JP2008214532A - 微細樹脂粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】凝集を招くことなく、攪拌翼を備えた重合容器を用いて効率的に、特に芳香族系化合物が共重合された微細樹脂粒子を効率よく製造する方法を提供することである。
【解決手段】単量体混合物を水性媒体と共に撹拌することにより該単量体混合物を該水性媒体中に懸濁させながら重合開始剤により重合を開始し、重合させて微細樹脂粒子を製造する方法であって、前記単量体混合物が、単官能単量体100質量部に対して多官能単量体を1質量部以上の割合で含むのものからなり、かつ重合途中に、撹拌動力(P)を、重合を開始したときの初期撹拌動力(P0)に対して1/2倍以下の範囲とする。
【選択図】なし
【解決手段】単量体混合物を水性媒体と共に撹拌することにより該単量体混合物を該水性媒体中に懸濁させながら重合開始剤により重合を開始し、重合させて微細樹脂粒子を製造する方法であって、前記単量体混合物が、単官能単量体100質量部に対して多官能単量体を1質量部以上の割合で含むのものからなり、かつ重合途中に、撹拌動力(P)を、重合を開始したときの初期撹拌動力(P0)に対して1/2倍以下の範囲とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、微細樹脂粒子の製造方法に関する。
従来から、微細樹脂粒子の製造方法として懸濁重合法があり、例えばメタクリル樹脂粒子の製造方法として広く用いられている。具体的には、例えば図1に示すような撹拌翼1を備えた重合容器2を用い、この重合容器2内でメチルメタクリレートを主成分とする単量体を水性媒体と共に撹拌することにより、この水性媒体中に懸濁させながら重合開始剤により重合を開始して重合させる。かかる懸濁重合法では、撹拌動力を高くすると、得られるメタクリル樹脂粒子の粒子径が小さくなることが知られている。
また、近時、液晶用ディスプレイに使用される光拡散板等に使用される光学用材料として、重合体粒子の需要が大きくなっているが、例えばスチレン等の芳香族系化合物を共重合させて屈折率を高くした樹脂粒子の需要も大きくなっている。
しかし、例えば中心粒子径50μm以下という微細な樹脂粒子を得ようとして、高い撹拌動力で撹拌しながら重合させると、生成した樹脂粒子が互いに激しく凝集してしまい、微細樹脂粒子の製造が困難になる。加えて芳香族系化合物を共重合させる場合には、さらにその現象がより顕著になるという問題があった。
激しい凝集を招くことなく微細な重合体粒子を製造する方法として、例えば特許文献1には、メチルメタクリレートを主成分とする単量体を所定のチップ速度で重合させるメタクリル樹脂粒子の製造方法が記載されている。
しかしながら、この文献に記載されている方法であっても、必ずしも十分ではない。
しかしながら、この文献に記載されている方法であっても、必ずしも十分ではない。
また、非特許文献1には、ホモジナイザー、コロイドミル等の乳化器により単量体を水性媒体中で1μm程度の微細な液滴として懸濁させたのち重合容器に移送し、重合開始剤を添加して重合させる方法が開示されているが、単量体および水性媒体の混合物は、懸濁したのちに重合容器に移送する必要があり、必ずしも効率的な製造方法ではない。
特開2005−179427号公報
「乳化・分散プロセスの機能と応用技術」、(株)サイエンスフォーラム発行、1995年、第38頁
本発明の課題は、凝集を招くことなく、攪拌翼を備えた重合容器を用いて効率的に、特に芳香族系化合物が共重合された微細樹脂粒子を効率よく製造する方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)単量体混合物を水性媒体と共に撹拌することにより該単量体混合物を該水性媒体中に懸濁させながら重合開始剤により重合を開始し、重合させて微細樹脂粒子を製造する方法であって、前記単量体混合物が、単官能単量体100質量部に対して多官能単量体を1質量部以上の割合で含むのものからなり、かつ重合途中に、撹拌動力(P)を、重合を開始したときの初期撹拌動力(P0)に対して1/2倍以下の範囲とすることを特徴とする微細樹脂粒子の製造方法。
(2)前記重合開始剤の総量に対して50質量%以上の重合開始剤が、下記一般式(I):
〔式中、pおよびqはそれぞれ独立に6〜12の整数を示す。〕で表される化合物である前記(1)記載の製造方法。
(3)前記重合開始剤の使用量が、前記単量体混合物100質量部に対して0.01質量部〜5質量部である前記(1)または(2)記載の製造方法。
(4)前記単量体混合物の重合率が25%以下の間に、撹拌動力(P)を前記範囲とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(1)単量体混合物を水性媒体と共に撹拌することにより該単量体混合物を該水性媒体中に懸濁させながら重合開始剤により重合を開始し、重合させて微細樹脂粒子を製造する方法であって、前記単量体混合物が、単官能単量体100質量部に対して多官能単量体を1質量部以上の割合で含むのものからなり、かつ重合途中に、撹拌動力(P)を、重合を開始したときの初期撹拌動力(P0)に対して1/2倍以下の範囲とすることを特徴とする微細樹脂粒子の製造方法。
(2)前記重合開始剤の総量に対して50質量%以上の重合開始剤が、下記一般式(I):
(3)前記重合開始剤の使用量が、前記単量体混合物100質量部に対して0.01質量部〜5質量部である前記(1)または(2)記載の製造方法。
(4)前記単量体混合物の重合率が25%以下の間に、撹拌動力(P)を前記範囲とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
本発明の製造方法によれば、単量体混合物が、単官能単量体100質量部に対して多官能単量体を1質量部以上の割合で含むのものからなり、かつ重合途中に、撹拌動力(P)を、重合を開始したときの初期撹拌動力(P0)に対して1/2倍以下の範囲とするので、激しい凝集を招くことなく効率的に、例えば中心粒子径で50μm以下、好ましくは20μm以下、通常は1μm以上の微細樹脂粒子を容易に製造することができるという効果がある。しかも、芳香族系化合物が共重合された微細樹脂粒子を効率よく製造することができる。
本発明は、単量体混合物を水性媒体と共に撹拌することにより該単量体混合物を該水性媒体中に懸濁させながら重合開始剤により重合を開始し、重合させて微細樹脂粒子を製造する方法である。本発明の製造方法で用いられる単量体混合物は、単官能単量体と、多官能単量体とを含むものからなる。前記単官能単量体とは、分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を1個有する化合物のことを意味する。また、前記多官能単量体とは、分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有する化合物のことを意味する。
前記単官能単量体としては、例えば単官能性を有するアルキル(メタ)アクリレート系単量体、芳香族系単量体等が挙げられ、前記単官能性を有するアルキル(メタ)アクリレート系単量体としては、例えばメチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート等のアクリル酸エステル;エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル;アクリルアミド、アクリロニトリル等の窒素含有アクリル系単量体;メタクリルアミド、メタクリロニトリル等の窒素含有メタクリル系単量体;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物等が挙げられ、前記単官能性を有する芳香族系単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、エチルビニルベンゼン等が挙げられる。
前記多官能単量体としては、例えば多官能性を有するアルキル(メタ)アクリレート系単量体、芳香族系単量体等が挙げられ、前記多官能性を有するアルキル(メタ)アクリレート系単量体としては、例えばエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート等の多価アルコールのアクリル酸エステル;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート等の多価アルコールのメタクリル酸エステル;アリルメタクリレート;ジアリルフタレート等が挙げられ、前記多官能性を有する芳香族系単量体としては、例えばジビニルベンゼン等が挙げられる。
上記で例示したこれらの単官能単量体および多官能単量体は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられるが、本発明における単量体混合物においては、単官能単量体100質量部に対して、多官能単量体が1質量部以上、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは2質量部〜15質量部、さらに好ましくは3質量部〜10質量部の割合で配合される。本発明では、単量体混合物がこの割合で多官能単量体を含み、かつ後述する撹拌動力(P)を重合途中に特定範囲とすることによって、激しい凝集を招くことなく効率的に微細樹脂粒子を容易に製造することができる。得られる樹脂微粒子は、中心粒子径(50%体積粒径D50)で50μm以下、好ましくは20μm以下、通常は1μm以上である。
一方、多官能単量体が1質量部未満であると、重合時に凝集しやすくなり、20質量部よりも大きくなると、重合発熱が大きくなることで内温の制御が困難になる。また未反応の二重結合が残るようになり、効率的ではない。
単官能性を有するアルキル(メタ)アクリレート系単量体を主体とする場合には、該アルキル(メタ)アクリレート系単量体を50〜99質量部とするのが好ましい。具体的には、単官能性を有するアルキル(メタ)アクリレート系単量体としてはメチルメタクリレートが好ましく、例えば50質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上がメチルメタクリレートであり、50質量%以下、好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下がメチルメタクリレートと共重合し得る単量体であってもよい。メチルメタクリレートと共重合し得る単量体としては、前記で例示した単官能性、多官能性を有するアルキル(メタ)アクリレート系単量体、芳香族系単量体のうち、メチルメタクリレートを除いた単量体が挙げられる。
一方、単官能性を有する芳香族系単量体を主体とする場合には、該芳香族系単量体を50〜99質量部、好ましくは50〜80質量部、さらに好ましくは50〜60質量部とするのがよい。
一方、単官能性を有する芳香族系単量体を主体とする場合には、該芳香族系単量体を50〜99質量部、好ましくは50〜80質量部、さらに好ましくは50〜60質量部とするのがよい。
特に、本発明にかかる単量体混合物は、単量体混合物100質量部に対して芳香族系単量体を5〜60質量部の割合で含むのが好ましく、10〜40質量部の割合で含むのがさらに好ましい。このように単量体混合物が比較的多くの割合で芳香族系単量体を含む場合であっても、本発明によれば芳香族系化合物が共重合された微細樹脂粒子を効率よく製造することができる。
前記水性媒体としては、通常、水を用いるが、前記した単量体混合物を懸濁した状態で重合できるのであれば、有機溶媒を含んでいてもよい。水性溶媒の使用量は、撹拌により単量体混合物を懸濁し得る量であり、単量体混合物の総量に対して通常1質量倍以上であり、容積効率の点で通常は10質量倍以下、好ましくは5質量倍以下である。
また、水性溶媒に懸濁安定剤を含有させてもよい。懸濁安定剤としては、例えばポリメタクリル酸ナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルアルコール等の高分子分散剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル等のノニオン性界面活性剤;炭酸ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸2水素ナトリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩等が挙げられる。かかる懸濁安定剤の使用量は、水100質量部あたり、単量体混合物が水性媒体中で安定して液滴となって懸濁させ易い点で通常は0.005質量部以上であり、使用量に見合った効果が得られる点で通常は10質量部の範囲である。懸濁安定剤は、重合開始前に加えてもよいし、重合開始後に加えてもよい。
上記の単量体混合物を水性媒体と共に撹拌するには、通常、図1および図2に示すような撹拌翼1を備えた重合容器2が用いられる。撹拌翼1としては、撹拌軸11に取り付けられたものが使用される。攪拌翼1は、撹拌軸11を回転軸として回転することで、重合容器2内の重合混合物3を撹拌する。撹拌翼1の形状は、重合中の重合混合物3を十分に撹拌できるものであればよく、例えばタービン翼、ファウドラー翼、プロペラ翼等のような、通常の懸濁重合法に用いられる撹拌翼を用いることができる。かかる撹拌翼1は、撹拌軸11を電動モーター(図示せず)等によって回転させることで回転し、重合混合物3を撹拌する。攪拌翼1の直径(d)は、通常、0.04m〜4mの範囲である。
重合容器2としては、例えば内面2aが円筒形状をしている円筒状重合容器を用いることができる。重合容器の内径(D)は,通常,0.1m〜5m程度であり、通常は、攪拌翼の径(d)が重合容器の内径(D)に対して0.4倍〜0.8倍程度となる範囲である。かかる重合容器2には、重合中の重合混合物3が十分に混合されるように、バッフル4が備えられていてもよい。バッフル4の形状は、板状、棒状のものを用いることができる。バッフルを備える場合、その数は重合容器の容積に応じて適宜選択され、1個であってもよいが、十分な混合のために通常は2個以上が備えられ、また8個以下であることが好ましい。図1および図2に示す重合容器では、板状のバッフル4が6個、重合容器の内面に沿って設けられている。
かかる重合容器2に単量体混合物および水性媒体を投入し、撹拌翼1を回転させることにより撹拌し、これにより単量体混合物を水性媒体中に懸濁させながら重合を開始する。重合を開始する際には、通常、0.05kW/m3以上、好ましくは0.1kW/m3以上、通常は3kW/m3以下の初期撹拌動力(P0)で撹拌する。
重合は、例えば通常の懸濁重合と同様に、単量体混合物および水性媒体に、あらかじめ重合開始剤を添加しておき、撹拌しながら重合温度に加熱することにより開始することができる。
重合開始剤としては、通常の懸濁重合法による重合に使用し得るものが使用でき、好ましくは前記一般式(I)で表される化合物を用いるのがよい。前記一般式(I)で表される化合物の具体例としては、例えばジラウロイルパーオキサイド〔式(I)におけるpおよびqが共に10に相当する化合物。〕、ジデカノイルパーオキサイド〔式(I)におけるpおよびqが共に8に相当する化合物。〕等が挙げられ、好ましくはジラウロイルパーオキサイドである。
前記一般式(I)で表される化合物を用いる場合、その使用量は、通常重合開始剤の総量に対して50質量%以上、好ましくは75質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
前記一般式(I)で表される化合物以外に使用し得る重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の過酸化物系重合開始剤等が挙げられる。
重合開始剤の使用量は、単量体100質量部あたり通常0.01質量部〜5質量部、好ましくは3質量部以下である。重合温度は、重合開始剤の熱分解開始温度以上の温度であって、通常は60℃〜120℃である。
重合を開始した後も攪拌を続けることにより、単量体混合物が懸濁状態のまま重合は進行するが、本発明の製造方法では、重合途中で撹拌動力(P)を、重合を開始したときの初期撹拌動力(P0)に対して1/2倍以下、好ましくは1/3倍以下、通常は1/400倍以上とする。これにより、激しい凝集を招くことなく効率的に微細樹脂粒子を容易に製造することができる。これに対し、重合途中に撹拌動力(P)を上記範囲としない場合には、重合途中で激しく凝集し、微細樹脂粒子を得ることができない。前記撹拌動力は、例えばMixing Principles and Applications, pp24-44,(by Shinji Nagata; ODANSHA A HALSTED PRESS BOOK)等に記載された方法で求めることができる。
撹拌動力(P)を上記範囲とするには、例えば撹拌翼1の回転を減速して回転速度(n)を低くすればよい。減速後の撹拌翼1のチップ速度(V)は、下記式(1):
〔式中、πは円周率を、dは攪拌翼の直径(単位はm)を、nは減速後の攪拌翼の回転速度(単位は秒-1)をそれぞれ示す。〕
で表される。チップ速度(V)は、下記式(2):
〔式中、Vは減速後の撹拌翼のチップ速度(単位はm/秒)を、V0は重合を開始させたときの撹拌翼のチップ速度(単位はm/秒)を、Dは重合容器の内径(単位はm)を、dおよびnはそれぞれ上記と同じ意味を示す。〕
を満足していてもよいが、本発明の製造方法は、減速後の撹拌翼のチップ速度(V)が、上記式(2)を満足せず、下記式(3):
〔式中、V、V0、Dおよびdはそれぞれ上記と同じ意味を示す。〕
を満足する場合であっても、目的の微細樹脂粒子を得ることができる。
で表される。チップ速度(V)は、下記式(2):
を満足していてもよいが、本発明の製造方法は、減速後の撹拌翼のチップ速度(V)が、上記式(2)を満足せず、下記式(3):
を満足する場合であっても、目的の微細樹脂粒子を得ることができる。
本発明の製造方法では、重合途中、好ましくは単量体の重合率が25%以下、さらには20%以下の間に、撹拌動力(P)を上記範囲とする。撹拌動力(P)を上記範囲とする際の重合率は0%を超えていればよく、重合開始直後であってもよい。なお、単量体の重合率とは、使用した単量体のうち重合した単量体の割合である。
撹拌動力(P)を上記範囲とした後、通常は、この範囲の攪拌動力で攪拌しながら、重合を完結させる。重合を完結させるには、そのまま重合温度を保って、攪拌下に重合を進行させればよい。また、重合温度によっては、未重合の単量体が残留する場合もあるが、この場合には、上記した重合温度の範囲で昇温することにより、重合を完結させてもよい。
重合を完結させた後の重合混合物を通常と同様に固液分離することで、目的の微細樹脂粒子を取り出すことができる。固液分離する方法としては、通常と同様の方法、例えば自然濾過、遠心濾過、加圧濾過等の濾過による方法、デカンター、サイクロン等を用いて遠心沈降させる方法等が挙げられる。取り出された微細樹脂粒子は、例えば水等で洗浄してもよい。得られた微細樹脂粒子は、完全に乾燥させてもよいが、静電気の帯電を防止するために、樹脂粒子100質量部あたり5質量部以上の水分を含んだ状態で保管することが好ましい。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例によって限定されるものではない。
なお、重合中の重合率は、重合中の重合混合物から採取した試料を110℃で2時間乾燥させたときの質量の変化量から求めた。
初期撹拌動力(P0)および撹拌動力(P)は、Mixing Principles and Applications, pp24-44,(by Shinji Nagata; KODANSHA A HALSTED PRESS BOOK)に従い、重合混合物(懸濁液)の密度(ρ)を983Kg/m3、粘度(μ)を3.97mPa・sとして求めた。
得られた微細樹脂粒子の中心粒子径(D50)は、微細樹脂粒子を純水に分散させて、超音波を照射した後、光散乱粒径測定装置〔Micro Track社製「FRA」〕を用いて測定した。
凝集の有無は、重合後のスラリー状重合混合物をスライドガラス上に採取し、倍率100倍の光学顕微鏡で観察して判定した。重合途中で凝集したものについては、目視で判定した。
初期撹拌動力(P0)および撹拌動力(P)は、Mixing Principles and Applications, pp24-44,(by Shinji Nagata; KODANSHA A HALSTED PRESS BOOK)に従い、重合混合物(懸濁液)の密度(ρ)を983Kg/m3、粘度(μ)を3.97mPa・sとして求めた。
得られた微細樹脂粒子の中心粒子径(D50)は、微細樹脂粒子を純水に分散させて、超音波を照射した後、光散乱粒径測定装置〔Micro Track社製「FRA」〕を用いて測定した。
凝集の有無は、重合後のスラリー状重合混合物をスライドガラス上に採取し、倍率100倍の光学顕微鏡で観察して判定した。重合途中で凝集したものについては、目視で判定した。
図1および図2に示すように、重合容器2として、内容積2dm3(2L)、内径(D)0.13mで円筒形状をした冷却器(図示せず)付きの容器を用いた。内部には、幅7mmで容器の内面2aに沿って底部2bから上方に至る板状のバッフル4を6個均等間隔で設けた。この重合容器2には、撹拌軸11に取り付けた撹拌翼1が備えられている。撹拌翼1としては、幅14mmの矩形状の平板を用い、図3に示すように撹拌軸11に対して45°の取付角度(θ)で取り付けたものを用いた。撹拌翼1の枚数は8枚とし、4枚ずつ2段で取り付けた。攪拌翼1の直径(d)は0.06mであった。
重合容器2に室温〔約20℃〕でイオン交換水1008.8gを入れ、次いでポリメタクリル酸ナトリウム〔懸濁安定剤〕0.366g、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル〔懸濁安定剤、旭電化工業(株)製「プルロニックF68」〕4.19gおよびヒドロキシポリプロピルセルロース〔懸濁安定剤〕0.084gを入れて溶解させた。
更にメチルメタクリレート〔単官能単量体〕289.9g、スチレン〔単官能単量体〕83.8g、メチルアクリレート〔単官能単量体〕20.9g、エチレングリコールジメタクリレート〔多官能単量体〕16.75g、ターピノレン〔重合調整剤〕0.063g、およびジラウロイルパーオキサイド〔重合開始剤〕7.54gを混合した混合物を加え、窒素ガスによりバブリングを行った。
その後、窒素ガス5の流通下に、撹拌翼1を初期回転速度(n0)750rpm(12.5秒-1)にて回転させて30分間撹拌した。このときの撹拌動力(P0)は0.293kW/m3であった。また、このときの撹拌翼1のチップ速度(V0)は2.36m/秒であった。
その後、窒素ガス流通下、撹拌翼1を同回転速度(n0)で回転させながら、概ね2℃/分の昇温速度で室温から重合温度65℃まで昇温して重合させた。このとき、内温が60℃に達した時間を基準として、3分が経過した時点で、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル(懸濁安定剤)8.38gをイオン交換水25.12gに溶解させた溶液を加えた。また内温が60℃に達した時間を基準として18分が経過した時点で、撹拌翼1の回転を減速して回転速度(n)を340rpm(5.67秒-1)とした。このときの撹拌動力(P)は0.0273kW/m3であり、チップ速度(V)は1.07m/秒であった。さらに、内温が60℃に達した時間を基準として約40分が経過した時点で重合率を測定したところ、19.8%であったので、撹拌翼1の回転速度を減速した時点における重合率は、20%未満であった。
その後、窒素ガス流通下に同温度、同回転速度で重合させたところ、重合途中で発熱による内温の急激な上昇が見られ、約75℃まで内温が上昇した。発熱の終了後、放冷により内温65℃まで冷却された時点で、さらに昇温し、内温を85℃として重合を完結させ、中心粒子径(D50)13.1μmの微細樹脂粒子を得た。なお、重合後のスラリー状の重合混合物において微細樹脂粒子に凝集は見られなかった。結果を表1に示す。
実施例1と同様の処方にて、重合容器2に混合物を調整し、窒素ガスによりバブリングを行った。
その後、窒素ガス5の流通下に、撹拌翼1を初期回転速度(n0)750rpm(12.5秒-1)にて回転させて30分間撹拌した。このときの撹拌動力(P0)は0.293kW/m3であった。また、このときの撹拌翼1のチップ速度(V0)は2.36m/秒であった。
その後、窒素ガス5の流通下に、撹拌翼1を初期回転速度(n0)750rpm(12.5秒-1)にて回転させて30分間撹拌した。このときの撹拌動力(P0)は0.293kW/m3であった。また、このときの撹拌翼1のチップ速度(V0)は2.36m/秒であった。
その後、窒素ガス流通下、撹拌翼1を同回転速度(n0)で回転させながら、概ね2℃/分の昇温速度で室温から重合温度65℃まで昇温して重合させた。このとき、内温が60℃に達した時間を基準として、3分が経過した時点で、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル(懸濁安定剤)8.38gをイオン交換水25.12gに溶解させた溶液を加えた。また内温が60℃に達した時間を基準として18分が経過した時点で、撹拌翼1の回転を減速して回転速度(n)を500rpm(8.3秒-1)とした。このときの撹拌動力(P)は0.0868kW/m3であり、チップ速度(V)は1.57m/秒であった。さらに、内温が60℃に達した時間を基準として約40分が経過した時点で重合率を測定したところ、22.7%であったので、撹拌翼1の回転速度を減速した時点における重合率は、23%未満であった。
その後、窒素ガス流通下に同温度、同回転速度で重合させたところ、重合途中で発熱による内温の急激な上昇が見られ、約78℃まで内温が上昇した。発熱の終了後、放冷により内温65℃まで冷却された時点で、さらに昇温し、内温を85℃として重合を完結させ、中心粒子径(D50)11.7μmの微細樹脂粒子を得た。なお、重合後のスラリー状の重合混合物において微細樹脂粒子に凝集は見られなかった。結果を表1に示す。
重合容器2に室温〔約20℃〕でイオン交換水1007.2gを入れ、次いでポリメタクリル酸ナトリウム〔懸濁安定剤〕0.366g、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル〔懸濁安定剤、旭電化工業(株)製「プルロニックF68」〕4.18gおよびヒドロキシポリプロピルセルロース〔懸濁安定剤〕0.084gを入れて溶解させた。
更にメチルメタクリレート〔単官能単量体〕246.7g、スチレン〔単官能単量体〕125.4g、メチルアクリレート〔単官能単量体〕20.9g、エチレングリコールジメタクリレート〔多官能単量体〕16.72g、ターピノレン〔重合調整剤〕0.063g、およびジラウロイルパーオキサイド〔重合開始剤〕8.36gを混合した混合物を加え、窒素ガスによりバブリングを行った。
その後、窒素ガス5の流通下に、撹拌翼1を初期回転速度(n0)750rpm(12.5秒-1)にて回転させて30分間撹拌した。このときの撹拌動力(P0)は0.293kW/m3であった。また、このときの撹拌翼1のチップ速度(V0)は2.36m/秒であった。
その後、窒素ガス流通下、撹拌翼1を同回転速度(n0)で回転させながら、概ね2℃/分の昇温速度で室温から重合温度65℃まで昇温して重合させた。このとき、内温が60℃に達した時間を基準として、3分が経過した時点で、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル(懸濁安定剤)8.36gをイオン交換水25.09gに溶解させた溶液を加えた。また内温が60℃に達した時間を基準として18分が経過した時点で、撹拌翼1の回転を減速して回転速度(n)を340rpm(5.67秒-1)とした。このときの撹拌動力(P)は0.0273kW/m3であり、チップ速度(V)は1.07m/秒であった。さらに、内温が60℃に達した時間を基準として約40分が経過した時点で重合率を測定したところ、17.5%であったので、撹拌翼1の回転速度を減速した時点における重合率は、18%未満であった。
その後、窒素ガス流通下に同温度、同回転速度で重合させたところ、重合途中で発熱による内温の急激な上昇が見られ、約77℃まで内温が上昇した。発熱の終了後、放冷により内温65℃まで冷却された時点で、さらに昇温し、内温を85℃として重合を完結させ、中心粒子径(D50)10.9μmの微細樹脂粒子を得た。なお、重合後のスラリー状の重合混合物において微細樹脂粒子に凝集は見られなかった。結果を表1に示す。
[比較例1]
重合容器2に室温〔約20℃〕でイオン交換水1007.8gを入れ、次いでポリメタクリル酸ナトリウム〔懸濁安定剤〕0.366g、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル〔懸濁安定剤、旭電化工業(株)製「プルロニックF68」〕4.18gおよびヒドロキシポリプロピルセルロース〔懸濁安定剤〕0.084gを入れて溶解させた。
重合容器2に室温〔約20℃〕でイオン交換水1007.8gを入れ、次いでポリメタクリル酸ナトリウム〔懸濁安定剤〕0.366g、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル〔懸濁安定剤、旭電化工業(株)製「プルロニックF68」〕4.18gおよびヒドロキシポリプロピルセルロース〔懸濁安定剤〕0.084gを入れて溶解させた。
更にメチルメタクリレート〔単官能単量体〕302.9g、スチレン〔単官能単量体〕83.7g、メチルアクリレート〔単官能単量体〕20.9g、エチレングリコールジメタクリレート〔多官能単量体〕3.35g、ターピノレン〔重合調整剤〕0.063g、およびジラウロイルパーオキサイド〔重合開始剤〕7.53gを混合した混合物を加え、窒素ガスによりバブリングを行った。
その後、窒素ガス5の流通下に、撹拌翼1を初期回転速度(n0)750rpm(12.5秒-1)にて回転させて30分間撹拌した。このときの撹拌動力(P0)は0.293kW/m3であった。また、このときの撹拌翼1のチップ速度(V0)は2.36m/秒であった。
その後、窒素ガス流通下、撹拌翼1を同回転速度(n0)で回転させながら、概ね2℃/分の昇温速度で室温から重合温度65℃まで昇温して重合させた。このとき、内温が60℃に達した時間を基準として、3分が経過した時点で、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル(懸濁安定剤)8.37gをイオン交換水25.10gに溶解させた溶液を加えた。また内温が60℃に達した時間を基準として18分が経過した時点で、撹拌翼1の回転を減速して回転速度(n)を340rpm(5.67秒-1)とした。このときの撹拌動力(P)は0.0273kW/m3であり、チップ速度(V)は1.07m/秒であった。さらに、内温が60℃に達した時間を基準として約40分が経過した時点で重合率を測定したところ、12.8%であったので、撹拌翼1の回転速度を減速した時点における重合率は、13%未満であった。
その後、窒素ガス流通下に同温度、同回転速度で重合させたところ、重合途中で激しく凝集し、微細樹脂粒子を得ることができなかった。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1と同様の処方にて、重合容器2に混合物を調整し、窒素ガスによりバブリングを行った。
その後、窒素ガス5の流通下に、撹拌翼1を初期回転速度(n0)750rpm(12.5秒-1)にて回転させて30分間撹拌した。このときの撹拌動力(P0)は0.293kW/m3であった。また、このときの撹拌翼1のチップ速度(V0)は2.36m/秒であった。
実施例1と同様の処方にて、重合容器2に混合物を調整し、窒素ガスによりバブリングを行った。
その後、窒素ガス5の流通下に、撹拌翼1を初期回転速度(n0)750rpm(12.5秒-1)にて回転させて30分間撹拌した。このときの撹拌動力(P0)は0.293kW/m3であった。また、このときの撹拌翼1のチップ速度(V0)は2.36m/秒であった。
その後、窒素ガス流通下、撹拌翼1を同回転速度(n0)で回転させながら、概ね2℃/分の昇温速度で室温から重合温度65℃まで昇温して重合させた。このとき、内温が60℃に達した時間を基準として、3分が経過した時点で、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル(懸濁安定剤)8.38gをイオン交換水25.12gに溶解させた溶液を加えた。
その後、窒素ガス流通下に同温度、同回転速度で重合させたところ、重合途中で激しく凝集し、微細樹脂粒子を得ることができなかった。結果を表1に示す。
[比較例3]
重合容器2に室温〔約20℃〕でイオン交換水1006.2gを入れ、次いでポリメタクリル酸ナトリウム〔懸濁安定剤〕0.365g、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル〔懸濁安定剤、旭電化工業(株)製「プルロニックF68」〕4.18gおよびヒドロキシポリプロピルセルロース〔懸濁安定剤〕0.084gを入れて溶解させた。
重合容器2に室温〔約20℃〕でイオン交換水1006.2gを入れ、次いでポリメタクリル酸ナトリウム〔懸濁安定剤〕0.365g、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル〔懸濁安定剤、旭電化工業(株)製「プルロニックF68」〕4.18gおよびヒドロキシポリプロピルセルロース〔懸濁安定剤〕0.084gを入れて溶解させた。
更にメチルメタクリレート〔単官能単量体〕259.8g、スチレン〔単官能単量体〕125.3g、メチルアクリレート〔単官能単量体〕20.9g、エチレングリコールジメタクリレート〔多官能単量体〕3.34g、ターピノレン〔重合調整剤〕0.063g、およびジラウロイルパーオキサイド〔重合開始剤〕8.35gを混合した混合物を加え、窒素ガスによりバブリングを行った。
その後、窒素ガス5の流通下に、撹拌翼1を初期回転速度(n0)750rpm(12.5秒-1)にて回転させて30分間撹拌した。このときの撹拌動力(P0)は0.293kW/m3であった。また、このときの撹拌翼1のチップ速度(V0)は2.36m/秒であった。
その後、窒素ガス流通下、撹拌翼1を同回転速度(n0)で回転させながら、概ね2℃/分の昇温速度で室温から重合温度65℃まで昇温して重合させた。このとき、内温が60℃に達した時間を基準として、3分が経過した時点で、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル(懸濁安定剤)8.35gをイオン交換水25.06gに溶解させた溶液を加えた。また内温が60℃に達した時間を基準として18分が経過した時点で、撹拌翼1の回転を減速して回転速度(n)を340rpm(5.67秒-1)とした。このときの撹拌動力(P)は0.0273kW/m3であり、チップ速度(V)は1.07m/秒であった。さらに、内温が60℃に達した時間を基準として約40分が経過した時点で重合率を測定したところ、15.3%であったので、撹拌翼1の回転速度を減速した時点における重合率は、16%未満であった。
その後、窒素ガス流通下に同温度、同回転速度で重合させたところ、重合途中で激しく凝集し、微細樹脂粒子を得ることができなかった。結果を表1に示す。
重合容器2に室温〔約20℃〕でイオン交換水991.5gを入れ、次いでポリメタクリル酸ナトリウム〔懸濁安定剤〕0.360g、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル〔懸濁安定剤、旭電化工業(株)製「プルロニックF68」〕4.12gおよびヒドロキシポリプロピルセルロース〔懸濁安定剤〕0.082gを入れて溶解させた。
更にメチルメタクリレート〔単官能単量体〕324.6g、スチレン〔単官能単量体〕54.5g、ジビニルベンゼン〔多官能単量体〕16.46g、エチルビニルベンゼン〔単官能単量体〕11.97g、ターピノレン〔重合調整剤〕0.062g、およびジラウロイルパーオキサイド〔重合開始剤〕4.12gを混合した混合物を加え、窒素ガスによりバブリングを行った。
その後、窒素ガス5の流通下に、撹拌翼1を初期回転速度(n0)750rpm(12.5秒-1)にて回転させて30分間撹拌した。このときの撹拌動力(P0)は0.293kW/m3であった。また、このときの撹拌翼1のチップ速度(V0)は2.36m/秒であった。
その後、窒素ガス流通下、撹拌翼1を同回転速度(n0)で回転させながら、概ね2℃/分の昇温速度で室温から重合温度65℃まで昇温して重合させた。このとき、内温が60℃に達した時間を基準として、3分が経過した時点で、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル(懸濁安定剤)8.23gをイオン交換水24.70gに溶解させた溶液を加えた。また内温が60℃に達した時間を基準として18分が経過した時点で、撹拌翼1の回転を減速して回転速度(n)を340rpm(5.67秒-1)とした。このときの撹拌動力(P)は0.0273kW/m3であり、チップ速度(V)は1.07m/秒であった。さらに、内温が60℃に達した時間を基準として約40分が経過した時点で重合率を測定したところ、9.7%であったので、撹拌翼1の回転速度を減速した時点における重合率は、10%未満であった。
その後、窒素ガス流通下に同温度、同回転速度で重合させたところ、重合途中で発熱による内温の急激な上昇が見られ、約79℃まで内温が上昇した。発熱の終了後、放冷により内温65℃まで冷却された時点で、さらに昇温し、内温を85℃として重合を完結させ、中心粒子径(D50)11.1μmの微細樹脂粒子を得た。なお、重合後のスラリー状の重合混合物において微細樹脂粒子に凝集は見られなかった。結果を表1に示す。
[比較例4]
重合容器2に室温〔約20℃〕でイオン交換水1007.7gを入れ、次いでポリメタクリル酸ナトリウム〔懸濁安定剤〕0.366g、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル〔懸濁安定剤、旭電化工業(株)製「プルロニックF68」〕4.18gおよびヒドロキシポリプロピルセルロース〔懸濁安定剤〕0.084gを入れて溶解させた。
重合容器2に室温〔約20℃〕でイオン交換水1007.7gを入れ、次いでポリメタクリル酸ナトリウム〔懸濁安定剤〕0.366g、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル〔懸濁安定剤、旭電化工業(株)製「プルロニックF68」〕4.18gおよびヒドロキシポリプロピルセルロース〔懸濁安定剤〕0.084gを入れて溶解させた。
更にメチルメタクリレート〔単官能単量体〕330.5g、スチレン〔単官能単量体〕80.8g、ジビニルベンゼン〔多官能単量体〕1.67g、エチルビニルベンゼン〔単官能単量体〕1.22g、ターピノレン〔重合調整剤〕0.063g、およびジラウロイルパーオキサイド〔重合開始剤〕4.18gを混合した混合物を加え、窒素ガスによりバブリングを行った。
その後、窒素ガス5の流通下に、撹拌翼1を初期回転速度(n0)750rpm(12.5秒-1)にて回転させて30分間撹拌した。このときの撹拌動力(P0)は0.293kW/m3であった。また、このときの撹拌翼1のチップ速度(V0)は2.36m/秒であった。
その後、窒素ガス流通下、撹拌翼1を同回転速度(n0)で回転させながら、概ね2℃/分の昇温速度で室温から重合温度65℃まで昇温して重合させた。このとき、内温が60℃に達した時間を基準として、3分が経過した時点で、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル(懸濁安定剤)8.37gをイオン交換水25.10gに溶解させた溶液を加えた。また内温が60℃に達した時間を基準として18分が経過した時点で、撹拌翼1の回転を減速して回転速度(n)を340rpm(5.67秒-1)とした。このときの撹拌動力(P)は0.0273kW/m3であり、チップ速度(V)は1.07m/秒であった。さらに、内温が60℃に達した時間を基準として約40分が経過した時点で重合率を測定したところ、11.4%であったので、撹拌翼1の回転速度を減速した時点における重合率は、12%未満であった。
その後、窒素ガス流通下に同温度、同回転速度で重合させたところ、重合途中で激しく凝集し、微細樹脂粒子を得ることができなかった。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜4では、凝集が発生しやすい芳香族系化合物を共重合させる系であっても、凝集を発生させることなく微細樹脂粒子が得られているのがわかる。これに対し、多官能単量体の割合が1質量部未満である比較例1,3および4では、重合途中で激しく凝集し、微細樹脂粒子を得ることができなかった。また、重合途中に、撹拌動力(P)を、重合を開始したときの初期撹拌動力(P0)に対して1/2倍以下の範囲としなかった比較例2においても、重合途中で激しく凝集し、微細樹脂粒子を得ることができなかった。
1 攪拌翼
2 重合容器
2a 内面
2b 底部
3 重合混合物
4 バッフル
5 窒素ガス
11 撹拌軸
2 重合容器
2a 内面
2b 底部
3 重合混合物
4 バッフル
5 窒素ガス
11 撹拌軸
Claims (4)
- 単量体混合物を水性媒体と共に撹拌することにより該単量体混合物を該水性媒体中に懸濁させながら重合開始剤により重合を開始し、重合させて微細樹脂粒子を製造する方法であって、
前記単量体混合物が、単官能単量体100質量部に対して多官能単量体を1質量部以上の割合で含むのものからなり、かつ重合途中に、撹拌動力(P)を、重合を開始したときの初期撹拌動力(P0)に対して1/2倍以下の範囲とすることを特徴とする微細樹脂粒子の製造方法。 - 前記重合開始剤の使用量が、前記単量体混合物100質量部に対して0.01質量部〜5質量部である請求項1または2記載の製造方法。
- 前記単量体混合物の重合率が25%以下の間に、撹拌動力(P)を前記範囲とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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