JP2008128133A - 内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】気筒毎に冷却水などの冷却用熱媒体を区分けすることなく、各気筒のボア上下の温度差のみでなく気筒間での温度差も抑制できる内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置。
【解決手段】内壁18の上部側は下方被覆部材4に覆われておらず流入する冷却水流に直接曝されるので下部側よりも冷却されやすい。このため各ボア18a〜18dの上下での温度差を抑制できる。そして上方誘導部材6,8の存在により、気筒配列方向の複数カ所にて内壁18の下部側から昇温程度の低い冷却水が上部側へ誘導される。このためウォータジャケット16の下流においてもボア18a〜18dの上部を十分に冷却させることができ、気筒間にてもボア18a〜18dの温度差を抑制できる。こうして課題が達成される。
【選択図】図5
【解決手段】内壁18の上部側は下方被覆部材4に覆われておらず流入する冷却水流に直接曝されるので下部側よりも冷却されやすい。このため各ボア18a〜18dの上下での温度差を抑制できる。そして上方誘導部材6,8の存在により、気筒配列方向の複数カ所にて内壁18の下部側から昇温程度の低い冷却水が上部側へ誘導される。このためウォータジャケット16の下流においてもボア18a〜18dの上部を十分に冷却させることができ、気筒間にてもボア18a〜18dの温度差を抑制できる。こうして課題が達成される。
【選択図】図5
Description
本発明は、複数シリンダが形成されたシリンダブロックの外壁と内壁との間に設けられている溝状熱媒体流路内に配置されることで、溝状熱媒体流路内を流れる冷却用熱媒体と内壁との間での伝熱状態を調節する内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置に関する。
内燃機関のシリンダブロック部分の溝状熱媒体流路内を深さ方向に分離することにより、シリンダボアにおける上下方向(シリンダボアの軸方向)での温度差を低減する内燃機関冷却構造が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1の内燃機関冷却構造では、上下の溝状熱媒体流路にて冷却水の流量に差を設けることで、ボアの上下方向での温度差を低減させている。
しかし特許文献1の構成ではボア上下方向での温度差は抑制できたとしても、複数気筒に対しては気筒間を冷却水が流れる間に昇温してしまい、気筒の配列方向で温度差は抑制できない。
これに対処する技術としてボア下部側に存在する低温状態の冷却水を、気筒毎にボア上部側に上げる冷却構造が提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2000−345838号公報(第3−4頁、図1−8)
特開2005−315118号公報(第3−5頁、図1)
前記特許文献2の冷却構造では、低温状態の冷却水を、気筒毎にボア上部へ上昇させるものであるが、気筒毎に冷却水が区分けされているため、気筒毎に上昇する冷却水の流量を、各気筒のボア上部の冷却状態が同一となるように高精度に調節する必要性が特に高くなる。しかし、特許文献2の流量調節仕切り板による冷却水の流量調節を高精度に行うことは非常に困難であることから、結果として気筒の配列方向での温度差は十分に抑制できない。
本発明は、気筒毎に冷却水などの冷却用熱媒体を区分けすることなく、各気筒のボア上下の温度差のみでなく、気筒間での温度差も抑制できる内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置を目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置は、複数シリンダが形成されたシリンダブロックの外壁と内壁との間に設けられている溝状熱媒体流路内に配置されることで、該溝状熱媒体流路内を流れる冷却用熱媒体と前記内壁との間での伝熱状態を調節する内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置であって、前記外壁側から前記溝状熱媒体流路へ流入して前記溝状熱媒体流路内を気筒配列方向に流れる冷却用熱媒体に対して、前記内壁の下部側を覆い、前記内壁の上部側を露出する下方被覆部材と、前記溝状熱媒体流路内に設けられて、前記下方被覆部材の外側を流れる冷却用熱媒体を、前記内壁の上部側へ誘導する上方誘導部材とを備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置は、複数シリンダが形成されたシリンダブロックの外壁と内壁との間に設けられている溝状熱媒体流路内に配置されることで、該溝状熱媒体流路内を流れる冷却用熱媒体と前記内壁との間での伝熱状態を調節する内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置であって、前記外壁側から前記溝状熱媒体流路へ流入して前記溝状熱媒体流路内を気筒配列方向に流れる冷却用熱媒体に対して、前記内壁の下部側を覆い、前記内壁の上部側を露出する下方被覆部材と、前記溝状熱媒体流路内に設けられて、前記下方被覆部材の外側を流れる冷却用熱媒体を、前記内壁の上部側へ誘導する上方誘導部材とを備えたことを特徴とする。
ここで内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置は、シリンダブロックにてボアが存在する側である内壁の上部側も下部側も、共に気筒間の区画は行っておらず、冷却用熱媒体は気筒毎に区分けされることなく気筒配列方向に流れる。
下方被覆部材は内壁の下部側を覆っているので、内壁の下部側は外壁側から溝状熱媒体流路へ流入する冷却用熱媒体の流れに直接曝されることはないが、内部で燃焼が行われる内壁の上部側は流入する冷却用熱媒体の流れに直接曝されるので下部側よりも冷却されやすい。このため各ボア上下での温度差を抑制できる。
そして上方誘導部材の存在により、外壁側から流入する冷却用熱媒体の内、内壁の下部側を流れる冷却用熱媒体を内壁の上部側へ誘導している。このことにより内壁からの伝熱量が少ないことにより昇温程度の低い冷却用熱媒体が内壁の上部側に導入されるので、内壁の上部側を気筒配列方向に流れる冷却用熱媒体は、昇温抑制あるいは温度低下が十分になされて、かつ流量も増加することになる。このため冷却用熱媒体への伝熱量が大きい内壁の上部側では、気筒配列方向にても温度差が大きくならないように冷却が効果的に行われるので、各気筒のボア上下の温度差を一層抑制できると共に、気筒間での温度差も抑制できる。
このようにして気筒毎に冷却用熱媒体を区分けすることなく、各気筒でのボア上下の温度差のみでなく、気筒間での温度差も抑制できる。
請求項2に記載の内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置では、請求項1において、前記上方誘導部材は気筒配列方向の複数箇所に設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置では、請求項1において、前記上方誘導部材は気筒配列方向の複数箇所に設けられていることを特徴とする。
前記請求項1にて述べたごとく、1つの上方誘導部材でも、内壁の上部側での冷却が効果的に行われ、各気筒のボア上下と気筒間とで共に温度差を抑制できるが、ここでは、更に気筒配列方向に他の上方誘導部材が1つ以上存在する。このことにより、再度、内壁の上部側には、内壁の下部側から昇温程度の低い冷却用熱媒体が誘導されて上昇してくる。このため内壁の上部側を流れたことにより内壁の上部側表面から大量に伝熱されて昇温した冷却用熱媒体に低温の冷却用熱媒体が混合したり、あるいは低温の冷却用媒体に入れ替わったりする。このことにより流動途中で、内壁の上部側を流れる冷却用熱媒体の昇温抑制あるいは温度低下が可能となるので、溝状熱媒体流路の下流側においてもボア上部を十分に冷却させることができ、各気筒のボア上下の温度差を一層抑制できると共に、気筒間での温度差も抑制できる。
このようにして気筒毎に冷却用熱媒体を区分けすることなく、各気筒でのボア上下の温度差のみでなく、気筒間での温度差も抑制できる。
請求項3に記載の内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置では、請求項2において、前記下方被覆部材の上端には、前記溝状熱媒体流路を上下に分割する上下区画部材が形成されていると共に、該上下区画部材には、前記上方誘導部材により前記内壁の上部側へ誘導される冷却用熱媒体を、前記上下区画部材より上の前記溝状熱媒体流路へ導入する開口部が形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置では、請求項2において、前記下方被覆部材の上端には、前記溝状熱媒体流路を上下に分割する上下区画部材が形成されていると共に、該上下区画部材には、前記上方誘導部材により前記内壁の上部側へ誘導される冷却用熱媒体を、前記上下区画部材より上の前記溝状熱媒体流路へ導入する開口部が形成されていることを特徴とする。
このように溝状熱媒体流路に対して、内壁の上部側と下部側とで上下区画部材を用いて区画しても良い。この場合も上下区画部材には、この上下区画部材より上の溝状熱媒体流路へ冷却用熱媒体を導入する開口部が形成されている。このため、複数の上方誘導部材により上方へ誘導される冷却用熱媒体は容易に上下区画部材よりも上の空間に移動することができるので、内壁の上部側に低温の冷却用熱媒体を円滑に導入して、内壁の上部側を流れる冷却用熱媒体の温度を低温化させることができる。
特に、上下区画部材により、下方被覆部材に覆われている内壁の下部側と、下方被覆部材に覆われていない内壁の上部側とに、冷却用熱媒体の流れを確実に分離することができるので、ボア上下での温度差抑制調節をより確実なものとすることができる。
請求項4に記載の内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置では、請求項2又は3において、前記下方被覆部材の上端は、気筒配列方向にて前記冷却用熱媒体の流動下流方向に行くほど、前記上方誘導部材が配置されている位置通過毎に次第に低くされていることを特徴とする。
このように内壁の下部側から上部側へ冷却用熱媒体が誘導される毎に、下方被覆部材の上端位置を低くすることにより、内壁の上部側における溝状熱媒体流路の断面積を増加している。このことによりボアの冷却に重要な役割を果たす内壁の上部側における冷却用熱媒体の流動抵抗を抑制して円滑に流動させることで冷却効率を向上させることできる。
請求項5に記載の内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置では、請求項3において、前記下方被覆部材は、間隙を介して前記内壁の下部側を覆うと共に、前記開口部よりも前記冷却用熱媒体の流動上流側にて前記上下区画部材より上の前記溝状熱媒体流路には流動抵抗板が配置され、該流動抵抗板より流動上流側には前記上下区画部材の上部側と前記間隙とを接続する連通口が前記上下区画部材に形成されていることを特徴とする。
このように下方被覆部材は、内壁の下部側に密着することにより覆うのではなく、間隙を介して内壁の下部側を覆うようにしても良い。そして上述のごとく流動抵抗板と連通口とを形成しても良い。このことにより、内壁の上部側を流れることにより昇温した冷却用熱媒体を前記間隙に流入させ、この代わりに内壁の下部側で下部被覆部材の外側を流れることで昇温程度の低い冷却用熱媒体を新たに内壁の上部側における溝状熱媒体流路内に流すこととしても良い。
このことによっても、各ボア上下での温度差抑制と共に、溝状熱媒体流路の下流においてもボア上部を十分に冷却させることができ、気筒間にてもボアの温度差を抑制できる。
このようにして気筒毎に冷却用熱媒体を区分けすることなく、各気筒でのボア上下の温度差のみでなく、気筒間での温度差も抑制できる。
このようにして気筒毎に冷却用熱媒体を区分けすることなく、各気筒でのボア上下の温度差のみでなく、気筒間での温度差も抑制できる。
請求項6に記載の内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置では、請求項1〜5のいずれかにおいて、前記上方誘導部材は、前記下方被覆部材の外面にて、前記冷却用熱媒体の流動下流方向に行くほど、下部から上部へと上昇する傾斜面を形成するものであることを特徴とする。
このような傾斜面の形成により容易に上方誘導部材を実現でき、内壁の下部側にて下方被覆部材の外側を流れる冷却用熱媒体を内壁の上部側へ容易に誘導することができる。
[実施の形態1]
図1〜3に上述した発明が適用された内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置(以下「伝熱調節装置」と略す)2の構成を示す。図1の(A)は伝熱調節装置2の平面図、(B)は左側面図、(C)は正面図、(D)は右側面図、(E)は底面図である。図2の(A)は伝熱調節装置2の斜視図、(B)は背面図、(C)は(A)とは異なる方向から見た斜視図である。図3は伝熱調節装置2の構成を分解して示している。
図1〜3に上述した発明が適用された内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置(以下「伝熱調節装置」と略す)2の構成を示す。図1の(A)は伝熱調節装置2の平面図、(B)は左側面図、(C)は正面図、(D)は右側面図、(E)は底面図である。図2の(A)は伝熱調節装置2の斜視図、(B)は背面図、(C)は(A)とは異なる方向から見た斜視図である。図3は伝熱調節装置2の構成を分解して示している。
図4の斜視図は伝熱調節装置2を車両搭載用4気筒内燃機関に組み付ける状態の説明図であり、図5は伝熱調節装置2を車両搭載用4気筒内燃機関に組み付けた後の部分破断図であり、図6は組み付け後の平面図、図7は図6に示したX−X線での断面図である。
ここで伝熱調節装置2は、下方被覆部材4、上方誘導部材6,8及び上下区画部材10,12を備えている。下方被覆部材4は、伝熱調節装置2全体の形状を維持している部分であり、上方誘導部材6,8及び上下区画部材10,12よりも高剛性の材質、ここではオレフィン系樹脂にて形成されている。この下方被覆部材4の形状は、内燃機関のオープンデッキ型シリンダブロック14に設けられているウォータジャケット(溝状熱媒体流路に相当)16内にて挿入すると、シリンダブロック14の内壁18に対して、上部側を残して下部側にほぼ密着状態となって配置できるように形成されている。すなわち下方被覆部材4は、高さはウォータジャケット16の深さ分よりも低く形成され、ウォータジャケット16の幅より薄い板状である。そしてウォータジャケット16に適合させて円筒を気筒数(ここでは#1〜#4からなる4気筒)分、接続した環状形状に形成され、内周面4aの形状は内壁18の外周面18eの形状にほぼ同一とされている。
このような形状とすることにより、図4に示したごとくウォータジャケット16内に下方被覆部材4、上方誘導部材6,8及び上下区画部材10,12を一体化した伝熱調節装置2を、ウォータジャケット16内に配置すると、下方被覆部材4は、図7に示したごとく内壁18の外周面18eにほぼ密着する。したがって内壁18の下方側では、下方被覆部材4と外壁20との間が冷却水(冷却用熱媒体に相当)の流路となる。このため内壁18の下方側では、ボア18a,18b,18c,18dが存在する内壁18側からの伝熱は少なくなるので、内壁18の下方側は冷却されにくいと共にここを流れる冷却水の温度は上昇しにくい。逆に下方被覆部材4で覆われていない内壁18の上方側では、内壁18側からの伝熱は多くなるので、内壁18の上方側は冷却されやすいと共にここを流れる冷却水の温度は上昇しやすい。
上方誘導部材6,8及び上下区画部材10,12はオレフィン系エラストマーからなる。この内、上下区画部材10,12は下方被覆部材4の上端に設けられて、ウォータジャケット16の幅よりわずかに幅広に形成されている。したがって図4のごとく伝熱調節装置2がウォータジャケット16内に押し込まれることにより、図5,7のごとく内壁18と外壁20とに密着し、上下区画部材10,12が配置されている部分ではウォータジャケット16は上下に分割される。
これに対して上方誘導部材6,8は各上下区画部材10,12の一端から下方被覆部材4の外周面4bと外壁20との間を斜めに配置されている。冷却水は外壁20に形成された流入口22からウォータジャケット16内に流れ込むが、この冷却水流の上流位置にある上下区画部材10には、その上流側の一端に短い方の上方誘導部材6が配置されている。下流位置にある上下区画部材12には、その上流側の一端に長い方の上方誘導部材8が配置されている。
このことにより図5に破線にて示すごとく流入口22から流入する冷却水は、まず短い方の上方誘導部材6の傾斜面6aにより、下方被覆部材4に覆われている内壁18の下部側における冷却水流の上半分ほどが、下方被覆部材4にて覆われていない内壁18の上部側に誘導される。このように誘導された低温の冷却水流は、流入口22から直接内壁18の上部側に到達することで昇温している冷却水流に合流して昇温が抑制された大流量の水流となり、高速な流れとなって下流側へ向かうことになる。
そして上下区画部材10の最下流部分を通過すると、そこには上下区画部材10と上下区画部材12との切れ目として開口部24が形成されている。この開口部24の上下区画部材12側における端部からは長い方の上方誘導部材8が、傾斜状態でウォータジャケット16のほぼ底部まで達した状態に配置されている。
したがって上下区画部材10の上流側で上方誘導部材6にて内壁18の上部側に誘導されず、内壁18の下部側を流れて来た冷却水流は、長い方の上方誘導部材8の傾斜面8aにより内壁18の上部側へ誘導されて、#1気筒から#4気筒まで内壁18の上部側を流れてきた冷却水流と合流する。
この合流により内壁18の上部側を流れてきた冷却水の温度の昇温が抑制あるいは温度が低下すると共に、大流量化して流速を速めた冷却水流は、この後、図5に示した気筒配列(#1〜#4)の図示裏側において内壁18の上部側を#4気筒から#1気筒に向かって流れる。そして#1気筒側にてシリンダヘッド側の冷却水流路へと上昇する。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).伝熱調節装置2は、シリンダブロック14にてボア18a〜18dが存在する側である内壁18の上部側も下部側も共に気筒間の区画は行っておらず、冷却水は気筒毎に区分けされることなく気筒配列方向に流れる。
(イ).伝熱調節装置2は、シリンダブロック14にてボア18a〜18dが存在する側である内壁18の上部側も下部側も共に気筒間の区画は行っておらず、冷却水は気筒毎に区分けされることなく気筒配列方向に流れる。
下方被覆部材4は、内壁18の下部側を覆っているので、内壁18の下部側は、外壁20側からウォータジャケット16へ流入する冷却水流に直接曝されることはないが、内部で燃焼が行われる内壁18の上部側は流入する冷却水流に直接曝されるので、下部側よりも冷却されやすい。このため各ボア18a〜18dの上下での温度差を抑制できる。
そして下方被覆部材4の外面には、冷却水の流動下流方向に行くほど、下部から上部へと上昇する傾斜面6a,8aを形成するものとして、上方誘導部材6,8が形成されている。この上方誘導部材6,8の存在により、気筒配列方向の複数箇所、ここでは2カ所にて内壁18の下部側から昇温程度の低い冷却水が、内壁18の上部側へ誘導される。
すなわち外壁20側から流入する冷却水は、まず1カ所(上流側の短い方の上方誘導部材6)にて内壁18の上部側へ誘導される。このことにより内壁18の上部側における冷却水の昇温抑制あるいは低温化が生じ、かつ流量が増加して、内壁18の上部側での冷却が効果的に行われ、各気筒のボア18a〜18d上下の温度差を一層抑制できると共に、気筒間での温度差も抑制できる。
更に気筒配列方向に他の上方誘導部材(ここでは下流側の長い方の上方誘導部材8)が存在することにより、再度、内壁18の上部側には内壁18の下部側から昇温程度の低い冷却水が誘導されて上昇してくる。このことにより、既に内壁18の上部側を流れることにより昇温した冷却水に比較的低温の冷却水が混合して、内壁18の上部側を流れる冷却水の昇温抑制あるいは低温化を行うことができる。このためウォータジャケット16の下流においてもボア18a〜18dの上部を十分に冷却させることができ、気筒間にてもボア18a〜18dの温度差を抑制できる。
このようにして#1〜#4気筒毎に冷却水を区分けすることなく、各気筒でのボア18a〜18dの上下の温度差のみでなく、気筒間での温度差も抑制できる。
(ロ).下方被覆部材4の上端には、ウォータジャケット16内を上下に分割する上下区画部材10,12が形成されている。更に、この上下区画部材10,12には、上方誘導部材8により内壁18の上部側へ誘導される冷却水を、上下区画部材10,12より上のウォータジャケット16へ導入する開口部24が形成されている。
(ロ).下方被覆部材4の上端には、ウォータジャケット16内を上下に分割する上下区画部材10,12が形成されている。更に、この上下区画部材10,12には、上方誘導部材8により内壁18の上部側へ誘導される冷却水を、上下区画部材10,12より上のウォータジャケット16へ導入する開口部24が形成されている。
このことにより上方誘導部材8により上方へ誘導される冷却水は容易に上下区画部材10,12よりも上の空間に移動することができ、再度、ウォータジャケット16内で、内壁18の上部側に低温の冷却水を導入して、内壁18の上部側を流れる冷却水の温度抑制あるいは低温化させることができる。
特に、上下区画部材10,12により、下方被覆部材4に覆われている内壁18の下部側と、下方被覆部材4に覆われていない内壁18の上部側とに、冷却水の流れを確実に分離することができるので、ボア18a〜18dの上下での温度差抑制調節をより確実なものとすることができる。
[実施の形態2]
本実施の形態の伝熱調節装置102の構成を図8,9に示す。図8の(A)は伝熱調節装置102の平面図、(B)は左側面図、(C)は正面図、(D)は右側面図、(E)は底面図である。図9の(A)は伝熱調節装置102の斜視図、(B)は背面図、(C)は(A)とは異なる方向から見た斜視図である。図10は伝熱調節装置102を車両搭載用4気筒内燃機関に組み付けた後の部分破断図、図11は図10に示したY−Y線での断面図である。
本実施の形態の伝熱調節装置102の構成を図8,9に示す。図8の(A)は伝熱調節装置102の平面図、(B)は左側面図、(C)は正面図、(D)は右側面図、(E)は底面図である。図9の(A)は伝熱調節装置102の斜視図、(B)は背面図、(C)は(A)とは異なる方向から見た斜視図である。図10は伝熱調節装置102を車両搭載用4気筒内燃機関に組み付けた後の部分破断図、図11は図10に示したY−Y線での断面図である。
本実施の形態の伝熱調節装置102が前記実施の形態1と異なるのは、ウォータジャケット116の下流側において、下方被覆部材104の上端が低くされている。このため下流側の上下区画部材112は上流側の上下区画部材110よりもボア118a〜118dの軸方向において下方に配置されている。したがって下流側の上方誘導部材108の長さは前記実施の形態1の場合よりも短くされている。他の構成については前記実施の形態1と同じである。
このような構成により、図10に破線にて示すごとく流入口122から流入する冷却水は、まず上流側の上方誘導部材106により下方被覆部材104に覆われている内壁118の下部側における冷却水流の上半分ほどが下方被覆部材104にて覆われていない内壁118の上部側に誘導される。このことにより前記実施の形態1の場合と同様に、流入口122から直接内壁118の上部側に到達している冷却水に合流して、高速な流れとなって下流に向かうことになる。
そして上下区画部材110の最下流部分を通過すると、そこは上下区画部材110と上下区画部材112との切れ目として開口部124が斜めに形成されている。この開口部124の上下区画部材112側における端部からは上方誘導部材108が、傾斜状態でウォータジャケット116のほぼ底部まで達した状態に配置されている。したがって内壁118の下部側を流れて来た冷却水流を内壁118の上部側へ誘導し、#1気筒から#4気筒へと内壁118の上部側を流れて昇温した冷却水流と合流させることができる。
この合流により温度抑制あるいは温度低下され、かつ大流量となって高速化した冷却水流は、この後、図10に示した気筒配列(#1〜#4)の図示裏側において内壁118の上部側、ここでは表側より広くなっている上下区画部材112の上側を#4気筒から#1気筒に向かって流れる。そして#1気筒側にてシリンダヘッド側の冷却水流路へと上昇する。
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)及び(ロ)の効果を生じる。更に、開口部124よりも下流側において、図11に示したごとく内壁118の上部側、すなわち上下区画部材112の上部側では冷却水流路が広くされているので、合流して流量が増加しても圧力損失を大きく高めることなく円滑な流れを維持できる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)及び(ロ)の効果を生じる。更に、開口部124よりも下流側において、図11に示したごとく内壁118の上部側、すなわち上下区画部材112の上部側では冷却水流路が広くされているので、合流して流量が増加しても圧力損失を大きく高めることなく円滑な流れを維持できる。
[実施の形態3]
本実施の形態の伝熱調節装置202の構成を図12,13に示す。図12の(A)は伝熱調節装置202の平面図、(B)は左側面図、(C)は正面図、(D)は右側面図、(E)は底面図である。図13の(A)は伝熱調節装置202の斜視図、(B)は背面図、(C)は(A)とは異なる方向から見た斜視図である。図14は伝熱調節装置202の構成を示す分解斜視図、図15は伝熱調節装置202を車両搭載用4気筒内燃機関に組み付けた後の部分破断図、図16は図15に示したZ−Z線での断面図、図17は部分拡大図である。
本実施の形態の伝熱調節装置202の構成を図12,13に示す。図12の(A)は伝熱調節装置202の平面図、(B)は左側面図、(C)は正面図、(D)は右側面図、(E)は底面図である。図13の(A)は伝熱調節装置202の斜視図、(B)は背面図、(C)は(A)とは異なる方向から見た斜視図である。図14は伝熱調節装置202の構成を示す分解斜視図、図15は伝熱調節装置202を車両搭載用4気筒内燃機関に組み付けた後の部分破断図、図16は図15に示したZ−Z線での断面図、図17は部分拡大図である。
本実施の形態の伝熱調節装置202は前記実施の形態1とは次の点が異なる。すなわち、図16に示したごとく下方被覆部材204と内壁218との間には間隙250,252が設けられている。そして下方被覆部材204には流動方向の中間、ここでは#4気筒の位置で径方向に段差254が形成されている。このことにより上流側の間隙250よりも下流側の間隙252の方が幅広くされている。
更に段差254よりも上流側にて下方被覆部材204の上端部分には流動抵抗板256が上方に突出して形成されている。この流動抵抗板256の上端は内壁218の上端部と同じ高さに達している。
本実施の形態の2つの上下区画部材210,212の内で上流側の上下区画部材210は、その上流側に近い中間部にて短い上方誘導部材206が接続され、この上方誘導部材206より上流側では上下区画部材210は幅が狭く形成されている。そしてこの上下区画部材210は下流側の端部にて内側に切欠き210aを形成している。図15に示したごとくシリンダブロック214に伝熱調節装置202が取り付けられて上下区画部材210の内側が内壁218の外周面に接触すると、この切欠き210aは、流動抵抗板256よりも上流側において上下区画部材210の上部側と間隙250とを接続する連通口258を形成する。
下流側の上下区画部材212は、その上流側に近い中間部にて長い上方誘導部材208が接続され、この上方誘導部材208より上流側では上下区画部材212は幅が狭く形成されている。このため上方誘導部材208に誘導された内壁218の下部側の冷却水は、流動抵抗板256及び上下区画部材212に阻止されることなく、下流側の上下区画部材212の上部空間に流入できる。
このような構成により、まず短い上方誘導部材206にて内壁218の上部側、すなわち上流側の上下区画部材210の上部に導入された冷却水は、図17に示したごとく#4気筒に至ると、流動抵抗板256の存在により連通口258から間隙250,252内に流入する。そしてこれと入れ替わって、流動抵抗板256より下流においては、#4気筒まで内壁218の下部側にて下方被覆部材204の外側を流れていた冷却水が、内壁218の上部側、すなわち下流側の上下区画部材212の上部側に上昇して流れることになる。
以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(イ).このように冷却水の流れの途中で昇温程度の低い冷却水と入れ替えることによっても、前記実施の形態1の(イ)及び(ロ)と同様な効果を生じる。又、冷却水の合流でなく入れ替えであることから、上流側の上下区画部材210と下流側の上下区画部材212とで上部側の断面積が同一でも圧力損失を抑えて円滑な流れを維持できる。
(イ).このように冷却水の流れの途中で昇温程度の低い冷却水と入れ替えることによっても、前記実施の形態1の(イ)及び(ロ)と同様な効果を生じる。又、冷却水の合流でなく入れ替えであることから、上流側の上下区画部材210と下流側の上下区画部材212とで上部側の断面積が同一でも圧力損失を抑えて円滑な流れを維持できる。
[実施の形態4]
本実施の形態の伝熱調節装置302の構成を図18,19に示す。図18の(A)は伝熱調節装置302の平面図、(B)は左側面図、(C)は正面図、(D)は右側面図、(E)は底面図である。図19の(A)は伝熱調節装置302の斜視図、(B)は背面図である。図20は伝熱調節装置302を車両搭載用4気筒内燃機関に組み付けた後の部分破断図、図21は図20に示したS−S線での断面図である。
本実施の形態の伝熱調節装置302の構成を図18,19に示す。図18の(A)は伝熱調節装置302の平面図、(B)は左側面図、(C)は正面図、(D)は右側面図、(E)は底面図である。図19の(A)は伝熱調節装置302の斜視図、(B)は背面図である。図20は伝熱調節装置302を車両搭載用4気筒内燃機関に組み付けた後の部分破断図、図21は図20に示したS−S線での断面図である。
本実施の形態の伝熱調節装置302が前記実施の形態1と異なるのは、上下区画部材が存在しない点である。他の構成については前記実施の形態1と同じである。
このような構成により、図20に破線にて示すごとく流入口322から流入する冷却水は、まず上流側の上方誘導部材306により下方被覆部材304に覆われている内壁318の下部側における冷却水流の上半分ほどが下方被覆部材304にて覆われていない内壁318の上部側に誘導される。このことにより流入口322から直接内壁318の上部側に到達している冷却水に合流して内壁318側から伝熱されつつ下流に向かうことになる。そして#4気筒の位置にて、ウォータジャケット316のほぼ底部まで達している上方誘導部材308が、内壁318の下部側を流れて来た冷却水流を内壁318の上部側へ誘導する。このことにより#1気筒から#4気筒へと内壁318の上部側を流れて昇温した冷却水流に低温の冷却水流を合流させることができる。
このような構成により、図20に破線にて示すごとく流入口322から流入する冷却水は、まず上流側の上方誘導部材306により下方被覆部材304に覆われている内壁318の下部側における冷却水流の上半分ほどが下方被覆部材304にて覆われていない内壁318の上部側に誘導される。このことにより流入口322から直接内壁318の上部側に到達している冷却水に合流して内壁318側から伝熱されつつ下流に向かうことになる。そして#4気筒の位置にて、ウォータジャケット316のほぼ底部まで達している上方誘導部材308が、内壁318の下部側を流れて来た冷却水流を内壁318の上部側へ誘導する。このことにより#1気筒から#4気筒へと内壁318の上部側を流れて昇温した冷却水流に低温の冷却水流を合流させることができる。
この合流により内壁318の外周面に直接接触する冷却水の昇温抑制、あるいは温度低下が生じ、この後、図20に示した気筒配列(#1〜#4)の図示裏側を#4気筒から#1気筒に向かって流れる。そして#1気筒側にてシリンダヘッド側の冷却水流路へと上昇する。
以上説明した本実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。
(イ).上下区画部材が存在しないが、内壁318の上部側で内壁318の外周面に直接接触した冷却水は昇温により密度が低下して、上部側を流れようとするので、内壁318の下部側の冷却水とは混合しにくい。しかし、流れの途中にて上方誘導部材308にて下部側の低温の冷却水を上昇させて、上部側の冷却水と混合させることにより上部側の昇温抑制あるいは低温化させることができる。このことにより、より簡便な構成にて前記実施の形態1の(イ)と同等の効果を生じさせることができる。
(イ).上下区画部材が存在しないが、内壁318の上部側で内壁318の外周面に直接接触した冷却水は昇温により密度が低下して、上部側を流れようとするので、内壁318の下部側の冷却水とは混合しにくい。しかし、流れの途中にて上方誘導部材308にて下部側の低温の冷却水を上昇させて、上部側の冷却水と混合させることにより上部側の昇温抑制あるいは低温化させることができる。このことにより、より簡便な構成にて前記実施の形態1の(イ)と同等の効果を生じさせることができる。
[その他の実施の形態]
(a).前記各実施の形態においては、上方誘導部材は冷却水の流動方向に2カ所設けられていたが、3つ以上設けても良い。例えば、前記実施の形態1の構成を、図22,23に示すごとく変更しても良い。すなわち4つの上方誘導部材406,407,408,409を、4つの上下区画部材410,411,412,413の各上流側端部から下方被覆部材404にかけて配置している。尚、上方誘導部材406〜409は下流に配置したものほど下方に長くされている。
(a).前記各実施の形態においては、上方誘導部材は冷却水の流動方向に2カ所設けられていたが、3つ以上設けても良い。例えば、前記実施の形態1の構成を、図22,23に示すごとく変更しても良い。すなわち4つの上方誘導部材406,407,408,409を、4つの上下区画部材410,411,412,413の各上流側端部から下方被覆部材404にかけて配置している。尚、上方誘導部材406〜409は下流に配置したものほど下方に長くされている。
このように冷却水流の途中の3カ所にて低温の冷却水を上昇させることで気筒間での温度をより均一化して、その温度差を抑制できる。尚、上方誘導部材は3つでも5つ以上でも良い。前記実施の形態2〜4の構成についても同じである。
(b).低温の冷却水を、より均等に分割して合流させるためには、ウォータジャケット内にて、できるだけ上流側にて分割することが好ましい。このために、例えば前記図22,23の構成に対して、図24に示すごとく気筒配列方向に沿ったガイド板452,454を、中間の上方誘導部材407,408の先端に設けても良い。図24の(A)は斜視図、(B)は正面図である。
(c).前記各実施の形態にて下方被覆部材は、オレフィン系樹脂にて形成されていたが、ウォータジャケット内が内燃機関運転時に高温状態となっても形状が維持できるものであれば良い。例えば、ポリアミド系熱可塑性樹脂(PA66、PPA等)、オレフィン系熱可塑性樹脂(PP)、ポリフェニレンサルファイド系熱可塑性樹脂(PPS)等の比較的剛性の高い樹脂にて形成することができる。尚、更に剛性を高めるためにガラス繊維等にて補強しても良い。又、次に述べる上方誘導部材及び上下区画部材と同じ材質を用いても良い。
前記各実施の形態にて上方誘導部材及び上下区画部材は、オレフィン系エラストマーにて形成されていたが、ゴム状弾性体やその他の柔軟な樹脂にて形成することが好ましい。例えばゴム状弾性体としては加硫ゴム系のEPDM、シリコーン等、オレフィン系の熱可塑性エラストマー等である。上方誘導部材及び上下区画部材は特に冷却水に対して耐久性のある材質のものを選択する。又、上述した下方被覆部材と同じ材質を用いても良い。
(d).下方被覆部材に対する上方誘導部材及び上下区画部材の結合は、接着、熱かしめ、嵌合、溶着、射出成形等による一体成形、機械的固定(ハトメ、クリップ等)のいずれか、あるいはこれらの組み合わせによりなされ、このことにより一体の伝熱調節装置が実現できる。尚、特に一体化する必要はなく、ウォータジャケット内に配置して全体として、伝熱調節装置の機能を発揮すれば良い。
(e).前記各実施の形態では、下方被覆部材の外周面に上方誘導部材の縁部を取り付けた形状としたが、傾斜面のみを下方被覆部材の外周面に段差状に形成することで、下方被覆部材に上方誘導部材を兼ねさせた構成としても良い。
2…伝熱調節装置、4…下方被覆部材、4a…内周面、4b…外周面、6,8…上方誘導部材、6a,8a…傾斜面、10,12…上下区画部材、14…シリンダブロック、16…ウォータジャケット、18…内壁、18a,18b,18c,18d…ボア、18e…外周面、20…外壁、22…流入口、24…開口部、102…伝熱調節装置、104…下方被覆部材、106,108…上方誘導部材、110,112…上下区画部材、116…ウォータジャケット、118…内壁、118a,118b,118c,118d…ボア、122…流入口、124…開口部、202…伝熱調節装置、204…下方被覆部材、206,208…上方誘導部材、210,212…上下区画部材、210a…切欠き、214…シリンダブロック、218…内壁、250,252…間隙、254…段差、256…流動抵抗板、258…連通口、302…伝熱調節装置、304…下方被覆部材、306,308…上方誘導部材、316…ウォータジャケット、318…内壁、322…流入口、404…下方被覆部材、406,407,408,409…上方誘導部材、410,411,412,413…上下区画部材、452,454…ガイド板。
Claims (6)
- 複数シリンダが形成されたシリンダブロックの外壁と内壁との間に設けられている溝状熱媒体流路内に配置されることで、該溝状熱媒体流路内を流れる冷却用熱媒体と前記内壁との間での伝熱状態を調節する内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置であって、
前記外壁側から前記溝状熱媒体流路へ流入して前記溝状熱媒体流路内を気筒配列方向に流れる冷却用熱媒体に対して、前記内壁の下部側を覆い、前記内壁の上部側を露出する下方被覆部材と、
前記溝状熱媒体流路内に設けられて、前記下方被覆部材の外側を流れる冷却用熱媒体を、前記内壁の上部側へ誘導する上方誘導部材と、
を備えたことを特徴とする内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置。 - 請求項1において、前記上方誘導部材は気筒配列方向の複数箇所に設けられていることを特徴とする内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置。
- 請求項2において、前記下方被覆部材の上端には、前記溝状熱媒体流路を上下に分割する上下区画部材が形成されていると共に、該上下区画部材には、前記上方誘導部材により前記内壁の上部側へ誘導される冷却用熱媒体を、前記上下区画部材より上の前記溝状熱媒体流路へ導入する開口部が形成されていることを特徴とする内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置。
- 請求項2又は3において、前記下方被覆部材の上端は、気筒配列方向にて前記冷却用熱媒体の流動下流方向に行くほど、前記上方誘導部材が配置されている位置通過毎に次第に低くされていることを特徴とする内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置。
- 請求項3において、前記下方被覆部材は、間隙を介して前記内壁の下部側を覆うと共に、前記開口部よりも前記冷却用熱媒体の流動上流側にて前記上下区画部材より上の前記溝状熱媒体流路には流動抵抗板が配置され、該流動抵抗板より流動上流側には前記上下区画部材の上部側と前記間隙とを接続する連通口が前記上下区画部材に形成されていることを特徴とする内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置。
- 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記上方誘導部材は、前記下方被覆部材の外面にて、前記冷却用熱媒体の流動下流方向に行くほど、下部から上部へと上昇する傾斜面を形成するものであることを特徴とする内燃機関冷却用熱媒体伝熱調節装置。
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