JP2008266311A - アディポネクチン上昇剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、及びホスファチジン酸の合計比率が50重量%以上、且つホスファチジルセリンとホスファチジルイノシトールとの合計比率が40重量%以上であるリン脂質組成物を有効成分として含むアディポネクチン上昇剤。
【選択図】図3
Description
項1. ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、及びホスファチジン酸の合計の比率が50重量%以上、且つホスファチジルセリンとホスファチジルイノシトールとの合計の比率が40重量%以上であるリン脂質組成物を有効成分として含むアディポネクチン上昇剤。
項2. ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、及びホスファチジン酸の合計に対するホスファチジルセリンの比率が、30重量%以上である項1に記載のアディポネクチン上昇剤。
項3. ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、及びホスファチジン酸の合計に対するホスファチジルイノシトールの比率が、40重量%以下である項1又は2に記載のアディポネクチン上昇剤。
項4. リン脂質組成物中に、全体に対して、ホスファチジルセリンが20〜50重量%、ホスファチジルイノシトールが10〜25重量%含まれる項1〜3のいずれかに記載のアディポネクチン上昇剤。
項5. ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、及びホスファチジン酸の合計比率が50重量%以上、且つホスファチジルセリンとホスファチジルイノシトールとの合計比率が40重量%以上であるリン脂質組成物を有効成分として含む、肥満又は肥満に起因する疾患の予防若しくは改善剤。
項6. ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、及びホスファチジン酸の合計に対するホスファチジルセリンの比率が、30重量%以上である項5に記載の肥満又は肥満に起因する疾患の予防若しくは改善剤。
項7. ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、及びホスファチジン酸の合計に対するホスファチジルイノシトールの比率が、40重量%以下である項5又は6に記載の肥満又は肥満に起因する疾患の予防若しくは改善剤。
項8. リン脂質組成物中に、その全体に対して、ホスファチジルセリンが20〜50重量%、ホスファチジルイノシトールが10〜25重量%含まれる項5〜7のいずれかに記載の肥満又は肥満に起因する疾患の予防若しくは改善剤。
項9. 肥満に起因する疾患が、糖尿病、高脂血症、高血圧症、動脈硬化症、肝機能障害、又はメタボリックシンドロームである、項5〜8のいずれかに記載の肥満又は肥満に起因する疾患の予防若しくは改善剤。
具体的には、アディポネクチンは肝臓と骨格筋に作用し、糖の取り込みや脂肪酸の燃焼を促すAMPキナーゼを活性化する。活性化したAMPキナーゼは肝臓では糖新生を抑制するとともに脂肪を燃焼し、骨格筋では糖を取り込むことで脂肪を燃焼させる。その結果、肥満が改善される。また、肝臓では中性脂肪やコレステロールが減少することで脂肪が減り、肥満による肝機能障害や脂肪肝が改善される。また、血中のアディポネクチン濃度が上昇することにより、血中の中性脂肪やコレステロールの濃度が減少し、高脂血症、高血圧、動脈硬化が改善される。また、肝臓における糖新生が抑制され、血中の糖が骨格筋に取り込まれることにより、糖尿病が改善される。
また、血中アディポネクチン濃度が上昇すると、肥満になり難くなるため、肥満や肥満に起因する疾患が予防される。
リン脂質組成物
本発明のアディポネクチン上昇剤、および肥満又は肥満に起因する疾患の予防または改善剤は、ホスファチジルセリン(以下、「PS」ということがある)、ホスファチジルイノシトール(以下、「PI」ということがある)、及びホスファチジン酸(以下、「PA」ということがある)の合計重量比が50%以上、且つホスファチジルセリンとホスファチジルイノシトールとの合計重量比が40%以上であるリン脂質組成物を有効成分として含むことを特徴としている。
また、PSとPIとの合計含有量は、リン脂質組成物の全体に対して、45重量%以上が好ましく、60重量%以上がより好ましい。上記範囲であれば、アディポネクチン上昇効果が十分に得られる。PSとPIとの合計含有量の上限値は、原料組成の観点から、通常70重量%程度である。
PS、PI、及びPAの合計に対するPSの比率は30重量%以上が好ましく、45重量%以上がより好ましい。このPSの比率の上限値は通常70重量%程度である。
また、PS、PI、及びPAの合計に対するPIの比率は、40重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましい。PS、PI、及びPAの合計に対するPIの比率の下限値は通常20重量%程度である。
また、リン脂質組成物は、全体に対して、PSを20〜50重量%程度、PIを10〜25重量%程度含むことが好ましく、PSを25〜45重量%程度、PIを15〜20重量%程度含むことがより好ましい。
具体的には、顆粒剤は、例えばリン脂質組成物に賦形剤、結合剤、崩壊剤等を加えて均等に混和した後、例えば圧縮造粒、転動造粒、噴霧乾燥造粒、押出し造粒、解砕造粒、流動層造粒又は撹拌造粒等で粒状とすればよい。また、錠剤は、例えばリン脂質組成物に賦形剤、結合剤、崩壊剤等を加えて均等に混和したものを、直接圧縮成型して製造するか、リン脂質組成物と賦形剤、結合剤、崩壊剤等で予め製造した顆粒をそのまま、又は上記添加剤を加えて均等に混和した後、圧縮成型して製造すればよい。カプセル剤は、例えばリン脂質組成物に賦形剤、結合剤、崩壊剤等を加えて均等に混和したもの、又は所望により粒状としたもの、あるいは粒状としたものにコーティング剤で剤皮を施したものを、カプセルに充填することにより製造できる。また、固形の経口剤には、滑沢剤、結合剤、コーティング剤、着色剤、凝集防止剤、吸収促進剤、溶解補助剤、安定化剤、ビタミンなどが含まれていてよい。
賦形剤としては、例えば白糖、乳糖、ブドウ糖、でんぷん又はマンニット等を挙げることができる。崩壊剤としては、例えば、カルメロース、デンプン、結晶セルロース又は低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等を挙げることができる。滑沢剤としては、例えばタルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム又はシリカ等を挙げることができる。結合剤としては、例えばアラビアゴム、カルメロース、ゼラチン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース又はポピドン等を挙げることができる。コーティング剤としては、例えばゼラチン、白糖、アラビアゴム、カルナバロウ等、又は腸溶性コーティング剤(例えば酢酸フタル酸セルロース、メタアクリル酸コポリマー、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース等)等で剤皮を施してもよい。着色剤としては、例えば食用赤色2号、食用黄色5号、食用青色2号などの食用色素などが挙げられる。安定化剤としては、例えば無水クエン酸、ラウリン酸ナトリウム又はグリセロール等を挙げることができる。ビタミンとしては、例えば、ビタミンA、ビタミンB1、B2、B6、B12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンなどが挙げられる。漢方薬(生薬エキス)としては、例えば甘草、当帰、生姜などが挙げられる。
上記リン脂質組成物は、アディポネクチン上昇剤、および肥満又は肥満に起因する疾患の予防若しくは改善剤の有効成分である。
また、肥満に起因する疾患としては、例えば高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病や動脈硬化症、心筋梗塞、脳梗塞、狭心症、脳卒中、胆石、痛風などが挙げられる。また、肥満に起因する肝障害(薬剤性肝障害を除く、アルコール性又は非アルコール性肝障害が含まれる)も挙げられる。また、メタボリックシンドロームも肥満に起因する疾患に含まれる。
上記説明したリン脂質組成物は、例えば、特開2007−014270号公報に記載の方法で製造することができる。
具体的には、本発明のアディポネクチン上昇剤、および肥満又は肥満に起因する疾患の予防または改善剤は、PC及びPEを含むリン脂質組成物に、セリン及びホスホリパーゼD(以下「PLD」ということもある。)を添加してリン脂質の塩基交換反応を行うことにより製造される。
この製造方法で用いられるリン脂質原料はいかなる起源のものでも良いが、植物由来のものが好ましい。中でも、大豆、菜種、ひまわり、パーム由来のものが好ましい。また、市販品として、例えばSLP−WHITE(PC25.6重量%、PE24.1重量%、PA8重量%、PI12重量%、その他約30重量%)、SLP−PIパウダー(一例:PC18重量%、PE22重量%、PA8重量%、PI17重量%、その他約35重量%)(いずれも辻製油製)等を利用することもできる。
また、この製造方法において、出発原料となるリン脂質組成物としては、PC及びPEを合計で35重量%以上含むものを用いればよい。上記の植物由来のリン脂質組成物や上記市販品は、通常、この比率でPC及びPEを含むが、PC及びPEの含有比率が35重量%未満であるときは、高純度リン脂質例えばSLPC55(辻製油製)を添加することにより35重量%以上に調整すればよい。
上記有機溶媒としては特に限定されず、n−ヘプタン、n−ヘキサン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の環状脂肪族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;四塩化炭素、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類等を挙げることができる。上記有機溶媒としては、極性溶媒及び非極性溶媒を含むものが好ましい。
本反応系中におけるセリンの濃度は、好ましくは20〜40重量%程度、より好ましくは25〜30重量%程度である。
本発明の製造方法により得られるリン脂質組成物の例として、PI及びPSを含むリン脂質組成物以外に、PI及びPAを含むリン脂質組成物、PI及びPEを含むリン脂質組成物等が挙げられる。
レシチンとしてSLP−PIパウダー(辻製油株式会社製)7gをヘプタン及びアセトンの混合液70mLと共に混合して溶解させ、レシチン溶液を得た。これとは別に、セリン20g及びホスホリパーゼD(ナガセケムテックス株式会社製)500Uを1M酢酸緩衝液(pH4.5)67mL中に含む酵素含有セリン溶液を調製した。
このレシチン溶液に酵素含有セリン溶液を加え、30℃にて5時間攪拌した。次いで、ヘプタン及びアセトンの混合液75mL及び塩化ナトリウム20gを加え、1時間攪拌し、これを静置して分離した後、有機層を回収し、PI及びPSを含有する有機溶媒溶液を得た。この有機溶媒溶液は固形分8gを含有していた。
実施例1において、セリン及び酢酸緩衝液の量を1.2倍に調整した他は、実施例1と同様にして、リン脂質組成物を得た。
実施例1において、原料レシチンとして、SLP−PIパウダー(辻製油株式会社製)に代えて、SLPホワイト(辻製油株式会社製)とSLP−PC55(辻製油株式会社製)との混合物(SLPホワイト:SLP-PC55=9:1(重量比))を用いた他は、実施例1と同様にして、リン脂質組成物を得た。
実施例1において、原料レシチンとして、SLP−PIパウダー(辻製油株式会社製)に代えて、SLPホワイト(辻製油株式会社製)とSLP−PC55(辻製油株式会社製)との混合物(SLPホワイト:SLP−PC55=8:2(重量比))を用いた他は、実施例1と同様にして、リン脂質組成物を得た。
実施例1において、得られたリン脂質組成物をさらにエタノールで洗浄した他は、実施例1と同様にして、リン脂質組成物を得た。
<リン脂質組成物の組成>
実施例1〜5で得たリン脂質組成物の組成を以下の表1に示す。
上記リン脂質組成物の組成は高速液体クロマトグラフィー法(HPLC法)により、下記の条件で行なった。
HPLC条件
使用カラム:ジーエルサイエンス社製 Unisil Q NH2(4.6mm I.D.×250mm)
移動相:アセトニトリル/メタノール/50mMリン酸二水素アンモニウム=1856/874/270
流速:1.3mL/分
検出:UV 205nm
次に、実施例1(以下、「PIPS」と称する。)のリン脂質組成物を肥満モデルのZuckerラットに与え、その効果を検証した。
食餌組成および飼育方法
6週齢の雄性Zuckerラットを2群に分け(1群6匹)、AIN-76組成に準じた食餌を与える対照群(TG群)と、実施例1のリン脂質組成物(ナガセケムテックス社製PIPS強化大豆リン脂質(商品名:PIPSナガセ))を2%添加したPIPS群を設けた。以上の2群を4週間飼育し、9時間絶食後、エーテル麻酔下で腹部大動脈採血により屠殺を行い、肝臓及び脂肪組織を摘出した。また、血液から血清を得た。
食餌組成を表2に示す。
血清脂質濃度はHPLC法および酵素法により測定した。即ち、血清トリグリセリド濃度および血清コレステロール濃度はLiposearch(株式会社スカイライト・バイオテック、秋田)、血清リン脂質濃度はリン脂質E-テストワコー(コリンオキシダーゼ・DAOS法、和光純薬)、血清遊離脂肪酸濃度はNEFA C-テストワコー(ACS・ACOD法、和光純薬)を用いて測定した。血糖値は、グルコースCII-テストワコー(和光純薬)を用いてムタロターゼ・GOD法により測定した。肝機能障害マーカーとしては、グルタミン酸オキザロ酢酸アミノ基転移酵素(GOT)およびグルタミン酸ピルビン酸アミノ基転移酵素(GPT)(トランスアミナーゼCII-テストワコー、POP・TOOS法、和光純薬)を測定した。血清のインスリン(レビス・ラットインスリンキット、シバヤギ)、アディポネクチン(マウス/ラットアディポネクチンELISAキット、大塚製薬)はELISA法により測定した。
肝臓総脂質はFolchらの方法(Folch, J., et al., J. Biol. Chem., 1957; 226: 497-509.)により抽出・濃縮し、肝臓TG濃度はFletcher法(Flecher, MJ., Clin. Chim. Acta, 1968; 22: 393-397.)、肝臓リン脂質濃度はBartlettらの方法(Bartlett, GR., J. Biol. Chem., 1959; 234: 466-471.)で定量した。肝臓総コレステロール濃度は、コレステロールE-テストワコー(和光純薬)を用いてコレステロールオキシダーゼ・DAOS法により測定した。
肝臓の各細胞画分の調製は、以下の通り行った。肝臓約2gを氷冷下で6倍容の0.25M スクロース,1mM EDTA,10mM Tris-HCl バッファー (pH7.4)でホモジナイズ後、700×gで10分間遠心分離した上清を、さらに10,000×gで10分間遠心分離することにより、ミトコンドリア画分を沈殿させた。その上清を125,000×g, 60分間超遠心分離し、上清のサイトソル画分と沈殿したミクロソーム画分を得た。各画分のタンパク質量はLowry法(Lowry, OH., et al., J. Biol. Chem., 1951; 193: 265-275.)により測定した。
脂肪酸合成の律速酵素である脂肪酸合成酵素(FAS)活性は、Kellyらの方法(Kelley, DS., et al., Biochem. J.,1986; 235: 87-90.)に従い、サイトソル画分を用いて測定を行った。脂肪酸が合成系にNADPHを供給するグルコース6リン酸脱水素酵素(G6PDH)及びリンゴ酸酵素(ME)の活性は、Kellyらの方法(Kelley, DS., et al., Biochem. J.,1984; 217: 543-549.)及びOchoa(Ochoa, S., Methods in Enzymology, 1955; 1: 739-753.)らの方法に従い、サイトソル画分を用いて測定を行った。脂肪酸β酸化系の律速酵素であるカルニチンパルミトイル転移酵素(CPT)活性は、Markwellらの方法(Markwell, MA., et al., J. Biol. Chem., 1973; 248: 3433-3440.)に、ペルオキシソームにおける脂肪酸β酸化活性はLazarowの方法(Lazarow, PB., Methods in Enzymology, 1981; 72: 315-319.)にそれぞれ従い、ミトコンドリア画分を用いて測定を行った。トリグリセリド合成系の律速酵素であるホスファチジン酸ホスホヒドロラーゼ(PAP)活性は、Waltonらの方法(Walton, PA., et al., Anal. Biochem., 1985; 151: 479-486.)に従い、ミクロソーム画分を用いて測定を行った。
実験によって得られたデータは、Student’s t-testを用いて有意差検定を行った。
試験1において、ラットの飼育期間を4週間に代えて3ヶ月とし、ラット数6匹(n=6)を5匹(n=5)にした以外は、試験1と同様の方法で、肥満モデルのZuckerラットに対するリン脂質組成物の作用を検証した。測定したのは、血清中トリグリセライド濃度、及び総コレステロール(T-Cho)濃度である。測定結果を以下の表10に示す。
肥満モデルラットに対する試験1の結果及び試験2の結果から、本発明で使用するリン脂質は、高脂血症に対する改善効果、ひいては動脈硬化症に対する改善効果を有することが分る。
実施例1のリン脂質組成物に代えて、実施例5のリン脂質組成物を用いた以外は、試験1と同様の方法で、肥満モデルのZuckerラットに対するリン脂質組成物の作用を検証した。測定したのは、肝臓重量、肝臓におけるトリグリセライド濃度、及び各種血清パラメーターである。測定結果を以下の表11〜13に示す。
肝機能改善および抗高脂血症効果
BMI>25の男性4名(年齢35〜49歳)に、実施例5の組成物を、毎朝1回、連続して8週間服用させた(摂取量400mg /日)。食後2.5時間の時点で血液を採取し、血中AST濃度、ALT濃度、およびγ−GT濃度を測定した。測定結果を表14に示す。
BMI>24の男性5名(年齢29〜49歳)に、実施例5の組成物を、毎朝1回、連続して8週間服用させた(摂取量400mg /日)。食後2.5時間の時点で血液を採取し、血中コレステロール濃度を測定した。測定結果を表15に示す。
高血圧既往歴のある1名(男性、59歳)に、実施例5の組成物を、毎朝1回、連続して8週間服用させた(摂取量400mg/日)。毎日朝と晩に血圧を測定した。結果を表16、図1、及び図2に示す。
血清中アディポネクチン濃度が低値(4〜6μg/mL)である男性4名(年齢35〜45歳)にPIPSナガセ(実施例1)を400mg含む顆粒製剤を、毎朝1回、連続して8週間服用させた。食後2.5時間の時点で血液を採取し、血清アディポネクチン濃度を測定した。
結果を図3に示す。服用前のアディポネクチン濃度は4.8±0.7μg/mLであったのに対し、服用8週間後には5.7±1.0μg/mLに増大した(p<0.05)。
Claims (9)
- ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、及びホスファチジン酸の合計の比率が50重量%以上、且つホスファチジルセリンとホスファチジルイノシトールとの合計の比率が40重量%以上であるリン脂質組成物を有効成分として含むアディポネクチン上昇剤。
- ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、及びホスファチジン酸の合計に対するホスファチジルセリンの比率が、30重量%以上である請求項1に記載のアディポネクチン上昇剤。
- ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、及びホスファチジン酸の合計に対するホスファチジルイノシトールの比率が、40重量%以下である請求項1又は2に記載のアディポネクチン上昇剤。
- リン脂質組成物中に、全体に対して、ホスファチジルセリンが20〜50重量%、ホスファチジルイノシトールが10〜25重量%含まれる請求項1〜3のいずれかに記載のアディポネクチン上昇剤。
- ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、及びホスファチジン酸の合計比率が50重量%以上、且つホスファチジルセリンとホスファチジルイノシトールとの合計比率が40重量%以上であるリン脂質組成物を有効成分として含む、肥満又は肥満に起因する疾患の予防若しくは改善剤。
- ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、及びホスファチジン酸の合計に対するホスファチジルセリンの比率が、30重量%以上である請求項5に記載の肥満又は肥満に起因する疾患の予防若しくは改善剤。
- ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、及びホスファチジン酸の合計に対するホスファチジルイノシトールの比率が、40重量%以下である請求項5又は6に記載の肥満又は肥満に起因する疾患の予防若しくは改善剤。
- リン脂質組成物中に、全体に対して、ホスファチジルセリンが20〜50重量%、ホスファチジルイノシトールが10〜25重量%含まれる請求項5〜7のいずれかに記載の肥満又は肥満に起因する疾患の予防若しくは改善剤。
- 肥満に起因する疾患が、糖尿病、高脂血症、高血圧症、動脈硬化症、肝機能障害、又はメタボリックシンドロームである、請求項5〜8のいずれかに記載の肥満又は肥満に起因する疾患の予防若しくは改善剤。
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