JP2008229235A - 芳香・消臭カ−ペット - Google Patents
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Abstract
【課題】室内の自然な空気の流れによってカ−ペットに担持させた芳香剤から香りを漂わせる一方、カ−ペットに担持させた消臭剤によって該芳香剤の香り以外のいやな臭いを効率よく吸着除去することのできるカ−ペットを提供することを目的とする。
【解決手段】カ−ペットの目止め層に、香り成分をマイクロカプセル内に封入した芳香剤を担持させる一方、パイル糸及び/または目止め層に芳香剤から放散する香り以外の臭い成分に対して消臭性能のある消臭剤を付与することによって、悪臭を除去し、芳香剤からのほのかな香りによって空内に癒しの空間を創造することができるカ−ペットが得られた。
【選択図】 図1
【解決手段】カ−ペットの目止め層に、香り成分をマイクロカプセル内に封入した芳香剤を担持させる一方、パイル糸及び/または目止め層に芳香剤から放散する香り以外の臭い成分に対して消臭性能のある消臭剤を付与することによって、悪臭を除去し、芳香剤からのほのかな香りによって空内に癒しの空間を創造することができるカ−ペットが得られた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、カ−ペットから放散する芳香によって癒しの空間を演出し、さらに該芳香以外のいやな臭いはカーペットに担持した消臭剤によって除去するようにしたもので、芳香の臭気濃度を下げても、長期にわたってほんのりとした香りの空間をかもしだすことのできる芳香・消臭カ−ペットに関するものである。
近年の住宅は、従来の住宅と比較して断熱性、気密性が著しく向上しており、高性能の省エネ住宅となってきている。しかしながら、住宅の気密性が高ければ高いほど、室内にいやな臭いがこもりやすくなり、不快感となってしまっていた。それ故に、室内のいやな臭いを取り除く技術が求められるようになり、芳香剤を散布していやな臭いを消したり、カーペットや壁紙に消臭剤を担持させていやな臭いを取り除いたりする技術が種々提案されている。
このような、室内のいやな臭いの主なものは、食品の臭いであったり、ペット臭やタバコ臭であったりして種々の臭いがあげられる。これらの室内のいやな臭いの原因になる悪臭成分としては、例えばアンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、ホルムアルデヒド、等様々なガスを例示できるが、本発明は、これらの悪臭成分を取り除き、しかもほんのりとした香りの空間を創り出すカ−ペットを提供するものである。
特許文献1において、連続気泡の軟質発泡体に芳香材料または、消臭材料の少なくともいずれか一方を混合することによって、芳香材料または、消臭材料の効果を維持するようにした電気カ−ペットが提案されている。しかしながらこの技術では、芳香材料と消臭材料を同時に担持させた場合には、お互いにその効果を打ち消し合うことから、期待する効果の得られないものであった。
特開2003−314840号公報
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、室内の自然な空気の流れによってカ−ペットに担持させた芳香剤から香りを漂わせる一方、カ−ペットに担持させた消臭剤によって該芳香剤の香り以外のいやな臭いを効率よく吸着除去することのできるカ−ペットを提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、カ−ペットの目止め層に芳香剤を担持し、パイル糸及び/または目止め層に芳香剤から放散する香り以外の臭い成分に対して消臭機能のある消臭剤を付与することによって、芳香剤の濃度が下がっても効率的に、空内に癒しの空間を創造することができることを見出し本発明に到達した。前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]パイル糸と基布からなる表皮層と、前記パイル糸と基布を固着するための目止め層とを含むカ−ペットにおいて、前記目止め層に芳香剤を担持させ、前記パイル糸及び/または目止め層に消臭剤を担持させたことを特徴とするカ−ペット。
[2]前記芳香剤の香り成分は、メラミンマイクロカプセルの表面に担持されることと、メラミンマイクロカプセル内に封入されていることに特徴のある前項1記載のカ−ペット。
[3]前記消臭剤はヒドラジン誘導体と無機物質とを含むことに特徴のある前項1または2に記載のカ−ペット
[4]前記芳香剤が2〜25g/m2、前記消臭剤が2〜50g/m2担持されたことに特徴のある前項1乃至3のいずれかに記載のカ−ペット。
[1]の発明によれば、パイル糸と基布からなる表皮層と、前記パイル糸と基布を固着するための目止め層とを含むカ−ペットにおいて、前記目止め層に芳香剤を担持させ、前記パイル糸及び/または目止め層に消臭剤を担持させているので、室内の空気が自然対流によってカ−ペット内部を通過するときに、芳香剤から香りが放散され、消臭剤によって悪臭が除去される。芳香剤は目止め層に担持されるので、カーペットの使用中にカーペットから脱落することは少なく、耐久性のある香り効果を発揮する。消臭剤はパイル糸及び/または目止め層に担持されるので、優れた消臭効果を発揮することができる。
[2]の発明によれば、前記芳香剤の香り成分は、メラミンマイクロカプセルの表面に担持されているので、カーペットの目止め層に混入しても、初期から香りを放散することができる。また芳香剤の香り成分は、メラミンマイクロカプセル内にも封入されているので、圧力が加わってカプセルが破壊されてから香りを放散することから、長い間にわたって全てのカプセルが破壊され尽くすまで香り効果を持続することができる。
[3]の発明によれば、前記消臭剤はヒドラジン誘導体と無機物質とを含でいるので、ホルムアルデヒド、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸等のガスに十分な消臭性能を発揮することができる。また、芳香剤から放散される例えばローズ、ジャスミン、レモン、オレンジ、ヒノキ等の香り成分は該消臭剤によっては除去されにくいので、これらの香り成分のみが室内に放散されるカ−ペットとすることができる。
[4]の発明によれば、前記芳香剤が2〜25g/m2、前記消臭剤が2〜50g/m2担持されているので十分な香り効果と消臭効果のあるカ−ペットとすることができる。
次に、この発明に係るカ−ペットの一実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態のカ−ペット1は、パイル糸2と基布3とが目止め層5によって目止めされた表皮層4を含み、目止め層5の下側にバッキング層6を同時に接着している。目止め層5には芳香剤7及び消臭剤8が混入され、バッキング層6を接着している。(図1参照)前記カ−ペット1は通気性のあることが好ましく、通気度が1〜50(cm3/cm2・秒)であることが好ましい。パイル側からバッキング層側へ、あるいはバッキング層側からパイル側へ空気の緩やかな流れがおき、この流れに乗って香り成分が放散される一方、空気中の悪臭成分は、緩やかな空気の流れに乗って消臭剤と接触し、効率よく消臭される。
また、本発明の効果をさらに有効にするために、芳香剤7と消臭剤8をカーペット1のバッキング層6にも担持させてもよい。また、カーペットを使用中に、カーペット1上に落とした食べ物等の、除去しきれなかった汚れに付く雑菌の繁殖によって発生する腐敗臭等を防ぐために、銀等の抗菌剤を、パイル糸や目止め層に発明を妨げない範囲で固着することもできる。
目止め層5は、特に限定しないが、通気性のある発泡ラテックスからなるのが好ましい。樹脂成分としてはアクリル系、ウレタン系、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の樹脂が挙げられる。ゴム組成物のゴム成分としてはSBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)MBR(メチルメタクリレ−ト−ブタジエンゴム)あるいは天然ゴム等が挙げられるが、SBRのような、樹脂自体が強い臭気を発しないものが好ましい。発泡は機械発泡で、発泡倍率は1.2以上発泡させるのが好ましい。十分発泡させることにより、発泡ラテックスを塗布し乾燥するときに連続気泡となりやすく、通気性が確保される。発泡ラテックスの塗布方法としてはロ−ルコ−ティング法が好ましい。また、目止め層5には、消臭剤や芳香剤が練り込まれており、消臭剤や芳香剤が連続気泡と接する構造になっていれば、連続孔内を緩やかに流れる空気と、消臭剤や芳香剤が接触し効果的に消臭効果や芳香作用を発揮することができる。
目止め層5の通気度をほぼ1〜50(cm3/cm2・秒)の範囲になるように設計し、カ−ペット全体の厚さ方向の通気度が、1〜50(cm3/cm2・秒)の範囲になるように設計することが好ましい。1(cm3/cm2・秒)を下回る通気度では、カ−ペット内を空気が動きにくく、消臭及び芳香作用を効果的に発揮することができない。また、50(cm3/cm2・秒)を超えるカーペットは、現実的な使用に耐えうるカーペットではない。
本発明において、パイル糸2の素材としては特に限定されるものではなく、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、レ−ヨン繊維等を好適に使用でき、その他麻、綿、羊毛等の天然繊維からなるもの等も使用できるが、繊維自体から臭いを発しないものが好ましい。パイルの形態としてもカットパイルであっても、ル−プパイルであってもよい。パイル糸2の目付は200〜2000g/m2に設定するのが好ましい。200g/m2未満ではカ−ペットとしての機能の劣ったものとなり、2000g/m2を超えると通気性が十分に得られなくなり好ましくない。
基布3としての基材は、どのような素材、形態のものでもよく、素材としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維等の熱可塑性繊維、またこれら各繊維の複合化繊維、アセテ−ト等の半合成繊維、レ−ヨン等の再生繊維、麻、綿等の天然繊維、あるいはこれらの混綿したものが挙げられるが、繊維自体匂わないものが好ましい。また、基布の形態としては例えば、織布、編布、不織布が挙げられるが、通気性、コスト、性能等の良好なスパンボンド不織布が好ましい。基布3の目付は80〜150g/m2に設定するのが好ましい。80g/m2未満ではパイル糸2を安定的に保持するのが困難となるので好ましくない。150g/m2を超えると通気性が十分に得られなくなり、コスト的にも好ましくない。
芳香剤は、香料として、例えばローズ、ジャスミン、レモン、オレンジ、ヒノキ等が挙げられ、これらの香料をメラミン樹脂製の膜材内に封入してメラミンマイクロカプセルが作る。この香料のマイクロカプセル化は、常法に従って作られる。メラミンマイクロカプセルの粒径は特に限定されないが、人がカーペット上を歩行して徐々に破壊される程度の粒径と強度が必要で、粒径としては30〜50μmで、使用による外部からの圧力で壊れる程度の大きさが好ましい。また、メラミンマイクロカプセルの表面には、芳香成分を直接担持させたものが、初期から香りが放散するので好ましい。
前記芳香剤のカ−ペットへの担持量は、芳香成分の濃度や種類によっても異なるが、2〜25g/m2とするのが好ましい。2g/m2未満では、十分な芳香性能が得られなくなるので好ましくない。また、25g/m2を超えても臭気濃度が高くなり、たとえよい香りであったとしても、人によってはかえって不快臭と感じてしまうことから好ましくない。芳香剤をカ−ペットへ担持する方法としては、目止め層に芳香剤を練り込ませて担持するのがよい。
また、ローズ、ジャスミン、レモン、オレンジ、ヒノキ等の香料は、ヒドラジン誘導体と無機物質とからなる消臭剤によって、分解されたり、吸着されることが少なく、香り効果を十分に発揮し、長期にわたり香りを放散する。
消臭剤としては、ヒドラジン誘導体と無機物質とからなる消臭剤が好ましい。ヒドラジン誘導体としては、例えば、ヒドラジン系化合物と長鎖の脂肪族系化合物とを反応させたもの、あるいはヒドラジン系化合物と芳香族系化合物とを反応させたもの等が挙げられる。中でも、ヒドラジン及びセミカルバジドからなる群より選ばれる1種または2種の化合物と、炭素数8〜16のモノカルボン酸、ジカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、および芳香族ジカルボン酸からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物との反応生成物や、ヒドラジン及びセミカルバジドからなる群より選ばれる1種または2種の化合物と炭素数8〜16のモノグリシジル誘導体及びジグリシジル誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物との反応生成物が好適である。前記反応生成物としては、具体的には、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンニ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等を挙げられるが、特にこれら例示の化合物に限定されるものではない。このようなヒドラジン誘導体を用いることにより優れた悪臭除去性能を確保することができる。特に、タバコ臭に多く含まれるとされるアセトアルデヒドの化学吸着作用に優れた効果を発揮する。
また、無機物質としては、例えば活性炭、ゼオライト、麦飯石、シリカゲル、あるいはアルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄などの金属酸化物等を挙げられるが、これら例示のものに特に限定されるものではない。このような無機物質を併用することにより、ヒドラジン誘導体の作用と相俟って悪臭を効果的に消臭することができる。
また、本発明において、前記無機物質としては、多孔質無機物質を用いるのが好ましい。多孔質故に表面積が大きく、悪臭の吸着能力の優れたものとなる。例えばこのような多孔質無機物質としては、前述の活性炭、ゼオライト等が挙げられる。中でも、酢酸、アンモニア等に対して優れた吸着能を有するゼオライトを用いるのが好ましい。
前記消臭剤のカ−ペットへの担持量は2〜50g/m2とするのが好ましい。2g/m2未満では十分な悪臭除去性能が得られなくなるので好ましくない。また、50g/m2を超えても大きな消臭性能の向上はなく、徒にコストを増大することになり好ましくない。消臭剤のカ−ペットへの担持方法としては、パイル糸にバインダー樹脂を介して担持させたり、目止め層に混入して担持させる。
また、本発明においては、前記消臭剤と同時に他の機能材を混入することができる。例えば、抗菌剤をラテックスに混入してもよい。抗菌剤としては亜鉛、銅、銀から選択される1種または複数の金属及びこれらの化合物であることが好ましい。具体的には、銀ゼオライト、銀担持三酸化二硼素、銀担持リン酸ジルコニウム、酸化銀、酸化亜鉛、銅ゼオライト、リン酸銅等を挙げることができる。中でも銀化合物は、抗菌効果が大きく人体への毒性が低いことから好ましく使用される。また、担持量としては、抗菌剤が0.5〜20g/m2担持されることが良い。0.5g/m2未満では十分な抗菌性能が得られなくなるので好ましくない。また、20g/m2を超えても大きな抗菌性能の向上はなく、徒にコストを増大することになり好ましくない。
また、本発明においては、前記ラテックスには、前記芳香剤や消臭剤、抗菌剤以外に、必要に応じてラテックスの特性向上のため各種添加剤、例えば分散剤や、増粘剤、起泡剤や炭酸カルシウム等の充填剤を配合してもよいし、カ−ペットの諸性質向上を目的に、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤をこの発明の妨げにならない範囲で適宜配合することもできる。
また、図1では、本発明の例として、目止め層5の下側にバッキング層6(通気性あり)を接着しているカ−ペットの形態を挙げている。この場合、バッキング層は、カーペットにクッション性を付与したり、目止め層5が直接床面と接触するのを防ぎ、目止め層5や床面を保護する役割を果たしている。バッキング層6としては、通気性のある不織布が好適で、ニ−ドルパンチ不織布、スパンボント不織布等を例示できる。バッキング層6の目付は50〜1000g/m2、その厚さを0.5〜15mm、構成繊維の繊度を0.1〜30デシテックスの範囲に設定するのが好ましい。バッキング層6の目付は、50g/m2未満ではカ−ペットとしての機能や品位の劣ったものとなり、好ましくない。1000g/m2を超えると通気性が十分に得られなくなり好ましくない。素材としては、パイル糸、基布と同様に特に限定されないが、リサイクル性からみればパイル糸、基布と併せてポリエステル繊維に統一するのが望ましい。
上記のように図1では、目止め層の下側にバッキング層6を積層した後に乾燥させる。乾燥手段は特に限定されないが、加熱処理する方が乾燥効率から好ましい。加熱処理温度は、100〜180℃とするのが好ましい。この温度での加熱処理によって、連続気泡が発現し通気性のある目止め層となり、バッキング層を積層した場合は、強固な接着力を得ることができる。
なお、この発明における消臭試験の評価方法、芳香性能の測定方法は次の通りである。
<消臭性能測定>
(アンモニア消臭性能)
試験カ−ペット片(10cm×20cm)を内容量500ミリリットルの袋内に入れた後、袋内において濃度が200ppmとなるようにアンモニアガスを注入し、1時間経過後にアンモニアガスの残存濃度を測定し、この測定値よりアンモニアガスを除去した総量を算出し、これよりアンモニアガスの除去率(%)を算出した。
(アンモニア消臭性能)
試験カ−ペット片(10cm×20cm)を内容量500ミリリットルの袋内に入れた後、袋内において濃度が200ppmとなるようにアンモニアガスを注入し、1時間経過後にアンモニアガスの残存濃度を測定し、この測定値よりアンモニアガスを除去した総量を算出し、これよりアンモニアガスの除去率(%)を算出した。
(硫化水素消臭性能)
アンモニアガスに代えて硫化水素ガスを用いて袋内において濃度が20ppmとなるように注入した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にして硫化水素の除去率(%)を算出した。
アンモニアガスに代えて硫化水素ガスを用いて袋内において濃度が20ppmとなるように注入した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にして硫化水素の除去率(%)を算出した。
(ホルムアルデヒド消臭性能)
アンモニアガスに代えてホルムアルデヒドガスを用いて袋内において濃度が80ppmとなるように注入し、4時間経過後にホルムアルデヒドガスの残存濃度を測定した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にしてホルムアルデヒドの除去率(%)を算出した。
アンモニアガスに代えてホルムアルデヒドガスを用いて袋内において濃度が80ppmとなるように注入し、4時間経過後にホルムアルデヒドガスの残存濃度を測定した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にしてホルムアルデヒドの除去率(%)を算出した。
そして、除去率が95%以上であるものを「◎」、除去率が80%以上95%未満であるものを「○」、除去率が70%以上80%未満であるものを「△」、除去率が70%未満であるものを「×」と評価し表1のような結果を得た。「○」以上を合格とした。
<芳香性能測定>
官能試験とし、試験カ−ペット片(10cm×20cm)を内容量500ミリリットルの袋内に入れて放置し、1時間後に、表1に示す六段階臭気表示法と九段階快・不快度表示法に基づいて、7名のモニターにて芳香性能を評価し表2のような結果を得た。平均臭気強度2〜3、平均快・不快度0以上を合格「○」とした。
官能試験とし、試験カ−ペット片(10cm×20cm)を内容量500ミリリットルの袋内に入れて放置し、1時間後に、表1に示す六段階臭気表示法と九段階快・不快度表示法に基づいて、7名のモニターにて芳香性能を評価し表2のような結果を得た。平均臭気強度2〜3、平均快・不快度0以上を合格「○」とした。
<実施例1>
まず、ポリエステル繊維からなるスパンボンド不織布基布(目付110g/m2)に、ポリエステル繊維からなるパイル糸をタフティング機で植え込み、パイル長7mm パイル目付700g/m2の表皮層を作成し、次に、目止め層としてSBRラテックス(SBR含有量50重量%)に起泡剤をいれ、機械発泡した後(発泡倍率1.2)、消臭剤としてセバシン酸ジヒドラジドとゼオライトを一対一に混合した組成物(平均粒径が8μm、SBRに対して4.0重量%)と、芳香剤としてヒノキ成分封入のメラミンマイクロカプセル(SBRに対して2.0重量%)、充填剤として炭酸カルシウム(SBRに対して30重量%)含有せしめ、直ちにロールコーティングで400g/m2目止め層として塗布し、さらにポリエステル繊維からなるニ−ドルパンチ不織布(3.4デシテックス、厚さ3mm、目付100g/m2)をバッキング層として前記目止め層に積層し、150℃で15分乾燥してカーペットとした。カーペットには、消臭剤が16.0g/m2、芳香剤が8.0g/m2塗布されていた。各種消臭試験と芳香性能評価をおこない、表2に記載し、良好な評価を得た。
まず、ポリエステル繊維からなるスパンボンド不織布基布(目付110g/m2)に、ポリエステル繊維からなるパイル糸をタフティング機で植え込み、パイル長7mm パイル目付700g/m2の表皮層を作成し、次に、目止め層としてSBRラテックス(SBR含有量50重量%)に起泡剤をいれ、機械発泡した後(発泡倍率1.2)、消臭剤としてセバシン酸ジヒドラジドとゼオライトを一対一に混合した組成物(平均粒径が8μm、SBRに対して4.0重量%)と、芳香剤としてヒノキ成分封入のメラミンマイクロカプセル(SBRに対して2.0重量%)、充填剤として炭酸カルシウム(SBRに対して30重量%)含有せしめ、直ちにロールコーティングで400g/m2目止め層として塗布し、さらにポリエステル繊維からなるニ−ドルパンチ不織布(3.4デシテックス、厚さ3mm、目付100g/m2)をバッキング層として前記目止め層に積層し、150℃で15分乾燥してカーペットとした。カーペットには、消臭剤が16.0g/m2、芳香剤が8.0g/m2塗布されていた。各種消臭試験と芳香性能評価をおこない、表2に記載し、良好な評価を得た。
<実施例2>
実施例1において、消臭剤の量を増やした(セバシン酸ジヒドラジドとゼオライトを一対一に混合した組成物(平均粒径が8μm、SBRに対して8.0重量%))以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。カーペットには、消臭剤が32.0g/m2、芳香剤が8.0g/m2塗布されていた。各種消臭試験をおこない、評価を表2に記載した。消臭能力が上がっても、芳香性能評価の変わらないことを確認できた。
実施例1において、消臭剤の量を増やした(セバシン酸ジヒドラジドとゼオライトを一対一に混合した組成物(平均粒径が8μm、SBRに対して8.0重量%))以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。カーペットには、消臭剤が32.0g/m2、芳香剤が8.0g/m2塗布されていた。各種消臭試験をおこない、評価を表2に記載した。消臭能力が上がっても、芳香性能評価の変わらないことを確認できた。
<実施例3>
実施例1において、パイル部分に消臭剤をアクリル樹脂バインダーで8.0g/m2塗布し、SBRラテックスに芳香剤としてヒノキ成分封入のメラミンマイクロカプセル(SBRに対して1.0重量%)のみ混入した以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。カーペットには、消臭剤が8.0g/m2、芳香剤が4.0g/m2塗布されていた。各種消臭試験をおこない、評価を表2に記載し、良好な評価を得た。
実施例1において、パイル部分に消臭剤をアクリル樹脂バインダーで8.0g/m2塗布し、SBRラテックスに芳香剤としてヒノキ成分封入のメラミンマイクロカプセル(SBRに対して1.0重量%)のみ混入した以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。カーペットには、消臭剤が8.0g/m2、芳香剤が4.0g/m2塗布されていた。各種消臭試験をおこない、評価を表2に記載し、良好な評価を得た。
<実施例4>
実施例3において、SBRラテックスに消臭剤としてセバシン酸ジヒドラジドとゼオライトを一対一に混合した組成物(平均粒径が8μm、SBRに対して2.0重量%)を加えた以外は実施例3と同様にしてカ−ペットを得た。カーペットには、消臭剤が16.0g/m2、芳香剤が4.0g/m2塗布されていた。各種消臭試験をおこない、評価を表2に記載し、良好な評価を得た。
実施例3において、SBRラテックスに消臭剤としてセバシン酸ジヒドラジドとゼオライトを一対一に混合した組成物(平均粒径が8μm、SBRに対して2.0重量%)を加えた以外は実施例3と同様にしてカ−ペットを得た。カーペットには、消臭剤が16.0g/m2、芳香剤が4.0g/m2塗布されていた。各種消臭試験をおこない、評価を表2に記載し、良好な評価を得た。
<実施例5>
実施例1において、消臭剤としてセバシン酸ジヒドラジドと酸化亜鉛を一対一に混合した組成物(平均粒径が6μm、SBRに対して4.0重量%)とした以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。カーペットには、消臭剤が16.0g/m2、芳香剤が8.0g/m2塗布されていた。各種消臭試験をおこない、評価を表2に記載し、良好な評価を得た。
実施例1において、消臭剤としてセバシン酸ジヒドラジドと酸化亜鉛を一対一に混合した組成物(平均粒径が6μm、SBRに対して4.0重量%)とした以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。カーペットには、消臭剤が16.0g/m2、芳香剤が8.0g/m2塗布されていた。各種消臭試験をおこない、評価を表2に記載し、良好な評価を得た。
<実施例6>
実施例1において、消臭剤としてセバシン酸ジヒドラジドとゼオライトを一対一に混合した組成物(平均粒径が8μm、SBRに対して8.0重量%)と、芳香剤としてジャスミン封入のメラミンマイクロカプセル(SBRに対して4.0重量%)とした以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。カーペットには、消臭剤が32.0g/m2、芳香剤が16.0g/m2塗布されていた。各種消臭試験をおこない、評価を表2に記載し、良好な評価を得た。
実施例1において、消臭剤としてセバシン酸ジヒドラジドとゼオライトを一対一に混合した組成物(平均粒径が8μm、SBRに対して8.0重量%)と、芳香剤としてジャスミン封入のメラミンマイクロカプセル(SBRに対して4.0重量%)とした以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。カーペットには、消臭剤が32.0g/m2、芳香剤が16.0g/m2塗布されていた。各種消臭試験をおこない、評価を表2に記載し、良好な評価を得た。
<実施例7>
実施例1で作成したカーペット片(10cm×20cm)を内容量500ミリリットルの袋内に入れた後、袋内において濃度がそれぞれ10ppmとなるようにアンモニアガスと硫化水素ガスとホルムアルデヒドガスを同時に注入し、4時間経過後に芳香性能測定の官能試験のみおこない、評価を表2に記載し、臭気強度2.7、快・不快度1.0と良好な評価を得た。
実施例1で作成したカーペット片(10cm×20cm)を内容量500ミリリットルの袋内に入れた後、袋内において濃度がそれぞれ10ppmとなるようにアンモニアガスと硫化水素ガスとホルムアルデヒドガスを同時に注入し、4時間経過後に芳香性能測定の官能試験のみおこない、評価を表2に記載し、臭気強度2.7、快・不快度1.0と良好な評価を得た。
<比較例1>
実施例1において、SBRラテックスに消臭剤を混入しなかった以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。カーペットには、消臭剤が担持されていないので、良好な消臭効果は得られなかった。
実施例1において、SBRラテックスに消臭剤を混入しなかった以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。カーペットには、消臭剤が担持されていないので、良好な消臭効果は得られなかった。
<比較例2>
比較例1で作成したカーペット片(10cm×20cm)を内容量500ミリリットルの袋内に入れた後、袋内において濃度がそれぞれ10ppmとなるようにアンモニアガスと硫化水素ガスとホルムアルデヒドガスを同時に注入し、4時間経過後に芳香性能測定の官能試験のみおこない、評価を表2に記載した。各種悪臭とヒノキ臭が混合された匂いとなり快・不快度で良好な評価を得られなかった。
比較例1で作成したカーペット片(10cm×20cm)を内容量500ミリリットルの袋内に入れた後、袋内において濃度がそれぞれ10ppmとなるようにアンモニアガスと硫化水素ガスとホルムアルデヒドガスを同時に注入し、4時間経過後に芳香性能測定の官能試験のみおこない、評価を表2に記載した。各種悪臭とヒノキ臭が混合された匂いとなり快・不快度で良好な評価を得られなかった。
<比較例3>
実施例1において、SBRラテックスに芳香剤を混入しなかった以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。各種消臭試験をおこない、評価を表2に記載した。全く臭いのないカ−ペットとなったが、癒し効果のあるものは得られなかった。
実施例1において、SBRラテックスに芳香剤を混入しなかった以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。各種消臭試験をおこない、評価を表2に記載した。全く臭いのないカ−ペットとなったが、癒し効果のあるものは得られなかった。
<比較例4>
実施例1において、消臭剤としてセバシン酸ジヒドラジドとゼオライトを一対一に混合した組成物(平均粒径が8μm、SBRに対して1.0重量%)と、芳香剤としてヒノキ成分封入のメラミンマイクロカプセル(SBRに対して8重量%)とした以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。消臭剤は4.0g/m2塗布され、芳香剤が32g/m2塗布されていた。各種消臭試験と芳香性能評価をおこない、表2に記載した。芳香成分の香りが強くなり過ぎて不快な評価としかならかった。
実施例1において、消臭剤としてセバシン酸ジヒドラジドとゼオライトを一対一に混合した組成物(平均粒径が8μm、SBRに対して1.0重量%)と、芳香剤としてヒノキ成分封入のメラミンマイクロカプセル(SBRに対して8重量%)とした以外は実施例1と同様にしてカ−ペットを得た。消臭剤は4.0g/m2塗布され、芳香剤が32g/m2塗布されていた。各種消臭試験と芳香性能評価をおこない、表2に記載した。芳香成分の香りが強くなり過ぎて不快な評価としかならかった。
1・・・芳香・消臭カ−ペット
2・・・パイル糸
3・・・基布
4・・・表皮層
5・・・目止め層
6・・・バッキング層
7・・・芳香剤
8・・・消臭剤
2・・・パイル糸
3・・・基布
4・・・表皮層
5・・・目止め層
6・・・バッキング層
7・・・芳香剤
8・・・消臭剤
Claims (4)
- パイル糸と基布からなる表皮層と、前記パイル糸と基布を固着するための目止め層とを含むカ−ペットにおいて、前記目止め層に芳香剤を担持させ、前記パイル糸及び/または目止め層に消臭剤を担持させたことを特徴とするカ−ペット。
- 前記芳香剤の香り成分は、メラミンマイクロカプセルの表面に担持されることと、メラミンマイクロカプセル内に封入されていることに特徴のある請求項1記載のカ−ペット。
- 前記消臭剤はヒドラジン誘導体と無機物質とを含むことに特徴のある請求項1または2に記載のカ−ペット
- 前記芳香剤が2〜25g/m2、前記消臭剤が2〜50g/m2担持されたことに特徴のある請求項1乃至3のいずれかに記載のカ−ペット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007076735A JP2008229235A (ja) | 2007-03-23 | 2007-03-23 | 芳香・消臭カ−ペット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007076735A JP2008229235A (ja) | 2007-03-23 | 2007-03-23 | 芳香・消臭カ−ペット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008229235A true JP2008229235A (ja) | 2008-10-02 |
Family
ID=39902733
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007076735A Pending JP2008229235A (ja) | 2007-03-23 | 2007-03-23 | 芳香・消臭カ−ペット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008229235A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010125096A (ja) * | 2008-11-28 | 2010-06-10 | Suminoe Textile Co Ltd | 通気性と止水性のあるカーペット |
JP2010200931A (ja) * | 2009-03-03 | 2010-09-16 | Kuraray Plast Co Ltd | 玄関マット |
JP2016214575A (ja) * | 2015-05-20 | 2016-12-22 | 住江織物株式会社 | カ−ペット |
JP2021504613A (ja) * | 2017-11-21 | 2021-02-15 | コロングロテック インコーポレイテッド | 人工芝 |
CN114045683A (zh) * | 2021-11-17 | 2022-02-15 | 浙江力佳隆毛刷有限公司 | 一种抗菌芳香毛绒面料及其制备方法和应用 |
-
2007
- 2007-03-23 JP JP2007076735A patent/JP2008229235A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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