JP2008204972A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭化珪素層に対する良好なコンタクトを確保しつつ、炭化珪素層に接続された電極の剥離を抑制する。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、(A)炭化珪素層11の上に絶縁層13を形成する工程と、(B)絶縁層13に、炭化珪素層11の表面の一部を露出するコンタクトホール13aを形成する工程と、(C)コンタクトホール内において露出された炭化珪素層11の表面およびコンタクトホール13aの側壁に接するように第1の導電膜15を形成する工程と、(D)第1の導電膜15の上に第2の導電膜17を形成する工程と(E)第1の導電膜15および第2の導電膜17が形成された炭化珪素層11に対して熱処理を行うことにより、第2の導電膜17を構成する材料の少なくとも一部を炭化珪素層11の珪素と反応させて、第1の導電膜15を構成する元素および第2の導電膜17を構成する元素を含むシリサイドを形成する工程とを包含する。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化珪素層を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
パワーデバイスは、大電流を流すことができる半導体装置(パワーデバイス)であり、高耐圧かつ低損失であることが望まれる。従来は、シリコン(Si)半導体を用いたパワーデバイスが主流であったが、近年、炭化珪素(SiC)を用いたパワーデバイスが注目され、開発されている。SiC半導体は、Siよりも1桁高い絶縁破壊電界を有するため、SiCを用いたパワーデバイスでは、PN接合やショットキー接合によってSiC層に形成される空乏層を薄くしても十分な逆耐圧を維持できる。従って、デバイス(SiC層)の厚さを低減でき、また、SiC層に形成されるP型領域やN型領域の不純物濃度を高くできるので、高い耐圧を確保しつつ、オン抵抗を低く抑えることができる。よって、Siを用いたパワーデバイスよりも、電力損失を大幅に低減することが可能になる。
以下、図面を参照しながら、炭化珪素を用いたパワーデバイスの一般的な構成を縦型MOSFETを例に説明する。
図6は、二重注入型の炭化珪素MOSFETの構成を説明するための模式的な断面図であり、図示するような構成は例えば特許文献1に開示されている。
炭化珪素MOSFETは、低抵抗のn型SiC基板101の主面上に、エピタキシャル成長により形成された炭化珪素層120と、炭化珪素層120の上にゲート絶縁膜106を介して設けられたゲート電極109と、炭化珪素層120の表面に接するソース電極108と、SiC基板101の裏面上に設けられたドレイン電極107とを備えている。
炭化珪素層120は、SiC基板101の導電型と異なる導電型(ここではp型)を有するウェル領域103と、炭化珪素層120のうちウェル領域103が形成されていない部分から構成されるドリフト領域102とを有している。ドリフト領域102は、SiC基板101よりも低濃度でn型不純物を含むn-型の炭化珪素層である。ウェル領域103の内部には、高濃度でn型不純物を含むn型ソース領域105、および、ソース領域105に囲まれるように配置され、ウェル領域103よりも高い濃度でp型不純物を含むp+型コンタクト領域104が形成されている。ウェル領域103、ソース領域104およびコンタクト領域105は、炭化珪素層120に対して不純物イオンを注入することによって形成されている。
コンタクト領域104およびソース領域105は、それぞれ、ソース電極108に対してオーミック接触を形成している。従って、ウェル領域103は、コンタクト領域104を介してソース電極108と電気的に接続される。
ゲート絶縁膜106およびゲート電極109は、1つのウェル領域103の内部のソース領域105の端部から、ウェル領域間のドリフト領域102をまたいで隣接するウェル領域103の内部のソース領域105の端部までを覆っている。
炭化珪素層120、ソース電極108およびゲート電極109は、層間絶縁膜110によって覆われている。層間絶縁膜110には、ソース電極108およびゲート電極109にそれぞれ達するコンタクトホール113、115が設けられている。ソース電極108は、コンタクトホール113を介してソース電極上部配線111に接続され、ゲート電極109は、コンタクトホール115を介してゲート電極上部配線112に接続されている。なお、これらの上部配線111、112は、例えば、厚さが2μmのアルミニウム(Al)膜から形成されている。
このようなMOSFETでは、ゲート電極109に電圧を印加すると(オン状態)、ゲート電極109の下にあるp型ウェル領域103の表面近傍に反転層(チャネル層)が形成されるため、ドレイン電極107からドリフト領域102およびチャネル層を介してソース領域105を介してソース電極108へ電流が流れる。一方、ゲート電極109の電位を接地レベルに設定すると(オフ状態)、チャネル層が形成されないので、ドレイン電極107からソース電極108へ電流は流れない。
図6に示すMOSFETは次のような問題を有している。
ソース電極108は、通常、ニッケル、ニッケルシリサイド、あるいはそれらの混合物を用いて形成される。ニッケルやニッケルシリサイドは、n型の炭化珪素層である炭化珪素層120とオーミック接触を容易に形成できるからである。例えば非特許文献1には、n型の炭化珪素層の上にニッケルを堆積した後、アルゴンや窒素など不活性ガス雰囲気中で900℃以上の熱処理を行うことによって、炭化珪素層に対してオーミック接触を形成するソース電極を得る方法が開示されている。一方、層間絶縁膜110として、通常、厚さが1μm程度の酸化シリコン膜(SiO2)が形成される。酸化シリコン膜は高い絶縁破壊電圧を有しており、また、CVDなどで容易に形成できるからである。しかし、ソース電極108の材料としてニッケルやニッケルシリサイドを用い、層間絶縁膜110の材料として酸化シリコンを用いると、ニッケルやニッケルシリサイドと酸化シリコンとの密着強度が小さいために、層間絶縁膜110がソース電極108の表面から剥離してしまうという問題が生じる。
なお、この問題は、図6に示すような二重注入型MOSFETに限らず、オーミック電極を備えた他の炭化珪素パワーデバイスでも生じる。例えばトレンチゲート型の炭化珪素MOSFETでは、炭化珪素層に接続されたソース電極(Ni電極)の一部が層間絶縁膜(酸化シリコン膜)の上面に配置されるために、ソース電極が層間絶縁膜から剥がれ、その結果、炭化珪素層からも剥がれてしまうおそれがある(電極剥離)。
上記問題を解決するために、本出願人による特許文献2は、図6に示すようなMOSFETにおいて、ソース電極108として、炭化珪素層120に接するNi電極層と、その上に形成されるAl電極層とを含む積層構造の電極を形成することを提案している。この構成によると、Ni電極層と層間絶縁膜110との間にAl電極層が介在し、Ni電極層が直接層間絶縁膜110に接しないため、Niと酸化シリコンとの密着強度が小さいことに起因する層間絶縁膜110の剥離を防止できる。
特許文献2に提案された積層構造のソース電極108は、以下のような方法で形成できる。まず、炭化珪素層上にNi膜を形成した後、オーミック接触を得るための熱処理を行い、Ni電極層を形成する。次いで、Ni電極層上にAl電極層を形成することにより、ソース電極108を得る。この後、得られたソース電極108の上に層間絶縁膜(酸化シリコン膜)110を堆積し、層間絶縁膜110にコンタクトホール113を設けてAl電極層の表面を露出させる。
ところが、上記方法によってMOSFETのソース電極108を形成しようとすると、ゲート電極109や層間絶縁膜110を形成する前に、炭化珪素層120の上にNi膜を堆積し、かつ、オーミック特性を得るための熱処理を行う必要がある。そのため、熱処理の際に、Niがゲート絶縁膜表面に付着したり、ゲート絶縁膜内を拡散するなど、ゲート絶縁膜の金属汚染が生じるおそれがある。
一方、特許文献3は、例えばトレンチゲート型の炭化珪素MOSFETにおいて、ソース電極(Ni電極)の剥離を防ぐために、図7に示すように、Ni電極134を、SiC基板130の上に形成された層間絶縁膜(SiO2膜)132のコンタクトホール132aの内部にのみ配置する構成を開示している。
図7に示すようなニッケル電極134は以下のようにして作製される。まず、SiC基板130の上に層間絶縁膜132として酸化シリコン膜を形成し、この層間絶縁膜132にコンタクトホール132aを形成する。次いで、層間絶縁膜132が形成されたSiC基板130の表面全体にNi膜(図示せず)を形成する。この後、コンタクトホール132aの上にマスクを形成し、Ni膜のうち層間絶縁膜132の上に位置する部分をエッチングにより除去する。このようにして、コンタクトホール132aの内部のみに配置され、SiC基板130とオーミック接触を形成するNi電極134が得られる。
特許文献3の構成によると、層間絶縁膜132とNi電極134とが接していないため、Ni電極134の剥離を抑制できる。また、ゲート電極(図示せず)や層間絶縁膜132を形成した後にNi電極134を形成するため、Ni電極134のオーミック特性を得るための熱処理の際には、ゲート絶縁膜(図示せず)は層間絶縁膜によって覆われている。従って、上記熱処理によるゲート絶縁膜の金属汚染を防止できる。
特開平11−297712号公報 特許第2759145号明細書 特開平10−125620号公報 大野 俊之、「SiCにおける素子形成プロセス技術の現状」、電子情報通信学会論文誌、電子情報通信学会、1998年1月、第J81−C−II巻、第1号、p.128−133
しかしながら、本願発明者らが検討したところ、図7に示す特許文献3の構成によっても、電極材料と層間絶縁膜の材料との密着性に起因する電極剥離を十分に抑制できないことを見い出した。以下に詳しく説明する。
第1に、この構成では、Ni電極134は、層間絶縁膜132に形成されたコンタクトホール132aの側壁に直接接触している。前述したように、Ni電極134とコンタクトホール132aの側壁とは密着性が悪いため、Ni電極134が剥がれてしまうおそれがある。
第2に、Ni電極134は、SiC基板130の表面全体に堆積されたNi膜をパターニングすることにより形成されるが、このプロセスの途中で、堆積されたNi膜がSiC
基板130から剥離するおそれがある。パターニングを行う前は、Ni膜は、コンタクトホール132aの内部のみでなく層間絶縁膜132の上面にも堆積されており、層間絶縁膜132と広い面積で接触しているために、SiC基板130から極めて剥離しやすいからである。
このように、従来の技術によると、電極材料と層間絶縁膜の材料との密着性が低いために、デバイスの完成後、あるいは製造プロセスの途中で、電極あるいはその電極材料が炭化珪素層から剥離するおそれがあり、デバイスの信頼性を低下させる要因となっていた。
本発明は、上記の従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、炭化珪素層を有する半導体装置において、半導体装置の完成後のみでなく、その製造途中においても、炭化珪素層に接続された電極の剥離を抑制することにある。
本発明の半導体装置の製造方法は、炭化珪素層を有する半導体装置の製造方法であって、(A)炭化珪素層上に絶縁層を形成する工程と、(B)前記絶縁層に、前記炭化珪素層の表面の一部を露出するコンタクトホールを形成する工程と、(C)前記コンタクトホール内において露出された前記炭化珪素層の表面および前記コンタクトホールの側壁に接するように第1の導電膜を形成する工程と、(D)前記第1の導電膜上に第2の導電膜を形成する工程と、(E)前記第1の導電膜および前記第2の導電膜が形成された炭化珪素層に対して熱処理を行うことにより、前記第2の導電膜を構成する材料の少なくとも一部を前記炭化珪素層の珪素と反応させて、前記第1の導電膜を構成する元素および前記第2の導電膜を構成する元素を含むシリサイドを形成する工程とを包含し、前記第1の導電膜は、前記第2の導電膜の材料よりも前記絶縁層に対する密着性の高い材料を含む。
前記第2の導電膜の材料はニッケルを含むことが好ましい。
ある好ましい実施形態において、前記絶縁層は酸化シリコンを含み、前記工程(E)は、前記第2の導電膜を構成する材料の少なくとも一部を前記絶縁層の珪素と反応させる工程を含む。
前記第1の導電膜は、アルミニウム、チタン、クロムからなる群から選択された少なくとも1つの元素を含むことが好ましい。
前記第1の導電膜の厚さは50nm以下であることが好ましい。
前記工程(A)の前に、前記炭化珪素層における選択された領域に、導電型を規定する不純物を添加することにより、ソース領域を形成する工程をさらに含み、前記工程(B)において、前記コンタクトホールは、前記ソース領域の少なくとも一部を露出するように形成されてもよい。
前記ソース領域における前記不純物の濃度は6×1019cm-3以上であってもよい。
ある好ましい実施形態において、前記ソース領域における前記不純物の濃度は1×1020cm-3以上である。
本発明の半導体装置は、基板の表面に形成された炭化珪素層と、前記炭化珪素層の上に形成され、前記炭化珪素層の表面の一部を露出するコンタクトホールを有する絶縁層と、前記露出された炭化珪素層の表面の一部に接する電極とを備えた半導体装置であって、前記電極は、前記コンタクトホール内で、アルミニウム、チタンおよびクロムからなる群から選択された少なくとも1つの元素と、ニッケルとを含むシリサイドを含んでおり、前記シリサイドは、前記露出された炭化珪素層の表面の一部および前記コンタクトホールの側壁に接する。
ある好ましい実施形態において、前記シリサイドは、前記コンタクトホールの側壁全体を覆っている。
本発明によると、炭化珪素層と、炭化珪素層に接続された電極とを有する半導体装置において、電極と絶縁層(層間絶縁膜)との密着性を向上でき、半導体装置の完成後のみでなく、その製造途中においても、電極の剥離を抑制できるので、信頼性を高めることができる。
本発明の炭化珪素層を有する半導体装置の製造方法では、炭化珪素層の上に、コンタクトホールを有する絶縁層を形成した後、絶縁層上およびコンタクトホール内に、第1および第2の導電膜をこの順で形成することにより、炭化珪素層に接続された電極を形成する。第1の導電膜は、第2の導電膜の材料よりも、層間絶縁膜を構成する材料に対する密着性に優れた材料を含む。
なお、本明細書では、「炭化珪素層を有する半導体装置」とは、半導体層として機能する炭化珪素層を有していれば良く、縦型あるいは横型のMISFET、MOSFET、MESFET、静電誘導型トランジスタ、JFETなどの半導体素子や、そのような半導体素子を備えた装置を広く含むものとする。
以下、図面を参照しながら、本発明のある好ましい実施形態における電極の形成方法の概略を説明する。
まず、図1(a)に示すように、炭化珪素層11の表面に絶縁層13を形成する。絶縁層13は、例えば酸化シリコン層(SiO2)である。
次いで、図1(b)に示すように、絶縁層13に、炭化珪素層11の表面の一部11s(以下、単に「表面11s」という)を露出するコンタクトホール13aを形成する。
続いて、図1(c)に示すように、コンタクトホール13aによって露出された炭化珪素層11の表面11sおよびコンタクトホール13aの側壁(内壁)に接するように、第1の導電膜15を形成する。第1の導電膜15は、この後の工程で形成される第2の導電膜の材料よりも、絶縁層13に対する密着性の高い材料を含む。具体的には、導電膜15の材料は、チタン、アルミニウムおよびクロムからなる群から選択される少なくとも1つの元素を含むことが好ましい。これらの材料は、絶縁層13として通常用いられる酸化シリコン層に対して高い密着性を有するからである。
この後、図1(d)に示すように、第1の導電膜15の上に第2の導電膜17を形成する。第2の導電膜17は、炭化珪素層11との間にオーミック接合を形成しやすい材料(例えばニッケル)を含むことが好ましい。
このように、第2の導電膜17としては、炭化珪素とのオーミック接触を実現しやすい材料を含む膜(例えばニッケル膜)などを用いるが、この第2の導電膜17を絶縁層(例えば酸化シリコン層)13と接するように形成すると、ニッケルと酸化シリコンとの密着性が低いために、ニッケル膜が酸化シリコン層から剥離するという問題がある。そのため、ここでは、第2の導電膜の材料よりも絶縁層13に対する密着性の高い材料を含む第1の導電膜15を、第2の導電膜17よりも先に形成している。
続いて、必要に応じて、第1の導電膜15および第2の導電膜17のパターニングを行った後、これらの導電膜15、17が形成された炭化珪素層11に対して熱処理を行うことにより、第2の導電膜17を構成する材料の少なくとも一部を炭化珪素層11の珪素と反応させる。これにより、図1(e)に示すように、炭化珪素層11に対してオーミック接合を形成する電極19が得られる。電極19は、第1の導電膜15に含まれる元素(例えばチタン)と、第2の導電膜17に含まれる元素(例えばNi)と、炭化珪素層11に含まれる珪素とが反応して得られた化合物(シリサイド)を含んでいる。
第2の導電膜17がニッケルを含む場合、上記熱処理を行うと、第2の導電膜17のニッケルは、炭化珪素層11の表面近傍では、炭化珪素層11の珪素と反応してニッケルシリサイドを形成し、コンタクトホール13aの側壁の近傍では、絶縁層13の珪素と反応してニッケルシリサイドを形成する。従って、電極19は、これらのニッケルシリサイドと、第1の導電膜15を構成する元素(例えばTi)とを含む合金層となる。
上記方法では、絶縁層13と第2の導電膜(例えばNi膜)17との間に密着性の高い第1の導電膜15を設けて、密着性に劣る第2の導電膜(例えばNi膜)17を絶縁層13と直接接触させないので、第2の導電膜17が製造プロセスの途中に剥れることを防止できる。また、熱処理を行うことにより、第2の導電膜17の材料と炭化珪素層11、および、第2の導電膜17の材料と絶縁層13の珪素とがそれぞれ反応してシリサイドが形成されるので、得られた電極19は、良好なオーミック特性を示すとともに、絶縁層13に対して極めて高い密着性を有する。
なお、図示する電極19は、絶縁層13と接しているが、本実施形態における電極19は、炭化珪素層11の表面11sの少なくとも一部に接していればよく、例えばコンタクトホール13aの側壁や絶縁層13の上面を覆っていなくてもよい。しかしながら、コンタクト抵抗を低減するためには、コンタクトホール内で電極19と炭化珪素層11とのコンタクト面積を極大にすることが好ましく、電極19は、炭化珪素層11の表面11sの全体を覆っていることが好ましい。このような状況を実現するには、第1の導電膜15および第2の導電膜17のパターニング精度を考慮して、電極19は、コンタクトホール内の炭化珪素層の表面11sのみならず、コンタクトホール13aの側壁全体を覆うように形成されることが好ましい。さらに好ましくは、電極19は、コンタクトホール周辺の絶縁層13の表面まで覆うように形成される。このようにすれば、第1の導電膜15および第2の導電膜17のパターニングにおける、フォトリソ工程の合わせずれ、エッチング工程時のエッジの後退があっても、炭化珪素層11の表面11s全体を覆う電極19をより確実に形成できる。
本実施形態における第1の導電膜15の厚さは、好ましくは50nm以下、より好ましくは10nm以下である。これにより、炭化珪素層11の珪素と第2の導電膜17に含まれる元素(例えばニッケル)とを、第1の導電膜15を介して効率よく反応させることができる。一方、成膜装置や成膜プロセスに起因して生じる膜厚分布も考慮すると、コンタクトホール内の炭化珪素層11の表面11aとコンタクトホール13aの側壁全体とを覆う第1の導電膜15を形成するためには、第1の導電膜15の厚さは5nm以上であることが好ましい。また、第2の導電膜17の厚さは、第1の導電膜15の厚さ以上であることが好ましく、より好ましくは50nm以上である。これにより、電極19と炭化珪素層11とのコンタクト抵抗をより低く抑えることができる。なお、上述した第1および第2の導電膜15、17の厚さは、これらの導電膜15、17のうちコンタクトホール13aの底面上、すなわち炭化珪素層11の表面11sの上に位置する部分の厚さで定義する。
本実施形態は、炭化珪素層と、炭化珪素層に接続された電極、特に、炭化珪素層に対してオーミック接合を形成する電極(オーミック電極)とを備えた半導体装置に広く適用できる。例えば上記方法を用いて、縦型MOSFETのソース電極を形成してもよい。
なお、通常のLSIでも、電極(アルミ配線)と半導体層との間に窒化チタンなどのバリアメタルを介在させるといった構成が採用されているが、本発明は、炭化珪素層11と第2の導電膜17との間に第1の導電膜15を介在させるだけでなく、さらに熱処理を加えて、第2の導電膜17と炭化珪素層11との化合物を形成するものであり、バリアメタルを介在させる構成とは全く異なる技術思想に基づいている。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明による第1の実施形態を説明する。ここでは、炭化珪素を用いた反転型の二重注入型MOSFETを製造する方法を説明する。
図2(a)〜(j)は、本実施形態の二重注入型MOSFETを製造する工程を説明するための模式的な工程断面図である。なお、二重注入型MOSFETは、典型的には多数のユニットセルを備えているが、これらの図では隣接する2つのユニットセルのみを示す。
まず、図2(a)に示すように、炭化珪素基板21の主面上に炭化珪素をエピタキシャル成長させることにより、炭化珪素層22を形成する。炭化珪素基板21として、例えば(0001)Si面より<11−20>方向に向かって8度のオフ角を有する4H−SiC基板を用いる。炭化珪素基板21の導電型はn型であり、その不純物濃度は1×1018cm-3以上5×1019cm-3以下である。炭化珪素層22の形成は、例えば原料ガスとしてシラン(SiH4)およびプロパン(C38)、キャリアガスとして水素(H2)、ドーパントガスとして窒素(N2)ガスを用いて、熱CVD法で行うことができる。ここでは、炭化珪素基板21よりも不純物濃度の低いn型の炭化珪素層22を形成する。不純物がドープされた炭化珪素層22をエピタキシャル成長させる。炭化珪素層22の不純物濃度や厚さは、MOSFETに要求される仕様によって異なるが、例えば耐圧が600VのMOSFETを製造しようとすると、炭化珪素層22の不純物濃度が1×1015cm-3以上5×1016cm-3以下、厚さが5μm以上であることが望ましい。
次に、図2(b)に示すように、炭化珪素層22に不純物イオンを注入することにより、p型のウェル領域23、p型のコンタクト領域24、およびn型のソース領域25を形成する。
図示していないが、これらの領域23、24、25は、例えば次のようにして形成される。まず、炭化珪素層22の上にCVD法で酸化シリコン膜を堆積した後、フォトリソグラフィーおよびドライエッチングによって、酸化シリコン膜のパターニングを行い、ウェル領域形成用の注入マスクを得る。この後、注入マスクの上方から、炭化珪素層22にp型の不純物イオン(例えばアルミニウムイオン、ホウ素イオンなど)を注入することにより、炭化珪素層22の表面領域にp型のウェル領域となる注入層を形成する。イオン注入の際の基板温度は、注入による欠陥を低減するために、例えば500℃以上に設定されることが好ましい。注入後、フッ酸を用いて注入マスクを除去する。続いて、同様の方法で、コンタクト領域形成用の注入マスクを形成した後、炭化珪素層22にp型の不純物イオンを注入することにより、p型のコンタクト領域となる注入層を形成する。さらに、ソース領域形成用の注入マスクを形成した後、炭化珪素層22にn型の不純物イオン(例えば窒素イオン、リンイオンなど)を注入することにより、ソース領域となる注入層を形成する。次いで、これらの注入層に対して、アルゴンなどの不活性雰囲気中で1700℃程度の温度で30分間の活性化アニールを行い、それぞれ、ウェル領域23、コンタクト領域24およびソース領域25を得る。
上記方法で得られたウェル領域23の不純物濃度は、例えば1×1015cm-3以上1×1017cm-3以下であり、ウェル領域23の深さは、ピンチオフを防止するために例えば0.5μm前後とする。コンタクト領域24の不純物濃度は、ウェル領域23の不純物濃度よりも高く、例えば1×1018cm-3以上である。コンタクト領域24の不純物濃度がウェル領域23の不純物濃度よりも高いと、コンタクト領域4と、後に形成するソース電極との間にオーミック接合を形成しやすくなる。また、コンタクト領域24の深さは300nm程度とする。ソース領域25の不純物濃度は、少なくとも1×1019cm-3以上、好ましくは6×1019cm-3以上、より好ましくは1×1020cm-3である。ソース領域25の深さは例えば300nm程度である。
次いで、図2(c)に示すように、炭化珪素層22の表面にゲート絶縁膜26を形成する。ゲート絶縁膜26は、例えば炭化珪素層22の表面を熱酸化することによって形成できる。具体的には、ウェハ状の炭化珪素基板21を石英管内に保持し、石英管内を1100℃の温度に保った状態で、バブリングした酸素を流量2.5SLM(l/s)で導入して、炭化珪素層22の表面を熱酸化させる。熱酸化を行う時間は、例えば3時間とする。これにより、炭化珪素層22の表面に、ゲート絶縁膜26として、厚さが約40nmのシリコン酸化膜(熱酸化膜)が得られる。
この後、図2(d)に示すように、ゲート絶縁膜26上にゲート電極30を形成する。ゲート電極30は、耐熱性および導電性に優れた多結晶シリコンを用いて形成されることが好ましい。多結晶シリコンの融点は1420℃であり、後の工程で行われるソース電極を形成する際の熱処理の温度(例えば1000℃)よりも十分に高いからである。
ゲート電極30の形成方法の一例を詳しく説明する。まず、ゲート絶縁膜26の上に、減圧CVD法を用いて多結晶シリコン膜(図示せず)を堆積させる。具体的には、原料ガスとしてシラン、ホスフィンを用い、圧力を95Pa、成長温度を550℃に8時間保つことによって、n型の不純物濃度が7×1020cm-3、厚さが500nmの多結晶シリコン膜を得る。この多結晶シリコン膜に対して、フォトリソグラフィーおよびドライエッチングによりパターニングを行い、ゲート電極30を得る。ゲート電極30は、ウェル領域23の表面のうちチャネルが形成される部分(ソース領域25とドリフト領域102の間に位置する部分)を覆っていればよく、そのパターンは特に限定されない。
次に、図2(e)に示すように、ゲート絶縁膜26およびゲート電極30を覆う層間絶縁膜32を形成する。本実施形態では、層間絶縁膜32として、高い絶縁破壊電圧を有し、かつ、容易に形成できる酸化シリコン膜を形成する。酸化シリコン膜は、例えば常圧CVD法を用いて形成でき、その厚さは例えば1μmである。
続いて、図2(f)に示すように、層間絶縁膜32に、炭化珪素層22のp+コンタクト領域24およびソース領域25に到達するコンタクトホール32aを設ける。コンタクトホール32aは、公知のフォトリソグラフィーおよびドライエッチングを用いて形成できる。ドライエッチングとして、例えばCHF3やCF4を用いた反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching; RIE)を行ってもよい。ドライエッチングの際には、層間絶縁膜32だけでなく、その下地のゲート絶縁膜26も除去し、炭化珪素層22の表面22sを露出させる。
この後、図2(g)に示すように、層間絶縁膜(SiO2)32の上面、コンタクトホール32aの側壁、およびコンタクトホール32aによって露出された炭化珪素層22の表面22sに、第1の導電膜28および第2の導電膜29をこの順で形成する。また、炭化珪素基板21の裏面に金属材料(例えばニッケル)を堆積させることによって、ドレイン電極となる導電層(厚さ:約200nm)27’を形成する。
第1の導電膜28は、層間絶縁膜32に対して高い密着性を有する材料(「第1材料」とする)を含み、第2の導電膜29は、炭化珪素層22に対してオーミック接触を形成しやすい材料(「第2材料」とする)を含む。本実施形態では、第1および第2の導電膜28、29として、それぞれ、アルミニウム膜(厚さ:例えば50nm)およびニッケル膜(厚さ:例えば150nm)を形成する。これらの膜28、29は、例えば真空蒸着法やスパッタ法を用いて形成できる。
第1の導電膜28は、層間絶縁層32の表面全体、および、コンタクトホール32aの側壁全体を覆っていることが好ましい。これにより、第2の導電膜29と層間絶縁膜32とが接触することを確実に防止できるので、第2の導電膜29における第2材料(ここではニッケル)と酸化シリコンとの密着強度が低いことに起因して生じる電極剥がれを効果的に抑制できる。また、後述する熱処理において、第2の導電膜29に含まれる第2材料が、第1の導電膜28を越えて、炭化珪素層22と反応するためには、第1の導電膜29はできるだけ薄いほうが好ましく、その厚さは例えば50nm以下である。これにより、上記反応を妨げることなく、上記第2材料を含む電極と層間絶縁層32との密着性を向上できる。一方、第2の導電膜29の厚さは、好ましくは第1の導電膜28の厚さ以上であり、より好ましくは50nm以上0.5μm以下である。
続いて、図2(h)に示すように、第1および第2の導電膜28、29のパターニングを行うことにより、ソース電極となる導電層35’を形成する。第1および第2の導電膜28、29のパターニングは、公知のフォトリソグラフィーおよびウェットエッチングによって行うことができる。ウェットエッチングでは、例えば燐酸を含むエッチャントを用いる。本実施形態では、炭化珪素層22の表面22s、コンタクトホール32aの側壁、および、層間絶縁膜32の一部を覆う導電層35’が形成されているが、導電層35’の形状はこれに限定されない。
続いて、図2(i)に示すように、熱処理を行うことにより、導電層27’、35’から、それぞれ、炭化珪素基板21とオーミック接合を形成するドレイン電極27、および、炭化珪素層22とオーミック接合を形成するソース電極35を得る。
上記の熱処理は、800℃以上の温度(例えば1000℃)で、1分以上行う。このような熱処理をすることによって、第1の導電膜28の第1材料(アルミニウム)と、第2の導電膜29の第2材料(ニッケル)と、炭化珪素層22の珪素とが相互に反応して、アルミニウム、ニッケルおよび珪素を含む化合物(シリサイド)が形成され、ソース電極35となる。
同様に、炭化珪素基板21の裏面に形成された導電層27’も炭化珪素基板21と反応して、ニッケルシリサイドを含むドレイン電極27となる。
また、コンタクトホール32aの側壁や層間絶縁膜32の上面においても、熱処理によって、第1および第2の導電膜28、29と層間絶縁膜(酸化シリコン膜)32とが反応してシリサイドが形成される。このように、第2の導電膜29に含まれる第2材料を層間絶縁膜32の珪素と反応させてしまうため、ソース電極35と層間絶縁膜32との密着性をさらに高めることができる。
次に、図2(j)に示すように、ソース電極35に電気的に接続された上部配線37を形成する。ここでは、ソース電極35および層間絶縁膜32の上に、スパッタ法や真空蒸着法を用いてアルミニウム膜(厚さ:例えば3μm)を形成した後、このアルミニウム膜のパターニングを行うことにより、上部配線37を得る。アルミニウム膜のパターニングは、公知のフォトリソグラフィーおよびウェットエッチングによって行うことができる。得られた上部配線37は、炭化珪素基板21に形成された複数のソース電極25を互いに接続するとともに、ワイヤボンディングのための電極パッドとしても機能する。このようにして、二重注入型MOSFETが完成する。
図2(j)に示す構成では、ソース電極35は、コンタクトホール32aの側壁や層間絶縁膜32の上に配置されているが、本実施形態におけるソース電極35は、炭化珪素層22の表面22sの少なくとも一部に形成されていればよく、図示する構成に限定されない。ただし、ソース電極35と炭化珪素層22とのコンタクト抵抗をより低く抑えるためには、ソース電極35は炭化珪素層22の表面22sの全体を覆っていることが好ましい。また、ソース電極35が、炭化珪素層22の表面22sのみでなく、コンタクトホール32aの側壁全体を覆うように形成されていると、ソース電極35とその上に設けられる上部配線37とのコンタクト面積を大きくできるので、これらの間のコンタクト抵抗を低減できる。炭化珪素層22の表面22s全体を覆うようにソース電極35を形成するためには、第1および第2の導電膜28、29のパターニング精度(フォトリソのマスク合わせ精度、エッチングでのエッジ後退量)を考慮して、コンタクトホール32aの側壁全体を覆うようにソース電極35を形成することが好ましい。より好ましくはコンタクトホール32aの周辺の層間絶縁膜43の表面まで覆うように形成する。
なお、特許文献3に記載された方法のように、層間絶縁膜上およびコンタクトホールの側壁に直接Ni膜を堆積させると、パターニングや熱処理を行う前に、堆積したNi膜が剥離してしまうので、コンタクトホールの側壁全体を覆うようなソース電極を形成することはできなかった。これに対し、本実施形態の方法によると、Ni膜(第1の導電膜)29と層間絶縁膜32とが接触しないため、Ni膜の剥離を防止できるので、所望の形状のソース電極35が得られる。
なお、上記方法によって得られたソース電極35は、第1および第2材料と珪素とが反応して得られた化合物(シリサイド)から構成されているが、本実施形態におけるソース電極35は、少なくともコンタクトホール32aの内部において、炭化珪素層22との界面近傍および層間絶縁膜32との界面近傍に上記化合物を含んでいればよい。これにより、炭化珪素層22に対して良好なオーミック接合を形成できるとともに、層間絶縁膜32に対する密着性を高めることができる。
上記方法では、第1の導電膜28の材料としてアルミニウムを用いたが、層間絶縁膜との密着性に優れた導電性の材料であればよく、チタン、クロムなどを用いてもよい。また、第2の導電膜29の材料および層間絶縁膜32の材料も、ニッケルおよび酸化シリコンにそれぞれ限定されず、適宜選択される。さらに、本実施形態では、4H−SiCを炭化珪素基板21として用いているが、4H−SiC以外のポリタイプからなる基板を用いてもよい。
以下、本実施形態におけるソース電極35の密着性およびオーミック特性を調べたので、その結果を説明する。
(1)ソース電極の密着性
上記方法によってサンプルMOSFETを作製したところ、サンプルMOSFETの作製プロセスの途中で、層間絶縁膜32の上に堆積された第2の導電膜(ニッケル膜)29がSiC基板21から剥離しないことを確認した。また、完成したサンプルMOSFETにおいても、ソース電極35が層間絶縁膜32や炭化珪素層22から剥離しないことが確認できた。従って、第1の導電膜(アルミニウム膜)28により、製造プロセス中およびMOSFET完成後の電極剥離を防止できることがわかった。
(2)ソース電極のオーミック特性
上述したように、一般的に、炭化珪素層上にオーミック電極を形成しようとすると、炭化珪素層表面に接触するようにNi膜を形成し、熱処理により、炭化珪素層の珪素とNiとを反応させる(例えば非特許文献1、特許文献2および3など)。この方法で形成されたオーミック電極を「従来のオーミック電極」と呼ぶ。これに対し、本実施形態では、炭化珪素層22の表面と、第1の導電膜(Ni膜)29との間に、酸化シリコンに対する密着力の高い第1の導電膜(Al、Ti膜など)28が介在しており、Ni膜と炭化珪素層22とは直接接触していない。第1の導電膜28に含まれるTiやAlは、酸化シリコンに対して高い密着力を示す半面、Niと比べると、炭化珪素に対して良好なオーミック接合を形成し難い材料である。従って、第1の導電膜28を介在させれば、ソース電極35の密着性は改善できても、ソース電極35と炭化珪素層22とのコンタクト抵抗が、従来のオーミック電極のコンタクト抵抗よりも大幅に高くなることも懸念される。
そこで、本願発明者らは、本実施形態におけるソース電極のオーミック特性の評価を行ったので、その方法および結果を説明する。
まず、ソース電極のオーミック特性を評価するためのテストデバイスを作製した。図3は、テストデバイスの構成を示す断面図であり、図2と同様の構成要素には同じ参照符号を付している。テストデバイスは、2つの独立したソース電極35A、35Bを有しており、これらの電極35A、35Bは、それぞれ、同一のソース領域25に電気的に接続されている。従って、この2つのソース電極35A、35Bの間のI−V特性を調べれば、ソース電極35A、35Bとソース領域25とのオーミック特性を測定できる。
テストデバイスの作製方法は、2つのソース電極35A、35Bを同一のソース領域25に接続する点や、ゲート電極やコンタクト領域を形成しない点以外は、図2を参照しながら前述したMOSFETの製造方法と同様とした。テストデバイスにおけるソース電極35A、35Bは、炭化珪素層20の上に、第1の導電膜としてAl膜(厚さ:50nm)、第2の導電膜としてNi膜(厚さ:150nm)をこの順で形成し、1000℃の温度で5分間の熱処理を行うことによって形成した。
次いで、テストデバイスを用いて、熱処理前および熱処理後のソース電極35A、35BのI−V特性を測定し、比較を行った。ソース領域25における不純物濃度は、1×1020cm-3とした。
図4は、I−V特性の測定結果を示すグラフである。図4に示す結果から、熱処理を行う前のソース電極35A、35Bは非オーミック特性を示すが、熱処理を行った後のソース電極35A、35BのI−V特性を表わすグラフは略直線となり、熱処理後のソース電極35A、35Bがソース領域25に対してオーミック接合を形成していることがわかった。よって、第2の導電膜(Ni膜)29と炭化珪素層22との間に、オーミック特性が得られにくい材料を含む第1の導電膜28を設けても、熱処理を行うことによって、十分なオーミック特性を示すソース電極35A、35Bが得られることを確認した。
続いて、ソース領域25の不純物濃度が異なる3種類のテストデバイスI〜IIIを作製し、ソース領域25の不純物濃度がソース電極35A、35Bのオーミック特性に与える影響を調べた。
テストデバイスI、IIおよびIIIにおけるソース領域25の不純物濃度は、それぞれ、3×1019cm-3、6×1019cm-3、および1×1020cm-3とした。なお、これらのテストデバイスにおけるソース電極35A、35Bの材料や熱処理条件は、上述した通りである。各テストデバイスにおけるソース電極35A、35BのI−V特性を測定した結果を図5に示す。
図5に示す結果から、ソース領域25の不純物濃度が最も低いテストデバイスIでは、I−V特性を表わすグラフが直線でなく、ソース電極35A、35Bはソース領域25に対してオーミック接触を形成していないことがわかった。これに対し、テストデバイスIよりも不純物濃度の高いテストデバイスIIおよびIIIでは、I−V特性を表わすグラフは略直線になっており、ソース電極35A、35Bがオーミック特性を有することが分かった。また、ソース領域25の不純物濃度が高いほど、I−V特性を表わすグラフの傾きが急峻になり、ソース電極35A、35Bのコンタクト抵抗を低減できることを確認した。さらに、本実施形態におけるソース領域25の不純物濃度は、6×1019cm-3であることが好ましく、より好ましくは1×1020cm-3であることが分かった。
以上の結果から、本実施形態におけるソース電極35は、炭化珪素層22に対して良好なオーミック接合を形成しており、第1の導電膜28によるコンタクト抵抗の低下はほとんどみられないことが確認できた。これは、熱処理によって、炭化珪素層22と第2の導電膜29のニッケルとが、第1の導電膜28を越えて反応し、ニッケルシリサイドを形成したためと考えられる。
上述してきたように、本実施形態では、層間絶縁膜32と第2の導電膜29との間に、層間絶縁膜32に対する密着性に優れた第1の導電膜28を設けることにより、第2の導電膜29を層間絶縁膜32に接触させないため、第2の導電膜29の剥離を抑制できる。さらに、熱処理を行うことによって、第1の導電膜28越しに第2の導電膜29と炭化珪素層22とを反応させてシリサイドを形成するので、従来のオーミック電極と略同等のオーミック特性を有するソース電極35が得られる。また、この熱処理の際には、第2の導電膜20に含まれる材料は層間絶縁膜32の珪素ともシリサイドを形成するため、得られたソース電極35と層間絶縁膜32との密着強度は高められており、MOSFETの完成後においても、ソース電極35の剥離を抑制できる。
また、本実施形態によると、ゲート電極30および層間絶縁膜32を形成した後に、導電膜28、29を堆積し、熱処理を行ってソース電極35を形成する。そのため、熱処理によるゲート絶縁膜の金属汚染を抑制できるので有利である。
本発明によると、炭化珪素層と炭化珪素層に接続された電極とを備えた半導体装置において、電極と炭化珪素層との良好なコンタクトを確保しつつ、電極と層間絶縁膜との密着性を向上できる。よって、電極剥離が抑制された信頼性の高い半導体装置を提供できる。
本発明は、炭化珪素層と電気的に接続された電極とを備えた半導体装置、例えば炭化珪素層を用いて形成された縦型のMOSFET、MISFET(例えば二重注入型、トレンチ型)、横型のMOSFET、MISFET、MESFET、静電誘導型トランジスタ、JFETなどの半導体素子、およびそれらを備えた装置に広く適用できる。
(a)〜(e)は、本発明による実施形態における電極を形成する方法を説明するための工程断面図である。 (a)〜(j)は、本発明の第1の実施形態のMOSFETを製造する方法を説明するための断面工程図である。 本発明におけるソース電極を評価するためのテストデバイスの構成を示す断面図である。 熱処理前および熱処理後のソース電極のI−V特性を測定した結果を示すグラフである。 ソース電極のI−V特性と、ソース領域の不純物濃度との関係を調べた結果を示すグラフである。 従来のMOSFETの構成を説明するための模式的な断面図である。 従来のソース電極の構成を示す模式的な断面図である。
符号の説明
21 炭化珪素基板
11、22 炭化珪素層
13 絶縁層
13a、32a コンタクトホール
15、28 第1の導電膜
17、29 第2の導電膜
19、35 ソース電極
22s 炭化珪素層の露出表面
23 ウェル領域
24 コンタクト領域
25 ソース領域
26 ゲート絶縁膜
27 ドレイン電極
27’、35’ 導電層
30 ゲート電極
32 層間絶縁膜
37 上部配線

Claims (10)

  1. 炭化珪素層を有する半導体装置の製造方法であって、
    (A)炭化珪素層上に絶縁層を形成する工程と、
    (B)前記絶縁層に、前記炭化珪素層の表面の一部を露出するコンタクトホールを形成する工程と、
    (C)前記コンタクトホール内において露出された前記炭化珪素層の表面および前記コンタクトホールの側壁に接するように第1の導電膜を形成する工程と、
    (D)前記第1の導電膜上に第2の導電膜を形成する工程と、
    (E)前記第1の導電膜および前記第2の導電膜が形成された炭化珪素層に対して熱処理を行うことにより、前記第2の導電膜を構成する材料の少なくとも一部を前記炭化珪素層の珪素と反応させて、前記第1の導電膜を構成する元素および前記第2の導電膜を構成する元素を含むシリサイドを形成する工程と
    を包含し、
    前記第1の導電膜は、前記第2の導電膜の材料よりも前記絶縁層に対する密着性の高い材料を含む半導体装置の製造方法。
  2. 前記第2の導電膜の材料はニッケルを含む請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記絶縁層は酸化シリコンを含み、前記工程(E)は、前記第2の導電膜を構成する材料の少なくとも一部を前記絶縁層の珪素と反応させる工程を含む請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第1の導電膜は、アルミニウム、チタン、クロムからなる群から選択された少なくとも1つの元素を含む請求項1から3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記第1の導電膜の厚さは50nm以下である請求項1から4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記工程(A)の前に、前記炭化珪素層における選択された領域に、導電型を規定する不純物を添加することにより、ソース領域を形成する工程をさらに含み、
    前記工程(B)において、前記コンタクトホールは、前記ソース領域の少なくとも一部を露出するように形成される請求項1から5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記ソース領域における前記不純物の濃度は6×1019cm-3以上である請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記ソース領域における前記不純物の濃度は1×1020cm-3以上である請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 基板の表面に形成された炭化珪素層と、
    前記炭化珪素層の上に形成され、前記炭化珪素層の表面の一部を露出するコンタクトホールを有する絶縁層と、
    前記露出された炭化珪素層の表面の一部に接する電極と
    を備えた半導体装置であって、
    前記電極は、前記コンタクトホール内で、アルミニウム、チタンおよびクロムからなる群から選択された少なくとも1つの元素と、ニッケルとを含むシリサイドを含んでおり、
    前記シリサイドは、前記露出された炭化珪素層の表面の一部および前記コンタクトホールの側壁に接する半導体装置。
  10. 前記シリサイドは、前記コンタクトホールの側壁全体を覆っている請求項9に記載の半導体装置。
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