JP2008141942A - ブラシレスモータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブラシレスモータ1のステータハウジング11にはプレート21が取り付けられている。プレート21は、ステータハウジング11の係止用溝43に第1の爪部62を挿入させることでステータハウジング11に対する回転が規制される。プレート21は、第2に爪部をステータコア12の外周の溝に挿入させることでステータコア12に対する回転が規制される。
【選択図】図2
Description
また、従来のステータには、振動によるコイルの磨耗を防止するためにコイルをコーティング材で被ったものがある。コーティング材は、コイルに滴下された後、硬化させる。
しかしながら、コーティング材が乾燥するまでの間に、余剰なコーティング材がステータハウジングのインロー部や作業場に垂れることがあった。ステータハウジングのインロー部に垂れた場合には、インロー接合する相手側の部材との嵌合ができなくなり、修復しなければならなかった。作業場に垂れたときは、作業環境が悪化する原因になる。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ステータハウジングに対するステータコアの回転を防止し、かつコーティング材の液垂れを防止することを主な目的とする。
このブラシレスモータでは、回り止め部を備えたプレートを設けたため、そのプレートを介してステータコアとステータハウジングの間の回り止めが確実にできる。また、ステータハウジングやステータコアに複雑な機械加工を施す必要がなくなるので、製造が容易になると共に、加工コストを低減できる。
このブラシレスモータでは、プレートがステータコアとステータハウジングのそれぞれに回転不能に取り付けられる。ステータコアとステータハウジングは、プレートを介して回転方向の相対的な移動が規制される。
このブラシレスモータは、プレートを介してステータコアとステータハウジングの間の回り止めをした上で、アライメントの調整もないため、より製造が容易になると共に、加工コストを低減できる。
このブラシレスモータは、余剰なコーティング材がプレートの凹部に溜まる。コーティング材がステータハウジングのインロー部や作業場の床面に垂れ落ちることがなくなる。
このブラシレスモータは、コイルからレゾルバに向かう磁束がプレートによって遮断される。
図1に電動パワーステアリング装置に用いられるブラシレスモータを示す。ブラシレスモータ1は、ステータ2と、ステータ2内に配置されたロータ3とを有し、ステータ2に固定されたブラケット4にロータ3が回転自在に支持されている。ロータ3は、内部に不図示のラック軸が挿入可能である。ラック軸は、ギヤボックス内でラック・アンド・ピニオン機構を形成し、ステアリングホイールの操作に応じてブラシレスモータ1の軸方向に移動自在になっている。ラック軸の両端は、ナックルアームなどを介して車両の車輪に連結されている。
ステータ2を製造するときは、ステータコア12を周方向に複数に分割した形状を有するコアユニットを製造し、コイル16を巻装した後に複数のコアユニットを接合させてステータコア12を形成する。
各コイル16の巻線は、ブラケット4が固定される解放端の反対側に配置されたターミナル17に接続されている。ターミナル17は、ステータハウジング11の側方に突設された接続端子18に電気的に接続されており、外部の電源から電流を供給できるようになっている。
コイル16は、コーティング材で被覆されることで保護されている。コーティング材は、ブラケット4側に設けられたプレート21に液溜まり22を形成している。
なお、回転軸31の端部には、不図示のボールナットが固定される。このボールナットは、ラック軸の一部に形成されているボールネジとの間に複数のボールを介在させることでボールナット機構を構成する。ボールナットは、ステータハウジング11に固定される不図示のブラケットに設けられたベアリングに回転自在に支持される。
図3に示すように、ステータコア12の外周面には、スキューした溝45が形成されている。この溝45を設けることで、ステータハウジング11との間の接触面積を減らして圧入荷重を低減させると共に、圧入時のステータハウジング11の変形を防止している。
溝45は、周方向に等間隔に形成されている。
プレート21の内径は、回転軸31に干渉しない大きさである。側壁52の外径は、ブラケット4の接合部4Aの内径以下である。側壁52からは、プレート21をステータ2に固定するために使用される係止部61が一体に延設されている。
係止部61の外径は、ステータハウジング11の環状溝42によって拡げられた内径に略等しい。第1の爪部62は、ステータハウジング11の係止用溝43をキー溝とするキーであって、ステータハウジング11に対する回り止めとして使用される。第1の爪部62の径方向の厚さは、係止用溝43の深さ以下である。第1の爪部62の周方向の幅は、係止用溝43の周方向の幅に略等しい。第2の爪部63は、第1の爪部62より径方向内側に配置されており、ステータコア12の溝45をキー溝とするキーである。第2の爪部63の径方向の厚さは、溝45の深さ以下である。第2の爪部63の周方向の幅は、溝45の周方向の幅に略等しい。
プレート21には、十分なスペースが確保されているので、余剰なコーティング材は、凹部53に液溜まりを形成し、外部には流出しない。コーティング材を十分に滴下したら、コーティング材を乾燥させる。
プレート21は、コイル16のコーティング材の受け皿として機能するので、コーティング材が作業場に垂れなくなる。プレート21の外周をステータハウジング11に密着させてあるので、コーティング材がインロー部11Aに垂れなくなる。組み立ての効率化や作業環境の改善が図れる。
プレート21を磁性体から製造し、コイル16とレゾルバ26の間に配置したので、コイル16からレゾルバ26に向かう磁束を遮蔽できる。レゾルバ26がコイル16の磁束の影響を受け難くなり、ロータ3の回転位置の検出精度が向上する。
第2実施形態では、プレートに第1の爪及び第2の爪を形成しない点で第1実施形態と相違している。なお、第1実施形態と同一部材には同一符号を付し説明を省略する。
加えて、プレート121をステータハウジング111内に焼き嵌め固定することで、前記第1の爪62及び第2の爪63を形成する必要がなくなり、アライメントの調整もなくなる。そのため、ステータハウジング111に対するステータコア12の回り止めをした上で、第1実施形態に比べ、より製造が容易になると共に、加工コストを低減できる。
また、フランジ部154の外径をステータコア12の外径と略等しく形成したため、焼き嵌め時にインロー部11Aに接触することがない。したがって、インロー部11Aを傷付けることなくプレート121を焼き嵌めることができる。
例えば、ブラシレスモータ1の用途は、パワーステアリング装置に限定されない。回転軸は、中空形状に限定されず、中実でも良い。
プレートを非磁性体金属や、金属材料以外の材料から製造しても良い。回り止めや、液溜まり形成の効果が得られる。自己融着線を使ってコイルを形成した場合など、コーティング材の液垂れ防止の機能を必要せず、回り止めとしてのみ機能させる場合には、凹部を設ける必要はない。これらの場合には、レゾルバと反対側にプレートを配置しても良い。
Claims (5)
- コイルを巻装したステータコアをステータハウジングの内周に配置し、前記ステータコアの内側にロータを回転自在に配置したブラシレスモータであって、
前記コイルを巻装した前記ステータコアを前記ステータハウジングの内周に固定し、前記ステータコアに隣接して、前記ステータハウジングと前記ステータコアとを回り止めする回り止め部を備えたプレートを設けたことを特徴とするブラシレスモータ。 - 前記回り止め部は、前記ステータハウジングに回転不能に嵌合する第1の爪部と、前記ステータコアに回転不能に嵌合する第2の爪部とで構成されたプレートを有することを特徴とする請求項1記載のブラシレスモータ。
- 前記回り止め部は、前記ステータハウジングの内周に圧入される前記プレートの外周側のフランジ部であることを特徴とする請求項1記載のブラシレスモータ。
- 前記プレートは、前記コイルのコーティング材の液溜まりを形成可能な凹部を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のブラシレスモータ。
- 前記プレートは、磁性体から製造されており、前記ロータの回転位置を検出するレゾルバと前記コイルの間に配置されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のブラシレスモータ。
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