JP2009250532A - 微粉炭焚きボイラ - Google Patents

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Shinji Tsuda
申士 津田
Osamu Ito
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Abstract

【課題】未燃分、COおよびNOxを低減することができる微粉炭焚きボイラを提供する。
【解決手段】ボイラ火炉を囲む炉壁に微粉炭を理論空気比以下で燃焼させるバーナと、前記バーナでの不足分の燃焼用空気を火炉内に供給して完全燃焼させるアフタエアノズルとを備え、アフタエアノズルを直進流の流路となる内管と旋回流の流路となる外管との二重管構造にし、内管の内径を外管の内径の0.6から0.75の範囲にする。これによって、アフタエア噴流の流速を抑制しつつ燃焼ガスとアフタエアとの混合促進を図ることが可能となり、サーマルNOxの生成を抑制し、NOxとCOの同時低減を実現できる。
【選択図】図1

Description

本発明は微粉炭焚きボイラに係り、特にボイラ火炉の炉壁にバーナとアフタエアノズルを配置して二段燃焼を行うボイラに関する。
微粉炭焚きボイラでは窒素酸化物(以下、NOxと記載する)濃度の抑制が求められ、二段燃焼法が主流になっている。
二段燃焼を行うボイラには、微粉炭バーナとアフタエアノズルが備えられ、バーナから微粉炭燃料と燃焼用空気が供給され、火炉内のガス流れ方向から見てバーナよりも下流に位置するアフタエアノズルから空気のみが供給される。
バーナ部での燃焼では、微粉炭燃料を完全燃焼させるために必要な理論空気比よりも少ない量の空気が供給され、空気不足の状態で微粉炭を燃焼させて還元雰囲気とし、バーナから発生するNOxを窒素に還元し、NOxの生成を抑える。しかしながら、この還元雰囲気では酸素不足により未燃分が残り、一酸化炭素(以下、COと記載する)が発生する。
そこで、この還元雰囲気で発生した未燃分、COを完全燃焼させるために、バーナの下流に位置するアフタエアノズルから理論空気比の不足分となる量の空気を供給し、全体の空気量を理論空気比よりも若干多めにして未燃分を燃焼させる。
この二段燃焼法においても、未燃分の更なる低減を図るために、火炉内を上昇してくる不完全燃焼の可燃ガスとアフタエアノズルから供給するアフタエアとの混合促進が求められている。そして、特許文献1に開示されているようにアフタエア噴流の流動様式を調整し、直進流の流路と旋回流の流路とを備えたノズル構造にして、バーナによる不完全燃焼の可燃ガスとアフタエアノズルから供給される空気との混合促進を図ることが行われている。
特開平1−167514号公報
しかしながら、直進流と旋回流のアフタエアを供給して燃焼ガスとアフタエアとの混合促進を図ったボイラであっても、そのアフタエアの噴出速度が速すぎるとサーマルNOxが生成しやすくなり、NOxとCOの同時低減を図ることは困難であることがわかった。
本発明の目的は、ボイラ火炉の炉壁にバーナとアフタエアノズルを備え、アフタエアノズルから燃焼用空気を直進流および旋回流にて供給するようにした微粉炭焚きボイラにおいて、サーマルNOxの生成を抑制し、COとNOxを同時に低減できるようにすることにある。
本発明は、ボイラ火炉を囲む炉壁に微粉炭を理論空気比以下で燃焼させるバーナと、前記バーナでの不足分の燃焼用空気を火炉内に供給して完全燃焼させるアフタエアノズルとを備え、前記アフタエアノズルが直進流路となる内管と旋回流路となる外管との二重管構造を有する微粉炭焚きボイラにおいて、前記アフタエアノズルの前記内管の内径を前記外管の内径に対して0.6から0.75の範囲内となるようにしたことを特徴とする。
アフタエアノズルの直進流が流れる内管の内径を、旋回流が流れる外管の内径の0.6から0.75の範囲内にしたことによって、アフタエア噴流の流速を抑制しつつ燃焼ガスとアフタエアとの混合促進を図ることが可能となり、サーマルNOxの生成を抑制して、NOxとCOの同時低減を達成することができる。
以下、図面を用いて、本発明の微粉炭焚きボイラの好ましい実施形態を説明する。
図3に本発明の一実施例による微粉炭焚きボイラを側面方向から見た概略断面図を示す。
本実施例のボイラは、ボイラ火炉1が前壁1aと後壁1b及び両側面の側壁とから構成されており、横断面形状は四角形になっている。前壁1aと後壁1bの長さが長く、側壁の長さが短い長方形断面である。本発明は、このように横断面形状が四角形、特に長方形をしているボイラに好適である。
ボイラ火炉1の前壁と後壁の対向する位置には微粉炭バーナ2が設けられている。図1ではガス流れ方向に沿って三段に微粉炭バーナ2が設けられている。各段の微粉炭バーナは一方の側壁と他方の側壁との間に複数個配置されている。燃焼ガスの流れ方向から見て微粉炭バーナ2よりも下流にはアフタエアノズル3が設けられている。アフタエアノズル3も微粉炭ノズルと同様に前壁と後壁の対向する位置に設けられ、かつ、一方の側壁と他方の側壁との間に複数個配置されている。
図1にアフタエアノズル3の断面図を示し、図2にアフタエアノズル3の出口形状を示す。アフタエアノズル3は、図2から明らかなように内管21と外管22が同心状に配置された二重管構造になっている。内管21は燃焼用空気が直進流35で流れる直進流路30であり、外管22は燃焼用空気が旋回流36で流れる旋回流路31である。
アフタエアノズル3は燃焼用空気がボイラ火炉内に水平方向に噴出されるように炉壁に取り付けられている。
アフタエアである燃焼用空気はウインドボックス外壁9内に供給され、ウインドボックス外壁9内に配置された複数のアフタエアノズル3に分配される。旋回流36はレジスタ32で羽根角度を調整し、その旋回強度を調整する。また、直進流路30及び旋回流路31にそれぞれ設けたダンパ33、34の開度で直進流および旋回流の流量配分を調整する。
直進流35となる流路をアフタエアノズルの中央に配置し、貫通力を高めて炉中央にまで噴流を到達させることで、未燃焼のバーナ部燃焼ガス5が炉内中央をすり抜けてボイラ出口に達するのを阻止し、燃焼排ガス6のCOが増大しないようにしている。一方、外周を旋回流路31とすることで、中央の直進流より貫通力が小さくなり、炉中央まで噴流が到達せず、ボイラ壁近傍でバーナ部燃焼ガス5と混合する流れとなる。これにより、炉中央及び炉壁近傍を流れる燃焼ガスとアフタエアとの混合が促進される。炉壁近傍における燃焼ガスとアフタエアとの混合は、旋回羽根角度を調整して旋回強度を増すことで促進される。
本実施例のボイラは、アフタエアノズルの中央に位置する直進流路30の内径D1が、外周部を流れる旋回流路31の内径D2の0.6〜0.75の範囲になっている。このため、噴流の流出速度が抑えられ、NOxの増大を抑えつつ、アフタエア噴流7とバーナ部燃焼ガス5との混合を促進して、炉内の酸素濃度を均一化し、未燃分、COを低減することができる。内管21の内径D1を外管22の内径D2の0.6から0.75の範囲に設定した理由は別途、実施例5において図10から図14を参照して説明する。
図3に示す微粉炭焚きボイラにおいて、燃料である石炭は微粉炭製造装置(図示せず)で微粉に粉砕され、微粉炭バーナ2に供給され、ボイラ火炉1内へ投入される。一方、微粉炭を燃焼させる燃焼用空気は微粉炭バーナ2およびアフタエアノズル3に供給される。微粉炭バーナ2で燃焼したバーナ部燃焼ガス5はボイラ火炉1内を上昇し、アフタエアノズル3から供給される燃焼用空気で完全燃焼され、未燃分を低減した燃焼排ガス6となる。燃焼排ガス6はボイラ火炉1を出て脱硝、脱硫(図示せず)された後、大気へ放出される。
一般にアフタエア噴流7でCO、未燃分を低減するように混合を促進すると、燃焼ガス温度が高温となり、サーマルNOxが生成するため、COとNOxはトレードオフの関係にある。本発明ではアフタエアノズルの口径比を所定の範囲に設定することで、アフタエア流速を抑えつつ炉内混合が促進する噴流となるため、NOxが増大することなく、CO、未燃分を低減でき、燃焼効率が向上する。このため、経済性を高める効果もある。
図4に炉内空気比分布の例を示す。供給する空気量としては、例えば、空気比分布ライン12に示すように、アフタエアノズル3の上流部でのバーナ空気比を0.8(燃料が完全燃焼するのに必要な理論空気量より20%少ない)とし、残り0.4分の空気比に相当する空気量をアフタエアノズル3から供給し、ボイラ出口では理論空気量1.0より多い空気比1.2で運用する。ただし、本発明による効果は図4に示した空気比分布ライン12の数値に限定されたものでない。
図5に本発明の他の実施例によるアフタエアノズル3の断面図を示す。本実施例のアフタエアノズル3は、縮流路37が旋回流路31に下流部で接続されていることを除けば図1と同じ構造をしている。本アフタエアノズルは縮流路37からも空気が供給できる構造となっており、ダンパ39の開度で、縮流流れ38の強度を調整することができる。
本実施例のアフタエアノズルによれば、特に縮流流れ38の流量を増大することで、直進流35の外周部で2次流れが発生し、炉内混合を促進し、CO、未燃分をより一層低減できるというメリットがある。
本実施例では、アフタエアノズルをボイラ火炉の燃焼ガス流れ方向に沿って二段に配置した場合について、図6および図7を参照して説明する。
図7に示すように、ボイラ火炉1の前壁1aと後壁1bにそれぞれアフタエアノズル3とアフタエアノズル4が備えられている。
ボイラ火炉1のバーナ部燃焼ガス5の流れ方向から見て最下流に位置するアフタエアノズル3を図1あるいは図5に示す構造とし、さらに、その上流側にもアフタエアノズル4を設けて緩慢燃焼させることで、さらにサーマルNOxを低減することができる。
図6は、直進流路と旋回流路を有する図1に示す構造のアフタエアノズル3とアフタエアノズル4を備えたボイラ炉壁部分の構成図およびボイラ内でのアフタエア噴流の流れを示している。
アフタエアノズル3は図1と同じように内管の内径が外管の内径の0.6から0.75の範囲になるように設定されている。アフタエアノズル4もアフタエアノズル3と同じように直進流路と旋回流路を有するようにするのが好ましいが、アフタエアノズル4からのアフタエア噴流8は低NOxを実現するための噴流であるので、アフタエアノズル3と同じように直進流路と旋回流路の口径比を設定する必要はない。
図6でのアフタエアノズル4は、中央に直進流路40、外周に旋回流路41を備えており、直進流45と旋回流46よりなるアフタエア噴流8がボイラ火炉1内に向かって供給される。旋回流46はレジスタ42で羽根角度を調整し、その旋回強度を調整することができる。また、各流路に設けたダンパ43、44で流量配分を調整することができる。
アフタエアノズル4は、最下流に位置するアフタエアノズル3のアフタエア噴流7より低流量、低流速とし、貫通力の弱い噴流とする。アフタエアノズル4によるアフタエア噴流8は図6に示すように貫通力が弱いため、上流から上昇してくるバーナ部燃焼ガス5によって、壁面近くを流れる噴流となる。アフタエア噴流8は壁面近くでの未燃ガスのすり抜けを抑制し、COを低減できる。
図8に本実施例によるボイラの炉内空気比分布の例を示す。アフタエアノズル3およびアフタエアノズル4に供給する空気量としては、例えば、空気比分布ライン13に示すように、アフタエアノズル4の上流部でのバーナ空気比を0.8(燃料が完全燃焼するのに必要な理論空気量より20%少ない)とし、アフタエアノズル4からの燃焼用空気投入後の空気比が0.9となるように空気比で0.1分の空気をアフタエアノズル4から供給する。アフタエアノズル3の直前まで空気比1.0未満とすることで、還元領域が拡大し、還元時間が確保され、NOxが還元され低NOx化が図れる。
アフタエアノズル3から残りの空気を供給し、ボイラ出口で例えば空気比1.2になるように運用する。以上により、未燃分、CO、NOxの低減が図れる。ただし、本発明は、この空気比分布ライン13の数値に限るものではない。
なお、本実施例では、アフタエアノズル3に図1に示す構造のアフタエアノズルを用いた場合について説明したが、図5に示す構造のアフタエアノズルを用いてもよい。この場合、燃焼ガス流れ方向の上流に位置するアフタエアノズル4には、図1あるいは図5に示す構造のものを用いることが望ましい。ただし、アフタエアノズル4は低NOxを実現するために設けるので、アフタエアノズル3と同様に直進流路と旋回流路の口径比を設定する必要はない。また、アフタエアノズル3のアフタエア噴流より低流量、低流速とし、貫通力の弱い噴流とすることが望ましい。アフタエアノズル4から直進流のみを噴出することは、貫通力を高めることになるので好ましくない。
アフタエアノズルは燃焼ガスの流れ方向に三段に配置しても良い。この場合の炉内空気比分布の例を図9に示す。本実施例では、直進流路と旋回流路を有し、それらの流路の口径比をアフタエアノズル3のように設定していないアフタエアノズル4を二段に設けている。ここでも、アフタエアノズル3の直前まで空気比1.0未満とし、還元領域を下流まで維持し、低NOx化を図っている。本実施例での空気比分布ライン14では、アフタエアノズル4へそれぞれ0.05分の空気比となる空気量を供給しているが、アフタエアノズル3の上流で空気比1.0未満とすればよく、図9の分布ライン14の数値に限るものではない。
このように、直進流路と旋回流路を有するアフタノズル4をアフタエアノズル3の上流に配置し、燃焼用空気を供給することで、燃焼用空気を投入してからボイラ出口に到達するまでの滞留時間が増大し、CO、未燃分がより低減するというメリットがある。また、アフタエアノズル4への空気量が少なくなり、バーナ部燃焼ガス5との混合が緩慢となり、アフタエア噴流8でのサーマルNOxの生成がより抑制されるというメリットもある。
さらに上流に設けたアフタエアノズル4による燃焼ガスを下流のアフタエアノズル3が巻き込むことで、バーナ部燃焼ガスとアフタエアノズルの噴流との混合領域(界面)が低酸素濃度となり、火炎温度の上昇が抑制され、NOx生成が低減されるため、COとNOxを同時に低減することができる。
ボイラ火炉の燃焼ガス流れ方向から見て最下流に位置するアフタエアノズルの中央直進流路と外周旋回流路の口径比を0.6から0.75にする理由について説明する。
図10にアフタエアノズル1次、2次の流量配分の違いによる炉内CO濃度への影響(燃焼実験結果)を示す。CO濃度は試験用アフタエアノズル設置位置から下流位置で測定し、炉内断面平均値をプロットした。実験は、全燃料流量、全空気流量を一定とし、バーナ空気比、出口空気比、バーナ部、空気温度を一定とし、アフタエアノズルの流量配分の違いによるCOへの影響を評価した。
実験でのアフタエアノズル構造は従来の口径比、具体的には外周旋回流路の内径1に対して中央直進流路の内径を0.5にした。横軸はアフタエアノズルの全流量(1次流量Q1+2次流量Q2)に対する1次流量Q1の割合を示しており、0の場合は2次のみ、1の場合は1次のみに全流量が流れていることを示す。1次流れは直進流、2次流れは旋回流である。縦軸はアフタエアノズル下流での炉内断面平均のCO値を、従来の運用である1次流量0.3でのCO値で規格化した。図からCOはアフタエアノズルの流量配分によって変化し、極小値を持つ分布となる。特に0.5から0.7の範囲でCO濃度が低く、この時のアフタエア噴流が炉内の混合を促進する流れとなり、炉内の未燃ガスと素早く反応し、COが低減していることがわかる。
ところで、ボイラ火炉出口の空気過剰率を従来運用(例えば空気比1.20)より下げて運用することで、ボイラ出口の排気ガス流量を低減し、脱硫、脱硝で使用するアンモニア、触媒などの使用量を低減し、ランニングコストを削減する運用が望まれている。しかし、火炉空気比の低下はアフタエアノズルから供給する空気量(酸素量)が減るため、炉内でのCO(未燃分)が増大する。炉内で残存するCO濃度を一定にし、火炉出口の空気比を下げるには従来運用より低COとなるアフタエアノズル噴流が必要となる。図10に示す規格化したCO値で従来基準1.0より半減する0.5以下とすると、アフタエアノズルでの炉内ミキシングが改善する。そのため、火炉空気過剰率を従来運用より5%下げても、CO濃度が増大せず、前述したように低コスト運用が可能となる。
よって、アフタエアノズルの噴流で図中に示した範囲A(0.5〜0.7)にQ1/(Q1+Q2)の流量配分を設定すれば、火炉空気比を下げない運用の場合はCO、未燃分が低減し、効率が向上すると同時に環境への負荷も低減する。また、空気比を下げて運用した場合は、低コスト運用が可能となる。
図10の結果を基に、アフタエアノズルの1次(直進流)、2次(旋回流)の流速を求め、図11に示した。範囲Aに対する1次流速は範囲Bに示すようにV1〜V2となっている。2次の流路面積が1次より大きいため、2次流速は1次流速より低い。
ところで、NOxは一般にCOとトレードオフの関係である。COを低減するため、アフタエア噴流での混合を促進すると、広範囲で素早く燃焼するため、火炎温度が上昇し、サーマルNOxが生成し、NOx濃度が増大する。特にアフタエア流速の増大は、サーマルNOxの増大につながる。特に流速があるしきい値を超えるとNOxの増大が顕著に現れる。図中にはV0として点線で示した。
よって、従来のアフタエアノズル1次/2次口径比では、1次流速がV0を超えるため、COは低減しても、NOxが増大する噴流となる。
図12にレイノルズ数との関係を示す。レイノルズ数は流動状態を表す無次元数であり、レイノルズ数が同一であれば、噴流が相似であることを示す。特に範囲Aでの主流流れは1次の直進流であり、レイノルズ数も高く、範囲Cに示すようにR1〜R2である。この主流となる1次流れのレイノルズ数と同じであればCOが最も低減するアフタエア噴流を模擬できる。
COが最も低下するのに最低限必要なレイノルズ数はQ1/(Q1+Q2)の流量比が0.5の場合のレイノルズ数R1である。
したがって、アフタエアノズルのQ1/(Q1+Q2)流量比0.5から0.7の条件で、流速がV0以下で、かつ、1次流れのレイノルズ数R1以上を満足するD1/D2とすれば、NOxの増大を抑制しつつ、同時に混合も促進しCOも低減できるアフタエア噴流が形成できる。
図13にアフタエアノズル口径比D1/D2と流速の関係を示す。図13には図11、図12のアフタエアノズル流量比0.5と0.7の時の1次、2次流速をそれぞれ示している。NOxが増大する流速V0を破線で示す。図13から流量比0.5の場合は、1次流速がV0なるD1/D2=0.6が下限値で、流量比0.7の場合の2次流速がV0となる0.87が上限値となる。この範囲のアフタエアノズル口径比とすれば、流量比0.5から0.7の条件で流速V0以下を満足する噴流が得られる。図13には流速V0以下を満足するD1/D2を範囲Lで示した。
図14にアフタエアノズル口径比D1/D2とレイノルズ数の関係を示す。図14には図13と同様に流量比0.5、0.7のレイノルズ数をそれぞれ示す。図中には1次流れに必要なレイノルズ数R1を破線で示した。破線R1と各1次Reの交点がアフタエア噴流を模擬するD1/D2の範囲となる。図14から、D1/D2=0.53が下限値で、0.75が上限値となる。これらレイノルズ数R1以上となる範囲をMで表した。上記した流速V0とレイノルズ数R1の両方を満足する範囲は、範囲Mと範囲Lが重なる範囲であり、図中にNで示した。D1/D2の範囲は0.6から0.75となる。
アフタエアノズル口径比D1/D2を0.6から0.75に設定するとCOも低減でき、かつ噴流流速を抑えNOxの発生も抑制するアフタエア噴流となる。
このように本発明でのアフタエアノズルの1次、2次口径比を設定し、さらに好ましくはアフタエアを2段以上設けてアフタエアを供給することで、未燃分、COおよびNOxを低減することができる。
本発明の実施例によるアフタエアノズルの断面図。 図1のアフタエアノズルの開口部形状を示す概略図。 本発明の実施例によるボイラを側面から見た概略断面図。 本発明の実施例によるボイラの炉内空気比分布の例を示した図。 本発明の他の実施例によるアフタエアノズルの断面図。 アフタエアノズルを二段に設けたボイラの一部断面図。 アフタエアノズルを二段に設けたボイラを側面から見た断面図。 アフタエアノズルを二段に設けたボイラの炉内空気比分布の例を示す図。 アフタエアノズルを三段に設けたボイラの炉内空気比分布の例を示す図。 アフタエアノズルの流量配分とCOの関係を示す図。 アフタエアノズルの流量配分と流速の関係を示す図。 アフタエアノズルの流量配分とレイノルズ数の関係を示す図。 アフタエアノズルの口径比と流速の関係を示す図。 アフタエアノズルの口径比とレイノルズ数の関係を示す図。
符号の説明
1…ボイラ火炉、2…微粉炭バーナ、3,4…アフタエアノズル、5…バーナ部燃焼ガス、6…燃焼排ガス、7,8…アフタエア噴流、9…ウインドボックス外壁、10…外縁部(混合領域)、12,13,14…空気比分布ライン、21…内管、22…外管、30,40…直進流路、31,41…旋回流路、32,42…レジスタ、33,34,39,43,44…ダンパ、35,45…直進流、36,46…旋回流、37…縮流路、38…縮流流れ。

Claims (16)

  1. ボイラ火炉の炉壁に微粉炭を理論空気比以下で燃焼させるバーナと、前記バーナでの不足分の燃焼用空気を火炉内に供給して完全燃焼させるアフタエアノズルとを備え、前記アフタエアノズルが直進流の流路となる内管と旋回流の流路となる外管との二重管構造を有している微粉炭焚きボイラにおいて、前記アフタエアノズルの前記内管の内径が前記外管の内径に対して0.6から0.75の範囲内にあることを特徴とする微粉炭焚きボイラ。
  2. ボイラ火炉を囲む炉壁に微粉炭を理論空気比以下で燃焼させるバーナと、前記バーナでの不足分の燃焼用空気を火炉内に供給して完全燃焼させるアフタエアノズルとを備え、前記アフタエアノズルが燃焼ガスの流れ方向に沿って複数段に配置されている微粉炭焚きボイラにおいて、前記複数段に配置された前記アフタエアノズルのうち少なくとも燃焼ガス流れ方向の最下流に配置されたアフタエアノズルが内管と外管との二重管構造を有し内管が直進流の流路、外管が旋回流の流路になっており、前記内管の内径が前記外管の内径に対して0.6から0.75の範囲内にあることを特徴とする微粉炭焚きボイラ。
  3. 請求項2において、前記アフタエアノズルが燃焼ガス流れ方向に沿って二段又は三段に配置されていることを特徴とする微粉炭焚きボイラ。
  4. ボイラ火炉を囲む炉壁に微粉炭を理論空気比以下で燃焼させるバーナと、前記バーナでの不足分の燃焼用空気を火炉内に供給して完全燃焼させるアフタエアノズルとを備え、前記アフタエアノズルが燃焼用空気を直進流で流す内管と旋回流で流す外管との二重管構造になっている微粉炭焚きボイラにおいて、前記アフタエアノズルの前記外管のノズル先端部分に外管の外側から外管内に燃焼用空気を斜め方向に供給して旋回流がノズル中心軸方向に向けて噴出されるようにした縮流手段を有し、かつ前記内管の内径が前記外管の内径の0.6から0.75の範囲内となっていることを特徴とする微粉炭焚きボイラ。
  5. ボイラ火炉を囲む炉壁に微粉炭を理論空気比以下で燃焼させるバーナと、前記バーナでの不足分の燃焼用空気を火炉内に供給して完全燃焼させるアフタエアノズルとを備え、前記アフタエアノズルが燃焼ガス流れ方向に沿って複数段に配置されている微粉炭焚きボイラにおいて、前記複数段に配置された前記アフタエアノズルのうち少なくとも燃焼ガス流れ方向の最下流に配置されたアフタエアノズルが二重管構造を有し内管が直進流の流路、外管が旋回流の流路になっており、前記外管のノズル先端部分に外管の外側から外管内に燃焼用空気を斜め方向に供給して旋回流がノズル中心軸方向に向けて噴出されるようにした縮流手段を有し、かつ前記内管の内径が前記外管の内径の0.6から0.75の範囲内になっていることを特徴とする微粉炭焚きボイラ。
  6. 請求項5において、前記アフタエアノズルが燃焼ガス流れ方向に沿って二段又は三段に配置されていることを特徴とする微粉炭焚きボイラ。
  7. 請求項2において、前記複数段に亘って配置された前記アフタエアノズルのうち、燃焼ガス流れ方向の最下流に配置されたアフタエアノズルを除く残りのアフタエアノズルが内管と外管との二重管構造になっていて前記内管を直進流が流れ、前記外管を旋回流が流れることを特徴とする微粉炭焚きボイラ。
  8. 請求項5において、前記複数段に亘って配置された前記アフタエアノズルのうち、燃焼ガス流れ方向の最下流に配置されたアフタエアノズルを除く残りのアフタエアノズルが内管と外管との二重管構造になっていて前記内管を直進流が流れ、前記外管を旋回流が流れることを特徴とする微粉炭焚きボイラ。
  9. 請求項5において、前記複数段に亘って配置された前記アフタエアノズルのうち、燃焼ガス流れ方向の最下流に配置されたアフタエアノズルを除く残りのアフタエアノズルが内管と外管との二重管構造を有し内管が直進流の流路、外管が旋回流の流路になっており、前記外管のノズル先端部分に外管の外側から外管内に燃焼用空気を斜め方向に供給して旋回流をノズル中心軸方向に向けて噴出する縮流手段を有することを特徴とする微粉炭焚きボイラ。
  10. 請求項2または5において、燃焼ガス流れ方向の最下流に配置されたアフタエアノズルには、それよりも上流側に配置されたアフタエアノズルに比べて多量の燃焼用空気が供給されることを特徴とする微粉炭焚きボイラ。
  11. 請求項2または5において、燃焼ガス流れ方向の最下流に配置されたアフタエアノズルから供給される燃焼用空気によって、理論空気比又はそれ以上の空気比が達成されることを特徴とする微粉炭焚きボイラ。
  12. 請求項2または5において、燃焼ガス流れ方向の最下流に配置されたアフタエアノズルには、それよりも上流側に配置されたアフタエアノズルに比べて多量の燃焼用空気が供給され、かつ最下流に配置されたアフタエアノズルから供給される燃焼用空気によって理論空気比又はそれ以上の空気比が達成されることを特徴とする微粉炭焚きボイラ。
  13. 請求項2または5において、燃焼ガス流れ方向の最下流に配置されたアフタエアノズルよりも上流に配置されたアフタエアノズルには、最下流に配置されたアフタエアノズルの噴流よりも低流速、低流量のアフタエアが供給されることを特徴とする微粉炭焚きボイラ。
  14. 請求項1または4において、前記アフタエアノズルはノズル中心軸線が水平あるいはほぼ水平の方向となるようにボイラ火炉の炉壁に設置されていることを特徴とする微粉炭焚きボイラ。
  15. 請求項2又は5において、燃焼ガスの流れ方向に沿って複数段に配置された前記アフタエアノズルはいずれも、ノズル中心軸線が水平あるいはほぼ水平の方向となるようにボイラ火炉の炉壁に設置されていることを特徴とする微粉炭焚きボイラ。
  16. 請求項1ないし15のいずれか1項において、前記ボイラ火炉が前壁と後壁及び側壁によって構成され、四角形の断面を有し、前壁と後壁の対向する位置にそれぞれ複数個のアフタエアノズルが設置されていることを特徴とする微粉炭焚きボイラ。
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