JP2008212884A - 液体濃縮器 - Google Patents

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Abstract

【課題】
液体を簡素で小型な装置で、効率よく短時間で濃縮する。
【解決手段】
液体濃縮器1は、液面から揮発成分を蒸発させて濃縮する。直径の異なる3本の管10,18,16を三層に重ねた構造とし、最外層の管10と中間層の管18の間に円筒空間31を形成する。円筒空間を高温にする加熱流体を、温水供給管13から導く。中間層の管18と最内層の管16の間を真空にする真空ポンプが接続されている。中間層の管の内面には軸方向に延びる微細な溝23が多数形成されている。溝を伝わり落ちる薄膜24状の液体を低温蒸発させ、発生した蒸気を最内層の管に導いて揮発成分を分離する。これにより、液体を濃縮する。
【選択図】図3

Description

本発明は、液面からの蒸発により液体を濃縮する液体濃縮器に関する。
液体を濃縮する従来技術が、特許文献1に開示されている。この公報に記載の減圧蒸発濃縮装置においては、蒸発凝縮水側に被処理液中の非揮発性成分が混入しないように、被処理液の蒸気を発生させる蒸発沸騰缶部の上方に蒸発沸騰缶部から供給される蒸気を冷却及び凝縮する冷却凝縮室部を設けている。そして、蒸発沸騰缶部の液体あるいは固体が冷却凝縮室部に到達しないように、ミスト除去手段を蒸気通路に設けている。
液体濃縮の他の例が、特許文献2に記載されている。この公報に記載の加熱気化装置では、内筒及び外筒からなる2重円筒において、内筒の外周部に液体浸透板を設けている。この液体浸透板は、多孔質材により形成され、上部に設けた液体供給位置の下方に水平方向に延びた空隙が形成されている。そして内筒内を加熱することにより、液体浸透板の上部に供給された液体を気化している。
特開2004−344700号公報 特開2004−167433号公報
液体を濃縮する際には、加熱効率の向上と濃縮時間の短縮化が要求される。上記特許文献1に記載の減圧蒸発濃縮装置では、ヒータを導入する容器壁面近傍などに周囲に比べて温度が高いホットスポットが形成されるおそれがある。ホットスポットが形成されると、容器内を均一に加熱することができず、加熱効率が低下する。
また、均一に加熱するためには容器を小さくしなければならないが、容器を小さくすると液体が蒸発するのに必要な気液界面の面積が縮小し、蒸発量が低減し濃縮に要する時間が増大する。つまり、加熱効率の向上と濃縮時間の短縮を同時に達成することが困難であった。
上記特許文献2に記載の加熱気化装置では、多孔質の液体浸透板を外表面に設けた内筒の内部から加熱して、気化効率を向上させている。しかしながら、多孔質の液体浸透板では、一度気化した被分離物質が供給管から供給された液状の被分離物質と混じりあい、凝縮して再度液体に変化し、分離効率を低下させるという不具合が発生するおそれがある。
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、簡素で小型な装置で液体を濃縮することにある。本発明の他の目的は、液体を短時間で効率よく濃縮することにある。
上記目的を達成する本発明の特徴は、外管と内管とを有する二重円筒構造であって、円筒軸が鉛直軸方向に配置された液体濃縮器において、外管と内管間に加温された流体の流通する円筒空間を形成し、内管の内周面に軸方向に延びる多数の溝が形成されており、内管の内部に形成された処理空間に一端部が突出し他端部がこの内管から外部に延びる中空の蒸気吐出管を内管下部に配置し、内管の上部にこの内管の溝部に被処理液体を供給する供給管を形成し、内管下方であって蒸気吐出管が配置された位置とは異なる位置に、分離された濃縮液を排出する濃縮液吐出管を設けたことにある。
そしてこの特徴において、内管の上端部と嵌合する溝付き管上フタを設け、内管の外周部と外管内周間を埋める多数の空隙が形成されたリング状の抵抗体を内管の上端部に配置するのがよい。また、溝付き管上フタの上面に皿状のバッファー部を形成するのがよく、処理空間を減圧環境下にする真空ポンプを、この液体濃縮器に付設するのが好ましい。さらに、濃縮液吐出管に制御弁を介して濃縮液タンクを接続し、蒸気吐出管に熱交換器を介して蒸発液タンクを接続し、濃縮液タンクおよび蒸発液タンクの双方が接続される真空ポンプを設けてもよく、円筒空間の上部に連通する温水吐出管と円筒空間の下部に連通する温水供給管とを設けてもよい。
上記目的を達成する本発明の他の特徴は、液面から揮発成分を蒸発させて濃縮する液体濃縮器において、直径の異なる3本の管を三層に重ねた構造とし、最外層の管と中間層の管の間に円筒空間を形成してこの円筒空間を高温にする加熱流体を導くことを可能にしている。そして、中間層の管と最内層の管の間を真空にする真空発生手段を接続し、中間層の管の内面には軸方向に延びる微細な溝を多数形成し、この溝を伝わり落ちる薄膜状の液体を低温蒸発させ、発生した蒸気を最内層の管に導いて揮発成分を分離して液体を濃縮することにある。そして、中間層の管の上端に被処理液体を受ける溝付き管上フタを配置し、この溝付き管上フタにバッファーとなる皿状の凹みを形成し、溝付き管上フタの周囲に多数の空隙が形成された抵抗体を保持し、被処理液体を中間層の管の内周部であって上部に送液し、この中間層の管の内周面に形成した微細な溝に薄膜を形成するようにするのが好ましい。
本発明によれば、減圧環境下で原料を滴下させる流路を管内壁面に形成し、管外壁面を加熱するようにしたので、熱の伝達が向上するとともに原料と蒸気との混合を回避でき、簡素で小型の装置で、液体を濃縮できる。また、加熱効率が向上するとともに濃縮時間を短縮できる。
以下、本発明に係る液体濃縮器の実施例を、図面を用いて説明する。図1に、液体濃縮器1を用いた液体濃縮システムの一実施例を、ブロック図で示す。液体濃縮器1は、この液体濃縮器1に供給された液体から揮発性成分を蒸発させて、液体を濃縮する。そして、液体濃縮器1には、この液体濃縮器1に供給される液体の供給流量を調整する原料調整バルブ91を介して、濃縮する液体を収容した原料タンク90が接続されている。
液体濃縮器1には、温水循環装置92から温水が供給される。液体濃縮器1を加熱した温水は、温水循環装置92に戻される。液体濃縮器1で濃縮された液体は、この液体濃縮器1の下部と接続する濃縮液ライン81の端部に配置された濃縮液タンク97に貯蔵される。濃縮液ライン81には、濃縮液ライン81の圧力損失を調整して蒸気が濃縮液ライン81に逆流することを防止する濃縮ライン調整バルブ96が介在している。
液体濃縮器1から吐出された揮発性成分の蒸気は、蒸気ライン82に流入し、熱交換器93に導かれる。そして、熱交換器93で露点以下にまで冷却されて液化する。熱交換器93では、冷却水循環装置94で発生した冷却水と、揮発性成分の蒸気とが熱交換する。熱交換器93で液化した揮発性成分の蒸気は、蒸発液タンク95に貯蔵される。なお、濃縮液タンク97および蒸発液タンク95は、真空ライン83a,83bを介して真空ポンプ98に接続されている。真空ポンプ98は、原料タンク90から蒸発液タンク95および濃縮液タンク97までに形成された連通路を、下流側から減圧し液体を移動させるとともに減圧環境を形成する。
真空ポンプ98を作動させると、濃縮対象である液体は、真空ポンプ98が発生する圧力差で、原料タンク90から液体濃縮器1へと移動する。このとき、原料調整バルブ91を適宜開閉して、所望の流量を得る。図示しないが、真空ポンプ98による圧力差だけでは所望の流量が満たされないときは、チューブポンプなどの補助送液手段を使用する。
液体濃縮器1は真空ポンプ98で減圧され、温水循環装置92から供給される温水で加熱されるので、100℃以下の温度で、液体中の揮発性成分を蒸発できる状態が形成される。本実施例では、液体濃縮器1を減圧環境下で作動させているので、大気圧で液体を沸騰させるのに比べ、少ないエネルギーで済む。つまり、通常の大気圧下で水を沸騰させる場合、100℃もの高温環境が必要になり、高い熱エネルギーが必要となるとともに、原料の変性を招く恐れがある。
これに対して本実施例では、液体濃縮器1の濃縮液および揮発性成分の出口側から真空ポンプ98で排気して減圧しているので、沸点が低下し低圧蒸発が可能になっている。なお、本実施例では液体濃縮器1の加熱源に温水を使用しているが、より高い熱エネルギーが必要な場合には、温水の代わりに高温蒸気あるいは減圧した低温蒸気を用いるのがよい。
液体濃縮器1内では、詳細を後述するように、蒸発した揮発性成分と液体のままの濃縮液が分離する。分離した気体と液体は、真空ポンプ98により減圧されて、後段に運ばれる。上述したように、分離した気体は、気化した揮発性成分として熱交換器93へ移動し、熱交換器93で冷却されて液体となり、蒸発液タンク95に貯蔵される。一方、分離した液体は濃縮液として、濃縮液タンク97に貯蔵される。
濃縮液を濃縮液タンク97に貯蔵するときに、濃縮ライン調整バルブ96を適宜開閉すれば、蒸気の流れるライン82よりも濃縮液の流れるライン81の抵抗が大きくなり、蒸気の逆流が防止される。これにより、確実に気液分離することができる。なお、本実施例では原液から特定の揮発性成分を取り出し濃縮する場合を説明するが、濃縮する液体としては、沸点の異なる液体同士の混合液であってもよい。この場合、沸点の低い液体が揮発性成分で、沸点の高い液体が非揮発性成分になる。
図1に示した液体濃縮システムに用いる液体濃縮器1の詳細を、図2ないし図6を用いて説明する。図2に、液体濃縮器1の外観を斜視図で示す。液体濃縮器1は、パイプ状の外管10に、上フタ11と下フタ12をネジで取り付けて密閉した円筒容器である。この液体濃縮機1を使用するときは、円筒軸を鉛直軸方向に配置する。
外管10の側部であって下部には、温水の入口である温水供給管13が取り付けられている。外管10の側部であって上部には、温水の出口である温水吐出管14が取り付けられている。温水循環装置92(図1参照)から供給された温水は、側下部に取り付けた温水供給管13から外管10の内部に導かれ、液体濃縮器1内を循環して原料を加熱する。
上フタ11には、原料供給管15が取り付けられている。原料タンク90に貯えられ濃縮対象の原料(液体)は、原料供給管15を経て液体濃縮器1内に供給される。下フタ
12には、蒸気吐出管16と濃縮液吐出管17が取り付けられている。液体濃縮器1内において分離された蒸気は蒸気吐出管16から、濃縮液は濃縮液吐出管17から後段へと導かれる。各管の先端には管用ネジを形成し、他の機器との接続を容易にしている。
図3に、液体濃縮器1の縦断面図を示す。この図3は、図2のA−A矢視断面図である。液体濃縮器1は、外管10および液体が蒸発する溝付き管18,蒸気吐出管16を備えている。これら3つの管10,18,16は、同心状に配置された三重管構造となっている。蒸気吐出管16は、下フタ12のほぼ中央部に固定されており、溝付き管18の内部であって上下方向真ん中よりやや下方まで上端部が突出している。
外管10は、上端部及び下端部の内径が中間部の内径よりも小径に形成されており、この小径部に当接して溝付き管18が保持されている。下フタ12は上下にフランジを有する断面I字型に形成されており、上部フランジで溝付き管18の下端を保持している。溝付き管18の上端は、上フタ11の下方に配置され外管10の内周面に当接する溝付き管上フタ19で保持されている。
これにより、液体濃縮器1の内部には、外管10の内周面と溝付き管18の外周面間に上下方向に延びる円筒空間31が形成される。また、溝付き管18内部には、原料液体が濃縮および分離される処理空間32が形成される。円筒空間31には、温水供給管13および温水吐出管14が連通している。蒸気吐出管16の内部空間33は、処理空間32と連通している。
なお、外管10と溝付き管18とは、当接部に配置したOリング20でシールされており、処理空間32内の流体が円筒空間31内に流入するのを防止している。円筒空間31では、図中鎖線矢印で示すように、下部から上部に向けて温水が循環している。これにより溝付き管18は均一に加熱され、原料液体の蒸発に必要な熱エネルギーが与えられる。ここで、温水の出入り口を上下逆にすることも可能であるが、温水を空間内に均等に行き渡らせるためには、対向流効果が期待できる本実施例の配置のほうが望ましい。
原料供給部である上フタ11部の詳細を、図4に示す。図4は、図3のB部拡大図である。後述するように、溝付き管18で効率的に液体を蒸発させるためには、溝付き管18の円周上に均一に液体を送液する必要がある。そこで本実施例では、溝付き管18の上端部に、この溝付き管に嵌合する溝付き管上フタ19を配置し、この溝付き管上フタ19の上面に皿状のバッファー部21を形成した。皿状のバッファー部21の外周部には、外管10に当接し空隙を有する抵抗体22がリング状に配置されている。
抵抗体22は、目の細かいスチールウールや金属メッシュ,樹脂フィルターから構成されている。抵抗体22は、溝付き管上フタ19と外管10の隙間を埋めるように詰め込まれている。なお、抵抗体22および溝付き管上フタ19と上フタ11間には、上下方向に隙間空間34が形成されており、上フタ11に固定された原料供給管15の先端部がこの空間34に突出している。
このように原料供給部を構成すると、原料供給管15から吐出された液体は、図中に矢印線で示すように皿状のバッファー部21に、一次的に溜められる。原料液体の供給が継続すると、バッファー部21の液位が上昇し、ついにはバッファー部21からあふれ出る。あふれ出た液体は、抵抗体22に形成された多数の空隙を通り抜け、溝付き管18の内周部上面に導かれる。
ここで、抵抗体は溝付き管上フタ19と外管10の隙間に詰め込まれているので、原料液体の流動抵抗が増大し、流量が周方向に均一に分布する。なお、原料液体を抵抗体22の円周状に均一に送液するために、バッファー部21の上面を水平にすることが望ましい。そのため、液体濃縮器1を垂直に配置するのが最もよい。円周上に均一に送り出された原料液体は、溝付き管の内壁面を伝って落下する。
溝付き管18の詳細を、図5に示す。図5(a)は、溝付き管18の上端部の斜視図であり、同図(b)は上面図である。溝付き管18は、内周面に多数の微細溝23がほぼ等間隔で形成されている。本実施例で用いる溝付き管18では、溝23を区画するフィン
27は、ほぼ三角形状をしており、その厚さは、平均0.4mm 程度である。また、溝付き管18の、直径(外径)は48mmで、軸方向長さ184mm、溝23の深さは4mm、溝の幅は1.4mm、溝23の数は72個である。
抵抗体22を通って溝付き管18に達した原料液体は、表面張力により各溝23およびフィン27の壁面にトラップされて薄膜24を形成する。そして、溝付き管18の下部に溝付き管18の内壁面を伝わって落下する。微細溝23の断面形状は薄膜24の形成されやすさ(液体を溝内に保持するに足る表面張力を持つ形)と、蒸発に必要な熱エネルギーを十分に伝えることが可能な熱伝達性を備えていればよく、方形,三角形,半円形,台形などが用いられる。本実施例では、表面張力が十分に高く薄膜24が形成されやすいよう、上述したように深さ方向に長い長方形とした。
溝付き管18は、外周面側から温水によって加熱されている。液体が薄膜化しているので、微細溝23内の液体は温度に対する反応性が高い。さらに、処理空間32を減圧しているので、常圧時より低い温度で蒸発が開始される。その結果、原料液体に含まれる揮発成分は、溝付き管18の下端に至る間に蒸発する。蒸発量は、液体の供給量と温水温度を制御して、決定される。
本実施例によれば、各微細溝23で各個別に揮発成分が蒸発するので、液体の処理量は溝23の数に比例する。つまり、一度ある条件下で1個の微細溝23の蒸発量を把握すれば、溝23の数を増減するだけで容易に異なる処理量の濃縮器が得られる。例えば、溝
23の数を20個として毎分50mlの液体を10倍濃縮できるという結果が得られているときに、温度等の条件を等しくすれば、溝23の数を40個に増やすと毎分100mlの液体を10倍濃縮することができる。なお、蒸発条件を等しくするためには、各溝23への供給液量を均一にしなければならない。そのため、本実施例ではバッファー部21や抵抗体22を設けて、溝付き管18内面を流れる液量の周方向均一化を図っている。
揮発成分を蒸発させ液体のままである濃縮液は、図3で実線の矢印で示すように、溝
23を形成する溝付き管18の内周面を下降し、溝23部から溝付き管18と下フタ12の間に形成された濃縮液バッファー部25に移動する。濃縮液バッファー部25に導かれた濃縮液は、濃縮液吐出管17を経て濃縮液タンク97に貯蔵される。
蒸発した揮発成分は、図3で点線の矢印で示すように、処理空間32に連通する蒸気吐出管16の内部の空間33に流入する。蒸気吐出管16に流入した揮発成分は、熱交換器93で凝縮され、液化した状態で蒸発液タンク95に貯蔵される。このとき、濃縮液が流れるライン81には濃縮ライン調整バルブ96を設けられており、このバルブ96を調整して蒸気が濃縮液吐出管17へ逆流するのを防止する。
この蒸気の濃縮液ライン81への逆流を、蒸気吐出管16を溝付き管18内部の処理空間32に突出させる突出量を調整して、防止する。本実施例では、液体供給量等に合わせて位置を変更できるように蒸気吐出管16の処理空間32への突出量を可変にしている。そのため、蒸気吐出管16を下フタ12に保持したOリング20bで下フタ12に保持し、下フタ12に半径方向から係止する図示しない止めネジで固定した。
本実施例によれば、液体濃縮器が可動部分を有しないスタティックな構造であるから、可動部のあるものよりも信頼性が高い。また、原料液体をフロー処理で連続的に供給して濃縮するので、処理能力が向上する。また、原料液体を加熱した際に生じる揮発成分が溝付き管の内部に形成される処理空間側に流動し、揮発しない液状の濃縮液が溝部を薄膜化されて流下するので、揮発成分が濃縮液と再結合することがなく、処理効率が向上する。さらに、液体濃縮器の下部ほど溝付き管の温度が高いので、揮発成分は下部になればなるほど凝縮するおそれがなく、濃縮液との再結合を防止できる。
図6に、本発明に係る液体濃縮器1に用いる溝付き管18の変形例を示す。本変形例は上記実施例と、溝の断面形状が異なっている。処理流量が少ないなど薄膜の形成が容易な条件、すなわち小さい表面張力でも液体を微細溝26内に保持できる条件では、V字型微細溝26を備えた溝付き管18でも濃縮が可能になる。本変形例で示すV字型微細溝26は、一辺の長さが1.62mm の正三角である。本変形例によれば、溝加工が容易になり、短時間および低コストで溝付き管18を製作できる。
以上、本発明に係る実施例および変形例によれば、原料液体の濃縮が短縮される。また、液体を微細な溝に送液する動力だけあれば、安定した濃縮を実行できる。微細な溝底に液体の薄膜を形成したので、溝付き管の外周部からの熱の伝達が容易になり、加熱効率が向上するとともに濃縮時間が短縮される。さらに、溝付き管の溝を円周上にほぼ等間隔で配置したので、液体濃縮器の体積辺りの処理量が増加し、装置を小型化できる。液体は各溝で独立して濃縮されるので、一度、各溝での濃縮条件を把握すれば、溝の数を増減するだけで容易に処理量の異なる濃縮器が得られる。
本発明に係る液体濃縮システムの一実施例のブロック図。 図1に示した液体濃縮システムが有する液体濃縮器の斜視図。 図2のA−A矢視断面図。 図3のB部詳細図。 図2に示した液体濃縮機に用いる溝付き管の上面図および斜視図。 図2に示した液体濃縮機に用いる溝付き管の他の実施例の上面図。
符号の説明
1 液体濃縮器
10 外管
11 上フタ
12 下フタ
13 温水供給管
14 温水吐出管
15 原料供給管
16 蒸気吐出管
17 濃縮液吐出管
18 溝付き管(内管)
19 溝付き管上フタ
20 Oリング
21 バッファー部
22 抵抗体
23 (微細)溝
24 薄膜
25 濃縮液バッファー部
26 V字型微細溝
90 原料タンク
91 原料調整バルブ
92 温水循環装置
93 熱交換器
94 冷却水循環装置
95 蒸発液タンク
96 濃縮ライン調整バルブ
97 濃縮液タンク
98 真空ポンプ

Claims (8)

  1. 外管と内管とを有する二重円筒構造であって、円筒軸が鉛直軸方向に配置された液体濃縮器において、前記外管と内管間に加温された流体の流通する円筒空間を形成し、前記内管の内周面に軸方向に延びる多数の溝が形成されており、前記内管の内部に形成された処理空間に一端部が突出し他端部がこの内管から外部に延びる中空の蒸気吐出管を内管下部に配置し、前記内管の上部にこの内管の溝部に被処理液体を供給する供給管を形成し、内管下方であって前記蒸気吐出管が配置された位置とは異なる位置に、分離された濃縮液を排出する濃縮液吐出管を設けたことを特徴とする液体濃縮器。
  2. 前記内管の上端部と嵌合する溝付き管上フタを設け、前記内管の外周部と外管内周間を埋める多数の空隙が形成されたリング状の抵抗体を前記内管の上端部に配置したことを特徴とする請求項1に記載の濃縮器。
  3. 前記溝付き管上フタの上面に皿状のバッファ部を形成したことを特徴とする請求項3に記載の液体濃縮器。
  4. 前記処理空間を減圧環境下にする真空ポンプを、この液体濃縮器に付設したことを特徴とする請求項2または3に記載の液体濃縮器。
  5. 前記濃縮液吐出管に制御弁を介して濃縮液タンクを接続し、前記蒸気吐出管に熱交換器を介して蒸発液タンクを接続し、前記濃縮液タンクおよび蒸発液タンクの双方が接続される真空ポンプを設けたことを特徴とする請求項2または3に記載の液体濃縮器。
  6. 前記円筒空間の上部に連通する温水吐出管と前記円筒空間の下部に連通する温水供給管とを設けたことを特徴とする請求項1に記載の液体濃縮器。
  7. 液面から揮発成分を蒸発させて濃縮する液体濃縮器において、直径の異なる3本の管を三層に重ねた構造とし、最外層の管と中間層の管の間に円筒空間を形成してこの円筒空間を高温にする加熱流体を導くことを可能にし、中間層の管と最内層の管の間を真空にする真空発生手段を接続し、前記中間層の管の内面には軸方向に延びる微細な溝を多数形成し、この溝を伝わり落ちる薄膜状の液体を低温蒸発させ、発生した蒸気を最内層の管に導いて揮発成分を分離して液体を濃縮することを特徴とする液体濃縮器。
  8. 前記中間層の管の上端に被処理液体を受ける溝付き管上フタを配置し、この溝付き管上フタにバッファーとなる皿状の凹みを形成し、前記溝付き管上フタの周囲に多数の空隙が形成された抵抗体を保持し、被処理液体を中間層の管の内周部であって上部に送液し、この中間層の管の内周面に形成した微細な溝に薄膜を形成することを特徴とする請求項7に記載の液体濃縮器。
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