JP2008185686A - 表示素子の駆動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示速度が速く、かつ白の反射率が高い表示素子の駆動方法を提供する。
【解決手段】対向電極間に、銀または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質を含有し、銀の溶解析出を生じさせるように対向電極間の電圧を制御する操作を行う表示素子の駆動方法において、アクティブマトリクス方式により駆動され、かつ電解質に存在している銀の析出過電圧をAとしたとき、非表示画素の対向電極間に印加する電圧は、0.2A〜1.0Aの間になるように制御して非表示画像を表示することを特徴とする表示素子の駆動方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、銀の溶解析出を利用した電気化学的な表示素子の駆動方法に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの動作速度の向上、ネットワークインフラの普及、データストレージの大容量化と低価格化に伴い、従来紙への印刷物で提供されたドキュメントや画像等の情報を、より簡便な電子情報として入手、電子情報を閲覧する機会が益々増大している。
この様な電子情報の閲覧手段として、従来の液晶ディスプレイやCRT、また近年では、有機ELディスプレイ等の発光型が主として用いられているが、特に、電子情報がドキュメント情報の場合、比較的長時間にわたってこの閲覧手段を注視する必要があり、これらの行為は必ずしも人間に優しい手段とは言い難く、一般に発光型のディスプレイの欠点として、フリッカーで目が疲労する、持ち運びに不便、読む姿勢が制限され、静止画面に視線を合わせる必要が生じる、長時間読むと消費電力が嵩む等が知られている。
これらの欠点を補う表示手段として、外光を利用し、像保持の為に電力を消費しない(メモリー性)反射型ディスプレイが知られているが、下記の理由で十分な性能を有しているとは言い難い。
すなわち、反射型液晶等の偏光板を用いる方式は、反射率が約40%と低いため白表示に難があり、また構成部材の作製に用いる製法の多くは簡便とは言い難い。また、ポリマー分散型液晶は高い電圧を必要とし、また有機物同士の屈折率差を利用しているため、得られる画像のコントラストが十分でない。また、ポリマーネットワーク型液晶は電圧高いことと、メモリー性を向上させるために複雑なTFT回路が必要である等の課題を抱えている。また、電気泳動法による表示素子は、10V以上の高い電圧が必要となり、電気泳動性粒子凝集による耐久性に懸念がある。
これら上述の各方式の欠点を解消する表示方式として、金属または金属塩の溶解析出を利用するエレクトロデポジション方式(以下、ED方式と略す)が知られている。ED方式は、3V以下の低電圧で駆動が可能で、簡便なセル構成、黒と白のコントラストや黒品質に優れる等の利点があり、様々な方法が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
また、特許文献4には、ED方式の表示素子における表示速度の低下を防止する目的で、画素電極単位に物理的なバンクを形成する技術が提案されている。
米国特許第4,240,716号明細書 特許第3428603号公報 特開2003−241227号公報 特開2005−266339号公報
しかしながら、本発明者は、上記特許文献1〜3に開示されている各技術を詳細に検討した結果、図1に記載のように、透明電極上に銀を析出させない場合は、透明電極(表示側電極)と対向電極(非表示側電極)との間の電圧を実質的に0Vに制御し、透明電極上に銀を析出させる場合は、透明電極と対向電極間の電圧を、銀の析出過電圧以上に制御する従来の駆動方法では、隣接する電圧が異なる駆動側の画素電極間に好ましくない電界がかかり、透明電極上の銀の析出量が損失する結果、表示速度が低下してしまう課題があることが判明した。
図1は、面順次に対向電極(非表示側電極)を配列した表示素子の一例を示す概略断面図である。
図1において、表示側に透明電極2(例えば、ITO電極)を配置し、透明電極2と対向する非表示側の位置に、TFT1上に非表示側の対向電極として、電極A、電極B、電極Cがそれぞれ面順次の配列で設けられている。また、透明電極2と対向電極(電極A、電極B、電極C)の間には、銀または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質3が充填されている。例えば、電極A及び電極Cを駆動されて黒表示を行い、電極Bにより白表示を行う場合、透明電極2の電圧を0Vとした状態で、電極Bの電圧も0Vとすることにより、透明電極2上では、銀の析出が生じない結果、白画像が表示される。一方、黒表示を行う電極A、電極Cに対しては、銀の析出過電圧以上の電圧として、+1.5Vを印加することで、透明電極2上に銀が析出を起こし、銀による黒画像4が形成される。しかしながら、面順次に配列されている電極に対し、異なる電圧を印加した場合、すなわち、図1において、電極A、電極Cが+1.5Vに印加し、電極Bには印加しない(0V)である場合には、電極Aと電極B間、あるいは電極Bと電極C間で好ましくない電界Aがかかり、透明電極2上への電極A、電極Cによる銀4の析出量が減少してしまう結果となる。
銀の析出過電圧を利用して駆動方法を工夫する技術としては、例えば、特許文献4が挙げられるが、上記課題に対する改良技術には至っていないのが現状である。
また、上述の表示速度の低下の対策として、特許文献4により、画素電極単位に物理的なバンクを形成する技術が挙げられるが、この場合、透明電極側の開口率が低下してしまい白の反射率が下がる問題が起こる。
図2は、面順次に対向電極(非表示側電極)を配列し、対向電極間に隔壁を設けた表示素子の一例を示す概略断面図である。
図2において、表示側に透明電極2(例えば、ITO電極)を配置し、透明電極2と対向する非表示側の位置に、TFT1上に対向電極として、電極A、電極B、電極Cがそれぞれ面順次の配列で設けられている。また、透明電極2と対向電極(電極A、電極B、電極C)の間には、銀または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質3が充填されている。ここで、上記図1に記載した構成で隣接する電極間で生じる不正な電界の発生を防止するために、各電極間にバンク5を設ける方式である。確かに、電極間に隔壁(バンク)を設けることにより、隣接する電極間に発生する電界を防止することはできるが、表示画像上でバンク部分が一定面積を占めるため、表示画像部における表示部の占有面積(開口面積)が低下し、特に、白表示を行った際に、バンク部分の影響により白表示における反射率の低下を引き起こす結果となる。
従って、本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、表示速度が速く、かつ白の反射率が高い表示素子の駆動方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.対向電極間に、銀または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質を含有し、銀の溶解析出を生じさせるように対向電極間の電圧を制御する操作を行う表示素子の駆動方法において、アクティブマトリクス方式により駆動され、かつ電解質に存在している銀の析出過電圧をAとしたとき、非表示画素の対向電極間に印加する電圧は、0.2A〜1.0Aの間になるように制御して非表示画像を表示することを特徴とする表示素子の駆動方法。
2.対向電極間に、銀または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質層を含有し、銀の溶解析出を生じさせるように対向電極間の電圧を制御する操作を行う表示素子の駆動方法において、アクティブマトリクス方式により駆動され、電解質に存在している銀の析出過電圧のAとしたとき、非表示画素の対向電極間に印加する電圧は、0.2A〜1.0Aの間になるように制御して非表示画像を形成し、かつ中間濃度を表示する画素の対向電極間に印加する電圧は、最初に析出過電圧Aの0.2A〜1.0Aの間になるように制御し、次に析出過電圧A以上になるように制御することを特徴とする表示素子の駆動方法。
3.前記対向電極のうち、電圧を制御する電極側で隣接する電極の間隔をL、対向電極間の間隔をHとしたとき、H/Lが2以下であることを特徴とする前記1または2に記載の表示素子の駆動方法。
4.前記電解質が、下記一般式(1)で表される化合物を含有していることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の表示素子の駆動方法。
一般式(1)
+11121314・X-
〔式中、R11、R12、R13、R14は各々アルキル基、アリール基、複素環基またはアラルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。X-はアニオンを表す。〕
5.前記電解質が、メルカプト系化合物を含有していることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の表示素子の駆動方法。
6.前記メルカプト系化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする前記5に記載の表示素子の駆動方法。
Figure 2008185686
〔式中、Mは水素原子、金属原子または4級アンモニウムを表し、Zは含窒素複素環を表す。nは0〜5の整数を表し、R1は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホニル基、アミノ基、ヒドロキシ基または複素環基を表し、nが2以上の場合、それぞれのR1は同じであってもよく、異なってもよく、お互いに連結して縮合環を形成してもよい。〕
7.前記電解質に含まれるハロゲンイオンまたはハロゲン原子のモル濃度を[X](モル/kg)とし、前記電解質に含まれる銀または銀を化学構造中に含む化合物の銀の総モル濃度を[Ag](モル/kg)としたとき、下式(1)で規定する条件を満たすことを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の表示素子の駆動方法。
式(1) 0≦[X]/[Ag]≦0.01
本発明により、表示速度が速く、かつ白の反射率が高い表示素子の駆動方法を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、1)対向電極間に、銀または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質を含有し、銀の溶解析出を生じさせるように対向電極間の電圧を制御する操作を行う表示素子において、アクティブマトリクス方式により駆動され、かつ電解質に存在している銀の析出過電圧をAとしたとき、非表示画素の対向電極間に印加する電圧は、0.2A〜1.0Aの間になるように制御して非表示画像を表示することを特徴とする表示素子の駆動方法、または2)対向電極間に、銀または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質層を含有し、銀の溶解析出を生じさせるように対向電極間の電圧を制御する操作を行う表示素子において、アクティブマトリクス方式により駆動され、電解質に存在している銀の析出過電圧のAとしたとき、非表示画素の対向電極間に印加する電圧は、0.2A〜1.0Aの間になるように制御して非表示画像を形成し、かつ中間濃度を表示する画素の対向電極間に印加する電圧は、最初に析出過電圧Aの0.2A〜1.0Aの間になるように制御し、次に析出過電圧A以上になるように制御することを特徴とする表示素子の駆動方法とすることにより、特に、面順次に配列された非表示側電極間での電界の発生を防止することにより、表示速度が速く、かつ白の反射率が高い表示素子の駆動方法を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
《表示素子の駆動方法》
本発明の表示素子においては、表示側電極上に黒化銀を析出させる場合、析出過電圧以上の電圧を対向電極間に印加し、銀を析出させない状態においても、析出過電圧Aの0.2A〜1.0Aの範囲で、対向電極間に電圧を印加する駆動操作を行うことを特徴とする。一般に、電気化学分野の電極反応において、過電圧が存在することは公知である。例えば、過電圧については「電子移動の化学−電気化学入門」(1996年 朝倉書店刊)の121ページに詳しい解説がある。本発明の表示素子も、電極と電解質中の銀との電極反応と見なすことができるので、銀溶解析出においても過電圧が存在することは容易に理解できる。
銀を析出させない状態、すなわち、表示画像として白表示を行う場合においても、析出過電圧Aの0.2A〜1.0Aの間の電圧を印加することで、隣接画素間(黒表示電極と白表示電極間)の望ましくない電界がかかるのを、防止することができる。その結果、例えば、黒表示を行う対向電極から白表示を行う対応電極へ電界がかかることによる透明電極上への銀の析出量の減少を抑制することができものである。
図3は、本発明の対向電極間の印加電圧を制御した表示装置の一例を示す概略断面図である。
図3において、基本的な構成は前記図1とほぼ同様であり、表示側に透明電極2(例えば、ITO電極)を配置し、透明電極2と対向する非表示側の位置に、TFT1上に対向電極として、電極A、電極B、電極Cがそれぞれ面順次の配列で設けられている。また、透明電極2と対向電極(電極A、電極B、電極C)の間には、銀または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質3が充填されている。例えば、電極A及び電極Cを駆動して黒表示を行い、電極Bにより白表示を行う場合、透明電極2の電圧を0Vとした状態で、電極Bに、析出過電圧Aの0.2A〜1.0Aの間の電圧(図3では、+0.5V)を印加して、透明電極2上では、銀の析出が生じない結果、白画像が表示される。一方、黒表示を行う電極A、電極Cに対しては、銀の析出過電圧A以上の電圧として、図3では+1.5Vを印加することで、透明電極2上に銀が析出を起こし、銀による黒画像4が形成される。この様な印加条件で表示素子を駆動させることにより、電極Aから電極B、あるいは電極Cから電極Bへの電界の発生を抑制し、黒表示時の透明電極2上への銀の析出による銀画像の表示速度を飛躍的に高めることができた。また、図2に記載のような対向電極間に生じる電界の発生を防止するための隔壁(バリア)を設ける必要がなく、その結果、白表示時に高い白の反射率を得ることができる。
また、中間濃度を表示する場合の印加方法は、大別して、1)第1ステップで析出過電圧V以上の電圧を対向電極間に印加し、第2ステップで、析出過電圧Vの0.2V〜1.0Vの電圧を印加する駆動方法と、2)第1ステップで析出過電圧Vの0.2〜1.0Vの電圧を印加し、第2ステップは析出過電圧V以上の電圧を印加する駆動方法が考えられるが、1)の方法では、一旦、表示側の電極に析出銀が生成されると析出過電圧が下がる、もしくは実質的に0になるため、本発明の目的とする効果を発現させる方法としては適していなく、後者の2)に記載の駆動方法が本発明の効果をいかんなく発揮できる観点から最良な方法である。
本発明に係る析出過電圧Vは、電解質中に銀と錯体を形成する錯化剤を添加することで調整することができ、本発明の効果を高めるには、析出過電圧Vが高く、銀を析出させない状態における印加電圧はできるだけ析出過電圧Vに近いことが好ましい。
析出過電圧Vを高める錯化剤としては、その詳細は後述する本発明に係る一般式(2)で表される化合物が好ましい。本発明に係る一般式(2)で表される化合物の中でも、より好ましい化合物は、メルカプトトリアゾール系化合物である。
本発明の表示素子の駆動操作は、アクティブマトリクス駆動であることを特徴とする。
本発明でいうアクティブマトリクス駆動とは、走査線、データライン、電流供給ラインが碁盤目状に形成され、各碁盤目に設けられたTFT回路により駆動させる方式である。画素毎にスイッチングが行えるので、階調やメモリー機能などのメリットがあり、例えば、特開2004−29327号の図5に記載されている回路を用いることができる。
《電解質》
本発明でいう「電解質」とは、一般に、水などの溶媒に溶けて、その溶液がイオン伝導性を示す物質(以下、「狭義の電解質」という。)をいうが、本発明の説明においては、狭義の電解質としては、電解質、非電解質を問わず他の金属、化合物等を含有させた混合物を電解質(「広義の電解質」)という。
本発明に係る電解質は、有機溶媒、イオン性液体、酸化還元活性物質、支持電解質、錯化剤、白色散乱物、高分子バインダー等を必要に応じて選択して構成されている。
以下、本発明に係る電解質の各構成要素について、更に説明する。
(銀または銀を化学構造中に含む化合物)
本発明に係る銀または銀を化学構造中に含む化合物とは、例えば、酸化銀、硫化銀、金属銀、銀コロイド粒子、ハロゲン化銀、銀錯体化合物、銀イオン等の化合物の総称であり、固体状態や液体への可溶化状態や気体状態等の相の状態種、中性、アニオン性、カチオン性等の荷電状態種は、特に問わない。
(有機溶媒)
本発明に係る電解質の調製に適用可能な有機溶媒としては、電解質を形成した後、揮発を起こさず電解質に留まることができる沸点が120〜300℃の範囲にある有機溶媒であることが好ましく、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、テトラメチル尿素、スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−(N−メチル)−2−ピロリジノン、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,Nジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ブチロニトリル、プロピオニトリル、アセトニトリル、アセチルアセトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノール、1−ブタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、無水酢酸、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ジメトキシエタン、ジエトキシフラン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルホスフェート、ジオクチルフタレート、ジオクチルセバケート等を挙げることができる。
上記有機溶媒の中でも、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン等の環状カルボン酸エステル系化合物を用いることが好ましい。
本発明で用いることのできるその他の溶媒として、J.A.Riddick,W.B.Bunger,T.K.Sakano,“Organic Solvents”,4th ed.,John Wiley & Sons(1986)、Y.Marcus,“Ion Solvation”,John Wiley & Sons(1985)、C.Reichardt,“Solvents and Solvent Effects in Chemistry”,2nd ed.,VCH(1988)、G.J.Janz,R.P.T.Tomkins,“Nonaqueous Electrolytes Handbook”,Vol.1,Academic Press(1972)に記載の化合物を挙げることができる。
(イオン性液体)
本発明に係る電解質には、イオン性液体を添加することができる。本発明でいうイオン性液体とは、室温でも液体で存在する塩を指し、例えば、イミダゾリウム、ピリジニウム等の陽イオンと、フッ化物イオンやトリフラート等の陰イオンの組合せから選択することができる。
(高分子バインダー)
本発明に係る電解質に適用可能な高分子バインダーとして、表示素子の特性や電解質の粘度の観点から、例えば、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリフッ化ビリニデン等の様々な高分子化合物の中から選択することができるが、本発明においては、高分子バインダーとしてブチラール樹脂を用いることが好ましい。本発明においては、ブチラール樹脂を有機溶媒に添加した後、加熱溶解して用いることができ、有機溶媒とブチラール樹脂との質量比は10:1〜2:1の範囲にあることが好ましく、より好ましい範囲は10:1〜10:3である。
本発明に係る電解質に適用可能なブチラール樹脂の具体例としては、例えば、電気化学工業株式会社製の#3000−1、#3000−2、#3000−4、#3000−K、#4000−2、#5000−A、#5000−D、#6000−C、#6000−AS、#6000−CS、積水化学工業株式会社製のエスレックシリーズ等が挙げられる。
(スペーサー)
本発明の表示素子においては、電解質にスペーサーを添加することができる。本発でいうスペーサーとは、対向電極間のギャップを制御するための微粒子であり、例えば、液晶ディスプレイ等に使用されているガラス製またはアクリル樹脂製またはシリカ製等の微小真球を使用することができる。平均粒径は、電解質中での分散安定性またはスクリーン印刷適性または表示素子特性の観点から、10μm以上50μm以下の範囲にあることが好ましい。
(白色散乱物)
本発明に係る電解質には白色散乱物を添加することができる。本発明でいう白色散乱物とは、電解質に添加することで表示色を調整できる全ての材料であり、好ましくは無機系材料、より好ましくは金属酸化物である。金属酸化物としては、例えば、二酸化チタン(アナターゼ型あるいはルチル型)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウムおよび水酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、アルカリ土類金属塩、タルク、カオリン、ゼオライト、酸性白土、ガラス等を挙げることができる。
また、有機化合物として、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、ポリアミド樹脂などが単体または複合混合で、または粒子中に屈折率を変化させるボイドを有する状態で使用されてもよい。
本発明では、上記着色材料の中でも、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛が好ましく用いられ、特に、高温時の着色防止、屈折率に起因する素子の反射率の観点から、二酸化チタンを用いることがより好ましい。また、二酸化チタンは、無機酸化物(Al23またはSiO2)で表面処理した二酸化チタンであることが好ましい。
本発明に係る白色散乱物は、本発明に係る電解質を構成する有機溶媒とブチラール樹脂との混合物に添加し、超音波分散機やビーズミル等の湿式微粉砕分散機を用いて電解質中に分散させて使用することができる。
本発明に係る表示素子は、対向電極間に白色散乱物を含んだ多孔質層(以下、多孔質白色散乱層)を形成してもよい。多孔質白色散乱層は、白色散乱物及び分散溶媒及び蛍光増白剤及び高分子化合物を含有した分散物を塗布方式、インクジェット方式、印刷方式等で形成することができる。多孔質白色散乱層の好ましい形成方式は、スクリーン印刷方式である。
多孔質白色散乱層の膜厚は、5〜50μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜30μmの範囲である。
本発明でいう多孔質とは、多孔質の白色散乱物を形成した後、該散乱物上に、銀または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質液を与えた後に対向電極で挟み込み、対向電極間に電位差を与え、銀の溶解析出反応を生じさせることが可能で、イオン種が電極間で移動可能な貫通状態のことを言う。
(一般式(1)で表される化合物)
本発明に係る電解質においては、前記一般式(1)で表されるスピロアンモニウム化合物を含有することが好ましい。
一般式(1)
+11121314・X-
上記一般式(1)において、R11、R12、R13、R14は各々アルキル基、アリール基、複素環基またはアラルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。X-はアニオンを表す。
11〜R14は、互いに独立して水素、飽和または不飽和の炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜11のアラルキル基、R15−X−(R16−Y−)n−(式中、R15は炭素数4以下のアルキル基、R16は炭素数4以下のアルキレン基、X及びYは酸素原子または硫黄原子、nは0〜10の整数を示す)を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
上述の中でR11〜R14の具体的な例はとしては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどの直鎖または分枝を有するアルキル基、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどのシクロアルキル基、無置換あるいはハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、水酸基、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等の各基)、カルボキシル基、アセチル基、プロパノイル基、チオール基、低級アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ等の各基)、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基などの置換基を1〜3個有するフェニル、ナフチル、トルイル、キシリル等のアリール基、ベンジルなどのアラルキル基などを挙げることができる。
また、R15の具体的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチルなどのアルキル基などが挙げられ、R16としてはメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンなどのアルキレン基などを挙げることができる。
-で表されるアニオン種としては、アニオンであれば如何なる化合物でもよい。具体例としては、(FSO22-、(CF3SO22-、CH3SO4 -、Br-、Cl-、OH-、NO3 -、PF6 -、BF4 -、CH3−Ph−SO3 -、CF3SO3 -、C817SO3 -、C49SO3 -、CH3OSO3 -、C817SO3 -、(CF3SO23-、HSCN-、CH3COO-、C817COO-、(CN)2-が挙げられる。
(メルカプト系化合物)
本発明に係る電解質では、メルカプト系化合物を含有していることが好ましく、更には、メルカプト系化合物が、前記一般式(2)で表される化合物であること好ましい。
〈一般式(2)で表される化合物〉
前記一般式(2)において、Mは水素原子、金属原子または4級アンモニウムを表す。Zはイミダゾール環類を除く含窒素複素環を表す。nは0〜5の整数を表し、R1は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホニル基、アミノ基、ヒドロキシ基または複素環基を表し、nが2以上の場合、それぞれのR1は同じであってもよく、異なってもよく、お互いに連結して縮合環を形成してもよい。
一般式(2)のMで表される金属原子としては、例えば、Li、Na、K、Mg、Ca、Zn、Ag等が挙げられ、4級アンモニウムとしては、例えば、NH4、N(CH34、N(C494、N(CH331225、N(CH331633、N(CH33CH265等が挙げられる。
一般式(2)のZで表される含窒素複素環としては、例えば、テトラゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、インドール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾセレナゾール環、ナフトオキサゾール環等が挙げられる。
一般式(2)のR1で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ドデシル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、トリフルオロメチル、ベンジル等の各基が挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル等の各基が挙げられ、アルキルカルボンアミド基としては、例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチロイルアミノ等の各基が挙げられ、アリールカルボンアミド基としては、例えば、ベンゾイルアミノ等が挙げられ、アルキルスルホンアミド基としては、例えば、メタンスルホニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基等が挙げられ、アリールスルホンアミド基としては、例えば、ベンゼンスルホニルアミノ基、トルエンスルホニルアミノ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ等が挙げられ、アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ等の各基が挙げられ、アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、トリルチオ基等が挙げられ、アルキルカルバモイル基としては、例えば、メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジブチルカルバモイル、ピペリジルカルバモイル、モルホリルカルバモイル等の各基が挙げられ、アリールカルバモイル基としては、例えば、フェニルカルバモイル、メチルフェニルカルバモイル、エチルフェニルカルバモイル、ベンジルフェニルカルバモイル等の各基が挙げられ、アルキルスルファモイル基としては、例えば、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、ジブチルスルファモイル、ピペリジルスルファモイル、モルホリルスルファモイル等の各基が挙げられ、アリールスルファモイル基としては、例えば、フェニルスルファモイル、メチルフェニルスルファモイル、エチルフェニルスルファモイル、ベンジルフェニルスルファモイル等の各基が挙げられ、アルキルスルホニル基としては、例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基等が挙げられ、アリールスルホニル基としては、例えば、フェニルスルホニル、4−クロロフェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル等の各基が挙げられ、アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル等の各基が挙げられ、アリールオキシカルボニル基としては、例えばフェノキシカルボニル等が挙げられ、アルキルカルボニル基としては、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチロイル等の各基が挙げられ、アリールカルボニル基としては、例えば、ベンゾイル基、アルキルベンゾイル基等が挙げられ、アシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチロイルオキシ等の各基が挙げられ、複素環基としては、例えば、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、セレナゾール環、テトラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チアジン環、トリアジン環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、インドレニン環、ベンズセレナゾール環、ナフトチアゾール環、トリアザインドリジン環、ジアザインドリジン環、テトラアザインドリジン環基等が挙げられる。これらの置換基はさらに置換基を有するものを含む。
次に、一般式(2)で表される化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されているわけではない。
Figure 2008185686
Figure 2008185686
(ハロゲンイオン、銀イオン濃度比)
本発明に係る表示素子においては、電解質に含まれるハロゲンイオンまたはハロゲン原子のモル濃度を[X](モル/kg)とし、前記電解質に含まれる銀または銀を化学構造中に含む化合物の銀の総モル濃度を[Ag](モル/kg)としたとき、下式(1)で規定する条件を満たすことが好ましい。
式(1)
0≦[X]/[Ag]≦0.01
本発明でいうハロゲン原子とは、ヨウ素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子のことをいう。[X]/[Ag]が0.01よりも大きい場合は、銀の酸化還元反応時に、X−→X2が生じ、X2は黒化銀と容易にクロス酸化して黒化銀を溶解させ、メモリー性を低下させる要因の1つになるので、ハロゲン原子のモル濃度は銀のモル濃度に対してできるだけ低い方が好ましい。本発明においては、0≦[X]/[Ag]≦0.001がより好ましい。ハロゲンイオンを添加する場合、ハロゲン種については、メモリー性向上の観点から、各ハロゲン種モル濃度総和が[I]<[Br]<[Cl]<[F]であることが好ましい。
《表示素子の構成》
本発明に係る表示素子においては、上記説明した電解質の他、必要に応じて種々の構成層を設けることができる。
本発明に係る表示素子において、表示部には、対応する1つの対向電極が設けられている。表示部に近い対向電極(表示側電極)の1つである電極2には、ITO電極等の透明電極、他方の電極1(非表示側電極)には銀電極等の金属電極が設けられている。電極1と電極2との間には、銀または銀を化学構造中に含む化合物を有する電解質が担持されており、対向電極間に正負両極性の電圧を印加することにより、電極1と電極2上で銀の酸化還元反応が行われ、還元状態の黒い銀画像と、酸化状態の透明な銀の状態を可逆的に切り替えることができる。画素単位の電圧の印加方法としては、TFT回路による方法が挙げられる。TFT回路で制御する電極は白の反射率をできるだけ高くする観点から、電極2側であることが好ましい。
本発明の表示素子の駆動方法においては、図3に示すように、対向電極のうち電圧を制御する側の隣接する電極(電極A、電極B、電極C)の間隔をL、対向電極間の間隔をHとしたとき、H/Lが2以下であることが好ましい。本発明において、Lが縦方向と横方向で異なる場合は、間隔が狭い方をLの数値として、H/Lを計算することとする。
前記対向電極間の間隔Hとしては、20〜40μmであることが好ましい。
(電子絶縁層)
本発明に係る表示素子においては、電気絶縁層を設けることができる。
本発明に適用可能な電子絶縁層は、イオン電導性、電子絶縁性を合わせて有する層であればよく、例えば、極性基を有する高分子や塩をフィルム状にした固体電解質膜、電子絶縁性の高い多孔質膜とその空隙に電解質を担持する擬固体電解質膜、空隙を有する高分子多孔質膜、含ケイ素化合物の様な比誘電率が低い無機材料の多孔質体、等が挙げられる。
多孔質膜の形成方法としては、燒結法(融着法)(高分子微粒子や無機粒子をバインダー等を添加して部分的に融着させ粒子間に生じた孔を利用する)、抽出法(溶剤に可溶な有機物又は無機物類と溶剤に溶解しないバインダー等で構成層を形成した後に、溶剤で有機物又は無機物類を溶解させ細孔を得る)、高分子重合体等を加熱や脱気するなどして発泡させる発泡法、良溶媒と貧溶媒を操作して高分子類の混合物を相分離させる相転換法、各種放射線を輻射して細孔を形成させる放射線照射法等の公知の形成方法を用いることができる。具体的には、特開平10−30181号、特開2003−107626号、特公平7−95403号、特許第2635715号、同第2849523号、同第2987474号、同第3066426号、同第3464513号、同第3483644号、同第3535942号、同第3062203号等に記載の電子絶縁層を挙げることができる。
(その他の添加剤)
本発明に係る表示素子を構成する層としては、保護層、フィルター層、ハレーション防止層、クロスオーバー光カット層、バッキング層等の補助層を挙げることができ、これらの補助層中には、各種の化学増感剤、貴金属増感剤、感光色素、強色増感剤、カプラー、高沸点溶剤、カブリ防止剤、安定剤、現像抑制剤、漂白促進剤、定着促進剤、混色防止剤、ホルマリンスカベンジャー、色調剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、可塑剤、スベリ剤、紫外線吸収剤、イラジエーション防止染料、フィルター光吸収染料、防ばい剤、ポリマーラテックス、重金属、帯電防止剤、マット剤等を、必要に応じて含有させることができる。
上述したこれらの添加剤は、より詳しくは、リサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す)第176巻Item/17643(1978年12月)、同184巻Item/18431(1979年8月)、同187巻Item/18716(1979年11月)及び同308巻Item/308119(1989年12月)に記載されている。
これら三つのリサーチ・ディスクロージャーに示されている化合物種類と記載箇所を以下に掲載した。
添加剤 RD17643 RD18716 RD308119
頁 分類 頁 分類 頁 分類
化学増感剤 23 III 648右上 96 III
増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV
減感色素 23 IV 998 IV
染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII
現像促進剤 29 XXI 648右上
カブリ抑制剤・安定剤
24 IV 649右上 1006〜7 VI
増白剤 24 V 998 V
硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X
界面活性剤 26〜7 XI 650右 1005〜6 XI
帯電防止剤 27 XII 650右 1006〜7 XIII
可塑剤 27 XII 650右 1006 XII
スベリ剤 27 XII
マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI
バインダー 26 XXII 1003〜4 IX
支持体 28 XVII 1009 XVII
(基板)
本発明で用いることのできる基板としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート類、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンジナフタレンジカルボキシラート、ポリエチレンナフタレート類、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアセタール類、ポリスチレン等の合成プラスチックフィルムも好ましく使用できる。また、シンジオタクチック構造ポリスチレン類も好ましい。これらは、例えば、特開昭62−117708号、特開平1−46912号、同1−178505号の各公報に記載されている方法により得ることができる。更に、ステンレス等の金属製基盤や、バライタ紙、及びレジンコート紙等の紙支持体ならびに上記プラスチックフィルムに反射層を設けた支持体、特開昭62−253195号(29〜31頁)に支持体として記載されたものが挙げられる。RDNo.17643の28頁、同No.18716の647頁右欄から648頁左欄及び同No.307105の879頁に記載されたものも好ましく使用できる。これらの支持体には、米国特許第4,141,735号のようにTg以下の熱処理を施すことで、巻き癖をつきにくくしたものを用いることができる。また、これらの支持体表面を支持体と他の構成層との接着の向上を目的に表面処理を行っても良い。本発明では、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理を表面処理として用いることができる。更に公知技術第5号(1991年3月22日アズテック有限会社発行)の44〜149頁に記載の支持体を用いることもできる。更にRDNo.308119の1009頁やプロダクト・ライセシング・インデックス、第92巻P108の「Supports」の項に記載されているものが挙げられる。その他に、ガラス基板や、ガラスを練りこんだエポキシ樹脂を用いることができる。
(電極)
本発明に係る表示素子においては、対向電極の少なくとも1種が金属電極であることが好ましい。金属電極としては、例えば、白金、金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、チタン、ビスマス、及びそれらの合金等の公知の金属種を用いることができる。
本発明において、金属電極は、必要に応じて2層以上の複数層からなる構成を取ってもよい。金属電極の最表面は、電極の耐久性の観点から高分子膜中に含まれる金属よりもイオン化傾向が小さい金属から形成されていることが好ましい。
電極の作製方法は、電解メッキ法、無電解メッキ法、置換メッキ法、蒸着法、印刷法、インクジェット法、スピンコート法、CVD法等の既存の方法を用いることができる。
また、本発明の表示素子は、対向電極の少なくとも1種が透明電極であることが好ましい。透明電極としては、透明で電気を通じるものであれば特に制限はない。例えば、Indium Tin Oxide(ITO:インジウム錫酸化物)、Indium Zinc Oxide(IZO:インジウム亜鉛酸化物)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、白金、金、銀、ロジウム、銅、クロム、炭素、アルミニウム、シリコン、アモルファスシリコン、BSO(Bismuth Silicon Oxide)等が挙げられる。電極をこのように形成するには、例えば、基板上にITO膜をスパッタリング法等でマスク蒸着するか、ITO膜を全面形成した後、フォトリソグラフィ法でパターニングすればよい。表面抵抗値としては、100Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。透明電極の厚みは特に制限はないが、0.1〜20μmであるのが一般的である。
(その他の構成要素)
本発明に係る表示素子には、必要に応じて、シール剤、柱状構造物、スペーサー粒子を用いることができる。
シール剤は外に漏れないように封入するためのものであり封止剤とも呼ばれ、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エン−チオール系樹脂、シリコーン系樹脂、変性ポリマー樹脂等の、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型、嫌気硬化型等の硬化タイプを用いることができる。
柱状構造物は、基板間の強い自己保持性(強度)を付与し、例えば、格子配列等の所定のパターンに一定の間隔で配列された、円柱状体、四角柱状体、楕円柱状体、台形柱状体等の柱状構造物を挙げることができる。また、所定間隔で配置されたストライプ状のものでもよい。この柱状構造物はランダムな配列ではなく、等間隔な配列、間隔が徐々に変化する配列、所定の配置パターンが一定の周期で繰り返される配列等、基板の間隔を適切に保持でき、且つ、画像表示を妨げないように考慮された配列であることが好ましい。柱状構造物は表示素子の表示領域に占める面積の割合が1〜40%であれば、表示素子として実用上十分な強度が得られる。
一対の基板間には、該基板間のギャップを均一に保持するためのスペーサーが設けられていてもよい。このスペーサーとしては、樹脂製または無機酸化物製の球体を例示できる。また、表面に熱可塑性の樹脂がコーティングしてある固着スペーサーも好適に用いられる。基板間のギャップを均一に保持するために柱状構造物のみを設けてもよいが、スペーサー及び柱状構造物をいずれも設けてもよいし、柱状構造物に代えて、スペーサーのみをスペース保持部材として使用してもよい。スペーサーの直径は柱状構造物を形成する場合はその高さ以下、好ましくは当該高さに等しい。柱状構造物を形成しない場合はスペーサーの直径がセルギャップの厚みに相当する。
(スクリーン印刷)
本発明においては、シール剤、柱状構造物、電極パターン等をスクリーン印刷法で形成することもできる。スクリーン印刷法は、所定のパターンが形成されたスクリーンを基板の電極面上に被せ、スクリーン上に印刷材料(柱状構造物形成のための組成物、例えば、光硬化性樹脂など)を載せる。そして、スキージを所定の圧力、角度、速度で移動させる。これによって、印刷材料がスクリーンのパターンを介して該基板上に転写される。次に、転写された材料を加熱硬化、乾燥させる。スクリーン印刷法で柱状構造物を形成する場合、樹脂材料は光硬化性樹脂に限られず、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂等が挙げられる。樹脂材料は樹脂を適当な溶剤に溶解するなどしてペースト状にして用いることが望ましい。
以上のようにして柱状構造物等を基板上に形成した後は、所望によりスペーサーを少なくとも一方の基板上に付与し、一対の基板を電極形成面を対向させて重ね合わせ、空セルを形成する。重ね合わせた一対の基板を両側から加圧しながら加熱することにより、貼り合わせて、表示セルが得られる。表示素子とするには、基板間に電解質組成物を真空注入法等によって注入すればよい。あるいは、基板を貼り合わせる際に、一方の基板に電解質組成物を滴下しておき、基板の貼り合わせと同時に液晶組成物を封入するようにしてもよい。
(商品適用)
本発明の表示素子は、電子書籍分野、IDカード関連分野、公共関連分野、交通関連分野、放送関連分野、決済関連分野、流通物流関連分野等の用いることができる。具体的には、ドア用のキー、学生証、社員証、各種会員カード、コンビニストアー用カード、デパート用カード、自動販売機用カード、ガソリンステーション用カード、地下鉄や鉄道用のカード、バスカード、キャッシュカード、クレジットカード、ハイウェイカード、運転免許証、病院の診察カード、電子カルテ、健康保険証、住民基本台帳、パスポート、電子ブック等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《電解質液の調製》
(電解質液1の調製)
ジメチルスルホキシド(DMSO)2.5g中に、ヨウ化銀(AgI)を100mgとメルカプトベンズイミダゾール(MBIZ)を200mg加えて加熱溶解して、電解質液1を得た。
(電解質液2の調製)
γブチロラクトン(γBL)2.5g中に、p−トルエンスルフォン酸銀(トシル酸銀)を100mgと化合物2−12を200mg加えて加熱溶解して、電解質液2を得た。
(電解質液3の調製)
上記電解質液2の調製において、化合物1−1を10mg加えた以外は同様にして、電解質液3を得た。
Figure 2008185686
(二酸化チタン分散物の調製)
水/エタノール混合溶液に、クラレポバールPVA235(クラレ社製、ポリビニルアルコール樹脂)を固形分濃度で2質量%になるように添加し、加熱溶解させた後、石原産業社製の二酸化チタンCR−90を20質量%となるように超音波分散機で分散させて、二酸化チタン分散物を得た。
《電極の作製》
(電極1の作製)
厚さ1.5mmで10cm×10cmのガラス基板上に、ITO膜を公知の方法に従って形成して、透明電極(電極1)を得た。
(電極2の作製)
低温ポリシリコン型ガラスTFT素子のITO電極上にスパッタ及びフォトリソグラフィ法により、1画素サイズ250×250μmで電極間隔Lが10μmの銀電極を形成して、非表示側電極(電極2)を得た。
(電極3の作製)
上記作製した電極2上に、二酸化チタン分散物を乾燥後の平均膜厚が20μmになるようにスクリーン印刷し、その後50℃で30分間乾燥して溶媒を蒸発させた後、85℃の雰囲気中で1時間乾燥させて多孔質白色散乱層を形成した電極3を作製した。
《表示素子の作製》
(表示素子1の作製)
周辺部を、平均粒径が40μmのガラス製球形ビーズ状スペーサーを体積分率として10%含むオレフィン系封止剤で縁取りした電極3の上に、平均粒径が20μmのガラス製球形ビーズ状スペーサーを散布した後に、電極3と電極1を貼り合わせ、加熱押圧して空セルを作製した。該空セルに電解質液1を真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し、表示素子1を作製した。
(表示素子2の作製)
上記表示素子1の作製において、電解質液1を電解質液2に変更した以外は同様にして、表示素子2を作製した。
(表示素子3の作製)
上記表示素子1の作製において、電解質液1を電解質液3に変更した以外は同様にして、表示素子3を作製した。
(表示素子4の作製)
周辺部を、平均粒径が20μmのガラス製球形ビーズ状スペーサーを体積分率として10%含むオレフィン系封止剤で縁取りした電極3と電極1を貼り合わせ、加熱押圧して空セルを作製した。該空セルに電解質液3を真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し、表示素子4を作製した。
《表示素子の評価》
(駆動条件)
上記作製した各表示素子を用いて、表1に記載の電極3の印加条件(駆動条件1〜5)で駆動を行った。
(析出過電圧Aの測定)
上記作製した各素子のTFT側の電極3を、表1に記載の0〜2.0Vの範囲で変化させ、所定の電圧で1秒間印加し、目視で黒化が進むかどうかを判断し、黒化が進んだ電圧を析出過電圧Aとした。
(析出銀の損失量の評価2)
〈駆動条件における析出銀の損出量の測定〉
上記作製した表示素子1の未駆動時(白表示)の550nmにおける反射率を、Micro Reflectance Meter MR−12(X−rite社製)で測定し、得られた反射率をRW0とした。次に、TFT側の電極3を1.5Vで1.0秒印加し、全画素を黒表示させた時の550nmでの反射率を同様な方法で測定、得られた反射率をRBK0とした。
次に、図4のa)で示すような画素単位で黒と白を繰り返す画像を表示した。この時、黒を表示する画素の駆動条件と白を表示する画素の駆動条件をそれぞれ表1で示した条件で制御した。表示後の白表示に相当する画素の任意の10点の550nmでの反射率を、Micro Reflectance Meter MR−12で測定し、得られた測定した反射率をRW1とし、黒表示に相当する画素の任意の10点の550nmでの反射率をMicro Reflectance Meter MR−12で測定し、得られた測定した反射率をRBK1とした。
ここで、ΔBK1=RBK1−RBK0、ΔW1=RW1−RW0と定義し、ΔBK1を析出銀の損失量の指標とした。ここでは、ΔBK1が小さいほど析出銀の損失が少なく、良好な素子であるとする。また、ΔW1が大きいことは白の反射率の低下を示しているため、ΔW1が負側になることは、表示素子としては好ましくない。
〈駆動条件2〜5における析出銀の損出量の測定〉
上記駆動条件1における析出銀の損出量の測定と同様にして、表1に記載のTFT側の電極3を印加条件で駆動させ、ΔBK1、ΔW1をそれぞれ測定した。
以上により得られた結果を、表1に示す。
Figure 2008185686
表1に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する白表示画素に相当する電極に析出過電圧Aの0.2A〜1.0A未満の電圧を印加する駆動方法で画像を表示した本発明の駆動方法3〜5は、比較例に対し、隣接電極間の望ましくない電界が低減され、透明電極上に析出する銀量の損失が大幅に改良さえていることが分かる。更に、本発明の効果は、H/Lが2以下である表示素子を用いた時に、特に顕著となることが分かる。
実施例2
《表示素子の評価》
(駆動条件)
実施例1で作製した各表示素子を用いて、表2に記載の電極3の印加条件(駆動条件6〜11)で駆動を行った。
(析出過電圧Aの測定)
上記作製した各素子のTFT側の電極3を、表2に記載の0〜2.0Vの範囲で変化させ、所定の電圧で1秒間印加し、目視で黒化が進むかどうかを判断し、黒化が進んだ電圧を析出過電圧Aとした。
(析出銀の損失量の評価2)
実施例1で作製した各表示素子のTFT側の電極3を−1.5Vで3.0秒間印加し、全画素を白表示させた。次に、TFT側の電極3を1.5Vで0.5秒印加し、全画素をグレー表示させた時の550nmでの反射率をMicro Reflectance Meter MR−12で測定し、得られた反射率をRGL0とした。次に、同様にして、全面を白表示させた後に、TFT側の電極3を1.5Vで1.0秒印加し、全画素を黒表示させた時の550nmでの反射率を同様な方法で測定、得られた反射率をRBK0とした。
次に、図4のb)で示すような画素単位で黒とグレーを繰り返す画像を表示した。この時、黒を表示する画素の駆動条件とグレーを表示する画素の駆動条件を、それぞれ表2で示した条件で制御した。表示後のグレー表示に相当する画素の任意の10点の550nmでの反射率をMicro Reflectance Meter MR−12で測定し、得られた測定した反射率をRGL1とし、黒表示に相当する画素の任意の10点の550nmでの反射率をMicro Reflectance Meter MR−12で測定し、得られた測定した反射率をRBK1とした。
ここで、ΔBK2=RBK1−RBK0、ΔGL1=RGL1−RGL0と定義し、ΔBK2を析出銀の損失量の指標とした。ここでは、ΔBK2が小さいほど析出銀の損失が少なく、良好な表示素子であるとする。また、ΔGL1が大きいことはグレーの反射率の変動を表しているため、ΔGL1が負側になるほど、表示素子としては好ましくない。
以上により得られた結果を、表2に示す。
Figure 2008185686
表2に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する非表示画素の対向電極間に印加する電圧は、析出過電圧Aの0.2A〜1.0Aの間になるように制御して非表示画像を形成し、かつ中間濃度を表示する画素の対向電極間に印加する電圧は、最初に析出過電圧Aの0.2A〜1.0Aの間になるように制御し、次に析出過電圧A以上になるように制御した本発明の駆動方法は、比較例に対し、隣接電極間の望ましくない電界が低減され、透明電極上に析出する銀量の損失が大幅に改良さえていることが分かる。更に、本発明の効果は、H/Lが2以下である表示素子を用いた時に、特に顕著となることが分かる。
面順次に対向電極(非表示側電極)を配列した表示素子の一例を示す概略断面図である。 面順次に対向電極(非表示側電極)を配列し、対向電極間に隔壁を設けた表示素子の一例を示す概略断面図である。 本発明の対向電極間の印加電圧を制御した表示装置の一例を示す概略断面図である。 実施例で用いた画像表示パターンを示す。
符号の説明
1 TFT
2 透明電極
3 電解質
4 黒画像
5 バンク
電極A、電極B、電極C 非表示側対向電極
L 隣接する電極(電極A、電極B、電極C)の間隔
H 対向電極間の間隔
A 電界

Claims (7)

  1. 対向電極間に、銀または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質を含有し、銀の溶解析出を生じさせるように対向電極間の電圧を制御する操作を行う表示素子の駆動方法において、アクティブマトリクス方式により駆動され、かつ電解質に存在している銀の析出過電圧をAとしたとき、非表示画素の対向電極間に印加する電圧は、0.2A〜1.0Aの間になるように制御して非表示画像を表示することを特徴とする表示素子の駆動方法。
  2. 対向電極間に、銀または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質層を含有し、銀の溶解析出を生じさせるように対向電極間の電圧を制御する操作を行う表示素子の駆動方法において、アクティブマトリクス方式により駆動され、電解質に存在している銀の析出過電圧のAとしたとき、非表示画素の対向電極間に印加する電圧は、0.2A〜1.0Aの間になるように制御して非表示画像を形成し、かつ中間濃度を表示する画素の対向電極間に印加する電圧は、最初に析出過電圧Aの0.2A〜1.0Aの間になるように制御し、次に析出過電圧A以上になるように制御することを特徴とする表示素子の駆動方法。
  3. 前記対向電極のうち、電圧を制御する電極側で隣接する電極の間隔をL、対向電極間の間隔をHとしたとき、H/Lが2以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の表示素子の駆動方法。
  4. 前記電解質が、下記一般式(1)で表される化合物を含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示素子の駆動方法。
    一般式(1)
    +11121314・X-
    〔式中、R11、R12、R13、R14は各々アルキル基、アリール基、複素環基またはアラルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。X-はアニオンを表す。〕
  5. 前記電解質が、メルカプト系化合物を含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示素子の駆動方法。
  6. 前記メルカプト系化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項5に記載の表示素子の駆動方法。
    Figure 2008185686
    〔式中、Mは水素原子、金属原子または4級アンモニウムを表し、Zは含窒素複素環を表す。nは0〜5の整数を表し、R1は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホニル基、アミノ基、ヒドロキシ基または複素環基を表し、nが2以上の場合、それぞれのR1は同じであってもよく、異なってもよく、お互いに連結して縮合環を形成してもよい。〕
  7. 前記電解質に含まれるハロゲンイオンまたはハロゲン原子のモル濃度を[X](モル/kg)とし、前記電解質に含まれる銀または銀を化学構造中に含む化合物の銀の総モル濃度を[Ag](モル/kg)としたとき、下式(1)で規定する条件を満たすことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示素子の駆動方法。
    式(1) 0≦[X]/[Ag]≦0.01
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010117560A (ja) * 2008-11-13 2010-05-27 Funai Electric Advanced Applied Technology Research Institute Inc エレクトロクロミック表示デバイス

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