JP2008274825A - フレキシブル・フューエル車両の始動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの低温始動時にアルコール燃料の過度の加熱を無くしてバッテリの負担を軽減し、バッテリ寿命の延命化を図るとともに、燃費を良好に保つことができるフレキシブル・フューエル車両の始動装置を提供する。
【解決手段】エンジン1の低温始動時にアルコール燃料を加熱してエンジン1の始動性を高めるようにしたフレキシブル・フューエル車両の始動装置を前提とする。そして、冷却水温度センサ32により検出された冷却水の温度、およびスリープタイマ34により計測された、前回エンジン1を停止してから再始動するまでの放置時間に基づいて、エンジン1の低温始動時にヒータ27によるデリバリパイプ26内のアルコール燃料の加熱度合いを決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの低温始動時に燃料を加熱してエンジンを始動するようにしたフレキシブル・フューエル車両の始動装置に関し、詳しくは、燃料を最適に加熱する対策に係わる。
従来より、燃料としてのアルコール燃料によりエンジンを駆動するフレキシブル・フューエル車両にあっては、エンジンの低温始動時に、アルコール燃料を冷却水の温度に応じてヒータにより加熱し、その加熱されたアルコール燃料によってエンジンを始動させることで、エンジンの始動性を向上させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−149223号公報
ところが、上記従来のものでは、エンジンの低温始動時にアルコール燃料などの燃料を加熱する際のパラメータとして冷却水の温度が適用されているため、ヒータなどによる燃料の加熱が過度に行われることがある。
これは、冷却水の温度が、前回エンジンを停止してから所定時間(例えば12時間程度)経過した時点で、それ以上はほとんど低下しない下限温度となるものの、前回エンジンを停止してから所定時間経過して冷却水の温度が下限温度となっても、エンジンのシリンダブロック内部(例えばピストンなど)では残留熱が残っているからである。このシリンダブロック内部の残留熱は、比較的高地に車両を放置した状態でも、前回エンジンを停止してから24時間以上経過するまでは残留している。
そのため、エンジンの低温始動時に冷却水の温度のみをパラメータにして燃料を加熱していたものでは、冷却水の温度が下限温度となる12時間程度放置していたエンジンの低温始動時にシリンダブロック内部の残留熱を無視して燃料が最大限に加熱されることになる。これにより、シリンダブロック内部の残留熱が存在しているにもかかわらず燃料が過度に加熱されることになり、この燃料の過度の加熱によりバッテリへの負担が大きくなって、バッテリの寿命に悪影響を与える上、燃料の過度の加熱により消耗したバッテリの総電流値を車両走行中に補給しなければならないために燃費が悪化することになる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジンの低温始動時に燃料の過度の加熱を無くしてバッテリの負担を軽減し、バッテリ寿命の延命化を図るとともに、燃費を良好に保つことができるフレキシブル・フューエル車両の始動装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、エンジンの低温始動時に燃料を加熱してエンジンの始動性を高めるようにしたフレキシブル・フューエル車両の始動装置を前提とする。そして、前回エンジンを停止してから再始動するまでの放置時間を計測する放置時間計測手段と、冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、燃料を加熱する加熱手段とを備える。更に、上記冷却水温度検出手段により検出された冷却水の温度および上記放置時間計測手段により計測された放置時間に基づいて、エンジンの低温始動時に上記加熱手段による燃料の加熱度合いを決定する加熱度合い決定手段を備えている。
より具体的には、上記加熱手段に、燃料を加熱する熱量を選択する熱量選択手段を設け、上記加熱度合い決定手段による燃料の加熱度合いを、上記熱量選択手段によって選択している。
更に、上記加熱手段に、燃料を加熱する時間を選択する時間選択手段を設け、上記加熱度合い決定手段による燃料の加熱度合いを、上記時間選択手段によって選択している。
この特定事項により、エンジンの低温始動時に燃料を加熱する加熱度合いは、冷却水の温度と前回エンジンを停止してから再始動するまでの放置時間とに基づいて、加熱手段の熱量選択手段および時間選択手段のなかから適宜選択されて決定されることになる。このため、エンジンの低温始動時に冷却水の温度のみをパラメータにして燃料を加熱していたもののように、冷却水の温度が下限温度となる12時間程度放置していたエンジンの低温始動時にシリンダブロック内部の残留熱を無視して過度に燃料が加熱されることがない。これにより、エンジンの低温始動時に燃料の過度の加熱を無くしてバッテリの負担が軽減され、バッテリ寿命の延命化を図ることが可能となる。その上、燃料の過度の加熱によるバッテリの消耗を抑えてバッテリが消費した総電流値を車両走行中に補給する負担も少なくなって、燃費を良好に保つことが可能となる。
以上、要するに、エンジンの低温始動時における燃料の加熱度合いを、冷却水の温度と前回エンジンを停止してから再始動するまでの放置時間とに基づいて決定することで、シリンダブロック内部の残留熱を無視した過度の燃料の加熱を防止してバッテリの負担を軽減し、バッテリ寿命の延命化を図ることができる上、バッテリの消耗を抑えて燃費を良好に保つことができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るフレキシブル・フューエル車両の始動装置のシステム構成図である。この図1において、1は火花点火式の4気筒レシプロエンジンであって、このエンジン1は気筒毎に燃焼室11(図1では1箇所のみ示す)を備えており、これらの燃焼室11に吸気通路12及び排気通路13が連通している。
吸気通路12には、各気筒の燃焼室11に燃料としてのアルコール燃料を噴射供給するための燃料噴射弁14(図1では1箇所のみ示す)が取付けられている。そして、各燃料噴射弁14から噴射されるアルコール燃料と吸気通路12内へ導入された外気とからなる混合気が、各燃焼室11内へ導入される。各燃焼室11に導入された混合気に着火するために、エンジン1には点火プラグ15(図1では1箇所のみ示す)が取付けられている。点火プラグ15はディストリビュータにて分配された点火信号に基づいて駆動される。ディストリビュータは、イグナイタから出力される高電圧をエンジン1のクランク角に同期して点火プラグ15に分配する。そして、点火プラグ15の点火によって燃焼室11内へ導入された混合気が爆発・燃焼され、エンジン1の駆動力が得られる。このように燃焼室11で生成した燃焼ガスは、排気通路13を通じて外部へ排出される。
次に、上記燃料噴射弁14へアルコール燃料を供給するための燃料供給システムの概略構成について説明する。図2は、燃料供給システムを示すシステム構成図である。
この図2に示すように、燃料供給システム2は、アルコール燃料を貯留する燃料タンク21からアルコール燃料を送り出すフィードポンプ22と、そのフィードポンプ22によって送り出されたアルコール燃料を加圧して各気筒の燃料噴射弁14に向けて吐出する高圧燃料ポンプ23とを備えている。
上記高圧燃料ポンプ23の概略構成としては、シリンダ231、プランジャ232、加圧室233及び電磁スピル弁234を備えている。プランジャ232は、エンジン1の排気カムシャフト16に取り付けられた駆動カム161の回転によって駆動され、シリンダ231内を往復移動する。このプランジャ232の往復移動により加圧室233の容積が拡大または縮小する。本実施形態では、排気カムシャフト16の回転軸回りに180°の角度間隔をもって2つのカム山(カムノーズ)161a,161aが駆動カム161に形成されている。そして、このカムノーズ161a,161aによってプランジャ232が押し上げられて、このプランジャ232がシリンダ231内で移動するようになっている。尚、本実施形態に係るエンジンは4気筒型であるため、エンジン1の1サイクル中、つまりクランクシャフト17が2回転する間に、気筒毎に設けられた燃料噴射弁14から各1回ずつ、合計4回の燃料噴射が行われることになる。また、このエンジンでは、クランクシャフト17が2回転する度に排気カムシャフト16は1回転する。よって、燃料噴射弁14からの燃料噴射は4回ずつ、高圧燃料ポンプ23からの吐出動作は2回ずつ、エンジン1の1サイクル毎に行われるようになっている。
上記加圧室233はプランジャ232及びシリンダ231によって区画されている。この加圧室233は、低圧燃料配管24を介してフィードポンプ22に連通しており、また、高圧燃料配管25を介してデリバリパイプ26内に連通している。
このデリバリパイプ26には、上記燃料噴射弁14,14,…が接続されていると共に、デリバリパイプ26内の燃料圧力(実燃圧)を検出する燃圧センサ261が配設されている。また、このデリバリパイプ26には、リリーフバルブ262を介してリターン配管263が接続されている。このリリーフバルブ262は、デリバリパイプ26内のアルコール燃料の圧力が所定圧(例えば13MPa)を越えたときに開弁する。この開弁により、デリバリパイプ26に蓄えられたアルコール燃料の一部をリターン配管263を介して燃料タンク21に戻すようになっている。これにより、デリバリパイプ26内のアルコール燃料の圧力の過上昇が防止される。
尚、低圧燃料配管24には、プレッシャレギュレータ241が設けられている。このプレッシャレギュレータ241は、低圧燃料配管24内のアルコール燃料の圧力が所定圧(例えば0.4MPa)を越えたときに低圧燃料配管24内のアルコール燃料を燃料タンク21に戻すことによって、この低圧燃料配管24内のアルコール燃料の圧力を所定圧以下に維持している。また、低圧燃料配管24には、パルセーションダンパ242が備えられており、このパルセーションダンパ242によって高圧燃料ポンプ23の作動時における低圧燃料配管24内の燃圧脈動が抑制されるようになっている。また、高圧燃料配管25には、高圧燃料ポンプ23から吐出されたアルコール燃料が逆流することを阻止するための逆止弁251が設けられている。
上記高圧燃料ポンプ23には、低圧燃料配管24と加圧室233との間を連通または遮断するための上記電磁スピル弁234が設けられている。この電磁スピル弁234は、電磁ソレノイド234aを備えており、その電磁ソレノイド234aへの通電を制御することにより開閉動作する。電磁スピル弁234は、電磁ソレノイド234aへの通電が停止されているときにはコイルスプリング234bの付勢力によって開弁する。以下、この電磁スピル弁234の開閉動作について説明する。以下、この電磁スピル弁234の開閉動作について図3を参照しながら説明する。
先ず、電磁ソレノイド234aに対する通電が停止された状態のときには、電磁スピル弁234がコイルスプリング234bの付勢力によって開弁し、低圧燃料配管24と加圧室233とが連通した状態になる。この状態において、加圧室233の容積が増大する方向にプランジャ232が移動するとき(吸入行程)には、フィードポンプ22から送り出されたアルコール燃料が低圧燃料配管24を経て加圧室233内に吸入される。
一方、加圧室233の容積が収縮する方向にプランジャ232が移動するとき(加圧行程)において、電磁ソレノイド234aへの通電により電磁スピル弁234がコイルスプリング234bの付勢力に抗して閉弁すると、低圧燃料配管24と加圧室233との間が遮断され、加圧室233内のアルコール燃料の圧力が所定値に達した時点でチェック弁252が開放して、高圧のアルコール燃料が高圧燃料配管25を通じてデリバリパイプ26に向けて吐出される。
そして、高圧燃料ポンプ23におけるアルコール燃料の吐出量の調整は、加圧行程での電磁スピル弁234の閉弁期間を制御することによって行われる。即ち、電磁スピル弁234の閉弁開始時期を早めて閉弁期間を長くするとアルコール燃料の吐出量が増加し、電磁スピル弁234の閉弁開始時期を遅らせて閉弁期間を短くするとアルコール燃料の吐出量が減少するようになる。このように、高圧燃料ポンプ23のアルコール燃料の吐出量を調整することにより、デリバリパイプ26内のアルコール燃料の圧力が制御される。この電磁スピル弁234の閉弁期間の制御は、CPUを備えたエンジンECU(Electronic Control Unit)3から電磁ソレノイド234aへの通電を制御することによって行われている。
ここで、高圧燃料ポンプ23のアルコール燃料の吐出量(電磁スピル弁234の閉弁開始時期)を制御するための制御量であるポンプデューティDTについて説明する。
このポンプデューティDTは、0〜100%という値の間で変化するものであって、電磁スピル弁234の閉弁期間に対応する排気カムシャフト16の駆動カム161のカム角度に関係した値である。
具体的には、駆動カム161のカム角度に関して、図3に示すように、電磁スピル弁234の最大閉弁期間に対応したカム角度(最大カム角度)をθ0とし、その最大閉弁期間の目標燃圧に対応するカム角度(目標カム角度)をθとすると、ポンプデューティDTは、最大カム角度θ0に対する目標カム角度θの割合(DT=θ/θ0)で表される。従って、ポンプデューティDTは、目標とする電磁スピル弁234の閉弁期間(閉弁開始時期)が最大閉弁期間に近づくほど100%に近い値となり、目標とする閉弁期間が「0」に近づくほど0%に近い値となる。
そして、ポンプデューティDTが100%に近づくほど、ポンプデューティDTに基づいて調整される電磁スピル弁234の閉弁開始時期は早められ、電磁スピル弁234の閉弁期間は長くなる。その結果、高圧燃料ポンプ23のアルコール燃料の吐出量が増加して実燃圧が上昇するようになる。また、ポンプデューティDTが0%に近づくほど、ポンプデューティDTに基づいて調整される電磁スピル弁234の閉弁開始時期は遅らされ、電磁スピル弁234の閉弁期間は短くなる。その結果、高圧燃料ポンプ23のアルコール燃料の吐出量が減少して実燃圧が低下するようになる。尚、上記ポンプデューティDTの算出手順の詳細についてはここでは説明を省略する。
また、燃料供給システム2は、デリバリパイプ26内のアルコール燃料を加熱する加熱手段としてのヒータ27を備えている。このヒータ27は、デリバリパイプ26のケーシングに取り付けられ、そのケーシングを介してデリバリパイプ26内のアルコール燃料が加熱されるようになっている。そして、ヒータ27は、エンジンECU3によって制御されている。具体的には、ヒータ27は、互いに直列に配されたプレヒートリレー28および熱量選択手段としての抵抗切換リレー29を介してバッテリBTに接続されている。
上記プレヒートリレー28は、エンジンECU3からの指令により励磁されるソレノイド281を備え、このソレノイド281の励磁によってプレヒートリレー28が閉成されるようになっている。
上記抵抗切換リレー29は、切換スイッチ291を備えている。この切換スイッチ291は、プレヒートリレー28を介したバッテリBTからの電流値Imax1をヒータ27に対しダイレクトに供給するダイレクト供給位置(図1では右位置)と、プレヒートリレー28を介したバッテリBTからの電流値Imax2をヒータ27に対し抵抗29aを介して供給する抵抗供給位置(図1では左位置)との2位置に切り換えられるように構成されている。また、上記抵抗切換リレー29は、エンジンECU3からの指令により励磁されるソレノイド292を備え、このソレノイド292の励磁によって切換スイッチ291がダイレクト供給位置に切り換えられる一方、ソレノイド292の消磁によって切換スイッチ291が抵抗供給位置に切り換えられるようになっている。そして、エンジンECU3は、図4に示すように、プレヒート時間に対するヒータ27に対する電流値Imax1,Imax2の特性を示すマップを備えている。このマップに示すように、上記ヒータ27の熱量は、プレヒートリレー28の閉成時に抵抗切換リレー29のダイレクト供給位置からダイレクトに電流値(Imax1)が供給された場合と、抵抗切換リレー29の抵抗供給位置から抵抗29aを介して電流値(Imax2)が供給された場合とで互いに異なっており、この互いに異なる2種類の電流値(Imax1>Imax2)が適宜選択されてデリバリパイプ26内のアルコール燃料を加熱するようにしている。そして、エンジン1の低温始動時にヒータ27によって加熱されたデリバリパイプ26内のアルコール燃料を所定の燃料噴射弁14からエンジン1の燃焼室11に向けて噴射することで、エンジン1の始動性を高めるようにすることが行われている。
この場合、プレヒートリレー28の閉成時に抵抗切換リレー29のダイレクト供給位置からダイレクトに電流値Imax1が供給されたヒータ27の熱量は、抵抗切換リレー29の抵抗供給位置から抵抗29aを介して電流値Imax2が供給されたヒータ27の熱量よりも大きくなるように抵抗29aの値が設定されている。この場合、デリバリパイプ26内のアルコール燃料は、抵抗切換リレー29のダイレクト供給位置からダイレクトに電流値Imax1が供給されたヒータ27によって20°C程度加熱されるのに対し、抵抗切換リレー29の抵抗供給位置から抵抗29aを介して電流値Imax2が供給されたヒータ27によって10°C程度加熱される。なお、各気筒の燃焼室11毎の燃料噴射弁14および点火プラグ15もそれぞれエンジンECU3によって制御され、各燃料噴射弁14から噴射されるアルコール燃料と吸気通路12内へ導入された外気とからなる混合気が各燃焼室11内へ導入された際に着火されるようになっている。
そして、図1に示すように、エンジンECU3には、デリバリパイプ26内のアルコール燃料をヒータ27により加熱する時間を選択する時間選択手段30が設けられている。この時間選択手段30は、図4の(a)に示すように、第1プレヒート時間Tend1と第2プレヒート時間Tend2とを備えている。この場合、プレヒート時間とは、エンジン1が始動しても円滑に駆動する温度までアルコール燃料を加熱するのに要する時間のことであり、プレヒート時間Tend1が大きい値(例えば10分程度)に、プレヒート時間Tend2は小さい値(例えば5分程度)にそれぞれ設定されている。また、第1プレヒート時間Tend1が経過するまでの間、ヒータ27に対し電流値Imax1が供給される一方、第2プレヒート時間Tend2が経過するまでの間、ヒータ27に対し電流値Imax2が供給される。
上記エンジンECU3には、図1に示すように、クランクシャフト17の回転数を検出する回転数検出センサ31からの出力が入力されているとともに、エンジン1のシリンダブロック18に形成されたウォータジャケット内の冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段としての冷却水温度センサ32からの出力が入力されている。また、上記エンジンECU3には、イグニッションスイッチ38からのイグニッションON信号が入力されるようになっている。そして、上記エンジンECU3には、前回エンジン1を停止してから再始動するまでの放置時間Tsleepを計測する放置時間計測手段としてのスリープタイマ34が設けられている。更に、上記エンジンECU3は、バッテリBTに対しダイレクトに接続されているとともにメインリレー35を介して断接可能に接続されており、バッテリBTからの電源供給によってスリープタイマ34による放置時間Tsleepの計測を可能にしている。この場合、メインリレー35は、エンジンECU3からの指令により励磁されるソレノイド351を備え、このソレノイド351の励磁によってメインリレー35が閉成されるようになっている。
また、上記エンジンECU3には、上記冷却水温度センサ32により検出された冷却水の温度および上記スリープタイマ34により計測された放置時間Tsleepに基づいて、エンジンの低温始動時に上記ヒータ27によるアルコール燃料の加熱度合いを決定する加熱度合い決定手段36が設けられている。具体的には、加熱度合い決定手段36は、冷却水温度センサ32により検出された冷却水の温度およびスリープタイマ34により計測された放置時間Tsleepに基づいて、プレヒートリレー28のソレノイド281および抵抗切換リレー29のソレノイド292への励磁指令を選択的に行う。また、上記時間選択手段30による第1プレヒート時間Tend1または第2プレヒート時間Tend2の選択も、冷却水温度センサ32により検出された冷却水の温度およびスリープタイマ34により計測された放置時間Tsleepに基づいて決定される。
そして、図1に示すように、フレキシブル・フューエル車両の運転席には、エンジン1の低温始動時にアルコール燃料をヒータ27により加熱してエンジン1を始動するプレヒートを行うか否かを決定するプレヒートスイッチ37が設けられている。
次に、エンジンECU3によりプレヒートを行う際の制御の流れを図5のフローチャートに基づいて説明する。
まず、図5のフローチャートのステップST1において、イグニッションスイッチ38からのイグニッションON信号が入力されたか否かを判定し、イグニッションON信号が入力されたYESの場合には、ステップST2に進んで、回転数検出センサ31により検出されたクランクシャフト17の回転数(エンジン回転数)がエンジン最低回転数Nmin(例えば、100rpm)以上であるか否かを判定する。
上記ステップST2の判定が、エンジン回転数がエンジン最低回転数Nmin以上であるYESの場合には、エンジン1が始動したと判定してステップST3に進み、このステップST3において、プレヒートスイッチ37が運転者によってONされたか否かを判定する。
上記ステップST3の判定が、プレヒートスイッチ37がONされたYESの場合には、ステップST4において、ソレノイド351を励磁してメインリレー35を閉成する。それから、ステップST5において、イニシャル処理する。
その後、ステップST6において、スリープタイマ34により計測された、前回エンジン1を停止してから再始動するまでの放置時間Tsleepを取得する。次いで、ステップST7において、冷却水温度センサ32により検出された冷却水の温度値を取得する。
それから、ステップST8において、上記ステップST6で取得した放置時間Tsleepが所定の放置時間Tstd(例えば20時間)以上であるか否かを判定する。このステップST8の判定が、放置時間Tsleepが所定の放置時間Tstd以上であるYESの場合には、ステップST9において、プレヒート時間を大きな値となるプレヒート時間Tend1に設定する。この場合、プレヒート時間Tend1は、上記ステップST6において取得した放置時間Tsleepに加え、上記ステップST7において取得した冷却水の温度に基づいて選択されたプレヒート時間である。
しかる後、ステップST10において、上記ステップST9で設定したプレヒート時間Tend1が経過するまでの間、第1プレヒート制御を行う。具体的には、図4の(b)に示すように、プレヒート時間Tend1が経過するまでの間、プレヒートリレー28のソレノイド281を励磁してプレヒートリレー28を閉成するとともに、抵抗切換リレー29のソレノイド292を励磁して切換スイッチ291をダイレクト供給位置(図1では右位置)に切り換える。これにより、プレヒートリレー28の閉成時に抵抗切換リレー29のダイレクト供給位置からダイレクトに電流値Imax1が供給されたヒータ27の熱量によって、デリバリパイプ26内のアルコール燃料をプレヒート時間Tend1が経過するまで加熱する。
一方、上記ステップST8の判定が、放置時間Tsleepが所定の放置時間Tstd未満であるNOの場合には、ステップST11において、プレヒート時間を小さな値となるプレヒート時間Tend2に設定する。この場合、プレヒート時間Tend2は、上記ステップST6において取得した放置時間Tsleepに加え、上記ステップST7において取得した冷却水の温度に基づいて選択されたプレヒート時間である。
それから、ステップST12において、上記ステップST11で設定したプレヒート時間Tend2が経過するまでの間、第2プレヒート制御を行う。具体的には、図4の(b)に示すように、プレヒート時間Tend2が経過するまでの間、プレヒートリレー28のソレノイド281を励磁してプレヒートリレー28を閉成するとともに、抵抗切換リレー29のソレノイド292を消磁して切換スイッチ291を抵抗供給位置(図1では左位置)に切り換える。これにより、プレヒートリレー28の閉成時に抵抗切換リレー29の抵抗供給位置から抵抗29aを介して電流値Imax2が供給されたヒータ27の熱量によって、デリバリパイプ26内のアルコール燃料をプレヒート時間Tend2が経過するまで加熱する。
このように、上記実施形態では、エンジン1の低温始動時にデリバリパイプ26内のアルコール燃料をヒータ27により加熱する加熱度合いは、冷却水温度センサ32からの冷却水の温度と前回エンジン1を停止してから再始動するまでのスリープタイマ34により計測された放置時間Tsleepとに基づいて選択された、時間選択手段30によるプレヒート時間Tend1(またはプレヒート時間Tend2)および抵抗切換リレー29によるダイレクト供給位置(または抵抗供給位置)によって決定されることになる。このため、冷却水の温度のみをパラメータにしてアルコール燃料をヒータで加熱していたもののように、冷却水の温度が下限温度となる12時間程度放置していたエンジン1の低温始動時にシリンダブロック18内部の残留熱を無視して過度にアルコール燃料が加熱されることがない。これにより、エンジン1の低温始動時にアルコール燃料の過度の加熱を無くしてバッテリBTの負担が軽減され、バッテリ寿命の延命化を図ることができる。その上、アルコール燃料の過度の加熱によるバッテリBTの消耗を抑えてバッテリBTが消費した総電流値を車両走行中に補給する負担も少なくなって、燃費を良好に保つことができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、上記実施形態では、主燃料としてアルコール燃料を用いた場合について述べたが、灯油や軽油などが主燃料として用いられる場合にも適用できるのはもちろんである。
また、上記実施形態では、デリバリパイプ26内のアルコール燃料を互いに異なる第1および第2プレヒート時間Tend1,Tend2で加熱する時間選択手段30を設けたが、3種類以上のプレヒート時間を有する時間選択手段によってデリバリパイプ内のアルコール燃料がそれぞれ異なるプレヒート時間で加熱されるようにしてもよい。また、上記実施形態では、抵抗切換リレー29によって互いに異なる2種類の熱量を適宜選択してデリバリパイプ26内のアルコール燃料を加熱するようにしたが、複数の抵抗切換リレーによってそれぞれ異なる3種類以上の熱量が適宜選択されてデリバリパイプ内のアルコール燃料が加熱されるようにしてもよい。そして、3種類以上のプレヒート時間を有する時間選択手段またはヒータに対し3種類以上の電流値を切り換える複数の抵抗切換リレーのみのなかから適宜選択されることによってデリバリパイプ内のアルコール燃料が加熱されるようにしてもよい。更に、3種類以上のプレヒート時間を有する時間選択手段およびヒータに対し3種類以上の電流値を切り換える複数の抵抗切換リレーを組み合わせ、その組み合わせのなかから適宜選択されることによってデリバリパイプ内のアルコール燃料が加熱されるようにしてもよい。
そして、上記実施形態では、放置時間と比較する所定の放置時間Tstdを例えば20時間としたが、12時間以上24時間未満であれば何時間であってもよい。また、3種類以上のプレヒート時間および3種類以上の電流値のうちの少なくとも一方のなかから適宜選択されてデリバリパイプ内のアルコール燃料が加熱されるようにした場合には、放置時間と比較する所定の放置時間は2種類以上(例えば15時間と20時間など)設定されることになる。
また、上記実施形態では、アルコール燃料タンク21からデリバリパイプ26にアルコール燃料を供給する燃料供給システム2にフィードポンプ22と高圧燃料ポンプ23とを設けたが、アルコール燃料タンクからデリバリパイプにアルコール燃料が供給される燃料供給システムであればなんでもよく、これに限定されるものではない。
更に、上記実施形態では、4気筒のエンジン1に適用した場合について述べたが、これ以外の気筒数のエンジンに適用してもよいのはいうまでもない。
本発明の実施形態に係るフレキシブル・フューエル車両の始動装置のシステム構成図である。 燃料供給システムの構造を模式的に示す図である。 電磁スピル弁の開閉動作を説明するための図である。 (a)はプレヒート時間に対するヒータ電流値の特性を示す特性図であり、(b)はエンジンの低温始動時にプレヒートを行う場合の放置時間に基づく第1および第2プレヒート制御を行う場合の個々のプレヒートスイッチ、メインリレー、プレヒートリレーのソレノイドおよび抵抗切換リレーのソレノイドのタイムチャート図である。 エンジンECUによりプレヒートを行う際の制御の流れを示すフローチャート図である。
符号の説明
1 エンジン
27 ヒータ(加熱手段)
29 抵抗切換リレー(熱量選択手段)
30 時間選択手段
32 冷却水温度センサ(冷却水温度検出手段)
34 スリープタイマ(放置時間計測手段)
36 加熱度合い決定手段
Tsleep 放置時間

Claims (3)

  1. エンジンの低温始動時に燃料を加熱してエンジンの始動性を高めるようにしたフレキシブル・フューエル車両の始動装置において、
    前回エンジンを停止してから再始動するまでの放置時間を計測する放置時間計測手段と、
    冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    燃料を加熱する加熱手段と、
    上記冷却水温度検出手段により検出された冷却水の温度および上記放置時間計測手段により計測された放置時間に基づいて、エンジンの低温始動時に上記加熱手段による燃料の加熱度合いを決定する加熱度合い決定手段と
    を備えていることを特徴とするフレキシブル・フューエル車両の始動装置。
  2. 請求項1に記載のフレキシブル・フューエル車両の始動装置において、
    上記加熱手段は、燃料を加熱する熱量を選択する熱量選択手段を有し、
    上記加熱度合い決定手段による燃料の加熱度合いを、上記熱量選択手段によって選択していることを特徴とするフレキシブル・フューエル車両の始動装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のフレキシブル・フューエル車両の始動装置において、
    上記加熱手段は、燃料を加熱する時間を選択する時間選択手段を有し、
    上記加熱度合い決定手段による燃料の加熱度合いを、上記時間選択手段によって選択していることを特徴とするフレキシブル・フューエル車両の始動装置。
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