JP2008222054A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】空気入りタイヤのビードコアで挟み込んで係止したカーカスプライの端部を確実に係止してビードコアから引き抜かれるのを抑制する。
【解決手段】カーカスプライ10の端部を各ビードコア20A、20Bにより挟み込んで係止し、その端部をタイヤ幅方向の外側ビードコア20Bの外面に沿って巻き付け、その外面に沿って補強プライ30を外側から覆うように配置する。補強プライ30は、複数のコードを配列させて両面をゴムで被覆して形成され、タイヤ半径方向の内側端部を、外側ビードコア20Bのタイヤ幅方向外側及び半径方向内側にカーカスプライ10を挟んで配置し、外側ビードコア20Bに対して、カーカスプライ10の巻き付け方向と逆方向に巻き付ける。補強プライ30は、この内側端部から、カーカスプライ10の外面側をタイヤ半径方向外側に向かって延びるように配置される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カーカスプライの端部をタイヤ幅方向の両側からビードコアで挟み込んで係止する空気入りタイヤに関し、特に、カーカスプライの端部がビードコアから引き抜かれるのを抑制した空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤ、例えばラジアル構造のトラックやバス用等の重荷重用又は大型タイヤは、一対のビード部に配置されたビードコアと、その間に渡ってトロイダル状に延びる1層以上のカーカスプライとを備えている。このカーカスプライは、一般に、スチールや有機繊維等からなる複数本のコードを配列させて両面をゴムで被覆した後、所定寸法に切断等されてシート状に形成され、各コードが略ラジアル方向(タイヤ子午線方向)を向いて放射状に配列されるように、タイヤ内に配置される。
図4は、このような従来の空気入りタイヤの例を示すタイヤ幅方向の断面図であり、一方側のビード部付近を拡大してその構造を模式的に示している。
この従来の空気入りタイヤ100は、図示のように、カーカスプライ10のタイヤ半径方向内側(図では下側)の端部が、ビード部2に配置されたビードコア20の周りをタイヤ内側から外側に折り返してタイヤ半径方向外側(図では上側)に向かって巻き上げられている。
このようなビード部構造の空気入りタイヤ100では、他方側(図では左側)のビードコア(図示せず)まで延びるタイヤ幅方向内側(図では左側)のカーカスプライ10の本体部10Hが、内圧充填時や荷重負荷転動時のタイヤ膨張や変形等によりタイヤ半径方向外側に引っ張られて、カーカスプライ10にタイヤサイド方向に向かう張力が発生する。この張力により、カーカスプライ10の本体部10H及び巻き上げ部10Mに、ビードコア20から引き抜かれる方向の力(それぞれ矢印Sで示すタイヤ半径方向外側及び内側方向の力)が作用する。これに対し、この従来の空気入りタイヤ100では、カーカスプライ10の端部を、ビードコア20周りにタイヤ半径方向外側に向かって大きく巻き上げて係止し、カーカスプライ10がビードコア20から引き抜かれるのを防止している。
ところが、このようなビード部構造の空気入りタイヤ100では、カーカスプライ10の巻き上げられた先端10T付近を境界に、タイヤ半径方向の内外側で剛性段差が生じるため、タイヤ転動時の負荷荷重等により、先端10T付近に応力が集中する傾向がある。その結果、この空気入りタイヤ100では、内圧充填下での走行に伴い、カーカスプライ10の先端10T付近に繰り返し大きな歪みが作用してそこからセパレーションが発生し、亀裂に進展する等してビード部2の耐久性が低下する恐れがある。
そこで、従来、このような問題に対処するため、カーカスプライ10の端部をタイヤ半径方向外側に向かって大きく巻き上げずに、主にビードコア20間に挟み込んで係止する等して上記した剛性段差を低減し、セパレーション等が生じるのを抑制した空気入りタイヤが知られており、乗用車用タイヤを中心に普及しつつある(特許文献1参照)。
図5は、特許文献に記載されたものではないが、このような従来の空気入りタイヤの例を示す模式図であり、図5Aはタイヤ幅方向の断面図、図5Bは図5Aの矢印Y方向からビード部2付近を透視して示す側面図である。
この従来の空気入りタイヤ110は、図5Aに示すように、タイヤ幅方向に分割されたビードコア20を備え、この一対のタイヤ幅方向の内側及び外側ビードコア20A、20Bにより、カーカスプライ10の端部を挟み込んで係止している。また、カーカスプライ10の端部を、外側ビードコア20Bの周りにタイヤ内側から外側に向かって折り返して、外側ビードコア20Bの外面に沿ってタイヤ半径方向内側面(図では下側面)、及び幅方向外側面(図では右側面))を覆うように巻き付け、その先端10Tを、外側ビードコア20Bのタイヤ半径方向外側面(外周面20C)(図では上側面)の縁部近傍に配置している。
加えて、この空気入りタイヤ110では、図5Bに示すように、ゴムで被覆された1本のコード11を、ビード部2で折り返してトロイダル状に連続配置し、カーカスプライ10を形成している。即ち、このカーカスプライ10のコード11は、一方のビード部2(ビードコア20)から他方のビード部2まで略ラジアル方向に延び、外側ビードコア20Bの外面に沿って配置されて外周面20C近傍で折り返し、タイヤ周方向に所定距離だけ離れた位置で、上記と逆に配置されて、他方のビード部2に向かって再びラジアル方向に延びている。コード11は、このようにして一対のビードコア20のそれぞれで交互に折り返し、この外側ビードコア20Bでの折り返しとラジアル方向への配置を、順次タイヤ周方向に所定距離だけ変位して繰り返し、タイヤ周方向の全体に渡って配置されている(以下、このようなカーカスプライ10の構造を折り返しコード構造という)。
このように、空気入りタイヤ110は、カーカスプライ10の端部を大きく巻き上げずに、先端10Tを外側ビードコア20Bに隣接させて配置して、上記した先端10Tを挟んだ剛性段差を解消し、その付近に生じる応力集中及び繰り返し歪みを低減してセパレーションの発生等を抑制している。同時に、この空気入りタイヤ110では、カーカスプライ10の端部を外側ビードコア20Bの外面に巻き付けて、それらの接触面積を大きくする等し、カーカスプライ10の端部をビードコア20に係止する力を大きくしている。これにより、空気入りタイヤ110は、上記した内圧充填下での走行に伴う張力により、カーカスプライ10がビードコア20から引き抜かれるのも抑制して、充分なビード部2の耐久性を確保している。
なお、上記した空気入りタイヤ100(図4参照)では、カーカスプライ10の先端10Tにコード11の切断端が位置するのに対し、この空気入りタイヤ110(図5B参照)では、コード11を折り返し配置したため、先端10Tのコード11の切断端をなくすことができる。その結果、先端10Tに繰り返し作用する歪みを低減させて、ビード部2にセパレーション等の故障が発生するのをより抑制することができる。また、コード11を連続配置してカーカスプライ10を形成するため、その製造効率を効果的に向上できるとともに、コード11の配置態様等を変化させることで種々のカーカスプライ10を形成できるため、タイヤの自動成型や多品種少量生産等に柔軟に対応することもできる。
しかしながら、この従来の空気入りタイヤ110の構造は、カーカスプライ10に作用する張力が比較的小さい乗用車用タイヤであれば、カーカスプライ10をビードコア20に係止して引き抜けを抑制できるものの、例えばトラックやバス用の大型タイヤ等、カーカスプライ10により大きい張力が作用するものでは、カーカスプライ10を充分に係止できない恐れがある。その結果、空気入りタイヤ110の種類や使用条件等によっては、カーカスプライ10のビードコア20からの引き抜けが発生し、ビード部2に故障が生じ易くなる恐れがある。従って、このような構造の空気入りタイヤ110では、カーカスプライ10の係止力をより大きくして、その端部の引き抜け及びビード部2の故障の発生を抑制し、ビード部2の耐久性のさらなる向上を図る必要がある。
特開2000−71722号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、空気入りタイヤのビードコアで挟み込まれて係止されたカーカスプライの端部をより確実に係止し、カーカスプライがビードコアから引き抜かれるのを抑制して、ビード部の耐久性を向上させることである。
請求項1の発明は、一対のビード部間に渡って延びる、コードを有するカーカスプライと、前記ビード部に配置され、前記カーカスプライの端部をタイヤ幅方向の両側から挟み込んで係止するビードコアとを備え、前記カーカスプライの端部がタイヤ幅方向外側の前記ビードコアの周りをタイヤ内側から外側に折り返して該ビードコアの外面に沿って巻き付けられた空気入りタイヤであって、タイヤ半径方向の内側端部が前記ビードコアの周りに巻き付けられたカーカスプライの外面に沿って配置され、該内側端部から前記カーカスプライの外面側をタイヤ半径方向外側に向かって延びる、コードを有する補強プライを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された空気入りタイヤにおいて、前記補強プライが、タイヤ半径方向外側に向かって、ビードベース部からタイヤ断面高さの少なくとも1/3の高さの範囲に配置されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された空気入りタイヤにおいて、前記補強プライの内側端部が、前記タイヤ幅方向外側のビードコアのタイヤ半径方向内側からタイヤ幅方向外側の外面に沿って巻き付けられた前記カーカスプライの外面に沿って配置されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、前記補強プライの内側端部が、前記ビードコアの周りに巻き付けられたカーカスプライの前記ビードベース部に対向する全外面を覆うように配置されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、前記カーカスプライが、ラジアル構造のカーカスプライであり、前記補強プライのコードが、前記カーカスプライのコードと同じ方向に延びるように配列されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、前記補強プライが、前記カーカスプライの外面側を前記一対のビード部間に渡って連続して延び、タイヤ半径方向の両内側端部が前記一対のビード部のそれぞれで前記ビードコアの周りに巻き付けられたカーカスプライの外面に沿って配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、空気入りタイヤのビードコアで挟み込まれて係止されたカーカスプライの端部をより確実に係止でき、カーカスプライがビードコアから引き抜かれるのを抑制して、ビード部の耐久性を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の空気入りタイヤは、例えばトラックやバスに使用される重荷重用又は大型タイヤ等であり、ここでは、ラジアル構造のカーカスプライを備えた空気入りタイヤ(ラジアルタイヤ)を例に採り説明する。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤのビード部付近を拡大して示すタイヤ幅方向の断面図であり、その構造を模式的に示している。
なお、この空気入りタイヤ1は、図示は省略するが、一対のビード部2(図では一方のみ示し、図の左側に他方のビード部が配置されている)のそれぞれから、一対のサイドウォール部がタイヤ半径方向外側(図では上側)に向かって延び、両サイドウォール部の先端を結んで略円筒状のトレッド部が設けられている。また、この空気入りタイヤ1は、トレッド部の後述するカーカスプライ10の外周側に、トレッド部を補強するベルトを備える等、空気入りタイヤの周知の構造を備えている。
この空気入りタイヤ1は、図示のように、各ビード部2のタイヤ半径方向内側(図では下側)付近に配置された一対のビードコア20と、一対のビード部2間に渡って延びる少なくとも1層のカーカスプライ10と、カーカスプライ10の外面側(図では右側)に配置された少なくとも1層の補強プライ30と、を備えている。
ビードコア20は、カーカスプライ10の端部を挟んでタイヤ幅方向の内側及び外側(図では左側及び右側)に分割して配置された内側ビードコア20A及び外側ビードコア20Bからなり、全体としてタイヤ周方向に沿って延びる略環状に形成されている。このビードコア20は、例えばゴムで被覆されたスチール製のビードワイヤ等の非伸張性のコード21から構成され、コード21をカーカスプライ10の両側に沿ってタイヤ幅方向及び半径方向に、それぞれ複数列及び複数段配列させる等して形成されている。また、ビードコア20は、各ビードコア20A、20Bが、カーカスプライ10を挟んで互いに略平行に対向して配置され、それらの対向面でカーカスプライ10の端部をタイヤ幅方向の両側から挟み込んで係止している。
本実施形態では、このビードコア20の分割された各ビードコア20A、20Bを、1本又は複数本のコード21をタイヤ周方向に巻き付けて積層し、所定位置に重ね合わせて、それぞれタイヤ幅方向(図では左右方向)に2列、タイヤ半径方向(図では上下方向)に4段配置して形成し、その各タイヤ幅方向の断面形状を略平行四辺形状に形成している。また、各ビードコア20A、20Bのタイヤ半径方向内側の内周面(図では下側面)を、ビード部2のリム(図示せず)の上面と接するビードベース部2A(タイヤ半径方向内側面)と略平行に形成し、略同一のタイヤ半径方向位置に配置している。
カーカスプライ10は、タイヤ内面側に配置された本体部10Hが、一対のビードコア20間に渡って、空気入りタイヤ1のサイドウォール部とトレッド部を通ってトロイダル状に延び、この本体部10Hに続く端部が、ビードコア20の各ビードコア20A、20Bにより係止されている。また、このカーカスプライ10の端部は、各ビードコア20A、20B間を通ってタイヤ幅方向外側の外側ビードコア20Bの周りをタイヤ内側から外側に折り返し、その外面に沿って巻き付けられている。具体的には、カーカスプライ10の端部は、各ビードコア20A、20B間を抜けた位置でタイヤ幅方向外側に折れ曲がり、外側ビードコア20Bの外面に沿って、まず、そのビードベース部2Aに対向する内周面を通ってタイヤ半径方向外側(図では上側)に巻き返し、同方向に巻き上げられて、外側ビードコア20Bの外周面20Cの縁部近傍で終端するように形成されている。このようにして、カーカスプライ10の端部は、外側ビードコア20Bの内周面及びタイヤ幅方向外側の側面(図では下側面及び右側面)を覆うように巻き付けられている。
このカーカスプライ10は、例えば上記した従来の空気入りタイヤ110(図5B参照)と同様に、ゴムで被覆された有機繊維やスチール等の1本のコードを、カーカスプライ10の先端10Tで折り返しつつ一対のビード部2(ビードコア20)間に渡ってトロイダル状かつラジアル方向に連続配置する等して、前記折り返しコード構造に形成される。このようにして、カーカスプライ10内のコードは、上記したカーカスプライ10と同様に配置され、その先端10Tでの折り返し部を除いて、タイヤ周方向に対して略90°の角度に延び、タイヤ周方向に所定間隔で配列される。即ち、カーカスプライ10内のコードは、カーカスプライ10の本体部10Hでは、空気入りタイヤ1の略ラジアル方向(タイヤ子午線方向)に延びるように放射状に配置される。一方、その外側ビードコア20Bの周りに巻き付けられた部分では、外側ビードコア20B及びコード21の長手方向と略直交する方向に配置される。
補強プライ30は、例えば有機繊維やスチール等の複数のコードを配列させてゴムで被覆する等して形成され、各コードの延在方向を、カーカスプライ10のコードと同じ方向や交差する方向等、所定方向に向けてカーカスプライ10の外面側に配置されている。この補強プライ30は、そのタイヤ半径方向の内側端部(図では下側端部)が、外側ビードコア20Bの周りに巻き付けられたカーカスプライ10の外面に沿って、その所定範囲に重ね合わせて隣接配置されており、これにより、所定範囲のカーカスプライ10の端部を外側ビードコア20Bの外面との間に挟み込む。また、補強プライ30は、この内側端部からカーカスプライ10の外面側をタイヤ半径方向外側に向かって延びるように配置されるとともに、その内側端部が、上記した外側ビードコア20Bの外面に対するカーカスプライ10の巻き付け方向と逆方向に、かつ巻き付けられたカーカスプライ10の少なくとも一部を外側から覆うように、ビードコア20及びカーカスプライ10に巻き付けられている。
本実施形態では、この補強プライ30の内側端部は、外側ビードコア20Bのタイヤ幅方向外側からタイヤ半径方向内側の各外面(外側側面及び内周面)に巻き付けられたカーカスプライ10の外面に沿って、それらの一部又は全部(ここでは全部)を外側から覆ってビードコア20との間に挟み込む。また、この空気入りタイヤ1では、補強プライ30(内側端部)の先端30Tをビードベース部2Aのビードトウ2B近傍に配置し、補強プライ30を、ビードコア20(20A、20B)の内周面の全体に渡って隣接させて巻き付けている。これにより、補強プライ30の内側端部を、外側ビードコア20Bの周りに巻き付けられたカーカスプライ10のビードベース部2Aに対向する部分の全外面を覆うように配置している。
加えて、補強プライ30は、このビードベース部2Aから、外側ビードコア20Bのカーカスプライ10を挟んだタイヤ幅方向外側を通り、カーカスプライ10(本体部10H)の外面側(図では右側)をタイヤ半径方向外側に向かって所定距離だけ延びるように配置されている。従って、補強プライ30は、外側ビードコア20B側では、その外周側からタイヤ半径方向外側に先細り状に延びるビードフィラ25のタイヤ幅方向外側に沿って配置される。一方、ビードフィラ25の先端を越えた部分は、カーカスプライ10の外面に沿って、サイドウォール部内ではタイヤ幅方向外側に、トレッド部内ではタイヤ半径方向外側に、それぞれ隣接して配置される。
なお、この空気入りタイヤ1では、補強プライ30は、そのコードがカーカスプライ10のコードと同じ方向に延びるように、即ち、そのタイヤ半径方向外側に延びる本体部30H等のコードは、略ラジアル方向に、ビードベース部2Aに対向する折曲部30Mのコードは、ビードコア20(コード21)の長手方向及びタイヤ周方向と略直交する方向に配列されている。
また、この補強プライ30は、タイヤ半径方向外側に向かって、ビードベース部2Aからタイヤ断面高さD(タイヤの外径とリム径の差の1/2)の少なくとも1/3の高さの範囲(図のHで示す範囲)に配置されている。即ち、補強プライ30は、例えば、一対のビード部2のそれぞれに設けられて、そのタイヤ半径方向外側の先端が、上記範囲Hを越えて、カーカスプライ10の本体部10Hに隣接してサイドウォール部やトレッド部付近等に配置される。或いは、補強プライ30は、一対のビード部2間に渡って連続してトロイダル状に延びるように形成されて、カーカスプライ10の外面側(タイヤ幅方向外側及び半径方向外側)に配置され、タイヤ半径方向の両内側端部が、一対のビード部2のそれぞれで、各外側ビードコア20Bの周りに巻き付けられたカーカスプライ10の外面に沿って配置される。
ここで、上記したように、空気入りタイヤ1の内圧充填時や荷重負荷転動時には、カーカスプライ10の本体部10Hにタイヤ半径方向外側方向(タイヤサイド部方向)の張力が働いて、カーカスプライ10の各部に、ビードコア20から引き抜かれる方向の力(図1の矢印S)が作用する。一方、補強プライ30の本体部30Hにも、同様にタイヤ半径方向外側方向の張力が働いて、補強プライ30の各部に、同方向に向かう力(図1の矢印T)が作用するが、外側ビードコア20Bに巻き付けられた部分では、それぞれ隣接するカーカスプライ10と補強プライ30に作用する力S、Tは逆方向になっている。
このように、本実施形態の空気入りタイヤ1は、外側ビードコア20Bの外面にカーカスプライ10と補強プライ30を逆方向から巻き付けて、それぞれ逆方向の力S、Tを発生させ、ビードコア20から引き抜けようとするカーカスプライ10の端部に、隣接する補強プライ30から逆方向の力Tを作用させる。空気入りタイヤ1は、この力Tで、カーカスプライ10の端部を力Sの働く方向と逆方向(図1の矢印T方向)に引っ張り、その引き抜け抵抗及び、ビードコア20への係止力を高めている。
従って、本実施形態によれば、カーカスプライ10の端部をビードコア20間に挟み込んで係止し、その先端10Tを外側ビードコア20Bに隣接させて配置することで、上記したカーカスプライ10の先端10T(図4参照)付近の剛性段差によるセパレーションの発生等を抑制することができる。また、カーカスプライ10の端部を外側ビードコア20Bの外面に巻き付けて、その係止力を大きくし、内圧充填下での走行に伴う張力により、カーカスプライ10がビードコア20から引き抜かれるのを抑制できる等、上記した従来の空気入りタイヤ110(図5参照)と同様の各効果を得ることができる。
加えて、この空気入りタイヤ1では、このような巻き付け構造のカーカスプライ10の端部を、補強プライ30により、ビードコア20に強固かつ、より確実に係止することができる。その結果、カーカスプライ10の端部がビードコア20から引き抜かれるのを効果的に抑制できる等、ビード部2の故障の発生を抑制することができ、ビード部2及び空気入りタイヤ1の耐久性を一層向上させることができる。また、この空気入りタイヤ1では、例えばトラックやバス等に使用される重荷重用又は大型タイヤ等、カーカスプライ10により大きな張力が作用して、その端部がビードコア20から引き抜かれ易いものであっても、カーカスプライ10の端部をビードコア20に確実に係止することができる。このように、本実施形態によれば、空気入りタイヤ1の種類や使用条件等によらず、カーカスプライ10のビードコア20からの引き抜けを効果的に抑制することができる。
ここで、ビードベース部2A(図1参照)からの配置高さがタイヤ断面高さDの1/3に満たない補強プライ30では、内圧充填時や荷重負荷転動時に、補強プライ30に作用する力Tが小さくなり、カーカスプライ10の端部を引っ張って係止する効果が充分に得られない恐れがある。そのため、補強プライ30は、タイヤ半径方向外側に向かって、ビードベース部2Aからタイヤ断面高さの少なくとも1/3の高さの範囲(図1の範囲H)、又はそれよりも広い範囲に配置するのが望ましい。また、補強プライ30は、いわゆるダウンプライのように、カーカスプライ10の外面側を一対のビード部2間に渡って連続してトロイダル状に延びるように配置した場合に、上記した力T及び係止力が最も大きくなり、カーカスプライ10の引き抜けを防止する効果が最も効果的に発揮されるため、補強プライ30は、そのように形成するのがより望ましい。このように補強プライ30をトロイダル状に形成した場合には、補強プライ30は、カーカスプライ10と同様に、空気入りタイヤ1の骨格部材としても機能する。
加えて、補強プライ30の内側端部を、外側ビードコア20Bに巻き付けられたカーカスプライ10の少なくとも一部に沿って隣接配置すれば、上記したカーカスプライ10の引き抜けを抑制する効果が得られる。従って、補強プライ30は、例えばカーカスプライ10を挟んで外側ビードコア20Bのタイヤ半径方向内側の一部からタイヤ幅方向外側に沿って、或いは、タイヤ幅方向外側のみの全部又は一部に沿って配置する等、少なくともカーカスプライ10の端部とオーバーラップする部分を有するように配置すればよい。
しかしながら、本実施形態のように、補強プライ30の内側端部を、外側ビードコア20Bに巻き付けられたカーカスプライ10のタイヤ半径方向内側からタイヤ幅方向外側の外面に沿って配置した場合には、補強プライ30がカーカスプライ10の複数面に隣接配置されるとともに、それらの隣接面積が大きくなる。その結果、補強プライ30からの力Tをカーカスプライ10に確実に伝達することができ、カーカスプライ10の係止力が大きくなるため、補強プライ30は、そのように配置するのがより望ましい。同様に、補強プライ30の内側端部を、カーカスプライ10のビードベース部2Aに対向する全外面を覆うように配置することで、カーカスプライ10をより確実に係止でき、その引き抜けを抑制する効果を一層高めることができる。従って、補強プライ30は、その先端30Tをビードトウ2B近傍に配置する等、内側ビードコア20Aの内周面近傍まで配置するのが望ましい。
図2は、以上説明した空気入りタイヤ1に対し、補強プライ30の先端30Tの位置が異なる空気入りタイヤ1’の例を示すタイヤ幅方向の断面図である。
この空気入りタイヤ1’は、図示のように、補強プライ30の内側端部の先端30Tが、各ビードコア20A、20B間に挟まれたカーカスプライ10を越えて、内側ビードコア20Aの内周面の縁部近傍に配置されている。この空気入りタイヤ1’のように、ビードコア20に対する補強プライ30の巻き付け長さが短くなっても、カーカスプライ10のビードベース部2Aに対向する全外面を覆うことで、カーカスプライ10の引き抜けを効果的に抑制することができる。
なお、本実施形態では、折り返しコード構造のカーカスプライ10を備えた空気入りタイヤ1を例に採り説明したが、例えば複数本のコードを配列させてゴムで被覆等した後、外側ビードコア20Bに巻き付けたカーカスプライ10を備えた空気入りタイヤ1に、同様の補強プライ30を設けても、上記した各効果を得ることができる。また、本発明は、ラジアル構造のカーカスプライ10を備えた空気入りタイヤ1(ラジアルタイヤ)以外の空気入りタイヤ1であっても、その種類を問わず、巻き付け構造のカーカスプライ10を備えた空気入りタイヤ1全般に適用することができる。ただし、本発明は、カーカスプライ10の引き抜けの問題が比較的生じ易いラジアルタイヤに適用するのが好適であり、その際、補強プライ30は、カーカスプライ10のコードと同じ方向に延びるように配列させるのが望ましい。このようにすることで、各プライ10、30内のコードが略平行に配列されて、それらに作用する逆方向の力S、Tが、無駄なく、かつ効率的に伝達され、カーカスプライ10の引き抜けを抑制する効果をより高めることができる。
また、この空気入りタイヤ1では、ビードコア20(20A、20B)の断面形状を略平行四辺形状に形成したが、それらは、全体として断面略多角形状や円形状、又は楕円形状等、他の断面形状になるように形成したものであってもよい。このような種々の断面形状のビードコア20であっても、外側ビードコア20Bの外面のいずれかの面に巻き付けられたカーカスプライ10の外面に沿って補強プライ30を配置することで、カーカスプライ10のビードコア20からの引き抜かれを抑制することができる。一方、これら隣接する各プライ10、30に互いに逆方向の力S、Tが作用する結果、当然に、補強プライ30もビードコア20から引き抜かれ難くなっている。
更に、本実施形態では、カーカスプライ10の先端10Tを、外側ビードコア20Bの外周面20Cの縁部近傍に配置したが、カーカスプライ10の端部は、外周面20Cの縁部でタイヤ幅方向内側に折り曲げて、外周面20C上まで配置してもよい。
(タイヤ試験)
本発明の効果を確認するため、以上説明したビード部構造及び補強プライ30等(図1、2参照)を備えた2種類の実施例の空気入りタイヤ1、1’(以下、実施品1、2という)と、補強プライ30を備えていない1種類の比較例(図5参照)の空気入りタイヤ110(以下、比較品という)と、補強プライ30を備えず、かつカーカスプライ10の端部をビードコア20で挟み込まずにタイヤ半径方向外側に巻き上げた1種類の従来例(図4参照)の空気入りタイヤ100(以下、従来品という)を試作し、以下の条件でカーカスプライ10の引き抜け特性を試験して評価した。
これら各タイヤはいずれも、JATMA YEAR BOOK(2007、日本自動車タイヤ協会規格)で定めるタイヤサイズ275/80R22.5のトラック及びバス用ラジアルプライタイヤである。
なお、各タイヤの構造は、それぞれの構造を示す各図面(図1、図2、図5、図4)を参照する等して既に説明したため説明は省略する。
試験では、ドラム試験機を使用し、各タイヤをリム幅8.25インチのリムに組み付けて内圧を875kPaにし、5850kgの荷重を負荷した条件で、各タイヤを試験機のドラム上で14300km走行(転動)させた。これら走行後の各タイヤから試験用サンプルを作成し、引張試験機により、カーカスプライ10の引き抜け特性を測定して比較評価した。
図3は、作成した各試験用サンプルを示すタイヤ幅方向の断面図であり、ビード部2付近を拡大して模式的に示している。また、図3A〜3Dの順に、従来品、比較品、実施品1、実施品2の各試験用サンプルを示している。
図示のように、各タイヤから、ビード部2のタイヤ半径方向内側部分を残して外側部分を取り除き、ビードコア20と、その周囲のゴム、及びビードコア20からタイヤ半径方向外側に延びるカーカスプライ10や補強プライ30からなる試験用サンプルを作成した。
これら各試験用サンプルのカーカスプライ10内に配置された1本のコードを、引張試験機により、コードの破断限界強力である160kgf付近を目標に負荷荷重を順次増加させて引っ張り、各コードの引張強度を測定する等してカーカスプライ10の引き抜け特性を比較評価した。
表1に、この試験結果等を示す。
Figure 2008222054
その結果、表1に示すように、従来品(図4参照)では、カーカスプライ10のコードはビードコア20から引き抜けることなく、その破断限界強力に近い最大引張力(引張負荷荷重)161kgfで切断した。一方、比較品(図5参照)では、カーカスプライ10のコードは、その破断限界強力に達する前に、最大引張力123kgfでビードコア20から引き抜けた。
これらに対し、実施品1(図1参照)では、カーカスプライ10のコードはビードコア20から引き抜けることなく、その破断限界強力に近い最大引張力163kgfで切断した。同様に、実施品2(図2参照)でも、カーカスプライ10のコードはビードコア20から引き抜けることなく最大引張力145kgfで切断した。これより、実施品1、2では、同様のカーカスプライ10及び分割されたビードコア20を備える比較品に対し、補強プライ30によりカーカスプライ10のコードを係止する力が大きくなり、その引き抜けを防止できることが分かった。
以上の結果から、本発明により、空気入りタイヤ1のビードコア20で挟み込まれて係止されたカーカスプライ10の端部をより確実に係止でき、カーカスプライ10がビードコア20から引き抜かれるのを抑制して、ビード部2の耐久性を向上できることが証明された。
本実施形態の空気入りタイヤのビード部付近を拡大して示すタイヤ幅方向の断面図である。 図1の空気入りタイヤに対し、補強プライの先端の位置が異なる空気入りタイヤの例を示すタイヤ幅方向の断面図である。 試験用サンプルを示すタイヤ幅方向の断面図である。 従来の空気入りタイヤの例を示すタイヤ幅方向の断面図である。 従来の空気入りタイヤの他の例を示す模式図である。
符号の説明
1・・・空気入りタイヤ、2・・・ビード部、2A・・・ビードベース部、2B・・・ビードトウ、10・・・カーカスプライ、10H・・・本体部、10T・・・先端、20・・・ビードコア、20A・・・内側ビードコア、20B・・・外側ビードコア、20C・・・外周面、21・・・コード、25・・・ビードフィラ、30・・・補強プライ、30T・・・先端。

Claims (6)

  1. 一対のビード部間に渡って延びる、コードを有するカーカスプライと、前記ビード部に配置され、前記カーカスプライの端部をタイヤ幅方向の両側から挟み込んで係止するビードコアとを備え、前記カーカスプライの端部がタイヤ幅方向外側の前記ビードコアの周りをタイヤ内側から外側に折り返して該ビードコアの外面に沿って巻き付けられた空気入りタイヤであって、
    タイヤ半径方向の内側端部が前記ビードコアの周りに巻き付けられたカーカスプライの外面に沿って配置され、該内側端部から前記カーカスプライの外面側をタイヤ半径方向外側に向かって延びる、コードを有する補強プライを備えたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 請求項1に記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記補強プライが、タイヤ半径方向外側に向かって、ビードベース部からタイヤ断面高さの少なくとも1/3の高さの範囲に配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 請求項1又は2に記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記補強プライの内側端部が、前記タイヤ幅方向外側のビードコアのタイヤ半径方向内側からタイヤ幅方向外側の外面に沿って巻き付けられた前記カーカスプライの外面に沿って配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記補強プライの内側端部が、前記ビードコアの周りに巻き付けられたカーカスプライの前記ビードベース部に対向する全外面を覆うように配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記カーカスプライが、ラジアル構造のカーカスプライであり、
    前記補強プライのコードが、前記カーカスプライのコードと同じ方向に延びるように配列されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記補強プライが、前記カーカスプライの外面側を前記一対のビード部間に渡って連続して延び、タイヤ半径方向の両内側端部が前記一対のビード部のそれぞれで前記ビードコアの周りに巻き付けられたカーカスプライの外面に沿って配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
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