JP2008147342A - 磁気素子 - Google Patents

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竜実 西野
Fumihito Meguro
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Abstract

【課題】一層の薄型化を図ることが可能な磁気素子を提供すること。
【解決手段】巻線を巻回することにより構成されるコイル20と、磁性材を含むと共に、コイル20の外周に倣って変形可能な柔軟性を備える複数の磁性シート30〜35と、を具備すると共に、複数の磁性シート30〜35は、コイル20を包み込む状態で配置されると共に、複数の磁性シート30〜35は、隣り合う磁性シート30〜35に対して一体的に接合される接合部Pを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種の電子機器に実装される磁気素子に関する。
従来より、ドラムコアに巻線が巻回されている構成の磁気素子(インダクタ等)が存在する。かかる磁気素子が具備するドラムコアは、巻芯部の両端側に上鍔部および下鍔部をそれぞれ備えている。なお、かかるドラムコアを備える磁気素子の一例としては、特許文献1に開示されているものがある。
特開2005−26605号公報(要約、図3等参照)
ところで、磁気素子が実装される各種の電子機器においては、小型化および薄型化の要請があり、それに伴って、磁気素子の低背化も求められている。ここで、低背化を図る手法としては、巻線の巻数の削減を伴う巻芯部の長さ寸法の削減を図る場合もあるが、当該巻芯部の長さ寸法の削減は、巻数を伴うことから磁気素子の特性変化に至る場合が多く、その手法は採用し難い。そのため、磁気素子の低背化を図る場合、大きな特性変化を伴わないドラムコアの上鍔部および下鍔部が、寸法削減のターゲットとなり易い。
しかしながら、上鍔部および下鍔部を厚み寸法を小さくすると、当該上鍔部および下鍔部の強度が低下して、割れ易くなってしまう。そのため、低背化が進展している現状においては、上鍔部および下鍔部の厚み寸法は、略0.25mmとなっており、これ以上、上鍔部および下鍔部の薄型化を進行させるのは、上述の強度面から困難となっている。そのため、現状の磁気素子とは全く異なる構成を採用する以外、磁気素子の低背化を一層進展させることが困難となっている。
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、一層の薄型化を図ることが可能な磁気素子を提供しよう、とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、巻線を巻回することにより構成されるコイルと、磁性材を含むと共に、コイルの外周に倣って変形可能な柔軟性を備える磁性シートと、を具備すると共に、磁性シートは、コイルを包み込む状態で配置されると共に、磁性シートは、隣り合う磁性シートまたは隣り合うと共に磁性材を含みかつ柔軟性を備えないコア部材に対して一体的に接合される接合部を有するものである。
このように構成する場合、磁性シートは、シート状の部材であり、柔軟に変形可能であるため、ドラムコアの上鍔部および下鍔部等の柔軟性を備えない(変形不能な)部位よりも、厚み寸法を小さくすることが可能となる。そのため、本発明の磁気素子は、現状の磁気素子と比較して、低背化が可能となる。また、コイルが磁性シートで包み込まれることにより、コイルから発生する磁束の漏れを防止することが可能となる。また、コイルは、この磁性シートに包み込まれる状態となると共に、この磁性シートと隣り合う磁性シート/または隣り合うコア部材との間には、互いに接合される接合部が設けられている。そのため、本発明の磁気素子は、上鍔部および下鍔部が存在する現状の磁気素子と比較して、コイルが磁性シートで包み込まれることにより、コイルから発生する磁束の漏れを防止することが可能となる。
また、他の発明は、巻線を巻回することにより構成されるコイルと、磁性材を含むと共に、コイルの外周に倣って変形可能な柔軟性を備える複数の磁性シートと、を具備すると共に、複数の磁性シートは、コイルを包み込む状態で配置されると共に、複数の磁性シートは、隣り合う磁性シートに対して一体的に接合される接合部を有するものである。
このように構成する場合、磁性シートは、シート状の部材であり、柔軟に変形可能であるため、ドラムコアの上鍔部および下鍔部等の柔軟性を備えない(変形不能な)部位よりも、厚み寸法を小さくすることが可能となる。また、この磁性シートに包み込まれる状態でコイルが配置され、隣り合う(重ね合わせられる)磁性シートには、互いに接合される接合部が設けられている。そのため、本発明の磁気素子は、上鍔部および下鍔部が存在する現状の磁気素子と比較して、低背化が可能となる。また、コイルが磁性シートで包み込まれることにより、コイルから発生する磁束の漏れを防止することが可能となる。また、本発明の磁気素子は、低背化が可能でありながらも、上鍔部および下鍔部を薄型化する場合のような、割れ等に対する強度が問題となる場合がほとんどない。
また、他の発明は、巻線を巻回することにより構成されるコイルと、磁性材を含むと共に、コイルの外周に倣って変形可能な柔軟性を備える少なくとも1枚の磁性シートと、磁性シートに対して接合されると共に、コイルの外周に倣う変形が不能な第2の磁性部材と、を具備すると共に、磁性シートと第2の磁性部材との間には、少なくとも一箇所以上の接合部が設けられていて、磁性シートと第2の磁性部材との間には、コイルが配置されているものである。
このように構成した場合には、磁性シートは、シート状の部材であり、柔軟に変形可能であるため、ドラムコアの上鍔部および下鍔部等の柔軟性を備えない部材よりも、厚み寸法を小さくすることが可能となる。このため、磁性シートがコイルの外周に倣って柔軟に変形することにより、コイルを包み込む状態とすることが可能となる。また、コイルが磁性シートで包み込まれることにより、コイルから発生する磁束の漏れを防止することが可能となる。また、本発明の磁気素子は、磁性シートが存在する分だけ、上鍔部および下鍔部が存在する現状の磁気素子と比較して、低背化が可能となる。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、コイルは、複数設けられていると共に、複数の磁性シートの一つは、複数のコイルのいずれかを、他の磁性シートのいずれかと共に包み込むことにより、コイルと磁性シートとの多層構造が実現されているものである。
このように構成した場合には、コイルが複数存在すると共に、これら各々のコイルを包み込む複数の磁性シートの存在により、コイルおよび磁性シートが多層状に設けられる。このため、本発明の磁気素子を、トランス、ノイズカットフィルタ、チョークコイル等、より一層多用な用途に用いることが可能となる。
本発明によると、磁気素子において、一層の薄型化を図ることが可能となる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態に係る、磁気素子10について、図1に基づいて説明する。図1は、本実施の形態における磁気素子10の構成を示す側断面図である。
なお、以下の実施の形態においては、上下方向とは、図1におけるX方向を指すものとする(後述する図2以下の磁気素子11〜16においても同様)。そして、このX方向において、磁性シート30aから見て磁性シート30bが存在する側を上側とし、その逆側を下側とする(後述する図2以下の磁気素子11〜16においても同様)。
図1に示すように、磁気素子10は、コイル20と、磁性シート30a,30bと、を具備している。これらのうち、コイル20は、例えば外部が絶縁被膜で覆われているエナメル線等の断面が円形状を為す巻線を所定の巻数だけ巻回したものである。
なお、本実施の形態では、コイル20は、本実施の形態では、その断面が略楕円形状を為すように設けられている。しかしながら、コイル20の断面形状は、これには限られず、例えばアーモンド形状、円形状、四角形状等、種々の形状を採用することが可能である。また、コイル20は、本実施の形態では、その平面形状が略リング形状を為すように巻回されている。しかしながら、コイル20の平面形状は、略リング形状には限られず、四角形状等、多角形状またはその他の形状に形成されていても良い。また、コイル20を構成する巻線は、断面が円形状を為す巻線(丸線)には限られず、断面が長方形状(矩形状)等を為す平角線を用いるようにしても良い。
また、本実施の形態では、磁気素子10が備える磁性シート30a,30bは、一対設けられている。この磁性シート30a,30bは、磁性粉末と、樹脂等のバインダーとから構成されるシート部材であり、コイル20の外周に沿って変形可能な柔軟性を備えている。ここで、磁性粉末としては、フェライト粉末、例えばセンダスト(Fe-Al-Si)、パーマロイ(Fe-Ni )、鉄シリコンクロム(Fe-Si-Cr)等の磁性金属粉末等、種々の磁性材を粉末状にしたものを用いることが可能である。また、バインダーの材質としては、PET(ポリエチレンテレフタラート)、ポリエチレン、塩化ビニル、合成ゴム、天然ゴム等がある。
この磁性シート30a,30bは、その厚み寸法が0.10mm〜0.50mmに設けられている。また、磁性シート30a,30bは、その平面形状が、上述の略リング形状のコイル20に対応させて、円形状に設けられている。また、円形状を為す磁性シート30a,30bの直径は、コイル20の直径よりも十分に大きく設けられていて、当該コイル20を良好に包み込むことを可能としている。
ここで、本実施の形態では、例えば各構成部材の最も下方に磁性シート30aを配置する。そして、下方に配置された磁性シート30aの上部に、コイル20を載置する。さらに、このコイル20の上部から、当該コイル20を覆うように、磁性シート30bを配置する。このとき、最も下方に位置する磁性シート30a、コイル20および最も上方に位置する磁性シート30bは、それぞれの中心が位置合わせされた状態で配置される。また、磁性シート30a,30bの位置合わせを行う場合、コイル20の端末(不図示)を外部に引き出すようにしておく。
上述の配置後に、磁性シート30a,30bの外周縁部、および磁性シート30a,30bの内周側を、それぞれ接合させる。なお、かかる接合が為されると、磁性シート30a,30bの外周縁部および内周側に、2つの磁性シート30a,30bの一体化が為された接合部Pがそれぞれ存在する状態となる。なお、この接合を行う場合、当該接合に先立って、磁性シート30a,30bをコイル20の外周に倣わせる(沿わせる)ようにする。また、コイル20の端末は、磁性シート30a,30bで覆われつつ、磁性シート30a,30bの内径側から外径側に向かって横断的に設けられる。
また、磁性シート30a,30b同士の接合は、当該磁性シート30a,30bに超音波振動を与える超音波融着装置を用いることが可能である。この場合、磁性シート30a,30bに対する超音波振動の付与により、互いに接触している接触面に摩擦熱が生じる。かかる摩擦熱により、2つの磁性シート30a,30bの接触面は、強固に融着される。また、その他の接合方法としては、磁性シート30a,30bの外周縁部および内周側を熱圧着する等により、磁性シート30aと磁性シート30bとを接合する手法がある。ここで、この熱圧着においては、所定の形状の成型部を有する金型等を用いて、プレス成型するようにしても良い。さらに、その他の接合方法としては、磁性シート30a,30bが互いに接触する接触面(磁性シート30a,30bの外周縁部および内周側)に接着剤を塗布し、その後押圧等により2つの磁性シート30a,30bを接合させるようにしても良い。
なお、本実施の形態における磁気素子10では、上下方向において対称となるように形成されている。このため、上述の各種の接合方法のうち、金型を用いる熱圧着、および接触面に接着剤を塗布する等の手法が好適である。
以上のような構成を有する磁気素子10によると、磁性シート30a,30bは、シート状の部材であり、その厚み寸法が0.10mm〜0.50mmに設けられている。しかも、磁性シート30a,30bは、柔軟に変形可能となっている。そのため、現状の磁性素子のように、ドラムコアの上鍔部および下鍔部等のような、柔軟性を備えない部分(変形不能な部分)を具備する構成よりも、厚み寸法を小さくすることが可能となる。
また、磁性シート30a,30bに包み込まれる状態でコイル20が配置され、隣り合う(重ね合わせられる)磁性シート30a,30bには、互いに接合される接合部Pが設けられている。そのため、本実施の形態の磁気素子10は、上鍔部および下鍔部が存在する現状の磁気素子と比較して、低背化が可能となる。また、本実施の形態の磁気素子10は、低背化が可能でありながらも、上鍔部および下鍔部を薄型化した場合のような、割れ等に対する強度が問題となる場合がほとんどない。そのため、本発明の磁気素子10が実装される製品においては、信頼性が高まり、製品寿命を長くすることが可能となる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態に係る磁気素子11について、図2に基づいて説明する。なお、本実施の形態は、上述の第1の実施の形態で述べた構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明する。
図2に示すように、本実施の形態における磁気素子11においては、上述の第1の実施の形態における磁気素子10とは異なり、上下方向における形状が非対称となっている。
ここで、下方に配置される磁性シート31aは、設置面Gに倣うように設置され、略水平に配置される。しかしながら、上方に配置される磁性シート31bは、コイル20に倣うように配置されるため、当該コイル20の形状に従って、設置面Gからの距離が変動する(上下方向に起伏する)状態となる。そのため、磁気素子11を形成する前の段階においては、上方に配置される磁性シート31bの方が、下方に配置される磁性シート31aよりも、直径が大きく設けられている。
また、本実施の形態における磁気素子11においても、磁性シート31a、コイル20、磁性シート31bの配置が終了した後に、磁性シート31a,31bの外周縁部、および磁性シート31a,31bの内周側をそれぞれ接合させる。
なお、本実施の形態における磁気素子11においても、上述の第1の実施の形態における各種の接合方法と同様に、超音波融着装置を用いるようにしても良く、熱圧着を採用しても良く、さらには接着剤を用いるようにしても良い。なお、本実施の形態においては、下方に配置される磁性シート31aは、水平状の配置となっているため、超音波融着装置を用いる場合、接合強度を向上させることが可能となる。
以上のような構成を有する磁気素子11によると、上述の第1の実施の形態における磁気素子10が奏する効果の他に、当該磁気素子11の製作が容易となる。すなわち、設置面Gに磁性シート31aを水平状に配置し、この磁性シート31aに対して、磁性シート31bを接合させる。このため、接合作業が容易となる。さらに、安定的かつ略水平な設置面Gに磁性シート31aを配置した状態で、磁性シート31aと磁性シート31bとの間の接合が為されるため、接合強度を向上させることが可能となる。
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態に係る磁気素子12について、図3に基づいて説明する。なお、本実施の形態は、上述の第1の実施の形態で述べた構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明する。
本実施の形態では、磁気素子12の中央部分には、挿通孔40が設けられている。そして、この挿通孔40には、コイル20が露出する状態で設けられている。
すなわち、本実施の形態においては、磁性シート32a,32bには、その中心部分に孔部32cが設けられている。この孔部32cの直径は、当該コイル20の中心側の部分(特に、コイル20の中心孔20cに面する部分)に、磁性シート32a,32bで覆われずに、外部に露出する部分が存在するように設定されている。それにより、コイル20を磁性シート32a,32bで覆っても、コイル20の内周側が挿通孔40に露出する状態となっている。
また、本実施の形態における磁気素子12においては、上述のようにコイル20の内周側が挿通孔40に露出する。そのため、磁性シート32a、コイル20、磁性シート32bの配置が終了した後に、磁性シート32a,32bの外周縁部では接合が為されるものの、コイル20の内周側では接合が為されない。
以上のような構成の磁気素子12によると、コイル20の内周側は、磁性シート32a,32bで覆われていない。このため、上述の第1の実施の形態における磁気素子10が奏する効果の他に、コイル20への電流の導通により、磁気が発生すると、その磁気は外部に漏れる状態となり、当該磁気素子12をアンテナとして用いることが可能となる。
(第4の実施の形態)
以下、本発明の第4の実施の形態に係る磁気素子13について、図4に基づいて説明する。なお、本実施の形態は、上述の第1の実施の形態で述べた構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明する。
本実施の形態では、磁気素子13を構成する磁性シート33a,33bは、上述の第1の実施の形態における磁性シート30a,30b、および上述の第2の実施の形態における磁性シート31a,31bよりも、その直径が小さく設けられている。ここで、本実施の形態における磁性シート33a,33bの直径は、コイル20の外周側の部分に、磁性シート32a,32bで覆われずに、外部に露出する部分が存在するように設定されている。それにより、コイル20を磁性シート32a,32bで覆っても、コイル20の外周側が外部に露出する状態となっている。
以上のような構成の磁気素子13によると、コイル20の外周側は、磁性シート33a,33bで覆われていない。そのため、本実施の形態における磁気素子13では、上述の第1の実施の形態における磁気素子10が奏する効果の他に、上述の第3の実施の形態における磁気素子12と同様に、コイル20への電流の導通によって磁気が発生すると、その磁気が外部に漏れて、当該磁気素子13をアンテナとして利用することが可能となる。
また、磁気素子13の外周側には、第3の実施の形態における磁気素子12のような接合部Pが設けられていない。そのため、磁気素子13の径方向における寸法を小さくすることが可能となり、一層の小型化を図ることが可能となる。
(第5の実施の形態)
以下、本発明の第5の実施の形態に係る磁気素子14について、図5に基づいて説明する。なお、本実施の形態は、上述の第1の実施の形態で述べた構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明する。
本実施の形態における磁気素子14では、コイル20が2つ設けられている。そして、これら2つのコイル20a,20bのうち、コイル20aは磁性シート34aと磁性シート34bによって覆われると共に、コイル20bは磁性シート34bと磁性シート34cによって覆われる。
また、磁性シート34a,34b,34cは、それぞれコイル20a,20bの外周に倣う状態で配置される。そのため、磁性シート34a,34b,34cの直径を比較すると、最も上方に配置される磁性シート34cは、コイル20bに倣うように配置される関係上、当該コイル20bの形状に従って、設置面Gからの距離が最も大きく変動する(上下方向に最も大きく起伏する)状態となる。すなわち、3つの磁性シート34a,34b,34cは、これらの中心で接合が為されるが、かかる接合は、設置面Gに設置される磁性シート34aの中心が、設置面Gへの接触を維持する状態で為される。このため、磁性シート34cは、2つのコイル20a,20bが存在する分だけ上下方向に大きく起伏する。このため、磁性シート34cは、最も大きく起伏する状態となる。
また、磁性シート34aと磁性シート34cとの間に位置する磁性シート34bは、コイル20aに倣うように配置される関係上、当該コイル20aの形状に従って、設置面Gからの距離が変動する(上下方向に起伏する。)。しかしながら、この磁性シート34bの起伏は、磁性シート34cよりも小さい状態となっている。また、磁性シート34aは、設置面Gに略水平を為して設置されるため、上下方向に起伏しない状態となっている。
ここで、本実施の形態における磁気素子14を製造する場合、まず磁性シート34aを設置面に配置し、その上部にコイル20aを配置する。さらに、このコイル20aの上部に磁性シート34bを配置する。さらに、磁性シート34bの上部にコイル20bを配置し、当該コイル20bの上部(最上部)に磁性シート34cを配置する。このとき、コイル20a,20bおよび磁性シート34a,34b,34cは、それぞれの中心が位置合わせされた状態で配置される。
また、磁性シート34a,34b,34cは、それぞれ外周縁部および磁性シート34a,34b,34cの内周側を、それぞれ接合させる。このとき、上述の第1の実施の形態等における各種の接合方法と同様に、超音波融着装置を用いるようにしても良く、熱圧着を採用しても良く、さらには接着剤を用いるようにしても良い。
以上のような構成の磁気素子14では、2つのコイル20a,20bを備えている。そのため、この磁気素子14は、上述の第1の実施の形態における磁気素子10が奏する効果の他に、例えばトランス、ノイズカットフィルタ、チョークコイル等、より一層多用な用途に用いることが可能となる。
また、上述の第2の実施の形態における磁気素子11と同様に、設置面Gに磁性シート34aを水平状に配置し、この磁性シート34aに対して、磁性シート34b、磁性シート34cが順次接合させる。このため、接合作業が容易となり、磁気素子14の製作が容易となる。さらに、安定的かつ略水平な設置面Gに磁性シート34aを配置した状態で、磁性シート34a〜34cの間の接合が為されるため、接合強度を向上させることが可能となる。
(第6の実施の形態)
以下、本発明の第6の実施の形態に係る磁気素子15について、図6に基づいて説明する。なお、本実施の形態は、上述の第1の実施の形態、第5の実施の形態等で述べた構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明する。
本実施の形態における磁気素子15は、上述の第5の実施の形態における磁気素子14と同様に、2つのコイル20a,20bを備えると共に、3つの磁性シート35a,35b,35cを備えている。しかしながら、本実施の形態における磁気素子15では、コイル20a,20bおよび磁性シート35a,35b,35cの配置が、上述の第1の実施の形態における磁気素子10に類似する状態となっている。
すなわち、本実施の形態では、磁性シート35a,35cは、これらの中心線(磁性シート35bと略水平を為す線)を挟んで、対称となるように設けられている。このとき、磁性シート35a,35cは、中心線(磁性シート35b)に対して、距離が変動する(上下方向に起伏する)状態となる。
そのため、磁性シート35a,35b,35cは、磁性シート35aと磁性シート35cの直径が略等しく設けられている。また、起伏がほとんどない状態に設けられている磁性シート35bの直径は、磁性シート35a,35cの直径よりも小さく設けられている。
また、磁性シート35a,35b,35cを接合する手法は、上述の第1の実施の形態および第5の実施の形態におけるものと同様となっている。
以上のような構成の磁気素子15では、上述の第5の実施の形態における磁気素子14と同様に、2つのコイル20a,20bを備えている。そのため、この磁気素子15は、上述の第1の実施の形態における磁気素子10が奏する効果の他、例えばトランス、ノイズカットフィルタ、チョークコイル等、より一層多用な用途に用いることが可能となる。
また、本実施の形態における磁気素子15は、中心線(磁性シート35b)を挟んで対称形状に設けられている。そのため、磁気素子15を実装基板に実装する際に、上下を逆転させて実装可能となる。
(第7の実施の形態)
以下、本発明の第7の実施の形態に係る磁気素子16について、図7に基づいて説明する。なお、本実施の形態は、上述の第1の実施の形態等で述べた構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明する。
本実施の形態における磁気素子16は、上述の第2の実施の形態における磁気素子11の一部を変更するものである。この磁気素子16においては、上述の第2の実施の形態における磁性シート31aに代えて、第2の磁性部材としての板状コア50を用いる構成を採用している。なお、本実施の形態においては、板状コア50の上方に位置する磁性シートを、磁性シート36とする。
この板状コア50は、例えばセンダスト(Fe-Al-Si)、パーマロイ(Fe-Ni )、鉄シリコンクロム(Fe-Si-Cr)等の磁性金属粉末等、種々の磁性粉末を焼結する等により形成されている。そのため、板状コア50は、コイル20の外周に倣う変形が不能となっている。ただし、この板状コア50は、磁性シート36と比較すると、単位体積当たりの磁性粉末の密度が大きく設けられている。また、板状コア50は、磁性シート36よりも厚さ寸法が大きくなっている。
なお、その他の構成は、上述の第2の実施の形態における構成と同様となっている。また、本実施の形態において、磁性シート36と板状コア50とを接合する手法は、上述の第1の実施の形態等におけるものと同様となっている。
以上のような構成の磁気素子16では、上述の第2の実施の形態における磁気素子11と同様、設置面Gに板状コア50を配置し、この板状コア50に対して、磁性シート36が接合させる。このため、磁気素子16においては、上述の第1の実施の形態における磁気素子10の他に、接合作業が容易となり、磁気素子16の製作が容易となる。さらに、安定的かつ略水平な設置面Gに板状コア50を配置した状態で、磁性シート36の接合が為されるため、接合強度を向上させることが可能となる。
また、板状コア50のような、変形しずらい(硬い)部分が存在することにより、磁気素子16が変形するのを防ぐことが可能となる。
以上、本発明の第1〜第7の実施の形態に係る磁気素子10〜17について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
上述の各実施の形態のうち、第4〜第7の実施の形態における磁気素子13〜16においては、上述の第3の実施の形態における挿通孔40が存在しない状態となっている。しかしながら、これら磁気素子13〜16に、挿通孔40を形成するようにしても良い。
また、上述の第5の実施の形態における磁気素子14、または第6の実施の形態における磁気素子15では、磁性シート34a〜34c、または磁性シート35a〜35cを、それぞれ3枚使用する構成を採用している。しかしながら、これらの磁気素子14、磁気素子15において、3枚以上の磁性シートを用いるようにしても良い。なお、3枚以上の多数の磁性シートを用いる場合において、磁性シートの枚数をN枚とすると、コイルの個数はN−1個が妥当であるが、当該コイルの個数はN−1個には限られず、N−2個以下(ただし、1個以上)としても良い。また、コイルの個数を、N+1個以上としても良い。
なお、磁性シート等のシートの枚数がN枚であって、コイルの個数がN個以上である場合、隣り合うコイルの間には、非磁性シートが挟み込まれる構成であっても良い。この例を、図8に示す。図8に示す磁気素子17では、シートが3枚であるが、そのうち磁性シート37を2枚、非磁性シート38を1枚、コイル20を2個備えるものが例示されている。この図8の構成では、2つのコイル20の間に、非磁性シート38が挟み込まれる状態で、存在している。
また、上述の各実施の形態における磁性シート30a,30b、磁性シート31a,31b、磁性シート32a,32b、磁性シート33a,33b、磁性シート34a〜34c、磁性シート35a〜35cは、同じ材質から構成されている。しかしながら、例えば磁性シート30aと磁性シート30bの材質を異ならせる等、異なった材質の磁性シートを具備する構成を採用しても良い。
さらに、上述の第7の実施の形態では、第2の磁性部材として、板状コア50を用いる場合について説明している。しかしながら、第2の磁性部材としては、板状コア50には限られず、リング状コア、凹状の窪みを有するポットコア等、種々の形状の変形し難いコアを用いることが可能である。
また、上述の各実施の形態における磁気素子10〜16は、単独で用いられる場合には限られない。例えば、これらの磁気素子10〜16を複数列状、碁盤目状、または千鳥状に配列させると共に、その状態で樹脂等でモールド成型等することにより、複数の磁気素子10〜16を同時に備える磁気素子を実現することが可能となる。
本発明の磁気素子は、電気機器の分野において利用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る磁気素子の構成を示す側断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気素子の構成を示す側断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る磁気素子の構成を示す側断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る磁気素子の構成を示す側断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る磁気素子の構成を示す側断面図である。 本発明の第6の実施の形態に係る磁気素子の構成を示す側断面図である。 本発明の第7の実施の形態に係る磁気素子の構成を示す側断面図である。 本発明の変形例に係る磁気素子の構成を示す側断面図である。
符号の説明
10〜17…磁気素子
20,20a,20b…コイル
30a,30b,31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a〜34c,35a〜35c,36,37…磁性シート
38…非磁性シート
40…挿通孔
50…板状コア(第2の磁性部材に対応)
P…接合部
G…設置面

Claims (4)

  1. 巻線を巻回することにより構成されるコイルと、
    磁性材を含むと共に、上記コイルの外周に倣って変形可能な柔軟性を備える磁性シートと、
    を具備すると共に、
    上記磁性シートは、上記コイルを包み込む状態で配置されると共に、
    上記磁性シートは、隣り合う磁性シートまたは隣り合うと共に磁性材を含みかつ柔軟性を備えないコア部材に対して一体的に接合される接合部を有する、
    ことを特徴とする磁気素子。
  2. 巻線を巻回することにより構成されるコイルと、
    磁性材を含むと共に、上記コイルの外周に倣って変形可能な柔軟性を備える複数の磁性シートと、
    を具備すると共に、
    上記複数の磁性シートは、上記コイルを包み込む状態で配置されると共に、
    上記複数の磁性シートは、隣り合う磁性シートに対して一体的に接合される接合部を有する、
    ことを特徴とする磁気素子。
  3. 巻線を巻回することにより構成されるコイルと、
    磁性材を含むと共に、上記コイルの外周に倣って変形可能な柔軟性を備える少なくとも1枚の磁性シートと、
    上記磁性シートに対して接合されると共に、上記コイルの外周に倣う変形が不能な第2の磁性部材と、
    を具備すると共に、
    上記磁性シートと上記第2の磁性部材との間には、少なくとも一箇所以上の接合部が設けられていて、上記磁性シートと上記第2の磁性部材との間には、上記コイルが配置されている、
    ことを特徴とする磁気素子。
  4. 前記コイルは、複数設けられていると共に、
    複数の前記磁性シートの一つは、複数の前記コイルのいずれかを、他の前記磁性シートのいずれかと共に包み込むことにより、前記コイルと前記磁性シートとの多層構造が実現されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気素子。
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