JP2008224946A - 感光性平版印刷版材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、波長350〜450nmのレーザ光での露光に適し、高感度であり、高耐刷性であり、かつ保存時の感度の変動が少なく保存性に優れた感光性平版印刷版材料を提供する。
【解決手段】親水性表面を有する支持体の上に、(A)光重合開始剤、(B)重合可能な、エチレン性二重結合含有化合物、(C)増感色素、および(D)高分子結合剤を含有する感光層を有する感光性平版印刷版材料において、前記(C)増感色素が、N−アルキルアクリドン化合物であることを特徴とする感光性平版印刷版材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、コンピュータートゥプレートシステム(以下CTPという)に用いられる感光性平版印刷版材料に関し、特に波長350〜450nmのレーザ光での露光に適した感光性平版印刷版材料に関する。
近年、オフセット印刷用の印刷版の作製技術において、画像のデジタルデータをレーザ光源で直接感光性平版印刷版に記録するCTPが開発され、実用化が進んでいる。
これらのうち、比較的高い耐刷力を要求される印刷の分野においては、例えば、特開平1−105238号公報、特開平2−127404号公報に記載された感光性平版印刷版材料のように重合可能な化合物を含む重合型の感光層を有するネガ型の感光性平版印刷版材料を用いることが知られている。
さらに、印刷版の取り扱い性の面からセーフライト性を高めた、波長390nm〜430nmのレーザで画像露光可能な感光性平版印刷版材料が知られている。
そして、高出力かつ小型の波長390〜430nmの青紫色レーザが容易に入手できるようになり、このレーザ波長に適した感光性平版印刷版材料を開発することにより明室化がはかられてきている(特許文献1、2及び3参照)。
また、黄色灯下でのセーフライト性を改良した、例えば特開2001−194782号公報に記載のような感光層にビイミダゾール(光重合開始剤)を含む感光性平版印刷版材料が知られており、さらに、高感度で、低昇華性の光重合性組成物として、例えば、特開2004−137152号公報に記載のようなアルキル基などの置換基を有するアリール基を含むヘキサアリールビイミダゾール化合物を含む光重合性組成物が知られている。
一方、発光波長が350nmから450nmの範囲にあるレーザ光での露光に対応する重合型の感光層に用いられる増感色素として、ジスチリルベンゼン等を用いることが知られている(特許文献4参照)。
しかしながら、これらの感光性平版印刷版材料においては、感度が不十分な場合がある、感光性平版印刷版材料の経時による感度変動が大きい場合がある、などの問題があった。
特開2000−35673号公報 特開2000−98605号公報 特開2001−264978号公報 特開2003−295426号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、波長350〜450nmのレーザ光での露光に適し、高感度であり、高耐刷性であり、かつ保存時の感度の変動が少なく保存性に優れた感光性平版印刷版材料を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
1.親水性表面を有する支持体の上に、(A)光重合開始剤、(B)重合可能な、エチレン性二重結合含有化合物、(C)増感色素、および(D)高分子結合剤を含有する感光層を有する感光性平版印刷版材料において、前記(C)増感色素が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする感光性平版印刷版材料。
Figure 2008224946
(式中、R1〜R8は、各々独立に、水素原子または任意の置換基を表し、互いに隣り合う基は結合して環を形成していても良い。R9およびR10は、各々独立に、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、または置換基を有していても良いアルケニル基を表す。)
2.前記(A)光重合開始剤が、ビイミダゾール化合物であることを特徴とする1に記載の感光性平版印刷版材料。
3.前記親水性表面を有する支持体が電気化学的粗面化処理および陽極酸化処理を施した平版印刷版材料用のアルミニウム支持体であり、該アルミニウム支持体の親水性表面の算術平均粗さ(Ra)が0.1〜1.0μmであることを特徴とする1または2に記載の感光性平版印刷版材料。
4.前記感光層が、塗布乾燥後の塗布量が0.5〜3.5g/m2であることを特徴とする1、2または3に記載の感光性平版印刷版材料。
本発明によれば、本発明の目的は、波長350〜450nmのレーザ光での露光に適し、高感度であり、高耐刷であり、かつ保存時の感度の変動が少なく保存性に優れた感光性平版印刷版材料を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
本発明の感光性平版印刷版材料は、親水性表面を有する支持体の上に、(A)光重合開始剤、(B)重合可能な、エチレン性二重結合含有化合物、(C)増感色素、および(D)高分子結合剤を含有する感光層を有する感光性平版印刷版材料において、前記(C)増感色素が、前記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする。
本発明では、特に増感色素として、本発明に係る上記一般式(1)で表される化合物(特定のアクリドン化合物)を用いることにより、波長350〜450nmのレーザ光での露光に適し、高感度であり、高耐刷性であり、かつ保存時の感度の変動が少なく保存性に優れた感光性平版印刷版材料を提供することができる。
(一般式(1)で表される化合物)
本発明に係る感光層は増感色素として、前記一般式(1)で表される化合物を含有する。
一般式(1)中、R1〜R8は、各々独立に、水素原子、または任意の置換基を表し、互いに隣り合う基は結合して環を形成していても良い。R9およびR10は、各々独立に、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、または置換基を有していても良いアルケニル基を表す。
1〜R8で表される水素原子、または任意の置換基の好ましい例としては、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘプチル基等の炭素数1から10の直鎖または分岐のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3から10のシクロアルキル基;ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の炭素数2から10の直鎖または分岐のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数3から10のシクロアルケニル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基等の炭素数2から10の直鎖または分岐のアシル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1から10の直鎖または分岐のアルコキシ基;プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基、ペンテニルオキシ基等の炭素数3から10の直鎖または分岐のアルケニルオキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基等の炭素数1から10の直鎖または分岐のアルキルチオ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;シアノ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、スルホニル基、カルボキシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ニトロ基などが挙げられる。
9およびR10で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、ベンジル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。ヘテロアリール基としては、フリル基、チオフェニル基、ピローリル基、ピリジル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、ピリミジル基、インドリル基、キノリル基、プリル基、プテリジル基等が挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等が挙げられる。
以下に、一般式(1)で表される化合物の具体的例示化合物を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2008224946
これ等の一般式(1)表される化合物は、特開2004−262875号及び特開平07−048355号公報に記載されるている合成法に準じて合成できる。
一般式(1)で表される化合物の感光層への使用量は、感光層に対して、0.1〜20.0質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.2〜10.0質量%の範囲である。
((A)光重合開始剤)
本発明に係る光重合開始剤は、画像露光により、重合可能な、エチレン性二重結合含有化合物の重合を開始し得るものであり、光重合開始剤としては、例えばチタノセン化合物、モノアルキルトリアリールボレート化合物、鉄アレーン錯体化合物、ポリハロゲン化合物、ビイミダゾール化合物が好ましく用いられるが、これらの内でも特にビイミダゾール化合物を用いたときに本発明の効果が大きく好ましく。
ビイミダゾール化合物は、ビイミダゾールの誘導体であり、例えば特開2003−295426号公報に記載される化合物等が挙げられる。
本発明においては、ビイミダゾール化合物として、ヘキサアリールビイミダゾール(HABI、トリアリール−イミダゾールの二量体)化合物を好ましく用いることができる。
HABI類の製造工程はDE1,470,154に記載されておりそして光重合可能な組成物中でのそれらの使用はEP24,629、EP107,792、US4,410,621、EP215,453およびDE3,211,312に記述されている。
好ましい誘導体は例えば、2,4,5,2′,4′,5′−ヘキサフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−ブロモフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラキス(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラキス(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,5,2′,5′−テトラキス(2−クロロフェニル)−4,4′−ビス(3,4−ジメトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−ニトロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ジ−o−トリル−4,5,4′,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−エトキシフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビイミダゾールおよび2,2′−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビイミダゾールである。
チタノセン化合物としては、特開昭63−41483、特開平2−291に記載される化合物等が挙げられるが、更に好ましい具体例としては、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ジ−クロライド、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−フェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル(IRUGACURE727L:チバスペシャリティーケミカルズ社製)、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウム(IRUGACURE784:チバスペシャリティーケミカルズ社製)、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,4,6−トリフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウムビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,4,6−トリフルオロ−3−(2−5−ジメチルピリ−1−イル)フェニル)チタニウム等が挙げられる。
モノアルキルトリアリールボレート化合物としては、特開昭62−150242、特開昭62−143044に記載される化合物等挙げられるが、更に好ましい具体例としては、テトラ−n−ブチルアンモニウム−n−ブチル−トリナフタレン−1−イル−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム−n−ブチル−トリフェニル−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム−n−ブチル−トリ−(4−tert−ブチルフェニル)−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム−n−ヘキシル−トリ−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム−n−ヘキシル−トリ−(3−フルオロフェニル)−ボレート等が挙げられる。
鉄アレーン錯体化合物としては、特開昭59−219307に記載される化合物等挙げられるが、更に好ましい具体例としては、η−ベンゼン−(η−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート、η−クメン−(η−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート、η−フルオレン−(η−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート、η−ナフタレン−(η−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート、η−キシレン−(η−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート、η−ベンゼン−(η−シクロペンタジエニル)鉄テトラフルオロボレート等が挙げられる。
ポリハロゲン化合物としては、トリハロゲンメチル基、ジハロゲンメチル基又はジハロゲンメチレン基を有する化合物が好ましく用いられ、特に下記一般式(1)で表されるハロゲン化合物及び上記基がオキサジアゾール環に置換した化合物が好ましく用いられる。
この中でもさらに、下記一般式(2)で表されるハロゲン化合物が特に好ましく用いられる。
一般式(1) R1−CY2−(C=O)−R2
式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、イミノスルホニル基またはシアノ基を表す。R2は一価の置換基を表す。R1とR2が結合して環を形成してもかまわない。Yはハロゲン原子を表す。
一般式(2) CY3−(C=O)−X−R3
式中、R3は、一価の置換基を表す。Xは、−O−、−NR4−を表す。R4は、水素原子、アルキル基を表す。R3とR4が結合して環を形成してもかまわない。Yはハロゲン原子を表す。これらの中でも特にポリハロゲンアセチルアミド基を有するものが好ましく用いられる。
又、ポリハロゲンメチル基がオキサジアゾール環に置換した化合物も好ましく用いられる。さらに、特開平5−34904号公報、同8−240909号公報に記載のオキサジアゾール化合物も好ましく用いられる。
その他に任意の重合開始剤の併用が可能である。例えばJ.コーサー(J.Kosar)著「ライト・センシテイブ・システムズ」第5章に記載されるようなカルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ並びにジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられる。更に具体的な化合物は英国特許1,459,563号に開示されている。
即ち、併用が可能な重合開始剤としては、次のようなものを使用することができる。
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン−i−プロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン等のベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−i−プロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン等のアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン等のアクリドン誘導体;α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物の他、特公昭59−1281号、同61−9621号ならびに特開昭60−60104号記載のトリアジン誘導体;特開昭59−1504号、同61−243807号記載の有機過酸化物;特公昭43−23684号、同44−6413号、同44−6413号、同47−1604号ならびに米国特許3,567,453号記載のジアゾニウム化合物;米国特許2,848,328号、同2,852,379号ならびに同2,940,853号記載の有機アジド化合物;特公昭36−22062b号、同37−13109号、同38−18015号ならびに同45−9610号記載のo−キノンジアジド類;特公昭55−39162号、特開昭59−14023号ならびに「マクロモレキュルス(Macromolecules)」10巻,1307頁(1977年)記載の各種オニウム化合物;特開昭59−142205号記載のアゾ化合物;特開平1−54440号、ヨーロッパ特許109,851号、同126,712号ならびに「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.Imag.Sci.)」30巻,174頁(1986年)記載の金属アレン錯体;特願平4−56831号及び同4−89535号記載の(オキソ)スルホニウム有機硼素錯体;「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(Coordination Chemistry Review)」84巻,85〜277頁(1988年)ならびに特開平2−182701号記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体;特開平3−209477号記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;四臭化炭素、特開昭59−107344号記載の有機ハロゲン化合物、等。
本発明に係る重合開始剤の含有量(重合開始剤の総量)は重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物に対して、0.1質量%〜20質量%が好ましく0.5質量%〜15質量%が特に好ましい。
((B)重合可能な、エチレン性二重結合含有化合物)
本発明の(A)重合可能な、エチレン性二重結合含有化合物は、画像露光された感光層中の重合開始剤により重合し得るエチレン性二重結合を有する化合物である。
本発明においては、重合可能な、エチレン性二重結合含有化合物として、特に下記(C1)〜(C3)の化合物の反応生成物が好ましく用いられる。
(C1)分子内に少なくとも1個のエチレン性二重結合と、1個のヒドロキシル基を含有する化合物
(C2)ジイソシアネート化合物
(C3)分子内に三級アミンの構造を有するジオール化合物、または分子内に二級アミン構造とヒドロキシル基を一個ずつ有する化合物
上記C1としては、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートが挙げられる。
上記C2としては、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン(2モル)、1,3−ジイソシアナートベンゼン、1,3−ジイソシアナート−4−メチルベンゼン、1,3−ジ(イソシアナートメチル)ベンゼン、
上記C3としては、例えば、N−n−ブチルジエタノ−ルアミン、N−メチルジエタノ−ルアミン、1,4−ジ(2−ジヒドロキシエチル)、N−エチルジエタノ−ルアミンなどが挙げられる。
上記反応生成物として、特に下記一般式(2)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 2008224946
[式中、R1は水素原子またはメチル基を表す。X1は、二価の脂肪族基を表す。X2は、芳香環を有する二価の炭化水素基を表す。X3は、三級アミン構造を有する二価の置換基を表す。]
一般式(2)中、R1は水素原子またはメチル基を表す。X1は、二価の脂肪族基を表す。X2は、芳香環を有する二価の炭化水素基を表す。X3は、三級アミン構造を有する二価の置換基を表す。
1としては、例えば、−CH2CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−、が挙げられるが−CH2CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CH(CH3)CH2−が好ましい。
2としては、例えば、下記X2−1〜X2−10の構造が挙げられるが、X2−3、X2−4、X2−7、X2−9、X2−10が好ましい。
Figure 2008224946
3としては、X3−1〜X3−10の構造が挙げられるが、X3−1、X3−2、X3−5、X3−9が好ましい。
Figure 2008224946
一般式(2)で表される化合物としては、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2008224946
Figure 2008224946
Figure 2008224946
Figure 2008224946
Figure 2008224946
Figure 2008224946
Figure 2008224946
Figure 2008224946
(B)重合可能な、エチレン性二重結合含有化合物としては、一般的なラジカル重合性のモノマー類、紫外線硬化樹脂に一般的に用いられる分子内に付加重合可能なエチレン性二重結合を複数有する多官能モノマー類や、多官能オリゴマー類をさらに併用して用いることができる。
これらの化合物に限定は無いが、好ましいものとして、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシヘキサノリドアクリレート、1,3−ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付加物のアクリレート、1,3−ジオキソランアクリレート等の単官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングルコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ハイドロキノンジアクリレート、レゾルシンジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレートのε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのジアクリレート等の2官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのε−カプロラクトン付加物、ピロガロールトリアクリレート、プロピオン酸−ジペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオン酸−ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ヒドロキシピバリルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリル酸エステル酸、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル等を挙げることができる。
また、プレポリマーも上記同様に使用することができる。プレポリマーとしては、後述する様な化合物等を挙げることができ、また、適当な分子量のオリゴマーにアクリル酸、又はメタクリル酸を導入し、光重合性を付与したプレポリマーも好適に使用できる。これらプレポリマーは、1種又は2種以上を併用してもよいし、上述のモノマー及び/又はオリゴマーと混合して用いてもよい。
プレポリマーとしては、例えばアジピン酸、トリメリット酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、ハイミック酸、マロン酸、こはく酸、グルタール酸、イタコン酸、ピロメリット酸、フマル酸、グルタール酸、ピメリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テトラヒドロフタル酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングルコール、ジエチレングリコール、プロピレンオキサイド、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の多価のアルコールの結合で得られるポリエステルに(メタ)アクリル酸を導入したポリエステルアクリレート類、例えば、ビスフェノールA−エピクロルヒドリン−(メタ)アクリル酸、フェノールノボラック−エピクロルヒドリン−(メタ)アクリル酸のようにエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したエポキシアクリレート類、例えば、エチレングリコール−アジピン酸−トリレンジイソシアネート−2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコール−トリレンジイソシアネート−2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルフタリルメタクリレート−キシレンジイソシアネート、1,2−ポリブタジエングリコール−トリレンジイソシアネート−2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパン−プロピレングリコール−トリレンジイソシアネート−2−ヒドロキシエチルアクリレートのように、ウレタン樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したウレタンアクリレート、例えば、ポリシロキサンアクリレート、ポリシロキサン−ジイソシアネート−2−ヒドロキシエチルアクリレート等のシリコーン樹脂アクリレート類、その他、油変性アルキッド樹脂に(メタ)アクリロイル基を導入したアルキッド変性アクリレート類、スピラン樹脂アクリレート類等のプレポリマーが挙げられる。
本発明に係る感光層には、ホスファゼンモノマー、トリエチレングリコール、イソシアヌール酸EO(エチレンオキシド)変性ジアクリレート、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、アルキレングリコールタイプアクリル酸変性、ウレタン変性アクリレート等の単量体及び該単量体から形成される構成単位を有する付加重合性のオリゴマー及びプレポリマーを含有することができる。
更に、本発明に併用可能なエチレン性単量体として、少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を含有するリン酸エステル化合物が挙げられる。該化合物は、リン酸の水酸基の少なくとも一部がエステル化された化合物であり、しかも、(メタ)アクリロイル基を有する限り特に限定はされない。
その他に、特開昭58−212994号公報、同61−6649号公報、同62−46688号公報、同62−48589号公報、同62−173295号公報、同62−187092号公報、同63−67189号公報、特開平1−244891号公報等に記載の化合物などを挙げることができ、更に「11290の化学商品」化学工業日報社、p.286〜p.294に記載の化合物、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」高分子刊行会、p.11〜65に記載の化合物なども本発明においては好適に用いることができる。これらの中で、分子内に2以上のアクリル基又はメタクリル基を有する化合物が本発明においては好ましく、更に分子量が10,000以下、より好ましくは5,000以下のものが好ましい。
この他にも、特開平1−105238号公報、特開平2−127404号公報に記載の、アクリレート又はアルキルアクリレートを用いることが出来る。
本発明に係る(B)重合可能な、エチレン性二重結合含有化合物の感光層中における含有量は、感光層に対して、0.5質量%〜15.0質量%が好ましく、特に1.0〜8.0質量%が好ましい。
((D)高分子結合材)
本発明に係る高分子結合材は、感光層に含まれる成分を担持支持体上に担持し得るものであり、高分子結合材としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、その他の天然樹脂等が使用出来る。また、これらを2種以上併用してもかまわない。
好ましくはアクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。さらに、高分子結合材の共重合組成として、(a)カルボキシル基含有モノマー、(b)メタクリル酸アルキルエステル、またはアクリル酸アルキルエステルの共重合体であることが好ましい。
カルボキシル基含有モノマーの具体例としては、α,β−不飽和カルボン酸類、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。その他、フタル酸と2−ヒドロキシメタクリレートのハーフエステル等のカルボン酸も好ましい。
メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル等の無置換アルキルエステルの他、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル等の環状アルキルエステルや、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等の置換アルキルエステルも挙げられる。
さらに、高分子結合材は、共重合モノマーとして、下記(1)〜(14)に記載のモノマー等を用いる事が出来る。
1)芳香族水酸基を有するモノマー、例えばo−(又はp−,m−)ヒドロキシスチレン、o−(又はp−,m−)ヒドロキシフェニルアクリレート等。
2)脂肪族水酸基を有するモノマー、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル等。
3)アミノスルホニル基を有するモノマー、例えばm−(又はp−)アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−(又はp−)アミノスルホニルフェニルアクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等。
4)スルホンアミド基を有するモノマー、例えばN−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド等。
5)アクリルアミド又はメタクリルアミド類、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ニトロフェニル)アクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド等。
6)弗化アルキル基を含有するモノマー、例えばトリフルオロエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、N−ブチル−N−(2−アクリロキシエチル)ヘプタデカフルオロオクチルスルホンアミド等。
7)ビニルエーテル類、例えば、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等。
8)ビニルエステル類、例えばビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等。
9)スチレン類、例えばスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等。
10)ビニルケトン類、例えばメチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等。
11)オレフィン類、例えばエチレン、プロピレン、i−ブチレン、ブタジエン、イソプレン等。
12)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン等。
13)シアノ基を有するモノマー、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ペンテンニトリル、2−メチル−3−ブテンニトリル、2−シアノエチルアクリレート、o−(又はm−,p−)シアノスチレン等。
14)アミノ基を有するモノマー、例えばN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリブタジエンウレタンアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−i−プロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等。
さらにこれらのモノマーと共重合し得る他のモノマーを共重合してもよい。
さらに、高分子結合材は、側鎖にカルボキシル基および重合性二重結合を有するビニル系重合体であることが好ましい。例えば、上記ビニル系共重合体の分子内に存在するカルボキシル基に、分子内に(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物を付加反応させる事によって得られる、不飽和結合含有ビニル系共重合体も高分子結合材として好ましい。
分子内に不飽和結合とエポキシ基を共に含有する化合物としては、具体的にはグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、特開平11−271969号に記載のあるエポキシ基含有不飽和化合物等が挙げられる。また、上記ビニル系重合体の分子内に存在する水酸基に、分子内に(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基を有する化合物を付加反応させる事によって得られる、不飽和結合含有ビニル系共重合体も高分子結合材として好ましい。分子内に不飽和結合とイソシアネート基を共に有する化合物としては、ビニルイソシアネート、(メタ)アクリルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、m−またはp−イソプロペニル−α,α′−ジメチルベンジルイソシアネートが好ましく、(メタ)アクリルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等が挙げられる。
側鎖にカルボキシル基および重合性二重結合を有するビニル系重合体は、全高分子結合剤において、50〜100質量%であることが好ましく、100質量%であることがより好ましい。
感光層中における高分子結合材の含有量は、10〜90質量%の範囲が好ましく、15〜70質量%の範囲が更に好ましく、20〜50質量%の範囲で使用することが感度の面から特に好ましい。
(各種添加剤)
本発明に係る感光層には、上記した成分の他に、感光性平版印刷版材料の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性二重結合単量体の不要な重合を阻止するために、重合防止剤を添加することが望ましい。
適当な重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
重合防止剤の添加量は、感光層の全固形分の質量に対して、約0.01%〜約5%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加したり、塗布後の乾燥の過程で感光性層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5%〜約10%が好ましい。
また、着色剤も使用することができ、着色剤としては、市販のものを含め従来公知のものが好適に使用できる。例えば、改訂新版「顔料便覧」,日本顔料技術協会編(誠文堂新光社)、カラーインデックス便覧等に述べられているものが挙げられる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、赤色顔料、褐色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料等が挙げられる。具体的には、無機顔料(二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウム、酸化鉄、ならびに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウムのクロム酸塩等)及び有機顔料(アゾ系、チオインジゴ系、アントラキノン系、アントアンスロン系、トリフェンジオキサジン系の顔料、バット染料顔料、フタロシアニン顔料及びその誘導体、キナクリドン顔料等)が挙げられる。
これらの中でも、使用する露光レーザーに対応した分光増感色素の吸収波長域に実質的に吸収を持たない顔料を選択して使用することが好ましく、この場合、使用するレーザー波長での積分球を用いた顔料の反射吸収が0.05以下であることが好ましい。又、顔料の添加量としては、上記組成物の固形分に対し0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜5質量%である。
上記の感光波長領域での顔料吸収及び現像後の可視画性の観点から、紫色顔料、青色顔料を用いるのが好ましい。このようなものとしては、例えばコバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、フォナトーンブルー6G、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルーフアーストスカイブルー、インダンスレンブルー、インジコ、ジオキサンバイオレット、イソビオランスロンバイオレット、インダンスロンブルー、インダンスロンBC等を挙げることができる。これらの中で、より好ましくはフタロシアニンブルー、ジオキサンバイオレットである。
また、感光層は、本発明の性能を損わない範囲で、界面活性剤を塗布性改良剤として含有することが出来る。その中でも好ましいのはフッ素系界面活性剤である。
また、硬化皮膜の物性を改良するために、無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添加量は全固形分の10%以下が好ましい。
また、本発明に係る感光層の感光層塗布液を調製する際に使用する溶剤としては、例えば、アルコール:多価アルコールの誘導体類では、sec−ブタノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、又エーテル類:プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、又ケトン類、アルデヒド類:ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、又エステル類:乳酸エチル、乳酸ブチル、シュウ酸ジエチル、安息香酸メチル等が好ましく挙げられる。
以上感光層塗布液について説明したが、本発明に係わる感光層は、これを用いて支持体上に塗設することにより構成される。
本発明に係る感光層は支持体上の付き量としては、0.1g/m2〜10g/m2が好ましく特に0.5g/m2〜5g/m2が好ましい。
(保護層(酸素遮断層))
本発明に係る感光層の上側には、必要に応じ保護層を設けることが出来る。
この保護層(酸素遮断層)は、後述の現像液(一般にはアルカリ水溶液)への溶解性が高いことが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンを挙げることができる。ポリビニルアルコールは酸素の透過を抑制する効果を有し、また、ポリビニルピロリドンは隣接する感光層との接着性を確保する効果を有する。
上記2種のポリマーの他に、必要に応じ、ポリサッカライド、ポリエチレングリコール、ゼラチン、膠、カゼイン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチル澱粉、アラビアゴム、サクローズオクタアセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアミン、ポリエチレンオキシド、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、水溶性ポリアミド等の水溶性ポリマーを併用することもできる。
本発明の感光性平版印刷版に保護層を設ける場合、感光層と保護層間の剥離力が35mN/mm以上であることが好ましく、より好ましくは50mN/mm以上、更に好ましくは75mN/mm以上である。好ましい保護層の組成としては特願平8−161645号に記載されるものが挙げられる。
本発明における剥離力は、保護層上に十分大きい粘着力を有する所定幅の粘着テープを貼り、それを感光性平版印刷版材料の平面に対して90度の角度で保護層と共に剥離する時の力を測定することにより求めることができる。
保護層には、更に必要に応じて界面活性剤、マット剤等を含有することができる。上記保護層組成物を適当な溶剤に溶解し感光層上に塗布・乾燥して保護層を形成する。塗布溶剤の主成分は水、あるいはメタノール、エタノール、i−プロパノール等のアルコール類であることが特に好ましい。
保護層を設ける場合その厚みは0.1〜5.0μmが好ましく、特に好ましくは0.5〜3.0μmである。
(支持体)
本発明に係る支持体は感光層を担持可能な板状体であり、感光層が設けられる側に親水性表面を有するのが好ましい。
本発明の感光性平版印刷版材料に係る親水性表面を有する支持体は、アルミニウム板が好ましく使用され、アルミニウム板としては、純アルミニウム板またはアルミニウム合金板どちらも用いることができる。
アルミニウム合金としては、種々のものが使用でき、例えば、珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル、チタン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの合金が用いられ、各種圧延方法により製造されたアルミニウム板が使用できる。
また、近年普及しつつあるスクラップ材およびリサイクル材などの再生アルミニウム地金を圧延した再生アルミニウム板も使用できる。また本発明では、アルミニウム板が、Mgを0.1〜0.4質量%含有していることが汚れの観点からの耐刷性の点でより好ましい。Mgを含むとは、アルミニウム板がその元素組成として、Mgを含むことを意味する。
(凹凸パターン)
本発明に用いるアルミニウム板は、予め凹凸パターンを転写することにより表面に凹凸が形成されたアルミニウム板を用いても良いし、アルミニウム板に凹凸パターンを転写することにより凹凸を形成しても良い。圧延加工により凹凸を形成する工程は限定されないが、圧延ロールを用いて圧延加工するのが好ましい。アルミニウム板をその最終圧延工程等において、積層圧延、転写等により凹凸を形成させて用いることもできる。
中でも、最終板厚に調整する冷間圧延、または、最終板厚調整後の表面形状を仕上げる仕上げ冷間圧延とともに、圧延ロールの凹凸面をアルミニウム板に圧接させて凹凸形状を転写し、アルミニウム板の表面に凹凸パターンを形成させる方法が好ましい。具体的には、特開平6−262203号公報に記載されている方法を好適に用いることができる。
転写は、通常のアルミニウム板の最終冷間圧延工程で行うのが特に好ましい。転写のための圧延は1〜3パスで行うのが好ましく、それぞれの圧下率は3〜8%であるのが好ましい。
本発明においては、凹凸の転写に用いられる、表面に凹凸を有する転写ロールを得る方法として、所定のアルミナ粒子を吹き付ける方法を用いるが、中でも、エアーブラスト法が好ましい。
エアーブラスト法におけるエアー圧は、1〜10kgf/cm2(9.81×104〜9.81×105Pa)であるのが好ましく、2〜5kgf/cm2(1.96×105〜4.90×105Pa)であるのがより好ましい。
エアーブラスト法に用いられるグリッドは、所定の粒径のアルミナ粒子であれば特に限定されない。グリッドに、硬く、粒子一つ一つの角が鋭角なアルミナ粒子を用いると、転写ロールの表面に、深く均一な凹凸を形成させやすい。
アルミナ粒子の平均粒径は、50〜150μmであり、60〜130μmであるのが好ましく、70〜90μmであるのがより好ましい。上記範囲であると、転写ロールとして十分な大きさの表面粗さが得られるため、この転写ロールを用いて凹凸を付与したアルミニウム板の表面粗さが十分に大きくなる。また、ピット数も十分に多くすることができる。
エアーブラスト法においては、噴射を2〜5回行うのが好ましく、中でも2回行うのがより好ましい。噴射を2回行うと、1回目の噴射で形成された凹凸の不揃いな凸部を2回目の噴射で削り取ることができるため、得られる圧延ロールを用いて凹凸を付与したアルミニウム板の表面に、局所的に深い凹部が形成されにくくなる。その結果、平版印刷版の現像性(感度)が優れたものとなる。
エアーブラスト法における噴射角は、噴射面(ロール表面)に対して60〜120°であるのが好ましく、80〜100°であるのがより好ましい。
エアーブラスト法を行った後、後述するめっき処理を行う前に、平均表面粗さ(Ra)がエアーブラスト後の値から10〜40%低下するまで、研磨するのが好ましい。研磨は、サンドペーパー、砥石またはバフを用いるのが好ましい。研磨することにより、転写ロールの表面の凸部の高さを揃えることができ、その結果、この転写ロールを用いて凹凸を付与したアルミニウム板の表面に、局所的に深い部分が形成されなくなる。その結果、平版印刷版の現像性(感度)が特に優れたものとなる。
転写ロールの表面の平均表面粗さ(Ra)は0.4〜1.0μmであるのが好ましく、0.6〜0.9μmであるのがより好ましい。
転写ロールの表面の山数は、1000〜40000個/mm2であるのが好ましく、2000〜10000個/mm2であるのがより好ましい。山数が少なすぎると、平版印刷版用支持体の保水性および画像記録層との密着性が劣ったものになる。保水性が劣ると、平版印刷版としたときに、網点部が汚れやすくなる。
転写ロールの表面の山数は、透過型電子顕微鏡(例えば、日本電子製、2000FX型、直接倍率5000倍)により、写真撮影を行い、求めた。をる。なお、平均粒径を求める場合は、スキャナにてネガ画像をデジタル画像として取り込み、適当な画像処理ソフトを用いて粒径(円相当径)を300個以上測定し、平均粒径を算出する。
転写ロールの材質は、特に限定されず、例えば、公知の圧延ロール用材質を用いることができる。
本発明においては、鋼製のロールを用いるのが好ましい。中でも、鋳造により作られたロールであるのが好ましい。好ましいロール材質の組成の一例は、C:0.07〜6質量%、Si:0.2〜1質量%、Mn:0.15〜1質量%、P:0.03質量%以下、S:0.03質量%以下、Cr:2.5〜12質量%、Mo:0.05〜1.1質量%、Cu:0.5質量%以下、V:0.5質量%以下、残部:鉄および不可避不純物である。
また、一般的に圧延用ロールとして用いられる、工具鋼(SKD)、ハイス鋼(SKH)、高炭素クロム軸受鋼(SUJ)、炭素とクロムとモリブデンとバナジウムとを合金元素として含む鍛造鋼が挙げられる。長いロール寿命を得るために、クロムを10〜20質量%程度含有する高クロム合金鋳鉄を用いることもできる。
中でも、鋳造法により製造されたロールを用いるのが好ましい。この場合、焼入れ、焼戻し後の硬度が、Hsで80〜100であるのが好ましい。焼戻しは、低温焼戻しを行うのが好ましい。
ロールの直径は200〜1000mmであるのが好ましい。また、ロールの面長は1000〜4000mmであるのが好ましい。
エアーブラスト法により凹凸を形成された転写ロールは、洗浄の後、焼入れ、ハードクロムめっき等の硬質化処理を施されるのが好ましい。これにより耐摩耗性が向上し、寿命が長くなる。
硬質化処理としては、ハードクロムめっきが特に好ましい。ハードクロムめっきは、工業用クロムめっき法として従来周知のCrO3−SO4浴、CrO3−SO4−フッ化物浴等を用いた電気めっきによる方法を用いることができる。
ハードクロムめっき皮膜の厚さは3〜15μmであるのが好ましく、5〜10μmであるのがより好ましい。上記範囲であると、ロール表面素地とめっき皮膜との境界から、めっき皮膜部分がはがれるめっきはく離が生じにくく、また、耐摩耗性の向上効果も十分となる。ハードクロムめっき皮膜の厚さは、めっき処理時間を調整することによって調節することができる。
表面に凹凸を有する圧延ロールを得る方法は、例えば、特開昭60−36195号、特開2002−251005号、特開昭60−203495号、特開昭55−74898号および特開昭62−111792号の各公報に記載されている方法を用いてもよい。
表面に凹凸を有する圧延ロールを用いて、凹凸パターンを形成されたアルミニウム板は、表面に10〜100μmピッチの凹凸を有する構造であるのが好ましい。
この場合、算術平均粗さ(Ra)は、0.4〜1.5μmであるのが好ましく、0.4〜0.8μmであるのがより好ましい。また、Rmaxは、1〜6μmであるのが好ましく、2〜5μmであるのがより好ましい。また、RSmは、5〜150μmであるのが好ましく、10〜100μmであるのがより好ましい。
算術平均粗さ(Ra)の測定は以下のような測定方法で行った。
触針式粗さ計(sufcom575、東京精密社製)で2次元粗さ測定を行い、ISO4287に規定されている算術平均粗さRaを5回測定し、その平均値を算術平均粗さとする。基準長さについての最大高さRmax(Ry)、凹凸の平均間隔(基準長さ中での平均値)Sm、平均傾斜勾配Δa、も同様にして測定できる。
また、表面の凹部の数は、200〜20000個/mm2であるのが好ましい。
本発明に用いられる凹凸パターンを転写することにより表面に凹凸が形成されたアルミニウム板は、連続した帯状のシート材または板材である。即ち、アルミニウムウェブであってもよく、製品として出荷される平版印刷版原版に対応する大きさ等に裁断された枚葉状シートであってもよい。
凹部の数は透過型電子顕微鏡(例えば、日本電子製、2000FX型、直接倍率5000倍)により、写真撮影を行い、求めた。
アルミニウム板の表面のキズは平版印刷版用支持体に加工した場合に欠陥となる可能性があるため、平版印刷版用支持体とする表面処理工程の前の段階でのキズの発生は可能な限り抑制する必要がある。そのためには安定した形態で運搬時に傷付きにくい荷姿であることが好ましい。
アルミニウムウェブの場合、アルミニウムの荷姿としては、例えば、鉄製パレットにハードボードとフェルトとを敷き、製品両端に段ボールドーナツ板を当て、ポリチューブで全体を包み、コイル内径部に木製ドーナツを挿入し、コイル外周部にフェルトを当て、帯鉄で絞め、その外周部に表示を行う。また、包装材としては、ポリエチレンフィルム、緩衝材としては、ニードルフェルト、ハードボードを用いることができる。この他にもいろいろな形態があるが、安定して、キズも付かず運送等が可能であればこの方法に限るものではない。
本発明に用いられるアルミニウム板の厚みは、0.1mm〜0.6mm程度であり、0.15mm〜0.4mmであるのが好ましく、0.2mm〜0.3mmであるのがより好ましい。この厚みは、印刷機の大きさ、印刷版の大きさ、ユーザーの希望等により適宜変更することができる。
次いで粗面化処理が施される。粗面化の方法としては、例えば、機械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げられる。
本発明では、塩酸を主体とする電解液中での交流電解粗面化処理が好ましいが、それに先立ち、機械的粗面化処理および硝酸を主体とする電解粗面化処理を施しても良い。
機械的粗面化方法は特に限定されるものではないが、ブラシ研磨法、ホーニング研磨法が好ましい。ブラシ研磨法による粗面化は、例えば、直径0.2〜0.8mmのブラシ毛を使用した回転ブラシを回転し、支持体表面に、例えば、粒径10〜100μmの火山灰の粒子を水に均一に分散させたスラリーを供給しながら、ブラシを押し付けて行うことができる。ホーニング研磨による粗面化は、例えば、粒径10〜100μmの火山灰の粒子を水に均一に分散させ、ノズルより圧力をかけ射出し、支持体表面に斜めから衝突させて粗面化を行うことができる。又、例えば、支持体表面に、粒径10〜100μmの研磨剤粒子を、100〜200μmの間隔で、2.5×103〜10×103個/cm2の密度で存在するように塗布したシートを張り合わせ、圧力をかけてシートの粗面パターンを転写することにより粗面化を行うこともできる。
上記の機械的粗面化法で粗面化した後は、支持体の表面に食い込んだ研磨剤、形成されたアルミニウム屑等を取り除くため、酸又はアルカリの水溶液に浸漬することが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でも、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5〜5g/m2が好ましい。アルカリ水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
硝酸を主体とする電解粗面化処理は、一般には、1〜50ボルトの範囲の電圧を印加することによって行うことができるが、10〜30ボルトの範囲から選ぶのが好ましい。電流密度は、10〜200A/dm2の範囲を用いることができるが、20〜100A/dm2の範囲から選ぶのが好ましい。電気量は、100〜5000C/dm2の範囲を用いることができるが、100〜2000C/dm2の範囲から選ぶのが好ましい。電気化学的粗面化法を行う温度は、10〜50℃の範囲を用いることができるが、15〜45℃の範囲から選ぶのが好ましい。電解液における硝酸濃度は0.1〜5質量%が好ましい。電解液には、必要に応じて、硝酸塩、塩化物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、しゅう酸、アルミニウムイオン等を加えることができる。
上記の硝酸を主体とする電解粗面化処理後は、表面のアルミニウム屑等を取り除くため、酸又はアルカリの水溶液に浸漬することが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5〜5g/m2が好ましい。又、アルカリの水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
塩酸を主体とする電解液中での交流電解粗面化処理は、塩酸濃度は5〜20g/lであり、好ましくは6〜15g/lである。電流密度は15〜120A/dm2であり、好ましくは20〜90A/dm2である。電気量は400〜2000C/dm2であり、好ましくは500〜1200C/dm2である。周波数は40〜150Hzの範囲で行うことが好ましい。
また、本発明では、電気化学的粗面化処理に使用する電源は3相電源であり、また、電源波形は、正弦波、サイリスタ、矩形波、台形波、のこぎり波等さまざまな波形を用いることができるが、本発明では、正弦波はもとより、サイリスタ波形においても安定した粗面化処理を行うことが出来る。
電気化学的粗面化処理をWEB搬送により連続的に施す処理槽の電極数は、3相電源を用いた1φあたり少なくとも3本〜5本、好ましくは3〜4本、3φあたりでは少なくとも9本〜15本、好ましく9〜12本は構成されており、且つ、WEB搬送の進行方向に対する各電極の幅は135〜195mmであり、より好ましくは140〜185mmである。また各電極間を通過する時間は0.60秒以下であり、且つ電極直下を通過する時間は電極間を通過する時間の1.5〜3.5倍であり、φ間を通過する時間の0.5〜1.5倍であることが好ましい。
電解液の温度は、10〜50℃の範囲を用いることができるが、15〜45℃の範囲から選ぶのが好ましい。電解液には、必要に応じて、硝酸塩、塩化物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、しゅう酸、アルミニウムイオン等を加えることができる。
上記の塩酸を主体とする電解液中で電解粗面化処理を施した後は、表面のアルミニウム屑等を取り除くため、酸又はアルカリの水溶液に浸漬することが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5〜2g/m2が好ましい。又、アルカリの水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
得られるアルミニウム支持体の感光層側の表面(親水性表面)の算術平均粗さ(Ra)は0.1〜1.0μmが好ましく、0.3〜0.8μmであるのがより好ましい。粗面化処理での塩酸濃度、電流密度、電気量の組み合わせで制御することが出来る。該アルミニウム支持体の親水性表面の算術平均粗さ(Ra)が、0.1μm以上であることにより耐刷性向上の効果が奏されて好ましい。かつ、1.0μm以下であることにより現像性向上の効果が奏されて好ましい。
尚、表面の算術平均粗さ(Ra)の測定は前述の方法に基づいて行った。
粗面化処理の次には、陽極酸化処理を行い、陽極酸化皮膜を形成する。本発明に係る陽極酸化処理の方法は、電解液として硫酸または硫酸を主体とする電解液を用いて行うのが好ましい。硫酸の濃度は、5〜50質量%が好ましく、10〜35質量%が特に好ましい。温度は10〜50℃が好ましい。処理電圧は18V以上であることが好ましく、20V以上であることが更に好ましい。電流密度は1〜30A/dm2が好ましい。電気量は200〜600C/dm2が好ましい。
形成される陽極酸化被覆量は、2〜6g/m2が好ましく、好ましくは3〜5g/m2である。陽極酸化被覆量は、例えばアルミニウム板を燐酸クロム酸溶液(燐酸85%液:35ml、酸化クロム(IV):20gを1Lの水に溶解して作製)に浸積し、酸化被膜を溶解し、板の被覆溶解前後の質量変化測定等から求められる。陽極酸化皮膜にはマイクロポアが生成されるが、マイクロポアの密度は、400〜700個/μm2が好ましく、40〜600個/μm2が更に好ましい。
陽極酸化処理された支持体は、必要に応じ封孔処理を施してもよい。これら封孔処理は、熱水処理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等公知の方法を用いて行うことができる。
(親水化)
更に、本発明では、これらの処理を行った後に、必要に応じ親水化処理を施しても良い。親水化処理は特に限定されないが、水溶性の樹脂、たとえばポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリアクリル酸、水溶性金属塩(例えばホウ酸亜鉛)もしくは、黄色染料、アミン塩等を下塗りしたものが使用できる。更に、特開平5−304358号公報に開示されているようなラジカルによって付加反応を起し得る官能基を共有結合させたゾル−ゲル処理基板も用いられる。好適なのは、ポリビニルホスホン酸で支持体表面を親水化処理を行うことである。処理としては、塗布式、スプレー式、ディップ式等限定されないが、設備を安価にするにはディップ式が好適である。ディップ式の場合には、ポリビニルホスホン酸を0.05〜3%の水溶液で処理することが好ましい。処理温度は20〜90℃、処理時間は10〜180秒が好ましい。処理後、過剰に積層したポリビニルホスホン酸を除去するため、スキージ処理または水洗処理を行うことが好ましい。更に乾燥処理を行うことが好ましい。乾燥温度としては、20〜95℃が好ましい。
(塗布)
上記の感光層塗布液を従来公知の方法で支持体上に塗布し、乾燥し、感光性平版印刷版材料を作製することが出来る。
塗布液の塗布方法としては、例えばエアドクタコータ法、ブレードコータ法、ワイヤバー法、ナイフコータ法、ディップコータ法、リバースロールコータ法、グラビヤコータ法、キャストコーティング法、カーテンコータ法及び押し出しコータ法等を挙げることが出来る。
感光層の乾燥温度は60〜160℃の範囲が好ましく、より好ましくは80〜140℃、特に好ましくは、90〜120℃の範囲で乾燥することが好ましい。
本発明の感光性平版印刷版材料において、感光層が、塗布乾燥後の塗布量が0.5〜3.5g/m2であることが好ましい。0.5以上であることにより耐刷性向上(確保)の効果が奏されて好ましい。かつ、3.5g/m2以下であることにより現像性向上(確保)の効果が奏されて好ましい。
(画像露光)
本発明の感光性平版印刷版材料に画像記録する光源としては、発光波長が370〜440nmのレーザー光の使用が好ましい。
本発明の感光性平版印刷版を露光する光源としては、例えば、He−Cdレーザー(441nm)、固体レーザーとしてCr:LiSAFとSHG結晶の組合わせ(430nm)、半導体レーザー系として、KNbO3、リング共振器(430nm)、AlGaInN(350nm〜450nm)、AlGaInN半導体レーザー(市販InGaN系半導体レーザー400〜410nm)等を挙げることができる。
レーザー露光の場合には、光をビーム状に絞り画像データに応じた走査露光が可能なので、マスク材料を使用せず、直接書込みを行うのに適している。
又、レーザーを光源として用いる場合には、露光面積を微小サイズに絞ることが容易であり、高解像度の画像形成が可能となる。
レーザーの走査方法としては、円筒外面走査、円筒内面走査、平面走査などがある。円筒外面走査では、記録材料を外面に巻き付けたドラムを回転させながらレーザー露光を行い、ドラムの回転を主走査としレーザー光の移動を副走査とする。円筒内面走査では、ドラムの内面に記録材料を固定し、レーザービームを内側から照射し、光学系の一部又は全部を回転させることにより円周方向に主走査を行い、光学系の一部又は全部をドラムの軸に平行に直線移動させることにより軸方向に副走査を行う。平面走査では、ポリゴンミラーやガルバノミラーとfθレンズ等を組み合わせてレーザー光の主走査を行い、記録媒体の移動により副走査を行う。円筒外面走査及び円筒内面走査の方が光学系の精度を高め易く、高密度記録には適している。
尚、本発明においては、10mJ/cm2以上の版面エネルギー(版材上でのエネルギー)で画像露光されることが好ましく、その上限は500mJ/cm2である。より好ましくは10〜300mJ/cm2である。このエネルギー測定には例えばOphirOptronics社製のレーザーパワーメーターPDGDO−3Wを用いることができる。
(現像液)
画像露光した感光層は露光部が硬化する。これをアルカリ性現像液で現像処理することにより、未露光部を除去して画像形成することが好ましい。
この様な現像液としては、従来より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例えばケイ酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;第二燐酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;重炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;ホウ酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;水酸化ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム及び同リチウム等の無機アルカリ剤を使用するアルカリ現像液が挙げられる。
また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−i−プロピルアミン、ジ−i−プロピルアミン、トリ−i−プロピルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ−i−プロパノールアミン、ジ−i−プロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤も用いることができる。
これらのアルカリ剤は、単独又は2種以上組合せて用いられる。また、この現像液には、必要に応じてアニオン性界面活性剤、両性活性剤やアルコール等の有機溶媒を加えることができる。
アルカリ性現像液は、顆粒状、錠剤等の現像液濃縮物から調製することもできる。
現像液濃縮物は、一旦、現像液にしてから蒸発乾固してもよいが、好ましくは複数の素材を混ぜ合わせる際に水を加えず、又は少量の水を加える方法で素材を混ぜ合わせることで濃縮状態とする方法が好ましい。又、この現像液濃縮物は、特開昭51−61837号、特開平2−109042号、同2−109043号、同3−39735号、同5−142786号、同6−266062号、同7−13341号等に記載される従来よく知られた方法にて、顆粒状、錠剤とすることができる。又、現像液の濃縮物は、素材種や素材配合比等の異なる複数のパートに分けてもよい。
アルカリ性現像液及びその補充液には、更に必要に応じて防腐剤、着色剤、増粘剤、消泡剤及び硬水軟化剤などを含有させることもできる。
(自動現像機)
感光性平版印刷版材料の現像には自動現像機を用いるのが有利である。自動現像機として好ましくは現像浴に自動的に現像補充液を必要量補充する機構が付与されており、好ましくは一定量を超える現像液は、排出する機構が付与されており、好ましくは現像浴に自動的に水を必要量補充する機構が付与されており、好ましくは、通版を検知する機構が付与されており、好ましくは通版の検知を基に版の処理面積を推定する機構が付与されており、好ましくは通版の検知及び/又は処理面積の推定を基に補充しようとする補充液及び/又は水の補充量及び/又は補充タイミングを制御する機構が付与されており、好ましくは現像液の温度を制御する機構が付与されており、好ましくは現像液のpH及び/又は電導度を検知する機構が付与されており、好ましくは現像液のpH及び/又は電導度を基に補充しようとする補充液及び/又は水の補充量及び/又は補充タイミングを制御する機構が付与されている。又、現像液濃縮物を一旦、水で希釈・撹拌する機能を有することが好ましい。現像工程後に水洗工程がある場合、使用後の水洗水を現像濃縮物の濃縮液の希釈水として用いることができる。
自動現像機は、現像工程の前に前処理液に版を浸漬させる前処理部を有してもよい。この前処理部は、好ましくは版面に前処理液をスプレーする機構が付与されており、好ましくは前処理液の温度を25〜55℃の任意の温度に制御する機構が付与されており、好ましくは版面をローラー状のブラシにより擦る機構が付与されている。この前処理液としては、水などが用いられる。
(後処理)
アルカリ性現像液で現像処理された平版印刷版材料は、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体等を主成分とするフィニッシャーや保護ガム液で後処理を施される。これらの処理を種々組み合わせて用いることができ、例えば現像→水洗→界面活性剤を含有するリンス液処理や現像→水洗→フィニッシャー液による処理が、リンス液やフィニッシャー液の疲労が少なく好ましい。更にリンス液やフィニッシャー液を用いた向流多段処理も好ましい態様である。
これらの後処理は、一般に現像部と後処理部とから成る自動現像機を用いて行われる。後処理液は、スプレーノズルから吹き付ける方法、処理液が満たされた処理槽中を浸漬搬送する方法が用いられる。又、現像後一定量の少量の水洗水を版面に供給して水洗し、その廃液を現像液原液の希釈水として再利用する方法も知られている。このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じてそれぞれの補充液を補充しながら処理することができる。又、実質的に未使用の後処理液で処理する、いわゆる使い捨て処理方式も適用できる。このような処理によって得られた平版印刷版は、オフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、実施例における「部」は、特に断りない限り「質量部」を表す。
実施例1
(支持体の作製)
厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質1050,調質H16)を65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間の脱脂処理を行った後、水洗した。この脱脂アルミニウム板を、25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後、水洗した。
次いで、このアルミニウム板を、0.3質量%の硝酸水溶液中で、25℃、電流密度100A/dm2の条件下に交流電流により60秒間、電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行った。
デスマット処理を行った粗面化アルミニウム板を、15%硫酸溶液中で、25℃、電流密度10A/dm2、電圧15Vの条件下に1分間陽極酸化処理を行い、更に1%ポリビニルホスホン酸で75℃で親水化処理を行って支持体を作製した。
この時、表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.65μmであった。
(感光性平版印刷版材料試料の作製)
上記支持体上に、下記組成の感光層塗工液1を乾燥時1.5g/m2になるようワイヤーバーで塗布し、95℃で1.5分間乾燥し、続いて酸素遮断層塗工液1を乾燥時1.5g/m2になるようワイヤーバーで塗布し、75℃で1.5分間乾燥し感光性平版印刷版材料試料を得た。
(感光層塗工液1)
N−n−ブチルジエタノールアミン(1モル)、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン(2モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2モル)の反応生成物 42.0部
トリエチレングリコールジメタクリレート 6.0部
メタクリル酸とメチルメタクリレートの質量費25:75の共重合体(分子量36000) 35.0部
表1に記載の増感色素 4.0部
2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビイミダゾール 3.0部
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.3部
N−フェニルグリシンベンジルエステル 4.0部
フタロシアニン顔料(MHI#454:御国色素社製) 3.5部
2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(スミライザーGS:住友3M社製) 0.2部
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール 1.0部
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート 0.1部
弗素系界面活性剤(F−178K;大日本インキ社製) 0.5部
シロキサン系界面活性剤(BYK337;ビックケミー社製) 0.9部
メチルエチルケトン 80部
プロピレングリコールメチルエーテル 820部
(酸素遮断層塗工液1)
ポリビニルアルコール(セルボール103:Celaneas社製) 85.0部
ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(ルビテックVA64W:BASF製)
15.0部
サーフィノール465(エアープロダクツ社製) 0.2部
水 900部
(感光性平版印刷版材料の評価)
(感度)
感光性平版印刷版材料に、405nm、60mWの光源を備えたプレートセッター(NewsCTP:ECRM社製)を用いて、2400dpi(dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す)で露光を行った。
露光パターンは、100%画像部、および、Times New Rohmanフォント、3ポイントから10ポイントサイズ、アルファベット大文字と小文字の抜き文字の、原稿画像データを使用した。
次いで、105℃に設定されたプレヒート部、酸素遮断層を除去するためのプレ水洗部、下記組成の現像液を充填し、30℃に温度調節された現像部、版面に付着した現像液を取り除く水洗部、画線部保護のためのガム液(GW−3:三菱化学社製を2倍希釈したもの)処理部を備えたCTP自動現像機(RaptorPolymer:Glunz&Jensen社製)で現像処理を行い、平版印刷版を得た。
(現像液組成(下記添加剤を含有する水溶液))
Aケイ酸カリ 8.0部
ニューコールB−13SN:日本乳化剤(株)製 3.0部
水 89.0部
苛性カリ pH=12.3となる添加量
平版印刷版の版面に記録された100%画像部において、膜減りが観察されない最低量の露光エネルギー量を記録エネルギーとし、感度の指標とした。記録エネルギーが小さい程高感度であることを表す。
(保存性(保存時の感度変動))
感光性平版印刷版材料を55℃の恒温槽で3日間保管した後、上記と同様の方法で感度を測定し、保存前の感度の何パーセントにあたるかを算出し、保存時の感動変動を求め、保存性の指標とした。
100%に近いほど変動が少なく、保存性が良好であることを表す。
(耐刷性)
下記印刷条件下で、50μj/cm2で露光した175線の評価チャートを印刷し、印刷開始から、再現網点が3%変動するまでの印刷枚数を耐刷性の指標とした。
(印刷条件)
印刷機:DAIYA1F−1:三菱重工業社製
紙:コート紙(再生パルプ含有率20%北越製紙社製)
ブランケット:SR100(SRIハイブリッド社製)
印刷インキ:大豆油インキ ナチュラリス100(Y,M,C,K):大日本インキ化学工業社製
湿し水:H液SG−51濃度1.5%:東京インク社製
印刷スピード:4000枚/時
結果を表1に示す。
Figure 2008224946
Figure 2008224946
表1から本発明の感光性平版印刷版材料は、高感度であり、高耐刷性であり、かつ保存時の感度の変動が少なく保存性に優れることが分かる。

Claims (4)

  1. 親水性表面を有する支持体の上に、(A)光重合開始剤、(B)重合可能な、エチレン性二重結合含有化合物、(C)増感色素、および(D)高分子結合剤を含有する感光層を有する感光性平版印刷版材料において、前記(C)増感色素が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする感光性平版印刷版材料。
    Figure 2008224946
    (式中、R1〜R8は、各々独立に、水素原子または任意の置換基を表し、互いに隣り合う基は結合して環を形成していても良い。R9およびR10は、各々独立に、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、または置換基を有していても良いアルケニル基を表す。)
  2. 前記(A)光重合開始剤が、ビイミダゾール化合物であることを特徴とする請求項1に記載の感光性平版印刷版材料。
  3. 前記親水性表面を有する支持体が電気化学的粗面化処理および陽極酸化処理を施した平版印刷版材料用のアルミニウム支持体であり、該アルミニウム支持体の親水性表面の算術平均粗さ(Ra)が0.1〜1.0μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性平版印刷版材料。
  4. 前記感光層が、塗布乾燥後の塗布量が0.5〜3.5g/m2であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の感光性平版印刷版材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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