JP2008214447A - ノボラック型フェノール樹脂の製造方法、ノボラック型フェノール樹脂及びフォトレジスト用フェノール樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 未反応フェノール類や、低核体成分の含有量が少ないノボラック型フェノール樹脂を、効率的かつ簡易に製造することができる方法を提供する。また、該ノボラック型フェノール樹脂を用いることにより、低核体成分の昇華物による生産ラインの汚染を低減し、生産性を向上させることができるフォトレジスト用フェノール樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 下記(a)工程の後に(b)工程を有することを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(a)有機溶媒に溶解させたフェノール樹脂とアルデヒド類を固体触媒の存在下で反応させた後、フェノール樹脂溶液を固体触媒と分離し、フェノール樹脂溶液を得る工程。
(b)反応系温度を170〜250℃に維持しながら、該反応系温度よりも沸点が低い低沸点化合物を添加して、ノボラック型フェノール樹脂の低核体成分を除去する工程
【選択図】 なし
【解決手段】 下記(a)工程の後に(b)工程を有することを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(a)有機溶媒に溶解させたフェノール樹脂とアルデヒド類を固体触媒の存在下で反応させた後、フェノール樹脂溶液を固体触媒と分離し、フェノール樹脂溶液を得る工程。
(b)反応系温度を170〜250℃に維持しながら、該反応系温度よりも沸点が低い低沸点化合物を添加して、ノボラック型フェノール樹脂の低核体成分を除去する工程
【選択図】 なし
Description
本発明は、ノボラック型フェノール樹脂の製造方法、ノボラック型フェノール樹脂、および、フォトレジスト用フェノール樹脂組成物に関する。
フェノール樹脂は、半導体産業、電気電子材料、成形材料、積層板、耐火物、塗料、各種基材の粘結材など多くの分野で用いられている。フェノール樹脂の種類としては、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などが挙げられ、固形状、液状など、用途に適した種々の形態のものが合成されて用いられている。
フェノール樹脂は通常、フェノール類とアルデヒド類とを酸性又は塩基性触媒の存在下で反応させて得られる。しかし、通常の合成方法で得られたフェノール類は、樹脂中に未反応フェノール類や2核体成分などの低核体成分が多く含有され、用途によってはこれら低核体成分の存在により種々の問題が発生することがある。
フェノール樹脂は通常、フェノール類とアルデヒド類とを酸性又は塩基性触媒の存在下で反応させて得られる。しかし、通常の合成方法で得られたフェノール類は、樹脂中に未反応フェノール類や2核体成分などの低核体成分が多く含有され、用途によってはこれら低核体成分の存在により種々の問題が発生することがある。
例えば、フェノール樹脂の用途の一つとして、ポジ型フォトレジスト用組成物がある。
一般にポジ型フォトレジストには、ナフトキノンジアジド化合物等のキノンジアジド基を有する感光剤と、ノボラック型フェノール樹脂のようなアルカリ可溶性樹脂が用いられている。このような組成からなるポジ型フォトレジストは、露光後にアルカリ溶液による現像によって高い解像力を示し、IC、LSI等の半導体製造、LCD(液晶ディスプレイ)などの表示画面機器の製造および印刷原版の製造などに利用されている。また、ノボラック型フェノ-ル樹脂はプラズマドライエッチングに対し、芳香環を多く持つ構造に起因する高いドライエッチング耐性も有しており、これまでノボラック型フェノ-ル樹脂とナフトキノンジアジド系感光剤とを含有する数多くのポジ型フォトレジストが開発、実用化され、大きな成果を挙げてきている。
一般にポジ型フォトレジストには、ナフトキノンジアジド化合物等のキノンジアジド基を有する感光剤と、ノボラック型フェノール樹脂のようなアルカリ可溶性樹脂が用いられている。このような組成からなるポジ型フォトレジストは、露光後にアルカリ溶液による現像によって高い解像力を示し、IC、LSI等の半導体製造、LCD(液晶ディスプレイ)などの表示画面機器の製造および印刷原版の製造などに利用されている。また、ノボラック型フェノ-ル樹脂はプラズマドライエッチングに対し、芳香環を多く持つ構造に起因する高いドライエッチング耐性も有しており、これまでノボラック型フェノ-ル樹脂とナフトキノンジアジド系感光剤とを含有する数多くのポジ型フォトレジストが開発、実用化され、大きな成果を挙げてきている。
ポジ型フォトレジストには、m/p-クレゾ-ルなどのフェノール類とホルムアルデヒドとを酸触媒の存在下で反応させて得られたノボラック型フェノール樹脂が一般に使用されている。そして、フォトレジストの特性を調整または向上させるために、原料フェノール類の比率や、フェノール樹脂の分子量、分子量分布などの検討がなされてきた。
しかし、これらの原材料から一般的方法により得られた樹脂を用いたフォトレジストでは、例えば、LCDの製造工程において、フォトレジスト中のフェノール樹脂の低核体成分(主に2核体成分)が昇華することにより、その昇華物が生産ラインに堆積・汚染し、製品の歩留まり低下を引き起こす原因となっている。このため、フェノール樹脂の2核体成分の低減要求が非常に高くなってきている。
しかし、これらの原材料から一般的方法により得られた樹脂を用いたフォトレジストでは、例えば、LCDの製造工程において、フォトレジスト中のフェノール樹脂の低核体成分(主に2核体成分)が昇華することにより、その昇華物が生産ラインに堆積・汚染し、製品の歩留まり低下を引き起こす原因となっている。このため、フェノール樹脂の2核体成分の低減要求が非常に高くなってきている。
このような2核体成分の含有量が少ないフェノール樹脂は、溶剤分画手法(例えば、特許文献1参照)、樹脂と水蒸気とを接触させる水蒸気蒸留法による2核体成分の除去(例えば、特許文献2参照)などで合成されている例がある。
溶剤分画手法は、フェノール樹脂中の各成分の溶媒に対する溶解度差を利用する手法であり、低核体成分の除去に有効な手法である。しかし、2核体成分の除去効率が低い為に、繰り返しの操作が必要となり、除去した成分を含有する廃液が大量に発生するため、環境への負荷が高い製造方法であった。
溶剤分画手法は、フェノール樹脂中の各成分の溶媒に対する溶解度差を利用する手法であり、低核体成分の除去に有効な手法である。しかし、2核体成分の除去効率が低い為に、繰り返しの操作が必要となり、除去した成分を含有する廃液が大量に発生するため、環境への負荷が高い製造方法であった。
これに対し水蒸気蒸留法は、沸点が高く、通常の減圧蒸留で留去することのできない2核体成分を水との共沸作用により通常の操作温度の範囲内で留去する手法である。具体的には例えば、高温で溶融させた樹脂を反応容器底部に設けた配管よりポンプで吸出し、180℃程度の高温水蒸気と混合させ、発生した揮発成分を留去して、樹脂分を反応容器へ戻す操作を繰り返す方法などで行われる。
この手法では、フェノール樹脂中の各成分の沸点差を利用するため、3核体以上の樹脂成分は除去されにくく、収得をさほど低下させることなく樹脂を得ることができる。
しかし、重量平均分子量が3000を超えるような樹脂の場合には、溶融粘度が高くポンプの能力を超えてしまうため実施が困難になるという問題がある。また、高温の樹脂と蒸気とを強制混合することにより発生する突沸・爆発現象などに耐えうる頑丈な設備が必要であること、高温蒸気を多量に発生させるためのエネルギー費用が必要となることなど、工業的規模での実施においては特性面からの制約、生産技術的障壁・経済的負担など問題のある技術であった。
この手法では、フェノール樹脂中の各成分の沸点差を利用するため、3核体以上の樹脂成分は除去されにくく、収得をさほど低下させることなく樹脂を得ることができる。
しかし、重量平均分子量が3000を超えるような樹脂の場合には、溶融粘度が高くポンプの能力を超えてしまうため実施が困難になるという問題がある。また、高温の樹脂と蒸気とを強制混合することにより発生する突沸・爆発現象などに耐えうる頑丈な設備が必要であること、高温蒸気を多量に発生させるためのエネルギー費用が必要となることなど、工業的規模での実施においては特性面からの制約、生産技術的障壁・経済的負担など問題のある技術であった。
本発明は、未反応フェノール類や、低核体成分の含有量が少ないノボラック型フェノール樹脂を、効率的かつ簡易に製造することができる方法を提供するものである。
また、本発明の製造方法により得られたノボラック型フェノール樹脂を用いることにより、低核体成分の昇華物による生産ラインの汚染を低減し、生産性を向上させることができるフォトレジスト用フェノール樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明の製造方法により得られたノボラック型フェノール樹脂を用いることにより、低核体成分の昇華物による生産ラインの汚染を低減し、生産性を向上させることができるフォトレジスト用フェノール樹脂組成物を提供するものである。
このような目的は、下記の本発明(1)〜(17)により達成される。
(1) 下記(a)工程の後に(b)工程を有することを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(a)有機溶媒に溶解させたフェノール類とアルデヒド類を固体触媒の存在下で反応させた後、フェノール樹脂溶液を固体触媒と分離し、フェノール樹脂溶液を得る工程。
(b)反応系温度を170〜250℃に維持しながら、該反応系温度よりも沸点が低い低沸点化合物を添加して、ノボラック型フェノール樹脂の低核体成分を除去する工程。
(2) 前記(a)工程の後に、(c)反応系から、水又は水と反応溶媒とを実質的に除去する工程、を備えてなる(1)項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(3)(a)工程で使用される固体触媒が水及び/又は有機溶媒に不溶性であり、かつ酸触媒としての機能を有するものであることを特長とする(1)又は(2)項記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(4)(a)工程で使用される固体触媒が酸性イオン交換樹脂であり、その添加量がフェノール樹脂100部に対して30〜1000部であることを特長とする(1)〜(3)項のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(5) 前記(a)工程は、反応温度90〜160℃で行う(1)〜(4)項のいずれかに記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(6) 前記(b)工程が、反応系温度を210〜240℃に維持する段階を有する(1)〜(5)項のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(7) 添加される低沸点化合物が液状形態である(1)〜(6)項のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(8) 低沸点化合物が、水を含むものである(1)〜(7)項のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(9) 低沸点化合物が、ノボラック型フェノール樹脂の低核体成分を溶解しうる化合物を含むものである(1)〜(8)項のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(10) 前記ノボラック型フェノール樹脂の低核体成分を溶解しうる化合物は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1−ブタノール、メチルイソブチルケトンから選ばれるものである(9)項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(11) 添加される低沸点化合物の量は、反応系全体に対して1〜10重量%/時間である、(1)〜(10)項のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(12) 前記(b)工程は、10.7kPa以下の減圧下で実施されるものである、(1)〜(11)項のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(13) (1)〜(12)項のいずれか1項に記載の方法により製造されたものであるノボラック型フェノール樹脂。
(14) 2核体成分の含有量が7%以下である、(13)項に記載のノボラック型フェノール樹脂。
(15) 重量平均分子量が1000〜20000である、(13)又は(14)項に記載のノボラック型フェノール樹脂。
(16) フォトレジストに用いられるものである、(13)〜(15)項のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂。
(17)(ア)(16)項に記載のノボラック型フェノール樹脂、
(イ)感光剤、及び、
(ウ)溶剤、
を含有することを特徴とする、フォトレジスト用フェノール樹脂組成物。
(1) 下記(a)工程の後に(b)工程を有することを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(a)有機溶媒に溶解させたフェノール類とアルデヒド類を固体触媒の存在下で反応させた後、フェノール樹脂溶液を固体触媒と分離し、フェノール樹脂溶液を得る工程。
(b)反応系温度を170〜250℃に維持しながら、該反応系温度よりも沸点が低い低沸点化合物を添加して、ノボラック型フェノール樹脂の低核体成分を除去する工程。
(2) 前記(a)工程の後に、(c)反応系から、水又は水と反応溶媒とを実質的に除去する工程、を備えてなる(1)項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(3)(a)工程で使用される固体触媒が水及び/又は有機溶媒に不溶性であり、かつ酸触媒としての機能を有するものであることを特長とする(1)又は(2)項記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(4)(a)工程で使用される固体触媒が酸性イオン交換樹脂であり、その添加量がフェノール樹脂100部に対して30〜1000部であることを特長とする(1)〜(3)項のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(5) 前記(a)工程は、反応温度90〜160℃で行う(1)〜(4)項のいずれかに記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(6) 前記(b)工程が、反応系温度を210〜240℃に維持する段階を有する(1)〜(5)項のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(7) 添加される低沸点化合物が液状形態である(1)〜(6)項のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(8) 低沸点化合物が、水を含むものである(1)〜(7)項のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(9) 低沸点化合物が、ノボラック型フェノール樹脂の低核体成分を溶解しうる化合物を含むものである(1)〜(8)項のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(10) 前記ノボラック型フェノール樹脂の低核体成分を溶解しうる化合物は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1−ブタノール、メチルイソブチルケトンから選ばれるものである(9)項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(11) 添加される低沸点化合物の量は、反応系全体に対して1〜10重量%/時間である、(1)〜(10)項のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(12) 前記(b)工程は、10.7kPa以下の減圧下で実施されるものである、(1)〜(11)項のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(13) (1)〜(12)項のいずれか1項に記載の方法により製造されたものであるノボラック型フェノール樹脂。
(14) 2核体成分の含有量が7%以下である、(13)項に記載のノボラック型フェノール樹脂。
(15) 重量平均分子量が1000〜20000である、(13)又は(14)項に記載のノボラック型フェノール樹脂。
(16) フォトレジストに用いられるものである、(13)〜(15)項のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂。
(17)(ア)(16)項に記載のノボラック型フェノール樹脂、
(イ)感光剤、及び、
(ウ)溶剤、
を含有することを特徴とする、フォトレジスト用フェノール樹脂組成物。
本発明により、未反応フェノール類や低核体成分の含有量が少ないノボラック型フェノール樹脂を、効率的かつ簡易に製造することができる。
本発明の製造方法により製造されたノボラック型フェノール樹脂を用いたフォトレジスト用樹脂組成物は、例えばLCD製造工程等において、低核体成分の昇華物による生産ラインの汚染を低減させ、生産性を向上させることができる。
本発明の製造方法により製造されたノボラック型フェノール樹脂を用いたフォトレジスト用樹脂組成物は、例えばLCD製造工程等において、低核体成分の昇華物による生産ラインの汚染を低減させ、生産性を向上させることができる。
以下、本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法、ノボラック型フェノール樹脂、および、フォトレジスト用樹脂組成物について説明する。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法は、下記(a)工程の後に(b)工程を有することを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法である。
(a)有機溶媒に溶解させたフェノール類とアルデヒド類を固体触媒の存在下で反応させた後、フェノール樹脂溶液を固体触媒と分離し、フェノール樹脂溶液を得る工程。
(b)反応系温度を170〜250℃に維持しながら、該反応系温度よりも沸点が低い低沸点化合物を添加して、ノボラック型フェノール樹脂の低核体成分を除去する工程。
なお、前記(a)工程の後に、反応系から、水又は水と反応溶媒とを実質的に除去する工程を備えるようにしてもよい。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法は、下記(a)工程の後に(b)工程を有することを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法である。
(a)有機溶媒に溶解させたフェノール類とアルデヒド類を固体触媒の存在下で反応させた後、フェノール樹脂溶液を固体触媒と分離し、フェノール樹脂溶液を得る工程。
(b)反応系温度を170〜250℃に維持しながら、該反応系温度よりも沸点が低い低沸点化合物を添加して、ノボラック型フェノール樹脂の低核体成分を除去する工程。
なお、前記(a)工程の後に、反応系から、水又は水と反応溶媒とを実質的に除去する工程を備えるようにしてもよい。
また、本発明のノボラック型フェノール樹脂は、上記本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法により得られたものであることを特徴とする。
そして、本発明のフォトレジスト用樹脂組成物は、
(ア)上記本発明のノボラック型フェノール樹脂、
(イ)感光剤、及び、
(ウ)溶剤、
を含有することを特徴とする。
まず、本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法(以下、単に「製造方法」ということがある)について説明する。
そして、本発明のフォトレジスト用樹脂組成物は、
(ア)上記本発明のノボラック型フェノール樹脂、
(イ)感光剤、及び、
(ウ)溶剤、
を含有することを特徴とする。
まず、本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法(以下、単に「製造方法」ということがある)について説明する。
本発明の製造方法においては、まず、(a)有機溶媒に溶解させたフェノール類とアルデヒド類を固体触媒の存在下で反応させた後、フェノール樹脂溶液を固体触媒と分離し、フェノール樹脂溶液を得る。
上記(a)工程で用いられるフェノール類としては特に限定されないが、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール類、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール類、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール類のほか、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、ピロガロール、フロログルシン等の多価フェノール類、アルキルレゾルシン、アルキルカテコール、アルキルハイドロキノンなどのアルキル多価フェノール類(いずれのアルキル基も、炭素数は1〜4である)が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
上記フェノール類の中でも、本発明の製造方法により得られたノボラック型フェノール樹脂をフォトレジスト用樹脂組成物に適用する場合は、特に、m−クレゾールとp−クレゾールとを用いることが好ましい。これらのフェノール類を用い、かつ、両者の配合比率を調節することで、フォトレジストとしての感度、耐熱性などの諸特性を調節することができる。
この場合、m−クレゾールとp−クレゾールとの比率は特に限定されないが、重量比(m−クレゾール/p-クレゾール)=9/1〜1/9とすることが好ましい。さらに好ましくは8/2〜2/8である。m−クレゾールの比率が上記下限値未満になると感度が低下することがあり、上記上限値を超えると耐熱性が低下することがある。
この場合、m−クレゾールとp−クレゾールとの比率は特に限定されないが、重量比(m−クレゾール/p-クレゾール)=9/1〜1/9とすることが好ましい。さらに好ましくは8/2〜2/8である。m−クレゾールの比率が上記下限値未満になると感度が低下することがあり、上記上限値を超えると耐熱性が低下することがある。
上記(a)工程で用いられるアルデヒド類としては特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n-ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o-トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。
これらの中でも、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドを用いることが特性上好ましい。
これらの中でも、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドを用いることが特性上好ましい。
上記(a)工程において、フェノール類(P)とアルデヒド類(F1)との反応モル比(F1/P)としては特に限定されないが、0.7〜1.3とすることが好ましい。さらに好ましくは0.8〜1.2である。これにより、フェノール樹脂類を効率よく得ることができる。
反応モル比が上記上限値を超えると、過剰に高分子量化(ゲル化)することがある。また、上記下限値未満では未反応モノマーが多く残り、反応性が低く、2核体成分を低減する効果が十分でないことがある。
そして、上記(a)工程において得られるフェノール樹脂類の分子量としては特に限定されないが、GPCにより測定される重量平均分子量が500以上であることが好ましい。
反応モル比が上記上限値を超えると、過剰に高分子量化(ゲル化)することがある。また、上記下限値未満では未反応モノマーが多く残り、反応性が低く、2核体成分を低減する効果が十分でないことがある。
そして、上記(a)工程において得られるフェノール樹脂類の分子量としては特に限定されないが、GPCにより測定される重量平均分子量が500以上であることが好ましい。
上記(a)工程においては、必要に応じて反応溶媒を用いることができる。
反応溶媒としては、フェノール樹脂を溶解するものであれば使用でき、特に限定されないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロ
ピルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトンなどのケトン類、ジオキサンのような環式エーテル類及び、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、オキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル類、ベンゾニトリル、ドデシルニトリルなどのニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、ジメチルスルホキシド、水等を挙げることができる。これらは一種単独で用いてもよいし、また2種以上混合して用いてもよい。
反応溶媒としては、フェノール樹脂を溶解するものであれば使用でき、特に限定されないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロ
ピルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトンなどのケトン類、ジオキサンのような環式エーテル類及び、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、オキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル類、ベンゾニトリル、ドデシルニトリルなどのニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、ジメチルスルホキシド、水等を挙げることができる。これらは一種単独で用いてもよいし、また2種以上混合して用いてもよい。
上記(a)工程においては、固体触媒を用いる。ここで用いる固体触媒としては、水や有機溶剤に不溶であり、かつ反応中に固体触媒自身が分解しないことが望ましい。触媒自身が溶解や分解してしまうと樹脂中に残存してしまうことが懸念される。固体触媒としては特に限定されないが、例えば、イオン交換樹脂などの有機固体酸触媒、酸性白土、活性白土、ベントナイト、モンモリオナイトなどの粘度鉱物、アルミナ、シリカマグネシアなどの無機固体酸触媒などが挙げられる。
これらの中でも、イオン交換樹脂が好ましい。これにより、固体触媒を効率的に分離することができる。また、フェノール樹脂中への金属成分のコンタミを防止することができるので、フォトレジスト用として好適なフェノール樹脂を得ることができる。
上記イオン交換樹脂の中でも、さらに、強酸性型イオン交換樹脂、特に、スチレン系強酸性型イオン交換樹脂が好ましい。これにより、フェノール類とアルデヒド類との反応性をより高めることができる。
上記スチレン系強酸性型イオン交換樹脂としては特に限定されないが、例えば、オルガノ株式会社製・「アンバーライト15JWET」、「アンバーリスト15DRY」、「アンバーリスト31WET」、三菱化学工業社製・「ダイヤイオンRCP160H」、「ダイヤイオンRCP170H」、三井化学ファイン株式会社製・「レバチットK1221」、「レバチットK1421」などが使用できる。
これらの中でも、イオン交換樹脂が好ましい。これにより、固体触媒を効率的に分離することができる。また、フェノール樹脂中への金属成分のコンタミを防止することができるので、フォトレジスト用として好適なフェノール樹脂を得ることができる。
上記イオン交換樹脂の中でも、さらに、強酸性型イオン交換樹脂、特に、スチレン系強酸性型イオン交換樹脂が好ましい。これにより、フェノール類とアルデヒド類との反応性をより高めることができる。
上記スチレン系強酸性型イオン交換樹脂としては特に限定されないが、例えば、オルガノ株式会社製・「アンバーライト15JWET」、「アンバーリスト15DRY」、「アンバーリスト31WET」、三菱化学工業社製・「ダイヤイオンRCP160H」、「ダイヤイオンRCP170H」、三井化学ファイン株式会社製・「レバチットK1221」、「レバチットK1421」などが使用できる。
上記(a)工程において、固体触媒の使用量は、フェノール類100部に対して30重量部以上である。好ましくは30〜1000重量部であり、さらに好ましくは50〜500重量部である。
固体触媒の使用量が上記下限未満であると、フェノール類とアルデヒド類との反応性が乏しくなることがある。また、上記上限値を超えて使用することは問題ないが、過剰量の使用は経済的でないことがある。
固体触媒の使用量が上記下限未満であると、フェノール類とアルデヒド類との反応性が乏しくなることがある。また、上記上限値を超えて使用することは問題ないが、過剰量の使用は経済的でないことがある。
上記(a)工程における反応温度としては特に限定されないが、比較的高い温度であることが好ましく、具体的には90〜160℃が好ましい。さらに好ましくは90〜120℃である。反応温度が上記下限値より低くなると反応性が低下して、工程が長時間になることがある。また、上記上限値を超えると、固体触媒の種類によっては耐熱温度を超えることがある。
上記(a)工程の反応形態としては特に限定されないが、例えば、フェノール類、アルデヒド類、極性溶媒、及び、固体触媒の混合物を反応装置に仕込み、これに、攪拌ないし振動を与えることにより行うバッチ方式や、固体触媒をあらかじめカラムに充填しておき、そこに、フェノール類、アルデヒド類、及び、極性溶媒の混合物を通過させて行うカラム方式などが挙げられる。
上記(a)工程では、生成したフェノール樹脂と固体触媒との分離を行う。ここで用いられる分離手法としては特に制限はなく、例えば、遠心分離、溶媒抽出,フィルターなどによる濾別などの方法を選択することができる。
次に、本発明の製造方法においては、必要に応じて、前記(a)工程の後、(c)反応系から水と反応溶媒とを実質的に除去する工程(脱溶剤・脱水工程)を含んでも良い。なお、「実質的に除去する」とは、反応系全体の重量に対して、5重量%以下、好ましくは3重量%以下となる状態になるまで除去することをいう。
上記脱溶剤・脱水工程については、公知の手法を適用することができる。
例えば、上記(a)工程後の反応系を常圧下、減圧下、あるいは、常圧下及び減圧下で、130〜220℃に昇温して、1〜15時間処理することにより、反応系中から水を実質的に除去することができる。また、上記(a)工程で反応溶媒を用いた場合も、この脱溶剤・脱水工程で実質的に除去することができる。なお、減圧下で処理する場合は、反応系を例えば5.3〜13.3kPaに保持して実施することができる。
なお、この脱溶剤・脱水工程においては、上記条件で実施することにより、水、反応溶媒のほか、ノボラック型フェノール樹脂中に含有される未反応モノマー類の大部分についても除去することができる。
このように脱溶剤・脱水工程を設けて、水、反応溶媒および場合によっては未反応モノマー類を除去した場合、続く(b)工程を効率よく行うことができるようになる。
例えば、上記(a)工程後の反応系を常圧下、減圧下、あるいは、常圧下及び減圧下で、130〜220℃に昇温して、1〜15時間処理することにより、反応系中から水を実質的に除去することができる。また、上記(a)工程で反応溶媒を用いた場合も、この脱溶剤・脱水工程で実質的に除去することができる。なお、減圧下で処理する場合は、反応系を例えば5.3〜13.3kPaに保持して実施することができる。
なお、この脱溶剤・脱水工程においては、上記条件で実施することにより、水、反応溶媒のほか、ノボラック型フェノール樹脂中に含有される未反応モノマー類の大部分についても除去することができる。
このように脱溶剤・脱水工程を設けて、水、反応溶媒および場合によっては未反応モノマー類を除去した場合、続く(b)工程を効率よく行うことができるようになる。
次に、本発明の製造方法においては、(a)工程後、または場合によっては上記(c)工程後の反応系温度を170〜250℃に維持しながら、該反応系温度よりも沸点が低い低沸点化合物を添加して、ノボラック型フェノール樹脂の低核体成分を除去する。
本発明の製造方法においては、上記(b)工程を実施することにより、ノボラック型フェノール樹脂中に含有される低核体成分を所定量以下に低減させることができる。
上記(b)工程における反応系温度は、上記下限値未満であると、特に、2核体成分の除去を実施するのが難しくなることがある。一方、上記上限値を越えると、フェノール類とアルデヒド類との反応モル比などによっては、(b)工程の実施中にフェノール樹脂の経時変化が進行しやすくなることがある。
上記(b)工程における反応系温度は、上記下限値未満であると、特に、2核体成分の除去を実施するのが難しくなることがある。一方、上記上限値を越えると、フェノール類とアルデヒド類との反応モル比などによっては、(b)工程の実施中にフェノール樹脂の経時変化が進行しやすくなることがある。
この(b)工程における反応系温度は、170〜250℃に維持される。
ここで、(b)工程は上記範囲内において反応系温度を一定として実施することもできるし、必要に応じて、適宜段階的に反応系温度を変えて実施することもできる。
この(b)工程においては、反応系温度を210〜240℃に維持する段階を有することが好ましい。これにより、ノボラック型フェノール樹脂中の低核体成分を留去しやすくすることができる。
ここで、(b)工程は上記範囲内において反応系温度を一定として実施することもできるし、必要に応じて、適宜段階的に反応系温度を変えて実施することもできる。
この(b)工程においては、反応系温度を210〜240℃に維持する段階を有することが好ましい。これにより、ノボラック型フェノール樹脂中の低核体成分を留去しやすくすることができる。
本発明の製造方法においては、上記温度に維持された反応系に、この反応系の温度よりも沸点が低い低沸点化合物を添加する。これにより、ノボラック型フェノール樹脂中に含有される低核体成分を留去することができる。
このメカニズムは明確ではないが、低沸点化合物がノボラック型フェノール樹脂と接触して気化する際に、ノボラック型フェノール樹脂中に含有される低核体成分との共沸作用により、低沸点化合物とともに低核体成分を留去することができるのではないかと考えられる。
このメカニズムは明確ではないが、低沸点化合物がノボラック型フェノール樹脂と接触して気化する際に、ノボラック型フェノール樹脂中に含有される低核体成分との共沸作用により、低沸点化合物とともに低核体成分を留去することができるのではないかと考えられる。
上記低沸点化合物としては、(b)工程における反応系温度などを考慮して適宜選択することができるが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトンなどのケトン類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエチレングリコールア
ルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ジオキサンなどのエーテル類、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルなどのエステル類のほか、水などを挙げることができる。
これらは一種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いることもできる。
ルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ジオキサンなどのエーテル類、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルなどのエステル類のほか、水などを挙げることができる。
これらは一種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いることもできる。
上記(b)工程においては、低沸点化合物を液状形態で添加することが好ましい。これにより、取り扱い作業性を向上させることができる。
また、上記低沸点化合物としては、沸点が(b) 工程中の反応系内の温度より低く、かつ、沸点が50℃以上、好ましくは80℃以上であるものを用いることが好ましい。これにより、低沸点化合物が反応系中のノボラック型フェノール樹脂の表面に到達するまで液状形態を保ちやすくすることができる。
沸点が50℃未満の低沸点化合物を使用した場合、反応装置内の減圧度によっては、低沸点化合物がノボラック型フェノール樹脂表面に到達する前に気化して、低核体成分の除去効果が充分でなくなることがある。
沸点が50℃未満の低沸点化合物を使用した場合、反応装置内の減圧度によっては、低沸点化合物がノボラック型フェノール樹脂表面に到達する前に気化して、低核体成分の除去効果が充分でなくなることがある。
上記低沸点化合物としては、水を含むものを用いることが好ましい。水は、低核体成分の除去効果が高く、また、安価で安全性が高いという利点も有する。
また、上記低沸点化合物としては、ノボラック型フェノール樹脂の低核体成分を溶解しうる化合物を含むものを用いることが好ましい。これにより、留去した後の2核体成分が、配管や熱交換器の内部に付着、固結するのを防ぐことができる。
上記低沸点化合物としては、水とともに、ノボラック型フェノール樹脂の低核体成分を溶解しうる化合物を用いると、低核体成分を効率よく除去することができるとともに、留去した後の低核体成分の取り扱い性を良好なものとすることができる。
また、上記低沸点化合物としては、ノボラック型フェノール樹脂の低核体成分を溶解しうる化合物を含むものを用いることが好ましい。これにより、留去した後の2核体成分が、配管や熱交換器の内部に付着、固結するのを防ぐことができる。
上記低沸点化合物としては、水とともに、ノボラック型フェノール樹脂の低核体成分を溶解しうる化合物を用いると、低核体成分を効率よく除去することができるとともに、留去した後の低核体成分の取り扱い性を良好なものとすることができる。
上記ノボラック型フェノール樹脂の低核体成分を溶解しうる化合物としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1−ブタノール、メチルイソブチルケトンから選ばれるものを用いることが好ましい。そして特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いることが好ましい。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートは、フォトレジスト用樹脂組成物の溶剤として用いられている高純度(低不純物)のグレードを容易に入手することができるので、特に、得られるノボラック型フェノール樹脂をフォトレジスト用途に用いる場合には、ノボラック型フェノール樹脂中の不純物を増やすことなく低核体成分を除去でき、フォトレジスト用途に好適なノボラック型フェノール樹脂とすることができる。
これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1−ブタノール、メチルイソブチルケトンから選ばれるものを用いることが好ましい。そして特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いることが好ましい。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートは、フォトレジスト用樹脂組成物の溶剤として用いられている高純度(低不純物)のグレードを容易に入手することができるので、特に、得られるノボラック型フェノール樹脂をフォトレジスト用途に用いる場合には、ノボラック型フェノール樹脂中の不純物を増やすことなく低核体成分を除去でき、フォトレジスト用途に好適なノボラック型フェノール樹脂とすることができる。
この(b)工程において、低沸点化合物をノボラック型フェノール樹脂に添加する方法としては特に限定されないが、例えば、上記(a)、(c)工程で用いた反応装置上に、上記低沸点化合物用のタンクを設け、流量調整可能なバルブなどにより量を調整しながら添加する方法が挙げられる。
ここで、低沸点化合物を2種類以上用いるときは、予めそれらを混合して1つのタンクからこれを添加することもできるし、各々のタンクから別々に添加することもできる。
この(b)工程においては、低沸点化合物は単位時間あたりの添加量を一定に維持しながら添加することが好ましい。これにより、低核体成分の留去速度を一定に保ち、目的とする低核体成分の含有量へ容易に導くことができる。
ここで、低沸点化合物を2種類以上用いるときは、予めそれらを混合して1つのタンクからこれを添加することもできるし、各々のタンクから別々に添加することもできる。
この(b)工程においては、低沸点化合物は単位時間あたりの添加量を一定に維持しながら添加することが好ましい。これにより、低核体成分の留去速度を一定に保ち、目的とする低核体成分の含有量へ容易に導くことができる。
この(b)工程において添加される低沸点化合物の量(単位時間あたりの添加量)としては、反応系全体に対して1〜10重量%/時間とすることが好ましい。
添加量が小さすぎると、低核体成分の低減に長時間を有することがある。また、大きすぎると、反応系の温度が低下し、低核体成分の留去を円滑に行うのが難しくなることがある。そこで、低沸点化合物の添加量を上記の範囲にすることにより、反応系の温度を好適な水準に維持しながら、効率的に低核体成分の除去を行うことができる。
なお、この(b)工程において添加される低沸点化合物の総量としては特に限定されず、目的とする低核体成分の留去量のほか、反応系の温度、用いる低沸点化合物の種類に応じて適宜設定することができる。
添加量が小さすぎると、低核体成分の低減に長時間を有することがある。また、大きすぎると、反応系の温度が低下し、低核体成分の留去を円滑に行うのが難しくなることがある。そこで、低沸点化合物の添加量を上記の範囲にすることにより、反応系の温度を好適な水準に維持しながら、効率的に低核体成分の除去を行うことができる。
なお、この(b)工程において添加される低沸点化合物の総量としては特に限定されず、目的とする低核体成分の留去量のほか、反応系の温度、用いる低沸点化合物の種類に応じて適宜設定することができる。
本発明の製造方法において、上記(b)工程は、減圧下で実施されることが好ましい。これにより、ノボラック型フェノール樹脂と接触した後に気化した低沸点化合物と、低沸点化合物とともに気化した低核体成分とを円滑に反応系外へ留去することができる。
このような目的のためには、(b)工程は10.7kPa以下の減圧下で実施されるものであることが好ましい。これにより、上記作用を効果的に発現させることができる。
このような目的のためには、(b)工程は10.7kPa以下の減圧下で実施されるものであることが好ましい。これにより、上記作用を効果的に発現させることができる。
本発明の製造方法により得られるフェノール樹脂において、フォトレジストとして使用する際に昇華物となる2核体成分の含有量を低減できる理由としては、以下のように考えられる。
通常、ポジ型フォトレジストには、m/p−クレゾ−ルとホルムアルデヒドとを酸触媒の存在下で反応させて得られたノボラック型フェノ−ル樹脂が一般に使用されているが、フェノール樹脂を一般的手法により製造した場合には、m−クレゾールの反応性がp−クレゾールよりも非常に高いため、p−クレゾールの高分子量化が十分に進行せず、p−クレゾールを主体とした低核体成分、特に2核体成分の含有量の多い分子量分布を生じる。
従来の手法と比較して、本発明の製造方法では、固体触媒を所定量用いて、反応系中の触媒量が大過剰な条件を設定することで、用いるフェノール類モノマーの反応性の差が実質無視できる反応場を形成することができる。このため、反応性に劣るパラクレゾールが低分子量で留まることなく重合反応が進行するため、二核体が通常合成法で合成した樹脂より少なく、さらに歩留まりが向上する。
通常、ポジ型フォトレジストには、m/p−クレゾ−ルとホルムアルデヒドとを酸触媒の存在下で反応させて得られたノボラック型フェノ−ル樹脂が一般に使用されているが、フェノール樹脂を一般的手法により製造した場合には、m−クレゾールの反応性がp−クレゾールよりも非常に高いため、p−クレゾールの高分子量化が十分に進行せず、p−クレゾールを主体とした低核体成分、特に2核体成分の含有量の多い分子量分布を生じる。
従来の手法と比較して、本発明の製造方法では、固体触媒を所定量用いて、反応系中の触媒量が大過剰な条件を設定することで、用いるフェノール類モノマーの反応性の差が実質無視できる反応場を形成することができる。このため、反応性に劣るパラクレゾールが低分子量で留まることなく重合反応が進行するため、二核体が通常合成法で合成した樹脂より少なく、さらに歩留まりが向上する。
本発明の製造方法では、上記(b)工程を行うことにより、さらに効率良く二核体を除去することができる。上記(b)工程において、所定温度に維持された反応系に、この反応系よりも沸点が低い低沸点化合物を添加することを特徴とする。
これにより、ノボラック型フェノール樹脂中の低核体成分を留去することができる。そして、本発明の方法は、ノボラック型フェノール樹脂中の各成分の明確な沸点差を利用するため、低核体成分のみを選択的に除去することができ、除去効率に優れるだけでなく、ノボラック型フェノール樹脂の収得率も高いという利点をも有する。
さらに、例えば従来の溶剤分画法や水蒸気蒸留法と比較すると、工程時間が短く、かつ高温の水蒸気を用いることによる取り扱い性の問題がなく、装置のための投資も大幅に軽減でき、簡易な方法でありながら高い効率で低核体成分の含有量が少ないノボラック型フェノール樹脂を得ることができるものである。
これにより、ノボラック型フェノール樹脂中の低核体成分を留去することができる。そして、本発明の方法は、ノボラック型フェノール樹脂中の各成分の明確な沸点差を利用するため、低核体成分のみを選択的に除去することができ、除去効率に優れるだけでなく、ノボラック型フェノール樹脂の収得率も高いという利点をも有する。
さらに、例えば従来の溶剤分画法や水蒸気蒸留法と比較すると、工程時間が短く、かつ高温の水蒸気を用いることによる取り扱い性の問題がなく、装置のための投資も大幅に軽減でき、簡易な方法でありながら高い効率で低核体成分の含有量が少ないノボラック型フェノール樹脂を得ることができるものである。
次に、本発明のノボラック型フェノール樹脂について説明する。
本発明のノボラック型フェノール樹脂は、上記本発明の製造方法で得られたものであることを特徴とする。
本発明のノボラック型フェノール樹脂は、上記本発明の製造方法で得られたものであることを特徴とする。
本発明のノボラック型フェノール樹脂において、未反応フェノール類の含有量としては特に限定されないが、3重量%以下、好ましくは1重量%以下まで除去したものであることが好ましい。
また、同様に、2核体成分の含有量としては特に限定されないが、7%以下、好ましくは6%以下まで除去したものであることが好ましい。
これにより特に、本発明のノボラック型フェノール樹脂をフォトレジスト用に適用する場合、LCD等の製造工程において低核体成分の昇華物の発生量を低減させ、生産性を向上させる作用を効果的に発現させることができる。
また、同様に、2核体成分の含有量としては特に限定されないが、7%以下、好ましくは6%以下まで除去したものであることが好ましい。
これにより特に、本発明のノボラック型フェノール樹脂をフォトレジスト用に適用する場合、LCD等の製造工程において低核体成分の昇華物の発生量を低減させ、生産性を向上させる作用を効果的に発現させることができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の分子量は特に限定されないが、GPC法により測定される重量平均分子量が1000〜20000であることが好ましい。
このような分子量を有するノボラック型フェノール樹脂を製造するにあたって、本発明の製造方法は特に好ましく適用することができる。
このような分子量を有するノボラック型フェノール樹脂を製造するにあたって、本発明の製造方法は特に好ましく適用することができる。
また、本発明のノボラック型フェノール樹脂をフォトレジスト用に適用する場合は、重量平均分子量が1000〜20000であることが好ましく、さらに好ましくは1500〜15000、特に好ましくは2000〜7000である。
これにより、耐熱性、感度など、フォトレジスト用樹脂として好ましい特性を有するものとすることができる。重量平均分子量が上記下限値よりも小さいと耐熱性が低下する可能性があり、上記上限値よりも大きいと感度が充分でないことがある。
これにより、耐熱性、感度など、フォトレジスト用樹脂として好ましい特性を有するものとすることができる。重量平均分子量が上記下限値よりも小さいと耐熱性が低下する可能性があり、上記上限値よりも大きいと感度が充分でないことがある。
ここで、未反応フェノール類の含有量は、JIS K 0114に準拠して、3,5−キシレノールを内部標準物質として内部標準法によって測定したものである。
また、重量平均分子量および2核体成分の含有量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC測定)により測定したものである。重量平均分子量は、ポリスチレン標準物質を用いて作成した検量線をもとに計算する。2核体成分の含有量は、分子量分布曲線から、樹脂全体に対する2核体成分の面積比率(%)により算出する。GPC測定はテトラヒドロフランを溶出溶媒として使用し、流量1.0ml/分、カラム温度40℃の条件で実施する。
装置は、例えば
・本体:TOSOH社製HLC−8020
・検出器:波長280nmにセットしたTOSOH社製UV−8011
・分析用カラム:昭和電工社製・SHODEX KF−802 1本、KF−803 1本、KF−805 1本、を使用する。
また、重量平均分子量および2核体成分の含有量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC測定)により測定したものである。重量平均分子量は、ポリスチレン標準物質を用いて作成した検量線をもとに計算する。2核体成分の含有量は、分子量分布曲線から、樹脂全体に対する2核体成分の面積比率(%)により算出する。GPC測定はテトラヒドロフランを溶出溶媒として使用し、流量1.0ml/分、カラム温度40℃の条件で実施する。
装置は、例えば
・本体:TOSOH社製HLC−8020
・検出器:波長280nmにセットしたTOSOH社製UV−8011
・分析用カラム:昭和電工社製・SHODEX KF−802 1本、KF−803 1本、KF−805 1本、を使用する。
次に、本発明のフォトレジスト用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ということがある)について説明する。
本発明の樹脂組成物は、
(ア)上記本発明のノボラック型フェノール樹脂、
(イ)感光剤、及び、
(ウ)溶剤、
を含有することを特徴とする。
本発明の樹脂組成物は、
(ア)上記本発明のノボラック型フェノール樹脂、
(イ)感光剤、及び、
(ウ)溶剤、
を含有することを特徴とする。
本発明の樹脂組成物においては、(ア)樹脂成分として、上記本発明のノボラック型フェノール樹脂を用いることができる。
また、(イ)感光剤としては例えば、キノンジアジド基含有化合物を含有することができる。
そして、(ウ)溶剤としては、上記(ア)、(イ)成分を溶解するものを用いることができる。
また、(イ)感光剤としては例えば、キノンジアジド基含有化合物を含有することができる。
そして、(ウ)溶剤としては、上記(ア)、(イ)成分を溶解するものを用いることができる。
上記(イ)感光剤について説明する。
感光剤としては例えば、キノンジアジド基含有化合物を用いることができる。
キノンジアジド基含有化合物としては、例えば、(1)2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4'−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシ−2'−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3',4,4',6−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2',3,4,4'−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2',3,4,5−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3',4,4',5',6−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3',4,4',5'−ヘキサヒドロキシベンゾフェノンなどのポリヒドロキシベンゾフェノン類、
感光剤としては例えば、キノンジアジド基含有化合物を用いることができる。
キノンジアジド基含有化合物としては、例えば、(1)2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4'−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシ−2'−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3',4,4',6−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2',3,4,4'−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2',3,4,5−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3',4,4',5',6−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3',4,4',5'−ヘキサヒドロキシベンゾフェノンなどのポリヒドロキシベンゾフェノン類、
(2)ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2',4'−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2',3',4'−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4,4'−{1−[4−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール,3,3'−ジメチル−{1−[4−〔2−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノールなどのビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカン類、
(3)トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタンなどのトリス(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体、
(4)ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン,ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン,ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン,ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン,ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、 ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、 ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、 ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、 ビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタンなどの、ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体などとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸又はナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸、オルトアントラキノンジアジドスルホン酸などのキノンジアジド基含有スルホン酸との完全エステル化合物、部分エステル化合物、アミド化物又は部分アミド化物、などを挙げることができる。
ここで上記キノンジアジド基含有化合物成分としては、一種単独で含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
本発明の樹脂組成物において、(イ)感光剤の配合量としては特に限定されないが、(ア)ノボラック型フェノール樹脂100重量部に対し、通常5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部の範囲で配合することができる。
(イ)感光剤の配合量が上記下限値未満ではパターンに忠実な画像を得にくく、転写性が低下することがある。一方、上記上限値を超えると、フォトレジストとして感度の低下がみられることがある。
(イ)感光剤の配合量が上記下限値未満ではパターンに忠実な画像を得にくく、転写性が低下することがある。一方、上記上限値を超えると、フォトレジストとして感度の低下がみられることがある。
上記(ウ)溶剤について説明する。
本発明の樹脂組成物で用いられる溶剤としては例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトンなどのケトン類、ジオキサンのような環式エーテル類及び、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、オキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル類を挙げることができる。これらは一種単独で用いてもよいし、また2種以上混合して用いてもよい。
本発明の樹脂組成物で用いられる溶剤としては例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトンなどのケトン類、ジオキサンのような環式エーテル類及び、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、オキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル類を挙げることができる。これらは一種単独で用いてもよいし、また2種以上混合して用いてもよい。
上記溶剤の使用量は特に限定されないが、樹脂組成物中の固形分濃度を30〜65重量%とすることが好ましい。固形分濃度が上記下限値未満の場合は、組成物の流動性が低下するので取り扱いが難しくなる上、スピンコート法により均一なレジストフィルムが得られにくくなる。
なお、本発明の樹脂組成物には、以上説明した成分のほかにも、必要に応じて、充填材、顔料などのほか、界面活性剤、密着性向上剤、溶解促進剤などの種々の添加剤を使用することができる。
本発明の樹脂組成物の調製方法としては特に限定されないが、樹脂組成物に充填材、顔料を添加しない場合には、上記(ア)〜(ウ)の成分を通常の方法で混合・攪拌することにより調製することができる。
また、充填材、顔料を添加する場合には、ディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミルなどの分散装置を用いて分散、混合させることができる。また、必要に応じて、さらにメッシュフィルター、メンブレンフィルターなどを用いて樹脂組成物のろ過を行うこともできる。
また、充填材、顔料を添加する場合には、ディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミルなどの分散装置を用いて分散、混合させることができる。また、必要に応じて、さらにメッシュフィルター、メンブレンフィルターなどを用いて樹脂組成物のろ過を行うこともできる。
このようにして得られた樹脂組成物に対して、マスクを介して露光を行うことで、露光部においては樹脂組成物に構造変化が生じてアルカリ現像液に対しての溶解性が促進される。一方、非露光部においてはアルカリ現像液に対する低い溶解性を保持している。こうして生じた溶解性の差により、レジスト機能を付与することができる。
以上に説明したように、本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法は、低核体成分の含有量が少ないノボラック型フェノール樹脂を、効率的かつ簡易に製造することができる。
本発明の製造方法により製造されたノボラック型フェノール樹脂は種々の用途に適用することができるが、例えば、フォトレジスト用に適用することにより、例えばLCD製造工程において、低核体成分の昇華物による生産ラインの汚染を低減させ、生産性を向上させることができるものである。
本発明の製造方法により製造されたノボラック型フェノール樹脂は種々の用途に適用することができるが、例えば、フォトレジスト用に適用することにより、例えばLCD製造工程において、低核体成分の昇華物による生産ラインの汚染を低減させ、生産性を向上させることができるものである。
以下、本発明を実施例により説明する。しかし本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。また、実施例及び比較例に記載されている「部」は「重量部」、「%」は2核体成分の含有量以外は「重量%」を示す。
1.フォトレジスト用フェノール樹脂の合成
(1)実施例1
攪拌装置、温度計、熱交換器を備えた5Lの4口フラスコに、m−クレゾールとp−クレゾールとを、モル比(m−クレゾール:p−クレゾール)=6:4の割合で混合したフェノール類1000部に対し、37%ホルマリン水溶液750部(反応モル比 F1/P=1.0)、ジメチルスルホキシド1000部、イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製・「アンバーライト15JWET」 スチレン系強酸性型イオン交換樹脂)1000部を仕込み、90℃で10時間反応を行い、重量平均分子量1200のフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂とイオン交換樹脂とを濾別により分離し、分離した反応系を内温150℃まで常圧下で脱水し、さらに、8.0kPaの減圧下で230℃まで昇温して減圧脱水を行った。
そして、230℃に維持して、8.0kPaの減圧下で、反応系全体に対して4(%/時間)の割合で水を一定の添加速度で添加する処理を3時間実施して、重量平均分子量4000、2核体成分4.3%、未反応フェノール類(モノマー)0.1%以下のノボラック型フェノール樹脂760部を得た。
1.フォトレジスト用フェノール樹脂の合成
(1)実施例1
攪拌装置、温度計、熱交換器を備えた5Lの4口フラスコに、m−クレゾールとp−クレゾールとを、モル比(m−クレゾール:p−クレゾール)=6:4の割合で混合したフェノール類1000部に対し、37%ホルマリン水溶液750部(反応モル比 F1/P=1.0)、ジメチルスルホキシド1000部、イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製・「アンバーライト15JWET」 スチレン系強酸性型イオン交換樹脂)1000部を仕込み、90℃で10時間反応を行い、重量平均分子量1200のフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂とイオン交換樹脂とを濾別により分離し、分離した反応系を内温150℃まで常圧下で脱水し、さらに、8.0kPaの減圧下で230℃まで昇温して減圧脱水を行った。
そして、230℃に維持して、8.0kPaの減圧下で、反応系全体に対して4(%/時間)の割合で水を一定の添加速度で添加する処理を3時間実施して、重量平均分子量4000、2核体成分4.3%、未反応フェノール類(モノマー)0.1%以下のノボラック型フェノール樹脂760部を得た。
(2)実施例2
実施例1と同様の装置に、m−クレゾールとp−クレゾールとを、モル比(m−クレゾール:p−クレゾール)=5:5の割合で混合したフェノール類1000部に対し、37%ホルマリン水溶液601部(反応モル比 F1/P=0.8)、メチルアミルケトン1000部、イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製・「アンバーライト15JWET」 スチレン系強酸性型イオン交換樹脂)1000部を仕込み、100℃で5時間反応を行い、重量平均分子量800のフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂とイオン交換樹脂とを濾別により分離し、分離した反応系を内温170℃まで常圧下で脱水し、さらに、5.3kPaの減圧下で220℃まで昇温して減圧脱水を行った。
そして、220℃に維持して、5.3kPaの減圧下で、反応系全体に対して6(%/時間)の割合でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを一定の添加速度で添加する処理を8時間実施して、重量平均分子量2600、2核体成分3.2%、未反応フェノール類(モノマー)0.1%以下のノボラック型フェノール樹脂680部を得た。
実施例1と同様の装置に、m−クレゾールとp−クレゾールとを、モル比(m−クレゾール:p−クレゾール)=5:5の割合で混合したフェノール類1000部に対し、37%ホルマリン水溶液601部(反応モル比 F1/P=0.8)、メチルアミルケトン1000部、イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製・「アンバーライト15JWET」 スチレン系強酸性型イオン交換樹脂)1000部を仕込み、100℃で5時間反応を行い、重量平均分子量800のフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂とイオン交換樹脂とを濾別により分離し、分離した反応系を内温170℃まで常圧下で脱水し、さらに、5.3kPaの減圧下で220℃まで昇温して減圧脱水を行った。
そして、220℃に維持して、5.3kPaの減圧下で、反応系全体に対して6(%/時間)の割合でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを一定の添加速度で添加する処理を8時間実施して、重量平均分子量2600、2核体成分3.2%、未反応フェノール類(モノマー)0.1%以下のノボラック型フェノール樹脂680部を得た。
(2)実施例3
実施例1と同様の装置に、m−クレゾールとp−クレゾールとを、モル比(m−クレゾール:p−クレゾール)=4:6の割合で混合したフェノール類1000部に対し、37%ホルマリン水溶液750部(反応モル比 F1/P=1.0)、ベンゾニトリル2000部、イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製・「アンバーライト15JWET」 スチレン系強酸性型イオン交換樹脂)2000部を仕込み、100℃で18時間反応を行い、重量平均分子量1500のフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂とイオン交換樹脂とを濾別により分離し、分離した反応系を内温170℃まで常圧下で脱水し、さらに、10.7kPaの減圧下で240℃まで昇温して減圧脱水を行った。
そして、240℃に維持して、10.7kPaの減圧下で、反応系全体に対して10(%/時間)の割合で1-ブタノールを一定の添加速度で添加する処理を9時間実施して、重量平均分子量4600、2核体成分5.2%、未反応フェノール類(モノマー)0.1%以下のノボラック型フェノール樹脂700部を得た。
実施例1と同様の装置に、m−クレゾールとp−クレゾールとを、モル比(m−クレゾール:p−クレゾール)=4:6の割合で混合したフェノール類1000部に対し、37%ホルマリン水溶液750部(反応モル比 F1/P=1.0)、ベンゾニトリル2000部、イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製・「アンバーライト15JWET」 スチレン系強酸性型イオン交換樹脂)2000部を仕込み、100℃で18時間反応を行い、重量平均分子量1500のフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂とイオン交換樹脂とを濾別により分離し、分離した反応系を内温170℃まで常圧下で脱水し、さらに、10.7kPaの減圧下で240℃まで昇温して減圧脱水を行った。
そして、240℃に維持して、10.7kPaの減圧下で、反応系全体に対して10(%/時間)の割合で1-ブタノールを一定の添加速度で添加する処理を9時間実施して、重量平均分子量4600、2核体成分5.2%、未反応フェノール類(モノマー)0.1%以下のノボラック型フェノール樹脂700部を得た。
(2)実施例4
実施例1と同様の装置に、m−クレゾールとp−クレゾールとを、モル比(m−クレゾール:p−クレゾール)=3:7の割合で混合したフェノール類1000部に対し、37%ホルマリン水溶液750部(反応モル比 F1/P=1.0)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート800部、イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製・「アンバーライト15JWET」 スチレン系強酸性型イオン交換樹脂)500部を仕込み、110℃で7時間反応を行い、重量平均分子量700のフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂とイオン交換樹脂とを濾別により分離し、分離した反応系を内温150℃まで常圧下で脱水し、さらに、4.0kPaの減圧下で220℃まで昇温して減圧脱水を行った。
そして、220℃に維持して、4.0kPaの減圧下で、反応系全体に対して7(%/時間)の割合で水と1−ブタノールを5:5の割合で混合した溶液を一定の添加速度で添加する処理を8時間実施して、重量平均分子量3200、2核体成分6.7%、未反応フェノール類(モノマー)0.1%以下のノボラック型フェノール樹脂600部を得た。
実施例1と同様の装置に、m−クレゾールとp−クレゾールとを、モル比(m−クレゾール:p−クレゾール)=3:7の割合で混合したフェノール類1000部に対し、37%ホルマリン水溶液750部(反応モル比 F1/P=1.0)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート800部、イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製・「アンバーライト15JWET」 スチレン系強酸性型イオン交換樹脂)500部を仕込み、110℃で7時間反応を行い、重量平均分子量700のフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂とイオン交換樹脂とを濾別により分離し、分離した反応系を内温150℃まで常圧下で脱水し、さらに、4.0kPaの減圧下で220℃まで昇温して減圧脱水を行った。
そして、220℃に維持して、4.0kPaの減圧下で、反応系全体に対して7(%/時間)の割合で水と1−ブタノールを5:5の割合で混合した溶液を一定の添加速度で添加する処理を8時間実施して、重量平均分子量3200、2核体成分6.7%、未反応フェノール類(モノマー)0.1%以下のノボラック型フェノール樹脂600部を得た。
(2)実施例5
実施例1と同様の装置に、m−クレゾールとp−クレゾールとを、モル比(m−クレゾール:p−クレゾール)=7:3の割合で混合したフェノール類1000部に対し、37%ホルマリン水溶液750部(反応モル比 F1/P=0.9)、メチルイソブチルケトン2000部、イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製・「アンバーライト15JWET」 スチレン系強酸性型イオン交換樹脂)1500部を仕込み、90℃で16時間反応を行い、重量平均分子量1600のフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂とイオン交換樹脂とを濾別により分離し、分離した反応系を内温170℃まで常圧下で脱水し、さらに、7.0kPaの減圧下で230℃まで昇温して減圧脱水を行った。
そして、230℃に維持して、7.0kPaの減圧下で、反応系全体に対して10(%/時間)の割合でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとメチルイソブチルケトンを7:3の割合で混合した溶液を一定の添加速度で添加する処理を6時間実施して、重量平均分子量4100、2核体成分2.6%、未反応フェノール類(モノマー)0.1%以下のノボラック型フェノール樹脂780部を得た。
実施例1と同様の装置に、m−クレゾールとp−クレゾールとを、モル比(m−クレゾール:p−クレゾール)=7:3の割合で混合したフェノール類1000部に対し、37%ホルマリン水溶液750部(反応モル比 F1/P=0.9)、メチルイソブチルケトン2000部、イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製・「アンバーライト15JWET」 スチレン系強酸性型イオン交換樹脂)1500部を仕込み、90℃で16時間反応を行い、重量平均分子量1600のフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂とイオン交換樹脂とを濾別により分離し、分離した反応系を内温170℃まで常圧下で脱水し、さらに、7.0kPaの減圧下で230℃まで昇温して減圧脱水を行った。
そして、230℃に維持して、7.0kPaの減圧下で、反応系全体に対して10(%/時間)の割合でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとメチルイソブチルケトンを7:3の割合で混合した溶液を一定の添加速度で添加する処理を6時間実施して、重量平均分子量4100、2核体成分2.6%、未反応フェノール類(モノマー)0.1%以下のノボラック型フェノール樹脂780部を得た。
(2)比較例1
実施例1と同様の装置に、m−クレゾールとp−クレゾールとを、モル比(m−クレゾール:p−クレゾール)=4:6の割合で混合したフェノール類1000部、37%ホルムアルデヒド水溶液450部(F/P=0.58)、シュウ酸21部を仕込み、還流条件下で4時間反応を行った。
この後、内温170℃まで常圧下で脱水し、さらに、8.0kPaの減圧下で230℃まで昇温して減圧脱水を行い、重量平均分子量2800、2核体成分11.2%、未反応フェノール類1.1%のノボラック型フェノール樹脂730部を得た。
実施例1と同様の装置に、m−クレゾールとp−クレゾールとを、モル比(m−クレゾール:p−クレゾール)=4:6の割合で混合したフェノール類1000部、37%ホルムアルデヒド水溶液450部(F/P=0.58)、シュウ酸21部を仕込み、還流条件下で4時間反応を行った。
この後、内温170℃まで常圧下で脱水し、さらに、8.0kPaの減圧下で230℃まで昇温して減圧脱水を行い、重量平均分子量2800、2核体成分11.2%、未反応フェノール類1.1%のノボラック型フェノール樹脂730部を得た。
(14)比較例2
実施例1と同様の装置に、m−クレゾールとp−クレゾールとを、モル比(m−クレゾール:p−クレゾール)=6:4の割合で混合したフェノール類1000部、37%ホルムアルデヒド水溶液533部(F/P=0.71)、シュウ酸8部を仕込み、還流条件下で4時間反応を行った。
この後、内温170℃まで常圧下で脱水し、さらに、6.7kPaの減圧下で220℃まで昇温して減圧脱水を行い、重量平均分子量4500、2核体成分10.0%、未反応フェノール類1.8%のノボラック型フェノール樹脂780部を得た。
実施例1と同様の装置に、m−クレゾールとp−クレゾールとを、モル比(m−クレゾール:p−クレゾール)=6:4の割合で混合したフェノール類1000部、37%ホルムアルデヒド水溶液533部(F/P=0.71)、シュウ酸8部を仕込み、還流条件下で4時間反応を行った。
この後、内温170℃まで常圧下で脱水し、さらに、6.7kPaの減圧下で220℃まで昇温して減圧脱水を行い、重量平均分子量4500、2核体成分10.0%、未反応フェノール類1.8%のノボラック型フェノール樹脂780部を得た。
実施例1〜5、及び、比較例1〜2で得られたノボラック型フェノール樹脂について、樹脂特性評価を行った結果を表1に示す。
2.フォトレジスト用フェノール樹脂組成物の調製
(1)実施例6
実施例1で得られたノボラック型フェノール樹脂70部と、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸の2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンエステル15部とを、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)150部に溶解した後、孔径1.0μmのメンブレンフィルターを用いてろ過して、樹脂組成物を得た。
(1)実施例6
実施例1で得られたノボラック型フェノール樹脂70部と、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸の2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンエステル15部とを、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)150部に溶解した後、孔径1.0μmのメンブレンフィルターを用いてろ過して、樹脂組成物を得た。
(2)実施例7〜10
実施例7は、実施例1で得られたノボラック型フェノール樹脂のかわりに、実施例2で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いたほかは、実施例6と同様にして樹脂組成物を得た。
実施例8〜10についても同様に、実施例1で得られたノボラック型フェノール樹脂のかわりに、それぞれ、実施例3〜5で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いたほかは、実施例6と同様にして樹脂組成物を得た。
実施例7は、実施例1で得られたノボラック型フェノール樹脂のかわりに、実施例2で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いたほかは、実施例6と同様にして樹脂組成物を得た。
実施例8〜10についても同様に、実施例1で得られたノボラック型フェノール樹脂のかわりに、それぞれ、実施例3〜5で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いたほかは、実施例6と同様にして樹脂組成物を得た。
(3)比較例3
実施例1で得られたノボラック型フェノール樹脂のかわりに、比較例1で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いたほかは、実施例6と同様にして樹脂組成物を得た。
実施例1で得られたノボラック型フェノール樹脂のかわりに、比較例1で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いたほかは、実施例6と同様にして樹脂組成物を得た。
(4)比較例4
実施例1で得られたノボラック型フェノール樹脂のかわりに、比較例2で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いたほかは、実施例6と同様にして樹脂組成物を得た。
実施例1で得られたノボラック型フェノール樹脂のかわりに、比較例2で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いたほかは、実施例6と同様にして樹脂組成物を得た。
実施例6〜10、及び、比較例3〜4で得られた樹脂組成物を用いて、下記に示す特性評価を行った。結果を表2に示す。
3.特性の評価方法
3.1 ノボラック型フェノール樹脂
(1)収率
下記式により算出した。
収率(%)=(得られた樹脂の重量/仕込んだフェノール類モノマーの重量)×100
3.1 ノボラック型フェノール樹脂
(1)収率
下記式により算出した。
収率(%)=(得られた樹脂の重量/仕込んだフェノール類モノマーの重量)×100
(2)未反応フェノール類(モノマー)の含有量
JIS K 0114に準拠して、3,5‐キシレノールを内部標準物質として内部標準法によって測定した。
JIS K 0114に準拠して、3,5‐キシレノールを内部標準物質として内部標準法によって測定した。
(3)重量平均分子量(Mw)および2核体成分の含有量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC測定)により測定した。重量平均分子量は、ポリスチレン標準物質を用いて作成した検量線をもとに計算した。2核体成分の含有量は、分子量分布曲線から、樹脂全体に対する2核体成分の面積比率(%)により算出した。GPC測定はテトラヒドロフランを溶出溶媒として使用し、流量1.0ml/分、カラム温度40℃の条件で実施した。
装置は、
・本体:TOSOH社製・「HLC−8020」
・検出器:波長280nmにセットしたTOSOH社製・「UV−8011」
・分析用カラム:昭和電工社製・「SHODEX KF−802 1本、KF−803 1本、KF−805 1本」
を使用した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC測定)により測定した。重量平均分子量は、ポリスチレン標準物質を用いて作成した検量線をもとに計算した。2核体成分の含有量は、分子量分布曲線から、樹脂全体に対する2核体成分の面積比率(%)により算出した。GPC測定はテトラヒドロフランを溶出溶媒として使用し、流量1.0ml/分、カラム温度40℃の条件で実施した。
装置は、
・本体:TOSOH社製・「HLC−8020」
・検出器:波長280nmにセットしたTOSOH社製・「UV−8011」
・分析用カラム:昭和電工社製・「SHODEX KF−802 1本、KF−803 1本、KF−805 1本」
を使用した。
3.2 フォトレジスト用フェノール樹脂組成物
(1)昇華性試験
樹脂組成物を3インチシリコンウエハ上に約1μmの厚みになるようにスピンコーターで塗布し、110℃のホットプレート上で100秒間乾燥させた。この乾燥時に、シリコンウエハをシャーレで覆い昇華物を捕集した。この作業を10枚分行い、シャーレに付着した物質の重量を測定した。
(1)昇華性試験
樹脂組成物を3インチシリコンウエハ上に約1μmの厚みになるようにスピンコーターで塗布し、110℃のホットプレート上で100秒間乾燥させた。この乾燥時に、シリコンウエハをシャーレで覆い昇華物を捕集した。この作業を10枚分行い、シャーレに付着した物質の重量を測定した。
(2)膜減り率
樹脂組成物を3インチシリコンウエハ上に約1μmの厚さになるようにスピンコーターで塗布し、110℃のホットプレート上で100秒間乾燥させた。そのウエハを現像液(2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)に60秒間浸した後、水で洗浄し、110℃のホットプレート上で100秒間乾燥させた。現像液に浸した時の膜厚の減少量を現像液に浸す前の膜厚に対して百分率で表し、膜減り率とした。
樹脂組成物を3インチシリコンウエハ上に約1μmの厚さになるようにスピンコーターで塗布し、110℃のホットプレート上で100秒間乾燥させた。そのウエハを現像液(2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)に60秒間浸した後、水で洗浄し、110℃のホットプレート上で100秒間乾燥させた。現像液に浸した時の膜厚の減少量を現像液に浸す前の膜厚に対して百分率で表し、膜減り率とした。
実施例1は、本発明の製造方法により得られたノボラック型フェノール樹脂であり、未反応フェノール類、低核体成分の含有量が少ないノボラック型フェノール樹脂を効率的に得ることができた。
実施例2は、実施例1で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いたフォトレジスト用フェノール樹脂組成物であり、従来の製造方法で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いた比較例1、2と比べて、昇華物量が少なく、膜減り率にも優れたものとすることができた。
実施例2は、実施例1で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いたフォトレジスト用フェノール樹脂組成物であり、従来の製造方法で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いた比較例1、2と比べて、昇華物量が少なく、膜減り率にも優れたものとすることができた。
本発明の製造方法は、低核体成分の含有量が少ないノボラック型フェノール樹脂を効率的に製造することができるものである。本発明の製造方法により得られたノボラック型フェノール樹脂を用いたフォトレジスト用フェノール樹脂組成物は、低核体成分の昇華物による生産ラインの汚染を低減し、生産性を向上させることができるので、IC、LSI等の半導体製造、LCDなどの表示画面機器の製造および印刷原版の製造などに好適に用いることができるものである。
Claims (17)
- 下記(a)工程の後に(b)工程を有することを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
(a)有機溶媒に溶解させたフェノール類とアルデヒド類を固体触媒の存在下で反応させた後、フェノール樹脂溶液を固体触媒と分離し、フェノール樹脂溶液を得る工程。
(b)反応系温度を170〜250℃に維持しながら、該反応系温度よりも沸点が低い低沸点化合物を添加して、ノボラック型フェノール樹脂の低核体成分を除去する工程。 - 前記(a)工程の後に、(c)反応系から、水又は水と反応溶媒とを実質的に除去する工程、を備えてなる請求項1に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- (a)工程で使用される固体触媒が水及び/又は有機溶媒に不溶性であり、かつ酸触媒としての機能を有するものであることを特長とする請求項1又は2記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- (a)工程で使用される固体触媒が酸性イオン交換樹脂であり、その添加量がフェノール樹脂100部に対して30〜1000部であることを特長とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 前記(a)工程は、反応温度90〜160℃で行う請求項1ないし4のいずれかに記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 前記(b)工程が、反応系温度を210〜240℃に維持する段階を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 添加される低沸点化合物が液状形態である請求項1〜6のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 低沸点化合物が、水を含むものである請求項1〜7のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 低沸点化合物が、ノボラック型フェノール樹脂の低核体成分を溶解しうる化合物を含むものである請求項1〜8のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 前記ノボラック型フェノール樹脂の低核体成分を溶解しうる化合物は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1−ブタノール、メチルイソブチルケトンから選ばれるものである請求項9に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 添加される低沸点化合物の量は、反応系全体に対して1〜10重量%/時間である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 前記(b)工程は、10.7kPa以下の減圧下で実施されるものである、請求項1〜11のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の方法により製造されたものであるノボラック型フェノール樹脂。
- 2核体成分の含有量が7%以下である、請求項13に記載のノボラック型フェノール樹脂。
- 重量平均分子量が1000〜20000である、請求項13又は14に記載のノボラック型フェノール樹脂。
- フォトレジストに用いられるものである、請求項13ないし15のいずれか1項に記載のノボラック型フェノール樹脂。
- (ア)請求項16に記載のノボラック型フェノール樹脂、
(イ)感光剤、及び、
(ウ)溶剤、
を含有することを特徴とする、フォトレジスト用フェノール樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007052372A JP2008214447A (ja) | 2007-03-02 | 2007-03-02 | ノボラック型フェノール樹脂の製造方法、ノボラック型フェノール樹脂及びフォトレジスト用フェノール樹脂組成物 |
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JP2007052372A JP2008214447A (ja) | 2007-03-02 | 2007-03-02 | ノボラック型フェノール樹脂の製造方法、ノボラック型フェノール樹脂及びフォトレジスト用フェノール樹脂組成物 |
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JP2007052372A Pending JP2008214447A (ja) | 2007-03-02 | 2007-03-02 | ノボラック型フェノール樹脂の製造方法、ノボラック型フェノール樹脂及びフォトレジスト用フェノール樹脂組成物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014227464A (ja) * | 2013-05-22 | 2014-12-08 | Dic株式会社 | ノボラック型フェノール樹脂の製造方法及びフォトレジスト組成物。 |
-
2007
- 2007-03-02 JP JP2007052372A patent/JP2008214447A/ja active Pending
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