JP2013121905A - 樹脂複合体基板用ガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】 透明樹脂の光学特性(屈折率nd、アッベ数νd)に整合し、且つ、アルカリ溶出量が少なく、透明性及び信頼性に優れた樹脂複合体基板を得ることが可能な樹脂複合体基板用ガラスを提供する。
【解決手段】 SiO2 45〜65%、Al2O3 5〜20%、B2O3 13〜25%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 10〜30%、MgO 5.5〜9%、CaO 0〜10%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%、Li2O+Na2O+K2O 0〜1%、CeO2 0.01〜5.0%含有することを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】 SiO2 45〜65%、Al2O3 5〜20%、B2O3 13〜25%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 10〜30%、MgO 5.5〜9%、CaO 0〜10%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%、Li2O+Na2O+K2O 0〜1%、CeO2 0.01〜5.0%含有することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂とガラスを複合させた樹脂複合体基板に用いるガラスに関し、具体的には可視光に対して透明であり、且つ透明樹脂の光学特性に整合した樹脂複合体基板用ガラスに関するものである。
近年、電子ペーパー等のフレキシブルディスプレイの基板として、ガラス基板よりもフレキシブル性に優れ、樹脂基板よりも寸法安定性、機械的強度に優れており、可視光に対して透明な樹脂複合体基板が注目されている。このような樹脂複合体基板は、例えば、特許文献1、2に開示されているように樹脂、充填材、ガラス繊維を含む複合材料からなる。
樹脂複合体基板を構成する樹脂としては、基板の透明性の観点から、屈折率ndが1.48〜1.55、アッベ数νdが50〜65のエポキシ樹脂、アクリル樹脂、環状オレフィン樹脂、これらの混合物が使用される。
充填材は、樹脂複合体基板の熱膨張特性の制御、空隙低減のために添加されるものであり、例えば、双ローラーにより、溶融ガラスをフィルム形状に成形した後、ボールミル等により粉砕し、粉末形状にしたものが使用される。
ガラス繊維は、樹脂複合体基板の寸法安定性、機械的強度を高めるために添加されるものであり、例えば、貴金属製のブッシング装置を使用して、溶融ガラスを連続的に成形、紡糸し、繊維形状にしたものが使用される。尚、ブッシングの構造は、溶融ガラスを滞留させるために容器形状を有しており、その底部には鉛直方向に多数のノズルが配設されている。ガラス繊維は、成形温度近傍(紡糸温度、約103dPa・sにおける温度)において、溶融ガラスをノズルから引き出すことで繊維形状に成形される。
ところで、樹脂複合体基板の透明性を高めるには、構成材料同士の光学特性(屈折率nd、アッベ数νd)を整合させる必要がある。また、樹脂複合体基板の信頼性を高めるには、樹脂と充填材、或いは、樹脂とガラス繊維の界面における接着強度を高める必要がある。
しかしながら、充填材、ガラス繊維等の形態で使用される樹脂複合体基板用ガラスは、透明樹脂の光学特性に整合させつつ、接着強度を高めることが困難であった。
具体的には、従来の樹脂複合体基板用ガラスは、ガラス組成中にアルカリ金属酸化物を多量に含んでいた。そのため、樹脂とガラスを複合化して、樹脂複合体基板に加工する際に、アルカリ溶出により、樹脂の硬化が阻害されることがあり、また、樹脂複合体基板の作製後、樹脂とガラスの界面における接着強度がアルカリ溶出により経時的に低下して、樹脂複合体基板の機械的強度が低下し易くなるという問題があった。
充填材とガラス繊維からアルカリ金属酸化物を低減すると、アルカリ溶出に起因する不具合は解消し得るが、透明樹脂の光学特性(屈折率nd、アッベ数νd)に整合させることが困難になる。
本発明は、透明樹脂の光学特性(屈折率nd、アッベ数νd)に整合し、且つ、アルカリ溶出量が少なく、透明性及び信頼性に優れた樹脂複合体基板を得ることが可能な樹脂複合体基板用ガラスを提供することを技術的課題とする。
本発明者は種々の実験を行った結果、アルカリ金属酸化物成分、アルカリ土類金属酸化物成分のそれぞれの合量を厳しく制限することにより、上記技術課題を解決できることを見出し、本発明として、提案するものである。
即ち、本発明の樹脂複合体基板用ガラスは、SiO2 45〜65%、Al2O3 5〜20%、B2O3 13〜25%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 10〜30%、MgO 5.5〜9%、CaO 0〜10%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%、Li2O+Na2O+K2O 0〜1%、CeO2 0.01〜5.0%含有することを特徴とする。ここで「MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO」は、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOの合量を意味している。「Li2O+Na2O+K2O」は、Li2O、Na2O及びK2Oの合量を意味している。
このようにすることで、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、環状オレフィン樹脂等の樹脂の光学特性(屈折率nd、アッベ数νd)に整合させやすくなると共に、アルカリ溶出を低減することができる。その結果、樹脂複合体基板用ガラスとして好適に使用することができる。
また本発明においては、屈折率ndが1.48〜1.55、アッベ数νdが50〜65であることが望ましい。ここで「屈折率nd」は、例えば、屈折率計(カルニュー製KPR−200)で測定可能であり、また、ヘリウムランプのd線(波長:587.56nm)における測定値を指す。また、「アッベ数νd」は、屈折率計(カルニュー製KPR−200)で測定可能であり、ヘリウムランプのd線、水素ランプのF線(波長:486.13nm)、及び水素ランプのC線(波長:656.27nm)における屈折率(nd、nF、nC)を測定した上で、算出式{(nd−1)/(nF−nC)}により算出した値を指す。また屈折率nd及びアッベ数νdは、溶融ガラスをカーボン板上に流し出して縦12cm、横6cm、厚さ1.5cmの寸法となるような大きさに成形し、成形したガラスを(ガラスの粘度が1013.0dPa・sとなる温度+30℃)で1時間保持し、この温度から(ガラスの粘度が1014.5dPa・sとなる温度−100℃)まで3℃/分の速度で降温し、この温度から25℃まで10℃/分の速度で降温するような条件で徐冷することによって得た試料を対象として測定する。
上記構成によれば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、環状オレフィン樹脂等の樹脂の光学特性(屈折率nd、アッベ数νd)への整合が容易になる。
ところで樹脂複合体基板用ガラスは、ガラスの光学特性が樹脂と整合するように設計されている。ところが溶融ガラスを急冷しながら成形すると、ガラスの屈折率が低下し易く、設計値通りの屈折率を得ることが難しい場合がある。結果として、ガラスと樹脂の屈折率が設計上は整合しているにも関わらず、樹脂複合体基板の透明性が得られないことがある。また屈折率の低下幅はガラス成形時の冷却速度に比例する。ガラスをフィルム形状に成形する場合と繊維形状に成形する場合とでは冷却速度が異なることから、同一組成であっても、充填材とガラス繊維の屈折率が同じにならない可能性がある。よって、同一材質の充填材とガラス繊維を併用しても、両者の屈折率が相違して樹脂複合体基板の透明性を損なう可能性がある。
このような事態が懸念される場合には、質量%基準で、(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(SiO2+Al2O3+B2O3)が0.18〜0.25となるように調整することが好ましい。ここで「(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(SiO2+Al2O3+B2O3)」とは、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOの合量を、SiO2、Al2O3及びB2O3の合量で除した値を意味している。
上記構成によれば、所望の光学特性を得やすくなる。また急冷によるガラスの屈折率変化を効果的に抑制することができる。
また本発明においては、30〜380℃における線熱膨張係数が40〜50×10−7/℃であることが好ましい。
上記構成によれば、急冷によるガラスの屈折率変化をより効果的に抑制することができる。
また本発明においては、アルカリ溶出量が0.35mg以下であることが好ましい。
このようにすることで、樹脂複合体基板の製造工程における熱処理の際に、アルカリイオンがガラスの表層から樹脂に移動し難くなるため、樹脂とガラスの接着強度が低下し難くなる。また、樹脂複合体基板の作製後、樹脂と充填材、或いは、樹脂とガラス繊維の界面における接着強度が、アルカリ溶出により、経時的に低下し難くなり、結果として、樹脂複合体基板の機械的強度が低下し難くなる。さらに、樹脂複合体基板の耐薬品性も低下し難くなる。ここで、「アルカリ溶出量」は、JIS R3502(1995)に準拠した方法で測定した値を指す。
また本発明においては、103dPa・sの粘度に相当する温度が1300℃以下であることが好ましい。
上記構成によれば、ガラスの溶融が容易になるとともに、溶融ガラス中に欠陥として存在する気泡が溶融ガラス中から除去されやすくなり、気泡の少ないガラスが得られやすくなる。
また本発明においては、103dPa・sの粘度に相当する温度と液相温度の差が100℃以上であることが好ましい。ここで、「液相温度」は、溶融ガラスから結晶が析出する最高温度を指す。
上記構成によれば、ガラスを容易に繊維状に成形することができる。
また本発明においては、樹脂複合体基板用ガラスは、粉末形状を有することが好ましい。
また本発明においては、樹脂複合体基板用ガラスは、繊維形状を有することを特徴とする。
本発明の樹脂複合体基板用ガラスの使用方法は、上記樹脂複合体用ガラスを、前記ガラスとの屈折率ndの差が0.01以下、アッベ数νdの差が3以下である樹脂を用いた複合基板用材料として使用することを特徴とする。
上記構成によれば、可視光に対して透明な複合基板を容易に作製することができる。
本発明の樹脂複合体基板は、上記の樹脂複合体基板用ガラスと、前記ガラスとの屈折率ndの差が0.01以下、アッベ数νdの差が3以下である樹脂とを用いて製造したことを特徴とする。
上記構成によれば、複合体基板が可視光に対して透明であり、電子ペーパー等のフレキシブルディスプレイの基板等として好適に用いることができる。
本発明の樹脂複合体基板用ガラスは、透明樹脂と整合する光学特性(屈折率nd、アッベ数νd)を有すると共に、アルカリ溶出量が少ない。それ故、樹脂複合体基板用ガラスとして好適である。
本発明の樹脂複合体基板用ガラスにおいて、上記のように各成分の含有範囲を規定した理由を以下に説明する。尚、各成分の含有範囲の説明において、%表示は質量%を指す。
SiO2は、ガラス骨格構造を形成する主要成分であり、その含有量は45%以上、好ましくは48%以上、特に好ましくは50%以上であり、また65%以下、好ましくは60%以下、より好ましくは57%以下、特に好ましくは56%以下である。SiO2の含有量が少な過ぎると、機械的強度が低下し易くなる。一方、SiO2の含有量が多過ぎると、高温粘度が高くなって、溶融性や成形性が悪化し易くなり、結果として、充填材やガラス繊維の製造コストが高騰してしまう。特に、SiO2の含有量を48〜56%に規制すれば、機械的強度を損なうことなく、溶融性や成形性を高めることができる。
Al2O3は、化学的耐久性や機械的強度を高める成分であり、また適量添加により耐失透性を高める成分、更には弾性率を高めて、紡糸状態を安定化させる成分であり、その含有量は5〜20%、好ましくは7〜18%、より好ましくは10〜15%である。Al2O3の含有量が少な過ぎると、上記効果が得難くなる。一方、Al2O3の含有量が多過ぎると、高温粘度が高くなって、溶融性や成形性が悪化し易くなり、結果として、充填材やガラス繊維の製造コストが高騰してしまう。特に、Al2O3の含有量を10〜15%に規制すれば、成形時に溶融ガラス中に結晶が析出し難くなると共に、紡糸状態が安定化し易くなる。
B2O3は、SiO2と同様にして、ガラス骨格構造を形成する成分であるが、SiO2と相違して、高温粘度を低下させる成分であり、その含有量は13〜25%、好ましくは13〜20%、より好ましくは15〜20%である。B2O3の含有量が少な過ぎると、高温粘度が高くなって、溶融性や成形性が悪化し易くなり、結果として、充填材やガラス繊維の製造コストが高騰してしまう。一方、B2O3の含有量が多過ぎると、分相傾向が顕著になり、一旦、分相が生じると、所望の光学特性を確保し難くなることに加えて、化学的耐久性が低下し易くなる。特に、B2O3の含有量を15〜20%に規制すれば、分相傾向を抑制できると共に、溶融コスト等を低廉化し易くなる。
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOは、高温粘度を低下させて、溶融性を高める成分であり、また、光学特性(屈折率nd、アッベ数νd)を適正化する成分であり、その含有量は10〜30%、好ましくは10〜25%、さらに好ましくは15〜25%である。MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOの含有量が少な過ぎると、高温粘度が高くなって、溶融性や成形性が低下し易くなり、結果として、充填材やガラス繊維の製造コストが高騰したり、光学特性が透明樹脂であるエポキシ樹脂、アクリル樹脂、環状オレフィン樹脂等に整合し難くなる。一方、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOの含有量が多すぎると、屈折率ndが大きくなり過ぎると共に、耐失透性が低下し、さらにはガラスが分相しやすくなる。またガラスの熱膨張係数が高くなりすぎる。特にMgO+CaO+SrO+BaO+ZnOの含有量を15〜25%に規制すれば、光学特性が透明樹脂であるエポキシ樹脂、アクリル樹脂、環状オレフィン樹脂等に整合し易くなるだけでなく、溶融性が向上し、さらに分相傾向を弱めつつ、溶融ガラスからの結晶の析出を防止し易くなる。
MgOは、高温粘度を低下させて、溶融性を高める成分であり、また、光学特性(屈折率nd、アッベ数νd)を適正化する成分であり、その含有量は5.5〜9%、好ましくは5.5〜8%、より好ましくは6〜8%である。MgOの含有量が少な過ぎると、高温粘度が高くなって、溶融性や成形性が悪化し易くなり、結果として、充填材やガラス繊維の製造コストが高騰したり、光学特性が透明樹脂であるエポキシ樹脂、アクリル樹脂、環状オレフィン樹脂等に整合し難くなる。一方、MgOの含有量が多過ぎると、ガラスが分相し易くなる。またガラスの熱膨張係数が高くなりすぎる。
CaOは、高温粘度を低下させて、溶融性を高める成分であり、また、光学特性(屈折率nd、アッベ数νd)を適正化する成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは0〜8%、より好ましくは1〜8%である。CaOの含有量が多過ぎると、溶融ガラスからCaを含む結晶が析出し易くなる。またガラスの熱膨張係数が高くなりすぎる。
SrOは、高温粘度を低下させて、溶融性を高める成分であり、また、光学特性(屈折率nd、アッベ数νd)を適正化する成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは0〜8%、より好ましくは1〜8%である。SrOの含有量が多過ぎると、溶融ガラスからSrを含む結晶が析出し易くなる。またガラスの熱膨張係数が高くなりすぎる。
BaOは、高温粘度を低下させて、溶融性を高める成分であり、また、光学特性(屈折率nd、アッベ数νd)を適正化する成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは0〜8%、より好ましくは1〜8%である。BaOの含有量が多過ぎると、溶融ガラスからBaを含む結晶が析出し易くなる。またガラスの熱膨張係数が高くなりすぎる。
ZnOは、高温粘度を低下させて、溶融性を高める成分であり、また、光学特性(屈折率nd、アッベ数νd)を適正化する成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは0〜8%、より好ましくは0〜5%である。ZnOの含有量が多過ぎると、ガラスが分相し易くなる。
Li2O+Na2O+K2Oは、高温粘度を低下させて、溶融性を高める成分である。そして、溶融性が良好であると、低温で均質なガラスを製造し易くなる。Li2O+Na2O+K2Oの含有量は0〜1%、好ましくは0〜0.8%、より好ましくは0〜0.5%、更に好ましくは0〜0.5%未満である。Li2O+Na2O+K2Oの含有量が多過ぎると、樹脂と充填材とガラス繊維を複合化して、樹脂複合体基板に加工する際に、アルカリ溶出により樹脂の硬化が阻害される場合がある。また、樹脂複合体基板の作製後、樹脂と充填材、或いは、樹脂とガラス繊維の界面における接着強度がアルカリ溶出により経時的に低下して、樹脂複合体基板の機械的強度が低下し易くなる。さらにガラスの熱膨張係数が高くなり、成形時の急冷による屈折率変化が大きくなる。ただし、高温粘度を低下させるためにはLi2O+Na2O+K2Oの含有量を0.1%以上含有することが好ましい。また、Li2O+Na2O+K2Oの値が等しくても、2つ以上の成分を同時に含有することによって、どれか1つだけを含有する場合よりもアルカリ溶出を抑制することができる。
Li2Oは、高温粘度を低下させて、溶融性を高める成分であり、その含有量は0〜1%、好ましくは0〜0.5%、より好ましくは0〜0.4%である。Li2Oの含有量が多過ぎると、ガラス表面からLi成分が溶出し易くなることに加えて、溶融ガラスからLiを含む結晶が析出し易くなる。またガラスの熱膨張係数が高くなりすぎる。
Na2Oは、高温粘度を低下させて、溶融性を高める成分であり、その含有量は0〜1%、好ましくは0〜0.5%、より好ましくは0〜0.4%である。Na2Oの含有量が多過ぎると、ガラス表面からNa成分が溶出し易くなる。なお、Na2Oは、他のアルカリ金属酸化物に比べて、ガラス表面から溶出する傾向が強い。またガラスの熱膨張係数が高くなりすぎる。
K2Oは、高温粘度を低下させて、溶融性を高める成分であり、その含有量は0〜1%、好ましくは0〜0.5%、より好ましくは0〜0.4%である。K2Oの含有量が多過ぎると、ガラス表面からK成分が溶出し易くなる。またガラスの熱膨張係数が高くなりすぎる。
CeO2は、溶融ガラス中に欠陥として存在する気泡を除く働きをするものであり、環境負荷物質ではない清澄剤として適量添加するものであり、その含有量は0.01〜5%、好ましくは0.02〜5%、さらに好ましくは0.05〜5%である。CeO2の含有量が少なすぎると、ガラス中に気泡が残存しやすくなり、結果として樹脂複合体基板の均一な透明性が得られにくくなる。一方、CeO2の含有量が多過ぎると、溶融ガラスが失透しやすくなる。
上記成分以外にも、他の成分を添加してもよい。例えば、光学特性、化学的耐久性、高温粘度等の改良のために、ZrO2、TiO2、P2O5、Cr2O3、Sb2O3、SO3、Cl2、La2O3、WO3、Nb2O5、Y2O3等をそれぞれ3%まで添加してもよい。
尚、樹脂複合体基板の透明性をさらに高めたい場合は、Fe2O3の含有量を0.5%以下、特に0.1%以下に規制することが好ましい。特に、Fe2O3とTiO2を同時に含有する場合はFe2O3によるガラスの着色が強まりやすくなり、樹脂複合体基板の透明性を損なうことがある。このため、TiO2の含有量は0.5%以下、特に0.1%以下に規制することが好ましい。また、H2、CO2、CO、H2O、He、Ne、Ar、N2等の微量成分をそれぞれ0.1%まで含んでもよい。さらに、樹脂複合体基板の特性に悪影響を及ぼさないように、Pt、Rh、Au等の貴金属元素の含有量はそれぞれ500ppm以下、特にそれぞれ300ppm以下であることが好ましい。
SO3はCeO2と同様に溶融ガラス中に欠陥として存在する気泡を除く働きをする成分であり、特にガラス中に残存する気泡を少なくして樹脂複合体基板の透明性の均一化を図る場合は、SO3の含有量は0.0001〜0.5%、特に0.0001〜0.3%であることが好ましい。
また(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(SiO2+Al2O3+B2O3)の値はガラスの熱膨張係数、屈折率nd、アッベ数νdを適切な値に制御するための指標となる値であり、その値は0.18〜0.25、0.19〜0.24、特に0.20〜0.24であることが好ましい。(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(SiO2+Al2O3+B2O3)の値が小さすぎると、屈折率ndが小さくなりすぎて樹脂と整合しなくなる可能性がある。また、アッベ数νdが大きくなりすぎて樹脂と整合しなくなる可能性がある。一方、(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(SiO2+Al2O3+B2O3)が大きすぎると、熱膨張係数が高くなりすぎて溶融ガラスをフィルム形状または繊維形状にした際の屈折率の低下幅が大きくなり、樹脂と整合させることが困難になる可能性がある。また、溶融ガラスからフィルム形状または繊維形状にする際の屈折率の低下幅の冷却速度依存性が強くなり、フィルムを粉砕した充填材及びガラス繊維の屈折率が安定しにくくなると同時に、樹脂と整合させることが困難になる可能性がある。
本発明の樹脂複合体基板用ガラスは、30〜380℃における線熱膨張係数が、好ましくは40〜50×10−7/℃、より好ましくは42〜48×10−7/℃、さらに好ましくは43〜47×10−7/℃である。線熱膨張係数が小さすぎると、アルカリ土類金属酸化物の含有量が非常に少ない状態となり、溶融性が悪化する可能性がある。一方、30〜380℃における線熱膨張係数が大きすぎると、溶融ガラスを急冷した際の屈折率の低下幅が大きくなり、屈折率を樹脂と整合させることが困難になる。また、屈折率の低下幅の冷却速度依存性が強くなり、充填材及びガラス繊維の屈折率が安定しにくくなると同時に、樹脂と屈折率を整合させることが困難になる。
上記組成及び膨張を有する本発明の樹脂複合体基板用ガラスは、溶融ガラスを急冷しても、屈折率の変化が殆ど生じない。具体的には、十分な徐冷を施した場合と、急冷してフィルム形状または繊維形状に成形した場合のガラスの屈折率ndの差を0.005以下、特に0.003以下とすることができる。この屈折率の差が大きすぎると、フィルムを粉砕した充填材及びガラス繊維の屈折率を樹脂と整合させることが困難になる。また、屈折率の低下幅の冷却速度依存性が強くなり、充填材及びガラス繊維の屈折率の値が安定しなくなる。なお「十分な徐冷を施した場合」とは、溶融ガラスをカーボン板上に流し出して縦12cm、横6cm、厚さ1.5cmの寸法となるような大きさに成形し、成形したガラスを(ガラスの粘度が1013.0dPa・sとなる温度+30℃)で1時間保持し、この温度から(ガラスの粘度が1014.5dPa・sとなる温度−100℃)まで3℃/分の速度で降温し、この温度から25℃まで10℃/分の速度で降温するような条件で徐冷した場合を意味する。「フィルム形状に成形した場合」とは、溶融ガラスを双ローラーに供給して肉厚1mmのフィルム状に成形したガラスを意味する。「繊維形状に成形した場合」とは、溶融ガラスを白金製のブッシング炉に供給し、直径5μmの繊維状に紡糸したガラスを意味する。
本発明の樹脂複合体基板用ガラスにおいては、屈折率ndを1.48〜1.55(特に1.50〜1.55)、アッベ数νdを50〜65に調整することが重要である。屈折率ndが1.48、特に1.50より小さいと、透明樹脂であるエポキシ樹脂、アクリル樹脂、環状オレフィン樹脂等の屈折率ndより遥かに小さくなるため、透明樹脂に入射した可視光線の直進性が損なわれて、入射光線が分散し、結果として、無色で透明な樹脂複合体基板を得ることができず、樹脂複合体基板の透光性が低下し易くなる。一方、屈折率ndが1.55より大きいと、透明樹脂であるエポキシ樹脂、アクリル樹脂、環状オレフィン樹脂等の屈折率ndに整合させることが困難になるため、無色で透明な樹脂複合体基板が得難くなる。また、ガラスのアッベ数νdが小さくなりすぎるため、透明であっても青、赤、紫等に着色した樹脂複合体基板になり易い。また、波長587.56nm以外の可視域の波長範囲において、透光性を実現するためには、アッベ数νdを所定範囲に規制することが好ましい。アッベ数νdが50未満、或いは65を超えると、透明樹脂であるエポキシ樹脂、アクリル樹脂、環状オレフィン樹脂等のアッベ数νdに整合させることが困難になるため、無色で透明な樹脂複合体基板が得難くなったり、或いは、透明であっても青、赤、紫等に着色した樹脂複合体基板になり易い。尚、ガラス組成が上記範囲内であれば、屈折率ndが1.48〜1.55、アッベ数νdが50〜65のガラスを設計することが容易である。
また、アルカリ溶出量は0.35mg以下、0.30mg以下、0.20mg以下、0.15mg以下、特に0.10mg未満であることが好ましい。アルカリ溶出量が多すぎると、樹脂複合体基板の製造工程における熱処理の際に、アルカリイオンがガラスの表層から樹脂に移動して、樹脂とガラスの接着強度が低下し易くなる。また樹脂複合体基板の作製後、樹脂と充填材、或いは樹脂とガラス繊維の界面における接着強度が、アルカリ溶出により経時的に低下して、樹脂複合体基板の機械的強度が低下し易くなる。さらに、樹脂複合体基板の耐薬品性も低下し易くなる。
さらに、ガラスの粘度が103dPa・sとなる温度(紡糸温度)は1300℃以下、特に1250℃以下であることが好ましい。ガラスの粘度が103dPa・sとなる温度が1300℃以下であれば、ガラスの溶融が容易になるだけでなく、溶融ガラス中に欠陥として存在する気泡が溶融ガラス中から除去されやすくなり、気泡の少ないガラスが得られやすくなる。結果として樹脂複合体基板の均一な透明性が得られやすくなる。
また、本発明の樹脂複合体基板用ガラスは、粉末形状を有することが好ましい。このようにすれば、充填材に適用し易くなる。上記の通り、充填材は、双ローラーにより溶融ガラスをフィルム形状に成形した後、ボールミル等によりガラスフィルムを粉末形状に粉砕することで作製可能である。また、溶融ガラスを水砕することでも作製可能である。
尚、本発明の樹脂複合体基板用ガラスを充填材して適用する場合は、充填材の表面に薬剤が塗布されていることが好ましい。薬剤として、カップリング剤が使用可能である。充填材の表面をカップリング処理しておくと、樹脂成分との馴染みがよくなって樹脂と充填材との接着強度が向上する。また、水分に対する劣化が抑制され製品寿命が改善される。カップリング処理を施すに当たっては、弱酸〜中性領域で行うことが好ましい。
充填材の平均粒子径D50は、0.1〜50μm、1〜20μm、特に2〜10μmが好ましい。このようにすれば、熱膨張特性を制御し易くなると共に、樹脂複合体基板の空隙を低減し易くなる。平均粒子径D50が小さ過ぎると、ハンドリング性や材料収率が低下し易くなる。一方、平均粒子径D50が大き過ぎると、樹脂等と複合化する際に、均一に混合し難くなると共に、樹脂複合体基板の表面に凹凸が発生し易くなる。ここで、「平均粒子径D50」は、レーザー回折法で測定した値であり、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して50%である粒子径である。
また、本発明の樹脂複合体基板用ガラスは、繊維形状を有することが好ましい。このようにすれば、ガラス繊維として使用することができる。上記の通り、ガラス繊維は、貴金属製のブッシングを使用して、連続的に成形、紡糸することで作製可能である。また、成形方法として、直接成形法(ダイレクトメルト法)、間接成形法(マーブルメルト法)等の方法を採用することができる。
繊維形状に成形する場合、紡糸温度と液相温度の差は100℃以上、125℃以上、特に150℃以上であることが好ましい。紡糸温度と液相温度の差は特に溶融ガラスを紡糸してガラス繊維化する際の生産性の指標となる値であり、この値が小さすぎると、溶融ガラスを紡糸する際に溶融ガラスから結晶が析出して紡糸が切断しやすくなる。
尚、本発明の樹脂複合体基板用ガラスをガラス繊維化して適用する場合は、ガラス繊維の表面に薬剤が塗布されていることが好ましい。薬剤として、集束剤、帯電防止剤、界面活性剤、重合開始剤、重合抑制剤、酸化防止剤、被膜形成剤、カップリング剤、潤滑剤が使用可能である。
ガラス繊維の長さは、繊維形状である限り、特に限定されない。ガラス繊維は、ミルドファイバ、チョップドストランド、ヤーン、ロービング等であってもよい。ガラス繊維の直径は、繊維形状である限り、特に限定されず、一般にはオングストロームオーダー〜ミクロンオーダーであるが、肉厚の薄い樹脂複合体基板に用いる際には30μm、特に10μm以下であることが好ましい。ガラス繊維の断面形状は、繊維形状である限り、特に限定されない。ガラス繊維の断面形状として、真円形状、扁平形状、矩形状、多角形状が挙げられる。
ガラス繊維の場合、熱処理により、屈折率ndを調整することが可能である。また、熱処理に伴って、化学強化処理(イオン交換処理)を行うこともできる。さらに、ガラス繊維中に微細結晶が析出していても、樹脂複合体基板の特性に悪影響を及ぼさない限り、使用可能である。
次に、本発明の樹脂複合体基板用ガラスの使用方法を説明する。
まず粉末状及び/又は繊維状に成形した本発明の樹脂複合体基板用ガラスを用意する。またこのガラスとの屈折率差が0.01以下、アッベ数差が3以下である樹脂を用意する。
次に、前記樹脂複合体基板用ガラスを前記樹脂に含浸させ、両者を接着させるとともに前記樹脂を硬化させる。このようにして可視光に対して透明な樹脂複合体基板を得ることができる。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。
表1、2は、本発明の実施例(試料No.1〜7、9〜14)及び比較例(試料No.8、15)を示している。
表の各試料は、次のようにして調製した。
まず、表中のガラス組成になるように、天然原料、化成原料等の各種ガラス原料を秤量、混合して、ガラスバッチを作製した。次に、このガラスバッチを白金ロジウム合金製坩堝に投入した後、間接加熱電気炉内で1550℃、8時間加熱して、溶融ガラスを得た。尚、均質な溶融ガラスを得るために、加熱時に、耐熱性撹拌棒を用いて、溶融ガラスを複数回攪拌した。続いて、得られた溶融ガラスを耐火性鋳型内に流し出し、板状のガラスを成形した後、徐冷炉内でアニール処理(1013dPa・sにおける温度より30〜50℃高い温度で30分間加熱した後、徐冷点〜歪点の温度域を1℃/分で降温)を行った。
得られた各試料につき、熱膨張係数、光学特性(屈折率nd、アッベ数νd)、アルカリ溶出量及び103dPa・sにおける温度(Tx)、液相温度(TL)を測定した。尚、試料No.3〜6については、ガラス組成中にアルカリ金属酸化物を含んでいないため、アルカリ溶出量の評価は行っていない。
また溶融ガラスをフィルム形状及び繊維形状に成形し、光学特性を測定して、上記板状試料との特性差を求めた。なおフィルム形状の試料は、溶融ガラスを双ローラーに供給して肉厚1mmのフィルム状に成形することにより作製した。繊維形状の試料は、白金製のブッシング炉に供給し、直径5μmの繊維状に紡糸して作製した。
表1、2から明らかなように、試料No.1〜7及び9〜14は、屈折率ndが1.518〜1.55であり、アッベ数νdが58〜65であり、また、アルカリ溶出量は0.004mg以下と非常に少なく、透明性及び信頼性に優れた樹脂複合体基板を得ることができるものであった。さらに、103dPa・sにおける温度(Tx)は、1250℃以下であり、ガラスの溶融性にも優れていた。また試料No.1〜4、9〜14は、(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(SiO2+Al2O3+B2O3)が0.18〜0.25の範囲にあり、徐冷した板状試料と、フィルム状或いは繊維状試料との光学特性の差が小さいことが確認された。
これに対し、試料No.8は、屈折率ndが1.46、アッベ数νdが67、アルカリ溶出量が0.40mgであり、また試料No.15は、屈折率ndが1.562、アルカリ溶出量が0.4mgであり、樹脂複合体基板用基板ガラスとして使用した場合、樹脂複合体基板の透明性や機械的強度が低下することが予想される。
尚、熱膨張係数は、MAC SCIENCE社製熱膨張係数測定装置を用いて30〜380℃における平均線熱膨張係数を測定した。
板状試料の屈折率ndは、カルニュー製屈折率計KPR−200で測定した値であり、ヘリウムランプのd線(波長:587.56nm)における測定値である。また、「アッベ数νd」は、カルニュー製屈折率計KPR−200により、ヘリウムランプのd線、水素ランプのF線(波長:486.13nm)、及び水素ランプのC線(波長:656.27nm)における屈折率(nd、nF、nC)を測定した上で、算出式{(nd−1)/(nF−nC)}により算出した値である。フィルム状試料の屈折率ndは、フィルムを数層重ね、カルニュー製屈折率計KPR−200で測定した。繊維状試料の屈折率ndは、ベッケ線法により測定した。
アルカリ溶出量は、JIS R3502(1995)に準拠した方法で測定した。
ガラスの粘度が103dPa・sとなる温度(Tx)の測定については、板状のガラスを適正な寸法に破砕し、なるべく気泡が巻き込まれないようにアルミナ製坩堝に投入して、再度加熱して、ガラス融液状態とし、その状態で白金球引き上げ法に基づいて計測した各粘度値の複数の計測によって得られた粘度曲線の内挿によって算出したものである。
液相温度(TL)の測定については、板状のガラスを粉砕し、300〜500μmの範囲の粒度となるように調整した状態で耐火性の容器に適切な嵩密度を有する状態に充填して、最高温度を1250℃に設定した間接加熱型の温度勾配炉内に入れて静置し、16時間大気雰囲気中で加熱操作を行った。その後に耐火性容器ごと試験体を取り出し、室温まで冷却後、偏光顕微鏡によって液相温度を特定した。
Claims (11)
- 質量%で、SiO2 45〜65%、Al2O3 5〜20%、B2O3 13〜25%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 10〜30%、MgO 5.5〜9%、CaO 0〜10%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%、Li2O+Na2O+K2O 0〜1%、CeO2 0.01〜5.0%含有することを特徴とする樹脂複合体基板用ガラス。
- 屈折率ndが1.48〜1.55、アッベ数νdが50〜65であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂複合体基板用ガラス。
- 質量%基準で、(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(SiO2+Al2O3+B2O3)が0.18〜0.25であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂複合体基板用ガラス。
- 30〜380℃における線熱膨張係数が40〜50×10−7/℃であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の樹脂複合体基板用ガラス。
- 103dPa・sの粘度に相当する温度が1300℃以下であることを特徴とする請求項1〜4に記載の樹脂複合体基板用ガラス。
- 103dPa・sの粘度に相当する温度と液相温度の差が100℃以上であることを特徴とする請求項1〜5に記載の過樹脂複合体基板用ガラス。
-
アルカリ溶出量が0.35mg以下であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の樹脂複合体基板用ガラス。 - 粉末形状を有することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の樹脂複合体基板用ガラス。
- 繊維形状を有することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の樹脂複合体基板用ガラス。
- 請求項1〜9に記載の樹脂複合体基板用ガラスを、前記ガラスとの屈折率ndの差が0.01以下、アッベ数νdの差が3以下である樹脂を用いた複合基板用材料として使用することを特徴とする樹脂複合体基板用ガラスの使用方法。
- 請求項1〜9の何れかに記載の樹脂複合体基板用ガラスと、前記ガラスとの屈折率ndの差が0.01以下、アッベ数νdの差が3以下である樹脂とを用いて製造した樹脂複合体基板。
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