JP2008191103A - 開放電圧予測方法及び開放電圧予測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バッテリの個体差及び使用状態が正確に反映された分極解消特性を簡易に求めて、平衡状態の開放電圧値を高精度で予測することができる開放電圧予測方法及び開放電圧予測装置を提供する。
【解決手段】アクセサリスイッチ4がオフである場合に、バッテリ2の充放電による分極の解消に伴って、電圧センサ11の検出結果がバッテリ2の平衡状態の開放電圧値に収斂する分極解消特性を算出して記憶部13に記憶させ(学習)、この分極が解消されない間にアクセサリスイッチ4がオンになった場合の電圧センサ11の検出結果と、記憶部13に記憶されている分極解消特性とを用いて、平衡状態の開放電圧値を予測する。この場合、車両に搭載されて使用されているバッテリ2自身の電圧センサ11の検出結果に基づいて分極解消特性を学習しているため、バッテリ2の個体差及び使用状態が正確に反映された分極解消特性に基づいて平衡状態の開放電圧値が予測される。
【選択図】図1
【解決手段】アクセサリスイッチ4がオフである場合に、バッテリ2の充放電による分極の解消に伴って、電圧センサ11の検出結果がバッテリ2の平衡状態の開放電圧値に収斂する分極解消特性を算出して記憶部13に記憶させ(学習)、この分極が解消されない間にアクセサリスイッチ4がオンになった場合の電圧センサ11の検出結果と、記憶部13に記憶されている分極解消特性とを用いて、平衡状態の開放電圧値を予測する。この場合、車両に搭載されて使用されているバッテリ2自身の電圧センサ11の検出結果に基づいて分極解消特性を学習しているため、バッテリ2の個体差及び使用状態が正確に反映された分極解消特性に基づいて平衡状態の開放電圧値が予測される。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両に搭載されているバッテリの平衡状態における開放電圧値を予測する開放電圧予測方法及び開放電圧予測装置に関する。
バッテリの開放電圧値(即ちバッテリに対して電流が流入出していない場合の端子電圧値)は、バッテリが放電した後、放電によるバッテリ液の分極の解消に伴って上昇し、分極が解消されて平衡状態になった場合に一定の電圧値に収束する。一方、バッテリが充電された後の開放電圧値は、充電によるバッテリ液の分極の解消に伴って降下し、分極が解消されて平衡状態になった場合に一定の電圧値に収束する。
このように、充放電による分極が解消せず非平衡状態にあるバッテリの開放電圧値が、分極の解消に伴って平衡状態の開放電圧値に収斂する特性を、以下では分極解消特性という。
このように、充放電による分極が解消せず非平衡状態にあるバッテリの開放電圧値が、分極の解消に伴って平衡状態の開放電圧値に収斂する特性を、以下では分極解消特性という。
平衡状態の開放電圧値はバッテリの充電量に対応しており、バッテリの残蓄電量は、この開放電圧値に基づいて算出される。
しかしながら、車両に搭載されるバッテリは、一般に、充放電が終了してから分極が解消されるまでに24時間以上を要するため、車両の使用形態によっては、分極が解消される前にバッテリに対する充放電が再開されることがある。この場合、平衡状態の開放電圧値を直接的に検出することができないという問題がある。
この問題を解決するために、従来、平衡状態の開放電圧値を間接的に検出する(即ち予測する)方法が提案されている(特許文献1,2参照)。
しかしながら、車両に搭載されるバッテリは、一般に、充放電が終了してから分極が解消されるまでに24時間以上を要するため、車両の使用形態によっては、分極が解消される前にバッテリに対する充放電が再開されることがある。この場合、平衡状態の開放電圧値を直接的に検出することができないという問題がある。
この問題を解決するために、従来、平衡状態の開放電圧値を間接的に検出する(即ち予測する)方法が提案されている(特許文献1,2参照)。
特許文献1に開示されている開放電圧予測方法では、分極解消特性の線形近似式を実験的に求めており、この近似式に基づいて、平衡状態の開放電圧値が予測される。
また、特許文献2に開示されている開放電圧予測方法では、分極解消特性に関し、応答性が速い活性化分極と応答性が遅い濃度分極とを考慮した近似式を実験的に求めており、この近似式に基づいて、平衡状態の開放電圧値が予測される。
特開2002−250757号公報
特開2005−83970号公報
また、特許文献2に開示されている開放電圧予測方法では、分極解消特性に関し、応答性が速い活性化分極と応答性が遅い濃度分極とを考慮した近似式を実験的に求めており、この近似式に基づいて、平衡状態の開放電圧値が予測される。
しかしながら、特許文献1,2に開示されている開放電圧予測方法では、近似式に含まれている定数を、実験によって求められた一定値としており、このため、バッテリの個体差や、バッテリの充電量、劣化度、周辺温度等の使用状態を正確に反映しているとは言い難い。
また、分極解消特性の近似式を、多様なバッテリの使用状態を反映した上で、バッテリ毎に予め実験を行なって求めることはできない。
また、分極解消特性の近似式を、多様なバッテリの使用状態を反映した上で、バッテリ毎に予め実験を行なって求めることはできない。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、車両に搭載されたバッテリの電圧値を検出する電圧検出手段の検出結果が、平衡状態の開放電圧値に収斂する特性を算出して記憶し、記憶した特性に基づいて、平衡状態の開放電圧値を予測することにより、バッテリの個体差及び使用状態が正確に反映された分極解消特性を簡易に求めて、平衡状態の開放電圧値を高精度で予測することができる開放電圧予測方法及び開放電圧予測装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、車両に搭載されたバッテリの充放電が終了してから所定時間が経過する都度、この所定時間が経過した場合に電圧検出手段が検出した終期電圧値と、この所定時間が経過するまでに所定のタイミングで電圧検出手段が検出した複数の中途電圧値との差値を夫々算出し、この差値に関し、終期電圧値と、充放電が終了した場合に電圧検出手段が検出した初期電圧値との差値に対する比率を算出して記憶することにより、バッテリの使用状態が反映された分極解消特性に基づいて平衡状態の開放電圧値を高精度で予測することができる開放電圧予測方法及び開放電圧予測装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、算出した比率と記憶した比率との加重平均値を求めて記憶することにより、バッテリの劣化の進行の度合い、周辺温度の高低等のバッテリの使用状態が更に反映された分極解消特性を簡易に求めることができる開放電圧予測方法及び開放電圧予測装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、車両に搭載されたバッテリが取り替えられる都度、バッテリの電圧値を検出する電圧検出手段の検出結果が、分極の解消に伴って平衡状態の開放電圧値に収斂する特性を算出して記憶し、記憶した特性に基づいて、平衡状態の開放電圧値を予測することにより、バッテリの個体差が反映された分極解消特性に基づいて平衡状態の開放電圧値を高精度で予測することができる開放電圧予測方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、車両に搭載されたバッテリの電圧値が所定電圧値以下であると判定した場合は比率を記憶しない構成とすることにより、正常な状態のバッテリの個体差及び使用状態が反映された分極解消特性に基づいて平衡状態の開放電圧値を高精度で予測することができる開放電圧予測装置を提供することにある。
第1発明に係る開放電圧予測方法は、車両に搭載されているバッテリの電圧値を検出する電圧検出手段を用い、前記バッテリから電気負荷への給電をオン/オフするアクセサリスイッチがオフである場合に前記バッテリの充放電による分極が解消され、且つ、前記バッテリに対して電流が流入出しない場合の開放電圧値を予測する開放電圧予測方法において、前記電圧検出手段の検出結果が、前記分極の解消に伴って前記開放電圧値に収斂する特性を算出し、算出した特性を記憶し、前記分極が解消されない間に前記アクセサリスイッチがオンになった場合の前記電圧検出手段の検出結果と、記憶されている前記特性とに基づいて、前記開放電圧値を予測することを特徴とする。
第2発明に係る開放電圧予測方法は、前記特性を算出するために、前記アクセサリスイッチがオフになってから前記分極の解消に要する所定時間が経過する都度、該所定時間が経過した場合に前記電圧検出手段が検出した終期電圧値と、前記所定時間が経過するまでに所定のタイミングで前記電圧検出手段が検出した複数の中途電圧値との差値を夫々算出し、前記終期電圧値と、前記オフになったときに前記電圧検出手段が検出した初期電圧値との差値に対する前記終期電圧値と前記中途電圧値との各差値の比率を算出し、算出した比率を、該比率に対応する中途電圧値を検出したタイミングに関連付けて記憶し、前記開放電圧値を予測するために、記憶されている比率と該比率に関連付けられているタイミングとを用いて、前記アクセサリスイッチがオフになってから前記所定時間が経過しない間に前記アクセサリスイッチがオンになった場合に対応する比率を算出し、算出した比率と、前記オンになったときに前記電圧検出手段が検出した電圧値と、前記オフになったときに前記電圧検出手段が検出した初期電圧値とを用いて、前記開放電圧値を算出することを特徴とする。
第3発明に係る開放電圧予測方法は、算出した比率と、該比率に対応する中途電圧値を検出したタイミングに関連付けて記憶されている比率との加重平均値を算出し、平均化された比率を、該比率に対応する中途電圧値を検出したタイミングに関連付けて記憶することを特徴とする。
第4発明に係る開放電圧予測方法は、前記バッテリが取り替えられる都度、前記特性を新たに算出することを特徴とする。
第5発明に係る開放電圧予測装置は、車両に搭載されているバッテリの電圧値を検出する電圧検出手段を備え、前記バッテリから電気負荷への給電をオン/オフするアクセサリスイッチがオフである場合に前記バッテリの充放電による分極が解消され、且つ、前記バッテリに対して電流が流入出しない場合の開放電圧値を予測する開放電圧予測装置において、前記電圧検出手段の検出結果が、前記分極の解消に伴って前記開放電圧値に収斂する特性を算出する特性算出手段、該特性算出手段が算出した特性を記憶する記憶手段、及び、前記分極が解消されない間に前記アクセサリスイッチがオンになった場合の前記電圧検出手段の検出結果と、前記記憶手段に記憶されている前記特性とに基づいて、前記開放電圧値を予測する予測手段を備えることを特徴とする。
第6発明に係る開放電圧予測装置は、前記特性算出手段は、前記アクセサリスイッチがオフになってから前記分極の解消に要する所定時間が経過する都度、該所定時間が経過した場合に前記電圧検出手段が検出した終期電圧値と、前記所定時間が経過するまでに所定のタイミングで前記電圧検出手段が検出した複数の中途電圧値との差値を夫々算出する差値算出手段、及び、前記終期電圧値と、前記オフになったときに前記電圧検出手段が検出した初期電圧値との差値に対する前記差値算出手段の各算出結果の比率を算出する比率算出手段を有し、前記記憶手段は、前記比率算出手段が算出した比率を、該比率に対応する中途電圧値を検出したタイミングに関連付けて記憶するようにしてあり、前記予測手段は、前記記憶手段に記憶されている比率と該比率に関連付けられているタイミングとを用いて、前記アクセサリスイッチがオフになってから前記所定時間が経過しない間に前記アクセサリスイッチがオンになった場合に対応する比率を算出する対応算出手段、及び、該対応算出手段が算出した比率と、前記オンになったときに前記電圧検出手段が検出した電圧値と、前記オフになったときに前記電圧検出手段が検出した初期電圧値とを用いて、前記開放電圧値を算出する電圧算出手段を有することを特徴とする。
第7発明に係る開放電圧予測装置は、前記比率算出手段が算出した比率と、該比率に対応する中途電圧値を検出したタイミングに関連付けて前記記憶手段に記憶されている比率との加重平均値を算出する平均算出手段を更に備え、前記記憶手段は、前記平均算出手段によって平均化された比率を、該比率に対応する中途電圧値を検出したタイミングに関連付けて記憶するようにしてあることを特徴とする。
第8発明に係る開放電圧予測装置は、前記電圧検出手段の検出結果が所定電圧値以下であるか否かを判定する電圧判定手段、及び、該電圧判定手段が、前記所定電圧値以下であると判定した場合、前記記憶手段による比率の記憶を禁止する禁止手段を更に備えることを特徴とする。
第1発明の方法及び第5発明の装置にあっては、車両に搭載されているバッテリの電圧値を、電圧検出手段(例えば電圧センサ)を用いて検出し、このバッテリから電気負荷への給電をオン/オフするアクセサリスイッチがオフである場合(即ちこのバッテリに対する充放電が行なわれていない場合)に、このバッテリの充放電による分極の解消に伴って電圧検出手段の検出結果が平衡状態の開放電圧値に収斂する特性を算出する(即ち、電圧検出手段の検出結果に基づいてバッテリの特性を学習する)。ここで、平衡状態の開放電圧値とは、バッテリの充放電による分極が解消された状態の開放電圧値である。
算出した特性は、記憶手段(例えばRAM)に記憶される。
算出した特性は、記憶手段(例えばRAM)に記憶される。
分極が解消されない間にアクセサリスイッチがオンになった場合とは、分極が解消される前にバッテリに対する充放電が再開された場合であり、この場合の電圧検出手段の検出結果、即ち非平衡状態の開放電圧値(又はこの開放電圧値に近似する電圧値)と、記憶手段に記憶されている特性とに基づいて、平衡状態の開放電圧値が予測される。
このようにして算出された特性は分極解消特性であり、車両に搭載されているバッテリの電圧値を、電圧検出手段が検出することによって求められている。つまり、車両に搭載されているバッテリ自身の分極解消特性が、実際に使用されている状態で求められている。
このようにして算出された特性は分極解消特性であり、車両に搭載されているバッテリの電圧値を、電圧検出手段が検出することによって求められている。つまり、車両に搭載されているバッテリ自身の分極解消特性が、実際に使用されている状態で求められている。
第2発明の方法及び第6発明の装置にあっては、分極解消特性を算出するために、アクセサリスイッチがオフになってから、分極解消に要する所定時間が経過する都度、この所定時間が経過した場合に電圧検出手段が検出した終期電圧値と、この所定時間が経過するまでに所定のタイミングで電圧検出手段が検出した複数の中途電圧値との差値が夫々算出される。即ち、分極が解消される都度、平衡状態の開放電圧値と、平衡状態に至るまでの非平衡状態の複数の開放電圧値との差値が夫々算出される。
ここで、終期電圧値と中途電圧値との差値は、バッテリの放電後は開放電圧値の上昇値であり、バッテリの充電後は開放電圧値の降下値であって、バッテリが実際に使用されている状態で求められる。
ここで、終期電圧値と中途電圧値との差値は、バッテリの放電後は開放電圧値の上昇値であり、バッテリの充電後は開放電圧値の降下値であって、バッテリが実際に使用されている状態で求められる。
そして、終期電圧値と、アクセサリスイッチがオフになったときに電圧検出手段が検出した初期電圧値との差値に対する終期電圧値と中途電圧値との各差値の比率が算出される。即ち、充放電終了直後の非平衡状態の開放電圧値と平衡状態の開放電圧値との差に対する開放電圧値の上昇値又は降下値の割合が算出される。
充放電終了直後の非平衡状態の開放電圧値、平衡状態の開放電圧値等は、特に、バッテリの充電量の多寡の影響を受けている。この影響を排除するために、終期電圧値と中途電圧値との差値が、初期電圧値と終期電圧値との差値によって正規化される。
充放電終了直後の非平衡状態の開放電圧値、平衡状態の開放電圧値等は、特に、バッテリの充電量の多寡の影響を受けている。この影響を排除するために、終期電圧値と中途電圧値との差値が、初期電圧値と終期電圧値との差値によって正規化される。
更に、算出された比率(即ち車両に搭載されているバッテリ自身に関するバッテリの充電量の多寡の影響を除いた特性)が、この比率に対応する中途電圧値を検出したタイミングに関連付けて記憶手段に記憶される。即ち、記憶手段は比率とタイミングとで記述される分極解消特性を記憶する。
そして、記憶手段に記憶されている比率と、この比率に関連付けられているタイミングとを用いて、アクセサリスイッチがオフになってから所定時間が経過しない間にアクセサリスイッチがオンになった場合に対応する比率が算出される。次いで、算出された比率と、アクセサリスイッチがオンになったときに電圧検出手段が検出した電圧値と、アクセサリスイッチがオフになったときに電圧検出手段が検出した初期電圧値とを用いて、開放電圧値が算出される。
即ち、分極が解消されない間にバッテリに対する充放電が再開された場合の非平衡状態の開放電圧値と、充放電終了直後の非平衡状態の開放電圧値と、記憶手段に記憶されている分極解消特性とを用いて、平衡状態の開放電圧値が予測される。
即ち、分極が解消されない間にバッテリに対する充放電が再開された場合の非平衡状態の開放電圧値と、充放電終了直後の非平衡状態の開放電圧値と、記憶手段に記憶されている分極解消特性とを用いて、平衡状態の開放電圧値が予測される。
第3発明の方法及び第7発明の装置にあっては、算出された比率と、この比率に対応する中途電圧値を検出したタイミングに関連付けて記憶手段に記憶されている比率との加重平均値が算出され、算出された加重平均値、即ち平均化された比率を、この比率に対応する中途電圧値を検出したタイミングに関連付けて記憶手段に記憶させる。即ち、電圧検出手段の検出結果の生データを用いて算出された比率と、記憶手段に記憶されている比率との加重平均値が算出される。
このようにして平均化された比率を求めることによって、今回の平衡状態に係る分極解消特性の算出結果に、前回以前の平衡状態に係る分極解消特性の算出結果が影響する。即ち、今回学習すべき分極解消特性に、前回までに学習してきた分極解消特性が影響する。このため、特に、バッテリの劣化度の経時変化(具体的には劣化度の増大)が、記憶手段に記憶される比率(即ち今回最終的に学習する分極解消特性)に反映される。
第4発明の方法にあっては、車両に搭載されているバッテリが取り替えられる都度、車両に搭載されているバッテリの電圧値を、電圧検出手段を用いて検出し、このバッテリの分極解消に伴って電圧検出手段の検出結果が平衡状態の開放電圧値に収斂する特性を算出する。
このため、現在車両に搭載されているバッテリの非平衡状態の開放電圧値と、以前車両に搭載されていたバッテリの特性、即ち現在車両に搭載されているバッテリの特性とは異なる特性とに基づいて、現在車両に搭載されているバッテリの平衡状態の開放電圧値が予測されることがない。
このため、現在車両に搭載されているバッテリの非平衡状態の開放電圧値と、以前車両に搭載されていたバッテリの特性、即ち現在車両に搭載されているバッテリの特性とは異なる特性とに基づいて、現在車両に搭載されているバッテリの平衡状態の開放電圧値が予測されることがない。
第8発明の装置にあっては、電圧判定手段及び禁止手段を更に備える。
バッテリの充電量が極端に小さい場合、バッテリの状態は異常である。このような異常状態で学習した特性に基づいて予測された平衡状態の開放電圧値は、誤差が大きいと考えられる。そして、バッテリの充電量は、電圧検出手段の検出結果に略対応する。
バッテリの充電量が極端に小さい場合、バッテリの状態は異常である。このような異常状態で学習した特性に基づいて予測された平衡状態の開放電圧値は、誤差が大きいと考えられる。そして、バッテリの充電量は、電圧検出手段の検出結果に略対応する。
そこで、電圧判定手段は、電圧検出手段の検出結果が所定電圧値以下であるか否かを判定することによって、このバッテリの状態が正常であるか否かを判定し、電圧判定手段が、電圧検出手段の検出結果が所定電圧値以下であると判定した場合(即ちバッテリの状態が異常であると判定した場合)、禁止手段は、記憶手段による比率の記憶を禁止する(即ち学習しないようにする)。
逆に、電圧判定手段が、電圧検出手段の検出結果が所定電圧値超過であると判定した場合(即ちバッテリの状態が正常であると判定した場合)、記憶手段による比率の記憶が実行される(即ち学習する)。
逆に、電圧判定手段が、電圧検出手段の検出結果が所定電圧値超過であると判定した場合(即ちバッテリの状態が正常であると判定した場合)、記憶手段による比率の記憶が実行される(即ち学習する)。
第1発明の開放電圧予測方法及び第5発明の開放電圧予測装置による場合、バッテリが実際に使用されている状態で検出された電圧値に基づいて、このバッテリ自身の特性を算出して記憶する(即ち学習する)ため、バッテリの構造差、材質差等の個体差、及びバッテリの充電量、劣化度、周辺温度等の使用状態が正確に反映された分極解消特性を簡易に求めることができる。
また、学習した特性に基づいて平衡状態の開放電圧値を予測するため、個体差及び使用状態が反映された分極解消特性に基づいて、平衡状態の開放電圧値を高精度で予測することができる。
しかも、バッテリの分極解消特性を求めるために、予め実験を行なう必要がない。
また、学習した特性に基づいて平衡状態の開放電圧値を予測するため、個体差及び使用状態が反映された分極解消特性に基づいて、平衡状態の開放電圧値を高精度で予測することができる。
しかも、バッテリの分極解消特性を求めるために、予め実験を行なう必要がない。
第2発明の開放電圧予測方法及び第6発明の開放電圧予測装置による場合、バッテリの非平衡状態の開放電圧値と、このバッテリが実際に使用されている状態で検出された開放電圧値の上昇値又は降下値を用いてなる分極解消特性とに基づいて平衡状態の開放電圧値を予測する。このため、バッテリの使用状態が反映された分極解消特性に基づいて、平衡状態の開放電圧値を高精度で予測することができる。しかも、ここで算出されている分極解消特性はバッテリの充電量の多寡の影響が排除されているため、予測結果も充電量の多寡の影響を受けていない。
第3発明の開放電圧予測方法及び第7発明の開放電圧予測装置による場合、バッテリの非平衡状態の開放電圧値と、このバッテリの劣化度の変化の影響を含む分極解消特性とに基づいて平衡状態の開放電圧値を予測するため、バッテリの使用状態、特にバッテリの劣化の進行の度合いが更に反映された分極解消特性に基づいて、平衡状態の開放電圧値を高精度で予測することができる。
第4発明の開放電圧予測方法による場合、車両に搭載されているバッテリの非平衡状態の開放電圧値と、このバッテリ自身の分極解消特性とに基づいて平衡状態の開放電圧値を予測するため、バッテリの個体差が反映された分極解消特性に基づいて、平衡状態の開放電圧値を高精度で予測することができる。
第8発明の開放電圧予測装置による場合、バッテリの非平衡状態の開放電圧値と、正常な状態のバッテリに係る分極解消特性とに基づいて平衡状態の開放電圧値を予測するため、正常な状態のバッテリの個体差及び使用状態が反映された分極解消特性に基づいて、平衡状態の開放電圧値を高精度で予測することができる。つまり、異常な状態のバッテリに係る分極解消特性に基づいて平衡状態の開放電圧値を予測することによって平衡状態の開放電圧値の予測精度が悪化することを抑制することができる。
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係る開放電圧予測方法を実行する開放電圧予測装置の概略構成を示すブロック図である。
図中1は開放電圧予測装置であり、開放電圧予測装置1は図示しない車両に搭載されている。また、開放電圧予測装置1は、CPU10と、信号線を介してCPU10に夫々接続されている電圧センサ11、電流センサ12、及び記憶部13とを備える。記憶部13は揮発性のメモリを用いてなり、CPU10は、記憶部13に対して各種のデータを読み書きする。ただし、車両が備える図示しないバッテリ端子からバッテリ2が取り外されることによって、記憶部13に記憶されているデータは自動的に消去される。
図1は、本発明の実施の形態に係る開放電圧予測方法を実行する開放電圧予測装置の概略構成を示すブロック図である。
図中1は開放電圧予測装置であり、開放電圧予測装置1は図示しない車両に搭載されている。また、開放電圧予測装置1は、CPU10と、信号線を介してCPU10に夫々接続されている電圧センサ11、電流センサ12、及び記憶部13とを備える。記憶部13は揮発性のメモリを用いてなり、CPU10は、記憶部13に対して各種のデータを読み書きする。ただし、車両が備える図示しないバッテリ端子からバッテリ2が取り外されることによって、記憶部13に記憶されているデータは自動的に消去される。
開放電圧予測装置1が、充放電による分極が解消された状態の開放電圧値(即ち平衡状態の開放電圧値)を予測すべき対象は、車両に搭載されているバッテリ2である。
バッテリ2は2つの作用極を有する蓄電池であり、一方の端子はオルタネータ32に接続され、他方の端子は接地されている。
バッテリ2は2つの作用極を有する蓄電池であり、一方の端子はオルタネータ32に接続され、他方の端子は接地されている。
オルタネータ32は交流の車載発電機であって、エンジン31の作動に連動して発電し、エンジン31の停止に連動して発電を停止する。このオルタネータ32が発電し整流した電力によって、バッテリ2は充電される。
ここで、車両のエンジン31は、図示しないイグニッションスイッチに付設されているアクセサリスイッチ4がオンになり、更にこのイグニッションスイッチがオンになった後で、イグニッションスイッチに付設されている始動スイッチがオンになった場合に始動する。
ここで、車両のエンジン31は、図示しないイグニッションスイッチに付設されているアクセサリスイッチ4がオンになり、更にこのイグニッションスイッチがオンになった後で、イグニッションスイッチに付設されている始動スイッチがオンになった場合に始動する。
また、バッテリ2及びオルタネータ32は、アクセサリスイッチ4を介してラジオ41、フォグランプ42、デフォガ43等の電気負荷に接続されており、これらの電気負荷に、オンになっているアクセサリスイッチ4を通じて給電する。
つまり、アクセサリスイッチ4がオンになった場合、バッテリ2に対する充放電が開始され、アクセサリスイッチ4がオフになった場合、バッテリ2に対する充放電が終了する。
本実施の形態においては、アクセサリスイッチ4がオフである場合は、大電力を要する電気負荷は使用されないものとする。
つまり、アクセサリスイッチ4がオンになった場合、バッテリ2に対する充放電が開始され、アクセサリスイッチ4がオフになった場合、バッテリ2に対する充放電が終了する。
本実施の形態においては、アクセサリスイッチ4がオフである場合は、大電力を要する電気負荷は使用されないものとする。
電圧センサ11はバッテリ2の電圧を検出して、検出結果をCPU10に与える。同様に、電流センサ12はバッテリ2に対して流入出する電流値を検出して、検出結果をCPU10に与える。
バッテリ2に電流が流入(又はバッテリ2から電流が流出)している場合に電流センサ12の検出結果が正の値となるようにしておき、電流センサ12の検出結果の積算値を求めることによって、CPU10は、バッテリ2の充電量を算出する。更にCPU10は、予測した平衡状態の開放電圧値に基づいて、バッテリ2の充電量を算出する。以上のようにして算出されたバッテリ2の充電量は、何れか一方のみを使用してもよく、一方の算出結果で他方の算出結果を補正してもよい。
バッテリ2に電流が流入(又はバッテリ2から電流が流出)している場合に電流センサ12の検出結果が正の値となるようにしておき、電流センサ12の検出結果の積算値を求めることによって、CPU10は、バッテリ2の充電量を算出する。更にCPU10は、予測した平衡状態の開放電圧値に基づいて、バッテリ2の充電量を算出する。以上のようにして算出されたバッテリ2の充電量は、何れか一方のみを使用してもよく、一方の算出結果で他方の算出結果を補正してもよい。
また、CPU10は、予測した平衡状態の開放電圧値に基づいて、バッテリ2の劣化度を算出する。
なお、前回算出した劣化度よりも今回算出した劣化度の方が小さい場合は、古いバッテリ2が新たなバッテリ2に取り替えられている。このため、算出した劣化度を不揮発性のメモリに記憶させておき、CPU10が劣化度を用いてバッテリ2の取り替えの有無を判定する構成でもよい。
なお、前回算出した劣化度よりも今回算出した劣化度の方が小さい場合は、古いバッテリ2が新たなバッテリ2に取り替えられている。このため、算出した劣化度を不揮発性のメモリに記憶させておき、CPU10が劣化度を用いてバッテリ2の取り替えの有無を判定する構成でもよい。
CPU10は、更に、アクセサリスイッチ4と信号線で接続されており、アクセサリスイッチ4がオンであることを示すオン信号を与えられる。このオン信号が与えられている(又は与えられていない)場合、CPU10は、アクセサリスイッチ4がオンである(又はオフである)と判定する。
開放電圧予測装置1が予測した平衡状態の開放電圧値は、バッテリ2の残蓄電量の指標として、表示部5に表示される。
開放電圧予測装置1が予測した平衡状態の開放電圧値は、バッテリ2の残蓄電量の指標として、表示部5に表示される。
ここで、開放電圧値は、バッテリ2に対して電流が流入出しない場合の電圧値である。しかしながら、車両には、アクセサリスイッチ4を経由せず、また、通常はオフにできない電気負荷群(CPU10、時計等)が備えられているので、実際には、バッテリ2の電流値を“0”にするのは困難である。このため、本実施の形態においては、電流センサ12が検出した電流値が、この電気負荷群の消費電流を考慮した所定電流値よりも小さい場合に電圧センサ11が検出した電圧値を、近似的な開放電圧値として使用する。
次に、本発明の開放電圧予測方法の基本的な考え方について、簡単のため、アクセサリスイッチ4がオフになった時点でのバッテリ2の充電量が一定値であるという仮定に基づいて説明する。
図2及び図3は、バッテリの充放電後の開放電圧値の時間変化を示す特性図であり、横軸は経過時間、縦軸は開放電圧値を示している。以下では、バッテリ2を例示する。
アクセサリスイッチ4がオフになってバッテリ2に対する充電が終了したタイミングTS の時点では、バッテリ2は分極が解消されていない非平衡状態にあり、図2に示すように、バッテリ2の開放電圧値は“VS”である。
図2及び図3は、バッテリの充放電後の開放電圧値の時間変化を示す特性図であり、横軸は経過時間、縦軸は開放電圧値を示している。以下では、バッテリ2を例示する。
アクセサリスイッチ4がオフになってバッテリ2に対する充電が終了したタイミングTS の時点では、バッテリ2は分極が解消されていない非平衡状態にあり、図2に示すように、バッテリ2の開放電圧値は“VS”である。
タイミングTS の後、タイミングT1 、タイミングT2 、タイミングT3 、…の順に時間が経過し、この時間経過に伴ってバッテリ2の分極が解消し、このためタイミングT1の時点の開放電圧値V1 、タイミングT2 の時点の開放電圧値V2 、タイミングT3の時点の開放電圧値V3 、…の順に開放電圧値が下降する。そして、分極が解消されて平衡状態になったタイミングTE の時点で、一定の開放電圧値、即ち平衡状態の開放電圧値VEに収束する。
開放電圧値Vn (ただし、0≦n≦N、変数nは“0”又は自然数、定数Nは自然数とする)は、電圧センサ11の検出結果の生データである。また、本実施の形態においては、タイミングTS (即ちタイミングT0 )からタイミングTE (即ちタイミングTN )までの経過時間を24時間とし、開放電圧値Vn は3時間置きに検出される。このため、定数N=8であり、また、開放電圧値V0 =開放電圧値VS 、開放電圧値VN =開放電圧値VE である。
つまり、開放電圧値VE (=開放電圧値VN )は、アクセサリスイッチ4がオフになってから所定時間(ここでは約24時間)が経過した場合に(即ちタイミングTE で)電圧センサ11が検出した終期電圧値であり、開放電圧値VS (=開放電圧値V0 )は、アクセサリスイッチ4がオフになったときに(即ちタイミングTS で)電圧センサ11が検出した初期電圧値である。また、開放電圧値V1 ,V2 ,V3 ,…は、アクセサリスイッチ4がオフになってから所定時間が経過するまでに所定のタイミングT1,T2 ,T3 ,…で電圧センサ11が検出した複数の中途電圧値である。
以下、終期電圧値を添字Eで示し、初期電圧値を添字Sで示す。
以下、終期電圧値を添字Eで示し、初期電圧値を添字Sで示す。
この開放電圧値VE と開放電圧値Vn とを用いて、開放電圧値VE と開放電圧値Vn との差値Dn が次の数式(1)に従って容易に算出される。
Dn =VE −Vn (≦0)…(1)
開放電圧予測装置1は、平衡状態の開放電圧値VE が電圧センサ11によって直接的に検出された場合に、タイミングTn と差値Dn とを算出し、記憶する(即ち学習する)。
Dn =VE −Vn (≦0)…(1)
開放電圧予測装置1は、平衡状態の開放電圧値VE が電圧センサ11によって直接的に検出された場合に、タイミングTn と差値Dn とを算出し、記憶する(即ち学習する)。
一方、アクセサリスイッチ4がオフになった後、平衡状態の開放電圧値VE が電圧センサ11によって直接的に検出されなかった場合、アクセサリスイッチ4がオンになったタイミングT' のときに、電圧センサ11は非平衡状態の開放電圧値V' を検出する。この検出のタイミングT' がタイミングTn に等しい場合、電圧センサ11の検出結果である開放電圧値V' に、タイミングTn に関連付けられている差値Dn を加算することによって、平衡状態の開放電圧値VE ' が次の数式(2)に従って容易に予測されることになる。
VE ' =V' +Dn …(2)
VE ' =V' +Dn …(2)
ここで、この検出のタイミングT' が、例えばタイミングTn とタイミングTn+1 との間のタイミングであった場合、タイミングTn,Tn+1 に関連付けられている差値Dn ,Dn+1 を用い、(Tn ,Dn )−(Tn+1 ,Dn+1 )間の特性を例えば指数関数で近似して、タイミングT' に関連付けられる差値DC を補間し、求めた差値DC を電圧センサ11の検出結果である開放電圧値V' に加算することによって、平衡状態の開放電圧値VE ' が次の数式(4)に従って容易に予測されることになる。
VE ' =V' +DC …(4)
VE ' =V' +DC …(4)
ただし、タイミングT' は、アクセサリスイッチ4がオンになった時点か、この時点の直前であることが望ましい。何故ならばアクセサリスイッチ4がオンになった後はバッテリ2に対する充放電が開始され、バッテリ2の電圧値が開放電圧値V' から大きく乖離する虞があるからである。
開放電圧予測装置1においては、このようなタイミングTn 及び差値Dn の関係を、充電に係るバッテリ2の分極解消特性として学習しておくことによって、平衡状態の開放電圧値VE 'の予測が可能となる。この分極解消特性の学習は、バッテリ2が車両に搭載されている状態で、電圧センサ11の検出結果を用いて行なわれる。このため、学習結果である分極解消特性に、バッテリ2の個体差及び使用状態が反映される。
しかしながら、実際には、アクセサリスイッチ4がオフになった時点でのバッテリ2の充電量は一定値ではなく、しかも、開放電圧値VS 、開放電圧値VE 等は、バッテリ2の充電量の多寡に応じて変化し、例えばバッテリ2の充電量が多いほど開放電圧値VE は高い。従って、学習すべき分極解消特性からバッテリ2の充電量の多寡の影響を除外する必要がある。このために、本実施の形態における開放電圧予測装置1は、開放電圧値VE と開放電圧値VS との差値DESに対する差値Dn の比率Rn を次の数式(5)に従って算出し、算出した比率Rn とタイミングTn とを学習する。
Rn =(VE −Vn )/(VE −VS )
=Dn /DES(≧0)…(5)
つまり、差値Dn を差値DESで正規化することによって、バッテリ2の充電量の多寡の影響が除外される。
なお、このように差値D1 ,D2 ,…を差値DESで正規化しない場合は、例えば、バッテリ2の充電量毎に差値D1 ,D2 ,…を分極解消特性として学習し、充電量に応じて所定の係数を差値D1 ,D2 ,…に乗算することによって、バッテリ2の充電量の多寡の影響を除外してもよい。
=Dn /DES(≧0)…(5)
つまり、差値Dn を差値DESで正規化することによって、バッテリ2の充電量の多寡の影響が除外される。
なお、このように差値D1 ,D2 ,…を差値DESで正規化しない場合は、例えば、バッテリ2の充電量毎に差値D1 ,D2 ,…を分極解消特性として学習し、充電量に応じて所定の係数を差値D1 ,D2 ,…に乗算することによって、バッテリ2の充電量の多寡の影響を除外してもよい。
一方、アクセサリスイッチ4がオフになった後、平衡状態の開放電圧値VE が電圧センサ11によって直接的に検出されなかった場合、アクセサリスイッチ4がオンになったタイミングT' のときに、電圧センサ11は非平衡状態の開放電圧値V' を検出する。また、アクセサリスイッチ4がオフになった場合に、電圧センサ11は初期電圧値である非平衡状態の開放電圧値VS 'を検出する。
この場合に予想される平衡状態の開放電圧値をVE'とすると、開放電圧値VE'と開放電圧値VS'との差値に対する開放電圧値VE 'と開放電圧値V' との差値に対する比率R' は、次の数式(6)に従って求められる。
R' =(VE ' −V' )/(VE ' −VS ' )…(6)
この検出のタイミングT' がタイミングTn に等しい場合、タイミングTn に関連付けられている比率Rn を用いて、平衡状態の開放電圧値VE 'が次の数式(7)に従って容易に予測される。
Rn =(VE ' −V' )/(VE ' −VS ' )
VE'=(Rn VS ' −V' )/(Rn −1)…(7)
R' =(VE ' −V' )/(VE ' −VS ' )…(6)
この検出のタイミングT' がタイミングTn に等しい場合、タイミングTn に関連付けられている比率Rn を用いて、平衡状態の開放電圧値VE 'が次の数式(7)に従って容易に予測される。
Rn =(VE ' −V' )/(VE ' −VS ' )
VE'=(Rn VS ' −V' )/(Rn −1)…(7)
また、この検出のタイミングT' が、例えばタイミングTn とタイミングTn+1 との間のタイミングであった場合、タイミングTn,Tn+1 に関連付けられている比率Rn ,Rn+1 を用い、(Tn ,Rn)−(Tn+1 ,Rn+1 )間の特性を例えば指数関数で近似して、タイミングT' に関連付けられる比率RC を補間し、求めた比率RC を用いて、平衡状態の開放電圧値VE ' が次の数式(8)に従って容易に予測される。
VE'=(RC VS ' −V' )/(RC −1)…(8)
VE'=(RC VS ' −V' )/(RC −1)…(8)
さて、バッテリ2の充電量以外にも、バッテリ2の周辺温度、バッテリ2自身の劣化度等が平衡状態の開放電圧値に影響を与える。特に、バッテリ2の劣化度は、バッテリ2が車両に搭載されてからの時間経過に伴って増大する。従って、学習すべき分極解消特性にバッテリ2の劣化度の変化を反映させる必要がある。このために、本実施の形態においては、今回前述のように算出した比率RLnと前回までの学習結果である比率RRnとの加重平均を求めることによって、平均化された比率Rn を算出する。以下では、今回の値を添字Lで示し、前回の値を添字Rで示す。
本実施の形態においては加重平均法として指数平滑化法が用いられ、具体的には、今回前述のように算出した比率RLn、前回までの学習結果である比率RRn、及び係数α(0<α<1)とすると、平均化されたRn は、次の数式(9)に従って算出される。
Rn =αRRn+(1−α)RLn…(9)
Rn =αRRn+(1−α)RLn…(9)
つまり、今回のデータ(即ち比率RLn)に対し、適宜の重み付けを施した過去のデータ(即ち比率RRn)を反映させることによって、バッテリ2の周辺温度、劣化度等の変化のような経時的な影響が分極解消特性に反映する。このために、係数αは、比率RLnに対する比率RRnの影響の大きさに応じて予め(例えば工場出荷時に)設定されている。なお、例えば前回の学習終了から今回の学習実行までの経過時間、又は前回の学習時点の周辺温度と今回の学習時点の周辺温度との差等に応じてCPU10が係数αを算出してもよい。
一方、アクセサリスイッチ4がオフになってバッテリ2に対する放電が終了したタイミングTS の時点では、バッテリ2は分極が解消されていない非平衡状態にあり、図3に示すように、バッテリ2の開放電圧値は“VS ”である。
タイミングTS の後、タイミングT1 、タイミングT2 、…の順に時間が経過し、この時間経過に伴ってバッテリ2の分極が解消し、このためタイミングT1 の時点の開放電圧値V1 、タイミングT2 の時点の開放電圧値V2 、…の順に開放電圧値が上昇する。そして、分極が解消されて平衡状態になったタイミングTE の時点で、一定の開放電圧値、即ち平衡状態の開放電圧値VE に収束する。
タイミングTS の後、タイミングT1 、タイミングT2 、…の順に時間が経過し、この時間経過に伴ってバッテリ2の分極が解消し、このためタイミングT1 の時点の開放電圧値V1 、タイミングT2 の時点の開放電圧値V2 、…の順に開放電圧値が上昇する。そして、分極が解消されて平衡状態になったタイミングTE の時点で、一定の開放電圧値、即ち平衡状態の開放電圧値VE に収束する。
この場合の開放電圧値VE と開放電圧値Vn とを用いて、開放電圧値VE と開放電圧値Vn との差値Dn は次の数式(10)に従って算出される。
Dn =VE −Vn (≧0)…(10)
そして、開放電圧予測装置1は、開放電圧値VE と開放電圧値VS との差値DESに対する差値Dn の比率Rn を次の数式(11)に従って算出し、算出した比率Rn とタイミングTn とを学習しておく。
Rn =(VE −Vn )/(VE −VS )
=Dn /DES(≧0)…(11)
Dn =VE −Vn (≧0)…(10)
そして、開放電圧予測装置1は、開放電圧値VE と開放電圧値VS との差値DESに対する差値Dn の比率Rn を次の数式(11)に従って算出し、算出した比率Rn とタイミングTn とを学習しておく。
Rn =(VE −Vn )/(VE −VS )
=Dn /DES(≧0)…(11)
つまり、放電に係るバッテリ2の分極解消特性の学習方法及び平衡状態の開放電圧値の予測方法は、充電に係る分極解消特性の学習方法及び平衡状態の開放電圧値の予測方法と略同様の考え方でよい。
図4及び図5は、CPU10が実行する電圧予測処理の手順を示すフローチャートである。
CPU10は、アクセサリスイッチ4がオフになったか否かを判定し(S11)、オフになっていない場合は(S11でNO)、S11の処理を繰り返す。
アクセサリスイッチ4がオフになった場合(S11でYES)、CPU10は、例えば図示しないタイマを用いて計時を開始し(S12)、このときの電圧センサ11の検出結果である開放電圧VLS(=VL0)を電圧センサ11から読み込んで記憶部13に記憶させる(S13)。
CPU10は、アクセサリスイッチ4がオフになったか否かを判定し(S11)、オフになっていない場合は(S11でNO)、S11の処理を繰り返す。
アクセサリスイッチ4がオフになった場合(S11でYES)、CPU10は、例えば図示しないタイマを用いて計時を開始し(S12)、このときの電圧センサ11の検出結果である開放電圧VLS(=VL0)を電圧センサ11から読み込んで記憶部13に記憶させる(S13)。
そして、CPU10は、S13における電圧センサ11の検出結果が所定電圧値以下であるか否かを判定する(S14)。ここで用いる所定電圧値は、バッテリ2の充電量が極端に少ない場合に対応する電圧値であり、電圧センサ11の検出結果がこの所定電圧値以下である場合は、バッテリ2は異常な状態にある。そして、このような状態にあるバッテリ2の分極解消特性は学習しないようにする必要がある。
S13における電圧センサ11の検出結果が所定電圧値以下であると判定した場合(S14でYES)、CPU10は、S12で開始した計時を終了し(S15)、電圧予測処理を終了する。このとき、表示部5を用いてバッテリ2の異常を報知し、また、S13で記憶させた開放電圧VLSを消去する。
S13における電圧センサ11の検出結果が所定電圧値以下であると判定した場合(S14でYES)、CPU10は、S12で開始した計時を終了し(S15)、電圧予測処理を終了する。このとき、表示部5を用いてバッテリ2の異常を報知し、また、S13で記憶させた開放電圧VLSを消去する。
S13における電圧センサ11の検出結果が所定電圧値を超過している場合(S14でNO)、CPU10は第1所定時間(経過時間3時間毎。具体的には3時間、6時間、…、21時間、又は24時間)が経過したか否かを判定し(S16)、経過した場合は(S16でYES)、この場合の電圧センサ11の検出結果である開放電圧VLnを電圧センサ11から読み込んで、検出のタイミングTLnと共に記憶部13に記憶させる(S17)。
S17の処理完了後、又は第1所定時間が経過していない場合(S16でNO)、CPU10は第2所定時間(具体的には24時間)が経過しているか否かを判定し(S19)、経過した場合は(S19でYES)、計時を終了して(S20)、特性学習処理を行なうサブルーチン(図6参照)を呼び出し、第2所定時間が経過した場合(即ちS19でYESの場合)の電圧センサ11の検出結果である開放電圧VLEと、記憶部13に記憶してある開放電圧VLS,VLnとを用い、特性学習処理を実行する(S21)。S21の処理完了後、CPU10はアクセサリスイッチ4がオンになったか否かを判定し(S22)、オフのままである場合は(S22でNO)、S22の処理を繰り返す。
S21の特性学習処理を実行することによって、記憶部13には、分極解消特性の学習結果として、タイミングT0 ,T1 ,T2 ,…, TN に関連付けて、比率RS ,R1 ,R2 ,…,RE が記憶される。
このようにS12〜S21の処理を繰り返すことによって、開放電圧予測装置1は、正常な状態のバッテリ2の分極解消特性を繰り返し学習する。
このようにS12〜S21の処理を繰り返すことによって、開放電圧予測装置1は、正常な状態のバッテリ2の分極解消特性を繰り返し学習する。
第2所定時間が経過していない場合(S19でNO)、CPU10は、アクセサリスイッチ4がオンになったか否かを判定し(S23)、オフのままである場合は(S23でNO)、処理をS16へ戻す。
アクセサリスイッチ4がオンになった場合(S23でYES)、CPU10は計時を終了する(S24)。次いでCPU10は、アクセサリスイッチ4がオンになったとき(即ちS23でYESの場合)の電圧センサ11の検出結果である開放電圧V' と検出のタイミングT' とを用いて、記憶部13を参照し、タイミングT' =タイミングTn のときは比率Rn を求め、タイミングTn <タイミングT' <タイミングTn+1 のときは比率RC を求める(S25)。そしてCPU10は、数式(7)又は数式(8)に従い、平衡状態の開放電圧値VE ' を算出する(S26)。
最後にCPU10は、S26で算出した開放電圧値VE ' を用いてバッテリ2の充電量を算出し(S27)、処理をS11に戻す。
一方、アクセサリスイッチ4がオンになった場合(S22でYES)、CPU10は、S19でYESの場合の電圧センサ11の検出結果、即ち平衡状態の開放電圧VLEを用いて、S27にてバッテリ2の充電量を算出する。
この後、例えば、S27における算出結果が小さい場合、バッテリ2の充電量が不足しているため、CPU10は、優先度の低い電気負荷に対するバッテリ2からの給電を行なわないようにする。
一方、アクセサリスイッチ4がオンになった場合(S22でYES)、CPU10は、S19でYESの場合の電圧センサ11の検出結果、即ち平衡状態の開放電圧VLEを用いて、S27にてバッテリ2の充電量を算出する。
この後、例えば、S27における算出結果が小さい場合、バッテリ2の充電量が不足しているため、CPU10は、優先度の低い電気負荷に対するバッテリ2からの給電を行なわないようにする。
以上のような電圧予測処理における電圧センサ11は電圧検出手段として機能し、S21におけるCPU10は特性算出手段として機能し、S25及びS26におけるCPU10は予測手段として機能する。更に詳細には、S25におけるCPU10は対応算出手段として機能し、S26におけるCPU10は電圧算出手段として機能する。
また、S14におけるCPU10は電圧判定手段として機能し、S14でYESの場合にS16以降の処理を行なわないことによって、CPU10は禁止手段として機能する。
また、S14におけるCPU10は電圧判定手段として機能し、S14でYESの場合にS16以降の処理を行なわないことによって、CPU10は禁止手段として機能する。
図6は、CPU10が実行する特性学習処理手順のサブルーチンを示すフローチャートである。
CPU10は、比率RL0(=(VLE−VL0)/(VLE−VLS))に“1”を代入し(S51)、比率RLN(=(VLE−VLN)/(VLE−VLS))に“0”を代入し(S52)、差値DES(=VLE−VLS)を算出する(S53)。そして、CPU10は変数nに1を代入して(S54)、処理をS55へ移す。
CPU10は、比率RL0(=(VLE−VL0)/(VLE−VLS))に“1”を代入し(S51)、比率RLN(=(VLE−VLN)/(VLE−VLS))に“0”を代入し(S52)、差値DES(=VLE−VLS)を算出する(S53)。そして、CPU10は変数nに1を代入して(S54)、処理をS55へ移す。
CPU10は、数式(1)に従って、今回の差値DLn(=VLE−VLn)を算出し(S55)、次に、数式(5)に従って、今回の比率RLn(=DLn/DES)を算出する(S56)。
更にCPU10は、記憶部13に前回までの比率RRnが既に記憶されているか否かを判定する(S57)。前回までの比率RRnが既に記憶されている場合(S57でYES)、CPU10は、数式(9)に従って、加重平均法で平均化された比率Rn (=αRRn+(1−α)RLn)を算出して(S58)、S58の算出結果である比率Rn を記憶部13に記憶させる(S59)。
更にCPU10は、記憶部13に前回までの比率RRnが既に記憶されているか否かを判定する(S57)。前回までの比率RRnが既に記憶されている場合(S57でYES)、CPU10は、数式(9)に従って、加重平均法で平均化された比率Rn (=αRRn+(1−α)RLn)を算出して(S58)、S58の算出結果である比率Rn を記憶部13に記憶させる(S59)。
前回までの比率RRnがまだ記憶されていない場合は(S57でNO)、例えばバッテリ2の取り替えによって記憶部13に記憶されているデータが消去された後なので、CPU10は、S56にて算出した今回の比率RLnを比率Rn に代入して(S60)、処理をS59へ移し、比率Rn を記憶部13に記憶させる。
S59の処理完了後、CPU10は変数nに“1”を加算し(S61)、変数nが定数N以上であるか否かを判定して(S62)、n<Nである場合は(S62でNO)、処理をS55へ戻す。
n≧Nである場合(S62でYES)、CPU10は特性学習処理を終了して処理を元のルーチンへ戻す。
n≧Nである場合(S62でYES)、CPU10は特性学習処理を終了して処理を元のルーチンへ戻す。
このような特性学習処理のS55におけるCPU10は差値算出手段として機能し、S56におけるCPU10は比率算出手段として機能し、S58におけるCPU10は平均算出手段として機能する。
また、S59における記憶部13は、CPU10に制御されて、記憶手段として機能する。
更に、揮発性を有する記憶部13を用いることによって、バッテリ2が取り替えられる都度、取り替え前のバッテリ2に係る分極解消特性が記憶部13から消去され、取り替えられた後のバッテリ2に係る分極解消特性が新たに算出されて、記憶部13に記憶される。
また、S59における記憶部13は、CPU10に制御されて、記憶手段として機能する。
更に、揮発性を有する記憶部13を用いることによって、バッテリ2が取り替えられる都度、取り替え前のバッテリ2に係る分極解消特性が記憶部13から消去され、取り替えられた後のバッテリ2に係る分極解消特性が新たに算出されて、記憶部13に記憶される。
以上のような開放電圧予測装置1が実行する開放電圧予測方法では、車両に搭載されているバッテリ2の個体毎に、分極解消特性が、バッテリ2の経時変化に対応しつつ学習される。また、過去のデータの重み付けを行なうことによって、バッテリ2の劣化進行に対応した分極解消特性が学習される。
更に、バッテリ2がバッテリ端子から取り外された後に再度接続された場合も、分極解消特性が再学習される。
このように学習又は再学習された分極解消特性に基づいて平衡状態の開放電圧値が予測される。ここで、バッテリ2の分極解消特性に関する学習がまだ行なわれていないのに平衡状態の開放電圧値を予測しなければならない場合のために、適宜の分極解消特性を予め設定しておいてもよい。
更に、バッテリ2がバッテリ端子から取り外された後に再度接続された場合も、分極解消特性が再学習される。
このように学習又は再学習された分極解消特性に基づいて平衡状態の開放電圧値が予測される。ここで、バッテリ2の分極解消特性に関する学習がまだ行なわれていないのに平衡状態の開放電圧値を予測しなければならない場合のために、適宜の分極解消特性を予め設定しておいてもよい。
なお、過去のデータを反映させずに、直前のデータのみから導き出した分極解消特性に基づいて平衡状態の開放電圧値を予測してもよい。
また、第1所定時間は3時間毎に限るものではなく、第2所定時間は24時間以上であればよい。
また、第1所定時間は3時間毎に限るものではなく、第2所定時間は24時間以上であればよい。
1 開放電圧予測装置
10 CPU
11 電圧センサ(電圧検出手段)
13 記憶部(記憶手段)
2 バッテリ
31 エンジン
32 オルタネータ
4 アクセサリスイッチ
41 ラジオ(電気負荷)
42 フォグランプ(電気負荷)
43 デフォガ(電気負荷)
10 CPU
11 電圧センサ(電圧検出手段)
13 記憶部(記憶手段)
2 バッテリ
31 エンジン
32 オルタネータ
4 アクセサリスイッチ
41 ラジオ(電気負荷)
42 フォグランプ(電気負荷)
43 デフォガ(電気負荷)
Claims (8)
- 車両に搭載されているバッテリの電圧値を検出する電圧検出手段を用い、
前記バッテリから電気負荷への給電をオン/オフするアクセサリスイッチがオフである場合に前記バッテリの充放電による分極が解消され、且つ、前記バッテリに対して電流が流入出しない場合の開放電圧値を予測する開放電圧予測方法において、
前記電圧検出手段の検出結果が、前記分極の解消に伴って前記開放電圧値に収斂する特性を算出し、
算出した特性を記憶し、
前記分極が解消されない間に前記アクセサリスイッチがオンになった場合の前記電圧検出手段の検出結果と、記憶されている前記特性とに基づいて、前記開放電圧値を予測することを特徴とする開放電圧予測方法。 - 前記特性を算出するために、
前記アクセサリスイッチがオフになってから前記分極の解消に要する所定時間が経過する都度、該所定時間が経過した場合に前記電圧検出手段が検出した終期電圧値と、前記所定時間が経過するまでに所定のタイミングで前記電圧検出手段が検出した複数の中途電圧値との差値を夫々算出し、
前記終期電圧値と、前記オフになったときに前記電圧検出手段が検出した初期電圧値との差値に対する前記終期電圧値と前記中途電圧値との各差値の比率を算出し、
算出した比率を、該比率に対応する中途電圧値を検出したタイミングに関連付けて記憶し、
前記開放電圧値を予測するために、
記憶されている比率と該比率に関連付けられているタイミングとを用いて、前記アクセサリスイッチがオフになってから前記所定時間が経過しない間に前記アクセサリスイッチがオンになった場合に対応する比率を算出し、
算出した比率と、前記オンになったときに前記電圧検出手段が検出した電圧値と、前記オフになったときに前記電圧検出手段が検出した初期電圧値とを用いて、前記開放電圧値を算出することを特徴とする請求項1に記載の開放電圧予測方法。 - 算出した比率と、該比率に対応する中途電圧値を検出したタイミングに関連付けて記憶されている比率との加重平均値を算出し、
平均化された比率を、該比率に対応する中途電圧値を検出したタイミングに関連付けて記憶することを特徴とする請求項2に記載の開放電圧予測方法。 - 前記バッテリが取り替えられる都度、前記特性を新たに算出することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の開放電圧予測方法。
- 車両に搭載されているバッテリの電圧値を検出する電圧検出手段を備え、
前記バッテリから電気負荷への給電をオン/オフするアクセサリスイッチがオフである場合に前記バッテリの充放電による分極が解消され、且つ、前記バッテリに対して電流が流入出しない場合の開放電圧値を予測する開放電圧予測装置において、
前記電圧検出手段の検出結果が、前記分極の解消に伴って前記開放電圧値に収斂する特性を算出する特性算出手段、
該特性算出手段が算出した特性を記憶する記憶手段、及び、
前記分極が解消されない間に前記アクセサリスイッチがオンになった場合の前記電圧検出手段の検出結果と、前記記憶手段に記憶されている前記特性とに基づいて、前記開放電圧値を予測する予測手段
を備えることを特徴とする開放電圧予測装置。 - 前記特性算出手段は、
前記アクセサリスイッチがオフになってから前記分極の解消に要する所定時間が経過する都度、該所定時間が経過した場合に前記電圧検出手段が検出した終期電圧値と、前記所定時間が経過するまでに所定のタイミングで前記電圧検出手段が検出した複数の中途電圧値との差値を夫々算出する差値算出手段、及び、
前記終期電圧値と、前記オフになったときに前記電圧検出手段が検出した初期電圧値との差値に対する前記差値算出手段の各算出結果の比率を算出する比率算出手段
を有し、
前記記憶手段は、前記比率算出手段が算出した比率を、該比率に対応する中途電圧値を検出したタイミングに関連付けて記憶するようにしてあり、
前記予測手段は、
前記記憶手段に記憶されている比率と該比率に関連付けられているタイミングとを用いて、前記アクセサリスイッチがオフになってから前記所定時間が経過しない間に前記アクセサリスイッチがオンになった場合に対応する比率を算出する対応算出手段、及び、
該対応算出手段が算出した比率と、前記オンになったときに前記電圧検出手段が検出した電圧値と、前記オフになったときに前記電圧検出手段が検出した初期電圧値とを用いて、前記開放電圧値を算出する電圧算出手段
を有することを特徴とする請求項5に記載の開放電圧予測装置。 - 前記比率算出手段が算出した比率と、該比率に対応する中途電圧値を検出したタイミングに関連付けて前記記憶手段に記憶されている比率との加重平均値を算出する平均算出手段を更に備え、
前記記憶手段は、前記平均算出手段によって平均化された比率を、該比率に対応する中途電圧値を検出したタイミングに関連付けて記憶するようにしてあることを特徴とする請求項6に記載の開放電圧予測装置。 - 前記電圧検出手段の検出結果が所定電圧値以下であるか否かを判定する電圧判定手段、及び、
該電圧判定手段が、前記所定電圧値以下であると判定した場合、前記記憶手段による比率の記憶を禁止する禁止手段
を更に備えることを特徴とする請求項5乃至7の何れか一項に記載の開放電圧予測装置。
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