JP2008161246A - ばね性を備えた部材及びこれを使用した製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】銅又は銅を主体とする合金からなる部材本体にばね材を装着してなるばね性を有する部材のリサイクル性を高めること。
【解決手段】スライドファスナー用スライダー又はスナップボタン等のばね性を備えた部材において、部材本体を銅又は銅を主体とする合金から構成すると共に該部材本体に装着されるばね材を銅を主体とする合金から構成する。これにより、銅を回収する際に、部材を分別する手間がなくなり、また、再溶解による再生インゴット作製が容易となり、リサイクルコストを低減することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、銅又は銅を主体とする合金からなる部材本体と、これに取付けられたばね材とからなる部材に関する。
従来、ファスナー用スライダー、スナップボタン、電気部品のコネクター等の部材は、銅又は銅を主体とする合金からなる部材本体と、これに装着されたばね材とから構成されている。このばね材としては強度、耐食性及びばね特性が要求されることから鉄系合金が使用されている。また、上記のファスナー用スライダー及びスナップボタンの用途においては検針対応性が要求されることからステンレス材が多く用いられている(特許文献1、2参照)。
ところで、近年の金属材料の高騰(特に、銅・亜鉛)により、上記の部材で使用されている銅、銅合金をリサイクルする必要性が高まっている。
しかしながら、銅又は銅を主体とする合金からなる部材本体にステンレス材からなるばね材を装着してなる部材(以下、「ばね性を備えた部材」という)においては、部材本体とばね材とが異種の材料であるため、両者を分別する必要があり、リサイクル性が悪い。
例えばファスナー用スライダーにおいてはスライダーのロック機構に用いられる爪(ロックピン)及びこれを機能させるばね材としてステンレス材が用いられているため、スライダーをリサイクル(再溶解)する際に、銅合金からなるスライダーの胴体本体とばね材とを分別する必要があり、リサイクル性を低下させる要因となっている。スナップボタン及びコネクターの部材においても同様の問題がある。
また、例えば、ジーンズ用スライダーでは、爪とばねとを兼用したステンレス製ロックピンが用いられているが、銅合金であるスライダー本体とステンレス製のロックピンとの同色性がなく、デザイン性が損なわれているという問題もある。
特開2003−277890号公報 特開平8−269639号公報
本発明は、銅又は銅を主体とする合金からなる部材本体と、これに取付けられたばね材とからなる部材のリサイクル性を高めることを主たる目的とする。
本発明者らは、銅又は銅を主体とする合金からなる部材本体と、これに装着されたばね材とからなる部材において、ばね材として銅を主体とする合金からなるばね材を用いることにより、上記部材のリサイクル性の問題を解消することができることを見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下に記載する通りの構成を有するものである。
(1)銅又は銅を主体とする合金からなる部材本体と、該部材本体に装着された銅を主体とする合金からなるばね材とからなることを特徴とするばね性を備えた部材。
(2)前記ばね材が、0.2%耐力1000N/mm以上、ばね限界値700N/mm以上であることを特徴とする上記(1)に記載のばね性を備えた部材。
(3)前記ばね材が、0.2%耐力1200N/mm以上、ばね限界値1000N/mm以上であることを特徴とする上記(1)に記載のばね性を備えた部材。
(4)前記ばね材が硬度Hv400以下、引っ張り延び5%以上、耐食性が丹銅以上、A対応の検針対応であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のばね性を備えた部材。
(5)前記ばね材が、鉛、水銀、カドミウム、六価クロムを含有しないことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のばね性を備えた部材。
(6)前記ばね性を備えた部材がスライドファスナー用スライダーの胴体であり、部材本体がスライダーの胴体本体であり、該胴体本体にばね材が装着されていることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のばね性を備えた部材。
(7)胴体及び引手からなるスライドファスナー用スライダーにおいて、該胴体が上記(6)記載のばね性を備えた部材であり、該引手が銅又は銅を主体とする合金からなることを特徴とするスライドファスナー用スライダー。
(8)エレメント、止具及びスライダーからなるスライドファスナーにおいて、該エレメント及び/又は止具が銅又は銅を主体とする合金からなり、スライダーが上記(7)に記載のスライダーであることを特徴とするスライドファスナー。
(9)前記ばね性を備えた部材がスナップボタンの雌体であって、部材本体がボタン本体であり、該ボタン本体にばね材が装着されていることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のばね性を備えた部材。
(10)雄体と雌体とからなるスナップボタンにおいて、該雄体が銅又は銅を主体とする合金からなり、雌体が上記(9)に記載のばね性を備えた部材からなることを特徴とするスナップボタン。
本発明のばね性を備えた部材を用いることにより、部材を分別する手間がなくなり、また、再溶解による再生インゴット作製が容易となり、リサイクルコストを低減することができる。
また、部材本体とばね材とが共に銅又は銅を主体とする合金から構成されているため、同色性が得られ、デザイン性(見栄え)が良くなる。
本発明のばね性を備えた部材について、ファスナー用スライダー及びボタンを例にとって図面に基づき説明する。まず、スライドファスナーFについて説明する。
図1は、スライドファスナーの概念図であり、図1に示すようにスライドファスナーFは、一側端側に芯部Aが形成された一対のファスナーテープTとファスナーテープTの芯部Aに所定の間隔をおいてかしめ固定(装着)されたエレメントEと、エレメントEの上端及び下端でファスナーテープTの芯部Aにかしめ固定された上止具TS及び下止具BSと、対向する一対のエレメントE間に配され、エレメントEの噛合及び開離(開閉)を行うための上下方向に摺動自在なスライドファスナー用スライダー(以下、スライダーという。)Sとからなる。なお、上記において、ファスナーテープTの芯部AにエレメントEが装着されたものがスライドファスナーチェーンCである。なお、下止具BSは、図示していないが蝶棒、箱棒、箱体からなる開離嵌挿具とし、スライダーSの開離操作にて一対のスライドファスナーチェーンCを分離できるようにしたものであっても構わない。
本発明においては、スライダーSの材料としては主として、銅又は銅を主体とする合金を用いる。また、エレメントE、上止具TS、下止具BSとしても、リサイクル性を考慮して検針器対応の銅又は銅を主体とする合金を用いることが好ましい。以下、スライダーSについて、詳細に説明する。
図2、図3及び図4は、ばね材として板スプリングを用いた自動停止装置付スライドファスナー用スライダーSの一例を示す図であり、図2はスライダーの全体構成を示す斜視図、図3は各部品の関係を示す分解斜視図、図4は図2のスライダーの断面図(但し、引手位置は異なる)である。
スライダーの胴体1は、上翼板4、下翼板5および上下翼板4、5を連結する案内柱6から形成され、また板スプリング2は板状で両端が屈曲し、中央に基板7、一端に停止爪8、他端に固定用の垂下片9が形成され、引手3は胴体1に回動自在に枢着するための枢軸10が一端に設けられ、他端に摘手部11が形成されている。
さらに胴体1は、上翼板4の前方側すなわち肩口側の中央に上方へフック状に突出する突片12が設けられ、この突片12の先端中央部分に突出する係合突起13を設け後述する板スプリング2の係止舌片24の透孔25が嵌入する。また係合突起13の両側の突片12の先端に係止舌片24が当接できる当接部14が形成され、当接部14は上翼板4の上面に対して、その延長線が直角に交わる垂直面に形成されている。突片12の基部にはエレメントガイド溝19に通じる透孔15を設け、突片12の基部両側には前傾した板スプリング2を戴置するための支持台16が突設されている。
上翼板4の後方側すなわち後口側の中央には後方へ傾倒するフック状の突片17を突設し、突片17の先端を曲折して係止部18を設けて板スプリング2の引掛孔26を遊嵌し、突片17の基部にエレメントガイド溝19に通じる爪孔20が穿設されている。また、案内柱6の前面には溝21を設け、この溝21の両側に、下部が水平状で上部が傾斜する略直角三角形状の係止部22を設け、板スプリング2の係止片23と係合できるように形成する。なお、溝21は図示する凹状だけでなく、案内柱6の上下に貫通する縦穴形状であってもよい。
板スプリング2は、略倒コ字状を呈し一端に停止爪8、他端に細幅状の垂下片9を設け、この垂下片9の先端に横に張り出す係止片23を突設して案内柱6に設けた係止部22と係合する。板スプリング2の中央基板7に開口部28を設け、この開口部28の口縁から前方へ向け、かつ下方へ曲折して延出した係止舌片24を設け、この係止舌片24の中央には突片12の係合突起13が遊嵌できる透孔25が穿設され、また停止爪8に近傍する板スプリング2に後方の突片17の係止部18が遊嵌できる引掛孔26が穿設され、停止爪8の浮上するのを規制する。
引手3は一端に枢軸10、他端に摘手部11が設けられ、引手3が胴体1に装着され倒伏したとき、枢軸10が胴体1に対向する側に偏倚突出するとともに、枢軸10の断面形状が引手3の長手方向に沿って長い長方形を呈するカム27が形成され、引手3を胴体1に装着し引手3の起伏操作により、板スプリング2を持ち上げるように形成されている。
組立てられた自動停止機構を備えたスライダーは、図4に示すように引手3を起立させると、引手3のカム27によって板スプリング2は弾力に抗して持ち上げられ、停止爪8をエレメントガイド溝19から退避させることによりスライダーは自由に摺動させることができる。また引手3を元の位置へ倒伏させれば停止爪8はエレメントガイド溝19へ進出してエレメント間に挿入されスライダーは停止する。なお引手3を胴体1の前方へ倒せば板スプリング2は偏倚したカム27によって持ち上げられた状態を継続するから、スライダーは前方へ自由に摺動させることができる。
本発明においては、上記スライダーを構成する各部材及び板スプリングをいずれも銅又は銅を主体とする合金から構成するので、リサイクル性が高い。
次に本発明の別の態様である、ばね材としてコイルスプリングを用いた自動停止装置付スライドファスナー用スライダーの例を図5、6に基づいて説明する。
図5はスライダーSの分解斜視図、図6は引手取付直前の状態を示す縦断面図である。
このスライダーSの上翼片2のダイヤモンド部3から後口部4に向けて下向き凹状の引手保持体5が配置されており、該引手保持体5の内部空所6のダイヤモンド部3寄り位置には、停止爪体7が上下方向に回動自在に装着されており、該停止爪体7には上翼片2の略中央位置に開設された係止窓孔17から務歯列位置に突出する係止爪19と、後口部4に向かって開口し引手の取付軸部21を収容する作動凹溝22が形成され、かつ前記係止爪19はばね25によって常時係止窓孔17から突出させるように付勢されていると共に、前記引手保持体5の後口部4側の端部と上翼片2との間隙部27が引手20の取付軸部21の挿通間隙とされ、該間隙部27には該挿通間隙の閉鎖部材28が間隙閉鎖位置と、ダイヤモンド部3側へ寄った間隙開口位置との間を摺動できるよう配設されている。
このスライダーについては実公昭4−32974号公報に記載されているのでここでは更なる詳細は省略するが、上記の構成により、引手20がスライダーSに対して脱着可能な構成であるので、引手定20はいつでも簡単に脱着することができる。従って、たとえ引手20が銅又は銅を主体とする合金以外のものであっても、リサイクル時に、この引手20を簡単にスライダーSから抜き取り分別できるので、引手20は必ずしも銅又は銅を主体とする合金でなくても良い。
本発明においては、上記スライダーを構成する各部材及びばねをいずれも銅又は銅を主体とする合金から構成するので、リサイクル性が高い。
次に、本発明の別の態様であるスナップボタンについて図7、8に基づいて説明する。
なお、以下では、「表面部材」は主として生地の外表面側に配される部材等をいい、「ベース部材」は主として生地の裏面側に配される部材をいう。
図7は本発明が適用されるスナップボタンの一例であるスナップボタンSB1を示す断面図であり、スナップボタンSB1は雌釦31と雄釦32とからなる。雌釦31は、内周面に後述する雄釦32と係合する弾性部(ばね材)を備える凹部33aが形成された雌部材33(ベース部材)と、生地20を刺通し、前記雌部材33を固定する雌固定部材35(表面部材)とからなる。雄釦32は、前記雌部材33の弾性部と係合する膨出頭部34aを有する雄部材34(表面部材)と、生地20を刺通し、前記雄部材34を固定する雄固定部材36(ベース部材)とからなる。
図8は、スナップボタンの他の例であるスナップボタンSB2を示す断面図であり、スナップボタンSB2は前記スナップボタンSB1と同様に雌釦31と雄釦32とからなる。雌釦31は、被覆部材37と、被覆部材37に内嵌され、被覆部材37の変形を防止し、生地20に刺通され、前記被覆部材37と後述する雌部材33とを生地20を介して固定する雌固定部材35(被覆部材37と雌固定部材35とを合わせて表面部材)と、内方に後述する雄釦32を収納する凹部33aが形成された雌部材33と、雌部材33の凹部33a内に配され、後述する雄釦32と係合する弾性を備えてなるスプリング(ばね材)38(雌部材33とスプリング38とを合わせてベース部材)とからなる。雄釦32は、前記雌部材33の凹部33a内に配され、弾性を備えてなるスプリング38と係合する膨出頭部34aを有する雄部材34(表面部材)と、生地20に刺通され、前記雄部材34を固定する雄固定部材36(ベース部材)とからなる。
上記スナップボタンSB1、SB2における表面部材、ベース部材及びばね材(弾性部、スプリング)はいずれも銅又は銅を主体とする合金から構成するので、リサイクル性が高い。
本発明における銅を主体とする合金からなるばね材は、次の物性を満たす高強度銅合金であることが好ましい。
0.2%耐力 : 1000N/mm以上 (好ましくは1200N/mm以上)
ばね限界値 : 700N/mm以上 (好ましくは1000N/mm以上)
硬度 : Hv400以下
引っ張り伸び : 5%以上
耐食性 : 丹銅(85Cu/15Zn)材以上
検針対応 : A対応
合金成分 : 鉛、水銀、カドミウム、六価クロムを含有しない
上記の物性は、特にファスナー用スライダー及びスナップボタンで使用するばね材において特に要求される。
0.2%耐力が1000N/mm以上で、ばね限界値が700N/mm以上であれば実用に供する銅を主体とするばね材とすることができる。また、スライドファスナー及びスナップボタンは、その用途によっては苛酷な環境下での使用となる。例えば、ジーンズ用で使用される場合のストーンウオッシュ、クリーンルーム等で使用される場合のオートクレーブ処理などがある。このような苛酷な環境下での使用を考慮した場合、0.2%耐力は1200N/mm以上、ばね限界値は1000N/mm以上であることが望ましい。
また、硬度と引っ張り伸びについては、実際の使用に耐えうる強度と、製造・加工(例えばプレス成形等)が容易に行えることを考慮して、上記で規定される数値としている。
更に、スライドファスナー、スナップボタン等は衣服、靴等の身の回りで使用されるものであるため、鉛、水銀、カドミウム、六価クロムを含有しないことが望ましい。
上記の耐食性について述べると、ファスナー用銅合金に求められる耐食性は、酸・アルカリ等の薬品を始めとして種々があるが、最も重要なものは応力割れに対するもので、時季割れとも呼ばれる。加工による残留応力が存在する場合、アンモニア雰囲気に曝露すると割れが発生し、銅−亜鉛合金の場合、亜鉛量が増えるに従い、その傾向は顕著となる。例えば真鍮(65Cu/35Zn)は、丹銅(85Cu/15Zn)より、割れが発生しやすく、使用の環境によっては務歯の脚折れが生じる懸念がある。このため、真鍮は丹銅より強度があるが、応力割れの点から丹銅の方がファスナー用材料として適している。銅合金を用いたばね材も同様に、応力割れに対する耐性が必要なため、本発明におけるばね材の銅合金はJIS H 4201 アンモニア試験での耐応力割れ性が丹銅の示す耐応力割れ性以上であることを意味する。
具体的な試験方法は次の通りである。
(耐食性試験)
12%のアンモニア水を入れたデシケータ内に液面から50〜100mm離して試料を吊し、一定時間(2hr)放置し、応力割れの有無で判断する。ばね材として使う銅合金の場合は、条材あるいはワイヤで供するため、引張強度で判断することができる。応力割れが存在する場合、引っ張り強度の低下となって現れることになる。
次に検針対応性について説明する。スライドファスナー、ボタンを使用する衣服を縫製して製品化する工程においては縫製時の折れ針の混入を検出する工程が必要となる。このとき、スライドファスナー、ボタンの構成部材は検針器を作動させないようにする必要がある。このためには、部材は1kOeの磁場中での透磁率1.005以下であり、かつ18kOeの磁場中での磁化が550memu/g以下であることが必要であり、さらに、1kOeの磁場中での透磁率1.003以下であり、かつ18kOeの磁場中での磁化が440memu/g以下であればより好ましい。
検針性能は、磁束中に、一定速度で金属を通過させたときに生じる磁束密度の変化量を測定する静磁界型検針器において、鉄球φ0.8mm相当の磁束密度の変化量を、基準値(指示値)100〜120に設定し、被測定物を測定したときの値を検針値とし、前記基準値との相対値に基づき評価したものである。つまり、被測定物の検針値が基準値以下であればφ0.8mm鉄球相当以下となり、被測定物の検針値がφ1.2mm鉄球の検針値以下であればφ1.2mm鉄球相当以下となる。また、検針性能は、φ0.8、1.2及び1.5mm鉄球のいずれか以下に相当するかで表され、φ0.8mm鉄球以下の場合、縫製に使用される最も小さな特殊サイズの折れ針をも検知できることを意味し、φ1.2mm鉄球以下の場合、通常使用されるサイズの折れ針を充分に検知できることを意味する。本願明細書で言う「A対応」とは、φ0.8mm鉄球以下に相当する場合を言う。
本発明においては、検針性能はφ1.2mm鉄球以下であることが好ましく、φ0.8mm鉄球以下であることが最も好ましい。なお、本発明において、合金の場合、被測定物は15×15×0.4mmの大きさの材料で、被測定物の検針値はこれを磁束に垂直に流して得られた結果である。また、スライドファスナー、ボタンの場合、被測定物は製品あるいは部品で、被測定物の検針値はこれを磁束に垂直に流して得られた結果である。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(ばね材の作製)
ばね材用銅合金として表1に示す組成を有するばね材1、ばね材2を以下のようにして作製した。
表1に示される所定組成に秤量し、30Kg高周波誘導溶解炉で常法により溶製し、10mm厚、120mm幅に鍛造後、溶体化処理し、3mmまで冷間圧延し、中間焼鈍した後さらに、1.5mmまで冷間圧延し、最終焼鈍を施し、120×300mmとした。
その後さらに圧延率が60%となるように冷間圧延を施した後、熱処理による時効硬化処理を行い、得られた材料を供試材とした。この時点での供試材の「0.2%耐力」及び「ばね限界値」は[表2]に示した値であった。
さらに、供試材を15×15×0.4mmの大きさにし、その検針値を測定した。検針値は、磁束中に、一定速度で金属を通過させたときに生じる磁束密度の変化量を測定する静磁界型検針器において、鉄球φ0.8mm相当の磁束密度の変化量を、基準値(指示値)100〜120に設定し、被測定物を測定したときの値を検針値とする。上記に基づき測定した結果を表2に示す。表中に示す数値は、上記基準値との相対値を示すものである。表2の結果から分かるように、本発明の供試材は検針値が80以下と極めて小さいことが分かる。
Figure 2008161246
Figure 2008161246
表2に示すように、ばね材1、2はスライドファスナー及びボタンに用いられるばね材としての物性を備えていた。
(スライドファスナーへの適用)
上記(ばね材の作製)に記載の組成及び製法に基づいて、図3に示す板スプリング2を作製した。得られた板スプリング2と、丹銅(85Cu−15Zn)からなる胴体1及び引手3とを組み合わせて、銅を主体とする合金からなるスライドファスナーSとした。
さらに図1に示す丹銅(85Cu−15Zn)からなるエレメントE、上止具TS、下止具BSに上記スライドファスナー用スライダーSを配して銅を主体とする合金からなるスライドファスナーFとした。
上記板スプリング2は、スライドファスナー用スライダーとしての物性を備えていた。また、スライドファスナー用スライダー及びスライドファスナーとも銅を主体とする合金であるため、リサイクル性に優れている。
また、同様に前記のばね材をボタンにおけるばね材として用いた場合においても同様にリサイクル性に優れていることは明らかである。
本発明のばね性を備えた部材は、銅を回収するに際して構成部材を分別する手間が不要であり、再溶解による再生インゴット作製が容易であるため、リサイクルコストを低減することができるので産業上の利用性が高い。
スライドファスナーの概念図である。 本発明が適用されるスライダーの斜視図である。 図2のスライダーの分解斜視図である。 図2のスライダーの断面図である。 本発明が適用されるスライダーの他の例の分解斜視図である。 図5のスライダーの長手方向中心線での縦断面図である。 スナップボタンの断面図である。 スナップボタンの他の例の断面図である。
符号の説明
(図1について)
T ファスナーテープ
A 芯部
E エレメント
TS 上止具
BS 下止具
C スライドファスナーチェーン
(図2〜図4について)
1 胴体
2 板スプリング
3 引手
4 上翼板
6 案内柱
7 基板
8 停止爪
9 垂下片
10 枢軸
12 突片(前方)
13 係合突起
14 当接部
15 透孔(上翼板)
17 突片(後方)
20 爪孔
21 溝
22 係止部(凹溝)
23 係止片
24 係止舌片
25 透孔(係止舌片)
26 引掛孔
27 カム
(図5、図6について)
1 スライダー
2 上翼片
3 ダイヤモンド部
4 後口部
5 引手保持体
6 内部空所
7 停止爪体
8 上面
9,10 取付片
11,12,14 軸孔
13 ピン
15 取付溝
17 係止窓
18 務歯案内路
19 係止爪
20 引手
21 取付軸部
22 作動凹溝
23 後端下面
24 小孔
25,45 ばね
26 端部
27 間隙部
28 閉鎖部材
29 欠肉部
30,31,32 案内溝
33,34 突条
35,36 膨肉部
37 退避空間
38 収納空間
39 連続縁部
40,41 閉鎖部
42 閉鎖部材28の凹所
43 窓溝
44 係止窓孔の周壁
(図7、図8について)
SB1 スナップボタン
20 生地
31 雌釦
32 雄釦
33 雌部材(ベース部材)
33a 凹部
35 雌固定部材(表面部材)
34 雄部材(表面部材)
34a 膨出頭部
36 雄固定部材(ベース部材)

Claims (10)

  1. 銅又は銅を主体とする合金からなる部材本体と、該部材本体に装着された銅を主体とする合金からなるばね材とからなることを特徴とするばね性を備えた部材。
  2. 前記ばね材が、0.2%耐力1000N/mm以上、ばね限界値700N/mm以上であることを特徴とする請求項1に記載のばね性を備えた部材。
  3. 前記ばね材が、0.2%耐力1200N/mm以上、ばね限界値1000N/mm以上であることを特徴とする請求項1に記載のばね性を備えた部材。
  4. 前記ばね材が硬度Hv400以下、引っ張り延び5%以上、耐食性が丹銅以上、A対応の検針対応であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のばね性を備えた部材。
  5. 前記ばね材が、鉛、水銀、カドミウム、六価クロムを含有しないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のばね性を備えた部材。
  6. 前記ばね性を備えた部材がスライドファスナー用スライダーの胴体であり、部材本体がスライダーの胴体本体であり、該胴体本体にばね材が装着されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のばね性を備えた部材。
  7. 胴体及び引手からなるスライドファスナー用スライダーにおいて、該胴体が請求項6記載のばね性を備えた部材であり、該引手が銅又は銅を主体とする合金からなることを特徴とするスライドファスナー用スライダー。
  8. エレメント、止具及びスライダーからなるスライドファスナーにおいて、該エレメント及び/又は止具が銅又は銅を主体とする合金からなり、スライダーが請求項7に記載のスライダーであることを特徴とするスライドファスナー。
  9. 前記ばね性を備えた部材がスナップボタンの雌体であって、部材本体がボタン本体であり、該ボタン本体にばね材が装着されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のばね性を備えた部材。
  10. 雄体と雌体とからなるスナップボタンにおいて、該雄体が銅又は銅を主体とする合金からなり、雌体が請求項9に記載のばね性を備えた部材からなることを特徴とするスナップボタン。
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