JP6689232B2 - 消臭除湿シート及びその製造方法並びに消臭除湿方法 - Google Patents

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Description

本発明は、消臭除湿シート及びその製造方法並びに消臭除湿方法に関し、特に、吸湿剤を内包した通気性シートからなる消臭除湿シート及びその製造方法並びに消臭除湿方法に関する。
不織布等で構成された袋状の通気性シートの内部にシリカゲルなどの吸湿剤を収納した除湿シートが知られている。除湿シートは、空気中の水分を吸収することで、雑菌やカビなどの繁殖を抑制したり、商品等の品質を保持したりする目的で使用される。
さらに、近年、このような除湿シートにさらに別の機能を持たせた除湿シートも知られている。例えば、通気性シートに内包されている除湿シートの両面にホウ酸系ガラスの粉末が分散された塗布層が付設された防ダニシートが知られている(特許文献1参照)。本文献の防ダニシートは、このような構成を備えることにより、吸湿剤の吸湿能力が消失した後であっても長期間にわたって高い防ダニ性を維持することが可能となる。
除湿シートが使用される環境は様々で、雑菌等が繁殖しやすく臭いが発生しやすい環境では、単なる除湿機能だけでなく、雑菌の繁殖と臭気を抑制する性能が求められている。例えば、下駄箱内は、人が履いた靴に皮膚が剥がれた有機物や汗などが付着している場合が多く、そのような環境では雑菌が繁殖して臭気ガスが発生し、下駄箱全体の衛生状態が悪くなりやすい。靴の中や押入れ、引出し、敷布団、かばんなども同様である。
特開2015−043772号公報(請求項1、段落0006参照)
シリカゲルを内包した従来の除湿シートであっても、湿度を低減して雑菌繁殖を抑制し、発生した臭気ガスを吸着する能力をある程度有している。しかし、除湿シートを日干しして再生することで、水蒸気は脱着して吸湿性は回復するが、臭気ガスは日干し程度では脱着せず、しだいに臭気ガスの吸着能力が低下する問題があった。
本発明の目的は、吸湿性能に加えて、雑菌の繁殖と臭気を効率的に抑制する性能を備え、かつ長期にわたって臭気抑制効果を持続可能な消臭除湿シート及びその製造方法並びに消臭除湿方法を提供することにある。
本発明者らは、以上の目的を達成するために、鋭意検討した結果、水酸化カルシウムを主成分とする消臭剤を通気性シートに含有させることで、吸湿に加えて雑菌の繁殖と臭気を抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、内部に収容部を有する通気性シートと、前記収容部に内包された吸湿剤とを備える消臭除湿シートであって、前記通気性シートは、通気性素材からなり前記収容部と外部との間を通気する通気性層と、該通気性層の表面に付設され水酸化カルシウムを主成分とする消臭剤を含む消臭層と、を備えることを特徴とする消臭除湿シートである。
本発明によれば、通気性シートの消臭層に水酸化カルシウムが含まれるため、通気性シート自体が抗菌性能を有している。また、吸湿剤が外部から水分を吸収すると、水酸化カルシウムと水とが接触してpHが上昇する。これにより、臭気の元となる成分が分解され、悪臭が抑制される。すなわち、従来の吸湿剤のように臭気ガスの吸着するのではなく、本発明では臭気を分解するため、臭気ガスの抑制効果が低下しにくく、長期にわたって臭気を効率的に抑制することが可能となる。
ここで、前記通気性層は不織布で構成され、JIS L 1913に準拠する通気度が1〜300cc/cm・secであることが好ましい。
このように構成することで、外部と収容部との間に十分な通気性を確保することができ、除湿効果を高めることができる。
また、前記消臭層は、前記消臭剤がバインダーで前記通気性層の表面に固着された構造を有しており、前記消臭剤は、平均粒径が1〜100μmであり、少なくとも一部が前記バインダーの表面から外部に露出していることが好ましい。
このように構成することで、外部の臭気ガスと消臭剤とが接触しやすくなり、悪臭の抑制効果が高まる。
さらに、前記消臭剤は、水酸化カルシウムを85質量%以上、酸化ホウ素を0.01〜0.5質量%含むことが好適である。水酸化カルシウムと酸化ホウ素とを含むため、防ダニ性や抗菌性にも優れるという特性を有する。
さらに、前記吸湿剤がシリカゲルであることが好ましい。シリカゲルは吸湿性能が比較的高いため、大量の水分を吸着できるほか、乾燥や加熱などで容易に再生することができる。
また、本発明は、上記のいずれかに記載の消臭除湿シートの製造方法であって、前記消臭剤と溶媒とを混合して前記通気性素材に塗布する工程と、該塗布後の前記消臭剤にバインダーを塗布して前記通気性層の表面に前記消臭層を形成する工程と、前記収容部に吸湿剤を内包させる工程と、を備えることを特徴とする消臭除湿シートの製造方法である。
本発明によれば、消臭剤を通気性素材に塗布したのち、バインダーを塗布するという簡単な工程で、通気性層の表面に消臭層を形成することができる。
この場合において、前記消臭剤は、貝殻を焼成して酸化カルシウムを得る工程と、該酸化カルシウムを水和する工程と、により製造されることが好ましい。
このように、貝殻を使用して水酸化カルシウムを製造するため、安価で消臭剤を製造でき、臭気ガスを効率的に分解することが可能となる。
また、本発明は、上記のいずれかに記載の消臭除湿シートを下駄箱、靴の中、押入れ、引出し、敷布団及びかばんのいずれかに設置することを特徴とする消臭除湿方法である。
本発明によれば、下駄箱内の悪臭の原因であるイソ吉草酸などを効率的に分解して悪臭を抑制することが可能となる。
本発明によれば、吸湿性能に加えて、雑菌の繁殖と臭気を効率的に抑制する性能を備え、かつ長期にわたって臭気抑制効果を持続可能な消臭除湿シート及びその製造方法並びに消臭除湿方法を提供することが可能となる。
図2のA1−A2断面図である。 本発明の一実施形態に係る消臭除湿シートの平面図である。 図1の領域A3の拡大図である。
以下、本発明の複数の実施形態について、図を参照して説明する。なお、本発明は以下に説明する部材や配置等によって限定されず、これらの部材等は本発明の趣旨に沿って適宜改変することができる。
1.消臭除湿シート
図2は、本発明の一実施形態に係る消臭除湿シートの平面図であり、曲線A3〜A4と端部とで囲まれる領域については内部構造を示している。図1は、図2のA1−A2方向に見た断面図を示している。これらの図に示すように、本発明の消臭除湿シート1は、内部に収容部3aを有する通気性シート3と、この収容部3aに内包された吸湿剤9と、を備えている。
図2に示すように、消臭除湿シート1は、吸湿剤9を収容する略矩形状の複数の区画に区分されている。図1に示すように、通気性シート3は、表側シート5と裏側シート7から構成されており、これらのシートで囲まれる略矩形状の袋状空間が収容部3aとなっている。この収容部3aには、吸湿剤9が内包されている。
吸湿剤9は、周囲の水分を吸収して除湿する機能を有する。吸湿剤9の例としては、シリカゲル、セピオライト、酸化カルシウム、ケイソウ土、活性炭、活性白土、ゼオライト、ホワイトカーボン、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、第二リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム及び吸水性ポリマーを挙げることができる。これらの吸湿剤9は一種を単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
吸湿剤9としては、吸湿性能が高いこと、入手が容易であることなどから、シリカゲルであることが好ましい。シリカゲルは、A型、B型のいずれでもよいが、表面積が小さく細孔容積が大きいため高湿度で大量の水分を吸着すること、乾燥や加熱などで容易に再生できることなどから、B型シリカゲルが特に好ましい。
また、吸湿剤9の形状は、ビーズ状(球状)、粉末状など、特に限定されないが、取り扱いやすいことから、ビーズ状が好ましい。ビーズ型のシリカゲルの粒径は、特に限定されないが、通常は100μm〜10mmの範囲内である。
通気性シート3の表側シート5は、通気性層11と消臭層13とを備えている。通気性層11は、通気性を有する層であり、通気性シート3の外部と収容部3aとを通気する。本実施形態の通気性層11は、不織布から構成されているが、通気性層11としてはこれに限定されず、多孔性樹脂層や紙などであってもよい。通気性層11に使用する不織布としては、スパンボンド法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法などで製造したものを用いることができる。
不織布を構成する繊維の材料としては、例えばポリエチレン、ポリエステルなどを挙げることができる。通気性層11に使用する不織布としては、通気性が高くヒートシール性が良好である点などから、特に、ポリエチレンスパンボンド不織布をベースにポリエステルスパンボンド不織布を組み合わせた複合不織布が好ましい。
通気性層11に使用する不織布の厚みとしては、例えば10〜100μmの範囲内とすることができる。また、通気性層11に使用する不織布の目付は、10〜100g/mの範囲内とすることができる。さらに、通気性層11に使用する不織布の通気度は、JIS L 1913に準拠する方法で計測した値が、通常は、1〜300cc/cm・secの範囲内であり、50〜200cc/cm・secの範囲内がより好ましい。通気性層11に使用する不織布の通気度が上記の範囲内であることで、消臭除湿シート1の外部と収容部3aとの間で十分な通気を確保することができる。
消臭層13は、通気性層11の表面(通気性シート3の外部側)を被覆しており、抗菌性を有するとともに臭気ガスを分解する機能を有する。消臭層13は、消臭剤15とバインダー17とから構成される。消臭剤15は、水酸化カルシウム(消石灰)を主成分としており、抗菌性能と臭気ガス分解性能を有する。バインダー17は、消臭剤15を通気性層11の表面に固定する機能を有する。
消臭剤15は、水酸化カルシウム(消石灰)を主成分としており、この水酸化カルシウムによって抗菌性能と臭気ガス分解性能が発揮される。この点について、図3を参照して説明する。
図3は、図1の領域A3を拡大して模式的に示した拡大図である。この図に示すように、通気性シート3を構成する表側シート5の外部の環境中に含まれる水分は、消臭層13と通気性層11を順次通過して吸湿剤9で吸収される。このとき、消臭層13に含まれる消臭剤15に水分の一部が接触する。消臭剤15の主成分は水酸化カルシウムであるため、水と接触するとpHがアルカリ側に上昇する。一方で、表側シート5の外部の環境中に含まれる臭気ガスは、消臭剤15によって分解される。
ここで、イソ吉草酸などの臭気ガスはpHが高いほど効率的に分解されるが、上述したように環境中の水分により消臭剤15のpHが上昇することで、消臭剤15による臭気ガスの分解性能が向上する。すなわち、本発明では、単に吸湿剤9による水分の吸収と消臭剤15による臭気の分解を別個に行っているのではなく、水分の吸収によって消臭剤15のpHが上昇することで臭気ガスの分解がより促進されるという相乗効果を奏する。また、消臭剤15が臭気ガスを分解するため、従来のように吸湿剤(例えば、シリカゲル)に臭気ガスを吸着させるものと比べて、臭気抑制機能が経時で低下することが少なく、長期にわたって臭気抑制効果を発揮することができる。
消臭剤15としては、水酸化カルシウムを主成分とするものであれば特に限定されないが、水酸化カルシウムと酸化ホウ素を含み、水酸化カルシウムの含有量が消臭剤15の全体の質量に対して85質量%以上であるものが好ましい。
さらに、消臭剤15としては、微量成分を含んでいてもよく、このような微量成分としては、例えば、炭素、酸化ケイ素、硫化物、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ストロンチウム、酸化マグネシウム、酸化ホウ素などを挙げることができる。特に、酸化ホウ素の含有量は、消臭剤15の全体の質量に対して0.01質量%以上、特に0.05質量%以上、更には0.2質量%以上含むことが好ましい。また、酸化鉄(Fe)の含有量は、消臭剤15の全体の質量に対して0.8質量%未満であることが好ましい。酸化ホウ素の含有量の上限は、特に限定はないが、例えば1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下とすることができる。
消臭剤15の平均粒径は、特に限定されないが、例えば0.5〜100μmの範囲内、好ましくは1〜20μmの範囲内とすることができる。
上記の消臭剤15としては、例えば、ホタテ貝の貝殻を粉砕し、1300℃程度の高温で焼成し、消化後、酸化ホウ素を添加し、ジェットミルなどで粉砕することで製造することができる。このような消臭剤15の成分や物性、製造方法などの詳細は、特許第5515106号公報を参照することができる。
消臭剤15で分解できる成分としては、イソ吉草酸のほか、n−吉草酸、酢酸、n−酪酸、硫化水素、酢酸、アセトアルデヒド、ノネナールなどを挙げることができる。
バインダー17は、消臭剤15を通気性層11に固定するための機能を有している。バインダー17の材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
これらのうち、通気性層11との接着性の観点から、通気性層11と同等の樹脂材料が好ましい。例えば、通気性層11がポリエチレン樹脂からなる不織布の場合、バインダー17も同様に、ポリエチレン樹脂が好ましい。
上記は通気性シート3の表側シート5についての説明であるが、裏側シート7についても表側シート5と同様に構成することができる。裏側シート7の詳細については、ここでは説明を省略する。
2.消臭除湿シートの製造方法
次に、本発明の消臭除湿シートの製造方法について説明する。本発明の消臭除湿シート1は、消臭剤15と溶媒とを混合して通気性層11に塗布する工程と、塗布後の消臭剤15にバインダー17を塗布して通気性層11の表面に消臭層13を形成する工程と、収容部3aに吸湿剤9を内包させる工程とを備える。以下、消臭除湿シート1の製造方法について詳細に説明する。
まず、通気性層11を構成する通気性素材を用意する。必要に応じて、通気性層11の表面に模様や文字などを印刷してもよい。印刷は、顔料と溶剤とを混合した溶液を通気性素材13の表面にオフセット印刷する方法などで行うことができる。
消臭剤15は、上述したように、貝殻を焼成して酸化カルシウムを得る工程と、酸化カルシウムを水和する工程と、により製造することができる。焼成温度は、通常は1000〜1500℃の範囲内であり、好ましくは1300℃程度である。焼成により得られた酸化カルシウムに水を添加して水和し、必要に応じて酸化ホウ素を添加し、さらに、ジェットミルなどで粉砕することで、消臭剤15を得ることができる。
得られた消臭剤15は、溶媒に混合して通気性素層11の表面に塗布する。溶剤としては、消臭剤15を適度に分散できるものであれば特には限定されないが、イソプロピルアルコール、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチルの混合溶剤を挙げることができる。
溶剤と混合した消臭剤15は、適当な方法で通気性層11の表面に印刷する。印刷方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷などを挙げることができる。消臭剤15は、通気性層11に対して、0.1〜1.0g/mの範囲内となるように塗布することが好ましい。
次に、消臭剤15を塗布した通気性層11を乾燥させる。乾燥は、任意の方法で行うことができるが、例えば、通気性層11をロールに密着させてロールの温度を45〜65℃にすることで行うことができる。乾燥により、溶剤は揮発し、通気性層11の表面に消臭剤15が付着する。
続いて、消臭剤15が付着した通気性層11の表面にバインダー17を塗布する。バインダー17の形成は、任意の方法で行うことができるが、例えば、樹脂系メジウムを溶媒に溶解させたものを通気性層11に塗布し、通気性層11をロールに密着させ、ロールの温度を45〜65℃にすることで行うことができる。バインダー17は、通気性層11に対して、3〜3.5g/mの範囲内となるように塗布することが好ましい。通気性シート3の通気性が悪くなりすぎないように、バインダー17は格子状など一部に隙間を空けて印刷することが好ましい。以上の工程により、通気性シート3が得られる。
このようにして得られた通気性シート3を2枚製造し、一方を表側シート5、他方を裏側シート7とし、吸湿剤9を内包した状態で表側シート5と裏側シート7とを貼合する。両シートの貼合は、ヒートシール、接着剤の塗布、縫着などの方法で行うことができる。
3.消臭除湿方法
本発明の消臭除湿シート1は、消臭及び/又は除湿を要求される場所であれば、特に用途を問わず使用することができる。このような場所としては、下駄箱、玄関、トイレ、台所、居間、冷蔵庫、衣類収納ボックス、ペット飼育器などを挙げることができる。特に、本発明の消臭除湿シート1は、イソ吉草酸などの足由来の悪臭を効率的に分解することができるため、下駄箱などに特に好適に用いることができる。消臭除湿シート1を下駄箱に用いる場合、靴の下に敷くなどの方法で設置することができる。
また、本発明の消臭除湿シート1は、以下のような用途にも用いることができる。なお、以下の記載における括弧「()」内は、図2に記載の消臭除菌シート1において縦横4.5cmの矩形状の区画の縦列の数(列)および横行の数(段)を表している。この列・段の数は、各用途における好ましい値を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意の列・段の数とすることができる。
・靴用消臭除湿シート・・特にブーツ用にフックを付けてブーツ内に吊り下げて使用する。(1列×3段)
・押入れ、引出用・・床面に敷くなどして、押入れやタンスに収納した布団や洗濯が簡単にはできない洋服、セーター等に付着した人の皮脂や汗を由来とする匂いを低減する。(4列×9段)
・敷布団用・・使用時に布団と畳、カーペット、マットレス等の間に設置し、人の皮脂や汗を由来とする匂や、人体から出る臭を低減する。(16列×16段)
・かばん用・・かばんに中に設置する。女性が使用する化粧ポーチなどには、皮脂や油汚れを原因とする雑菌の繁殖が多く、雑菌からの匂いや、化粧品自体の匂いなどを低減する。(1列×1段)
本発明の消臭除湿シート1は、吸湿性能を再生することで、繰り返し使うことができる。再生方法としては、天日干しや高温乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥などを挙げることができる。天日干しの場合、消臭除湿シート1を半日程度日光に晒すことで、再生を行うことができる。
4.変形例
上述した実施形態では、消臭層13は、通気性層11のうち外部側(吸湿剤9と反対側)に設けられていたが、本発明はこれに限定されず、通気性層11の吸湿剤9の側に設けてもよい。
また、上述した実施形態では、表側シート5と裏側シート7の両方に消臭層を設けており、吸湿剤9は消臭層に完全に覆われた状態となっているが、本発明はこれに限定されない。例えば表側シート5のみに消臭層13を設けるなど、必要に応じて一部のみ消臭層を備えるようにしてもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらは本発明の目的を限定するものではなく、また、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(1)材料
以下の材料を使用した。
(a)通気性層
通気性層として不織布(ポリエチレン・ポリエステル製)を使用した。使用する不織布の通気度をJIS L1913によって測定したところ、186cc/cm・secであった。
(b)吸湿剤
吸湿剤としてB型シリカゲル(粒径3〜5mm)を使用した。
(c)消臭剤
消臭剤として、「スカロー グレードS(平均粒径10μm)」(株式会社抗菌研究所製)を使用した。
(d)樹脂系メジウム
バインダーを構成する樹脂系メジウムを使用した。
(e)溶剤
消臭剤又は樹脂系メジウムを溶解する溶剤として、イソプロピルアルコール、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチルの混合溶媒を使用した。
(2)製造手順
上記の消臭剤を溶媒に混合し、不織布の表面に消臭剤が0.5g/mとなるようにグラビア印刷した。次に、塗布後の不織布をロールに巻き付けて45〜65℃となるようにロールを加熱し、溶媒を揮発させた。これにより、不織布の表面に消臭剤が付着したシートを得た。
次に、上記の樹脂系メジウムを溶剤に濃度5%となるように混合し、シートの表面に樹脂系メジウムが3〜3.5g/mとなるようにグラビア印刷した。次に、塗布後のシートをロールに巻き付けて45〜65℃となるようにロールを加熱し、溶媒を揮発させた。これにより、不織布の表面に消臭層が形成された通気性シートを得た。
通気性シートを2枚用意し、1枚の通気性シートの上にシリカゲルを複数の区画に矩形状に並べ、その上からもう1枚の通気性シートをヒートプレスにより貼合した。通気性シートは縦24cm、横65cmとし、4.5cmの正方形状の収容部を一定の間隔を開けて40個配置した。これにより、消臭除湿シートを得た。
上記で得られた消臭除湿シートに対して、気温25℃、湿度90%の条件下で吸湿性を評価したところ、吸湿量は180ml(水換算)であった。これにより、消臭除湿シートに十分な吸湿性があることがわかった。
1 消臭除湿シート、3 通気性シート、3a 収容部、5 表側シート、7 裏側シート、9 吸湿剤、11 通気性層、13 消臭層、15 消臭剤、17 バインダー

Claims (8)

  1. 内部に収容部を有する通気性シートと、前記収容部に内包された吸湿剤とを備える消臭除湿シートであって、
    前記通気性シートは、通気性素材からなり前記収容部と外部との間を通気する通気性層と、該通気性層の表面に付設された水酸化カルシウムを主成分とする消臭剤を含む消臭層と、を備え
    前記消臭剤の一部分が前記消臭除湿シートの表面側に露出していることを特徴とする消臭除湿シート。
  2. 前記通気性層は不織布で構成され、JIS L 1913に準拠する通気度が1〜300cc/cm・secであることを特徴とする請求項1に記載の消臭除湿シート。
  3. 前記消臭層は、前記消臭剤がバインダーで前記通気性層の表面に固着された構造を有しており、
    前記消臭剤は、平均粒径が0.5〜100μmであり、少なくとも一部が前記バインダーの表面から外部に露出していることを特徴とする請求項1又は2に記載の消臭除湿シート。
  4. 前記消臭剤は、水酸化カルシウムを85質量%以上、酸化ホウ素を0.01〜0.5質量%含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の消臭除湿シート。
  5. 前記吸湿剤がシリカゲルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の消臭除湿シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の消臭除湿シートの製造方法であって、
    前記消臭剤と溶媒とを混合して前記通気性素材に塗布する工程と、
    該塗布後の前記消臭剤にバインダーを塗布して前記通気性層の表面に前記消臭層を形成する工程と、
    前記収容部に吸湿剤を内包させる工程と、を備えることを特徴とする消臭除湿シートの製造方法。
  7. 前記消臭剤は、貝殻を焼成して酸化カルシウムを得る工程と、該酸化カルシウムを水和する工程と、により製造されることを特徴とする請求項6に記載の消臭除湿シートの製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の消臭除湿シートを下駄箱、靴の中引出し及びかばんのいずれかに設置することを特徴とする消臭除湿方法。
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