JP2008160644A - 耳かけ式補聴器 - Google Patents

Abstract

【課題】 フックとチューブとジョイントを連結して形成される通路の周波数特性に生じるピークを抑えることができる耳かけ式補聴器を提供する。
【解決手段】 補聴器本体２と耳せん６の間にフック３とチューブ４とジョイント５を備えた耳かけ式補聴器１において、ジョイント５にダンパ８を設けた。ダンパ８の音響インピーダンスの値を、フック３とチューブ４とジョイント５を連結して形成される通路７の特性インピーダンスの値の±１０％以内にするのが望ましい。
【選択図】 図２

Description

本発明は、補聴器本体と耳せんの間にフックとチューブとジョイントを備えた耳かけ式補聴器に関する。

耳かけ式補聴器のイヤホンから出された音は、フック、チューブ、ジョイント、耳せんを通って外耳道へ伝わる。この時、フックとチューブとジョイントを連結して形成される通路と通路端から先の特性インピーダンスの不整合によって生じる反射波によって、通路内の特定の周波数で定在波が起こり周波数特性（以降、「通路の周波数特性」という。）を持つことが知られているが、この通路の周波数特性に尖鋭部（ピーク）があると、ハウリングを起こす場合がある。このような周波数特性に生じるピークを抑えるために、ダンパが用いられている。一般に、ダンパはフックに取り付けられることが知られている（例えば、特許文献１参照）。

特開昭６２−１５１１００号公報

しかし、外耳道へ音を放出する耳せん端部の開口部とダンパの間に距離があると、フックとチューブとジョイントを連結して形成される通路の周波数特性に生じるピークを抑える効果が十分に発揮することができない可能性があり、新たにに別の周波数にピークを生じる場合がある。

本発明は、従来の技術が有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フックとチューブとジョイントを連結して形成される通路の周波数特性に生じるピークを抑えることができる耳かけ式補聴器を提供しようとするものである。

上記課題を解決すべく請求項１に係る発明は、補聴器本体と耳せんの間にフックとチューブとジョイントを備えた耳かけ式補聴器において、前記ジョイントにダンパを設けたものである。

請求項２に係る発明は、請求項１記載の耳かけ式補聴器において、前記ダンパの音響インピーダンスの値を、前記フックと前記チューブと前記ジョイントを連結して形成される通路の特性インピーダンスの値の±１０％以内にした。

請求項１に係る発明によれば、フックとチューブとジョイントを連結して形成される通路の周波数特性に生じるピークを抑える効果を十分に発揮することができる。また、既存の耳せんを使用することができる。

請求項２に係る発明によれば、ダンパの音響インピーダンスの値を、フックとチューブとジョイントを連結して形成される通路の特性インピーダンスの値とほぼ一致させることにより、反射が起き難くなるので、周波数特性に生じるピークを効果的に抑えることができる。

以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、図１は本発明に係る耳かけ式補聴器の概要斜視図、図２はジョイントなどの断面図、図３はダンパの説明図である。

本発明に係る耳かけ式補聴器１は、図１に示すように、補聴器本体２、フック３、チューブ４、ジョイント５、耳せん６からなる。フック３とチューブ４とジョイント５は直列に連結され、イヤホンから放出される音が通る通路（管）７を形成している。補聴器本体２には、図示しない補聴処理部、マイクロホン、イヤホンなどが収納されている。

また、ジョイント５には、図２に示すように、音響フィルタとして作用するダンパ８が嵌挿されている。ダンパ８は、図３に示すように、筒体９の一方の開口部にメッシュ状の膜１０を取り付けてなる。ダンパ８は、筒体９をジョイント５の内壁面にシール部材１１を介して密接させ、イヤホンから放出される音が通る通路７の一部をなしている。

そして、ダンパ８の音響インピーダンスの値が、フック３とチューブ４とジョイント５を連結して形成される通路７の特性インピーダンスの値の±１０％以内になるように、ダンパ８の音響インピーダンスの値を設定する。例えば、フック３とチューブ４とジョイント５を連結して形成される通路７の特性インピーダンスの値が、２１００Ωである場合には、音響インピーダンスの値が２２００Ωであるダンパ８をジョイント５に嵌挿する。耳せん６は、既存のものを使用することができる。

以上のように構成された本発明に係る耳かけ式補聴器の動作について説明する。補聴器本体２で補聴処理されてイヤホンから放出された音は、フック３とチューブ４とジョイント５を連結して形成される通路７を通って、耳せん６から外耳道へ伝えられる。その際、ダンパ８の音響インピーダンスの値が、フック３とチューブ４とジョイント５を連結して形成される通路７の特性インピーダンスの値とほぼ一致しているので、反射が起こり難く、通路７の周波数特性に生じるピークが抑えられ、ハウリングを軽減できる。

ジョイントにダンパを設けるだけで、フックとチューブとジョイントを連結して形成される通路の周波数特性に生じるピークを抑える効果が得られるので、装用感の優れた耳かけ式補聴器が容易に提供される。

本発明に係る耳かけ式補聴器の概要斜視図 ジョイントなどの断面図 ダンパの説明図で、（ａ）は平面図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ線断面図

符号の説明

１…耳かけ式補聴器、２…補聴器本体、３…フック、４…チューブ、５…ジョイント、６…耳せん、７…通路、８…ダンパ。

Claims (2)

1. 補聴器本体と耳せんの間にフックとチューブとジョイントを備えた耳かけ式補聴器において、前記ジョイントにダンパを設けたことを特徴とする耳かけ式補聴器。
2. 前記ダンパの音響インピーダンスの値が、前記フックと前記チューブと前記ジョイントを連結して形成される通路の特性インピーダンスの値の±１０％以内である請求項１記載の耳かけ式補聴器。