JP2008256481A - 計量装置の補正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】補正対象の計量装置に、自己補正用錘や錘係脱手段などを内蔵しなくても済み、製造コストの増加や、計量装置の大型化や重量化を招くことのない計量装置の補正方法を提供する。
【解決手段】補正対象となる計量装置1とは別個に、一定の質量の錘を負荷可能な計量部を有する補正用装置10を設け、この補正用装置10により、前記計量装置の製造調整場所において、前記錘を前記計量部に負荷させて計量し、この計量値を記憶させる。この後、補正用装置10を計量装置1の使用場所に配設するとともに、補正用装置10と計量装置1とを接続し、補正用装置10において、前記錘を計量部に負荷して計量し、前記製造調整場所での計量値と前記使用場所での計量値との比に対応してスパン補正(重力加速度補正)を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、計量装置に対して、その使用場所(設置場所)における計量値の重力加速度補正を行う計量装置の補正方法に関する。
起歪体に歪ゲージを貼り付けてなるロードセルは既に広く知られている。例えば、取引証明用に使用される特定計量器において、前記ロードセルを用いたロードセル式の計量装置が広く用いられている。しかし、この種のロードセル式秤の最大目量数は6000(いわゆる1/6000精度)が限度である。
従来のアナログロードセルにおいても、ロードセル性能に係わる要因、すなわち、負荷特性(直線性、ヒステリシス)、クリープ特性、温度特性等、それぞれの性能向上に関する補正方法が確立しつつあるものの、その実現にはコストアップを伴うことが多かったことが、6000目量を超える高精度型ロードセル式特定計量器の実現しなかった主な理由と考えられる。
しかし近年、ロードセル内部に電子回路とマイクロコンピュータとを組み込んだ、いわゆるデジタルロードセルの普及に伴い、これらの補正方法の実施が容易にかつ信頼性が高いものになってきたため、コストアップを抑えて、6000目量を超えた、例えば、10000目量程度の特定計量器を実現するための試みが具体化しつつある。
補正方法については、例えば、特許文献1、2にロードセルのヒステリシス誤差を補正する手法が開示され、また、特許文献3〜5にロードセルのクリープ誤差を補正する手法が、さらに特許文献8には温度特性を補正する手法がそれぞれ開示されている。
そして、6000目量を超える高精度計量器になった場合に目立ってくる過渡温度感度特性については、本明細書の[0034]段落〜[0042]段落に記述しているような手法を用いることで、本質的に過渡温度感度特性の改良を図ることが可能になってきた。
つまり、デジタルロードセルの採用によって、6000目量を超える特定計量器の実現は目前にあると考えられる。
ところで、1000目量を超えるロードセル式の計量装置においては、計量装置を製造して出荷用に調整する製造調整場所と、この計量装置を実際に使用する使用場所とが異なる場合、双方の場所の重力加速度の差を補正して製造者から指定された重力加速度の地域に出荷している。しかし、高精度の計量装置では使用場所の重力加速度を厳密に指定しなければならないため実用的でないし、誤って重力加速度の異なる場所で使用した場合には、実際の重量に対する出力(ロードセル式計量装置のブリッジ回路からの出力)の比であるスパンに関して誤差を生じる。このため、計量法では、6000目量を超えるロードセル式の特定計量器は、使用場所での検定を義務付けている。しかし、重力加速度を自動的に補正することが可能な自己補正機構を計量装置に設けていれば、製造調整場所(多くは製造者の工場)だけで検定を受けることができて、現地(使用場所)での検定を省くことができる。
一般に、特定計量器を使用する現地での検定作業は検定所への申請業務等が伴うので、販売者やユーザには多くの手間が掛かる。このため、現地検定(使用場所での検定)は、積極的には利用されない場合が多く、これが6000目量を超えるロードセル式の特定計量器の商品化を阻む大きな要因の1つとなってきた。電子天秤においては、内蔵する校正分銅を自己補正機構として採用することが多くみられる。なお、例えば、特許文献6においては、音叉振動子を用いて内部校正を行う校正装置を内蔵した秤の構造が開示されている。
ここで、比較的大きな秤量を計量できるロードセル式の計量装置においても、重力加速度補正を行うための自己補正機構を備えたものが、例えば、特許文献7等において校正用分銅を内蔵した方法として提案されている。すなわち、この自己補正機構として、重力加速度を補正するための自己補正用錘と、この自己補正用錘の荷重をロードセルに対して負荷または離脱させるように載せ降ろしする錘係脱手段とを、計量装置に内蔵させている。そして、予め、計量装置の製造調整場所において、自己補正用錘の荷重をロードセルに対して負荷させて、この計量値を記憶させておき、この計量装置の現地(使用場所)での設置時に、前記自己補正用錘の荷重をロードセルに負荷させ、この計量値が、前記製造調整場所において記憶させた自己補正用錘の計量値に一致するように補正(校正)する。これにより、計量装置の使用場所での重力加速度に対応する補正(スパン補正)を行うことができて、精度並びに信頼性をある程度、向上させることができる。
特開平10−148566号公報 特開2006−30126号公報 特開平10−90047号公報 特開2003−322571号公報 特開2003−214931号公報 特開2006−138714号公報 特開平11−108740号公報 特開2004−309251号公報
しかしながら、特許文献6、特許文献7に示されているような、自己補正機能を有した従来の計量装置では、計量装置の設置時に、この設置場所(使用場所)での重力加速度の補正を行うためだけに、自己補正用錘や錘係脱手段を内蔵することは、通常の計量機能以外に、余分な機構の追加を要するため、当該計量装置の製造コストが増加してしまう。また、例えば100kg以上の大きな秤量の計量装置では、前記秤量に対応して、自己補正用錘も重いものが必要となるので、計量装置が一層、大型化や重量化したり、さらなる製造コストの増加を招いたりしてしまう。
本発明は上記課題を解決するもので、計量装置自体に、自己補正用錘や錘係脱手段などを内蔵しなくても済み、製造コストの増加や、計量装置の大型化や重量化を招くことのない計量装置の補正方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、補正対象となる計量装置に対して、計量値の重力加速度補正をする計量装置の補正方法であって、前記計量装置とは別個に設けられて、錘と、この錘の荷重を負荷可能な計量部とを有する補正用装置により、前記計量装置の製造調整場所において、前記錘を前記計量部に負荷させて計量し、計量装置の使用場所において前記補正用装置を計量装置に接続し、前記補正用装置において、前記錘の荷重を計量部に負荷して計量し、前記製造調整場所での計量値と前記使用場所での計量値との比に対応して計量装置のスパン補正を行うことを特徴とする。
上記方法によれば、補正対象となる計量装置において、重力加速度補正を行う必要性がある計量装置の設置時にだけ、この計量装置の使用場所に補正用装置を配設して、計量装置と補正用装置とを接続することで、良好に使用場所の重力加速度に対応したスパン補正を行うことができる。このように、補正用装置は必要時のみ、計量装置の使用場所に持ち込んで接続すればよいので、計量装置には、計量するための機能以外の余分な機構(自己補正用錘や錘係脱手段など)を必要としなくなり、計量装置が大型化したり、製造コストの増加を招いたりすることがない。
なお、前記計量装置の補正方法に用いられる補正用装置としては、恒弾性材料により構成された起歪体に歪ゲージを貼り付けたロードセルと、補正検出用の錘と、ロードセルの荷重受部に対して前記錘の荷重を負荷または離脱させる錘係脱手段とを備えたり、恒弾性材料により構成された起歪体に歪ゲージを貼り付けたロードセルをロバーバル機構からなるロバーバルブロックに組込んでなるロードセルユニットと、補正検出用の錘と、ロードセルユニットのロバーバルブロックの荷重受部に対して前記錘の荷重を負荷または離脱させる錘係脱手段とを備えたりするものが好適である。
この構成によれば、ロードセルの起歪体を恒弾性材料により構成したので、ロードセルの起歪体のヤング率の温度変化を最小限に抑えることができて、起歪体の過渡温度特性の影響を最小限に抑えることができ、再現性を損なうことなく、高精度の計量を行える。したがって、この構造の補正用装置を用いることで、使用場所の重力加速度の差異に起因するスパン補正を高精度に行うことができる。
また、ロバーバルブロックに、前記ロードセルを組み込むことで、前記ロードセルとして小型のものを用いることが可能となる。つまり恒弾性材料は単価が高い上に、冷間圧延や熱処理費用の加工費が高く、その他、加工性が悪いための加工費増加等を招きやすい。したがって、例えば、従来から、ロードセルの荷重受部に直接、載台を固定したいわゆるワンポイントロードセル等には比較的大型のロードセルが用いられているが、この種のロードセルとして、本発明の恒弾性材料からなる起歪体を備えたロードセルを単に置き換えて配設した場合、ロードセルとして大きな体積のものが必要となって極めて高価となり、多大なコストアップを招いてしまう。これに対処すべく、上記のように、ロバーバルブロックに、前記ロードセルを組み込むことで、恒弾性材料からなる起歪体を備えたロードセルとして小型のものを用いることができて、コストアップ費用を抑えることができる。また、このロードセルを、ロバーバルブロックに組込むことで、ロバーバルブロックに対して負荷が作用した際に、仮にこの負荷に横荷重や曲げや捩れなどの非鉛直荷重が含まれていたとした場合でも、前記非鉛直荷重がロバーバルブロックにより受けられ、ロードセルには非鉛直荷重が除かれた鉛直荷重だけが良好に作用し、再現性を損なうことなく、高精度に計量することができる。したがって、この構造の補正用装置を用いることで、使用場所の重力加速度の差異に起因するスパン補正を良好に行うことができる。
また、本発明の計量装置の補正方法は、補正用装置に温度センサを備え、計量装置の製造調整場所における補正用装置の調整時配置場所温度を検出し、この後、計量装置の使用場所において補正用装置を計量装置に接続して前記温度センサにより補正用装置の使用時配置場所温度を検出し、この使用時配置場所温度が、前記調整時配置場所温度に近い所定温度範囲内であるときに限り、スパン補正の実行を許容することを特徴とする。
これにより、調整時配置場所温度と使用時配置場所温度とが大きく異なり、重力加速度補正を行う際の精度が十分に保てない状態でスパン補正が行われることを防止することができ、スパン補正の信頼性を向上させることができる。
また、本発明の計量装置の補正方法は、補正用装置に傾斜センサを備え、計量装置の使用場所において補正用装置の水平度を前記傾斜センサにより測定し、補正用装置の水平度が所定傾斜角度範囲内であるときに限り、スパン補正の実行を許容することを特徴とする。
これにより、計量装置を使用場所に設置して、スパン補正を行うに際して、補正用装置の水平度が十分ではない状態でスパン補正が行われることを防止することができ、スパン補正の信頼性を向上させることができる。
本発明によれば、補正対象となる計量装置とは別個に、錘の荷重を負荷可能な計量部を有する補正用装置を設けて、必要時のみ、計量装置の使用場所に前記補正用装置を持ち込んで接続することで、使用場所の重力加速度に対応したスパン補正、すなわち、重力加速度補正を行うことができる。この結果、計量装置には自己補正用錘等が不要となるので、計量装置が大型化したり、製造コストの増加を招いたりしてしまうことがない。
なお、補正用装置は、例えば、製造会社の工場等に1台備えておき、計量装置とともに計量装置の使用場所へ送り、使用場所での補正が終わった段階で、補正用装置のみ前記製造工場へ返送して再校正(再調整)しておくことで複数の計量装置に対して使用することができる。
また、計量装置の補正方法に用いられる補正用装置として、恒弾性材料により構成された起歪体に歪ゲージを貼り付けたロードセルと、補正検出用の錘と、ロードセルの荷重受部に対して前記錘の荷重を負荷または離脱させる錘係脱手段とを備えたものを用いることで、ロードセルの起歪体のヤング率の温度変化を最小限に抑えることができて、起歪体の過渡温度特性の影響を最小限に抑えることができ、再現性を損なうことなく高精度の計量を行えるので、使用場所の重力加速度の差異に起因するスパン補正を、高精度のロードセル式計量装置であっても、良好に行うことができる。
また、計量装置の補正方法に用いられる補正用装置として、恒弾性材料により構成された起歪体に歪ゲージを貼り付けたロードセルをロバーバル機構からなるロバーバルブロックに組込んでなるロードセルユニットを用いることで、ロードセルとして小型のものを用いることができて、コストアップ費用を抑えることができる。また、ロバーバルブロックに対して負荷が作用した際に、仮にこの負荷に横荷重や曲げや捩れなどの非鉛直荷重が含まれていたとした場合でも、非鉛直荷重がロバーバルブロックにより受けられ、非鉛直荷重が除かれた鉛直荷重だけがロードセルに良好に作用し、再現性を損なうことなく高精度に計量することができる。したがって、使用場所の重力加速度の差に起因する計量値のスパン補正を良好に行うことができる。
また、補正用装置に温度センサを備え、使用時配置場所温度が調整時配置場所温度に近い所定温度範囲内であるときに限り、スパン補正の実行を許容することで、調整時配置場所温度と使用時配置場所温度とが大きく異なり、重力加速度補正を行う際の精度が十分に保てない状態でスパン補正が不正確に行われることを防止することができ(通常、スパン補正は、使用場所に設置した時の1度しか行われない)、スパン補正の信頼性を向上させることができる。
また、補正用装置に傾斜センサを備え、計量装置の使用場所において補正用装置の水平度を前記傾斜センサにより測定し、補正用装置の水平度が所定傾斜角度範囲内であるときに限り、スパン補正の実行を許容することにより、スパン補正を行うに際して、補正用装置の水平度が十分ではない状態でスパン補正が不正確に行われることを防止することができ、スパン補正の信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る計量装置の補正方法について図面に基づき説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る計量装置の補正方法を実施している状態を簡略的に示す図、図2はその補正方法を実施する際に用いる補正用装置の内部を示す図、図3(a)は補正用装置に内蔵されたロードセルの正面図、図3(b)は図3(a)のIIIB−IIIB線矢視断面図、図4の(a)および(b)はそれぞれ本発明の補正方法で用いたプリンタの印字例である。
図1において、1は、重力加速度のスパン補正、すなわち重力加速度補正の対象となる計量装置で、取引証明用途に使用される特定計量器としても用いられる。この計量装置1は、計量対象物が載せられる台部2と、この台部2に接続されて、台部2からの計量値データなどが表示部3aに表示されるとともに各種のデータ入力部(テンキーなど)3bや制御部(図示せず)が設けられている指示計3とから構成されている。台部2には例えば、起歪体に歪ゲージが貼り付けられたロードセルなどが内蔵され、デジタルで入出力される。なお、指示計3には、各種の情報を記憶する記憶部なども設けられている。
そして、本発明では、前記計量装置1とは別個に、使用場所の重力加速度に対応したスパン補正を行わせるための補正用装置10が設けられ、重力加速度に関するスパン補正を行う必要がある計量装置1の設置時に、前記補正用装置10が、計量装置1の使用場所に持ちこまれて計量装置1に接続される。
本発明の実施の形態に係る計量装置の補正方法を説明する前に、まず、補正用装置10について説明する。
この実施の形態では、補正用装置10が本体部11とプリンタ12とで構成されている。なお、図1における11aは、補正用装置10の本体部11に設けられ、各種データ等を表示する表示部(補正終了表示灯なども設けられている)、11bは各種データを入力したり選択したりするための操作入力部であり、補正開始押しボタン等も設けられている。また、補正用装置10には、図示しないが、各種データを記憶する記憶部も有している。図1における4は、補正用装置10と計量装置1とを接続して各種データ(情報)を入出力する接続ケーブル、5は補正用装置10において本体部11とプリンタ12とを接続する接続ケーブル、6は計量装置1において台部2と指示計3とを接続する接続ケーブルである。
図1、図2に示すように、補正用装置10の本体部11は、その四隅部分に脚部13aが設けられた基台部13と、この基台部13上に立設して配設された支持部14上に取り付けられた計量部としてのロードセル23と、一定質量(例えば10kg)の錘16と、ロードセル23に対して錘16の荷重を負荷または離脱させる錘係脱機構17と、基台部13の一端部に取り付けられて、補正用装置10の本体部11が水平姿勢に維持されていることを確認する水準器18と、基台部13上に設けられて、基台部13のX方向(例えば図1、図2における左右方向)とY方向(例えば図1および図2における奥行方向および紙面直交方向)との傾斜角度(水平度)を検知する傾斜センサ19、などを備えている。
ここで、基台部13の四隅部にそれぞれ取り付けられた脚部13aは上下位置を調節可能なレベルボルトにより構成されており、基台部13の一部から側方に突出された部分に保持された水準器18内の気泡を見ながら脚部13aで高さを調節することで、基台部13、ひいては補正用装置10が良好な水平姿勢に設置できるようになっている。
また、ロードセル23は、補正対象となる計量装置1が、本実施の形態のように高精度、例えば6000目量を超える特定計量器であっても良好な重力加速度補正を行えるようにするため、以下のように構成されており、これにより極めて高精度の重力加速度補正を実現できる。
ロードセル23は、図2、図3に示すように、エリンバなどの恒弾性材料により構成された起歪体21に歪ゲージ22を貼り付けた構成とされている。起歪体21の恒弾性材料としては、エリンバを用いると好適であるが、これに限るものではなく、Ni−SPAN−C(商標)等を用いてもよい。また、この実施の形態では、起歪体21は、その一方側(例えば、図2、図3(a)において左側)に、負荷が作用する荷重受部21aが形成され、他方側(図2、図3(a)において右側)に、所定位置に固定される固定部21bが形成され、また、上部と下部とに奥行方向に貫通する複数の貫通孔21cがそれぞれ形成されている(この実施の形態では、上部と下部とにそれぞれ幅方向に貫通する3つの貫通孔21cが横方向につながるように形成されている)。また、正面視して、これらの上部と下部との貫通孔21cの間に、厚み方向に対して中心となる箇所に薄肉の薄肉部21dが形成されており、この薄肉部21dの両面にそれぞれ複数枚の歪ゲージ22(この実施の形態では剪断型歪ゲージ)が貼り付けられ、これら複数枚の歪ゲージ22が互いに接続されてブリッジ回路が形成されている。
歪ゲージ22の材料としては、例えば、全てコンスタンタン(Cu−Ni合金)が用いられているが、これに代えて、ブリッジ回路を形成する複数の歪ゲージ22として、ゲージ率の温度変化が正の歪ゲージと負の歪ゲージとを組み合わせて接続してもよい。例えば、4枚の歪ゲージ22によりブリッジ回路を形成し、これらの4枚の歪ゲージ22のうち、2枚はコンスタンタン(Cu−Ni合金)(ゲージ率の温度係数(温度変化率):約+100ppm/℃)、2枚はカルマ(商標)(Ni−Cr合金)(例えば、ゲージ率の温度係数:約−150ppm/℃)を使用してもよい。なお、カルマについては、熱処理方法により、ゲージ率の温度係数を約−150〜−650ppm/℃の範囲で異ならせる(制御する)ことができ、上記の場合には、ゲージ率の温度係数が約−150ppm/℃のものを用いた場合を示しているが、これに限るものではない。
また、起歪体21には、薄肉部21dにおいて歪ゲージ22に近接して温度センサ25が貼り付けられている。なお、図示しないが、歪ゲージ22や温度センサ25が配設される箇所は樹脂で覆われたり、カバーで覆われたりして、直接には外気に触れないように配設されている。
上記のように、起歪体21を恒弾性材料により構成することで、ロードセル23における起歪体21のヤング率の温度変化を最小限に抑えて、起歪体21の過渡温度特性の影響を最小限に抑えている。具体的には、例えば恒弾性材料の代表例としてのエリンバを用いることで、起歪体21のヤング率の温度係数(温度変化率)を約10ppm/℃程度に抑えることができる(これに対して、起歪体のヤング率の温度係数は、起歪体の材料として一般に用いられている合金鋼を用いた場合は約280ppm/℃であり、アルミ合金の場合は約550ppm/℃である。)。このように、起歪体21が恒弾性材料なので、歪を検出する薄肉部21dの断面内部と表面との間に温度差が生じても、ヤング率の温度変化は10ppm/℃以内と極めて小さい。
つまり、仮に、過渡温度変化時に起歪体21の歪検出部分の断面全体の平均ヤング率に対応する温度と、起歪体21の表面温度との差が0.2℃あった場合でも、温度感度の補正を適切に行うことで、起歪体2に起因する温度変化による誤差が、10ppm/℃×0.2℃=2ppm(1/500000)しか生じないことになる。
また、上記のように、歪ゲージ22として全てコンスタンタン(Cu−Ni合金)(ゲージ率の温度係数(温度変化率):約+100ppm/℃)を使用した場合でも、ロードセル23全体の温度感度特性は10+100=110ppm/℃となり、起歪体の材料として合金鋼を用いた場合の380ppm/℃の約1/3.7、アルミ合金を用いた場合の650ppm/℃の1/6となり、計量精度を大幅に向上させることができる。
しかも、歪ゲージ22のゲージ率の温度変化については、起歪体21の表面温度のみに影響されるので、上記のように歪ゲージ22に近接した位置に温度センサ25を設置することで、歪ゲージ22の温度変化に追従して温度補正が十分可能となり、ロードセル23全体の温度感度の過渡特性が向上する。なお、温度センサ25に代えて、温度補償用抵抗を配設してブリッジ回路に接続してもよい。
また、上記のように、ブリッジ回路を形成する4枚の歪ゲージ22のうち、2枚はコンスタンタン(Cu−Ni合金)、2枚はカルマ(商標)(Ni−Cr合金)を使用すると、ゲージ率の温度変化率(温度係数)はトータルとして100−150=約−50ppm/℃となり、ロードセル23の温度感度特性は10−50=−40ppm/℃とさらに小さくなるので、最終的に温度感度補正する温度センサ25の補正値が小さくなり、ロードセル23全体の温度感度の過渡特性がさらに向上する。
これにより、例え、温度変化の大きな環境で用いたとしても、過渡温度特性の影響を最小限に抑えることができて、高精度で再現性のある値(出力)を得ることができる。
そして、図2に示すように、ロードセル23の荷重受部21aから側方に突出するように、錘16を載せるためのハンガー41が固定されており、前記した錘係脱機構17により、ハンガー41に対して、一定質量の錘16を載せたり、離脱するよう構成されている。錘係脱手段17は、基台13のロードセル23とは反対側に固定された固定アーム42と、この固定アーム42の上端に設けられた回転支持軸43を中心として揺動自在の揺動アーム44と、この揺動アーム44の中間部に取り付けられた摺動ローラ45と、この摺動ローラ45に下方から摺接する錘昇降用カム46と、この錘昇降用カム46を回転する図示しない回転モータとからなる。
そして、揺動アーム44の先端に形成されたV状溝44aに、錘16の保持軸16aが載せられ、前記回転モータを駆動させて錘昇降用カム46を回動させることで、錘16が、ハンガー41に載った状態(詳しくは、ハンガー41に形成されたV状溝41aに載った状態)と、ハンガー41から離反して、揺動アーム44により保持された状態とに切り換えられる。なお、錘16の質量は、既知であり、ロードセル23に対応した計量領域のものが用いられる。また、重力加速度に対応させるスパン補正を行わない時には、錘16をハンガー41から離反させ、錘16の荷重がロードセル23に負荷していない状態に保持される。
前記計量装置1は、補正対象となる計量装置1がその製造会社において製品化され、出荷用の検査が行われた後に、当該検査場所(製造調整場所)で、補正用装置10と接続され、後述する処理(使用場所での補正を行うための準備作業)が行われる。
ここで、補正用装置10と計量装置1とを接続する接続ケーブル4は、所定長さであり、延長できないものが用いられる。同一建屋内でも、計量装置1の配設場所と補正用装置10の配設場所との高度差が10mある場合には、約1/49万の重力加速度差が発生する。接続ケーブル4の長さが規定長さ以上に延長できないようにすることで、重力加速度差を制限したり、その他の誤差を防ぐようにしたりする。製造会社等の製造調整場所内で、計量装置1と補正用装置10とが少し離れて配置される場合でも、計量装置1の配設場所と、補正用装置10の配設場所との間の重力加速度の差は1/10万程度以下であるようにしておけば、補正用装置10の精度上、問題はない。
また、製造調整場所において、補正用装置10は、経時的な温度変動による誤差の影響を最小限に抑えるため、所定温度(例えば20℃)に維持されている領域、例えば恒温室などに設置する。
このような状態で、製造調整場所において補正用装置10と計量装置1とを設置して接続ケーブル4で接続した状態で、まず、製造調整場所での操作を行う操作者が、所定の操作または所定のボタンを押すことで、製造調整場所での稼動であることを補正用装置10の制御部(図示せず)に認識させる。
ここで、図4(a)は、製造調整場所において計量装置1に補正用装置10を接続して、計量装置1に出力する各種の出力情報をプリンタ12で印字した例を示しており、以下、この図4(a)を参照しながら説明する。なお、プリンタ12の印字に代えて、あるいはこれと並行して、補正用装置10の本体部11に設けられた表示部11aに表示させてもよい。
上記のように、操作者が所定の操作を行ったり、所定のボタンを押したりすることで、製造調整場所での稼動であることを補正用装置10が認識すると、プリンタ12などから、図4(a)に示すように、「調整地(チョウセイチ)」での作業であることが、確認のために出力される。なお、製造調整場所名を操作者等が記載したり、入力して出力させるように構成してもよい。
次に、操作者が、補正用装置10の識別番号(ID)と、計量装置1の識別番号(ID)とを入力する。なお、計量装置1の識別番号(ID)については、予め計量装置1に記憶させておき、所定の操作を行うことで計量装置1から補正用装置10へ計量装置1の識別番号(ID)が自動的に入力されるようにしてもよい。この入力操作により、補正用装置10の識別番号(ID)と計量装置1の識別番号(ID)とが補正用装置10により認識され、出力される。図4(a)においては、補正用装置10の識別番号(ID)(例えば、JIKOHOSEI−001)と、計量装置1の識別番号(ID)(例えば、6YHU1000438)とがそれぞれ出力(表示または印字)された例を示す。
また、操作者により、今回の製造調整場所での準備作業の作業日時を入力する。この作業日時については操作者が手動で入力するようにしてもよいが、補正用装置10にタイマーを内蔵させ、このタイマーから日時情報を取得するよう構成してもよい。図4(a)に示した例においては、その実施した時刻情報、例えば年月日時等が出力される。
次に、補正用装置10が設置されている箇所の温度を、ロードセル23に設けられた温度センサ25により検知して出力する。ここで、この補正用装置10の設置場所は、20℃の恒温室とする。そして、この温度を補正用装置10の制御部において認識させるよう構成しておく。また、所定時間範囲内での温度変動が少ないことも補正用装置10の制御部において確認するよう構成しておく。なお、検出温度が前記設定温度範囲外であったり、温度変動が大きいことが検出された場合には、NG信号や警告信号を出力して操作者等に通知する。図4(a)に示した例においては、補正用装置10(のロードセル23)の温度が20℃であり、検出温度や温度変動に関し、問題ないことを示している。
次に、操作者は、補正用装置10に設けられた水準器18などを見ながら、補正用装置10の本体部11を予め水平姿勢に調整し、傾斜センサ19により測定した水平度を印字させる。すなわち、操作者が、水準器18を見ながら、水中の気泡が正しく中央にあり、良好な水平姿勢になっている状態に調節し、この際のX,Y方向の傾斜センサ19が傾斜0.0度を表示していることを確認してセットする。なお、傾斜センサ19は補正用装置10のロードセル23が、所定の水平度を保って、傾斜によって生じるスパン変化が必要な計量精度以内(例えば±0.5°)に収まっていることを監視するために設置されており、例えば±0.1°程度の感度が保証されているものを使用する。そして、補正用装置10の傾斜角度が所定範囲内(所定の水平度)である場合に、補正用装置10の傾斜角度とともに、補正用装置10の姿勢が良好であることを示すOK信号を出力する。
また、並行して、ロードセルユニット15の零点の確認動作を自動的に行わせ、前記温度情報や傾斜角度情報においてそれぞれOK信号が出力された場合に、これらが補正用装置10において自己認識され、準備が整ったことを示す表示灯を点灯させるなどして、操作者等に知らせる。
このように準備が整った状態で、操作者により、補正用装置10に設けられている負荷開始押しボタンが押されることで、重力加速度補正用の錘16がハンガー41に載せられ、ロードセルユニット15に荷重が負荷される。すなわち、ロードセルユニット15により、錘の荷重(錘の計量値)が補正用装置10の最大分解能で計量され、この錘の荷重に対応する計量値(錘の計量値=質量値×出荷地の重力加速度の情報)または荷重相当値(例えば、ロードセルユニット15からの出力カウント数)の情報が出力される。
なお、製造工場(製造調整場所)での、重力加速度が、例えば、1/50000以下の精度で既知であるのなら、荷重相当値W1をその重力加速度G1にセットしておく。
上記補正用装置10内での計量動作により、例えば、荷重相当値W1が100,000(例えばカウント数)である場合には100,000と設定され、製造調整場所での重力加速度G1がわかっていれば、その重力加速度G1に、例えば、9.79704と設定する。さらに、この時には、重力補正係数GF=1.00000とセットされ、計量装置1の指示計3の重力補正係数として記憶される。
このように、これらの情報は、プリンタ12で印字させて(または、表示部11aに表示させて)出力するとともに、これと同時に、補正用装置10の本体部11と計量装置1の指示計3との両者においてこれらの同じ情報を記憶させる。これにより、使用場所での補正を行うための、製造調整場所での設定動作を終了する。
この後、前記計量装置1を現地(使用場所)に設置した後、この計量装置1の重力加速度に対応するスパン補正を行う。すなわち、前記補正用装置10を、計量装置1が使用される使用場所に搬送し、使用場所における、前記工場調整時の温度と近い温度で調整されている空調設備のある部屋などに、補正用装置10を設置し、この補正用装置10と計量装置1とを接続ケーブル4で接続する。なお、上記したように、接続ケーブル4の長さは規制されているので、補正用装置10の設置場所と、計量装置1の設置場所との重力加速度の差は許容範囲内である。
このように補正用装置10と計量装置1とを接続した状態で、補正用装置10を稼動させ、まず、計量装置1の使用場所での補正であることを出力させ(なお、使用地の場所名を操作者等が記載したり、入力して出力させるように構成してもよい)、さらに、この補正用装置10の識別番号(ID)と、計量装置1の識別番号(ID)とを出力させる。この場合に、これらの識別番号が、計量装置1において予め記憶している識別番号と一致している場合のみ、以下の重力加速度に係る補正動作を行うことを許可するように設定し、少なくとも何れかの識別番号が記憶している識別番号と異なっている場合には、重力加速度に係る補正を行わないようにする。これにより、より信頼性がある、出荷時と同じ補正用装置10で重力加速度に対応したスパン補正動作(重力加速度補正)を行える。
次に、この重力加速度の検出動作を実施した時刻情報、例えば年月日時等を出力する。また、補正用装置10が設置されている設置箇所(使用地)の温度を、ロードセル23に設けられた温度センサ25により検知して出力する。ここで、この補正用装置10の設置場所は、計量装置1の製造検査時の際の温度と近いことが望ましく、例えば、10℃〜30℃の範囲内で、しかも温度が安定していることを判定し、前記温度範囲内で、かつ、所定時間範囲内での温度変動が少ないことを確認できた場合に限り、以下の重力加速度検出動作(スパン補正動作)を継続することを許可するOK信号を出力する。一方、検出温度が前記設定温度範囲外であったり、温度変動が大きいことが検出された場合には、NG信号や警告信号を出力して操作者等に通知し、前記温度範囲内の場所に配置することを促す。
また、補正用装置10の設置姿勢(水平度)が補正用装置10の傾斜センサ19により検出されて出力されるとともに、この設置姿勢が、良好な水平姿勢の傾斜角度範囲(例えば±0.5°)に収まっているかどうかが判定され、良好な水平姿勢の傾斜角度範囲内である場合に限り、以下の重力加速度検出動作(スパン補正動作)を継続することを許可するOK信号を出力する。設置姿勢が、良好な水平姿勢の傾斜角度範囲外であった場合には、警告信号を出力して操作者等に通知し、補正用装置10の設置姿勢の再調整を促す。なお、補正用装置10を設置する際には、予め、水準器18を見ながら、水中の気泡が正しく中央にあり、良好な水平姿勢になっており、この際のX,Y方向の傾斜センサ19が前記水平姿勢の傾斜角度範囲内であることを確認する。
また、並行して、ロードセルユニット15の零点の確認動作を自動的に行わせ、前記温度情報や傾斜角度情報においてそれぞれOK信号が出力された場合に、これらが補正用装置10において自己認識され、自己補正準備が整ったことを示す表示灯を点灯させるなどして、操作者等に知らせる。
このように準備が整った状態で、操作者により、補正用装置10に設けられている補正開始押しボタンが押されることで、重力加速度補正用の錘16がハンガー41に載せられ、ロードセルユニット15に荷重が負荷され、重力加速度補正動作が行われる。すなわち、ロードセルユニット15により錘の荷重=質量値×使用地の重力加速度が最高分解能で計量され、荷重相当値W2が、例えば99,985であることが計量され、または、この計量値に基づいて重力加速度G2が、例えば9.79557であることが算出され、出力(表示または印字)される。そして、同時にW1/W2若しくはG1/G2の演算処理によって重力補正係数GFが演算され、これに伴い、計量装置1の指示計3のスパン係数(質量に対するロードセルユニット15の出力値の傾き)が補正される。そして、補正演算が終了すれば、これらの情報は、プリンタ12で印字して(または、表示部11aに表示させて)出力される(すなわち、この際には、図4の(a)に示す印字部分と(b)に示す印字部分との両者が印字される)とともに、補正用装置10の本体部11と、計量装置1の指示計3との両者においてこれらの結果が記憶される。
この後、補正用装置10に設けられている補正終了表示灯が点灯し、補正作業終了となる。
これにより、使用場所の重力加速度に良好に対応したスパン係数の補正(重力加速度補正)を行うことができる。この結果、良好に補正された計量装置1により、現地での重力加速度に厳密に適合した計量を行うことができて、計量精度を高めることができるとともに、信頼性も向上する。
なお、上記のように補正を行った後は、補正用装置10はこの補正用装置10の製造会社(または製造後に調整した会社等)に返却し、製造会社等では、次の他の計量装置1に対応すべく、補正用装置10において錘16をハンガー41に載せて再度調整しておき、新たな識別番号(ID)が付与される。そして、他の計量装置1を製造調整する際に、同様に接続されて処理され、使用場所でのスパン補正を同様に行う。
上記の補正方法によれば、補正対象となる計量装置1において、使用場所の重力加速度に対応するようにスパン補正を行う必要性があるとき、すなわち、計量装置1の設置時に、この計量装置1の設置場所(使用場所)に補正用装置10を配設して、前記計量装置1と補正用装置10とを接続することで、良好に使用場所の重力加速度に対応した計量値のスパン補正を行うことができる。
したがって、計量装置1を使用するユーザ(使用者)は補正用装置10を所有しなくても済み、また、計量装置1には、計量するための機能以外の余分な機構の追加を必要としなくなり、この結果、計量装置1の製造コストの増加を抑えることができて、ユーザ(使用者)の購入費用も安価となる。また、補正用装置10は、製造会社側で備える場合が多いと考えられるが、この補正用装置10についても再調整を行うことで何度も使用できるので、準備する台数も最小限に抑えることが可能となり、この結果、製造会社の費用負担も少なくて済む。
また、計量装置1の補正方法に用いられる補正用装置10として、恒弾性材料により構成された起歪体21に歪ゲージ22を貼り付けたロードセル23を用いることで、ロードセル23の起歪体21のヤング率の温度変化を最小限に抑えることができて、起歪体21の過渡温度特性の影響を最小限に抑えることができ、6000目量を超える高精度の計量を再現性よく行えるので、特定計量器などの高精度な計量装置1に対しても、使用場所の重力加速度の差異に起因するスパン補正を良好に行うことができる。
また、上記したように、起歪体21の表面部における歪ゲージ22の貼付箇所近傍に起歪体表面部の温度を検出する温度センサ25を配設することで、歪ゲージ22のゲージ率の過渡温度感度特性に関する誤差を殆ど無い状態にできる。また、ブリッジ回路の歪ゲージ22として、ゲージ率の温度係数が正の歪ゲージ22と負の歪ゲージ22とを組み合わせて接続することにより、ブリッジ回路の歪ゲージ22のゲージ率の温度変化を、最小限に抑えることができて、このブリッジ回路を備えたロードセル23を用いることで高精度で再現性のある計量を行うことができて、使用場所の重力加速度の差異に起因するスパン補正を良好に行うことができる。
なお、補正用装置10の構造としては、図2、図3に示す構造に限らない。
すなわち、図2、図3に示すロードセル23に代えて、図5〜図7に示すロードセルユニット15を用いてもよい。この実施の形態においては、ロードセルユニット15が、前記ロードセル23と同様の構造でありながら、前記ロードセル23よりも小型であるロードセル23’が用いられており、このような高精度のロードセル23’を、いわゆるブロック状平行ビーム型のロバーバル機構からなるロバーバルブロック24の内部に組み込んだ構成とされている。ここで、ロバーバルブロック24は、上下に平行なビーム部24a,24bと固定部24cと荷重受部24dとが薄肉部24fを介して一体的に接続されて構成されてなり、ロバーバルブロック24の内部の空間部24gに、小型のロードセル23’を組み込んだ構成とされている。
ロバーバル機構からなるロバーバルブロック24は、例えば、アルミ合金などで押し出し成形または機械加工したものが使用される。そして、ロバーバルブロック24の固定部24cの内壁部に、ロードセル23’における起歪体21の固定部21bをボルト26などにより固定している。
また、ロバーバルブロック24の荷重受部24dには、この荷重受部24dの両側面から、ロバーバルブロック24の内部の空間部24gにおける上方寄り側に延びてロバーバルブロック24の厚み方向につながる、平面視略コ字形状の支持アーム27が固定されている。また、この支持アーム27における、ロバーバルブロック24の空間部24gに内に突出した部分の厚み方向中間部から下方に突出するように、荷重受部24dに作用する荷重を支持アーム27を介して伝達する負荷金具28が取り付けられている。さらに、この負荷金具28からの荷重が、上下に球面部が形成された円柱状のロッカーピン29を介して、ロードセル23’の荷重受部23aに作用するように配設されている。
なお、ロッカーピン29の上面球面部分と下面球面部分とに当接する負荷金具28の当接面とロードセル23’の荷重受部21aの当接面とは、それぞれ平面形状とされ、負荷金具28とロードセル23’の荷重受部21aとの荷重の負荷位置(荷重点)を鉛直方向に一致させるよう構成されている。また、負荷金具28の下部(ロッカーピン29の上面球面部分が当接する負荷金具28の当接面の外周部)はその外周部分が下方に延びる鍔形状とされ、また、ロードセル23’の荷重受部21aにおけるロッカーピン29の下面球面部分が当接する当接部分の外周部はロッカーピン29の直径よりも若干太径の孔部が形成され、この孔部の一部に収容されたOリング30がロッカーピン29の下部に接触する状態でロッカーピン29が配設されている。また、ロッカーピン29の上部が、負荷金具28の下面部の鍔形状部分から離脱することを防止すべく、ロバーバルブロック24の荷重受部24dが過度に上方に移動することを阻止する上向きストッパ(ボルトを加工して形成したもの)31がロバーバルブロック24の荷重受部2aの下部にねじ込まれており、その先端部がロードセル23’の荷重受部21aの下面部近傍箇所に突出されている。
そして、このように、ロバーバルブロック24の内部にロードセル23’を組み込んだ構成とすることで、ロバーバルブロック24の荷重受部24dに作用する荷重における、鉛直方向に沿う荷重は、負荷金具28、ロッカーピン29等を介してロードセル23’に作用してこのロードセル23’が負担し、また、鉛直方向以外の荷重が作用した場合に生じる曲げ、捩りモーメントはロバーバルブロック24が負担することとなる。
このように、この実施の形態では、ロバーバル機構であるロバーバルブロック24の内部に、ロードセル23’を組み込むことで、材料単価や加工費が高い恒弾性材料からなる起歪体21を備えたロードセル23’として小型のものを用いることができて、コストアップ費用を抑えている。また、ロードセル23’を、ロバーバル機構からなるロバーバルブロック24の内部に組込むことで、ロードセルユニット15に対して負荷が作用した際に、仮にこの負荷に横荷重や曲げや捩れなどの非鉛直荷重が含まれていたとした場合でも、前記非鉛直荷重がロバーバルブロック24により受けられ、ロードセル23’には非鉛直荷重が除かれた鉛直荷重だけが良好に作用し、高精度に計量できる。
さらに、ロードセルユニット15におけるロバーバルブロック24の薄肉部24f、またはその近傍箇所に、ロバーバルブロック24の温度を検出する温度センサ32を取り付けてもよく、この場合には、ロードセルユニット15に対して負荷が作用した際に、ロバーバルブロック11の荷重分担率が比較的大きい場合(例えば3%)でも、この温度センサ32で検出した温度に基づいて補正することで、計量精度が低下することを防止している。
そして、図5に示すように、ロバーバルブロック24の荷重受部24dから側方に突出するようにハンガー41が固定されており、前記した錘係脱機構17により、ハンガー41に対して、一定質量の6を載せたり、離脱させたりできるよう構成されている。
このようなロバーバル機構からなるロバーバルブロック24に、恒弾性材料からなる起歪体21を備えたロードセル23’を組み込んだロードセルユニット15を用いることにより、製造コストを抑えながら、極めて高精度に計量することができる検査用装置10を実現でき、使用場所の重力加速度の差異に起因するスパン補正を極めて良好に行うことができ、信頼性が向上する。
なお、図2、図3に示す実施の形態の補正用装置10や図5〜図7に示す実施の形態の補正用装置10の計量精度は、例えば10000目量の特定計量器としての計量装置1のスパン補正に使用する場合ならば、零点出力をリセットした後の、錘16の荷重値の出力の再現性が、使用温度範囲10〜30℃の間で、1/20000以下で、かつその計量分解能が20万カウント以上であればよい。すなわち、補正用装置10として高精度のデジタルロードセルユニットなどの計量装置を使用して、毎回、製造会社の工場内の恒温室で校正動作を行っておけば、各々現地(使用場所)で、十分な再現性を確保することができる。
なお、国土地理院のホームページには、各地域における重力加速度の値を示すデータが記載されているので、計量装置1を設置する現地住所が分かれば、前記国土地理院のホームページにおいて示されている重力加速度と、上記のようにして検出された重力加速度とを比較、確認しておくことで、さらに良好な信頼性を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る計量装置の補正方法を実施している状態を簡略的に示す図である。 同実施の形態に係る補正方法を実施する際に用いる補正用装置の内部を示す図である。 (a)は補正用装置に内蔵されたロードセルの正面図、(b)は図3(a)のIIIb−IIIb線矢視断面図である。 (a)および(b)はそれぞれ本発明の補正方法で用いたプリンタの印字例である。 他の実施の形態に係る補正用装置の内部を示す図である。 (a)および(b)は補正用装置に内蔵されたロードセルユニットの左側面図および正面図である。 同ロードセルユニットの斜視図である。
符号の説明
1 計量装置
2 台部
3 指示計
10 補正用装置
11 本体部
12 プリンタ
15 ロードセルユニット
16 錘
17 錘係脱機構
18 水準器
19 傾斜センサ
21 起歪体
22 歪ゲージ
23 ロードセル
24 ロバーバルブロック(ロバーバル機構)
25、32 温度センサ

Claims (5)

  1. 補正対象となる計量装置に対して、計量値の重力加速度補正をする計量装置の補正方法であって、
    前記計量装置とは別個に設けられて、錘と、この錘の荷重を負荷可能な計量部とを有する補正用装置により、前記計量装置の製造調整場所において、前記錘を前記計量部に負荷させて計量し、
    計量装置の使用場所において前記補正用装置を計量装置に接続し、前記補正用装置において、前記錘の荷重を計量部に負荷して計量し、前記製造調整場所での計量値と前記使用場所での計量値との比に対応して計量装置のスパン補正を行うことを特徴とする計量装置の補正方法。
  2. 請求項1に記載の計量装置の補正方法に用いられる補正用装置であって、
    恒弾性材料により構成された起歪体に歪ゲージを貼り付けたロードセルと、補正検出用の錘と、ロードセルの荷重受部に対して前記錘の荷重を負荷または離脱させる錘係脱手段とを備えていることを特徴とする補正用装置。
  3. 請求項1に記載の計量装置の補正方法に用いられる補正用装置であって、
    恒弾性材料により構成された起歪体に歪ゲージを貼り付けたロードセルを、ロバーバル機構からなるロバーバルブロックに組込んでなるロードセルユニットと、補正検出用の錘と、ロードセルユニットのロバーバルブロックの荷重受部に対して前記錘の荷重を負荷または離脱させる錘係脱手段とを備えていることを特徴とする補正用装置。
  4. 補正用装置に温度センサを備え、計量装置の製造調整場所における補正用装置の調整時配置場所温度を検出し、この後、計量装置の使用場所において補正用装置を計量装置に接続して前記温度センサにより補正用装置の使用時配置場所温度を検出し、この使用時配置場所温度が、前記調整時配置場所温度に近い所定温度範囲内であるときに限り、スパン補正の実行を許容することを特徴とする請求項1記載の計量装置の補正方法。
  5. 補正用装置に傾斜センサを備え、計量装置の使用場所において補正用装置の水平度を前記傾斜センサにより測定し、補正用装置の水平度が所定傾斜角度範囲内であるときに限り、スパン補正の実行を許容することを特徴とする請求項1記載の計量装置の補正方法。
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