JP2008168813A - 車両、車両の制御方法、車両の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびそのプログラムをコンピュータ読取り可能に記録した記録媒体 - Google Patents

車両、車両の制御方法、車両の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびそのプログラムをコンピュータ読取り可能に記録した記録媒体 Download PDF

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光明 比嘉
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Abstract

【課題】エンジン停止時に乗員に与える不快感を抑制した車両および車両の制御方法を提供する。
【解決手段】制御装置50は、クラッチC1,C2非伝達状態に切替えるときには、回転センサ76の出力に基づいて、クラッチC1,C2の駆動軸22側回転と駆動装置11側回転の差が所定値以下になるように駆動装置11を同期制御する。制御装置50は、クラッチC1,C2を非伝達状態に制御している場合に、エンジン8の停止条件が成立した場合には、エンジン8を停止させるとともにエンジン8が停止するまで同期制御を継続して行なう。好ましくは、停止条件は、第1の回転センサ77または78の出力が、クラッチC1またはC2を接続すれば電動機MG1が過回転となる回転数を示すことを含む。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両、車両の制御方法、車両の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびそのプログラムをコンピュータ読取り可能に記録した記録媒体に関する。
エンジンの出力を第1電動機および出力軸へ分配する動力分割機構と、その動力分割機構の出力軸と駆動輪との間に設けられた第2電動機とを、備えたハイブリッド車両用駆動装置が知られている。
図13は、従来のハイブリッド車両の駆動系の概略構成を示す図である。
図13を参照して、従来のハイブリッド車両500は、エンジン508の出力を第1電動機MG1および駆動軸522へ分配する動力分割機構516と、その動力分割機構516の駆動軸522を駆動する回転子を有する第2電動機MG2とを含む。
このようなハイブリッド車両用駆動装置では動力分割機構516が例えば遊星歯車装置で構成される。遊星歯車装置の差動作用により、エンジンからの動力の主部が駆動輪へ機械的に伝達されるとともに、そのエンジンからの動力の残部が第1電動機から第2電動機への電気パスを用いて駆動輪に伝達される。このように制御することにより、無段変速機としての機能が実現される。そして、エンジンを最適な作動状態に維持しつつ車両を走行させることにより燃費が向上させられる。
特開2005−351459号公報(特許文献1)は、このようなハイブリッド自動車の駆動装置にさらに自動変速機が組み合わされた構成を有する車両用駆動装置を開示する。
特開2005−351459号公報 特開2004−99030号公報 特開2006−94617号公報 特開2003−348708号公報 特開平9−150638号公報
図13に示したような、変速機を組み込んでいないハイブリッド車両500では、動力伝達経路にクラッチ機構が設けられておらず、第2電動機MG2と車輪駆動軸522とが常時機械的に連結されていた。そして、シフトレバーをN(ニュートラル)位置に設定すると、第1電動機MG1および第2電動機MG2のステータコイルへの通電を切った状態(シャットダウン状態)とすることにより、エンジン8のトルクを車輪駆動軸522に伝達しないようにしていた。
また、このようなクラッチ機構を有しないハイブリッド車両では、エンジン停止時に生じる振動が車輪駆動軸522に伝達され車体に不快な振動を生じさせるので以下に説明するような対策が講じられていた。
図14は、従来のハイブリッド車両500の共線図である。
図14において、第1電動機MG1の回転数Ng、エンジン回転数Neおよび第2電動機MG2の回転数Nmは、動力分割機構の働きにより常に一直線上に並ぶ。
今、車両停車中においてエンジンを停止させる場合を考える。車両停車中なので、回転数Nmはゼロである。エンジン運転中は、直線W11に示すようにエンジンは回転数Neで運転されており、第1電動機MG1は回転数Ngで運転されている。
エンジンを停止するために、燃料の供給を遮断(フューエルカット)すると、エンジン回転数Neは次第にゼロに近づく。このとき、エンジンやトランスアクスルの構造によって定まる共振周波数帯Kを通過する。
共振周波数帯Kにエンジン回転数Neが入っている時間が長いほど、エンジンやトランスアクスルで発生する振動が駆動軸522から車体全体に伝達され、乗員に不快な振動を感じさせることになる。
したがって、従来のハイブリッド車両500では、エンジン停止時にはフューエルカットを行なうと同時に、第1電動機MG1にトルクTgを発生させてエンジン回転数Neがすみやかに共振周波数帯Kを通過するようにエンジン回転を強制的に低減させていた。そして、第2電動機MG2には、トルクTgの反力で車両が動くのを防ぐためにトルクTmを発生させていた。
さらに、このような対策を講じるため、シフトレバーがN位置にあるとき主電源スイッチがオフされた場合には、自動的にシフト位置をP位置に移動させてエンジン停止制御が行なわれていた。
これに対し、特開2005−351459号公報には、変速機がニュートラルレンジに制御されている場合、エンジン運転中はクラッチ機構を解放させている場合でも変速ショックを防ぐためにクラッチ機構の駆動側と変速機側を同期制御させることが記載されている。しかし、上記のように、従来防振対策が施されてきたエンジン停止中の制御については、振動や駆動部の保護の観点に関して特に検討されていない。
この発明の目的は、エンジンを搭載し、かつ車輪駆動軸が駆動系から切り離しが可能な車両において、エンジン停止時に乗員に与える不快感を抑制した車両および車両の制御方法を提供することである。
この発明は、要約すると、車両であって、車輪に常時機械的に結合された駆動軸と、駆動軸の回転数を検出する第1の回転センサと、内燃機関と第1の電動機とを含み駆動トルクを発生する駆動装置と、駆動装置の出力軸の回転数を検出する第2の回転センサと、駆動軸に対して駆動力の伝達状態と非伝達状態との切替を行なうクラッチ機構と、駆動装置とクラッチ機構の制御を行なう制御装置とを備える。制御装置は、クラッチ機構を伝達状態から非伝達状態に切替えるときには、第1、第2の回転センサの出力に基づいて、クラッチ機構の駆動軸側回転と駆動装置側回転の差が所定値以下になるように駆動装置を同期制御する。制御装置は、クラッチ機構を非伝達状態に制御している場合に、内燃機関の停止条件が成立した場合には、内燃機関を停止させるとともに内燃機関が停止するまで同期制御を継続して行なう。
好ましくは、停止条件は、第1の回転センサの出力が、クラッチ機構を接続すれば第1の電動機が過回転となる回転数を示すことを含む。
好ましくは、駆動装置は、駆動装置の出力軸に回転子が結合されている第2の電動機と、第1、第2の電動機および内燃機関の各出力軸がそれぞれ3つの入力軸に接続される動力分割機構とをさらに含む。
この発明は、他の局面に従うと、車輪に常時機械的に結合された駆動軸と、駆動軸の回転数を検出する第1の回転センサと、内燃機関と第1の電動機とを有し駆動トルクを発生する駆動装置と、駆動装置の出力軸の回転数を検出する第2の回転センサと、駆動軸に対して駆動力の伝達状態と非伝達状態との切替を行なうクラッチ機構と、駆動装置とクラッチ機構の制御を行なう制御装置とを含む車両の制御方法であって、クラッチ機構を伝達状態から非伝達状態に切替えるときには、第1、第2の回転センサの出力に基づいて、クラッチ機構の駆動軸側回転と駆動装置側回転の差が所定値以下になるように駆動装置を同期制御するステップと、クラッチ機構を非伝達状態に制御している場合に、内燃機関の停止条件が成立した場合には、内燃機関を停止させるとともに内燃機関が停止するまで同期制御を継続して行なうステップとを備える。
好ましくは、停止条件は、第1の回転センサの出力が、クラッチ機構を接続すれば第1の電動機が過回転となる回転数を示すことを含む。
好ましくは、駆動装置は、駆動装置の出力軸に回転子が結合されている第2の電動機と、第1、第2の電動機および内燃機関の各出力軸がそれぞれ3つの入力軸に接続される動力分割機構とをさらに含む。
この発明は、さらに他の局面に従うと、上記いずれかの車両の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータ読取り可能に記録した記録媒体である。
この発明は、さらに他の局面に従うと、上記いずれかの車両の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
この発明によれば、エンジン停止時に乗員に与える不快感を抑制することができ、車両の保護も図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[全体構成の説明]
図1は、本実施の形態の車両1の主たる構成を示す図である。
図1を参照して、車両1は、車輪38に常時機械的に結合された駆動軸22と、駆動軸22の回転数Npを検出する第1の回転センサ77または78と、エンジン8と第1の電動機MG1とを含み駆動トルクを発生する駆動装置11と、駆動装置11の出力軸の回転数Nmを検出する第2の回転センサ76と、駆動軸22に対して駆動力の伝達状態と非伝達状態との切替を行なうクラッチC1,C2と、駆動装置11とクラッチC1,C2の制御を行なう制御装置50とを備える。制御装置50は、クラッチC1,C2を伝達状態から非伝達状態に切替えるときには、第1、第2の回転センサ76の出力に基づいて、クラッチC1,C2の駆動軸22側回転と駆動装置11側回転の差が所定値以下になるように駆動装置11を同期制御する。制御装置50は、クラッチC1,C2を非伝達状態に制御している場合に、エンジン8の停止条件が成立した場合には、エンジン8を停止させるとともにエンジン8が停止するまで同期制御を継続して行なう。
好ましくは、停止条件は、第1の回転センサ77または78の出力が、クラッチC1またはC2を接続すれば第1の電動機MG1が過回転となる回転数を示すことを含む。
好ましくは、駆動装置11は、駆動装置11の出力軸に回転子が結合されている第2の電動機と、第1、第2の電動機およびエンジン8の各出力軸がそれぞれ3つの入力軸に接続される動力分割機構とをさらに含む。
車両1は、さらに、アクセルペダルの踏込み量を検出するアクセルポジションセンサ82と、複数種類のシフトポジションを手動操作により切換える操作装置46と、回転センサ72,74と、インバータ62と、蓄電装置60と、油圧制御回路42と、差動歯車装置36とを含む。
制御装置50は、エンジン制御部58と、ハイブリッド制御部52と、有段変速制御部54とを含む。
図1の回転センサ74、76としてはレゾルバが用いられる。レゾルバは、ステータと、ロータと、ステータ部分に配置された3つのコイルとを含む。
ステータには検出用コイル2つと励磁用コイル1つが内蔵され、検出用の2つのコイルは電気的に90°ずれて配置されている。ロータは楕円形をしており、ロータが回転するとステータとロータ間のコイル周辺のギャップ長さが変化する。励磁用コイルに励磁用の交流電流を流すことにより、検出用コイルにはそれぞれロータの位置に応じた振幅の交流出力が発生する。制御装置50は2つの検出用コイルの出力の差からロータの絶対位置を検出することができる。そして制御装置50は、一定時間内の位置の変化量を演算することによりロータの回転数を算出することができる。また、ロータの絶対位置がわかっているので絶対位置が変化する方向で回転方向も検出できる。
このように、レゾルバは、回転数と同時に回転方向も検出することが可能である。しかし、励磁電流をコイルに流す必要があり、制御が複雑であるという欠点もある。したがって、モータ制御に直接関わる部分以外にはレゾルバよりも簡単な回転センサが使用される。
図1の回転センサ77、78としては電磁ピックアップ型センサが用いられる。電磁ピックアップ型センサは、回転軸に所定数の歯数を有する歯車や、円周に沿って所定数の磁極を有する円板が取り付けられている。回転軸が回転すると歯車とセンサのエアギャップが変化したり、磁力の強度や向きが変化したりすることにより、センサのコイル部を通過する磁束が増減してコイル部に起電力が発生する。この起電力は交流波形として出力され、単位時間あたりの交流波形数をカウントすることにより回転数を検出できる。クラッチケース外周に設けられたギヤに近接して回転センサ77が設けられ、パーキングロックギヤに近接して回転センサ78が設けられている。
[基本動作の説明]
図2は、図1の駆動装置11と変速装置20とを含む駆動変速機構10の詳細を示した図である。
図2を参照して、駆動装置11は、エンジン8と、動力分割機構16と、電動機MG1,MG2とを含む。
入力軸14は、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース12(以下、ケース12という)内において共通の軸心上に配設された入力回転部材である。動力分割機構16は、入力軸14に連結された動力伝達装置である。
変速装置20は、動力分割機構16と車輪38との間の動力伝達経路で伝達部材18を介して直列に連結されている有段式の自動変速機(AT)である。駆動軸22は、この変速装置20に連結されている出力回転部材である。
駆動変速機構10は、車両において縦置きされるFR(フロントエンジン・リヤドライブ)型車両に特に好適に用いられるものである。エンジン8は、入力軸14に直接にまたは図示しない脈動吸収ダンパーを介して直接的に連結された走行用の駆動力源であり、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関である。
図1に示されるように、エンジン8からの動力は、駆動装置の他の一部として動力伝達経路の一部を構成する差動歯車装置(終減速機)36および一対の車軸等を順次介して一対の車輪38へ伝達する。
なお、駆動変速機構10のエンジン8以外の部分はその軸心に対して対称的に構成されているため、図1、図2の駆動変速機構10を表す部分においてはその下側が省略されている。
駆動装置11は、エンジン8と、第1電動機MG1と、動力分割機構16と、第2電動機MG2とを備えている。動力分割機構16は、入力軸14に入力されたエンジン8の出力を機械的に分配する機械的機構であってエンジン8の出力を第1電動機MG1および伝達部材18に分配する差動機構として動作する。第2電動機MG2は、伝達部材18と一体的に回転するように設けられているロータを有する。
なお、第1電動機MG1および第2電動機MG2は発電機能をも有するいわゆる電動機であるが、第1電動機MG1は反力を発生させるためのジェネレータ(発電)機能を少なくとも備え、第2電動機MG2は走行用の駆動力源として駆動力を出力するためのモータ(電動機)機能を少なくとも備える。
動力分割機構16は、例えば「0.418」程度の所定のギヤ比ρ1を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置24と、切換クラッチC0および切換ブレーキB0とを主体的に備えている。この第1遊星歯車装置24は、第1サンギヤS1と、第1遊星歯車P1と、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1と、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1とを回転要素(要素)として含む。第1サンギヤS1の歯数をZS1、第1リングギヤR1の歯数をZR1とすると、上記ギヤ比ρ1はZS1/ZR1である。
この動力分割機構16においては、第1キャリヤCA1は入力軸14すなわちエンジン8に連結され、第1サンギヤS1は第1電動機MG1に連結され、第1リングギヤR1は伝達部材18に連結されている。
また、切換ブレーキB0は第1サンギヤS1とケース12との間に設けられ、切換クラッチC0は第1サンギヤS1と第1キャリヤCA1との間に設けられている。それら切換クラッチC0および切換ブレーキB0が解放されると、動力分割機構16は第1遊星歯車装置24の3要素である第1サンギヤS1、第1キャリヤCA1、第1リングギヤR1がそれぞれ相互に相対回転可能な状態となる。
この状態では、エンジン8の出力が第1電動機MG1と伝達部材18とに分配されるとともに、分配されたエンジン8の出力の一部で第1電動機MG1から発生させられた電気エネルギで蓄電装置60が蓄電されたり、第2電動機MG2が回転駆動されたりする。動力分割機構16が電気的な差動装置として機能し、駆動装置11は、エンジン8の所定回転に拘わらず伝達部材18の回転を連続的に変化させることができる。
すなわち、動力分割機構16が差動状態とされると駆動装置11も差動状態とされ、変速比γ0(入力軸14の回転速度/伝達部材18の回転速度)が最小値γ0min から最大値γ0max まで連続的に変化させられる電気的な無段変速機付きの駆動装置として機能する。
一方、切換クラッチC0または切換ブレーキB0が係合させられると、動力分割機構16は差動作用が不能な非差動状態となる。
まず、切換クラッチC0が係合させられて第1サンギヤS1と第1キャリヤCA1とが一体的に係合させられると、動力分割機構16は第1遊星歯車装置24の3要素である第1サンギヤS1、第1キャリヤCA1、第1リングギヤR1が共に回転すなわち一体回転させられるロック状態になる。
そして、エンジン8の回転と伝達部材18の回転速度とが一致する状態となるので、動力分割機構16は変速比γ0が「1」に固定された定変速状態とされる。
次いで、上記切換クラッチC0に替えて切換ブレーキB0が係合させられて第1サンギヤS1がケース12に連結させられると、動力分割機構16は第1サンギヤS1が非回転状態に固定されるロック状態となる。
そして、第1リングギヤR1は第1キャリヤCA1よりも増速回転されるので、動力分割機構16は増速機構として機能する。動力分割機構16は変速比γ0が「1」より小さい値例えば0.7程度に固定された定変速状態とされる。
このように、切換クラッチC0および切換ブレーキB0は、動力分割機構16を差動状態と非差動状態とに設定することができる。すなわち切換クラッチC0および切換ブレーキB0は、動力分割機構16を変速比が連続的変化可能な無段変速機として作動させる無段変速状態(差動状態)と、変速比変化を一定にロックする定変速状態(非差動状態)とに選択的に切換える切換装置として機能している。
変速装置20は、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置26と、シングルピニオン型の第3遊星歯車装置28と、およびシングルピニオン型の第4遊星歯車装置30とを含む。
第2遊星歯車装置26は、第2サンギヤS2と、第2遊星歯車P2と、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2と、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2とを含む。第2遊星歯車装置26は、例えば「0.562」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。第2サンギヤS2の歯数をZS2、第2リングギヤR2の歯数をZR2とすると、上記ギヤ比ρ2はZS2/ZR2である。
第3遊星歯車装置28は、第3サンギヤS3と、第3遊星歯車P3と、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3と、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3とを含む。第3遊星歯車装置28は、例えば「0.425」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第3サンギヤS3の歯数をZS3、第3リングギヤR3の歯数をZR3とすると、上記ギヤ比ρ3はZS3/ZR3である。
第4遊星歯車装置30は、第4サンギヤS4と、第4遊星歯車P4と、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4と、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4とを含む。第4遊星歯車装置30は、例えば「0.421」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。第4サンギヤS4の歯数をZS4、第4リングギヤR4の歯数をZR4とすると、上記ギヤ比ρ4はZS4/ZR4である。
第2サンギヤS2と第3サンギヤS3は、一体的に連結されており、第2クラッチC2を介して伝達部材18に選択的に連結される。また第2サンギヤS2および第3サンギヤS3は、ともに第1ブレーキB1を介してケース12に選択的に連結されている。
第2キャリヤCA2は、第2ブレーキB2を介してケース12に選択的に連結されている。第4リングギヤR4は、第3ブレーキB3を介してケース12に選択的に連結されている。
第2リングギヤR2と第3キャリヤCA3と第4キャリヤCA4は、一体的に駆動軸22に連結されている。第3リングギヤR3と第4サンギヤS4は、一体的に連結され、第1クラッチC1を介して伝達部材18に選択的に連結されている。
このように、変速装置20と伝達部材18とは、変速装置20の変速段を成立させるために用いられる第1クラッチC1または第2クラッチC2を介して、選択的に連結されている。言い換えれば、第1クラッチC1および第2クラッチC2は、伝達部材18と車輪38との間の動力伝達経路を、動力伝達を可能とする動力伝達可能状態と、動力伝達を遮断する動力伝達遮断状態とに選択的に切り換える係合装置として機能している。
つまり、第1クラッチC1および第2クラッチC2の少なくとの一方が係合されることで動力伝達経路が動力伝達可能状態とされ、第1クラッチC1および第2クラッチC2が解放されることで動力伝達経路が動力伝達遮断状態とされる。
切換クラッチC0、第1クラッチC1、第2クラッチC2、切換ブレーキB0、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、および第3ブレーキB3は、一般の車両用自動変速機においてよく用いられている油圧式摩擦係合装置である。これらは、互いに重ねられた複数枚の摩擦板が油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型や、回転するドラムの外周面に巻き付けられた1本または2本のバンドの一端が油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成され、それが介装されている両側の部材(回転部材RE1〜RE8)を選択的に連結するためのものである。
図3は、駆動変速機構10の係合作動表である。
図3に示されるように、切換クラッチC0、第1クラッチC1、第2クラッチC2、切換ブレーキB0、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、および第3ブレーキB3が選択的に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)〜第5速ギヤ段(第5変速段)のいずれかまたは後進ギヤ段(後進変速段)またはニュートラルが選択的に成立する。
動力分割機構16に切換クラッチC0および切換ブレーキB0が備えられており、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れかが係合作動させられることによって、動力分割機構16は前述した無段変速機として作動する無段変速状態に加え、変速比が一定の変速機として作動する定変速状態を構成することが可能とされている。
例えば、駆動変速機構10が有段変速機として機能する場合には、図3に示すように、切換クラッチC0、第1クラッチC1および第3ブレーキB3の係合により、変速比γ1が最大値例えば「3.357」程度である第1速ギヤ段が成立させられる。
切換クラッチC0、第1クラッチC1および第2ブレーキB2の係合により、変速比γ2が第1速ギヤ段よりも小さい値例えば「2.180」程度である第2速ギヤ段が成立させられる。
切換クラッチC0、第1クラッチC1および第1ブレーキB1の係合により、変速比γ3が第2速ギヤ段よりも小さい値例えば「1.424」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。
切換クラッチC0、第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合により、変速比γ4が第3速ギヤ段よりも小さい値例えば「1.000」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。
第1クラッチC1、第2クラッチC2、および切換ブレーキB0の係合により、変速比γ5が第4速ギヤ段よりも小さい値例えば「0.705」程度である第5速ギヤ段が成立させられる。
また、第2クラッチC2および第3ブレーキB3の係合により、変速比γRが第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値例えば「3.209」程度である後進ギヤ段「R」が成立させられる。
なお、ニュートラル「N」状態とする場合には、切換クラッチC1およびC2は解放され、C0のみが係合される。なお、駆動装置の保護のためにシフトレバー位置で「N」を指定されていないのにニュートラル状態になる場合は、クラッチC0は解放状態になっている。
一方、駆動変速機構10が無段変速機として機能する場合には、図3に示される係合表の切換クラッチC0および切換ブレーキB0が共に解放される。これにより、動力分割機構16および電動機MG1,MG2が無段変速機として機能し、それに直列の変速装置20が有段変速機として機能する。変速装置20の第1速、第2速、第3速、第4速の各ギヤ段に対しその変速装置20に入力される回転速度すなわち伝達部材18の回転速度が無段的に変化させられて各ギヤ段は無段的な変速比幅が得られる。したがって、その各ギヤ段の間が無段的に連続変化可能な変速比となって駆動変速機構10全体としてのトータル変速比(総合変速比)γTが無段階に得られるようになる。
図1の操作装置46は、例えば運転席の横に配設され、複数種類のシフトポジションを選択するために操作されるシフトレバー48を備えている。
図4は、操作装置46のシフトレバーの操作を説明するための図である。
図4を参照して、シフトレバー48は、駐車ポジション「P(パーキング)」、後進走行ポジション「R(リバース)」、中立ポジション「N(ニュートラル)」、前進自動変速走行ポジション「D(ドライブ)」、または前進手動変速走行ポジション「M(マニュアル)」へ手動操作されるように設けられている。
駐車ポジション「P(パーキング)」では、例えば図3の係合作動表に示されるように、クラッチC1およびクラッチC2のいずれの係合装置も係合されないように制御され、変速装置20内の動力伝達経路が遮断されたニュートラル状態になるとともに、変速装置20の駆動軸22がロックされる。中立ポジション「N(ニュートラル)」では、駆動変速機構10内の動力伝達経路が遮断された中立状態になる。
例えば、シフトレバー48の各シフトポジションへの手動操作に連動して、シフトレバー48に機械的に連結されたマニュアル弁が切換えられて、図3の係合作動表に示す後進ギヤ段「R」、ニュートラル「N」、前進ギヤ段「D」等が成立するように油圧制御回路42が機械的に切換えられる。また、「D」または「M」ポジションにおける図3の係合作動表に示す1stから5thの各変速段は、油圧制御回路42内の電磁弁が電気的に切換えられることにより成立させられる。
このように、操作装置46は、駆動変速機構10の走行状態として、前進走行を行なうための前進走行状態「D」または「M」と、後進走行を行なうための後進走行状態「R」とを手動操作により切換えられる前後進切換操作装置として機能している。
「P」ポジションおよび「N」ポジションの各非走行ポジションは動力伝達経路が遮断された非駆動ポジションである。
また、「R」ポジション、「D」ポジションおよび「M」ポジションの各走行ポジションは動力伝達経路の動力伝達可能状態へ切換えを選択するための駆動ポジションでもある。
また、「D」ポジションは最高速走行ポジションでもあり、「M」ポジションにおける例えば「4」レンジないし「L」レンジはエンジンブレーキ効果が得られるエンジンブレーキレンジでもある。
「M」ポジションは、例えば車両の前後方向において「D」ポジションと同じ位置において車両の幅方向に隣接して設けられており、シフトレバー48が「M」ポジションへ操作されることにより、「D」レンジないし「L」レンジの何れかがシフトレバー48の操作に応じて選択される。具体的には、この「M」ポジションには、車両の前後方向にアップシフト位置「+」、およびダウンシフト位置「−」が設けられており、シフトレバー48がそれ等のアップシフト位置「+」またはダウンシフト位置「−」へ操作されると、「D」レンジないし「L」レンジの何れかが選択される。
例えば、「M」ポジションにおいて選択される「D」レンジないし「L」レンジの5つの変速レンジは、駆動変速機構10の自動変速制御が可能なトータル変速比γTの変化範囲における高速側(変速比が最小側)のトータル変速比γTが異なる複数種類の変速レンジであり、また変速装置20の変速が可能な最高速側変速段が異なるように変速段(ギヤ段)の変速範囲を制限するものである。
また、シフトレバー48はスプリング等の付勢手段により上記アップシフト位置「+」およびダウンシフト位置「−」から、「M」ポジションへ自動的に戻されるようになっている。操作装置46にはシフトレバー48の各シフトポジションを検出するためのシフトポジションセンサ49が備えられており、そのシフトレバー48のシフトポジションを表す信号Pshや「M」ポジションにおける操作回数等を制御装置50へ出力する。
ところで、図1で説明した制御装置50は、ハードウエアでも実現できるが、コンピュータを用いてソフトウエアで実現することも可能である。
図5は、図1の制御装置50としてコンピュータ180を用いた場合の一般的な構成を示した図である。
図5を参照して、コンピュータ180は、CPU185と、A/D変換器181と、ROM182と、RAM183と、インターフェース部184とを含む。
A/D変換器181は、各種センサの出力等のアナログ信号AINをディジタル信号に変換してCPU185に出力する。またCPU185はデータバスやアドレスバス等のバス186でROM182と、RAM183と、インターフェース部184に接続されデータ授受を行なう。
ROM182は、たとえばCPU185で実行されるプログラムや参照されるマップ等のデータが格納されている。RAM183は、たとえばCPU185がデータ処理を行なう場合の作業領域であり、各種変数を一時的に記憶する。
インターフェース部184は、たとえば他のECUとの通信を行なったり、ROM182として電気的に書換可能なフラッシュメモリ等を使用した場合の書換データの入力などを行なったり、メモリカードやCD−ROM等のコンピュータ読取り可能な記録媒体からのデータ信号SIGの読込みを行なったりする。
なお、CPU185は、入出力ポートからデータ入力信号DINやデータ出力信号DOUTを授受する。
制御装置50は、このような構成に限られるものでなく、複数のCPUを含んで実現されるものであっても良い。
図6は、制御装置50がシフトレバー位置に応じて行なうクラッチの制御を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は、所定のメインルーチンから一定時間毎または所定の条件が成立する毎に実行される。
図1、図6を参照して、まず処理が開始されると、ステップS1において、制御装置50は、シフトポジションセンサ49の出力するシフトポジション信号Pshに基づいて、シフトレバー48の位置が「N」位置または「P」位置にあるか否かを判断する。
ステップS1においてシフトレバー48の位置が「N」位置にも「P」位置にもなければ、処理はステップS2に進む。ステップS2では、駆動装置11から駆動軸22へのトルク伝達が行われるようにクラッチC1、C2が図3の係合表に基づいて接続される。この状態では、変速装置20と駆動装置11は機械的に接続されている。
ステップS1においてシフトレバー48の位置が「N」位置または「P」位置である場合には処理はステップS3に進む。ステップS3では駆動装置11のトルクを駆動軸22に伝達しないようにクラッチC1およびC2がともに解放状態に設定される。
ここで、図4のような配置では、シフトレバーが「P」位置であれば、次に「R」位置にシフトされる可能性が高く、またシフトレバーが「N」位置であれば、次に「D」位置にシフトされる可能性が高い。
レバーを「R」または「D」位置にシフトするとクラッチC1またはC2が接続される。このときクラッチの駆動装置11側の回転要素と駆動軸22側の回転要素の回転速度に大きな差があると、シフトチェンジの際にショックが発生してしまう。したがって、ステップS3でクラッチを解放した後には、ステップS4において、クラッチC1およびC2を解放している状態においても、クラッチの接続に備えてクラッチの駆動装置11側の回転要素と駆動軸22側の回転要素の回転を同期させる。
ステップS2またはステップS4の処理が終了すると、ステップS5において制御はメインルーチンに移される。
図7は、図6のステップS4における回転同期制御の詳細を示したフローチャートである。
図1、図7を参照して、回転同期制御が開始されると、まずステップS11において、制御装置50は、回転数Nmが回転数Ntに一致するように電動機MG1にフィードバックトルクを出力させる。このとき電動機MG2はトルクを特に発生させない。
図8は、回転同期状態における各回転軸の回転数を示した共線図である。
図8を参照して、直線W2に示されるように、動力分割機構16の回転数の関係によって電動機MG1の回転数Ng、エンジン回転数Ne、電動機MG2の回転数Nmは一直線上に並ぶ。また直線W3に示されるようにそのときに変速装置20に設定されている変速比によってプロペラシャフト(駆動軸22)の回転数Npと変速装置20の入力軸の回転数Ntには差が発生している。
クラッチ解放直後においては、変速装置20側の入力軸の回転数Ntと電動機MG2の回転数Nmとは等しい。この状態を維持するように、制御装置50は、回転数NmおよびNtを監視しながら、回転数Ntに回転数Nmを合わせるように電動機MG1にトルクTg+またはTg−を発生させるフィードバック制御を行なう。
再び、図1、図7を参照して、ステップS11に続いてステップS12においてエンジン停止条件が成立するか否かが判断される。エンジン停止条件は、たとえば、蓄電装置60の充電状態(SOC:state of charge)が満充電状態に近くなり発電が不要となったときや、運転者のスイッチ操作等によりエンジンを停止させて走行するEV(電気自動車)モードで車両を運転させるときや、車両が他の特定の状態になったときを含む。この特定の状態の一例は、後に図12で説明する。
ステップS12でエンジン停止条件が成立していなければ処理はステップS16に進み制御は図6のフローチャートに移行する。ステップS12でエンジン停止条件が成立すると判断された場合には、制御装置50は、ステップS13においてエンジン8の燃料の供給停止(フューエルカット)を行ない、さらにステップS14においてエンジン回転数Neを監視してエンジン8が回転停止したかを確認する。
ステップS14において、エンジン8がまだ回転停止していない間はステップS15に処理が進み、回転数Ntと回転数Nmとが等しい状態を維持するように、制御装置50は、回転数NmおよびNtを監視しながら、回転数Ntに回転数Nmを合わせるように電動機MG1にトルクTg+またはTg−を発生させるフィードバック制御を行なう。ステップS15の処理が終了すると、ステップS13に処理が戻る。
一方ステップS14においてエンジンの停止が確認されると、ステップS16に処理が進み、制御は図6のフローチャートに移行する。
図9は、図7のステップS15のフィードバック処理を説明するための共線図である。
図9を参照して、説明の簡単のため、直線W5に示すように、回転数NpおよびNtは0rpm(車両が停車中)でシフトレンジがNレンジである場合について説明する。エンジン停止条件が成立すると、エンジン8がフューエルカットにより回転数が次第に減少する。このとき、エンジンのピストンとシリンダの摩擦によって負方向のトルクTe−がエンジンに発生する。このトルクTe−は、回転数Nmを負方向に変化させるように働く。したがって、電動機MG1,MG2にトルクを作用させないと回転数Nmと回転数Ntの同期が崩れてしまう。
一方、図14で説明したように、共振周波数帯Kを早く通過させるために、エンジン回転数を強制的にゼロまで引き下げるほどのトルクを電動機MG1に発生させると、図9では逆に回転数Nmが正方向に増加してしまい、やはり回転数Nmと回転数Ntの回転同期が崩れてしまう。
回転同期が崩れると、シフトレバーが操作されたときクラッチ接続によるショックが大きくなってしまう。また、クラッチの寿命も短くなってしまう。
本願発明者の検討によれば、図1のようにクラッチC1,C2を切り離すことによってニュートラルレンジを実現する車両においては、クラッチ解放により駆動軸22にエンジン停止時の振動が伝わらなくなるので図14で説明した従来のハイブリッド車両のエンジン停止時の振動対策はさほど効果が無いことがわかった。
したがって、図7のステップS15においては図9に示すようにエンジンのフリクションによるトルクTe−を相殺する程度のトルクTg−を電動機MG1に発生させ、回転数Nmを回転数Ntからあまりはなれないように維持することとした。
すなわち、この発明は、他の局面に従うと、車輪に常時機械的に結合された駆動軸22と、駆動軸22の回転数を検出する第1の回転センサ77または78と、エンジン8と第1の電動機MG1とを有し駆動トルクを発生する駆動装置11と、駆動装置11の出力軸の回転数を検出する第2の回転センサ76と、駆動軸22に対して駆動力の伝達状態と非伝達状態との切替を行なうクラッチC1,C2と、駆動装置11とクラッチC1,C2の制御を行なう制御装置50とを含む車両の制御方法である。車両の制御方法は、クラッチC1,C2を伝達状態から非伝達状態に切替えるときには、第1、第2の回転センサ76の出力に基づいて、クラッチC1,C2の駆動軸22側回転と駆動装置11側回転の差が所定値以下になるように駆動装置11を同期制御するステップ(S11)と、クラッチC1,C2を非伝達状態に制御している場合に、エンジン8の停止条件が成立した場合には、エンジン8を停止させるとともにエンジン8が停止するまで同期制御を継続して行なうステップ(S13〜S15)とを備える。
図10は、エンジン停止時のフィードバックトルクについておこなったシミュレーション波形を示す図である。
図10を参照して、車両は停止中であり、回転数Ntは0rpmであり、時刻t1〜t4の間は、回転数Nmは回転数Ntの同期制御されている。このときエンジン回転数Neは安定して1000rpm程度に維持されている。
時刻t4〜t5においてNレンジにおいてエンジン停止条件が成立した場合、エンジン制御部に入力されるフューエルカット要求信号がOFF状態からON状態に変化する。このとき電動機MG1、MG2に対して特に何もトルクを発生させなくてもエンジンを停止させることはできる。
図14で説明した従来のシステムと違い、Nレンジでは電動機MG2の回転軸とプロペラシャフトとの間が動力遮断状態にある。エンジンの振動が車体に伝わりにくい状態であるので、エンジン停止させるときに電動機MG1の発生トルクによるエンジン回転の強制的な引き下げや、そのときの電動機MG2トルクによる反力のキャンセルは必要ない。
しかし、エンジンへのフューエルカットのみでは、エンジン停止時の摩擦による負のトルクが第2電動機MG2の回転数Nmを変動させてしまうので、時刻t4〜t7の間は回転数Nmを変動させないように(図10の場合はゼロに保つように)電動機MG1のトルクTgを用いたフィードバック制御が行われる。
つまり、時刻t4〜t6において燃料供給が停止されたエンジンは回転数Neが1000rpmからゼロに変化し、これに合わせるように電動機MG1の回転数Ngも3000rpmくらいからゼロに変化している。そして、回転数を減少させている間、トルクTgは負の値を示し、その後回転をゼロに収束させるためにトルクTgは正負に振動しながら大きさがゼロに収束している。
以上のように、回転同期制御は、Nレンジでは常に行なうのがよく、エンジン停止時においても回転数Nmを回転数Ntに一致させる回転同期制御を継続して行なうのが良い。
なお、本実施の形態では、エンジントルクをリング(出力軸)へ伝達しつつ回転数Nmを制御し、電動機MG2はエンジントルクのリング伝達分と合算して要求駆動力となるようなトルクを出力しつつバッテリ充放電量が規制値以内になるよう制御されることを前提とし、同期制御を電動機MG1で行なう方法を説明したが、電動機MG2を用いて同期制御を行なっても良い。
[エンジン停止条件の一例の説明]
図11は、第1電動機MG1の過回転について説明するための共線図である。
図2、図11を参照して、動力分割機構16は、遊星歯車機構であり、サンギヤS1の回転数NsとキャリヤCA1の回転数NcとリングギヤR1の回転数Nrは次式(1)が成立する直線上に並ぶ関係となる。
Nr=−ρ1*Ns+(1+ρ1)*Nc ・・・(1)
図2の構成では、サンギヤS1の回転数Nsは第1電動機MG1の回転数Ngに等しく、キャリヤCA1の回転数Ncはエンジン回転数Neに等しく、リングギヤR1の回転数Nrは第2電動機MG2の回転数Nmに等しい。動力分割機構16において次式(2)が成立する。
Nm=−ρ1*Ng+(1+ρ1)*Ne ・・・(2)
図11において、第1電動機MG1の上限回転数をNgmaxとすると、エンジン回転数Ngと第2電動機の回転数Nmは、Ng<Ngmaxとなる範囲に制限される。
図12は、エンジン回転数Ngと第2電動機の回転数Nmが制限される範囲を説明するための図である。
図12の直線L1は、上記(2)式にNg=Ngmaxを代入して得られる次式(3)を示す直線である。
Ne=1/(1+ρ1)*Nm+ρ1/(1+ρ1)*Ngmax ・・・(3)
直線L1より上の領域A2が第1電動機MG1の制限で決まる動作禁止領域であり、直線L1より下の領域A1が第1電動機MG1の制限で決まる動作可能領域である。
ただし、エンジン8は、アイドリング回転数Ne0未満では自立運転できないので、第2電動機MG2の回転数Nmが負の領域で回転数の絶対値が大きくなると、実際には線L2に示すようにエンジン回転数はゼロに制御される。こうすることにより、動作点が動作禁止領域A2から動作許可領域A1に移ることもある。
具体的には、回転数NtがNt0にありそのときのエンジン回転数がNe0であるとする。このときクラッチをつなぐと動力分割機構の動作点がP0となり動作禁止領域A2に入ってしまう。したがって、エンジン回転数Ne0かつ変速装置20の入力側回転数NtがNt0であればエンジン停止条件が成立し、エンジンが停止された結果クラッチ接続後の動作点は動作許可領域A1中のP1に移動する。したがって、クラッチを接続して駆動装置11のトルクを駆動軸22に伝達させることが可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施の形態の車両1の主たる構成を示す図である。 図1の駆動装置11と変速装置20とを含む駆動変速機構10の詳細を示した図である。 駆動変速機構10の係合作動表である。 操作装置46のシフトレバーの操作を説明するための図である。 図1の制御装置50としてコンピュータ180を用いた場合の一般的な構成を示した図である。 制御装置50がシフトレバー位置に応じて行なうクラッチの制御を説明するためのフローチャートである。 図6のステップS4における回転同期制御の詳細を示したフローチャートである。 回転同期状態における各回転軸の回転数を示した共線図である。 図7のステップS15のフィードバック処理を説明するための共線図である。 エンジン停止時のフィードバックトルクについておこなったシミュレーション波形を示す図である。 第1電動機MG1の過回転について説明するための共線図である。 エンジン回転数Ngと第2電動機の回転数Nmが制限される範囲を説明するための図である。 従来のハイブリッド車両の駆動系の概略構成を示す図である。 従来のハイブリッド車両500の共線図である。
符号の説明
1,500 車両、8,508 エンジン、10 駆動変速機構、11 駆動装置、12 ケース、14 入力軸、16,516 動力分割機構、18 伝達部材、20 変速装置、22,522 駆動軸、24,26,28,30 遊星歯車装置、36 差動歯車装置、38 車輪、42 油圧制御回路、46 操作装置、48 シフトレバー、49 シフトポジションセンサ、50 制御装置、52 ハイブリッド制御部、54 有段変速制御部、58 エンジン制御部、60 蓄電装置、62 インバータ、72,74,76,77,78 回転センサ、82 アクセルポジションセンサ、180 コンピュータ、181 A/D変換器、184 インターフェース部、186 バス、B0〜B3 ブレーキ、C0〜C2 クラッチ、CA1〜CA4 キャリヤ、MG1,MG2 電動機、P1〜P4 遊星歯車、R1〜R4 リングギヤ、RE1〜RE8 回転部材。

Claims (8)

  1. 車輪に常時機械的に結合された駆動軸と、
    前記駆動軸の回転数を検出する第1の回転センサと、
    内燃機関と第1の電動機とを含み駆動トルクを発生する駆動装置と、
    前記駆動装置の出力軸の回転数を検出する第2の回転センサと、
    前記駆動軸に対して前記駆動力の伝達状態と非伝達状態との切替を行なうクラッチ機構と、
    前記駆動装置と前記クラッチ機構の制御を行なう制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記クラッチ機構を伝達状態から非伝達状態に切替えるときには、前記第1、第2の回転センサの出力に基づいて、前記クラッチ機構の前記駆動軸側回転と前記駆動装置側回転の差が所定値以下になるように前記駆動装置を同期制御し、
    前記制御装置は、
    前記クラッチ機構を非伝達状態に制御している場合に、前記内燃機関の停止条件が成立した場合には、前記内燃機関を停止させるとともに前記内燃機関が停止するまで前記同期制御を継続して行なう、車両。
  2. 前記停止条件は、前記第1の回転センサの出力が、前記クラッチ機構を接続すれば前記第1の電動機が過回転となる回転数を示すことを含む、請求項1に記載の車両。
  3. 前記駆動装置は、
    前記駆動装置の前記出力軸に回転子が結合されている第2の電動機と、
    前記第1、第2の電動機および前記内燃機関の各出力軸がそれぞれ3つの入力軸に接続される動力分割機構とをさらに含む、請求項1または2に記載の車両。
  4. 車輪に常時機械的に結合された駆動軸と、前記駆動軸の回転数を検出する第1の回転センサと、内燃機関と第1の電動機とを有し駆動トルクを発生する駆動装置と、前記駆動装置の出力軸の回転数を検出する第2の回転センサと、前記駆動軸に対して前記駆動力の伝達状態と非伝達状態との切替を行なうクラッチ機構と、前記駆動装置と前記クラッチ機構の制御を行なう制御装置とを含む車両の制御方法であって、
    前記クラッチ機構を伝達状態から非伝達状態に切替えるときには、前記第1、第2の回転センサの出力に基づいて、前記クラッチ機構の前記駆動軸側回転と前記駆動装置側回転の差が所定値以下になるように前記駆動装置を同期制御するステップと、
    前記クラッチ機構を非伝達状態に制御している場合に、前記内燃機関の停止条件が成立した場合には、前記内燃機関を停止させるとともに前記内燃機関が停止するまで前記同期制御を継続して行なうステップとを備える、車両の制御方法。
  5. 前記停止条件は、前記第1の回転センサの出力が、前記クラッチ機構を接続すれば前記第1の電動機が過回転となる回転数を示すことを含む、請求項4に記載の車両の制御方法。
  6. 前記駆動装置は、
    前記駆動装置の前記出力軸に回転子が結合されている第2の電動機と、
    前記第1、第2の電動機および前記内燃機関の各出力軸がそれぞれ3つの入力軸に接続される動力分割機構とをさらに含む、請求項4または5に記載の車両の制御方法。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項の車両の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータ読取り可能に記録した記録媒体。
  8. 請求項4〜6のいずれか1項の車両の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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