との対向位置にあるときには、前記可動側金型のキャビティ表面を前記熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度未満に保つとともに、前記第2の固定側金型のキャビティ表面を前記熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度以上かつ加熱分解温度未満に保ち、前記第2のキャビティ内への前記熱可塑性樹脂の射出完了後に前記第2の固定側金型のキャビティ表面を前記熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度未満に冷却する、温度制御機構を有している
    ことを特徴とする樹脂成形品製造用の射出成形装置。
  8. 前記可動側金型が取り付けられている回転板を有し、
    前記可動側金型は、前記回転板の180度の回転によって、前記第1の固定側金型との対向位置と前記第2の固定側金型との対向位置との間を移動し、
    前記可動側金型の位置または移動を示す前記信号は、前記回転板を回転させるための信号または前記回転板の姿勢を表す信号であり、
    前記温度制御機構は、前記回転板を回転させるための信号または前記回転板の姿勢を表す信号に基づいて、前記可動側金型が前記第1の固定側金型との対向位置に到達したときに前記可動側金型の加熱を開始する、請求項7に記載の樹脂成形品製造用の射出成形装置。
  9. 1対の前記可動側金型を有し、
    1対の前記可動側金型のうちの一方が、前記第1の可動側金型および前記第2の可動側金型のうちの一方に対する対向位置にあるときに、1対の前記可動側金型のうちの他方が、前記第1の可動側金型および前記第2の可動側金型のうちの他方に対する対向位置にあり、樹脂成形品の前記第2部分の形成と、次の樹脂成形品の前記第1部分の形成とを同時に行える
    請求項7または8に記載の樹脂成形品製造用の射出成形装置。
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