JP2008255002A - ガラス繊維用ガラス組成物、ガラス繊維、ガラス繊維の製造方法及び複合材 - Google Patents
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Abstract
【課題】屈折率が1.47〜1.56の透明樹脂との光学恒数の整合性が高く、樹脂との親和性が高く、熔解性や紡糸性が良好で、化学的耐久性に富むガラス繊維用ガラス組成物とガラス繊維、ガラス繊維の製造方法、及び有機樹脂との複合材を提供する。
【解決手段】ガラス組成物は、酸化物換算の質量百分率表示でSiO2 60〜75%、Al2O3 0〜10%、B2O3 0〜20%、Li2O+Na2O+K2O 5〜15%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 0〜10%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜10%の組成を有する。ガラス繊維は上記のガラス繊維用ガラス組成物よりなる。ガラス繊維は、耐熱性容器内で本発明のガラス組成物を熔融し、その熔融ガラスを連続的に耐熱性ノズルより引き出し、その表面に薬剤を塗布、連続的に巻き取ることにより繊維化する。前記ガラス繊維と有機樹脂とを複合化して複合剤とする。
【選択図】図1
【解決手段】ガラス組成物は、酸化物換算の質量百分率表示でSiO2 60〜75%、Al2O3 0〜10%、B2O3 0〜20%、Li2O+Na2O+K2O 5〜15%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 0〜10%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜10%の組成を有する。ガラス繊維は上記のガラス繊維用ガラス組成物よりなる。ガラス繊維は、耐熱性容器内で本発明のガラス組成物を熔融し、その熔融ガラスを連続的に耐熱性ノズルより引き出し、その表面に薬剤を塗布、連続的に巻き取ることにより繊維化する。前記ガラス繊維と有機樹脂とを複合化して複合剤とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、可視光に対して透明な複合材料の構成部材に使用されるガラス繊維用ガラス組成物、ガラス繊維、ガラス繊維の製造方法及び複合材に関する。
各種の複合材料を構成するために利用されるガラス繊維(ガラスファイバともいう)は、その強度や弾性等の機械的な性能に加え、複合材料とした際の難燃性や軽量性等が優れているため、様々な性能が要求される構造材や機能材等として多くの用途で使用されている。そして次代を担う情報産業や電子産業という限られた分野に限定しても、プリント配線基板、絶縁板やIC用基板、各種端子板、電子部品等の電子機器ハウジング材などの用途でガラス繊維は欠かせないものとなっている。このようなガラス繊維の製造では、略矩形状の外観を呈して耐熱性を有する貴金属製のブッシング(白金加熱容器ともいう)と呼称される成形装置を使用して連続的に成形、紡糸するということが一般に行われている。このブッシングの構造は、熔融ガラスを滞留させるよう機能する器状の形態を有しており、この耐熱性の容器の底部には鉛直方向に多数のノズルが配設され、ガラス熔融炉で均質な状態にされた熔融ガラスは、容器内でその高温粘性が103dpa・sに相当する成形温度(紡糸温度ともいう)近傍の温度に管理されたのち、これらの耐熱性ノズルから引き出されてガラス繊維とされている。
ガラス繊維と有機樹脂材とを複合化する際に各種の透明な有機樹脂材とガラス繊維の屈折率およびアッベ数を合わせることによって可視光を透過する複合材とすることができる。例えば、透明複合材の用途として代表的なものに画像表示用基板用途の複合材料がある。本用途についてはこれまでにも複数の発明が行われている。
例えば特許文献1には、屈折率が1.45〜1.55のガラス繊維とこれに対応する樹脂とを組み合わせてアッベ数が45以上の透明複合体組成物とする発明が開示されている。また特許文献2には、ガラスフィラーとの屈折率差が0.01以内の膨張係数の小さい透明複合体組成物としてオキシシラン酸素濃度から求めた純度が85%以上のエポキシ樹脂を使用するという発明が開示されている。さらに特許文献3や特許文献4には、ポリカーボネート樹脂との屈折率差が0.001以内とするガラス繊維の組成が開示されている。また特許文献5には、透明性、着色性、表面外観が向上したガラス繊維熱可塑性樹脂複合材としてガラス繊維と芳香族ポリカーボネート等の樹脂を所定配合比で含有させたものが開示されている。特許文献6には表示装置用基板として使用できるものとして、ガラス繊維製布状体と樹脂との屈折率差が0.01で、しかも樹脂のヘイズ値が10%以下となるように構成された樹脂シートが開示されている。また特許文献7には、ガラス基板に代替する透明複合シートとしてガラス繊維の軸方向が10度〜80度ずれるように積層されているものが発明されている。
特開2004−231934号公報
特開2006−176586号公報
特開2006−22235号公報
特開2006−22236号公報
特開2006−348299号公報
特開2005−156840号公報
特開2005−297312号公報
しかしながら、充分な機械的性能を有し、しかも多様な光学的性能を実現することができ、失透等のガラス欠陥の発生を抑制することが容易であり、高い性能を発揮することができる優れた外観品位を有し、さらに効率的な製造が可能なガラス繊維を実現するには、これまでに提供された発明だけでは不十分であり解決すべき問題点があった。
すなわち高い光学特性を発揮させるには、それに見合う可視光線の透過性が必要になるが、これまでに提供されたガラス繊維と有機樹脂を複合化した複合材料では可視光線の全波長域、すなわち340nmから800nm程度までの波長域についての高い透過性を実現できるものはなく、特定の波長の光線については高い透過性を実現できても、他の波長の光線については透過率が不足して、得られた複合体が着色して見えるという問題があった。またこの用途の複合材料は、従来よりも薄板状にしても充分に高い機械的な強度性能が求められるが、光学的な性能を適正値にしようとすると、ガラス繊維の製造時に熔融ガラス中から結晶が析出し易いものとなり、成形されたガラス繊維中に混入した結晶異物によって、ガラス繊維物品に失透が生じ、ガラス繊維の製造効率が低下するという問題もある。
本発明者は、ガラス繊維製造の際に熔融ガラス中に生成する各種のガラス欠陥を抑えたものとすることで安定したガラス繊維の生産が可能となり、その結果欠陥のない優れた品位を有する複合材料用途のガラス繊維を効率よく製造することにより、複合材としてガラス繊維が利用される場合にガラス繊維を複合化した後の複合材料が充分に高い光学性能に加えて強度性能等についても高い性能を実現することが可能となるという点に注目した。
前記した特許文献1、2そして特許文献5、6、7については、いずれもガラス繊維に関する各種の性能や材質に関して着目したものではない。例えば特許文献1に記載のあるSガラスは、確かに屈折率やアッベ数は所望の値となるが、Al2O3含有量を20質量%以上含有させることによって強度を向上させたものであるため、ガラスの熔解性に支障の生じることが多く生産効率が高いものとは言えない。さらに特許文献2にも既存のガラス繊維用の材質、すなわちEガラスやTガラス、Cガラス、Aガラス等が示されているが、いずれも本願発明としては好ましいものではない。また特許文献3、4については、ポリカーボネートとの親和性のみについて注目したガラス繊維材質に関するものであるため、より多くの透明樹脂材との組み合わせに関して考慮したものではない。
本発明は、上記のような問題点について研究を重ね、エポキシ樹脂、環状オレフィン樹脂、アクリル樹脂等の屈折率が1.47〜1.56の透明樹脂との光学恒数の整合性が高く、さらに樹脂との親和性が高く接着性に優れ、ガラスの製造工程における熔解性や紡糸性が良好で、しかも化学的耐久性に富んだガラス繊維用ガラス組成物とガラス繊維、さらにこのガラス繊維の製造方法と本発明のガラス繊維を使用して複合化された複合材を提供することを課題とする。
本発明のガラス繊維用ガラス組成物は、酸化物換算の質量百分率表示でSiO2 60〜75%、Al2O3 0〜10%、B2O3 0〜20%、Li2O+Na2O+K2O 5〜15%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 0〜10%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜10%のガラス組成を有することを特徴とする。
また本発明の好ましい実施形態のガラス繊維用ガラス組成物は、酸化物換算の質量百分率表示でSiO2 60〜75%、Al2O3 0〜10%、B2O3 0〜20%、Na2O 0〜9%、Li2O+Na2O+K2O 5〜14%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 0〜10%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜5%のガラス組成を有することを特徴とする。
また、本発明のさらに好ましい実施形態のガラス繊維用ガラス組成物は、酸化物換算の質量百分率表示でSiO2 60〜75%、Al2O3 0〜10%、B2O3 0〜20%、Na2O 0〜9%、Li2O+Na2O+K2O 5〜14%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 0〜8%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜5%のガラス組成を有することを特徴とする。
ここで、酸化物換算の質量百分率表示でSiO2 60〜75%、Al2O3 0〜10%、B2O3 0〜20%、Li2O+Na2O+K2O 5〜15%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 0〜10%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜10%のガラス組成を有する、あるいは酸化物換算の質量百分率表示でSiO2 60〜75%、Al2O3 0〜10%、B2O3 0〜20%、Na2O 0〜9%、Li2O+Na2O+K2O 5〜14%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 0〜10%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜5%のガラス組成を有する、あるいは酸化物換算の質量百分率表示でSiO2 60〜75%、Al2O3 0〜10%、B2O3 0〜20%、Na2O 0〜9%、Li2O+Na2O+K2O 5〜14%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 0〜8%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜5%のガラス組成を有するとは、以下のようなものである。
すなわち、化学分析や機器分析等の各種測定手段を使用することによってガラスを構成する元素成分を酸化物換算で表示すると、ガラス組成はSiO2成分が60質量%から75質量%の範囲にあり、Al2O3成分が10質量%以下、B2O3成分が20質量%以下、Li2O成分とNa2O成分とK2O成分の合量が5質量%から15質量%の範囲にあり、MgO成分とCaO成分とSrO成分とBaO成分とZnO成分の5成分の合量が10質量%以下、TiO2成分が10質量%以下であり、そしてZrO2成分が10質量%以下であることを表している。
また、本発明の好ましい実施形態では、上述に加えてNa2Oが9質量%以下、Li2O成分とNa2O成分とK2O成分の合量が5質量%から14質量%、ZrO2成分が5質量%以下の範囲にあることを表している。また、本発明のさらに好ましい実施形態では、上述に加えてMgO成分とCaO成分とSrO成分とBaO成分とZnO成分の5成分の合量が8質量%以下であることを表している。
以上のような本発明のガラス繊維用ガラス組成物を構成する各成分の含有率の限定理由について、以下で具体的に説明する。
SiO2成分はガラス構造において、その骨格をなす成分であって本発明のガラス組成物の主要構成成分であり、ガラス組成物中のSiO2成分の含有量が増加するほどガラスの構造強度が増加する傾向を有するものとなる。一方、ガラス組成物中のSiO2成分の含有量が増加すると、熔融ガラスの高温粘性値が大きくなるのでガラスの成形が容易なものではなくなり、その結果熔融法によりこのようなガラス組成物を高い効率で均質になるように製造しようとすれば、高価な設備が必要となり、またその製造時の設備管理等の点でも制約が生じることとなる場合がある。そしてガラス構造の強度を充分な状態となるように維持し、高い強度を有するものとするには、SiO2成分の含有量は少なくとも60質量%以上とすることが必要であり、より好ましくは63質量%以上とすることである。一方高い成形性を確保し、しかもガラスの熔融に過剰な熱エネルギーを要しないようにし、ガラス繊維を製造する際の生産性を確保するには75%以下の含有量とすることが必要である。
Al2O3成分はガラスの化学的、機械的な安定性を実現するために有効な成分であり、ガラス中に適量だけ含有されることによって、熔融ガラス中での結晶の晶出を抑制する効果を有するが、多量に含有すると熔融ガラスの粘性を増加させることになるため、ガラス組成中のAl2O3成分の含有量は10質量%以下とする必要がある。また、Al2O3成分は、ガラスの弾性率を高くする成分であって、Al2O3成分の含有量が多いほど、成形されたガラスの外部から印加される力に対してそのガラスが変形し難いものとなる。このため、ガラス繊維の紡糸に適正な状態に維持でき、しかも結晶の析出を抑止する効果や弾性率を高める効果を十分に得る為にはAl2O3成分の含有量は1質量%以上とすることが好ましい。
B2O3成分はSiO2成分と同様にガラス構造の骨格をなす成分であるが、SiO2成分のように熔融ガラスの高温粘性を大きくすることはなく、むしろ高温粘性を低下させる働きを有する。しかしB2O3成分はガラス組成中の含有量が多くなりすぎると熔融ガラスからのB2O3成分の蒸発量が多くなり、熔融ガラスを均質な状態に維持するのが困難となる。またB2O3成分が多くなるとガラスが分相し易くなる傾向もあり、分相が生じると化学的な耐久性や光学的な性能面で支障が生じる場合もあるので好ましくない。このような観点から、B2O3成分のガラス組成中の含有率は20質量%以下とする必要がある。また、ガラス構造の骨格としてガラス構造強度を維持しながら、高温粘性を低下させるのに効果を大きくするためにはB2O3成分の含有量は3質量%以上であることが好ましい。
TiO2成分は、ガラス組成中で含有量が増加することでガラスの光学恒数である屈折率(nd)を上昇させ、アッベ数(νd)を減少させる成分である。またアルカリ金属元素を含有するガラス組成物については、アルカリ溶出量を抑制する効果も併せ持つ場合がある。このような効果が顕著である限り、TiO2成分は、0.1質量%以上の含有率とする方がより好ましく、さらに好ましくは0.3質量%以上とすることであり、一層好ましくは0.5質量%以上、最も好ましくは1.0質量%以上とすることである。そしてTiO2成分は、添加量によって屈折率やアッベ数を適正に調整するために有効な成分である。しかしガラス組成中のTiO2成分の含有量が増加すると、ガラスの屈折率が高くなりすぎる場合がある。またガラス組成中のTiO2成分の増加は、チタン(Ti)を含む結晶をガラス融液中に析出させ易くする傾向があり、またガラスの分相性を高めて珪素(Si)を含有する結晶をガラス融液中で析出させ易くする傾向もあり、熔融ガラスの失透性を高くするので均質なガラスを製造しようとする場合にその妨げとなる。またTiO2成分は、ガラス中の含有量が増加すると、ガラス組成によってはガラスを着色する場合もあるので好ましくない。このような観点からガラス中のTiO2成分の含有量は、ガラスと共に複合材料を構成する透明樹脂材のアッベ数(νd)と近似したものとし、しかもガラスの失透性を高めず、着色についても問題が生じることがなく安定したガラス材質とするには10質量%以下とすることが必要である。
ZrO2成分は、上述したTiO2成分と同様にガラスの屈折率(nd)を上昇させ、アッベ数(νd)を減少させる働きを有する成分であるが、TiO2成分とは異なりガラスを着色することのない成分である。しかしガラス組成中のZrO2成分の増加は、ジルコニウム(Zr)を含有する結晶物をガラス融液中で晶出させ易くし、失透によってガラス繊維の紡糸を妨げるものとなる傾向がある。このため屈折率等のガラス繊維の光学恒数を透明樹脂材に対して適正な値となるように調整し、しかも失透を抑制して安定したガラス繊維の製造を実現するためにはZrO2成分のガラス組成中の含有率の上限は10質量%とする、すなわち10質量%以下の含有率とすることが必要であり、さらに好ましくは5質量%以下とすることである。
Li2O成分、Na2O成分あるいはK2O成分として表されるガラス組成中の酸化物換算表示のアルカリ金属酸化物成分については、複数のガラス原料を混合した状態で加熱してガラス融液とする際に、ガラス融液の生成を容易にする、いわゆる融剤としての働きをするものであるが、ガラス組成中にTiO2成分を多く含有するガラスについては、ガラス融液中の失透を抑制する働きも有する。しかしアルカリ金属酸化物成分のガラス組成中の含有率が多くなり過ぎると、ガラス繊維を透明樹脂と共に使用して複合材料とする際に透明樹脂の硬化を阻害する場合もあり、また複合材料形成後のガラス繊維と透明樹脂との界面における接合強度がガラス組成中のアルカリ金属元素の影響により経時的に低下し、複合材料の強度を弱くすることになり、複合材料の構造材としての信頼性を低くするため好ましくない。またアルカリ金属酸化物成分のガラス組成中の含有率が多くなると、ガラスの屈折率が高くなり過ぎるので好ましくない。以上の観点からガラス組成中のLi2O成分、Na2O成分、K2O成分の質量%表示の合量値が5%以上となるようにすれば、ガラスを熔融する際に、これらの成分が融剤として充分な働きをしてガラスの製造を効率的なものとし、しかもガラスの屈折率を適正なものとし、TiO2成分を多く含有するガラスの失透傾向を是正する働きが著しいものとなる。一方ガラス組成中のLi2O成分、Na2O成分、K2O成分の質量%表示の合量が15%以下であると、ガラス繊維を透明樹脂と共に使用して複合材料を形成する場合に複合材料の屈折率が適正なものとでき、複合材料形成時に透明樹脂の硬化を妨げることもなく、成形された透明複合材料の透明性や強度を安定させることが可能となる。そしてこのような観点からより安定した性能を発揮させるためにはLi2O成分、Na2O成分、K2O成分の質量%表示の合量は、より好ましくは14質量%以下であることが望ましい。
またアルカリ金属酸化物成分の中でもNa2O成分はガラス表面から溶出する傾向が大きい成分であるため、ガラス表面からの溶出が生じることによって複合材を形成する場合に樹脂とガラス繊維の接着性に悪影響を生じる場合がある。このためNa2O成分については、好ましくは9質量%以下であることが望ましい。Na2O成分が9質量%以下であるとガラス表面からのアルカリ成分の溶出量が抑制でき樹脂とガラス繊維との界面の接着性にも問題が発生しにくいものとなる。
MgO成分、CaO成分、SrO成分、BaO成分及びZnO成分の二価の酸化物として表示される5成分については、いずれもアルカリ金属酸化物成分程ではないものの、ガラス原料を熔融しやすくする融剤としての働きを有しガラスの熔融を容易にする。また屈折率やアッベ数等の光学恒数を適正に調整するのに有効な成分であるが、一方でこれらの成分の含有量を多くしすぎるとこれらの成分を含む結晶が析出しやすくなるため好ましくない。また、ガラスの屈折率ndが大きくなりすぎるため好ましくない。このような観点からこれらのMgO成分、CaO成分、SrO成分、BaO成分及びZnO成分の合量については、10質量%以下とすることが必要であり、さらに好ましくは8質量%以下とすることである。
また、ZnO成分はアルカリ金属元素を含有するガラス組成物については、アルカリ溶出量を抑制する効果も併せ持つ場合がある。このような効果が顕著である限り、ZnO成分は、0.1質量%以上の含有率とする方がより好ましく、さらに好ましくは0.3質量%以上とすることであり、一層好ましくは0.5質量%以上とすることである。
本発明のガラス繊維用ガラス組成物は、本発明のガラス繊維用ガラス組成物の光学恒数や化学的耐久性、粘性等の性能に大きな影響を及ぼさない範囲で上記に加え必要に応じて各種の成分を添加することができる。本発明のガラス繊維用ガラス組成物の構成成分として使用できるものを具体的に例示するならば、P2O5、Fe2O3、Cr2O3、Sb2O3、As2O3、SO2、Cl2、F2、PbO、La2O3、WO3、Nb2O5、Y2O3、MoO3、CeO2等の希土類酸化物等を質量%表示で3%以下の含有量であれば含有することができる。
また特に高い透過率を必要とする場合であれば、これらの添加物の内、Fe2O3は少ない方が好ましいため、その上限は酸化物換算の質量%表示で1%以下とする方がよい。
また上述以外にも、微量成分を質量%表示で0.1%まで含有することができる。例えば、OH、H2、CO2、CO、H2O、He、Ne、Ar、N2等の各種微量成分が該当する。
また本発明のガラス繊維用ガラス組成物では、ガラス繊維用ガラス組成物の性能に大きな影響がないならば、ガラス中に微量の貴金属元素が含有してもよい。例えばPt、Rh、Os等の白金属元素を1000ppmまで含有してもよい。
また本発明のガラス繊維用ガラス組成物は、上述に加え屈折率(nd)が1.48〜1.55、アッベ数(νd)が65〜50の範囲の光学恒数を有するならば、高い可視域の透光性を有し、着色などの問題も発生することのない複合材料を構成するガラス繊維を提供することが可能となる。
ここで屈折率(nd)が1.48〜1.55、アッベ数(νd)が65〜50の範囲の光学恒数を有するとは、He光源による波長587.56nmのスペクトル光線(d線)に対するガラスの屈折率が1.48から1.55の範囲内にあり、しかもH光源による波長486.13nmのスペクトル光線(F線)の屈折率(nF)の値からH光源による波長656.27nmのスペクトル光線(C線)の屈折率(nC)の値を差し引いた数値を分母とし、屈折率(nd)から1を差し引いた値を分子として算出される値、すなわち(nd−1)/(nF−nC)として定義されるアッベ数(νd)の値が65から50の範囲内にあることを表している。
ガラスの屈折率(nd)が1.48より小さい値であると、透明樹脂であるエポキシ樹脂、アクリル樹脂あるいは環状オレフィン樹脂よりもガラス繊維の屈折率がはるかに小さくなり、透明樹脂に入射した可視光線の直進性が損なわれて入射光線が分散することになり、これらの透明樹脂と複合材料を形成しても無色かつ透明な複合材料とならないため複合材料としての透光性が損なわれるので好ましくない。一方屈折率(nd)が1.55よりも高い場合には、ガラス繊維と透明樹脂のアッベ数を一致させることが難しくなるため、ガラス繊維と透明樹脂のアッベ数の差が大きくなり、透明でない状態、あるいは透明であっても青、赤あるいは紫等に着色した状態になる。またアッベ数(νd)については、ガラスの屈折率が波長587.56nmばかりでなく可視域の波長範囲での透過性を実現するために必要となる限定であって、その値が65から50の範囲内の値であれば、可視光線の範囲について充分に高い透光性を有する複合材料を形成できるものとなる。アッベ数(νd)が50未満あるいは65を超える値となると、ガラス繊維と透明樹脂とのアッベ数の差が大きくなりガラス繊維を使用して形成された複合材料が透明でない状態、あるいは透明であっても青、赤あるいは紫等に着色した状態となるため好ましくない。
屈折率の測定は、小数点5桁までの屈折率を計測することができる標準試料により検定されたVブロック法等の計測方法を適用する計測装置を使用することによって計測することができる。またアッベ数についてはd光源、F光源、そしてC光源による計測によって得られた屈折率から算出することができる。
また本発明のガラス繊維用ガラス組成物は、上述に加えて1.0mmの肉厚に於ける波長350nmの光線の透過率が70%以上であるならば、透明樹脂材に使用することによって高い可視光領域に於ける短波長領域においても高い透過率を有する透明材を構成することが可能となるので、このガラス繊維用ガラス組成物よりなるガラス繊維を使用して複合材を構成した場合に、短波長側の透過率に着色原因となるような吸収が認められないので色付いたりすることもなく好ましい。
1.0mmの肉厚に於ける波長350nmの光線の透過率が70%以上であるというのは、所定のガラス組成となるようにガラスを熔融した後に、急冷して得られたガラス塊について鏡面研磨加工を施し、板厚が1.0mmの板ガラスとして分光光度計によって透過率の計測を行うことによって、その透過率が70%以上の値となることを意味している。
また本発明のガラス繊維用ガラス組成物は、上述に加えて波長750nmの光線の透過率に対する波長350nmの光線の透過率の比率(以後、750基準透過率比と呼ぶ)が、0.8〜1.2であるならば、350nmに於ける光線の透過率と750nmに於ける透過率とに大きな変化がなく、安定した高い透過率を有するものであるため、透明材を構成する場合に着色のない安定した透明性を有する透明材を得ることが可能となる。
さらに本発明のガラス繊維用ガラス組成物は、上述に加えて波長550nmの光線の透過率に対する波長350nmの光線の透過率の比率(以後、550基準透過率比と呼ぶ)が、0.8〜1.2であるならば、可視光線の波長領域に於ける中央付近の透過率値である550nmでの透過率と350nmに於ける透過率とに大きな変化がないため、一層安定した透過率性能を有する透明材を得ることができるので好ましい。
また本発明のガラス繊維用ガラス組成物は、上述に加えてJIS R3502(1995)に従うアルカリ溶出量(ΣR2O)が、0.35mg以下であるならば、透明樹脂と複合材料を形成する工程における熱処理時にガラス中のアルカリイオンがガラス繊維表面層へ移動しガラス繊維表面層と樹脂の界面の接着力が低下することを抑えることができ、また複合材料を形成した後の機械的特性、光学特性、耐薬品性等について十分な耐久性を得ることができる。
ここで、JIS R3502(1995)に従うアルカリ溶出量(ΣR2O)が、0.35mg以下であるとは、日本工業規格(JIS)で1995年に発行された R3502に基づく試験方法を適用することにより、本発明のガラス繊維用ガラス組成物からのアルカリ溶出量を測定したとき、その測定値が0.35mg以下となることを意味している。より安定した化学的耐久性を実現するための品位としては、上記アルカリ溶出量が0.30mg以下であることが好ましい。
また本発明のガラス繊維用ガラス組成物は、上述に加えて熔融ガラスの粘性が103dPa・sに相当する成形温度(Tx)が1400℃以下であるならば、均質な熔融ガラスを得ることができ、各種の熔融に伴うガラス欠陥の発生しにくいガラス繊維を提供することが可能となる。
ここで、熔融ガラスの粘性が103dPa・sに相当する成形温度(Tx)が1400℃以下であるとは、熔融ガラスの高温状態での粘性が1000ポイズ(poise)である温度が1400℃以下であることを表している。
熔融ガラスの粘性が103dPa・sに相当する成形温度(Tx)が1400℃を超えると、紡糸条件の調整が難しくなるばかりか、ガラス繊維を製造する設備の耐用期間を短くし、製造費用を高騰させるという問題を生じる虞もあり好ましくない。
熔融ガラスの粘性が103dPa・sに相当する成形温度(Tx)については、熔融ガラス中に浸漬した状態の白金球を引き上げる際のガラス融液からの抵抗を測定することによってガラス粘性の計測を行う方法等を使用することで測定することができる。
また本発明のガラス繊維用ガラス組成物は、上述に加えて液相温度(Ty)が1300℃以下であるならば、ガラス繊維の製造の妨げになるような結晶の晶出に伴う失透が生じにくく、そのためガラス繊維製造時の不良発生率を著しく低減することが可能となる。
液相温度(Ty)が1300℃以下であるとは、本発明のガラス繊維用ガラス組成物を熔融状態から冷却する際に、特定の結晶相が初相として熔融ガラス中に生成する温度が1
300℃以下であることを表している。
300℃以下であることを表している。
液相温度(Ty)の計測については、微粉砕したガラスを耐熱性の容器に所定温度で16時間保持した後で、その熔融ガラス中に結晶相が認められるかどうかを偏光顕微鏡等の光学機器を使用することによって特定することができる。
また本発明のガラス繊維用ガラス組成物は、上述に加えて成形温度(Tx)と液相温度(Ty)との温度差(ΔTxy)が70℃以上であるならば、ガラス繊維製造時にブッシングノズル近傍部の熔融ガラス中に失透の原因となる微細な結晶が析出し難くなる。その結果析出した結晶によってブッシングノズルが詰まることになり、このブレークと称されるガラス繊維の糸切れ、すなわち切断の原因を抑制することが可能となる。
熔融ガラスの液相温度(Ty)と紡糸の際の成形温度(Tx)との差(ΔTxy=Tx−Ty)をなるべく大きくするためには、紡糸温度Txを上昇させればよいが、それは熔融に要するエネルギーの上昇による製造原価の上昇を招くことやブッシング装置等の付帯設備の寿命を短くするという問題を発生させることに繋がるため好ましいことではない。このため成形温度Txには上限があり、温度差ΔTxyは高く、かつ成形温度Txは低いことが好ましい。
また本発明のガラス繊維は、上述の本発明のガラス繊維用ガラス組成物よりなることを特徴とする。
ここで、上述の本発明のガラス繊維用ガラス組成物よりなるとは、ガラス組成が酸化物換算の質量百分率表示でSiO2 60〜75%、Al2O3 0〜10%、B2O3 0〜20%、Li2O+Na2O+K2O 5〜15%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 0〜10%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜10%、あるいは酸化物換算の質量百分率表示でSiO2 60〜75%、Al2O3 0〜10%、B2O3 0〜20%、Na2O 0〜9%、Li2O+Na2O+K2O 5〜14%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 0〜10%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜5%、又は酸化物換算の質量百分率表示でSiO2 60〜75%、Al2O3 0〜10%、B2O3 0〜20%、Na2O 0〜9%、Li2O+Na2O+K2O 5〜14%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 0〜8%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜5%であることを表している。
また本発明のガラス繊維は、上述のガラス繊維用ガラス組成物よりなるものであるため、透明樹脂と屈折率等の光学恒数が近似したものであり、しかも化学耐久性にも優れるので透明樹脂と組み合わせることによって従来にない高い光学品位を有し、しかもその品位が経時的にも安定したものとできるようになる。
本発明のガラス繊維用ガラス組成物によって得られるガラス繊維は、繊維形状であればその長さや直径、さらにその断面形状について特に限定するものではない。ガラス繊維の長さについては、いわゆるミルドファイバのような粉末状のものから、チョップドストランドのような短い寸法のもの、そしてヤーンやロービングのような長い寸法を有するものであってもよい。またガラス繊維の直径についても、オングストロームオーダーからミクロンオーダーに至る寸法が可能である。さらにガラス繊維の断面形状についても、真円に限りなく近い円形から扁平形状の断面、さらに矩形状断面、多角形状断面等の形状とすることができる。
また本発明のガラス繊維は、上述に加え必要に応じて熱処理を施すことによりガラス繊維の屈折率を調整することができる。また熱処理に伴ってイオン交換処理を行い、ガラス繊維の屈折率の調整に加えて強化処理を行ってもよい。
本発明のガラス繊維は、必要に応じてガラス繊維中に微細結晶が含有されるものであっても、その性能上あるいは用途上問題がなければよい。
また本発明のガラス繊維は、所望の性能を実現できるのであれば、どのような製造方法で製造するものであってもよい。すなわち直接成形法(DM法:ダイレクトメルト法)、間接成型法(MM法:マーブルメルト法)等の各種成形法を製造方法として採用してよい。
本発明のガラス繊維の製造方法は、耐熱性容器内で上述の本発明のガラス繊維用ガラス組成物を熔融した後に、その熔融ガラスを連続的に耐熱性ノズルより引き出してガラス繊維を成形する成形工程と、得られたガラス繊維の表面に薬剤を塗布する被覆工程と、被覆されたガラス繊維を連続的に巻き取る回巻体成形工程とを有することを特徴とする。
ここで、耐熱性容器内で上述の本発明のガラス繊維用ガラス組成物を熔融した後に、その熔融ガラスを連続的に耐熱性ノズルより引き出してガラス繊維を成形する成形工程と、得られたガラス繊維の表面に薬剤を塗布する被覆工程と、被覆されたガラス繊維を連続的に巻き取る回巻体成形工程とを有するとは、次の様なものである。すなわち複数のガラス原料を混合した原料バッチをセラミックス製あるいは白金合金製等の耐熱性の容器内で加熱熔融して均質な熔融ガラス状態とし、この熔融ガラスを紡糸を行うのに適正な温度に調節した上でブッシング等に配設された耐熱性ノズルより連続的に引き出して急冷して所定寸法のガラス繊維とする成形工程、この工程に次いでガラス繊維の表面に液状の薬剤を塗布装置を使用することで塗布する塗布工程、さらに表面に集束剤等の薬剤が塗布されたガラス繊維を所定の長さだけ紙管やボビン等に巻き取って回巻体を製造する回巻体成形工程とを有することを表している。
ガラス繊維の表面に塗布される薬剤の種類については、用途に応じて適宜選択することができる。具体的には集束剤、帯電防止剤、界面活性剤、重合開始剤、重合抑制剤、酸化防止剤、被膜形成剤、カップリング剤あるいは潤滑剤を被覆したものであってもよい。
本発明のガラス繊維の製造方法は、上述のような工程を経て製造されるものであるため、これまでに蓄積されてきたガラス繊維の製造における各種の製造管理手法を踏襲しつつ、さらにそれを発展させることによって、より安定した品位の各種のガラス繊維の製造が可能となる。
本発明の複合材は、ガラス繊維と有機樹脂材とを複合化することによって得られたものであることを特徴とする。
ここで、本発明の上述のガラス繊維と有機樹脂材とを複合化することによって得られる複合材とは、本発明のガラス繊維を各種の透明な有機樹脂材と複合化することによって複合材としたものである。この複合材は高い可視光線を透過する性能を有する、いわゆる可視光透過複合材であることがより好ましい。高い可視光線を透過する性能を有するものとは、少なくとも波長400nmから波長700nmまでの可視光線を70%以上の透過率を実現する複合材のことを意味している。この際に本発明のガラス繊維は、酸化物換算の質量百分率表示でSiO2 60〜75%、Al2O3 0〜10%、B2O3 0〜20%、Li2O+Na2O+K2O 5〜15%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 0〜10%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜10%のガラス組成、あるいは請求項2又は請求項3のガラス組成を有し、その屈折率が屈折率(nd)が1.48〜1.55、アッベ数(νd)が65〜50の範囲にあるので、この光学恒数に近い性状を有する可視光を透過する有機樹脂材を選択し、その所定量を適正な方法により複合化することで、可視光に対して透明な複合材を形成することができる。
有機樹脂材については、用途などに応じて所望の光学的な性能を有し、機械的な強度や化学的な耐久性について、上述した可視光透過複合材に必要とされる性状を有するものであれば、特に限定されるものではない。
有機樹脂材としては、例えば環状オレフィン樹脂(nd 1.50〜1.54)、エポキシ樹脂(nd 1.51〜1.61)、アクリル樹脂(nd 1.53〜1.56)ポリカーボネート樹脂、(nd 1.55〜1.59)、ユリア樹脂(nd 1.54〜1.55)、ポリエステル・アルキド樹脂(nd 1.52〜1.55)、アリル樹脂(nd 1.50〜1.575)、ウレタン樹脂(nd 1.50〜1.60)等を使用してもよい。特に環状オレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂については、光学的な性能やその強度に関する性状に加え、成形性や加工性等の観点からも好適であり、最も好ましいものは耐熱性や強度、弾性率に優れ、極性基をもたないために複屈折率が低い環状オレフィン樹脂である。
有機樹脂材と複合化されるガラス繊維の形態は、所望の光学的性能を実現し、しかも成形される上述した可視光透過複合材の用途に相応しい成形効率が実現できるものであれば、特にその形態は問わない。すなわち、ガラス繊維をそのまま液体状の樹脂へ投入するものであっても、粉末状の樹脂とガラス繊維とを混合した後で加熱して樹脂を軟化させるものであってもよく、他の形態であってもよい。すなわち、ガラス繊維の形態がチョップドストランド、ヤーン、及びロービングの何れでもよく、さらにこれら繊維が織製されたシート、クロス、テープ等となっているもの、あるいは無織積層物や組布等の形態となっているものであってもよい。
また本発明による複合材については、要求される性能を向上させるために必要に応じて上述以外の固形添加材や液状添加剤を適量添加することができ、複合材そのものの成形性能の向上、成形された後の可視光透過複合材の各種性能、すなわち可視光透過複合材の光学的な性能や表面性状、機械的な性能、電気磁気特性、化学的な耐久性を意図的に変更することが可能である。
例えば、固形添加材としては、炭素繊維、セラミックス粉末、セラミックス繊維、有機樹脂繊維、有機樹脂粉末、シリコーン粉末等があり、液状添加剤としては、重合促進剤、重合禁止剤、酸化防止剤、分解反応禁止剤、希釈剤、帯電防止剤、凝集防止剤、改質剤、湿潤剤、乾燥剤、防黴剤、分散剤、硬化促進剤、反応促進剤、増粘剤又は反応促進剤等を適量使用してもよい。
また本発明による複合材については、上述した可視光透過複合材である場合には、必要に応じてその表面に光学的な性能や機械的な性能を改良するための被膜やコーティングを施してもよい。被膜やコーティングについては可視光透過複合材との親和性があり、所定の性能を発揮できるもののあるものであれば、その材質について限定されることはない。
また本発明による複合材としては、その用途として高い透過性を要求され、しかも高い強度と靭性を有し、膨張係数が低くフラットな材料が使用されている用途に好適なものであり、例えば車載用途であれば自動車用窓板材、インジケータパネル材、ヘッドライトカバー材、建材用途であれば安全窓、防音窓、調光窓、防火窓、防犯窓、防火窓、仕切りプレート、透過性屋根材、テント用プレート材、壁面材、温室用壁材、電子部品用途であれば電子ペーパー用基板、光ディスク、シースルー基板、液晶ディスプレイや有機EL、カラーフィルター、LEDディスプレイなどの各種ディスプレイ用基板、生活用品であればランプシェード、遮光プレート、調光材などの様々な用途に適用することが可能である。
上述した各種用途についてより具体的な特定の態様を例示するならば、以下のようなものがある。
可視光透過複合材の用途が、車載用途であれば、可視光透過複合材を用いることで従来のように合わせガラスにする必要がなくなり、抵コスト化が図れるだけでなく薄肉化も可能になって、軽量化が実現できCO2排出抑制に貢献できる。
また、可視光透過複合材の用途が、建材用途であれば、学校や公的機関等の公共建造物の内装や外装等に使われる仕切り窓や扉の安全性、不燃性が求められている用途に用いることができる。すなわち窓や扉等に衝撃が印加された場合に、従来の強化された窓ガラスのように細かい破片となることによって人体に切創等を及ぼすのを防ぎ、安全を確保するのではなく、本発明を適用することによって割れにくい仕切り窓や扉を提供でき、かつ複合材中のガラス繊維含有量を増やせば燃えにくくすることができる。このため、本発明の複合材は、地震等の震災時にも破損し難い仕切りとして火災拡大防止に有効なものとなる。また本発明の複合材は、特に透明性が高く意匠性にも優れたものとできる。
さらに可視光透過複合材の用途が、電子部品用途であれば、透明であることで、光部品を直接基板内に積層配置できる。このため、従来のように小さいLED素子を個別パッケージングして基板表面に実装するのではなく、直接基板に素子自体を実装してから積層する方法が可能になる。これによって個別パッケージも必要性がなくなり、信号灯、自動車表示灯、あるいは大型や小型のLEDディスプレイのLED間隔を詰めて配設することによって表示能力が向上するだけでなく、実装に要する経費が飛躍的に節約でき、部材節約による環境面での貢献も大きいものとなる。さらに、可視光透過複合材を受光素子に用いれば、従来のように積層板同士の上下方向の信号の送受信をスルーホールを空けて単線で電気的に送受信するのではなく、有機物を透過する光線による信号の送受信ができるようになる。このため、一素子でマルチレンジの多重の信号を基板間で同時、かつ高速に送受信することができるようになる.さらに、このような素子に可視光透過複合材を用いる場合には材料節減によって基板の縮小化ができ、工程削減が可能となり環境上好ましいものとなる。
また可視光透過複合材の用途が、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等に代表される画像表示装置のフラットディスプレイとして、画像を表示する必要性から光学的な性能や外観品位に優れた装置に応じた様々な特殊材質の薄板ガラスが使用されている。また、携帯電話に代表されるPDA等の各種情報端末機器の著しい普及によって、数多くの画像表示様式が開発されつつあり、次世代の情報インフラへの研究開発がますます活発になっている。よって本発明が上述した可視光透過複合材である場合には、画像表示装置に搭載される薄板ガラスに代わる透明基板として、ガラス繊維を使用する透明な複合材料を画像表示装置に搭載できるようにすることも可能である。
また本発明による上述した複合材は、上述に加えフラットディスプレイ装置に搭載される板状材であるならば、フラットディスプレイ装置に必要となる光学的な性能に加えて、密度が小さいために軽量なフラットディスプレイ装置を構成することができるので好ましい。また従来の板ガラスでは実現困難であった多様なフラットディスプレイへの展開と、さらなる研究開発を促進し、より高い機能を有するディスプレイデバイスを生み出すために必須のものである。
ここで、フラットディスプレイ装置に搭載される板状材とは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、SED、FED等の画像表示用途のディスプレイ装置の画像表示部を構成する平坦な部材であることを意味している。
また本発明による上述した可視光透過複合材は、上述に加えフラットディスプレイ装置以外の用途であっても、強度性能や光学的性能に関して支障がなければ使用することができる。例えば太陽電池用基板ガラスや固体撮像素子用カバーガラス、LED用カバーガラス、SAWフィルター用カバーガラス等の用途についても転用することが可能である。
(1)本発明のガラス繊維用組成物は、酸化物換算の質量百分率表示でSiO2 60〜75%、Al2O3 0〜10%、B2O3 0〜20%、Li2O+Na2O+K2O 5〜15%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 0〜10%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜10%のガラス組成を有するものであるため、透明な有機樹脂との光学恒数の整合性に優れ、さらに樹脂との親和性が高く接着性が高く、ガラスの製造工程における熔解性や紡糸性が良好なものである。
(2)また本発明のガラス繊維用組成物は、屈折率(nd)が1.48〜1.55、アッベ数(νd)が65〜50の範囲の光学恒数を有するものであれば、屈折率が1.47〜1.56の透明樹脂との可視域における整合性が高いものであり、着色などの光学的な問題を回避することが可能となる。
(3)さらに本発明のガラス繊維用組成物は、JIS R3502(1995)に従うアルカリ溶出量(ΣR2O)が、0.35mg以下であるならば、ガラス繊維と有機樹脂を複合化する際の高い製造性、あるいは複合化した後の経時的な複合材の耐久性能に高い安定性をもたらすものである。
(4)また本発明のガラス繊維用組成物は、熔融ガラスの粘性が103dPa・sに相当する成形温度(Tx)が1400℃以下であるならば、ガラス繊維製造時に遭遇する成形不良等の問題を抑制することが可能となり、またガラス繊維の製造設備の耐久期間も延長することが可能となる。
(5)さらに本発明のガラス繊維用組成物は、液相温度(Ty)が1300℃以下であるならば、ガラス繊維製造においてノズル詰まりやガラス繊維の切断の原因ともなる結晶の析出を抑制し、失透による不良の低減が可能となるものである。
(6)また本発明のガラス繊維用組成物は、成形温度(Tx)と液相温度(Ty)との温度差(ΔTxy)が70℃以上であるならば、安定した状態で各種の寸法のガラス繊維を製造することが容易であって、顧客の要望に応じたガラス繊維製品を供給することが可能となる。
(7)本発明のガラス繊維は、上述のガラス繊維用ガラス組成物よりなるものであるため、複合化する樹脂材質によって最適な薬剤を塗布することにより、可視光波長域における高い透過率を実現することができる。
(8)本発明のガラス繊維の製造方法は、耐熱性容器内で上述のガラス繊維用ガラス組成物を熔融した後に、その熔融ガラスを連続的に耐熱性ノズルより引き出してガラス繊維を成形する成形工程と、得られたガラス繊維の表面に薬剤を塗布する被覆工程と、被覆されたガラス繊維を連続的に巻き取る回巻体成形工程とを有するものであるため、秀逸な品位のガラス繊維製品を高い効率で製造することができ、潤沢に供給することによって優れた機能を有する可視光を透過する複合材の製造に寄与することができる。
(9)本発明の複合材は、上記本発明のガラス繊維と有機樹脂材とを複合化することによって得られたものであるため、有機樹脂材の優れた性能に加え、ガラス繊維の高い強度性能を加味した軽量で強度の高い複合材である。
以下に本発明のガラス繊維用組成物、ガラス繊維及びその製造方法について、実施例に基づいて具体的に説明する。
本発明の実施例に係るガラス繊維用組成物の組成と評価結果を表1及び表2に示す。表1及び表2中に示した酸化物換算表記のガラス組成は質量%で表している。
実施例として試料No.1から試料No.18までの各ガラス試料については、以下に示す手順で試料を調整し、得られたガラスの評価を実施した。
まず、各々のガラス組成となるように天然原料や化成原料等の複数のガラス原料を所定量秤量し、均質な状態になるように予め混合したガラス原料混合バッチを、白金ロジウム製の坩堝内に投入する。次いでこの原料混合バッチが投入された白金ロジウム製の坩堝を間接加熱電気炉内にて大気雰囲気中にて1550℃、5時間加熱してガラス原料混合バッチを高温化学反応させて熔融ガラスとした。尚、熔融ガラスを均質な状態とするために加熱熔融の途中で耐熱性撹拌棒を使用して熔融ガラスの撹拌を行った。
こうして均質な状態とした熔融ガラスを所定の耐火性鋳型内に流し出し、鋳込み成形を行って徐冷炉内でアニール処理を行って最終的なガラス成形体を得た。
本発明の実施例の各ガラス組成物については、各種の物理特性を以下の手順で計測し、その結果を表1にまとめて示す。
屈折率の測定については、それぞれのガラス成形体を温度制御可能な電気炉に入れ、徐冷点と呼ばれる1013dPa・sに相当する温度より30〜50℃高い温度で30分間熱処理し、その後徐冷点から歪点と呼ばれる1014.5dPa・sに相当する温度まで毎分1℃で降温させることによりアニールを行い、室温まで冷却した後、Vブロック形状となるように切断、研磨加工し、室温状態に管理された状態でHe光源による波長587.56nmのスペクトル光線(d線)に対する屈折率、H光源による波長486.13nmのスペクトル光線(F線)に対する屈折率(nF)、H光源による波長656.27nmのスペクトル光線(C線)に対する屈折率(nC)をカルニュー光学製の精密屈折率測定装置を使用し、それぞれ計測したものである。またアッベ数(νd)については得られた各屈折率の測定結果から前記したような算出式によってアッベ数を算出したものである。またガラス繊維形状となった状態での屈折率の計測については、偏光顕微鏡等を使用して2種類の屈折率既知の浸液を使用することでベッケ線法(JIS K7142 B法)によって測定することができる。
熔融ガラスの粘性値として、103dPa・sに相当する成形温度(Tx)の測定については、各ガラス成形体を適正な寸法に破砕し、なるべく気泡が巻き込まれないようにアルミナ製坩堝に投入して、再度加熱して、融液状態とし、その状態で白金球引き上げ法に基づいて計測した各粘性値の複数の計測によって得られた粘性曲線の内挿によって算出したものである。
また液相温度(Ty)の測定に関しては、各ガラス成形体を所定粒度に粉砕加工して、そこから微粉砕物を除去し、ガラス粉末の表面積が所定範囲の表面積値とするために300μmから500μmの粒度範囲となるように分級、調整した。次いで白金製の容器内に適正な嵩密度を有する状態にこの調整された粉砕ガラスを充填して、最高温度を1250℃に設定した間接加熱型の温度勾配炉内に入れて静置した状態とし、16時間大気雰囲気中にて常圧状態で加熱し続けた。その後に白金製容器ごと試験体を取り出し、室温まで放冷後、浸液中にて偏光顕微鏡を使用して結晶の析出温度である液相温度(Ty)の特定を行った。
また表中で「ガラス繊維化」と表記した項目は、以下のようにしてガラス繊維の紡糸性を評価したものである。まず予め熔融して得られたガラス成形体を複数のノズルを有する小型白金製ノズルを使用して紡糸温度にて紡糸し、繊維径11μmのガラスフィラメントを集束してガラス繊維を作製した。この際にガラス繊維に失透に起因する糸切れが発生し、紡糸が中断したものを×判定とし、紡糸時に糸切れはなく、またガラス繊維の観察でも失透物が見出せないものを○と判定した。
以上の試験によって、本発明の実施例である試験No.1から試験No.18までの試料については、酸化物換算の質量%表示でSiO2が65.4%から74.0%の範囲にあり、Al2O3が2.0%から8.5%の範囲内、B2O3が5.0%から17.5%の範囲内、Li2O+Na2O+K2Oが8.0%から13.9%の範囲内、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOが7.4%以下、TiO2が6.0%以下、ZrO2が5.0%以下の範囲内にあり、表1中にそれぞれ示したようにその光学恒数である屈折率(nd)が1.486から1.549の範囲内にあり、アッベ数は54から64の範囲内、アルカリ溶出量(ΣR2Omg)は0.02mgから0.25mgの範囲内、成形温度(Tx)は1028℃から1350℃の範囲内、液相温度(Ty)は900℃以下から1100℃以下の範囲内、そしてTx−TyのΔTxy値は、差が最も小さいもので138℃以上となり、いずれも本発明のガラス繊維組成物として好適な性質を有するものであった。
本発明の実施例の中でも特に特徴的な試料について以下で説明する。
実施例の試料No.1のガラス組成物は、屈折率(nd)が1.512、アッベ数が63と本願発明の要件を満足し、さらにアルカリ溶出量(ΣR2Omg)が0.07mgという性質を有している。またこの試料No.1のガラス組成物は、成形温度(Tx)が1041℃、液相温度(Ty)が900℃以下であって本発明者の試験では液相温度を特定できない程低くなっている。このためTx−TyのΔTxy値は少なく見積もっても141℃以上となり、安定した成形条件を実現することが可能となる評価結果であった。そこでこのガラス成形体によってガラス繊維化の評価を実施したところ、失透等の問題が発生することなく、均質なガラス繊維を紡糸できることが判明し、○の判定結果となった。
また実施例の試料No.4のガラス組成物は、屈折率(nd)が1.516、アッベ数が60であり、本願発明の光学恒数を有し、さらにアルカリ溶出量(ΣR2Omg)が0.03mgという優れた性質を有している。さらに試料No.4のガラス組成物は、成形温度(Tx)が1196℃、液相温度(Ty)が940℃以下である。このためTx−TyのΔTxy値は少なく見積もっても256℃以上と充分に大きなものとなり、安定した成形条件を実現できる評価結果であった。そしてこのガラス成形体によってガラス繊維化の評価についても、試料No.1と同様に失透等の問題が発生することなく、均質なガラス繊維を紡糸できることが判明し、○の判定結果となった。
また実施例の試料No.6については、屈折率が1.515、アッベ数が56と本発明の要件を満足し、しかもアルカリ溶出量(ΣR2Omg)が0.02mgと最も少ない値を有し、化学的な耐久性について特に高い性能を有するものであった。またこの試料No.6のガラスは、成形温度(Tx)が1290℃、液相温度(Ty)が940℃以下であった。このためTx−TyのΔTxy値は少なく見積もっても350℃以上となり、この点についても最も大きな値を示している。そしてガラス繊維化に関しても申し分なく良好な結果が得られ、○判定となった。
実施例の試料No.13については、屈折率が1.519、アッベ数が58と本発明の要件を満足し、しかもアルカリ溶出量(ΣR2Omg)が0.04mgであり、化学的な耐久性について申し分ない性能を有するものであった。またこの試料No.13のガラスは、成形温度(Tx)が1209℃と低く、液相温度(Ty)が940℃以下であった。このためTx−TyのΔTxy値は少なく見積もっても269℃以上であり、大きな値を示している。そしてガラス繊維化に関しても申し分なく良好な結果が得られ、○判定であった。
実施例の試料No.14については、屈折率が1.526、アッベ数が58と他の実施例同様に本発明の要件を満足し、アルカリ溶出量(ΣR2Omg)が0.06mgであり、化学的な耐久性について問題のない性能を有するものであった。またこの試料No.14のガラスは、成形温度(Tx)が1170℃と低く、液相温度(Ty)が900℃以下であった。よってTx−TyのΔTxy値は少なく見積もっても270℃以上で、問題ない値を示している。そしてガラス繊維化に関しても申し分なく良好な結果が得られ、○判定であった。
[比較例]次いで、本発明の実施例と同様の操作を施すことによって、比較例の各試料の調整を行った。試料No.101から試料No.104の各比較試料については、実施例の場合と同様の書式で表3にそのガラス組成と評価の結果をまとめる。
比較例の試料No.101のガラス組成物は、いわゆるEガラスと一般に呼ばれるガラス組成に類似した組成を有するものであり、無アルカリガラスであるため本発明のガラス繊維用組成物には該当しないものである。この試料No.101は、屈折率(nd)が1.561であり、この点についても1.55以下という本願発明の要件を満足しないものであった。よってアッベ数が56ではあるものの、屈折率が高すぎるため1.55より小さいの屈折率の樹脂には不向きであって、このような透明樹脂と複合材を形成する場合には、可視光線の全波長域で高い透過性を有さないため好ましくない。
また比較例の試料No.102はSiO2含有量が75.5質量%と本願要件を満足せず、またLi2O+Na2O+K2O、すなわちアルカリ金属元素の酸化物換算表示の質量%の合量が3.6%と低く、その結果屈折率が1.474と本願発明の屈折率範囲である1.48から外れて低すぎる値となり、またアッベ数が68であって、65から50の範囲から逸脱したものとなり、より多くの透明樹脂材との組み合わせに関して適用される樹脂が少なく、本願発明としては不適切なものであった。
さらに比較例の試料No.103は、無アルカリガラスであるためアルカリ溶出については良好な結果となるものの、成形温度(Tx)が1470℃、液相温度(Ty)が1445℃であり、Tx−TyのΔTxy値が25℃で、70℃以上ではないので紡糸において熔融ガラス中に結晶の析出が生じ易く、発生した結晶異物によって切断などが生じ、ガラス繊維がうまく成形できないことが懸念され、ガラス繊維化の評価ではその懸念を裏付ける×判定の結果となった。
また比較例の試料No.104は、Li2O+Na2O+K2Oの値が17.6%と高すぎるため、アルカリ溶出量(ΣR2Omg)が0.9mgと多くなり、複合材を形成する際や形成した後に問題の発生が懸念されるものであった。
また本発明の上述した実施例の内、試料No.1、3、13、及び14については、熔融ガラスの鋳込み成形によって得られたガラス成形体を研削し、25mm×30mmの透光面を有し、板厚1mmに両面の鏡面研磨を行った被検査試料を使用し、波長300nmから800nmまでの光線の透過率を株式会社島津製作所製のUV−3100PCによって計測した。この計測によって得られた各試料の1mmに於ける50nm毎の透過率値を表4に示す。また代表的な実施例である試料No.13と14については、その透過率曲線を図1と図2に示す。
この表4からも明らかなように、本発明のガラス繊維用ガラス組成物である試料No.1、3、13、14については、波長800nmから350nmまで80%以上の高い透過率を有するものであって、光線の波長に依存しない高い透過率を有することは波長750nmの透過率値を波長350nmの透過率値で除した値である750基準透過率比、あるいは波長550nmの透過率値を波長350nmの透過率値で除した値である550基準透過率比が、いずれも0.8〜1.2となっていることからも明瞭である。これらの基準透過率比は、ガラスの透過率曲線について可視領域の特定波長の吸収が認められる場合には、その影響を受けて0.8〜1.2の範囲にない値となる。例えば比較例として示した試料No.101は、一般的なEガラス組成となるように熔融を行い、実施例同様の加工を行うことによって得られた実施例同様の1mm板厚の鏡面加工板ガラスに関しての計測結果であるが、このEガラス中には、多くのFe(鉄)成分が混入しているため、紫外域に吸収が認められ、その結果は波長350nmの光線の透過率が低下したものとなり、750基準透過率比や550基準透過率比も1.2を超えた値となる。また試料No.106は、一般的なARガラスについて、同様の透過率の測定を行ったものであるが、ここでも紫外域の波長に於ける光線の吸収によって透過率曲線の直線性は阻害され、750基準透過率比や550基準透過率比は0.8〜1.2の範囲にない値となっている。よってこれらのガラスでは、可視領域の短波長側の透過率が低くなるため、可視光透過材料として使用する場合には、光学的な性能に関してのそれなりの補正などを行う必要性も生じ、高い透光性を有する複合材を形成する場合には大きな障害となる場合もあるため好ましくはない。
以上に示した実施例と比較例において実施した一連の評価によって、本発明のガラス繊維用ガラス組成物は、屈折率が1.47〜1.56の透明樹脂と複合化するのに最適な光学恒数に加えて、製造時における高い成形性を有し、さらに失透等によって発生する製造時の問題を抑止することができ、優れた品位のガラス繊維を提供できるものであることが明瞭なものとなった。
次いで本発明のガラス繊維組成物を大型のガラス熔融炉で製造する場合の製造方法について例示し、説明する。
まず、実施例の試料No.6と同様のガラス組成となるように各種ガラス原料を調合して、混合し、その混合原料バッチを作製する。次いでこの混合原料バッチをガラス原料投入機によってガラス熔融炉内へと連続的に投入する。投入されたガラス原料は、熔融炉内で1300℃以上の高温に加熱されてガラス化反応を起こし、熔融ガラスとなる。
この後、熔融ガラスは攪拌などの均質化操作によって熔融工程を経て、ガラス熔融炉の成形域に配設された白金合金製のブッシングに流入する。このブッシングには、その底面に多数の耐熱性ノズルが付設されているが、適正に温度管理が行われた状態で、このノズルからガラス繊維が連続的引き出される。そしてガラス繊維は急冷され、アプリケータによりカップリング剤等を含む薬剤をガラス表面に塗布する。
薬剤が塗布されたガラス繊維は、その後ターレット型ワインダーに取り付けられた紙管に巻き取られる。こうして得られた複数のケーキから複数本のストランドを解舒して綾を掛けながら引き揃え、ボビンに巻き取られてガラス繊維の回巻体が形成される。
このようにして得られたガラス繊維の屈折率(nd)は、ガラス繊維を温度制御可能な電気炉に入れ、徐冷点と呼ばれる1013dPa・sに相当する温度より30〜50℃高い温度で30分間熱処理し、その後徐冷点から歪点と呼ばれる1014.5dPa・sに相当する温度まで毎分1℃で降温させることによりアニールを行い、室温まで冷却した後、実施例の試料No.6と同様の値を示すかどうか、ベッケ線法を使用して予め屈折率を調整した屈折率既知の2種類の浸液を使用して計測することで、表1と同様の計測値となることを確認することができる。ガラス繊維はガラス融液から急冷されて成形されるため、通常、アニールされたガラスよりも低い屈折率(nd)を有する。製造工程により屈折率(nd)の低下量は異なるが、上記アニールの条件で測定した値に比べ、0.005〜0.015程度低くなる可能性がある。しかし、製造工程の条件が安定している場合、屈折率(nd)の低下量は大きく変わらないため、製造条件にあわせた2種類の浸液を準備すればよい。ちなみに実施例の試料No.6と同様のガラス組成を有するガラス繊維については、アニール前のガラス繊維と、上述した条件でアニールを行った後のガラス繊維の屈折率の差は、両者のガラス繊維の屈折率を計測すること0.010であり、アニール前の方が低い値であることを確認できた。
以上のような一連の工程によって、本発明のガラス繊維は、連続的に製造することができ、ガラス繊維の高い品位を維持した状態で安定した製造を効率的に行うことができる。
次いで回巻体から引き出したガラス繊維を経糸と緯糸として平織りのクロスを織り上げ、このクロスに屈折率(nd)が1.515、アッベ数(νd)56の光学恒数を有する環状オレフィン樹脂を含浸させて、板厚0.5mmで縦寸法500mm、横寸法500mmの透明基板とする。こうして得られた透明基板は、ガラス繊維と樹脂材との屈折率やアッベ数の光学恒数の整合性が良好であり、透過性に加えて高い強度を有し、しかも軽量な構造物となるので、液晶ディスプレイ等の画像表示装置用の透明基板として相応しいものとなる。
Claims (11)
- 酸化物換算の質量百分率表示でSiO2 60〜75%、Al2O3 0〜10%、B2O3 0〜20%、Li2O+Na2O+K2O 5〜15%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 0〜10%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜10%のガラス組成を有することを特徴とするガラス繊維用ガラス組成物。
- 酸化物換算の質量百分率表示でSiO2 60〜75%、Al2O3 0〜10%、B2O3 0〜20%、Na2O 0〜9%、Li2O+Na2O+K2O 5〜14%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 0〜10%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜5%のガラス組成を有することを特徴とするガラス繊維用ガラス組成物。
- 酸化物換算の質量百分率表示でSiO2 60〜75%、Al2O3 0〜10%、B2O3 0〜20%、Na2O 0〜9%、Li2O+Na2O+K2O 5〜14%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 0〜8%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜5%のガラス組成を有することを特徴とするガラス繊維用ガラス組成物。
- 屈折率(nd)が1.48〜1.55、アッベ数(νd)が65〜50の範囲の光学恒数を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラス繊維用ガラス組成物。
- JIS R3502(1995)に従うアルカリ溶出量(ΣR2O)が、0.35mg以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のガラス繊維用ガラス組成物。
- 熔融ガラスの粘性が103dPa・sに相当する成形温度(Tx)が1400℃以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のガラス繊維用ガラス組成物。
- 液相温度(Ty)が1300℃以下であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のガラス繊維用ガラス組成物。
- 成形温度(Tx)と液相温度(Ty)との温度差(ΔTxy)が70℃以上であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のガラス繊維用ガラス組成物。
- 請求項1〜8の何れかに記載のガラス繊維用ガラス組成物よりなることを特徴とするガラス繊維。
- 耐熱性容器内で請求項1〜8の何れかに記載のガラス繊維用ガラス組成物を熔融した後に、その熔融ガラスを連続的に耐熱性ノズルより引き出してガラス繊維を成形する成形工程と、得られたガラス繊維の表面に薬剤を塗布する被覆工程と、被覆されたガラス繊維を連続的に巻き取る回巻体成形工程とを有することを特徴とするガラス繊維の製造方法。
- 請求項9に記載のガラス繊維と有機樹脂材とを複合化することによって得られたものであることを特徴とする複合材。
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