JP2008232142A - クールドegrシステム及び該システム用熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】排気ガスの一部をEGRガスとして排気系から取出しEGRガス冷却装置により冷却して、再びエンジンの吸気系に戻すEGRシステムにおいて、前記EGRガス冷却装置が前記インタークーラーから導入される冷却用空気または外部から供給される冷却用空気により冷却されるように構成し、かつ前記冷却用空気は前記EGRガス冷却装置の流入側に設けたコンプレッサーまたはファンまたはブロアーによって強制的に通流させることを特徴とする。このシステムに用いるEGRガス冷却装置には、断面形状が矩形のシェル本体内に、間隔を有して複数の偏平伝熱管が配設された多管式熱交換器等を用いる。
【選択図】図1
Description
シェルアンドチューブ型の多管式熱交換器の一例としては、冷却ジャケットを構成するシェル本体の外周部の一端に冷却水入口と、その他端に冷却水出口となるノズルがそれぞれ取付けられ、該シェル本体における長手方向の一端には高温のEGRガス導入用のボンネット、その他端には熱交換されたEGRガス排出用のボンネットがそれぞれ一体として設けられ、それぞれのボンネットの内側に取付けられたチューブシートを介して、複数の偏平伝熱管が間隔を有して取付けられ、該偏平伝熱管内を高温のEGRガスが、前記シェル本体内を通流する冷却水に対して交差するように通流し、かつ複数の偏平伝熱管によって形成される広い伝熱面積に加え、該偏平伝熱管の内周面に断面コの字型のチャンネル形状を有するプレートフィンを内装することによって、通流するEGRガスの流れを細流化すると同時に、その伝熱面積の更なる増大を図って、優れた熱交換効率が得られたとする多管式熱交換器(例えば、特許文献3参照)が開示されている。
一方、近年は地球温暖化防止の観点から、エンジンを搭載した車両からのCO2の排出量の削減がより一層求められており、エンジンの小型・軽量化並びに車両の軽量化が望まれているが、NOxを削減しかつ燃費を悪化させないEGRクーラーが重量の増加を招く水冷式であることは、エンジンおよび車両重量の増加という点から好ましくなく、改善が望まれていた。
すなわち、本発明のクールドEGRシステムによれば、エンジンルームから排出された高温の排気ガスは、EGRクーラーを構成する多管式熱交換器に導入され、インタークーラーによって冷却された冷却用空気あるいは外部から導入される冷却用空気がコンプレッサーまたはファンあるいはブロアーによって強制的に流入されることによって効率的に冷却されてエンジンの吸気系に循環されるので、エンジンの熱効率がより改善される。
また、EGRガス冷却装置(EGRクーラー)として空冷方式と水冷方式をそれぞれ直列に配設してEGRガス冷却システムを構成する際、プリクーラーに空冷方式のEGRガス冷却装置を用いる場合には、水冷方式のようなEGRガス入口付近での伝熱管外表面からの沸騰現象が発生しないため伝熱量の減少がなく、他方、アフタークーラーに空冷方式のEGRガス冷却装置を用いる場合には、水冷方式のようなEGRガス出口付近での過冷却による伝熱管内表面への結露が発生しないため伝熱管やエンジン部品の腐食による劣化が防止される。
なお、本発明の多管式熱交換器は、クールドEGRシステムにおける空冷EGRクーラーに限定されず、排気ガス熱交換器等広範な用途に使用可能であることはいうまでもない。
すなわち、図1に示すクールドEGRシステムは、インタークーラー7から供給される吸入用空気をエンジン1に導入する吸気管6に冷却用空気配管13を分岐接続し、該冷却用空気配管13に設けられたコンプレッサーまたはブロアーあるいはファン14を介してインタークーラー7から供給される冷却用空気をEGRガス冷却装置4に強制的に通流させることによって高温の排気ガスを効率的に冷却する方式となしたものである。なお、前記冷却用空気はEGRガス冷却装置4を通流した後、ファン10により圧送して排気管3へ戻されマフラー(図示せず)に導入される。また、冷却用空気配管13に設けられたコンプレッサーまたはブロアーあるいはファン14と、EGRガス冷却装置4を通流した冷却用空気を排気管3へ戻すファン10は必ずしも両方必要とするものではなく、どちらか一方のみでもよい。
このクールドEGRシステムは、冷却用空気配管13に設けられたコンプレッサーまたはファンあるいはブロアー14を介して外部またはエンジンルーム内の空気をEGRガス冷却装置4に強制的に通流させることによって高温の排気ガスを効率的に冷却する方式となしたものである。なお、前記冷却用空気はEGRガス冷却装置4を通流した後、ファン10により圧送して外気に直接放出されるが、前記第1実施例のように排気管3へ導入させてもよい。またこのシステムにおいても、冷却用空気配管13に設けられたコンプレッサーまたはファンあるいはブロアー14と、EGRガス冷却装置4を通流した冷却用空気を排気管3へ戻すファン10は必ずしも両方必要とするものではなく、どちらか一方のみでもよい。
このクールドEGRシステムは、排気系の排気管3よりEGRガス配管5を介して取出したエンジン1の排気ガスの一部をまず、水冷式のEGRガス冷却装置(プリクーラー)4aによりエンジン1の冷却水により冷却し、続いてEGRバルブ15を介して接続した空冷式のEGRガス冷却装置(アフタークーラー)4によりさらに冷却する。空冷式のEGRガス冷却装置4は前記したように冷却用空気配管13に設けられたコンプレッサー、ファン、ブロアー14等を介して外部からの冷却用空気を当該EGRガス冷却装置4に強制的に通流させることによって排気ガスを効率よく冷却することができる。
なお、前記2基のEGRガス冷却装置4a、4により冷却されたエンジン1の排気ガスは、EGRバルブ15により制御されて再びエンジン1の吸気系に戻し再循環させるように構成し、さらに前記空冷式のEGRガス冷却装置4の冷却用空気は該冷却装置を通流した後、ファン10により排気管3へ戻されマフラー(図示せず)に導入されるように構成している。またこのシステムにおいても、冷却用空気配管13に設けられたコンプレッサーまたはファンあるいはブロアー14と、EGRガス冷却装置4を通流した冷却用空気を排気管3へ戻すファン10は必ずしも両方必要とするものではなく、どちらか一方のみでもよい。
本実施例では、EGRガスがプリクーラー4aにより予め冷却されているので、アフタークーラー4におけるEGRガスと冷却用空気との温度差があまり大きくなくEGRガスが過冷却されることがない。よって、EGRガスが伝熱管内表面に結露することがないので前記したように結露による種々の不具合を生じることがない。
このクールドEGRシステムは、排気系の排気管3よりEGRガス配管5を介して取出したエンジン1の排気ガスの一部をまず、空冷式のEGRガス冷却装置(プリクーラー)4により冷却用空気配管13に設けられたコンプレッサーまたはファンまたはブロアー14を介して外部から導入した冷却用空気により冷却し、続いてEGRバルブ15を介して接続した水冷式のEGRガス冷却装置(アフタークーラー)4aでエンジン1の冷却水により冷却する方式であるから、前記のシステムと同様、エンジン1の排気ガスの一部をより効率よく冷却することができる。
なお、前記2基のEGRガス冷却装置4a、4により効率よく冷却されたエンジン1の排気ガスは、EGRバルブ15により制御されて再びエンジン1の吸気系に戻し再循環させるように構成し、前記空冷式のEGRガス冷却装置4の冷却用空気は該冷却装置を通流した後、ファン10により外部へ放出される。また、本実施例では、プリクーラー4を空冷化しているのでEGRガスの温度が高く、冷却用空気との温度差が大きいことにより熱交換性能が良好となり該プリクーラー4を小型化できると共に、EGRガス温度の急激な上昇や流量の急激な増量時に水冷方式のようにEGRガス流入側の伝熱管表面での沸騰現象を防止できるので、沸騰に伴う熱交換特性の急激な低下がなく熱交換性能が安定する。
さらに、このEGRシステム用熱交換器は、気−気熱交換タイプの多管式熱交換器にもかかわらず、優れた冷却効率が効果的に確保されるところから、EGRガス冷却システムにおけるEGRクーラーとしては勿論のこと、他の冷却装置用の熱交換器としても幅広く採用されることが期待され、さらにEGRシステムに容易に組込まれて、その優れた熱交換性能によってそれらの装置の小型軽量化を可能とし、システム全体としてのコンパクト化に貢献して、限られたスペースに容易に設置することができるところから、抜群のレイアウト性を有するEGRガス冷却システムとして、当該産業分野における幅広い用途が期待される。またさらに、本発明の気−気熱交換タイプの多管式熱交換器を採用したクールドEGRシステムは、従来の水冷式EGRクーラーのみを採用したクールドEGRシステムに比し、クーリングシステムを構成する部品等の小型・軽量化がはかられると共に優れた熱交換性能が得られることから、車両搭載用のエンジンの小型・軽量化並びに車両の軽量化にも貢献し、地球温暖化防止に大きく寄与し得る。さらにまた、本発明の熱交換器は、空冷EGRクーラーに限定されず、例えば排気ガス熱交換器など広範な用途にも使用可能である。
2 ターボチャージャー
3 排気管
4、4a EGRクーラー
5 EGRガス配管
6 吸気管
7 インタークーラー
8 ラジエーター
9 エアーフィルターからの配管
10 ファン
11、12、15 EGRバルブ
13 冷却用空気配管
14 コンプレッサー、ファン、ブロアー
16 エンジン冷却水配管
21、21a 多管式熱交換器
22、22a、22b シェル本体
22−1 チューブシート
23、23a、23b 偏平伝熱管
24、26 フィン構造体
25 コルゲートフィン
26a 偏平コイルスプリング
Claims (15)
- 排気ガスの一部をEGRガスとして排気系から取出しEGRガス冷却装置により冷却して、再びエンジンの吸気系に戻すEGRシステムにおいて、前記EGRガス冷却装置が前記インタークーラーから導入される冷却用空気または外部から供給される冷却用空気により冷却されることを特徴とするクールドEGRシステム。
- 前記冷却用空気が前記EGRガス冷却装置の流入側に設けたコンプレッサーまたはファンまたはブロアーによって強制的に通流させることを特徴とする請求項1に記載のクールドEGRシステム。
- 前記空冷式のEGRガス冷却装置の上流側または下流側に水冷式EGRガス冷却装置が組込まれることを特徴とする請求項1または2に記載のクールドEGRシステム。
- 前記空冷式のEGRガス冷却装置が、多管式熱交換器であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のクールドEGRシステム。
- 前記空冷式のEGRガス冷却装置が、断面形状が矩形のシェル本体内に、間隔を有して複数の偏平伝熱管が配設された多管式熱交換器であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のクールドEGRシステム。
- 断面矩形のシェル本体内に、間隔を有して複数の偏平伝熱管が配設された多管式熱交換器において、前記シェル本体内周面と隣接する偏平伝熱管外周面間に生ずる空間と、隣接する相互の偏平管外周面間に生ずる空間とに、線材をスパイラル状に巻回することによって形成されたコイルスプリングからなるフィン構造体の少なくとも1本が配設され、該コイルスプリングからなるフィン構造体が、所定の間隔に前記シェル本体内周面と隣接する偏平伝熱管外周面および/または隣接する相互の偏平伝熱管外周面に密着、固定されていることを特徴とするクールドEGRシステム用多管式熱交換器。
- 前記コイルスプリングからなるフィン構造体が、前記線材をスパイラル状に巻回した断面形状を偏平に形成した偏平コイルスプリングからなることを特徴とする請求項6に記載のクールドEGRシステム用多管式熱交換器。
- 前記偏平伝熱管に、予め断面チャンネル形状のコルゲートフィンが内装されていることを特徴とする請求項6に記載のクールドEGRシステム用多管式熱交換器。
- 前記偏平伝熱管に、前記偏平コイルスプリングからなるフィン構造体が内装されていることを特徴とする請求項6に記載のクールドEGRシステム用多管式熱交換器。
- 前記コイルスプリングまたは偏平コイルスプリングからなるフィン構造体が、シェル本体の内周面と隣接する偏平伝熱管の外周面間に生ずる空間と、隣接する相互の偏平伝熱管の外周面間に生ずる空間とにおいて、該偏平伝熱管の管軸方向に対して平行、波型、垂直、斜め方向のいずれかの形態、もしくはこれらを任意に組み合わせた形態を以って密着、固定されることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載のクールドEGRシステム用多管式熱交換器。
- 前記コイルスプリングまたは偏平コイルスプリングからなるフィン構造体の、シェル本体内周面および/または偏平伝熱管外周面への固定手段が、溶接、ろう付、拡散およびその他の接合手段の中から適宜に選択され、緊密にかつ一体として接合されることによって固定されることを特徴とする請求項10に記載のクールドEGRシステム用多管式熱交換器。
- 前記フィン構造体を形成するコイルスプリングまたは偏平コイルスプリングが金属製線材からなり、該線材間に生ずるピッチ間隔が2〜10mmを保持するようにして巻回され、その巻回した断面形状が偏平の略長円形、略楕円形、略長方形、略六角形のいずれかであることを特徴とする請求項7、9〜11のいずれか1項に記載のクールドEGRシステム用多管式熱交換器。
- 前記コイルスプリングまたは偏平コイルスプリングを形成する金属製線材の断面が、円形もしくは該円形を基に任意に変形された略楕円形や略長円形、三角形、正方形もしくは該正方形を基に任意に変形された略長方形、略五角形、略六角形、略多角形、または星形などから選択される断面形状を有することを特徴とする請求項7、9〜12のいずれか1項に記載のクールドEGRシステム用多管式熱交換器。
- 前記コイルスプリングまたは偏平コイルスプリングを形成する金属製線材がステンレススチール、アルミニウム、銅、鉄、チタン、ニッケルおよびこれらを基とする合金からなり、所望に応じてこれらの金属に表面処理を施してなることを特徴とする請求項7、9〜13のいずれか1項に記載のクールドEGRシステム用多管式熱交換器。
- 前記シェル本体内周面と偏平伝熱管外周面との空間に形成された流路を冷却媒体が、該偏平伝熱管内周面に形成された流路を被冷却媒体がそれぞれ通流し、該冷却媒体が冷却用空気、被冷却媒体が排気ガスであることを特徴とする請求項6乃至14のいずれか1項に記載のクールドEGRシステム用多管式熱交換器。
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