JP2008127408A - 無機フィラー含有樹脂組成物ならびにその成形品 - Google Patents
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Abstract
熱可塑性樹脂成形品の耐熱性や剛性、射出成形品のそり防止やシート成形品の高比重化のため、微粒子の沈降性炭酸カルシウムを熱可塑性樹脂に溶融混練した後、各種成形方法により得られた成形品が良好な機械物性や光沢を発現させることができる。
【課題】炭酸カルシウムを熱可塑性樹脂に高濃度に含有せしめ、得られた成形品に良好な機械物性ならびに光沢を付与する。
【解決手段】平均粒子径が0.05〜1.0μmの沈降性炭酸カルシウムを熱可塑性樹脂に溶融混練し、熱可塑性樹脂で一般的に用いられている方法により成形された成形品が、良好な機械物性や光沢が得られることを特徴とする。
【選択図】なし
【課題】炭酸カルシウムを熱可塑性樹脂に高濃度に含有せしめ、得られた成形品に良好な機械物性ならびに光沢を付与する。
【解決手段】平均粒子径が0.05〜1.0μmの沈降性炭酸カルシウムを熱可塑性樹脂に溶融混練し、熱可塑性樹脂で一般的に用いられている方法により成形された成形品が、良好な機械物性や光沢が得られることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、無機フィラーである炭酸カルシウムが水酸化カルシウムスラリーに炭酸ガスを吹き込んで製造される沈降性炭酸カルシウムであり、その平均粒子径が0.05〜1.0μmであることを特徴とし、更に熱可塑性樹脂に溶融混練した後、更に成形加工されることを特徴とする無機フィラー含有樹脂組成物ならびにその成形品に関する。
熱可塑性樹脂に無機フィラーを含有せしめ、溶融混練の後ペレット化し、更に溶融成形により包装用フイルム、建材用シート、パイプや窓枠等の異形押出品などの押出成形品、自動車内装品や機械部品等の射出成形品などあらゆる成形方法により多くの成形品を得ることが出来ることは周知の事実である。また、無機フィラーを含有せしめた成形品は、フィラーを添加しない、即ち熱可塑性樹脂のみで成形した成形品に比べると表面外観の改質、耐熱性の改善、引張強度や曲げ弾性率といった機械物性の向上、成形品価格の低減、廃棄された成形品の焼却時の燃焼温度や燃焼カロリーの低減、フイルム、シート成形品のブロッキング防止や摩擦係数改善、射出成形品の収縮率抑制によるそり防止、成形品の高比重化などの種々の機能が発現されることも周知の事実である。
無機フィラーの中でも特に普遍的に用いられる物質は炭酸カルシウム、含水ケイ酸マグネシウム(タルク)、カオリンクレー、硫酸バリウム、ゼオライトであり、その中でも炭酸カルシウムは安価であり且つ製造方法により多くの特性を有するグレードが多数存在することから、フイルム、シート、異形押出成形品、射出成形品問わず多くの分野に用いられている。しかしながら熱可塑性樹脂に炭酸カルシウムを高濃度に含有せしめ、耐熱性や剛性、射出成形品のそり防止やシート成形品の高比重化を図る場合、そのグレードによっては引張伸びや衝撃値、光沢が著しく悪化することも事実であるため、これらデメリットを改善することが可能な炭酸カルシウムを選定し熱可塑性樹脂に溶融混練することも必要となる。
特開平5−139728号公報
本発明は熱可塑性樹脂に炭酸カルシウムを高濃度に充填せしめた成形品であっても、それによるデメリット、例えば引張伸びや衝撃値、光沢の悪化を最小限に抑えることを目的とする。
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と無機フィラーを一般的に溶融混練可能な装置により得られ、また、本発明の成形品についても熱可塑性樹脂の一般的な成形方法により製造されることを特徴とする。
本発明の樹脂組成物ならびにその成形品は、平均粒子径が0.05〜1.0μmであり、酸化カルシウムスラリーに炭酸ガスを吹き込んで製造されるコロイド炭酸カルシウムを用いることにより、熱可塑性樹脂に高濃度に溶融混練し、成形加工しても引張伸びや衝撃値、光沢の悪化を最小限に抑えることが可能である。
まず、本発明の熱可塑性樹脂について説明する。熱可塑性樹脂とは常温で固体であり、且つ固有の融点や軟化点を有し、モノマーの重合により得られた繰り返し単位を有するポリマーである(カッコ内は一般的な略称)。代表的な熱可塑性樹脂としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、スチレン・ブタジエン・アクリロ二トリル三元共重合体(ABS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)ポリビニルアルコール(PVA)、アイオノマー樹脂、フッ素系樹脂(PVDF PTFEなど)、ポリアセタール(POM),熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ウレタン(TPU)、液晶ポリマー(LCP)、生分解樹脂(PLA、PBSA)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリメチルペンテン(PMP)、石油系樹脂、環状ポリオレフィン、ポリイミド、ならびにこれら樹脂同士の共重合体やカルボン酸やそのエステルなどの官能基をポリマー骨格に導入したグラフト重合体が挙げられる。
これら熱可塑性樹脂に無機フィラーをはじめとする物質を溶融混練する方法は、熱可塑性樹脂をそれぞれの融点ないしは軟化点以上に加熱することによりせん断力を加えながら目的とする物質を加え溶融混練する方法が一般的に用いられる。ここで言う物質とは無機フィラーのみならず各種添加剤、例えば酸化防止剤、老化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、スリップ剤、染料や顔料を分散加工した着色剤、難燃剤、発泡剤、消臭剤、抗菌剤、防かび剤等で熱可塑性樹脂の溶融混練温度に耐えうる耐熱性を有するものであれば構わない。
本発明に用いられる炭酸カルシウムは以下の特徴を有している。炭酸カルシウムの製法による分類は大きく分けて天然物の粉砕品である重質炭酸カルシウムと、石灰石を焼成し得られた生石灰(CaO)に水を加えて生成される石灰乳(Ca(OH)↓2)に炭酸ガスを吹き込んだ後に生成された沈降性炭酸カルシウムの2種類がある。特に沈降性炭酸カルシウムはその生成時の反応条件を調整することにより様々な平均粒子径や粒子形状のものを生成させることが可能である。
また、本発明で用いられる沈降性炭酸カルシウムの平均粒子径は0.05〜1.0μm、であることが望ましい。尚、ここで言う平均粒子径とは遠心沈降法の粒度分布での50%通過粒子系のことである。平均粒子径が0.05μmを下回ると、成形品に添加された状態での機械物性や光沢は向上するものの、熱可塑性樹脂に高濃度で溶融混練する際にかさ密度や吸油量が大きくなりすぎ、溶融混練時に樹脂との濡れを充分にするために多大な時間とエネルギーを使うことがネックとなり望ましくなく、平均粒子径が1.0μmを上回ると前述の熱可塑性樹脂との溶融混練時の問題は解消されるものの、成形品の機械物性、例えばフイルムにした際の引張強伸びの低下が著しいこと、光沢が悪化することがあり望ましくないためである。
本発明に用いられる炭酸カルシウムは熱可塑性樹脂に溶融混練する際に樹脂との濡れ性を改善すべく普遍的な手法により表面処理を施したものであっても構わない。ここで言う表面処理とは高級脂肪酸、例えばステアリン酸やパルミチン酸、オレイン酸ないしはのアルキルエステル、アミド、特許文献1記載のα−β不飽和カルボン酸やそのエステルと共重合して得られたコポリマーかカルボキシル変性樹脂を炭酸カルシウム表面に被覆した後に有機シラン化合物を被覆することにより分散性に優れた炭酸カルシウムが得られることが記載されている。
次に、溶融混練方法について述べる。ここで言う溶融混練方法とは熱可塑性を加熱し可塑化する機能と、せん断力を加えることにより前述の物質を混練し、熱可塑性樹脂中に均一に分散せしめる機能を併せ持つことが必要である。具体的にはバッチ式混練機としてニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、バンバリーミキサー等が挙げられ、連続式混練機としては単軸押出機、2軸押出機、FCM、コニーダー等が挙げられる。これら溶融混練機は用いる樹脂種ないしはロットスケール、添加する物質の含有量により逐次使い分けることが望ましい。
[実施例]
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「%」は、「重量%」を表す。
[実施例1〜3]
表1に示す配合組成で、配合物を予め高速撹拌機(スーパーミキサーFM20型 内容量=20L カワタ社製)に7kg投入後、羽根回転数=2000rpmにて3分間混合した。得られた混合物は2軸押出機(口径30mm、L/D=32)にてシリンダ温度180℃、スクリュー回転数280rpmにて溶融混練し、直径3mm、長さ3mmの円柱状ペレットを作成した。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「%」は、「重量%」を表す。
[実施例1〜3]
表1に示す配合組成で、配合物を予め高速撹拌機(スーパーミキサーFM20型 内容量=20L カワタ社製)に7kg投入後、羽根回転数=2000rpmにて3分間混合した。得られた混合物は2軸押出機(口径30mm、L/D=32)にてシリンダ温度180℃、スクリュー回転数280rpmにて溶融混練し、直径3mm、長さ3mmの円柱状ペレットを作成した。
得られたペレットはさらにTダイ付きフルフライトスクリュー装填の単軸押出機(口径=30mmL/D=32)にてシリンダ・ダイ温度200℃にて幅130mm、厚さ0.3mmの高比重シートを成形し、水中置換法による比重を測定の後、JIS K6760に規定された2号型引張試験片を打ち抜き、成形品流れ方向(MDと記載)と成形品流れ垂直方向(TDと記載)についての引張速度=50mm/分での引張伸びを測定した。またフイルムの光沢を目視評価した。
[比較例1〜3]
表2に示す配合組成で実施例と同様の所作をおこなった。
[比較例1〜3]
表2に示す配合組成で実施例と同様の所作をおこなった。
表1に示す方法では、シートの引張伸びがMD、TD問わず良好であり、シートの光沢も良好であるのに対し、表2に示す方法ではシートの引張伸びが表1に示す方法に比べ悪化しているばかりか、MD、TDの差が大きくなっていることがわかる。また、光沢も表1に示す方法に比べ悪化していることがわかる。
Claims (3)
- 熱可塑性樹脂40〜85重量%、コロイド炭酸カルシウム15〜60重量%を含有することを特徴とする樹脂組成物。
- コロイド炭酸カルシウムの平均粒子径が0.05〜1.0μmであることを特徴とする請求項1の樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載された樹脂組成物を用いてなる成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006310897A JP2008127408A (ja) | 2006-11-17 | 2006-11-17 | 無機フィラー含有樹脂組成物ならびにその成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006310897A JP2008127408A (ja) | 2006-11-17 | 2006-11-17 | 無機フィラー含有樹脂組成物ならびにその成形品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008127408A true JP2008127408A (ja) | 2008-06-05 |
Family
ID=39553589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006310897A Pending JP2008127408A (ja) | 2006-11-17 | 2006-11-17 | 無機フィラー含有樹脂組成物ならびにその成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008127408A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009263224A (ja) * | 2008-04-04 | 2009-11-12 | Maruo Calcium Co Ltd | コロイド炭酸カルシウム填剤及びその製造方法、並びに該填剤を配合してなる樹脂組成物 |
-
2006
- 2006-11-17 JP JP2006310897A patent/JP2008127408A/ja active Pending
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JP2009263224A (ja) * | 2008-04-04 | 2009-11-12 | Maruo Calcium Co Ltd | コロイド炭酸カルシウム填剤及びその製造方法、並びに該填剤を配合してなる樹脂組成物 |
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