半導体装置を製造する1工程として、基板処理装置によりシリコンウェーハ、ガラス基板等の基板表面に、薄膜の生成、不純物の拡散、アニール処理、エッチング等の処理を行う基板処理工程がある。
又、基板処理装置としては、基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置、基板を指定枚数一度に処理するバッチ式の基板処理装置があり、又バッチ式の基板処理装置として、縦型炉を有する縦型基板処理装置と横型炉を有する横型基板処理装置とがある。
例えば、縦型基板処理装置では、処理室を画成する有天筒状の処理管と該処理管を囲繞して設けられたヒータを有し、被処理基板は基板保持具により多段に前記処理室に保持され、該処理室が気密に密閉された状態で、前記ヒータにより基板、前記処理室が加熱され、所定の処理ガスが前記処理室に導入されることで基板処理がなされる。
前記処理管は、開口端にフランジを有し、該フランジを介して、支持部材、強度部材に固定される様になっている。上記した様に、処理管が画成する処理室は気密性を要求される為、前記フランジの接合面にはOリング等のシール部材が挾設され、接合面が気密にシールされている。
Oリング等の材質は一般に合成ゴム等の有機材料であり、高温に対しては焼損する虞れがある。この為、従来よりフランジからの熱によってOリングが焼損しない様に対策が講じられている。
図4は、従来の対策の一例を示しており、処理管の開口端部分の断面を示している。
図4中、32は処理室17を画成する処理管を示し、該処理管32は、処理管本体72と該処理管本体72の下端に溶接されたフランジ部73から構成されている。前記処理管本体72は透明石英製であり、上端が閉塞された有天筒形状をしており、前記フランジ部73は不透明石英製であり、前記処理管本体72に連続する円筒部74と該円筒部74下端に位置し、該円筒部74の軸心と直交する様に形成されるドーナツ盤状のフランジ75とを有している。前記不透明石英は、内部に微細な気泡を多量に含有しており、熱輻射を遮断すると共に熱伝導に対して大きな抵抗を有する。
又、図中、76はマニホールドを示し、該マニホールド76はステンレス鋼等の金属製であり、前記処理管32と同心で円筒形状をしていると共に上端に前記処理管32の軸心と直交する支持用フランジ77を有している。
該支持用フランジ77の断面は内周縁部に対し外周縁部が所要段差分後退した段差形状となっており、前記内周縁部の上面は前記処理管32が載置される処理管載置面78、前記外周縁部の上面はシール面79となっている。
前記内周縁部の周囲にOリング81が設けられ、該Oリング81の外側にクッション82が設けられ、前記処理管載置面78に前記処理管32が載置された状態では、前記フランジ75の下面と前記シール面79間に前記Oリング81、前記クッション82が圧縮状態で介設される。
断面が倒立L字状の固定リング83をクッション84を介在して前記支持用フランジ77に固定することで、前記フランジ75が前記固定リング83と前記支持用フランジ77との間に挾持され、前記処理管32が前記マニホールド76に支持、固定される。又、前記処理管32下端と前記マニホールド76上端との境界は前記Oリング81によって気密にシールされる。
上記した様に、前記処理管本体72はヒータにより加熱されており、該処理管本体72からの熱伝導により、又該処理管本体72内部からの熱輻射により、前記Oリング81が加熱される。前記フランジ部73は不透明石英製となっており、大きな熱抵抗を有するので、前記処理管本体72からの熱伝導を抑制し、又不透明であることから、該処理管本体72内部からの熱輻射を遮断する。前記フランジ部73の熱遮断作用によって、前記Oリング81の焼損が防止される。
基板処理の1つにエッチングがあり、或は前記処理室17の洗浄をする為のエッチングがある。エッチングが実施されると、前記フランジ部73に多数包含されている気泡が開放され、表面が著しく粗面化されることがある。粗面化した表面では、前記Oリング81の密着性が損われ、気密性が低下する。更に、粗面化した表面は、不純物を取込み易くなり、又脆くなる。この為、パーティクルの発生原因となる。
尚、処理管のフランジ部、又はフランジ部の一部に不透明石英を用いた公知例として、特許文献1、特許文献2に示されるものがある。然し乍ら、特許文献1、特許文献2では不透明石英部分の処理室内への露出面積が多い構造となっている。
半導体装置、例えばLSIの超高集積化に伴い、半導体の製造プロセスでは、従来は無視してきていたレベルの欠陥や不純物が問題となっている。その為、石英部品からの不純物汚染に対しては、不純物濃度、OH基の少ない石英材料の使用や石英ガラスの製作工程の見直しにより不純物混入を排除した、高純度石英を使用する顧客が増えている。
不透明石英は、高純度石英に比べ、Fe、Al、Na、Cu等の不純物濃度や、OH基の含有量が多くなっており、上記特許文献1、特許文献2では処理室へ露出した不透明部分からの不純物汚染の虞れがあった。
又、透明石英と不透明石英とでは、透明石英の方が強度が大きく、不透明石英を厚くした場合、或は多くした場合フランジ部の強度が低下するという問題も有していた。
以下、図面を参照しつつ本発明を実施する為の最良の形態を説明する。
先ず、図1に於いて、本発明が実施される基板処理装置について説明する。
図1中、1は基板処理装置、2は基板収納容器(カセット)を示し、前記基板処理装置1で処理されるシリコンウェーハ等の基板(ウェーハ)3は、前記カセット2に所要枚数、例えば25枚収納された状態で、搬入搬出される。
前記基板処理装置1の筐体4の正面壁5の下部にはメンテナンス用の開口部として正面メンテナンス口6が開設され、該正面メンテナンス口6は正面メンテナンス扉(図示せず)により開閉可能となっている。前記正面メンテナンス口6の上方には、前記カセット2の搬入搬出用の基板収納容器入出口8が開設され、該基板収納容器入出口8は入出口開閉機構(フロントシャッタ)(図示せず)によって開閉される様になっている。
前記筐体4の内部、前記基板収納容器入出口8に臨接して基板収納容器授受装置(カセット授受ステージ)11が設けられ、該カセット授受ステージ11に対向し、前記カセット2を所要数保管する下基板収納容器収納棚(カセット棚)12、上基板収納容器収納棚(バッファカセット棚)13が設けられている。
前記カセット授受ステージ11と前記カセット棚12、前記バッファカセット棚13との間には、基板収納容器搬送装置(カセット搬送装置)14が設けられる。該カセット搬送装置14は、横行機構、昇降機構、回転機構を具備し、前記カセット搬送装置14は横行機構、昇降機構、回転機構の協働により、前記カセット授受ステージ11と前記カセット棚12、前記バッファカセット棚13との間で前記カセット2を所要の姿勢で搬送可能である。
前記筐体4の内部後方、下部には気密容器であるロードロック室15が設けられ、該ロードロック室15の上側には処理炉16が立設されている。該処理炉16は気密な処理室17を具備し、該処理室17は前記ロードロック室15と気密に連設され、前記処理室17の下端の炉口部は炉口ゲートバルブ20によって気密に閉塞可能となっている。
前記ロードロック室15の内部には基板保持具(ボート)18が収納可能であり、該ボート18は、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料からなり、ウェーハ3を水平姿勢で多段に保持可能となっている。尚、前記ボート18の下部には、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料からなる円板形状をした断熱部材としての断熱板(図示せず)が水平姿勢で多段に複数枚配置されて、下方への放熱を抑制している。
又前記ボート18を支持し、該ボート18を前記処理室17に装脱する為の基板保持具昇降機構(ボートエレベータ)19が前記ロードロック室15に設けられている。
該ロードロック室15は前記ボート18にウェーハ3を移載する為の基板移載口21が設けられ、該基板移載口21はゲートバルブ25によって開放され、又気密に閉塞される。前記ロードロック室15には窒素ガス等の不活性ガスを供給するガス供給系22が接続され、前記ロードロック室15内部を排気して、負圧にする排気装置(図示せず)が接続されている。
前記ロードロック室15と前記カセット棚12との間には基板移載装置(基板移載機)23が設けられ、該基板移載機23はウェーハ3を載置保持する基板保持プレート24を所要枚数(例えば5枚)具備し、又該基板保持プレート24を昇降する昇降機構部、回転させる回転機構部、進退させる進退機構部を具備している。
前記基板移載機23は、昇降機構部、回転機構部、進退機構部の協働により、降下状態の前記ボート18と前記カセット棚12との間で前記基板移載口21を介して基板の移載が行われる様になっている。
尚、前記筐体4内部の所要位置、例えば、前記バッファカセット棚13に対向してクリーンユニット26が設けられ、該クリーンユニット26によって前記筐体4内部に清浄な雰囲気の流れが形成される。
以下、前記基板処理装置1の作動について説明する。
前記基板収納容器入出口8がフロントシャッタ(図示せず)によって開放され、前記カセット2が前記基板収納容器入出口8から搬入される。搬入されるカセット2は、ウェーハ3が垂直姿勢であって、ウェーハ3の出入れ口が上方向を向く様に載置される。
次に、前記カセット搬送装置14によって、前記カセット棚12又は前記バッファカセット棚13の指定された棚位置へ搬送される。前記カセット棚12、前記バッファカセット棚13に保管されるカセット2は水平姿勢となっており、出入れ口は前記基板移載機23に向いている。又、一時的に保管された後、前記カセット搬送装置14によって前記バッファカセット棚13から前記カセット棚12に移載される。
予め前記ロードロック室15の内部が大気圧状態とされ、前記ボート18が前記ボートエレベータ19によって前記ロードロック室15内に降下される。前記ゲートバルブ25によって前記基板移載口21が開放され、前記基板移載機23によってウェーハ3が前記カセット2から前記ボート18へ移載される。
予め指定された枚数のウェーハ3が前記ボート18に装填されると、前記基板移載口21が前記ゲートバルブ25によって閉じられ、前記ロードロック室15が排気装置により、真空引きされることにより、減圧される。前記ロードロック室15が前記処理室17内の圧力と同圧に減圧されると、該処理室17の炉口部が前記炉口ゲートバルブ20によって開放され、前記ボートエレベータ19によって前記ボート18が前記処理室17に装入される。
ウェーハ3の加熱、前記処理室17への処理ガスの導入、排気等が行われ、ウェーハ3に所定の処理が実施される。
処理後は、前記ボートエレベータ19により前記ボート18が引出され、更に、前記ロードロック室15内部を大気圧に復圧させた後に前記ゲートバルブ25が開かれる。その後は、上記の逆の手順で、ウェーハ3及びカセット2は前記筐体4の外部へ搬出される。
図2に於いて、前記処理炉16、前記ボートエレベータ19について説明する。
図2に示される様に、前記処理炉16は加熱機構としてのヒータ31を有する。該ヒータ31は円筒形状であり、ヒータ素線とその周囲に設けられた断熱部材より構成され、図示しない保持体に支持されることにより垂直に据付けられている。
前記ヒータ31近傍には、前記処理室17内の温度を検出する温度検出体としての温度センサ(図示せず)が設けられる。前記ヒータ31及び温度センサには、電気的に温度制御部45が接続されており、温度センサにより検出された温度情報に基づき前記ヒータ31への通電具合を調節することにより前記処理室17内の温度が所望の温度分布となる様所望のタイミングにて制御する様に構成されている。
前記ヒータ31の内側には、該ヒータ31と同心に処理管32が配設されている。該処理管32は、石英(SiO2 )又は炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。前記処理管32は前記処理室17を画成し、前記ボート18を収納し、ウェーハ3は前記ボート18に保持された状態で前記処理室17に収納される。
前記処理管32の下方には、該処理管32と同心にマニホールド33が配設され、前記処理管32は前記マニホールド33に立設されている。該マニホールド33は、例えば、ステンレス鋼等からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。尚、前記マニホールド33と前記処理管32との間には、シール部材としてのOリング81(後述)が設けられている。前記マニホールド33が保持体、例えば前記ロードロック室15に支持されることにより、前記処理管32は垂直に設置された状態となっている。該処理管32と前記マニホールド33により反応容器が形成される。
図3は、図2のL部拡大図であり、前記処理管32の下端部と前記マニホールド33の上端部との接合部分の詳細を示している。尚、図3中、図4中で示したものと同等のものには同符号を付してある。
前記処理管32は、透明石英製の処理管本体72を有し、該処理管本体72の下端部には透明石英製のフランジ75が前記処理管本体72と一体成形により、或は溶接により一体化されている。
該フランジ75は円環形状をしており、中央の空間は前記処理管32の開口部を形成している。前記フランジ75の開口側端面(図示では下端面)に不透明石英層86を形成し、更に該不透明石英層86の開口側端面に透明石英層85を形成し、該透明石英層85の開口側端面については平坦加工を行い、バーナで焼き仕上げを行う。又、開口側端面の性状によっては研磨処理を行う。バーナ焼き仕上げで、表面が円滑化し、透明となる。
前記不透明石英層86については、不透明石英のドーナツ状円板を溶接しても、或は溶接による肉盛りにより形成してもよい。又、前記透明石英層85についても、同様に透明石英のドーナツ状円板を溶接しても、或は溶接による肉盛りにより形成してもよい。
前記不透明石英層86は、熱遮断効果が得られる厚みでよく、又前記透明石英層85は開口側端面を研磨できる程度の厚みであればよい。例えば、前記フランジ75の厚みが7mmとして、前記不透明石英層86の厚みは前記フランジ75の厚みより薄く、例えば不透明度を失わない様3mm程度、更に前記透明石英層85の厚みは洗浄工程でエッチングを受ける等を考慮し、2mm程度とする。
前記マニホールド33は、図4で示したマニホールド76と同様に、略円筒形状であり、上端に前記フランジ75と接合する支持用フランジ77を有している。
該支持用フランジ77の断面は内周縁部に対し外周縁部が所要段差分後退した段差形状となっており、前記内周縁部の上面は前記処理管32が載置される処理管載置面78、前記外周縁部の上面はシール面79となっている。
前記内周縁部の周囲にOリング81が設けられ、前記処理管載置面78に前記処理管32が載置された状態では、前記Oリング81が前記透明石英層85の研磨面に圧接される。
断面が倒立L字状の固定リング83により、クッション82、クッション84を介在して前記支持用フランジ77との間に前記フランジ75を挾持する。前記処理管32が前記マニホールド33に支持、固定され前記フランジ75と前記支持用フランジ77との接合部は、前記Oリング81によって気密にシールされる。
不透明石英である前記不透明石英層86は、前記処理管本体72からの熱伝導を抑制し、又該処理管本体72内部からの熱輻射を遮断し、前記Oリング81が過熱、損傷することを防止する。
前記マニホールド33には、ガス排気管34が設けられると共に、ガス供給管35が貫通する様設けられている。該ガス供給管35は、上流側で3つに分岐し、バルブ36,37,38とガス流量制御装置としてのMFC39,40,41を介して第1ガス供給源42、第2ガス供給源43、第3ガス供給源44にそれぞれ接続されている。
前記MFC39,40,41及び前記バルブ36,37,38には、ガス流量制御部46が電気的に接続されており、該ガス流量制御部46は供給するガスの流量が所望の流量となる様所望のタイミングにて制御する様に構成されている。
前記ガス排気管34の下流側には、図示しない圧力検出器としての圧力センサ及び圧力調整器としてのAPCバルブ47を介して真空ポンプ等の真空排気装置48が接続されている。該真空排気装置48は、排気能力の高い3次真空ポンプ、例えば分子ターボポンプ+機械ブースとポンプ+ドライポンプ等が用いられることが好ましい。
圧力センサ及び前記APCバルブ47には、圧力制御部49が電気的に接続されており、該圧力制御部49は、圧力センサにより検出された圧力に基づいて前記APCバルブ47の開度を調節することにより、前記処理室17の圧力が所望の圧力となる様所望のタイミングにて制御する様構成されている。
前記処理炉16の構成に於いて、第1の処理ガスは、前記第1ガス供給源42から供給され、前記MFC39でその流量が調節された後、前記バルブ36を介して、前記ガス供給管35により前記処理室17内に導入される。第2の処理ガスは、前記第2ガス供給源43から供給され、前記MFC40でその流量が調節された後、前記バルブ37を介して前記ガス供給管35により前記処理室17内に導入される。第3の処理ガスは、前記第3ガス供給源44から供給され、前記MFC41でその流量が調節された後、前記バルブ38を介して前記ガス供給管35より前記処理室17内に導入される。又、該処理室17内のガスは、前記ガス排気管34に接続された前記真空排気装置48により、前記処理室17から排気される。
又、前記ボートエレベータ19について説明する。
該ボートエレベータ19の駆動機構部51は、前記ロードロック室15の側壁に設けられている。
前記駆動機構部51は、平行に立設されたガイドシャフト52、ボール螺子53を具備し、該ボール螺子53は回転自在に支持され、昇降モータ54により、回転される様になっている。昇降台55が前記ガイドシャフト52に摺動自在に嵌合すると共に前記ボール螺子53に螺合し、前記昇降台55には前記ガイドシャフト52と平行に中空の昇降シャフト56が垂設されている。
該昇降シャフト56は、前記ロードロック室15の天井面を遊貫して内部に延出しており、下端には中空の駆動部収納ケース57が気密に設けられている。前記昇降シャフト56を非接触で覆う様にベローズ58が設けられ、該ベローズ58の上端は前記昇降台55の下面に、又前記ベローズ58の下端は前記ロードロック室15の上面にそれぞれ気密に固着され、前記昇降シャフト56及び該昇降シャフト56の遊貫部は気密にシールされている。
前記ロードロック室15の天井部には前記マニホールド33と同心に炉口59が設けられ、該炉口59はシールキャップ61によって気密に閉塞可能となっている。該シールキャップ61は、例えばステンレス等の金属からなり、円盤状に形成され、前記駆動部収納ケース57の上面に気密に固着されている。
該駆動部収納ケース57は、気密構造となっており、内部は前記ロードロック室15内の雰囲気と隔離される。前記駆動部収納ケース57の内部にはボート回転機構62が設けられ、該ボート回転機構62の回転軸は前記駆動部収納ケース57の天板、前記シールキャップ61を遊貫して上方に延出し、上端にはボート載置台63が固着され、該ボート載置台63に前記ボート18が載置される。
前記シールキャップ61、前記ボート回転機構62はそれぞれ水冷式の冷却機構64,65によって冷却されており、該冷却機構64,65への冷却水管66は前記昇降シャフト56を通過して外部の冷却水源(図示せず)に接続されている。又、前記ボート回転機構62への給電は、前記昇降シャフト56を通して配線された電力供給ケーブル67を介して行われる。
前記ボート回転機構62及び前記昇降モータ54には、駆動制御部68が電気的に接続されており、所望の動作をする様所望のタイミングにて制御する様構成されている。
前記温度制御部45、前記ガス流量制御部46、前記圧力制御部49、前記駆動制御部68は、操作部、入出力部をも構成し、前記基板処理装置1全体を制御する主制御部69に電気的に接続されている。
次に、前記処理炉16を用いて、半導体デバイスの製造工程の1工程として、ウェーハ3等の基板に成膜処理する方法について説明する。尚、以下の説明に於いて、基板処理装置1を構成する各部の動作は、前記主制御部69により制御される。
所定枚数のウェーハ3が前記ボート18に装填されると、前記昇降モータ54の駆動で前記ボール螺子53が回転され、前記昇降台55、前記昇降シャフト56を介して前記駆動部収納ケース57が上昇し、前記ボート18が前記処理室17に装入される。この状態で、前記シールキャップ61はOリングを介して前記炉口59を気密に閉塞する。
前記処理室17内が所望の圧力(真空度)となる様に前記真空排気装置48によって真空排気される。この際、前記処理室17内の圧力は、圧力センサで測定され、この測定された圧力に基づき前記APCバルブ47がフィードバック制御される。又、前記処理室17内が所望の温度、所望の温度分布となる様に前記ヒータ31により加熱され、加熱状態は温度センサが検出した温度情報に基づき前記温度制御部45によりフィードバック制御される。続いて、前記ボート回転機構62により、前記ボート18が回転されることでウェーハ3が回転される。
前記第1ガス供給源42、前記第2ガス供給源43、前記第3ガス供給源44からそれぞれの処理ガスが供給される。所望の流量となる様に前記MFC39,40,41の開度が調節された後、前記バルブ36,37,38が開かれ、それぞれの処理ガスが前記ガス供給管35を流通して、前記処理室17の上部から該処理室17内に導入される。導入されたガスは、前記処理室17内を通り、前記ガス排気管34から排気される。処理ガスは、前記処理室17内を通過する際にウェーハ3と接触し、ウェーハ3の表面上にEPI膜が成長し、堆積(デポジション)される。
予め設定された時間が経過すると、図示しない不活性ガス供給源から不活性ガスが供給され、前記処理室17内が不活性ガスで置換されると共に、該処理室17内の圧力が常圧に復帰される。
その後、前記ボートエレベータ19により前記シールキャップ61が降下されて、前記炉口59が開口されると共に前記ボート18が前記炉口59から前記ロードロック室15内に搬出される。該ロードロック室15で所要温度となる迄、冷却された後、前記基板移載口21が開放され、処理済のウェーハ3は、前記基板移載機23によって前記ボート18より取出される(図1参照)。
上記基板処理過程で、ヒータにより前記処理管32、ウェーハ3が加熱され、前記処理管本体72からの熱伝導により、又該処理管本体72内部からの熱輻射により、前記Oリング81が加熱される。前記不透明石英層86は不透明石英製となっており、大きな熱抵抗を有するので、前記処理管本体72からの熱伝導を抑制し、不透明であるので、該処理管本体72内部からの熱輻射を遮断する。前記不透明石英層86の熱遮断作用によって、前記Oリング81の焼損が防止される。
又、基板処理がエッチングの場合、或は前記処理管32をエッチングにより洗浄した場合等にも、前記不透明石英層86が前記処理室17に露出するのは僅かな厚みの内周面だけであるので、不純物の発生が抑制され、又パーティクルの発生も大幅に低減できる。
更に、前記Oリング81が接触している前記フランジ75の開口側端面は透明石英であり、エッチングの影響により粗面となることはないので、気密性が損われることはない。
尚、一例迄、本実施の形態の処理炉にてウェーハを処理する際の処理条件としては、例えば、H2 アニール処理に於いては、処理温度750〜850℃、処理圧力1000Pa、ガス種、ガス供給流量H2 、20lが例示され、それぞれの処理条件を、それぞれの範囲内のある値で一定に維持することでウェーハに処理がなされる。
又、基板処理装置の処理炉16は横型処理炉であってもよく、又処理管は両端が開口し、両端にそれぞれ開口を形成するフランジ部が設けられ、少なくとも一方のフランジ部に、不透明石英層を介在して透明石英層が形成されてもよい。