JP2008180413A - 微粉炭燃焼用ボイラ及びその運転方法 - Google Patents

微粉炭燃焼用ボイラ及びその運転方法 Download PDF

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明仁 折井
Masayuki Taniguchi
正行 谷口
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由貴 上川
Hirofumi Okazaki
洋文 岡▲崎▼
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Abstract

【課題】火炉の側壁近傍および火炉の中央部分にCO濃度の高い領域が生成するのを抑制できるようにした二段燃焼式の微粉炭燃焼用ボイラおよびその運転方法を提供する。
【解決手段】矩形断面形状を有する火炉の前壁と後壁に、微粉炭を空気不足の状態で燃焼するバーナと追加の空気を供給するアフタエアポートを、それぞれ対向するように備えた二段燃焼式の微粉炭燃焼用ボイラにおいて、火炉側壁に、旋回流路と直進流路、或いは更に縮流流路を有する側壁アフタエアポートを備えた。側壁アフタエアポートから直進成分と旋回成分、或いは更に縮流成分を有するアフタエアを供給することにより、火炉の中央と側壁近傍の酸素濃度を高め、それらの部分に高CO濃度領域が生成するのを抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、二段燃焼式の微粉炭燃焼用ボイラとその運転方法に関する。
微粉炭燃焼用ボイラは、窒素酸化物(NOx)濃度を低減するために、二段燃焼法が主流になっている(例えば、特許文献1,2参照)。二段燃焼法では、微粉炭燃料を完全燃焼させるために必要な理論空気量よりも少ない量の空気をバーナから供給して、空気不足の状態で微粉炭を燃焼させる。これにより、燃焼領域を還元雰囲気にし、NHやCN等の還元ガスを生成させて、微粉炭の燃焼により発生したNOxを窒素に還元しNOx濃度の増加を抑制する。しかし、この状態では、還元雰囲気の酸素不足により、未燃分が残り、また、可燃ガスである一酸化炭素(CO)が発生する。そこで、微粉炭の燃焼により生成する燃焼ガスの流れ方向の下流にアフタエアポートを設け、火炉内の空気比が理論空気量よりも若干多めになるように追加の空気を供給して、未燃分とCOを完全燃焼する。
特開平7−301403号公報(要約) 特開平10−227409号公報(要約)
微粉炭燃焼用ボイラ、特に矩形断面形状を有する二段燃焼式のボイラでは、側壁の近傍のCO濃度が高くなる傾向がある。また、二段燃焼式のボイラの場合、火炉の空気比の増減に応じてアフタエアポートから供給する空気の流量を調整するが、アフタエアポートの空気の流量を減少すると流速が低下して、火炉の中央に噴流が到達しにくくなり、中央部分のCO濃度が高くなる傾向がある。
本発明の目的は、火炉の側壁近傍および火炉の中央部分にCO濃度の高い領域が生成するのを抑制できるようにした二段燃焼式の微粉炭燃焼用ボイラおよびその運転方法を提供することにある。
本発明は、矩形断面形状を有する火炉の前壁と後壁に、微粉炭を空気不足の状態で燃焼させるバーナと追加の空気を供給するアフタエアポートを、それぞれ対向するように備えた二段燃焼式の微粉炭燃焼用ボイラにおいて、前壁と後壁に対して垂直部となる火炉側壁に、旋回流路と直進流路を有する側壁アフタエアポートを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、矩形断面形状を有する火炉の前壁と後壁に、微粉炭を空気不足の状態で燃焼させるバーナと追加の空気を供給するアフタエアポートを、それぞれ対向するように設置した二段燃焼式の微粉炭燃焼用ボイラにおいて、前壁と後壁に対して垂直部となる火炉側壁に、流路が同心円状に複数に分割され、最外周の流路が出口に向かって流路断面積が狭まる縮流流路を形成する側壁アフタエアポートを設置したことを特徴とする。例えば、三重管の流路の場合、中心部分の1次流路は流路断面積が出口に向かい一定である直進流路とし、前記1次流路の外側に設ける2次流路は流路中に流路を流れる気体に旋回流速成分を与える旋回流発生器を設けた旋回流路とする。さらに、最外周の3次流路には出口に向かって流路断面積が狭まる縮流流路を形成する。また、二重管の流路の場合、中心部分の1次流路は、前記直進流路もしくは旋回流路とし、最外周の3次流路には出口に向かって流路断面積が狭まる縮流流路を形成する。
また、本発明は、矩形断面形状を有する火炉の前壁と後壁にバーナとアフタエアポートをそれぞれ対向するように備え、前記バーナにより微粉炭を空気不足の状態で燃焼し、前記アフタエアポートから追加の空気を供給して前記バーナにより生成した燃焼ガス中の未燃分を完全燃焼するようにした二段燃焼式の微粉炭燃焼用ボイラの運転方法において、火炉側壁に流路が同心円状に複数に分割され、最外周の流路が出口に向かって流路断面積が狭まる縮流流路を形成する側壁アフタエアポートを設け、その側壁アフタエアポートから直進成分と旋回成分、或いは更に縮流成分を含む追加の空気を供給するようにしたことを特徴とする。
火炉の側壁に直進流路と旋回流路、更には縮流流路を有する側壁アフタエアポートを設けて、そこから空気を供給することにより、火炉の中央部分と側壁近傍の酸素濃度を高めることができ、火炉の中央及び側壁周辺にCO濃度の高い領域が生成するのを抑制することができる。
本発明は、火炉の前壁と後壁だけでなく、側壁にもアフタエアポートを設けるようにしたものである。また、側壁アフタエアポートには、直進流路と旋回流路、或いは更に縮流流路を備えるようにしたものである。
側壁アフタエアポートから供給される空気の噴流のうち、直進流路から供給される直進流即ち直進成分は火炉の中央部分へ供給される。これにより、火炉の中央部分の酸素濃度が高められ、COが燃焼して火炉の中央部分のCO濃度が低く抑えられる。また、旋回流路から供給される旋回成分の噴流は広がる傾向にあるので、その噴流は火炉の側壁部分へ供給される。これにより、側壁近傍の酸素濃度が高められ、側壁近傍のCO濃度が低減される。
側壁アフタエアポートに縮流流路を設けて、そこから空気を噴出することにより、噴流が広がるのを抑制できる。火炉の中央部分へアフタエアを多く供給したい場合には、縮流流路を有する側壁アフタエアポートを採用することが望ましい。
本発明の微粉炭燃焼用ボイラにおいて、側壁アフタエアポートは、火炉の前壁と後壁に設置されているアフタエアポートと同一の高さ位置か、ほぼ同一の高さ位置、或いは、それよりも上方すなわち燃焼ガスの流れ方向の下流側に設置することが望ましい。バーナが設置されている場所に近いところからアフタエアを供給すると、燃焼温度が高い状態で空気が混合されるためにサーマルNOxが発生し易くなる。側壁アフタエアポートを火炉の前壁及び後壁に設置されたアフタエアポートと同一の高さ或いはそれよりも上方に設置し、燃焼温度の低い温度場へアフタエアを供給することで、燃焼温度をより低く抑えることができ、サーマルNOxの生成を抑制できる。
側壁アフタエアポートは、対向する二つの側壁の向かい合う位置に設置することが望ましい。また、側壁アフタエアポートは、一方の側壁に対して1つ或いは複数個設置することが好ましく、更に、その1つは前壁と後壁のほぼ中間の位置に設置することが望ましい。側壁アフタエアポートの役割の1つは、火炉中央部分へ空気を供給し、中央部分の酸素濃度を高めて、その部分のCO濃度を低減することであり、そのためには、前壁と後壁の中間或いはほぼ中間の位置に側壁アフタエアポートを設置することが望ましい。
側壁アフタエアポートは、二重管構造或いは三重管構造にして、直進流路と旋回流路、更には縮流流路を区分けすることが望ましい。例えば、三重管の流路の場合、中心部分の1次流路は流路断面積が出口に向かい一定である直進流路とし、前記1次流路の外側に設ける2次流路は流路中に流路を流れる気体に旋回流速成分を与える旋回流発生器を設けた旋回流路とする。さらに、最外周の3次流路には出口に向かって流路断面積が狭まる縮流流路を形成する。また、二重管の流路の場合、中心部分の1次流路は、前記直進流路もしくは旋回流路とし、最外周の3次流路には出口に向かって流路断面積が狭まる縮流流路を形成するのが良い。
前述の構成を有する二重管構造の側壁アフタエアポートの場合、内側の管から噴出したアフタエアは火炉の中央部分に向かって直進し、その外側の管から噴出したアフタエアは旋回流のため外側に広がるように流れる。これにより、火炉中央部分及び側壁近傍の酸素濃度を高めて、これらの部分のCO濃度を低減することができる。
また、前述の構成を有する三重管構造の側壁アフタエアポートの場合、最も外側の管から噴出したアフタエアは、空気の噴流の広がりを抑える働きをする。これにより、二重管構造の場合に比べて、火炉の中央部分へ進む空気の噴流を強めることができる。三重管構造の側壁アフタエアポートは、前壁及び後壁から供給するアフタエアの噴流の流速が遅く、火炉中央部に高濃度CO領域が生じ易い場合に好適と言える。
本発明は、前壁と後壁の辺の長さが側壁の辺の長さに比べて長い、長方形の断面形状をしたボイラ、特に長辺と短辺の比が1.4以上のボイラに適する。火炉の前壁と後壁の辺の長さが側壁の辺の長さに比べて大きい、長方形の断面形状をした火炉は、側壁アフタエアポートを有する場合でも、火炉中心部まで空気を到達させるのが難しい。本発明のように、側壁アフタエアポートに直進流路と旋回流路を設けることにより、長方形の断面形状を有する火炉の場合でも、火炉中心部までアフタエアを到達させることができる。
本発明の微粉炭燃焼用ボイラ運転方法において、側壁アフタエアポートから供給する空気の直進成分と旋回成分および縮流成分の流量比は、火炉の空気比の増減に応じて調整することが望ましい。また、側壁アフタエアポートから供給する空気の旋回強度も、火炉の空気比の増減に応じて調整することが望ましい。具体的には、火炉の空気比が設定値よりも低く、火炉中心部のCO濃度が高くなり易い条件にあるときには、側壁アフタエアポートから供給する空気の旋回成分の流量を減少或いは旋回強度を弱めて、火炉中央へ供給される噴流を強めることが望ましい。また、火炉の空気比が設定値よりも高いときには、側壁アフタエアポートから供給する空気の旋回成分の流量を増加或いは旋回強度を高めて、火炉側壁近傍へ供給される噴流を多くすることが望ましい。
以下、図面を用いて、更に詳細に説明する。
図1に本発明の一実施例によるボイラの側面図を示す。火炉1の下方の前壁1aと後壁1bに、微粉炭バーナ2が対向するように設置されている。また、火炉の上方すなわち微粉炭の燃焼により生成した燃焼ガス9の流れ方向下流側の前壁1aと後壁1bに、アフタエアポート3が設置されている。前壁と後壁に対して垂直部となる側壁の中央には側壁アフタエアポート4が設置されている。図4に示すように、アフタエアポート3は火炉前壁と後壁にそれぞれ複数個設けられており、側壁アフタエアポート4は側壁に1個設けられている。なお、図4は図1のA−A断面矢視図である。本実施例では、微粉炭バーナ2は上段、中段、下段の三段にわたって設けられており、各段には、それぞれ複数個のバーナが設置されている。側壁アフタエアポート4は、アフタエアポート3とほぼ同じ高さのところに設置されている。
微粉炭バーナ2からは微粉炭とそれを燃焼する空気が供給され、バーナ火炎8が形成される。バーナの空気量は、微粉炭を完全燃焼するのに必要な空気量(理論空気量)に対して少なく、通常は空気比(供給する空気量/理論空気量)0.7〜0.9で運用する。このバーナによる微粉炭の燃焼では、NOxの生成と同時にNHやCNなどの還元ガスが生成するので、還元ガスによりNOxをNに還元することができ、NOx濃度を低く抑えることができる。一方で、空気量が少ないことから不完全燃焼によりCOが生成する。
アフタエアポート3と側壁アフタエアポート4からは微粉炭が有する未燃分と燃焼ガス中のCOなどの可燃成分を燃焼するための空気が供給される。ボイラ全体の空気比としては、理論空気量より多い空気比1.1〜1.2で運用する。
図2と図3に側壁アフタエアポート4の断面図を示した。図2は直進流路10と旋回流路12を備えたものであり、図3は更に縮流流路15を備えたものである。
図2の側壁アフタエアポートの場合、直進流11と旋回流14が火炉1に向かって供給される。旋回流14の旋回強度の調整は、旋回羽根13の羽根の角度を調整することで行う。また、各流路に設けたダンパ17,18で流量配分を調整し、アフタエアポートの噴流の調整を行う。直進流11の流量を増し旋回流14の流量を少なくすると、噴流の広がりが小さく、貫通力の大きい流れとなり、ポート出口から遠方にも噴流を到達させることができる。一方、旋回流14の流量を増し、直進流11の流量を少なくすると、噴流の広がりが大きく、貫通力の小さい流れとなり、ポート出口周辺に広がる流れとなる。旋回羽根13の角度で旋回強度を調整することでも、直進流、旋回流の強さを変えることができ、噴流の広がり及び貫通力を調整できる。
図3の側壁アフタエアポートの場合、縮流16を供給できる縮流流路15を設けたことで、噴流の貫通力を更に高めている。縮流流路15の入口にはダンパ19を設けている。各ダンパの開度を調整することで流量比の調整ができ、噴流の広がり及び貫通力の調整が可能である。図3の構造の場合、縮流16の外側に2次流れ20が形成され、そこに噴流の一部が流れ込むので、側壁近傍にも噴流が供給される。
側壁アフタエアポート4の効果について、図4〜7を用いて説明する。図4は図1のA−A断面矢視図である。側壁1c,1dの周辺に発生する高濃度CO領域7に最も近接した側壁アフタエアポート4から噴流6を供給することでCOが酸化され、CO濃度が低減される。ここで、側壁アフタエアポート4の噴流は、噴流の広がりが広く、貫通力の小さい流れが最も望ましい。
具体的には、図2の構造を有する側壁アフタエアポートの場合、ダンパ18の開度を絞り、ダンパ17の開度を大きくして、旋回流14の流量を増大し、旋回羽根13の角度を調整し、旋回強度を増大することで、上記した噴流を形成できる。
一方、図3の構造を有する側壁アフタエアポートの場合は、ダンパ18、19の開度を絞り、ダンパ17の開度を大きくして、旋回流14の流量を増大し、旋回羽根13の角度を調整し、旋回強度を増大することで、上記した噴流を形成できる。
図5と図6には、側壁アフタエアポートを設けた場合と設けない場合について、火炉1内のOおよびCO濃度分布を示した。側壁アフタエアポートを有する場合を本発明と称し、側壁アフタエアポートを有しない場合を従来と称する。図5に示すように、本発明では側壁のアフタエアポートから空気を供給することで側壁近傍のO濃度が増大し、従来よりもフラットなO分布となる。また、本発明では側壁のO濃度が増大するため、図6に示すように側壁近傍のCO濃度が低減し、従来よりも火炉全体のCO濃度が低減する。
図7に燃焼ガスの温度分布を示した。側壁1c,1dはバーナ火炎よりも遠く、中央に比べて温度が低くなっている。低い温度場への側壁アフタエアポートからのアフタエアの供給は、燃焼温度をより低く抑えることができる。よって、サーマルNOxの生成を抑制でき、NOxを増大することなく、CO、未燃分を低減することができる。
図8は、図1のA−A断面矢視図に相当するものであり、アフタエアポート3の噴流5の流量(流速)が少ないときの様子を示したものである。ボイラの運転ではアフタエアポート3への供給空気量を調整しており、この流量が少なくなると、噴流5の流速が低下し、ひいては中央まで噴流5が到達しない流れとなる。このため、燃焼ガスとの混合が不十分となり、中央部を不完全燃焼ガスがすり抜けるため、中央部に高濃度CO領域7が存在する。このような現象は火炉全体の空気比を低くして運転した場合に起こりやすく、通常の運転時には図4の断面図に示すように噴流5が中央まで到達し、COのすり抜けは見られない。
これら低空気比での運転に対しては、側壁アフタエアポート4から供給する噴流6は、噴流の広がりが狭く、貫通力の大きい流れが最も望ましい。具体的には、図2の構造を有する側壁アフタエアポートの場合、ダンパ17の開度を絞り、ダンパ18の開度を大きくして、直進流11の流量を増大することで上記した噴流を形成できる。図3の構造を有する側壁アフタエアポートの場合は、ダンパ17、19の開度を絞り、ダンパ18の開度を大きくして、直進流11の流量を増大することで上記した噴流を形成できる。さらに貫通力を増大したい場合には、ダンパ17、18の開度を絞り、ダンパ19の開度を大きくして、縮流16の流量を増大することで、貫通力を増した噴流を形成できる。
また、縮流流路から噴出する空気は、噴流の広がりを抑えて高流速となるため、周囲のガスが噴流に巻き込まれ易くなる。このため、ノズル近くの側壁近傍のガスが噴流に巻き込まれ、図3に示す2次流れ20が炉内に形成される。側壁近傍のガスは2次流れ20により攪拌、および火炉中央の高温ガスと混合し易くなるのでCOの酸化反応が進み、火炉中央のCOだけでなく、2次流れ20による攪拌作用により側壁のCOも同時に低減できる効果もある。
低空気比運転に対して本発明を適用した場合の炉内のO分布を図9に示した。本発明では貫通力の大きい噴流6により中央部に空気を供給できることから、中央部のO濃度が増大し、従来よりもフラットなO分布となり、低空気比運転でもCOおよび未燃分を低減できる。図7と同様に、側壁1c,1dからのアフタエアの供給は、燃焼温度をより低く抑えることができ、NOxを増大することなく、CO、未燃分を低減することができる。
このように本実施例によれば、矩形断面形状を有する微粉炭燃焼用ボイラにおいて、火炉の空気比の変動に応じて、火炉内の高濃度CO領域7が火炉中心側或いは側壁側に変動しても、その領域に確実にアフタエアの噴流6を供給でき、COおよび未燃分を減少することができる。また、燃焼ガス温度が低い側壁1c,1dからアフタエアを供給することで燃焼温度の上昇を抑え、サーマルNOxの発生を抑制することができる。
なお、運転中の炉内の酸素濃度分布は炉内が高温であるため把握が難しい。そこで、図13に示すように、ガス温度が低下している火炉出口に酸素濃度もしくは一酸化炭素濃度の分析計を複数設置し、その測定値から炉内の酸素濃度分布を推定することが出来る。
例えば、火炉出口に設けた分析計のうち、側壁近くを測定する分析計にて酸素濃度が低く指示され、火炉中央を測定する分析計にて酸素濃度が高く指示される場合は、側壁アフタエアポートからの噴流の貫通力を弱めることが望ましい。具体的には、図2の構造を有する側壁アフタエアポートの場合、ダンパ18の開度を絞り、ダンパ17の開度を大きくして、旋回流14の流量を増大し、旋回羽根13の角度を調整し、旋回強度を増大することで、上記した噴流を形成できる。一方、図3の構造を有する側壁アフタエアポートの場合は、ダンパ18、19の開度を絞り、ダンパ17の開度を大きくして、旋回流14の流量を増大し、旋回羽根13の角度を調整し、旋回強度を増大することで、上記した噴流を形成できる。側壁のアフタエアポートから空気を供給することで側壁近傍のO濃度が増大し、従来よりもフラットなO分布となる。さらに、上記のダンパ開度の操作により、本発明では側壁のO濃度が増大するため、側壁近傍のCO濃度が低減し、従来よりも火炉全体のCO濃度が低減する。
一方、火炉出口に設けた分析計のうち、側壁近くを測定する分析計にて酸素濃度が高く指示され、火炉中央を測定する分析計にて酸素濃度が高く指示される場合は、側壁アフタエアポートからの噴流の貫通力を強めることが望ましい。具体的には、図2の構造を有する側壁アフタエアポートの場合、ダンパ17の開度を絞り、ダンパ18の開度を大きくして、直進流11の流量を増大することで上記した噴流を形成できる。図3の構造を有する側壁アフタエアポートの場合は、ダンパ17、19の開度を絞り、ダンパ18の開度を大きくして、直進流11の流量を増大することで上記した噴流を形成できる。さらに貫通力を増大したい場合には、ダンパ17、18の開度を絞り、ダンパ19の開度を大きくして、縮流16の流量を増大することで、貫通力を増した噴流を形成できる。本発明では貫通力の大きい噴流6により中央部に空気を供給できることから、中央部のO濃度が増大し、従来よりもフラットなO分布となり、低空気比運転でもCOおよび未燃分を低減できる。
このように、火炉出口に複数設けたガス分析計の指示値を元に側壁アフタエアポートの流路に設けたダンパを操作し、噴流の貫通力を変更することで、低空気比運転でもCOおよび未燃分を低減できる。
図10、図11、図12に他の実施例を示す。本実施例では側壁アフタエアポート4を複数個配置し、側壁1c,1d近傍の広い範囲に噴流6を供給している。側壁アフタエアポートを複数個配置することで、CO濃度、未燃分をさらに低減することができる。側壁は前後壁よりも辺の長さが短いので、側壁アフタエアポート4は前壁1aおよび後壁1bに設けたアフタエアポート3より少ない数でも効果がある。また、側壁アフタエアポート4を設置する位置を、アフタエアポート3よりも燃焼ガス流れ方向の下流(上部)にして、炉内温度が低いところからアフタエアを供給することで、サーマルNOxの生成も抑制できる。
図10は、側壁近くに酸素を供給する場合の例を示したが、図12に示すように、貫通力の強い噴流を複数の側壁アフタエアポートから形成し、火炉中央部の酸素濃度を高める場合にも図11に示す複数のアフタエアポートを適用できる。
また、複数のアフタエアポートのうち、いくつかの側壁アフタエアポートに貫通力の強い噴流を形成させ、残りの側壁アフタエアポートに貫通力の弱い噴流を形成させることも可能である。この場合、貫通力の強い噴流により火炉中央部の酸素濃度を高め、貫通力の弱い噴流により側壁近くの酸素濃度を高める。
なお、貫通力の変更における側壁アフタエアポートの流路に設けたダンパの操作は実施例1に記載した通りである。また、火炉出口に複数設けたガス分析計の指示値を元に側壁アフタエアポートの流路に設けたダンパを操作し、噴流の貫通力を変更することで、低空気比運転でもCOおよび未燃分を低減する運転方法も実施例1に記載した方法を適用できる。
このように、本実施例により、CO濃度とNOxを同時に抑制できる微粉炭焚きボイラを提供できる。本発明は、既存のボイラに対して、少ない改造で性能向上を図ることができ、実用上の効果はきわめて大きい。
本発明の実施例による微粉炭燃焼用ボイラの側面図。 本発明の実施例による側壁アフタエアノズルの断面図。 本発明の他の実施例による側壁アフタエアノズルの断面図。 図1のA−A断面矢視図。 火炉内のO濃度分布を示す図。 火炉内のCO濃度分布を示す図。 火炉内の燃焼ガス温度分布を示す図。 低空気比運転の場合に生じる高濃度CO領域を示した、図1のA−A断面矢視図。 低空気比運転における火炉内のO濃度分布を示す図。 本発明の他の実施例による微粉炭燃焼用ボイラの断面図。 本発明の他の実施例による微粉炭燃焼用ボイラの側面図。 本発明の他の実施例による微粉炭燃焼用ボイラの断面図。 図1に示す実施例の運転方法を示す図。
符号の説明
1…火炉、1a…前壁、1b…後壁、1c…側壁、1d…側壁、2…微粉炭バーナ、3…アフタエアポート、4…側壁アフタエアポート、5…噴流、6…噴流、7…高濃度CO領域、8…バーナ火炎、9…燃焼ガス、10…直進流路、11…直進流、12…旋回流路、13…旋回羽根、14…旋回流、15…縮流流路、16…縮流、17…ダンパ、18…ダンパ、19…ダンパ、20…2次流れ。

Claims (13)

  1. 矩形断面形状を有する火炉の前壁と後壁に、微粉炭を空気不足の状態で燃焼させるバーナと追加の空気を供給するアフタエアポートをそれぞれ対向するように備えた二段燃焼式の微粉炭燃焼用ボイラにおいて、前記前壁と前記後壁に対して垂直部となる火炉側壁に旋回流路と直進流路を有する側壁アフタエアポートを備えたことを特徴とする微粉炭燃焼用ボイラ。
  2. 前記前壁と前記後壁に設置されている前記アフタエアポートの位置と同一高さ位置あるいは前記前壁と前記後壁に設置されている前記アフタエアポートよりも燃焼ガス流れ方向の下流側に前記側壁アフタエアポートが設置されていることを特徴とする請求項1記載の微粉炭燃焼用ボイラ。
  3. 前記側壁アフタエアポートが二重管構造を有し、内側の管が前記直進流路であり、外側の管が前記旋回流路であることを特徴とする請求項1記載の微粉炭燃焼用ボイラ。
  4. 前記火炉の前壁と後壁の辺の長さに比べて側壁の辺の長さが短いことを特徴とする請求項1記載の微粉炭燃焼用ボイラ。
  5. 矩形断面形状を有する火炉の前壁と後壁に、微粉炭を空気不足の状態で燃焼させるバーナと追加の空気を供給するアフタエアポートがそれぞれ対向するように設置されている二段燃焼式の微粉炭燃焼用ボイラにおいて、前記前壁と前記後壁に対して垂直部となる火炉側壁に流路が同心円状に複数に分割され、最外周の流路が出口に向かって流路断面積が狭まる縮流流路を形成する側壁アフタエアポートを設置したことを特徴とする微粉炭燃焼用ボイラ。
  6. 前記前壁と前記後壁に設置されている前記アフタエアポートと同一高さの位置あるいは前記前壁と前記後壁に設置されている前記アフタエアポートよりも燃焼ガス流れ方向の下流側に前記側壁アフタエアポートが設置されていることを特徴とする請求項5記載の微粉炭燃焼用ボイラ。
  7. 前記側壁アフタエアポートが三重管構造を有し、最も内側の管が前記直進流路であり、その外側の管が前記旋回流路であり、最も外側の管が前記縮流流路であることを特徴とする請求項5記載の微粉炭燃焼用ボイラ。
  8. 前記火炉の前壁と後壁の辺の長さに比べて側壁の辺の長さが短いことを特徴とする請求項5記載の微粉炭燃焼用ボイラ。
  9. 矩形断面形状を有する火炉の前壁と後壁に対向するように備えられたバーナにより微粉炭を空気不足の状態で燃焼し、微粉炭の燃焼により生成する燃焼ガスの流れ方向下流における前記前壁と前記後壁に設置されたアフタエアポートから追加の空気を供給して前記燃焼ガスに含まれる未燃分を燃焼するようにした二段燃焼式の微粉炭燃焼用ボイラの運転方法において、前記火炉の側壁に直進流路と旋回流路を有する側壁アフタエアポートを設けて、その側壁アフタエアポートから直進成分と旋回成分を含む追加の空気を供給するようにしたことを特徴とする微粉炭燃焼用ボイラの運転方法。
  10. 前記側壁アフタエアポートから直進成分と旋回成分に加えて縮流成分を含む空気を供給し、前記火炉の空気比の増減に応じて前記側壁アフタエアポートから供給する空気の直進成分と旋回成分及び縮流成分の流量比を調整することを特徴とする請求項9記載の微粉炭燃焼用ボイラの運転方法。
  11. 請求項5から7のいずれかに記載の微粉炭燃焼用ボイラにおいて、火炉出口部に燃焼ガス成分の分析計を複数配置し、前記分析計の計測値の信号を取り込む演算回路を有し、前記演算回路で得られる出力信号を前記側壁アフタエアポートの各流路を流れる気体の流量を調整するダンパの調整器に取り込む信号線を有することを特徴とする微粉炭燃焼用ボイラ
  12. 矩形断面形状を有する火炉の前壁と後壁に、微粉炭を空気不足の状態で燃焼させるバーナと追加の空気を供給するアフタエアポートがそれぞれ対向するように設置されている二段燃焼式の微粉炭燃焼用ボイラにおいて、前記前壁と前記後壁に対して垂直部となる火炉側壁に流路が同心円状に複数に分割され、最外周の流路が出口に向かって流路断面積が狭まる縮流流路を形成する側壁アフタエアポートを設け、さらに火炉出口部に燃焼ガス成分の分析計を複数配置し、前記分析計で得られた燃焼ガス成分の濃度値を元に前記側壁アフタエアポートの各流路を流れる気体の流量が調整されるようにしたことを特徴とする微粉炭燃焼用ボイラ。
  13. 請求項12に記載の微粉炭燃焼用ボイラの運転方法において、
    前記火炉出口に設けた分析計のうち、側壁近くを測定する分析計にて酸素濃度が低く指示され、火炉中央を測定する分析計にて酸素濃度が高く指示される場合は、前記側壁アフタエアポートのうち、直進流路と縮流流路を流れる流量を減らし、旋回流路を流れる流量を増やし、
    側壁近くを測定する分析計にて酸素濃度が高く指示され、火炉中央を測定する分析計にて酸素濃度が低く指示される場合は、前記側壁アフタエアポートのうち、直進流路と縮流流路を流れる流量を増やし、旋回流路を流れる流量を減らすことを特徴とする微粉炭燃焼用ボイラの運転方法。
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