JP2008220022A - 位置決め制御装置および位置決め制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】移動体を安定した速度で移動させ、しかも高い精度で移動体を目標位置に停止させる位置決め制御装置を提供する。
【解決手段】位置決め装置100においてスライダ50の移動/位置決めを行う制御装置20は、スライダ50を超音波モータ10による摩擦駆動によって所定位置へ移動させて位置決めするために、スライダ50の位置偏差に基づく制御量と速度偏差に基づく制御量を用いて超音波モータ10をPIDフィードバック制御する。制御装置20は、スライダ50を目標位置へ移動させるための移動プロファイルを作成し、移動プロファイルの進行に応じて予めP値,I値,D値が定められた2組以上のPIDパラメータの中から、1組のPIDパラメータを選択し、超音波モータ10を駆動するための制御量を決定する。
【選択図】図2
【解決手段】位置決め装置100においてスライダ50の移動/位置決めを行う制御装置20は、スライダ50を超音波モータ10による摩擦駆動によって所定位置へ移動させて位置決めするために、スライダ50の位置偏差に基づく制御量と速度偏差に基づく制御量を用いて超音波モータ10をPIDフィードバック制御する。制御装置20は、スライダ50を目標位置へ移動させるための移動プロファイルを作成し、移動プロファイルの進行に応じて予めP値,I値,D値が定められた2組以上のPIDパラメータの中から、1組のPIDパラメータを選択し、超音波モータ10を駆動するための制御量を決定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、超音波モータを用いて移動体を目標位置へ移動させる位置決め装置等に用いられる位置決め制御装置および位置決め制御方法に関する。
X−Yステージ等の移動体を所定位置へ移動させて位置決めするシステムとして、移動体との間に生じる摩擦力を利用して移動体を移動させる超音波モータを備えたものが知られている。
超音波モータを駆動して移動体を所定位置へ移動させる位置決めシステムの従来の制御方法の一例を図6のブロック図に示す。
オペレータが位置決めシステムの操作盤を操作することによりまたは自動運転プログラムが実行されていること等により、移動体を目標位置に移動させるための移動指示値がプロファイルジェネレータ(PG)に入力される。
プロファイルジェネレータ(PG)は、移動指示値に基づいて移動体を目標位置へ移動させるための移動プロファイルを生成する。この移動プロファイルは、移動体の位置指示量sp(移動体を一定時間後にどの位置にまで移動させるのかを示す制御量)を含んでいる。この位置指示量spから移動体の実位置を測定するエンコーダ(位置センサ)の検出値が減算され、これにより位置誤差が求められる。この位置誤差に位置フィードバックのための係数Kpを掛け合わせることにより、位置偏差に基づく制御量が求められる。
また、プロファイルジェネレータ(PG)で作成された位置指示量spを微分して速度指示値svを求め、この速度指示値svからエンコーダにより測定した移動体の実位置の微分により求めた実速度を減算して、これに係数Kvを掛け合わせることにより、速度偏差に基づく制御量が求められる。
これらの位置偏差制御量と速度偏差制御量とが合算されてPID演算部(G(PID))へ入力される。PID演算部(G(PID))での処理により得られる制御量と、不感帯を考慮して始動特性を高めるためのオフセット値とを合わせた制御量が、電圧に変換されて超音波モータに与えられる。移動体の位置はエンコーダによって検出されており、前述の通り、この検出値がフィードバック制御に用いられる。このような超音波モータの駆動制御において、係数Kp,係数KvおよびPID演算部(G(PID))のP項,I項,D項の値は一定値である(例えば、特許文献1参照)。
近時、移動体の移動中の位置偏差としては、移動体の静止時の位置偏差を1nm程度にまで小さくすることが必要になってきている。そのため、係数Kp等が一定である制御方法によってこのような精度を得るためには、位置偏差による制御に重点が置かれるように係数Kp等の値を設定する必要がある。
しかしながら、移動体の移動中における位置偏差制御を強調すると、移動体の速度が不安定になり、移動体の移動制御(つまり超音波モータの駆動制御)が安定しない。そのため、最終的な位置決めまでの時間が長くかかる等の問題が生じる。一方、移動体の移動中における速度偏差制御を強調すると、移動体の速度は安定するが、目標位置の極めて狭い範囲に移動体を静止させることは極めて困難になる。
特開2006−271110号公報(段落[0004],[0005],図6等)
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、移動体の移動時における位置偏差を小さく抑えつつ移動体を安定した速度で移動させ、しかも高い精度で移動体を目標位置に停止させることを可能とする位置決め制御装置および位置決め制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係る位置決め制御装置は、移動体を超音波モータによる摩擦駆動によって所定位置へ移動させて位置決めするために、前記移動体を前記目標位置へ移動させるための位置指示量と前記移動体の実際の位置データとから求められる位置偏差に基づく制御量と、前記移動体を前記目標位置へ移動させるための速度指示量と前記移動体の実際の速度データとから求められる速度偏差に基づく制御量とを用いて、前記超音波モータをPIDフィードバック制御するものであり、換言すれば、超音波モータの駆動制御装置とも言える。
第1発明の位置決め制御装置は、予めP値,I値,D値が定められた2組以上のPIDパラメータの中から選択した1組のPIDパラメータを用いて超音波モータを駆動する制御量を決定するPID演算部を具備することを特徴としている。
第2発明の位置決め制御装置は、超音波モータを駆動する制御量を決定するPID演算部と、前記PID演算部に入力する位置偏差に基づく制御量と速度制御量に基づく制御量の割合を変更する位置/速度偏差調整部と、を具備することを特徴としている。
本発明に係る位置決め制御方法は、上記位置決め制御装置により実現される制御方法であり、逆に、本発明に係る位置決め制御方法を実行するための制御装置が上記位置決め制御装置である。
本発明に係る第1、第2の位置決め制御方法は、移動体を摩擦駆動する超音波モータをPIDフィードバック制御して、前記移動体を所定位置へ移動させて位置決めする位置決め制御方法であって、
移動体を目標位置へ移動させる指令信号にしたがって、前記移動体を前記目標位置まで移動させるための位置指示量を含む移動プロファイルを作成し、この位置指示量から速度指示量を求め、
前記移動体の実際の位置を測定して位置データを求め、この位置データから前記移動体の速度データを求め、
前記位置指示量と前記位置データとから位置偏差に基づく制御量を求め、前記速度指示量と前記速度データとから速度偏差に基づく制御量を求める、という以上のプロセスで共通する。
移動体を目標位置へ移動させる指令信号にしたがって、前記移動体を前記目標位置まで移動させるための位置指示量を含む移動プロファイルを作成し、この位置指示量から速度指示量を求め、
前記移動体の実際の位置を測定して位置データを求め、この位置データから前記移動体の速度データを求め、
前記位置指示量と前記位置データとから位置偏差に基づく制御量を求め、前記速度指示量と前記速度データとから速度偏差に基づく制御量を求める、という以上のプロセスで共通する。
そして、第1の位置決め制御方法では、前記位置偏差に基づく制御量と、前記速度偏差に基づく制御量と、予めP値,I値,D値が定められた2組以上のPIDパラメータの中から選択した1組のPIDパラメータと、を用いて前記超音波モータを駆動する制御量を決定する。
第2の位置決め制御方法では、前記位置偏差に基づく制御量と前記速度偏差に基づく制御量と割合を変更して前記超音波モータを駆動する制御量を決定する。
本発明によれば、移動体の移動時における位置偏差を小さく抑えつつ移動体を安定した速度で移動させることができ、しかも目標位置からの距離誤差が極めて小さい範囲に移動体を停止させることができるという、高精度な制御が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1に位置決め装置100の概略構成を示す。この位置決め装置100は、移動体たるスライダ50と、スライダ50を移動させるための超音波モータ10と、スライダ50の移動/位置決めの制御のために超音波モータ10の駆動制御を行う制御装置20と、スライダ50をX方向にスライド自在に保持するガイド30aと、スライダ50の位置を算出するエンコーダ30bと、スライダ50の移動位置等を指令するための操作盤40とを備えている。
ここでは、超音波モータ10として、スライダ50に当接するヘッド11と、ヘッド11を駆動するための圧電素子12a,12bと、圧電素子12a,12bを保持するための保持部材13とを備えた構造のものを示している。なお、図1に示す符号14aはバネ等の付勢部材であり、この付勢部材14aは、ヘッド11とスライダ50との間にスライダ50を移動させるために必要な摩擦力が生じるようにヘッド11を一定の力でスライダ50に押し付けている。また、図1に示す符号14bもまたバネ等の付勢部材であり、2個の付勢部材14bは保持部材13のX方向でのぶれやずれを防止している。
ヘッド11は、耐摩耗性に優れるエンジニアリングセラミックス(例えば、アルミナ、窒化珪素等)からなる。圧電素子12a,12bには、所謂、積層型圧電アクチュエータであり、電圧の印加によって生じる伸縮方向が一定角度(例えば、30度〜90度)で交差するように、伸縮方向端の一方がヘッド11に取り付けられ、伸縮方向端の他方が保持部材13の側壁部内面に取り付けられている。保持部材13は、例えば、エンジニアプラスチックや金属からなる。
超音波モータ10の駆動は、圧電素子12a,12bに位相が90度ずれた共振周波数電圧を印加することにより行われ、これによりヘッド11に楕円運動を生じさせて、スライダ50を摩擦駆動する。
ガイド30aはスライダ50のX方向位置(座標)を測定するためのセンサ(図示せず)を備えており、そのセンサによるスライダ50の検出信号はエンコーダ30bに入力される。エンコーダ30bはその検出信号をスライダ50の位置を示すデジタル信号に変換して制御装置20へと出力する。操作盤40から制御装置20へは、オペレータがスライダ50を移動させる目標位置を入力することによりあるいは所定の作業プログラムの進行にしたがって自動的に、スライダ50を目標位置へ移動させる移動指示値が送信される。
制御装置20は、スライダ50を目標位置へ移動させるという操作盤40からの移動指示値に基づいて、スライダ50を移動させるために超音波モータ10を駆動する電圧波形(電圧値、印加時間等)を計算し、それを圧電素子12a,12bに印加する。
制御装置20は、1または複数の演算素子(プロセッサ;CPU)と、制御プログラムや後述する係数Kp1,Kv1等の制御パラメータがデータテーブルとして記憶された不揮発性半導体メモリー(ROM)と、スライダ50の移動時の種々の情報を記憶するための揮発性半導体メモリー(RAM)およびハードディスク(HD)等を備えている。演算素子は各記憶装置との間で情報の送受信を行う。また、制御装置20は超音波モータ10を駆動するための電源となるパワーアンプを備えている。
なお、制御プログラムは、後述するプロファイルジェネレータ21,位置/速度偏差調整部22(位置フィードバック調整部23aと速度フィードバック調整部23bを含む)、PID演算部24、微分処理部25a,25bとしてのそれぞれの機能を発現させるためのプログラムを含んでおり、また、各種制御量の加減計算を行うプログラム等を含んでいる。つまり、これら各部は制御装置20内で行われる各種演算処理を、その機能ごとに分類したものである。
図2に、制御装置20の制御ブロック図を示す。最初に、目標位置へのスライダ50の移動を指示する移動指示値が操作盤40から制御装置20へ入力される。この移動指示値に基づいて、プロファイルジェネレータ(PG)21がスライダ50を目標位置へ移動させるための移動プロファイルを作成する。
移動プロファイルは、超音波モータ10の動作能力に基づいて、スライダ50を目標位置へ到達させるまでに必要な時間を定め、その時間内において、一定時間ごとにスライダ50をどの位置にまで移動させるのかを示す制御量(以下「位置指示量sp」という)を含んでいる。
ここでは、プロファイルジェネレータ21は、位置指示量spを微分(ラプラス変換)して導かれる速度指示量sv1のプロファイルがS形プロファイルとなる移動プロファイルを作成するものとする。移動プロファイルの微分処理は微分処理部25aで行われる。図3にプロファイルジェネレータ21で作成される移動プロファイルと、微分処理部25aで得られるS形プロファイルを示す。
図3に示されるように、S形プロファイルはスライダ50の速度の時間変化がS形を描くように変化するプロファイルであり、プロファイルジェネレータ21で作成される移動プロファイルもまたS形を描くように変化する。
S形プロファイルの速度−時間曲線は、時間0(ゼロ)〜t1の間が加速度が一次関数的に大きくなることで速度が経時的に大きくなる加速度増加域(A1)、時間t1〜t2の間は加速度が一定となることで速度が大きくなる定加速度域(A2)、時間t2〜t3は加速度が一次関数的に小さくなることで速度は大きくなるがその増加率が小さくなる加速度減少域(A3)、時間t3〜t4の間は加速度が0(ゼロ)となって速度が一定v0となる定速域(A4)、時間t4〜t5の間は負の加速度(以下「減速度」という)の絶対値が一次関数的に大きくなることで速度が小さくなる減速度増加域(A5)、時間t5〜t6の間は減速度が一定となることで速度が小さくなる定減速度域(A6)、時間t6〜t7の間は減速度の絶対値が一次関数的に小さくなることで速度は小さくなるがその減少率が小さくなる減速度減少域(A7)から構成される。
図3中の時間t7は、スライダ50が移動量M0だけ移動して、目標位置に到達する時間であり、時間t7以降が停止域(A8)となる。以下において、時間0(ゼロ)〜t7の間を“移動プロファイル終了前”といい、時間t7以降を“移動プロファイル終了後”ということとする。
なお、時間t7において、スライダ50が目標位置から許容誤差範囲内に入っているときには、時間t7でプロファイルジェネレータ21からの位置指示量spの出力は終了する。しかし、この許容誤差範囲が±1nmという極めて狭い範囲に設定されているときには、通常、時間t7ではスライダ50がこの許容誤差範囲内に収まることはまれである。
そのため、プロファイル終了後(時間t7以降)は、プロファイルジェネレータ21から位置指示量spが出力されるが、位置指示量spは目標位置を示す値M0で一定である。そのため、速度指示量sv1は常に0(ゼロ)となる。
このようにして移動プロファイルが作成されるとともに、作成された移動プロファイルに適した制御パラメータ、すなわち位置偏差に基づく制御量を定める位置フィードバック調整部23aで用いられる係数Kp、速度偏差に基づく制御量を定める速度フィードバック調整部23bで用いられる係数Kv、最終的な制御量(但し、オフセット値を除く)を定めるPID演算部24で用いられるPID制御パラメータ(P値,I値,D値)の組み合わせがそれぞれ、ROMに記憶されたデータテーブルから読み出される。
なお、位置フィードバック調整部23aと速度フィードバック調整部23bとは、後述するように、位置偏差に基づく制御量と速度偏差に基づく制御量との割合を変更する位置/速度偏差調整部22として機能する。
エンコーダ30bはスライダ50の実位置を測定している。プロファイルジェネレータ21で作成した位置指示量spからエンコーダ30bの検出値が差し引かれ、これにより位置誤差が求められる。この位置誤差は位置フィードバック調整部23aに入力される。
スライダ50が図3に示される移動プロファイルに基づいて移動している加速度増加域(A1)〜減速度減少域(A7)の間、つまり移動プロファイル終了前では、位置フィードバック調整部23aは、表1に示すように、この位置誤差に位置フィードバックのための係数Kp1を掛け合わせることによって、位置偏差に基づく制御量を求める。
エンコーダ30bの検出値は微分処理部25bに入力され、そこでスライダ50の実速度量sv2が求められる。微分処理部25aで得られる速度指示量sv1からこの実速度量sv2が差し引かれて、速度誤差が求められる。この速度誤差は、速度フィードバック調整部23bに入力される。表1に示されるように、移動プロファイル終了前では、速度フィードバック調整部23bは、この速度誤差に速度フィードバック制御のための係数Kv1を掛け合わせることによって、速度偏差による制御量を求める。
こうして求められた位置偏差による制御量と速度偏差による制御量とが合算されて、PID演算部24へ入力される。表1に示されるように、移動プロファイル終了前では、PID演算部24では、G1(PID)(P値=P1,I値=I1,D値=D1)が用いられて、超音波モータ10に印加する電圧を決定する制御量が求められる。
PID演算部24により得られる制御量と、超音波モータ10の不感帯を考慮したオフセット制御量とが合算され、こうして得られた制御量がアンプ(図示せず)へ入力される。そして、アンプから駆動電圧Vが出力され、超音波モータ10を構成する圧電素子12a,12bに印加される。このような一連の制御が、時間0(ゼロ)から時間t7に至るまで行われる。
このような移動プロファイル終了前の制御においては、速度偏差に基づく制御に比重が置かれるように係数Kp1,Kv1およびPIDパラメータを定めておくことで、スライダ50を安定した速度で移動させることが可能になる。また、これらの値を適切に設定することにより、位置偏差を狭い範囲に抑えることができる。
移動プロファイルが終了する時間t7に至ると、スライダ50はほぼ目標位置Pへ移動しているが、許容される位置誤差範囲内には収まっていないとする。なお、時間t7においてスライダ50が目標位置Pの許容位置誤差範囲内に入っていれば、その時点で制御は終了することになる。
前述の通り、移動プロファイル終了後(つまり時間t7以降)では、プロファイルジェネレータ21からは、位置指示量spとして目標位置Pを示す一定値が出力され、その結果、速度指示量sv1は0(ゼロ)となる。
そして、移動プロファイル終了後には、移動プロファイル終了前と比較して、位置偏差に基づく制御の比重を大きくすることにより、スライダ50を速やかに目標位置Pの許容位置誤差範囲内に収めることが容易となる。
そのために、位置/速度偏差調整部22が位置偏差に基づく制御量と速度偏差に基づく制御量との割合を変更する。表1に示されるように、移動プロファイル終了後に位置フィードバック調整部23aでは係数がKp1からKp2へ、速度フィードバック調整部23bでは係数がKv1からKv2へ切り替えられる。ここで、(Kp1/Kv1)<(Kp2/Kv2)とされる。
また、PID演算部24ではPIDパラメータがGl(PID)からG2(PID)(P値=P2,I値=I2,D値=D2)へ切り替えられる。ここで、P1≦P2,I1≦I2,D1≦D2とすることができる。
表2に、係数Kp,KvおよびPIDパラメータの具体例を示す。また、図4Aに、この表2に記載の係数およびパラメータを用いて、スライダ50を20mm移動させる指令を行った場合の移動プロファイルによる位置指示値と実位置(位置実測値)の変化を、図4Bにこのときの移動プロファイルによる速度指示値と実速度(速度実測値)の変化を、図4Cにこのときの位置誤差の変化をそれぞれ示す。
超音波モータ10の動作特性から、移動プロファイルとして、200m秒でスライダ50を20mm移動させる移動プロファイルが作成されている。図4Aでは位置指示値と実位置を示す2つの曲線は縦軸レンジが広いために重なって見えている。しかし、実際には図4Cに示すように、数μmの位置誤差があって変動している。また図4Bでも、速度指示値と実速度を示す2つの曲線は縦軸レンジが広いために重なって見えている。
移動プロファイル終了時の200m秒においては、位置誤差が約1.5μmあるために、移動プロファイル終了前と終了後とで係数等の切り替えが行われ、これにより、制御開始から約225m秒後に、スライダ50が目標位置について設定された許容誤差範囲内に入ったことがわかる。
その時点でプロファイルジェネレータ21からの出力が終了して超音波モータ10の駆動が停止するか、またはプロファイルジェネレータ21からの出力は継続していても、PID演算部24への入力が0になるために、実質的に超音波モータ10へ電圧が印加されなくなって駆動が停止する。
上記表1では、移動プロファイルの終了前と終了後とで係数Kp,KvおよびPIDパラメータの全ての値を変更することができるとし、表2では移動プロファイルの終了前と終了後とで係数Kvを一定として、係数KpとPIDパラメータを変更したが、このような形態に限られるものではなく、係数Kp,Kvを一定としてPIDパラメータを切り替えたり、PIDパラメータを一定として係数Kp,Kvの値を切り替えたりすることによっても、スライダ50をスムーズに目標位置Pへ移動させて、速やかに許容位置誤差範囲内に収めることができる。
また、係数Kp,KvおよびPIDパラメータの切り替えのタイミングは上記形態に限られるものではない。例えば、図3に示した加速度増加域(A1),定加速度域(A2),加速度減少域(A3),定速域(A4),減速度増加域(A5),定減速度域(A6),減速度減少域(A7),停止域(A8)の領域ごとに、係数Kp,KvおよびPIDパラメータの中から選ばれる1または複数の値を切り替えてもよく、これによってより高精度で安定した制御を行うことができる。このとき、係数Kp,KvおよびPIDパラメータは各域で異なる値であってもよいし、同じ値が用いられる領域があってもよい。
また、移動プロファイル終了前の減速度減少域(A7)から移動プロファイル終了後の停止域(A8)へと変わるタイミングで位置偏差制御の比重が大きくなるような最初の係数等の切り替えを行い、停止域(A8)に入ってから所定時間が経過したときにさらに位置偏差制御の比重が大きくなるような2回目の係数等の切り替えを行ってもよい。特に、許容誤差範囲が狭い場合には、このような制御も効果的である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、プロファイルジェネレータ21はS型プロファイルが得られる移動プロファイルを作成するとしたが、図5に示す台形プロファイルが得られる移動プロファイルを作成してもよい。
台形プロファイルは、加速域(B1),定速域(B2),減速域(B3)から構成され、減速域(B3)終了後に停止域(B4)に入る。係数Kp,KvおよびPIDパラメータの中から選ばれる1または複数の値を切り替えは、移動プロファイル終了のタイミングに合わせて行ってもよいし、台形プロファイルの領域ごとに行ってもよい。
また、プロファイルジェネレータ21は、位置指示量spについての移動プロファイルを作成するとともに、速度指示量sv1についての移動プロファイルをも作成する形態としてもよい。つまり、微分処理部25aでの演算処理がプロファイルジェネレータ21で行われるようにしてもよい。
超音波モータは、図1に示される構造のものに限定されるものはなく、スライダ等の移動体との接触部が楕円軌道を描くように運動することで移動体を所定方向へ移動させる超音波モータであれば、その構造は問わない。また、本発明は、円盤等の回転体の駆動に超音波モータを用いた位置決め装置にも適用することができる。
10…超音波モータ、11…ヘッド、12a・12b…圧電素子、13…保持部材、14a・14b…付勢部材、20…制御装置、21…プロファイルジェネレータ(PG)、22…位置/速度偏差調整部、23a…位置フィードバック調整部、23b…速度フィードバック調整部、24…PID演算部、25a・25b…微分処理部、30a…ガイド、30b…エンコーダ、40…操作盤、50…スライダ、100…位置決め装置。
Claims (10)
- 移動体を超音波モータによる摩擦駆動によって所定位置へ移動させて位置決めするために、前記移動体を前記目標位置へ移動させるための位置指示量と前記移動体の実際の位置データとから求められる位置偏差に基づく制御量と、前記移動体を前記目標位置へ移動させるための速度指示量と前記移動体の実際の速度データとから求められる速度偏差に基づく制御量とを用いて、前記超音波モータをPIDフィードバック制御する位置決め制御装置であって、
予めP値,I値,D値が定められた2組以上のPIDパラメータの中から選択した1組のPIDパラメータを用いて超音波モータを駆動する制御量を決定するPID演算部を具備することを特徴とする位置決め制御装置。 - 前記PID演算部は、2組のPIDパラメータを、前記移動体を前記目標位置へ移動させるための移動プロファイルの終了前と終了後とで切り替えて用いることを特徴とする請求項1に記載の位置決め制御装置。
- 前記速度指示量のプロファイルはS形プロファイルであり、
前記PID演算部は、2組以上のPIDパラメータを前記S形プロファイルの加速度増加域,定加速度域,加速度減少域,定速域,減速度増加域、定減速度域、減速度減少域、停止域の各域に割り当てることを特徴とする請求項1に記載の位置決め制御装置。 - 前記移動体を前記目標位置へ移動させるための移動プロファイルの進行に応じて、前記PID演算部に入力する位置偏差に基づく制御量と速度偏差に基づく制御量の割合を変更する位置/速度偏差調整部をさらに具備することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の位置決め制御装置。
- 移動体を超音波モータによる摩擦駆動によって所定位置へ移動させて位置決めするために、前記移動体を前記目標位置へ移動させるための位置指示量と前記移動体の実際の位置データとから求められる位置偏差に基づく制御量と、前記移動体を前記目標位置へ移動させるための速度指示量と前記移動体の実際の速度データとから求められる速度偏差に基づく制御量とを用いて、前記超音波モータをPIDフィードバック制御する位置決め制御装置であって、
超音波モータを駆動する制御量を決定するPID演算部と、
前記PID演算部に入力する位置偏差に基づく制御量と速度制御量に基づく制御量の割合を変更する位置/速度偏差調整部と、を具備することを特徴とする位置決め制御装置。 - 前記位置/速度偏差調整部は、
予め定められた複数の係数の中から、前記移動体を前記目標位置へ移動させるための移動プロファイルの進行に応じて1つの係数を選択し、その係数を用いて前記位置偏差に基づく制御量を決定する位置フィードバック調整部と、
予め定められた複数の係数の中から、前記移動体を前記目標位置へ移動させるための移動プロファイルの進行に応じて1つの係数を選択し、その係数を用いて前記速度偏差に基づく制御量を決定する速度フィードバック調整部と、を具備することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の位置決め制御装置。 - 前記位置/速度偏差調整部は、前記位置偏差による制御量と前記速度偏差による制御量の割合を、前記移動体を前記目標位置へ移動させるための移動プロファイルの終了前後で切り替えることを特徴とする請求項5に記載の位置決め制御装置。
- 前記速度指示量のプロファイルはS形プロファイルであり、
前記位置/速度偏差調整部は、前記位置偏差に基づく制御量と前記速度偏差による制御量の割合として予め定められた2つ以上の値を、前記S形プロファイルの加速度増加域,定加速度域,加速度減少域,定速域,減速度増加域,定減速度域,減速度減少域,停止域の各域に割り当てることを特徴とする請求項5に記載の位置決め制御装置。 - 移動体を摩擦駆動する超音波モータをPIDフィードバック制御して、前記移動体を所定位置へ移動させて位置決めする位置決め制御方法であって、
移動体を目標位置へ移動させる指令信号にしたがって、前記移動体を前記目標位置まで移動させるための位置指示量を含む移動プロファイルを作成し、この位置指示量から速度指示量を求め、
前記移動体の実際の位置を測定して位置データを求め、この位置データから前記移動体の速度データを求め、
前記位置指示量と前記位置データとから位置偏差に基づく制御量を求め、前記速度指示量と前記速度データとから速度偏差に基づく制御量を求め、
前記位置偏差に基づく制御量と、前記速度偏差に基づく制御量と、予めP値,I値,D値が定められた2組以上のPIDパラメータの中から選択した1組のPIDパラメータと、を用いて前記超音波モータを駆動する制御量を決定することを特徴とする位置決め制御方法。 - 移動体を摩擦駆動する超音波モータをPIDフィードバック制御して、前記移動体を所定位置へ移動させて位置決めする位置決め制御方法であって、
移動体を目標位置へ移動させる指令信号にしたがって、前記移動体を前記目標位置まで移動させるための位置指示量を含む移動プロファイルを作成し、この位置指示量から速度指示量を求め、
前記移動体の実際の位置を測定して位置データを求め、この位置データから前記移動体の速度データを求め、
前記位置指示量と前記位置データとから位置偏差に基づく制御量を求め、前記速度指示量と前記速度データとから速度偏差に基づく制御量を求め、
前記位置偏差に基づく制御量と前記速度偏差に基づく制御量と割合を変更して前記超音波モータを駆動する制御量を決定することを特徴とする位置決め制御方法。
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